JP2010540943A - 位置検出のための装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、測定区域に適用された測長手段(102)と測長手段の時間的変動を与えるための測長変動ユニット(B)を具備する、位置検出のための装置に関係する。検出器(108)は、測定された区域の長さと変動の関数として上記測長手段(102)を観測し、測定信号を生成する。前記測定信号は、測長手段の時間的変動の関数として評価される。
【選択図】図3

Description

本発明は位置検出のための方法及び装置、並びにポジショナーと位置検出装置を有する装置構成に関係する。
多くの応用分野において、ある物体の位置または前記物体が占める範囲の距離を検出することが必要とされる。一例として、搬送自動化技術においては、個々の物体の位置を監視し、評価する必要がある。位置検出の精度が特に重要である適用分野として特に挙げられる分野は、物体が目標を定めた特定の態様で移動される位置決め工学である。このような位置決めを行なうポジショナーは、例えば、研究や産業において利用されている。移動の経路の最大可能な再現性とスケーラビリティに加えて、振動に対する非反応性、頑健性及び設計のコンパクト性などの特性が、実際の使用時には不可欠な役割を果たす。
マイケルソン干渉計を使用した光学的手段によって位置検出を行なうことは、既知の実施法である。図1は、直交検出法を使用した位置検出用に設計されている、二重化マイケルソン干渉計4の設計を示す。レーザ1は、波長λのレーザ光を発生し、そのレーザ光は光ファイバ2によって二重化マイケルソン干渉計4の干渉計ヘッド3へ送られる。干渉計ヘッド3は、コリメータ・レンズ5、2つのビーム・スプリッタ6−1、6−2、2つの参照ミラー7−1、7−2及び2つの検出器8−1、8−2を有する。光ファイバ2のファイバ端から出てくるレーザ光は、コリメータ・レンズ5によって平行光ビームに広げられる。平行光ビームは、第1のビーム・スプリッタ6−1と第2のビーム・スプリッタ6−2を通過し、ミラー9によって反射される。ミラー9は物体(図示せず)に接して配置され、X方向(両方向の矢印を参照)における物体の位置が監視対象となる。ミラー9によって反射された光は、次に2つのビーム・スプリッタ6−1と6−2を通過し、このとき、どちらも反射光の一部が検出器8−1、8−2の方向へ反射される。この状況で、ビーム・スプリッタ6−1、6−2において各検出器8−1、8−2の方向へ反射された光ビームは、各参照ミラー7−1、7−2によって反射された光ビームとの干渉を起こす。検出器8−1、8−2は、干渉パターンの強度を感知する。各測定信号は、レーザ光の縦波の半分λ/2によって示される周期性をもつ変位xに基づき、周期的に振動する。
参照ミラー7−1、7−2が、これらのミラーの鏡面間の間隔がλ/8+Nλ/2(ここでN=0、1、2、3、…)の増分となるように配置されるとすれば、関数

s = cos(4πx/λ) (1)

が検出器8−1からの出力信号に対して得られ、関数

= sin(4πx/λ) (2)

が検出器8−2からの出力信号に対して得られる。
まず初めに、(図1に示されない)干渉計ヘッド3が一つだけの干渉計からなる(例えば、ビーム・スプリッタ6−1、参照ミラー7−1及び検出器8−1を具備する)場合について考えてみることにする。この場合、出力信号sだけが得られる。この一つの出力信号sが、λ/2後に繰り返される。しかし、多くの応用においては、この一つの信号sを使用して変位経路xを決定することは、変位の方向の決定を行なえないこと、xに応じて変わる精密度(コサイン関数の両極限の領域における変位経路の決定は、その中間に位置する稜線領域におけるよりも実質的により小さい精密度で起こり得る)をもつことは不都合である。
直交検出の方法は、これらの2つの欠点を取り除く。この目的のために、第2の検出器8−2からの信号sが同様に評価される。
2つの信号sとsの評価は、変位の方向の決定と変位経路xの解明のための一定の精度の両方を可能にする。このために払うべき代償は、2チャネルの測定装置構成(2つの検出器8−1、8−2を有する2つのマイケルソン干渉計)が必要になることである。
さらに、図1に示した二重化マイケルソン干渉計4は小型化できない。その理由は、ビーム・スプリッタ6−1、6−1と参照ミラー7−1、7−2は、配置整合を失わないようにするためには、立体的な、つまり物理的に比較的大きなユニットとして装備される必要があるからである。現在利用可能な最もコンパクトな二重化マイケルソン干渉計の寸法は、通常、10x10x5cmである。測定区域(すなわち、ミラー9とビーム・スプリッタ6−1、6−1の間)内では光ファイバ中で光を送ることができない(温度の影響と機械的応力によって、測定区域における長さの変化に等しくなる、ファイバの光学指数の変動が発生する)ため、監視対象の物体に相対的な規定された所定の位置近くに干渉計ヘッドを常に配置しなければならない。このことは、例えば、比較的小さい内蔵型システム等では、内蔵型システムの外部に干渉計ヘッド3を配置できず、光ファイバを介して測定光をシステム内へ送ることができないので、多くの数の応用が不可能になることを意味する。
本発明が基づく目的は、物体の位置検出を簡単な方法で可能にする方法及び装置を提供することである。特に、高い精度レベルでの位置検出が可能である必要がある。
上記目的は独立請求項の特徴によって達成される。本発明の有利な精巧化は、従属請求項に明記される。
したがって、位置検出のための方法は、測長手段を測定区域に適用することと、上記測長手段は経時変動を受け、上記測長手段を観測することによって得た測定信号を上記経時変動に基づいて評価することを含んでなる。
上記の測長手段という用語は、広い意味をもつと解釈され得るものであり、経路に沿って形成可能であり、測定区域に適用可能である、どのような測定をも含む。測長手段は、測定区域に沿った長さ寸法を得るための特定の規定されたピッチを作り出す。具体的には、各波動場(例えば、電磁波、電場、磁場、音波)が、例えば、その波動場の強度の極限値の位置によって定義され得る測長手段を作り出す。この場合、測長手段を作り出すために、どのような波形でも使用できる。
上記測長手段の経時変動は、測長手段の測定点間の測定幅を時間の経過に伴い変えることを含んでなり得る。このような経時変動は、例えば、その波長を規定された時間関数に基づいて、例えば、周期的に変化させることができる、波動場の発生源によって実現される。上記測長手段を経時変動させるための別のオプションは、固定された基準点に相対的な測長手段の始点を時間の経過に伴い変えることを含む。この場合、測定幅(すなわち、測長手段の測定点間の間隔)は一定に維持でき、規定された時間関数に基づいて(例えば、周期的に)、変位xの方向に測長手段が全体として前後に動かされる。測長手段の測定幅を時間の経過に伴い変えること、または固定された基準点に相対的な測長手段の位置を時間の経過に伴い変えることのいずれかによって、上記測長手段を経時変動させることもできる。
一つの有利な精巧化によれば、測定信号の評価は、上記経時変動に依存する第1の周波数で測定信号を復調することと、復調された測定信号を使用して位置検出を行なうこととを含んでなる。(一つの)測定信号の復調は、評価時に上記測長手段の経時変動を考慮に入れる。
上記方法の一つの有利な精巧化は、上記経時変動に依存する第1の周波数で測定信号を復調することと、上記経時変動に依存し、上記第1の周波数とは異なる第2の周波数で測定信号を復調することと、復調された測定信号を使用して位置検出を行なうこととを含んでなる。測定信号を2つの異なる周波数で復調することによって、直交検出法を用いて高い精度レベルで位置検出を実行可能になる。
上記測長手段が波動場を用いて形成される場合、上記測長手段の経時変動は、例えば、波動場の波長を変化させることによって及び/または波動場の経路位相の変化させることよって発生させることができる。上記第1の場合、測定幅が時間の経過に伴い変動され、他方、第2の場合、固定基準点に相対的な測長手段の位置が時間の経過に伴い変えられる。
位置検出のための装置は、測定区域中に波動場を発生させるための発生源を具備する。それに加えて、上記装置は、波動場を時間の経過に伴い変動させるための波動場変動装置を有する。さらに、上記装置は、測定区域の長さに依存する、波動場に対する干渉パターンを発生させる干渉計と、検出された干渉パターンを測定信号を生成するための基として取り込む検出器を具備できる。評価回路は、上記経時変動に基づいて測定信号を評価する。
上記評価回路は、上記経時変動に依存する第1の周波数で測定信号を復調し、上記経時変動に依存し、上記第1の周波数とは異なる第2の周波数で測定信号を復調するように、適切に設計され得る。このような装置は、直交検出法を用いて位置検出を実行可能であり、ただ一つの干渉計とただ一つの検出器があればよい。直交検出法に必要な2つの信号は、測定信号の2つの異なる復調によって評価回路中で生成される。
上記装置の一つの有利な精巧化では、上記干渉計はファブリー・ペロー干渉計であり得る。ファブリー・ペロー干渉計は、小型化するための高い潜在可能性を提供する。一つだけの干渉計が必要とされるので、直交検出法が使用される場合でも、従来技術とは異なり、ファブリー・ペロー干渉計を使用することができる。マイケルソン干渉計型の干渉計が使用される場合には、これは単一チャネルの単一の干渉計の形態をとり得る。
位置検出のための別の装置は、測定区域に結合された測長素子と、上記測長素子の測定パターンを時間の経過に伴い変動させるための測長素子変動装置を具備する。さらに、上記装置は、測定区域の変化に影響される上記測定パターンを観測することによって測定信号を生成するための検出器と、測定信号を上記経時変動に基づいて評価する評価回路を具備する。一例として、上記測長素子は、測定パターンがそれに付随した弾性体であり得る。前記弾性体を伸縮させることによって、測定パターンの測定幅を経時変化させることができる。上記測長素子の別のオプションは、(確固とした)測定パターンがそれに付随した剛性体である。この場合、上記測定パターンは、上記測長素子を、例えば、固定された基準点に相対して周期的に動かすことによって経時変動させることができる。
一例として、上記測定パターンは、磁気帯パターン及び/またはコントラスト・パターンであり得る。例えば、強誘電材料を用いる、または、例えば、表面トポグラフィー等の測定具のような構造物を形成するなどによって、ある測定量を(物理的な)測長素子に認識させるための多くの他のオプションが考えられる。
一つの装置構成は、ポジショナーと上記ポジショナーにとっての位置決め位置を検出するための光学的位置検出装置を含んでなる。上記光学的位置検出装置は、ファブリー・ペロー干渉計と、直交検出を用いて上記ポジショナーの位置決め位置を決定するための基として、上記ファブリー・ペロー干渉計によって送出される測定信号を取り込むように設計される評価装置を有する。この装置構成の一つの利点は、当構成がファブリー・ペロー干渉計の使用により非常に小型化できる点と、直交検出により、ポジショナーの変位の方向を解明する正確な位置検出装置を可能にすることである。このことは、高度な装備包含を伴ってしか位置検出ができなかった、正確な位置検出ができなかった、または位置検出そのものが全くできなかったような多くの種類の応用に上記装置構成が適合することを意味する。一例として、この装置構成は、1ミリメートル未満の範囲または1ミクロン未満の範囲でのポジショナーを有することができる。
既知の二重化マイケルソン干渉計の設計の概略図を示す。 本発明の第1の態様に基づいた例示的な実施形態の概略基本図を示す。 本発明の第2の態様に基づいた例示的な実施形態の概略基本図を示す。 直交検出中に得た信号と前記信号の評価のグラフを示す。 本発明の例示的な実施形態の概略図を示す。 本発明の例示的な実施形態の概略図を示す。 本発明の例示的な実施形態の概略図を示す。 図8は、並進移動のためのポジショナーの概略図を示す。
図面を参照して、以下に、本発明を実施例として説明する。
図2は、位置検出装置100−1の第1の例示的な実施形態の基本図を示す。物体101はx方向に移動する。物体101の位置または移動を捕捉するために、測長手段102が備えられる。前記測長手段102は、既に言及したように、例えば、波動場によって、または測定ピッチが刻印された物によって、多種多様な方法で実現され得る。位置検出装置100−1は、特定の位置102aで測長手段102を観測する検出器108を具備する。測長手段は、光学的にまたは他の方法で(例えば、機械的にまたは測定によって誘起された磁場を捕捉することによってなど)観測可能である。検出器108からの光信号は、第1の復調器104−1において復調される。復調中に生成された信号は、物体101の位置または物体101が占める範囲の距離に関連する一つの情報xを出力する評価ユニット105へ供給される。直交検出の場合には、検出器108によって出力された測定信号は、第2の復調器104−2にも供給される。後者の測定信号も同様に復調信号を生み出し、この復調信号が評価ユニット105に供給され、直交検出の原理に基づいた評価に使用される。
図2に示した例示的な実施形態では、時間の経過を通じて一定である測定幅をもつ測長手段102が考えられる。測長手段102は、物体101と一緒に移動するようになっている、すなわち、物体101の並進が測長手段102の応分の並進に移転される。物体の移動によって引き起こされた測長手段102の前記並進は、測長手段の上に重ねられた追加の移動成分を有するものと意図される。この移動成分は、測長手段102による周期的な、例えば、揺動によって表現され得る。並進の方向に平行な前記揺動は、双頭の矢印Bによって示される。一例として、測長手段102は、物体101に相対的に周波数fで変位xの方向に平行に揺動できる。この場合、測長手段102上の検出器108によって観測される点102aは、物体の101の位置に依存するとともに、測長手段102の上に重ねられた揺動にも依存する。第1の復調器104−1における復調と第2の復調器104−2における復調は、測長手段102の重畳された周期的動きに基づいて行なわれる。復調器104−1と104−2における復調は、例えば、周波数fでの復調が第1の復調器104−1で行なわれ、周波数2fでの復調が第2の復調器104−2で行なわれることによって、各々異なる方式で周波数fでの揺動を考慮に入れる。その結果、2つ復調器104−1と104−2は、2つの異なる方式で復調された信号を提供し、これらの信号が、以下により詳しく説明するように、直交検出の原理を用いて物体101の位置を決定することを可能にする。しかし、測定信号を復調するために単一の復調器104−1だけが使用される場合に特に、(直交検出を用いなくても)物体101の位置を決定することも同様にできる。
図3は、位置検出装置100−2のさらに別の例示的な実施形態の基本図を示す。同一または同等の要素は、同じ参照記号によって示した。位置検出装置100−2が位置検出装置100−1と根本的に異なる点は、物体101によって引き起こされた測長手段102の並進移動が測長手段の上に重ねられた移動成分を有し、この移動成分が、ここでは、経時変動する測定幅 a(t)によって表現され得るということだけである。測定幅 a(t)の経時変動は、特定の振幅をもつ時間的に周期的な揺動によって同様に表現され得る。並進の方向に平行なこの揺動は、2つの矢印Bで示される。
伸縮するこのような測長手段102の一つのイメージのしかたは、言わば、測長手段102が弾性材料からなり、機械的に伸縮されることである。多くの場合、周期的に、例えば、周波数fで変化する測定幅 a(t)を有する測長手段102は、波長λ(t)の波動場によって表現される。この波長λ(t)は周波数fで変調され、前記波動場は波動場発生源によって発生される。第1の例示的実施形態100−1の場合と同様に、測長手段102上の検出器108によって観測される点102aは、物体の位置xと測長手段102の変調の両方に依存する。検出器108によって送出された測定信号は、第1の例示的実施形態(図2)の場合と同様に、位置検出装置100−2内で復調され得る。この場合も、物体101の位置は、単一の復調器104−1によっても、または両方の復調器104−1、104−2(直交検出用)によっても検出可能である。
言い換えれば、測長手段102は、周期的な、例えば、その始点の再配置(図2)及び周期的な、例えば、測定幅 a(t)の変更 (図3を参照)を行なうことができる。測長手段102が波動場(例えば、電磁波)によって作られるとするならば、時間の経過に伴う、基準点に対する測長手段の位置の周期的変更は、波長が時間の経過を通じて一定であるときの波動場の経路位相の変調に相当し、一方、時間の経過に伴う、測長手段の測定幅の周期的変更は、波動場の波長の変調に相当する。時間の経過に伴う、基準点に対する測長手段の位置の周期的変更と測長手段102の測定幅の変調の両方を実施することも可能である。例示的に言うならば、測長手段102の変調は、測長手段102が全体として揺動(図2)するようにさせ、または振動性の伸縮動作(図3)を行なわせ、または並進移動の上に重ねられ、かつ前記2つの振動型の動作の上にそれ自体重畳する移動を実行させる。
図2と図3は、したがって、測定区域に適用される測長手段102と、測長手段102を経時的に変動させるまたは変調するための動きBを発生させる測長変動装置(明示されない)を有する位置検出のための装置100−1、100−2を示す。検出器108は、(物体101が移動している基準系に対して)特定の固定された点102aにおいて、測定区域の長さと経時変動に依存する測長手段102を観測し、測定信号を生成する。装置100−1、100−2は、測長手段102 の経時変動に基づいて測定信号を評価する、評価ユニット104−1、場合により104−2、及び105を具備できる。
図4は、2つのグラフを用いて、直交検出の原理を説明する。図4の左の部分は、測定幅aの単位に区切られた移動経路x上の2つ信号sとsを示す。一般的性質を制限せずに、周波数fでの測長手段の変調は、コサイン関数を用いて得られると以降では仮定する。そして、正規化された信号sは次のようになる。

s = cos(kx) (3)
ここで、k = 2π/aに基づいて、kは測定幅aに関係付けられる。このような信号sが、xがaの整数倍である各点において繰り返されるので、経路変位xをaの整数単位で測定することが可能になる。波動場によって作られた測長手段の場合には、次の式に基づいて、測定幅aを波長λによって規定することができる。

a = λ/2 (4)
信号sの演算符号だけを考慮するならば、変位経路xはa/2の単位で決定され得る。しかし、信号sだけを使用して変位の方向に関する一つの情報を得ることはできない。
しかし、変位の方向は、次のような信号sがあれば、決定可能である。

= sin(kx) (5)
sとsの同時測定は、移動の方向を明確に決定することを可能にし、位置分解能はa/4の増分へ改良される(図4の左の部分を参照)。直交検出を用いる従来の位置検出装置の場合には、第2の測定チャネルを備え、このチャネルに対して、測長手段が距離(N+1/4)a(ここで、N=0、1、2、3、…)をとるように、第1の測定チャネルに相対的に配置された、位置検出装置によって信号sは生成される。図1に示したように、従来の二重化マイケルソン干渉計は、このような2チャネルの設計を有する。
増分a/4においては、ずっと高い空間分解能が得られる。図4の右の部分は、オシロスコープのx軸とy軸上の信号sとsを示す。物体101が移動方向xに移動しているとき、オシロスコープ中の点は円軌道に沿って移動する。移動の経路xが測定幅aに一致するとき、完全な円軌道が達成される。オシロスコープ中の点の回転方向は、物体の移動方向を明確に示す。物体101が点Aから点Bへx方向に移動するとき、オシロスコープ中の点はAからBまでの円周区間を半時計回りに移動することになる。図4の左の部分において物体101が点Bから点Aへ移動するとしたら、オシロスコープ中のピクセルは点Bから点Aへ時計回りの移動を起こす。さらに、円軌道上の点の位置が物体の位置の決定を可能にし、その精度は信号sとs中のノイズだけによって制限されることが明らかになる。具体的には、変位経路xにわたり精度は一定である、すなわち、信号が、例えば、コサイン関数の極限プロファイルに近いか、稜線プロファイルに近いかということに精度は依存しない。
物体の位置xは、次の式に従って、増分a/4の数Nをカウントし、信号sとsを処理することによって得ることができる。
Figure 2010540943
直交検出の原理は、経時変動する測長手段102に対して以下のように拡張される。まず初めに、測長手段102の測定幅aは時間の経過を通じて一定であり、測長手段102の位置が時間の経過に伴い周期的に変調される、図2に示した場合を考える。正規化された信号は、次のとおりである。

s = cos[k(x+x(t))] + s (7)
この場合において、sは、不定ゼロ点に対する任意の時間的に一定なバックグランド信号であり、x(t)は、時間の経過に伴うxによるゼロ点の変調を示す。時間の経過に伴い実用上有効な点をxによって周期的に変調するオプションの特定の場合について、x(t)に代入する式xcos(ωt)が得られる。ここで、ω = 2πf、fは変調周波数である。この特定の場合では、次のようになる。

s = cos[kx+kxcos(ωt)] + s

したがって (8)

s = cos[kx]cos[kxcos(ωt)] − sin[kx]sin[kxcos(ωt)] + s
Figure 2010540943
(cos(ωt)) = (cos(2ωt) + 1)/2の関係を用いて、上記の関係を3つの項の和として記述することができる。

s = sDC + sω + s2ω (10)
第1の項sDCは、時間に依存しないDC成分であり、これは次の形式で記述することができる。

DC = cos(kx)(1 − (kx/2) +s (11)
第2の項sωは、次の式のとおり、変調周波数fでの周期的振動を表す時間的に可変な成分である。

ω = {−kx cos(ωt)}sin(kx) (12)

ここで、ω = 2πf
第3の項s2ωは、同様に、変調周波数の2倍、すなわち、2fでの周期的振動を表す時間的に可変な成分である。

2ω = {−(kx/2) cos(2ωt)}cos(kx) (13)
検出器108によって送出された出力信号は、ここで、変調周波数fと変調周波数の2倍の2fで復調される。復調には、例えば、ロックイン増幅器を使用できる。信号sを使用し、周波数fでの復調によって、次のとおりの復調信号Sを生成し、

S = −kx sin(kx) (14)
周波数2fでの復調によって、次の復調信号を生成する。

= −(kx/2)cos(kx) (15)
予備因子kxと(kx/2)は既知であるので、2つの復調信号SとSは、式(6)に従って、直交検出のために次のように処理可能である。
Figure 2010540943
この場合も、物体移動中の増分a/4をカウントし、この場合には一つの同じ測定信号の2つの異なる復調によって得られた直交検出信号を評価することによって、位置決定を行なうことができる。
図5は、図2及び上記の各式を参照して説明した原理に基づいて動作する位置検出装置200の例示的な図を示す。位置検出装置200は、例えば、レーザ201の形態の光源、検出器構成202、干渉計ヘッド203及び電子評価回路204を具備する。一例として、レーザ201は、固定波長のレーザであり得る。レーザ光は、光単一モード・ファイバ(SMF)205を介して検出器構成202内へ送られる。2x2ファイバ結合器206が、レーザの一部を照射光として干渉計ヘッド203へさらに別のSMF207を介して送るために使用される。一例として、干渉計ヘッド203は、検出器構成202からある距離を置いた位置にある、内蔵型のシステム等のアクセスしづらい領域に、そのファイバ接続によって配置され得る。
干渉計ヘッド203は、マイケルソン型の干渉計を有する。コリメータ・レンズ8は、SMF207の研磨により斜め面取りされた端部より出てくるレーザ照射光を広げて、ビーム・スプリッタ6中にそれを投射するために使用される。一例として、上記光のおよそ半分が参照ミラー7へ送られ、残りの部分が物体(図示せず)に装着されるミラー9に衝突する。図1を参照して既に説明したように、自由に選択可能なゼロ点xに対する物体の位置または変位経路xは、x方向で検出される必要がある(双頭の矢印を参照)。参照ミラー7によって反射された光と物体に接したミラー9によって反射された光は、ビーム・スプリッタ6へ戻され、そこからコリメータ・レンズ8を介してSMF207中へ測定光として送り返される。2x2ファイバ結合器206のさらに別の出力は、そこに接続された光検出器8を有する。前記検出器8は、返された測定光の一部を受け、この光は検出器8内の光学的活性ゾーンで干渉を起こす。検出器8は、検出された干渉パターンの強度に依存し、かつλ/2、すなわち、レーザ波長の半分によって規定された周期で経路xの関数として変動する電気的測定信号208を生成する。
測長手段の経時変調―この場合には、レーザ201の波動場によって実現される―は、振幅xcos(ωt)で揺動する参照ミラー7によって発生可能である。参照ミラー7の位置のこのような変調は、図2の基本図に示した測長手段の始点の変調に相当する。このために、参照ミラー7は、例えば、小さな圧電素子209の上に取り付けらることが可能である。圧電素子209は、作動線211を介して圧電素子209に接続するAC電圧発生器210によって駆動される。このことの効果は、参照ミラー7が角周波数ωでの振動運動を行なうことである。参照ミラー7が測定区域に適用される測長手段の、言わば、一つの始点を規定するので、これは図2に示した測長手段のゼロ点揺動を発生させる。
AC電圧発生器210に加えて、評価回路204は、第1のロックイン増幅器212−1と第2のロックイン増幅器212−2、第1のアナログ/デジタル変換器213−1、第2のアナログ/デジタル変換器213−2、ルックアップ・テーブル・メモリへアクセス可能なプロセッサ214及びアップ/ダウン・カウンタ215を有することができる。
角周波数ωと角周波数2ωでの測定信号208の復調は、ロックイン増幅器212−1と212−2において行なわれる。この目的のために、2つのロックイン増幅器212−1と212−2の参照入力は、AC電圧発生器210のTTL参照出力へ接続される。検出器8の出力より出力される測定信号208は、測定信号線を介して2つのロックイン増幅器212−1と212−2の信号入力へ供給される。第1のロックイン増幅器212−1は参照角周波数ωに調整され、第2のロックイン増幅器212−2は参照角周波数の2倍の2ωに調整される。ωに同期して動作される第1のロックイン増幅器212−1は、sin(4πx/λ)に比例する復調信号Sを生成し、角周波数2ωに同期して動作する第2のロックイン増幅器212−2は、cos(4πx/λ)に比例する直交検出信号Sを供給する。ロックイン増幅器212−1、212−2からの2つの出力信号は、アナログ/デジタル変換器213−1、213−2によってデジタル信号に変換される。アナログ/デジタル変換器213−1、213−2の出力における第1の読出しは、λ/8ずつ増分する変位経路xを与える。この目的のために、各アナログ/デジタル変換器の出力における最上位ビットMSBが、アップ/ダウン・カウンタのカウント入力へそれぞれ送られる。本例の場合の測定幅はa = λ/2であるから、位置xは、次式による最も近い増分xによって解明される。
Figure 2010540943
一例として、カウンタ215は2つのカウント入力をもつ24ビット・カウンタであり得る。
一つの増分λ/8内のδxの計算のために、アナログ/デジタル変換器213−1、213−2の出力における第2の読出しが、プロセッサ214によって行なわれる。この第2の読出しは、変換器出力の全ワード長の範囲に拡張できる。プロセッサ214に内蔵された補間器が、2つの復調信号SとSを処理し、次式によりδxを決定する。
Figure 2010540943
次に、物体の位置xは、次式のとおり、アップ/ダウン・カウンタ215とプロセッサ214内の補間器の出力の和によって解明される。

x = x + δx (19)
補間は、例えば、ルックアップ・テーブル・メモリ(LUT)を使用して行なわれる。
なお、位置検出装置200の干渉計ヘッド203は、図1に示した位置検出装置4の干渉計ヘッド3よりもずっと小さい大きさに製造され得ることに注目すべきである。これは、第一には、干渉計ヘッド203には一つだけの干渉計が収容されることによる。さらに、検出器8が干渉計ヘッド203の外側に配置可能であり、例えば、光ファイブ207を用いて干渉計ヘッド203に接続可能である。このことは、図1に示した二重化マイケルソン干渉計の場合には不可能である。
以下の文は、時間の経過に伴い測定幅a(t)を変調することによって物体の位置xが解明される場合を考える。図3に関連して既に言及したように、測定幅a(t)の経時変調は、波動場の形態の測長手段102にとって特に実現可能である。しかし、この原理は、有形の弾性の測長素子によって作られる測長手段102にも適用可能である。
以下の文は、一般的性質を制限せずに、k = k + δkcos(ωt)による、周期的コサイン変調を使用してkが変調される特別な場合を考える。一例として、電磁波場の光子周波数の変調が、kの変調を引き起こす。式7〜10で行なった導出と非常によく似た導出によって、次のような各項の和によって指定され得る正規化された測定信号sが得られる。

s = sDC + sω + s2ω (20)
第1の項sDCは、時間に依存しない成分であり、次のように得られる

DC = cos(kx)(1 − (xδk/2))+s (21)
第2の項sωは、次の式のとおり、変調周波数fでの周期的振動を発生させる時間に依存する成分である。

ω = {−xδk cos(ωt)}sin(kx) (22)
ここで、ω = 2πf。第3の項s2ωは、同様に、変調周波数の2倍、すなわち、2fでの周期的振動である経時可変な成分である。

2ω = {−(xδk/2) cos(2ωt)}cos(kx) (23)
既に述べたとおり、経時変動する2つの成分は、変調周波数fと変調周波数の2倍の2fで復調される。復調手段によって得られた復調信号は、下記に比例する。

S = −xδk sin(kx) (24)

及び

= −(xδk/2) cos(kx) (25)
これらの2つの復調信号は、物体101の位置と移動方向の直交検出のための基準として見なせる。
図2によるような測長手段102の始点が変調される場合とは異なり、予備因子xδkと(xδk/2)は、物体の位置または変位経路x、すなわち、求められる値に依存するので未知である。復調信号SとSによってオシロスコープ上に形成される軌道(リサジューの図形として知られるもの)は、ここでは楕円であり、その直径の比は、式xδk/4によって与えられる。楕円の直径の比は、したがって、大きさxに直線的に依存する。増分カウントと以下にさらに詳しく述べる補間によるxの決定に加えて、このことは、絶対値の形式の大きさxを決定するというさらに別の手法を可能にする。
Figure 2010540943
Figure 2010540943
Figure 2010540943
この場合において、Nは、変位x中に得られた、a/2(またはλ/4)の増分のカウントを示す。
図6は、本発明のさらに別の例示的な実施形態に基づいた位置検出装置300を示す。この位置検出装置は、例えば、波長可変レーザ301の形態である波長可変光源、検出器構成302、干渉計ヘッド303及び評価回路304を具備する。前出の図におけるものと同じまたは同等である構成要素は、同じ参照記号によって示される。波長可変レーザ301によって発生されたレーザ光は、SMS205を介して検出器構成302へ送られる。検出器構成302の入力側は、同一波長の変調を提供するM個の独立したレーザ出力を提供する1xM結合器306を有し得る。物体の移動が3次元で監視される場合は、例えば、M = 3が選択され得る。この場合、二つのさらに追加の干渉法による位置検出装置が、1x3結合器306の2つの空きの出力に接続可能である。
1xM結合器306の出力の一つは、2x2結合器206へ送られる。位置検出装置200に関連して既に述べたとおり、2x2結合器206の一つの出力は、SMF207を介して干渉計ヘッド303へ連結された斜め面取りされた端部をもつ。干渉計ヘッド303内の参照ミラー7は固定位置に取り付けられていることを除いて、干渉計ヘッド303は干渉計ヘッド203と同じである。繰り返しを避けるために、干渉計ヘッド203についての説明を参照されたい。
SMF207を介して干渉計ヘッド303によって返された光は、既述したように検出器8内で干渉を起こす。前述の説明のとおり、検出器8は測定信号208を生成し、この測定信号は増幅器220で光増幅された後、評価回路304へ送られる。評価回路304は、AC電圧発生器310、ロックイン増幅器212−1と212−2、アナログ/デジタル変換器213−1、213−2、プロセッサ214及びアップ/ダウン・カウンタ215については位置検出装置200中の評価回路204と同じ設計のものである。ただしこれらに加えて、評価回路304は、波長可変レーザ301の温度を同時に制御するレーザ・ドライバ216を具備する。レーザ・ドライバ216の入力は、AC電圧発生器210の信号出力と接続している。レーザ・ドライバ216の出力は、波長可変レーザ301のチューニング入力に接続される。波長可変レーザ301は、例えば、1500nmの中心周波数で動作する、例えば、DFB(分布帰還型)レーザであり得る。レーザ301は、反射光による損傷または不安定になるのを防ぐために、例えば、35dBにおいて、ファラデー・アイソレータを使用することによって絶縁される。レーザ・ドライバ216は、波長可変レーザ301に、λ = λ+ δλcos(ωt)による波長変調を行なわせる。マイケルソン干渉の測定幅はλ/2によって与えられるので、この縦波変調は、干渉計ヘッド303内の角周波数ωの波動場によって表現される、測長手段102の測定幅a(t)を変調する。
評価回路304における信号処理は、評価回路204における信号処理と同様に行なわれる。繰り返しを避けるために、前述の説明をを参照されたい。第1のロックイン増幅器212−1からの復調出力信号は、信号S = −xδk sin(kx)を与える。第2のロックイン増幅器212−2からの復調出力信号は、S = −(xδk/2) cos(kx)による直交検出信号Sを与える。随意選択条件δλ<<λの下で、因子δkは、変調された波長を有するマイケルソン干渉計からの式条件δk=−4πδλ/(λによって近似概算され得る。両方の出力Sと出力Sは、既述したように、アナログ/デジタル変換器213−1と213−2によってデジタル・データに変換される。評価回路204の説明と同様に、MSBの読出しは、カウントNを決定し、このNは、λ/8の増分精密度で式17に従ったxによって、求められる大きさxを近似概算する。復調信号SとSを補間することによって得られる大きさδxは、次に、式18に従って得られる。位置xは、請求項19に記載するように、増分近似と補間計算の和から生じる。
図6に示した位置検出装置300は、部品を移動することなく、SMF207を介して検出器構成302にさらに接続可能である干渉計ヘッド303を有する。その結果、位置検出装置300は小型化可能であり、言及したものやその他のものを含む多種多様な用途に使用可能となる。
検出器構成302は、そこからの出力が別の方法で評価される、さらに追加の検出器8−1を具備できることに注目すべきである。さらに、プロセッサ214は、大きさxの絶対値の(粗)決定を行なうことができる。これには、2つの復調信号SとSの最大信号振幅を関連付けることだけが求められる。
ある応用分野では、物体の位置xの絶対値を粗決定するだけで十分なこともあることにも注目すべきである。この場合には、プロセッサ214 における補間的評価も、カウンタ215における増分評価も、両方とも行なわずにすますことができる。さらに、プロセッサ214において実行される補間を行なわずに、増分的大きさxだけから物体の位置を決定することもできる。
図7は、さらに別の例示的な実施形態に基づいた位置検出装置400を示す。位置検出装置400は、マイケルソン干渉計ヘッド303の代わりに、ファブリー・ペロー干渉計ヘッド403が使用されることだけが、位置検出装置300とは異なる。その他の点では、既述の構成要素(波長可変レーザ301、検出器構成302、評価回路304)が使用され得る。繰り返しを避けるために、関連した説明を参照されたい。
干渉計ヘッド403は、2つのミラー401、9を有し、それらの間に光共振器が据え付けられている、ファブリー・ペロー干渉計を具備する。以下にさらに詳しく説明するように、低フィネスのファブリー・ペロー干渉計が望ましいと言える。このようなファブリー・ペロー干渉計は、ファブリー・ペロー干渉計のミラーの一方として、SMF207の研磨された平面端部401を使用することによって容易に実現可能である。前記ミラー401より後ろの光路は、コリメータ・レンズ408を含み得る。ファブリー・ペロー干渉計の第2のミラー9は、監視対象の物体(図示せず)に装着され得る。測定区域は、共振器内、すなわち、2つのミラー401と409の間に含まれる。
低フィネスを達成するためには、ミラー401、409の少なくとも一つが低反射率をもつようにすればよい。通常、光ファイバの研磨された平面端部の反射率は4%辺りであるので、望ましい低反射性を有する。別のオプションは、前記物体に付けられたミラー9が低反射率をもつようにすることである。物体の表面によって反射された光を単純にそのまま利用できる場合もある。
検出器8における反射光の強度は、ファブリー・ペロー干渉計の反射率に比例するが、これは次式によって定義される。
Figure 2010540943
フィネスF = (πg/2)1/2は、g = 4R/(1−R)によって決定される。Rは、ミラー401の反射率Rとミラー9の反射率Rから、R=(R1/2により得られる実効反射率を示す。g << 1とすれば、第一近似では分母は無視でき、反射率は次の比例性を満たす。
Figure 2010540943
検出器8は、したがって、信号変動成分cos(kx)(ここで、k = 4π/λ)をもつ、すなわち、測定幅λ/2をもつ信号を測定する。これは、図6に示したマイケルソン干渉計の測定幅と同じである。すなわち、信号の評価は、図6に関して説明したのと全く同様に行なえる。復調信号SとSの振幅比較によって物体の位置xの絶対値を決定するオプションに関しての説明を特に含むすべての詳細は、位置検出装置400に同様に当てはまる。ファブリー・ペロー干渉計のフィネスFは、したがって、例えば、10.0未満、5.0未満、1.0未満または0.5未満であり得る。フィネスの値がより高いほど、信号の評価はより難しくなる。それは、フィネスが増加するにつれて、オシロスコープ上の軌跡は楕円形から異なる程度がどんどん大きくなるからである。このために、ポジショナーの誤差が発生し、信号評価のための複雑性が著しく増加することになる。
干渉計ヘッド403は、きわめて簡易な設計をもち、非常に小型化することができる。内蔵型システム中の小型設計のポジショナーにおける非常に精密な位置測定に特に向き、多様な新しい利用分野が開拓される。
位置検出装置は、一例として、1ミリメートル未満の範囲または1ミクロン未満の範囲での位置決め精度を有する上記ポジショナーの位置決め動作を監視するために使用され得る。図8は、本発明に基づいた位置検出装置を備える並進移動用ポジショナー500の平面図を示す。ポジショナー500は、第1の固定位置部分501と、第1の部分501に相対的に変位され得る、以後ではキャリア504と呼ぶ第2の部分を有する。相対位置調整装置が、第1の部分501とキャリア504の間で動作し、前記装置は、それに沿ってキャリア504がスライド可能である並進軸503とアクチュエータとして動作する圧電素子502によって実現され得る。並進移動の方向は、双頭の矢印P1で示される。
ここに示したドライブは、「慣性モータ」もしくはスリップ・スティック・ドライブと呼ばれる。スリップ・スティック・ドライブでは、その他の型式の設計でも、位置決め移動の刻み幅をドライブの作動によって正確に規定することはできない。このことは、単にドライブ制御を監視することによって(例えば、刻み幅をカウントすることによって)だけではポジショナー500中のキャリア504に配置された位置決め部の位置を決定することはできず、むしろポジショナー500は、位置決め位置の監視を可能にする装置を備える必要があることを意味する。
この目的のために、前述の例示的な実施形態のうちの一つに基づいた位置検出装置が備えられる。固定位置の第一の部分501は、前述の例示的な実施形態のうちの一つに従って設計され得る、そこに取り付けられた干渉計ヘッド503を有する。前記干渉計ヘッド503から出てくる照射光は、ミラー509に衝突し、同ミラーは、変位可能なキャリア504に装着され、移動の方向(双頭の矢印P1)に対して直角に方向付けられ、光を反射して干渉計ヘッド503へ戻す。干渉計ヘッド503は、光ファイバ507によって、前述の例示的な実施形態のうちの一つ従って設計され得る検出器構成(図示せず)に接続され、前述したさらに他の構成要素(レーザ、評価回路)と接続する。
一点鎖線510は、例えば、クライオスタット等の容器の壁によって実現可能である、システム境界を表す。干渉計ヘッドのみが(検出器の素子は伴わず)、内蔵型システム内に収容される必要があり、また―図8に示すように―ポジショナー500の構成要素に組み込むこともできることが明らかになる。このことは、既知のポジショナーの機能がしばしば所望の態様には保たれないような、低温、超高真空(UHV)または高電場または高磁場などの極端な環境においてポジショナー500を使用できることを意味する。
並進ポジショナー500の場合には、例えば、5nm未満の光学的分解能を達成することが可能である。刻み幅は、圧電素子502を作動する電圧に基づいて、及び温度に基づいて、約5nmから1μmの間で変動され得る。光学的位置監視の高い分解能のおかげで、ドライブの機械的境界(例えば、5nm)の領域において、したがって、位置決め精密度を達成することができる。多くの応用にとって特に有利であるのは、通常、 数ミリメートルから1以上のセンチメートルまでをとり得る、移動の最大経路が長いことである。
上記の例示的な実施形態は例示であること、さらに本仕様書の開示内容は、異なる例示的な実施形態において説明される特徴の組合せも、それが技術的に可能であれば、含むことに注目すべきである。さらに、あまり詳しく説明されていない、図2から図4の例示的な実施形態に関するすべての詳細は、図5から図8を参照してさらに詳しく説明した例示的実施形態にも適用可能であること。またその逆に、図2から図4で説明した例示的な実施形態には、図5から図8を参照して説明した例示的実施形態において述べられている詳細をまさしく付加できる。

Claims (30)

  1. 位置検出のための方法であり、
    測長手段(102)を測定区域に適用することと、前記測長手段は経時変動を受け、
    前記測長手段(102)を観測することによって得た測定信号を前記経時変動に基づいて評価することと、
    を含んでなる方法。
  2. 前記測長手段(102)の前記経時変動は、前記測長手段(102)の測定幅を時間の経過に伴い変えることを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記測長手段(102)の前記経時変動は、基準点に相対的な前記測長手段の位置を時間の経過に伴い変えることを含んでなる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記測定信号の前記評価は、
    前記経時変動に依存する第1の周波数で前記測定信号(208)を復調することと、
    前記復調された測定信号を使用して前記位置検出を行なうこととを含んでなる、請求項1からの請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記測定信号(208)の前記評価は、
    前記経時変動に依存する第1の周波数で前記測定信号(208)を復調することと、
    前記経時変動に依存し、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で前記測定信号(208)を復調することと、
    前記復調された測定信号を使用して前記位置検出を行なうこととを含んでなる、請求項1からの請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記測長手段(102)は変動周波数fで伸縮され、前記測定信号(208)は周波数fと周波数2fで復調される、請求項1からの請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記測長手段(102)は周波数fで前後に動かされ、前記測定信号(208)は周波数fと周波数2fで復調される、請求項1からの請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記測長手段(102)を実現するための波動場を検出することをさらに含んでなる、請求項1からの請求項7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記測長手段(102)の前記経時変動は、前記波動場の波長を変化させることによって発生される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記測長手段(102)の前記経時変動は、前記測定区域の中に配置されたミラー(7)による振動運動によって発生される、請求項9に記載の方法。
  11. 位置検出のための装置であり、
    測定区域中に波動場を発生させるための発生源(1、201)と、
    前記波動場を時間の経過に伴い変動させるための波動場変動装置(B;7、216)と、
    前記測定区域の長さに依存する、前記波動場に対する干渉パターンを発生させる干渉計(203、303、403)と、
    検出された前記干渉パターンに基づいて測定信号(208)を生成するための検出器(8、108)と、
    前記経時変動に基づいて前記測定信号(208)を評価する評価回路(104−1、104−2、105;204、304)と、
    を具備する装置。
  12. 前記波動場の変動は、前記波動場の波長及び/または経路位相の変動を含んでなる、請求項11に記載の装置。
  13. 前記発生源(201)は、可変の波長をもつ波動場を発生させるように設計される、請求項11または請求項12に記載の装置。
  14. 前記波動場変動装置は、前記測定区域中の前記波動場の前記経路位相を時間の経過に伴い変化させるための位相シフタ(7)を具備する、請求項11から請求項13のいずれかに記載の装置。
  15. 前記位相シフタは可動ミラー(7)を有する、請求項15に記載の装置。
  16. 前記干渉計はファブリー・ペロー干渉計(403)である、請求項11から請求項15のいずれかに記載の装置。
  17. 前記ファブリー・ペロー干渉計 (403)のフィネスは、10.0未満、とりわけ5.0未満、またはさらに1.0未満である、請求項16に記載の装置。
  18. 前記干渉計はマイケルソン干渉計(203、303)である、請求項11から請求項15のいずれかに記載の装置。
  19. 前記評価回路(104−1、104−2、105;204、304)は、前記経時変動に依存する第1の周波数で前記測定信号(208)を復調するように設計される、請求項11から請求項18のいずれかに記載の装置。
  20. 前記評価回路(104−1、104−2、105;204、304)は、前記経時変動に依存する第1の周波数で前記測定信号(208)を復調し、前記経時変動に依存し、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で前記測定信号(208)を復調するように設計される、請求項11から請求項19のいずれかに記載の装置。
  21. 前記波動場変動装置(B;7、216)は、変動周波数fで前記波動場を経時変動させるように設計され、
    前記評価回路(104−1、104−2、105;204、304)は、前記周波数fと2fで前記測定信号(208)を復調するように設計される、請求項11から請求項20のいずれかに記載の装置。
  22. 前記検出器(8)がそれを通じて前記干渉計(203、303、403)へ連結される導光手段(207)をさらに具備する、請求項11から請求項21のいずれかに記載の装置。
  23. 前記導光手段(207)は、前記発生源(201)により発生された光を前記干渉計(203、303、403)中へ注入するために使用される、請求項22に記載の装置。
  24. 位置検出のための装置であり、
    測定区域に結合された測長素子(102)と、
    前記測長素子(102)の測定パターンを時間の経過に伴い変動させるための測長素子変動装置(B)と、
    測定区域の変化に影響される前記測定パターンを観測することによって測定信号を生成するための検出器(108)と、
    前記測定信号を前記経時変動に基づいて評価する評価回路(105)と、
    を具備する装置。
  25. 前記測定パターンの変動は、前記測定パターンの測定幅及び/または基準点に相対的な位置の変動を含んでなる、請求項24に記載の装置。
  26. 前記測長素子(102)は、測定パターンがそれに付随した弾性体である、請求項24または請求項25に記載の装置。
  27. 前記測長素子(102)は、測定パターンがそれに付随した剛性体である、請求項24または請求項25に記載の装置。
  28. 前記測定パターンは、磁気的パターン及び/または電気的パターン及び/またはコントラスト・パターン及び/または構造的パターンである、請求項24から請求項27のいずれかに記載の装置。
  29. ポジショナーと位置検出装置を含んでなる装置構成であり、
    前記ポジショナー(500)と、
    ‐ 前記ポジショナー(500)の測定区域中に波動場を発生させるための発生源(201)と、
    ‐前記波動場を時間の経過に伴い変動させるための波動場変動装置(B;7、216)と、
    ‐ 前記波動場の干渉パターンであり、前記測定区域の長さに依存する干渉パターンを発生させる干渉計(203、303、403)と、
    ‐ 検出された前記干渉パターンに基づいて測定信号を生成するための検出器(8、108)と、
    ‐ 前記経時変動に基づいて前記測定信号(208)を評価する評価回路(104−1、104−2、105;204、304)と、
    を有する前記位置検出装置(100−1、100−2、200、300、400)と、
    を具備する装置構成。
  30. 前記ポジショナー (500)は、1mm未満、とりわけ1μm未満の刻み幅の精密度をもつポジショナーである、請求項29に記載の装置構成。
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