JP2011001591A - ガス加熱装置 - Google Patents

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雄二 古村
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Abstract

【課題】動く基板を一定温度に維持したまま、基板上の膜を高温アニール等の熱処理をする、または熱CVD膜を基板表面に形成するときに必要な高温のガスを短時間に短い流路で、作り出す流体加熱装置が必要であった。
【解決手段】ガスを多数の小さな流れに分割し、分割した流路を狭めて、流速を早めてビーム状にする。それを加熱された器壁に垂直に当たるように正面に器壁を配置する。再び一つに合流させたガス流をまた多数の小さな流れに分割し、再び器壁と熱交換させる。これを複数回繰り返す構造を加熱された板の二つ表面に作り、その両面に板を押し付けることにより、板の両面に流路を作ることで簡便に作製可能である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高温のガスを短時間に短い流路で作り出すガス加熱装置に関する。例えば高温にできないガラス基板や樹脂、金属シート等の基板上や、既に配線工程を終了させた基板上に、この基板を支持する支持台の温度よりも高温の流体、特に高温のガスを吹き付けるためのガス加熱装置に関する。
一般に、基板に膜を形成して作製するデバイスの中には、その基板を低温に保持したまま加工を行いたいものがある。例えば、ガラスや樹脂、金属シートの基板や既に所要の膜を作製した後のシリコン基板を用いるデバイスがある。ガラス基板上に成長させた薄膜を具備したデバイスとしては、液晶表示デバイス(LCD)や有機EL(エレクトロミネセンス)表示デバイス、太陽電池等のいわゆる大面積電子デバイスがある。安価で取り扱いが容易、巻き取りが可能な薄膜利用のデバイスとしては樹脂や金属シートの上に作製した太陽電池がある。
薄膜はいずれのデバイスにおいてもアモルファス膜や結晶膜、絶縁膜、保護膜として用いられる。
低温に保持した基板上に成長させる膜は、例えばプラズマ励起のアモルファス薄膜である。この場合は非平衡成長(可逆反応でない成長)なので、気相の活性種同士が核成長を起こして基板に付着して成長が進行するため高温熱CVD(化学気相成長)膜よりも膜組成や構造は不安定である。このために、膜は水素や酸素などの希望しない不純物を含み、吸湿もしやすく緻密性で劣る。
基板の温度を低温に保持しながら、組成や構造劣化の無い膜を得る表面を加熱処理する技術がデバイス製造工程に求められる。
一方で基板は十分に高い温度の処理に耐えるが、デバイスを作製した後であるので基板を高温にできない製造後工程が必要になった。それはデバイスを作製したシリコンウエハ同士を張り合わせてデバイスを積層させる工程である。例えば、シリコン基板を貫通させる電極(貫通電極またはTSV:Through−silicon−viaと呼ばれる)形成を配線工程完了後に行う。一般には深い貫通孔TSVの中にCuを埋め込むが、Cuが基板シリコンの中に拡散をするのを防ぐために、厚い酸化膜や窒化膜を孔の内側に成長させる。しかし、基板を400℃以下の低温で成長させても緻密な膜が得られない。また表面には成長しても孔の側内面や底面にまで十分に膜が成長しない問題がある。成長を全表面に起こさせる必要があるので、これがウエハ張り合わせ製造の妨げになる。(例えば、非特許文献1参照)。
そして、緻密な膜を得る熱励起の化学気相成長(熱CVD)では、基板温度として低くても500℃以上が一般的に必要である。
基板を高温にすることなく熱CVD膜を成長させることが出来れば、それが実用上最も信頼性が高く確実な膜形成方法である。基板を高温加熱せずとも熱CVDを行う方法がある。それを図1,図2に基づいて説明する。
一般に、平坦な基板表面に平行にガスを流すと基板と平行に停滞層ができて、この停滞層が熱抵抗層となりガスの温度を基板に短時間には伝えられない。換言すれば、ガスから熱を基板に伝える伝達効率が低い。
しかし、高温ガスを絞ってビーム状にして基板表面に平行でなく、ほぼ垂直に吹付け、または衝突させるとその停滞層は薄くなる。停滞層が薄いと効率よく高温ガスの温度を基板に伝えられる。即ち基板表面は垂直に入射する高温ガスから効率よく熱を受け取る。
基板材料の熱伝導率で決まる熱抵抗があるので、基板の裏面が一定の温度のヒートシンクに接触していると温度が上昇してガスの温度近くに到達するのはガスが衝突する基板表面に限定される。この効果により、基板表面のみを局所的かつ優先的に加熱して基板の裏面と内部は一定温度以下に維持できる。
図2はこの効果を模式的に示す。すなわち、基板1の表面に、高温ガス2がガス吹付装置3の吹出孔3aからビーム状2aに絞られてほぼ垂直に吹き付けられる。基板裏面1bが支持台4により密着した状態で保持されているために基板1の裏面1bの温度T1は支持台4の熱媒体(冷却材または加熱材)4aにより所定温度で一定に保持される。高温ガスビーム2aと基板1表面の間に停滞層5が形成されるが、この停滞層5の厚みSは高温ガスビーム2aの入射速度Vや基板1の表面1aに入射する入射角度に依存する。入射速度Vが速いほど停滞層5の厚みSは薄くなる。基板表面1aの温度は高温ガスビーム2aの温度T2よりも低い。高温ガスビーム2aからの熱の伝達は停滞層5の厚みSで制御できるので、基板1の表面温度は高温ガスビーム2aの温度T2と基板1に衝突入射する速度Vにより制御できることになる。したがって、高温ガスビーム2aにより基板表面1aまたはその上の膜(図示省略)を優先的に加熱できる。高温ガスビーム2aの衝突領域からずれると、横方向の速度も遅くなり停滞層5の厚みSは増し、熱伝導は小さくなる。
表面を高温にできると、堆積性のガスを熱分解して基板表面に膜を形成できる。そのとき図2のように反応しない不活性ガスの高温ガスビーム2aが一つのとき、その高温ガスビーム2aの周辺に、熱分解反応を起こすガス、例えばモノシランSiHが存在していても、高温ガスビーム2aの吹出圧により排除されるので、高温ガスビーム2aが基板1の表面に衝突して高温が作り出された基板1の表面での成長反応の効率が悪い。すなわち、基板1表面に衝突した反応しない不活性ガスの高温ビーム2aの開放する流れに沿って分解反応種が基板表面に沿って排気されてしまう。したがって、高温ガスビーム2aの中に熱分解ガスを合流させて閉じ込める構造が膜堆積のためには必要である。 図1は、その課題を解決する膜形成方法を表す模式図である。
すなわち、図1のように、例えば2つの高温ガス2bおよび2cとに囲まれて制限された高温空間である高温ルーム6に、堆積性を有する膜形成用の熱分解ガスの一例としてシランガス7を吹出孔8から吐出させ供給する。すると、高温ルーム6でシランガス7の熱分解が進行して活性種が生成される。これが1つのガスビーム10に絞られてから吹出口であるアパーチャー出口9aから吹き出る。すると、このガスビーム10により薄くされた停滞層5を拡散してシリコン膜を基板1の表面1a上に成長させる。
また、これら2つの高温ガス2bと2cとして酸化還元反応するガスを選ぶと、この制限された高温ルーム6に停滞したもの同士で互いに熱分解と化学反応を起こす。気相中に異種物質の核がなければ一定濃度以下では自然核形成は生じない。しかし、アパーチャー出口9aの下方には温度の低い異種物質である巨大核としての基板1がある。このために、図2に示したように停滞層5を挟んで熱伝達が行われて基板表面1aは高温ガス2b,2cの各温度T2よりも低いが基板1の裏面1bの温度T1や内部よりも高い温度になっている。巨大核である基板表面1aには核成長から始まり膜の成長が起きる。以上のように基板1の温度を低く維持しながら、基板1の温度よりも高い温度の高温ガス2b,2cを接触させて熱CVDを基板表面1a上で発生させる基本技術が背景にある。
なお、図1中、符号4bは基板1を支持する支持台4の図中上面に形成された複数の真空チャック用溝(孔であっても良い)であり、これら真空チャック用溝4b,4b,…内を図示しない排気装置により真空に排気することにより基板1の裏面1bを支持台4の表面に吸着させて密着状態で固定し支持するようになっている。溝(または孔)の密度は熱伝導度を制御するパラメータとして自由に設計できる。真空チャックは静電式の吸着装置であっても良い。
「反応性熱CVD法による多結晶SiGe薄膜の低温成長技術の開発」東京工業大学大学院理工学研究科附属像情報工学研究施設半那研究室[平成20(2008)年6月12日検索]インターネット(URL:http://www.isl.titech.ac.jp〜hanna/cvd.html)
基板表面に高温の流体、特にガスをビーム状に吹きつけて、表面とガスの作る停滞層を薄くすることで表面を優先的に高温にするする方法と効果について背景技術で述べた。また堆積性のあるガスを高温のガスが作る高温の制限空間に導き高温ガスと接触させ活性種を生成させ、停滞層を拡散させて活性種を表面に導き膜を成長させる技術についても述べた。停滞層が薄いと熱伝導の効率は向上し、また活性種の拡散が早くなるので、基板表面に衝突する流体としての高温ガスビームの流速を早くしたいという要求がある。一定断面のガスビームのとき、流速を早くするにはガスの流量を増加させることになる。一般に固体表面から熱を伝えてガスを加熱させる効率は、すでに述べた壁とガスの間にできる停滞層の厚みに依存して低下する。パイプのなかを通してガスを加熱しようとすると長いパイプとなり加熱装置は大型になる。多数フィンを介して熱を伝える方法ではフィンと層流ガスとの間の停滞層が厚く形成されて熱伝達効率が下がり、加熱効率が低い。加熱効率の低さは熱交換器の大型化になり、装置を大型にさせる弊害をもたらす。大流量であっても、小流量であっても流量に依存しないで一定の温度にガスを小型の装置で加熱するには、短い流路で短時間でガスを加熱する効率の高い加熱機構の装置が必要となる。また、半導体や太陽電池などのデバイスではガスの高い清浄度が要求されるので、ガスと接触させる壁は清浄である必要がある。
基板表面にガスビームを高い流速で吹きつけると、ガスの温度を基板表面に効率よく伝えることを述べた。熱伝達を効率よくさせる原理はガスと基板表面の間にできる停滞層を薄くすることである。この原理を用いて熱の伝達効率の高いガス加熱器を作ることができる。即ち、ガスが器壁に垂直にあたるようにすることで、器壁の温度をガスによく伝えることができる。ビーム状にガスを基板表面に吹き付けて基板表面を加熱するのと逆の方向の熱伝達を起こさせる。室温で導入したガスを多数の小さな流れに分割する。分割した流路を狭めて、流速を早くする。即ちビーム状にする。高い流速のガスに分割したら、それを加熱された器壁に垂直に当たるようにビーム状に吹き出るガスの正面に器壁を配置する。器壁への衝突により薄い停滞層が形成されて、器壁から効率よく熱がガスに伝達する。分割された一つの流路は効率よく熱伝達するので、それらが合流したガス流は効率よく器壁から熱伝達を受けたガス流となる。一つに合流したガス流をまた多数の小さな流れに分割し、再び器壁と熱交換させる。これを複数回繰り返すことにより、加熱された器壁から効率よく熱をガスに伝えるので、短い流路で短い時間で高温高速のガスを生成できる。一回の衝突による熱交換効率が高いので、流量が小さいときも大きいときも、ガスの温度は器壁の温度と同じになる。同じになった時点で熱交換は生じない。以上の作用を起こさせる簡単な構造は加熱された板の二つ表面に流れを小さな流路に分ける溝とそれらが合流する溝を表面切削加工で作り、その両面に板を押し付けることにより、板の両面に流路を作ることで簡便に作製可能である。板の材質は600℃以上の高温ならカーボンや、SiCコートしたカーボン、またはセラミクスが好適である。600℃以下なら、金属、例えばアルミニュームやステンレス鋼が好適である。加熱は板に直接通電しても良いし、またランプ等の光を利用しても良い。または誘導加熱でも良い。カンタル線などの電熱線で加熱しても良い。または直接通電しても良い。
そして、請求項1に係る発明は板の側面にて外側に向けて開口し一方向に長い横溝を所要の間隔を置いて板の他の一方向に複数段に形成してあり、隣合う当該横溝をそれに垂直な複数の縦溝で連通させつなげてあり、当該側面に側板を気密に押し当てることにより一方の端にある横溝に導入された流体が当該横溝と当該縦溝を経由して他の端にある横溝まで流れる流路が形成され、当該板に導入した流体が当該流路の壁と垂直に衝突することにより熱交換を行い、当該板の他の端の吹き出し孔から流体が吹き出されることを特徴とする流体装置である。
請求項2に係る発明は前記流路が板の両面に形成された請求項1記載の装置である。
請求項3に係る発明は前記流体が水素、アルゴン、窒素、酸素、ヘリュームの元素を含むガスであることを特徴とする請求項1、2記載の装置である。
請求項4に係る発明は前記板がカーボンやセラミクス、金属であることを特徴とする請求項1ないし3記載の装置である。
請求項5に係る発明は前記排出孔が単一の細い長方形の孔、または円形の孔、またはそれら孔を直線状、曲線状、環状に複数配置した孔であることを特徴とする請求項1ないし4記載の装置である。
請求項6に係る発明は前記板が断熱材または断熱空間で外部ケースと断熱されていることを特徴とする請求項1ないし5記載の装置である。
請求項7に係る発明は、前記板を加熱する場合、ランプ加熱、高周波誘導加熱、通電加熱のいずれか、またはこれらの組み合わせである請求項1ないし6記載の装置である。
請求項1、2、3に係わる発明によれば、加熱可能な加熱板の側面に溝を多数形成し、その溝同士を細い溝でつなげることにより、当該溝を通過する流体としてのガスは板の側面の壁と垂直衝突を繰り返す。垂直に衝突すると、壁とガスの間にできる停滞層の厚みが薄くなり熱交換の効率が飛躍的に上がる。この垂直衝突を繰り返す構造を加熱板の側面に機械加工で作ることが可能であり、平坦な側面であるので、これを気密に密着させる別の側板を押し当てることで垂直衝突を繰り返す流路が自由に設計できる。側面は加熱板の両面を利用できるしまた複数の加熱板を重ねることもできる。ガスとしては水素やアルゴン、窒素、酸素、ヘリュームの元素を含むガスを選ぶことができる。反応性の高いハロゲンを含むガスも選ぶことができる。
請求項4に係わる発明によれば、アニールやCVDに用いるガスの化学反応、用いる温度領域、また不純物や粒子の発生、連続使用の耐久性などから、材料を選ぶことが可能である。600℃以下で拡張性を望むときは金属を用いるのが好ましい。600℃以上で粒子発生や酸素との反応を嫌うときはSiCコートしたカーボンやSiCセラミクス、金属などの複合材料が望ましい。化学反応性のあるハロゲンや酸素を含むガスを用いる時も同様である。
請求項5に係わる発明によれば、外部雰囲気と遮断する環状のガスカーテンが可能になる。またアニールやCVD領域の限定を目的に自由に排出高温ガスの形状を変えられる。
請求項6と7に係わる発明によれば、断熱により、所望の高い温度にまで一定の電力で加熱できる。
図1は本発明の技術背景に係る高温ガスを吹き付ける膜形成方法を示す模式図である。 図2はビーム状の高温ガスが基板表面に吹き付けられ、衝突したときの状態と、そのときの停滞層の厚みSに依存する温度分布を示す模式図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る膜形成装置の構成図である。 図4は図3で示すカーボン中央板と左右一対のカーボン側板等を示す側断面図である。 図5の(A)は図3で示すカーボン中央板の一側面の正面図、(B)は同(A)のB−B線断面図、(C)は同(A)のC−C線断面図、(D)は同(A)のD−D線断面図である。 図6は本発明の第2の実施形態に係る膜形成装置の構成を示す模式図である。 図7は本発明の第3の実施形態に係る膜形成装置の変形例をそれぞれ示し、(A)は図6で示す複数のガス吹付装置を基板の移動方向に並設する配置例の平面模式図である。(B)は基板よりも小さい複数のガス吹付装置を、基板表面のほぼ全域をカバーする場合の配置例を示す模式図である。(C)は複数のガス吹付装置を千鳥状に配設した変形例を示す模式図である。 図8は本発明の第5の実施形態に係る膜形成装置の主要部の模式図である。加熱装置を並列設置する実施例である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これら添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
図3は本発明の第1実施形態に係る膜形成装置11の構成を示す構成図であり、図4はその要部拡大図である。
図3に示すように膜形成装置11は、所要の膜を形成するための基板12およびこの基板12を支持する冷却可能で移動可能の支持台13と、ガス吹付装置14とを具備している。
基板12は、所要大の平板状のガラス基板やプラスチック基板、金属シート等からなり、その表面12a上に、これら基板12の支持台温度(例えば100℃〜500℃の選ばれた温度)よりも高い温度によりシリコン酸化膜や同窒化膜、ポリシリコン等の高温熱CVD材料の膜を形成、成長させようとするものである。
支持台13は、その基板12の裏面12bに密着する表面13aに、図中上面を開口させた真空チャック吸着用の複数の溝13b,13b,…を形成し、これら溝13b,13b,…内を図示しない排気装置により排気することにより基板12の裏面12bを吸着し、固定する。溝は孔であっても良い。一方、これら溝13b,13b,…内に空気等を充填することにより、基板12を支持台13から取り外すことができる。溝の設計により熱伝導による冷却効果を調整して所望の温度が得られるようにすることが可能である。また、支持台13は、必要に応じてその内部に循環できる熱媒体(冷却材または加熱材)13cを内蔵し、支持台13を所要の温度に適宜制御し得るようになっている。また、支持台13の温度を制御することにより、基板12の裏面12bの温度を制御できる。必要なときは基板支持台13は基板12の平面縦横(X−Y)方向に移動可能にできる。
一方、ガス吹付装置14は、例えばステンレス製有蓋筒状の外ケーシング15内に、例えばステンレス製筒状の内ケーシング16を配設し、外ケーシング15の底面は開口させている。また、内ケーシング16内には、図3中破線枠で示すガス加熱装置17を配設している。内ケーシング16と外ケーシング15とガス加熱装置17の間には図示しない断熱材が配置されて外に放熱するのを防いでいる。
外ケーシング15は、その上蓋15aに、第1,第2,第3のガス導入口15a1,15a2,15a3と、電力線導入口15a4をそれぞれ形成し、これら第1,第2,第3のガス導入口15a1,15a2,15a3の外端には、第1,第2,第3のガス導入管18a,18b,18cをそれぞれ同心状に気密に連結し、電力線導入口15a4には電力線19を挿入している。第3ガス導入口15a3の内端には、例えば石英製等の第3の内側ガス導入管20が連通されている。
第1,第2ガス導入管18a,18bには、例えば窒素ガスが導入され、第3ガスの導入管20には、例えば窒素ガスにより1%に希釈されたシラン(SiH4)が堆積性を有する膜形成用の熱分解ガスの一例として導入される。
外ケーシング15は、その左右一対の側面に左右一対の排気管21,22をそれぞれ配設し、これら排気管21,22の内側開口端21a,22aを、外ケーシング15と内ケーシング16とにより画成される環状の排気空間23で開口させており、この排気空間23内へ外ケーシング15の底面開口から侵入した窒素ガス等の排気を排気管21,22により外部へ排気する。
加熱装置17は、セラミクスやカーボン、金属、またはこれらの組み合わせの耐熱性の素材で作られる。実績の長い組み合わせとしてはカーボンをシリコンカーバイド膜でコートする方法がある。本実施形態においては、カーボン(例えばグラファイト、等方性カーボンなどを含む)により形成された中実平板状のカーボン中央板24と、その左右両側面にそれぞれ添設固着されるカーボン製の中実平板状の左右一対のカーボン側板25,26を有している。カーボン中央板24は横240mm、高さ300mmの大きさである。カーボン中央板24はその図3中、左右両側端部にて、その外側面に向けて開口し、その奥行き方向(図3の表裏方向)に延在する左右一対のコ字状の溝27,28をカーボン中央板24の長手方向(図3中、縦方向)に所要の間隔を置いて複数段形成している。これら左右一対の各溝27、27…、28,28…の外側端は図4にも示すように、左右一対のカーボン側板25,26の対向面により気密に密閉されている。
そして、カーボン中央板24は、その図3,図4中の上部において、左右一対の第1,第2の上部ガス導入縦孔29,30を図中縦方向にそれぞれ形成し、これら第1,第2ガス導入縦孔29,30の内端(図中下端)を左右一対の溝27,28の縦列方向上端の溝27a,28aにそれぞれ連通させている。
さらに、カーボン中央板24は、左右一対の溝27,28の縦列方向下端の各溝27b,28bに、第1,第2の下部ガス吹出縦孔31,32をそれぞれ連通させている。これら第1,第2の下部ガス吹出縦孔31,32はカーボン中央板24の長手方向下部の左右側端にて、その各一側端が外側に開口する凹部によりそれぞれ形成され、これら凹部開口が左右一対のカーボン側板25,26により気密に密閉されている。
また、これら左右一対のカーボン側板25,26の下部外側面の外側開口の凹部内に、平板状の断熱石英板33,34が嵌合され、加熱装置17の断熱を図っている。加熱装置の断熱は外ケーシング15の過熱を防止するために、使用する温度領域に依存して追加挿入する。600℃以上にガスの温度を上げる使用目的のときは内ケーシング16の内部には断熱材を加熱装置17を囲うように断熱材を挿入する。また外ケーシング15と発熱装置17の間にも断熱材を挿入する。
そして、このように構成された左右一対の第1,第2の下部ガス吹出縦孔31,32は、その図3,図4中下端に、第1,第2ガス吹出孔35,36を連通させている。これら第1,第2ガス吹出孔35,36はカーボン中央板24の下端部の左右両側端部にそれぞれ形成され、これら第1,第2ガス吹出孔35,36から、第1,第2ガスが高温ガスとして吹き出す。また、これら左右一対の第1,第2ガス吹出孔35,36同士の中間部には、第3ガス吹出孔37が形成されている。これら第1〜第3吹出孔35〜37は図示の都合上、線状で図示されているが、平面(底面)形状は細い長方形のスリットである。なお、これら第1〜第3の吹出孔35〜37は、単一の細長スリットでもよいが、小形の複数の長方形のスリットや小さい円形孔や矩形孔の複数個を所要の間隔を置いて列状に配設することにより構成してもよい。また、その配列の形状としては、直線状や曲線状、環状でもよい。またスリットは環状に閉じていても良い。この第3吹出孔37には、第3の内側ガス導入管20の吹出口端部が接続され、第3ガス吹出孔37から第3のガスが第1第2のガスと合流して基板表面13aに吹き出されるようになっている。
そして、内ケーシング16の底部開口端(図3では下端)16aの外面には有底皿状の合流用ヘッダ60の開口上端を固着している。合流用ヘッダ60は、図1で示す合流用ヘッダ9とほぼ同様の機能を有し、第1,第2,第3のガス吹出孔35,36,37を所要の間隔を置いて被覆し、これら第1〜第3ガス吹出孔35〜37から吹き出される高温のガスを受けて合流し混合させるものであり、第1,第2のガス吹出孔35,36から合流用ヘッダ60内へそれぞれ吹き出される2本の高温ガスビームにより囲まれた空間を高温ガスルーム6(図1参照)に形成するようになっている。この高温ガスルーム6には、第3のガス吹出孔37からのガスが吹き出され、合流して混合される。また、合流ヘッダ60は、この混合したガスを1本のガスビーム状に絞って基板表面12a側へ吹き付けるアパーチャー60aを開口させている。
図5(A)は横幅240mm、高さ30mmの上記カーボン中央板24の一側面(例えば左側面)の正面図、同(B)は同(A)のB−B断面図、同(C)は同(A)のC−C断面図、同(D)は同(A)のD−D断面図であり、これらカーボン中央板24と、左右一対のカーボン側板25,26とにより、図3に示す左右一対の複数の幅7mmの溝27,27,…、28,28,…と、第1,第2の深さ1mmの下部ガス吹出縦孔31,32をそれぞれ形成している。これら左右一対の各溝27,27,…、28,28,…は図3,図4中縦方向に第1,第2の導入ガスをそれぞれ個別に通すように形成され、これら左右一対の溝27,28同士は左右(横)方向で連結されていない。
図5(A)中の符号38は、左右一対の各溝27,28毎に図中縦方向に連通させる幅1mmの複数の縦連通溝であり、39は加熱用ランプ40が挿入される挿入孔である。加熱用ランプ40は例えば200V,2.2kWのランプであり、電力線19に接続されて、所要の電力が供給されて高温で発熱するクリーンな熱源である。
また、図中、符号41は、熱電対等の温度センサであり、第1,第2のガス吹出孔35,36から出て基板12の表面12aに吹き付けられる第1,第2ガスの温度を検出し、その温度検出信号を図示しない温度制御装置に与えるようになっている。
この温度制御装置はこの温度検出信号を受けて、電力線19から加熱用ランプ40に供給される電力を制御することにより、第1,第2ガスの吹出温度を所定の温度(例えば650℃)に制御し得るようになっている。
次に、このように構成された膜形成装置11のガス加熱装置17の作用について説明する。
まず、図示しない温度制御装置により電力線19から加熱装置17の加熱用ランプ40へ供給される所要の電力の通電が開始される。
このために、加熱用ランプ40の発熱によりカーボン中央板24と左右一対のカーボン側板25,26が高温に加熱され、これら24,25,26により形成された第1,第2の上部ガス導入縦孔29,30、左右一対の複数の溝27,27…、28,28…、第1,第2の下部ガス吹出縦孔31,32、すなわち、左右一対の第1,第2のガス通路が加熱される。
このとき、第1,第2のガス導入管18a,18bから窒素ガスが加熱装置17の左右一対の第1,第2の上部ガス導入縦孔29,30へ導入される。この窒素ガスは、さらに左右一対の複数の溝27,27,…、28,28…、第1,第2の下部ガス吹出縦孔を順次経て、第1,第2の吹出孔35,36に至るまでに所要の高温(例えば650℃)にそれぞれ加熱される。この後、これら高温ガスは、第1,第2の吹出孔35,36から合流用ヘッダ60内へ吹き出される。これにより、合流用ヘッダ60内には、これら第1,第2の吹出孔35,36からそれぞれ吹き出されている高温ガスにより囲まれた高温ガスルーム6が形成される。これら窒素ガスの出口温度は温度センサ41により検出され、上記制御装置により加熱用ランプ40への電力を制御することにより、所要の温度にフィードバック制御される。第1、第2の窒素ガスをそれぞれ1〜100SLMの範囲で変化させた。温度は100℃から700℃の範囲で流量に依存しないでプラスマイナス10℃以内で制御できた。小型の加熱装置で高温のガスを作り出すことに成功した。
図6は本発明の第2の実施形態に係る膜形成装置11Aの構成を示す模式図である。この膜形成装置11Aは、上記図3で示す膜形成装置11において、そのガス吹付装置14の複数台を所要のピッチを置いて、例えば1列状に並設し固定する一方、上記支持台13を複数台のガス吹付装置14,14,14の並設方向に往復動可能に支持する支持台移動装置50を設けた点に特徴がある。これ以外の構成は、図3で示す膜形成装置11の構成とほぼ同一である。また、図示しない容器に全体が収納されていて、外部空気から遮断されて同装置は空気に晒されてない。
すなわち、この膜形成装置11Aは、基台51上に昇降台52を、複数のねじ53,53,…等により上下方向に調節可能に配設している。この調節はモータ駆動させることは自由に機械設計できる。昇降台52上には、移動ねじ54の軸方向両端部を回転可能に支持する一対の軸受55,55と、移動ねじ54をその軸心周りに回転させるモータ56と、を配設している。
一方、支持台13の図6中下面には、左右一対の支持脚13c,13dを突設し、これら支持脚13c,13dには、移動ねじ54に噛み合うねじ孔を形成する。この移動ねじ54の回転により支持台13は左右に移動する。支持台13が回転しないように回転を規制する図示しないスライド機構を設けている。移動ねじと噛み合う支持脚は一つであっても良い。
したがって、この支持台移動装置50により支持台13を、複数台のガス吹付装置14,14,14の並設方向に順次移動させ、または適宜往復動させることにより、これらガス吹付装置14,14,14を通過する毎に基板表面12a上に形成される膜の厚さを増加させることができる。または、各ガス吹付装置14に導入する高温ガスやその温度、膜形成用のガスの種類やその組合せを適宜変えることにより、基板表面12a上に複数種類の膜を形成し、または複数の膜を積層し、あるいはアニール等の熱処理を施すことができる。
図7(A),(B),(C)は上記図6で示す膜形成装置11Aにおいて、複数台のガス吹付装置14,14,14の配置列を示す第3の実施形態の平面模式図である。図7(A)は複数のガス吹付装置14,14,14を基板12の図中矢印で示す基板12の移動方向に所要の間隔を置いて1列状に並設している点に特徴があり、これ以外は図6で示す膜形成装置11Aと同一の構成である。
なお、これらガス吹付装置14,14,14は、その基板表面12aに対向する対向面の幅方向長さ(図7(A)では縦方向長さ)が基板12の短手方向の長さ(図7(A)では縦方向長さ)よりも長い場合に好適である。
図7(B)は複数のガス吹付装置14,14,14を、基板12の長手方向、すなわち、図中矢印で示す移動方向に対して斜め方向に配設した点に特徴がある。
この斜め配列によれば、各ガス吹付装置14の幅方向長さ(図7(B)では縦方向長さ)が基板12の図中縦方向長さよりも短いときに、これらがス吹付装置14,14,14により基板12の短手方向長さのほぼ全域に膜を形成することができる。
また、大型の基板12に1直線状に高温部を形成すると基板12が反る場合があるのでガス吹付装置14の配置を分割して配設するのが望ましい。
図7(C)はガス吹付装置14の長さ(図では縦方向の長さ)が基板12の図中縦方向(短手方向)の長さよりも短い場合に、これら複数のガス吹付装置14,14,14,14を基板12の図中縦方向に複数列(例えば2列)で千鳥状に配設した点に特徴がある。この千鳥配列によれば、図中左端のガス吹付装置14から右端のガス吹付装置14までの幅寸法Wを短くすることができる。このために、これらガス吹付装置14,14,14,14を外ケーシング(図示省略)により収容する場合に、その外ケーシングの幅寸法Wを短くし、小形化を図ることができる。また、これらガス吹付装置14,14,14,14を図示しないガスケーシング内に収容する場合は、これらガス吹付装置14,14,14,14から吹き出されたガスが基板表面12aで反射する等により外側方へ拡散したガスを外ケーシング内に吸気し排気源へ排気するように構成してもよい。
図8は本発明の第4の実施形態に係る膜形成装置11Bの概略構成を示す模式図である。図8に示すように、この膜形成装置11Bは、主に基板表面12a上に予め形成されているアモルファスシリコン膜等の膜をアニール処理等の熱処理をするために構成された点に特徴がある。このために、この膜形成装置11Bは、図3等で示す第1の実施形態に係る膜形成装置11において、堆積性を有する膜形成用の熱分解ガスを導入する第3のガス導入管18cとこれに連通する内側ガス導入管20を削除している点と、加熱装置17の2台を左右に並設して左右一対の加熱装置17a,17bに構成した点とに主な特徴を有する。
したがって、左右一対の加熱装置17a,17bは、図3等で示す加熱装置17とほぼ同様にカーボン中央板24,24をそれぞれ具備しているが、これら左右一対のカーボン中央板24,24同士の間には、これら2枚のカーボン中央板24,24の外側端に添着される1枚のカーボン側板26Bを介在させており、この1枚のカーボン側板26Bにより、2枚のカーボン側板26,26を兼用している点で上記第1の実施形態と相違する。
このために、左右一対の加熱装置17a,17bは、2本の第1ガス導入管15a1,15a1と、2本の第2ガス導入管15a2,15a2の合計4本のガス導入管と、これら4本のガス導入管15a1,15a1、15a2,15a2に連通する4本のガス通路が形成されている。
次に、このように構成された膜形成装置11Bの加熱作用について説明する。
まず、図示しない温度制御装置により加熱用ランプ40へ供給される所要の電力の通電が開始される。このために、加熱用ランプ40の発熱により左右のカーボン中央板24,24と左右一対のカーボン側板25,25,26Bが高温(例えば700〜゜800℃)に加熱され、これら24,25,26Bにより形成された第1,第2の上部ガス導入縦孔29,29、30,30、各左右一対の複数の溝27,27…、28,28…、各第1,第2の下部ガス吹出縦孔31,31,32,32、すなわち、各左右一対で4本の第1,第2のガス通路が加熱される。
このとき、各第1,第2の4本のガス導入管18a,18a、18b,18bから窒素ガスが各加熱装置17a,17bの各左右一対の第1,第2の上部ガス導入縦孔29,29、30,30へ導入される。この窒素ガスは、さらに各左右一対の複数の溝27,27,…、28,28…、第1,第2の下部ガス吹出縦孔31,31、32,32をそれぞれ順次経て、各第1,第2の吹出孔35,35,36,36に至るまでに所要の高温(例えば650℃)にそれぞれ加熱され、さらに、これら各第1,第2の吹出孔35,35,36,36からビーム状にそれぞれ絞られて合流してアパーチャー60aより出る。
これにより、ガラスの基板表面12a上に、予め形成されているアモルファスシリコン等の膜を高温に加熱し、アニールすることができる。
アモルファスシリコンをアニールすることにより、アモルファスシリコン中の水素を追い出し、水素の少ないポリシリコンに変換することが可能である。このようにアニールした膜についてラマン散乱スペクトルを調べたところ、515cm−1付近のピークシフト成分からポリシリコンに変換できるのを確認した。また温度や照射時間の調整により515cm−1より低波数側にピークを観測した。照射前のアモルファスシリコンは480cm−1付近にブロードなピークを示した。すなわち、上記装置11Bにより、基板表面12a上に載せたアモルファス膜を加熱することにより、ラマンシフトスペクトルにピークを持つ膜をアニール基板表面12a上に固着形成できることが確認された。
そして、この膜形成装置11Bは、2台の加熱装置17a,17bを設け、例えば4本の高温ガスを一つのビームに絞って基板表面12aに吹き付けるので、その吹付熱量を増大させることができる。このために、図6,図7に示すように支持台13により基板12を移動させる場合には、高温ガスビームの熱量が増加した分、基板12の加熱処理時間を短縮できる。その結果、基板12を高速で移動できるので、高いスループットが得られる。すなわち、基板12を高速で移動させても、単位時間と単位面積当たりに所要の熱量のガスビームを吹き付けることができるので、スループットを向上させることができる。
そして、4本の高温ガスを1つのビームに絞るために、アパーチャー60aの開口径を2本のガスビームの場合よりも広くするので、2本のときよりもガスビームの吹出し厚が厚くなる。このために、アパーチャー60aの開口径を基準とした高温ガスビーム広がりの出口からの距離は相対的に遠くすることができる。また、高温ガスビームの広がりと高温ガスビーム温度は対応しているので、2本の高温ガスを一つのビームに絞ったときに比べて、同じ温度のガスビームが得られる位置は遠くなる。このために、基板12とアパーチャー6aとの微小間隔を大きくできるので、基板12の保持と移動の機構設計の精度に余裕を与えることができる。この余裕は膜形成装置11Bを設計製造するときの大きな利点である。
なお、上記各実施形態では、加熱用の高温ガスとして窒素ガスを使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。複数種類のガスを適宜組み合せてもよく、ガス温度も適宜選定できる。さらに、上記膜形成装置11Bでは4本の高温ガスを合流させて1本のガスビームに絞る場合について説明したが、この高温ガスの本数は3本や5本以上でもよく、2本以上であればよい。
さらに、上記膜形成装置11Bでは、基板表面12a上に既に形成されているアモルファスシリコン等の膜を加熱してアニールする熱処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば上記図3等で示す膜形成装置11のように、基板表面12a上にシリコン薄膜等の膜を形成するように構成してもよい。またアモルファスシリコン以外にも、塗布やスプレーで基板に形成した材料を加熱焼成処理することが可能である。例えば、ガラス基板や金属シートに塗布したZnO膜や塗布したSnO2、塗布したCuInSeなどのカルコパイアライト結晶材料、塗布したポリマーなどを加熱処理するのに使用できる。
そして、上記膜形成装置11によれば、ガラス基板やプラスチクス基板、金属シート基板表面12a上にポリシリコン薄膜や絶縁膜、導電膜、等を安価に形成し、形成させることができるので、薄膜トランジスタ等のデバイスをガラス基板や樹脂基板の表面12a上に直接製造することができる。また、基板表面12a上で異なる組成の膜を連続成長させて、傾斜組成や積層の薄膜を成長させることにより、太陽光のスペクトルを有効に利用できる傾斜組成薄膜や異種接合を用いた太陽電池のデバイスを安価に製造することも可能である。なお、上記各実施形態では、カーボン中央板24やカーボン側板25,26,26Aをカーボンにより形成した場合について説明したが、酸化されないセラミクス製にすることにより酸素の導入も可能である。また、カーボンや金属でそれらを形成したとき、誘導コイルを用いた誘導加熱が直接通電加熱が可能である。またガスをアパーチャー内で反応させて高温ガスにするガスの組み合わせも可能である。
以上、ガスを短時間で広い温度領域で安定に加熱できる加熱装置の実施例を述べた。ガスの代わりに他の流体、水や油でも本小型装置で短時間に加熱できる。そのときは、交換される熱量に応じて加熱電力は設計する必要がある。薄い停滞層を実現する熱交換は加熱だけでなく冷却にも応用できる。
本発明は基板よりも高い温度で膜形成する大型基板を用いる太陽電池装置やフラットパネル表示装置の製造装置の提供を容易にさせる。
1 基板
1a 基板表面
1b 基板裏面
2a 高温ガスビーム
2b 高温ガス
2c 高温ガス
3 ガス吹付装置
3a 吹出孔
4 支持台
4a 熱媒体
4b 真空チャック溝
5 停滞層
6 高温ガスルーム
7 堆積性のガス(シランガス)
9 合流用ヘッダ
9a 合流用ヘッダのアパーチャ(吹出口)
10 高温ガスビーム
11,11A,11B 膜形成装置
12 基板
12a 基板表面
12b 基板裏面
13 支持台
13a 支持台表面
13b 真空チャック吸着用の複数の溝
13c 熱媒体
14 ガス吹付装置
15 外ケーシング
16 内ケーシング
17,17a,17b 加熱装置
18a 第1のガス導入口
18b 第2のガス導入口
18c 第3のガス導入口
19 電力線
20 第3の内側ガス導入管
21,22 一対の排気管
23 排気空間
24 カーボン中央板
25,26 左右一対のカーボン側板
27,28 左右一対の溝
27a,28a 左右一対の上部溝
29 第1の上部ガス導入縦孔
30 第2の上部ガス導入縦孔
31 第1の下部ガス吹出縦孔
32 第2の下部ガス吹出縦孔
35 第1のガス吹出孔
36 第2のガス吹出孔
37 第3のガス吹出孔
39 加熱用ランプ挿入孔
40 加熱用ランプ
41 温度センサ
42 高温領域
50 移動装置
51 基台
52 昇降台
53 ネジ
54 移動ネジ
55 軸受
56 モータ
60 合流用ヘッダ
60a 合流用ヘッダのアパーチャー(吹出口)

Claims (7)

  1. 板の側面にて外側に向けて開口し一方向に長い横溝を所要の間隔を置いて板の他の一方向に複数段に並べて形成してあり、隣合う当該横溝をそれに垂直な複数の縦溝で連通させつなげてあり、当該側面に側板を気密に押し当てることにより一方の端にある横溝に導入された流体が当該横溝と当該縦溝を経由して他の端にある横溝まで流れる流路が形成され、当該板に導入した流体が当該流路の壁と垂直に衝突することにより熱交換を行い、当該板の他の端の吹き出し孔から流体が吹き出されることを特徴とする流体装置。
  2. 前記流路が板の両面に形成された請求項1記載の装置。
  3. 前記流体が水素、アルゴン、窒素、酸素、ヘリュームの元素を含むガスであることを特徴とする請求項1、2記載の装置。
  4. 前記板がカーボンやセラミクス、金属またはこれらの組み合わせた材料で構成されたことを特徴とする請求項1ないし3記載の装置。
  5. 前記排出孔が細い長方形の孔、または円形の孔、またはそれら孔を直線状、曲線上、環状に複数配置した孔、または環状の孔であることを特徴とする請求項1ないし4記載の装置。
  6. 前記板が断熱材で外部ケースと断熱されていることを特徴とする請求項1ないし5記載の装置。
  7. 前記板を加熱する場合、ランプ加熱、高周波誘導加熱、通電加熱のいずれか、またはこれらの組み合わせである請求項1ないし6記載の装置。
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