JP2010540981A - 平版印刷版の製造方法 - Google Patents

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Abstract

像様露光されたネガ型前駆体を式(A)のアルキレン酸化物誘導体(式中、R1は線状もしくは分枝状C1−C6アルキル基又はHであり、(n+m)は整数2〜30であり、そしてR2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、H、メチル及びエチルから選択されるが、但しR2及びR3のうちの少なくとも一方がHではないこと、そしてさらに、R4及びR5のうちの少なくとも一方がHではないことを条件とする)を含む現像剤を用いて、現像する工程を含んで成る画像形成された平版印刷版を製造する方法。

Description

本発明は、ネガ型前駆体から平版印刷版を製造する方法であって、現像剤がアルキレン酸化物誘導体を含む、方法に関する。
平版印刷は、油と水との不混和性に基づく。油性材料又は印刷インクは、好ましくは、画像領域によって受容され、そして水又は湿し水溶液は、好ましくは、非画像領域によって受容される。適切に製造された表面が水で湿潤され、そして印刷インクが適用されると、背景又は非画像領域が水を受容し、印刷インクを弾くのに対して、画像領域は印刷インクを受容し、水を弾く。次いで画像領域内の印刷インクは材料、例えば紙や布地などの被画像形成面に移される。しかし、一般に、印刷インクは先ず、ブランケットと呼ばれる中間材料に移され、次いで、ブランケットは、被画像形成面上に印刷インクを移す。この技術はオフセット平版印刷と呼ばれる。
しばしば使用される平版印刷前駆体のタイプは、アルミニウムを基材とする基板上に適用された感光性塗膜を含む。塗膜が輻射線に対して反応することができるので、露光された部分はこれが現像プロセス中に除去されるように可溶性になる。このような版はポジ型と呼ばれる。他方において、塗膜の露光された部分が輻射線によって硬化される場合には、ネガ型と呼ばれる。両方の事例において、残りの画像領域は印刷インクを受容し、すなわち親油性であり、そして非画像領域(背景)は水を受容し、すなわち親水性である。画像領域と非画像領域との区別化は露光中に行われ、この露光に際しては、良好な接触を保証するために、真空下で印刷版前駆体にフィルムが取り付けられる。次いで、一部がUV線から成る輻射線源によって版に露光を施す。ポジティブ版が使用される場合、版上の画像に対応するフィルム上の領域は、光が版に達しないように不透明であり、これに対して、非画像領域に対応するフィルム上の領域は透明であり、そして光が塗膜を透過するのを可能にし、塗膜の溶解度は増大する。ネガティブ版の場合、反対のことが行われる:版上の画像に対応するフィルム上の領域は透明であり、これに対して、非画像領域は不透明である。透明フィルム領域の下側の塗膜は、入射光により(例えば光重合により)硬化され、これに対して、光によって影響されない領域は現像中に除去される。従って、ネガ型版の光硬化された表面は、親油性であり、印刷インクを受容し、これに対して、現像剤によって除去される塗膜で塗布されていた非画像領域は、減感され、従って親水性である。
或いは、版は、フィルムなしで、例えばレーザーによってデジタル像様露光を施すこともできる。最近の開発によれば、感熱層を有する版前駆体が使用され、直接的な加熱、又は熱に変換されるIR線の照射を像様に施すことにより、塗膜の加熱された領域と加熱されない領域との現像剤溶解度の差が生じる。
光重合性塗膜のような酸素感受性塗膜を有する平版印刷版前駆体上の一時的な塗膜(「上塗り層」(overcoat)と呼ばれることがある)として、水溶性ポリマーが使用されることがある。水溶性ポリマーは、貯蔵中、露光中、及び具体的には露光と更なる処理(現像など)との間の時間中、大気中の酸素から塗膜を保護する機能を有する。その時間中、一時的な塗膜は、層の裂断なしに安全な取り扱い(製造、包装、輸送、露光など)が保証されるのに十分な、感光性基板に対する付着力を示さなければならない。現像前に、上塗り層は、好ましくは、水による洗浄によって取り除かれるか、或いは、上塗り層は、非画像部分と一緒に現像剤内で溶解される。
通常、輻射線感光性層が適用される前に、基板、具体的には酸化アルミニウム層を有するアルミニウム基板に、親水性保護層(「中間層」とも呼ばれる)が設けられる。この親水性層は、平版印刷版の(非印刷)背景領域の水受容を改善し、そしてこれらの領域内の印刷インクの反発を改善する。好適な親水性保護層はまた、現像中に輻射線感光性層の可溶性部分が容易に除去され、そして基板に残留物がないことを保証するので、印刷中にクリーンな背景領域が得られる。このような残留物なしの除去が行われないと、トーニング(toning)と呼ばれるものが印刷中に発生し、すなわち、背景領域が印刷インクを受容することになる。
クリーンな印刷画像のために、画像領域(すなわち像様に残っている塗膜)は印刷インクを良く受容し、これに対して非画像領域(すなわち、像様に露出した基板、例えばアルミニウム基板)は印刷インクを受容しないことが必要である。像様に暴露された基板、例えばアルミニウム基板を、印刷版を印刷機械内に装着するときの指紋、酸化アルミニウムの形成、腐食及び機械的な攻撃、例えば引掻き傷から保護するために、すなわち、非画像領域の親水特性を維持し、場合によっては改善するために、現像された印刷版は、通常「ガミング(gumming)」処理(「仕上げ」(finishing)とも呼ばれる)を施される。版の貯蔵前、又は印刷機の長い静止時間前に版をガミング処理することにより、非画像領域が親水性を保つことが保証される。また、印刷が開始されるときには、画像領域がインクを即座に受容できるように、ガミング溶液を湿し水溶液で素早く版から洗い落とすことができなければならない。ガミング溶液は以前から知られており、例えばドイツ国特許第29 26 645号明細書、ドイツ国特許出願公開第20 42 217号明細書、米国特許第4,880,555号明細書、及び同第4,033,919号明細書、及び同第4,162,920号明細書に開示されている。
欧州特許出願公開第1 199 606号明細書には、ネガ型平版印刷版の製造方法が開示されており、この方法において、現像溶液は、無機アルカリ剤と、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する非イオン性界面活性剤とを含有する。疎水性塗膜に対する高い付着力を有する平版印刷基板(例えば中間層なしの基板)のクリーンアップ挙動が不十分であり、そしてこのような現像溶液が使用されると、強度のトーニングが観察されることが判った。
露光された前駆体から非画像領域を除去するために、通常は水性アルカリ現像剤溶液が使用される。ポジ型前駆体のために使用することができる現像剤は、両タイプの前駆体のために特に開発された数種の現像剤を除けば、ネガ型前駆体のために使用され得る現像剤とは一般に異なる。短時間のうちに非画像領域内にクリーンな現像が施されることの他に、残留画像領域(印刷領域)が現像剤溶液によって攻撃されないことも望ましい(残留塗膜の浸漬損失は低くあるべきである)。加えて、現像剤は、処理装置の現像セクション内にスラッジが重度に形成されることを避けるために、除去された塗膜を少なくとも或る程度、溶解できることが望ましい。言うまでもなく、除去されるべき塗膜が大きく異なるため、湿式オフセット版のための現像剤は通常、乾式オフセット版のための現像剤とは異なっている。
欧州特許出願公開第1 353 235号明細書には、平版印刷版の製造方法が開示されている。ここに使用されている現像剤は、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する非イオン性界面活性剤、すなわち、式R1−O(R2−O)nHの界面活性剤を含有する。この化合物が界面活性剤であると述べられている事実により、R1が長鎖アルキル基であり、又はnが大きい整数であることが当業者には明らかである。
欧州特許出願公開第1 457 837号明細書は、感熱性ポジ型版前駆体のための現像溶液を取り扱っており、ここでは現像剤は、線状タイプのアルキレン酸化物付加体及び分枝状タイプのアルキレン酸化物付加体の両方を含有する。従って、この現像剤は過剰の発泡を示す傾向がある。
欧州特許出願公開第0 043 132号明細書には、シリコーンゴム層を備えた乾式平板印刷版前駆体のための、少なくとも0.1重量%のプロピレンオキシド誘導体を含有する処理液が記載されている。シリコーンゴムに起因して、処理液は主に、n−ヘキサンのような有機溶剤を含み、従って水性現像剤ではない。欧州特許出願公開第1 038 669号明細書及び同第0 475 384号明細書も、乾式平板印刷版のための処理液を取り扱っている。
従って、本発明の目的は、画像部分の現像剤浸漬損失が低度であり、しかもこれと同時に、印刷機上でのスカム形成の問題を招くことなしに、版のクリーンで高速の現像が施される、ネガ型前駆体から画像形成された湿式平版印刷版を製造する方法を提供することである。さらに、現像セクション内のスラッジ形成が、版ローディング率が高く、且つ補充/トップアップ割合が低い場合にも、無視し得るほど僅かであることが望ましく、加えて、処理装置の現像セクション及び後濯ぎセクション内の発泡体形成も回避されるべきである。
この目的は、驚くべきことに、
(a) 基板上に、ラジカル光重合に基づく少なくとも1つの感光性層及び任意選択的な酸素不透過性上塗り層を含む、湿式オフセット印刷のためのネガ型輻射線感受性平版印刷版前駆体を用意する工程、
(b) 波長250〜1200nmの輻射線を用いて該前駆体を像様露光する工程、
(c) (i)式(A)
Figure 2010540981
(上記式中、R1は線状若しくは分枝状C1−C6アルキル基又はHであり、(n+m)は整数2〜30であり、そしてR2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、H、メチル及びエチルから選択されるが、但しR2及びR3のうちの少なくとも一方がHではないこと、そしてさらに、R4及びR5のうちの少なくとも一方がHではないことを条件とする)
の少なくとも1種のアルキレン酸化物誘導体と、
(ii)アルカリ成分及び界面活性剤から選択された少なくとも1種の成分と、
(iii)任意選択的に、錯化剤、緩衝剤、消泡剤、有機溶剤、色素、着臭剤、殺生物剤、防食剤、分散剤、及び増粘剤のうちの少なくとも1種と
を含む水性アルカリ現像剤を用いて、該露光された前駆体を現像する工程
を含んで成る方法によって達成される。
本発明の方法は、UV、Vis又はIR線に対して感光するネガ型前駆体を処理するために用いることができる。
前駆体
本発明の方法は、UV/Vis線又はIR線に対して感光することができる湿式オフセット印刷のためのネガ型前駆体を処理するのに適している。一般に、平版印刷版前駆体は、(i)基板、(ii)ラジカル光重合に基づく少なくとも1つの輻射線感光性塗膜、及び(iii)任意選択の酸素不透過性上塗り層を含む。
好適な前駆体の例を以下に説明する。
基板
前駆体のために使用される基板は好ましくは、印刷物のための基板として既に使用されているもののような、寸法安定性を有するプレート状又はフォイル状材料である。このような基板の例は、紙、プラスチック材料(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)で塗布された紙、金属プレート又はフォイル、例えばアルミニウム(アルミニウム合金を含む)、亜鉛及び銅プレート、例えばセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースニトレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート及びポリビニルアセテートから形成されたプラスチック・フィルム、及び紙又はプラスチック・フィルムと上述の金属のうちの1種とから形成された積層材料、又は蒸着により金属化された紙/プラスチック・フィルムを含む。これらの基板の中では、アルミニウム・プレート又はフォイルが特に好ましい。それというのは、アルミニウム・プレート又はフォイルは卓越した寸法安定度を示し、低廉であり、そしてさらに輻射線感光性塗膜に対する優れた付着力を呈するからである。さらに、複合フィルムを使用することもでき、この複合フィルムの場合、アルミニウム・フォイルが、プラスチック・フィルム、例えばポリエチレンテレフタレート・フィルム、又は紙、又は、アルミニウムが蒸着によって適用されているプラスチック・フィルム上にラミネートされている。好ましい基板は金属基板であり、本明細書中で使用される「金属基板」という用語は、最上層が金属層又は金属フォイルである複合材料をも含む。
金属基板、具体的にはアルミニウム基板には、表面処理、例えば、乾燥状態でのブラッシング、又は研磨懸濁液を用いたブラッシング、又は例えば塩酸電解質又はHNO3を用いた電気化学的なグレイニングによるグレイニング処理、及び任意選択的に、例えば硫酸又はリン酸中の陽極酸化処理が施されるのが好ましい。好ましい態様によれば、金属基板は、Al23層、ZnO層、SiO2層、又はTiO2層を含む。
好ましくは、厚さ0.1〜0.7mm、より好ましくは、0.15〜0.5mmのアルミニウム・フォイルが特に好ましい基板である。フォイルがグレイニング処理(好ましくは、例えば塩酸又は硝酸中で電気化学的に)され、次いで平均粗さ0.2〜1μm、特に好ましくは、0.3〜0.8μmを示すことが好ましい。
特に好ましい態様によれば、グレイニング処理されたアルミニウム・フォイルはさらに(例えばスルホン酸中で)陽極酸化処理された。その結果として生じる酸化アルミニウムの層重量は好ましくは、1.5〜5g/m2、特に好ましくは、2〜4g/m2である。
金属基板には加えて、例えばアルカリ金属ケイ酸塩、フッ化カルシウムジルコニウム、ヘキサフルオロケイ酸、リン酸塩/フッ化物、ポリビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸コポリマー、又はホスホン酸の水溶液による後処理(いわゆる「シーリング」)を施すことができ、これにより基板の表面上に親水性化用層(「中間層」とも呼ばれる)を提供する。
上記基板処理の詳細は当業者によく知られている。
輻射線感光性塗膜
基板上に適用されたネガ型塗膜の1つのタイプは、(a)波長250〜1,200nmの輻射線を吸収し、そしてラジカル重合を開始することができる光開始剤及び増感剤/共開始剤系から選択された少なくとも1種の吸収剤成分、(b)ラジカル重合性モノマー、オリゴマー、及び/又はプレポリマーを含み、そして任意選択的に(c)少なくとも1種の高分子バインダーを含む。
吸収剤成分
輻射線感光性塗膜はさらに、光開始剤及び増感剤/共開始剤系から選択された少なくとも1種の吸収剤成分を含む。
吸収剤成分は、後で画像形成中に使用されるべき輻射線源が発光する範囲において有意な吸収を行うことができるように選択され、好ましくは、吸収剤は、その範囲内で吸収極大値を示す。こうして、輻射線感光性要素がIRレーザーによって画像形成されるようになっている場合には、吸収剤は本質的に、約750〜1,200nmの輻射線を吸収し、そして好ましくは、その範囲において吸収極大値を示すのがよい。他方において、画像形成がUV/VIS線によって行われるようになっている場合、吸収剤は本質的に、約250〜750nmの輻射線を吸収し、そして好ましくは、その範囲において吸収極大値を示すのがよい。好適な光開始剤及び/又は増感剤が当業者に知られており、或いは、有意な吸収が所望波長範囲内で生じるかどうかを、単純な試験(例えば吸収スペクトルの記録)によって容易に見極めることができる。
本発明において、光開始剤は、露光されると輻射線を吸収することができ、そしてそれ自体で、すなわち共開始剤の添加無しにフリーラジカルを形成することができる化合物である。UV又はVIS線を吸収する好適な光開始剤の例は、1〜3つのCX3基を有するトリアジン誘導体(いずれのXも独立して、塩素又は臭素原子から選択され、そして好ましくは、塩素原子である)、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、オキシムエーテル、オキシムエステル、α−ヒドロキシ−又はα−アミノ−アセトフェノン、アシルホスフィン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、メタロセン、過酸化物などを含む。好適なトリアジン誘導体の例は、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを含む。好適なオキシムエーテル及びオキシムエステルは、例えばベンゾインから誘導されたものである。好ましいメタロセンは、例えば2つの5員シクロジエニル基、例えばシクロペンタジエニル基と、少なくとも1つのオルト−フッ素原子及び任意選択の1つのピリル基をも有する1つ又は2つの6員芳香族基とを含むチタノセンであり;最も好ましいメタロセンは、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニル]チタニウム及びジシクロペンタジエン−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−チタニウム又はジルコニウムである。
本発明において、単一の光開始剤、或いは2種又は3種以上のものの混合物を使用することができる。
光開始剤は、単独で、又は1種又は2種以上の共開始剤との組み合わせで使用することができ、共開始剤が添加されると、光開始の効果を増大させることができる。
光開始剤の量は具体的に制限されることはないが、光開始剤が存在する場合、これは乾燥層重量を基準として、好ましくは、0.2〜25重量%、特に好ましくは、0.5〜15重量%である。
本発明において言及される増感剤は、露光されると輻射線を吸収することができるが、しかしそれ自体では、すなわち共開始剤の添加無しではフリーラジカルを形成することはできない化合物である。
光被酸化性又は光被還元性であるか、或いは、それらの励起エネルギーを受容体分子に転移することができる全ての光吸収化合物が、本発明における使用に適した増感剤である。このような色素の例は、シアン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、ジアリールメタン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、クマリン誘導体、ケトクマリン色素、アクリジン色素、フェナジン色素、キノキサリン色素、ピリリウム色素、又はチアピリリウム色素、アザアヌレン色素(例えばフタロシアニン及びポルフィリン)、インディゴ色素、アントラキノン色素、ポリアリーレン、ポリアリールポリエン、2,5−ジフェニルイソベンゾフラン、2,5−ジアリールフラン、2,5−ジアリールチオフラン、2,5−ジジアリールピロール、2,5−ジアリールシクロペンタジエン、ポリアリールフェニレン、ポリアリール−2−ピラゾリン、カルボニル化合物、例えば芳香族ケトン又はキノン、例えばベンゾフェノン誘導体、ミヒラーケトン、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、及びフルオレノン誘導体を含む。
式(I)
Figure 2010540981
のクマリン増感剤は、例えば、電磁スペクトルのUV範囲に適しており、
上記式中、
1、R16、R17、及びR18は独立して、−H、ハロゲン原子、C1−C20アルキル、−OH、−O−R4、及び−NR56から選択され、R4は、C1−C20アルキル、C5−C10アリール、又はC6−C30アラルキル(好ましくは、C1−C6アルキル)であり、そしてR5及びR6は独立して水素原子及びC1−C20アルキルから選択され、
或いは、R1及びR16、R16及びR17、又はR17及びR18が一緒になって、式(I)に示したフェニル環に隣接する一方又は両方の位置において、N及びOから選択されたヘテロ原子を有する5又は6員複素環を形成し、
或いは、R16及びR17は、その2つの隣接する置換基のそれぞれと一緒に、式(I)に示したフェニル環に隣接する一方又は両方の位置において、N及びOから選択されたヘテロ原子を有する5又は6員複素環を形成し、
形成されたそれぞれの5又は6員複素環は、独立して、1つ又は2つ以上のC1−C6アルキル基で置換されることができる、
但し、R1、R16、R17、及びR18のうちの少なくとも1つは、水素及びC1−C20アルキルとは異なっており、
2は、水素原子、C1−C20アルキル、C5−C10アリール、又はC6−C30アラルキルであり、そして、
3は、水素原子、又は−COOH、−COOR7、−COR8、−CONR910、−CN、C5−C10アリール、C6−C30アラルキル、又は5もしくは6員複素環式の、任意選択的にベンゾ縮合型の基、基−CH=CH−R12、及び
Figure 2010540981
から選択された置換基であり、
上記式中、R7はC1−C20アルキルであり、R8はC1−C20アルキル、又は5もしくは6員複素環式基であり、R9及びR10は独立して、水素原子及びC1−C20アルキルから選択され、R11はC1−C12アルキル又はアルケニル、任意選択的にO、S及びNから選択されたヘテロ原子を有する複素環式非芳香族環又はC5−C20アリールであり、そしてR12は、C5−C10アリール、又は5もしくは6員複素環式の(任意選択的に芳香族の)環であり;
或いは、R2及びR3は、これらが結合された炭素原子と一緒になって、5又は6員の(任意選択的に芳香族の)芳香族の環である。
これらは、例えば国際公開第2004/049068号パンフレットに、より詳細に記載されている。
さらに、国際公開第2004/074929号パンフレットにより詳細に記載されているような式(II)
Figure 2010540981
(上記式中、
Xは、複素環と共役した少なくとも1つのC−C二重結合を含むスペーサ基であり、
Y及びZは独立して、任意選択的に置換された縮合芳香族環を表し、そして
V及びWは独立して、O、S及びNRから選択され、Rは、任意選択的に一置換型又は多置換型であることができるアルキル、アリール及びアラルキル基である)のビスオキサゾール誘導体及び類似体、及び国際公開第2004/074930号パンフレットにより詳細に記載されているような式(III)
Figure 2010540981
(上記式中、
各R1、R2及びR3は独立して、ハロゲン原子、任意選択的に置換されたアルキル基、縮合されてもよい任意選択的に置換されたアリール基、任意選択的に置換されたアラルキル基、基−NR45及び基−OR6から選択され、
4及びR5は独立して、水素原子、アルキル、アリール又はアラルキル基から選択され、
6は、任意選択的に置換されたアルキル、アリール又はアラルキル基又は水素原子であり、そしてk、m及びnは独立して、0又は整数1〜5である)
のオキサゾール化合物が、UV範囲に適している。
国際公開第2004/111731号パンフレットに記載された式(IV)
Figure 2010540981
の1,4−ジヒドロピリジン化合物は、UV範囲に適した別のクラスの増感剤の例であり
上記式中、
1は、水素原子、−C(O)OR7、任意選択的に置換されたアルキル基、任意選択的に置換されたアリール基、及び任意選択的に置換されたアラルキル基から選択され、
2及びR3は独立して、任意選択的に置換されたアルキル基、任意選択的に置換されたアリール基、CN及び水素原子から選択され、
4及びR5は独立して、−C(O)OR7、−C(O)R7、−C(O)NR89、及びCNから選択され、
又は、R2及びR4は一緒になって、任意選択的に置換されたフェニル環又は5〜7員炭素環又は複素環を形成し、単位
Figure 2010540981
は、ジヒドロピリジン環の位置5に隣接する炭素環又は複素環内に存在し、そして、炭素環又は複素環は任意選択的に追加の置換基を含み、
又は、R2及びR4、並びにR3及びR5の両方は、任意選択的に置換されたフェニル環又は5〜7員の炭素環又は複素環を形成し、単位
Figure 2010540981
は、ジヒドロピリジン環の位置3及び5に隣接する炭素環又は複素環内に存在し、そして、炭素環又は複素環は任意選択的に追加の置換基を含み、
又は、R2/R4対、及びR3/R5対のうちの一方が、5〜7員の炭素環又は複素環を形成し、単位
Figure 2010540981
は、ジヒドロピリジン環の位置5又は3に隣接する炭素環又は複素環内に存在し、そして、炭素環又は複素環は任意選択的に追加の置換基を含み、そして他方の対は、任意選択的に置換されたフェニル環を形成し、
或いはR2及びR1、又はR3及びR1が、任意選択的に1つ又は2つ以上の置換基を含むことができる5〜7員複素環を形成し、そして該複素環は、1,4−ジヒドロピリジン環と共有する窒素原子に加えて、任意選択的に、追加の窒素原子、−NR13基、−S−又は−O−を含み、
13は、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基から選択され、
6は、任意選択的にハロゲン原子又は−C(O)基で置換されたアルキル基、任意選択的に置換されたアリール基、任意選択的に置換されたアラルキル基、任意選択的に置換された複素環式基、及び基
Figure 2010540981
(Yはアルキレン又はアリーレン基である)から選択され、
7は、水素原子、アリール基、アラルキル基又はアルキル基であり、アルキル基、及びアラルキル基のアルキル単位は任意には、1つ又は2つ以上のC−C二重結合及び/又はC−C三重結合を含み、
そして、R8及びR9は独立して、水素原子、任意選択的に置換されたアルキル基、任意選択的に置換されたアリール基、及び任意選択的に置換されたアラルキル基から選択される。
式(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)の増感剤も、UV感光性要素に適している。これらの増感剤は、30μm(及びこれらよりも低い)FMスクリーニング(FM=周波数変調型)によって画像形成される版に特に適している:
Figure 2010540981
(上記式中、
Figure 2010540981
及び各
Figure 2010540981
は、独立して芳香族又は複素環式芳香族単位を表し、
各R1及びR2は独立して、ハロゲン原子、アルキル、アリール、又はアラルキル基、基−NR45又は基−OR6から選択され、
4、R5及びR6は独立して、アルキル、アリール、及びアラルキル基から選択され、そして
nは、少なくとも2の整数であり、そして
k及びmは独立して、0又は1〜5の整数を表す);
Figure 2010540981
(上記式中、
Figure 2010540981
は、共役π系が構造(I)内の2つの基Zの間に存在するような芳香族又は複素芳香族単位、又は、これら2つの単位の組み合わせであり、
各Zは独立して、スペーサASと共役系とを結合するヘテロ原子を表し、
各R1及びR2は独立して、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アルキルアリール、又はアラルキル基、基−NR34又は基−OR5から選択され、
各R3、R4及びR5は独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール及びアラルキル基から選択され、
a及びbは独立して、0又は1〜4の整数を表し、
nは値>1を有し、そして
ASは脂肪族スペーサである)
(ドイツ国特許10 2004 055 733においてより詳細に説明されている);
Figure 2010540981
(上記式中、
XはO、S及びSeから選択され;
nは0又は正の整数を表し;
m、p及びqは独立して、0又は正の整数であり;
π単位
Figure 2010540981
は独立して、それぞれが共役π電子系を有する不飽和型単位であり、これらの不飽和型単位は、複素環式単位
Figure 2010540981
に共有結合されており、そしてこの単位と一緒に再び共役π電子系を形成し、そして
各R1、R2及びR3基は独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、基−NR45及び基−OR6から選択され、
4、R5及びR6は独立して、アルキル基、アリール基、及びアラルキル基から選択される)
(ドイツ国特許10 2004 022 137 B3においてより詳細に説明されている);
Figure 2010540981
(上記式中、
1及びR2基は独立して、水素、無置換型及び置換型アリール、無置換型及び置換型ヘテロアリール、及び無置換型及び置換型アルキルから成る群から選択され、前記アリール又はヘテロアリールは、5員又は6員のN−ヘテロアリール環を形成するようにR3及びR4に結合されるか、又はR3及びR4に結合されず;但し、基R1及びR2のうちの少なくとも一方が無置換型及び置換型アリール又はヘテロアリール基であることを条件とし;
或いは、R1及びR2は、これらが結合されている窒素原子と一緒に、1つ又は2つの縮合ベンゼン環を呈するか又は縮合ベンゼン環を呈さないN−ヘテロアリール基を形成し;
3及びR4基は独立して、水素、CN、ハロゲン、無置換型及び置換型アルキル、アラルキル、アルキルアリール、及びアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2、NR2、NR3 +、及び−PO32から成る群から選択され、各Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルキルアリールから選択され、或いは、R3又はR4は、5員又は6員のN−ヘテロアリール環を形成するように、R1又はR2によって表されるアリール又はヘテロアリール基に結合され;
5及びR6基は独立して、水素、CN、ハロゲン、無置換型及び置換型アルキル、アラルキル、アルキルアリール、及びアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2、NR2、NR3 +、及び−PO32から成る群から選択され、各Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルキルアリールから成る群から選択され、或いは、R3及びR4がそれぞれR1及びR2に結合されない場合には、R5及びR3と並びに/又はR6及びR4は、5員又は6員の縮合芳香族環を形成し;
7及びR8基は独立して、水素、CN、ハロゲン、無置換型及び置換型アルキル、アルキルアリール、アラルキル、及びアリールから成る群から選択され;
nは0、1及び2から選択され;
ZはO、S、Se又はNRを表し、Rは、水素、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルキルアリールから成る群から選択され;
9〜R12基は独立して、水素、ハロゲン、CN、無置換型及び置換型アルキル、アラルキル、アルキルアリール、及びアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2、NR2、NR3 +、及び−PO32から成る群から選択され、各Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルキルアリールから成る群から選択され、但し、R9〜R12基のうちの少なくとも1つが、少なくとも55Å3のファンデルワールス容積を有する大型基であることを条件とする)。
輻射線感光性要素にVISレーザーダイオードによる露光が施されるようになっている場合、国際公開第03/069411号パンフレットに記載されたシアノピリドン誘導体が、例えば増感剤として適している。
IR感光性要素のために、増感剤は例えば、カーボンブラック、フタロシアニン顔料/色素、及びポリチオフェン、スクアリリウム、チアゾリウム、クロコネート、メロシアニン、シアニン、インドリジン、ピリリウム、又は金属ジチオリンのクラスの顔料/色素から、特に好ましくは、シアニン・クラスから選択される。例えば米国特許第6,326,122号明細書の表1において述べられた化合物が、好適なIR吸収剤である。更なる例は、米国特許第4,327,169号明細書、同第4,756,993号明細書、同第5,156,938号明細書、国際公開第00/29214号パンフレット、米国特許第6,410,207号明細書、及び欧州特許出願公開第1 176 007号明細書に見いだすことができる。
1つの態様によれば、式(IX)
Figure 2010540981
のシアニン色素が使用され、上記式中、
各Z1は独立して、S、O、NRa又はC(アルキル)2を表し;
各R’は独立して、アルキル基、アルキルスルホネート基、又はアルキルアンモニウム基を表し;
R’’はハロゲン原子、SRa、ORa、SO2a又はNRa 2を表し;
各R’’’は独立して、水素原子、アルキル基、−COORa、ORa、−SRa、−NRa 2、又はハロゲン原子を表し;R’’’はベンゾ縮合環であってもよく;
-はアニオンを表し;
b及びRcは両方とも水素原子を表すか、或いはこれらが結合された炭素原子と一緒に炭素環式5員又は6員環を形成し;
aは、水素原子、アルキル又はアリール基を表し;
各bは独立して、0、1、2又は3である。
R’がアルキルスルホネート基を表す場合、アニオンA-が必要とならないように内塩を形成することができる。R’がアルキルアンモニウム基を表す場合、A-と同じ又はA-とは異なる第2の対イオンが必要とされる。
式(IX)のIR色素のうち、対称的な構造を有する色素が特に好ましい。特に好ましい色素の例は:
2−[2−[2−フェニルスルホニル−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド、
2−[2−[2−チオフェニル−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド、
2−[2−[2−チオフェニル−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロペンテン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムトシレート、
2−[2−[2−クロロ−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−ベンゾ[e]−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−1H−ベンゾ[e]−インドリウムトシレート、及び
2−[2−[2−クロロ−3−[2−エチル−(3H−ベンズチアゾル−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−3−エチル−ベンズチアゾリウムトシレート
を含む。
下記化合物も、本発明に適したIR吸収剤である:
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
本発明において、1種の増感剤、或いは2種又は3種以上のものの混合物を使用することができる。
増感剤は1種又は2種以上の共開始剤と組み合わせて使用される。加えて、光開始剤を使用することができるが、これは好ましくない。
増感剤の量は具体的に制限されることはないが、増感剤が存在する場合には、増感剤は乾燥層重量を基準として、好ましくは、0.2〜15重量%、特に好ましくは、0.5〜10重量%である。光開始剤及び増感剤の両方が塗膜中に存在する場合には、これらの総量は、乾燥層重量を基準として、好ましくは、0.5〜30重量%、特に好ましくは、1〜15重量%である。
本発明において言及される共開始剤は、照射されると本質的に吸収することができないが、しかし、本発明において使用される輻射線吸収増感剤と一緒にフリーラジカルを形成する化合物である。共開始剤は、例えば、オニウム化合物、例えばオニウム・カチオンがヨードニウム(例えばトリアリールヨードニウム塩)、スルホニウム(例えばトリアリールスルホニウム塩)、ホスホニウム、オキシスルホキソニウム、オキシスルホニウム、スルホキソニウム、アンモニウム、ジアゾニウム、セレノニウム、アルセノニウム、及びN置換型N複素環式オニウム・カチオン(Nは、任意選択的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールで置換されている);N−アリールグリシン及びこれらの誘導体(例えばN−フェニルグリシン);芳香族スルホニルハロゲン化物;トリハロメチルアリールスルホン;イミド、例えばN−ベンゾイルオキシフタルイミド;ジアゾスルホネート;9,10−ジヒドロアントラセン誘導体;アリール単位の窒素、酸素、又は硫黄原子に当該カルボキシ基のうちの少なくとも1つが結合された少なくとも2つのカルボキシ基を有するN−アリール、S−アリール、又はO−アリールポリカルボン酸(例えばアニリン二酢酸及びその誘導体、及び米国特許第5,629,354号明細書に記載されたその他の共開始剤):ヘキサアリールビイミダゾール;チオール化合物(例えばメルカプトベンズチアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、及びメルカプトトリアゾール);1〜3つのCX3基を有する1,3,5−トリアジン誘導体(いずれのXも独立して、塩素又は臭素原子から選択され、そして好ましくは、塩素原子である)、例えば2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;オキシムエーテル及びオキシムエステル、例えばベンゾインから誘導されたもの;メタロセン、好ましくは、チタノセン、及び特に好ましくは、2つの5員シクロジエニル基、例えばシクロペンタジエニル基と、少なくとも1つのオルトフッ素原子及び任意選択的にピリル基をも有する1つ又は2つの6員芳香族基とを含むチタノセン、例えばビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニル]チタニウム及びジシクロペンタジエン−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−チタニウム又はジルコニウム);アシルホスフィンオキシド、ジアシルホスフィンオキシド、及びジアシルホスフィンペルオキシド(例えば有機過酸化物のタイプのアクチベータとして欧州特許出願公開第1 035 435号明細書に挙げたもの)、α−ヒドロキシ又はα−アミノアセトフェノン、アシルホスフィン、アシルホスフィンスルフィド、カルボニル化合物、例えば芳香族ケトン又はキノン、例えばベンゾフェノン誘導体、ミヒラーケトン、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、及びフルオレノン誘導体から選択される。
好適な2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサアリールビイミダゾール(以下、単にヘキサアリールビイミダゾールと呼ぶ)が、下記式(X):
Figure 2010540981
によって表され、
上記式中、A1〜A6は、互いに同一の、又は異なる置換型又は無置換型C5−C20アリール基であって、基の環内で、1つ又は2つ以上の炭素原子を、O、N及びSから選択されたヘテロ原子によって任意選択的に置換することができる基である。アリール基のための好適な置換基は、トリアリールイミダゾリル・ラジカルへの光誘起解離を阻止することのない置換基、例えばハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、−CN、C1−C6アルキル(ハロゲン原子、−CN、及び−OHから選択された1つ又は2つ以上の置換基を任意選択的に含む)、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、(C1−C6アルキル)スルホニルである。
好ましいアリール基は、置換型及び無置換型のフェニル、ビフェニル、ナフチル、ピリジル、フリル、及びチエニル基である。特に好ましいのは、置換型及び無置換型のフェニル基であり、そして特に好ましいのは、ハロゲン置換型フェニル基である。
例は:
2,2’−ビス(ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−カルボキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−エトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(m−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ヘキソキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ヘキシルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス[m−(ベータフェノキシ−エトキシフェニル)]ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’−ビス(o−メトキシフェニル)−5,5’−ジフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−フェニルスルホニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−スルファモイルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,5−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−4−ビフェニリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−1−ナフチル−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ジ−9−フェナントリル−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−テトラ−4−ビフェニリルビイミダゾール、
2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−テトラ−2,4−キシリルビイミダゾール、
2,2’−ジ−3−ピリジル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−3−チエニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−o−トリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−p−トリル−4,4’−ジ−o−トリル−5,5’−ジフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−2,4−キシリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサキス(p−フェニルチオフェニル)ビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサ−1−ナフチルビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ニトロ−5−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、及び
2,2’−ビス(2−クロロ−5−スルホフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
を含み、
そして特に好ましいのは:
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、又は
2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール
であるが;
しかし本発明は、これらの化合物に制限されるものではない。
好適なヘキサアリールビイミダゾールは、周知の方法(例えば米国特許第3,445,232号明細書参照)に従って調製することができる。好ましいプロセスは、アルカリ溶液中で、相応のトリアリールイミダゾールを、鉄−(III)−ヘキサシアノフェレート(II)で酸化的二量化することである。
ヘキサアリールビイミダゾール異性体(又は異性体の混合物)を使用する(例えば1,2’−、1,1’−、1,4’−、2,2’−、2,4’−、及び4,4’−異性体)ことは、これが光解離性であり、且つプロセスにおいてトリアリールイミダゾリル・ラジカルを提供する限り、本発明の目的上不適切である。
共開始剤として適したトリハロゲンメチル化合物は、フリーラジカルを形成することができる。トリハロゲンメチル置換型トリアジン及びトリハロゲンメチル−アリールスルホンが好ましい。下記のものを例として挙げることができる(本発明をこれらの化合物に限定することはない):
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス−(トリブロモメチル)−s−トリアジン、及び
トリブロモメチルフェニルスルホン。
多くの共開始剤が、吸収帯内で露光された場合に光開始剤として機能することもできる。このように、光開始剤又は増感剤は長波長スペクトル範囲(IR及び/又は可視範囲)を対象とし、そして共開始剤は短波長スペクトル範囲(例えばUV範囲)を対象とするので、例えば幅広いスペクトル範囲にわたって感光性である感光性層を得ることができる。この効果は、消費者が種々異なる輻射線源で同じ材料を照射することを望む場合には、有利であり得る。この場合、共開始剤は、IR又は可視範囲に対しては、上記定義の意味における実際の共開始剤として機能する一方、UV範囲に対しては光開始剤として機能する。
本発明において、1種の共開始剤、又は共開始剤の混合物を使用することができる。
共開始剤の量は具体的に制限されることはないが、乾燥層重量を基準として、好ましくは、0.2〜25重量%、特に好ましくは、0.5〜15重量%である。
IR感光性塗膜のための好適な増感剤、及び共開始剤の更なる例は、国際公開第2004/041544号パンフレット、同第2000/48836号パンフレット、及びドイツ国特許10 2004 003143にも記載されている。
ラジカル重合性成分
少なくとも1つのC−C二重結合を含む全てのモノマー、オリゴマー、及びポリマーを、ラジカル重合性モノマー、オリゴマー、及びポリマーとして使用することができる。C−C三重結合を有するモノマー/オリゴマー/ポリマーを使用することもできるが、しかしこれらは好ましくない。当業者には好適な化合物がよく知られており、これらを本発明において、いかなる特定の制限もなしに使用することができる。モノマー、オリゴマー又はプレポリマーの形態の、1つ又は2つ以上の不飽和基を有するアクリル酸及びメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸及びフマル酸のエステルが好ましい。これらは固体又は液体の形態で存在してよく、固体及び高粘性形態が好ましい。モノマーとして適した化合物は、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート及びトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート及びペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート及びヘキサメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート及びテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート及びテトラメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、又はテトラエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレートを含む。好適なオリゴマー及び/又はプレポリマーは、例えばウレタンアクリレート及びメタクリレート、エポキシドアクリレート及びメタクリレート、ポリエステルアクリレート及びメタクリレート、ポリエーテルアクリレート及びメタクリレート、又は不飽和型ポリエステル樹脂である。
モノマー及び/又はオリゴマーに加えて、主鎖又は側鎖内にラジカル重合性のC−C二重結合を含むポリマーを使用することもできる。その例は、無水マレイン酸オレフィン・コポリマーとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物(例えばドイツ国特許第4 311 738号明細書参照);アリルアルコールで部分又は完全エステル化された(メタ)アクリル酸ポリマー(例えばドイツ国出願公開第3 332 640号明細書参照);高分子ポリアルコールとイソシアナト(メタ)アクリレートとの反応生成物;不飽和型ポリエステル;(メタ)アクリレートを末端基とするポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド;ラジカル重合性基を含むエポキシドで部分又は完全エステル化された(メタ)アクリル酸ポリマー;及び例えば、アリル(メタ)アクリレートと、任意選択的に更なるコモノマーとの重合により得ることができるアリル側基を有するポリマーを含む。
本発明において使用することができるラジカル重合性化合物はまた、分子量3,000以下であり、そしてジイソシアネートを、(i)1つのヒドロキシ基を有するエチレン系不飽和型化合物と、そして同時に(ii)1つのNH基及び1つのOH基を有する飽和型有機化合物と反応させることにより得られる反応生成物である化合物を含む。反応物質は下記条件:
イソシアネート基のモル数≦OH基プラスNH基のモル数
に基づく量で使用される。
ジイソシアネートの例は下記式:
Figure 2010540981
によって表され、
上記式中、a及びbは独立して0又は整数1〜3を表し、各R9は独立してH及びC1−C3アルキルから選択され、そしてDは、2つのイソシアネート基に加えて更なる置換基を任意選択的に含むことができる飽和型又は不飽和型スペーサである。Dは鎖状又は環状の単位であることが可能である。本発明において使用される「ジイソシアネート」という用語は、2つのイソシアネート基を含むがしかしOH基を含まず、また第2級及び第1級アミノ基も含まない有機化合物を意味する。
Dは例えばアルキレン基(CH2wであることが可能であり、wは整数1〜12,好ましくは、1〜6であり、そして1つ又は2つ以上の水素原子は、置換基、例えばアルキル基(好ましくは、C1−C6)、シクロアルキレン基、アリーレン基、又は飽和型又は不飽和型複素環式基で任意選択的に置換されている。
ヒドロキシ基を含むエチレン系不飽和型化合物(i)は、末端基であることが好ましい少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含む。ヒドロキシ基は好ましくは、二重結合された炭素原子に結合されておらず、ヒドロキシ基はカルボキシ基の部分ではない。1つのOH基に加えて、エチレン系不飽和型化合物(i)は、イソシアネートと反応することができる更なる官能基、例えばNHを含まない。
エチレン系不飽和型化合物(i)の例は、
ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリレート(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−、3−、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、2−、3−又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド)、オリゴマー又はポリマーエチレングリコール又はプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート(例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート)、アリルアルコール、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ(C1−C12)アルキルスチレン(例えば4−ヒドロキシメチルスチレン)、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート
を含む。
本発明全体を通して使用される「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレート及びアクリレートの両方などを意味することを示す。
飽和型有機化合物(ii)は、1つのOH基及び1つのNH基を有する化合物である。
飽和型有機化合物(ii)は、例えば下記式(XII)又は(XIII)
Figure 2010540981
によって表すことができ、
上記式中、R10は直鎖状(好ましくは、C1−C12、特に好ましくは、C1−C4)、分枝状(好ましくは、C3−C12、特に好ましくは、C3−C6)、又は環状(好ましくは、C3−C8、特に好ましくは、C5−C6)アルキル基であり、
Eは、直鎖状(好ましくは、C1−C6、特に好ましくは、C1−C2)、分枝状(好ましくは、C3−C12、特に好ましくは、C3−C6)、又は環状(好ましくは、C3−C8、特に好ましくは、C5−C6)アルキレン基であり、
Figure 2010540981
は、上記窒素原子に加えてS、O及びNR12から選択された別のヘテロ原子を任意選択的に含む環内原子数5〜7の飽和型複素環を表し、R12は、任意選択的にOH基で置換されたアルキル基であり、
11は、OH、又はOH基で置換された直鎖状、分枝状、又は環状アルキル基であり、そして複素環がNR12を含み、且つR12がOHで置換されたアルキル基である場合にはz=0であり、そして飽和型複素環がNR12を含んでいない場合、又は飽和型複素環がNR12を含み、且つR12が無置換型アルキル基である場合にはz=1である。
イソシアネート基のモル数は、組み合わされたOH基とNH基とのモル数を超えてはならない。それというのも、生成物は、これ以上遊離イソシアネート基を含むべきではないからである。
追加の好適なC−C不飽和型ラジカル重合性化合物が、欧州特許出願公開第1 176 007号明細書に記載されている。
種々異なる種類のモノマー、オリゴマー、又はポリマーを混合物中で使用することがもちろん可能であり、さらに、モノマー及びオリゴマー及び/又はポリマーの混合物、並びにオリゴマーとポリマーとの混合物を、本発明において使用することもできる。
ラジカル重合性成分は好ましくは、乾燥層重量を基準として、5〜95重量%、特に好ましくは、10〜85重量%の量で使用される。
バインダー
好適なバインダーは、水性アルカリ現像剤中に可溶性又は分散性のポリマー/コポリマー、例えばノボラック及びレゾールのようなフェノール樹脂、そして(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、及び(メタ)アクリルアミドのコポリマーである(ドイツ国特許199 36 331参照)。
さらなる好適なバインダーは「反応性バインダー」、すなわち、ラジカル重合性基を含む側鎖を有する高分子バインダーである。例えば、反応性側基は、アクリル、メタクリル、スチリル、アリル、及びこれらのうちの2種又は3種以上のものの混合物から選択される。ポリマー主鎖は限定されることはなく、例えば、アクリル主鎖、メタクリル主鎖、アセタール主鎖、ウレタン主鎖、及びスチレン主鎖から選択され、前述のコポリマーも可能である。好適な反応性バインダーが、数多くの特許出願、例えば国際公開第2004/014652号パンフレット、同第89/06659号パンフレット、ドイツ国特許出願公開第29 03 270号明細書、国際公開第95/12147号パンフレット、欧州特許第410 242号明細書、及び米国特許第4,035,321号明細書に開示されている。
バインダーの総量は、乾燥層重量を基準として、好ましくは、5〜95重量%、特に好ましくは、10〜85重量%である。
任意選択的な成分
要素がUV/VIS感光性であるかIR感光性であるかとは無関係に、輻射線感光性塗膜は、必須成分に加えて、下記任意選択の成分のうちの1種又は2種以上を含むことができる。塗膜がいくつかの層から成る場合、任意選択の成分は、層のうちの1つ、いくつか、又は全てに存在することができる。コントラストを高めるために、可視スペクトル範囲において高吸収率を有する色素又は顔料が存在することができる(「コントラスト色素及び顔料」)。特に好適な色素及び顔料は、塗布のために使用される溶剤又は溶剤混合物中によく溶けるか又は顔料の分散形態中に容易に導入される色素及び顔料である。好適なコントラスト色素はとりわけ、ローダミン色素、トリアリールメタン色素、例えばビクトリア・ブルーR及びビクトリア・ブルーBO、クリスタル・バイオレット及びメチル・バイオレット、アントラキノン顔料、アゾ顔料、及びフタロシアニン色素及び/又は顔料を含む。着色剤は好ましくは、乾燥層重量を基準として、0〜15重量%、より好ましくは、0.5〜10重量%、特に好ましくは、1.5〜7重量%の量で存在する。
さらに、層は界面活性剤(例えばアニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性テンシド及びこれらの混合物)を含むことができる。好適な例は、フッ素含有ポリマー、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド基を有するポリマー、ソルビトール−トリ−ステアレート及びアルキル−ジ−(アミノエチル)−グリシンを含む。これらは好ましくは、乾燥層重量を基準として、0〜10重量%、特に好ましくは、0.2〜5重量%の量で存在する。
層はさらに、プリントアウト色素、例えばクリスタル・バイオレット・ラクトン又はフォトクロミック色素(例えばスピロピラン他)を含むこともできる。これらは好ましくは、乾燥層重量を基準として、0〜15重量%、特に好ましくは、0.5〜5重量%の量で存在する。
また、流動性向上剤、例えばポリ(グリコール)エーテル改質型シロキサンが層内に存在することができ、これらは好ましくは、乾燥層重量を基準として、0〜1重量%の量で存在する。
層はさらに、抗酸化剤、例えばメルカプト化合物(2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、及び3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール)、及びトリフェニルホスフェートを含むことができる。これらは好ましくは、乾燥層重量を基準として、0〜15重量%、特に好ましくは、0.5〜5重量%の量で使用される。
上塗り層
光重合性塗膜上には、酸素不透過性上塗り層を適用することができ、「酸素不透過性」は、「100%まで不透過性であること」を必ずしも意味しないが、しかし、貯蔵中、露光中、及び具体的には露光と更なる処理との間の時間中、大気中の酸素から塗膜を保護するのに十分であることを意味する。その時間中、上塗り層は、層の裂断なしに安全な取り扱い(製造、包装、輸送、露光など)が保証されるのに十分な、感光性塗膜に対する付着力を示さなければならない。酸素バリヤ層としてその機能に加えて、上塗り層はまた、指紋、及び引掻き傷のような機械的損傷から光重合性塗膜を保護する。
数多くの水溶性ポリマーが、このような上塗り層に適しているものとして文献中に記載されている。好適な例は、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル単位とビニルアセタール単位とを含有することもできる部分鹸化ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、及びビニルアセテート及びビニルエーテルとのそのコポリマー、ヒドロキシアルキルセルロース、ゼラチン、ポリアクリル酸、アラビアゴム、ポリアクリルアミド、デキストリン、シクロデキストリン、アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーであり、また、分子量5,000超のエチレンオキシドの水溶性高分子ポリマーが特に好適である。ポリビニルアルコールが好ましい上塗り層ポリマーである。国際公開第99/06890号パンフレットに記載されているような、ポリ(1−ビニルイミダゾール)又は1−ビニル−イミダゾールと少なくとも1種の更なるモノマーとのコポリマーと組み合わされたポリビニルアルコールを使用することもできる。
ポリビニルアルコールは、接着剤としてポリビニルピロリドンと組み合わせて使用することもできる。
上塗り層は、米国特許第3,458,311号、同第4,072,527号、同第4,072,528号、欧州特許出願公開第275 147号、同第403 096号、同第354 475号、同第465 034号、及び同第352 630号の各明細書にも記載されている。
好ましい態様の場合、上塗り層は、ポリビニルアルコール、又はポリ(1−ビニルイミダゾール)と組み合わされたポリビニルアルコール(又はそのコポリマー)を含む。
好適なポリビニルアルコールは、低廉な価格で商業的に入手可能である。これらは通常アセテート基の残留含量を0.1〜30重量%の範囲で有している。特に好ましいのは、残留アセテート含量1.5〜22重量%を有するポリビニルアセテートから得られるポリビニルアルコールである。使用されるポリビニルアセテートの分子量によって、上塗り層の付着力及び水溶性を制御することができる。分子量が低いほど、水溶液による上塗り層の除去を促進する。
水溶性上塗り層は、当業者に知られている表面塗布法、例えばドクターブレード塗布、ローラ塗布、スロット塗布、カーテン塗布、噴霧塗布、又は浸漬塗布の方法によって適用することができる。0.05〜10g/m2、より好ましくは、0.2〜3g/m2、最も好ましくは、0.3〜1g/m2の乾燥層重量が好適である。
多くの場合、水溶性上塗り層を水溶液で適用することが好ましい。環境及び人体に対するその有害な影響は最小限である。
しかしいくつかの用途の場合、有機溶剤を使用することが好ましいこともある。いくつかの基板において、水性塗布用溶液に0.5〜60重量%の有機溶剤を添加すると、付着力が改善される。上塗りされるべき表面を僅かに溶媒和することにより、本発明による上塗り層のポリマーの付着効果はさらに高められる。溶剤に対するこのような添加剤は例えばアルコール又はケトンであってよい。
塗布されるべき表面の均一且つ迅速な湿潤のために、塗布用溶液にアニオン性、カチオン性、非イオン性湿潤剤が添加されてよい。上塗り層はさらに、安定剤、保存剤、染色剤、泡沫分離剤、及びレオロジー添加剤を含むこともできる。
像様露光
光重合性塗膜内に使用される吸収剤成分がUV/VIS線を吸収する場合、前駆体は、波長250〜750nmのUV/VIS線で、当業者に知られた形式で像様露光される。これを目的として、一般的なランプ、例えば炭素アーク・ランプ、水銀ランプ、キセノンランプ及び金属ハロゲン化物ランプ、又はレーザー又はレーザー・ダイオードを使用することができる。約405nm(例えば405±10nm)の範囲のUV線を放射するUVレーザー・ダイオード、可視範囲(488nm又は514nm)で発光するアルゴンイオン・レーザー、及びほぼ532nmで発光する周波数二重化fd:Nd:YAGレーザーが、輻射線源として特に重要である。レーザー線は、コンピュータを介してデジタル制御することができ、すなわち、レーザー線は、コンピュータ内に記憶されたデジタル化情報を介して版の像様露光を行うことができるように、オン又はオフすることができ、こうしていわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(ctp)印刷版を得ることができる。
増感剤がIR線を吸収する場合、すなわち、波長750超〜1,200nmの輻射線を区別的に吸収し、そして好ましくは、吸収スペクトルのこの範囲内で吸収極大値を示す場合、像様露光はIR線源によって実施することができる。好適な輻射線源は、例えば750〜1,200nmで発光する半導体レーザー又はレーザー・ダイオード、例えばNd:YAGレーザー(1,064nm)、790〜990nmで発光するレーザー・ダイオード、及びTi:サファイヤ・レーザーである。レーザー線は、コンピュータを介してデジタル制御することができ、すなわち、レーザー線は、コンピュータ内に記憶されたデジタル化情報を介して版の像様露光を行うことができるように、オン又はオフすることができ、こうしていわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(ctp)印刷版を得ることができる。当業者に知られたIRレーザーを備えたいかなるイメージセッターをも使用することができる。
像様露光された前駆体は、露光された塗膜領域と、露光されていない塗膜領域とを含む。
露光前駆体の処理
像様露光後には、非画像領域内の塗膜を除去し、これにより前記領域内の基板を露出させるために、前駆体を現像剤で処理する。前駆体がポジ型である場合、非画像領域は露光された領域に相当するのに対して、ネガ型前駆体の場合、非画像領域は非露光領域に相当する。1つの態様によれば、露光と、現像剤による処理との間に予熱工程が実施される。
前駆体が、輻射線感光性塗膜を保護する上塗り層を含む場合、上塗り層は、現像剤を適用する前に水による洗浄/濯ぎによって除去することができる。1つの態様によれば、上塗り層は別個の工程では除去されず、本発明による現像剤で露光された前駆体を処理することにより、単独工程で、輻射線感光性塗膜の非画像領域と一緒に除去される。
現像剤によって塗膜の非画像領域(及び任意選択的に上塗り層)を除去した後、処理された前駆体を乾燥させることができる。
別の態様によれば、現像剤で非画像塗膜領域(及び任意選択的に上塗り層)を除去した後、処理された前駆体を水で濯ぐことができる。
別の態様によれば、現像剤で非画像塗膜領域(及び任意選択的に上塗り層)を除去し、そして前駆体を水で濯いだ後、親水性仕上げガムの適用が可能である。
典型的には、現像剤液を含有する塗布器で画像形成性層を擦るか又は拭うことにより、露光された前駆体を現像剤と接触させる。或いは、露光された前駆体を現像剤でブラッシングしてもよく、又は現像剤を噴霧により前駆体に適用してもよい。露光された前駆体を現像剤浴内に浸すことにより、現像剤による処理を実施することもできる。1つの態様によれば、処理は、商業的に入手可能な処理装置、例えば、唯1つの現像剤用浴及び乾燥セクションを含むTDP 60(Horsell)内で実施することができる。加えて、この処理装置内に導電率測定ユニットを組み込むことができる。
別の態様によれば、浸漬タイプの現像浴と、水でよる濯ぎセクションと、ガミングセクションと、乾燥セクションとを備えたコンベンショナルな処理装置を使用することができる。加えて、現像剤の現像剤活性を制御するために、処理装置内に導電率測定ユニットを組み込みこともできる。
露光された前駆体は典型的には、約5秒〜約60秒の時間にわたって15℃〜約45℃(好ましくは、20〜32℃)の温度の現像剤で処理される。
或る程度の数の露光された前駆体を処理した後、現像剤浴の現像活性(例えば滴定又は導電率測定により測定する)は所定のレベルを下回る。その場合は、浴に新鮮な現像剤を追加する(「トップアップ(top-up)」過程とも呼ばれる)。現像剤の容積及びその活性/導電率値の両方を一定に保つために、処理される前駆体1m2当たり、通常約15mL〜約300mL、典型的には約25〜150mLの新鮮な現像剤が必要である。処理された平版印刷版は、除去されて下側の親水性基板表面を露出した画像形成性層領域と、除去されていない相補的な画像形成性層領域とを含む。除去されていない画像形成性層領域がインク受容性である。
現像剤浴の活性を一定に保つために新鮮な現像剤を追加する代わりに、補充液を添加することができる。補充液は好適には、アルカリ試薬の濃度が、使用される新鮮な現像剤中のアルカリ試薬の濃度と比較して高いこと、また、他の成分の濃度が新鮮な現像剤中の濃度と同じであるかこれよりも高くてよい点で、新鮮な現像剤とは異なる。添加されるのに必要とされる補充液の量は、トップアップ過程と同じであり、すなわち、処理される前駆体1m2当たり、通常約15mL〜300mLである。
前駆体を現像剤と接触させた後、前駆体上に残った過剰な前記現像剤が除去される(例えば絞りローラ;水などのような液体による前駆体の洗浄/濯ぎによって)。後続の任意選択の乾燥工程後、処理された前駆体を印刷機に移す。印刷機上では、処理された前駆体を、湿し水溶液及び印刷インクと同時又は順次に(任意の順序。しかし好ましくは、最初に湿し水溶液、そのあとにインク)接触させる。前駆体を湿し水溶液及びインクと接触させ、そのあとに紙と接触させることにより、現像剤を用いた処理によってまだ除去されていない不所望の塗膜(非画像領域内の輻射線感光性塗膜及び/又は上塗り層)の残りを除去する。
現像剤
本発明の方法に使用される現像剤は、好ましくは、pH値8〜13、より好ましくは、pH9〜12の水性アルカリ溶液である。

水道水、脱イオン水又は蒸留水を使用することができる。水の量は好ましくは、現像剤の総重量を基準として、45〜98重量%、特に好ましくは、50〜95重量%、そして特に好ましくは、75〜95重量%である。
アルキレン酸化物誘導体
本発明の方法において使用される現像剤は、式(A)
Figure 2010540981
の少なくとも1種のアルキレン酸化物誘導体を含み、
上記式中、R1は線状又は分枝状C1−C6アルキル基又はHであり、(n+m)は整数2〜30であり、そしてR2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、H、−CH3及び−CH2−CH3から選択されるが、但しR2及びR3のうちの少なくとも一方がHではないこと、そしてさらに、R4及びR5のうちの少なくとも一方がHではないことを条件とする。
好ましくは、R1は、C1−C4アルキル基又はH、より好ましくは、H又はC1−C2アルキルである。(n+m)は好ましくは、整数2〜20、より好ましくは、2〜9である。好ましくは、R2=R4及び/又はR3=R5である。
好ましくは、R2、R3、R4及びR5は独立して、H及び−CH3から選択され、但しR2及びR3のうちの少なくとも一方、及び、R4及びR5のうちの少なくとも一方がHではないことを条件とする。
特に好ましいアルキレン酸化物誘導体は、ポリプロピレンオキシド((n+m)=2〜30、好ましくは、2〜9であるような分子量を有する)、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びトリプロピレングリコールである。
アルキレン酸化物誘導体の量は好ましくは、0.001〜50重量%、より好ましくは、0.01〜25重量%である。
アルカリ成分
本発明において使用される現像剤は、任意選択的にアルカリ成分を含む。
アルカリ成分は、アルカリケイ酸塩、アルカリ水酸化物、Na3PO4、K3PO4、NR4OHから選択され、各Rは独立して、C1−C4アルキル基及びC1−C4ヒドロキシアルキル基、アミン、及びこれらのうちの2種又は3種以上の混合物から選択される。
アルカリ成分の量、又は混合物の場合にはアルカリ成分の総量は、現像剤のpH値が8〜13になるように、好ましくは、pHが9〜12になるように選択される。
本発明に使用される「アルカリケイ酸塩」という用語は、メタケイ酸塩及び水ガラスをも含む。ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが好ましいケイ酸塩である。アルカリケイ酸塩が使用される場合、ケイ酸塩の量は好ましくは、現像剤を基準として少なくとも1重量%(SiO2として計算)である。
アルカリ水酸化物のうち、NaOH及びKOHが特に好ましい。
通常、アルカリメタケイ酸塩を使用することにより、更なるアルカリ添加物、例えばアルカリ水酸化物なしで、12を上回るpH値が容易に提供される。水ガラスが使用される場合、12を上回るpH値が所望される場合、アルカリ水酸化物が追加して使用される。
1つの態様によれば、現像剤中にケイ酸塩は存在しない。
好ましい水酸化第四アンモニウムNR4OHは、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルエタノールアンモニウム、水酸化メチルトリエタノールアンモニウム、及びこれらの混合物を含み、特に好ましい水酸化アンモニウムは、水酸化テトラメチルアンモニウムである。
好適なアミンは、第1級、第2級、及び第3級アミンである。例は、モノアルカノールアミン及びジアルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン及びジエタノールアミンである。
界面活性剤
本発明において使用される現像剤の更なる任意選択の成分が界面活性剤である。
界面活性剤は、これが現像剤の他の成分と適合性があり、また水性アルカリ溶液中に可溶性である限り、具体的に制限されることはない。界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、両性、又は非イオン性界面活性剤であってよい。
アニオン性界面活性剤の例は、ヒドロキシアルカンスルホネート、アルキルスルホネート、ジアルキルスルホスクシネート、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、分枝状アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテルの塩、ナトリウムN−メチル−N−オレイルタウレート、モノアミドジナトリウムN−アルキルスルホスクシネート、石油スルホネート、硫酸化ひまし油、硫酸化タロー油、脂肪族アルキルエステルの硫酸エステルの塩、アルキル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、脂肪族モノグリセリドの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、アルキルリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステルの塩、無水スチレンマレイン酸コポリマーの部分鹸化化合物、オレフィン−無水マレイン酸コポリマーの部分鹸化化合物、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、ナトリウムドデシルフェノキシベンゼンジスルホネート、アルキル化ナフタレンスルホネートのナトリウム塩、ジナトリウムメチレン−ジナフタレン−ジスルホネート、ナトリウムドデシル−ベンゼンスルホネート、(ジ)スルホン化アルキルジフェニルオキシド、アンモニウム又はカリウムペルフルオロアルキルスルホネート、及びナトリウムジオクチル−スルホスクシネートを含む。
これらのアニオン性界面活性剤の中で特に好ましいのは、アルキルナフタレンスルホネート、ジスルホン化アルキルジフェニルオキシド、及びアルキルスルホネートである。
非イオン性界面活性剤の好適な例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、グリセリン脂肪酸の部分エステル、ソルビタン脂肪酸の部分エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸の部分エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸の部分エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレン化ひまし油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸の部分エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、及びトリアルキルアミンオキシドを含む。これらの非イオン性界面活性剤の中で特に好ましいのは、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及びポリオキシエチレン−2−ナフチルエーテルである。
さらに、フッ素含有型及びシリコーン系のアニオン性及び非イオン性界面活性剤を同様に使用することもできる。
両性界面活性剤は例えばN−アルキルアミノ酸トリエタノールアンモニウム塩、コカミドプロピルベタイン、コカミドアルキルグリシアネート、単鎖アルキルアミノカルボキシレートのナトリウム塩、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−カルボキシエチル脂肪酸アミドエチルアミンナトリウム塩、及びカルボン酸アミドエーテルプロピオネートであり、好ましくは、コカミドプロピルベタインである。
カチオン性界面活性剤の例は、塩化テトラブチルアンモニウム及び塩化テトラメチルアンモニウムのような塩化テトラアルキルアンモニウム、及びプリプロポキシル化塩化第四アンモニウムである。
非イオン性、アニオン性、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物が好ましい。
上記界面活性剤のうちの2種又は3種以上を組み合わせて使用することができる。界面活性剤の量(2種以上を使用する場合には界面活性剤の総量)は、具体的に制限されることはないが、しかし、現像剤の総重量を基準として好ましくは、0.01〜25重量%、より好ましくは、2〜15重量%である。
現像剤の更なる任意選択の成分
必須成分及び上記任意選択の成分の他に、本発明において使用される現像剤は、更なる添加剤、例えば有機溶剤、殺生物剤、錯化剤、緩衝物質、色素、消泡剤、着臭剤、防食剤、及びラジカル阻害剤を含有してよい。
消泡剤:
好適な消泡剤は、例えば商業的に入手可能なSilicone Antifoam Emulsion SE57 (Wacker)、TRITON(登録商標) CF32 (Rohm & Haas)、AKYPO(登録商標)LF (エーテルカルボン酸Chem Y)、Agitan 190 (Muenzing Chemie)、TEGO(登録商標) Foamese 825 (変性ポリシロキサン、TEGO Chemie Service GmbH、ドイツ国)を含む。シリコーン系消泡剤が好ましい。これらは水中に分散性又は可溶性である。現像剤中の消泡剤の量は、現像剤の重量を基準として、好ましくは、0〜1重量%であり、特に好ましくは、0.01〜0.5重量%である。1種の消泡剤、又は2種又は3種以上のものから成る混合物を使用することができる。
緩衝剤:
緩衝物質は、例えばトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(TRIS)、リン酸水素塩、グリシン、3−(シクロヘキシルアミノ)−プロパンスルホン酸(CAPS)、炭酸水素塩、ホウ砂を含むホウ酸塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパン−スルホン酸(CAPSO)、及び2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタン−スルホン酸(CHES)を含む。
殺生物剤:
殺生物剤は、バクテリア、真菌及び/又は酵母に対して効果であるべきである。好適な殺生物剤は、例えばN−メチロール−クロロアセトアミド、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、イソチアゾリノン誘導体、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジン、グアニジン誘導体、第四アンモニウム塩、ピリジン、キノリン誘導体、ジアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール及びオキサジン誘導体、及びこれらの混合物を含む。これらの量は具体的に制限されることはないが、溶液の総重量を基準として、好ましくは、現像剤中0〜10重量%、特に好ましくは、0.1〜1重量%を占める。1種の殺生物剤、又は2種又は3種以上のものから成る混合物を使用することができる。
錯化剤:
好適な錯化剤の例は:アミノポリカルボン酸及びその塩、例えばエチレンジアミン四酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、ジエチレントリアミン五酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、トリエチレンテトラアミン六酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、ニトリロ三酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、1,2−ジアミノシクロヘキサン−四酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、及び1,3−ジアミノ−2−プロパノール−四酢酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、及び有機ホスホン酸、ホスホノアルカントリカルボン酸又はその塩、例えば2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、ホスホノエタン−2,2,2−トリカルボン酸及びそのカリウム又はナトリウム塩、アミノトリス−(メチレン−ホスホン酸)及びそのカリウム又はナトリウム塩、及びナトリウムグルコネートを含む。錯化剤は個別に、又は2種又は3種以上のものの組み合わせとして使用することができる。上記錯化剤の有機アミン塩を、そのカリウム又はナトリウム塩の代わりに使用することができる。錯化剤の量は、溶液の総重量を基準として、好ましくは、現像剤中0〜5重量%、特に好ましくは、0.01〜1重量%を占める。
有機溶剤:
現像剤は、有機溶剤又は有機溶剤の混合物を含んでもよい。現像剤は単一相である。結果として、有機溶剤は、水と混和可能であるか、又は少なくとも相分離が発生しないように現像剤に添加される程度に現像剤中に可溶性でなければならない。下記溶剤及びこれらの溶剤の混合物が、現像剤中で使用するのに適している:フェノールとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドとの反応生成物、例えばエチレングリコールフェニルエーテル;ベンジルアルコール;エチレングリコール及びプロピレングリコールと炭素原子数6以下の酸とのエステル、及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、及びプロピレングリコールと、炭素原子数6以下のアルキル基とのエーテル、例えば2−エチルエタノール及び2−ブトキシエタノール。単一の有機溶剤又は有機溶剤の混合物を使用することができる。有機溶剤は典型的には、現像剤の重量を基準として約0重量%〜約15重量%の濃度で、好ましくは、現像剤の重量を基準として約3重量%〜約5重量%で現像剤中に存在する。
スラッジ阻害剤:
米国特許第6,383,717号明細書及び同第6,482,578号明細書に詳細に記載されているように、前駆体の塗膜内のラジカル重合に基づいて画像が形成されるネガ型前駆体の場合、ラジカル重合性材料の増加により、スラッジが現像剤浴中に形成されるおそれがある。スラッジ形成は、現像剤中のフィルタ色素及びラジカル阻害剤から選択された少なくとも1種の材料の存在によって防止することができる。フィルタ色素は周囲の紫外線及び可視線を吸収し、そして配合された現像剤中に存在する輻射線感光性開始剤系によって吸収される量を低減する。ラジカル阻害剤は、配合された現像剤中のモノマーのラジカル重合を阻害する。
フィルタ色素の吸収は、輻射線感光性開始剤系の吸収に適合され、さらに、フィルタ色素は、現像剤中に安定であるべきであり、そして現像剤の成分、又は輻射線感光性層とのいかなる化学反応又は相互反応も被るべきではない。
日光又は同様な条件下で安定化効果をもたらすために必要となるフィルタ色素の濃度は、多くのファクターに依存することになるが、フィルタ色素の濃度は好ましくは、現像剤の重量を基準として約0〜2重量%であり、より好ましくは、現像剤の重量を基準として約0.4〜2重量%である。
約350nm〜約650nmのスペクトル領域内の輻射線を吸収するのに十分なフィルタ色素を現像剤中に溶解させることができるように、フィルタ色素は現像剤中に十分に可溶性でなければならない。1つ又は2つ以上のスルホン酸基で置換された色素は、典型的には現在剤中の十分な溶解度を有することになる。好ましい色素は、スルホン酸基で置換された、黄色を帯びた色素、黄、オレンジ及び赤の色素を含む。特に好ましいのは、スルホン化アゾ色素である。好ましい色素は、例えばメタニル・イエロー(C.I.13065)及び同様の水溶性アゾ色素、例えばメチルオレンジ(C.I.13025)、トロペオリンO(C.I.14270)、トロペオリンOO(C.I.13080)、タルトラジン(C.I.19140);オキソノール・イエローK(Riedel−de−Haen);アシッドイエロー・タイプの色素、例えばC.I.13900、C.I.14170、C.I.18835、C.I.18965、C.I.18890、C.I.18900、C.I.18950(極性イエロー)、C.I.22910、及びC.I.25135;及びアシッドレッド・タイプの色素、例えばC.I.14710、C.I.14900、C.I.17045、C.I.18050、C.I.18070、C.I.22890を含む。その他の好適な色素が当業者には容易に明らかである。単一のフィルタ色素又はフィルタ色素の混合物を使用することができる。
ポリマー安定剤又はラジカル・トラップとしても知られている好適なラジカル阻害剤は、モノマー及びポリマーの安定化の技術分野では良く知られている。
モノマーの重合を開始しない生成物を形成するためにラジカルと反応することができ、現像剤中の所要の溶解度及び安定性を有し、及び現像剤又は印刷版の特性に不都合な影響を及ぼすことのないいずれの材料も場合によっては使用することができる。これらは、例えば:キノン又はヒドロキノン部分を含有する化合物、特にベンゾキノン及び置換型ベンゾキノン、及びヒドロキノン及び置換型ヒドロキノン、例えばヒドロキノンモノメチルエーテル(4−メトキシフェノール)、t−ブチルヒドロキノン(4−t−ブチルフェノール、TBHQ)、及びt−ブチルヒドロキシアニソール(BHA);レコルシノール、ピロガロール、リン酸エステル;及びヒンダードフェノール及びビスフェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、及び2,6−ジ−t-ブチル−4−メトキシフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール;安定なラジカル、例えばジ−t-ブチルニトロキシド及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリドンニトロキシド;ニトロ置換型芳香族化合物;アミノフェノール;フェノチアジン;及び第二級ジアリールアミン、例えば置換型ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、及びN−フェニル−ナフチルアミンを含む。好ましいラジカル阻害剤は、キノン、ヒドロキノン、ヒドロキノンのエーテル、及びヒンダードフェノールである。より好ましくは、ヒドロキノンのエーテル、特にヒドロキノンのエーテル、及びヒンダードフェノールである。好ましい化合物は、ヒドロキノンモノメチルエーテル(4−メトキシフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、及び2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールである。単一のラジカル阻害剤又はラジカル阻害剤の混合物を使用することができる。ラジカル阻害剤又はラジカル阻害剤の混合物は典型的には、現像剤の重量を基準として約0重量%〜約3.0重量%の濃度で、好ましくは、現像剤の重量を基準として約0.5重量%〜約1.5重量%で現像剤中に存在する。
防食剤:
防食剤の例は、ホスホン酸及びこれらの塩、例えばヒドロキシエチルホスホン酸及びその塩、アミノトリメチレンホスホン酸及びその塩、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸及びその塩;リン酸塩、例えばリン酸三ナトリウム;ホウ酸塩、例えばホウ砂;並びにグリセロール、及び式
Figure 2010540981
(上記式中、zは0,1又は2であり、そしてR20及びR21は独立して水素又はC1−C3アルキルである)
を有するグリコールである。
防食剤又はこのような防食剤の混合物は典型的には、現像剤の重量を基準として約0重量%〜10.0重量%の濃度で、好ましくは、0.1〜5重量%、グリセロール又はグリコールの場合には5〜10重量%で現像剤中に存在する。
更なる添加剤:
所望の場合、現像剤中には着臭剤及び色素が存在することが可能である。これらの色素は、現像剤及び補充液のような異なる処理用化学薬品が同時に使用される場合に混同が生じるのを防止するために添加される。使用することができる色素のクラスの例は、アゾ色素、トリアリールメタン色素、又はフタロシアニンである。現像剤中の色素の濃度は典型的には0〜0.5重量%、好ましくは、0.0005〜0.5重量%である。
現像剤中の他の成分の不快な臭気を補償するために着臭剤が使用される。着臭剤の典型的な濃度は、0〜1重量%、好ましくは、0.001〜1重量%である。
下記例において本発明をより詳細に説明するが、これらの例は本発明を限定するものでは決してない。
下記の略語を使用する:
Desmodur(登録商標) N100 三官能性イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシネートのビウレット)、Bayerから入手可能、
HEMA (2−ヒドロキシエチル)メタクリレート、
HEPi 2−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、
HMDI ヘキサメチレンジイソシアネート、
Joncryl 683 SC Johnson & Son Inc. USAのアクリル樹脂、酸価=162mg KOH/g、
Kayamer PM-2 1モルのリン酸と1.5モルのヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル、Nippon Kayakuから入手可能、
Renolblue B2G-HW(登録商標) ポリビニルブチラール中に分散された銅フタロシアニン顔料、Clariantから入手可能、
T
EXAPON(登録商標)CPS アニオン性界面活性剤(オクチル硫酸ナトリウム)、Henkelから入手可能、
Triton H66 アニオン性ポリエーテルホスフェート;Dow Chemicalsから入手可能、
AC 50(登録商標) 酸価48mg KOH/gのメタクリル酸コポリマー;メチルグリコール中70重量%溶液;PCASから入手可能、
Surfynol 2502 非イオン性界面活性剤(エトキシル化/プロポキシル化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)、Airproductsから入手可能、
Pluriol P400 ポリプロピレンオキシド430g/mol(n=4,5,6)
Pluriol P600 ポリプロピレングリコール、Mw=600;BASFから入手可能
Pluriol E1500 ポリプロピレングリコール、Mw=1500;BASFから入手可能
Basonyl Violet 610 Basic Violet 3; C.I. 42555; Bayerから入手可能
Dowanol DPM ジプロピレングリコールメチルエーテル
Dowanol EPH エチレングリコールフェニルエーテル
Dowanol DPnB ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル
Dowanol DPnP ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル
Dowanol TPM トリプロピレングリコールメチルエーテル
Dowanol TPnB トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル。
例1−51及び比較例1−9
電気化学的粗面化及び陽極酸化を施された、酸化物重量3.2g/m2のアルミニウム・フォイルに、ポリビニルリン酸の水溶液を使用して後処理を施した。表面の平均粗さは0.55μmであった。表1(表2〜5との組み合わせ)に相当する塗膜用組成物を、濾過後、基板に塗布した。塗膜を90℃で4分間にわたって乾燥させた。
得られた試料に、ポリ(ビニルアルコール)(加水分解度88%の、Air ProductsのCelvol 203)の水溶液による上塗りを施すことにより、90℃で4分間にわたって乾燥させた後、表1に示されているような乾燥塗膜重量を有する印刷版前駆体を得た。
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
露光・予熱工程後、版を現像した。試験される現像剤及び比較現像剤の成分を表6に示す。
表6にはまた、次のように行われた「浸漬損失試験」の結果を示す:
ネガティブ版の浸漬損失を測定するために、版(上塗り層なし)に全体的な露光を施した。1dm2のディスクを打ち抜き、その重量を測定した(WEnD)。その後、ディスクを現像剤(滞留時間:1分;温度:21℃)で処理し、そして乾燥後、重量を再び測定した(WED)。
下記等式:
Figure 2010540981
に従って、浸漬損失(%)を計算した。
ここで、
CW=塗膜重量
EnD=露光された未現像ディスクの重量
ED=露光され、現像されたディスクの重量。
現像剤D1、並びに比較現像剤CD1及びCD4を用いて得られた浸漬損失結果(表6参照)から、Dowanol EPHの量を3重量%だけ増加させる結果、浸漬損失が高くなる(CD1及びCD4の比較)のに対して、Pluriol P600のような式(A)の誘導体を3重量%添加すると、驚くべきことに、浸漬損失が低くなることが明らかである。
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
Figure 2010540981
版を用いた印刷
こうして調製された版を、研磨性インク(Sun Chemicalから入手可能なOffset S7184、10%炭酸カリウムを含有)を使用する枚葉紙オフセット印刷機内に装填した。画像なしの領域をトーニングに関して検査した。最大20,000部を形成したが、しかし特に断りのない限り、印刷運転はさらに続く場合もあった。
現像剤D1〜D18を使用することにより、比較現像剤(CD1〜CD3)と比較して改善をもたらすかどうかを調べるために、下記試験を実施した。これらの試験の結果を表7にまとめる。
現像スピードの評価:
現像能力を評価するために、5x30cm2の未露光の版ストリップを、ガラス・ビーカー内に入れられた相応の現像剤中に浸し、これらのストリップを5秒毎に4cmずつ深く現像剤浴内に沈めた。その前に、版を90℃の炉内で2分間にわたって処理した。50秒後に、ストリップを現像剤から引き出し、水で濯ぎ、そして最初のクリーン・ステップを得るための時間を、現像時間と見なした。結果を表7にまとめる。
スラッジ形成:
現像過程中のスラッジ形成を評価するために、次の方法を用いた。版を予加熱し(版の裏側で測定して110℃)、水道水で上塗り層を洗い落とし、2つのブラシに支持された版を20秒間にわたって23℃で現像し、現像された版を水道水で濯ぎ、そしてKodak Polychrome Graphicsのガム850 Sで版をガミング処理する過程を可能にする、Glunz & Jensenの処理装置Raptor Polymer HWに、相応の現像剤浴を充填した。現像剤を処理装置から排出し、処理装置内の残留スラッジ及び水の噴霧による清浄化しやすさに関して評価した。
スカム形成試験:
平版印刷版の調製に際しては、上で説明したようにアルミニウム・フォイルに印刷層を適用し、これを露光し、加熱し、現像し、そして水で濯いだ後、現像された版を拭って、これに、0.5%リン酸及び6%アラビアゴムの水溶液を擦り付ける。こうして調製された版を、研磨性インク(Sun Chemicalから入手可能なOffset S7184、10%炭酸カリウムを含有)を使用する枚葉紙オフセット印刷機内に装填する。画像なしの領域を、50部の印刷後、印刷が停止されるまで、スカム形成に関して調べた。
ドット鮮鋭化:
ドット鮮鋭化は、印刷機作業中のドット損失の増強として当業者に理解される。ドット鮮鋭化は、線形化版の相対ドット損失(dot loss)として定義される。ドット鮮鋭化は、全てのトーン値TWにわたって積分されたプレス試験の前後のドット利得(dot gain=測定トーン値−所期トーン値)に対する積分値の差から見極められる(等式1)。
Figure 2010540981
このように、ドット損失が小さければ小さいほど、われわれの用途の版は良好である。試料のドット損失を基準のドット損失で割り算した値を100で掛け算することにより、相対ドット損失を計算する(等式2参照)。ドット損失基準値を決定するために、同じ版の試料を、商業的な現像剤Kodak 980で処理した。
Figure 2010540981
種々異なる現像剤で現像された種々の版の結果を表7にまとめる。
Figure 2010540981
Figure 2010540981
例が明らかにするように、本発明に従って現像された版は、低い浸漬損失につながる、画像部分に対する現像剤によるより僅かな攻撃を示し、また処理装置内のスラッジ形成も、より僅かにしか示さない。これと同時に、現像能力は影響を及ぼされることがなく、スカム形成の傾向も観察されなかった。

Claims (12)

  1. (a) 基板上に、ラジカル光重合に基づく少なくとも1つの感光性層及び任意選択的な酸素不透過性上塗り層を含む、湿式オフセット印刷のためのネガ型輻射線感受性平版印刷版前駆体を用意する工程、
    (b) 波長250〜1200nmの輻射線を用いて該前駆体を像様露光する工程、
    (c) (i)式(A)
    Figure 2010540981
    (上記式中、R1は線状もしくは分枝状C1−C6アルキル基又はHであり、(n+m)は整数2〜30であり、そしてR2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、H、メチル及びエチルから選択されるが、但しR2及びR3のうちの少なくとも一方がHではないこと、そしてさらに、R4及びR5のうちの少なくとも一方がHではないことを条件とする)
    の少なくとも1種のアルキレン酸化物誘導体と、
    (ii)アルカリ成分及び界面活性剤から選択された少なくとも1種の成分と、
    (iii)任意選択的に、錯化剤、緩衝剤、消泡剤、有機溶剤、色素、着臭剤、殺生物剤、防食剤、分散剤、及び増粘剤のうちの少なくとも1種と
    を含む水性アルカリ現像剤を用いて、該露光された前駆体を現像する工程
    を含んで成る画像形成された平版印刷版を製造する方法。
  2. 該輻射線感光性塗膜が、250〜750nmの範囲から選択された波長の輻射線に対して感受性を有し、そして像様露光が、250〜750nmの範囲から選択された波長の輻射線を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 該輻射線感光性塗膜が、750超〜1200nmの範囲から選択された波長の輻射線に対して感受性を有し、そして像様露光が、750超〜1200nmの範囲から選択された波長の輻射線を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 該現像剤のpHが8〜13である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 式(A)の(n+m)が整数2〜9である、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 式(A)においてR1がH、−CH3又は−CH2−CH3である、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 該アルキレン酸化物誘導体が、ポリプロピレンオキシド((n+m)=2〜30、好ましくは2〜9であるような分子量を有する)、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びトリプロピレングリコールから選択される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 該アルキレン酸化物誘導体が、0.001〜50重量%の量で現像剤中に存在する、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
  9. 該現像剤が界面活性剤を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 該現像剤がアルカリ試薬を含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 該前駆体が、任意選択的に工程(c)の前に除去される上塗り層を含む、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 該方法が、工程(b)の後且つ工程(c)の前に予熱工程をさらに含む、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
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