JP2011004217A - 電圧制御発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】残留位相雑音特性を劣化させずに発振周波数の広帯域化を実現する電圧制御発振器を提供することを目的とする。
【解決手段】制御電圧印加端子Vc1からの制御電圧に応じて所望の周波数で発振する能動回路を備えた電圧制御発振器であって、前記能動回路は、トランスTSの一次側コイルL5に印加される前記制御電圧によってインダクタンス値が変化する二次側コイルL3を発振維持用のチョークコイルとして用いる。コイルL3のインダクタンス値が変化することで、コイルL3とコンデンサC5との共振周波数を変化させられる。その結果、制御電圧により、共振回路のバリキャップダイオードD1によるリアクタンス特性の変化だけでなく、能動回路のリアクタンス特性を変化させられる。
【選択図】図1
【解決手段】制御電圧印加端子Vc1からの制御電圧に応じて所望の周波数で発振する能動回路を備えた電圧制御発振器であって、前記能動回路は、トランスTSの一次側コイルL5に印加される前記制御電圧によってインダクタンス値が変化する二次側コイルL3を発振維持用のチョークコイルとして用いる。コイルL3のインダクタンス値が変化することで、コイルL3とコンデンサC5との共振周波数を変化させられる。その結果、制御電圧により、共振回路のバリキャップダイオードD1によるリアクタンス特性の変化だけでなく、能動回路のリアクタンス特性を変化させられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線機等に使用する電圧制御発振器に係り、特に、残留位相雑音特性を可能な限り劣化させずに広帯域化を実現する電圧制御発振器に関する。
従来の電圧制御発振器では、例えばコルピッツ形発振回路が知られており、特許文献1に示されるように、制御電圧によりバリキャップダイオードの容量を変化させることによって誘導性成分である共振回路の共振周波数を変化させ、発振周波数の広帯域化を図っている。以下、図3を参照して、従来の電圧制御発振器Yの構成を詳細に説明する。図3は、従来の電圧制御発振器Yの回路図である。
共振回路は、抵抗R1、コイルL1、バリキャップダイオードD1、コンデンサC1〜C3、コイルL2、コンデンサC4で構成され、能動回路は、トランジスタ(NチャンネルJFET)T、コンデンサC5〜C8、コイルL3,L4、抵抗R2で構成される。
バリキャップダイオードD1のカソードには、直列接続された抵抗R1、コイルL1を介して制御電圧印加端子Vc1が接続され、バリキャップダイオードD1のアノードは接地される。また、バリキャップダイオードD1のカソードは、コンデンサC1を介して接地されるとともに、コンデンサC2を介してコイルL2の一端に接続される。コンデンサC2とコイルL2との間にはコンデンサC3の一端が接続され、コンデンサC3の他端は接地される。コイルL2の他端は、コンデンサC4を介して接地されるとともに、能動回路であるトランジスタTのドレインに接続される。
トランジスタTのドレインには、上記した共振回路の他に、電源電圧Vddに並列接続されたコンデンサC5とチョークコイルであるコイルL3とで構成される並列共振回路が接続されている。この並列共振回路のトランジスタT側の一端とトランジスタTのソースとは、コンデンサC6を介して接続されている。
また、トランジスタTのソースは、コンデンサC7を介して接地され、コイルL4及び抵抗R2を介して接地されるとともに、コンデンサC8を介して出力端子OUTPUTに接続されており、トランジスタTのゲートは接地される。
この電圧制御発振器Yでは、電圧制御発振器Yの発振周波数近傍で共振回路が誘導性となり、能動回路が容量性となり、共振回路と能動回路とでマッチングがとれると発振する。従来の電圧制御発振器Yにおける能動回路及び共振回路のリアクタンスの周波数特性を図4に示す。
図4に示すA1は、制御電圧印加端子Vc1から最低制御電圧V1をバリキャップダイオードD1に印加したときの共振回路のリアクタンス特性であり、A2は、制御電圧印加端子Vc1から最高制御電圧V2をバリキャップダイオードD1に印加したときの共振回路のリアクタンス特性である。B1は、能動回路のリアクタンス特性である。
電圧制御発振器Yの発振可能範囲は、最低制御電圧V1を印加したときの周波数F1から最高制御電圧V2を印加したときの周波数F2までとなっている。図4に示す電圧制御発振器Yの発振周波数において、誘導性を示す共振回路のリアクタンス(P1又はP3)と容量性を示す能動回路のリアクタンス(P2又はP4)との絶対値はほぼ同一となっており、共振回路と能動回路との接続部分は複素共役の関係でマッチングがとれた状態となっている。
従来の電圧制御発振器Yにおいて、定数の最適化により広帯域化を実現しようとした場合、共振回路のリアクタンス特性A2を高周波側にシフトすることが考えられる。しかし、リアクタンス特性A2を高周波側にシフトし過ぎると電圧制御発振器YのC/N比が劣化してくるため、残留位相雑音特性が劣化し、位相偏移を低く抑えなければならない用途の広帯域化が困難となる。
また、無理に広帯域化を実現しようとすると、能動回路のインピーダンス特性における負性抵抗値が小さくなるとともに、共振回路のQ値が急激に劣化する領域で発振停止する虞がある。
また、バリキャップダイオードや共振回路全体を切り替える広帯域化の方式も考えられるが、回路の冗長性が非常に大きくなり、実装面積及び部品コストに無駄が生じる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、残留位相雑音特性を劣化させずに広帯域化を実現する電圧制御発振器を提供することを目的とする。
本発明の電圧制御発振器は、制御電圧に応じて所望の周波数で発振する能動回路を備えた電圧制御発振器であって、前記能動回路は、トランスの一次側コイルに印加される前記制御電圧によってインダクタンス値が変化する前記トランスの二次側コイルを発振維持用のチョークコイルとして用いることを特徴とする。
本発明によれば、能動回路のリアクタンス特性を変化させられるので、残留位相雑音特性を劣化させることなく、発振周波数の広帯域化ができる。
図3に示す従来の電圧制御発振器Yでは、コンデンサC5とチョークコイルであるコイルL3との共振周波数が大きな要素となり、能動回路のリアクタンス特性を左右する。本実施形態の電圧制御発振器は、能動回路のチョークコイルとしてトランスの二次側を用い、トランスの一次側コイルに印加した制御電圧(直流電圧)によりトランスの二次側コイルのインダクタンス値を制御することによって、能動回路のリアクタンス特性を周波数軸上でシフト可能とする。これにより、共振回路のリアクタンス特性の可変幅が狭い場合でも、残留位相雑音特性を劣化させずに発振周波数の広帯域化を実現するものである。以下、図を参照して、本実施形態の電圧制御発振器を詳細に説明する。なお、従来の電圧制御発振器Yと同様の構成には、同一の符号を付している。
図1に示す本実施形態の電圧制御発振器Xでは、従来の電圧制御発振器Yと同様に、抵抗R1、コイルL1、バリキャップダイオードD1、コンデンサC1〜C3、コイルL2、コンデンサC4で構成される共振回路からの出力信号が、能動回路であるトランジスタTのゲート・ドレイン間に入力される。この共振回路は、制御電圧印加端子Vc1から印加される制御電圧に応じたバリキャップダイオードD1の容量変化により、共振周波数を変化させた出力信号を能動回路に出力できる。
電圧制御発振器Xの能動回路は、トランジスタT、コンデンサC5〜C8、コイルL4、抵抗R2、トランスTS、抵抗R3、演算増幅器OPで構成される。本実施形態の能動回路では、従来の制御電圧発振器Yにおける能動回路の発振維持用のチョークコイルであるコイルL3をトランスTSの二次側コイルとして使用している。能動回路の構成の内、トランジスタT、コンデンサC5〜C8、コイルL3,L4、抵抗R2は、従来の電圧制御発振器Yと同様であるので説明を省略する。
トランスTSの一次側には、制御電圧印加端子Vc1に応じた電圧を印加する。トランスTSの一次側に印加する電圧は、制御電圧印加端子Vc1と同一の電圧であってもよいし、比例した電圧であってもよく、トランスTSの二次側コイルL3のインダクタンス値を所望の値に変化させられる電圧であればよい。ただし、トランスTSの一次側のインピーダンスが、制御電圧の入力に影響を及ぼさないようにするため、演算増幅器OPで構成される緩衝増幅器を介して、トランスTSの一次側と制御電圧印加端子Vc1とを接続している。
具体的には、トランスTSの一次側コイルL5の一端は接地され、他端は抵抗R3を介して演算増幅器OPの出力端子に接続されている。演算増幅器OPの非反転入力端子には制御電圧印印加端子Vc1が接続され、反転入力端子には演算増幅器OPの出力端子が接続されている。
トランスTSの一次側コイルL5に印加された制御電圧により、トランスTSの二次側コイルL3のインダクタンス値が制御される。トランスTSの一次側に印加される制御電圧が変化すると、トランスTSの鉄芯に生じる磁束が変化するため、トランスTSの二次側コイルL3のインダクタンス値が変化するからである。コイルL3のインダクタンス値の変化により、コイルL3とコンデンサC5による共振周波数が変化するため、能動回路のリアクタンス特性が変化する。つまり、制御電圧印加端子Vc1からの制御電圧により、能動回路のリアクタンス特性を周波数軸上でシフトさせられる。
本実施形態の電圧制御発振器Xにおける能動回路及び共振回路のリアクタンスの周波数特性を図2に示す。
図2において、A1は、制御電圧印加端子Vc1から最低制御電圧V1をバリキャップダイオードD1に印加したときの共振回路のリアクタンス特性であり、A2は、制御電圧印加端子Vc1から最高制御電圧V2をバリキャップダイオードD1に印加したときの共振回路のリアクタンス特性であって、図4に示す従来の電圧制御発振器Yの共振回路のリアクタンス特性と同一である。B3は、制御電圧印加端子Vc1から最低制御電圧V1をトランスTSの一次側に印加したときの能動回路のリアクタンス特性であり、B4は、制御電圧印加端子Vc1から最高制御電圧V2をトランスTSの一次側に印加したときの能動回路のリアクタンス特性である。
本実施形態では、能動回路のリアクタンス特性を周波数軸上でシフト可能であるため、能動回路のリアクタンス特性が固定の場合と比べて、誘導性を示す共振回路のリアクタンス(P5又はP7)と容量性を示す能動回路のリアクタンス(P6又はP8)との間でマッチングがとれる周波数帯域が広くなっている(P5,P6はリアクタンス値の絶対値がほぼ等しい点を示す。P7,P8についても同様)。そのため、電圧制御発振器Xの発振可能範囲は、最低制御電圧V1を印加したときの周波数F3から最高制御電圧V2を印加したときの周波数F4までとなり、従来技術に比べて広帯域化ができる。
また、高周波側への広帯域化を実現するにあたり、能動回路のリアクタンス特性を高周波側へシフトさせることで、高周波側でマッチングがとれる周波数帯域が広がるので、共振回路のリアクタンス特性を無理に高周波側へシフトさせる必要がなく、残留位相雑音特性を劣化させずに済む。そのため、共振回路のリアクタンス特性の可変幅が狭くても、能動回路のリアクタンス特性をシフトさせることにより、広帯域化を実現しながらも安定した発振を維持できる。
なお、本実施形態では、能動回路のリアクタンス特性を変化させるために、インダクタンス値が可変なコイルL3とキャパシタンス値が固定なコンデンサC5を接続し、コイルL3とコンデンサC5による共振周波数を変化させることによって実現させることを説明したが、バリキャップダイオード等によりコンデンサC5のキャパシタンス値を変えられる構成としてもよい。コイルL3のインダクタンス値とコンデンサC5のキャパシタンス値とをそれぞれ可変にすることで、より柔軟に能動回路のリアクタンス特性を調整できる。なお、コイルL3とコンデンサC5による共振周波数の調整が不要である場合はコンデンサC5を接続しなくてもよい。トランスの一次側に印加された制御電圧によって、トランスの二次側であるコイルL3のインダクタンス値が変化することで、能動回路のリアクタンス特性は変化するからである。
また、本実施形態では、トランスTSの一次側のインピーダンスが制御電圧の入力に影響を及ぼさないようにするため、トランスTSの一次側と制御電圧印加端子Vc1間に演算増幅器OPを介在させたが、演算増幅器OPに代えて例えばMOSトランジスタを介在させてもよい。具体的には、MOSトランジスタのゲートを制御電圧印加端子Vc1に接続させ、MOSトランジスタのソースを電源電圧Vddに接続させ、抵抗を介してMOSトランジスタのドレインを接地させる。そして、トランスTSに接続されていない側の抵抗R3の一端をMOSトランジスタのドレインと抵抗間の接続線に接続させればよい。
上記を概要すると、本発明は、制御電圧に応じて所望の周波数で発振する能動回路を備えた電圧制御発振器であって、前記能動回路は、トランスの一次側コイルに印加される前記制御電圧によってインダクタンス値が変化する前記トランスの二次側コイルを発振維持用のチョークコイルとして用いることを特徴とする。
また、前記二次側コイルにはコンデンサが接続されてもよい。
また、前記一次側コイルと前記制御電圧を印加する端子との間に演算増幅器が接続されてもよい。
また、前記二次側コイルにはコンデンサが接続されてもよい。
また、前記一次側コイルと前記制御電圧を印加する端子との間に演算増幅器が接続されてもよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々様々に変更が可能であることは言うまでもない。
C1〜C8・・・コンデンサ
L1〜L5・・・コイル
D1・・・バリキャップダイオード
R1〜R3・・・抵抗
T・・・(電界効果型)トランジスタ
TS・・・トランス
OP・・・演算増幅器
X,Y・・・電圧制御発振器
L1〜L5・・・コイル
D1・・・バリキャップダイオード
R1〜R3・・・抵抗
T・・・(電界効果型)トランジスタ
TS・・・トランス
OP・・・演算増幅器
X,Y・・・電圧制御発振器
Claims (1)
- 制御電圧に応じて所望の周波数で発振する能動回路を備えた電圧制御発振器であって、
前記能動回路は、トランスの一次側コイルに印加される前記制御電圧によってインダクタンス値が変化する前記トランスの二次側コイルを発振維持用のチョークコイルとして用いることを特徴とする電圧制御発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009146194A JP2011004217A (ja) | 2009-06-19 | 2009-06-19 | 電圧制御発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009146194A JP2011004217A (ja) | 2009-06-19 | 2009-06-19 | 電圧制御発振器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011004217A true JP2011004217A (ja) | 2011-01-06 |
Family
ID=43561782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009146194A Pending JP2011004217A (ja) | 2009-06-19 | 2009-06-19 | 電圧制御発振器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2011004217A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108667428A (zh) * | 2018-08-14 | 2018-10-16 | 广东工业大学 | 一种宽带压控振荡器 |
-
2009
- 2009-06-19 JP JP2009146194A patent/JP2011004217A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108667428A (zh) * | 2018-08-14 | 2018-10-16 | 广东工业大学 | 一种宽带压控振荡器 |
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