JP2011017601A - 粒子画像流速測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒子画像流速測定装置において、トレーサ粒子の流れ場への追従性を損なわず、かつ人体の健康への悪影響を回避しながら測定精度を高める。
【解決手段】 物体の周囲の流れ場に含まれるトレーサ粒子に所定波長のレーザー光を照射して反射光を撮像手段で撮像し、得られたトレーサ粒子の画像に基づいて流れ場の流速を測定する。その際に、物体の蛍光性の塗膜33がレーザー光により励起されて該レーザー光の波長と異なる波長の蛍光を発生するため、レーザー光がトレーサ粒子に反射された反射光の波長だけを通過させるフィルタ34を用いてCCDカメラ32Aで撮像することで、トレーサ粒子の画像のS/N比を高めて物体の反射光の影響を除去し、流速の測定精度を高めることができる。しかもトレーサ粒子に蛍光性を与える必要がないので、トレーサ粒子の重量が増加して流れ場への追従性が低下することも、有害な蛍光物質を含むトレーサ粒子が拡散して人体に悪影響を及ぼすこともない。
【選択図】 図8

Description

本発明は、物体の周囲の流れ場に含まれるトレーサ粒子に所定波長のレーザー光を照射して反射光を撮像手段で撮像し、得られたトレーサ粒子の画像に基づいて流れ場の流速を測定する粒子画像流速測定装置に関する。
トレーサ粒子が含まれる流体の流れ場に2次元状のレーザーシートを微小な時間差を有する2時刻において照射し、各々の時刻におけるレーザーシート内のトレーサ粒子の画像をカメラで撮像し、それらの2時刻の画像に基づいてレーザーシート内のトレーサ粒子の速度を測定するPIV(Particle Image Velocimetry)が知られている。
ところで、レーザーシートに照射されたトレーサ粒子を撮像手段で撮像する際に、その背景となる物体に反射された反射光がトレーサ粒子に反射された反射光と共に撮像手段により撮像されてしまうと、物体からの反射光がノイズとなって反射光のS/N比が低下してしまい、流速の測定精度が低下する問題がある。
この問題を解決するために、シリカ(SiO2 )の固体粒子よりなるトレーサ粒子に蛍光材料を含浸させることでレーザー光を励起光とする蛍光を発生させ、この蛍光の波長だけを通過させるフィルタを介してトレーサ粒子を撮像することで、背景となる物体に反射された反射光を遮断してトレーサ粒子の鮮明な画像を得るものが、下記特許文献1により公知である。
特開平5−297014号公報
ところで上記特許文献1に記載されたものは、トレーサ粒子に蛍光材料を含浸させるので、トレーサ粒子の重量増加により流体の流れに対する追従性が悪くなって測定精度が低下する問題がある。また蛍光材料として挙げられているローダミンやカドミウムは人体に対する毒性があるが、それを含浸したトレーサ粒子が空気中に浮遊して人体に吸い込まれる可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、粒子画像流速測定装置において、トレーサ粒子の流れ場への追従性を損なわず、かつ人体の健康への悪影響を回避しながら測定精度を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、物体の周囲の流れ場に含まれるトレーサ粒子に所定波長のレーザー光を照射して反射光を撮像手段で撮像し、得られたトレーサ粒子の画像に基づいて流れ場の流速を測定する粒子画像流速測定装置において、前記物体は入射したレーザー光の波長を変化させて反射する蛍光性の表面を有しており、前記撮像手段は前記所定波長を選択的に通過させるフィルタを介してトレーサ粒子の反射光を撮像することを特徴とする粒子画像流速測定装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記物体の表面は平滑な艶有り表面であることを特徴とする粒子画像流速測定装置が提案される。
尚、実施の形態の第1、第2第1CCDカメラ32A,32Bは本発明の撮像手段に対応する。
請求項1の構成によれば、物体の周囲の流れ場に含まれるトレーサ粒子に所定波長のレーザー光を照射して反射光を撮像手段で撮像し、得られたトレーサ粒子の画像に基づいて流れ場の流速を測定する。その際に、物体の蛍光性の表面がレーザー光により励起されて該レーザー光の波長と異なる波長の蛍光を発生するため、レーザー光がトレーサ粒子に反射された反射光の波長だけを通過させるフィルタを用いて撮像することで、トレーサ粒子の画像のS/N比を高めて物体の反射光の影響を除去し、流速の測定精度を高めることができる。しかもトレーサ粒子に蛍光性を与える必要がないので、トレーサ粒子の重量が増加して流れ場への追従性が低下することも、有害な蛍光物質を含むトレーサ粒子が拡散して人体に悪影響を及ぼすこともない。
また請求項2の構成によれば、レーザー光は物体の表面の平滑な艶有り表面で乱反射することなく鏡面反射するので、鏡面反射された反射光が撮像されないように撮像手段を配置しておけば、トレーサ粒子からの反射光だけを撮像して流速の測定精度を更に高めることができる。
風洞に設けられた粒子画像流速測定装置の全体平面図。 図1の2部拡大図。 図2の3−3線拡大断面図。 図3の4−4線断面図。 レーザーシートおよびCCDカメラのZ軸方向の移動の説明図。 第1、第2時刻の画像からピークレシオを算出する過程の説明図。 第1、第2ピークのレシオと誤ベクトルの数との関係を示す図。 一般の塗膜および蛍光性の塗膜の反射光の差異の説明図。 粗面および平滑面の反射光の差異の説明図。
以下、図1〜図9に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、所定の流速の空気の一様流が供給される風洞11の内部に例えば自動車車体の模型のような物体12が置かれており、その上流側に設置されたトレーサ粒子供給手段13から直径が数μmの微小な油滴(トレーサ粒子)が一様流中に供給される。一様流は物体12の表面に沿って流れの向きを変え、3次元の速度場を形成する。風洞11の壁面の少なくとも一部には透明な観測窓14が設けられており、この観測窓14を挟んで物体12に臨む位置に粒子画像流速測定装置15が配置される。
図2〜図4に示すように、粒子画像流速測定装置15は風洞11の軸線と平行に配置された主ガイドレール21と、主ガイドレール21と平行に配置された副ガイドレール22と、主ガイドレール21に移動自在に支持された主トラバーサ23と副ガイドレール22に移動自在に支持された一対の第1、第2副トラバーサ24A,24Bと、主トラバーサ23および第1副トラバーサ24Aを連結する第1連結ロッド25Aと、主トラバーサ23および第2副トラバーサ24Bを連結する第2連結ロッド25Bとを備えており、第1、第2連結ロッド25A,25Bは同じ長さを有している。
主ガイドレール21の両端に設けられた駆動スプロケット26および従動スプロケット27に無端のタイミングベルト28が巻き掛けられており、その一方の弦部は主トラバーサ23の一方の貫通孔23a(図4参照)に相対移動不能に係合し、その他方の弦部は主トラバーサ23の他方の貫通孔23b(図4参照)を非係合で通過する。駆動スプロケット26をモータ29(図3および図4参照)で駆動すると、従動スプロケット27との間に巻き掛けたタイミングベルト28が回転し、主トラバーサ23は主ガイドレール21に沿って移動する。主トラバーサ23が移動すると、それに第1、第2連結ロッド25A,25Bを介して連結された第1、第2副トラバーサ24A,24Bが副ガイドレール22に沿って移動する。
主ガイドレール21の延長線上にレーザヘッド30が設けられており、レーザヘッド30は主ガイドレール21に沿ってレーザービームLbを照射する。主トラバーサ23の上面にミラーおよびシリンドリカルレンズよりなるレーザーシート照射手段31が設けられており、レーザーシート照射手段31はレーザービームLbをそれに直交する平面を照射するレーザーシートLsに変換する。レーザービームLbおよび風洞11の軸線はZ軸方向に延び、レーザーシートLsはZ軸方向に対して直交するX軸およびY軸方向に延びている。
第1、第2副トラバーサ24A,24Bの上面にそれぞれ第1、第2CCDカメラ32A,32Bが設けられており、第1、第2CCDカメラ32A,32BはレーザーシートLsに対して鏡面対称な位置に配置されて該レーザーシートLs上の一点を指向している。第1、第2CCDカメラ32A,32Bは物体12の近傍のレーザーシートLsの所定領域を撮像するものであり、その撮像領域の全域でピントが合うように第1、第2CCDカメラ32A,32Bにはシャインフルーグアダプタが設けられる。レーザーシート照射手段31を搭載した主トラバーサ23と、第1、第2CCDカメラ32A,32Bを搭載した第1、第2副トラバーサ24A,24Bとは一定の位置関係を保ってZ軸方向に移動するため、レーザーシートLsと第1、第2CCDカメラ32A,32Bとは一定の位置関係を保ってZ軸方向に移動する。
主トラバーサ23および第1、第2副トラバーサ24A,24BはZ軸方向に所定距離ずつ間欠的に移動し、停止する度にレーザーシートLsが短い時間間隔Δtで2回照射される。実施の形態ではZ軸方向の1mの距離を10cm間隔で間欠的に移動する(図5参照)。前記時間間隔Δtは風洞11内の一様流の流速が高いほど小さく設定されるもので、その間のトレーサ粒子のZ軸方向の移動距離が測定に適した大きさになるように調整される。また前記時間間隔Δtにおけるトレーサ粒子のZ軸方向の移動距離は、レーザーシートLsのZ軸方向の厚さを超えないように設定される。
風洞11内を流れる一様流は物体12の周囲で方向を変えて3次元流となり、そこに含まれるトレーサ粒子も空気の流線に沿って移動する。時刻t1における1回目の照射に同期して第1、第2CCDカメラ32A,32BがレーザーシートLsに照射されたトレーサ粒子を撮像することで、照射面内に分布するトレーサ粒子の2方向からの2枚の画像を取得する。同様にして、時刻t1′=t1+Δtにおける2回目の照射に同期して第1、第2CCDカメラ32A,32BがレーザーシートLsに照射されたトレーサ粒子を撮像することで、照射面内に分布するトレーサ粒子の2方向からの2枚の画像を取得する。
本実施の形態では、PIVの種々の手法のうち、2時刻t1,t1′において取得した二つの画像の輝度パターンを比較してトレーサ粒子群の移動ベクトルを求める「画像相関法」を採用する。
図6には、例えば第1CCDカメラ32Aで2時刻において取得した二つの画像が示される。第1CCDカメラ32Aの軸線はレーザーシートLsの照射面に対して傾斜しているため、その画像のx−y平面はレーザーシートLsの照射面のX−Y座標に対して傾いている。四角い枠は、第1CCDカメラ32Aの画像を碁盤目状に分割した検査領域の一つであり、各々の検査領域においてトレーサ粒子群のx−y平面内の移動ベクトルが算出される。即ち、時刻t1に取得した第1画像の所定の検査領域におけるトレーサ粒子群の輝度パターンが、時刻t1′に取得した第2画像の所定の検査領域のどの位置に移動したかを相互相関値C(Δx,Δy)を用いて検出し、その移動ベクトルを時間Δtで除算したものを該検査領域における2成分速度ベクトルとする。以下、その2成分速度ベクトルの算出過程を説明する。
先ず、第1ピーク値fpおよび第2ピーク値spの初期値を共に0に設定する。
fp←0
sp←0
続いて、次式で定義される相互相関値C(Δx,Δy)を算出する。
Figure 2011017601
ここで、f(x,y)は第1画像の輝度パターンから求めた輝度関数であり、g(x,y)は第2画像の輝度パターンから求めた輝度関数である。よって、g(x+Δx,y+Δy)は、g(x,y)の輝度分布をx軸方向に−Δxだけ移動させ、y軸方向に−Δyだけ移動させたものに相当する。従って、Δx,Δyは時間間隔Δtにおける輝度パターンの移動量に対応する。
各検査領域は、一辺の長さがpの正方形のピクセルがx軸方向にn個、y軸方向にn個集合したものであり、Δxをpからnpまで掃引し、かつΔyをpからnpまで掃引しながら、相互相関値C(Δx,Δy)を算出する。そして相互相関値C(Δx,Δy)が現第1ピーク値fpを超える度に、相互相関値C(Δx,Δy)を新第1ピーク値fpとし、現第1ピーク値fpを新第2ピーク値spとする。
このようにしてΔxおよびΔyの全ての値について相互相関値C(Δx,Δy)を算出したとき、最終的な第1ピーク値fpが得られたΔxおよびΔyの値を第1画像から第2画像への輝度パターンの移動量とする。そしてΔx,Δyを第1、第2画像が取得された時間間隔Δtで除算したものが、その検査領域における2成分速度ベクトルのx成分およびy成分であるvx,vyとなる。
このとき、第1画像と第2画像との相関度が高い場合には、第1ピーク値fpは突出して大きくなり、第2ピーク値spは第1ピーク値fpに対して遥かに小さくなるが、第1画像と第2画像との相関度が低い場合には、第1ピーク値fpおよび第2ピーク値spの差は小さくなる、このような場合にはΔxおよびΔyに基づいて求めた2成分速度ベクトルの信頼性が低くなる。
そこで本実施の形態では、第1ピーク値fpおよび第2ピーク値spの比であるピークレシオfp/spを算出し、ピークレシオfp/spが閾値1.2以上の場合、つまり第1ピーク値fpが第2ピーク値spに対して1.2倍以上であれば、2成分速度ベクトルの信頼性が高いと判断し、逆に第1ピーク値fpが第2ピーク値spに対して1.2倍未満であれば、2成分速度ベクトルの信頼性が低いと判断し、その2成分速度ベクトルを誤ベクトルとして削除する。
図7の横軸はピークレシオであり、縦軸は誤ベクトルの数である。このグラフから、ピークレシオが1.2以上の領域で誤ベクトルの数が極めて少なく、ピークレシオが1.2未満の領域で誤ベクトルの数が急激に増加することが分かる。
以上、第1CCDカメラ32Aで2時刻t1,t1′において取得した二つの画像から各検査領域における2成分速度ベクトルを算出する手法を説明したが、同様にして、第2CCDカメラ32Bで2時刻t1,t1′において取得した二つの画像を比較することで、各検査領域における3成分速度ベクトルを算出することができる。
第1CCDカメラ32Aの画像から得られた検査領域の2成分速度ベクトルと、第2CCDカメラ32Bの画像から得られた該検査領域の2成分速度ベクトルとは、第1、第2CCDカメラ32A,32Bの撮像方向が異なっていることにより、つまり実際の3成分速度ベクトルを異なる方向から見た視差により異なったものとなる。
よって前記二つの2成分速度ベクトルと、レーザーシートLsに対する第1、第2CCDカメラ32A,32Bの相対的な位置関係とから、キャリブレーション(校正)によりレーザーシートLsの面内速度(X軸方向の速度VxおよびY軸方向の速度Vy)と、面外速度(Z軸方向の速度Vz)とよりなる3成分速度ベクトルを、照射面の各位置に対応して算出することができる。
以上のようにしてレーザーシートLsの照射面内における3成分速度ベクトルが算出されると、主トラバーサ23および第1、第2副トラバーサ24A,24Bを一定の位置関係を保ってZ軸方向に移動させることで、つまりレーザーシートLsおよび第1、第2CCDカメラ32A,32Bを一定の位置関係を保ってZ軸方向に移動させることで、レーザーシートLsでZ軸方向にずれた照射面を照射し、その新たな照射面の各位置における3成分速度ベクトルを算出する。図1には、粒子画像流速測定装置15の照射面が物体12の前端(上流端)側の位置にある状態が実線で示され、物体12の後端(下流端)側の位置にある状態が鎖線で示される。
この操作をZ軸方向に所定距離ずつ離間する複数の照射面について実行した結果をZ軸方向に積み重ねることで、物体12の周囲の3次元空間の全ての3成分速度ベクトルを測定することができ、これより物体12の周囲に形成される速度場を詳細に測定することができる。
尚、レーザーシートLsの位置を軸線Z方向に移動させながら照射面に分布するトレーサ粒子の画像を順次取得するため、各画像が取得された時刻は異なったものとなるが、物体の周囲の流れを定常流として計測するため、前記時刻のずれは問題とはならない。
ところで、仮に第1、第2CCDカメラ32A,32Bの位置を固定し、レーザーシート照射手段31だけをZ軸方向に移動させた場合、レーザーシート照射手段31の移動に伴って第1、第2CCDカメラ32A,32Bとの相対的な位置関係が変化するため、第1、第2CCDカメラ32A,32Bの画像から得られた二つの2成分速度ベクトルから3成分速度ベクトルを算出する際のキャリブレーションがレーザーシートLsの位置を移動させる毎に異なってしまい、そのキャリブレーション工数が増加する問題がある。
しかしながら本実施の形態によれば、レーザーシート照射手段31および第1、第2CCDカメラ32A,32Bが一定の位置関係を保ってZ軸方向に移動するため、レーザーシートLsの位置が移動する度にキャリブレーションを実行する必要をなくしてキャリブレーション工数を軽減することができる。
ところで、図8(B)に示すように、本実施の形態では物体12の表面が蛍光性を有する塗膜33が塗装されており、その塗膜33はレーザー光照射手段31から照射された波長532nmのレーザー光により励起し、波長560nm〜640nmの蛍光となって反射される。第1、第2CCDカメラ32A,32Bの前方には、レーザー光の波長532nmを選択的に通過させるフィルタ34,34が装着される。
図8(A)に示す従来例では、物体12の表面が通常の塗料で塗装されており、その塗膜33′にレーザー光が照射されると、その一部が吸収光となって吸収され、他の一部が反射光となって反射され、残りの一部が散乱光となって反射される。従って、反射光の一部および散乱光の一部がトレーサ粒子からの反射光と共に第1、第2CCDカメラ32A,32Bに撮像されてS/N比を低下させる原因となっていた。
図8(B)に示す本実施の形態では、物体12の表面が蛍光性の塗膜33で塗装されており、レーザー光の照射により塗膜33が励起されて反射光としての蛍光を発する。その際に、照射されたレーザー光の波長である532nmに対して、反射光の波長は560nm〜640nmに変化するため、発生した蛍光の分だけ反射光および散乱光の強度は低くなる。
しかして、レーザーシート照射手段31から照射された波長532nmのレーザー光は、その一部が吸収光となって吸収され、他の一部が波長532nmの反射光となって反射され、残りの一部が波長532nmの散乱光となって反射され、他の残りの一部は波長560nm〜640nmに変化した反射光(蛍光)となる。波長560nm〜640nmに変化した反射光(蛍光)は、第1、第2CCDカメラ32A,32Bの前方のフィルタ34,34を通過するときに大部分がフィルタリングされ、波長が532nmのままの反射光の一部および散乱光の一部だけが第1、第2CCDカメラ32A,32Bに撮像される。
本実施の形態では、反射光および散乱光の強度はレーザー光の一部が蛍光に変化した分だけ弱くなっているため、第1、第2CCDカメラ32A,32Bに撮像される物体12からのノイズは従来に比べて小さくなり、トレーサ粒子の画像のS/N比を高めてトレーサ粒子の鮮明な画像を得ることができ、レーザーシートLsの内部の3次元速度ベクトルを精度良く検出することが可能になる。
また図9(A)に示す従来例のように、物体12の塗膜33′の表面が艶無し(粗面)の状態であると、レーザー光は殆ど鏡面反射せずに大部分が散乱するため、散乱光の一部が必ず第1、第2CCDカメラ32A,32Bに撮像されてトレーサ粒子の画像のS/N比が低くなる問題がある。
それに対して、図9(B)に示す本実施の形態では、物体12の塗膜32の表面が艶有り(平滑面)の状態であるため、レーザー光は大部分が鏡面反射して殆ど散乱せず、鏡面反射したレーザー光が第1、第2CCDカメラ32A,32Bに撮像されないように、該第1、第2CCDカメラ32A,32Bの位置を前記反射光が直接撮像されない位置に調整することで、トレーサ粒子の画像のS/N比を更に高めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、物体12を塗装する塗膜33に蛍光性を与えたので、有害な蛍光物質を含むトレーサ粒子が拡散して人体に悪影響を及ぼすことがなく、しかもトレーサ粒子自体に蛍光性を与える必要がないので、トレーサ粒子の重量が増加して流れ場への追従性が低下することもない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では第1、第2CCDカメラ32A,32Bを用いたステレオPIVを採用しているが,本発明は1台のCCDカメラを用いたPIVに対しても適用することができる。
また実施の形態では物体12の表面を塗装する塗膜33に蛍光性を与えているが、蛍光性を有するフィルムやテープで物体の表面を被覆しても良い。
12 物体
32A 第1CCDカメラ(撮像手段)
32B 第3CCDカメラ(撮像手段)
34 フィルタ

Claims (2)

  1. 物体(12)の周囲の流れ場に含まれるトレーサ粒子に所定波長のレーザー光を照射して反射光を撮像手段(32A,32B)で撮像し、得られたトレーサ粒子の画像に基づいて流れ場の流速を測定する粒子画像流速測定装置において、
    前記物体(12)は入射したレーザー光の波長を変化させて反射する蛍光性の表面を有しており、前記撮像手段(32A,32B)は前記所定波長を選択的に通過させるフィルタ(34)を介してトレーサ粒子の反射光を撮像することを特徴とする粒子画像流速測定装置。
  2. 前記物体(12)の表面は平滑な艶有り表面であることを特徴とする、請求項1に記載の粒子画像流速測定装置。
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