JP2011005348A - 除湿機 - Google Patents

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Kazuya Okada
一也 岡田
Nobuhiro Hattori
伸博 服部
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Abstract

【課題】デシカント方式の除湿機であって、除湿機内部の雑菌の除去することができる除湿機を提供する。
【解決手段】空気調和機1は空気清浄・除湿・加湿の各機能を備え、デシカント方式の除湿ユニット30を備える。さらに、空気調和機1は、除菌機能を備え、本体ケーシング50内の雑菌を除去する。具体的には、運転モードが「除菌」に設定されると、制御部60は、本体ケーシング50上面に設けられたフラップ53で吹出口52を閉じ、空気調和機1内を通過する空気の流路を形成する第1送風機10を最小風量となるように駆動するとともに、除湿ユニット30のヒータ32を最大出力で駆動する。本体ケーシング50内の温度Tを測定する温度センサ90によってT≧Toと測定されると、制御部60はタイマ66に時間を計測させ、除菌時間が経過すると、第1送風機10及びヒータ32を停止させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、デシカント方式の除湿機に関する。
除湿機で用いられている除湿方式として、コンプレッサ方式とデシカント方式とがある。このうち、デシカント方式は、空気中に含まれる水分をゼオライト等の吸湿剤に吸収させて除湿する方式である。このデシカント方式の除湿機の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された除湿機は、吸湿剤で構成された除湿ロータと、この除湿ロータを回転させる駆動手段と、この除湿ロータを加熱してロータから水分を放出させる発熱ユニットと、除湿ロータから放出された高温高湿空気を結露させる熱交換器と、熱交換器を通過した高温高湿空気を発熱ユニットに戻すダクトと、を有している。この除湿機は、除湿ロータに大気中の水分を吸収させ、除湿ロータを加熱することによって吸収した水分を放出させて除湿機能を再生させ、再び除湿ロータに大気中の水分を吸収させる、というサイクルを実行することにより、周囲の空気を除湿する。
特開2003−38930号公報
デシカント方式の除湿機の内部は、除湿ロータから放出された水分を含むとともに発熱ユニットで加熱されている。このため、除湿機内部は、高温多湿な環境であり、雑菌が繁殖しやすい。すると、例えば除湿機内部に設置されているフィルタに雑菌が繁殖し、除湿性能が低下する等の不具合が生じるおそれがある。しかしながら、これまで、デシカント方式の除湿機における雑菌の発生・繁殖に対して何ら対応策が講じられてこなかった。
そこで、この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、デシカント方式の除湿機であって、除湿機内部の雑菌を除去することができる除湿機を提供することを目的とする。
第1の発明に係る除湿機は、吸込口及び吹出口を有するケーシングと、吸込口から吹出口に至る流路に配置された第1送風機と、第1送風機から送風された空気中の水分を吸着する吸着領域を有するロータと、吸着領域の一部を加熱して吸着された水分を放出するためのヒータと、ケーシング内を除菌するための除菌制御が行われるように第1送風機及びヒータを制御する制御手段と、を備えている。
この除湿機では、除湿ロータを加熱するヒータと除湿機の空気の吸込口から吹出口までの流路を形成する第1送風機とを制御することにより、ケーシング内部の雑菌を除去することができる。
第2の発明に係る除湿機は、第1の発明に係る除湿機において、ケーシング内の温度を検出する温度検出部をさらに備え、制御手段は、温度検出部で検出された温度に基づいて第1送風機及びヒータを制御する。
この除湿機では、ケーシング内の温度に基づいて第1送風機及びヒータを制御し、ケーシング内部の温度を調節することによって、ケーシング内部の雑菌を除去することができる。
第3の発明に係る除湿機は、第2の発明に係る除湿機において、制御手段は、温度検出部で検出される温度が所定温度以上になったときから所定時間が経過すると除菌制御を終了する。
この除湿機では、ヒータから供給される熱によって除菌する時間に制限を加えることにより、ケーシング内部の温度が過度に上昇するのを防止することができる。
第4の発明に係る除湿機は、第1乃至第3のいずれかの発明に係る除湿機において、第1送風機は、互いに異なる風量に対応した複数の風量制御ゾーンのいずれかにおいて駆動されると共に、ヒータは、互いに異なる出力に対応した複数の加熱制御ゾーンのいずれかにおいて駆動されるものであって、制御手段は、除菌制御が行われるときに、最も小さい風量に対応した風量制御ゾーンにおいて第1送風機を駆動すると共に、最も大きい出力に対応した加熱制御ゾーンにおいて前記ヒータを駆動する。
この除湿機では、ケーシング内部の温度を効率よく上昇させてケーシング内部の雑菌を除去することができる。
第5の発明に係る除湿機は、第1乃至第4のいずれかの発明に係る除湿機において、ケーシングに設けられ、吹出口を開閉するフラップをさらに備え、制御手段は、除菌制御が行われるときに、吹出口を閉じる位置にフラップを配置する。
この除湿機では、除湿機の吹出口をフラップで閉じることにより、ヒータから発した熱が除湿機外部へ拡散するのを抑制し、ケーシング内部の温度を効率よく上昇させることができる。
第6の発明に係る除湿機は、第2乃至第5のいずれかの発明に係る除湿機において、ケーシング内において、吸着領域の一部から放出された水分を含んだ空気を熱交換器により冷却して水分を除去した後で、その空気を吸着領域の一部に対して供給するための流路と、流路内に配置された第2送風機と、を備え、制御手段は、温度検出部で検出された温度に基づいて第2送風機を制御する。
この除湿機では、ヒータから発した熱を含む空気をロータ及び熱交換器に送る空気の流れを形成する第2送風機を備え、この第2送風機を制御することにより、ケーシング内部の過度の温度上昇を抑制することができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、除湿を行うロータを加熱するヒータと、除湿機の空気の吸込口から吹出口までの流路を形成する第1送風機とを制御し、ケーシング内部の温度を雑菌が死滅する温度にすることにより、デシカント方式の除湿機内部の雑菌の除去することができる。
第2の発明では、除湿機のケーシング内の温度を検出し、検出した温度に基づいて第1送風機及びヒータを制御し、ケーシング内部の温度を調節することにより、ケーシング内部の雑菌を除去することができる。
第3の発明では、ヒータから供給される熱によって除菌する時間に制限を加えることにより、ケーシング内部の過度の温度上昇を防止することができる。
第4の発明では、ヒータの発する熱が最大となるようにヒータの温度を設定すると共に、除湿機内を通過する空気の流れを形成する第1送風機の送風能力を最小とすることにより、ケーシング内部の温度を効率よく上昇させて除湿機内部の雑菌を除去することができる。
第5の発明では、除湿機内を通過する空気の吹出口をフラップで閉じることにより、ヒータから発した熱の除湿機外部への拡散を抑制し、効率よくケーシング内部の温度を上昇させることができる。
第6の発明では、ヒータから発した熱を含む空気をロータ及び熱交換器に送る空気の流れを形成する第2送風機を備え、この第2送風機を駆動して、熱を含む空気を熱交換器で熱交換させることにより、ケーシング内部の過度の温度上昇を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る空気調和機の加湿ユニットを取り出した場合の外観斜視図である。 操作パネルの概観図である。 本発明の実施形態に係る空気調和機の外観斜視図である。(パネル及び本体ケーシング背面の一部を省略) (A)は、本発明の実施形態に係る空気調和機のフラップを閉じた場合の外観斜視図であり、(B)は、フラップを開いた場合の外観斜視図である。 第1送風機の各風量制御ゾーンにおけるファンの回転数の範囲の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る空気調和機の空気清浄ユニットを分解した場合の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る空気調和機のパネルを外した場合の正面視図である。 除湿ユニットの外観斜視図である。 ヒータの各加熱制御ゾーンにおける加熱温度の温度範囲の一例を示す図である。 加湿ユニットの外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る空気調和機のパネルを外した場合の外観斜視図である。 制御部のブロック構成図である。 制御部が実行する除菌運転処理のフローチャートである。 制御部が実行する除菌運転処理のフローチャート(変形例)である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る除湿機を除湿・加湿・空気清浄の各機能を有する空気調和機に適用した場合の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る空気調和機1は、空気清浄ユニット20、除湿ユニット30及び加湿ユニット40を備え、空気清浄機能、除湿機能及び加湿機能を有している。この空気調和機1は、空気清浄運転時は主に空気清浄ユニット20を制御して空気清浄機として、除湿運転時は主に除湿ユニット30を制御して除湿機として、加湿運転時は主に加湿ユニット40を制御して加湿器として働く。さらに、空気調和機1は除菌機能も有し、除菌運転時は主に後述する除湿ユニット30のヒータ32と第1送風機10とを制御して空気調和機1内部の雑菌を除去する。また、本実施形態では、この空気調和機1は、単一機能だけではなく、同時に複数の機能を組み合わせて稼働させることができる。この複数の組み合わせとは、例えば、空気清浄機能と除湿機能との組み合わせ、及び、空気清浄機能と加湿機能との組み合わせのことである。
<空気調和機の構成>
空気調和機1は、図1及び図2に示すように、前面から順に空気清浄ユニット20、除湿ユニット30、加湿ユニット40及び第1送風機10を配置し、これらを本体ケーシング50内に収容している。また、本実施形態では、容易に空気調和機1を移動させることができるように、本体ケーシング50の下面(室内の床面と対向する面)に、キャスタ8が設けられている。
<本体ケーシング>
本体ケーシング50は、略直方体形状であり、第1送風機10、空気清浄ユニット20、除湿ユニット30、加湿ユニット40及び制御部60等を収容している。また、本体ケーシング50は、正面視して右側面に引き出し式の第1扉55と回動式の第2扉56とを有している。第1扉55は、当該右側面下部に配置され、後述する貯水容器41が本体ケーシング50に収納されている状態では、本体ケーシング50に設けられている第1開口58aを覆っている。第2扉56は、当該右側面の背面側中央部に配置され、本体ケーシング50に設けられている第2開口58b近傍に設置されており、第2開口58bを開閉可能なように支持されている。また、空気清浄ユニット20の前面には、パネル54が配置されている。このパネル54は、ABS樹脂等の樹脂で構成されており、ABS樹脂で構成されている場合、その耐熱温度は約100度である。このパネル54の幅方向(X方向)両端及び下端には、それぞれ吸込口51が設けられており、空気調和機1に左右及び下の3方向から空気を吸入する際の吸込口として機能する。
なお、図2では、加湿ユニット40の構成部品である、貯水容器41、加湿ロータ42及び水車43は加湿ユニット40から引き出されているが、空気調和機1の運転時には、本体ケーシング50内の所定位置に配置されている。
また、本体ケーシング50の上面には、図1、図2及び図3に示すように、空気清浄運転、除湿運転、加湿運転及び除菌運転の各運転を選択するための操作パネル70が設けられており、表示カバー57によって保護されている。操作パネル70上には、「運転入/切」ボタン71、「運転切換」ボタン72、「おすすめ」ボタン7
3、「コース」選択ボタン74、「風量」選択ボタン75、「しつど」選択ボタン76、「切タイマー」ボタン77、および、「オートルーバー」ボタン78が設けられており、各ボタンが押下されると、押下されたボタンに対応する制御信号が操作パネル70の下方に配置された制御部60に供給される。例えば、「運転入/切」ボタン71は、空気調和機1への電源供給をオン/オフするためのボタンであり、電源プラグがコンセントに差し込まれた状態で押下されると、空気調和機1は運転を開始し、再度押下されると、空気調和機1は運転を停止する。また、「運転切換」ボタン72は、運転モードを選択するボタンであり、押下される度に「空気清浄」、「加湿」、「除湿」及び「除菌」のいずれか1つが選択される。なお、ここでいう「加湿」とは、空気清浄をしながらの加湿運転であり、設定湿度に達すると、加湿運転を停止するが、空気清浄運転はそのまま行う。同様に、「除湿」とは、空気清浄をしながらの除湿運転であり、設定湿度に達すると、除湿運転を停止するが、空気清浄運転はそのまま行う。また、「除菌」とは、後述する除湿ユニット40の構成部品および第1送風機10を制御して、本体ケーシング50内部の温度を所定の温度まで上昇させ、熱によって本体ケーシング50内部の雑菌を除去する運転である。
また、空気調和機1は、図1及び図2に示すように、ユーザに対して空気調和機1の運転状態等に関する情報を報知するための表示部80を備えている。表示部80は、運転表示ランプ81を有している。運転表示ランプ81は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、空気清浄運転時、除湿運転時、加湿運転時及び除菌運転時のそれぞれの運転時においてそれぞれ異なる表示モードで点灯する。
<第1送風機>
図4は、本体ケーシング50の背面の一部、側面の一部及びパネル54を省略し、空気調和機1を背面側から視た外観斜視図である。本体ケーシング50内部の背面側には、図4に示すように、第1送風機10が備え付けられている。この第1送風機10は、多翼ファンであるシロッコファンであって、制御部60の指示に従って駆動又は停止する。この第1送風機10を駆動すると、ファンの軸方向から空気を吸引して気流を90度曲げ、空気を本体ケーシング50上面の背面側に設けられた吹出口52へと送る。したがって、第1送風機10は、図4の破線矢印に示すうような空気流路F1を形成する。ここで、本体ケーシング50上面の背面側には、制御部60の指示に従って開閉するフラップ53が設けられており、吹出口52を開閉する。図5(A)は、このフラップ53を閉じた状態における空気調和機1の外観斜視図である。また、パネル54の幅方向(X方向)両端及び下端には、上述の吸込口51が設けられている。すると、第1送風機10を駆動した際に空気調和機1を通過する空気の流れは、図5(B)に示すように、3つの吸込口51から流入し、空気清浄ユニット20、除湿ユニット30、加湿ユニット40、第1送風機10の順に通過し、フラップ53が吹出口52を開いた状態で、吹出口52から流出する。なお、第1送風機10よりも上流側においては、空気流路F1は概ね前方から後方に向けて流れている。以下、「前方」とは、「空気流路F1の空気流の流れ方向における上流側」を意味し、「後方」とは、「空気流路F1の空気流の流れ方向における下流側」を意味する。
また、第1送風機10は、図6の表T1に示すような互いに異なる風量に対応した4つの風量制御ゾーンZ11〜Z14のいずれかにおいて駆動されるものである。「風量」選択ボタン75が押下され、「しずか」が選択されると、第1送風機10は、制御部60の指示により、もっとも小さい風量に対応した風量制御ゾーンZ11において駆動される。「標準」が選択されると、第1送風機10は、制御部60の指示により、風量制御ゾーンZ11よりも所定風量だけ大きい風量に対応した風量制御ゾーンZ12において駆動される。「強」が選択されると、第1送風機10は、制御部60の指示により、風量制御ゾーンZ12よりも所定風量だけ大きい風量に対応した風量制御ゾーンZ13において駆動される。「ターボ」が選択されると、第1送風機10は、制御部60の指示により、風量制御ゾーンZ13よりも所定風量だけ大きく、もっとも大きい風量に対応した風量制御ゾーンZ14において駆動される。後述の「除菌運転処理」では、第1送風機10は、もっとも小さい風量に対応した風量制御ゾーンZ11において駆動される。
<空気清浄ユニット>
空気清浄ユニット20は、図7に示すように、パネル54と、プレフィルタ21と、イオン化線取付枠22と、光触媒フィルタ23と、光触媒フィルタ取付板24と、ファンガード25と、放電板ユニット26とを有している。プレフィルタ21、イオン化線取付枠22、光触媒フィルタ23、光触媒フィルタ取付板24及びファンガード25は、本体ケーシング50の内部空間Sに着脱可能に収納されている。
パネル54の幅方向(X方向)両端及び下端には、吸込口51が設けられている。空気調和機1の運転中にこの3つの吸込口51から外部の空気が空気調和機1へと流入し、上述の空気流路F1が形成される。
プレフィルタ21は、このパネル54の裏面に取り付けられており、比較的大きなホコリや塵を除去する。プレフィルタ21は、ポリプロピレン(以下、PPという)製の糸状の樹脂網からなるネットと、ネットを保持するフレームとから構成されている。プレフィルタ21のネットを構成する繊維には、可視光線型の光触媒とカテキンとが空気側に露出するように担持されている。可視光線型の光触媒は、可視光線により光触媒作用が活性化される酸化チタン等を含んでおり、プレフィルタ21に付着する塵埃などに含まれるカビ菌や細菌などの菌やウィルスを除去する。なお、カテキンは、ポリフェノールの一種であって、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどの総称である。このカテキンは、プレフィルタ21に付着する塵埃などに含まれるカビ菌や細菌などの菌の繁殖の抑制及びウィルスを不活化する。
イオン化線取付枠22は、プレフィルタ21の後方に配置されている。イオン化線取付枠22には、XZ平面(空気調和機1の幅方向と高さ方向とで規定される平面、即ち、空気流路F1の進行方向に対して垂直な平面)上に所定の単位長の格子状の枠が形成されており、この枠に沿ってイオン化線が張り巡らされている。このイオン化線に通電すると、イオン化線から発生したイオンが塵や花粉等を帯電させる。
光触媒フィルタ取付枠24は、イオン化線取付枠22の後方に配置されている。光触媒フィルタ取付枠24は、光触媒フィルタ23を張り付けるための枠であって、XZ平面に広がる枠である。光触媒フィルタ23は、プリーツ状に形成されており、静電フィルタおよびチタンアパタイト担持フィルタを張り合わせて形成されている。なお、この光触媒フィルタ23は、表側に静電フィルタが配置され、裏側にチタンアパタイト担持フィルタが配置されている。静電フィルタは、イオン化線取付枠24を通過する際に高速電子が付着して帯電させられた塵埃などを吸着する。チタンアパタイト担持フィルタは、静電フィルタを通過した塵埃などを吸着する。このチタンアパタイト担持フィルタは、プレフィルタ21と同様に、チタンアパタイトを担持させたPPの繊維から形成されている。なお、チタンアパタイトとは、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトである。このチタンアパタイトは、塵埃などに含まれるウィルスやカビ菌、細菌などを特異的に吸着する性質を有する。そして、このチタンアパタイトは、イオン化線取付枠22に張り巡らされたイオン化線から供給される活性種により光触媒機能が活性化され、ウィルスやカビ菌、細菌などを不活化または死滅させる。
また、この光触媒フィルタ23は、プリーツ状に形成されているため、折り目に合わせて容易に折り畳むことが可能である。このため、折り畳んだ状態の光触媒フィルタ23を複数枚まとめた交換用フィルタ27を、空気調和機1の内部空間Sの上方に形成された幅方向(X方向)に長い略直方体形状の交換用フィルタ収納箱Aに収納することができる。また、ストリーマ放電によって高速電子をプレフィルタ21の前方から放出する放電板ユニット26は、空気調和機1を正面視してフィルタ収納箱Aの右側に設けられたスペースに取り付けられている。
ファンガード25は、手などが除湿ユニット30の構成部品と接触するのを防止するためのものである。例えば、ユーザがプリーツフィルタ23の交換する際に、除湿ユニット30の構成部品と接触して負傷するのを防止する。また、このファンガード25には、光触媒及びストリーマ脱臭触媒が備え付けられており、放電板ユニット26から放出された高速電子が付着したアンモニア分子等の臭気成分を分解する。
<除湿ユニット>
除湿ユニット30は、空気清浄ユニット20の後方に配置されており、空気清浄ユニット20を通過した空気が流入する。除湿ユニット30は、図8に示すように、空気調和機1を正面視して略中央部に配置されている。除湿ユニット30は、図9に示すように、除湿ロータ31、ヒータ32、第2送風機33及び熱交換器35を有している。
除湿ロータ31は、円板状のハニカム構造体であり、多孔質体から構成されている。このため、除湿ロータ31は、高い吸湿性を有している。また、除湿ロータ31は、空気流路F1を流れる空気と接触するように配置されている。このため、空気流路F1を流れる空気は、除湿ロータ31の吸着領域31aにおいて水分を奪われ、除湿ロータ31の後方では、乾いた空気となっている。
ヒータ32は、除湿ロータ31の背面側の一部に対向して配置されている。このヒータ32は、略扇形形状であって、除湿ロータ31の背面側の6分の1程度を覆う位置に設けられている。
第2送風機33は、除湿ユニット30を正面視して除湿ロータ31の上方右側に配置されている。ヒータ32と第2送風機33とは空気の流通ができるように第1送風管34aによって連絡されている。第2送風機33が稼働することで共通送風管34内に空気流が形成され、空気は第1送風管34a内を図9の矢印で示す方向に流れる。そして、ヒータ32近傍に流れてきた空気は、そこで加熱されて高温空気となる。
共通送風管34は、第1送風管34a、第2送風管34b、第3送風管34c、第4送風管34d及び第5送風管34eから構成されている。ヒータ32によって加熱された高温空気は、厚み方向(Y方向)に対向する除湿ロータ31の背面側から正面側に流れる。ここで、除湿ロータ31の領域のうち高温空気が通過した領域では、除湿ロータ31が高温空気によって暖められることで、保持していた水分が高温空気の流れによって放出される。このため、除湿ロータ31を背面側から前面側に向けて通過した空気は、除湿ロータ31から放出された水分を含むことにより高温高湿空気となって第2送風管34bへと進む。第2送風管34bは、図8及び図9に示すように、正面視において略扇形形状を呈しており、除湿ロータ31の一部を正面側から覆うように配置されている。また、第2送風管34bは、上述したヒータ32と共に除湿ロータ31の同一部分を挟むような位置に設けられ、除湿ロータ31の正面側の全面積の6分の1程度を覆っている。
第3送風管34cは、第2送風管34bと熱交換器35との空気の流通ができるように、第2送風管34bと熱交換器35との間を連絡している。このため、第2送風管34bを通過してきた高温高湿空気を熱交換器35に向かわせることができる。第4送風管34dは、熱交換器35と第5送風管34eとの空気の流通ができるように、熱交換器35と第5送風管34eとを連絡している。第5送風管34eは、第4送風管34dと第2送風機33とを連絡している。第4送風管34dを通過してきた空気は、第5送風管34eを通って第2送風機33に吸い込まれて再び第1送風管34aに供給され、乾燥した空気が除湿ロータ31に供給される。
熱交換器35は、図9に示すように、第3送風管34cと第4送風管34dとを連絡しており、複数の凝縮管36を有している。また、凝縮管36同士は、所定の間隔をあけて配置されている。このため、凝縮管36には、凝縮管36同士の間に、外部空気流A1が通過する外部空気通過部35aが形成されている。
このような構成によって、第2送風管34bから第3送風管34cを介して流れてきた高温高湿空気は、熱交換器35の凝縮管36の内壁面に接触しながら流れる。このため、熱交換器35を通過する外部空気は、凝縮管36内部を流れる高温高湿空気との間で熱交換を行い、互いに混ざり合うことなく、凝縮管36内部を流れる空気から熱量を奪う。したがって、凝縮管36の内壁面に接触した高温高湿の空気は冷却され、凝縮管36の内壁面には結露が生じる。この結露水は、熱交換器35を下方に流れ、熱交換器35下面を鉛直方向に貫通して設けられている排水口(図示せず)を通じて、ドレンパン41aを介して貯水容器41に流れ込む。また、熱交換器35において熱交換された空気は、第4送風管34dおよび第5送風管34eを介して第2送風機33に吸い込まれて再び第1送風管34aに供給され、乾燥した空気が除湿ロータ31に供給される。
また、除湿ロータ31は回転可能である。このため、除湿ロータ31の吸着領域31aは、水分の吸着と、脱着とを繰り返すことができる。したがって、共通送風管34内の空気は、第2送風管34bにおいて除湿ロータ31から水分を奪い取り、熱交換器35において除湿ロータ31から奪い取った水分を排出する、というサイクルを繰り返しながら共通送風管34内を循環している。
また、ヒータ32は、図10の表T2に示すように、互いに異なる出力に対応した3つの加熱制御ゾーンZ321〜Z323のいずれかにおいて駆動されるものである。「しつど」選択ボタン76が押下され、「低め」が選択されると、ヒータ32は、制御部60の指示により、もっとも大きい出力に対応した加熱制御ゾーンZ323において駆動される。「標準」が選択されると、ヒータ32は、制御部60の指示により、加熱制御ゾーンZ323よりも所定出力だけ小さい出力に対応する加熱制御ゾーンZ322において駆動される。「高め」が選択されると、ヒータ32は、制御部60の指示により、加熱制御ゾーンZ322よりも所定出力だけ小さく、もっとも小さい出力に対応した加熱制御ゾーンZ321において駆動される。後述する「除菌運転処理」では、ヒータ32は、もっとも大きい出力に対応した加熱制御ゾーンZ323において駆動される。
<加湿ユニット>
加湿ユニット40は、図2及び図11に示すように、貯水容器41と、加湿ロータ42と、水車43とを備えている。貯水容器41は、加湿ロータ42に供給される水分の水源であって、本体ケーシング50に着脱可能に収納されている。貯水容器41の水が不足して水を補充する場合や、貯水容器41の水が満杯になり排水する場合に、貯水容器41はケーシング50から引き出される。具体的には、本体ケーシング50の有する引き出し式の第1扉55が引き出されることによって、貯水容器41は本体ケーシング50の第1開口58aから取り出される。例えば、運転表示ランプ81が点滅している場合には、ユーザによって、本体ケーシング50の第1開口58aから貯水容器40が引き出されて、水が補充される。
水車43は、貯水容器41に回転可能に軸支されており、軸の周りを回転して貯水容器41内の水をくみ上げて加湿ロータ42に水を供給する。ここで、貯水容器41に貯められる水は純水ではないため、雑菌等が含まれており、さらに、除湿ユニット30と加湿ユニット40とは隣接しているため、加湿ユニット40は除湿ユニット30のヒータ32からの熱が伝達し、加湿ユニット40の周囲の雰囲気温度は高くなる。したがって、加湿ユニット40の周囲は高温多湿であり、雑菌が繁殖しやすい環境となっている。
加湿ロータ42は、不織布であって円板状に形成され、ロータ軸42aに軸支されている。加湿ロータ42は、このロータ軸42aを中心として回転し、厚み方向(Y方向)から視て水車43と重なり合う領域において水車43から供給された水を吸収する。そして、空気流路F1を流れる空気が加湿ロータ42を通過すると、通過した空気に加湿ロータ42から水分が供給され、空気が加湿される。
<温度センサ>
図12は、パネル54と空気清浄ユニット20とを取り外した状態における空気調和機1の斜視図である。本体ケーシング50の内壁面のうち、空気調和機1を正面視して左側内壁面の略中央部には、温度センサ90が備え付けられている。この温度センサ90は、本体ケーシング50の内部空間Sの温度を測定するものである。温度センサ90は、所定の間隔で周期的に内部空間Sの温度を測定し、都度、温度情報を制御部60に供給する。
<制御部>
制御部60は、CPU(Central Proccessing Unit)及びROM(Read Only Memory)等の記録媒体から構成されており、記録媒体に記録されているプログラムに従って空気調和機1全体を制御する。制御部60は、上述のように、操作パネル70の下方に配置されており、操作パネル70から入力される制御信号に基づいて、空気清浄運転、加湿運転、除湿運転、または除菌運転が行われるように、空気清浄ユニット20、除湿ユニット30、加湿ユニット40および第1送風機10を制御する。また、制御部60は、図13に示すように、第1送風機制御部61と、除湿ユニット制御部62と、温度判定部65と、タイマ66とを備えている。
第1送風機制御部61は、「運転入/切」ボタン71が押下され、「運転切換」ボタン72が押下されて「空気清浄」、「加湿」または「除湿」が選択された場合、各ボタンが押下されることによって入力された制御信号に基づいて、所定風量で回転するように第1送風機10を制御する。なお、本実施形態では、第1送風機制御部61は、第1送風機10の制御を開始してから再び「運転入/切」ボタン71が押下されるまで、所定風量で回転するように第1送風機10を制御する。また、「運転切換」ボタン72が押下されて「除菌」が選択された場合、第1送風機制御部61は、入力された制御信号に基づいて、第1送風機10の風量がもっとも小さくなるように、風量制御ゾーンZ11に設定する。
除湿ユニット制御部62は、「運転入/切」ボタン71が押下され、「運転切換」ボタン72が押下されて「除湿」が選択された場合、「除湿」が選択されたことによって入力される制御信号に基づいて、第1送風機10によって空気調和機1内部に取り込まれた空気を除湿するために、除湿ユニット30の除湿ロータ31、ヒータ32及び第2送風機33を制御する。除湿ユニット制御部62は、ヒータ制御部63と第2送風機制御部64とを有している。ヒータ制御部63は、「運転切換」ボタン72が押下されて「除湿」が選択された場合、「除湿」が選択されたことによって入力される制御信号に基づいて、ヒータ32を加熱制御ゾーンZ321〜Z323のいずれかに設定して駆動する。また、「運転切換」ボタン72が押下されて「除菌」が選択された場合、「除菌」が選択されたことによって入力される制御信号に基づいて、ヒータ32をもっとも大きい出力に対応する加熱制御ゾーンZ323に設定して駆動する。
温度判別部65は、「運転入/切」ボタン71が押下され、「運転切換」ボタン72が押下されて「除菌」が選択された場合、「除菌」が選択されたことによって入力される制御信号に基づいて、本体ケーシング50の内壁部に設置されている温度センサ90から所定の間隔で周期的に供給される本体ケーシング50内部の温度情報を取得し、本体ケーシング50内部の温度Tがウィルス・細菌等を死滅させることが可能な基準温度To(例えば、To=80℃)以上であるか否かを判別する。T<Toと判別した場合、温度判別部65は、引き続き温度センサ90から温度情報が供給されるたびに、温度Tが所定の温度To以上か否かを判別する。一方、T≧Toと判別した場合、温度判別部65は、その旨を制御部60に通知する。
タイマ66は、記録媒体に記録されているプログラムに基づいて実行されるソフトウェアタイマであって、制御部60が温度判別部65から温度T≧Toである旨の通知を受けた場合に、制御部60の指示によって時間の計測を開始する。そして、計測時間tが除菌時間to(例えば、to=10分)を経過すると、toが経過した旨を制御部60に通知する。
<除菌運転における制御部の制御>
次に、「運転入/切」ボタン71が押下され、「運転切換」ボタン72が押下されて「除菌」が選択された場合に制御部60が実行する「除菌運転処理」について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
「運転切換」ボタン72が押下され、「除菌」が選択されたことによって制御信号が入力されると、制御部60は除菌運転処理を開始する。まず、制御部60は、「運転切換」ボタン72が押下されて「除菌」が選択されたか否かを判別する(ステップS101)。「除菌」が選択されなかったと判別した場合(ステップS101;No)、制御部60は、除菌運転処理を終了する。
「除菌」が選択されたと判別した場合(ステップS101;Yes)、制御部60は、フラップ53を駆動し、吹出口52を閉じる(ステップS102)。
吹出口52を閉じると、制御部60は、除湿ユニット30のヒータ32を加熱制御ゾーンZ323に設定し、ヒータ32の出力を上げる(ステップS103)。それとともに、制御部60は、第1送風機10を風量制御ゾーンゾーンZ11に設定し、第1送風機10の風量を下げる(ステップS104)。
吹出口52をフラップ53で閉じ、ヒータ32の出力を最大とするとともに、第1送風機10の風量を最小にした状態で、温度センサ90が測定する測定温度Tが基準温度Toに達したか否かを判別する(ステップS105)。T<Toと判別した場合(ステップS105;No)、制御部60は、引き続き測定温度TがToに到達したか否かを判別する(ステップS105)。
T≧Toと判別した場合(ステップS105;Yes)、制御部60は、タイマ66を制御して、時間の計測を開始し(ステップS106)、計測時間tが除菌時間toを経過したか否かを判別する(ステップS107)。t<toと判別した場合(ステップS107;No)、制御部60は、引き続き計測時間tが所定の時間toを経過したか否かを判別する(ステップS107)。
t≧toと判別した場合(ステップS107;Yes)、制御部60は、ヒータ32及び第1送風機10を停止し(ステップS108)、除菌運転処理を終了する。
[実施形態に係る空気調和機1の特徴]
実施形態に係る空気調和機1には、以下のような特徴がある。
実施形態の空気調和機1では、ヒータ32の出力と第1送風機10の風量とを制御して空気調和機1内部の温度を調節することにより、熱によって空気調和機1内部の雑菌を除去することができる。
また、実施形態の空気調和機1では、空気調和機1内部に設置された温度センサ90が測定する温度が除菌温度To(例えば、To=80℃)に達してから所定時間経過すると、ヒータ32と第1送風機10とを停止することにより、空気調和機1内部の温度が過度に上昇するのを防止することができる。
また、実施形態の空気調和機1では、第1送風機10の風量を最も小さい風量に対応した弱ゾーンZ101に設定して駆動するとともに、ヒータ32の出力を最も大きい出力に対応した加熱制御ゾーンZ323に設定して駆動することにより、空気調和機1内部の温度を効率よく上昇させることができる。
また、実施形態の空気調和機1では、除菌運転時に、本体ケーシング50に設けられたフラップ53で吹出口52を閉じることにより、ヒータ32で発生した熱が外部に拡散するのを防止し、効率よく空気調和機1の内部の温度を上昇させることができる。
[変形例]
上記実施形態では、除菌運転において、吹出口52をフラップ53で閉じ、除湿ユニット30のヒータ32の出力が最大となるように設定するとともに、第1送風機10の風量が最小となるように設定することで、本体ケーシング50内の温度を効率よく上昇させている。しかしながら、かかる状態を長時間継続すると、本体ケーシング50内の温度が過度に上昇し、樹脂で構成されているパネル54及び除湿ユニット30の共通送風管34が溶解する等の不具合が生じる。
そこで、上記実施形態では駆動していなかった除湿ユニット30の第2送風機33を駆動させて共通送風管34内の空気を循環させ、熱交換器35においてヒータ32で発生した熱を効率よく拡散させることで、過度の温度上昇を抑制することができる。
なお、本例において、空気調和機の構成及び各構成の機能は、上記実施形態におけるものと同一である。以下、本例における除菌運転時の制御部の制御について、図15に示すフローチャートを参照して説明する。
「運転切換」ボタン72が押下され、「除菌」が選択されたことによって制御信号が入力されると、制御部60は「除菌運転処理」を開始する。次に、制御部60は、「運転切換」ボタン72が押下されて「除菌」が選択されたか否かを判別する(ステップS101)。「除菌」が選択されなかったと判別した場合(ステップS101;No)、制御部60は、除菌運転処理を終了する。
「除菌」が選択されたと判別した場合(ステップS101;Yes)、制御部60は、フラップ53を駆動し、吹出口52を閉じる(ステップS102)。
吹出口52を閉じると、制御部60は、除湿ユニット30のヒータ32を加熱制御ゾーンZ323に設定し、ヒータ32の出力を上げる(ステップS103)。それとともに、制御部60は、第1送風機10を風量制御ゾーンZ11に設定し、第1送風機10の風量を下げる(ステップS104)。
吹出口52をフラップ53で閉じ、ヒータ32の出力を最大とするとともに、第1送風機10の風量を最小にした状態で、温度センサ90が測定する温度Tが所定の温度Toに達したか否かを判別する(ステップS105)。T<Toと判別した場合(ステップS105;No)、制御部60は、引き続きTがToに到達したか否かを判別する(ステップS105)。T≧Toと判別した場合(ステップS105;Yes)、制御部60は、タイマ66を制御して、時間の計測を開始する(ステップS106)。
続いて制御部60は、測定温度Tが基準温度Toよりも高い温度Tm(To<Tm)に達しているか否かを判別する(ステップS201)。T<Tmと判別した場合(ステップS201;No)、制御部60は、処理をステップS107に進め、計測時間tが除菌時間toを経過したか否かを判別する(ステップS107)。
一方、T≧Tmと判別した場合(ステップS201;Yes)、制御部60は、除湿ユニット30内の第2送風機33を駆動し(ステップS202)、一定時間(例えば、1分間)駆動した後、第2送風機33を停止する(ステップS203)。
その後、制御部60は、計測時間tが予め定められた除菌時間toを経過しているか否かを判別する(ステップS107)。除菌時間を経過していないと判別した場合(ステップS107;No)、制御部60は、処理をステップS201に戻す。一方、除菌時間を経過していると判別した場合(ステップS107;Yes)、制御部70は、第1送風機10及びヒータ32を停止し(ステップS108)、除菌運転処理を終了する。
[実施形態の変形例に係る空気調和機1の特徴]
実施形態の変形例に係る空気調和機1には、以下のような特徴がある。
実施形態の変形例における空気調和機1では、除菌運転時に、ヒータ32の出力と第1送風機10の風量とを制御するだけでなく、除湿ユニット30に設けられた第2送風機33を駆動させることで、同じく除湿ユニット30に設けられた熱交換器35において熱交換され、空気調和機1内部の過度の温度上昇を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、第2送風機33を駆動して本体ケーシング50内の過度の温度上昇を抑制する旨を説明したが、本発明はこれに限らず、本体ケーシング50内の過度の温度上昇を抑制する方法であれば、他の方法でもよい。例えば、温度センサ90がTm以上の温度を測定した場合、吹出口52を閉じるフラップ53を駆動して、吹出口52を開いてもよい。また、例えば、温度センサ90がTm以上の温度を測定した場合、ヒータ32の加熱制御ゾーンを、より出力の小さい加熱制御ゾーンに変更するようにしてもよい。また、例えば、第2送風機33の風量も段階を設け、温度センサ90の測定する温度に応じて、第2送風機の風量を変更するようにしてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、温度センサ90を本体ケーシング50の内壁に1箇所だけ設置した例を説明したが、本発明はこれに限らず、本体ケーシング50内部の温度をより正確に把握することができれば、温度センサを複数個設置するようにしてもよい。例えば、樹脂で構成されている共通送風管34のうちヒータ32近傍の第1送風管34a及び第2送風管34bに温度センサを設けてもよい。また、例えば、雑菌が他の領域よりも多く発生・繁殖すると考えられる加湿ロータ42周辺に温度センサを設けてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、除湿・加湿・空気清浄の各機能を備える空気調和機1を例に説明したが、本発明はこれに限らず、少なくともデシカント方式の除湿機であればよい。したがって、デシカント方式の除湿機能と空気清浄機能を有する空気調和機又はデシカント方式の除湿機能と加湿機能を有する空気調和機でもよい。
本発明を利用すれば、デシカント方式の除湿機内部に発生・繁殖する雑菌を除去することができる。
1 空気調和機
10 第1送風機
20 空気清浄ユニット
30 除湿ユニット
31 除湿ロータ
32 ヒータ
33 第2送風機
34 共通送風管
35 熱交換器
40 加湿ユニット
50 本体ケーシング
51 吸込口
52 吹出口
53 フラップ
60 制御部
61 第1送風機制御部
62 除湿ユニット制御部
63 ヒータ制御部
64 第2送風機制御部
65 温度判別部
66 タイマ
90 温度センサ
S 内部スペース
Z11〜Z14 風量制御ゾーン
Z321〜Z323 加熱制御ゾーン

Claims (6)

  1. 吸込口(51)及び吹出口(52)を有するケーシング(50)と、
    前記吸込口(51)から前記吹出口(52)に至る流路に配置された第1送風機(10)と、
    前記第1送風機(10)から送風された空気中の水分を吸着する吸着領域(31a)を有するロータ(31)と、
    前記吸着領域(31a)の一部を加熱して吸着された水分を放出するためのヒータ(32)と、
    前記ケーシング(50)内を除菌するための除菌制御が行われるように前記第1送風機(10)及び前記ヒータ(32)を制御する制御手段(60)と、
    を備えることを特徴とする除湿機(1)。
  2. 前記ケーシング内の温度を検出する温度検出部(90)をさらに備え、
    前記制御手段(60)は、前記温度検出部(90)で検出された温度に基づいて前記第1送風機(10)及び前記ヒータ(32)を制御する、
    ことを特徴とする請求項1記載の除湿機(1)。
  3. 前記制御手段(60)は、前記温度検出部(90)で検出される温度が所定温度(To)以上になったときから所定時間(to)が経過すると前記除菌制御を終了する、
    ことを特徴とする請求項2記載の除湿機(1)。
  4. 前記第1送風機(10)は、互いに異なる風量に対応した複数の風量制御ゾーン(Z11〜Z14)のいずれかにおいて駆動されると共に、
    前記ヒータ(32)は、互いに異なる出力に対応した複数の加熱制御ゾーン(Z321〜Z323)のいずれかにおいて駆動されるものであって、
    前記制御手段(60)は、前記除菌制御が行われるときに、最も小さい風量に対応した風量制御ゾーン(Z11)において前記第1送風機(10)を駆動すると共に、最も大きい出力に対応した加熱制御ゾーン(Z321)において前記ヒータ(32)を駆動する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の除湿機(1)。
  5. 前記ケーシング(50)に設けられ、前記吹出口(52)を開閉するフラップ(53)をさらに備え、
    前記制御手段は、前記除菌制御が行われるときに、前記吹出口(52)を閉じる位置に前記フラップ(53)を配置する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の除湿機(1)。
  6. 前記ケーシング(50)内において、前記吸着領域(31a)の一部から放出された水分を含んだ空気を熱交換器(35)により冷却して水分を除去した後で、その空気を前記吸着領域(31a)の一部に対して供給するための送風管(34)と、
    前記送風管(34)内に配置された第2送風機(33)と、を備え、
    前記制御手段(60)は、前記温度検出部(90)で検出された温度に基づいて前記第2送風機(33)を制御する、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載の除湿機(1)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013127331A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Panasonic Corp 加湿機能付空気清浄装置
KR101501728B1 (ko) * 2013-06-19 2015-03-12 주식회사 교원 데시칸트 제습기
CN116989398A (zh) * 2023-06-30 2023-11-03 广东英为拓科技有限公司 一种具备滤网可展开机构的除湿机

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