JP2013159545A - 基板処理装置及び太陽電池用基板の製造方法 - Google Patents

基板処理装置及び太陽電池用基板の製造方法 Download PDF

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光浩 平野
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Abstract

【課題】反応室内に収容した複数の基板を、温度を均一に保持しながら短時間で加熱することのできる基板処理装置を提供する。
【解決手段】複数のガラス基板を、各基板の基板面がそれぞれ対向するように並べて収容する反応室と、前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給部と、前記反応室内の雰囲気を排気する排気部と、前記反応室内に収容される前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に設けられた加熱部と、前記反応室内に設けられ、前記反応室内の雰囲気を循環させるファンとから、基板処理装置を構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、処理用ガスを加熱して基板上に薄膜を形成する基板処理技術に関し、例えば、液晶パネルや太陽電池パネル等の基板の製造において処理用ガスを加熱し、太陽電池の光吸収層等をガラス基板上に形成するための基板処理装置や、太陽電池用基板の製造方法に関する。
例えば、セレン化物系CIS太陽電池は、ガラス基板上に、金属裏面電極層、CIS系光吸収層、高抵抗バッファ層、窓層が順に積層される構造を有する。CIS系光吸収層は、銅(Cu)/ガリウム(Ga)、Cu/インジウム(In)、若しくは、Cu−Ga/Inのいずれか一つの積層構造をセレン化することにより形成される。このように、セレン化物系CIS太陽電池は、シリコン(Si)を用いずに形成できるため、基板を薄くできると共に製造コストを下げることができるという特徴を有する。
ここで、従来例におけるセレン化を行う基板処理装置の構造について説明する。下記の特許文献1に記載されたセレン化装置は、円筒状の石英チャンバーをその長軸が水平方向となるよう配置し、該石英チャンバーの外側にヒータを配置し、複数の平板状の対象物(長方形のガラス基板)を、石英チャンバー内に配置し、反応ガスを導入しながらヒータで加熱することにより、対象物のセレン化を行っている。そのとき、石英チャンバー内において、複数のガラス基板は、互いに一定の間隔を設けて平行かつその板面を垂直にして、ホルダーに収容されている。また、ファンを石英チャンバーの軸方向の端部に設けることにより、石英チャンバー内の反応ガスをガラス基板に対して水平方向に対流させ、ガラス基板上の温度分布の均一化を行っている。
特開2006−186114号公報
特許文献1に記載されるように、基板処理能力を上げるためには、反応室に載置するガラス基板の枚数をできる限り多くする必要があり、ホルダーに収容するガラス基板の間隔を小さくして詰め込むことになる。しかしながら、ガラス基板は熱伝導率が小さいため、特許文献1のように石英チャンバーの外側にのみヒータを配置した場合は、ガラス基板を加熱するための熱源が反応室の外に設けてあるので、反応室壁の石英の肉厚が厚いため効率的にガスを加熱することができない。また、ヒータからの熱の流れは反応室壁を介して行われるので、石英のように熱伝導率の低い材料の反応室壁の場合は、効率的にガスを加熱することができない。また、加熱源である反応室壁とガラス基板の距離が離れているためガラス基板を効率的に加熱することが難しい。
また、特許文献1の技術のように、反応ガスを対流させ該反応ガスの熱を伝達することでガラス基板を加熱する場合は、ガスの流れの方向に沿って温度分布が生じるので、ガラス基板を均一に加熱することが難しい。また、ファンによる送風を行う場合、ガスの流れに垂直な方向に速度分布が生じるので、これも温度分布が生じる原因となる。また、ガスの熱伝導によるガラス基板の昇温には時間がかかる。
したがって、特許文献1の技術では、ホルダー内の複数のガラス基板の温度を均一に保持しながら短時間で加熱することが難しい。そうかといって、ヒータに大きな電力を投入して急速に加熱すると、ガラス基板内の温度差が大きくなり破損してしまう。
上述した課題を解決するための、本発明の基板処理装置の代表的な構成は次のとおりである。すなわち、
複数のガラス基板を、各基板の基板面がそれぞれ対向するように並べて収容する反応室と、
前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給部と、
前記反応室内の雰囲気を排気する排気部と、
前記反応室内に収容される前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に設けられた加熱部と、
前記反応室内に設けられ、前記反応室内の雰囲気を循環させるファンと、
を備える基板処理装置。
また、本発明の太陽電池基板の製造方法の代表的な構成は次のとおりである。
複数のガラス基板と前記複数のガラス基板を加熱するための加熱部を反応室内へ収容する収容工程と、
前記複数のガラス基板を各基板の基板面がそれぞれ対向するように配置し、前記加熱部を前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に配置する配置工程と、
前記複数のガラス基板と前記加熱部を収容した前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給工程と、
前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に配置した前記加熱部により前記複数のガラス基板を加熱する加熱工程と、
前記反応室内に設けられたファンにより、前記反応室内の雰囲気を循環させる循環工程と、
を備える太陽電池用基板の製造方法。
本発明によれば、反応室内に収容した複数のガラス基板を、温度を均一に保持しながら短時間で加熱することができる。
本発明の第1実施形態に係る反応室の側面断面図である。 図1の紙面左方向から見た反応室の正面断面図である。 本発明の第1実施形態に係る板状ヒータを説明する図である。 図3に示す板状ヒータを収容するボートを説明する図である。 図3に示す板状ヒータを図4に示すボートに収容した図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る反応室の側面断面図である。また、図2は、図1の紙面に向かって左方向から見た反応室の断面図である。第1実施形態においては例として、処理ガスとしてHSe(セレン化水素)を用いて、複数のガラス基板に対しセレン化処理を行うバッチ式の基板処理装置を説明する。
反応室10は、一端が閉塞し他端が開口する中空の円筒形状の反応容器1と、反応容器1の開口端を閉塞する蓋2で構成される。反応容器1と蓋2は、例えば耐腐食性の高いステンレス等の金属材料で形成される。石英で形成することも可能であるが、耐腐食性の高い金属材料とすることで、石英製とするよりも加工が容易となり、反応容器1を大型化することが容易となる。これにより、例えばCIS系太陽電池のセレン化処理を行う基板処理装置に用いられるような大型の反応容器1を容易に製造することが可能となる。反応容器1を大型化すると、反応容器1内に収納できるガラス基板の数を多くすることができ、太陽電池等の製造コストを下げることができる。
反応容器1の開放端にはマニホールド9が取り付けられており、反応容器1とマニホールド9との間、及びマニホールド9と蓋2の間には、シール部材としてのOリング(不図示)が設けられている。マニホールド9は、例えば耐腐食性の高いステンレス等の金属材料で形成される。マニホールド9には、後述する排気管31やガス供給管21が設けられている。基板処理を行う際には、蓋2が、マニホールド9を介して反応容器1の開口端を気密に閉塞し、反応室10内の雰囲気(ガス)を反応室10外の雰囲気と隔離する。
なお、Oリングは、その耐熱温度以下となるよう冷却手段(不図示)により冷却されるが、150℃以下まで冷却すると、その部分に未反応のセレンが凝縮してしまうため、150℃から170℃程度に温度制御するのがよい。
図1に示すように、反応室10内においてガラス基板5の上方には、反応室10内のガスの温度、あるいはガラス基板5の温度を測定するための温度センサ12が設けられている。温度センサ12は、後述する制御部80に電気的に接続されている。なお、温度センサ12の位置は、反応室10内のガラス基板5の近くであれば、他の位置であってもよい。また、温度センサ12は、適宜、複数設けるようにしてもよい。
反応容器1の外部には、外部加熱部としてのヒータ3が、反応容器1の周囲を囲むように設けられ、反応容器1の外部から内部を加熱するようになっている。ヒータ3は、一端が閉塞された円筒形状である。また、蓋2の外側にも、外部加熱部としてのヒータ4が、蓋2を覆うように設けられ、反応容器1の内部を加熱するようになっている。
ヒータ3やヒータ4は、主として熱輻射により反応容器1や蓋2を加熱し、反応容器1や蓋2の熱は、反応容器1内のガスに伝達され、熱せられたガスの対流により、ガラス基板5に伝達される。また、ヒータ3やヒータ4は、反応容器1が石英等の熱線透過材料で形成されている場合は、熱輻射によってもガラス基板5を加熱する。
ヒータ3やヒータ4は、例えばニクロム線等の抵抗加熱ヒータで構成され、後述する制御部80に電気的に接続されており、それぞれ制御部80により加熱の度合いを制御される。
図1及び図2に示すように、電動のファン41は、本実施形態では、反応容器1の上壁を鉛直方向に貫通する回転軸42を介して、反応容器1及びヒータ3の外部に設けたファン駆動部43に接続されている。ファン41は、ファン駆動部43により、回転軸42を介して回転され、これにより、反応室10内の雰囲気は攪拌され、反応室10内を循環する。本実施形態では、反応容器1の上部に3つのファン41が水平方向、つまり後述するガラス基板5の長辺方向に沿って配置され、反応室10内のガスを上部から下部に向けて流す、つまりガラス基板5の短辺方向に沿ってガス流れを形成するようになっている。
なお、ファン41の位置は、ガスの流れがガラス基板5の長辺方向となるように、反応容器1の軸方向の端部に設けてもよい。しかしながら、本実施形態のように、反応容器1の上部に複数のファンをガラス基板5の長辺方向に沿って配置し、ガスの対流をガラス基板5の短辺方向とするほうが望ましい。具体的に述べれば、ガラス基板5を大型化し、ガスを対流させる距離が長くなると、昇降温時のガラス基板5の面内の温度の均一性を保つために、対流するガスの流速を大きくする必要がある。しかし、ガラス基板5の短辺方向にガスを対流させると、ガラス基板5の長辺方向にガスを対流させる場合に比べて、対流させる距離を短くすることができる。その結果、ファンの能力を小さくすることができ、安価に基板処理装置を構成できる。
ファン駆動部43がファン41を回転させることにより、ヒータ3,4や後述する板状ヒータ8等により加熱されたガスを、ガラス基板5の上方から下方に向けて送風し、ガラス基板5を加熱する。ファン41、回転軸42は、耐腐食性の高い例えばステンレス等の金属材料で形成される。
回転軸42と反応容器1の上壁の間において、反応容器1の外側から窒素ガスを流す窒素パージを行うことで、回転軸42への腐食性ガスの接触を抑制する。また、回転軸42と反応容器1の上壁の間において、磁性流体シール(不図示)を用いることにより、回転軸42から反応容器1の外側に処理ガスが漏れない構造とすることもできる。
反応容器1の内部には、銅(Cu)、インジウム(In)、及び、ガリウム(Ga)を含有する金属の積層膜が形成された複数のガラス基板5(例えば、30〜40枚)を支持するボート(基板支持具)6が、ボート6を収容するためのボート容器7内に載置されている。本実施形態では、ガラス基板5は長方形の板である。ここでは、上記積層膜が形成されたガラス基板5の基板面を成膜面と称し、成膜面と反対側の面を非成膜面と称す。
ボート6は、各ガラス基板5の基板面がそれぞれ対向するように、ガラス基板5を複数並べて支持する。本実施形態では図1及び図2に示すように、複数のガラス基板5を立てた状態で横方向に層をなすように並べて支持、言い換えると、基板面が鉛直方向となり、かつ、基板の短辺が鉛直方向となるよう、複数のガラス基板5を水平方向に並べて支持する。
また、図2に示すように、ボート6内には、内部加熱部としての板状ヒータ8が、板状ヒータ8の面が鉛直方向になるように支持されている。詳しくは、2枚のガラス基板5を非成膜面が向き合うように並べ、次に1枚の板状ヒータ8を並べ、次に2枚のガラス基板5を非成膜面が向き合うように並べるように配置、つまり、ガラス基板2枚を1組として、各組の間に1枚の板状ヒータ8を配置し、ガラス基板5の成膜面が板状ヒータ8の面に対向するようにしている。ただし、最も外側にあるガラス基板5の成膜面は、ボート容器7の側壁に対向している。図2の例では、ガラス基板5の8組に対し、各組の間に板状ヒータ8を1枚ずつ配置し、計7枚の板状ヒータ8を配置している。
このとき、ガラス基板5は、その成膜面が、外側になる、つまり板状ヒータ8に対面するように配置されるので、非成膜面が外側になるよう配置する場合に比べ、板状ヒータ8からの熱を受けやすく、ガラス基板5の積層膜の加熱効率をよくすることができる。
また、ガラス基板5のうち、最も外側にあるガラス基板5の成膜面を、ガラス基板5よりも熱伝導率の高いボート容器7の側壁7c,7dに対向させているので、板状ヒータ8の数を節減できるとともに、最も外側にあるガラス基板5の成膜面を加熱できる。
なお、図2の例では、最も外側にあるガラス基板5の外側には板状ヒータ8を配置していないが、最も外側にあるガラス基板5の外側にも板状ヒータ8を配置するよう構成することも可能である。あるいは、図2の例において、最も外側にあるガラス基板5は配置しない構成とすることもできる。
板状ヒータ8の詳細は後述する。
なお、ボート6は、必ずしも基板面や板状ヒータ8の面が鉛直方向となるよう支持しなくてもよく、図2に示すボート6において、ファン41との位置関係や方向を保った状態で基板面や板状ヒータ8の面が水平方向や又は斜め方向となるよう、例えば反応容器1の軸心を回転軸として傾けて支持するようにすることも可能である。
また、ファン41により形成されるガス流が、各ガラス基板5や板状ヒータ8の間の隙間を通過できるように、ボート6の底には、ボート6の外部下方にガス流が通過できる隙間が形成されている。
また、ボート6は、直方体を形成する枠組みで構成され、ガラス基板5や板状ヒータ8と接触する部分には、ガラス基板5や板状ヒータ8を支持する支持部材が設けられている。支持部材は、ボート6を構成する直方体の枠組み下部の2つの短辺と、該枠組み上部の2つの短辺に、計4つ設けられている。各支持部材には、ガラス基板5の端部が勘合する溝が形成されており、該溝内にガラス基板5の端部を挿入することにより、ガラス基板5の位置が所定の位置に定まる。板状ヒータ8は、後述するように、板状ヒータ8のヒータ端子8aを、ボート6のヒータ端子用ソケット6aに挿入することにより、所定の位置に定まる。ボート6の材質は、耐腐食性の高い例えばステンレス等の金属材料や石英である。ボート容器7の材質は、耐腐食性の高い例えばステンレス等の金属材料である。支持部材の材質は、例えば、石英やアルミナである。
ボート容器7は、反応容器1の内部に設置され、上壁7aと奥壁7bと2つの側壁7c,7dとを有する形状をしている。
上壁7aは、ボート6の上部を覆う壁であり、ファン41を配置できるように、略ファン41の大きさの円形の穴が設けられている。
ボート容器7の底部は、ボート6の底を反応容器1の内壁から浮かせた状態で支持しており、また、ボート容器7の底部は、開放されている。これにより、ボート6の底の下方には、ボート6の内部を下方に流れるガス流が通過できる隙間が形成される。
ボート容器7の奥壁7bと反対側(図1における右端)、つまり、反応容器1の開放された一端である蓋2に対する側は開放されており、この開放端から、ボート6をボート容器7内へ挿入、又はボート容器7内から取り出しできる。
奥壁7bは、反応容器1の閉塞された一端に対面するように設けられ、側壁7c,7dは、ボート6の端に配置されたガラス基板5の成膜面に対面するように設けられている。
ボート容器7は、上述の構造により、ファン41により形成されたガス流を、図2の矢印に示すように、ボート容器7内の上部から下部へ流し、ボート容器7内の下部からボート容器7の側壁7c,7dの外側を上方に流し、ボート容器7の上方から、ファン41によりボート容器7内の上部へ送り込み、循環させるようになっている。
ファン41の回転により、反応室10内における複数のガラス基板5の間や、ガラス基板5と板状ヒータ8の間において、ガラス基板5の短辺方向(鉛直方向)のガスの流れが形成され、ヒータ3や板状ヒータ8で加熱されたガスが、強制的に下降させられるので、ガラス基板5を効率よく均一に加熱することができる。このように、ガスの流れる方向をガラス基板5の短辺方向にすることで、ガスの流れる方向をガラス基板5の長辺方向にする場合に比べてガス流路のコンダクタンスが大きくなる(抵抗が小さくなる)ため、ガス流速を増大させることが可能で、ガラス基板5の面内の温度を均一化することが容易となり、ガラス基板を大型化することが可能となる。
板状ヒータ8は、例えば耐食性の高いステンレス製の板の中に複数のシースヒータを内蔵させ、例えばガラス基板5と同じ形状で同じ大きさ(面積)の長方形の板状、あるいは、ガラス基板5の全表面を覆う形状を有するとともにガラス基板5より大きい長方形の板状に形成されている。ガラス基板5と同じ形状と大きさにすると、ボート6への収納が行い易くなるので好ましく、また、ガラス基板5以上の大きさにすると、ガラス基板5の全面に亘って加熱し易くなるので、好ましい。また、板状ヒータ8は、反応容器1の外部に設けた外部電源と接続され、該外部電源から電力を供給される。板状ヒータ8と外部電源の接続構造は後述する。
板状ヒータ8は、ガラス基板5との間の距離が、約5mm程度に設定され、主として熱輻射によりガラス基板5を加熱する。また、1組のガラス基板5の間の距離は、約10mm程度に設定され、最も外側にあるガラス基板5とボート容器7の側壁7c,7dとの間の距離は、約10mm程度に設定されている。
また、各板状ヒータ8は、それぞれ、加熱ブロックを複数有し、該複数の加熱ブロックは、それぞれ、制御部80により加熱の度合いを独立して制御される。本実施形態では、各板状ヒータ8は、それぞれ、その短辺方向に2つ、長辺方向に3つ、つまり、ファン41によるガス流れ方向に2つ、該ガス流れ方向と垂直方向に3つ、計6つの加熱ブロックを有し、この計6つの加熱ブロックは、それぞれ、制御部80により加熱の度合いを独立して制御されるようになっている。
したがって、例えば、反応容器1の上部や閉塞端側(蓋2と反対側)に位置する部分のガラス基板5の温度が高くなるような場合、ガラス基板5の6つの加熱ブロックのうち、上部や閉塞端側の加熱ブロックの加熱度合いを小さくし、それらの加熱ブロックからの熱輻射を小さくすることにより、ガラス基板5面内の温度を均一にすることが可能となる。
このように、板状ヒータ8をガラス基板5の間に配置することにより、熱輻射を熱供給方法としてガラス基板5を直接的に加熱することもできるので、反応容器1外部のヒータのみによりガスの熱伝達を主な熱供給方法としてガラス基板5を間接的に加熱する場合に比べ、ガラス基板5面内の温度を均一に制御することが容易となる。
次に、板状ヒータ8に電力を供給する外部電源と、板状ヒータ8との間の接続構造について、図3ないし図5を用いて説明する。図3は、第1実施形態に係る板状ヒータを説明する図であり、図3(a)は、図1と同方向から見た側面図であり、図3(b)は、図2と同方向から見た正面図である。図4は、図3に示す板状ヒータを収容するボートを説明する図であり、図4(a)は、図1と同方向から見た側面図であり、図4(c)は、図4(a)の上面から見た上面図であり、図4(b)は、図2と同方向から見た正面図である。図5は、図3に示す板状ヒータを図4に示すボートに収容した図であり、図2と同方向から見た正面図である。なお、図2の例では板状ヒータの間に2枚のガラス基板が配置されているが、図5の例では、1枚のガラス基板が配置されている。
板状ヒータ8の構造を説明する。
図3(a)に示すように、板状ヒータ8の下辺には、ヒータ端子8aが2箇所設けられている。ヒータ端子8aは、板状ヒータ8の内部の抵抗ヒータに接続されており、板状ヒータ8の外部からヒータ端子8aを介して、板状ヒータ8の内部の抵抗ヒータに電力が供給されるようになっている。
なお、1つのヒータ端子8aに、入出力用の複数の端子を内蔵させることで、板状ヒータ8のヒータ端子8aを1箇所とすることも可能である。また、1枚の板状ヒータ8の内部に複数の加熱ブロックを有する場合も、1つのヒータ端子8aに入出力用の複数の端子を内蔵させることで、上記複数の加熱ブロックに電力を供給するヒータ端子8aを、上記複数の加熱ブロック数よりも少ない数、例えば1箇所とすることも可能である。
ボート6の構造を説明する。
図4に示すように、ボート6の底部には、ヒータ端子8aが挿入されるヒータ端子用ソケット6aが、8枚分の板状ヒータ8の数、つまり16個設けられている。ヒータ端子用ソケット6aは、例えば樹脂により、ボート6の底部に固定される。
図4(a)に示すように、ヒータ端子用ソケット6aの下方には、ボート端子6bが、2箇所設けられている。各ボート端子6bは、それぞれ、16個のヒータ端子用ソケット6aのうち、その半分の8個のヒータ端子用ソケット6aに対応するようになっている。図4(b)に示すように、1つのボート端子6bと、8つのヒータ端子用ソケット6aとの間は、それぞれ、ボート内配線6cで接続されている。他のボート端子6bも同様に、8つのヒータ端子用ソケット6aとの間が、ボート内配線6cで接続されている。
かくして、2箇所のボート端子6bにより、ボート6に収容される8枚の板状ヒータ8へ電力が供給されるようになっている。
外部電源からボート6への接続構造を説明する。
図5に示すように、ガラス基板5と板状ヒータ8が収容されたボート6が、ボート容器7に載置される。図5の例では、9枚のガラス基板5と8枚の板状ヒータ8が、ボート6に収容されている。各板状ヒータ8底部のヒータ端子8aは、それぞれ、対応するボート6のヒータ端子用ソケット6aに挿入されている。各ヒータ端子用ソケット6aは、ボート内配線6cにより、ボート端子6bと接続されている。ボート端子6bは、ボート容器7のボート端子用ソケット7bに挿入されている。ボート端子用ソケット7bは、ボート外配線7cにより、反応容器1の側壁に設けられた貫通穴を通り、外部電源と接続されている。反応容器1の貫通穴は、気密シールを施すことで、反応室10内を気密に保つようにしている。
次に、ガス供給部と排気部を説明する。
図1に示すように、マニホールド9に、処理ガスを反応室10内へ供給するガス供給管21が設けられている。ガス供給管21は、その上流で、処理ガス供給管21aと不活性ガス供給管21bに分岐している。処理ガス供給管21aには、ガス流れの上流から順に、処理ガスを供給する処理ガス供給源24a、流量制御装置としてのMFC(マスフローコントローラ)23a、及び開閉バルブ22aが設けられている。不活性ガス供給管21bには、ガス流れの上流から順に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源24b、MFC23b、及び開閉バルブ22bが設けられている。
本実施形態では、処理ガスとして、セレン元素含有ガス(セレン化源)としての水素化セレン(以下、「HSe」)が用いられ、不活性ガスとして窒素(N)ガスが用いられる。窒素ガスの代わりに、アルゴン(Ar)ガス等を用いることもできる。
また、マニホールド9のガス供給管21とは異なる位置に、反応室10内の雰囲気を反応室10外へ排気する排気管31が設けられている。排気管31には、ガス流れの上流側から順に、圧力調整バルブ32と、排気装置としての真空ポンプ33とが設けられており、圧力調整バルブ32の開度を調整することで、反応容器1内の圧力が所定の値に調整される。
主に、ガス供給管21、処理ガス供給管21a、開閉バルブ22a、MFC23a、処理ガス供給源24aから処理ガス供給部が構成され、ガス供給管21、不活性ガス供給管21b、開閉バルブ22b、MFC23b、不活性ガス供給源24bから不活性ガス供給部が構成され、処理ガス供給部と不活性ガス供給部からガス供給部が構成され、排気管31、圧力調整バルブ32、真空ポンプ33から排気部が構成される。
MFC23a,23bと、開閉バルブ22a,22bと、圧力調整バルブ32は、後述する制御部80に電気的に接続されている。制御部80は、反応室10内へ流す処理ガスや不活性ガスの流量が所定のタイミングにて所定の流量となるよう、また、反応室10内の圧力が所定のタイミングにて所定の圧力となるよう、MFC23a,23bと開閉バルブ22a,22bと,圧力調整バルブ32とを制御する。
制御部80は、図示しない操作部、表示部、入出力部等を備えていて、基板処理装置の各構成部に電気的に接続されており、各構成部を制御する。制御部80は、レシピ(成膜プロセス等の制御シーケンス)に基づき、ヒータ3,4や板状ヒータ8の温度制御、ファン41の回転数制御、反応室10内への処理ガスや不活性ガスの流量制御、開閉バルブの開閉制御、圧力調整バルブ32の開度制御、および反応室10内への基板搬入等の機械駆動制御等を行う。また、制御部80は、ハードウェア構成として、CPU(中央演算ユニット)と、CPUの動作プログラムやレシピ等を格納するメモリとを備えるものである。
次に、本実施形態の基板処理装置を用いて行う、CIS系太陽電池の製造方法の一部である基板の製造方法、つまり太陽電池用基板の製造方法について説明する。この製造方法の各工程は、制御部80により制御される。
(基板搬入工程)
まず、銅(Cu)、インジウム(In)、及び、ガリウム(Ga)を含有する積層膜が形成された30枚から40枚のガラス基板を、予め板状ヒータ8が所定の位置に搭載済みであるボート6内に搭載する。このとき、2枚からなるガラス基板5の各組を、板状ヒータ8の間に配置し、また、ガラス基板の成膜面が板状ヒータ8の面に対向するようにする。次に、反応室10内が常温かつ大気圧の状態で、ボート6を反応室10内に設置されたボート容器7内の所定の位置まで搬入する。次に、蓋2を閉じて反応室10を密閉する。
(置換工程)
反応室10を密閉後、開閉バルブ22bを開け、圧力調整バルブ32の開度を調整して、不活性ガス供給管21bを介してガス供給管21から反応室10内へ窒素ガス等の不活性ガスを供給し、反応室10内の大気を不活性ガスで置換する。
このとき例えば、(1)反応室10を密閉後、圧力調整バルブ32を開き、開閉バルブ22a,22bを閉じ、(2)次に、真空ポンプ33で反応室10内の大気を排気し、所定の圧力に到達した後、圧力調整バルブ32を閉じ、(3)次に、開閉バルブ22bを開いて反応室10内にNガスを導入する工程、つまり、上記の(1)〜(3)の工程を、少なくとも一度以上行うことで、置換時間を短縮することができる。
(昇温工程)
不活性ガスで反応室10内の雰囲気を置換した後、圧力調整バルブ32の開度を調整し開閉バルブ22bを閉じたほぼ大気圧状態で、ヒータ3,4や板状ヒータ8に通電して加熱し、反応室10内の不活性ガスを所定の温度まで、例えば400〜550℃まで、望ましくは450℃〜550℃まで、毎分3〜50℃で昇温する。このとき、ファン41を動作させ、ボート容器7内の雰囲気をガラス基板5の短辺方向(鉛直方向)下方に流動させ、反応室10内の雰囲気が均一な温度となるよう、反応室10内の雰囲気を循環させる。
ガラス基板5は基板内の温度差が大きくなると破損するため、昇温工程において、基板内の温度差が大きくならないようにする。具体的には、制御部80は、温度センサ12の検出温度に基づき、ヒータ3,4の加熱度合いを制御することにより反応室壁の昇温速度を調節し、また、ガラス基板間に送風する不活性ガスの流量や速度を適切な値に調節し、さらに、板状ヒータ8の各加熱ブロックの加熱度合いを制御することにより板状ヒータ8からの輻射熱を適切な値に調節する。こうして、ガラス基板5の面内温度分布が所定の範囲内に収まるよう、ガラス基板5を加熱する。
また、反応室10の昇温中やガスの供給中は、反応室10内の圧力が必要以上に高くならないように排気して適性範囲を維持するよう制御する。
(処理工程)
上記昇温した温度を維持した状態で、圧力調整バルブ32の開度を調整し、開閉バルブ22a,22bを開放し、MFC23a,23bにより流量を調節して、不活性ガスにて1〜20%(望ましくは、2〜10%)に希釈したHSeガス等のセレン化源をガス供給管21から導入する。次に、圧力調整バルブ32を閉じて上記セレン化源を封じ込めた状態、若しくは、圧力調整バルブ32の開度を調整し排気管31から一定量排気することにより上記セレン化源を一定量フローさせた状態で、大気圧よりも微減圧の略大気圧下で10〜180分間、望ましくは、20〜120分間支持することにより、セレン化処理が行われ、CIS系太陽電池の光吸収層が形成される。
(降温工程)
その後、開閉バルブ22aを閉じ、開閉バルブ22bを開け、圧力調整バルブ32の開度を調整し、ガス供給管21から反応室10内へ不活性ガスを供給し、反応室10内の雰囲気を不活性ガスに置換するとともに、反応室10内へ供給する不活性ガスにより、ガラス基板5や反応室10内を所定温度まで降温する。置換は、不活性ガスの供給を停止した状態で反応室10内のガスをほぼ排気して減圧した後、不活性ガスを供給して反応室10内をほぼ大気圧にする工程を、少なくとも一度以上行うことで、置換時間を短縮することができる
降温工程においても、昇温工程と同様に、ガラス基板5は基板内の温度差が大きくなると破損するため、該温度差が大きくならないようにする。具体的には、制御部80は、温度センサ12の検出温度に基づき、ガラス基板間に送風する不活性ガスの流量を適切な値に調節するとともに、ヒータ3,4や板状ヒータ8の加熱度合いを調節し、ガラス基板5を降温する。このとき、適宜、板状ヒータ8の各加熱ブロックの加熱度合いを制御することにより板状ヒータ8からの輻射熱を適切な値に調節して、ガラス基板5の面内温度分布が所定の範囲内に収まるようにする。
(搬出工程)
反応室10内を所定温度まで降温し、反応室10内の処理ガスの濃度が十分に下がったことを残留ガス濃度計等で確認した後、蓋2を開けて、大気圧状態の反応室10を開放し、反応室10からボート6を搬出する。ボート6に収容したガラス基板5を取り出して処理が終了する。
第1実施形態によれば、少なくとも次の(1)〜(8)の効果を得ることができる。
(1)反応室内に内部加熱部を設けているので、反応室外に外部加熱部のみを設ける場合と比較して、より近くから加熱できるため、ガラス基板の加熱効率を高めることができ、ガラス基板の昇温時間を短縮できる。
(2)内部加熱部を、複数配置されたガラス基板の間に配置することにより、輻射熱でガラス基板を加熱できるので、より直接的に加熱できるため、よりガラス基板の昇温時間を短縮でき、また、よりガラス基板を均一に加熱することができる。
(3)上記(2)の内部加熱部を板状ヒータで構成することにより、ボートへ多くのガラス基板を収容でき、また、よりガラス基板を均一に加熱することができる。
(4)上記(3)の板状ヒータは、反応室内のガスの流れ方向、又は該ガス流れと垂直な方向に、それぞれ独立に加熱度合いを制御可能であるので、ガラス基板の温度分布の改善が容易になる。
(5)ファンをガラス基板の長辺方向に沿って複数配置するので、反応室内のガスの流れ方向を、ガラス基板の短辺方向とすることができ、ガラス基板を効率よく加熱することができる。
(6)上記(3)の板状ヒータを、2枚からなるガラス基板の組と組の間に配置し、ガラス基板の成膜面が板状ヒータの面に対向するようにしているので、ガラス基板の成膜面を効率よく加熱することができる。
(7)上記(6)のガラス基板のうち、最も外側にあるガラス基板の成膜面を、ガラス基板よりも熱伝導率の高いボート容器の側壁に対向させているので、板状ヒータの数を節減できるとともに、最も外側にあるガラス基板の成膜面を加熱できる。
(8)上記(3)の板状ヒータを、ガラス基板と同じ形状で同じ大きさとしているので、板状ヒータをボートに搭載することが容易となる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、複数のガラス基板5の間に、それ自身が発熱する板状ヒータ8を加熱源として配置したが、板状ヒータ8の代わりに、ガラス基板よりも熱伝導率の高い材料で形成された板状部材を加熱源として配置する第2実施形態も可能である。この板状部材は、外部電源から供給されるエネルギーにより発熱するヒータ機能はなく、例えば、板状ヒータ8と同程度の大きさを有する形状である。第2実施形態において、板状ヒータを板状部材に置き換える点以外は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態の板状部材は、ガラス基板5と同様に、ボート6の支持部材に形成された溝に、板状部材の端部を挿入することにより、板状部材を所定の位置に載置することができる。また、第2実施形態の板状部材は、第1実施形態の板状ヒータ8と同様に、例えばガラス基板5と同じ形状で同じ大きさの長方形の板状、あるいは、ガラス基板5の全表面を覆うとともにガラス基板5より大きい長方形の板状に形成される。ガラス基板5と同じ大きさにすると、ボート6への収納が行い易くなるので好ましく、また、ガラス基板5以上の大きさにすると、ガラス基板5の全面に亘って加熱し易くなるので、好ましい。
第2実施形態の板状部材は、例えばカーボン、SiC、多結晶シリコンなどで構成される。第2実施形態の板状部材は、ガラス基板よりも熱伝導率が高いため、反応室内の加熱されたガスから熱を吸収し、該吸収した熱を放射して、ガラス基板を急速に加熱することができる。そのため、第2実施形態において、ガラス基板は、反応容器内を循環するガスによる熱伝達以外に、板状部材からの熱輻射でも加熱される。第2実施形態においても、板状ヒータや熱伝導率の高い板状部材を配置しない場合に比べ、ガラス基板の加熱効率を向上することができ、また、ガラス基板面内の温度均一性を向上することができる。
第2実施形態によれば、第1実施形態における効果に加え、少なくとも次の(9)の効果を得ることができる。
(9)第1実施形態の内部加熱部を、反応室外部から供給される電力により加熱されない板状部材であって、ガラス基板よりも熱伝導率の高い板状部材で構成することにより、内部加熱部を板状ヒータで構成する場合に比べ、簡単な構成でガラス基板を均一に加熱することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)が形成された複数のガラス基板をセレン化処理することについて説明したが、これに限らず、銅(Cu)/インジウム(In)や銅(Cu)/ガリウム(Ga)等が形成された複数のガラス基板をセレン化処理するようにすることも可能である。
また、上述の実施形態では、金属材料との反応性の高いセレン化について言及したが、CIS系太陽電池では、セレン化処理に変えて、若しくは、セレン化処理の後に硫黄元素含有ガスを供給し硫化処理を行う場合もある。その際も、本実施形態の反応室を用いることができる。さらに、セレン化処理や硫化処理以外の処理に対しても適用可能である。
また、上述の実施形態では、ガラス基板を、基板面及び基板の短辺が垂直となるよう水平方向に複数並べてボート上に支持したが、基板面及び基板の短辺が垂直となるよう支持しなくてもよく、水平や又は斜めとなるよう支持することも可能である。
また、上述の実施形態では、ファンをガラス基板の上方に配置したが、ガラス基板の下方に配置、又はガラス基板の上下両方に配置、あるいは、背景技術のように横に配置することもできる。
また、上述の実施形態では、処理がガラス基板に施される場合について説明したが、ガラス基板のように熱伝導率の低い基板であれば、ガラス基板以外の基板に対しても有為に適用可能である。
また、上述の第1実施形態では、板状ヒータのほかに、反応容器や蓋の周囲にも外部ヒータを設けたが、処理内容によっては、外部ヒータを設けず、板状ヒータのみで構成することも可能である。
本明細書の記載には、少なくとも次の構成が含まれる。すなわち、
第1の構成は、
複数のガラス基板を、各基板の基板面がそれぞれ対向するように並べて収容する反応室と、
前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給部と、
前記反応室内の雰囲気を排気する排気部と、
前記反応室内に収容される前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に設けられた加熱部と、
前記反応室内に設けられ、前記反応室内の雰囲気を循環させるファンと、
を備える基板処理装置。
第2の構成は、第1の構成における基板処理装置であって、
前記加熱部は、前記反応室外部から供給される電力により加熱される板状ヒータである基板処理装置。
第3の構成は、第2の構成における基板処理装置であって、
前記板状ヒータは、前記ファンにより形成される前記反応室内の雰囲気の流れ方向、又は、該雰囲気の流れ方向と垂直な方向における加熱度合いを変えることができる基板処理装置。
第4の構成は、第1の構成における基板処理装置であって、
前記加熱部は、前記反応室外部から供給される電力により加熱されない板状部材であって、前記ガラス基板よりも熱伝導率の高い板状部材である基板処理装置。
第5の構成は、第1の構成ないし第4の構成における基板処理装置であって、
前記ファンは、前記複数の基板間の雰囲気を、前記複数の基板の短辺方向に流動させる基板処理装置。
第6の構成は、第1の構成ないし第5の構成における基板処理装置であって、
前記ファンは、前記基板の長辺方向に沿って複数配置される基板処理装置。
第7の構成は、第1の構成ないし第6の構成における基板処理装置であって、
前記加熱部は、前記ガラス基板と同じ形状及び同じ大きさである基板処理装置。
第8の構成は、第1の構成ないし第7の構成における基板処理装置であって、
前記加熱部は、2枚からなる前記ガラス基板の組と組の間に配置されるとともに、前記ガラス基板の成膜面に対向するように配置される基板処理装置。
第9の構成は、第1の構成ないし第6の構成における基板処理装置であって、
前記ガラス基板上に、銅、インジウム、ガリウムを含む金属膜が形成されており、前記処理ガスがセレン化水素である基板処理装置。
第10の構成は、
複数のガラス基板と前記複数のガラス基板を加熱するための加熱部を反応室内へ収容する収容工程と、
前記複数のガラス基板を各基板の基板面がそれぞれ対向するように配置し、前記加熱部を前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に配置する配置工程と、
前記複数のガラス基板と前記加熱部を収容した前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給工程と、
前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に配置した前記加熱部により前記複数のガラス基板を加熱する加熱工程と、
前記反応室内に設けられたファンにより、前記反応室内の雰囲気を循環させる循環工程と、
を備える太陽電池用基板の製造方法。
なお、上記収容工程と配置工程は、どちらを先に実施しても構わない。
1…反応容器、2…蓋、3…ヒータ、4…ヒータ、5…ガラス基板、6…ボート、6a…ヒータ端子用ソケット、6b…ボート端子、6c…ボート内配線、7…ボート容器、7b…ボート端子用ソケット、7c…ボート外配線、8…板状ヒータ、8a…ヒータ端子、9…マニホールド、10…反応室、12…温度センサ、21…ガス供給管、21a…処理ガス供給管、21b…不活性ガス供給管、22a…開閉バルブ、22b…開閉バルブ、23a…MFC、23b…MFC、24a…処理ガス供給源、24b…不活性ガス供給源、31…排気管、32…圧力調整バルブ、33…真空ポンプ、41…ファン、42…回転軸、43…ファン駆動部、80…制御部。

Claims (5)

  1. 複数のガラス基板を、各基板の基板面がそれぞれ対向するように並べて収容する反応室と、
    前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給部と、
    前記反応室内の雰囲気を排気する排気部と、
    前記反応室内に収容される前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に設けられた加熱部と、
    前記反応室内に設けられ、前記反応室内の雰囲気を循環させるファンと、
    を備える基板処理装置。
  2. 請求項1に記載された基板処理装置であって、
    前記加熱部は、前記反応室外部から供給される電力により加熱される板状ヒータである基板処理装置。
  3. 請求項2に記載された基板処理装置であって、
    前記板状ヒータは、前記ファンにより形成される前記反応室内の雰囲気の流れ方向、又は、該雰囲気の流れ方向と垂直な方向における加熱度合いを変えることができる基板処理装置。
  4. 請求項1に記載された基板処理装置であって、
    前記加熱部は、前記反応室外部から供給される電力により加熱されない板状部材であって、前記ガラス基板よりも熱伝導率の高い板状部材である基板処理装置。
  5. 複数のガラス基板と前記複数のガラス基板を加熱するための加熱部を反応室内へ収容する収容工程と、
    前記複数のガラス基板を各基板の基板面がそれぞれ対向するように配置し、前記加熱部を前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に配置する配置工程と、
    前記複数のガラス基板と前記加熱部を収容した前記反応室内へ処理ガスを供給するガス供給工程と、
    前記複数のガラス基板の基板面と基板面の間に配置した前記加熱部により前記複数のガラス基板を加熱する加熱工程と、
    前記反応室内に設けられたファンにより、前記反応室内の雰囲気を循環させる循環工程と、
    を備える太陽電池用基板の製造方法。
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