JP2011011694A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2011011694A
JP2011011694A JP2009159345A JP2009159345A JP2011011694A JP 2011011694 A JP2011011694 A JP 2011011694A JP 2009159345 A JP2009159345 A JP 2009159345A JP 2009159345 A JP2009159345 A JP 2009159345A JP 2011011694 A JP2011011694 A JP 2011011694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pneumatic tire
virtual axis
tread surface
tire according
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009159345A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5375376B2 (ja
Inventor
Masatoshi Kuwajima
雅俊 桑島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2009159345A priority Critical patent/JP5375376B2/ja
Publication of JP2011011694A publication Critical patent/JP2011011694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5375376B2 publication Critical patent/JP5375376B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上するようにした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド面1の陸部3に、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2に対して放射方向に延びかつ陸部3内で終端する複数本の切り込み4を配置した閉鎖サイプ5を設け、これら切り込み4の仮想軸2から終端部4zに至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部6を形成すると共に、それぞれの切り込み4を仮想軸2を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与え、このねじり角度を10°以上、135°未満にした。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上するようにした空気入りタイヤに関する。
一般に、ウェット路面や氷上路面における制動性能は路面における水膜の存在により大きく左右されるため、トレッド面にサイプを設けて吸水性を向上させることが広く行われている。しかしながら、トレッド面にサイプを多数配置し過ぎるとトレッド剛性が低下して操縦安定性や制動性を悪化させる原因になるため、従来から、サイプの形態やその配置に関して多くの提案がなされてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
これらのうち、特許文献1では、互いに異なる方向に延びる2個以上のサイプを交差させてブロック面に配置することによりサイプ割れ故障やチャンク・アウト故障を防止しながら氷上操縦安定性を向上させることを提案している。また、特許文献2では、サイプをタイヤ径方向に延びるねじり軸の廻りに捩じりを与えた形状にすることにより操縦安定性やウェット制動性能を確保しながら乗心地性を改善させることを提案している。
しかしながら、特許文献1ではトレッド面の吸水性がある程度は改善できるものの、さらにサイプの数を増やして吸水性を高めようとすると、トレッド剛性の低下により操縦安定性の維持が難しくなるという限界がある。また、特許文献2ではねじり角度を135°以上にも及ぶ大きさにしているために、タイヤ成形加硫後の金型からの離型性が悪化し、トレッド面に損傷を生じさせ易いという問題がある。
このような背景のもとに、本出願人は、トレッド面の陸部にタイヤ径方向に延びる小穴を中心に放射方向に延びかつ陸部で終端する複数本の切り込みからなる閉鎖サイプを設け、それぞれの切り込みを小穴を中心にして捩れを与えたうえで、このねじり角度を所定の範囲内に設定することにより、氷上路面での制動性能を向上させる提案を行った(特願2009−127569号)。しかしながら、この提案では、氷上制動性能の向上効果に限界があることが判明し、本出願を行うに至った。
特開平9−263111号公報 特開2006−27306号公報
本発明の目的は、トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上するようにした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設けると共に、該閉鎖サイプの切り込みに前記仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与えるようにした空気入りタイヤにおいて、前記切り込みの前記仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、該切り込みの表面から底面に至るまでのねじり角度を10°以上、135°未満にしたことを特徴にする。
さらに、上述する構成において、以下(1)〜(7)に記載するように構成することが好ましい。
(1)前記拡幅部の幅を前記切り込みの幅の1.5倍以上、20倍未満にする。
(2)前記切り込みの放射方向の長さを前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とで異ならせる。この場合において、該切り込みの放射方向の長さを前記閉鎖サイプのトレッド面から底面に向けて徐々に又は段階的に短くするとよい。
(3)前記切り込みの幅を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とで異ならせる。この場合において、該切り込みの幅を前記閉鎖サイプのトレッド面から底面に向けて徐々に又は段階的に広くするとよい。
(4)前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とで異ならせる。この場合において、該切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側において底面側よりも多くするとよい。
(5)前記切り込みの本数を2〜6本にする。
(6)前記切り込みの前記仮想軸側の端部を該仮想軸に対して連接するか、又は非連続にする。前者の場合には、前記仮想軸に沿って前記閉鎖サイプの深さ方向に向けて小穴を形成するとよい。
(7)前記陸部に、前記閉鎖サイプと共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプを設ける。この場合において、前記陸部がブロックであるときには、該ブロックのタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部に前記閉鎖サイプをタイヤ幅方向に沿って配列するとよい。
上述した本発明によれば、トレッド面に形成した陸部に深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設け、これら切り込みに仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与え、このねじり角度を10°以上、135°未満にしたので、金型からの離型性に支障を来たすことなく、トレッド剛性の低下を抑制しながら、切り込みのねじりに伴う容積の増大により吸水性能を高めて、氷上制動性能を向上させることができる。
しかも、切り込みの仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成したので、氷上路面走行時にはタイヤの接地に伴うトレッド接地圧によって切り込みの幅が拡幅部を中心にして幅方向に大きく開口して、氷上路面上のい水拡幅部に流れ込み易くなり、拡幅部に流れ込んだ水が各切り込みに向けて効率よく拡散するため、吸排水機能が促進されて氷上制動性能を一層向上させることができる。
本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面に形成した閉鎖サイプの一例を示す平面図である。 図1の閉鎖サイプの外壁形状を示す斜視図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明の他の実施形態による閉鎖サイプの一例を示す図1に相当する平面図である。 本発明の他の実施形態による閉鎖サイプの外壁形状の一例を示す図2に相当する斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態による閉鎖サイプの外壁形状の一例を示す図2に相当する斜視図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明のさらに他の実施形態による閉鎖サイプの一例を示す図1に相当する平面図である。 本発明のさらに他の実施形態による閉鎖サイプの一例を示す図1に相当する平面図である。 本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 本発明の他の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 実施例において採用した空気入りタイヤのトレッド面を示す一部平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面に形成した閉鎖サイプの一例を四角の枠内に示す平面図であり、図2は図1の閉鎖サイプの外壁形状を示す斜視図である。
図1において、本発明の空気入りタイヤのトレッド面1に形成した陸部3には、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2に対して放射方向に延びかつ陸部3内で終端する複数本(図では3本)の切り込み4を配置した閉鎖サイプ5が設けられている。
そして、本発明の閉鎖サイプ5では、それぞれの切り込み4の仮想軸2から終端部4zに至る間の少なくとも1箇所(図では1箇所)に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部6を形成し、閉鎖サイプ5の切り込み4を、図2に示すように、仮想軸2を中心にして深さ方向に向けて螺旋状にねじっている。そして、切り込み4の表面から底面に至るまでのねじり角度を10°以上、135°未満、好ましくは90〜120°に設定している。なお、図中Wは拡幅部6の切り込み幅を示している。
このように、トレッド面1に形成した陸部3に、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2に対して放射方向に延びかつ陸部3内で終端する複数本の切り込み4を配置した閉鎖サイプ5を設け、これら切り込み4に仮想軸2を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与え、このねじり角度を10°以上、135°未満にしたので、金型からの離型性に支障を来たすことなく、トレッド剛性の低下を抑制しながら、切り込み4のねじりに伴う容積の増大により吸水性能を高めて、氷上制動性能を向上させることができる。
しかも、切り込み4の仮想軸2から終端部4zに至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部6を形成したので、氷上路面走行時にはタイヤの接地に伴うトレッド接地圧によって切り込み4の幅が拡幅部6を中心にして幅方向に大きく開口して、氷上路面上の水が拡幅部6に流れ込み易くなり、拡幅部6に流れ込んだ水が各切り込み4に向けて効率よく拡散するため、吸排水機能が促進されて氷上制動性能を一層向上させることができる。
ここで、切り込み4のねじり角度が10°未満では、吸水性の改善効果が十分には得られず、氷上制動性能の向上効果が不足することになり、135°以上では、加硫後のタイヤを金型から取り出す際の離型性が悪化して、トレッド面1が損傷を受け易くなる。
なお、上述する切り込み4のねじり角度は、閉鎖サイプ5を構成するそれぞれの切り込み4において同一でなくてもよい。すなわち、単一の閉鎖サイプ5において相互に隣接する切り込み4の間隔が変動する場合が許容される。また、切り込み4のねじり角度は、深さ方向に対して一様に線形的に変化させる場合のほか、深さ方向に対して非線形的に変化させてもよい。
このように構成された本発明の空気入りタイヤは、閉鎖サイプ5が陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2の周りにねじりが与えられた複数本の切り込み4により形成されているため、加硫後のタイヤを金型から取り外す際にトレッド面1が切り込み4の成形刃によって損傷を受け易くなる。このような観点から、本発明の空気入りタイヤを加硫成形する金型の内面には、仮想軸2を中心にして回転自在の切り込み4の成形刃を設けて、この金型により加硫成形を行うようにするとよい。
なお、図1の実施形態では、切り込み4に形成された拡幅部6の平面形状を円形に形成した場合を示したが、拡幅部6の平面形状はこれに限られるものではなく、楕円形や多角形に形成することができる。この場合において、拡幅部6の壁面に応力の集中によりクラックが発生しないようにする観点から、この壁面形状は曲率を有する形状にすることが好ましい。
本発明において、上述する拡幅部6の幅Wを切り込み4の幅の1.5倍以上、20倍未満、好ましくは2.0〜5.0倍に設定するとよい。拡幅部6の幅Wが切り込み4の幅の1.5倍未満では氷上制動性能の向上効果が得られず、20倍以上にすると拡幅部6の周辺に偏摩耗が生じ易くなることに加えて、陸部3の剛性低下により操縦安定性が低下する原因になる。
なお、切り込み4の幅は、特に限定されるものではないが、通例0.3〜2.0mm程度に設定するとよい。また、拡幅部6の幅Wは、タイヤの種類や大きさに応じて、上述する範囲内でかつその上限を8mm程度に設定するとよい。ただし、建設車両用などに供する大型タイヤの場合には、これ以上の大きさに設定する場合がある。
なお、図1の実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する3本の切り込み4に対して、それぞれ1箇所の拡幅部6を設けた場合について述べてきたが、本発明の閉鎖サイプ5では、図3(a)及び(b)に例示するように、それぞれの切り込み4に対して2箇所、又はそれ以上の拡幅部6を形成する場合がある。また、これに加えて、切り込み4の終端部にも拡幅部6を設けることができ、また、図3(b)に例示するように、それぞれの切り込み4の長さを互いに変化させたり、それぞれの切り込み4に形成する拡幅部6の平面形状を互いに変化させる場合がある。
本発明において、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の放射方向の長さを、トレッド面1側と底面側とで互いに異ならせることができる。図4は、切り込み4の放射方向の長さをトレッド面1側において底面側よりも長く形成した場合を示している。これにより、加硫後のタイヤの金型からの離型性を円滑にすると共に、摩耗の進行に伴いトレッド剛性が増強されるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において、ドライ路面での操縦安定性能を向上させることができる。
一方、切り込み4の放射方向の長さをトレッド面1側において底面側よりも短く形成した場合には、加硫後のタイヤを金型から離型する際に工夫を要するが、摩耗が進行した場合であっても切り込み4の容積が確保できるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において、ウェット性能を向上させることができる。
本発明の空気入りタイヤでは、加硫後のタイヤの金型からの離型性を重視する観点から、切り込み4の放射方向の長さを、図4に示すように、トレッド面1側から底面側に向けて徐々に又は段階的に短くなるように変化させるとよい。
ここで、閉鎖サイプ5のトレッド面1と底面とにおける切り込み4の放射方向の長さは、それぞれタイヤの要求性能に応じて適宜設定されるが、加硫後のタイヤの金型からの離型性及び良好な操縦安定性能をバランスよく確保する観点から、切り込み4の底面における放射方向の長さL2とトレッド面1における放射方向の長さL1との関係が0.05≦L2/L1≦0.5となるように調整するとよい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の幅を閉鎖サイプ5の深さ方向のトレッド面1側と底面側とにおいて異ならせることができる。この場合において、切り込み4の幅を閉鎖サイプ5のトレッド面1から底面に向けて徐々に又は段階的に変化させるとよい。これにより、摩耗の進行に応じて切り込み4の容積を調整することができるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において、タイヤの要求性能に応じた利用が可能になる。
上述する切り込み4の幅については、金型からの離型性に及ぼす影響が少ないために、摩耗後期におけるウェット性能の確保を重視する観点から、切り込み4の幅を、トレッド面1側から底面側に向けて徐々に又は段階的に広くなるように変化させるとよい。
これにより、摩耗が進行した場合であっても切り込み4の容積が確保できるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において、ウェット性能を向上させることができる。
ここで、閉鎖サイプ5のトレッド面1と底面とにおける切り込み4の幅は、それぞれタイヤの要求性能に応じて適宜設定されるが、加硫後のタイヤの金型からの離型性及び良好なウェット性能をバランスよく確保する観点から、切り込み4の底面における幅W2とトレッド面1における幅W1との関係が0.3≦W1/W2≦0.7となるように調整するとよい。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、切り込み4の本数を閉鎖サイプ5の深さ方向のトレッド面1側と底面側とで異ならせることができる。図5は、切り込み4の本数を閉鎖サイプ5の深さ方向のトレッド面1側において底面側よりも多くした場合を示している。これにより、加硫後のタイヤの金型からの離型性を円滑にすると共に、摩耗の進行に伴いトレッド剛性が増強されるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において、ドライ路面での操縦安定性能を向上させることができる。
一方、切り込み4の本数をトレッド面1側において底面側よりも少なくした場合には、加硫後のタイヤを金型から離型する際に工夫を要するが、摩耗が進行した場合であっても切り込み4の容積が確保できるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において、ウェット性能を向上することができる。
しかしながら、本発明の空気入りタイヤでは、加硫後のタイヤの金型からの離型性を重視する観点から、切り込み4の本数を、図5に示すように、トレッド面1側において底面側よりも多くするとよい。
なお、本発明において、閉鎖サイプ5の深さ方向における切り込み4の本数を変化させるトレッド面1側と底面側との境界位置は、特に限定されるものではなく、タイヤの要求性能に応じてその都度適宜設定される。また、タイヤの要求性能によっては、切り込み4の本数をトレッド面1側と底面側との間の中間域においても変化させることができる。この場合には、切り込み4の本数が閉鎖サイプ5の深さ方向に対して徐々に変化するように構成することが好ましい。
上述する図1〜4の実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数が3本である場合を示したが、本発明における閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数はこれに限られるものではなく、トレッドパターンの形態に応じて、2〜6本に構成するとよい。切り込み4の本数を7本以上にするとタイヤ走行時においてトレッド面1にクラックが発生し易くなる。
上述する実施形態では、切り込み4の仮想軸2側の端部がそれぞれ仮想軸2に対して連接している場合を示したが、本発明の空気入りタイヤでは、図7に例示するように、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の仮想軸2側の端部4aをそれぞれ仮想軸2に対して非連続に配置する場合がある。この場合における作用効果は、上述する実施形態による場合と変わるものではない。
本発明において、切り込み4の仮想軸2側の端部をそれぞれ仮想軸2に対して連接させる場合には、図6(a)及び(b)に例示するように、仮想軸2に沿って閉鎖サイプ5の深さ方向に向けて小穴7を形成することができる。これにより、氷上路面における吸水性がさらに高められて、氷上路面走行時の制動性能を一層向上させることができる。
仮想軸2に沿って形成される小穴7の大きさや断面形状は、特に限定されるものではないが、図6(a)に例示するように略円形又は四角形に形成するほか、図6(b)に例示するように閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数に応じて、切り込み4の本数に相当する多角形又は星形に形成するとよい。
また、上述する実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4がそれぞれ放射方向に直線状に延びている場合について述べたが、本発明における切り込み4の平面形態はこれに限られることなく、曲線状、波状又はジグザグ状の形態に形成することができる。
本発明の空気入りタイヤでは、上述する閉鎖サイプ5をトレッド面1に形成した陸部3の全面にわたり分散して配置することが好ましい。この場合には、陸部3の剛性分布を均等に保持して偏摩耗を抑制する観点から、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4が互いに接近しないように配置することが好ましい。
さらに、タイヤの要求特性に応じて、図8及び図9に例示するように、陸部3に、閉鎖サイプ5と共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプ8を設けることができる。これにより、線状のサイプ8の配置に伴うエッジ効果の増大により、氷上路面における操縦安定性と氷上制動性能とを高次元で両立させることができる。
なお、図8の実施形態ではトレッド面1に形成したリブ9の表面に並列に配置された複数の閉鎖サイプ5とタイヤ幅方向にジグザグ状に延びる線状のサイプ8とをタイヤ周方向Tに対して交互に配置した場合を示したが、線状のサイプ8の形態やこれらの配置については、これに限られるものではなく、トレッドパターンの形態に応じて適宜変更することができる。線状のサイプ8の形態としては、例えば、略直線状又は波状のものや、3次元形状をなすもの等が挙げられる。
また、陸部3がブロックである場合には、図9に例示するように、ブロック10をタイヤ幅方向に延びる線状のサイプ8で区画したうえで、閉鎖サイプ5をタイヤの蹴り出し側及び/又は踏み込み側に相当するブロック10の前端部及び/又は後端部(図では前端部及び後端部)のタイヤ幅方向に沿って並列に配置するとよい。
特に、ブロック10のタイヤ周方向長さの略30%以下に相当する前端部及び/又は後端部における領域には極力タイヤ幅方向に延びる線状のサイプ8を形成せずに、本発明の閉鎖サイプ5をタイヤ幅方向に沿って並列に配置するとよい。これにより、ブロック10の前端部及び/又は後端部におけるブロック剛性が確保されて、偏摩耗の発生を効率的に抑制しながら良好な操縦安定性を確保すると共に、吸水性をさらに高めて氷上制動性能を向上させることができる。
上述するように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設け、これら切り込みの仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、それぞれの切り込みに仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与え、このねじり角度を10°以上、135°未満にすることにより、金型からの離型性に支障を来すことなしに、トレッド剛性の低下を抑制しながら、氷上制動性能を向上させるようにしたもので、簡単な構成でありながら優れた効果を奏することから、氷雪路面に使用するスタッドレスタイヤに対して幅広く適用することができる。
タイヤサイズを195/65R15 91Q、タイヤパターンを図10として、閉鎖サイプ5の形態をタイヤ径方向に延びる仮想軸2から放射方向に延びかつ陸部3内で終端する3本の切り込み4で構成し、それぞれの切り込み4に、図1に示すように、1箇所の拡幅部6を形成して切り込み4のねじれ角度を表1のように異ならせた本発明タイヤ(実施例1、2)と、それぞれの切り込み4に拡幅部6を形成せずに仮想軸2に沿って小穴7を形成したうえで、切り込み4のねじれ角度を90°にした比較タイヤ(比較例1)と、をそれぞれ作製した。
また、比較のために、それぞれの切り込み4に拡幅部6及び小穴7を形成せずに、切り込み4のねじれ角度を140°にした比較タイヤ(比較例2)を作製した。なお、各タイヤにおいて、切り込み4の幅を0.5mm、拡幅部6の幅を1.8mm、小穴7の直径を1.8mm、閉鎖サイプ5の深さを7mm、と共通にした。
これら4種類のタイヤについて、加硫後のタイヤを金型から取り出す際の離型性の評価を行うと共に、以下に記載する試験方法により氷上制動性能の評価を行った。なお、加硫後のタイヤの金型からの離型性については、表1にトレッド面に損傷が生じなかったものを「○」で表示し、トレッド面に損傷が生じたものを「×」で表示した。そして、氷上制動性能の評価については、トレッド面に損傷が生じたものを除外して行った。
〔氷上制動性能の試験〕
各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、氷上路面において初速度40km/hからの制動試験を行い、制動停止距離の逆数を以って氷上制動性能の評価とした。その結果を比較例1を100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほど氷上制動性能が優れていることを示す。
Figure 2011011694
表1より、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4にそれぞれ拡幅部6を形成した本発明タイヤは、それぞれの切り込み4に拡幅部6を形成せずに仮想軸2に沿って小穴7のみを形成した比較タイヤ(比較例1)に比して、氷上制動性能が優れていることがわかる。なお、切り込み4のねじれ角度を140°に設定した比較例2は、金型からの離型性が悪化することを確認した。
1 トレッド面
2 仮想軸
3 陸部
4 切り込み
4z 終端部
5 閉鎖サイプ
6 拡幅部
7 小穴
8 線状のサイプ
9 リブ
10 ブロック

Claims (14)

  1. トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設けると共に、該閉鎖サイプの切り込みに前記仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与えるようにした空気入りタイヤにおいて、
    前記切り込みの前記仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、該切り込みの表面から底面に至るまでのねじり角度を10°以上、135°未満にした空気入りタイヤ。
  2. 前記拡幅部の幅を前記切り込みの幅の1.5倍以上、20倍未満にした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記切り込みの放射方向の長さを前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とで異ならせた請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記切り込みの放射方向の長さを前記閉鎖サイプのトレッド面から底面に向けて徐々に又は段階的に短くした請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記切り込みの幅を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とで異ならせた請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記切り込みの幅を前記閉鎖サイプのトレッド面から底面に向けて徐々に又は段階的に広くした請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とで異ならせた請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側において底面側よりも多くした請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記切り込みの本数を2〜6本にした請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記切り込みの前記仮想軸側の端部を該仮想軸に対して連接した請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記仮想軸に沿って前記閉鎖サイプの深さ方向に向けて小穴を形成した請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記切り込みの前記仮想軸側の端部を該仮想軸に対して非連続にした請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記陸部に、前記閉鎖サイプと共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプを設けた請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記陸部がブロックであり、該ブロックのタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部に前記閉鎖サイプをタイヤ幅方向に沿って配列した請求項13に記載の空気入りタイヤ。
JP2009159345A 2009-07-03 2009-07-03 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5375376B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009159345A JP5375376B2 (ja) 2009-07-03 2009-07-03 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009159345A JP5375376B2 (ja) 2009-07-03 2009-07-03 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011011694A true JP2011011694A (ja) 2011-01-20
JP5375376B2 JP5375376B2 (ja) 2013-12-25

Family

ID=43590993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009159345A Expired - Fee Related JP5375376B2 (ja) 2009-07-03 2009-07-03 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5375376B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2514725A1 (en) 2011-04-21 2012-10-24 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Fluorooxyalkylene group-containing polymer composition, a surface treatment agent comprising the same and an article treated with the agent
JP2016107726A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6447603A (en) * 1987-08-18 1989-02-22 Toyo Tire & Rubber Co Tire having tread pattern having crossing sipes
JPH06247110A (ja) * 1993-02-23 1994-09-06 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JPH11240314A (ja) * 1997-12-24 1999-09-07 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2005104194A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 氷雪路用空気入りタイヤ
JP2006007882A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006027306A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2006281689A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Bridgestone Corp タイヤ成型用金型及び空気入りタイヤ
JP2008308093A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6447603A (en) * 1987-08-18 1989-02-22 Toyo Tire & Rubber Co Tire having tread pattern having crossing sipes
JPH06247110A (ja) * 1993-02-23 1994-09-06 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JPH11240314A (ja) * 1997-12-24 1999-09-07 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2005104194A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 氷雪路用空気入りタイヤ
JP2006007882A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006027306A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2006281689A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Bridgestone Corp タイヤ成型用金型及び空気入りタイヤ
JP2008308093A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2514725A1 (en) 2011-04-21 2012-10-24 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Fluorooxyalkylene group-containing polymer composition, a surface treatment agent comprising the same and an article treated with the agent
JP2016107726A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5375376B2 (ja) 2013-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4605298B1 (ja) 空気入りタイヤ
AU2014388518B2 (en) Pneumatic tire
JP5833575B2 (ja) サイプを備えたトレッドを含む二輪車用タイヤ
JP4605294B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6241157B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4605297B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5782461B2 (ja) サイプを備えたトレッドを有する二輪車用タイヤ
JP5375377B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5375376B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5481973B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006103522A (ja) 氷雪路用空気入りタイヤ
JP2008049971A (ja) 空気入りタイヤ
JP5489515B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6424415B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5568906B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6593058B2 (ja) 空気入りタイヤ
RU2610737C1 (ru) Пневматическая шина
JP6241149B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5834695B2 (ja) スタッドレスタイヤ
JP5390219B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6241151B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6241150B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6206010B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2015182652A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5375376

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees