JP2010155103A - バイトスプリントの製造方法 - Google Patents

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【課題】顎変形症患者に対する上下顎骨切り手術を支援するために、手術時の骨切片同士の干渉や隙間を可及的に少なくできるように考慮して、上顎と下顎との正常な位置関係を確実に設定し得るバイトスプリントの製造方法を提供する。
【解決手段】顎変形症患者の頭蓋部の頭蓋部断層撮影データを取得して作成した3次元頭蓋部画像において、上下顎咬合面の印象を取得して仮想バイトスプリントを作成する。そして、仮想バイトスプリントのデータに基づいてバイトスプリントを作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、顎変形症患者に対する外科的矯正術(上下顎骨切り手術)を支援するために有効なバイトスプリントの製造方法に関する。
歯科において強度の顎変形症患者に対し正しい噛み合わせを回復するために、上顎および/または下顎の骨切り術による外科的矯正術が歯科矯正医と歯科口腔外科医の連携により行われる。その際、切開によって分離した骨切片同士を正しい位置に移動させる時の骨切片同士の干渉や隙間を事前に評価し、どの術式が適切かを正しく判断することは、手術の成功・不成功に大きく影響する。
従来から矯正医が上下顎位置関係に基づいて作成したバイトスプリントが、手術の際に上顎と下顎とを固定するために用いられているが、このバイトスプリントは、通常は2次元X線写真であるセファログラムを用いたペーパーサージェリーに基づいて作製している。ここで、図5に、従来から用いられているセファログラムのトレースを示す。
このペーパーサージェリーにおいて、矯正医は、まず図4の(a)に示される施術前の顎変形症患者の上顎と下顎が変形した位置関係から、図5の(b)に示されるような上顎と下顎との正常な位置関係を設定する。図5の(a)は施術前の顎変形症患者の上下顎部および歯列を含む頭蓋部のセファログラムのトレースを示し、顎の水平傾斜を示すライン(咬合平面)11が頭蓋の水平基準線である顔耳平面10に対して傾斜している。図5の(b)はペーパーサージェリーで下顎の正常位への移動をシミュレーションした状態を示し、ライン(咬合平面)12がライン(顔耳平面)10に対して平行になっている。
そして、図5の(b)に示される正常な位置関係に基づき、矯正医はその知識と経験により、歯列模型を用いて樹脂製のバイトスプリントを作製している。その後、実際の上下顎骨切り手術においては、上述のように矯正医が作製したバイトスプリントを使用しつつ、外科医がその知識や経験により、骨切りの条件を決定している。
しかし、ペーパーサージェリーを用いたバイトスプリントは2次元像によるシミュレーションに基づくものであり、外科手術時の骨切同士の干渉や隙間を事前に評価することはできない。したがって、かかるバイトスプリントを3次元で行われる実際の外科的矯正において用いると、下顎枝と下顎体との間などに、3次元的な隙間や干渉(重なり)が生ずる可能性がある。特に現在の歯科手術環境では、バイトスプリントを作製する矯正医の作業と上下顎骨切り手術を行う外科医の作業との間に密接な連続性や連系を取るためのインターフェースが確立されておらず、このような問題は十二分には解決できていないのが実情である。
一方、上述のような問題に関連して、特許文献1には、「人工膝関節置換術において脛骨の骨切り面にインプラントを装着することを支援する方法であって、骨切り対象の脛骨のレントゲン画像データ及びCTまたはMRI画像データを取得し、取得したレントゲン画像データ及びCTまたはMRI画像データと装着すべき前記インプラントの形状データとに基づいて、前記インプラントを装着する3次元シミュレーションを行うことを特徴とする人工膝関節置換術支援方法。」が記載されている。
また、特許文献2には、「骨欠損部を有する骨体に適用するインプラントの設計方法であって、MRI(磁気共鳴画像)の測定データを基に、前記骨体の複数の断層データを得る工程と、複数の前記断層データを基に、前記骨体の三次元データを作製する工程と、前記骨欠損部にあるべき骨体の形状を予測する工程とを有し、前記インプラントの周方向の少なくとも一部において、前記骨体の骨切り面の形状と合致するように設計することを特徴とするインプラントの設計方法。」が記載されている。
特開2004−8707号公報 特開2004−57355号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の技術は、歯科や口腔に関係のない外科に関するものであり、人工関節置換術において脛骨の骨切り面にインプラントを装着することを支援するものであり、そのまま顎変形症患者の上下顎骨切り手術に適用しても、外科手術時の骨切同士の干渉や隙間を事前にコンピュータシミュレーションにより考慮したうえで上顎と下顎との正常な位置関係を実現するバイトスプリントは得られない。
また、特許文献2の技術も、上記特許文献1と同様に口腔に関係のない外科に関するものであり、骨欠損部を有する骨体に適用するインプラントの設計をする方法であり、そのまま顎変形症患者の上下顎骨切り手術に適用しても、外科手術時の骨切片同士の干渉や隙間を事前にコンピュータシミュレーションにより考慮したうえで上顎と下顎との正常な位置関係を実現するバイトスプリントは得られない。
すなわち、従来の技術を用いても、顎変形症患者に対する上下顎骨切り手術において、手術時の骨切片同士の干渉や隙間を事前にコンピュータシミュレーションにより考慮し選択した適切な術式によって、上顎と下顎との正常な位置関係を安全確実に実現することは困難である。
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、顎変形症患者に対する上下顎骨切り手術を支援するために、手術時の骨切片同士の干渉や隙間を事前にコンピュータシミュレーションにより考慮し、手術時に上顎と下顎との正常な位置関係を確実に設定し得るバイトスプリントの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、顎変形症患者の上下顎骨切り手術を支援するために用いるバイトスプリントの製造方法であって、
(1)顎変形症患者の頭蓋部の頭蓋部断層撮影データから作成した3次元頭蓋部画像において、前記3次元頭蓋部画像に含まれる上顎または下顎の間に略直方体オブジェクトを挿入し、上下顎咬合面の印象画像を取得し、ついで前記印象画像に基づいて仮想バイトスプリント画像を作成する工程と、
(2)前記仮想バイトスプリント画像のデータに基づき、バイトスプリントを作製する工程と、
を含むことを特徴とするバイトスプリントの製造方法である。
上記のような工程を有する本願発明のバイトスプリントの製造方法によれば、3次元シミュレーションに基づいてバイトスプリントを作製するため、顎変形症患者の上下顎骨切り手術を行う前に、手術時の骨切片同士の干渉や隙間をコンピュータシミュレーションにより考慮したうえで上顎と下顎との正常な位置関係を正確に設定することのできるバイトスプリントを得ることができる。
本発明のバイトスプリントの製造方法の工程図である。 実施例1において作成した3次元頭蓋部画像を示す図である。 実施例1において3次元頭蓋部画像に略直方体オブジェクトを挿入した様子を示す図である。 実施例1において作成した仮想バイトスプリント画像の上面図である。 従来から用いられているセファログラムのトレースを示す図である。
以下においては、適宜図面を参照しながら、本発明のバイトスプリントの製造方法の好適な一実施形態を工程順に説明する。図1は、本発明によるバイトスプリントの製造方法の工程図である。
図1に示すように、本実施形態では、前工程として、顎変形症患者の頭蓋部の頭蓋部断層撮影データから3次元頭蓋部画像を作成する。この際、好ましくは、手術時の骨切片同士の干渉や隙間を事前にコンピュータシミュレーションにより考慮したうえで、上顎および下顎を正常な位置に設定しておく。そして、前記3次元頭蓋部画像から、上顎または下顎の間に略直方体オブジェクトを挿入し、上下顎咬合面の印象画像を取得して仮想バイトスプリント画像を作成し(工程1)、この仮想バイトスプリント画像のデータに基づいてバイトスプリントを作製する(工程2)。
前工程:
まず、本発明のバイトスプリントの製造方法では、顎変形症患者の頭蓋部の断層撮影像を取得し、頭蓋部断層撮影データを得、そこから3次元頭蓋部画像を作成する。
ここで、顎変形症患者とは、一般に、上顎もしくは下顎が前に伸び過ぎていたり、逆に顎が小さい、さらには上下顎の左右対称性が損なわれるなどの理由によって上下の歯の噛み合わせが大きくずれてしまっていたり、上下顎咬合面が顔耳平面に対して傾斜していたり、または顔が非対称で歪んでいるような症状を有する患者をいう。本発明においては、上下顎骨切り手術を受け得る程度に前記症状を有する患者のことをいう。
また、頭蓋部は医学上種々の構成要素を含むが、本発明における前記顎変形症患者の頭蓋部とは、通常の頭蓋のうち、顎変形症の上下顎骨切り手術の対象となる部分、すなわち少なくとも上顎骨、下顎骨ならびに上下歯列を含む部分のことをいう。すなわち、本発明においては、少なくとも上記の部分を含む頭蓋部の断層を撮影すればよい。
本前工程において取得する前記頭蓋部の断層撮影像は、2次元の撮影像であり、例えばCT(Computerized Tomography)像およびMRI(Magnetic Resonance Imaging)像などが挙げられる。なかでも、高い精度の骨像が得られるという理由から、CT像であるのが好ましい。
特に前記頭蓋部の断層撮影像としてCT像を撮影する場合は、従来公知の装置を用いて撮影することができるが、後工程において用いる頭蓋部断層撮影データを高い精度で効率的に取得できるという観点から、例えば16列マルチスライス・ヘリカルCT(Siemens社製のSOMATOM Sensation(商品名)、スライス幅0.31mm)などを用いるのが好ましい。
CT像を撮影する場合のスライス幅は、0.3〜1.0mmであるのが好ましい。0.3mm未満であるとデータが大きくなり過ぎる傾向があるという問題があり、1.0mmを超えると3次元構築した像の精度が劣る傾向があるという問題があるからである。
つぎに、本前工程においては、前記断層撮影像から頭蓋部断層撮影データを得る。
この頭蓋部断層撮影データは、前記頭蓋部の2次元データであり、本発明の工程1において3次元データを構築する際に有効な方式のデータであるのが好ましい。前記16列マルチスライス・ヘリカルCTを用いてCT像を撮影した場合には、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)方式のデータを得ることができる。
そして、前工程では、上記で得た頭蓋部断層撮影データから、3次元頭蓋部画像を作成する。この3次元頭蓋部画像は、従来公知の方法、すなわちコンピュータおよびソフトウェアを用いて、2次元データである前記頭蓋部断層撮影データを、3次元データに変換することによって作成する。
前記頭蓋部断層撮影データとして、上記前記16列マルチスライス・ヘリカルCTを用いてDICOM方式の頭蓋部断層撮影データを得た場合には、当該頭蓋部断層撮影データをコンピュータに取り込み、コンピュータ上でVolume Graphic社製のVGStudio Max1.1(商品名)を用いて3次元頭蓋部画像を構築することができる。この場合、DICOM方式のデータがSTL(Standard Template Library)方式の3次元データに変換される。
なお、これら2次元データであるDICOM方式の頭蓋部断層撮影データ、および3次元データであるSTL方式の3次元頭蓋部像のデータは、いずれもCAD(Computer Aided Design)データともいう。
つづいて、本実施形態の前工程では、前記3次元頭蓋部画像において、当該3次元頭蓋部画像に含まれる上顎骨画像および下顎骨画像の少なくとも一方を切断し、前記上顎骨片画像および下顎骨片画像を正常な位置に設定する。すなわち、この作業は、3次元の切断シミュレーションとしてコンピュータの画面上において行う。
この上顎骨および下顎骨の切断シミュレーションでは、上顎と下顎との咬合、上顎骨片と上顎骨との隙間や干渉、下顎体と下顎枝との隙間や干渉を考慮し、切断した上顎骨片画像および/または下顎骨片画像の移動量を決定する。このシミュレーションにおいては、通常のコンピュータ用デバイスであるマウスで操作するシミュレーションソフト(例えばCyber Med社製のV-works)や、触力覚デバイスであるハプティックデバイス等を利用することができる。
なかでも、実際の上下顎骨切り手術に近い感覚で上顎画像および下顎画像の切断、上顎骨片画像、下顎骨片画像などの切断部の移動、接合および変形などの操作を行うことができるという観点から、ハプティックデバイス(触力覚デバイス)を用いて行うのが好ましい。当該ハプティックデバイスとして好適なものとしては、例えば米国SenSable Technologies Inc社製のPHANTOM(商品名)を含むFreeForm(商品名)システムなどが挙げられる。
ここで、前記3次元頭蓋部画像において上顎画像および下顎画像を切断する手法としては、従来公知の手法を採用することができ、例えば、上顎分割術(Le Fort I)、口腔内下顎枝垂直分割術(IVRO)および下顎枝矢状分割術(SSRO)などを検討し、正常な位置に上下顎画像を移動させることが可能で、かつ骨片画像同士の干渉や間隙が少なく、術後の速やかな治癒が期待できる術式をシミュレーションにより評価判定し採用すればよい。もちろん、これらの2種以上を併用することも可能である。
本実施形態では、前記上顎画像および下顎画像を切断した後、両者を正常な位置に移動させて固定する。ここでいう正常な位置とは、前記3次元頭蓋部画像において、上側の歯列画像と下側の歯列画像とが噛み合って顔耳平面(画像)に平行な適正な位置のことをいう。すなわち、上側の歯列と下側の歯列とが噛み合って顔耳平面に平行になり、かつ骨片同士の干渉や間隙が少なく、術後の速やかな治癒が期待できるように、切断した上顎画像および下顎画像を移動させて固定する。
工程1:
本実施形態のバイトスプリントの製造方法の工程1においては、上記の前工程において準備した3次元頭蓋部画像に、具体的には、当該3次元頭蓋部画像に含まれる前記正常な位置に固定された上顎画像および下顎画像の間に、略直方体オブジェクトを挿入し、上下顎咬合面の印象画像を取得し、前記印象画像を含む仮想バイトスプリント画像を作成する。本工程は、上記前工程につづいて、コンピュータ上でVolume Graphic社製のVGStudio Max1.1(商品名)および米国SenSable Technologies Inc社製のPHANTOM(商品名)を含むFreeForm(商品名)システムを用いて実施することができる。
本工程において正常な位置に固定された上顎画像および下顎画像の間に挿入する略直方体オブジェクトとは、上下顎咬合面の印象画像、すなわち正常な位置において噛み合っている上側の歯列画像と下側の歯列画像とを型取るために用いる、仮想的な型材料を表すものである。そして、型取った印象を有する略直方体オブジェクトが、本発明における仮想バイトスプリント画像を構成する。
上下顎咬合面(画像)の印象画像を取得するためには、まず、前記ハプティックデバイスを用いて前記上下顎咬合面とともに上下の歯列画像を覆うように略直方体オブジェクトを挿入し、上顎画像、下顎画像および上下の歯列画像のデータと重畳させる。この操作は画面上で行う。そして、前記コンピュータにおいて、略直方体オブジェクトのデータに重複する上下の歯列画像のデータを、削除する引き算処理を行えばよい。
この略直方体オブジェクトの形状および大きさは、前記3次元頭蓋部画像において、少なくとも顎変形症患者の上下顎咬合面を覆う程度であれば特に限定はされず、さらには上側の歯列画像と下側の歯列画像をすべて覆うのが好ましい。かかる形状および大きさは、当業者であれば本発明の目的を損なわない範囲で適宜調整することができる。
工程2:
最後に、前記仮想バイトスプリント画像のデータ(CADデータ)に基づき、バイトスプリントを作製する。このようなバイトスプリントの製造は、従来公知の方法、例えばCAM(Computer Aided Manufacturing)法によって行うことができる。
CAM法においては、例えば光造形法、薄板積層法、溶融堆積法および粉末固着法等を用いることができる。なかでも、複雑な形状の歯列の印象をプラスティック系の材料によって高精度で成型できるという点から、溶融積層法(FDM)を用いるのが好ましい。この溶融積層法は、例えばStratasys Inc.社製のPRODIGY(商品名)を用いて実施することが可能であり、その条件としては、当業者であれば本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整することができる。
ただし、前記溶融積層法における積層厚さとしては、0.1〜0.3mmであるのが好ましい。0.1mm未満であると、加工時間がかかり過ぎる傾向になるという問題があり、0.3mmを超えると精度が低下する傾向になるという問題があるからである。
また、本工程2においてバイトスプリントを作成するために用いる材料としては、従来のバイトスプリントやマウスピースを作成するために用いられている材料を用いることができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリイソブチレン、シリコーン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、酢酸ビニル、天然ゴム、これらの塩および共重合体、ならびにこれらの混合物などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
《実施例1》
本実施例においては、上下顎に変形を伴って咬合平面が傾斜している顎変形症患者の、外科的矯正術を支援するために用いるバイトスプリントを製造した。すなわち、顎の骨切り手術において、上下顎を移動させて正常な位置を設定する必要のある顎変形症患者のためのバイトスプリントを作製した。
まず、前工程において、上下顎に変形を伴う顎変形症患者の頭蓋部のCT像を、16列マルチスライス・ヘリカルCT(Siemens社製のSOMATOM Sensation(商品名))を用いて撮影し、DICOM方式の頭蓋部断層撮影データを得た。なお、CT像のスライス幅は0.31mmとした。
つぎに、前記頭蓋部断層撮影データをコンピュータに取り込み、コンピュータ上でVolume Graphic社製のVGStudio Max1.1(商品名)を用いて、前記頭蓋部断層撮影データから3次元頭蓋部画像を構築した。なお、この場合、DICOM方式のデータをSTL方式の3次元データに変換した。図2の(a)に、ここで作成した3次元頭蓋部画像を示した。図2の(a)に示すように、この顎変形症患者においては、下顎が向かって右に変形しており、咬合平面2が顔耳平面1に対して傾斜していることがわかる。
ついで、ハプティックデバイス(米国SenSable Technologies Inc社製のPHANTOM(商品名)を含むFreeForm(商品名)システム)を用い、前記3次元頭蓋部画像に含まれる上顎画像をLe Fort Iで、下顎画像をSSROで切断し、下顎枝画像と下顎体画像の干渉および間隙を考慮しながら、上下の歯列画像が顔耳平面に平行でかつ噛み合うように正常な位置に移動させた。ここで上顎画像と下顎画像との位置を正常な位置に設定して得られた3次元頭蓋部画像を図2の(b)に示した。図2の(b)に示すように、顎変形症患者の咬合平面3は顔耳平面1に対して略平行となっている。
その後、本発明の工程1として、コンピュータ画面上において、上記の3次元頭蓋部画像のうちの、正常な位置に設定された上顎画像および下顎画像の間に、図3に示すように前記ハプティックデバイスを用いて略直方体オブジェクトを挿入した。図3は、上顎画像と下顎画像とが正常な位置に設定された3次元頭蓋部画像の咬合平面3を含む部分に、略直方体オブジェクト4を挿入した様子を示す図である。略直方体オブジェクト4の大きさは、咬合平面3を全て覆うとともに、上側の歯列画像および下側の歯列画像も全て覆うように調整した。
そして、前記コンピュータにおいて略直方体オブジェクトのデータに重複する上下の歯列画像のデータを削除する引き算処理を行い、上下顎咬合面の印象画像を取得し、当該印象画像を有する仮想バイトスプリント画像を作成した。図4は、本工程で作成した仮想バイトスプリント画像の上下顎咬合面を含む上側部分5および下側部分6を示す上面図である。
ついで、本発明の工程2として、Stratasys Inc.社製のPRODIGY(商品名)を用いた溶融積層法により、前記仮想バイトスプリント画像のデータに基づき、バイトスプリントを作製した。本実施例において得られたバイトスプリントは、顎変形症患者の上顎と下顎との正常な位置を設定するのに役立ち、上下顎骨切り手術を支援するために好適に用いることができた。
《実施例2》
本実施例においては、上下顎に変形を伴って咬合平面が傾斜している顎変形症患者の、外科的矯正術を支援するために用いるバイトスプリントを製造した。すなわち、顎の骨切り手術において、上下顎を移動させて正常な位置を設定する必要のある顎変形症患者のためのバイトスプリントを作製した。具体的には実施例1と同様にしてバイトスプリントを作製した。
本実施例において得られたバイトスプリントは、コンピュータシミュレーションにより下顎枝と下顎体の干渉および間隙を考慮して、顎変形症患者の上顎と下顎との正常な位置を設定するのに役立ち、上下顎骨切り手術を支援するために好適に用いることができた。
本発明のバイトスプリントの製造方法によって、顎変形症患者の上下顎を正常な位置に戻す際に、上顎骨片と上顎骨との間や下顎枝と下顎体との間に生ずる3次元的な隙間や干渉(重なり)が可級的に少ない術式や切開部をシミュレーションにより選択および決定することが可能になる。シミュレーションによって修正された上下顎の位置をもとにバイトスプリントをCADし、そのデータを用いて実際の手術で使用するバイトスプリントをCAMによって製造することが可能になる。このバイトスプリン−トは3次元コンピュータシミュレーションをもとに作成しており、顎変形症患者に対する外科的矯正術(上下顎骨切り手術)を支援するために特に有効である。
1 顔耳平面
2、3 上下顎咬合平面
4 略直方体オブジェクト
5 仮想バイトスプリント画像の上側部分
6 仮想バイトスプリント画像の下側部分

Claims (1)

  1. 顎変形症患者の上下顎骨切り手術を支援するために用いるバイトスプリントの製造方法であって、
    (1)顎変形症患者の頭蓋部の頭蓋部断層撮影データから作成した3次元頭蓋部画像において、前記3次元頭蓋部画像に含まれる上顎または下顎の間に略直方体オブジェクトを挿入し、上下顎咬合面の印象画像を取得し、ついで前記印象画像に基づいて仮想バイトスプリント画像を作成する工程と、
    (2)前記仮想バイトスプリント画像のデータに基づき、バイトスプリントを作製する工程と、
    を含むことを特徴とするバイトスプリントの製造方法。
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