JP2011004796A - 光造形技術を用いた顎口腔モデルおよびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯に金属冠を被せた人も顎変形症手術計画の立案支援シミュレーションとして使用できる光造形技術を用いた顎口腔モデルを提供すること。
【解決手段】患者の顔面のX線CT撮影画像によるデータを、患者の歯型模型から患者の上歯用および下歯用のスプリントを作製し、X線CT撮影時の位置特定治具をスプリントに組み込み、治具を組み込んだスプリントを装着した患者のX線CT撮影を行うことにより得るとともに、歯型模型のX線CT撮影画像によるデータを、スプリントを装着させた歯型模型のX線CT撮影を行うことにより取得する。患者の顎部のX線CT画像によるデータと歯型模型のX線CT画像によるデータをそれぞれSTLデータに変換後、位置特定用治具のデータを基準に、歯型模型のSTLデータと患者の顎骨のSTLデータを合成して、この合成STLデータから光造形技術により顎口腔モデルを作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、顎変形症手術に必要な光造形技術による顎口腔モデルおよびそれを高精度に作製する方法に関するものであり、顎変形症手術計画の立案支援シミュレーションとして使用できるモデルを提供するものである。
顎変形症とは、顔面の下半分の変形(たとえば、顎が、出すぎている、引っ込んでいる、左右で非対称である)のために、歯の噛み合わせに問題が出ていることや、顔面のかたちにあごの変形が目立つというような症状である。顎変形症の治療の対象となるのは、上顎骨と呼ぶ上あごと下顎骨と呼ぶ下あごである。これらに対して、骨を切って骨の位置を移動させて良い位置に修正する手術や、骨の出っ張っているところを削る手術を行う。従って、失敗は許されず、手術前の入念な準備が必要となる。
たとえば、手術前に患者の顎のモデルを作り顎の噛み合わせのシミュレーションを行う。従来は、患者の歯型を取り、X線レントゲン写真から作製した顎の骨と組み合わせて石膏模型を作り、図12に示すように、石膏模型301とアクリル板302を用いて、顎変形手術計画の立案支援のシミュレーション模型を作製していた。しかし、この方法では、歯型部分の精度は十分であるが、顎部分と歯型部分の連結に難があり、顎部分の動作と精度に問題があるので、シミュレーションが正確に行うことができず、結局手術中における医師の技量と経験と勘に依拠していた。
そこで、最近は、X線CT(コンピュータ断層撮影)データを用いて、歯型含めた顎部分を含む顔面のモデルを作る光造形技術を使用する方法が検討されている。この光造形技術は実物に近いモデルが得られる。しかし、図13は従来のX線CTデータ(DICOM:Digital Imaging and Communication in Medicine)によって作製した光造形モデルであるが、歯に金属冠を被せたり、歯に金属の詰め物をしている場合には、図13(a)に示すようにCT撮影時のX線が金属冠に反射(ハレーションと呼ぶ)305を起こし、アーチファクト(ノイズ)を発生してX線画像に悪影響を及ぼす。このX線CTデータをもとにして、光造形モデルを作製すると、図13(b)に示すように、アーチファクトにより歯型部分にアーチファクトパターン306が形成され、歯型部分がうまく再現できず精度が劣ってしまう。この結果、噛み合わせのシミュレーションが難しくなってしまう。以上から、金属を歯に付けている人は、X線CTデータを用いた光造形技術は使用できない。たとえば、特許文献1は、人体の顎部位を撮影して得た画像データをフィルター処理することにより、顎模型の光造形処理をするという発明であるが、金属を歯に付けている人は考慮されず、その実効性に問題がある。尚、図13(a)は患者の下顎のX線CT画像であり、図13(b)はそのデータをもとにして作製した光造形モデルである。
そこで、やむをえず図14に示すように、歯型部分を石膏模型で作り、顎部分を光造形モデルで作製し、それらを合成したモデルを使用することがある。すなわち、光造形モデルによる顎部分307と石膏模型の歯型部分308をワックス309でつなぐということを行う。しかしこの作製方法では、石膏模型と光造形モデルとの合成基準が不明確なため、歯型部分と顎部分の再現性に問題があった。
特開2006-314580
歯に金属冠を被せたりして口に何らかの金属を有している人において、顎部のCT撮影時のX線が金属等によりハレーションを起こすため、このような人の顎部の模型作製に従来の歯を含む顎部のX線CTデータを用いた光造形技術を使うことができない。その結果、顎変形症の噛み合わせのシミュレーションに大きな困難をかかえていた。
本発明は、以上の課題を解決するために、患者の歯型を取り歯型模型を作製するとともに、患者の歯型をもとにしてX線CT撮影用のスプリントを作製する。このスプリントにガターパーチャポイントを取り付け、このスプリントを装着した患者の顎部のX線CT撮影を行うとともに、このスプリントを装着させた歯型模型のX線CT撮影を行う。これらの両方のX線CT撮影画像データ(DICOM)を、それぞれSTLデータに変換する。次に両者、すなわち患者の顔面、特に顎部のSTLデータと歯型模型のSTLデータをアセンブリ(合成)する。このアセンブリするときに、ガターパーチャポイントを基準にする。アセンブリ処理後のSTLデータをもとにして、光造形処理により顎口腔部の光造形モデルを作製する。
X線CT撮影時のハレーションの問題がなくなるので、歯に金属冠を有する人でも光造形技術のみを用いた精密な実物大モデルを作製できる。従って、高精度な咬合再建を可能とする顎口腔手術計画の立案シミュレーションを行うことができ、患者に負担も少なく、精度の高い手術を行うことが可能となる。
図1は、本発明のモデル製作手順の概要を説明する流れ図である。 図2は、本発明のモデル製作工程Bの作製手順を説明する図である。 図3は、本発明のスプリントを装着した患者のX線CT撮影を説明する図である。 図4は、本発明のスプリントを装着した石膏歯型を示す図である。 図5は、3次元画像処理ソフトにより患者のX線CT撮影のデータのみから得られた画像を示す図である。 図6は、本発明の石膏歯型模型から得られたSTLデータを示す図である。 図7は、本発明の患者顎部から得られた顎骨のSTLデータを示す図である 図8は、本発明の顎骨データと石膏歯型データを合成した図である。 図9は、本発明のアセンブリ(合成)処理後のSTLデータを示す図である。 図10は、本発明によって作製した光造形モデルを示す図である。 図11は、本発明を用いて実際の手術に適用した実例を示す図である。 図12は、従来の顎変形手術計画の立案支援のシミュレーション模型である。 図13は、従来のX線CTデータ(DICOM)によって作製した光造形モデルである。 図14は、石膏模型と光造形モデルを組み合わせたモデルを示す図である。
医療分野では、X線CT画像から3次元データ処理ソフトを用いて光造形モデルの造形を行い種々のシミュレーション(たとえば、手術のシミュレーション)を行っている。しかし、歯に金冠などの金属の詰め物をしている患者の場合、顎部のX線CT画像は、金属部からのX線のハレーションにより精度の高い光造形モデルを作製できない。そのため、成人の大部分は、最先端の技術を利用できず、特に顎変形症の患者は大きなハンディを負っていた。本発明は、このような患者も最先端の技術を利用することができる方法を提供する。
図1は、本発明のモデル製作手順の概要を説明する流れ図である。まず、患者の歯型取り(印象)を行う。(工程A)この印象をもとにして、上下の顎模型を作製し、さらにX線CT撮影用のスプリントを作製し、次にこのスプリントにガターパーチャポイント(主成分は酸化亜鉛)を組み込む。(工程B)工程Bにおける詳細、すなわち工程Bの作製手順を図2に示す。図2(a)に示すように、上歯型(上顎)模型と下歯型(下顎)模型を作製する。これらの模型はたとえば石膏で作製する。図2(a)の上図が上顎模型で、下図が下顎模型である。この顎模型をもとにして、図2(b)に示すようにX線CT撮影用のスプリントを作製する。スプリントは、マウスピースとも呼び、上および/または下の歯に被せる透明なプラスチック(熱可塑性樹脂)である。図2(b)の上図は上歯用スプリントで、下図は下歯用スプリントである。上顎模型からは上歯スプリントが、下顎模型からは下歯スプリントが作製される。
次に、図2(c)に示すように、上歯用スプリントおよび下歯用スプリントの適当な位置にガターパーチャポイントを組み込む。図2(c)の上図はガターパーチャポイントが組み込まれた上歯スプリントで、下図はガターパーチャポイントが組み込まれた下歯スプリントである。ガターパーチャポイント3を組み込んだ場所を○で囲んでいる。ガターパーチャポイントは、図2(b)の中図に示すように、根管治療に使われる棒状のもので、X線を反射するので場所を特定できる。ガターパーチャポイントを約5mmに切断し、上歯用スプリントに差し込み、スプリント内で均等に配置する。3箇所でも良いが、好適には4箇所か5箇所または6箇所である。3箇所では位置の合わせこみが十分でない場合もあり、7箇所以上では合わせ込み点が多すぎて合わせ込みが非常にむずかしくなる。
5箇所の場合は、図2(c)に示すように、奥歯と前歯、さらにその中間にできるだけ均等に配置する。図2(c)の上図は上歯用スプリントの5箇所にガターパーチャポイントを組み込んだ状態を示す図であり、図2(c)の下図は下歯用スプリントの5箇所にガターパーチャポイントを組み込んだ状態を示す図である。ガターパーチャポイントはX線に対してハレーションを起こさないので場所を特定できる。従って、ハレーションを起こさずに位置を特定できるもので、スプリントに容易に組み込みできるものであれば他のものでも構わない。すなわち、X線CT撮影のときに、位置を特定するための治具(位置特定用治具)を上下歯用スプリントの所定の場所に数箇所組み込む。
次に図1の工程Cに示すように、患者の顎部のX線CT撮影と歯型模型のX線CT撮影を行う。まず、図2(c)においてガターパーチャポイントを組み込んだ上歯用スプリントおよび下歯用スプリントを患者の上の歯列および下の歯列へそれぞれ装着し、医療用X線CTによりスプリントを装着した患者のX線CT撮影を行う。図3(a)はガターパーチャポイントを組み込んだスプリントを患者の歯列に装着した状態を示す。31が上歯用スプリントで患者の上歯列に装着されている。また、32が下歯用スプリントで患者の下歯列に装着されている。ガターパーチャポイントは○で囲まれた部分に組み込まれている。患者はこのガターパーチャポイントを組み込んだスプリントを歯列に装着した状態で、図3(b)に示すような医療用CT装置によりX線CT撮影を行う。
次に、患者がX線CT撮影時に使用したスプリントを石膏歯型模型に装着する。すなわち、図4はスプリントを装着した石膏歯型を示す。図4(a)が上歯用スプリントを装着させた上顎模型であり、図4(b)が下歯用スプリントを装着させた下顎模型である。丸印で囲んだ部分(上下とも5箇所)にガターパーチャポイントが組み込まれている。このスプリントを装着した模型についてX線CT装置を用いて高精度X線CT撮影を行う。模型のX線CT撮影を行う装置は患者が行うX線CT撮影装置と異なるもので良い。患者用のX線CT装置よりも高精度の装置を使用することもできる。たとえば、患者は0.15mmスライスピッチで行う場合に、模型では0.05mmスライスピッチで行うこともできる。また、顎模型は自由に配置できるので、患者撮影時と同様の向きで模型の撮影をすることもでき、位置合わせを行うことがより容易になる。
3次元画像処理ソフトにより患者のX線CT撮影のデータのみから得られた画像を図5に示す。ガターパーチャポイント51が明瞭に表示されているが、アーチファクト52が発生している。これからも患者のX線CT撮影のデータのみを用いることができないことが分かる。
次に、図1の工程Dに示すように、石膏歯型のX線CT撮影から得られた画像(医療用X線CT画像、いわゆるDICOM)3次元データと患者の顎部のX線CT撮影から得られた画像(DICOM)3次元データをSTL(Stereo Lithography)データに変換する。たとえば、このような変換ソフトとして、VG StudioMaX(Volume Graphycs社製)があり、3次元ボリュームレンダリングにより3次元画像の可視化と解析を行うことができる。図6に石膏歯型模型から得られたSTLデータを示す。上の図が上歯型であり、下の図が下歯型である。石膏模型の精密な画像の他にガターパーチャポイントの位置(丸印で囲む)も明瞭に把握できる。また、図7に患者の顎部から得られた顎骨のSTLデータを示す。上の図が上顎骨であり、下の図画下顎骨である。顎骨の精密な画像の他にガターパーチャポイントの位置(丸印で囲む)も明瞭に把握できる。以上のようにガターパーチャポイントをスプリントに組み込むことにより、患者の顎部におけるガターパーチャポイントの位置と石膏模型のガターパーチャポイントの位置との両方が明確に把握できる。
次に、図6および図7に示したようなSTLデータをもとにして、図1の工程Eに示すように、顎骨データと石膏歯型データのSTLデータを合成(アセンブリ)する。その時に、合成の基準位置となるものがスプリントに組み込んだガターパーチャポイントである。すなわち、患者の顎部におけるガターパーチャポイントの位置と石膏模型のガターパーチャポイントの位置との両方が明確に把握できることを利用する。まず、図6に示すような上歯型STLデータと図7に示す上顎骨のSTLデータと3次元的に重ね合わせるのであるが、基準点がないと合成が非常に難しい。しかし、両者においてガターパーチャポイントの位置が同じであることから、これらのガターパーチャポイントのデータを基準にして両者を合成する。このように基準点が明確であると簡単に位置合わせを行うことができ合成が正確にできる。
これらの合成によって得られた結果を図8に示す。図8は、顎骨データと石膏歯型データを合成したもので、図8(a)が上顎骨データと上顎石膏歯型データの合成図である。81が顎骨データから得られた画像で、82が石膏歯型データから得られた画像である。ガターパーチャポイントは丸印で示された部分に配置されている。両者のガターパーチャポイントが5点において正確に重ねることができ、非常に精度の良い合成ができている。同様にして、図6に示すような下歯型STLデータと図7に示す下顎骨のSTLデータを、やはりガターパーチャポイントのデータを基準にして合成する。図8(b)が下顎データと下顎石膏模型データを合成したSTLデータである。やはり、両者のガターパーチャポイントが5点において正確に重ねることができ、非常に精度の良い合成ができている。
図9は、アセンブリ(合成)処理後のSTLデータを示す。もはやガターパーチャポイントのデータは不要なので削除し、アーチファクトやノイズなどもカットし、その他の不要なデータを取り除く。図9(a)が側面図で、上が上顎のSTLデータ、下が下顎のSTLデータである。91が顎骨データのSTLデータであり、92が石膏模型から得られたSTLデータである。図9(b)の上が上顎の下面図で、下が下顎の上面図である。患者と殆ど同じSTLデータとなっている。アーチファクトも完全に除去されている。
次に図1の工程Fに示すように、図9に示すようなアセンブリ処理後のSTLデータから光造形モデルを作製する。たとえば、このSTLデータをもとにして光造形装置においてレーザー光を照射し、液状の光硬化性樹脂を硬化させながら、一層ずつ立体モデルを作製する。(これは、光造形技術として知られている。)こうして作製した光造形モデルを図10に示す。図10(a)が従来法により作成した光造形モデル(患者の顎部のX線CT撮影から得られたデータから作製した光造形モデル)である。図10(b)は本発明による患者の顎口腔部の光造形モデルである。従来法による光造形モデルはアーチファクト101が発生し、患者の歯型などの一部分が全く分からない。これに対して、本発明による光造形モデルはアーチファクトもなく、患者の顎と歯の状態が正確に把握できる。
図11は、本発明を用いて実際の手術に適用した実例を示す図である。顎変形症の患者について、図1および上記に説明した方法を用いて、図11に示すような光造形モデルを作製した。この患者は、上顎に対して下顎が極端に出ている患者であったので、下顎の骨を削る必要があった。失敗は許されないので正確な削り箇所と削り量をシミュレーションする必要がある。(図1の工程Gにおける顎変形症前シミュレーションモデル)図11(a)の右側の写真が手術前(モデルにおいて)で、左の写真が手術後(モデルにおいて)である。本発明を用いた光造形モデルは非常に精度良くできるので、削り箇所と削り量を実際に骨と歯の状態を確認しながら検討できる。その結果削り箇所と削り量を決定し、手術前にモデルを用いて削りその効果を確認した。図11(a)の右に示すような箇所と一部の骨を削った後の写真が図11(a)の左図である。削った部分をつなぎ合わせて、さらに上顎と合わせて見て問題ないかどうかを見たものが図11(b)である。すなわち、図11(b)は、顎変形手術計画の立案支援シミュレーション光造形モデルを用いたシミュレーション結果である。これからも分かるように、下顎の接合がきれいにでき、かつ上顎と下顎が非常に良く適合していることを確認した。このシミュレーション結果をもとにして患者の手術を行い、顎変形症を治すことができた。術後の経過も良好で、手術時間も短時間で済むということも確認できた。
以上説明したように、本発明は患者の顎部および歯型模型のX線CT画像データをSTLデータに変換し、アセンブリして得た合成STLデータから光造形技術を用いて作製された顎口腔モデル(顎口腔部の光造形モデル)である。すなわち、患者の顔面のX線CT撮影画像によるデータを、患者の歯型模型から患者の上歯用および下歯用のスプリントを作製し、X線CT撮影時の位置を特定するための治具を前記スプリントに組み込み、前記治具を組み込んだスプリントを装着した患者のX線CT撮影を行うことにより得るとともに、歯型模型のX線CT撮影画像によるデータを、前記スプリントを装着させた歯型模型のX線CT撮影を行うことにより取得して、患者の顎部のX線CT画像によるデータと歯型模型のX線CT画像によるデータをそれぞれSTL(ステレオリソグラフィ)データに変換後、両者のSTLデータをアセンブリして顎口腔部の合成STLデータを得る。その際、前記合成STLデータは、前記位置特定用治具のデータを基準として、歯型模型のSTLデータと患者の顎骨のSTLデータを合成して得られたものである。
さらに、本発明は合成STLデータから光造形技術を用いた顎口腔モデルの作製方法(顎口腔部の光造形モデル作製方法)である。すなわち、患者の歯型を取り歯型模型を作製する工程と、歯型模型より上歯用スプリントおよび下歯用スプリントを作製する工程と、前記スプリントにX線撮影時の位置を特定するための治具を組み込む工程と、前記スプリントを患者の歯列部に装着して歯型模型のX線CT撮影を行い歯型模型のX線CT画像によるデータを取得する工程と、前記スプリントを歯型模型に装着して歯型模型のX線CT画像によるデータをSTLデータに変換する工程と、前記位置特定治具のX線CT画像データを基準にして歯型模型のSTLデータと患者の顎部のSTLデータを合成することにより、顎口腔部の合成STLデータを作成する工程と、前記合成STLデータから光造形技術を用いて顎口腔モデル(顎口腔部の光造形モデル)を作製する工程とを含む。
従って、本発明は、高精度な咬合再建を可能とする顎口腔手術計画の立案支援シミュレーション機器として最適な実物大の顎口腔モデルを光造形技術のみを用いて行う手段を提供することができる。
本発明は、顎変形症手術計画の立案支援シミュレーションとして使用できる。
3・・・ガターパーチャポイント、31・・・上歯用スプリント、
32・・・下歯用スプリント、51・・・ガターパーチャポイント、
52・・・アーチファクト、81・・・顎骨データ、82・・・石膏歯型データ、
91・・・顎骨データ、92・・・石膏歯型データ、101・・・アーチファクト、
302・・・アクリル板、305・・・ハレーション、306・・・アーチファクト、307・・・光造形モデル、308・・・石膏模型、309・・・ワックス、

Claims (10)

  1. 患者の顎部のX線CT画像によるデータと歯型模型のX線CT画像によるデータをそれぞれSTL(ステレオリソグラフィ)データに変換後、両者のSTLデータをアセンブリした顎口腔部の合成STLデータから光造形技術を用いて作製された顎口腔モデル。
  2. 歯型模型は患者の歯型部分から得られた石膏模型であることを特徴とする、請求項1に記載の顎口腔モデル。
  3. 患者の顎部のX線CT撮影画像によるデータは、患者の歯型模型から患者の上歯用および下歯用のスプリントを作製し、X線CT撮影時の位置を特定するための治具を前記スプリントに組み込み、前記治具を組み込んだスプリントを歯列部に装着した患者のX線CT撮影を行うことにより得られたものであり、
    歯型模型のX線CT撮影画像によるデータは、前記スプリントを歯型模型に装着させた歯型模型のX線CT撮影を行うことにより得られたものであり、
    前記合成STLデータは、前記位置特定用治具のデータを基準として、歯型模型のSTLデータと患者の顎骨のSTLデータを合成して得られたものである、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の顎口腔モデル。
  4. 位置を特定するための治具はガターパーチャポイントであることを特徴とする、請求項3に記載の顎口腔モデル。
  5. 位置を特定するための治具は、上歯用スプリントまたは下歯用スプリント内に3〜7箇所、好適には4〜6箇所に配置することを特徴とする、請求項3または4に記載の顎口腔モデル。
  6. 患者の歯型を取り歯型模型を作製する工程と、
    患者の顎部のX線CT撮影を行い患者の顎部のX線CT画像によるデータを取得する工程と、
    歯型模型のX線CT撮影を行い歯型模型のX線CT画像によるデータを取得する工程と、
    歯型模型のX線CT画像によるデータをSTLデータに変換する工程と、
    患者の顎部のX線CT画像によるデータをSTLデータに変換する工程と、
    歯型模型のSTLデータと患者の顎部のSTLデータを合成することにより、顎口腔部の合成STLデータを作成する工程と、
    前記合成STLデータから光造形技術を用いて顎口腔モデルを作製する工程と、
    を含むことを特徴とする、光造形技術を用いた顎口腔モデルの作製方法。
  7. 歯型模型より上歯用スプリントおよび下歯用スプリントを作製する工程と、
    前記スプリントにX線撮影時の位置を特定するための治具を組み込む工程をさらに含み、患者の顎部のX線CT撮影は前記スプリントを患者の歯列部に装着して行うとともに、歯型模型のX線CT撮影は前記スプリントを歯型模型に装着して行い、歯型模型のSTLデータと患者の顎部におけるSTLデータの合成は、前記位置特定治具のX線CT画像データを基準にして歯型模型のSTLデータと患者の顎部のSTLデータを合成することを特徴とする、請求項6に記載の顎口腔モデルの作製方法。
  8. 歯型模型は患者の歯型部分から得られた石膏模型であることを特徴とする、請求項6または7に記載の顎口腔モデルの作製方法。
  9. 位置を特定するための治具はガターパーチャポイントであることを特徴とする、請求項7または8に記載の顎口腔モデルの作製方法。
  10. 位置を特定するための治具は、上歯用スプリントまたは下歯用スプリント内に3〜7箇所、好適には4〜6箇所に配置することを特徴とする、請求項7〜9のいずれかの項に記載の顎口腔モデルの作製方法。
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