JP2011011365A - 背面映写可能な産業資材シートの製造方法 - Google Patents
背面映写可能な産業資材シートの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011011365A JP2011011365A JP2009155135A JP2009155135A JP2011011365A JP 2011011365 A JP2011011365 A JP 2011011365A JP 2009155135 A JP2009155135 A JP 2009155135A JP 2009155135 A JP2009155135 A JP 2009155135A JP 2011011365 A JP2011011365 A JP 2011011365A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- material sheet
- industrial material
- sheet
- synthetic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】広角的に表示可能な背面映写スクリ−ン機能を有する、可撓性産業資材シートの提供。
【解決手段】本発明の産業資材シート(3)は、海成分または島成分のいずれか一方が着色剤を含む海島構造を有する可撓性樹脂層を、延伸フィラメントを含んでなる編織布の片面以上に積層してなる複合基材を含む光拡散透過性シートにおいて、前記海島構造を合成樹脂非相溶対により構成し、この合成樹脂非相溶対を成す一方を着色剤含有合成樹脂として、この着色剤含有合成樹脂と、前記合成樹脂非相溶対を成すもう一方の合成樹脂とを混合する製造方法によって得られ、その背面に映像投映装置を配置することによって斜め方向からの観察においても鮮明な映像を認識することが可能な背面映写システムを得る。
【選択図】図2
Description
0<|n1−na|≦0.2 式1
|n1−nb|≦0.2 式2
本発明の背面映写可能な産業資材シートの製造方法は、前記光拡散透過性シートにおいて、コーンカロリーメーター試験法(ASTM−E1354)において前記光拡散透過性シートに対して輻射電気ヒ−タ−による輻射熱を、50kW/m2で照射した時に、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、且つ加熱開始後20分間、10秒以上継続して最高発熱速度が200kW/m2を超えない不燃特性を有することが好ましい。
1、例えば図5において、延伸フィラメントの延伸垂直方向の屈折率nbが可撓性樹脂
層の屈折率n1の屈折率とほぼ等しい光拡散透過性シートを想定した場合、光拡散透
過性シートの垂直方向から入射した光(Lv)は、可撓性樹脂と延伸フィラメントα
(1−a)、可撓性樹脂と延伸フィラメントβ(1−b)の界面どちらでも、延伸フ
ィラメントの延伸垂直方向から入射するため屈折せず拡散されない。
2、一方、光拡散透過性シートの斜め方向から入射した光(Ls)は、延伸フィラメン
トα(1−a)に対して延伸方向aから入射し、延伸フィラメントの延伸方向aの屈
折率naと、編織布に積層した可撓性樹脂層の屈折率n1との差の絶対値|n1−n
a|は0を超えて0.2以下であるため、可撓性樹脂と延伸フィラメントαとの界面
で僅かに屈折して適度に拡散され、光が斜めに入射した部分で輝度が上がる。
3、可撓性樹脂と延伸フィラメントの界面においては、垂直に近い角度で光が入射した
部分では拡散が少なく、より斜めの角度から入射した光が拡散される。そのため、光
拡散物質を練りこんだだけのスクリーンに比べて、光の入射角度による輝度のバラツ
キが少なくなるので、斜め方向からの観察によっても投映映像の認識可能であり、さ
らに曲面部にも投映可能となる。なお、図5では光拡散性物質からなる粒子の表現は
省略している。
0<|n1−na|≦0.2 式1
|n1−nb|≦0.2 式2
また、産業資材シートが延伸フィラメントを含む編織布で補強された光拡散透過性シートであるため、産業資材構造物として充分な強度と耐久性を有している。本用例の背面映写システムは産業資材シート(3)を映写スクリーンとし、その背面側に映像投映装置(4)を配し、映像投映装置から投映された映像を、産業資材シートを透過させて観賞する構成を有する。背面に充分なスペースがない場合には、図3の様に広角レンズを有する映像投映装置を用いたり、図4の様に上下左右いずれかの方向に配した映像投映装置から斜めに投映したり、図6の様に上下左右いずれかの方向に配した映像投映装置から鏡(5)に反射させて投映する方法を用いることができる。
(基布1)
溶融延伸フィラメント直径9μm/750dtexのガラス繊維(naおよび
nb:1.556)を用いたガラス繊維平織り布
織密度 たて(経糸) 40本/インチ よこ(緯糸) 30本/インチ
精練(ヒートクリーニング)
シランカップリング処理 メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ
コーニング社製Z6030)
(基布2)
延伸ナイロン333dtexマルチフィラメント(na:1.578、
nb:1.522)を用いた平織り布
密度 たて(経糸) 40本/インチ よこ(緯糸) 30本/インチ
(基布3)
延伸ポリプロピレン278dtexマルチフィラメント
(na:1.530、nb:1.496)を用いた平織り布
密度 たて(経糸) 40本/インチ よこ(緯糸) 30本/インチ
(基布4)
溶融延伸フィラメント直径9μm/750dtexで基布1とは屈折率の異なるガラス
繊維(naおよびnb:1.524)を用いたガラス繊維平織り布
密度 たて(経糸) 40本/インチ よこ(緯糸) 30本/インチ
精練(ヒートクリーニング)
シランカップリング処理 メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ
コーニング社製Z6030)
<背面映写の輝度均一性及び斜め方向からの視認性>
たて1.5m×よこ1.5mの産業資材シート(3)を、図13(a)の様に天井に平
面施工しその上方1mの位置に映像投映装置(4)としてビデオプロジェクターを配
し、産業資材シートの中心に向けて垂直に映写した。映写された映像について、下方か
ら、シートの面に対して垂直の角度、及び面に対して15度の角度で5m離れた位置か
ら観察し、以下の基準で評価した。次いで、図13(b)の様な曲面施工についても、
同様に評価した。なお、図13(a)及び(b)において、蛍光灯の表現は省略した。
1:映像中心部と映像周辺部の輝度差がほとんど無く、垂直方向からの観察に対して
15度の角度で5m離れた位置からの観察においても輝度の低下が少なく、鮮明
な映像が得られる
2:明らかに映像中心部と映像周辺部の輝度差があり、15度の角度で5m離れた位
置からの観察においては垂直方向からの観察に比べて輝度が低下した
3:映像中心部と映像周辺部の輝度差は少なく、垂直方向からと15度の角度で5m
離れた位置からの観察における輝度にも大きな差はないが、全体的に輝度やコン
トラストが低く映像が不鮮明である
<背面映写に対する延伸フィラメントの陰影>
産業資材シートの上方に配置したビデオプロジェクターからの映写を、産業資材シート
下方から観察したときの、延伸フィラメントによる陰影の有無を以下の様に評価した。
1:延伸フィラメントの陰影がほとんど視認できない
2:延伸フィラメントの陰影により映像の鮮明さが阻害される
<映写スクリーン機能>
図14のように産業資材シート(3)と映像投映装置(4)としてビデオプロジェクタ
ーを配置し、ビデオプロジェクター側(前面投映)およびビデオプロジェクターとは反
対側からそれぞれ観察し、前面および背面からの投映に対する映写スクリーンとしての
機能を、映像の鮮明さ、発色性、輝度などの観点から以下の様に評価した。
1:前面および背面からの投映に対する映写スクリーンとして優れている
2:前面からの投映に対する映写スクリーンとして使用可能だが、
背面からの映写には不適切である
3:前面投映・背面投映ともに映写スクリーンとして不適切である
<可視光透過率>
産業資材シートの可視光透過率を、分光側色計CM−3600d(コニカミノルタ
(株)製)を使用しJISZ 8722に従って測定した。
<マンセル明度>
産業資材シートの可撓性樹脂層のマンセル明度(JIS Z8721)を、
MUNSELL BOOK OF COLOR標準色見本に照合させた。
<引張強度>
産業資材シートから基布の糸目に沿って経糸方向30cm、緯糸方向3cmの短冊(経
方向試料)、経糸方向3cm、幅方向30cmの短冊(緯方向試料)をそれぞれ採取
し、JISL1096ストリップ法により引張試験を行い、破断強さ(N/3cm)を
求めた。
<燃焼試験>(ASTM−E1354:コーンカロリーメーター試験法)
輻射電気ヒーターによる50kW/m2の輻射熱を産業資材構造物に20分間照射し、
この発熱性試験において、20分間の総発熱量と発熱速度を測定し、試験後の膜材外観
を観察した。
(a)総発熱量:8MJ/m2以下のものを適合とした。
(b)発熱速度:10秒以上継続して200kW/m2を超えないものを適合とした。
(c)外観観察:直径0.5mmを超えるピンホール陥没痕の発生がないものを適合と
した。
下記配合1の軟質塩化ビニル樹脂ペーストの攪拌混合物に、下記配合2の黒着色ビニルエステル樹脂攪拌混合物を、塩化ビニル樹脂単体の質量に対して20質量%加えて撹拌し、黒着色ビニルエステル樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物液1を得た。この樹脂混合物液1を充満させた浴槽に基布1を浸漬し、基布1に樹脂混合物液1を完全に含浸させた。次いで、ドクターブレードで基布1両面の余分な樹脂混合物液1を掻き落とし、180℃×5分間電気炉加熱して、基布1の両面に可撓性樹脂を被覆したシートを得た。次にPETフィルムの1面上に樹脂混合物液1を0.12mm厚でコートし、これを先に作成したシートの片面に重ね、電気炉で180℃×5分間加熱して樹脂混合物液1を固化させて、からPETフィルムを除去して平滑な可撓性樹脂層を形成した。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、ビニルエステル樹脂が黒色の島成分を構成しており、軟質塩化ビニル樹脂が無色の海成分を構成していた。このシートの可視光透過率は66%、屈折率n1は1.548であった。
<配合1>
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 50質量部
リン酸クレジルフェニル(可塑剤) 46質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
<配合2>
ビニルエステル樹脂 100質量部
(日本ユピカ(株)製 商品名:ネオポール8319)
硬化剤 1質量部
(ジ−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカ-ボネ-ト)
着色剤(アニリンブラック) 1質量部
得られたシートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
下記配合1の軟質塩化ビニル樹脂ペーストの攪拌混合物に、下記配合3の白着色ビニルエステル樹脂攪拌混合物を、塩化ビニル樹脂単体の質量に対して20質量%加えて撹拌し、白着色ビニルエステル樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物液2を得た。この樹脂混合物液2を充満させた浴槽に基布2を浸漬し、基布2に樹脂混合物液2を完全に含浸させた。次いで、ドクターブレードで基布2両面の余分な樹脂混合物液2を掻き落とし、180℃×5分間電気炉加熱して、基布2の両面に可撓性樹脂を被覆したシートを得た。次にPETフィルムの1面上に樹脂混合物液1を0.12mm厚でコートし、これを先に作成したシートの片面に重ね、電気炉で180℃×5分間加熱して樹脂混合物液2を固化させて、からPETフィルムを除去して平滑な可撓性樹脂層を形成した。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、ビニルエステル樹脂が白色の島成分を構成しており、軟質塩化ビニル樹脂が無色の海成分を構成していた。このシートの可視光透過率は65%、屈折率n1は1.548であった。
<配合3>
ビニルエステル樹脂 100質量部
(昭和高分子(株)製SSP50−C06)
硬化剤 1質量部
(ジ−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカ-ボネ-ト)
着色剤:酸化チタン粒子(平均粒子径0.4μm) 3質量部
得られたシートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
基布3を用いた以外は実施例2と同様に産業資材シートを作成した。このシートの可視光透過率は67%、硬化した可撓性樹脂の屈折率n1は1.548であった。得られたシートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の配合2の黒着色ビニルエステル樹脂攪拌混合物を、下記配合4の黒着色シリコーン樹脂に置き換え、塩化ビニル樹脂単体の質量に対して20質量%加えて撹拌し、黒着色シリコーン樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物液3を得た。この樹脂混合物液3を充満させた浴槽に基布4を浸漬し、基布4に樹脂混合物液3を完全に含浸させた。次いで、ドクターブレードで基布4両面の余分な樹脂混合物液3を掻き落とし、180℃×5分間電気炉加熱して、基布4の両面に可撓性樹脂を被覆したシートを得た。次にPETフィルムの1面上に樹脂混合物液3を0.12mm厚でコートし、これを先に作成したシートの片面に重ね、電気炉で180℃×5分間加熱して樹脂混合物液3を固化させて、からPETフィルムを除去して平滑な可撓性樹脂層を形成した。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、シリコーン樹脂が黒色の島成分を構成しており、軟質塩化ビニル樹脂が無色の海成分を構成していた。可撓性樹脂層の屈折率n1は1.529であった。次に、表裏両面に添加剤移行防止層と接着・保護層からなる保護層を順次設け、両面の保護層上に更に光触媒層を設けた。添加剤移行防止層は下記配合5からなる加工液をグラビヤコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥後冷却して形成した。接着・保護層は下記配合6からなる加工液をグラビヤコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して形成した。光触媒層は下記配合7からなる加工液をグラビヤコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して形成した。得られた添加剤移行防止層は5g/m2、接着・保護層は1.5g/m2、光触媒防汚層は1.5g/m2であった。このシートの可視光透過率は69%であった。
<配合4>
商標:シラスコンRTV4086A
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%:ダウコーニングアジア社製)
50質量部
商標:シラスコンRTV4086B
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%:ダウコーニングアジア社製)
50質量部
着色剤(カーボンブラック) 1質量部
<配合5>添加剤移行防止層組成
ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂 20質量部
(商標:カイナー7201:エルフ・アトケム・ジャパン(株))
MEK(溶剤) 80質量部
<配合6>接着・保護層処理液組成
シリコン含有量3mol%のアクリルシリコン樹脂を8質量%(固形分)含有する
エタノール−酢酸エチル(50/50質量比)溶液 100質量部
メチルシリケートMS51(コルコート(株))の20%エタノール溶液
(ポリシロキサン) 8質量部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤 )1質量部
<配合7>光触媒層処理液組成
酸化チタン含有量10質量%に相当する硝酸酸性酸化チタンゾルを分散させた
水−エタノール(50/50質量比)溶液 50質量部
酸化珪素含有量10質量%に相当する硝酸酸性シリカゾルを分散させた
水−エタノール(50/50質量比)溶液 50質量部
得られた産業資材シートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4において配合4の黒着色シリコーン樹脂を、下記配合8の黒着色シリコーン樹脂に置き換え、塩化ビニル樹脂単体の質量に対して20質量%加えて撹拌し、黒着色シリコーン樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物液4を得た。それ以外は実施例4と同様にして、光触媒層を両面に設けた産業資材シートを得た。このシートの可視光透過率は54%、屈折率n1は1.529であった。得られた産業資材シートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
<配合8>
商標:シラスコンRTV4086A
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%:ダウコーニングアジア社製)
50質量部
商標:シラスコンRTV4086B
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%:ダウコーニングアジア社製)
50質量部
着色剤:フタロシアニンブルー、キナクリドンマゼンタ、ハンザイエローミディアムを
2:4:3質量比で混合した黒色系顔料 1質量部
下記配合9のシリコーン樹脂の攪拌混合物に、下記配合10の黒着色塩化ビニル樹脂攪拌混合物を、シリコーン樹脂単体の質量に対して20質量%加えて撹拌し、黒着色塩化ビニル樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物液5を得た。この樹脂混合物液5を充満させた浴槽に基布1を浸漬し、基布1に樹脂混合物液5を完全に含浸させた。次いで、ドクターブレードで基布1両面の余分な樹脂混合物液5を掻き落とし、180℃×10分間電気炉加熱して、基布1の両面に可撓性樹脂を被覆したシートを得た。次にPETフィルムの1面上に樹脂混合物液1を0.12mm厚でコートし、これを先に作成したシートの片面に重ね、電気炉で180℃×10分間加熱して樹脂混合物液5を固化させてからPETフィルムを除去して平滑な可撓性樹脂層を形成した。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、塩化ビニル樹脂が黒色の島成分を構成しており、シリコーン樹脂が無色の海成分を構成していた。このシートの可視光透過率は54%、屈折率n1は1.419であった。
<配合9>
商標:シラスコンRTV4086A
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%:ダウコーニングアジア社製)
50質量部
商標:シラスコンRTV4086B
(2液付加反応硬化型シリコーン樹脂:有効成分100%:ダウコーニングアジア社製)
50質量部
<配合10>
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 50質量部
リン酸クレジルフェニル(可塑剤) 46質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
着色剤(アニリンブラック) 1質量部
得られたシートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
下記配合11の軟質塩化ビニル樹脂の熱溶融混練物に、下記配合12の黒着色ポリエチレン樹脂の熱溶融混練物を、塩化ビニル樹脂単体の質量に対して20質量%加えてバンバリーミキサーで熱溶融混練し、黒着色ポリエチレン樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物6を得た。この樹脂混合物6を180℃設定のカレンダーロール4本を通過させて厚さ0.12mmのフィルムに成型した。このフィルムを可撓性樹脂層として基布1の両面に積層して産業資材シートを得た。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、ポリエチレン樹脂が黒色の島成分を構成しており、軟質塩化ビニル樹脂が無色の海成分を構成していた。このシートの可視光透過率は63%、屈折率n1は1.540であった。
<配合11>
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 50質量部
リン酸クレジルフェニル(可塑剤) 46質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
<配合12>
低密度ポリエチレン樹脂(密度0.945) 100質量部
着色剤(アニリンブラック) 1質量部
得られたシートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表1に示す。
下記配合13の軟質フッ素樹脂の熱溶融混練物に、下記配合14の白着色塩化ビニル樹脂の熱溶融混練物を、軟質フッ素樹脂単体の質量に対して20質量%加えてバンバリーミキサーで熱溶融混練し、白着色塩化ビニル樹脂を均一分散させ非相溶樹脂混合物7を得た。この樹脂混合物7を180℃設定のカレンダーロール4本を通過させて厚さ0.12mmのフィルムに成型した。このフィルムを可撓性樹脂層として基布1の両面に積層して産業資材シートを得た。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、塩化ビニル樹脂が白色の島成分を構成しており、軟質フッ素樹脂が無色の海成分を構成していた。このシートの可視光透過率は58%、屈折率n1は1.397であった。
<配合13>
軟質フッ素樹脂
(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン三元共重合体樹脂)
100質量部
<配合14>
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 50質量部
リン酸クレジルフェニル(可塑剤) 46質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
酸化チタン粒子(着色剤:平均粒子径0.4μm) 3質量部
実施例1の配合1の軟質塩化ビニル樹脂ペーストの攪拌混合物に、下記配合15のビニルエステル樹脂攪拌混合物を、塩化ビニル樹脂単体の質量に対して20質量%加えて撹拌し、ビニルエステル樹脂を均一分散させた。この樹脂混合物液に、着色剤としてアニリンブラックを0.2質量部を加えて攪拌し樹脂混合物液8を得た。この樹脂混合物液8を充満させた浴槽に基布1を浸漬し、基布1に樹脂混合物液1を完全に含浸させた。次いで、ドクターブレードで基布1両面の余分な樹脂混合物液1を掻き落とし、180℃×5分間電気炉加熱して、基布1の両面に可撓性樹脂を被覆したシートを得た。次にPETフィルムの1面上に樹脂混合物液1を0.12mm厚でコートし、これを先に作成したシートの片面に重ね、電気炉で180℃×5分間加熱して樹脂混合物液1を固化させて、からPETフィルムを除去して平滑な可撓性樹脂層を形成した。この可撓性樹脂層を顕微鏡観察すると、海成分の軟質塩化ビニル樹脂、及び島成分のビニルエステル樹脂ともに黒に着色されていた。このシートの可視光透過率は63%、屈折率n1は1.548であった。
<配合15>
ビニルエステル樹脂 100質量部
(日本ユピカ(株)製 商品名:ネオポール8319)
硬化剤 1質量部
(ジ−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカ-ボネ-ト
得られたシートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、配合1の軟質塩化ビニル樹脂ペースト攪拌混合物の併用を省略した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られた産業資材シートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、配合2の黒着色ビニルエステル樹脂攪拌混合物から黒の着色剤を省略した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。得られた産業資材シートを光天井に施工して各種評価を行った。結果を表2に示す。
1−a:延伸フィラメントα
1−b:延伸フィラメントβ
2:海島構造を有する可撓性樹脂層
3:産業資材シート(光拡散透過性シート)
4:映像投映装置
5:鏡
6:照明装置
7:遮光性シート
8:ハウジング
9:地下街の店舗
10:海成分
10−a:着色剤を含む海成分
10−b:着色剤を含まない海成分
10−c:白顔料を含む海成分
11:島成分
11−a:着色剤を含む島成分
11−b:着色剤を含まない島成分
11−c:白顔料を含む島成分
a:延伸フィラメントの延伸方向
b:延伸フィラメントの延伸垂直方向
Lv:光拡散透過シートに垂直に入射した光
Ls:光拡散透過シートに斜めに入射した光
Claims (6)
- 海成分または島成分のいずれか一方が着色剤を含む海島構造を有する可撓性樹脂層を、延伸フィラメントを含んでなる編織布の片面以上に積層してなる複合基材を含む光拡散透過性シートにおいて、前記海島構造を合成樹脂非相溶対により構成し、この合成樹脂非相溶対を成す一方を着色剤含有合成樹脂として、この着色剤含有合成樹脂と、前記合成樹脂非相溶対を成すもう一方の合成樹脂とを混合することを特徴とする背面映写可能な産業資材シートの製造方法。
- 前記海島構造において、島成分が着色剤を含む、請求項1に記載の背面映写可能な産業資材シートの製造方法。
- 前記着色剤が、白色顔料または黒色顔料のいずれかを含む、請求項1または2に記載の背面映写可能な産業資材シートの製造方法。
- 前記着色剤が、青(シアン)・赤(マゼンダ)・黄(イエロー)・黒(ブラック)から選ばれた3種以上の顔料の混合物である、請求項1または2に記載の背面映写可能な産業資材シートの製造方法。
- 前記延伸フィラメントが、延伸方向a、及び前記延伸方向aに対する延伸垂直方向b、とを有し、前記可撓性樹脂層の屈折率n1と前記延伸フィラメントの延伸方向の屈折率naとの差の絶対値|n1−na|が下記式1を満たし、かつ、前記可撓性樹脂層の屈折率n1と、延伸垂直方向bの屈折率nbとの差の絶対値|n1−nb|が、下記式2を満たす光学特性を有することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の背面映写可能な産業資材シートの製造方法。
0<|n1−na|≦0.2 式1
|n1−nb|≦0.2 式2 - 前記光拡散透過性シートにおいて、コーンカロリーメーター試験法(ASTM−E1354)において前記光拡散透過性シートに対して輻射電気ヒ−タ−による輻射熱を、50kW/m2で照射した時に、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、且つ加熱開始後20分間、10秒以上継続して最高発熱速度が200kW/m2を超えない不燃特性を有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の背面映写可能な産業資材シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009155135A JP5376230B2 (ja) | 2009-06-30 | 2009-06-30 | 背面映写可能な産業資材シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009155135A JP5376230B2 (ja) | 2009-06-30 | 2009-06-30 | 背面映写可能な産業資材シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011011365A true JP2011011365A (ja) | 2011-01-20 |
JP5376230B2 JP5376230B2 (ja) | 2013-12-25 |
Family
ID=43590717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009155135A Expired - Fee Related JP5376230B2 (ja) | 2009-06-30 | 2009-06-30 | 背面映写可能な産業資材シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5376230B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012111662A1 (ja) * | 2011-02-16 | 2012-08-23 | 住友化学株式会社 | 有機el用基板及び有機el素子 |
JP2016103744A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | トヨタホーム株式会社 | 映像投影システム |
WO2018047658A1 (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | エピスター コーポレイション | 光半導体素子被覆用シート |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02199444A (ja) * | 1989-01-30 | 1990-08-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 透過型スクリーンとその製造方法とそれを用いた透過型プロジェクションテレビ |
JPH075570A (ja) * | 1993-04-19 | 1995-01-10 | Keiwa Shoko Kk | スクリーン用シート材 |
JP2005024942A (ja) * | 2003-07-03 | 2005-01-27 | Kimoto & Co Ltd | 透過型スクリーン |
JP2005338681A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Toppan Printing Co Ltd | 光拡散シート、その光拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーン |
JP2005345873A (ja) * | 2004-06-04 | 2005-12-15 | Nitto Boseki Co Ltd | 光拡散シート及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-06-30 JP JP2009155135A patent/JP5376230B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02199444A (ja) * | 1989-01-30 | 1990-08-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 透過型スクリーンとその製造方法とそれを用いた透過型プロジェクションテレビ |
JPH075570A (ja) * | 1993-04-19 | 1995-01-10 | Keiwa Shoko Kk | スクリーン用シート材 |
JP2005024942A (ja) * | 2003-07-03 | 2005-01-27 | Kimoto & Co Ltd | 透過型スクリーン |
JP2005338681A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Toppan Printing Co Ltd | 光拡散シート、その光拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーン |
JP2005345873A (ja) * | 2004-06-04 | 2005-12-15 | Nitto Boseki Co Ltd | 光拡散シート及びその製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012111662A1 (ja) * | 2011-02-16 | 2012-08-23 | 住友化学株式会社 | 有機el用基板及び有機el素子 |
JP2016103744A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | トヨタホーム株式会社 | 映像投影システム |
WO2018047658A1 (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | エピスター コーポレイション | 光半導体素子被覆用シート |
US11269118B2 (en) | 2016-09-08 | 2022-03-08 | Epistar Corporation | Optical semiconductor element coating sheet |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5376230B2 (ja) | 2013-12-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011013302A (ja) | 背面映写可能な産業資材シート、及びその映写システム | |
JP4408809B2 (ja) | 両面映像フィルムスクリーン | |
US6577355B1 (en) | Switchable transparent screens for image projection system | |
JP5239097B2 (ja) | 背面映写可能な産業資材シート | |
WO2002056112A1 (en) | Back face transmission screen | |
JP6142251B2 (ja) | 投映スクリーン | |
JP4484829B2 (ja) | 透過光および反射光の両用の画像シート | |
JP2004093848A (ja) | 光拡散性スクリーンおよびこのスクリーンを用いた表示装置 | |
JP5376230B2 (ja) | 背面映写可能な産業資材シートの製造方法 | |
JP7194347B2 (ja) | 加飾シート、表示装置、照明装置、窓 | |
JP4629656B2 (ja) | 背面投影型及び/又は投影型スクリーン | |
JP6368911B2 (ja) | 透過投映スクリーン | |
JP2016009149A (ja) | 透過投映スクリーン | |
JP2010191129A (ja) | 背面映写可能な産業資材シート、及びその映写システム | |
JP2004045443A (ja) | 透視可能な透過型スクリーン | |
JP6260044B2 (ja) | 背面投映用スクリーン | |
JP2011011369A (ja) | 背面映写可能な産業資材シート、及びその映写システム | |
JP7426173B2 (ja) | 光透過性表示パネル | |
KR20160128242A (ko) | 옥외용 공기투과 망점 스크린 | |
US8590196B2 (en) | Display apparatus | |
JP2014106469A (ja) | 投映スクリーン | |
JP6318448B2 (ja) | 透過投映スクリーン | |
JP5365500B2 (ja) | 不燃性内照式電飾看板 | |
JP6880906B2 (ja) | 透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置 | |
CA2873479A1 (en) | Simulated 3d projection apparatus |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120529 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130710 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130713 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130904 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130911 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5376230 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |