JP2011002750A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙の特性の変化に応じて高画質の画像を形成することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成の要求を受け付けると(S21)、画像形成の要求の前に給紙カセット28が抜き差しされたか否かを判断する(S22)。給紙カセット28の抜き差しがあったと判断した場合には(S22において、YES)、画像形成の要求された用紙Pのサイズと同じであるか否かを判断し(S23)、新たに追加された用紙に対して、1枚目の画像形成については、ループセンサ51により用紙Pの撓み量を測定し(S26)、測定した用紙Pの撓み量を基に補正値を算出する(S27)。そして、熱ローラ41の周速に対する補正値を適用して、熱ローラ41の周速を変更する(S28)。
【選択図】図7

Description

この発明は、画像形成装置に関するものであり、特に、形成した画像を用紙に出力する画像形成装置に関するものである。
従来における画像形成装置については、感光体上に形成されたトナーによる可視画像を転写ローラによって用紙に転写し、定着ローラ(熱ローラ)を含む定着装置へ用紙を搬送した後、定着ローラによって用紙にトナー像を定着させて排出することとしている。このような画像形成装置においてカラー画像を形成した場合、定着ローラによる用紙の引っ張り等に基づく色ずれが発生するおそれがある。したがって、転写ローラと定着ローラとの間において、敢えて意図的にループ、すなわち、撓みを発生させて、この撓み量を制御することにより、定着ローラによる用紙の引っ張り等に起因する色ずれを低減することとしていた。このような画像形成装置が、特開2008−158076号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1によると、カラー画像形成装置は、転写ローラと定着ローラとの間に、用紙の撓み量を検知するループセンサを備える。そして、カラー画像形成装置において、各色間に発生する相対的な色ずれ発生量を低減するために、ループセンサにより測定した撓み量に基づく制御を行なっている。具体的には、ループセンサを用いてループ量を測定し、測定したループ量が定着装置と転写部とで用紙の引っ張りや押し込みを発生させない適正なループ量となるように、用紙の搬送速度を補正して制御することとしている。
特開2008−158076号公報
特許文献1によると、一定時間毎にループセンサの値を読み出す。そして、読み出したループ量が適正なループ量であるか否かを判断し、適正なループ量でなければ、転写ローラや定着ローラの周速を補正し、用紙の搬送速度を調整して、適正なループ量とすることとしている。用紙の撓み量は、用紙の状態等によって変化するため、一定時間毎に補正を行なうものである。
しかし、一定時間毎のループセンサの値の取得に基づく用紙の搬送速度の調整では、必ずしも色ずれの発生を防止することができない。具体的には、例えば、ループセンサの値を取得する間の一定時間内に、用紙の特性が変化した場合、例えば、吸湿の程度の異なる用紙や坪量の異なる用紙に変更された場合、用紙のループ量が異なってしまうことになる。このような状況下においても、用紙の特性の変化前の搬送速度で用紙を搬送していた場合、用紙の撓み量が適正でなくなり、定着ローラによる用紙の引っ張り等に基づく色ずれが発生するおそれがある。したがって、高画質の画像を形成することができない。
この発明の目的は、用紙の特性の変化に応じて高画質の画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することである。
この発明に係る画像形成装置は、画像を形成して用紙に出力する画像形成装置であって、現像剤により形成した可視画像を用紙に転写する転写部と、転写部により転写された現像剤による可視画像を、熱によって用紙に定着させる定着装置と、転写部から定着装置まで用紙を搬送する用紙搬送手段と、転写部と定着装置との間に設けられ、用紙の撓み量を測定する撓み量測定手段と、撓み量測定手段により測定した撓み量に基づいて、用紙搬送手段による用紙の搬送速度を補正する補正手段と、画像形成装置の所定の箇所にセットされ、用紙を収容する給紙カセットと、給紙カセットにおける給紙状態の変化を検知する検知手段と、検知手段により給紙カセットにおける給紙状態の変化を検知すれば、補正手段を作動させるよう制御する制御手段とを備える。
好ましくは、検知手段は、給紙カセットの抜き差しを、給紙カセットにおける給紙状態の変化として検知する。
さらに好ましくは、検知手段が作動する前に、給紙カセットに収容された用紙の枚数を検出する用紙残量検出手段と、用紙残量検出手段により検出された用紙の枚数を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された用紙の枚数と給紙カセットにセットされた用紙の枚数との差を算出する算出手段とを備える。ここで、制御手段は、算出手段により算出された用紙の枚数分、補正手段により補正された速度で用紙を搬送するよう用紙搬送手段を制御する。
また、給紙カセットは、それぞれ画像形成装置の所定の箇所にセットされ、用紙を収容する第一の給紙カセットおよび第二の給紙カセットを含み、検知手段は、第一の給紙カセットから第二の給紙カセットへの切り替えを、給紙カセットにおける給紙状態の変化として検知するよう構成してもよい。
好ましくは、第一および第二の給紙カセット毎に、補正手段による速度の補正値を記憶する記憶手段を備える。
さらに好ましくは、第一の給紙カセットに収容された用紙の枚数を検知する用紙枚数検知手段と、用紙枚数検知手段により第一の給紙カセットに収容された用紙がなくなったことを検知すれば、給紙カセットを第一の給紙カセットから第二の給紙カセットに切り替える給紙カセット切り替え手段とを備える。
さらに好ましい一実施形態として、撓み量測定手段は、撓ませた用紙に光を照射し、その反射光により用紙の撓み量を検出するループセンサを含む。
さらに好ましい一実施形態として、用紙搬送手段は、回転により用紙を搬送するローラを含み、補正手段は、ローラの周速を補正する。
このような構成によると、給紙カセットにおける給紙状態の変化を検知すれば、これを契機として用紙の撓み量を測定する。そして、測定した用紙の撓み量を基に、用紙の搬送速度の補正値を算出し、用紙の搬送速度を変更する。そうすると、給紙カセットにおける給紙状態の変化に基づく用紙の特性等の変化に応じて、用紙の撓み量を適正にすることができる。したがって、用紙の特性の変化に応じて高画質の画像を形成することができる。
この発明の一実施形態に係るデジタル複合機の全体構成を示すブロック図である。 この発明の一実施形態に係るデジタル複合機の概略図である。 この発明の一実施形態に係るデジタル複合機に含まれる画像形成部を示す概略断面図である。 図3に示す画像形成部の概略断面図において、用紙の撓みがほとんどない状態を示す図である。 図3に示す画像形成部の概略断面図において、用紙の撓みが大きい状態を示す図である。 画像を形成する場合の制御部の動作を示すフローチャートである。 給紙カセットの抜き差しを検知した場合の制御部の動作を示すフローチャートである。 給紙カセットの切り替えを検知した場合の制御部の動作を示すフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機10に適用した場合のデジタル複合機10の構成を示すブロック図である。図2は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機10に適用した場合のデジタル複合機10の全体構成を示す概略図である。
図1および図2を参照して、デジタル複合機10は、CPUを有し、デジタル複合機10全体を制御する制御部11と、画像データ等の書込みや読出しを行うためのDRAM12と、デジタル複合機10の有する情報を表示する表示画面を含み、デジタル複合機10におけるユーザとのインターフェースとなる操作部13と、原稿を自動的に所定の原稿読取り位置へ搬送する原稿送り装置14と、原稿送り装置14によって搬送されてきた原稿の画像を所定の読取り位置で読取る画像読取り部15と、画像読取り部15で読取られた原稿等からその画像を形成する画像形成部16と、画像データ等を格納するハードディスク17と、公衆回線20に接続されるFAX通信部18と、ネットワーク21と接続するためのネットワークIF(インターフェース)部19とを含む。
デジタル複合機10に含まれる画像形成部16は、画像読取り部15により読取った画像から静電潜像を形成する感光体23と、感光体23上に形成された静電潜像の上にトナー等の現像剤を供給して可視画像を形成する現像器24と、現像器24により感光体23上に形成したトナーによる可視画像を用紙に転写する転写部としての転写ローラ25と、転写ローラ25によりトナーが転写された用紙に対して、熱によってトナーを用紙に定着させる定着装置26とを含む。画像形成部16の詳細な構成については、後述する。
また、デジタル複合機10は、出力する用紙を給紙する給紙部27を含む。給紙部27には、用紙の種類やサイズ、方向の相違等に応じて複数枚の用紙を収容する第一の給紙カセット28、および第二の給紙カセット29が設けられている。すなわち、給紙部27は、給紙カセットとして、第一および第二の給紙カセット28、29を有する。ユーザは、用紙の種類等に応じて、各用紙を第一および第二の給紙カセット28、29に収容する。また、デジタル複合機10は、定着が終了した用紙をデジタル複合機10外に排出する排出トレイ30も含む。排出トレイ30は4つ設けられている。なお、この実施形態においては、給紙カセット28、29を2つ、排出トレイ30を4つ設けることとしたが、もちろん、給紙カセット28、29は3つ以上設けられていてもよいし、排出トレイ30についても、4つに限らない。
ここで、第一の給紙カセット28には、収容された用紙の枚数を検知する第一の用紙枚数検知センサ31が設けられている。同様に、第二の給紙カセット29には、収容された用紙の枚数を検知する第二の用紙枚数検知センサ32が設けられている。第一および第二の用紙枚数検知センサ31、32はそれぞれ、例えば、各給紙カセット28、29の所定の位置に設けられたPI(Photo Interrupter)センサであり、所定の位置におけるPIセンサによる光の透過量の増減により、給紙カセット28、29に収容されている用紙の枚数を検知する。第一および第二の用紙枚数検知センサ31、32はそれぞれ、随時用紙の枚数を検知する。なお、第一および第二の用紙枚数検知センサ31、32により、それぞれの給紙カセット28、29において、用紙の枚数が0枚となったこと、すなわち、給紙カセット28、29内に収容された用紙がなくなったことも検知することができる。
また、給紙部27には、第一および第二の給紙カセット28、29のいずれかが抜き差しされたか否かを検知するカセット抜き差し検知センサ33が設けられている。カセット抜き差し検知センサ33は、例えば、ユーザが給紙カセット28へ用紙を補充する際に、給紙カセット28をデジタル複合機10の手前側、すなわち、図2において紙面表面側に引き出したときに、給紙カセット28が抜き出されたと検知する。さらに、抜き出された給紙カセット28についてユーザによる用紙の補充が終了し、デジタル複合機10の所定の箇所に押し込まれてセットされた際にも給紙カセット28の差し込みを検知する。カセット抜き差し検知センサ33は、給紙カセットの抜き差しを、給紙カセットにおける給紙状態の変化として検知する。ここで、給紙カセット28が抜き出されている状態では、デジタル複合機10において、給紙カセット28を用いた画像形成ができないこととなる。
また、給紙部27には、例えば、画像形成中に第一の給紙カセット28に収容された用紙がなくなった場合、給紙カセット28および給紙カセット29に収容されている用紙のサイズが同じであれば、給紙する用紙を第二の給紙カセット29に切り替えるオートカセットチェンジ機能が設けられている。このような機能を備えるデジタル複合機10は、より確実にユーザの要求する枚数の画像を出力することができる。給紙部27には、給紙カセット28、29が切り替えられたことを検知するカセット切り替え検知センサ34が設けられている。カセット切り替え検知センサ34は、給紙カセットの切り替えを、給紙カセットにおける給紙状態の変化として検知する。
制御部11は、画像読取り部15から出力される原稿データをDRAM12に圧縮符号化して書き込み、DRAM12に書き込んだデータを読出し、伸張符号化して画像形成部16により出力する。
デジタル複合機10は、画像読取り部15により読取られた原稿を用いて、DRAM12を介して画像形成部16において画像を形成することにより、複写機として作動する。また、デジタル複合機10は、ネットワークIF部19を通じて、ネットワーク21に接続されたパソコン22から送信された画像データを用いて、DRAM12を介して画像形成部16において画像を形成することにより、プリンターとして作動する。さらに、デジタル複合機10は、FAX通信部18を通じて、公衆回線20から送信された画像データを用いて、DRAM12を介して画像形成部16において画像を形成することにより、また、画像読取り部15により読取られた原稿の画像データを、FAX通信部18を通じて公衆回線20に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。
なお、図1において太線の矢印は画像データの流れを示しており、細線の矢印は制御信号または制御データの流れを示している。
ここで、画像形成部16の詳細な構成について説明する。図3は、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機10に含まれる画像形成部16を示す概略断面図である。なお、図3中、用紙Pは、紙面右側から紙面左側に向かって搬送される。すなわち、紙面の左側に上記した排出トレイ30が配置される構成である。図1〜図3を参照して、画像形成部16に含まれる感光体23および転写ローラ25はそれぞれ、図3中に示した矢印の方向に回転する。感光体23には、動力源としてモータ37が接続されている。感光体23と転写ローラ25とは、用紙を搬送する用紙搬送路38を介在するようにして当接している。すなわち、感光体23と転写ローラ25との間を、用紙Pが通過する構成である。なお、トナーによる可視画像は、用紙Pの上面39および下面40のうち、上面39に転写されることとなる。
定着装置26は、熱によってトナーを定着させる円筒状の熱ローラ41と、圧によってトナーを定着させる円柱状の圧ローラ42とを含む。熱ローラ41および圧ローラ42はそれぞれ、図3中に示した矢印の方向に回転する。熱ローラ41には、動力源としてモータ43が接続されている。圧ローラ42は、弾性を有する部材から構成されている。熱ローラ41の回転に伴い、圧ローラ42も回転する。すなわち、圧ローラ42とニップしている熱ローラ41の回転に合わせて、圧ローラ42も回転する。熱ローラ41と圧ローラ42とは、用紙搬送路38を介在するようにして当接している。熱ローラ41と圧ローラ42との間のニップしている領域を、用紙Pが通過する構成である。
熱ローラ41の内方側の空間には、熱ローラ41を所定の定着温度まで加熱するヒータ(図示せず)が設けられている。熱ローラ41の表面には、用紙Pへの定着を阻害しない位置において、熱ローラ41の温度を検知するサーミスタ44が設けられている。サーミスタ44から取得される熱ローラ41の温度情報、および制御部11におけるヒータのオン、オフにより、熱ローラ41の温度制御がなされる。具体的には、熱ローラ41における定着温度が、設定された下限値よりも高く、設定された上限値よりも低くなるよう制御する。具体的には、下限値として165℃が選択され、上限値として185℃が選択される。圧ローラ42には、ヒータは設けられていないが、熱ローラ41からの伝熱により、圧ローラ42は、所定の温度まで加熱される。
定着装置26は、デジタル複合機10に着脱可能に設けられている。具体的には、定着装置26は、図2に示すデジタル複合機10の手前側に引き出されるようにして取り外すことができる。ここでいう取り外しとは、完全に分離するようにしてデジタル複合機10から取り外すのではなく、デジタル複合機10内の所定の位置からデジタル複合機10の機外に移動させることを含むものである。こうすることにより、例えば、定着装置26において紙詰まりが生じた場合に、定着装置26を機外に取り出して、紙詰まりした用紙を取り除くことができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。デジタル複合機10には、定着装置26の着脱を検知する定着着脱検知センサ45が設けられている。
画像形成部16には、用紙搬送手段として転写ローラ25から定着装置26まで用紙Pを搬送する用紙搬送部が設けられている。用紙搬送部は、それぞれの矢印方向への回転により所定のタイミングで用紙Pを搬送する一対のレジストローラ46、47を備える。上側のレジストローラ46と下側のレジストローラ47とは当接しており、レジストローラ46、47間において用紙Pが搬送される。
なお、用紙Pの搬送方向において一対のレジストローラ46、47の下流側に配置される感光体23および転写ローラ25についても、用紙Pをその間に介在させた際に用紙Pを搬送するため、感光体23および転写ローラ25は、用紙搬送部の一部を構成する。また、用紙Pの搬送方向において感光体23および転写ローラ25の下流側に配置され、定着装置26に含まれる熱ローラ41および圧ローラ42についても同様に、用紙搬送部の一部を構成する。用紙搬送路38中、一対のレジストローラ46、47と、感光体23および転写ローラ25との間には、その位置に用紙Pが搬送されたことを検知する用紙検知センサ48が設けられている。
用紙Pは、転写ローラ25から定着装置26に搬送される間に、上側が凸状となるように撓ませられる。この撓みは、感光体23および転写ローラ25による用紙Pの搬送速度と熱ローラ41および圧ローラ42による用紙Pの搬送速度の差により形成される。この用紙Pの撓みを適正な量にすることにより、熱ローラ41による用紙Pの引っ張り等に基づく色ずれの発生を低減することができる。
画像形成部16に含まれ、転写ローラ25と定着装置26との間に配置されるループセンサ51により、用紙Pの撓み量が測定される。すなわち、画像形成部16は、用紙Pの撓み量を測定するループセンサ51を備える。
ループセンサ51は、光を発する発光素子52と、光を受光する受光素子53と、受光素子53により受光した光の量を算出する受光量算出部54とを備える。ループセンサ51のうち、発光素子52および受光素子53は、用紙搬送路38を構成する下方側搬送ガイド55に取り付けられている。一方、用紙搬送路38を構成する上方側搬送ガイド56には、用紙Pが搬送されていない場合において発光素子52からの光を反射する反射板57が取り付けられている。発光素子52の上面と受光素子53の上面とは、上下方向において同じ面となるように構成されている。
次に、ループセンサ51による用紙Pの撓み量の測定方法について説明する。発光素子52は、用紙検知センサ48により用紙Pが一対のレジストローラ46、47と感光体23および転写ローラ25との間に搬送されたことを検知すると、用紙搬送路38に向かって発光する。そうすると、撓ませられた用紙Pに光が照射され、光を反射する。この場合、用紙Pの裏側の面、すなわち、トナーによる可視画像が転写されていない用紙Pの下面40が反射面となる。そして、受光素子53により用紙Pにより反射された光を受光する。受光素子53により受光した光の受光量を受光量算出部54によって算出し、算出された受光量により、用紙Pの反射位置58を算出する。このようにして、用紙Pの撓み量を測定する。すなわち、算出された受光量に対応する用紙Pの撓み量を測定する。
ここで、用紙Pの撓み量とは、下方側搬送ガイド55と上方側搬送ガイド56との間の上下方向の位置において、発光素子52および受光素子53の上面の位置から、用紙Pが存在する反射位置58までの距離Lをいう。
図4は、図3に示す画像形成部16の概略断面図において、用紙Pの撓みがほとんどない状態を示す図である。また、図5は、図3に示す画像形成部16の概略断面図において、用紙Pの撓みが大きい状態を示す図である。図4を参照して、用紙Pがほとんど撓んでいない状態であれば、発光素子52および受光素子53と用紙Pとの距離Lが短くなり、受光量が多くなる。したがって、算出した受光量が多ければ、用紙Pがほとんど撓んでいないと判断する。一方、図5を参照して、用紙Pの撓みが大きい場合には、発光素子52および受光素子53と用紙Pとの距離Lが長くなり、受光量が少なくなる。したがって、算出した受光量が少なければ、用紙Pの撓み量が大きいと判断する。
ここで、図4に示すように用紙Pの撓み量がほとんどなければ、用紙Pの撓み量が適正になるように用紙Pの搬送速度の補正を行なう。具体的には、用紙Pの撓み量に応じて、感光体23および転写ローラ25の周速に対する熱ローラ41および圧ローラ42の周速を遅くする。このようにして、用紙Pの撓み量が適正な撓み量になるようにする。一方、図5に示すように用紙Pの撓み量が大きければ、用紙Pの撓み量に応じて、感光体23および転写ローラ25の周速に対する熱ローラ41および圧ローラ42の周速を速くする。このようにして、用紙Pの撓み量が適正な撓み量になるようにする。ここで、周速とは、回転している回転体の最大半径位置における速さをいう。
次に、デジタル複合機10によって画像を形成する場合について説明する。図6は、デジタル複合機10において画像を形成する場合の制御部11の動作を示すフローチャートである。図6を参照して、まず、操作部13を介して、ユーザから複数枚の画像形成の要求を受け付ける(図6において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。
そうすると、デジタル複合機10は、まず、1枚目の画像形成を行う(S12)。1枚目の画像形成については、上記した通り、画像読取り部15により読取った画像を基に、感光体23上に静電潜像を形成し、現像器24によりトナーを供給して可視画像とする。その後、用紙搬送部により第一の給紙カセット28から用紙搬送路38内に給紙された用紙Pに対して、転写ローラ25による可視画像の転写を行なう。その後、可視画像が転写された用紙Pを定着装置26まで搬送し、熱ローラ41および圧ローラ42によってトナーを用紙に定着させ、排出トレイ30へ用紙を排出する。
ここで、1枚目の用紙Pについて、転写ローラ25と定着装置26との間に設けられたループセンサ51により、用紙Pの撓み量を測定する(S13)。そして、用紙Pの撓み量に対応する用紙Pの搬送速度の補正値を算出し(S14)、用紙Pの搬送速度の補正を行なう。具体的には、ここでは、熱ローラ41の周速を変更する(S15)。この実施形態においては、熱ローラ41の補正前の周速をa(mm/秒)、補正値をx(mm/秒)とすると、補正後の熱ローラ41の周速はa+x(mm/秒)となる。なお、減速の場合は、xの値がマイナスとなる。なお、このように、熱ローラ41の周速に補正値を反映させている場合には、補正フラグをセットする。
その後、1枚目の用紙Pにおける補正値を反映させた周速で、2枚目以降の用紙Pを搬送させて画像形成を行う(S16)。これを、要求された枚数の画像形成が終了するまで行なう(S17)。
ここで、例えば、給紙カセット28内に収容された用紙Pの枚数に対し、画像形成を要求する用紙Pの枚数の方が明らかに多いとユーザが思う場合、画像形成の要求の前に、給紙カセット28の抜き差しを行なって、給紙カセット28内に用紙を補充する場合がある。
次に、画像形成の要求の前に、給紙カセット28に新たな用紙Pを補充し、さらに画像形成の要求を受け付けた場合について説明する。ここでは、30枚の用紙が収容、すなわち30枚の用紙が残った状態で50枚の用紙をユーザが追加し、70枚の画像形成を行う場合について説明する。
図7は、この場合における制御部11の動作を示すフローチャートである。図1〜図7を参照して、まず、画像形成の要求を受け付けると(S21)、画像形成の要求の前に給紙カセット28が抜き差しされたか否かを判断する(S22)。ここでの判断は、カセット抜き差し検知センサ33を用いて行なう。
給紙カセット28の抜き差しがあったと判断した場合には(S22において、YES)、抜き差しされた給紙カセット28に収容された用紙Pのサイズが、画像形成の要求された用紙Pのサイズと同じであるか否かを判断する(S23)。
抜き差しされた給紙カセット28に収容された用紙Pのサイズと、画像形成の要求された用紙Pのサイズとが同じであると判断した場合には(S23)、追加された用紙Pの枚数を算出して、記憶する(S24)。ここで、追加された用紙Pの枚数については、給紙カセット28に備えられた用紙枚数検知センサ31によるセンサ値を基に算出される。ここでは、具体的に、50枚の用紙が追加されたと算出する。
その後、1枚目の画像形成を行う(S25)。画像形成については、上述した通りであるため、その説明を省略する。ここで、1枚目の画像形成については、ループセンサ51により用紙Pの撓み量を測定し(S26)、測定した用紙Pの撓み量を基に補正値を算出する(S27)。
そして、熱ローラ41の周速に対する補正値を適用して、熱ローラ41の周速を変更する(S28)。この場合、補正値をz(mm/秒)とすると、補正後の熱ローラ41の周速はa+z(mm/秒)となる。また、補正のフラグはセットされたままである。すなわち、熱ローラ41の周速は、補正値が適用されたa+z(mm/秒)である。
次に、2枚目以降の画像形成を行う(S29)。その後、熱ローラ41の周速を補正が適用されたa+z(mm/秒)としたまま順次画像形成を行う。画像形成を行った枚数が、追加された用紙Pの枚数に達したか否かを判断する(S30)。50枚を経過すれば、追加された用紙Pの枚数に達したと判断し(S30において、YES)、次の用紙Pに対しての画像形成を行う(S31)。
ここで、次の用紙Pについては、ループセンサ51により用紙Pの撓み量を測定し(S32)、測定した用紙Pの撓み量を基に補正値を算出し(S33)、その後、熱ローラ41の周速に補正値を反映させる(S34)。この場合、補正のフラグは、再びセットされる。その後、要求された70枚に達するまで画像形成を行い(S35)、70枚に達すれば、画像形成を終了する(S35)。
一方、給紙カセット28の抜き差しが行なわれたことを検知したが用紙Pのサイズが同じでなかった場合には(S22bにおいて、YES、S23において、NO)、1枚目の画像形成を行う際にループセンサ51による用紙Pの撓み量を測定し、測定した用紙Pの撓み量を基に補正値を算出して熱ローラ41の周速を変更する(S37〜S40)。
また、給紙カセット28の抜き差しを検知しなかった場合には(S22において、NO)、以前の補正値により補正された用紙Pの撓み量に基づいた用紙Pの搬送速度を変更せず、要求された枚数まで画像形成を行う。すなわち、補正値xが反映されたままで、画像形成を行う。
このようなデジタル複合機10によれば、給紙カセット28が抜き差しを検知すれば、これを契機として用紙Pの撓み量を測定する。そして、測定した用紙Pの撓み量を基に、用紙Pの搬送速度の補正値を算出し、用紙Pの搬送速度、ここでは、熱ローラ41の周速を変更する。そうすると、給紙カセット28の抜き差しに基づく用紙Pの特性等の変化に応じて、用紙Pの撓み量を適正にすることができる。したがって、用紙Pの特性の変化に応じて高画質の画像を形成することができる。
また、この場合、用紙Pの追加した枚数分、新たな補正値を適用した補正を行なうことができるので、用紙Pの追加分に対して、適切に画像を形成することができる。
なお、上記の実施の形態においては、図7のS30において、追加された用紙Pの枚数に達したと判断すれば、次の用紙Pの画像形成時にループセンサによる用紙Pの撓み量を測定し、この用紙Pの撓み量を基に補正を行なうこととしたが、これに限らず、用紙Pが追加される前の補正値を記憶しておき、追加された用紙Pの枚数に達したと判断すれば、用紙Pが追加される前の補正値を基にした補正を行なうようにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、画像形成の要求前に給紙カセットに用紙Pを補充する場合について説明したが、例えば、画像形成の最中に給紙カセット内の用紙Pがなくなって画像形成を中断し、給紙カセットを抜いて新たに給紙カセット内に用紙Pを補充し、画像形成を再開した場合についても適用される。
ここで、例えば、画像形成を要求する用紙Pの枚数の方が第一の給紙カセット28に収容された用紙Pの枚数よりも多かった場合、第一の給紙カセット28に収容されていた用紙Pのサイズと第二の給紙カセット29に収容されていた用紙Pのサイズとが同じであれば、画像形成の最中に、第一の給紙カセット28から第二の給紙カセット29に給紙カセットが切り替えられる。この場合、第一の給紙カセット28に収容されていた用紙Pと、第二の給紙カセット29に収容されていた用紙Pとは、用紙Pの特性、例えば、用紙Pの吸湿の程度が異なり、用紙Pの撓み量が異なっているおそれがある。
次に、画像形成の最中に、第一の給紙カセット28から第二の給紙カセット29にカセットが切り替えられた場合について説明する。
図8は、この場合における制御部11の動作を示すフローチャートである。図8を参照して、まず、画像形成の要求を受け付けると(S41)、画像形成を開始する(S42)。この場合、第一の給紙カセット28からの給紙である。そして、画像形成の最中に、第一の給紙カセット28内に収容された用紙がなくなれば(S43において、YES)、第一の給紙カセット28から第二の給紙カセット29に給紙する給紙カセットが切り替えられる。ここで、カセット切り替え検知センサ34により給紙カセットの切り替えを検知する(S44において、YES)。
給紙カセットが切り替えられたことを検知すれば、切り替えられた給紙カセットに収容された用紙Pに対して、まず1枚目の画像形成を行う(S45)。画像形成については、上述した通りであるため、その説明を省略する。ここで、1枚目の画像形成について、ループセンサ51により用紙Pの撓み量を測定し(S46)、測定した用紙Pの撓み量を基に補正値を算出する(S47)。
そして、熱ローラ41の周速に対する補正値を適用して、熱ローラ41の周速を変更する(S48)。この場合、補正値をw(mm/秒)とすると、補正後の熱ローラ41の周速はa+w(mm/秒)となる。また、補正のフラグはセットされたままである。すなわち、熱ローラ41の周速は、補正値が適用されたa+w(mm/秒)である。
次に、第二の給紙カセット29における2枚目以降の画像形成を行う(S49)。その後、熱ローラ41の周速を補正が適用されたa+w(mm/秒)としたまま順次画像形成を行う。要求された枚数に達するまで画像形成を行い(S50において、YES)、要求された枚数に達すれば、画像形成を終了する(S50において、NO)。
一方、給紙カセットの切り替えを検知しなかった場合には(S44において、NO)、以前の補正値により補正された用紙Pの撓み量に基づいた用紙Pの搬送速度を変更せず、要求された枚数まで画像形成を行う。すなわち、補正値xが反映されたままで、画像形成を行う。
このようなデジタル複合機10によれば、給紙カセットが切り替えられたことを検知すれば、これを契機として用紙の撓み量を測定する。そして、測定した用紙の撓み量を基に、用紙の搬送速度の補正値を算出し、用紙の搬送速度を変更する。そうすると、例えば、給紙カセットの切り替えに基づく用紙の特性等の変化に応じて、用紙の撓み量を適正にすることができる。したがって、用紙の特性の変化に応じて高画質の画像を形成することができる。
ここで、上記の実施の形態において、第一および第二の給紙カセット毎に速度の補正値を記憶する記憶手段を設け、給紙カセットが切り替われば、記憶手段により記憶された速度の補正値を適用するようにしてもよい。
以上より、このような構成のデジタル複合機は、給紙カセットにおける給紙状態の変化を検知すれば、これを契機として用紙の撓み量を測定する。そして、測定した用紙の撓み量を基に、用紙の搬送速度の補正値を算出し、用紙の搬送速度を変更する。そうすると、給紙カセットにおける給紙状態の変化に基づく用紙の特性等の変化に応じて、用紙の撓み量を適正にすることができる。したがって、用紙の特性の変化に応じて高画質の画像を形成することができる。
なお、上記の実施の形態においては、ループセンサを用いて、用紙の撓み量を測定することとしたが、これに限らず、他の撓み測定機構、例えば、PIセンサによる光の透過量の相違により用紙の撓み量を測定することとしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、算出された補正値を基にして熱ローラの周速を変更することとしたが、これに限らず、例えば、算出された補正値を基にして転写ローラの周速を変更することとしてもよいし、熱ローラおよび転写ローラの双方の周速を変更するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、給紙カセットの抜き差しや切り替えを給紙カセットにおける給紙状態の変化としたが、このような場合に限られず、例えば、デジタル複合機が用紙の手差し機構を有し、給紙先の用紙が手差し用のトレイから給紙カセットに変更になった場合等についても適用される。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
10 デジタル複合機、11 制御部、12 DRAM、13 操作部、14 原稿送り装置、15 画像読取り部、16 画像形成部、17 ハードディスク、18 FAX通信部、19 ネットワークIF部、20 公衆回線、21 ネットワーク、22 パソコン、23 感光体、24 現像器、25 転写ローラ、26 定着装置、27 給紙部、28,29 給紙カセット、30 排出トレイ、31,32 用紙枚数検知センサ、33 カセット抜き差し検知センサ、34 カセット切り替え検知センサ、37,43 モータ、38 用紙搬送路、39 上面、40 下面、41 熱ローラ、42 圧ローラ、44 サーミスタ、45 定着着脱検知センサ、46,47 レジストローラ、48 用紙検知センサ、51 ループセンサ、52 発光素子、53 受光素子、54 受光量算出部、55 下方側搬送ガイド、56 上方側搬送ガイド、57 反射板、58 反射位置。

Claims (8)

  1. 画像を形成して用紙に出力する画像形成装置であって、
    現像剤により形成した可視画像を用紙に転写する転写部と、
    前記転写部により転写された現像剤による可視画像を、熱によって用紙に定着させる定着装置と、
    前記転写部から前記定着装置まで用紙を搬送する用紙搬送手段と、
    前記転写部と前記定着装置との間に設けられ、用紙の撓み量を測定する撓み量測定手段と、
    前記撓み量測定手段により測定した撓み量に基づいて、前記用紙搬送手段による用紙の搬送速度を補正する補正手段と、
    前記画像形成装置の所定の箇所にセットされ、用紙を収容する給紙カセットと、
    前記給紙カセットにおける給紙状態の変化を検知する検知手段と、
    前記検知手段により前記給紙カセットにおける給紙状態の変化を検知すれば、前記補正手段を作動させるよう制御する制御手段とを備える、画像形成装置。
  2. 前記検知手段は、前記給紙カセットの抜き差しを、前記給紙カセットにおける給紙状態の変化として検知する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記検知手段が作動する前に、前記給紙カセットに収容された用紙の枚数を検出する用紙残量検出手段と、
    前記用紙残量検出手段により検出された用紙の枚数を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶された用紙の枚数と前記給紙カセットにセットされた用紙の枚数との差を算出する算出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記算出手段により算出された用紙の枚数分、前記補正手段により補正された速度で用紙を搬送するよう前記用紙搬送手段を制御する、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記給紙カセットは、それぞれ前記画像形成装置の所定の箇所にセットされ、用紙を収容する第一の給紙カセットおよび第二の給紙カセットを含み、
    前記検知手段は、前記第一の給紙カセットから前記第二の給紙カセットへの切り替えを、前記給紙カセットにおける給紙状態の変化として検知する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記第一および第二の給紙カセット毎に、前記補正手段による速度の補正値を記憶する記憶手段を備える、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記第一の給紙カセットに収容された用紙の枚数を検知する用紙枚数検知手段と、
    前記用紙枚数検知手段により前記第一の給紙カセットに収容された用紙がなくなったことを検知すれば、給紙カセットを前記第一の給紙カセットから前記第二の給紙カセットに切り替える給紙カセット切り替え手段とを備える、請求項4または5に記載の画像形成装置。
  7. 前記撓み量測定手段は、撓ませた用紙に光を照射し、その反射光により用紙の撓み量を検出するループセンサを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記用紙搬送手段は、回転により前記用紙を搬送するローラを含み、
    前記補正手段は、前記ローラの周速を補正する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7432143B2 (ja) 2020-02-14 2024-02-16 株式会社リコー シート搬送装置、及び、画像形成装置

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