JP2011016926A - エポキシ化合物、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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正史 梶
Tomomi Fukunaga
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Abstract

【課題】耐熱性、耐湿性、接着性、寸法安定性、機械的強度等に優れる硬化物を与え、積層、成形、注型、接着等の用途に有用なエポキシ化合物、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】特定のトリフェノールとエピクロロヒドリンより得られるエポキシ化合物、およびエポキシ樹脂及び硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分としてこのエポキシ化合物て配合してなるエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、耐湿性、接着性、寸法安定性、機械的強度等に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂及びそれを用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関し、半導体封止材、回路基板、コーティング材料及び複合材料等に好適に使用されるものである。
近年、特に先端材料分野の進歩にともない、より高性能なベースレジンの開発が求められている。例えば、車載用半導体に代表される半導体封止の分野においては、高密度実装化に対応した寸法安定性、表面実装化に求められる半田リフロー性等に加えて、過酷な使用環境に対応するための高温信頼性の向上が要求されている。
しかしながら、従来から知られているエポキシ樹脂に、これらの要求を満足するものはない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ樹脂は、常温で液状であり、作業性に優れていることや、硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。また、耐熱性を改良したものとして、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性や耐衝撃性に問題がある。
そこで、特許文献1には耐湿性、耐衝撃性の向上を目的に、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されているが耐熱性の点で十分ではない。また、特許文献2には高耐熱性を目的に2価フェノールのアラルキル型エポキシ化合物が提案されているが耐湿性の点で十分でない。更に、特許文献3にナフトールアラルキル型エポキシ化合物が提案されているが、依然、耐熱性の点で十分ではない。また、耐熱性に優れたものとして、文献4にトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が開示されているが、硬化物が脆い欠点がある。
特開昭63−238122号公報 特開昭64−79215号公報 特開平3−90075号公報 特開平1−252624号公報
従って、本発明の目的は、耐熱性、耐湿性、接着性、寸法安定性、機械的強度等に優れ、積層、成形、注型、接着等の用途に有用なエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びの硬化物を提供することにある。
すなわち、本発明は下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物である。
Figure 2011016926
(但し、一般式(1)において、Aは上記式(a)で表される3価のトリフェニレン構造を示し、nは0〜10の数、Gはグリシジル基を示す。式(a)において、R1、R2は水素原子又は炭素数1〜9の炭化水素基を示す。)
また本発明は、下記一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物とエピクロロヒドリンを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法である。
Figure 2011016926
(但し、R1、R2は水素原子又は炭素数1〜9の炭化水素基を示す。)
更に本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として上記エポキシ化合物を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物である。また更に、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
本発明のエポキシ樹脂組成物又は硬化物は、耐熱性、耐湿性、接着性、寸法安定性、機械的強度等に優れた性質を有し、電気絶縁材料の用途に適する。そのため、本発明のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、耐湿性、耐熱性、接着性、低誘電性、耐候性、透明性、寸法安定性、機械的強度等に優れ、半導体封止、積層板、コーティング材料及び複合材料等の用途に好適に使用することができる。
ヒドロキシ化合物のH−NMRチャート エポキシ樹脂のGPCチャート エポキシ樹脂のH−NMRチャート エポキシ樹脂の赤外吸収スペクトル
本発明のエポキシ化合物は、一般式(1)で表される。本発明のエポキシ化合物の製造方法は、一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物とエピクロロヒドリンを反応させる。本発明の製造方法で得られるエポキシ化合物は、一般式(1)で表されるエポキシ化合物又はこれを主成分とするエポキシ化合物である。なお、一般式(1)で表されるエポキシ化合物において、nが異なる成分を含む場合をエポキシ樹脂ともいうが、本明細書でいうエポキシ化合物はこのようなエポキシ樹脂及びnが0であるような単一のエポキシ化合物の両者を含む意味で使用される。
本発明のエポキシ化合物は、一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物とエピクロロヒドリンを反応させることにより得られるが、エポキシ化合物の発明においては、製造方法はこれに限定されない。しかし、製造方法の発明を説明することによって、本発明のエポキシ化合物の理解が容易となるので、製造方法の発明から説明する。
一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物において、R1、R2は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基である。低粘度性の観点からは、水素原子またはメチル基が好ましく、耐湿性、難燃性、高接着性の観点からは、フェニル基、ベンジル基、スチリル基、インデニル基が好ましいが、取扱い性と硬化物物性のバランスからは、水素原子またはメチル基が最も好ましい。また、Meはメチル基である。そして、一般式(2)のR1、R2、Meは、一般式(1)のR1、R2、Meと同じ意味を有する。
このようなヒドロキシ化合物は、例えば、フェノール類とクロロアセトン(ClCH2COCH3)を反応させることにより得ることができる。フェノール類としては、具体的にはフェノール、2‐メチルフェノール、3‐メチルフェノール、4‐メチルフェノール、2,6‐ジメチルフェノール、エチルフェノール類、アリルフェノール類、ベンジルフェノール類、スチリルフェノール類等が挙げられる。これらのフェノール類は単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。また、一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物は、R1、R2が水素原子のヒドロキシ化合物とした後に、アルキル化剤等を用いて、炭化水素基を導入する方法により得ることができる。
本発明のエポキシ化合物は、一般式(1)で表されるエポキシ化合物であり、一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物とエピクロロヒドリンと反応させることにより得ることができる。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物を過剰のエピクロロヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50〜150℃、好ましくは、60〜120℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この際の、アルカリ金属水酸化物の使用量は、ヒドロキシ化合物中の水酸基1モルに対して、0.8〜2モル、好ましくは、0.9〜1.2モルの範囲である。また、エピクロロヒドリンはヒドロキシ化合物中の水酸基に対して過剰に用いられるが、通常、ヒドロキシ化合物中の水酸基1モルに対して、1.5〜25モル、好ましくは、2〜15モルの範囲である。反応終了後、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。このエポキシ樹脂は一般式(1)で表されるエポキシ化合物を主成分とするが、当然のことながら生成したエポキシ化合物中のエポキシ基が出発原料であるヒドロキシ化合物中の水酸基と反応してエーテル結合を介してオリゴマー化したものも含まれる。
一般式(1)において、nは0〜10の数であるが、平均のnは数平均として、0〜1の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0〜0.5であることがよい。また、nが0である単一のエポキシ化合物であることも好ましい。なお、一般式中のAはnが0である場合、3個のOG基を有するので、一つのA中の3個のOG基がエーテル結合を生成してオリゴマー化したものが少量生成する可能性があるが、それらが含まれても差し支えない。
上記のような製造方法で得られるエポキシ化合物中の一般式(1)で表されるエポキシ化合物におけるnが0のエポキシ化合物の含有率は、通常、50wt%以上であるが、低粘度性の観点からは70wt%以上、さらに好ましくは80wt%以上である。また、100wt%又はそれに近い含有率であることもよい。一般式(1)で表されるエポキシ化合物を単離する必要がある場合は公知の方法で単離するが、電気絶縁材料用のエポキシ樹脂組成物等に使用する場合等の用途には、上記のエポキシ化合物のままで使用してもよい。
本発明のエポキシ化合物は一般式(1)におけるnが0である3官能性のエポキシ化合物を主たる成分とすれば、耐熱性、寸法安定性に優れた特徴を有するとともに、トリフェニレン構造を有することから、可撓性、耐湿性にも優れた性質を有し、硬化剤を配合して電気絶縁材料用のエポキシ樹脂組成物として好適に使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなり、エポキシ樹脂成分として一般式(1)で表されるエポキシ化合物を必須成分として配合したものである。また、上記製造方法で得られるエポキシ化合物をエポキシ樹脂成分として配合することもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必須成分として使用される上記エポキシ化合物以外に、エポキシ樹脂成分として分子中にエポキシ基を2個以上有する他のエポキシ化合物(エポキシ樹脂)を併用してもよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フルオレンビスフェノール、2,2’−ビフェノール、レゾルシン、カテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノン、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に必須成分として用いる一般式(1)で表されるエポキシ化合物の配合割合は、全エポキシ樹脂の50wt%以上であり、好ましくは70wt%以上、より好ましくは90wt%以上である。これより少ないと硬化物とした際の耐熱性等の物性向上効果が小さい。
硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。これらを具体的に例示すれば、次のようである。本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’‐ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス‐(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、更にはフェノール類、ナフトール類又は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’‐ビフェノール、2,2’‐ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。また、一般式(2)で表されるヒドロキシ化合物も使用できる。
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
アミン類としては、4,4’‐ジアミノジフェニルメタン、4,4’‐ジアミノジフェニルプロパン、4,4’‐ジアミノジフェニルスルホン、m‐フェニレンジアミン、p‐キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂、等のオリゴマー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の各種添加剤を配合してもよい。
無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、又はマイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ、等が挙げられ、顔料としては、有機系又は、無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。また、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を配合してもよい。
更に必要に応じて、公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等がある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部の範囲である。
本発明の硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工し得ることができる。硬化物を生成する際の温度は、通常、120〜220℃の範囲である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例
2000mlの4口フラスコにフェノール750g、クロロアセトン73.8gをイソプロパノール400mLに溶解させた後、濃硫酸8gを加えて、窒素気流下、攪拌しながら40℃にて12時間反応させた。反応後、生成物を大量の水に投入し、析出した結晶物をろ過により回収した。得られた結晶物をトルエンにて再結晶を行い、白色結晶112.5gを得た。GPC測定における純度は95.8%、融点は257.3℃であった。H−NMR(図1)およびFDMS測定により生成物が1,2,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであることを確認した。
ここで、融点とは昇温速度10℃/分でDSC測定を行った際の吸熱ピーク温度である。また、GPC測定は、装置;日本ウォーターズ(株)製、515A型、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件に従った。
実施例1
参考例で得たヒドロキシ化合物80gをエピクロロヒドリン1180gに溶解し、減圧下(約120mmHg)、60℃にて48.8%水酸化ナトリウム水溶液53.7gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロロヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロロヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、更に1時間反応を継続した。その後、エピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン350mLに溶解した後、ろ過により生成した塩を除いた。イオン交換水にて水洗を行った後、メチルイソブチルケトンを留去し、エポキシ樹脂A115gを得た。エポキシ当量は175であり、ICIコーンプレート法に基づく150℃での溶融粘度は0.052Pa・s、加水分解性塩素は620ppmであった。なお、ここで加水分解性塩素は、樹脂試料0.5gを1,4−ジオキサン30mlに溶解させたものを1N?KOH/メタノール溶液5mlで30分間煮沸還流したものを用い、硝酸銀溶液で電位差滴定を行うことにより求めた。
得られたエポキシ樹脂AのGPCチャートを図2に示す。GPC測定結果から、一般式(1)においてnが0であるエポキシ化合物の含有率は82wt%、一般式(2)のヒドロキシ化合物がエポキシ基の開環により生成したヒドロキシエーテル基を介して二量化したもの(n=1)が8wt%、その他10wt%であった。また、重クロロホルム中で測定したH−NMRチャートおよび赤外吸収スペクトルの測定結果をそれぞれ図3および図4に示すが、いずれも一般式(1)に対応したエポキシ化合物の生成を支持している。
実施例2及び比較例1
エポキシ樹脂として、実施例1で合成したエポキシ樹脂(エポキシ樹脂A)、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂B:エポキシ当量 170、軟化点 59℃)、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C:日本化薬製、EOCN−1020、エポキシ当量 200、軟化点 54℃)を用い、硬化剤としてフェノ−ルノボラック(硬化剤:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 80℃)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、表1に示す配合でミキシングロールにて80℃で溶融混合しエポキシ樹脂組成物を得た。なお、表中の数値は配合における重量部を示す。このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃にて成形し、140℃にて3時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を表1に示す。
ガラス転移点および線膨張係数は、セイコーインスツルメンツ(株)製TMA120C型熱機械測定装置により、昇温速度10℃/分の条件で求めた。破壊靱性は、3点曲げ法により測定した。吸水率は、直径50mm、厚さ3mmの試験片を用い、ポストキュア後133℃、3atmの条件で96時間吸湿させた時の重量変化率とした。
Figure 2011016926

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物。
    Figure 2011016926
    (但し、Aは式(a)で表される3価のトリフェニレン構造を示し、R1、R2は水素原子又は炭素数1〜9の炭化水素基を示し、nは0〜10の数、Gはグリシジル基を示す。)
  2. 下記一般式(2)、
    Figure 2011016926
    (但し、R1、R2は水素原子又は炭素数1〜9の炭化水素基を示す。)で表されるヒドロキシ化合物とエピクロロヒドリンを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
  3. エポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として請求項1に記載のエポキシ化合物を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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