JP2011004037A - 光通信網、スイッチ制御装置、スイッチ制御方法およびプログラム - Google Patents

光通信網、スイッチ制御装置、スイッチ制御方法およびプログラム Download PDF

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章博 筒井
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Abstract

【課題】構内網規模に必要十分な機能を有した光スイッチ制御を低コストで実現する。
【解決手段】光通信媒体(1−1〜1−3)と、光通信媒体(1−1〜1−3)を接続して光通信媒体(1−1〜1−3)上に光パスを設定する光スイッチ2−1〜2−2と、光通信媒体(1−1〜1−3)および光スイッチ2−1〜2−2を経由して通信を行う複数の端末装置3−1〜3−3とを有し、光スイッチを制御するスイッチ制御装置10が複数の端末装置3−1〜3−3の少なくとも一部に分散配置され、スイッチ制御装置10はそれぞれ、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、複数の端末装置3−1〜3−3と光スイッチ2−1〜2−2との接続状態および光スイッチ2−1〜2−2の設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信網、スイッチ制御装置、スイッチ制御方法およびプログラムに関する。
計算機端末装置間のネットワークでは、Ethernet(登録商標)技術の高速化が進んでおり、10Gbps以上の通信速度が実現されている。また、Fiber Channel等のストレージインタフェースなどもEthernetのメディア上に統合されつつある。
従来、計算機端末装置間ネットワークには、コストの優位性と取扱いの簡単さを理由に、メタル(金属製)ケーブルが主に使用されていた。しかしながら、10Gbpsおよび漸次市場に投入される40Gbps〜100Gbps以上の伝送速度を、数十メートル以上の距離で安定して実現するためには、光ファイバによる伝送が必須となることが予想される。また、40Gbps以上の超広帯域Ethernetの領域では、1本のファイバを複数の波長の光信号で多重化するWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術が適用されることになっている。
また、昨今のウェブサービスを中心とするアプリケーションサービスプロバイダの増加により、データセンタの数および規模も拡大し、広帯域のネットワークで多数のサーバー計算機を接続する需要が高まっている。データセンタ内ではネットワーク配線の単純化を図るため、周辺機器を含む様々な機器間の通信を広帯域の伝送メディアに統合する方向に進んでいる。これらについても、光ファイバが主たる伝送メディアとなる。
このように、LAN(Local Area Network)の領域においても、光ファイバによる接続が増加しつつある。また、1伝送メディアの容量を超えるデータ伝送を実現するために、複数の伝送メディアを束ねて扱うマルチリンク(もしくは、マルチレール)と呼ばれる方式も提案され、実用化されている。このような環境では、光ファイバ等の伝送メディアを端末装置、サーバー装置およびスイッチ、ルータなどの通信装置間を自由に接続する需要がある。
大容量メディアを柔軟に接続する方法として、従来からスイッチ装置の導入が行われてきた。スイッチ装置は、複数のメディアを収容し、それらの接続関係を切り替えるものである。光ファイバをスイッチングする方式としては、ファイバ内の光信号を、定められたフォーマットに従って電気信号に変換した後にスイッチング動作を行う電気方式と、光信号を電気変換せずにそのまま方路をスイッチングする方式とがある。後者としては、PLC(Planar Lightwave Circuit)やMEMS(Micro Electro Mechanical System)の機構を利用するものが主に用いられている。今後の構内光通信の進展および、多様なフォーマットの信号に対応可能という点で、後者の方式の利用が有利である。
Akihiro Tsutsui, Kazuaki Obana, and Makoto Takizawa, "Performance Analysis of High-speed Multi-Rail Data Transmission on SPM based Architecture",Proceedings of APCC2008
PLCやMEMS等の機構を利用した光クロスコネクト相当のスイッチ装置は、既に市販されている。しかし、その制御ソフトウェアは、別途用意しなければならない。本来、このようなスイッチ装置は、通信キャリアが有する基幹網への投入が想定されている。このため、複数のスイッチ装置を連携させて光信号のパスを形成するようなケースでは、大規模なネットワーク運用制御のシステムを経由することが前提となっている。
スイッチ設定に使用されるプロトコルについても、スイッチ間は、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)/GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)等のシグナリング等を用い、網全体の管理については、集中制御型のオペレーションセンタ(実際は網内のパスを管理するサーバー装置)が担当する形式が一般的である。
しかしながら、データセンタ内・間および構内網の領域で光クロスコネクトスイッチを運用し、網全体の制御を行う場合に、このような集中管理型の網制御とMPLS/GMPLSを利用するのは過大仕様であり、コスト面での負担が大きい。これは、通信キャリア等が保有する基幹網での通信は品質的に高いものが要求され、パスの二重化や切断時の回復、リンク異常時の警報監視と対応など、品質保持のための様々な機能を盛り込む必要があるためであり、管理対象となる網も大規模かつ複雑となることが理由である。
一方、データセンタ内・間および構内網を想定した場合、網自体も小規模であり、信頼性確保のためにリンクやインタフェースの資源を多量に消費することも、コスト的に厳しい。また、網の運営ポリシー(利用者主体のポリシー)が一者である場合が多く、網異常時の対処も一人称で処理できるケースがほとんどである。このような状況下では、通信キャリア等の基幹網で主に利用されている光クロスコネクト装置(スイッチ装置)の制御の方式をそのまま適用するよりも、より状況に適した、低コストで実現できるスイッチ制御の方式が要求される。
また、今後、多様な通信に光ファイバが複数リンクで利用されることを想定すると、端末装置側のアプリケーションによる要求で光ファイバの接続状態を制御する方法が必要とされる。従来、スイッチ装置を導入せず、パッチパネル等を用いて手作業で行われてきた光ファイバの繋ぎ換え操作の頻度の増加と形態の多様化に対応するため、構内網においても光スイッチを導入し、それを端末装置側から簡単に、また、低コストで制御する方法が必要となる。
本発明は、これらの課題を解決し、構内網規模に必要十分な機能を有した光スイッチ制御を低コストで実現することのできる光通信網、スイッチ制御装置、スイッチ制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点によると、光通信媒体と、光通信媒体を接続して光通信媒体上に光パスを設定する光スイッチと、光通信媒体および光スイッチを経由して通信を行う複数の端末装置とを有し、光スイッチを制御するスイッチ制御装置が複数の端末装置の少なくとも一部に分散配置され、スイッチ制御装置はそれぞれ、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、複数の端末装置と光スイッチとの接続状態および光スイッチの設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有することを特徴とする光通信網が提供される。
本発明の第2の観点によると、光通信媒体を接続して光通信媒体上に光パスを設定する光スイッチを制御するスイッチ制御装置であり、光通信媒体および光スイッチを経由して通信を行う端末装置に設けられ、他の端末装置に設けられたスイッチ制御装置との間で、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有するとともに、複数の端末装置と光スイッチとの接続状態および光スイッチの設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有することを特徴とするスイッチ制御装置が提供される。
本発明の第3の観点によると、光通信媒体を接続して光通信媒体上に光パスを設定する光スイッチを制御するスイッチ制御方法において、光通信媒体および光スイッチを経由して通信を行う複数の端末装置にスイッチ制御装置を分散配置し、この分散配置されたスイッチ制御装置がそれぞれ、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、複数の端末装置と光スイッチとの接続状態および光スイッチの設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有することを特徴とするスイッチ制御方法が提供される。
本発明の第4の観点によると、光通信媒体および光スイッチを経由して通信を行う端末装置にインストールされ、端末装置に、スイッチ設定要求の情報を他の端末装置との間で互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、複数の端末装置と光スイッチとの接続状態および光スイッチの設定状態を管理するデータベースを他の端末装置との間で互いに同期させて保有する手順を実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
本発明では、光スイッチの制御を分散制御により行う。これにより、集中制御型のサーバー装置を用いることなく、構内網規模に必要十分な機能を有した光スイッチ制御を低コストで実現することができる。
本発明の実施の形態に係る光通信網の構成例を示すブロック図である。 図1に示す光通信網内のスイッチ制御装置の構成例を示すブロック図である。 図2に示すスイッチ制御装置の基本動作な動作を示すフローチャートである。 端末用APIメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートである。 シグナリングメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートである。 端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートである。 端末用APIメッセージ処理におけるパス解除の処理を示すフローチャートである。 端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス解除の処理を示すフローチャートである。 スイッチ制御端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートである。 スイッチ制御端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス解除の処理を示すフローチャートである。 スイッチ制御端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス初期化の処理を示すフローチャートである。 端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス初期化の処理を示すフローチャートである。 図2に示すスイッチ制御装置内のパスデータベース部に保有されるデータベースの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
[網構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る光通信網の構成例を示すブロック図である。この光通信網は、光通信媒体としての光ファイバ1−1〜1−3と、光スイッチ2−1、2−2と、端末装置3−1〜3−3とにより構成され、光スイッチ2−1を直接制御するスイッチ制御端末装置4を備える。端末装置3−1〜3−3、スイッチ制御端末装置4および光スイッチ2−1、2−2は、IP(Internet Protocol)ネットワーク5により互いに接続され、TCP(Transmission Control Protocol)/IPプロトコルで通信可能である。IPネットワーク5には、IPルータ6が介在していてもよい。
光スイッチ2−1、2−2は、光ファイバ1−1〜1−3を接続して、光ファイバ1−1〜1−3上に光パスを設定する。すなわち、光スイッチ2−1、2−2の接続状態を制御することで、端末装置3−1〜3−3間に光のパスが設定される。端末装置3−1〜3−3は、光ファイバ1−1〜1−3および光スイッチ2−1、2−2を経由して、互いに通信を行う。スイッチ制御端末装置4は、光スイッチ2−1の設定を行うために、専用に設置された端末装置である。
端末装置3−1〜3−3およびスイッチ制御端末装置4にはそれぞれ、光スイッチ2−1、2−2を制御するスイッチ制御装置10が分散配置される。このスイッチ制御装置10はそれぞれ、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有する。スイッチ制御装置10はまた、複数の端末装置3−1〜3−3と光スイッチ2−1、2−2との接続状態および光スイッチ2−1、2−2の設定状態を管理するデータベースを、互いに同期させて保有する。スイッチ設定要求の情報の通知およびデータベースの同期は、端末装置3−1〜3−3を相互に直接接続するP2Pオーバレイネットワークを経由して、または、IPマルチキャストによる端末装置3−1〜3−3への同報通信により行う。
端末装置3−1のように、スイッチ制御装置10を複数設けることもできる。この場合、一方のスイッチ制御装置10をスイッチ制御端末装置4との制御用に、他方を光スイッチ2−2の制御用に用いることもできる。
[スイッチ制御装置の構成]
図2は、図1に示す光通信網内のスイッチ制御装置10の構成例を示すブロック図である。このスイッチ制御装置10は、基本管理部11、シグナリング通信部12、API(Application Program Interface)部13、スイッチ制御部14を備える。基本管理部11内には、管理対象となる網全体のパス情報を保有するパスデータベース部15が設けられる。
基本管理部11は、パスデータベース部15を参照し、パスの経路計算、設定対象スイッチおよび設定の決定を行う。シグナリング通信部12は、他の端末装置(同一端末装置上でも可)で動作する同じスイッチ制御装置10と交信を行う。API部13は、このスイッチ制御装置10が設けられている端末装置の通信アプリケーションによって実現される通信装置3から、パスの設定・解除・初期化等の要求を受け付ける。スイッチ制御部14は、TL1(Transaction Languages 1)などの光スイッチ制御コマンドを用い、TCP/IPのソケット等を利用して、光スイッチ2を直接制御する。
通常、通信アプリケーションが実行される端末装置(図1の端末装置3−1〜3−3)で動作するスイッチ制御装置10は、API部13の動作を有効にして、通信装置3からの要求を受け付ける。また、光スイッチ2を直接制御する端末装置(図1のスイッチ制御端末装置4)、すなわち、光スイッチ2と通信が可能で、光スイッチ2をコマンド等により設定することのできる端末装置(これは、通信アプリケーションが実行される端末装置上でも可)で動作するスイッチ制御装置10は、スイッチ制御部14の動作を有効にして、光スイッチ2の設定等を行う。スイッチ制御装置10は、図1に示す端末装置3−1〜3−3およびスイッチ制御端末装置4ですべて共通のものが用いられ、制御対象網内の端末装置上で分散的に動作する。
[スイッチ制御装置の動作]
図3は、図2に示すスイッチ制御装置10の基本的な動作を示すフローチャートである。以下では、動作を一般化して説明するため、図1に示す網構成とは独立に説明する。また、混乱を避けるため、説明の対象となるスイッチ制御装置には符号「10」を付与し、他のスイッチ制御装置は符号を付与せずに説明する。
スイッチ制御装置10は、まず、設定ファイルを読み込み、その記述に従って、内部のデータベースを構築する(ステップS1)。設定ファイルには、網内のトポロジー、具体的には、光スイッチの物理ポートにどの端末装置のどのポートが接続されているかの関係を全て列記したものと、スイッチの初期設定状態(どのポートとどのポートを予め接続しておくか)、同装置が端末装置用に動作するか、スイッチ制御端末装置用に動作するか、起動時に初期化を行うかどうか、および端末装置および制御対象スイッチの識別子(ID、このIDは網内で唯一である必要があり、例えばMACアドレスが利用される)が記述されている。
スイッチ制御装置10は、設定ファイルにより端末装置設定で起動された場合(ステップS2でYES)には、同じ設定ファイルによって、初期化を実行するかどうかを判断する(ステップS3)。初期化が必要な場合(ステップS3でYES)には、スイッチ制御装置10は、自IDを所有者とするパス(スイッチ設定)の初期化メッセージを送出する(ステップS4)。その後、スイッチ制御装置10は、シグナリングメッセージと、API部13を経由した通信装置3からのパス設定、解除等の要求待ち状態に入る(ステップS5)。
スイッチ制御装置10はまた、設定ファイルによりスイッチ制御端末装置設定で起動された場合(ステップS2でNO)には、光スイッチを制御するためのポートを接続(ステップS6)した後、シグナリングメッセージの待ち受け状態に入る(ステップS7)。各待ち受け状態から、シグナリングメッセージ受信もしくは、API部13を介した通信装置3からの要求を受け付けた後の動作については、図4〜図12のフローチャートを参照して説明する。
図4は、図3に示すステップS5の処理のうち、端末用APIメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10が端末装置設定で起動し、通信装置3からのパス設定要求のメッセージを受信した場合の動作を示す。
スイッチ制御装置10は、端末装置設定で起動し、通信装置3からのパス設定要求のメッセージを受信すると(ステップS11)、ダイクストラ法等を用いてパスの計算(経路の決定)を行う(ステップS12)。続いて、スイッチ制御装置10は、データベースに記録されているトポロジーに従って、パス設定の要求をシグナリングのメッセージとして、P2PもしくはIPマルチキャストで対象端末装置に同報する(ステップS13)。スイッチ制御装置10は、この後、パス設定要求応答待ち状態に入る(ステップS14)。
タイムアウトを設け、この間、設定が必要な全ての端末装置およびスイッチ設定端末装置のスイッチ制御装置からパス設定応答メッセージを受け取った時点で、スイッチ制御装置10は、パス設定成功とし(ステップS15でYES)、パス設定確定メッセージをP2PもしくはIPマルチキャストで同報する(ステップS16)。スイッチ制御装置10は、さらに、設定したパス情報をデータベースに登録し(ステップS17)、API経由でパス設定成功を通信装置3に通知する(ステップS18)。この後、スイッチ制御装置10は、再び通信装置3からの要求を待つ要求待ち状態(ステップS5)となる。
ステップS14でパス設定要求の応答がタイムアウトした場合、あるいはパス設定要求応答でNGを受け取った場合は、パス設定失敗となる(ステップS16でNO)。この場合、スイッチ制御装置10は、API経由でパス設定失敗を通信装置3に通知し(ステップS19)、再び通信装置3からの要求を待つ要求待ち状態(ステップS5)となる。
図5は、図3に示すステップS5、S7の処理のうち、シグナリングメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10が、シグナリングメッセージとしてパス設定の要求を受け取った場合の動作を示す。この処理は、スイッチ制御装置10が端末装置設定で起動された場合と、スイッチ制御端末装置設定で起動された場合とで、同一である。
スイッチ制御装置10は、シグナリングメッセージとしてパス設定の要求を受け取ると(ステップS21)、まず、パス設定が可能かどうかを判断する(ステップS22)。可能な場合(ステップS22でYES)、スイッチ制御装置10は、パス設定待ち状態を記録する(ステップS23)。この記録は、指定時間でタイムアウトする。この後、スイッチ制御装置10は、パス設定応答OKメッセージを、要求元のスイッチ制御装置に送出する(ステップS24)。パス設定が不可能な場合は(ステップS22でNO)、パス設定応答NGメッセージを要求元に送出する(S25)。
図6は、図3に示すステップS5の処理のうち、端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10が端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス設定確定メッセージを受け取った場合の動作を示す。
スイッチ制御装置10は、端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス設定確定のメッセージを受け取った場合(ステップS31)は、パス情報をデータベースに登録し(ステップS32)、パス設定待ち状態を解除する(ステップS33)。
図7は、図3に示すステップS5の処理のうち、端末用APIメッセージ処理におけるパス解除の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10が端末装置設定で起動し、通信装置3からのパス解除要求のメッセージを受信した場合の動作を示す。
スイッチ制御装置10は、端末装置設定で起動し、API経由で通信装置3からのパス解除要求を受信すると(ステップS41)、データベースを参照し、当該パスのオーナー情報(オーナーIDのリスト)を取得する(ステップS42)。自からが当該パスのオーナーでない場合(ステップS43でNO)、スイッチ制御装置10は、何も実行せずAPIからのメッセージ待ち状態(ステップS5)になる。
自らが当該パスのオーナーである場合(ステップS43でYES)のみ、スイッチ制御装置10は、パス解除要求メッセージを、P2PもしくはIPマルチキャストで、他のスイッチ制御装置に同報する(ステップS44)。このとき、パス解除要求のメッセージには、自IDを記述する。この後、スイッチ制御装置10は、タイムアウトを設定し、パス解除要求応答の待ち状態となる(ステップS45)。
パスに関連する全ての端末装置のスイッチ制御装置および光スイッチ(スイッチ制御端末装置のスイッチ制御装置)からパス解除応答OKを受け取った場合、スイッチ制御装置10は、パス解除成功とし(ステップS46でYES)、パス情報をデータベースから削除する(ステップS47)。そして、スイッチ制御装置10は、API経由で、パス解除成功を通信装置3に通知する(ステップS48)。パスに関連するいずれかのスイッチ制御装置からパス解除応答NGがあった場合、もしくはパス解除要求待ちがタイムアウトした場合(ステップS46でNO)、スイッチ制御装置10は、API経由でパス解除失敗を通信装置3に通知する(ステップS49)。
図8は、図3に示すステップS5の処理のうち、端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス解除の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10が端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス設定解除の要求を受け取った場合の動作を示す。
スイッチ制御装置10は、端末装置設定で起動し、パス解除要求のシグナリングメッセージを受け取ると(ステップS51)、データベースを参照し、当該パスのオーナーからの要求であるかをメッセージ発信元のIDから判断する(ステップS52)。パスオーナーからの要求であり(ステップS52でYES)、かつパス解除可能の場合(ステップS54でYES)、スイッチ制御装置10は、パス解除応答OKメッセージを要求元に対して送出し(ステップS54)、パス情報をデータベースから削除する(ステップS55)。パス解除が不可能な場合(ステップS53でNO)、スイッチ制御装置10は、パス解除応答(NG)を要求元に送出する。
図9は、図3に示すステップS7の処理のうち、スイッチ制御端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス設定の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10がスイッチ制御端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス設定確定メッセージのシグナリングメッセージを受信した場合の動作を示す。
スイッチ制御端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス設定の要求を受け取った場合のスイッチ制御装置10の動作は、図5を参照して説明したように、端末装置設定の場合と同じである。シグナリングメッセージとしてパス設定確定メッセージを受信した場合のスイッチ制御装置10の動作も、基本的には、図6に示す端末装置設定の場合と同等である。異なる点は、パス設定確定メッセージを受信(ステップS31)した後に、制御対象となる光スイッチを設定し、当該パスのポート間を接続するための設定を行う作業(ステップS34)が追加される点である。ステップS34の後、図6に示すと同様に、ステップS32、S33が実行される。
図10は、図3に示すステップS7の処理のうち、スイッチ制御端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス解除の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10がスイッチ制御端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス解除要求のメッセージを受信した場合の動作を示す。
スイッチ制御端末装置設定で起動し、シグナリングメッセージとしてパス解除の要求を受け取った場合のスイッチ制御装置10の動作は、基本的には、図7に示す端末装置設定の場合と同等である。異なる点は、ステップS53でYESのときの処理として、制御対象となる光スイッチを設定し、当該パスのポート間接続を解除する設定作業(ステップS57)が追加される点である。
図11は、図3に示すステップS7の処理のうち、スイッチ制御端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス初期化の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10がスイッチ制御端末装置設定で起動し、初期化のシグナリングメッセージを受信した場合の動作を示す。
スイッチ制御装置10は、スイッチ制御端末装置設定で起動し、初期化のシグナリングメッセージを受信すると(ステップS61)、データベースを参照し、パスオーナーが属するパスを抽出する(ステップS62)。この場合、パスオーナーが属するパスとは、パスオーナーのIDを持つ端末装置が接続されているパスを示す。続いてスイッチ制御装置10は、対象光スイッチの当該パスに相当する入出力間の接続を全て解除し(ステップS63)、抽出されたパス情報すべてをデータベースから削除する(ステップS64)。これにより、当該パスが存在していない初期状態となる。
図12は、図3に示すステップS5の処理のうち、端末用シグナリングメッセージ処理におけるパス初期化の処理を示すフローチャートであり、スイッチ制御装置10が端末装置設定で起動し、初期化のシグナリングメッセージを受信した場合の動作を示す。この場合のスイッチ制御装置10の動作は、光スイッチを設定するステップS63の動作が省略されることを除いて、図11に示す動作と同じである。
図13は、図2に示すスイッチ制御装置10内のパスデータベース部15に保有されるデータベースの一例を示す。このデータベースは、網内の光スイッチ2−1、2−2ごとに設けられ、その光スイッチに設定されているパスの識別子(パスID)と、使用される入力ポートおよび出力ポートとが記録され、さらに、そのパスを使用する端末装置のIDが、オーナーのリストとして列記される。
以上説明したスイッチ制御装置10は、端末装置3−1〜3−3あるいはスイッチ制御端末装置4に装着されるハードウェアとして構成することもできるが、端末装置3−1〜3−3あるいはスイッチ制御端末装置4にインストールされるプログラムとして実施することもできる。
[実施の形態により得られる効果]
以上説明した本発明の実施の形態によれば、
(1)構内網(LAN)規模に必要十分な機能を有した光スイッチ制御の方式を、低コストで実現でき、
(2)端末装置側のアプリケーションによる要求に応じて、複数の光スイッチを経由する光パスを設定・解除可能とすることができ、
(3)複数の光パス(光ファイバ群、もしくは、波長群)をまとめて扱うことができるので、今後のマルチパスを用いた広帯域データ伝送に対応することができる
という効果がある。
すなわち、
(1)網内の光パスの管理を集中制御型から分散制御型とし、スイッチ制御装置による制御(以下、単に「スイッチ制御」という)を網内に接続された任意の端末装置上で実行可能とすることにより、集中管理のためのサーバー装置の必要性が排除される。また、通信プロトコルを光パスの設定・解除・初期化と単純化することにより、スイッチ制御を単純化、かつ均一化(端末装置上での動作が均一)し、スイッチ制御の実装および実行運用のコストを抑えることができる。さらに、昨今のパーソナルコンピュータ等の端末装置および光スイッチに標準搭載される10/100/1000BaseT仕様のEthernet上のTCP/IP網をシグナリング用の通信リンクとして、光ファイバによる網と併用することで、端末装置間のシグナリングのためのプロトコルスタック実装コストが抑えられる。
(2)スイッチ制御は、実際の通信アプリケーションが実行される任意の端末装置で実行される。通信アプリケーションによる要求を受信可能なAPI(Application Program Interface)を有することで、通信アプリケーションによる要求に合わせて、光ファイバの接続を設定し、所望の光パスを設定することが可能である。
(3)複数の光ファイバ(インタフェース)をグループ化してスイッチ制御することで、複数の光パスをバンドリング(束にして扱う)し、マルチパスによる複数光パスの一括設定、切断等に対応することができる。
また、分散処理では、パス設定情報の一貫性保障が難しく、任意の端末装置間、もしくは、端末装置、スイッチ装置間において、光のパスを設定・解除する場合、他端末装置間が利用しているパスの一部を解除してしまうことも想定される。この問題に対して、上述した実施の形態では、パス(複数の光パスのグループを含む)のオーナー(所有者)という考え方を導入し、各端末装置で実行されているスイッチ制御によって光パス(もしくは、パスグループ)両端の端末装置のIDを用いたオーナーIDを管理することで、当該オーナー以外からのパス切断要求を異常事態以外は拒否することで、この問題を解決している。
また、分散的に実行されるスイッチ制御によって、現在の網内のパス状態、すなわち、網内スイッチの設定状態が管理されるが、スイッチ制御が分散環境で実行されているため、網内状態のデータベースの一貫性確保が問題となる。上述した実施の形態では、端末装置間のシグナリングに、P2Pネットワークもしくは、IPマルチキャストを使用し、端末装置上の通信アプリケーションによる要求に基づき、所定の端末装置間に光のパスを設定する場合の網内パス状態の変更を、上述の実施の形態のスイッチ制御に関係する端末装置およびスイッチ制御端末装置に同報することで、データベースの一貫性確保を行うことができる。
また、何らかの問題で端末装置が不具合を起こした状態になった場合は、端末装置上のスイッチ制御を再起動することで、同端末装置がオーナーとなっているパスに関する光スイッチおよび対向端末装置上の情報は初期化されることで、関連するパスも解除されることになる。この動作は、同パスを利用している端末装置の不具合が原因となるケースであるため、構内網では、現実的な問題解決法である。また、端末装置は、再起動されたスイッチ制御によって、スイッチ制御が実行されている他端末装置から、現在のパス設定の情報を取得することで、最新の網内状況を知ることができる。また、光スイッチそのもの、光スイッチを制御しているスイッチ制御端末装置、あるいはそのプログラムに問題が発生した場合は、網内全体を初期化することで対応する。比較的規模が小さい網では、網内全体を初期化後、通信アプリケーションによってパスの状態を再構築する手段の方が効率が良いためである。上述した実施の形態は、この初期化の機能を有する。
上述した実施の形態では、スイッチ制御を均一化し、スイッチ制御装置を、網内に分散配置可能、かつ動作端末装置を自由に選択できるようにしている。このため、専用の集中制御型のサーバー装置が不要である。さらに、光スイッチを直接制御する端末装置(スイッチ制御端末装置)についても、専用のものを必要としない。光パスの設定・解除・初期化といった基本機能の実現と、構内網規模を想定した、P2Pネットワークもしくはマルチキャストによる情報交換を基本とするシグナリングによって、簡単かつ均一なスイッチ制御で状態の一貫性を保ちつつ、網内パスの状態管理を行うことができる。これにより、管理ソフトウェア実装・運用面でのコストを抑制する効果が得られる。
1−1〜1−3 光ファイバ
2、2−1、2−2 光スイッチ
3−1〜3−3 端末装置
3 通信装置
4 スイッチ制御端末装置
5 IPネットワーク
6 IPルータ
10 スイッチ制御装置
11 基本管理部
12 シグナリング通信部
13 API部
14 スイッチ制御部
15 パスデータベース部

Claims (8)

  1. 光通信媒体と、上記光通信媒体を接続して上記光通信媒体上に光パスを設定する光スイッチと、上記光通信媒体および上記光スイッチを経由して通信を行う複数の端末装置とを有し、
    上記光スイッチを制御するスイッチ制御装置が上記複数の端末装置の少なくとも一部に分散配置され、
    上記スイッチ制御装置はそれぞれ、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、上記複数の端末装置と上記光スイッチとの接続状態および上記光スイッチの設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有する
    ことを特徴とする光通信網。
  2. 請求項1記載の光通信網において、前記スイッチ制御装置は、スイッチ設定要求の情報の通知および前記データベースの同期の少なくとも一方を、上記複数の端末装置を相互に直接接続するネットワークを経由して行うことを特徴とする光通信網。
  3. 請求項1記載の光通信網において、前記スイッチ制御装置は、スイッチ設定要求の情報の通知および前記データベースの同期の少なくとも一方を、上記複数の端末装置への同報通信により行うことを特徴とする光通信網。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の光通信網において、前記スイッチ制御装置は、前記データベース上で、各パスに対し、そのパスを利用している端末装置の識別子による所有者情報を記録し、前記データベース上の所有者情報を参照することで、所有者以外からのパス切断の要求を拒否することを特徴とする光通信網。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の光通信網において、前記スイッチ制御装置は、前記データベース上で、各パスに対し、そのパスを利用している端末装置の識別子による所有者情報を記録し、所有者からのパス初期化要求に応じて、前記データベース上の所有者情報を参照して所有パスの初期化を実行することを特徴とする光通信網。
  6. 光通信媒体を接続して上記光通信媒体上に光パスを設定する光スイッチを制御するスイッチ制御装置であり、
    上記光通信媒体および上記光スイッチを経由して通信を行う端末装置に設けられ、
    他の端末装置に設けられたスイッチ制御装置との間で、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有するとともに、上記複数の端末装置と上記光スイッチとの接続状態および上記光スイッチの設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有する
    ことを特徴とするスイッチ制御装置。
  7. 光通信媒体を接続して上記光通信媒体上に光パスを設定する光スイッチを制御するスイッチ制御方法において、
    上記光通信媒体および上記光スイッチを経由して通信を行う複数の端末装置にスイッチ制御装置を分散配置し、
    この分散配置されたスイッチ制御装置がそれぞれ、スイッチ設定要求の情報を互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、上記複数の端末装置と上記光スイッチとの接続状態および上記光スイッチの設定状態を管理するデータベースを互いに同期させて保有する
    ことを特徴とするスイッチ制御方法。
  8. 光通信媒体および光スイッチを経由して通信を行う端末装置にインストールされ、
    上記端末装置に、スイッチ設定要求の情報を他の端末装置との間で互いに通知することでスイッチ設定状態を共有し、上記複数の端末装置と上記光スイッチとの接続状態および上記光スイッチの設定状態を管理するデータベースを上記他の端末装置との間で互いに同期させて保有する手順を実行させる
    ことを特徴とするプログラム。
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