JP2011007380A - 貯湯タンク及びそれを用いたヒートポンプ給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】中温水の発生を抑制できる貯湯タンク及びそれを用いた給湯機を提供すること。
【解決手段】底部に設けられ、水道水を内部に給水する給水管4が接続された入水口1bと、前記入水口1bに対向するように上方に設けられた板部材8と、内方に向かって突出する突起部2とを備え、前記突起部2は、前記板部材8より下方に設けられるとともに、略環状なることを特徴とするもので、水道水は、貯湯タンクに供給される際に、板部材8に衝突し、流れが下方に方向変換される。そして、その後、板部材8の下方でかつ外周に配設された略環状の突起部2に衝突することで、中温水の発成を抑制することができるものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、貯湯タンク及びそれを用いたヒートポンプ給湯機に関するものである。
従来、この種の貯湯タンクとしては、ガスや石油を燃料として用い、その燃焼熱で水道水を加熱する給湯機が使用されてきた。これらは、速湯性に優れているという利点がある半面、ガス、石油といった燃料が必要でその供給が不可欠であること、燃焼後の排気ガスが大気に放出され大気汚染を招くこと、燃焼させるので不安全性を常に内在していること、燃焼時の音が大きいことなどの課題があった。特に近年増えている、エネルギー源を全て電気で行うというオール電化の住宅やマンションでは、燃料を供給する方法がないため、使用できないケースも増えてきている。
そこで、加熱された温水を貯めておく大容量の貯湯タンクを備えた給湯装置が開発されている。この加熱方法としては、夜間割引の安価な電力を利用し、夜間に貯湯タンクの内部に配設された電気ヒータで加熱してできた一般的には80℃以上の温水を、貯湯タンクに貯めておき、この温水と水道水をミキシングして、使用者の欲する任意の温度にして、給湯端末から供給するものである。
また、加熱方法として、ヒータ以外にヒートポンプを用いた貯湯式のヒートポンプ式給湯装置が開発されている。これは、大容量の貯湯タンクと、ヒートポンプ回路を組み入れた室外機を備え、夜間割引の安価な電力を利用して、ヒートポンプ回路で水道水を温水に加熱して、その温水を貯湯タンクに貯めておき、この温水と水道水をミキシングして、使用者の欲する任意の温度にして、給湯端末から供給するものである。
このヒートポンプ式給湯装置は、冷媒の状態変化を利用して加熱しているので、電気ヒータによる加熱よりエネルギー効率が良く、入力に対する能力は3倍以上確保することが可能であり、ランニングコストも安価となるなどの特徴を持ち、燃焼による給湯機の問題を解決し、オール電化の住宅、マンションでも新たなインフラ整備を必要としないで手軽に設置することができ、普及してきている。
従来、このように用いられている給湯装置の貯湯タンクにおいては、タンク本体の底部に配され、水道水を給水する給水管が接続される入水口と、入水口の略上方に設けられた板部材と、タンク本体の内壁の、板部材より上方に位置し、内方に向かって突出する突起部とを有するようにして板部材と突起部が設けられていた(例えば、特許文献1参照)。
図4は、上記特許文献1に記載された従来の貯湯タンクの下部の断面図を示すものである。図4に示すように、貯湯タンク11と、タンク本体11aと、入水口11bと、給水管14と突起部17と板部材18から構成されている。
特開2008−309389号公報
しかしながら、前記従来の貯湯タンク11の構成では、水道水が、入水口11bより、貯湯タンク11内に供給される際に、水道水は、板部材18に衝突し、方向変換され突起
部17に衝突するが、突起部17が、板部材18より、上方に位置するため、板部材18上方と突起部17までの間で、貯湯タンク11内の高温の湯と低温の入水が混合して中間の温度帯の水(中温水)が発生していた。
そして、中温水は、入水温度より温度が高いため、ヒートポンプ回路で加熱する際に、COP(熱効率)が低くなるので、効率よく沸き上げ運転ができないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、中温水の発生を抑制し、効率の良い沸き上げ運転が実現できる貯湯タンク及びそれを用いたヒートポンプ給湯機を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の貯湯タンクは、底部に設けられ、水道水を内部に給水する給水管が接続された入水口と、前記入水口に対向するように上方に設けられた板部材と、内方に向かって突出する突起部とを備え、前記突起部は、前記板部材より下方に設けられるとともに、略環状なることを特徴とするもので、水道水は、貯湯タンクに供給される際に、板部材に衝突し、流れが下方に方向変換される。そして、その後、板部材の下方でかつ外周に配設された略環状の突起部に衝突することで、速度エネルギーを消費するため、水道水と高温水とが混合攪拌した際に発生する中温水の発成を抑制することができるものである。
本発明によれば、中温水の発生を抑制し、効率の良い沸き上げ運転が実現できる貯湯タンク及びそれを用いたヒートポンプ給湯機を提供できる。
本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯機の回路構成図 同貯湯タンクの下部断面概略図 同他の貯湯タンクの下部断面概略図 従来の貯湯タンクの下部断面概略図
第1の発明は、底部に設けられ、水道水を内部に給水する給水管が接続された入水口と、前記入水口に対向するように上方に設けられた板部材と、内方に向かって突出する突起部とを備え、前記突起部は、前記板部材より下方に設けられるとともに、略環状なることを特徴とするもので、水道水は、貯湯タンクに供給される際に、板部材に衝突し、流れが下方に方向変換される。そして、その後、板部材の下方でかつ外周に配設された略環状の突起部に衝突することで、速度エネルギーを消費するため、水道水と高温水とが混合攪拌した際に発生する中温水の発成を抑制することができ、効率の良い沸き上げ運転が実現できる。
第2の発明は、略環状なる突起部を複数備え、前記複数の突起部は、前記板部材を中心に略同心円状に配設されたことを特徴とするもので、水道水は、貯湯タンクに供給される際に、板部材に衝突し、流れが下方に方向変換される。そして、その後、板部材の下方でかつ外周に複数略同心円状に配設された略環状の突起部に衝突することで、速度エネルギーを消費するため、水道水と高温水とが混合攪拌した際に発生する中温水の発成を抑制することができ、効率の良い沸き上げ運転が実現できる。
第3の発明は、第1または第2のいずれかの発明の貯湯タンクの下部から取り出した水
を、ヒートポンプにて加熱し、その加熱して生成した湯を前記タンクの上方から供給して、貯湯するように構成したことを特徴とするヒートポンプ給湯機で、タンク本体内の高温の湯と低温の入水が混合してできる中温水の発生を抑え、入水温度が高くならないため、ヒートポンプ回路で加熱する際に、COP(熱効率)の低下がなく、効率の良い沸き上げ上げ運転が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における貯湯タンクを接続したヒートポンプ給湯機サイクル構成を示すものである。図2は、同貯湯タンクの下部断面概略図である。
図1、2において、本実施の形態における貯湯タンク1のタンク本体1aの底部には、水道水を給水する給水管4が接続される入水口1bが設けられ、その入水口1bの上方には、板部材8が略水平に設けられている。タンク本体1aの内壁の板部材8より上方に位置する部分には、内方に向かって突出する環状突起部2が設けられている。
10は、タンク本体1a内の水を加熱するヒートポンプユニットで、圧縮機20と熱交換器16を有するヒートポンプ回路21を備え、タンク本体1a内の底部の水が循環ポンプ15で熱交換器16に送られ、それがヒートポンプ回路21を流れる冷媒とで熱交換され、加熱されて得られた熱湯が、タンク本体1aの上部に供給されるようになっている。
次に、本実施の形態における貯湯タンク1を接続したヒートポンプ給湯機による沸き上げの説明をする。
給水管4により、水道水を貯湯タンク1に給水し満水した後、貯湯タンク1下部より水道水を循環ポンプ4でヒートポンプユニット10に送り、熱交換器16でお湯に変換し、貯湯タンク1の上部へ送り、その循環を繰り返し沸き上げを行う。沸き上げ後、ミキシングバルブ12で水とお湯を混合し給湯管13より貯湯タンク1の上部のお湯を使用すると、給水管14より給水され再沸き上げが始まる。
本実施の形態では、給湯管13を通してお湯を使うと、給水管4から給水が始まるが、水は、給水管4と通過した後、板部材8に衝突し方向転換され、タンク本体1a底面に衝突する。タンク本体1a底面衝突後、タンク本体1aの底面、側面を伝って拡散上昇しようとするが、タンク本体1aの内壁の、板部材8外周に内方に向かって突出する環状突起部2に衝突し、速度エネルギーを消費し、水道水が高温の湯と混合攪拌するエネルギーを失し、タンク本体1aの底面で漂うことになるため、混合攪拌による中温水の発生を抑制することとなる。
すなわち、環状突起部2を板部材8より下方に位置することにより、水道水と高温水の混合攪拌にて発生する中温水を抑制することができ、COP(熱効率)の低下がなく、効率の良い沸き上げ運転が実現できる。
尚、特に図示しないが、タンク本体1aを、上側のタンク上部と、下側のタンク下部とで構成し、前記タンク下部の上端を面上に内方へ折りかえして環状突起部2を形成するようにすれば、別部品を使用すること無く、環状突起部2を容易に形成できるので、貯湯タンク1を安価に形成することができる。
図3は、環状突起部を複数有する同貯湯タンクの下部の断面を概略的に示したものであ
る。
給湯管13を通してお湯を使うと、水は、給水管4から給水が始まるが、給水管4と通過したあと板部材8に衝突し、方向転換され、タンク本体1a底面に衝突する。タンク本体1a底面衝突後、タンク本体1aの底面、側面を伝って拡散上昇しようとするが、タンク本体1aの内壁の、板部材8外周に内方に向かって突出する環状突起部2に衝突し、速度エネルギーを消費し、水道水が高温の湯と混合攪拌するエネルギーを失し、タンク本体1aの底面で漂うことになるため、混合攪拌による中温水の発生を抑制することとなる。
すなわち、環状突起部2を板部材8より下方に位置し、複数の環状突起部2を配置することにより、給水された水道水は、環状突起部2に衝突する回数が複数回に増えることにより、より速度エネルギーを消費し、高温の湯と混合攪拌するエネルギーをより失うため、より中温水の発生を抑制することなり、COP(熱効率)の低下がなく、効率の良い沸き上げ運転が実現できる。
以上のように、本発明にかかる貯湯タンク及びその貯湯タンクを用いたヒートポンプ給湯機は、中温水の発生を抑制し、効率の良い沸き上げ運転が可能となるので、ガス給湯機、石油給湯機等の温水タンク等の用途にも適用できる。
1 貯湯タンク
1a タンク本体
1b 入水口
2 突起部
4 給水管
8 板部材

Claims (3)

  1. 底部に設けられ、水道水を内部に給水する給水管が接続された入水口と、前記入水口に対向するように上方に設けられた板部材と、内方に向かって突出する突起部とを備え、前記突起部は、前記板部材より下方に設けられるとともに、略環状なることを特徴とする貯湯タンク。
  2. 略環状なる突起部を複数備え、前記複数の突起部は、前記板部材を中心に略同心円状に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯タンク。
  3. 請求項1または2に記載の貯湯タンクの下部から取り出した水を、ヒートポンプにて加熱し、その加熱して生成した湯を前記タンクの上方から供給して、貯湯するように構成したことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016070524A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 Toto株式会社 電気温水器
CN107305066A (zh) * 2016-04-21 2017-10-31 青岛海尔新能源电器有限公司 水箱及具有该水箱的热泵热水器

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