JP2011012130A - パンクシーリング剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた初期シール性能及び貯蔵安定性を発揮しつつ、低温での粘度を低下させ、低温での注入性を改善できるタイヤのパンクシーリング剤を提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックス、粘着付与剤、プロピレングリコールを含み、前記プロピレングリコールの配合量が、液体成分100質量%に対して55質量%以上であるタイヤのパンクシーリング剤に関する。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴムラテックス、粘着付与剤、プロピレングリコールを含み、前記プロピレングリコールの配合量が、液体成分100質量%に対して55質量%以上であるタイヤのパンクシーリング剤に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤパンク時に、タイヤホイールの空気バルブからパンクシーリング剤と高圧空気とを順次タイヤ内に注入する方式のパンク処置システムにおいて、低温(−40℃以下)での粘度を改善したパンクシーリング剤に関する。
パンクしたタイヤを応急的に補修する処置システムとして、例えば、パンクシーリング剤を収容した耐圧容器とコンプレッサーなどの高圧空気源とを用い、空気バルブを経てタイヤ内にシーリング剤を注入した後、引き続いて連続的に高圧空気を注入し、走行可能な圧力までタイヤをポンプアップするもの(以下に一体型タイプという場合がある)が知られている(特開2001−198986号公報の図1参照)。
このようなパンクシーリング剤として、特許文献1〜3に記載されているような天然ゴムラテックスに、樹脂系粘着剤及びエチレングリコールを配合したものが提案されている。しかし、天然ゴムラテックスをベースとし、凍結防止剤としてエチレングリコールを添加したパンクシーリング剤は、長期間の保管でクリーム化しやすく、パンクシーリング剤の貯蔵安定性(長期間保管性)の改良が望まれている。
そのため、特許文献4には、凍結防止剤にプロピレングリコールを使用し、安定性を改善したシーリング剤が提案されている。従来のパンクシーリング剤中のプロピレングリコール濃度は、約50%であり、−30℃での使用が保証されているが、ある温度を下回ると、急激に粘度が高くなり、いわゆる凍結状態となってしまうことがある。そのため、厳寒地での使用を考慮すると、さらに使用温度範囲を低温側へ拡大したパンクシーリング剤が望まれている。ここで、固形分であるゴム粒子や粘着付与樹脂の含有量を減じることで、シーリング剤の流動性を高めることは可能であるが、パンクシール性能が低下するという問題が生じる。
本発明は、前記課題を解決し、優れた初期シール性能及び貯蔵安定性を発揮しつつ、低温での粘度を低下させ、低温での注入性を改善できるタイヤのパンクシーリング剤を提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴムラテックス、粘着付与剤、プロピレングリコールを含み、上記プロピレングリコールの配合量が、液体成分100質量%に対して55質量%以上であるタイヤのパンクシーリング剤に関する。
上記タイヤのパンクシーリング剤は、パンクシーリング剤の全質量100質量%に対する固形分の配合量が20質量%以上であることが好ましい。上記天然ゴムラテックスが脱蛋白天然ゴムラテックスであることが好ましい。
本発明によれば、天然ゴムラテックス、粘着付与剤及びプロピレングリコールを含むタイヤのパンクシーリング剤であって、プロピレングリコールの配合量が、パンクシーリング剤の液体成分100質量%に対して55質量%以上であるので、パンクシーリング剤の初期シール性能及び貯蔵安定性を発揮しつつ、低温(特に−40℃以下)での粘度を低下させ、低温での注入性を改善できる。このため、一体型タイプのパンク処置システムにおいて、−30℃以下の低温下でもパンク修理可能となる。
本発明のタイヤのパンクシーリング剤は、天然ゴムラテックスと、粘着付与剤と、プロピレングリコールとを含み、プロピレングリコールの配合量が、パンクシーリング剤の液体成分100質量%に対して55質量%以上である。
本発明では、スムーズにシーリング剤をタイヤ内に注入できること、走行により速やかにパンク穴にシーリング剤が入り込み、タイヤの変形による機械的刺激を受けて固まってパンク穴を塞ぐこと(初期シール性能)、ある程度の走行距離までシール性が保持されること(シール保持性能)等の性能の観点から、天然ゴムラテックスを主成分とするシーリング剤が使用される。
特に、この天然ゴムラテックスから蛋白質を除去した所謂脱蛋白天然ゴムラテックスは、より少ないアンモニアで腐敗が抑えられるため、アンモニアに起因するスチールコードへの腐食損傷及び刺激臭の発生を防止するという観点からも、より好ましく使用できる。脱蛋白天然ゴムラテックスは、例えば、特開平10−217344号公報に記載のように、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素を添加して、蛋白質を分解させた後、洗浄することによって調製できる。
また、必要に応じて天然ゴムラテックスに、更にブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどの合成ゴムラテックス等をブレンドしてもよい。
なお、前記ゴムラテックスは、乳化剤である界面活性剤を少量含む水性媒体中に、ゴム固形分を微粒子状に乳化分散させたものであり、通常、ゴム固形分の占める割合を60質量%程度としたゴムラテックスが使用される。また、初期シール性能、シール保持性能の点から、パンクシーリング剤の全質量100質量%に対する天然ゴムラテックス(ゴム固形分)の配合量Aを15〜40質量%の範囲とすることが好ましい。配合量Aの下限は18質量%以上がより好ましく、上限は35質量%以下がより好ましい。
粘着付与剤は、天然ゴムラテックスとタイヤとの接着性を高め、パンクシール性能を向上させるために用いられるものであり、例えば、乳化剤を少量含む水性媒体中に、粘着付与樹脂を微粒子状に乳化分散させた粘着付与樹脂エマルジョン(水中油滴型エマルジョン)が使用される。粘着付与樹脂エマルジョン(粘着付与剤)の固形分である粘着付与樹脂としては、前記ゴムラテックスを凝固させないもの、例えば、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂が好ましく使用できる。他に好ましい樹脂としては、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジンも挙げられる。
粘着付与樹脂(粘着付与剤の固形分)の配合量Bは、パンクシーリング剤の全質量100質量%中、2〜20質量%が好ましい。配合量Bの下限は3質量%以上がより好ましく、上限は15質量%以下がより好ましい。
なお、前記ゴム固形分の配合量Aが15質量%未満、及び粘着付与樹脂の配合量Bが2質量%未満では、パンクシール性能及びシール保持性能が不十分となるおそれがある。逆に各配合量A、Bがそれぞれ40質量%、及び20質量%を超えると、保管中にゴム粒子が凝集しやすくなるなど保管性能を損ねるとともに、粘度が上昇しパンクシーリング剤の空気バルブからの注入を難しくさせるおそれがある。従って、固形分の配合量(前記配合量A、Bの和(A+B(固形分)))は、パンクシーリング剤の全質量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。20質量%未満では、パンクシール性能及びシール保持性能が不十分となるおそれがある。また、固形分の配合量(配合量A+B(固形分))は、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。50質量%を超えると、粘度が高くなり、特に低温での注入性が悪くなる。
前記ゴムラテックスの乳化剤、及び粘着付与樹脂エマルジョンの乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などの界面活性剤が好適に使用できる。この乳化剤の総配合量は、パンクシーリング剤の全質量100質量%に対して0.4〜2.0質量%程度である。
本発明では、凍結防止剤として、プロピレングリコールが使用される。シーリング剤に凍結防止剤を添加した場合、ゴム粒子の安定性が悪化し、凝集してしまうことがあるが、本発明では、プロピレングリコールを使用しているため、長期間保管した場合、ゴム粒子や粘着剤の粒子が表面付近で凝集してクリーム状物質に変質することを抑制でき、優れた保管性能(貯蔵安定性)が発揮される。また、良好な凍結防止効果も得られる。
また、プロピレングリコールを使用すると、パンクシーリング剤の低温での粘度が上昇し、低温下でのシーリング剤の空気バルブからの注入が困難になることがあるが、寒冷地での使用を考慮すると、使用温度範囲を低温側へ拡大する方が望ましい。本発明では、プロピレングリコールの配合量を増加させることにより、−30℃以下の低温での粘度上昇を抑制でき、低温での注入性も改善される。従って、一体型タイプのパンク処置システムに適用すると、厳寒地(例えば−40℃以下)であっても好適に使用できる。
パンクシーリング剤の全質量100質量%に対するプロピレングリコールの配合量Cは、30〜65質量%が好ましい。配合量Cが30質量%未満では、低温での粘度上昇が大きくなり、逆に65質量%を超えると、シーリング剤中の固形分が少なくなり、パンクシーリング性が低下するおそれがある。配合量Cの下限は32質量%以上がより好ましく、上限は60質量%以下がより好ましい。
プロピレングリコールの配合量C′は、パンクシーリング剤の液体成分100質量%中、55質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。配合量C′が55質量%未満では、低温、特に−30℃以下での粘度上昇が大きくなるおそれがある。また、配合量C′は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。80質量%を超えると、(凍結温度が上昇し、)低温での粘度が高くなり、注入性が悪化するおそれがある。ここで、本発明における液体成分とは、水及びプロピレングリコール等の凍結防止剤をいう。よって、配合量C′は、プロピレングリコールの質量/(水及び凍結防止剤の合計質量)×100(質量%)を意味する。
本発明のパンクシーリング剤は、ノニオン性界面活性剤を配合してもよい。天然ゴムラテックス及び粘着付与剤にプロピレングリコールを配合したパンクシーリング剤では、高温での使用時に詰まりが生じることがある。この高温での詰まりは、シーリング剤の注入に続く高圧空気の注入中に、ボトルやホースの内壁に付着したシーリング剤が暖かい空気に接して乾燥、ゴム化して流路の狭い部分(バルブコア、弁軸押し)に蓄積し、流路が詰まることによって生じる。本発明では、更にノニオン性界面活性剤を添加することにより、高温での注入性を改善し、高温での詰まりを防止できる。これは、アニオン性界面活性剤のイオン斥力により分散している天然ゴム粒子にノニオン性界面活性剤を吸着させることによって、粒子近傍の粒子間ポテンシャルエネルギーを上昇できるため、熱安定性が改善されたものと推察される。このような効果はノニオン性界面活性剤を用いた場合に発揮され、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤を添加した場合は、シーリング剤の増粘がみられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテルが好ましい。この場合、高温注入性を効果的に改善できる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等のノニオン性界面活性剤は、エチレンオキサイド構造及び/又はプロピレンオキサイド構造を有することが好ましい。親水基として、エチレンオキサイド構造及び/又はプロピレンオキサイド構造を有するものは、プロピレングリコールとの相溶性を高めることができる。なかでも、エチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。また、エチレンオキサイド構造及び/又はプロピレンオキサイド構造を有するノニオン性界面活性剤では、エチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイド(PO)の平均付加モル数(EO及びPOの平均付加モル数の合計)が10以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましい。また、該平均付加モル数は、好ましくは80以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは40以下である。この場合、相溶性が高められ、高温注入性を改善できる。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルにおけるアルケニル基の炭素数は、10以上であることが好ましく、12以上であることが好ましい。また、該炭素数は、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。この場合、高温注入性を効果的に改善できる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルとしては、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。該化合物の使用により、高温注入性を効果的に改善できる。
R1−O−(AO)n−H (1)
(式(1)において、R1は炭素数4〜24のアルキル基又は炭素数4〜24のアルケニル基を表す。平均付加モル数nは1〜80を表す。AOは同一又は異なって炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。)
R1−O−(AO)n−H (1)
(式(1)において、R1は炭素数4〜24のアルキル基又は炭素数4〜24のアルケニル基を表す。平均付加モル数nは1〜80を表す。AOは同一又は異なって炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。)
R1の炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上である。またR1の炭素数は、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
nは、好ましくは10以上、より好ましくは13以上である。またnは、好ましくは60以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは40以下である。
AOは、好ましくは炭素数2〜3のオキシアルキレン基(オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO))である。(AO)nが2種以上のオキシアルキレン基を含む場合、オキシアルキレン基の配列はブロックでもランダムでもよい。R1、nが上記範囲である場合やAOがEO、POである場合、高温注入性を効果的に改善できる。
EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。EOとPOの配列がブロックである場合、EOのブロックの数、POのブロックの数は、各平均付加モル数が上記範囲内である限り、それぞれ1個でも2個以上でもよい。また、EOからなるブロックの数が2個以上である場合、各ブロックにおけるEOの繰り返し数は、同一でも異なってもよい。POのブロックの数が2個以上である場合も、各ブロックにおけるPOの繰り返し数は、同一でも異なってもよい。EOとPOの配列がランダムである場合は、各平均付加モル数が上記範囲内である限り、EOとPOとが交互に配列されても無秩序に配置されてもよい。
本発明におけるノニオン性界面活性剤としては、高温注入性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテルが好適に使用される。この場合、好ましいEOの平均付加モル数、アルキル基、アルケニル基は、上記と同様である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルとしては、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル等が挙げられる。なかでも、高温注入性の点から、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等のノニオン性界面活性剤のHLB値(グリフィン法で算出)は、好ましくは12以上、より好ましくは13以上である。また、該HLB値は、好ましくは19以下、より好ましくは17以下である。この場合、相溶性が高められ、高温での安定性が改善されるため、保管性能や高温注入性が改善され、また、優れたパンクシール性能、シール保持性能、低温特性も得られる。
ノニオン性界面活性剤の市販品としては、エマルゲン320P(下記式(2):R2=ステアリル基、x=13、y=0)、エマルゲン420(下記式(2):R2=オレイル基、x=20、y=0)、エマルゲン430(下記式(2):R2=オレイル基、x=30、y=0)、エマルゲン150(下記式(2):R2=ラウリル基、x=40、y=0)、エマルゲン109P(下記式(2):R2=ラウリル基、x=9、y=0)、エマルゲン120(下記式(2):R2=ラウリル基、x=12、y=0)、エマルゲン220(下記式(2):R2=セチル基、x=12、y=0)等が挙げられる(いずれも花王(株)製)。
R2−O−(EO)x(PO)y−H (2)
R2−O−(EO)x(PO)y−H (2)
パンクシーリング剤の全質量100質量%に対するノニオン性界面活性剤の配合量Dは、1〜12質量%が好ましい。配合量Dが1質量%未満では、高温での詰まり防止効果が不十分となるおそれがある。逆に12質量%を超えると、シール性が不十分となり、また室温での粘度が上昇してしまうおそれもある。配合量Dの下限は1.5質量%以上がより好ましく、上限は10質量%以下がより好ましい。
パンクシーリング剤に含まれる界面活性剤100質量%に対するノニオン性界面活性剤の配合量D′は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。これにより、高温注入性を効果的に改善できる。
また、凍結温度の低温度化と低温での粘性の上昇抑制効果とをバランス良く確保し、使用温度範囲を低温側に拡げる点、高温注入性を高める点、シーリング剤の安定性を確保する点から、前記配合量C、Dの和(C+D)をパンクシーリング剤の全質量100質量%に対して34〜65質量%にすることが好ましい。配合量C+Dの下限は36質量%以上がより好ましく、上限は62質量%以下がより好ましい。
本発明のパンクシーリング剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を更に配合してもよい。
本発明のパンクシーリング剤は、一般的な方法で製造される。すなわち、前記各成分等を公知の方法により混合すること等により製造できる。
本発明のパンクシーリング剤は、一般的な方法で製造される。すなわち、前記各成分等を公知の方法により混合すること等により製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
製造例1
フィールドラテックス(固形分30質量%)に、細菌由来の蛋白分解酵素を加えて、40℃で24時間放置し、蛋白分解を行ったフィールドラテックスを得た。このフィールドラテックスを特許3350593号に記載の方法に従い、回転平膜分離装置にて精製処理を行って、固形分が60質量%になるまで濃縮して脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
フィールドラテックス(固形分30質量%)に、細菌由来の蛋白分解酵素を加えて、40℃で24時間放置し、蛋白分解を行ったフィールドラテックスを得た。このフィールドラテックスを特許3350593号に記載の方法に従い、回転平膜分離装置にて精製処理を行って、固形分が60質量%になるまで濃縮して脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
実施例1〜4及び比較例1
調製した脱蛋白天然ゴムラテックスを用い、表1の仕様に基づいて、パンクシーリング剤を作製した。
調製した脱蛋白天然ゴムラテックスを用い、表1の仕様に基づいて、パンクシーリング剤を作製した。
なお、粘着付与剤、ノニオン性界面活性剤は、以下のものを使用した。
粘着付与剤:テルペン樹脂の乳化液(固形分:約50質量%)
エマルゲン420:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(式(2)、R2=オレイル基、x=20、y=0、HLB値=13.6、花王(株)製ノニオン性界面活性剤)
粘着付与剤:テルペン樹脂の乳化液(固形分:約50質量%)
エマルゲン420:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(式(2)、R2=オレイル基、x=20、y=0、HLB値=13.6、花王(株)製ノニオン性界面活性剤)
得られた各パンクシーリング剤について、低温粘度(−30℃、−40℃)、パンクシール性能、保管性能(貯蔵安定性)を下記方法にて評価し、結果を表1に示した。
(1)低温粘度(−30℃、−40℃):
B型粘度計(ブルックフィールド粘度計)を用い、−30℃および−40℃のパンクシーリング剤の粘度を測定した。
B型粘度計(ブルックフィールド粘度計)を用い、−30℃および−40℃のパンクシーリング剤の粘度を測定した。
(2)パンクシール性能(初期シール性能):
タイヤサイズ185/65R15のタイヤに、直径4.0mmの釘で穴を開け、釘を抜いた後、500mlのパンクシーリング剤を注入し、かつエアーを200kPaまで昇圧した。その後、ドラム上で荷重(3.5kN)にて、60km/hで10分間走行した後パンク穴が塞がったか否かを○×の2段階で評価した。
タイヤサイズ185/65R15のタイヤに、直径4.0mmの釘で穴を開け、釘を抜いた後、500mlのパンクシーリング剤を注入し、かつエアーを200kPaまで昇圧した。その後、ドラム上で荷重(3.5kN)にて、60km/hで10分間走行した後パンク穴が塞がったか否かを○×の2段階で評価した。
(3)保管性能(貯蔵安定性):
パンクシーリング剤500mlを、ボトル状の容器内に収容し、80℃のオーブン内に2ヶ月間、静置状態で保管した後のクリーム状物質の生成量を測定し、パンクシーリング剤全体に対する質量比(%)で示した。
パンクシーリング剤500mlを、ボトル状の容器内に収容し、80℃のオーブン内に2ヶ月間、静置状態で保管した後のクリーム状物質の生成量を測定し、パンクシーリング剤全体に対する質量比(%)で示した。
表1のとおり、プロピレングリコールの配合量が、パンクシーリング剤の液体成分100質量%に対して55質量%(プロピレングリコール水溶液濃度が55質量%)以上である実施例のシーリング剤は、パンクシール性能、保管性能を確保しながら、低温(−40℃)における粘度を大幅に低下できた。よって、一体型タイプを低温の温度範囲で好適に使用できる。一方、プロピレングリコール水溶液濃度が55質量%未満である比較例1では、低温(−40℃)における粘度上昇が極めて大きかった。ノニオン界面活性剤を使用した実施例4においては、高温注入性にも優れた。
Claims (3)
- 天然ゴムラテックス、粘着付与剤、プロピレングリコールを含み、前記プロピレングリコールの配合量が、液体成分100質量%に対して55質量%以上であるタイヤのパンクシーリング剤。
- パンクシーリング剤の全質量100質量%に対する固形分の配合量が20質量%以上である請求項1記載のタイヤのパンクシーリング剤。
- 天然ゴムラテックスが脱蛋白天然ゴムラテックスである請求項1又は2記載のタイヤのパンクシーリング剤。
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