JP2011010029A - 画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外カットフィルタやコーティングレンズを用いず、印画紙の原稿を読み取りでの原稿の再現性確保を低コストに実現する。
【解決手段】画像読取装置は、光源と、赤外光を反射する原稿の読取を対象とした印画紙モードの選択入力を受け付ける入力部と、読取対象を読み取るイメージセンサと、赤外光を反射しない白基準板と、印画紙モード以外のモードでは、白基準板読取で定まる第1白基準データと光源消灯時のイメージセンサの出力に基づき定まる第1黒基準データに基づき、印画紙モードでは第2白基準データと第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備え、印画紙モード選択時、シェーディング補正部は第1白基準データに対し明るい方向で異なる第2白基準データと、第1黒基準データに対し明るい方向で異なる第2黒基準データと、に基づきシェーディング補正を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、原稿を読み取り、シェーディング補正を行う画像読取装置に関する。又、この画像読取装置を備えた複合機、複写機等の画像形成装置に関する。
スキャナ等の画像読取装置は、光源から光を放ち、原稿で反射された光をイメージセンサ(例えば、CCD)に導き、画像データを得る。又、複写機、複合機、FAX装置などの画像形成装置に画像読取装置が設けられることもある。そして、光源の種類により特性に差はあるが、光源から、赤外領域の光(可視光線よりも長波長の光。例えば、750nm程度よりも長波長の光。以下、「赤外光」という。)が放射される。
そして、原稿の読み取りでは、赤外光の成分を除去したい場合がある。このような原稿の反射光から赤外光を取り除く画像処理装置の一例が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、染料系あるいは顔料系原稿を区別するため、スキャナ部10の結像光学系に切換式の赤外カットフィルタを設け、染料系原稿の反射光から、赤外領域を含む画像情報および含まない画像情報を取得する画像処理装置が記載されている(特許文献1:段落0056〜0061、図4、要約等参照)。
特開2004−284156
画像読取装置内の光源の特性にもよるが、光源からの光に、比較的多くの赤外光の成分が含まれることがある。そして、原稿の用紙には、よく赤外光を反射するものと反射しないものがある。例えば、一般によく用いられる普通紙やOA用紙と呼ばれる用紙は、ほとんど赤外光を反射しない。一方、印画紙(写真フィルムの画像を記録するため感光材料が塗布された用紙)は、赤外光をよく反射することが知られている。この要因の1つは、印画紙に塗布された感光材料にあると解される。
そして、人間の目には可視光は見えないが、画像読取装置のイメージセンサは、赤外光に対し感度(吸収特性)を有する場合がある。従って、印画紙が用いられた原稿の読み取りを行うと、光源から印画紙で反射された赤外光が、イメージセンサに導かれ、赤外光の成分が光電変換される場合がある。そうすると、赤外光の成分が上乗せされて読み取られることになる。その結果、原稿を読み取って得られた画像データや、その画像データを利用した印刷物では、原稿と階調や明るさが異なる場合がある(白っぽくなる)。
即ち、印画紙等を読み取って得られた画像データやその印刷物では、人間が視認する原稿と、階調、濃度、明るさ等で異なり、原稿の再現性という点で問題がある。この問題を解決するため、特許文献1に記載されるように赤外カットフィルタを設ける場合がある。又、赤外カットコーティングが施されたレンズを用いる場合がある。しかし、精度か悪ければ、光の赤色成分の一部が除外される等の弊害があり、フィルタやコーティングレンズは、精度よく、適切に赤外光の除外できるなければならない。精度、性能がよければ、その分、フィルタやコーティングレンズの価格は高くなり、開発費や製造費等、コスト上昇を招くという問題も生ずる。
尚、特許文献1を見ると、特許文献1の発明は、原稿の種類(顔料、染料、印画紙)を判別し、原稿にあわせてテーブルを選択するに留まる。又、赤外光の影響により、印画紙を読み取って得られた画像データやその印刷物の再現性についての記載はない。又、赤外フィルタの精度等に関する記載もない。従って、上記の問題を解決することはできない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、画像読取装置で、赤外カットフィルタやコーティングレンズを用いず、印画紙の原稿を読み取りでの原稿の再現性確保を低コストに実現することを課題とする。
請求項1に係る画像読取装置は、読取対象に光を照射する光源と、原稿を読み取る際のモードとして、赤外光を反射する原稿の読取を対象とした印画紙モードの選択入力を受け付ける入力部と、前記読取対象からの反射光が入射され、前記読取対象を読み取るイメージセンサと、前記印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない白基準板と、前記印画紙モード以外のモードでは、前記白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第1白基準データと前記光源消灯時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる第1黒基準データに基づき、前記印画紙モードでは第2白基準データと第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備え、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに対し明るい方向で異なる前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに対し明るい方向で異なる前記第2黒基準データと、に基づきシェーディング補正を行うこととした。
この構成によれば、印画紙モードが選択された場合、普通紙など、赤外光の反射の少ない或いはほとんど無い原稿を読み取る印画紙モード以外のモードのときよりも、シェーディング補正での白基準と黒基準を明るい方向で異ならせる。これにより、印画紙の原稿を読み取ると、赤外光の成分によるイメージセンサに蓄積される電荷の増加により、明るく読み取られるという赤外光の影響を軽減、解消する方向に、シェーディング補正での白基準と黒基準を移動させることができる。従って、原稿の再現性が確保される。又、従来のように、赤外光の成分を除去するフィルタやコーティングレンズを設ける必要が無くなり、画像読取装置の開発、製造コストを削減することができる。
一方で、普通紙やOA用紙等、印画紙に比べ赤外光を反射しない原稿を読み取る場合、赤外光の影響を考慮する必要がない。むしろ、印画紙モード以外のモードで、第2白基準データと第2黒基準データでシェーディング補正が行われると、画像データやその印刷物が原稿に比べ暗くなる場合がある。しかし、この構成によれば、印画紙モード以外のモードでは、第1白基準データと第1黒基準データに基づきシェーディング補正が行われるので、印画紙以外の原稿を読み取った際の再現性も確保される。従って、原稿の用紙を問わず、適切なシェーディング補正を行うことができる。
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板と、赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板と、を備え、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記印画紙モード用白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2白基準データと、前記印画紙モード用黒基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うこととした。
この構成では、イメージセンサで読み取ると、第1白基準データや第1黒基準データよりも明るい白基準データ、黒基準データが得られる印画紙モード用白基準板と印画紙モード用黒基準板を備える。これにより、印画紙モード選択時、印画紙モード用白基準板と印画紙モード用黒基準板を読み取り第2白基準データ、第2黒基準データを得ることができる。従って、印画紙の原稿の読み取りでの赤外光の成分による影響を軽減、解消することができる。又、印画紙モード用白基準板と印画紙モード用黒基準板は、例えば、樹脂製や紙製のものでよく、高精度、高性能なフィルタやコーティングレンズに比べ、画像読取装置の製造コストは抑えられる。
又、請求項3に係る画像読取装置は、請求項1の発明において、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は前記第1白基準データを明るくする方向に補正することで得られた第2白基準データと、前記第1黒基準データを明るくする方向に補正することで得られた第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うこととした。
この構成では、第1白基準データと第1黒基準データを明るくなる(白くなる)方向に補正して、印画紙モード用の第2白基準データと第2黒基準データが得られる。従って、従って、印画紙の原稿の読み取りでの赤外光の成分による影響を軽減、解消することができる。又、補正の演算で求めることができるから、印画紙モード用の白基準板や黒基準板を設ける必要や、高精度、高性能なフィルタやコーティングレンズが必要無く、画像読取装置の開発、製造コストは抑えられる。
又、請求項4に係る画像読取装置は、請求項3の発明において、前記第1白基準データと、前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板を前記イメージセンサで読み取ることで取得された白基準データとの差分を示す白基準差分データと、前記第1黒基準データと、赤外光を反射し、前記第1黒基準データよりも明るい黒基準データが得られる印画紙モード用黒基準板を読み取ることで取得された黒基準データとの差分を示す黒基準差分データと、を予め記憶する記憶部を有し、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに前記白基準差分データを加える補正により得られた前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに前記黒基準差分データを加える補正により得られた前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うこととした。
この構成では、印画紙での読み取りでの赤外光の影響を加味するため、白基準差分データと黒基準差分データが用意される。これにより、印画紙モード以外で使用される第1白基準データと第1黒基準データに対し、白基準差分データと黒基準差分データで補正し、第2白基準データと第2黒基準データを得ることができる。従って、印画紙の原稿の読み取りでの赤外光の成分による影響を軽減、解消することができる。又、印画紙モード用の白基準板や黒基準板を設ける必要や、高精度、高性能なフィルタやコーティングレンズが必要無く、画像読取装置の製造コストは抑えられる。
請求項5に係る画像読取装置は、読取対象に光を照射する光源と、原稿を読み取る際のモードとして、赤外光を反射する原稿の読取を対象とした印画紙モードの選択入力を受け付ける入力部と、前記読取対象からの反射光が入射され、前記読取対象を読み取るイメージセンサと、前記印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない白基準板と、前記印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない黒基準板と、前記印画紙モード以外のモードでは、前記白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第1白基準データと前記黒基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる第1黒基準データに基づき、前記印画紙モードでは第2白基準データと第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備え、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに対し明るい方向で異なる前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに対し明るい方向で異なる前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うこととした。この構成によれば、請求項1と同様の作用、効果を得ることができる。
請求項6に係る画像読取装置は、請求項5の発明において、前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板と、前記黒基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板と、を備え、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記印画紙モード用白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2白基準データと、前記印画紙モード用黒基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うこととした。この構成によれば、請求項2と同様の作用、効果を得ることができる。
請求項7に係る画像読取装置は、請求項5記載の発明において、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データを明るくする方向に補正することで得られた前記第2白基準データと、前記第1黒基準データを明るくする方向に補正することで得られた前記第2黒基準データと、に基づきシェーディング補正を行うこととした。この構成によれば、請求項3と同様の作用、効果を得ることができる。
請求項8に係る画像読取装置は、請求項4記載の発明において、前記第1白基準データと、前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板を前記イメージセンサで読み取ることで取得された白基準データとの差分を示す白基準差分データと、前記第1黒基準データと、前記黒基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板を前記イメージセンサで読み取ることで取得された黒基準データとの差分を示す黒基準差分データと、を予め記憶する記憶部を有し、前記印画紙モードが選択された場合、前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに前記白基準差分データを加える補正により得られた前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに前記黒基準差分データを加える補正により得られた前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うこととした。この構成によれば、請求項4と同様の作用、効果を得ることができる。
請求項9に係る画像読取装置は、請求項2乃至8の発明において、前記印画紙モード用白基準板は、白色の印画紙であり、前記印画紙モード用黒基準板は黒色の印画紙であることとした。この構成によれば、印画紙モード用白基準板と印画紙モード用黒基準板を安価なものとすることができ、画像読取装置の開発、製造に要するコストが低減される。
又、請求項10に係る画像形成装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置を備えることとした。この構成によれば、原稿の用紙が赤外光をよく反射しても、赤外光の影響が軽減、解消された画像データに基づき印刷を行うことができる。従って、原稿の用紙の種類を問わずに再現性の高い画像形成装置を提供することができる。又、画像読取装置の開発、製造コストが抑えられるので、画像形成装置の開発、製造コストも低く抑えることができる。
本発明によれば、赤外光をよく反射する原稿の読取を行っても、忠実に原稿を再現する画像読取装置や画像形成装置を提供することができる。即ち、原稿の用紙の種類を問わず、再現性の高い画像読取装置、画像形成装置を提供することができる。又、赤外カットフィルタやコーティングレンズを用いず、開発や製造でのコストが削減される。
第1の実施形態に係る複写機の模型的正面断面図である。 第1の実施形態に係る画像形成部の一部拡大模型的断面図である。 (a)は第1の実施形態に係る画像読取装置の一例を示す模型的正面断面図、(b)はシェーディング板の一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る複写機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る画像読取部の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る印画紙モードと印画紙モード以外のモードでのシェーディング補正の差の一例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る原稿の読取制御の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るシェーディング板の一例を示す平面図である。 第2の実施形態に係る原稿の読取制御の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るシェーディング板の一例を示す平面図である。 第3の実施形態に係る原稿の読取制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図7を参照しつつ説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複写機100の構成の概要)
まず、図1を用い、本発明の第1の実施形態に係る複写機100(画像形成装置に相当)の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複写機100の模型的正面断面図である。
図1に示すように、複写機100の上部には原稿の画像を読み取る画像読取部2(詳細は後述)と、原稿搬送装置3(詳細は後述)とからなる画像読取装置1が配される。そして、複写機100の内部には、給紙部4a、用紙搬送路4b、画像形成部5a(詳細は後述)、中間転写部6、定着部5b等が配される。
尚、複写機100の正面前方には、画像読取装置1や複写機100の動作開始を指示するためのスタートキー71や、タッチパネル式の液晶表示部72を有する操作パネル7(入力部に相当)を設けることができる(図1に破線で図示)。液晶表示部72は、タッチパネルによるメニュー選択で設定指示を受け付ける。例えば、印画紙や銀塩写真等の赤外光をよく反射する原稿の読み取りを対象とした印画紙モードや、複写機の製造者が使用を推奨する標準紙、普通紙、再生紙、書籍等の赤外光をほとんど反射しない(印画紙よりも赤外光を反射しない)原稿を読み取りを対象とした通常モード等のモードの選択入力を液晶表示部72に行うことができる。即ち、操作パネル7は、原稿を読み取る際のモードとして、赤外光を反射する原稿の読取を対象とした印画紙モードの選択入力を受け付ける。
給紙部4aは、記録媒体として用紙(A4、B4等の各サイズ)等の用紙を収納し、画像形成の際、用紙を供給する。用紙搬送路4bは、供給された用紙を排出トレイ41まで搬送する。そのため、用紙搬送路4bには、搬送ローラ対42等が複数設けられる。
中間転写部6は、画像形成部5aの上方に設けられ、画像データに基づき、画像形成部5aの各感光体ドラム52の周面に形成されたトナー像の1次転写を受け、用紙にトナー像の2次転写を行う部分である。そして、中間転写ベルト61は、下側の外周面と各感光体ドラム52が当接するように、駆動ローラ62、従動ローラ63、4本の1次転写ローラ64等に張架される。駆動ローラ62にはモータ、ギア等の駆動手段(不図示)が接続され回転する。中間転写ベルト61は、駆動ローラ62の回転により、図1において時計方向(矢印方向)に周回する。ここで、1次転写ローラ64は、各感光体ドラム52に対向して1本ずつ回転可能に配され、1次転写ローラ64に所定の大きさの電圧が印加される。電圧印加により、各色のトナー像が、各感光体ドラム52から中間転写ベルト61に1次転写される。この1次転写の際、各色のトナー像はずれなく重ね合わせられる。
そして、中間転写ベルト61に当接し、駆動ローラ62に対向し、回転可能に支持される2次転写ローラ65が中間転写部6に設けられる。駆動ローラ62と中間転写ベルト61のニップに用紙とトナー像が進入した際、所定の電圧が2次転写ローラ65に印加されトナー像は用紙に2次転写される。ベルトクリーニング装置66は、残トナー等を中間転写ベルト61から除去し、清掃する。定着部5bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。用紙は定着部5bを通過する際に加圧・加熱され、トナー像が用紙に定着する。その後、用紙は排出トレイ41に排出され、画像形成が完了する。
(画像形成部5aの構成)
次に、図1及び図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複写機100の画像形成部5aを説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成部5aの一部拡大模型的断面図である。
画像形成部5aは、画像データに基づき記録媒体に印刷を行うため画像(トナー像)を形成する。そして、画像形成部5aは、図1に示すように、4つの画像形成ユニット50K(ブラック)、50C(シアン)、50M(マゼンタ)、50Y(イエロー)と、画像データに基づき、光による走査・露光を各感光体ドラム52に対し行って、静電潜像を形成する露光装置51で構成される。
このように、本実施形態の複写機100は、黒色を含む複数色のトナーを用いてカラートナー像を形成可能である。尚、各画像形成ユニット50は、使用するトナーの色が異なるが、基本的構成は同様であるから以下の説明では特に説明する場合を除き、K、Y、C、Mの記号は省略する。
そして、図2に示すように、各画像形成ユニット50は、同図中に示す矢印方向に回転可能に支持され、モータ(不図示)等により、所定の方向に回転駆動される感光体ドラム52を備える。又、感光体ドラム52の周囲には、帯電装置53、現像装置54、清掃装置55が配される。
帯電装置53は、感光体ドラム52の表面を所定電位に均一に帯電させる。露光装置51は、帯電後の感光体ドラム52表面を画像データにあわせ走査・露光する。そして、現像装置54は、トナーを担持し、トナーを感光体ドラム52に飛翔させる。現像装置54は、静電潜像に帯電したトナーを供給して現像(可視像化)する。清掃装置55は、感光体ドラム52の表面を清掃する。これらの構成により、トナー像が各感光体ドラム52の周面に形成され、トナー像は、中間転写部6に1次転写される。
(画像読取装置1の構成)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置1を説明する。図3(a)は本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置1の一例を示す模型的正面断面図、(b)はシェーディング板29aの一例を示す平面図である。
本実施形態の画像読取装置1は、原稿搬送装置3と画像読取部2とで構成される。まず、原稿搬送装置3は、読み取りを行う原稿を載置する原稿トレイ31、原稿の搬送を行う複数の原稿搬送ローラ対32、原稿搬送路33、原稿排出トレイ34を備える。原稿トレイ31上の原稿は、1枚ずつ原稿搬送路33に送り出される。送り出された原稿は、画像読取部2上面の送り読取用コンタクトガラス21aに接するように自動かつ連続的に搬送される。又、原稿搬送装置3は、紙面奥側設けられた支点(不図示)により、上方に持ち上げ可能であり、例えば書籍等の原稿を画像読取部2の上面の載置読取用コンタクトガラス21bに載せることもできる。
次に、画像読取部2は、スキャナとしてユニット化され、原稿に光を照射し、その反射光に基づき原稿を読み取って画像データを生成する。そのため、画像読取部2は、第1移動枠221、第2移動枠222、レンズ23、イメージセンサ24等を備える。第1移動枠221は、主走査方向に伸び、読取対象に光を照射するランプ25(光源に相当、例えば、キセノンランプ)と第1ミラー261を備える。尚、ランプ25は、キセノンランプ以外の光源でもよい。第2移動枠222は、第2ミラー262、第3ミラー263を備える。レンズ23は、原稿の反射光を結像する。イメージセンサ24(例えばCCD)は、複数のライン状に、複数の受光素子が配される。そして、イメージセンサ24は、原稿の読み取りのため、ランプ25から原稿に当たり、レンズ23で結像された反射光が入射されることにより反射光量に応じた光電変換を行う。即ち、イメージセンサ24は、読取対象からの反射光が入射され、読取対象を読み取る。
原稿搬送装置3を用いて原稿を読み取る時、各移動枠は、送り読取用コンタクトガラス21aの下方で固定される。一方、載置読取用コンタクトガラス21b上の原稿を読み取る時、巻取ドラム27の回転駆動により各移動枠を水平方向に移動させて読み取りが行われる(各移動枠と巻取ドラム27は、ワイヤ28で接続される)。尚、画像データの生成の詳細は後述する。又、巻取ドラム27は、正逆回転する巻取モータ27Mにより回転させられる(図5参照)。
ここで、送り読取用コンタクトガラス21aと載置読取用コンタクトガラス21bの間には、原稿の搬送をガイドするガイド部材29が設けられ、そして、ガイド部材29の下面には、シェーディング補正を行う際の白基準や黒基準を得るためのシェーディング板29aが設けられる。シェーディング板29aは、画像読取装置1の主走査方向(原稿搬送方向と垂直な方向、図3(a)の紙面に対し垂直な方向)に伸びる板である。このシェーディング板29aの読取で、シェーディング補正における白基準や黒基準が定まる。
次に、図3(b)に基づき、シェーディング板29aの構成を説明する。図3(b)に示すように、シェーディング板29aは、それぞれ色の異なる細長い基準板を組み合わせたものである。具体的には、図3(b)の上方から、印画紙モード用白基準板W2、印画紙モード以外のモードで使用される白基準板W1、印画紙モード用黒基準板B2である。尚、本実施形態では、印画紙モード以外のモードでの黒基準データは、ランプ25の無点灯状態のイメージセンサ24の出力データに基づき定まる。
ここで、白基準板W1は、透過、吸収等によりほとんど赤外光を反射せず、印画紙モードで読み取ろうとする原稿(例えば、印画紙)よりも赤外光を反射しない。尚、表面を荒くして、赤外光を拡散させることで、イメージセンサに到達する赤外光を減らすようにした白基準板W1でもよい。一方、印画紙モード用白基準板W2は印画紙と同程度に赤外光を反射し、白基準板W1よりも赤外光を反射する。又、印画紙モード用黒基準板B2は、印画紙モード用白基準板W2と同様、印画紙と同程度に赤外光を反射する。
尚、印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2が赤外光を反射させる度合は読み取ろうとする印画紙と同程度とすればよいが、赤外光の反射の度合は、印画紙によって異なる場合もあり得る。そこで、例えば、複数社分の印画紙を複数リストアップし、平均を実験等で確かめる。そして、平均に基づき基準となる印画紙を定め、印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2は、基準と印画紙と同等に赤外光を反射させるようにしてもよい。又、例えば、印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2は白色又は黒色の印画紙で構成してもよい。即ち、印画紙モード用白基準板W2は、白色の印画紙であり、印画紙モード用黒基準板B2は黒色の印画紙であってもよい。或いは、白色又は黒色の樹脂板に、印画紙と同様の感光材料を塗布したものでも良い。
(複写機100の制御におけるハードウェア構成)
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複写機100のハードウェア構成を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る複写機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る複写機100は、内部に制御部10を有する。制御部10は、複写機100全体の制御を司る。例えば、制御部10は、CPU10a、記憶部10b等から構成される。
CPU10aは、中央演算処理装置であって、記憶部10bに格納され、展開される制御プログラムに基づき複写機100の各部の制御や演算を行う。記憶部10bは、ROM、RAM、HDD、フラッシュROM等の記憶装置で構成される。記憶部10bは、複写機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像読取部2でスキャンした画像データ等を記憶する。
そして、制御部10は、画像読取装置1としての原稿搬送装置3や画像読取部2、及び、複写機100内の給紙部4a、用紙搬送路4b、中間転写部6、画像形成部5a、定着部5b、画像処理部9(詳細は後述)、操作パネル7等と接続され、記憶部10bの制御プログラムやデータに基づき、適切に画像形成が行われるように各部の動作を制御する。又、例えば、制御部10は印画紙モード選択等の操作パネル7への入力内容を把握する。
(画像読取装置1のハードウェア構成と画像データの生成)
次に、図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置1のハードウェア構成と画像データの生成を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る画像読取部2の一例を示すブロック図である。尚、画像データの流れは、白抜矢印で図示している。
まず、画像読取装置1の一部である原稿搬送装置3には原稿搬送制御部30が設けられる。原稿搬送制御部30は、複合機本体の制御部10と通信可能に接続され、操作パネル7のスタートキー71が押下された場合など、原稿トレイ31に載置された原稿の読み取りを行う場合、複合機本体の制御部10からの指示を受ける。そして、原稿搬送制御部30は、例えば、原稿を搬送する各種回転体を回転させる原稿搬送モータ3M等を制御する。これにより、原稿搬送装置3の動作が制御される。
又、画像読取装置1の一部である画像読取部2には読取制御部20が設けられる。読取制御部20は、CPU、チップ等の各種電子部品が実装された基板である。そして、読取制御部20は、複合機本体の制御部10と通信可能に接続され、操作パネル7のスタートキー71が押下された場合など、原稿の読み取りを行う場合、制御部10からの指示を受ける。又、読取制御部20は、巻取モータ27Mやランプ25やイメージセンサ24等と接続され、例えば、巻取ドラム27を回転させる巻取モータ27Mの動作や、原稿に光を照射するランプ25の点消灯や、イメージセンサ24等の駆動等を制御する。これにより、画像読取部2の動作が制御される。尚、読取制御部20内には、プログラムやデータを保存するための記憶部201を設けることができる。
まず、画像読取部2での原稿の読み取りと画像データ生成では、イメージセンサ24は、画素ごとに、ランプ25から照射され原稿等で反射された反射光の強さに応じた電流(電圧)を出力する。尚、本実施形態のイメージセンサ24は、カラー対応のラインセンサであり、R、G、Bの各信号を出力する。そして、イメージセンサ24の各出力電流(電圧)は、A/D変換部20aに入力される。尚、A/D変換部20aの前段に増幅器が設けられてもよい。A/D変換部20aは、イメージセンサ24の各画素のアナログの各出力電流(電圧)をディジタルデータ化し、シェーディング補正部8に出力する。
シェーディング補正部8は、白基準データや黒基準データ等のデータやプログラムを記憶する記憶部81や、その他、シェーディング補正用の演算回路等で構成される。一般に、イメージセンサ24において、ライン状に配された各画素に相当する各受光素子のばらつき(個体特性差)や、レンズ23の中心部と周辺部の集光度の違いや、ランプ25の位置による発光量のムラ等によって、主走査方向において同一濃度の各基準板や、原稿を読み取っても、画素の位置により、イメージセンサ24の各受光素子が出力する電流(電圧)の値に差が生ずる。そこで、シェーディング補正部8は、イメージセンサ24の画素ごとに、白基準データと黒基準データを定め、画素の位置に依存する歪みを補正する。
具体的に、シェーディング補正部8は、印画紙モード以外のモードの時、白基準板W1を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)を白基準データとして取得し、記憶する。又、シェーディング補正部8は、印画紙モード以外のモードの時、ランプ25消灯時のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)を黒基準データとして取得し、記憶する。
一方、シェーディング補正部8は、印画紙モードでは、印画紙モード用白基準板W2を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)を白基準データとして取得し、記憶する。又、シェーディング補正部8は、印画紙モード用黒基準板B2を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)を黒基準データとして取得し、記憶する。
尚、以下の説明では、印画紙モード以外のモードでの白基準データと黒基準データをそれぞれ、「第1白基準データ」、「第1黒基準データ」と称する。又、印画紙モードでの白基準データと黒基準データをそれぞれ、「第2白基準データ」、「第2黒基準データ」と称する。即ち、シェーディング補正部8は、印画紙モード以外のモードでは、白基準板W1読取時のイメージセンサ24の出力に基づき定まる第1白基準データとランプ25消灯時のイメージセンサ24の出力に基づき定まる第1黒基準データに基づき、印画紙モードでは第2白基準データと第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行う。尚、白基準データ、黒基準データにつき、印画紙モードと印画紙モード以外のモードの両方に当てはまる説明では、特に説明する場合を除き、「第1」、「第2」の語は省略する。
そして、印画紙モード以外のモードでは、シェーディング補正部8は、第1白基準データと第1黒基準データを利用してシェーディング補正を行う。又、印画紙モードでは、シェーディング補正部8は、第2白基準データと第2黒基準データを利用してシェーディング補正を行う。
例えば、シェーディング補正部8は、各画素について、各モードでの白基準データと黒基準データの間を、予め定められたステップ数(階調数、例えば、8ビット256階調)で刻み、イメージセンサ24の出力(A/D変換後のディジタルデータ)の大きさに応じて、各画素について階調化(量子化)を行う。尚、シェーディング補正部8に入力されるイメージセンサ24のディジタルデータが白基準と黒基準の間に収まらなければ、例えば、白基準、若しくは、黒基準と同値とされる。
例えば、シェーディング補正部8が白黒の画像データを出力する場合、1画素当たり8ビット(例えば、256階調)で出力し、各画素の値が濃度値となる。カラーの場合、RGBで1画素当たり、計24ビットに量子化を行う(例えば、Red=8ビット、Green=8ビット、Blue=8ビット、それぞれ0〜255の値を取り、256階調)。
例えば、印画紙モード以外のモードでは、シェーディング補正部8は、カラーの画像データの場合、ランプ25の消灯時のイメージセンサ24のディジタルデータ値(出力値)は、(R;G;B=0,0,0)と量子化され、白基準板W1を読み取った際のイメージセンサ24のディジタルデータ値(出力値)は(R;G;B=255,255,255)と量子化される。又、例えば、印画紙モードでは、シェーディング補正部8は、カラーの画像データの場合、印画紙モード用黒基準板B2を読み取った時のイメージセンサ24のディジタルデータ値(出力値)は、(R;G;B=0,0,0)と量子化され、印画紙モード用白基準板W2を読み取った際のイメージセンサ24の出力値は、(R;G;B=255,255,255)と量子化される。
そして、シェーディング補正部8が出力する原稿画像の画像データは、画像処理部9に入力される。本実施形態の画像処理部9は、画像データに関する演算や作業領域としてのワークRAMや専用回路としてのASIC等を組み合わせて構成される回路である。尚、制御部10のCPU10aや記憶部10bに画像処理プログラムを格納してソフトウェア的に画像処理部9を実現することもできる。
尚、画像処理部9は、濃度変換処理や、拡大縮小処理、画像データのデータ形式変換処理等、各種画像処理を行うことができる。しかし、実行可能な画像処理は多岐にわたるので、本説明では、画像処理部9は、公知の画像処理を行えるものとして、画像処理部9が実行可能な画像処理の詳細な説明は割愛する。
そして、画像処理部9が画像処理を施した後の画像データは、例えば、画像形成部5aの露光装置51に送られ、各感光体ドラム52の走査・露光に用いられる。これにより、原稿に基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。又、例えば、画像処理部9が画像処理を施した後の画像データを記憶部10bに送り、記憶部10bに記憶させておくこともできる(スキャナ機能)。
(印画紙モードと印画紙モード以外のモードの差)
次に、図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係る印画紙モードと印画紙モード以外のモードでのシェーディング補正の差を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る印画紙モードと印画紙モード以外のモードでのシェーディング補正の差の一例を示す説明図である。尚、図6のグラフの縦軸は、濃度を示し、上方になるほど白く(明るく)、下方になるほど黒い(暗い)ことを示している。
一般に、原稿に用いられる用紙(標準紙、普通紙、OA用紙等)は、透過、吸収等により赤外光をほとんど反射しない。一方で、印画紙は、標準紙等に比べて赤外光をよく反射する。そして、画像読取装置1に搭載されるイメージセンサ24は、赤外光に感度を有することがある。そうすると、赤外光もイメージセンサ24で、電荷に変換される。
人間の目には赤外光は見えないので、画像読取装置1では、赤外光の成分を読み取らないことが好ましい。例えば、人間の目から見て同じ内容、同じ濃度の画像が印刷されている印画紙と標準紙があるとする。これら2種の用紙の原稿を読み取った場合、印画紙を読み取った際の画像データやその印刷物では、赤外光の成分が電荷に変換されるために、原稿に比べ明るく(白っぽく)なる。
このような、印画紙の赤外光の反射率が高いことによる再現性の低下は、赤外光の成分がイメージセンサ24で電荷に変換され、赤外光成分がイメージセンサ24の出力に上乗せされることにより生ずる。言い換えると、印画紙の読取では、赤外光をほとんど反射しない用紙の原稿を読み取った時より、赤外光成分でイメージセンサ24の出力が大きくなり、再現性の低下が生ずる。この赤外光による影響をなくすため、又、赤外カットフィルタや赤外カットのコーティング処理が施されたレンズ23を用いることがある。
ここで、シェーディング補正は、白基準と黒基準の間で階調を正規化する処理である。尚、一般に、白基準を得るための白基準板W1には、赤外光をほとんど反射しないものが用いられる。従って、読み取り時の赤外光による影響は、赤外光をほとんど反射しない原稿を読み取る時(印画紙モード以外のモードでの読取時)と、印画紙を読み取る時とで、白基準と黒基準のレベルをずらせば、軽減、解消を図ることができる場合がある。
そこで、本実施形態の複写機100、画像読取装置1では、印画紙モードの場合、図6に示すように、印画紙以外の用紙を読み取る時に比べ、白基準と黒基準を明るくなる(白くなる)方向にシフトとする。これにより、赤外光の成分によるイメージセンサ24の出力増加分が相殺されるかたちとなり、赤外光の影響が軽減、解消される。
即ち、印画紙モードの第2白基準データは、印画紙モード以外のモードでの第1白基準データよりも明るく(白く)される。又、印画紙モードの第2黒基準データは、印画紙モード以外のモードでの第1黒基準データよりも明るく(白く)される。
これにより、図6に示すように、印画紙モードでは、印画紙モード以外のモードに比べ白基準と黒基準の濃度範囲が明るい(白い)方向にシフトされる。ここで、印画紙モードと印画紙モード以外のモードでの白基準データの差分ΔWと、黒基準データの差分ΔBkは、赤外光の反射によってイメージセンサ24のディジタルデータ値(出力値)が増加する量と同程度となるように定めればよい。
ΔW、ΔBkは、印画紙と、普通紙や標準紙を読み取った時の赤外光のイメージセンサ24からのディジタルデータの差とすれば、同一画像を読み取った時の読み取り結果に差が無くなる。具体的に、例えば、白基準板W1は、白色の普通紙や標準紙で構成し、印画紙モード用白基準板Wには、白色の印画紙で構成する。又、印画紙モード用黒基準板B2は、黒色の印画紙で構成する。これにより、印画紙モードでの第2白基準データ、第2黒基準データと、印画紙モード以外のモードでの第1白基準データと第1黒基準データに明るさの差が出る。
(読取制御)
次に、図7に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複写機100での原稿の読取制御の一例を説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る原稿の読取制御の一例を示すフローチャートである。尚、本説明ではスキャンやコピー等の原稿読取時、印画紙モード以外のモードと印画紙モードのいずれかが操作パネル7でセットされる例を説明する。
まず、スタートは、例えば、操作パネル7のスタートキー71が押下され、コピーやスキャン等での原稿の読取開始が指示された時点である。この時、複写機100本体の制御部10は、読み取りで選択されたモードを把握する(ステップ♯1)。次に、制御部10は、選択されたモードが印画紙モードであるかを確認する(ステップ♯2)。
もし、選択されたモードが印画紙モードであれば(ステップ♯2のYes)、制御部10は、読取制御部20に印画紙モードでの読み取りを指示する(ステップ♯3)。この指示を受けた読取制御部20は、印画紙モードでの第2白基準データを取得するため、巻取モータ27Mを駆動させ、各移動枠を移動させて、シェーディング板29aのうちの印画紙モード用白基準板W2の読み取りを行わせる(ステップ♯4)。そして、シェーディング補正部8は、イメージセンサ24の各画素のディジタルデータを印画紙モードの第2白基準データとして取得する(ステップ♯5)。
更に、読取制御部20は、印画紙モードでの黒基準を取得するため、巻取モータ27Mを駆動させ、各移動枠を移動させて、シェーディング板29aのうちの印画紙モード用黒基準板B2の読み取りを行わせる(ステップ♯6)。そして、シェーディング補正部8は、イメージセンサ24の出力に基づく各画素のディジタルデータを印画紙モードでの第2黒基準データとして取得する(ステップ♯7)。
一方、選択されたモードが印画紙モードでなければ(ステップ♯2のNo)、制御部10は、読取制御部20に印画紙モード以外のモードでの読み取りを指示する(ステップ♯8)。この指示を受けた読取制御部20は、印画紙モード以外のモードでの白基準を取得するため、巻取モータ27Mを駆動させるなどして、シェーディング板29aのうちの白基準板W1の読み取りを行わせる(ステップ♯9)。そして、シェーディング補正部8は、イメージセンサ24の出力に基づく各画素のディジタルデータを印画紙モード以外のモードでの第1白基準データとして取得する(ステップ♯10)。
更に、読取制御部20は、黒基準取得のため、ランプ25を消灯させる(ステップ♯11)。そして、シェーディング補正部8は、ランプ25消灯時のイメージセンサ24の出力に基づく各画素のディジタルデータを印画紙モード以外のモードでの第1黒基準データとして取得する(ステップ♯12)。
そして、ステップ♯7又はステップ♯12までの実行で、白基準と黒基準の取得後、実際に原稿の読み取りが行われ(ステップ♯13)、シェーディング補正部8は、画素ごとに、イメージセンサ24の出力値(ディジタルデータ)を各白基準データと各黒基準データの間で規格化しつつ、予め定められた階調数(例えば、白黒256階調若しくは、R、G、Bのそれぞれ256階調)で量子化を行い、原稿の画像データが出力される(ステップ♯14)。そして、全原稿の読取完了まで(ステップ♯15)、原稿の読み取りとシェーディング補正部8からの画像データの出力が繰り返される(ステップ♯15のNo→ステップ♯13)。全原稿読取完了により読取制御は完了し(エンド)、例えば、画像データに基づき印刷が行われ、或いは、記憶部10bに画像データが記憶される。
このように、印画紙モードが選択された場合、本実施形態のシェーディング補正部8は、第1白基準データに対し明るい方向で異なる第2白基準データと、第1黒基準データに対し明るい方向で異なる第2黒基準データと、に基づきシェーディング補正を行う。具体的には、画像読取装置1は、白基準板W1よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板W2と、赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板B2と、を備え、印画紙モードが選択された場合、シェーディング補正部8は、印画紙モード用白基準板W2読取時のイメージセンサ24の出力に基づき定まる第2白基準データと、印画紙モード用黒基準板B2読取時のイメージセンサ24の出力に基づき定まる第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行う。
このようにして、本実施形態の構成によれば、印画紙モードが選択された場合、標準紙等、赤外光の反射の少ない或いはほとんど無い原稿を読み取る印画紙モード以外のモードのときよりも、シェーディング補正での白基準と黒基準を明るい方向で異ならせる。これにより、印画紙の原稿を読み取ると、赤外光の成分によるイメージセンサ24に蓄積される電荷の増加により、明るく読み取られるという赤外光の影響を軽減、解消する方向に、シェーディング補正での白基準と黒基準を移動させることができる。従って、原稿の再現性が確保される。又、従来のように、赤外光の成分を除去するフィルタやコーティングレンズ23を設ける必要が無くなり、画像読取装置1の開発、製造コストを削減することができる。
一方で、標準紙、普通紙、OA用紙等、印画紙に比べ赤外光を反射しない原稿を読み取る場合、赤外光の影響を考慮する必要がない。むしろ、印画紙モード以外のモードで、第2白基準データと第2黒基準データでシェーディング補正が行われると、画像データやその印刷物が原稿に比べ暗くなる場合がある。しかし、この構成によれば、印画紙モード以外のモードでは、第1白基準データと第1黒基準データに基づきシェーディング補正が行われ、印画紙以外の原稿を読み取った際の再現性も確保される。従って、原稿の用紙を問わず、適切なシェーディング補正を行うことができる。
又、イメージセンサ24で読み取ると、第1白基準データや第1黒基準データよりも明るい白基準データ、黒基準データが得られる印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2を備える。これにより、印画紙モード選択時、印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2を読み取り第2白基準データ、第2黒基準データを得ることができる。従って、印画紙の原稿の読み取りでの赤外光の成分による影響を軽減、解消することができる。又、印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2は、例えば、樹脂製や紙製のものでよく、高精度、高性能なフィルタやコーティングレンズ23に比べ、画像読取装置1の製造コストは抑えられる。
又、印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2は印画紙で構成できるので安価とでき、画像読取装置1の開発、製造に要するコストを低減することができる。又、印画紙等、原稿の用紙が赤外光をよく反射しても、赤外光の影響が軽減、解消された画像データに基づき印刷を行うことができる。従って、原稿の用紙の種類を問わずに再現性の高い画像形成装置を提供することができる。又、画像読取装置1の開発、製造コストが抑えられるので、画像形成装置の開発、製造コストも低く抑えることができる。
(第2の実施形態)
次に、図8〜9に基づき、本発明の第2の実施形態を説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係るシェーディング板29aの一例を示す平面図である。図9は、本発明の第2の実施形態に係る原稿の読取制御の一例を示すフローチャートである。
ここで、第2の実施形態は、印画紙モード以外のモードでの原稿読取時、黒基準板B1を用いてシェーディング補正における第1黒基準データを取得する点で異なる(第1の実施形態では、印画紙モード以外のモードでは原稿読取時、ランプ25を消灯して黒基準を取得)。即ち、本実施形態では、印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない黒基準板B1が設けられる。しかし、その他の点では、特に説明する場合を除き、画像読取装置1や複写機100の構成は同様である。そこで、以下の説明では、共通する部分については、第1の実施形態での説明を準用できるので説明、図示を特に説明する場合を除き省略し、相違点について説明する。
まず、本実施形態でのシェーディング板29aの一例を図8に示す。尚、画像読取装置1の構成やシェーディング板29aの設置位置等は、第1の実施形態と同様でよい。そして、第2の実施形態では、図8の上方からみて、印画紙モード用白基準板W2、白基準板W1、印画紙モード用黒基準板B2、黒基準板B1の計4枚の基準板が組み合わされたものがシェーディング板29aとなる。
尚、白基準板W1は、透過、吸収等によりほとんど赤外光を反射せず、印画紙よりも赤外光を反射しないものとする。一方、印画紙モード用白基準板W2は印画紙と同程度に赤外光を反射し、白基準板W1よりも赤外光を反射する。この点、第1の実施形態と第2の実施形態で差はない。一方、透過、吸収等により黒基準板B1は、ほとんど赤外光を反射せず、印画紙よりも赤外光を反射しないものとする。一方、印画紙モード用黒基準板B2は印画紙と同程度に赤外光を反射し、黒基準板B1よりも赤外光を反射する。
図9に基づき、本発明の第2の実施形態に係る複写機100での原稿の読取制御の一例を説明しておく。尚、本説明でも、第1の実施形態と同様、コピー等の原稿の読取時、印画紙モード以外のモードと印画紙モードのいずれかが操作パネル7でセットされる例を説明する。
ここで、図9において、ステップ♯21〜ステップ♯30及びステップ♯32〜ステップ♯35は、図7のステップ♯1〜ステップ♯10及びステップ♯12〜ステップ♯15と同様である。そのため、ステップ♯21〜ステップ♯30及びステップ♯32〜ステップ♯35の説明は、図7におけるステップ♯1〜ステップ♯10及びステップ♯12〜ステップ♯15の説明を援用するものとして割愛する。
実際に第2の実施形態と第1の実施形態の相違は、ステップ♯31部分のみである。第1の実施形態では、印画紙モード以外のモードでは、シェーディング補正部8は、ランプ25消灯時のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ値(出力値)を第1黒基準データとして取得し、黒基準を定めていた(図8のステップ♯11)。これに対し、第2の実施形態では、シェーディング補正部8は、黒基準板B1を読み取った際のイメージセンサ24の出力のディジタルデータ値(出力値)に基づき第1黒基準データを取得し黒基準を定める。
このようにして、本実施形態の複合機や画像読取装置1によれば、第1黒基準データをランプ25消灯ではなく、黒基準板B1の読み取りにより取得する画像読取装置1でも、第1の実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、図10及び図11に基づき、本発明の第3の実施形態を説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係るシェーディング板29aの一例を示す平面図である。図11は本発明の第3の実施形態に係る原稿の読取制御の一例を示すフローチャートである。
ここで、第3の実施形態は、印画紙モードでは、印画紙モード以外のモードでの第1白基準データ及び第1黒基準データに対し補正を行って、第2白基準データと第2黒基準データを生成、取得し、シェーディング補正部8がシェーディング補正を行う点で異なる。しかし、その他の点では、特に説明する点を除き、画像読取装置1や複写機100の構成は同様である。そこで、以下の説明では、共通する部分については、第1の実施形態、第2の実施形態の説明を準用できるので説明、図示を特に説明する場合を除き省略し、相違点について説明する。
そして、第3の実施形態の説明では、補正の対象となる第1黒基準データは、第1の実施形態に示したランプ25消灯時のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ値(出力値)に基づいても、第2の実施形態で示した黒基準板B1を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ値(出力値)に基づいてもよい。そこで、第3の実施形態の説明では、第1黒基準データをランプ25消灯により取得する場合と、黒基準板B1を読み取って取得する場合の両方の場合を含めて説明する。
まず、本実施形態でのシェーディング板29aの一例を図10に示す。尚、画像読取装置1の構成やシェーディング板29aの設置位置等は、第1の実施形態と同様でよい。そして、ランプ25の消灯時のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)に基づき、第1黒基準データが取得される構成の場合(第1の実施形態に対応)、図10(a)のシェーディング板29aが設けられる。図10(a)に示すように、この場合は、赤外光をほとんど反射せず、読み取ろうとする印画紙よりも赤外光の反射しない白基準板W1のみが設けられる。即ち、本実施形態では、第1の実施形態では設けられていた印画紙モード用白基準板W2や印画紙モード用黒基準板B2が設けられない。
一方、黒基準板B1を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)に基づき第1黒基準データが取得される場合(第2の実施形態に対応)、図10(b)のシェーディング板29aが設けられる。図10(b)に示すように、この場合は、赤外光をほとんど反射せず、読み取ろうとする印画紙よりも赤外光の反射しない白基準板W1と黒基準板B1が設けられる。即ち、本実施形態では、第2の実施形態では設けられていた印画紙モード用白基準板W2と印画紙モード用黒基準板B2が設けられない。
第3の実施形態では、印画紙モード用の各基準板が無い代わりに、白基準差分データと黒基準差分データが例えば、記憶部10b等に予め記憶される。尚、白基準差分データと黒基準差分データは、例えば、制御部10の記憶部10b、画像読取装置1内の読取制御部20内の記憶部201に記憶させても良いし、シェーディング補正部8に接続されデータ保存用の記憶部81(図5参照)等に記憶させておいてもよい。
白基準差分データは、図6におけるΔWに相当するデータであって、各画素ごとの印画紙モード以外のモードにおける第1白基準データと、印画紙モードの第2白基準データの差分を示すデータである。例えば、印画紙モード用白基準板W2を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ値(出力値)と、白基準板W1を読み取った時のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)との差分を取り、白基準差分データが求められる。尚、白基準差分データ生成のための印画紙モード用白基準板W2は、白基準板W1よりも赤外光を反射するもので、第1の実施形態や第2の実施形態の印画紙モード用白基準板W2と同程度赤外光を反射するものでよい。
一方、黒基準差分データは、図6におけるΔBkに相当するデータであって、各画素ごとの印画紙モード以外のモードにおける第1黒基準データと、印画紙モードの第2黒基準データの差分を示すデータである。例えば、印画紙モード用黒基準板B2を読み取った際のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ値(出力値)と、ランプ25消灯時或いは黒基準板B1を読み取った時のイメージセンサ24の各画素のディジタルデータ(出力値)との差分を取り、黒基準差分データが求められる。尚、黒基準差分データ生成のための印画紙モード用黒基準板B2は、黒基準板B1よりも赤外光を反射するもので、第1の実施形態や第2の実施形態の印画紙モード用黒基準板B2と同程度赤外光を反射するものでよい。
即ち、本実施形態では、制御部10や読取制御部20やシェーディング補正部8に設けられる記憶部10bに、第1白基準データと、白基準板W1よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板W2をイメージセンサ24で読み取ることで取得された白基準データとの差分を示す白基準差分データと、第1黒基準データと、赤外光を反射し、第1黒基準データよりも明るい黒基準データが得られる印画紙モード用黒基準板B2を読み取ることで取得された黒基準データとの差分を示す黒基準差分データと、が予め記憶される。
次に、図11に基づき、本発明の第3の実施形態に係る複写機100での原稿の読取制御の一例を説明しておく。尚、本説明でも、第1、第2の実施形態と同様、コピー等の原稿の読取時、印画紙モード以外のモードと印画紙モードのいずれかが操作パネル7でセットされる例を説明する。
操作パネル7のスタートキー71押下等で、コピーやスキャン等での原稿の読取開始が指示されると(スタート)、制御部10から連絡を受けた読取制御部20は、白基準板W1の読み取りを行わせる(ステップ♯41)。そして、シェーディング補正部8は、イメージセンサ24の出力に基づく各画素のディジタルデータを第1白基準データとして取得する(ステップ♯42)。更に、読取制御部20は、ランプ25を消灯又は黒基準板B1の読み取りを行わせる(ステップ♯43)。そして、シェーディング補正部8は、ランプ25消灯時又は黒基準板B1読取時のイメージセンサ24の出力に基づく各画素のディジタルデータを第1黒基準データとして取得する(ステップ♯44)。尚、ステップ♯41〜44は、第1実施形態でのステップ♯9〜♯12と同様の動作である(図7参照)。
次に、制御部10は、操作パネル7になされた入力を確認する等により、読み取りで選択されたモードを把握する(ステップ♯45)。次に、制御部10は、選択されたモードが印画紙モードであるかを確認する(ステップ♯46)。もし、印画紙モードであれば(ステップ♯46のYes)、第1白基準データの補正が行われ、第2白基準データが生成される(ステップ♯47)。例えば、シェーディング補正部8が、いずれかの記憶部から白基準差分データの転送を受け、第1白基準データに白基準差分データを加え、白基準のレベルを上げる補正演算を行う。尚、補正は、読取制御部20や制御部10等が演算を行い、補正後に得られた第2白基準データがシェーディング補正部8に渡されてもよい。
次に、第1黒基準データの補正が行われ、第2黒基準データデータが生成される(ステップ♯48)。例えば、シェーディング補正部8が、いずれかの記憶部から黒基準差分データの転送を受け、第1黒基準データに黒基準差分データを加え、黒基準のレベルを上げる補正演算を行う。尚、補正は、読取制御部20や制御部10等が演算を行い、補正後の黒基準データをシェーディング補正部8に渡すようにしても良い。
その後、実際の原稿の読み取りが開始される(ステップ♯49)。尚、図11におけるステップ♯49〜ステップ♯51は、第1の実施形態でのステップ♯13〜15(図7参照)、第2の実施形態でのステップ♯33〜ステップ♯35(図9参照)と同様なので、詳細な説明を省略する。一方、選択されたモードが印画紙モードで無ければ(ステップ♯46のNo)、第1白基準データ、第1黒基準データの補正を行うことなく、ステップ♯49に移行する。
このように、本実施形態では、印画紙モードが選択された場合、シェーディング補正部8は、第1白基準データを明るくする方向に補正することで得られた第2白基準データと、第1黒基準データを明るくする方向に補正することで得られた第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行う。具体的には、印画紙モードが選択された場合、シェーディング補正部8は、第1白基準データに白基準差分データを加える補正により得られた第2白基準データと、第1黒基準データに黒基準差分データを加える補正により得られた第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行う。
このようにして、第1白基準データと第1黒基準データを明るくなる(白くなる)方向に補正して、印画紙モード用の第2白基準データと第2黒基準データが得られる。従って、第1、第2の実施形態と同様、印画紙の原稿の読み取りでの赤外光の成分による影響を軽減、解消することができる。又、補正の演算で求めることができるから、印画紙モード用の白基準板W1や黒基準板B1を設ける必要や、高精度、高性能なフィルタやコーティングレンズが必要無く、画像読取装置1の開発、製造コストは抑えられる。
又、例えば、印画紙での読み取りでの赤外光の影響を加味するため、白基準差分データと黒基準差分データが用意される。これにより、印画紙モード以外で使用される第1白基準データと第1黒基準データに対し、白基準差分データと黒基準差分データで補正し、第2白基準データと第2黒基準データを得ることができる。従って、印画紙の原稿の読み取りでの赤外光の成分による影響を軽減、解消することができる。又、印画紙モード用の白基準板W1や黒基準板B1を設ける必要や、高精度、高性能なフィルタやコーティングレンズが必要無く、画像読取装置1の製造コストは抑えられる。尚、白基準差分データ、黒基準差分データを予め用意して補正する例を示したが、補正は、例えば、第1白基準データや第1黒基準データに係数を乗じる等、他の補正によって、第2白基準データ、第2黒基準データが生成されてもよい。
本発明は、シェーディング補正を行う画像読取装置や、この画像読取装置を備えた画像形成装置に利用可能である。
1 画像読取装置 2 画像読取部
24 イメージセンサ 25 ランプ(光源)
7 操作パネル(入力部) 8 シェーディング補正部
10b、201、81 記憶部 100 複写機(画像形成装置)
W1 白基準板 W2 印画紙モード用白基準板
B1 黒基準板 B2 印画紙モード用黒基準板

Claims (10)

  1. 読取対象に光を照射する光源と、
    原稿を読み取る際のモードとして、赤外光を反射する原稿の読取を対象とした印画紙モードの選択入力を受け付ける入力部と、
    前記読取対象からの反射光が入射され、前記読取対象を読み取るイメージセンサと、
    前記印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない白基準板と、
    前記印画紙モード以外のモードでは、前記白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第1白基準データと前記光源消灯時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる第1黒基準データに基づき、前記印画紙モードでは第2白基準データと第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備え、
    前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに対し明るい方向で異なる前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに対し明るい方向で異なる前記第2黒基準データと、に基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板と、赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板と、を備え、
    前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記印画紙モード用白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2白基準データと、前記印画紙モード用黒基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データを明るくする方向に補正することで得られた第2白基準データと、前記第1黒基準データを明るくする方向に補正することで得られた第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  4. 前記第1白基準データと、前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板を前記イメージセンサで読み取ることで取得された白基準データとの差分を示す白基準差分データと、
    前記第1黒基準データと、赤外光を反射し、前記第1黒基準データよりも明るい黒基準データが得られる印画紙モード用黒基準板を読み取ることで取得された黒基準データとの差分を示す黒基準差分データと、を予め記憶する記憶部を有し、
    前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに前記白基準差分データを加える補正により得られた前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに前記黒基準差分データを加える補正により得られた前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする請求項3記載の画像読取装置。
  5. 読取対象に光を照射する光源と、
    原稿を読み取る際のモードとして、赤外光を反射する原稿の読取を対象とした印画紙モードの選択入力を受け付ける入力部と、
    前記読取対象からの反射光が入射され、前記読取対象を読み取るイメージセンサと、
    前記印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない白基準板と、
    前記印画紙モードで読み取ろうとする原稿よりも赤外光を反射しない黒基準板と、
    前記印画紙モード以外のモードでは、前記白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第1白基準データと前記黒基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる第1黒基準データに基づき、前記印画紙モードでは第2白基準データと第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うシェーディング補正部と、を備え、
    前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに対し明るい方向で異なる前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに対し明るい方向で異なる前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする画像読取装置。
  6. 前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板と、前記黒基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板と、を備え、
    前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記印画紙モード用白基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2白基準データと、前記印画紙モード用黒基準板読取時の前記イメージセンサの出力に基づき定まる前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データを明るくする方向に補正することで得られた前記第2白基準データと、前記第1黒基準データを明るくする方向に補正することで得られた前記第2黒基準データと、に基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
  8. 前記第1白基準データと、前記白基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用白基準板を前記イメージセンサで読み取ることで取得された白基準データとの差分を示す白基準差分データと、
    前記第1黒基準データと、前記黒基準板よりも赤外光を反射する印画紙モード用黒基準板を前記イメージセンサで読み取ることで取得された黒基準データとの差分を示す黒基準差分データと、を予め記憶する記憶部を有し、
    前記印画紙モードが選択された場合、
    前記シェーディング補正部は、前記第1白基準データに前記白基準差分データを加える補正により得られた前記第2白基準データと、前記第1黒基準データに前記黒基準差分データを加える補正により得られた前記第2黒基準データに基づきシェーディング補正を行うことを特徴とする請求項7記載の画像読取装置。
  9. 前記印画紙モード用白基準板は、白色の印画紙であり、前記印画紙モード用黒基準板は黒色の印画紙であることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105513193A (zh) * 2015-11-20 2016-04-20 深圳怡化电脑股份有限公司 一种矫正红外图像的方法及装置

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