JP2010539919A - 光合成駆動型の半生物的装置(SEMIBIOLOGICALDEVICES:SBDs)からの水素および電流の生成 - Google Patents

光合成駆動型の半生物的装置(SEMIBIOLOGICALDEVICES:SBDs)からの水素および電流の生成 Download PDF

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Abstract

光合成駆動型の半生物的装置(SEMI BIOLOGICAL DEVICES:SBDs)からの水素および電流の生成
本発明は、第1チャンバーおよび第2チャンバーを含み、第1チャンバーは、(1)光合成生物またはその光合成部位および電子受容体分子を含む水溶液と接触する陽極、および入口と出口を有するか、または(2)陽極および光合成生物が直接接触する2つの代替的方法において配置され、第2チャンバーは、電解質の水溶液と接触する陰極および出口を有し、陽極および陰極は外部電源を任意に有するスイッチ電子回路により接続され、第2チャンバーがプロトン選択膜によって第1チャンバーと分離される装置を提供する。本願発明において記述される装置により水素および電流の生成が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光合成過程を用いて水素または電流を生成する装置および方法に関する。
光合成は、光エネルギーを利用する最も重要な方法である。この過程の一次生成物(酸素、陽子、および電子)は、水素または電流の生成に使用することが可能である。
水素は、最も潜在的に将来性のあるエネルギーキャリアの一つであり、電流を生成し、水をただ一つの副生成物として残す燃料電池において、水素ガスは酸素と反応する。燃料電池技術によって、水素がクリーンで再生可能なエネルギー源であると認識されるようになった。しかしながら、現時点で最適な水素大量生成の方法は化学燃料の蒸気改質であり、他の多くの生成法のように、副生成物として二酸化炭素を放出する。シアノバクテリアや緑藻類といった光合成微生物は、光合成器官の活動により光から水素を生成するように操作が可能であるため、環境的に「クリーン」なバイオ水素生成の魅力的なモデルを代表する。しかし、水素の生成に関与するヒドロゲナーゼ酵素は、酸素によって抑制される。ここで、光化学を水素生成から物理的に切り離す新しい半生物的装置において、光合成生物が酸素の存在下で水素の生成に使用され得ることを示す。
光合成活動の際に発生する電子を用いて電流の生成が可能である。しかしながら、現時点で最適な電流生成の方法は、化学燃料の使用を必要とし、他の多くの生成法のように熱核反応の副生成物として二酸化炭素を放出する。光合成微生物(緑藻類および植物)から抽出されるチラコイドといった光合成膜は、光合成器官の活動により光から電流を生成することが可能なため、環境的に「クリーン」なバイオ水素生成の魅力的なモデルを代表する。しかし、電子に簡単にアクセスできる理由でもあるが、光合成膜は生物学的環境外では生存期間が短いため、大量使用が制限される。ここで、全ての光合成生物が、生体物質と物理的に相互作用する新しい半生物的装置において、チラコイドの代わりに電流の生成に使用され得ることを示す。
緑藻クラミドモナスは、単細胞の真核緑藻類であり、モデル生物として多くの基本的な生物学的プロセスの研究に使用されてきた。光化学系II(PSII)の触媒作用により、緑藻クラミドモナスは水を酸素、水素イオン、および電子に分解することが可能であり、電子は、2つの電子と2つの陽子を結合させるヒドロゲナーゼ酵素へと光合成鎖を通して送られ、水素ガスを放出する。ヒドロゲナーゼ酵素は極めて低い酸素濃度において抑制されるため、この過程は嫌気条件下でのみ起こり得る。緑藻クラミドモナスにおいて光発酵水素生成を誘発する現行の方法には、生物内の硫黄を欠乏させ、光合成鎖の活動を低下させることにより、酸素の純生産量のない嫌気性の培養にすることが含まれる。
よって、環境に害がなく、また酸素の存在により水素生成が抑制される光合成生物の培養に関係のある問題を解消するプロセスによって水素を生成する必要がある。
そのような問題は、少なくとも1つのチャンバーを光が通過するような透明な多室型装置を構成することにより、水素ガスの同時生産によりうまく解消され得ることが明らかになった。
本発明の第1の態様によれば、第1チャンバーおよび第2チャンバー(大きさは問わない)を含む装置が設けられ、第1チャンバーは、2つの異なる方法を用いて設けられる。方法とは、(1)光合成生物またはその光合成部位および電子受容体分子を含む水溶液と接触する陽極、および入口と出口を有する第1チャンバー、または(2)陽極および光合成生物が直接接触する第1チャンバーである。後者の場合、電子受容体はもはや必要とされず、電子伝達、および入口と出口は、膜貫通タンパク質によって仲介される。第2チャンバーは電解質の水溶液と接触する陰極および入口と出口を有しており、陽極および陰極が外部電源を任意に有するスイッチ電子回路により接続される。第2チャンバーは、プロトン選択膜によって第1チャンバーと分離される。外部電源が設けられていない場合、水の形成によって陰極反応が駆動される。このような状況下における主産物は、陽極および陰極の間の外部回路を通過する電流である。両方のチャンバーが大きい場合は、チャンバー1は開放藻類池を含んでもよい。両方のチャンバーが小さい(微細加工)場合は、2つのチャンバーはマイクロメーター(μm)の単位であってもよい。そのような微細加工の配置において、完全装置は、電気的に接続されてパネルを形成する複数のチャンバーによって構成されてもよい。
よって、本発明における本態様の様々な異なる実施形態が可能である。たとえば、第2チャンバーが第1チャンバーに含まれるように第1チャンバーおよび第2チャンバーが配置されてもよい。そのような実施形態において、第2チャンバーの全体が、プロトン選択膜によって第1チャンバーと分離される。しかしながら、他の実施形態において、第1チャンバーおよび第2チャンバーは、隣接するチャンバー間の接続面がプロトン選択膜である隣接チャンバーとして構成されてもよい。光合成系が電子を陽極に直接提供する(メディエーターを利用しない)場合には、2つのチャンバー間の物的バリアは必要でなくてもよい。従って、第1チャンバーおよび第2チャンバーは、この配置において、バリアの存在しない単一のチャンバーを形成してもよい。
第1チャンバーは、光合成生物またはその部位の成長、培養、または維持を支えるために使用されるように、適した任意の透明材料によって構成されてもよい。たとえば、ガラス、コンクリート、パースペクス(PerspexTM)、プラスチック、および金属(たとえばステンレス鋼)といった滑らかな表面を通常有する材料を使用してもよい。第2チャンバーは、同様の材料によって構成されてもよいが、少なくとも外部表面の一部は、第1チャンバーのルーメンおよび第2チャンバーのルーメン間のイオン流動を可能にするためにプロトン選択膜によって構成される。
光合成生物またはその一部は、チラコイドまたはチラコイド膜、植物または植物組織、シアノバクテリア(または他の光合成細菌)、または真核性藻類であってもよい。そのような生物またはその光合成部位の集団が装置の第1チャンバー中に適当に存在してもよい。
チラコイド(時にチラコイド膜としても知られている)は、光合成細菌、植物、または藻細胞の葉緑体の内部に含まれるリン脂質二重層膜結合の区画である。
チラコイド膜の作成に植物組織を使用してもよく、たとえば、ほうれん草、レタス、ビート(たとえばテンサイ)、穀物(たとえば小麦、大麦、とうもろこし)、草等の陸生植物、または、たとえば、ポシドニア科(Posidoniaceae)、アマモ科(Zosteraceae)、アマモ属(Zostera)、アマモ科(Heterozostera)、スガモ属(Phyllospadix)、ウミショウブ属(Enhalus)、ウミヒルモ属(Halophila)、リュウキュウスガモ属(Thalassia)、アンフィボリス属(Amphibolis)、ベニアマモ属(Cymodocea)、ウミジグサ属(Halodule)、シオニラ属(Syringodium)、およびシオニラ科(Thalassodendron)等の水生植物を使用してもよい。植物組織には、葉、茎、カルス、細胞、またはその部位が挙げられる。
使用される可能性のあるシアノバクテリアには、アナベナ属(Anabaena)、クロコスフェラ(Crocosphaeri)、フォルミディウム属(Phormidium)、グロエオバクター属(Gloeobacter)(または光合成電子伝達鎖が、ペリプラズムまたは細胞表面にさらされている他のシアノバクテリア)、ノストックパンクチフォルメ(Nostoc punctiforme)、ノストック(Nostoc sp.)、プロクロロコッカスマリナス(Prochlorococcus marinus)、シネココッカスエロンガタス(Synechococcus elongatus)、シネココッカス(Synechococcus sp.)、サーモシネココッカスエロンガタス(Thermosynechococcus elongatus)およびトリコデスミウムエリスラエウム(Trichodesmium erythraeum)が挙げられる。
真核性藻類には、フタツガサネ属(Antithamnion)、アスコフィラム属(Ascophyllum)、アトラクトフォラ属(Atractophora)、オオジュイネラ属(Audouinella)、ボトリオコックス属(Botrycoccus)、シャジクモ目(Charales)、クラミドモナス、クロレラ、クロロゴニウム属(Chlorogonium)、ツノマタ属(Chondrus)、シオグサ属(Cladophora)、コディウム(Codium)、コレオケーテ属(Coleochaete)、コラリーナ(Corallina)、クリプトモナス属(Cryptomonas)、シアニディオシゾン(Cyanidioschyzon)、イデユコゴメ(Cyanidium)、ダジア(Dasya)、ツヅミモ類(Desmids)、ドナリエラ(Dunaliella)、ディスモルフォコッカス属(Dysmorphococcus)、アオノリ属(Enteromorpha)、ユーグレナ(Euglena)、ハロスファエラ属(Falosphaera)、フューカス(Fucus)、ヘマトコッカス(Haematococcus)、イソクリシス(Isochrysis)、ラミナリア属(Laminaria)、レマニア(Lemanea)、ヒザオリ属(Mougeotia)、ナンノクロリス(Nannochloris)、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)、ネオクロリス(Neochloris)、ペルベチア(Pelvetia)、ファコトゥス(Phacotus)、フェオダクティラム(Phaeodactylum)、プラチモナス(Platymonas)、プレウロクリシス属(Pleurochrysis)、ポリトマ(Polytoma)、ポリトメラ(Polytomella)、ポルフィリディウム属(Porphyridium)、プリムネシウム属(Prymnesium)、ピラミモナス属(Pyramimonas)、セネデスムス属(Scenedesmus)、スパイロジャイラ(Spirogyra)、スピルリナ(Spirulina)、ウブゲグサ属(Spyridia)、テトラセルミス(Tetraselmis)、ヨツメモ属(Tetraspora)、タラシオシラ属(Thalassiosira)、ウルバ属(Ulva)、ボルボックス(Volvox)、およびホシミドロ属(Zygnema)を含んでよい。
電子受容体分子は、光合成物質から陽極へと電子を移動することができる電気化学的に活性な化合物であってもよい。多くの異なる有機および有機金属の化合物は装置内で機能する。このような化合物には、以下に限定されるものではないが、チオニン(たとえば、アクリルアミドメチルチオニン(acrylamidomethylthionine)、N,N−ジメチル−ジスルホン酸−チオニン(N,N−dimethyl−disulfonated thionine)等)、ビオロゲン(たとえば、ベンジルビオロゲン(benzylviologen)、メチルビオロゲン(metilviologen)、高分子ビオロゲン(polymeric viologens)等)、キノン(たとえば、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(2−hydroxy−1,4−napthoquinone)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(2−methyl−1,4−napthoquinone)、2−メチルナフトキノン(2−methylnapthoquinone)等)、フェナジン(たとえば、フェナジンエトスルフェート(phenazine ethosulfate)、サフラニン(safranine)等)、フェノチアジン(たとえば、アリザリンブリリアントブルー(alizarine brilliant blue)、メチレンブルー、フェノチアジン、トルイジンブルー等)、フェノキサジン(たとえば、ブリリアントクレジルブルー(brilliant cresyl blue)、ガロシアニン(gallocyanine)、レソルフィン(resorufin)等)、シアン化鉄、鉄キレート錯体(Ferric chelate complexes)(たとえば、Fe(III)EDTA)、フェロセン誘導体(Ferrocene derivates)、シアン化鉄、ジクロロフェノールインドフェノール(Dichlorophenolindophenol)、およびジアミノジュレン(Diaminodurene)が挙げられる。
陽極は、白金、白金黒、金、銀、インジウムスズ酸化物(ITO)、炭素、網目ガラス状炭素、炭素フェルト、ガラス状炭素、グラファイト、グラファイトフェルト、貴金属、固体または多孔性導電性プラスチック、またはそのいずれかの混合物により構成されてもよい。
水溶液は、光合成生物またはその部位を培養安定する緩衝培地または緩衝成長培地でもよい。従って、たとえば、培地はチラコイド膜をバッファーリングおよび/または培養してもよく、または成長を助長するために光合成生物をバッファーリングおよび/または培養してもよい。そのような水性成長培地の例として、アンモニア、硝酸エステル、または尿素といった窒素源、リン酸カリウム、またはリン酸ナトリウム等のリン酸源、硫酸マグネシウム等のマグネシウム源、塩化カルシウムといったカルシウム源、鉄、亜鉛、ホウ酸塩、マンガン、コバルト、銅、モリブデン酸塩、および/またはケイ酸塩を含む多数の必須微量元素またはイオンが挙げられる。
第1チャンバーは、水溶液が装置内を連続して流れることを可能にする入口ポートおよび出口ポートを含む。
第1チャンバーは、任意で取り外し可能なカバーリングを備える封止チャンバーまたは部分的に開いたチャンバーとして構成されてもよい。そのような取り外し可能なカバーリングにより、チャンバーから発生した酸素の収集が可能であり、環境中に自然に見つけられるものからのチャンバーへの飛散を防ぐ。また、チャンバーの温度調整が可能である。チャンバーが封止チャンバーとして構成される場合、通気孔または圧力バルブが含まれ得る。
第1チャンバーは、陽極および光合成生物間の直接的接触が可能なように構成されてもよい。このようにして、陽極表面を覆う光合成生物膜が形成される。電子受容体はもはや必要とされず、光合成生物の細胞膜、および入口と出口を渡る電子伝達は、膜貫通タンパク質(鉄還元酵素、鉄キレート還元酵素、NADH酸化酵素、およびNADPH酸化酵素)によって直接仲介される。
第2チャンバーは、上述の通り、第1チャンバーに隣接してもよいし、第1チャンバー内に含まれてもよい。プロトン選択膜は、第2チャンバーを第1チャンバーから少なくとも部分的に分離する。
第1チャンバーから第2チャンバーを分離する陽イオン交換膜は、ポリテトラフルオロエチレン膜、たとえばナフィオン(NAFIONTM)膜でもよい。
ナフィオン(NAFIONTM)は、少ない割合のスルホン基またはカルボキシル基のイオン性官能基を含むパーフルオロポリマー(perfluorinated polymer)である。化学構造は以下に添付する。
X=スルホン基またはカルボキシル基のイオン性官能基
M=中和型における金属陽イオンまたは酸性型におけるH
第2チャンバー内の電解質溶液は、適した塩、たとえば、フッ化カリウム、塩化物、臭化物、またはヨウ化物といったアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物塩の水溶液によって構成されてもよい。
第2チャンバー内の陰極において水素が発生する。陰極は、以下の物質に限定されるものではないが、白金、パラジウム、白金でコーティングした金属(金、鋼、または銅等)、ヒドロゲナーゼ酵素でコーティングした白金といった物質から作られてもよい。
第2チャンバーは、第2チャンバーにおいて発生した水素が装置から通過して放出される出口もまた備えている。
チャンバー1における陽極は、外部電子回路によってチャンバー2の陰極に接続される。この回路は、絶縁電気配線(好適には銅から作られる)およびスイッチによって構成されてもよい。このスイッチは、外部電源装置(電気の幹線、光電池、風力発電地帯等)によって生成される電気エネルギーを、電子回路に供給することを可能にする。追加の電力は、電子が第1チャンバーの陽極から、水素生成のための消費が行われる第2チャンバーの陰極に流れることを可能にする。
外部電源が設けられていない場合、水の形成によって陰極反応が駆動される。このような状況下において、主産物は、陽極および陰極の間の外部回路を通過する電流である。この場合、陰極は、以下の物質に限定されるものではないが、白金、白金でコーティングした金属(金、鋼、または銅等)、他のラッカーゼ酵素でコーティングした導体材料といった物質から作られてもよい。
本発明の第2の態様によれば、本発明システムの第1の態様による装置から水素を発生させる方法が設けられ、この方法は、(1)陽極を陰極に接続するためにスイッチを操作する工程と、(2)外部電源から追加のバイアス電位(電子)源を導入する工程とを含む。
本発明の第3の態様によれば、本発明システムの第1の態様による装置から電流を発生させる方法が設けられ、この方法は、(1)陽極を陰極に接続するためにスイッチを操作する工程と、(2)陰極の表面において発生する原動力(水への酸素還元)として自然反応を導入する工程とを含む。
本発明の第2以降の態様において好適な特性は、第1の態様に準用する。
以下、本発明を、例として添付図面を参照してさらに記載する。
水素または電流を生成するための本発明の装置を表す図である。 陽極のチャンバーにおいて起こりうる3通りの異なる電子伝達と2つの代替的陰極反応とを示す。 チラコイド膜を光合成物質として使用する装置に供給される外部エネルギー量の増大が、水素生成に与える影響を示す。 光および外部電源が、チラコイド膜を光合成物質として使用する装置に与える影響を示す。 チラコイド膜を光合成物質として使用する装置のチャンバー2における酸素の影響を示す。 チラコイド膜を光合成物質として使用する半生物的装置における個々の構成要素の影響を示す。 チラコイド膜を光合成物質として使用し、異なる源から外部エネルギーが供給可能であることを示す。 異なる電子伝達体が、チラコイド膜を光合成物質として使用するチャンバー1の水溶液において使用される際の装置の性能を示す。 チャンバー1の水溶液における電子伝達体としてFe(CN)、ジアミノジュレン(diaminodurene)、メチルビオロゲン(metilviologen)、およびジクロロフェニルインドフェノール(dichlorophenylindophenol)を使用する時の光合成酸素活動として表される比較を示す。 全体の光合成生物が光合成物質として使用される際の装置の性能を示す。
図1において、装置は2つのチャンバーで構成される。チャンバー1およびチャンバー2は隣り合っている。チャンバー1は環境にさらされてもよく、または、たとえば、プラスチック、ガラス、またはパースペクス(PerspexTM)といった容器内に密閉されてもよい。チャンバー1は、成長培地中に懸濁される光合成物質を含む。新鮮培地の連続流が存在し、新しい細胞は入口ポートを通ってチャンバー1に入り、古い細胞の連続流および使用済みの培地は出口ポートを通ってチャンバーから排出される。光合成物質に加えて、チャンバー1は、陽極および任意で光合成物質から陽極に電子の移動が可能な電気化学的に活性な化合物を含む。
チャンバー2の含有物は、水素イオンのチャンバー間の自由な拡散を可能にするが、他の全ての成分の拡散を防ぐプロトン選択膜(たとえば、ナフィオン(NAFION))によってチャンバー1から切り離される。チャンバー2はまた、たとえばアルカリ土類金属のハロゲン化物塩、または、たとえば塩化カリウムといったアルカリ土類金属のハロゲン化物塩の電解質溶液中に浸水した陰極、チャンバーからの水素ガスの除去を可能にする出口ポート、およびチャンバーを電解質で満たすことを可能にする入口ポートを含む。
チャンバー2における陰極およびチャンバー1における陽極は、電気配線によって互いに接続され回路を形成する。回路は、追加のエネルギー源からの回路へのエネルギーの供給を可能にするスイッチを含む。ブランチBにおいて回路スイッチを入れ、同時に太陽光がチャンバー1に差し込む場合は、装置は作動中でありチャンバー内で電気化学的に活性な化合物を還元し、電子を陽極に提供する。電子は陰極へと流れ、そこで水素が発生する。外部電源から追加のエネルギーを加えることによって、陽極から陰極への電子の流れを熱力学的に有利にしてもよい。チャンバー2内の陰極において発生する水素は、チャンバー2の出口ポートを通ってシステムから除去される。ブランチAにおいて回路スイッチを入れ、同時に太陽光がチャンバー1に差し込む場合は、装置は作動中でありチャンバー内で電気化学的に活性な化合物を還元し、電子を陽極に提供する。電子は陽極へと流れ、そこで水素が発生する。陽極から陰極への電子の流れは、水形成の発エルゴン的な特性により熱力学的に有利である。
図1は、水素生成または電流生成のための反応スキーム付きの本発明のある実施形態の装置を示す。チャンバー1内に置かれたチラコイド膜(PS)は、この場合はFe(CN)である可溶性電子伝達体の還元に使用される。可溶性電子伝達体は、光合成電子伝達鎖から陽極として機能する酸化インジウムスズ(ITO)で覆われたガラススライドへと電子を移動させる。電子は銅線を通ってチャンバー2に配置された白金陰極へと流れ、水素ガスの発生に触媒作用を及ぼす。水素イオンはナフィオン膜を通ってチャンバー間を自由に拡散可能である。チャンバー1の背後に配置される光電池はバイアス電位(電流)を供給し、白金陰極への電子の流れを熱力学的に有利にするとともに水素生成を可能にする。銅線におけるスイッチは、バイアス電位(電流)をオンまたはオフにすることが可能である。このような条件下で、陰極の表面における水の発生と同時に電流が生成される。チャンバー2における水素電極および両方のチャンバーにおける酸素電極は、それぞれのガスの発生の観測が可能である。ポテンショスタットは、外部回路において通過する電流の量を測定する。
図2は、2つのチャンバー(チャンバー1は陽極、チャンバー2は陰極のチャンバー)において電子鎖がどのように起こるのかを詳細に示す。
チャンバー1は、成長培地中に懸濁される光合成物質、陽極、および任意で光合成物質から陽極へと電子の流れの橋渡しが可能な電気化学的に活性な化合物を含む。パネル2a、2b、および2cにおいて、3つの異なる電極接続方法を述べる。図2aにおいて、チラコイド膜(Thy)は、この場合はFe(CN) 3−である可溶性の外因性電子伝達体(exogenous electron carrier(ExEc))を還元する。この還元された酸化還元シャトルは、この場合はインジウムスズ酸化物(ITO)である陽極に電子を移動させる。図2bにおいて、光合成全生物(PhO)は、この場合はFe(CN) 3−である可溶性の外因性電子伝達体(exogenous electron carrier(ExEc))を還元する。この酸化還元反応は、内因性電子伝達体(exogenous electron carrier(ExEc))および膜貫通タンパク質(TMP)の仲介活動を介して起こる。電子鎖は、最後には電子を陽極に提供することになる。図2cにおいて、光合成全生物(PhO)は、膜貫通タンパク質(TMP)を介して、この場合は炭素フェルト電極である陽極に電子を提供する。このメディエーターを利用しない電子伝達は、細胞と電極間の密接な接触に基づく。
チャンバー2は陰極を含み、水素イオンを水素ガスに還元、または酸素イオンを水に還元する。パネル2dおよび2eは、チャンバー1において発生した光合成生成物(電子、陽子、および酸素)を消費する2つの代替的方法について説明する。図2dにおいて、陰極は水素ガスの生成に触媒作用を及ぼす。この反応は自発的ではなく、バイアス電位という名の追加のエネルギー源を必要とする。図2eにおいて、電子は酸素を水に還元する過程で消費される。この反応は自発的であり、全てのシステムの原動力を具体化する。
図3は、異なる電圧におけるバイアス電位(電流)供給による、チャンバー2での水素生成に対する影響をグラフ形状で示す。かなりの量の水素が860mVより大きい電圧において生成される。
図4において、装置からの水素生成に対するバイアス電位(電流)および光の影響をグラフ形状で示す。光の利用が可能であり、またバイアス電位(電流)がオンになった際に水素が生成される。水素が生成されると、電子が140μC s−1で銅線を流れるのと同時に、634nmol O min−1の速度でチャンバー1から酸素が発生し、43nmol H min−1の速度でチャンバー2から水素が発生する。チャンバー1およびチャンバー2の光にさらされる面積は、それぞれ45cmおよび25cmである。
図5(a)において、チャンバー2における酸素の影響をグラフ形状で示す。好気条件下(Oが100%であり、260nmol O ml−1に相当)では、水素は事実上は生成されない。このような好気条件により、水の生成に起因する自然発生の電流が外部回路を流れることが可能になる。ただし完全なる嫌気条件下では、水素は、67nmol H min−1の速度で白金電極から発生する。
図5(b)において、装置が動作中のチャンバー2における酸素消費速度をグラフ形状で示す。好気条件下(Oが100%であり、260nmol O ml−1に相当)では、酸素は45nmol O min−1の速度で消費されるが、嫌気条件下では利用可能な酸素が存在せず、酸素消費速度は事実上はゼロである。
図5(c)は、チャンバー2において酸素が存在する際に装置内で起こる反応の図式を示す。反応(i)および(ii)はチャンバー1内で起こり、反応(iii)はチャンバー2内で起こる。この反応は、外部回路を通る自然発生の電流の流れを支える原動力である。しかしながら、予想される生成物が水素である場合、この反応はチャンバー1の光合成活動から生じる電子および陽子を消費する競合的過程を表す。
図5(d)は、チャンバー2が完全なる嫌気条件下に置かれた時に、水素がどのように装置から生成されるかを示す図式を示す。反応(i)および(ii)はチャンバー1内で起こり、反応(iii)はチャンバー2内で起こる。
図6において、本発明の装置における個々の構成要素の影響をグラフ形状で示す。図6(a)は、チャンバー1におけるチラコイド濃度の影響を示す。0から15μg chl ml−1の間で濃度を増加させることは、酸素発生型光合成速度に重大な影響を及ぼすが、このレベルを超えて濃度を増加させると、わずかな影響しか及ぼさない。図6(b)は、白金電極のサイズ変更による影響を示す。チャンバー2からの水素生成の速度は、陰極サイズにより変化しない。図6(c)は、インジウムスズ酸化物で覆われたガラススライドの表面積の変化による影響を示す。陽極の表面積は水素生成速度に影響しない。図6(d)は、2つのチャンバー間のナフィオン膜の表面積の影響を示す。この膜のサイズを50パーセント減少させると、水素生成が50パーセント減少する。
図7において、電源ボックス(電源)または光電池のいずれかから外部エネルギーを装置に供給することによる影響をグラフ形状で示す。パワーパックおよび光電池の両方は、チャンバー2からの同等の水素生成速度の支持が可能である。
図8において、チャンバー1における酸素発生型光合成に対する4つの異なる電子伝達体の影響を、これらの4つの化合物の電気化学的特性とともに表形式で示す。これらの化合物のうち3つが酸素発生型光合成を支持することが可能であり、チャンバー1において電子伝達体として使用が可能である。
図9は、チャンバー1においてフェリックシアン化物(ferric cyanide)またはジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)が電子伝達体として使用される場合の、装置からの水素生成速度間の比較を示す。図9(a)は、DCPIPが外部電子伝達体として使用される場合、DCPIPの標準電極電位はFe(CN)よりも低いため、装置にはより少ないバイアス電位(電流)が必要とされることをグラフ形状で示す。図9(b)は、DCPIPが電子伝達体である場合により少ないバイアス電位(電流)が使用されるという事実にもかかわらず、DCPIPまたはFe(CN)が電子伝達体として使用される場合、水素発生速度における著しい違いはないことをグラフ形状で示す。
図10は、光合成生物がチャンバー内にて浮遊、または陰極に接着する場合のSBD全細胞(SBD−wc)における電子電流生成間の比較を示す。
図10aは、光がオンになり、Fe(CN)が外因性電子伝達体として使用される場合に、SBD−wcが約1100秒間で約350nA cm−2を生成することをグラフ形状で示す。図10bは、光がオンになる場合に、ml−SBD−wcが約10000秒間で約7000nA cm−2を生成することをグラフ形状で示す。TMPおよび陰極間の物理的接触を介する直接的な電子伝達は、装置性能の観点からのある進歩を代表するものである。
(実施例1)装置の構成および生物的方法による水素生成
硫黄欠乏条件下において、緑藻クラミドモナス培養からの水素の生産量は低い。これは、光合成電子伝達鎖が最適とはいえない条件下で機能するからである。この問題を軽減するために、光合成のおよび水素生成の過程が物理的に切り離される半生物的装置(SBD)を開発した(図1a)。
(実施例2)装置の構成およびSBDによる電流生成
チラコイド膜が光合成物質として採用される場合、電流生成には時間が限られる。これは、光合成膜が機能状況下においてすぐに分解されるからである。この問題に対処するために、光合成物質が原核性または真核性の独立栄養全細胞である半生物的装置(SBD−whole−cell)を開発した。
物質および方法
水素生成のための半生物的装置(SBD)の構成
ナフィオン陽イオン選択膜(FAFION cation−selective membrane)によって2つのチャンバーに分けられたプラスチックの容器において研究が行われた。チャンバー1が200ml溶液の容量を、チャンバー2が60ml溶液の容量を有するようにプラスチック容器を分けた。チャンバー1の陽極はインジウムスズ酸化物(ITO)でコーティングされたガラス電極であり、チャンバー2の陰極は白金電極であった。チャンバーを窒素ガスを流し入れるか、または亜ジチオン酸ナトリウムで酸素を化学的に還元することによりチャンバー2を嫌気状態にした。2つの電極を、パワーパックまたはチャンバー1の下に置かれた光電池(photovoltaic(PV) cell)(16cm PVパネル)のいずれかとともに、Ag/AgCl基準電極と比較して陰極(チャンバー2)の電位が−430mVで維持されるように外部電気接続を介して接続した。両方のチャンバー内に含まれた溶液を、磁気撹拌棒を使用して100rpmで撹拌した。タングステン電球を光源として使用した。水で満たされた4cmの深さのガラス容器に光を通過させて、紫外線放射および余分な熱を取り除いた。これによりチャンバー1の表面における最終の光量子束密度が60uE m−1となった。全ての実験は25℃で行った。
電流生成のための半生物的装置(SBD)の構成
ナフィオン陽イオン選択膜によって2つのチャンバーに分けられたプラスチックの容器において研究が行われた。チャンバー1が100μl溶液の容量を、チャンバー2もまた100μl溶液の容量を有するようにプラスチック容器を分けた。チャンバー1の陽極は電子導電性材料(インジウムスズ酸化物または炭素フェルト電極)でコーティングされたガラス電極であり、チャンバー2の陰極は白金電極であった。2つの電極を外部電気接続を介して接続し、タングステン電球を光源として使用した。光は水で満たされた4cmの深さのガラス容器を通過することで紫外線放射および余分な熱が取り除かれ、チャンバー1の表面における最終の光量子束密度が60uE m−1となる。全ての実験は25℃で行った。
光合成膜の作成
ホウレンソウ(Spinacia oleracea)のチラコイドを前述の通りに精製した。抽出物を、200mMスクロース、20mMトリシン−水酸化ナトリウム(Tricine−NaOH)pH7.5、3mM塩化マグネシウム(MgCl)、および10mM塩化カリウム(KCl)を含む緩衝液中に再懸濁し保存した。チラコイド作成におけるクロロフィル濃度を、記述(Mackinney 1941)通りに減衰係数を用いて80パーセントのアセトン/水(acetone/water)溶液中で抽出後に決定した。SBDのチャンバー1において使用する前に、チラコイド膜を泳動用緩衝液(10mM塩化カリウム(KCl)、8mMトリシンpH7.7、1mM塩化マグネシウム(MgCl)、および50μM Fe(CN) 3−)において作用濃度にまで希釈した。
光合成細胞の作成
シアノバクテリアまたは単細胞藻類を、有機炭素源なしの培地で連続光条件下において培養した。細胞におけるクロロフィル濃度を、記述(Mackinney 1941)通りに減衰係数を用いて80パーセントのアセトン/水(acetone/water)溶液中で抽出後に決定した。SBDのチャンバー1において使用する前に、細胞を泳動用緩衝液(10mM塩化カリウム(KCl)、8mMトリシンpH7.7、1mM塩化マグネシウム(MgCl)、および50μM Fe(CN) 3−)において作用濃度にまで希釈した。
メディエーターを利用しないSBD用の多孔質陽極の作成
シアノバクテリアまたは単細胞藻類を、陽極として炭素フェルト電極の存在下、有機炭素源なしの培地で連続光条件下において培養した。細胞におけるクロロフィル濃度を、記述(Mackinney 1941)通りに減衰係数を用いて80パーセントのアセトン/水(acetone/water)溶液中で抽出後に決定した。
分析技術
SBDにおける電流および電圧を精密ポテンショスタット(precision potentiostat)で測定した。チャンバー1内の外部電子伝達体の酸化還元状態を、分光光度法で分析した。チャンバー1から1mlの試料を取り除き、チラコイド膜を遠心分離機にかけて小球形にし、上清を420nm(Fe(CN) 3−の場合)または620nm(DCPIPの場合)で分析した。チャンバー1および2における溶液の酸素含有量を、電解質溶液と接触する銀陽極および白金陰極からなるクラーク電極を用いて分析した。クラーク電極を、Ag/AgClに対して600mVの定分極電圧で維持した。この電流測定法(またはポーラログラフ法)を用いて水素をまた測定した。クラーク電極を変更することで水素プローブを作成した。白金陰極を塩化白金酸を含む電解質で処理し、銀陽極を塩化カリウムを含む電解質で処理した。白金めっき電極をAg/AgClに対して−650mVの定分極電圧下で維持した。
装置はナフィオン(NAFIONTM)膜によって分けられた2つのチャンバーによって構成される。ナフィオン(NAFIONTM)は水素イオンのチャンバー間の自由な通過を可能にするが、酸素を含む他の全ての成分の通過を妨げる。チャンバー1内の光合成物質は水素イオンおよび電子の源として使用される。電子伝達体が必要とされる場合は、可溶性電子伝達体によって光化学系I(PSI)の還元末端から電子を得る。電子伝達体は還元当量を電極に運び、その結果チャンバー2に置かれる薄い白金電極への電子の流れを可能にする。電子伝達体が必要とされない場合は、電子は膜貫通タンパク質を介して直接陽極へと流れる。水素イオンを嫌気条件下で電子と結合させることにより、白金陰極は水素ガスの生成に触媒作用を及ぼす。PSIの端末鉄硫黄受容体は約−480mVの酸化還元中点を有し、pH7での2H/H酸化還元対の電位の中点は−420mVであるため、装置は理論的には光エネルギーのみを消費して白金陰極において水素生成を促進することが可能である。好気条件下で、白金陰極は水の生成に触媒作用を及ぼす。この自然反応は、外部回路を通る電流を支える原動力である。
(実施例3) チラコイド膜が光合成物質として採用され、酸化還元伝達体が電子輸送に必要とされる場合の水素生成のための装置操作
光合成物質がチラコイド膜からなり、電子が可溶性電子伝達体によって輸送される場合に、SBDの水素生成の実現可能性を証明するために原型装置を作成した(図1)。チャンバー1において、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)から精製されたチラコイド膜を光合成物質として使用し、インジウムスズ酸化物(ITO)でコーティングされたガラスを電極として使用した(図1)。Fe(CN)の化合物の酸化還元は分光光度法で420nmにおいて測定が可能であるために、Fe(CN)を初期実験での電子伝達体として選択した。pH7における酸化還元対Fe(CN) 3−/Fe(CN) 4−の電極電位は+420mVであり、この電子伝達体では、追加のエネルギー入力無しにはSBDは水素を生成できないことを意味する。これは、Fe(CN) 3−/Fe(CN) 4−の酸化還元中点が、2H/Hのものよりも正に840mV高く、反応が熱力学的に不利になるからである。原型装置からの水素生成を駆り立てるために、パワーパックまたはチャンバー1の下に置かれた光電池(photovoltaic(PV) cell)のいずれかから追加のエネルギーを供給した。この追加のエネルギー入力を、「バイアス電位」(電力)と称した。追加のエネルギーが840mV未満の電圧において供給される場合はSBDはFe(CN)を用いて大量の水素を生成しないが、この臨界値を超える値まで電圧が増大されると、67nmol H min−1の速度で水素がチャンバー2から発生することをバイアス電位(電力)を供給するパワーパックを使用して示すことができた。860mVを超える電圧の増大は、水素発生速度に重要な影響を及ぼさない(図3)。チャンバー1が機能していない場合にこの電位が装置に供給された場合、チャンバー2では水素は生成されない。これは、バイアス電位(電力)(860mV)では白金電極からの水素発生に必要なエネルギーの供給が独力では不可能であることを示す。
光合成物質を使用して、光からのエネルギーのみを使用して水素生成するようにSBDは設計されたが、電子伝達体としてのFe(CN)の使用にバイアス電位(電力)が装置には必要なため、外部エネルギー源が必要となる。この外部エネルギー源がチラコイド膜によって取り込まれなかった光エネルギーから得られるか調べるために、PV電池が装置の下に置かれた。SBDは45cmを占め、深さが5cmであるチャンバー内にチラコイド膜を含む。PV電池から電流を生成するためには、光合成膜によって使用できない光の波長がチャンバー1を通過しなければならなくなるように16cmのPV電池をこのチャンバーの下に置いた。PVパネルを使用した水素発生速度は外部パワーパネルを使用した水素発生速度と同等であった。これは、このパネルが十分なエネルギー入力の生成が可能であることを示唆する(図7)。実際に、16cmのPVパネルは650μC s−1を生成した。これは、たったの140μC s−1の電子流が現装置において必要とされるため、反応を駆り立てるのに必要とされるエネルギーの供給には大幅に小さいパネルが使用可能であることを示唆する(図4)。
SBD原型の個々の構成要素を明らかにするために、PV電池から生じるバイアス電位(電力)をオフまたはオンのいずれかにするスイッチを外部電気回路に配置した(図1)。暗闇では、チャンバー1内のチラコイドは活動しない。相当量の酸素の発生や著しいFe(CN) 3−の減少はなく、また外部回路を通過する大きな電流の流れもない(図4)。しかしながら、光が当たる所においてはチラコイド膜から酸素が発生し、Fe(CN) 3−は減少する。しかしバイアス電流なしでは反応が熱力学的に不利になるため、大きな電子の流れや水素発生はない。バイアス電流がシステムに印加されるとすぐに(図4、オン)、電子が140μC s−1で外部回路を流れ、43nmol H min−1の速度で白金電極から水素が発生する。Fe(CN) 3−の純減速度は、バイアス電位(電流)の存在下では120nmol min−1減少する。これは、電子が水素生成のために使用されるとITOコーティングのガラススライドにおいてFe(CN) 4−の集まりが再酸化されるからである。2HからHを生成するのに2つの電子が必要とされるため、理論的にはFe(CN) 4−の酸化速度はH生成速度の2倍である。しかしながら、この原型において酸化反応速度はH生成速度のほぼ3倍であるため、全ての電子がH発生に使用されるわけではないことを示唆している(酸素効果(図5)参照)。チラコイド膜の光合成作用は端末PSI鉄硫黄クラスターから電子を取り除く酸化外部電子受容体の濃度により制限されるため、Fe(CN) 3−の集まりがいったん完全にFe(CN) 4−に還元されると、酸素生成速度が減少する。しかしながら、ITO電極において再酸化され得る大きなFe(CN) 4−の集まりがまだ存在するため、水素発生速度はこの還元によって光合成速度において影響を受けない(図4)。
SBDは光合成微生物からの水素生成の酸素阻害と関連する問題を解消するが、この装置からの水素生成は実際にはチャンバー2における酸素の存在により阻害される(図5)。チャンバー2が好気性である場合、チャンバー1においてFe(CN) 3−が還元されるが、チャンバー2において水素は生成されない。チャンバーの中を通してアルゴンガスをバブリングすることにより約95パーセントの酸素をチャンバー2から除去すると、水素生成速度が若干増大する。しかしながら、溶液に亜ジチオン酸塩を追加することによりこのチャンバーからほとんどの酸素(99.5パーセント)を除去すると、水素発生速度の劇的な増大が引き起こされる(図5a)。酸素の存在下で白金陰極は、酸素および水素イオンからの水の形成に優先的に触媒作用を及ぼす(図5bおよび5c)。しかしながら、使用できる酸素が存在しない嫌気条件下では、電極は水素ガスの形成に触媒作用を及ぼす(図4d)。この酸素との競合反応およびチャンバー2内の絶対嫌気条件のための必要条件は、我々の初期実験において、陽極におけるFe(CN) 4−の酸化が陰極における水素生成と化学量論的ではなかった理由を説明するものである(図4)。
SBDの個々の構成要素は水素発生速度に影響を与える可能性を有する。最適条件を決定するために、個々の構成要素の存在量を順番に変更した(図6)。チラコイド膜の濃度を0から15μg chl ml−1の間で変化させると酸素生成速度に大きな影響を与えるが、このレベルを超えてチラコイドの濃度が増大させると大きな影響はない(図6a)。これはチラコイド膜が15μg chl ml−1の濃度において光合成有効放射(photosynthetically available radiation (PAR))のほとんど全てを取り込むことが可能であることを示す。明らかに、PARの取り込みに必要とされるチラコイド膜の濃度は光の強度およびチャンバー1の深さによって決定される。このような実験において、チャンバー1は5cmの一定の深さにおいて維持され、光量子束密度は60μE m−2 sec−1であった。
チャンバー2内の白金陰極の表面積を1cmから10cmへと変化させてもこのような条件下では水素生成速度に影響は及ぼさず(図6b)、ITOで覆われたガラスの表面積を10cmから40cmへと変化させてもまた影響は及ぼさない(図6c)。しかしながら、チラコイド膜の存在下において時間の経過とともに装置の性能が低下することが分かった。この性能の低下はチラコイド膜のITO表面との相互作用に起因するものである。この低下を避けるために、チャンバー1に沈める前にITOのガラススライドを透析チューブ内に密閉し、チラコイドがITOと物理的に接触することを阻止した。
チャンバー1をチャンバー2から分離させるナフィオン膜の表面積は、水素発生速度に重要な影響を及ぼす(図6d)。膜の大きさを21cmから10.5cmへと減少させると、水素発生が約50パーセント減少するため、この膜を通過する水素イオンの移動がこのような条件下において装置の性能に影響を及ぼす重要な要因であることを明示している。この膜の表面積は本原型において21cmよりも大きくすることはできなかったため、その表面積が我々の全ての実験において水素生成の律速因子であったと思われる。これが、Fe(CN) 3−減少速度が水素生成速度よりも速い理由である(図4)。
本研究において記載されたSBD装置は、電子伝達体であるFe(CN) 3−の酸化還元電位に起因して、水素生成を駆り立てるために外部エネルギー入力を必要とする。光合成物質によって吸収されない光の波長を取り込むためにPV電池が使用される場合は、装置によって光エネルギーのみを使用して水素の生成が可能であることを明示した。異なる電極電位を持つ他の電子受容体であっても、バイアス電流の必要条件を最小限に抑えるか、または取り消すことが可能であり得る。メチルビオロゲン(MV)、ジアミノジュロン(diaminodurone(DAD))、ジクロロフェニルインドフェノール(DCPIP)、およびチモキノン(Thymoquinone(DBMIB))といった多様な分子が外因性光合成電子伝達体として機能することが知られている。MV等のビオロゲンは、電極電位が理論上はバイアス電流の必要条件を取り消すと思われる約−440mVであることから、期待できる化合物であるように思われる。しかしながら、好気条件下では、MV等の電極電位が150mV未満である電子供与体は酸素に電子を提供し、Hを素早く形成する超酸化物を生成する。この反応はITO電極への電子供与と競合し、チャンバー2におけるH発生を抑制する。DCPIPおよびDADは両方とも酸素発生型光合成のサポートが可能であり、実際にFe(CN) 3−よりも高速度でサポートする(図8および9)。しかしながら、このような化合物はPSIIおよびPSIの両方から電子を受け取ることができ、還元型においてはPSIに電子を提供することが可能である。よって、SBD装置における電子束の化学量論計算は、このような化合物が使用された場合に妨害される。それにもかかわらず、DCPIPを受容体(pH7において290mVの電極電位を有する)として使用して比較実験を行い、異なる電子受容体が使用された場合にSBDが機能することを示した(図8および9)。DCPIPの熱力学特性から予想されるように、この電子伝達体を使用して水素を生成するのに必要なバイアス電流を710mVに減少させる。
(実施例4) 全光合成細胞が光合成物質として採用され、酸化還元伝達体が電子輸送に必要とされる場合の電流生成のための装置操作
光合成物質が全細胞からなり、電子が可溶性電子伝達体によって輸送される場合に、SBDの電流生成の実現可能性を証明するために実施例2で述べたものと同じ原型装置(図1)を使用する。チャンバー1において、全細胞を光合成物質として使用し、インジウムスズ酸化物(ITO)でコーティングされたガラスを電極として使用した(図1)。Fe(CN) 3−の化合物の酸化還元は分光光度法で420nmにおいて測定が可能であるために、Fe(CN) 3−を初期実験での電子伝達体として選択した。pH7における酸化還元対Fe(CN) 3−/Fe(CN) 4−の電極電位は+420mVであり、この電子伝達体では、追加のエネルギー入力無しにSBDは陰極のチャンバーにおいて水を生成することが可能であることを意味する。これは、Fe(CN) 3−/Fe(CN) 4−の酸化還元中点が、2H,2e/HOのものよりも負に430mV高く、反応が熱力学的に有利になるからである。この2つの対(Fe(CN) 3−/Fe(CN) 4−および2H,2e/HO)間の酸化還元電位の違いは、装置の開路電位を表す。
光合成物質が全細胞からなり、電子が可溶性電子伝達体によって輸送される場合に、電流が生成されることを証明するために、ブランチBに基づいてパワーパックから生じるバイアス電位の回避を可能にするスイッチを外部電気回路に配置した(図1)。暗闇では、チャンバー1内の全細胞は光合成活動をせず、そのため外部回路を通過する大きな電流の流れもない(図1および4)。しかし光が当たる所では、電子が350nC s−1 cm−2で外部回路を流れ、陰極電極から水が発生する。2つの電子である2Hおよび1/2の二酸素からHOを生成するのに4つの電子が必要とされるため、理論的にはFe(CN) 4−の酸化速度はH生成速度の4倍である。
全光合成細胞によって実行されるSBDはチラコイド膜の短耐用年限と関連する問題を解消するが、この装置からの電流生成は実際には電子の使用可能性により限定される。光合成物質が酸素発生型光合成を行う場合、水の光分解によって得られる電子は葉緑体レベルにおいて保持され、リン脂質膜で取り囲まれており、事実上は水溶性電子伝達体によるアクセスが不可能である。内因性膜貫通タンパク質の起電性活動の利用を通して、これらの電子の一部が電子伝達体へ提供され、その結果電流が生成される。酸素の存在下で白金陰極は、酸素、電子、および水素イオンを結合させ、水の形成に優先的に触媒作用を及ぼす。この自然反応は全過程における原動力であり、熱力学的に有利な状態を維持する。
本研究において記載されたSBD装置は、電流生成を駆り立てるために外部エネルギー入力を必要としない。装置により光エネルギーのみを使用して外部回路を介して電子のフラックスの生成が可能であることを明示した。異なる電極電位を持つ他の電子受容体によって開路電位を最大にし、SBDの電流出力を増大させることが可能である。
(実施例5) 全光合成細胞が光合成物質として採用されるが、酸化還元伝達体が必要とされない場合の電流生成のための装置操作
光合成物質が全細胞からなり、電子が可溶性電子伝達体なしで直接陽極に輸送される場合のSBDの電流生成の実現可能性を、原型装置(図1)を使用して証明した。チャンバー1において、全細胞を光合成物質として使用し、炭素フェルト電極を陽極として使用した(図1)。初期実験では細胞は電極上で成長し、電極表面の光合成生物膜の形成をもたらした。膜貫通タンパク質の電極電位は相対的に負の電位であり、この電子供与体では、追加のエネルギー入力無しにSBDは陰極のチャンバーにおいて水を生成することが可能であることを意味する。これは、Fe(CN) 3−/Fe(CN) 4−の酸化還元中点が、2H、2e/HOのものよりも負に430mV高く、反応が熱力学的に有利になるからである。膜貫通タンパク質および酸素還元(2H,2e/HO)間の酸化還元電位の違いは、装置の開路電位を表す。
光合成物質が全細胞からなり、電子伝達体が必要とされない場合に、電流が生成されることを証明するために、ブランチBに基づいてパワーパックから生じるバイアス電位の回避を可能にするスイッチを外部電気回路に配置した(図1)。暗闇では、チャンバー1内の全細胞は光合成活動をせず、そのため外部回路を通過する大きな電流の流れもないが(図1および4)、細胞の代謝活動が電子の残留フラックスを支持する。光が当たる所では、電子が約7000nC s−1 cm−2で外部回路を流れ、陰極電極から水が発生する。
全光合成細胞によって駆動されるメディエーターを利用しないSBDはチラコイド膜の短耐用年限と関連する問題を解消し、ピーク電流を高めるが、この装置からの電流生成は電子の使用可能性により限定される。光合成物質が酸素発生型光合成を行う場合、水の光分解によって得られる電子は葉緑体において保持される。内因性膜貫通タンパク質の起電性活動の利用およびこれらのタンパク質の陽極との直接接触を通して、酸素発生型光合成活動によって生成する電子の一部が陽極へと渡され、その結果電流が生成される。酸素の存在下で白金陰極は、酸素、電子、および水素イオンを結合させ、水の形成に優先的に触媒作用を及ぼす。この自然反応は原動力であり、過程を熱力学的に有利に保つものである。
本研究において記載されたSBD装置は、電流生成を駆り立てるために外部エネルギー入力を必要としない。装置が、光エネルギーのみを使用して外部回路を介して電子のフラックスを生成することが可能であることを明示した。膜貫通タンパク質の活動を高め、その数を増やし、その分子構造を操作し、あるいは直接電子伝達の新しい方策の作成する(たとえば、導電性「線毛」を使用する)ことにより、開路電位を最大にし、電気化学的なSBDの性能を劇的に増大させることが可能であり得る。
結論として、酸素の存在下において水素ガスおよび電流の生成に光合成物質が使用可能な新装置を開発した。この方法により、生物学的水素生成および生物学的電流作成に関連する問題の多くが解消される。
特に、下記の通りである。
a) SBDからの水素生成は分子酸素によって阻害はされず、酸素および水素が独立した区画において生成されるため、2つのガスが混ぜ合わさって爆発性の混合物になるのを防ぐ。この原型装置において使用される分離したチラコイド膜は、時間の経過とともに劣化するが、無傷細胞(SBD全細胞およびメディエーターを利用しないSBD全細胞)の使用が可能であることを示した。
b) SBDによる水素生成を制限する要因となるのは追加エネルギー源の必要性であると考えることが重要である。この必要条件は電子伝達体の酸化還元電位に関連する。この追加エネルギー要件は、より負に高い酸化還元電位を有する電子伝達体を使用することにより取り消すことが可能である。しかしながら、このような負の電極電位を有する電子伝達体は酸素と反応して超酸化物を生成するため、このような望ましくない反応を減らすように用心しなくてはならない。
c) 無傷細胞の内部において得られる電子へのアクセスは困難であると考えられてはいたが、外因性電子伝達体を採用するSBD全細胞による電流生成は、従来技術のチラコイド膜に基づいた制限された耐用年限を解消する。
d) 無傷の光合成生物の生物膜を陽極電極に用いるメディエーターを利用しないSBD全細胞からの電流生成は、電子伝達(細胞から陽極)の速度を向上させる。無傷細胞内部において得られる全光合成電子へのアクセスを得るのは依然として困難ではあるものの、光電気化学電池およびメディエーターを利用しない微生物燃料電池と関連する技術の急速な進歩により、非常に効率良く無傷細胞を使用することが可能になると思われる。
SBDの現在の量子効率は1から3パーセントの間であり、これは光合成生物を使用する現行の生物的方法によって生成されるものよりはるかに高い。SBDは再生可能エネルギー源の枠組みにおいて多くの特有で魅力的な属性を示す。水素は自由に利用可能な太陽光から生成され、中核の生物物質は自己集合性を有し、水素は酸素とは別のチャンバー内に生成されるため実質的には純粋であり、また生産過程において温室効果ガスが発生しない。SBD全細胞により耐用年限を延長し、メディエーターを利用しないSBDの開発は非常に効率の良い無傷細胞の使用を可能にし得る。
バイオ水素およびバイオ電流の生成の経済的利益は、新たな効果的な技術の開発およびそれに基づく改良に結びつくことが避けられない。SBDは、経済的に実行可能な水素生成システムへと発展可能な重要で新しい技術を代表するものである。

Claims (5)

  1. 第1チャンバーおよび第2チャンバーを含み、
    前記第1チャンバーは、(1)光合成生物またはその光合成部位および電子受容体分子を含む水溶液と接触する陽極、および入口と出口を有するか、または(2)光合成生物と直接接触する陽極を有するいずれかの2つの配置を有し、
    前記第2チャンバーは、電解質の水溶液と接触する陰極および出口を有し、前記陽極および前記陰極は外部電源を任意に有するスイッチ電子回路により接続され、前記第2チャンバーがプロトン選択膜によって前記第1チャンバーと分離されることを特徴とする装置。
  2. 前記第1チャンバーおよび前記第2チャンバーは、前記第2チャンバーが前記第1チャンバー内に含まれるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1チャンバーおよび前記第2チャンバーは、隣接するチャンバー間の接続面がプロトン選択膜である隣接チャンバーとして構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 前記光合成生物またはその一部は、チラコイドまたはチラコイド膜、シアノバクテリア(または他の光合成細菌)、真核性藻類、植物、または植物組織であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. (1)前記陽極を前記陰極に接続するためにスイッチを操作する工程と、
    (2)外部電源から追加の電子原動力源を導入する工程と
    を含むことを特徴とする本発明システムの第1の態様による装置から水素および/または電流を発生させる方法。
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