JP2011016884A - 熱膨張性マイクロスフェアー及びその製造方法、添加剤並びに成形体 - Google Patents

熱膨張性マイクロスフェアー及びその製造方法、添加剤並びに成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に特に優れ、高温で保持したときの収縮度合いが小さく、かつ、高温で加工する用途でも早期発泡を抑制できる熱膨張性マイクロスフェアー及びその製造方法、添加剤並びに成形体を提供する。
【解決手段】ニトリル基及びカルボキシル基を有し、加熱によりこれらの少なくとも一部がポリメタクリルイミド構造を形成する共重合体、又はアクリロニトリル系重合体等からなる外殻2に、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素からなる発泡剤3を内包させて、熱膨張性マイクロスフェアー1とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱により体積が膨張する熱膨張性マイクロスフェアー及びその製造方法、並びにこの熱膨張性マイクロスフェアーを使用した添加剤及び成形体に関する。より詳しくは、熱膨張性マイクロスフェアーの耐熱性を向上させるための技術に関する。
熱膨張性マイクロスフェアーは、揮発性の発泡剤を、重合体からなる外殻でマイクロカプセル化したものであり、熱膨張性マイクロカプセルとも呼ばれている。この熱膨張性マイクロスフェアーを製造する際は、例えば、水系分散媒体中で、重合性単量体と発泡剤を含有する重合性混合物との懸濁重合を進行させて、発泡剤を内包するように外殻(シェル)を形成する。
一般に、熱膨張性マイクロスフェアーの外殻を形成する重合体には、ガスバリア性が良好で、かつ加熱により軟化する熱可塑性樹脂が用いられる。また、発泡剤としては、一般に、外殻を形成する重合体の軟化点以下の温度でガス状になる炭化水素等の低沸点化合物が用いられる。
熱膨張性マイクロスフェアーを加熱すると、発泡剤が気化し、その膨張する力が外殻に作用すると共に、外殻を形成する重合体の弾性率が急激に減少するため、ある温度を境にして急激な膨張が起きる。この温度を「発泡開始温度」といい、加熱温度が発泡開始温度以上になると、前述した膨張現象により中空の球状粒子(独立気泡体)が形成される。その後、更に温度を上げると、外殻の厚さが薄くなり、発泡剤成分が透過するようになるため、内圧が低下して球状粒子が収縮する(へたり現象)。
また、熱膨張性マイクロスフェアーは、加熱により膨張して中空の球状粒子を形成する特性を利用して、意匠性付与剤、機能性付与剤及び軽量化剤等の広範な分野で用いられている。その一方で、従来の熱膨張性マイクロスフェアーは、発泡開始温度領域が狭く、かつ、比較的低温で膨張を開始することから、耐熱性等の加工特性の改善が求められている。
例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等の合成樹脂に添加して用いられる場合には、発泡開始温度が低いと、成形前の混練加工やペレット化等の加工時に早期膨張しやすいため、加工温度を低くしなければならず、適用できる合成樹脂やゴムの種類が制限される。このため、合成樹脂、特にエンジニアリングプラスチック等の加工温度の高い合成樹脂に適用する場合は、熱膨張性マイクロスフェアーの耐熱性に対する要求水準が高く、その特性改善が強く求められている。
そこで、従来、耐熱性を向上させた熱膨張性マイクロスフェアーが提案されている(特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献1に記載のマイクロスフェアーでは、加熱によりポリメタクリルイミド構造を形成する共重合体で外殻を構成することによって、耐熱性を向上させて、発泡挙動を安定化している。
また、特許文献2、3に記載の熱膨張性マイクロカプセルでは、カレンダー成形、押出成形及び射出成形等にも使用可能とするため、ニトリル系モノマー、非ニトリル系モノマー、金属カチオン及び架橋剤を含有するビニル系モノマーの重合体で外殻を形成することで、最大発泡温度を200℃以上にしている。
国際公開第2007/072769号パンフレット 特開2007−191690号公報 特開2008−133366号公報
しかしながら、前述した従来の技術には、以下に示す問題点がある。即ち、特許文献1に記載の技術のように、外殻を耐熱性に優れた熱可塑性樹脂で形成した場合、最大発泡温度を280℃程度にまで上げることができるが、260〜270℃で保持したときのへたりが大きいため、より高温で加工する合成樹脂への適用は難しい。
また、特許文献2,3に記載のマイクロカプセルは、外殻に金属カチオンが含まれているため、熱安定性の低下、着色及び腐食等の問題点がある。更に、このような金属カチオンを含むマイクロカプセルを使用した成形体は、塗装剥がれが生じやすいという問題点もある。
そこで、本発明は、耐熱性に特に優れ、高温で保持したときの収縮度合いが小さく、かつ、高温で加工する用途でも早期発泡を抑制できる熱膨張性マイクロスフェアー及びその製造方法、添加剤並びに成形体を提供することを主目的とする。
本発明に係る熱膨張性マイクロスフェアーは、重合体からなる外殻に、揮発性の発泡剤が内包されたマイクロスフェアーであって、前記発泡剤として、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素を使用するものである。
本発明においては、発泡剤が、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素であるため、従来よりも発泡開始温度及び最大発泡温度が高くなる。このため、高温で加工する用途に使用しても、へたりが少なく、早期発泡も発生しにくい。
また、前記軽質パラフィン系炭化水素は、軽質イソパラフィン系炭化水素であってもよい。
このマイクロスフェアーでは、例えば、最大発泡温度(Tmax)を290℃以上とすると共に、発泡開始温度(Tstart)を230℃よりも高くすることができる。
また、最大発泡温度よりも50℃低い温度(Tmax−50℃)で25分間保持したときの変位量dと、最大発泡温度(Tmax)での変位量dとの比(d/d)を、0.7以上にすることもできる。
更に、前記軽質パラフィン系炭化水素は、炭素数が6〜13の炭化水素及び炭素数が15〜30の炭化水素からなる群から選択された2種以上の炭化水素からなるものにしてもよい。
一方、前記外殻を構成する重合体は、例えば、ニトリル基及びカルボキシル基を有し、加熱によりこれらの少なくとも一部がポリメタクリルイミド構造を形成する共重合体、又はアクリロニトリル系重合体である。
その場合、前記外殻を構成する重合体を、メタクリロニトリルとメタクリル酸との共重合体とすることもできる。
本発明に係る熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法は、分散安定剤を含有する水系分散媒体中において、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素からなる発泡剤の存在下で、重合性単量体を懸濁重合することにより、重合体からなる外殻内に前記発泡剤を封入する。
本発明においては、発泡剤として、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素を使用しているため、発泡開始温度及び最大発泡温度の両方が高いマイクロスフェアーが得られる。
この熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法では、前記軽質パラフィン系炭化水素として、軽質イソパラフィン系炭化水素を使用してもよい。
また、前記軽質パラフィン系炭化水素は、炭素数が6〜13の炭化水素及び炭素数が15〜30の炭化水素からなる群から選択された1種又は2種以上の炭化水素からなるものであることが望ましい。
更に、前記重合性単量体としては、例えば、ニトリル系単量体、又はニトリル系単量体とカルボキシル基を有する単量体との混合物を使用することができる。
その場合、前記ニトリル系単量体としてアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを使用し、前記カルボキシル基を有する単量体としてメタクリル酸を使用してもよい。
本発明に係る添加剤は、前述した熱膨張マイクロスフェアーを含有するものである。
本発明においては、従来よりも発泡開始温度及び最大発泡温度が高い熱膨張性マイクロスフェアーを含んでいるため、高温で加工する用途に使用しても、へたりが少なく、早期発泡も発生しにくい。
本発明に係る成形体は、前述した熱膨張性マイクロスフェアーを含有するものである。
本発明においては、従来よりも発泡開始温度及び最大発泡温度が高い熱膨張性マイクロスフェアーを使用しているため、230℃を超える温度で加工しても、安定して独立気泡を含む成形体を得ることができる。これにより、従来のマイクロスフェアーでは難しかったポリアミド等のエンジニアリングプラスチックを使用した発泡成形体を製造することも可能となる。
本発明によれば、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素を発泡剤として使用しているため、耐熱性が向上し、高温で保持したときの収縮度合いが小さくなると共に、高温で加工する用途に適用した場合における早期発泡の発生を抑制することができる。
(a)は本実施形態の熱膨張性マイクロスフェアーの構造を示す側面図であり、(b)はその内部構造を示す一部断面斜視図である。 横軸に温度をとり、縦軸に膨張倍率をとって、熱膨張性マイクロスフェアーの膨張挙動を示すグラフ図である。 横軸に温度をとり、縦軸に変位量をとって、実施例1のマイクロスフェアーの膨張挙動を示すグラフ図である。 横軸に保持時間をとり、縦軸に変位量をとって、実施例1のマイクロスフェアーを270℃で保持したときの発泡状態の変化を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。
本発明者は、前述した課題を解決するために鋭意実験研究を行った結果、マイクロスフェアーを高温での加工に適用可能にするためには、その加工温度におけるシェル(外殻)を構成する樹脂の弾性率、発泡剤の膨張圧力及びこれらのバランスが重要であることを見出した。一方、前述した特許文献1〜3に記載されている従来のマイクロスフェアー(マイクロカプセル)では、高温下において、シェルを構成する樹脂の弾性率と発泡剤の膨張圧力とのバランスが適正な範囲になかったため、最大発泡温度が290℃以上の高温発泡のマイクロスフェアーを実現できなかったものと思われる。
そこで、本発明者は、高温下、特に230℃よりも高い温度におけるシェルを構成する樹脂の弾性率と発泡剤の膨張圧力とのバランスについて検討を行い、特定の発泡剤を使用することにより、高温下でのシェルを構成する樹脂の弾性率と発泡剤の膨張圧力とのバランスが良好になることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明に係る熱膨張性マイクロスフェアーの特徴は、重合体からなるシェルに、発泡剤として、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素を内包させたことである。これにより、従来のマイクロスフェアーに比べて、耐熱性を向上させることができると共に、高温で保持した際の収縮度合いを小さくすることができる。
先ず、本発明の第1の実施形態に係る熱膨張性マイクロスフェアーについて説明する。図1(a)は本実施形態の熱膨張性マイクロスフェアーの構造を示す側面図であり、図1(b)はその内部構造を示す一部断面斜視図である。図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態の熱膨張性マイクロスフェアー1は、重合体からなるシェル(外殻)2内に、発泡剤3が封入された構造となっている。そして、このマイクロスフェアー1は、加熱により体積が膨張し、中空の球状粒子を形成する。
<発泡剤3>
本実施形態のマイクロスフェアー1では、発泡剤3として、軽質パラフィン系炭化水素を使用している。軽質パラフィン系炭化水素は、複数の炭化水素化合物からなる混合物であるため、加熱による温度上昇時における蒸気圧の上昇が、単一化合物に比べて緩やかである。この軽質パラフィン系炭化水素を、発泡剤3に使用することにより、シェル2からの急激なガス透過を抑制し、膨張時の収縮度合いを小さくすることができる。
この発泡剤3として使用する軽質パラフィン系炭化水素の50%蒸留温度は180℃以上であり、好ましくは230℃以上、より好ましくは250℃以上、特に好ましくは300℃以上である。なお、50%蒸留温度が180℃未満の軽質パラフィン系炭化水素を使用すると、発泡剤3に起因するガスがシェル2を透過しやすくなるため、収縮度合いが大きくなる。また、ここでいう「50%蒸留温度」とは、JIS K 2254に規定される常圧法蒸留試験方法に基づいて測定した値である。
また、発泡剤3として使用する軽質パラフィン系炭化水素は、軽質イソパラフィン系炭化水素であることが好ましい。イソパラフィン系炭化水素は、分岐状であるため、直鎖状のパラフィン系炭化水素に比べて、シェル2からの散逸が小さい。このため、軽質イソパラフィン系炭化水素を使用することにより、マイクロスフェアー1を高温で保持した際の収縮度合いを、より低減することが可能となる。
更に、発泡剤3には、炭素数が6〜13の炭化水素及び炭素数が15〜30の炭化水素からなる群から選択された2種以上の炭化水素からなる軽質パラフィン系炭化水素を使用することが望ましい。このように、シックハウスの原因物質の1つとして厚生労働省が室内濃度指針値を設定しているテトラデカンが含まれていないものを使用することにより、安全性の高い材料として、内装材用途等にも好適に使用することができる。
なお、発泡剤3として使用する軽質パラフィン系炭化水素は、工業上の取り扱い性の観点から、室温で液体状であることが望ましく、0℃以下、更には−20℃以下でも液体状であることがより望ましい。また、軽質パラフィン系炭化水素は、50%蒸留温度が180℃以上であればよく、目的や用途に応じて適宜選択して使用することができ、2種以上を組み合わせて使用することも可能である。更に、軽質パラフィン系炭化水素と、化学発泡剤とを併用することもできる。
一方、シェル2内に封入される発泡剤3の量が、マイクロスフェアー1の全質量に対して5質量%未満の場合、充分な発泡倍率が得られないことがあり、また、50質量%を超えると、シェルの厚さが薄くなるため、へたりやすくなる。このため、発泡剤3の量は、マイクロスフェアー1の全質量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは7〜40質量%である。これにより、充分な発泡倍率を確保しつつ、へたりにくいマイクロスフェアーを得ることができる。発泡剤3の量をこの範囲にするには、マイクロスフェアー1を製造する際に、シェル2を構成する重合性単量体と、発泡剤3との配合割合を調整すればよい。
<外殻>
シェル2は、耐熱性に優れた重合体で形成することが望ましい。そのような重合体としては、例えば、ニトリル基とカルボキシル基とを備え、加熱等によってこれらの官能基の少なくとも一部が環化してポリメタクリルイミド構造を形成する共重合体、及びアクリロニトリル系重合体が挙げられる。
「加熱等によってポリメタクリルイミド構造が形成される共重合体」は、ニトリル系単量体とカルボキシル基を有する単量体とを共重合することにより得られる。その際使用するニトリル系単量体としては、例えばアクリロニトリル及びメタクリロニトリルが挙げられ、必要に応じて、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル及びフマロニトリル等を併用することもできる。また、カルボキシル基を有する単量体としては、例えばメタクリル酸が挙げられ、必要に応じて、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びシトラコン酸等を併用することもできる。
また、この共重合体においては、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルとメタクリル酸との割合が、モル比で、1:9〜9:1であることが好ましく、より好ましくは1:7〜7:1、さらに好ましくは1:5〜5:1である。なお、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルの割合が少なく、メタクリル酸に対するモル比が、1:9を下回ると、造粒性が低下して、重合中に塊状化することがある。一方、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルの割合が多く、メタクリル酸に対するモル比が、9:1を上回ると、耐熱性が低下して、熱黄変が顕著になることがある。
更に、この共重合体には、ニトリル系単量体及びカルボキシル基を有する単量体と共に、ビニル単量体が共重合されていてもよい。ビニル単量体を加えることにより、シェル2の発泡特性を調整することができる。ただし、共重合する単量体の全質量に対して、ビニル単量体の割合が30質量%を超えると、シェル2の耐熱性が低下するため、ビニル単量体の配合量は0〜30質量%とすることが望ましい。
ニトリル系単量体及びカルボキシル基を有する単量体に共重合可能なビニル単量体としては、例えば、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレンスルホン酸又はそのナトリウム塩、α−メチルスチレン、クロロスチレン等スチレン系単量体、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等のラジカル開始剤により重合反応が進行する単量体及びそれらの混合物が挙げられる。
前述した共重合体においては、加熱等により、ニトリル基とカルボキシル基が環化してポリメタクリルイミド構造を形成するため、架橋性単量体の使用は必須ではないが、架橋性単量体を用いる場合は、2以上の重合性炭素−炭素二重結合(−C=C−)を有する多官能性単量体が好適である。その重合性炭素−炭素二重結合としては、ビニル基、メタクリル基、アクリル基及びアリル基が挙げられる。また、各重合性炭素−炭素二重結合は、同一でも、相互に異なっていてもよい。
シェル2を構成する共重合体に使用される架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル、トリエチレングリコールジアクリレート及びトリエチレングリコールジメタクリレート等のポリエチレン性不飽和カルボン酸エステル、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族両末端アルコール由来のアクリレート又はメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のジビニル化合物等の二官能の架橋性単量体等が挙げられる。
他の架橋性単量体としては、例えば、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリアクリルホルマール等の三官能架橋性単量体、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の四官能以上の架橋性単量体、並びにトリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
なお、架橋性単量体を添加する場合は、相互に異なる2以上の単量体を混合して使用してもよい。ただし、架橋性単量体量が全単量体量あたり1モル%を超えると、マイクロスフェアー1の発泡倍率が著しく低下するため、架橋性単量体の添加量は0〜1モル%とすることが好ましく、より好ましくは0.4モル%以下、特に好ましくは0.3モル%以下である。
一方、アクリロニトリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリルの重合体、又は(メタ)アクリロニトリルとビニル系単量体との共重合体が挙げられる。ここで、(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン及び酢酸ビニル等がある。
このようなアクリルニトリル系重合体としては、(a)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択された少なくとも1種の単量体:30〜100質量%と、(b)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン及び酢酸ビニルからなる群から選択された少なくとも1種の単量体:0〜70質量%とを重合して得られる(共)重合体を使用することが望ましい。なお、(メタ)アクリロニトリルの割合が30質量%未満のアクリルニトリル系重合体を使用すると、耐溶剤性や耐熱性が不十分になることがある。
又は、アクリルニトリル系重合体として、(a−1)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択された少なくとも1種の単量体:51〜100質量%と、(b−2)塩化ビニリデン:0〜40質量%と、(b−2)アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択された少なくとも1種の単量体:0〜48質量%とを重合して得られる(共)重合体を使用することもできる。
又は、アクリルニトリル系重合体として、(a−2)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択された少なくとも1種の単量体:80〜100質量%と、(b−3)塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン及び酢酸ビニルからなる群から選択された少なくとも1種の単量体:0〜20質量%とを重合して得られる(共)重合体を使用してもよい。
次に、前述した構成のマイクロスフェアー1を製造する方法について説明する。本実施形態の熱膨張性マイクロスフェアー1は、分散安定剤を含有する水系分散媒体中において、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素からなる発泡剤の存在下で、重合性単量体を懸濁重合することにより製造することができる。
具体的には、先ず、少なくとも重合性単量体及び50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素(発泡剤3)を含有する油性の重合性単量体混合物と、水系分散媒体とを撹拌混合し、水系分散媒体中に重合性単量体混合物を分散させて、重合性単量体混合物の液滴を形成する。以下、この工程を「造粒工程」という。
この造粒工程により得られる液滴の平均粒径は、目的とするマイクロスフェアー1の平均粒径とほぼ一致させることが好ましく、通常1〜500μm、好ましくは3〜300μm、特に好ましくは、5〜200μmである。
また、得られるマイクロスフェアー1の粒径分布をよりシャープにするためには、水系分散媒体及び重合性単量体混合物を連続式高速回転高剪断型攪拌分散機内に供給し、この攪拌分散機中で両者を連続的に攪拌して分散させた後、得られた分散液を重合槽内に注入し、その内で懸濁重合を行うことが望ましい。
一方、重合性単量体混合物を分散させる水系分散媒体は、通常、分散安定剤や補助安定剤を脱イオン水に配合して調整する。その際使用する分散安定剤としては、例えば、シリカ及び水酸化マグネシウム等の無機微粒子を挙げることができる。また、分散安定剤としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド及び各種乳化剤等の補助安定剤が挙げられる。
これら分散安定剤及び分散補助剤の配合量は、重合性単量体100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることが好ましい。これらの添加量が0.1質量%未満の場合、液滴が不安定となり、造粒できなくなることがある。また、これらの添加量が20質量%を超えると、得られるマイクロスフェアー1の粒度分布がブロードになり、低温で発泡するものの割合が増えることがある。
分散安定剤の好ましい組み合わせの1つとして、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせがある。縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物や、ジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。縮合生成物の酸価は、60以上95未満であることが好ましく、65〜90であることがより好ましい。
また、これらと併せて、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウム等の無機塩を添加してもよい。これにより、マイクロスフェアー1の粒子形状をより均一にすることができる。なお、無機塩としては、通常、食塩が好適に用いられる。
この場合のコロイダルシリカの添加量は、その粒子径によっても変わるが、通常、重合性単量体100質量部に対して、0.5〜20質量部、好ましくは1〜15質量部である。また、縮合生成物は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.05〜2質量部の割合で使用される。更に、無機塩は、重合性単量体100質量部に対して、0〜100質量部の割合で使用される。
分散安定剤の他の好ましい組み合わせとしては、コロイダルシリカと水溶性窒素含有物との組み合わせが挙げられる。これらの中でも、コロイダルシリカとポリビニルピロリドンとの組み合わせが好適である。
また、水酸化マグネシウム及び/又はリン酸カルシウムと乳化剤とを組み合わせてもよい。その場合、分散安定剤として、水溶性多価金属塩化合物(例えば、塩化マグネシウム)と水酸化アルカリ金属(例えば、水酸化ナトリウム)との水相中での反応により得られる難水溶性金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム)のコロイドを用いることもできる。また、リン酸カルシウムとしては、リン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの水相中での反応生成物を使用することができる。更に、乳化剤には、ジアルキルスルホコハク酸塩やポリオキシエチレンアルキル(アリル)エーテルのリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤を使用することができる。
引き続き、重合性開始剤を用いて、重合性単量体の懸濁重合を行う。懸濁重合は、反応槽内を脱気するか又は不活性ガスで置換して、30〜100℃の温度に昇温して行う。また、懸濁重合中、重合温度は一定の温度に制御してもよいし、段階的に昇温してもよい。この懸濁重合工程により、生成重合体から形成されたシェル2内に発泡剤3が封入された構造のマイクロスフェアー1が得られる。
重合時の水相のpHは、使用する分散安定剤や補助安定剤の種類によって適宜設定することができる。例えば、分散安定剤としてコロイダルシリカ等のシリカを使用する場合は、酸性環境下で重合が行われる。水系分散媒体を酸性にするには、必要に応じて酸を加えて、反応系のpHを6以下、好ましくはpH3〜4程度に調整する。一方、水酸化マグネシウムやリン酸カルシウム等の酸性環境下で水系分散媒体に溶解する分散安定剤を使用している場合には、アルカリ性環境下で重合させる。
また、懸濁重合で使用する重合開始剤としては、この技術分野で一般に使用されているものを採用できるが、重合性単量体に可溶性である油溶性重合開始剤が好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、及びアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤のより具体的な例としては、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化ジアルキル;イソブチルパーキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の過酸化ジアシル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α、α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等のパーオキシエステル、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ)−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
これら重合開始剤は、通常、重合性単量体混合物中に含有させるが、早期重合を抑制する必要がある場合には、前述した造粒工程中又は造粒工程後に、その一部又は全部を水系分散媒体中に添加して、重合性単量体混合物の液滴中に移行させてもよい。また、重合開始剤の添加量は、水系分散媒体の質量に対して、0.0001〜3質量%とすることが望ましい。重合開始剤の添加量が0.0001質量%未満の場合、重合速度が低下して重合時間が長くなるため、生産性が低下することがあり、また、3質量%を超えると、単位時間あたりの重合発熱が大きくなり、重合のコントロールが難しくためである。
また、水系分散媒体中に、前述した重合開始剤と併せて、重合助剤を存在させてもよい。この重合助剤としては、例えば、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、アスコルビン酸類及びホウ酸等が挙げられる。これらの化合物の存在下で懸濁重合を行うと、重合時に、重合粒子同士の凝集が抑制されるため、重合物が重合缶壁に付着することがなく、重合による発熱を効率的に除去しながら安定して熱発泡性マイクロスフェアーを製造することができる。
重合助剤として亜硝酸アルカリ金属塩を使用する場合は、入手の容易性や価格の点から、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムが好適である。また、アスコルビン酸類としては、アルコルビン酸、アスコルビン酸の金属塩及びアスコルビン酸のエステル等が挙げられるが、これらの中でも水可溶性のものが好適に用いられる。水溶性アスコルビン酸類の中でも、入手の容易性や価格、作用効果の観点から、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸ナトリウム及びアスコルビン酸カリウムが、特に好適である。なお、水可溶性アルコルビン酸類とは、23℃の水に対する溶解性が1g/100cm以上であるものを指す。
これらの化合物からなる重合助剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部の割合で添加することが望ましい。なお、重合助剤の添加量が0.001質量部の場合、重合粒子同士の凝集を充分に抑制できないことがあり、また、10質量部を超えて添加すると、重合抑制の効果が大きくなりすぎて、発泡性能の低下を招くことがある。
また、水系分散媒体中に前述した各成分を添加する順序は任意であるが、通常は、脱イオン水に、分散安定剤、必要に応じて安定助剤や重合助剤等を加えて水系分散媒体を調整する。更に、発泡剤3、ニトリル系単量体及びカルボキシル基を有する単量体等の重合性単量体、更に必要に応じて添加されるビニル単量体及び架橋性単量体等は、それぞれ別々に水系分散媒体に添加し、水系分散媒体中で一体化して重合性単量体混合物(油性の混合物)を形成してもよいが、通常は、予めこれらを混合してから、水系分散媒体中に添加する。
重合開始剤は、予め重合性単量体に添加して使用することができるが、早期重合を避ける必要がある場合には、例えば、重合性単量体混合物を水系分散媒体中に添加し、攪拌しながら重合開始剤を加え、水系分散媒体中で一体化してもよい。また、重合性単量体混合物と水系分散媒体との混合を別の容器で行って、高剪断力を有する攪拌機や分散機で攪拌混合した後で、重合缶に仕込んでもよい。
懸濁重合工程が終了した後、生成したマイクロスフェアー1を含有する反応混合物を、濾過、遠心分離又は沈降等の方法により処理し、反応混合物からマイクロスフェアー1を分離する。そして、分離したマイクロスフェアー1は、洗浄及び濾過した後、ウェットケーキの状態で回収される。また、必要に応じて、回収されたマイクロスフェアー1の表面を、各種材料でコーティングすることもできる。
次に、本実施形態の熱膨張性マイクロスフェアー1の膨張特性について説明する。図2は横軸に温度をとり、縦軸に膨張倍率をとって、熱膨張性マイクロスフェアー1の膨張挙動を示すグラフ図である。図2に示すように、マイクロスフェアー1を加熱していくと、発泡剤3が気化して内圧が上昇すると共に、シェル2が軟化して、体積の膨張が始まる。そして、加熱温度がこの発泡開始温度(TStart)を超えると、所定の膨張倍率に達するまで、マイクロスフェアー1の体積の増加が続く。
また、この膨張した状態でマイクロスフェアー1を冷却すると、シェル2が固化して、その形状が保持される。一方、膨張倍率が最大となる温度、即ち最大膨張温度(Tmax)を超えて、更に加熱し続けると、シェル2から発泡剤3が漏出して内圧が低下するため、マイクロスフェアー1は収縮する。
本実施形態のマクロフェアー1においては、発泡剤3として、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素を使用しているため、従来品よりも、最大発泡温度(Tmax)及び泡開始温度(Tstart)が高くなっている。具体的には、最大発泡温度(Tmax)が290℃以上であり、かつ発泡開始温度(Tstart)が230℃よりも高くなっている。これにより、加工温度が高い合成樹脂、特に、エンジニアリングプラスチックへの適用が可能となる。
また、軽質パラフィン系炭化水素、特に軽質イソパラフィン系炭化水素は、分子が嵩高く、膨張後にシェル2から漏出しにくいため、本実施形態のマイクロスフェアー1は、従来品に比べて、高温下で保持したときの収縮度合いが小さく、へたりにくい。具体的には、270℃で20分間保持したときの変位量dと、最大発泡温度(Tmax)での変位量dとの比(d/d)を、0.3以上にすることができる。その結果、このマイクロスフェアー1は、射出成形等により成形加工される際に、シリンダ内や成形型内のような高温下で比較的長い時間保持された場合でも、膨張した状態を維持することができる。
本実施形態のマイクロスフェアー1における発泡開始温度(Tstart)は、シェル2の軟化温度を変えることによって、任意に設定することができる。なお、シェル2の軟化温度は、重合体を構成する各単量体の配合割合を変えることにより、調整することができる。例えば、「加熱等によってポリメタクリルイミド構造が形成される共重合体」の場合は、ニトリル基とカルボキシル基の比率が等モルに近づく程、軟化温度が高くなり、発泡開始温度(Tstart)が上昇する。
また、「アクリロニトリル系重合体」の場合は、ニトリル系単量体の比率を高めると、軟化温度が高くなり、発泡開始温度(Tstart)が上昇する。発泡開始温度(Tstart)を上げるには、ニトリル系単量体の中でも、特に、メタクリロニトリルの比率を増やすことが効果的である。なお、発泡開始温度(Tstart)を下げたい場合は、ニトリル系単量体の比率を下げればよい。
また、発泡開始温度(Tstart)の調整には、発泡剤3として使用する軽質パラフィン系炭化水素の種類を変えることも有効である。より高沸点の軽質パラフィン系炭化水素を使用することで、発泡開始温度(Tstart)が高い熱膨張性マイクロスフェアーが得られる。
一方、従来の熱膨張性イクロスフェアーでは、発泡開始温度(Tstart)よりも若干低い温度で加熱すると、発泡開始温度(Tstart)が低下するという現象が見られたが、ニトリル基とカルボキシル基とを備え、加熱等によってこれらの官能基の少なくとも一部が環化してポリメタクリルイミド構造を形成する共重合体、又はアクリロニトリル系重合体によりシェル2を形成することにより、このような発泡開始温度(Tstart)の低下も防止することができる。
このように、本実施形態の熱膨張性マイクロスフェアー1では、発泡剤3として、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素を使用しているため、従来品よりも、最大発泡温度(Tmax)及び泡開始温度(Tstart)を高くすることができると共に、高温で保持したときの収縮度合いを小さくすることができる。これにより、高温で加工する用途においても、早期発泡及びへたりの発生を効果的に抑制することができる。その結果、エンジニアリングプラスチック等の高温で成形する合成樹脂へも適用することが可能となる。
なお、本実施形態の熱膨張マイクロスフェアー1は、発泡剤として使用したり、ポリマー材料と混合して組成物としたりすることができる。また、未発泡のまま熱可塑性樹脂と溶融混練し、ペレット化することもでき、更には、ポリマー材料や塗料、インク等に配合し、加熱発泡して発泡体粒子を含有する物品(例えば、発泡成型品、発泡塗膜、発泡インク)とすることもできる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る添加剤について説明する。本実施形態の添加剤は、前述した第1の実施形態の熱膨張性マイクロスフェアーを含有するものであり、合成樹脂(熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂)及びゴム等のポリマー材料、塗料、インク、壁紙、繊維材並びに各種資材等に使用される。例えば、これらの材料に本実施形態の添加剤を添加することにより、軽量化や多孔質化を図れると共に、スリップ性、断熱性、クッション性及び遮音性等の各種機能性を付与することができる。更に、熱膨張性マイクロスフェアーの膨張性を利用して、自動車等の塗料の充填剤、壁紙や発泡インク(T−シャツ等のレリーフ模様付け)の発泡剤、収縮防止剤等の用途にも利用することができる。
本実施形態の添加剤が配合されるポリマー材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ABS(アクリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレンブロック共重合体(SIS)、水素添加SIS、天然ゴム、各種合成ゴム、及び熱可塑性ポリウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態の添加剤に含まれる熱膨張性マイクロスフェアーは、加熱により膨張させた状態及び未発泡の状態のどちらでもよい。更に、本実施形態の添加剤には、前述した熱膨張性マイクロスフェアー以外に、例えば、化学発泡剤やガラスバルーン等を配合することもできる。
本実施形態の添加剤は、耐熱性に優れる熱膨張性マイクロスフェアーを含有しているため、混練加工、カレンダー加工、押出し加工及び射出成形等の加工工程を必要とする用途分野にも好適に用いることができ、高温で成形加工する用途にも適用することができる。また、本実施形態の添加剤は、熱膨張性マイクロスフェアーの発泡倍率が高く、へたりも少ないため、その添加量を少なくすることができ、加工ウインドウを広くとることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る成形体について説明する。本実施形態の成形体は、少なくとも、前述した第1の実施形態の熱膨張性マイクロスフェアーと、各種ポリマー材料及び/又は繊維材料とで構成されている。本実施形態の樹脂成形体で使用するポリマー材料は、例えば、PE、PP、PS、PA、PET、PBT、PPS、ABS樹脂、SBS、SIS、水素添加SIS、天然ゴム、各種合成ゴム、及び熱可塑性ポリウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態の成形体に含まれる熱膨張性マイクロスフェアーは、加熱により膨張させた状態、未発泡の状態及び収縮した状態のいずれでもよい。
本実施形態の成形体は、耐熱性に優れた熱膨張性マイクロスフェアーを含有しているため、従来困難であったポリアミド等のエンジニアリングプラスチックを使用した成形体の軽量化及び意匠性付与等を実現することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、先ず、以下に示す方法で実施例1〜4及び比較例1〜3の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。
(実施例1)
(i)水系分散媒体の調製
20質量%コロイダルシリカ(溶媒:水)40g、50質量%ジエタノールアミン−アジピン酸縮合生成物(酸価:78mgKOH/g,溶媒:水)1.6g、亜硝酸ナトリウム0.12g、塩化ナトリウム177g、水565gを混合した後、塩酸を添加してpHが3.2になるように調整して、水系分散媒体とした。
(ii)重合性混合物の調製
重合単量体としてメタクリロニトリル140g及びメタクリル酸60g、発泡剤として軽質イソパラフィン系炭化水素40g、並びに重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル2gを混合して、重合性混合物を調製した。その際、軽質イソパラフィン系炭化水素には、出光石油化学社製 IPソルベント2835(50%蒸留温度:316℃)36gと、イソオクタン(沸点:99℃)4gの混合物を使用した。なお、メタクリロニトリルとメタクリル酸のモル比は、おおよそ2:0.7であった。本実施例において、IPソルベントにイソオクタンを混合しているのは、低沸点成分を追加することにより、初期発泡性を向上させるためである。また、IPソルベント中にもイソオクタンは含まれているため、その50%蒸留温度が大きく低下することはなく、これらの混合物の50%蒸留温度は313℃であった。
(iii)懸濁重合
前述した方法で調整した水系分散媒体と重合性混合物とを、ホモジナイザーで攪拌混合し、水系分散媒体中に重合性単量体混合物の微小な液滴を形成した。そして、この重合性混合物の微小な液滴を含有する水系分散媒体を、攪拌機付きの重合缶(容積:1.5リットル)に仕込み、温水バスを用いて重合缶全体を60℃で15時間加熱した後、更に70℃で9時間加熱して重合反応を進行させた。その後、生成したマイクロスフェアーを含有するスラリーを、濾過及び水洗した後、乾燥して実施例1の熱膨張性マイクロスフェアーを得た。
(実施例2)
重合単量体としてメタクリロニトリル80g及びメタクリル酸60gを使用すると共に、発泡剤(軽質イソパラフィン系炭化水素)として出光石油化学社製 IPソルベント2835を単独で20g使用し、それ以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、実施例2の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。
(実施例3)
重合単量体としてメタクリロニトリル120g及びメタクリル酸80gを使用すると共に、発泡剤(軽質イソパラフィン系炭化水素)として、出光石油化学社製 IPソルベント2835:36g及びイソドデカン(沸点:178℃):4gの混合物40gを使用し、それ以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、実施例3の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。なお、本実施例において、IPソルベントにイソドデカンを混合しているのは、前述した実施例1と同様の理由である。また、イソドデカンもIPソルベントの50%蒸留温度を大きく低下させることはなく、この実施例3で使用した発泡剤(混合物)の50%蒸留温度は313℃であった。
(実施例4)
発泡剤(軽質イソパラフィン系炭化水素)として、出光石油化学社製 IPソルベント2835:30g及びイソオクタン:10gの混合物を40g使用した以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、実施例4の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。なお、この実施例4で使用した発泡剤(混合物)の50%蒸留温度は302℃であった。
(比較例1)
発泡剤として、イソドデカン60gを使用した以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、比較例1の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。
(比較例2)
発泡剤として、イソドデカン60gを使用した以外は、前述した実施例2と同様の方法及び条件で、比較例2の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。
(比較例3)
発泡剤として、イソドデカン30gを使用した以外は、前述した実施例3と同様の方法及び条件で、比較例3の熱膨張性マイクロスフェアーを作製した。
これら実施例及び比較例の各マイクロスフェアーにおけるシェル及び発泡剤の組成を下記表1にまとめて示す。
Figure 2011016884
次に、前述した方法で作製した実施例及び比較例の各マイクロスフェアーについて、平均粒径、発泡開始温度(Tstart)、最大発泡温度(Tmax)及び高温で保持したときの収縮度合いを測定し、その発泡特性を評価した。各パラメータの測定方法を以下に示す。
A.平均粒径
実施例及び比較例の各マクロスフェアーの平均粒径は、島津製作所社製 粒径分布測定器SALD−3000Jを用いて測定した。
B.発泡開始温度(Tstart)及び最大発泡温度(Tmax
発泡開始温度(Tstart)及び最大発泡温度(Tmax)は、パーキンエルマー社製の熱機械分析装置(Thermo mechanical Analyzer:TMA) TMA−7型により測定した。具体的には、実施例及び比較例の各マイクロスフェアー約0.25mgを容器に入れ、加重0.01N、昇温速度5℃/分の条件で加熱し、その高さの変位を連続的に測定した。そして、容器内でマイクロスフェアーの高さが変化し始めた温度を発泡開始温度(Tstart)とし、高さが最大となった温度を最大発泡温度(Tmax)とした。
C.高温で保持したときの収縮度合い
収縮度合いの測定も同様に、パーキンエルマー社製 TMA−7型を使用した。具体的には、実施例及び比較例の各マイクロスフェアー約0.25mgを容器に入れ、270℃で20分間保持したときの変位量dを測定し、最大発泡温度(Tmax)での変位量dとの比(d/d)を求めた。
以上の結果を下記表2にまとめて示す。また、図3は横軸に温度をとり、縦軸に変位量をとって、実施例1のマイクロスフェアーの発泡挙動を示すグラフ図である。更に、図4は横軸に保持時間をとり、縦軸に変位量をとって、実施例1のマイクロスフェアーを270℃で保持したときの発泡状態の変化を示すグラフ図である。
Figure 2011016884
上記表2及び図3に示すように、実施例1のマイクロスフェアーは、発泡開始温度(Tstart)が280℃、最大発泡温度(Tmax)が321℃、その差が41℃と、従来品よりも耐熱性に優れていた。また、図4に示すように、このマイクロスフェアーを270℃で保持したところ、約8分で発泡が開始し、その温度で20分間保持したときの変位量dと、最大発泡温度である321℃での変位量dとの比(d/d)は0.9であった。このように、実施例1のマイクロスフェアーは、高温で保持したときの収縮度合いも少なかった。
同様に、実施例2〜4のマイクロスフェアーも、泡開始温度(Tstart)が230℃を超えており、最大発泡温度(Tmax)も290℃以上と、優れた耐熱性を示した。更に、270℃で20分間保持したときの変位量dと、最大発泡温度(Tmax)での変位量dとの比(d/d)が0.3以上であり、高温で保持したときの収縮度合いも小さかった。
これに対して、発泡剤として、イソドデカンを使用した比較例2のマイクロスフェアーでは、最大発泡温度(Tmax)が268℃と低かった。また、最大発泡温度(Tmax)が290℃を超えている比較例1,3のマイクロスフェアーも、270℃で20分間保持したときの変位量dと、最大発泡温度(Tmax)での変位量dとの比(d/d)が0.3未満であり、高温で保持したときの収縮度合いが大きかった。
以上の結果から、本発明によれば、耐熱性に特に優れ、高温で保持したときの収縮度合いが小さく、かつ、高温で加工する用途でも早期発泡を抑制できる熱膨張性マイクロスフェアーが得られることが確認された。
本発明に係る熱発泡性マイクロスフェアーは、その膨張性を利用して、自動車等の塗料の充填剤、壁紙や発泡インクの発泡剤、収縮防止剤等の添加剤として利用でき、その発泡による体積増加特性により、合成樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)やゴム等のポリマー材料、塗料、各種資材等の軽量化や多孔質化等の各種機能性付与を目的する添加剤として利用できる。また、表面性や平滑性が要求される塗料、壁紙、インク分野に好適に利用でき、さらに、加工性に優れているため、混練加工、カレンダー加工、押出し加工、射出成形等の加工工程を必要とする用途分野に利用できる。
1 マイクロスフェアー
2 シェル
3 発泡剤

Claims (14)

  1. 重合体からなる外殻に、揮発性の発泡剤が内包された構成のマイクロスフェアーであって、
    前記発泡剤が、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素である熱膨張性マイクロスフェアー。
  2. 前記軽質パラフィン系炭化水素が、軽質イソパラフィン系炭化水素であることを特徴とする請求項1に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  3. 最大発泡温度(Tmax)が290℃以上であり、かつ発泡開始温度(Tstart)が230℃よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  4. 270℃で20分間保持したときの変位量dと、最大発泡温度(Tmax)での変位量dとの比(d/d)が、0.3以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  5. 前記軽質パラフィン系炭化水素は、炭素数が6〜13の炭化水素及び炭素数が15〜30の炭化水素からなる群から選択された2種以上の炭化水素からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  6. 前記外殻を構成する重合体は、ニトリル基及びカルボキシル基を有し、加熱によりこれらの少なくとも一部がポリメタクリルイミド構造を形成する共重合体、又はアクリロニトリル系重合体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  7. 前記外殻を構成する重合体が、メタクリロニトリルとメタクリル酸との共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の熱膨張性マイクロスフェアー。
  8. 分散安定剤を含有する水系分散媒体中において、50%蒸留温度が180℃以上の軽質パラフィン系炭化水素からなる発泡剤の存在下で、重合性単量体を懸濁重合することにより、重合体からなる外殻内に前記発泡剤を封入する熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法。
  9. 前記軽質パラフィン系炭化水素が、軽質イソパラフィン系炭化水素であることを特徴とする請求項8に記載の熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法。
  10. 前記軽質パラフィン系炭化水素は、炭素数が6〜13の炭化水素及び炭素数が15〜30の炭化水素からなる群から選択された2種以上の炭化水素からなることを特徴とする請求項8又は9に記載の熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法。
  11. 前記重合性単量体として、ニトリル系単量体、又はニトリル系単量体とカルボキシル基を有する単量体との混合物を使用することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法。
  12. 前記ニトリル系単量体としてアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを使用し、前記カルボキシル基を有する単量体としてメタクリル酸を使用することを特徴とする請求項11に記載の熱膨張性マイクロスフェアーの製造方法。
  13. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアーを含有することを特徴とする添加剤。
  14. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱膨張性マイクロスフェアーを含有することを特徴とする成形体。
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