JP2010536110A - インボイス債務を相殺するシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

（ａ）各々が貸方値を備える少なくとも１つの売上インボイスを提供するステップと、（ｂ）各々が借方値を備える少なくとも１つの仕入インボイスを提供するステップと、（ｃ）仕入インボイスの借方値の少なくとも一部を売上インボイスの貸方値の少なくとも一部で相殺するステップとを含むインボイス債務を解消するための方法を開示する。また、（ａ）少なくとも１つの売上インボイスを有する少なくとも１人の売り手を提供するステップと、（ｂ）少なくとも１つの売上インボイスのうちの少なくとも１つと少なくとも１つの仕入インボイスのうちの少なくとも１つとがインボイスチェーンを形成するような、少なくとも１つの売上インボイスと少なくとも１つの仕入インボイスとを有する少なくとも１人の顧客を提供するステップと、（ｃ）売り手の少なくとも１つの売上インボイスを顧客の少なくとも１つの売上インボイス、少なくとも１つの仕入インボイス、またはその組み合わせで相殺するステップとを含むインボイス債務を解消するための方法を開示する。

Description

本発明は、米国特許仮出願シリアル番号第６０／９５５，３６４号（２００７年８月１２日出願）の優先権を主張するものであり、該仮出願の内容全体は参照により本明細書内に組み込まれる。

本主題の分野は、インボイス債務の相殺と、インボイス債務の相殺トランザクションを遂行するのに使用されるシステムおよび方法である。

企業、営利および非営利団体、または個人は、顧客に売った商品またはサービスに対するインボイスを発行する。これらのインボイスは、そのような商品およびサービスの支払い額を含むが、項目の中でも、ほとんどは商品およびサービスの数量および規定のまたは契約の価格または料金を含む場合がある。また、政府団体は、サービス、資産売却、関税、利子、税金、違約金に対するインボイスを個人や事業納税者に発行する。さらに、製品およびサービスは、利子、融資元金、違約金を含む場合がある。インボイスを発行するこれらの企業、営利および政府団体、および／または個人は、本明細書ではまとめて「売り手」とする。

売り手は、売り手が支払いのために顧客に発行したがまだ支払われていない売掛金勘定または未払いのインボイスの中に自身の多額の資産を有するのが普通である。インボイスの当月分が、インボイスが支払われるまでの妥当な期間（すなわち３０から９０日）内に支払われても、新規のインボイスが発行されてしまっている場合がある。顧客が支払うのに要するこの過程や時間は、売り手の商取引を行うための資本や自由資産のレベルが低下してしまうことになる。

商取引目的（主に、債務を他者に支払うなど）に利用可能な現金のレベルを上げるために、売り手は通常、売掛金（売上インボイス「ｓａｌｅｓ ｉｎｖｏｉｃｅ」）を割り引く、資金を借りる、またはファクタリング、短期支払手形の発行、売掛債権による資金調達などの他の財務手法を利用することになる。これらのプロセスは商取引に利用できるが、関係する値引き、利子、および取引コストが商取引を行うコスト、企業の成長および利益幅に大きく影響することが考えられる。これらのプロセスは、外部コストや違約金の低減に常に関心のある企業には望ましくないが、現在では有効な代替方法はない。

多くの売り手が、顧客に早期に支払わせるために売掛金を割り引く。この戦略は時には有効であるが、売り手にとっては非常にコスト（平均インボイス当たり２％）がかかるものである。売り手の中には、信用度に相当する利率で平均してプライムレートより高い１％から１１％の利率で売上インボイスの資金調達するのが適した売り手もある。条件に応じて売上インボイスの貸方値の平均１％から４％のコストで売上インボイスをファクタリング（売却）し、顧客が支払うまでに貸方値の約７０％から９０％を受け取る売り手もある。

売り手の中には、利子、取引コスト、違約金のコストをインボイスの中に組み入れて、顧客に転嫁して、顧客に対する債務やコストを増大させて売り手の価格競争力を低下させている。顧客に転嫁しないでこれらの追加のコストを抹消し、低い利益幅のコストで仕事の関係を維持する売り手もある。本明細書内で使用する時、用語「顧客」は支払い用のインボイスを受け取る任意の人または団体を指す。本明細書内で使用する時、用語「支払い」はインボイスの借方値および債務の金額を清算するための金銭のやりとりを指す。このプロセスは、インボイスの支払いおよび資金調達の従来方法を示す先行技術図１で示されている。

先行技術の図１では、売り手１１０と顧客１２０との間のプロセス１００が示されている。売り手１１０は、商品またはサービスを販売し１３０、顧客１２０は３０から９０日以内に支払いをする１４０。３０から９０日経過した後、売り手１１０とその顧客１２０との間でサイクル１５０を繰り返す。売り手１１０の年間売上高の平均８％から１５％が、未払いの売上インボイスで確定される１６０。現金を取得するために、売り手１１０は、顧客１２０に早期に支払いをさせるために売上インボイスを割り引く１７０、インボイスをファクタリング会社に売却する、または銀行からもしくは資本市場において債務証書を発行して借入を行う。

本明細書で開示されている主題の基準として、米国のファクタリング市場は、２００６年の未払いでファクタリングされた売掛金債権（売上インボイス）では１２７０億ドルを超えた。資産ベースの貸付市場は、米国の未払いの商業手形では４８００億ドルを超えて約２兆ドルである。これらの数字は、さまざまな部門における近年の財政悪化と相まって増大している。このことは、さらなるインボイスが未払いの状態にあり、資金調達の選択肢はますます制限されるので、資本のファクタリングが有効であるということである。

米国特許第６９１００２１号明細書（Ｂｒｏｗｎ他、２００５年発行）では、相殺プログラムをサポートするが、実際に相殺プロセスを達成しない財務管理システムについて記載されている。米国財務省（Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ Ｔｒｅａｓｕｒｙ）は、試験的な相殺システムを設定した。それにより納税者への還付金は、支払期日を過ぎた審査またはその納税者によって支払われる家族／子供支援納付金によって相殺される。これは、売り手および顧客に合わせて、（非常に限られた非効率なバーターまたは支払い免除を除いて）銀行から引き出して支払いをしなくても、掛売勘定または投資勘定で支払わなくてもインボイス債務を相殺できるような現行の手続き、方法またはシステムでないように思われる。また、複数の売り手および複数の顧客のインボイス債務を解消し、同時にまたはインテリジェントに複数のインボイスを解消してできるだけ多くの関連する団体のインボイスを迅速に相殺できるような現行の手続き、方法またはシステムでないように思われる。

書面であってもコンピュータであってもインボイスを発行し支払う現行のプロセスを考えると、インボイスの借方値と貸方値とを相殺するため、支払い回数を減らすため、未払いのインボイスの数を減らすため、インボイスの割引コスト、違約金、利子、および資産の借入または資金調達の必要性を低減するため、購買力を高めるため、またはそれらを組み合わせた目的のために、売り手のインボイスを売り手の顧客および売り手（販売業者）のインボイスおよびまたその顧客および売り手のインボイスに関連付けることによって、売り手と顧客との間で、売り手のインボイスを仕入インボイス（「ｐｕｒｃｈａｓｅ ｉｎｖｏｉｃｅ」）と照合して仕入インボイスを売上インボイスで相殺するための新規のシステムおよび関連する方法を提案することは経済的に有効で望ましい。

（ａ）各々の売上インボイスが貸方値を含む少なくとも１つの売上インボイスを提供するステップと、（ｂ）各々の仕入インボイスが借方値を含む少なくとも１つの仕入インボイスを提供するステップと、（ｃ）仕入インボイスの借方値の少なくとも一部を売上インボイスの貸方値の少なくとも一部で相殺するステップとを含むインボイス債務を解消するための方法が開示されている。

また、（ａ）少なくとも１つの売上インボイスを有する少なくとも１人の売り手を提供するステップと、（ｂ）少なくとも１つの売上インボイスのうちの少なくとも１つと少なくとも１つの仕入インボイスのうちの少なくとも１つとがインボイスチェーンを形成するような、少なくとも１つの売上インボイスと少なくとも１つの仕入インボイスとを有する少なくとも１人の顧客を提供するステップと、（ｃ）売り手の少なくとも１つの売上インボイスを顧客の少なくとも１つの売上インボイス、少なくとも１つの仕入インボイス、またはその組み合わせで相殺するステップとを含むインボイス債務を解消するための方法も開示されている。

（ａ）借方値を有する少なくとも１つの仕入インボイスと貸方値を有する少なくとも１つの売上インボイスとを備え、借方値を貸方値で相殺するインボイスチェーンをインテリジェントに判断するための実行コードと、（ｂ）実行コードを実行するための媒体と、（ｃ）表示装置、（ｄ）実行コードを実行するための対話ツールとを含むインボイス債務を解消するためのシステムが開示されている。

さらに、借方値を有する少なくとも１つの仕入インボイスと貸方値を有する少なくとも１つの売上インボイスとを備え、借方値を貸方値で相殺するインボイスチェーンをインテリジェントに判断するための実行コードを含むソフトウェアパッケージが示されている。

インボイス支払いおよび資金調達の従来の方法を示すインボイスの図である。 複数の売り手（顧客でもある）の間で関連付けられた貸方値および借方値を有するインボイスチェーンの展開（実施例２詳細に説明する）を示す図である。 インボイス清算システム（Ｉｎｖｏｉｃｅ Ｃｌｅａｒｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と呼ばれる本発明のシステムが、異なる売り手により発行された売上インボイス間の特定の関係および照合する特徴を探して、これらの関係を使用してインボイス債務を相殺し、清算するのを示す図である。 コンピュータベースのネットワーク環境におけるインボイスの想定されるワークフローが示された、本発明のシステムのブロック図である。 不完全なインボイスチェーンまたは不均衡チェーンの例を示す図である。

意外なことに、インボイスの割引コスト、違約金、利子、資産の借入または資金調達の必要性を低減するため、支払い回数を減らすため、未払いのインボイスの数を減らすため、購買力を高めるため、またはそれらを組み合わせた目的のために、売り手が現金や資金調達ではなくその売上インボイスの金額を使用できるようにして、売り手の仕入インボイスの金額の債務を支払いまたは履行し、多くのまたは全てのインボイスを決済する新システムおよび関連する方法が開示されている。本明細書で示される新規のシステムおよび方法はさらに、インボイスのファクタリング、任意の形態の借入、バーター、または資金調達のより速くより安価でより有効な代替方法を提供する。インボイスは、任意の形態、例えば、電子ベースまたは紙ベース、手形、支払書、任意の種類の貸付承諾書もしくは債務承諾書、売り手と顧客との間の任意の形態の同意または支払債務とすることができる。いずれの売上インボイスも対応する仕入インボイスを有し、売上インボイスおよびその対応する仕入インボイスは、同じ金額、発行者、期間、支払期日、発行日、支払人、および受取人を有する。

インボイス債務を解消するための本発明の方法は、少なくとも１人の売り手と少なくとも１人の顧客とがインボイスチェーンを形成するような、少なくとも１つの売上インボイスを有する少なくとも１人の売り手と、少なくとも１つの売上インボイスと少なくとも１つの仕入インボイスとを有する少なくとも１人の顧客を提供するステップと、売り手の少なくとも１つの売上インボイスの金額を顧客の少なくとも１つの売上インボイスの金額で相殺するステップとを含む。インボイスチェーンは、多数の売り手および顧客、インボイス、金額、通貨、さまざまなインボイス支払期日および発行日を含むことができる。１つのインボイスは、１つ以上のインボイスチェーンの一部とすることができる。インボイスの金額は、１つ以上のインボイスチェーンにより同じ回数または異なる回数で清算される。インボイスの金額は、相殺によって一部または全てが清算される。インボイス債務を解消するという概念は、インボイス債務の履行、インボイスの支払い、またはインボイスの相殺の意味である。本明細書内で使用する時、用語「相殺」は、現金の引き出し、小切手の引き出し、電子的資金移動、バーター、ファクタリング、借入、またはこれらの組み合わせの必要なしに、１つの売上インボイスの貸方値を振り替えて仕入インボイスの借方値を完済するという意味である。本明細書内で使用する時、貸方値はインボイスで受け取られる金額を意味し、借方値はインボイスで支払われる金額を意味する。

具体的には、インボイスの債務の電子および／または自動による履行および決済は、売り手のインボイスと顧客のインボイスとを互いに関係付けることで、売上インボイスの貸方値の金額を顧客の仕入インボイスの借方値の金額と照合して相殺することによって達成される。例えば、売り手（売り手Ａ）がインボイス（売上インボイス）を顧客に発行し、またその顧客は自身の顧客にインボイスを発行する売り手（売り手Ｂ）でもあり、またその顧客は売り手（売り手Ｃ）であるというように、関連付けられた売り手、顧客、インボイスの暗黙のツリーとブランチを形成する。ここではこれをインボイスチェーンまたはチェーンと呼ぶ。チェーンの第１の売り手が同じインボイスチェーン（「完全チェーン」）の別の売り手に対する顧客でもある場合、関連付けられたインボイスの金額は互いに相殺され（この場合、顧客の関連付けられた仕入インボイスの借方値は同じチェーンの売上インボイスの貸方値により相殺される）、この様子が図２に示されており、詳細については後述する。

完全チェーンにおいては、全ての売り手は顧客でもある。「不均衡チェーン」とは、第１または最初の売り手が同じインボイスチェーンの顧客でない、および／またはチェーンの最後の顧客が同じチェーンの売り手でないような不完全なチェーンのことである。同じ不均衡チェーンの他の売り手に対する顧客でもある売り手は完全チェーンの場合と同じようにインボイスを相殺および清算することができるが、チェーンの最後の顧客の仕入インボイスの借方値の金額はこのチェーンの外の１つ以上の売上インボイスの貸方値の金額で相殺される、または従来の調達源を使用して、もしくは１つ以上の売上インボイスの自動ファクタリングを行うことにより支払われる。同時に、第１の売り手は他のチェーンの１つ以上の仕入インボイスを相殺することができる、またはそのチェーンの最後の顧客からの貸方値を受け取ることになる。本明細書内で使用する時、従来の調達源とは現金、小切手もしくは電子的資金移動、バーター、ファクタリング、借入、またはこれらの組み合わせのことである。

したがって、売り手の少なくとも１つの売上インボイスが顧客の仕入インボイスと照合され、その顧客の少なくとも１つの売上インボイスで相殺される。売り手と顧客とは、同時にシステム内に存在し、１つ以上の売り手および／または顧客がシステムに参加する時に照合される。例えば、売り手のインボイス「売上インボイス」は、相殺され得るまでにシステムによって適切なインボイスチェーンが形成されるまでの一定期間システム内に保持される。別の例では、異なる売り手および顧客からの売上インボイスおよび仕入インボイスがシステムに入り、同時に照合されて１つ以上のインボイス相殺チェーンを形成することができる。システムは、インボイスチェーンを形成する時に、第１の売り手および／または第１のインボイスの最適なまたはほぼ最適な開始点を自動的に判断して選ぶ。システムはまた、相殺のための最適なまたはほぼ最適なインボイスチェーンを自動的に判断して形成する。最適なまたはほぼ最適な開始点もしくはインボイスチェーンを判断する際に、システムは最適な判断条件に基づいて判断を行う。システムはまた、第１の売り手および／または第１のインボイスおよびインボイスチェーンをランダムまたは先着順にまたは一部の他のビジネス決定に応じて選ぶことによって最適化せずに動作する可能性もある。

本明細書内で使用する時、句「最適な判断条件」とは、相殺するためにインボイスチェーンの最適なまたはほぼ最適な開始点およびインボイスチェーンを判断するための最適な条件のことである。この最適化のプロセスは、以下の固定および可変条件を考慮する。（ａ）経済状況および売り手の満足度によって判断される優先事項であって、システムが調節またはそれに対処するように調節される優先事項。例えば、最大流動性、相殺および清算の最速時間、相殺および清算のインボイス当たりの最大量（初期設定は一日のインボイス当たりの最大量である）、（ｂ）インボイス項目、売り手により示される期間限定の割引、売り手が最初に相殺したい仕入インボイスの売り手限定の選択、破産法、規制、通貨換算および他の要因のような特別な条件、（ｃ）コンピュータによる制限。

本明細書内で説明されるシステムおよび方法は、以下の目的のために使用される：（ａ）売り手および顧客からインボイス（売上インボイスおよび／または仕入インボイス）またはインボイス情報および承認を取得する（理想的には、売り手から全ての売上インボイスおよび顧客から全ての仕入インボイスを取得する）、（ｂ）売上インボイスをそれに対応する仕入インボイスと照合させて、すなわち売り手と顧客とを照合して、相殺および清算するためのインボイスチェーンとして関連するインボイスの貸方値と借方値のチェーンを構築する、（ｃ）仕入インボイスの借方を売上インボイスの貸方で相殺し、報告し、後処理事項を管理する。

本発明の方法において、売り手（売り手Ａ）が売り手（売り手Ｂ）でもある顧客に売上インボイスを発行したか否か、またその顧客が売り手（売り手Ｃ）でもある顧客に対して売上インボイスを発行したか否かを判断し、このプロセスは売り手Ａに発行される売上インボイスにたどり着くまで継続される。この第２段階が完了すると、売り手Ａで（売り手として）始まり、同じ売り手Ａ（顧客として）で終わる売上インボイスのチェーンが形成される。これらのインボイスは、次に、自動的に相殺されるか、または結果がチェーン内の売り手および顧客の全てに提示されて、売り手および顧客はチェーン内の未払いの売上インボイスを未払いの仕入インボイスで相殺することに同意することができる。インボイスのチェーンの売り手は提示されたインボイスを手動で、またはコンピュータ化された一連の規則および現在の技術や形式を生かして使用するように設計されたプログラムを使用して自動的に相殺するのを承諾するまたは拒否することができる。

図３に示された本発明のシステムにおいて、インボイス清算システム（Ｉｎｖｏｉｃｅ Ｃｌｅａｒｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と呼ばれることができるシステム３００は、本明細書で説明したようにインボイスを処理および相殺するコンピュータ化されたシステムである。この場合、売り手３１０および顧客３２０はシステムの中にインボイスを入れる３３０。システムでは、相殺プロセスに含められるようにシステム内のどの売上インボイスも対応する仕入インボイスと照合されることが必要である３４０。保険に入っているまたは高い信用度の売り手または顧客のいくつかの例外では、照合しなくてもインボイスを含めることができる。インボイスがインボイスチェーンの構築に対する開始点としての資格があるか否かを評価するために最適な開始点および最適な判断条件が判断される。インボイスを分類した後３５０、インボイスはシステム３００によりインボイスチェーンに含められるように準備される３６０。システム３００は、インボイスが最適なインボイスチェーンの一部になるまでインボイスを１つ以上のチェーンに含むことになる３７０。本明細書内で使用する時、句「最適なインボイスチェーン」とは、最適な判断条件に基づいて最良の経済価値を有すると判断されたチェーンのことである。インボイスが最適なインボイスチェーンの一部になると３７０、インボイスはチェーン内の他のインボイスで相殺され３８０、決済される。決済は、売り手および／または顧客に電子的に、望ましい他の手段を使用して報告される。

図示されるように、本発明の実施形態は、特に、インボイスチェーン内のインボイスに関連したさまざまな期間および支払期日、額面金額および／または法的権利を考慮する。本発明の使用者は、本発明のシステムの内部で匿名で（匿名の識別子を使用して）商取引を行うことができる、または明確に識別されることができる。本発明のシステムは、売上インボイスのサービス貸手、ファクタリングサービスプロバイダ、ネットワークプロバイダ、会計システム、他のコンピュータアプリケーション、およびこれらの組み合わせに対して複雑なおよび／または変更されたコンプライアンスシステムに適合するように拡張されてもよい。

本明細書内で説明されるいくつかの本発明のシステムおよび方法は、以下のために使用される：
（１）売り手および顧客がネットワークと通信する方法により、
インボイスおよびインボイス債務情報がシステム内に入力されることで、
好ましくは、売り手からの全ての売上インボイスおよび仕入インボイス、売り手でない顧客からの全ての仕入インボイスを取得することで、売り手および顧客からインボイスを取得する。

（２）売上インボイスを対応する仕入インボイスと照合し、すなわち売り手と顧客が、関連インボイスの貸方および借方チェーンを相殺し、清算のためのインボイスチェーンとして構築する。システムは：
最適なまたはほぼ最適な開始点（「最適開始点」）を自動的に判断して選び、インボイスチェーン（複数可）を構築する。最適な開始点は、システムの「最適な判断条件」で定義され判断された条件または結果によって決まる。システムはまた、チェーンの第１のインボイスおよび売り手の開始点をランダムに、または先着順に選ぶ、
最適な判断条件に基づいてチェーンを構築する。

（３）売上インボイスおよび仕入インボイスを清算および決済することにより、複数のチェーンを同時に清算し、インボイス総残高が２つ以上のチェーンにより清算されることにより、
決済確認書およびデータを売り手および顧客またはそれらのシステムに直接提供することにより、
金利平価により決定されるような利子割引または借方を組み入れた売上インボイスの貸方で仕入インボイスの借方を相殺する。

具体的に、図３は、本発明のシステムのブロック図であり、コンピュータベースのネットワーク環境および／またはインターネット接続においてインボイスの想定されるワークフローが示されている。図３では、ユーザ（図示せず）は、インボイスを本発明のシステムに導入する。この導入ステップは、本明細書で示すように、新規登録ステップ、承認ステップ、情報をアップロードするステップおよび／またはインボイス情報／データをシステムに手動でまたはコンピュータプログラムやネットワークを使用して自動的に入力するステップなど多数のステップを含む。インボイスがシステムに導入されると、システムは図１から図３で示したように照合するプロセスを開始することになる。

チェーンの照合が発見される（すなわち、インボイスが１つ以上の形成されたインボイスチェーンに含まれる）場合、システムは照合する金額、利子、期間および清算するための他の局面を判断し、場合によっては、それらを承認してもらうためにユーザに提示する、または自動的にそれらの相殺を承認する。システムはまた、会計処理法、システム内のインボイス残高の報告および再処理などの後処理の問題を考慮する。その後、システムによって、インボイスの照合されて相殺された金額が履行され、決済され、完了される。照合が発見されない場合、インボイスチェーン内で照合が発見されるまで、インボイスはシステムのデータベース内で維持され、またはシステムに返されて、再処理される。

インボイスが不均衡チェーンに含まれ、ユーザエンティティがチェーン内で最後の顧客である場合、ユーザはチェーンの外側の別の売上インボイスを使用して、チェーン内の仕入インボイスを相殺することができる、またはシステムはユーザにチェーン内の１人以上の売り手からのプレミアムを早期支払いのインセンティブとして提示することができる、またはユーザに、未払いの仕入インボイスの（支払期日までの）残りの期間に対する無利子貸付などの資金調達の選択肢を提供することができる。このプロセスは、ユーザが資金調達の選択肢、期間および利率を自動的に許容レベルに設定し、または取引ごとに手動でそれらを承認または拒否することができるように自動化される。

インボイスが不完全チェーンまたは不均衡チェーンの一部であることが発見され、ユーザエンティティがチェーンの最初の売り手である場合、システムによりユーザは１つ以上のユーザの未払いの仕入インボイスを支払うことができる、またはチェーンの最後の顧客から回収された支払いからの金額を支払うことできる、またはチェーンの売上インボイスのためにファクタリングにより支払うことができる、またはこれらを組み合わせて支払うことができる。ファクタリングプロセスは、ユーザがその選択肢、期間および利率を自動的に許容レベルに設定し、または取引ごとに手動でそれらを承認または拒否することができるように自動化される。

インボイス債務を解消するための本発明のシステムは、貸方値を有する少なくとも１つの売上インボイスと借方値を有する少なくとも１つの仕入インボイスとを備え、少なくとも１つの売上インボイスの貸方値の金額を少なくとも１つの仕入インボイスの借方値の金額で相殺するインボイスチェーンをインテリジェントに判断するための実行コードと、実行コードを実行するための媒体と、表示装置と、実行コードを実行するための対話ツールとを含む。

本発明のシステムソフトウェアは、コンピュータ上で実行し、インターネットおよび１つ以上の内部ネットワークに接続可能である。一実施形態では、システムソフトウェアは、照合するための全てのインボイス、売り手、顧客を有するデータベースを実行するサーバのネットワークの一部として構成されることができる。この実施形態では、サーバソフトウェアはマルチスレッドであり、多数の地理的場所に共同で設置され、インターネット接続または非インターネット接続を使用してアクセスされることができる。また、システムソフトウェアは、プライベートまたは企業のネットワークおよび／またはコンピュータシステムの内部で使用可能である。

システムはネットワーク化され、売り手および顧客がインターネットまたはネットワークを使用してどこからでもアクセス可能であり、１つの組織内の売上インボイスおよび仕入インボイスまたはユーザを容易にかつ迅速にアップロードできる。システムのユーザは、安全なネットワーク接続および入力インタフェース（手動およびアプリケーションインタフェースの両方）への接続を使用して遠隔でシステムに接続することができる。

さらに、少なくとも１つの売上インボイスと少なくとも１つの仕入インボイスとを備え、少なくとも１つの仕入インボイスを少なくとも売上インボイスで相殺するインボイスチェーンをインテリジェントに判断するための実行コードを含むソフトウェアパッケージが開示されている。

ソフトウェア統合
本発明のシステムは、ＡＰＩおよび／または他の従来の統合方法を使用して多数のソフトウェアソリューションと統合することができる。１つの本発明のシステムは、ＸＭＬおよび／またはＥＤＩ（電子データ交換）のフレームワークや規格に基づいて構築され、多数の電子会計および文書交換システムとの統合が可能になる。これらのシステムの統合は、ＱｕｉｃｋＢｏｏｋｓ、Ｐｅａｃｈｔｒｅｅ、ＳＡＰ、Ｓａｇｅ（Ｍａｓ ９０／Ｓａｇｅ Ｍａｓ ２００，Ａｃｃｐａｃ）、Ｎｅｔ Ｓｕｉｔｅ、Ｅｖｅｒｅｓｔ Ｓｏｆｔｗａｒｅ、Ｅｘａｃｔ Ｆｉｎａｎｃｉａｌｓ、Ｏｒａｃｌｅ、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ、Ｅｐｉｃｏｒ、およびこれらの組み合わせの利用を含むことができる。

通信
図４は、ユーザ４０５（売り手４１０および顧客４２０）がインボイス相殺システムに接続し、該システムと通信するためのいくつかの本発明の方法およびシステム４００を示す図である。具体的には、図４では、本発明の一実施形態は、売り手４１０および顧客４２０が、インターネット、ＷＡＮ、ＬＡＮ、ＦＴＰもしくは他の電子通信方法４３０、４３５を使用して、特に会計ソフトウェア、ＥＤＩ実装、ＸＭＬなどの統合アプリケーションを使用して、インボイスまたはインボイス情報（図示せず）をインボイス清算システム４４０の中に入れる方法を含む。インボイスまたはインボイス情報のシステムへの提出は、自動的に行われるか、または操作者により開始される特定の条件下で行われる。

ユーザおよびそのシステムもしくはアプリケーションは、インボイス相殺システムに接続し、該システムと統合し、通信することができる。該システムは、特に、以下を含む。

ＥＤＩ ＶＡＮ＆インターネット接続
本発明のシステムは、そのサービスをＶＡＮ型ＥＤＩプロバイダと統合して、ユーザが既存のアカウントまたは変更したアカウントを使用して接続できるようにする。ＥＤＩ接続は、以下を利用して得られる：

付加価値通信網
最も基本的な形では、付加価値通信網または「ＶＡＮ」は、地方郵便局の機能を果たす。これらは取引を受け取り、「差出人」および「宛先」の情報を調べて、取引を最終の受取人に送る。ＶＡＮは、多数のさらなるサービスを提供する。例えば、文書の再送、第三者により監査報告の提供、異なる伝送方法のゲートウェイとしての機能、電気通信のサポート取り扱いである。ＶＡＮが提供するこれらのサービスおよびその他のサービスのために、企業は取引相手双方がインターネットベースのプロトコルを使用している時でも頻繁にＶＡＮを使用する。医療事務処理会社は、ＶＡＮと同じ機能の多くを実行するが、さらに保護された医療情報を管理する法的な規制がある。

さらに、ＶＡＮは、ＡＳ２伝送における証明書の交換ができる利点がある。従来のビジネス関連のＡＳ２伝送における各ノードは、常にセキュリティ証明書が必要なので、ＶＡＮを使用して非常に多くの取引相手をルーティングすることで、証明書の交換がさらに容易になる。

インターネット／ＡＳ２
最近まで、インターネット伝送は、取引相手同士の間で、通常はＦＴＰまたは電子メール添付を含む規格外の方法で行われていた。また、ＥＤＩ文書をＸＭＬに組み込むための規格もある。多くの組織がコスト削減のためにこのプロトコルに移行している。例えば、Ｗａｌ−Ｍａｒｔは、その取引相手にＡＳ２プロトコルに切り替えるように求めてところである。

ＡＳ２（Ａｐｐｌｉｃａｂｉｌｉｔｙ Ｓｔａｔｅｍｅｎｔ ２）は、暫定仕様規格であり、これによりベンダのアプリケーションは、ＨＴＴＰ（Ｗｏｒｌｄ Ｗｉｄｅ Ｗｅｂにより使用される規格）を使用するインターネット経由でＥＤＩまたは他の企業間のデータ（ＸＭＬなど）と通信する。ＡＳ２は、デジタル署名およびデータ暗号化などを利用してトランスポートペイロードにセキュリティを提供し、受領書を使用することで信頼できる支払拒否不可能な配信を保証する。

ＶＰＮ
ユーザは、ＩＰ Ｓｅｃｕｒｉｔｙ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ（ＩＰＳｅｃ）を使用して、インターネット経由の仮想プライベートネトワーク（ＶＰＮ）を介して本発明のシステムに接続することを望むことができる。

Ｗｅｂ ＳＳＬ
本発明のシステムは、インターネットを使用して直接ＳＳＬ暗号化を行うことができる。

Ｃｒｏｓｓ−Ｃｏｎｎｅｃｔ
本発明のシステムは、ホストデータセンタを介して他のプロバイダによりホストされてもよい。

エクストラネット
本発明のシステムは、ＢＴ−Ｒａｄｉａｎｚ、ＴＮＳｉ、ＹｉｐｅｓおよびＳＡＶＶＩＳなどの複数のエクストラネットプロバイダに接続することができる。これらの本発明のシステムは、加入者の要求およびエクストラネットプロバイダからの協力に基づいて、任意のオープンで利用可能なエクストラネットプロバイダを介して顧客に接続することができる。

専用回線
一部の本発明のユーザは、専用線、またはＴｅｌｃｏ提供のＴ−１、Ｔ−３、Ｆｒａｍｅ Ｒｅｌａｙ、ＡＴＭおよび／またはＭｅｔｒｏＥなどの他のネットワーク方法を使用して、本発明のシステムへの専用回線（ポイントツーポイント）接続を開始することを望むことができる。これらの接続は、本発明のシステムデータセンタスペースのユーザ提供およびユーザ所有のルータまたはスイッチで終了される。

実施例
実施例１：インボイス相殺システムの概略
１人の売り手（売り手Ａ）が、顧客に対して１０００ドルの売上インボイスを発行する。顧客はまた売り手Ｂとされる。売り手Ｂがその顧客に対して１０００ドルの異なる売上インボイスを発行した。その顧客はまた売り手（売り手Ｃ）とされ、売り手Ｃは第３の顧客に対して１０００ドルの売上インボイスを発行した。その第３の顧客は、結局、売り手Ａとなる。システム内にこれらのインボイスの全てを転記する数秒以内で照合および相殺が発生する。

本発明のシステムは、これらの売上インボイスの全てを相殺するのに使用される。この相殺は、売り手Ｃからの売り手Ａの仕入インボイスが売り手Ｂに対する売り手Ａの売上インボイスによって相殺され、売り手Ａに対する仕入インボイスは売り手Ｃに対するその（売り手Ｂの）売上インボイスによって相殺され、チェーン内の全てのインボイスの相殺が完了するというのが基本である。

実施例２：不均一なインボイス金額を有するインボイス相殺システム２００の概略（図２）
売り手Ａ２１０が、顧客に対して１０００ドルの売上インボイスを発行する。顧客は売り手（売り手Ｂ）２２０とも見なされる。売り手Ｂ２２０が、顧客に対して１０００ドルの売上インボイスを発行した。その顧客は売り手（売り手Ｃ）２３０とも見なされる。売り手Ｃ２３０がさらに別の顧客に対して５００ドルの売上インボイスを発行した。この顧客はシステムにより売り手Ａ２１０と識別される。

インボイスチェーンは、これらのインボイスの各々の５００ドルと、売り手Ａ２１０および売り手Ｂ２２０により発行された売上インボイスの残額の新残高それぞれ５００ドルを相殺するのに利用されることができ、また、売り手Ｃ２３０と売り手Ａ２１０との間のインボイスの総額を相殺することにもなる。

実施例３：ファクタリング会社のためのインボイス清算システムの実施例
本明細書内で説明する本発明のシステムおよび方法は、さらにインボイスのファクタリング、短期借入または資金調達のより速くより安価でより有効な代替方法を提供する。

例えば、売り手がインボイスをファクタリング、短期借入証書の発行、または資金調達するのに、平均３０日でそれぞれ約２％、０．８％、０．７％のコストがかかるが、新規のシステムにおける売り手のコストは０．３２５％から０．５５％とすることができる。この節減は、新規のシステムおよび方法が売り手の仕入インボイスの金額をその売上インボイスの金額と照合し、相殺し、決済するために達成されるものである。したがって、売り手は資金調達、売掛金割引またはファクタリングに相当する売上インボイスの利子（この場合、０．７％から２％）を支払う必要があるとき、売り手は自動的にそれより低いが比例する仕入インボイスの利子（この場合、０．７％から１．６５％）を受け取ることになる。新規のシステムおよび方法は、売り手が従来の資金調達、割引またはファクタリング方法を必要とせずに、また関連するコストをかけずに流動性、購買力、コスト低減の目的を達成するための商業用媒体となる。売り手により支払われ、受け取られる利子額は、有効な金融市場の金利平価を含み得る複数の要因によって決まることになる。

実施例４：多数の売り手および／または顧客のためのインボイス清算システムの実施例
インボイスチェーンは、多数の売り手および顧客、インボイス、金額、通貨、さまざまなインボイス支払期限および発行日を含む場合がある。最適条件は、存在する全ての売り手、顧客、インボイス、金額、通貨および支払期限や発行日を含む。本発明の方法では、１つのインボイスは１つ以上のチェーンの一部とすることができる、インボイスの金額は１つ以上のチェーンによって同じ回数または異なる回数で清算される、インボイスの金額は部分的に清算される、およびインボイスはさまざまな期間、条件、通貨、インボイスおよび支払方法に共通する他の変数のインボイスを含む１つ以上のチェーンの一部とすることができる。

例えば、売り手（売り手Ａ）が顧客に対してインボイス（売上インボイス）を発行し、その顧客は売り手（売り手Ｂ）でもあり、別の顧客に対してインボイスを発行する。その別の顧客は売り手（売り手Ｃ）でもあり、売り手Ａに対してインボイスを発行する。これはインボイスの完全なチェーン（「完全チェーン」）を形成し、売り手Ｂに対する売り手Ａの売上インボイスは、売り手Ｃに対する売り手Ｂの売上インボイスと売り手Ａに対する売り手Ｃの売上インボイス（売り手Ａの仕入インボイスでもある）に関連付けされることができる。したがって、売り手Ｃによる売り手Ａの仕入インボイスの金額は売り手Ｂに対する売り手Ａの売上インボイスによって相殺され、売り手Ａによる売り手Ｂの仕入インボイスの金額は売り手Ｃに対する売り手Ｂの売上インボイスによって相殺され、売り手Ｂによる売り手Ｃの仕入インボイスの金額は売り手Ａに対する売り手Ｃの売上インボイスによって相殺される。すなわち、売り手Ｃは売り手Ｂに支払い義務があり、売り手Ｂは売り手Ａに支払い義務があり、売り手Ａは売り手Ｃに支払い義務がある。このようにネットワーク内のこれらの３人の売り手を関連付けすることにより、売り手Ｃは自動的に売り手Ａが売り手Ｃに対して支払う金額を売り手Ｂに対して支払う売り手Ｃの金額から差し引き、また、売り手Ｂおよび売り手Ａも同じ処理を行って、全てのそれぞれのインボイスの金額が決済され、完済されることができる。

実施例５：不完全または不均衡なチェーンの概念を示すインボイス清算システムの実施例
多くの場合、多くの要因により、特に、ネットワーク内の売り手および／またはインボイスの数およびその業界の全ての数の売り手およびインボイスとの関係、またはインボイスが発行される回数およびインボイスの特定の条件および変数により、多数のインボイスがシステムで完全なインボイスチェーンによって相殺されない場合がある。システムは、売り手、その顧客、その顧客の顧客などの間の関係を形成して、関連付けされたインボイスのツリーおよびブランチを生成する。これらの関連付けされたインボイスはシステムによって使用されて、不完全なインボイスチェーン「不均衡チェーン」を形成することができる。

例えば、売り手（売り手Ａ）が顧客に対してインボイス（売上インボイス）を発行し、その顧客は売り手（売り手Ｂ）でもあり、別の顧客に対してインボイスを発行し、その別の顧客はまた売り手（売り手Ｃ）でもあり、また別の顧客（売り手Ｄ）に対してインボイスを発行するというように続くが、このチェーン内には売り手Ａに対してインボイスを発行する売り手がない。これは、仕入インボイスの借方値が売上インボイスの貸方値によって相殺されることができる完全チェーンとは異なる不完全なインボイスチェーンであり、この相殺の条件はシステムによる追加の動作がある場合にのみ存在することができる。

実施例６：不完全なインボイスチェーンによる解消を示すインボイス清算システムの実施例
不完全または不均衡チェーン内のインボイスは、最適な判断条件に応じてシステム内の異なる方法を使用して相殺されることができる。これらのインボイスを相殺および決済する本発明の１つの方法は、チェーン内の最後の顧客がチェーン外の１つ以上の売上インボイスを使用できるようにすることである。別の本発明の方法は、最後の顧客が自身に対して発行された発注金額を資金調達する従来の方法を使用できるようにする。別の本発明の方法は、最後の顧客が、資金調達または支払いの従来方法、および同じチェーン内で支払われた仕入インボイスからの利子プレミアムを維持する従来方法を使用できるようにする。これらの本発明の方法により、不均衡チェーン内の第１の売り手がチェーン内のその売上インボイスを支払うか、またはチェーン外の他の仕入インボイスのうち１つ以上を相殺することができる。不均衡チェーン内の顧客でもある全ての売り手は、完全なインボイスチェーンと同様の方法でインボイスを相殺し、清算し、決済することになる。

図５に示されるように、例えば、売り手（売り手Ａ）５１０が顧客に対してインボイス５１５（売上インボイス）を発行し、その顧客は売り手（売り手Ｂ）５２０でもあり、別の顧客に対してインボイス５２５を発行し、その別の顧客は売り手（売り手Ｃ）５３０でもあり、また別の顧客（顧客Ｄ）５４０に対してインボイス５３５を発行するが、このチェーン内に売り手Ａに対してインボイス５５０を発行する売り手がない。これらのインボイスおよびインボイスチェーンは、本発明のインボイス清算システム５６０を利用して処理され、インテリジェントに最適化される。顧客Ｄは、このチェーン外からの１つ以上の売上インボイスを使用して、チェーン内のその仕入インボイスを相殺することができる、または売り手Ａの売上インボイスをファクタリングし、それと同じコストで顧客Ｄの仕入インボイスを資金調達して、完全なインボイスチェーンと同様な条件を作り出すことができる。この本発明の方法を含むシステム内の複数の方法は、売り手の数がより少なくてもシステムの流動性および価値を最適化するのに大きな解決策となり、ネットワーク内の最も少ない割合の売り手でも多くのほぼ最適な経済的利益を得ることができる。

実施例７：代替の相殺方法を示すインボイス相殺システムの実施例
これらのインボイスを相殺および決済する別の本発明の方法は、（もし不完全または不均衡チェーン内のインボイスが相殺される場合）、チェーン内の第１の売り手の売上インボイスからの利子、およびチェーン内の他の売り手が利子または割引として支払い受け取るものとの間で回収される差益を使用して、チェーン内の最後の顧客がチェーン内の仕入インボイスの金額を完済できるようにチェーン内の最後の顧客に割引または利子を提供するものである。最後の顧客は、仕入インボイスの金額を支払って利子または割引を維持すること、または資金調達時に利子を支払うために利子または割引を使用することのいずれかを選択することができる。

例えば、売り手（売り手Ａ）が顧客に対してインボイス（売上インボイス）を発行し、その顧客は売り手（売り手Ｂ）でもあり、別の顧客に対してインボイスを発行し、その別の顧客は売り手（売り手Ｃ）でもあり、また別の顧客（顧客Ｄ）に対してインボイスを発行するが、チェーン内に売り手Ａに対してインボイスを発行する売り手がない。売り手は、インボイスがチェーン内で相殺される場合、売り手Ａの売上インボイスの早期支払のために売り手Ａにより支払可能な利子の金額、および売り手Ｂ、Ｃが自身の売上インボイスに支払うものと自身の仕入インボイスで受け取るものとの利子差益を使用して、利子または割引の金額を支払って顧客Ｄにチェーン内の顧客Ｄの仕入インボイスを支払わせるまたは資金調達させることができる。

実施例８：最適化を示すインボイス清算システムの実施例
システムは、自動的におよび／またはビジネスルールを使用して、チェーンを形成する際に、第１の売り手および／第１のインボイスの最適なまたはほぼ最適な開始点を判断して選ぶ。システムはまた、自動的におよび／またはビジネスルールを使用して、相殺するための最適なまたはほぼ最適なインボイスチェーンを判断して形成する。最適なまたはほぼ最適な開始点またはチェーンを判断する際に、システムは最適な判断条件に基づいて判断する。さらに、システムは、第１の売り手および／または第１のインボイスおよびチェーンをランダムにまたは先着順に選ぶことによって、最適化をせずに動作することができる。

将来、１つの要因にならないかもしれないが、特定の時点で現在のコンピュータハードウェアの計算能力に依存することで、清算するために最適な開始点または最適なインボイスチェーンを妥当な期間内で判断するシステムの能力を制限する場合がある。このような場合、システムは、最適ではなく、ほぼ最適に近い時点を判断することになる。例えば、最も高い金額のインボイスを有する売り手の上位２０％の売上インボイスごとに始まるチェーンを構築して、清算されるインボイスの最も高い総額でチェーンを清算することを選択することで最適なインボイスチェーンを判断する本発明の方法である。別の本発明の方法は、システム内で最も頻度の高いインボイスの金額の上位２０％の１５％以内の金額を見つけて、これらのインボイスの１つごとにチェーンを開始し、完全なインボイスチェーンであるか不完全なチェーンであるかに関わらず、清算すべき最も高い金額および最も多くの売り手を有するチェーンを見つけることである。

別の本発明の方法は、システム内で特定の日に提出されたインボイスの２０％を開始点としてランダムに選び、構築された全てのチェーンを相殺し、清算することである。また別の本発明の方法は、システムに提出された新しいインボイスごとにインボイスチェーンを開始し、清算される最も多額のインボイスおよび二番目に多い金額のインボイスのほぼ最適なチェーンを選ぶためにその結果を使用することである。これらの本発明の方法および他の本発明の方法は、どの方法がコンピュータが適当な時間内で最適に近い結果を得るための最良の方法であるかを判断するためには、インボイスの数、売り手および顧客の数などのシステム内の要因に依存する。例えば、システム内に７００万個のインボイスがある場合、最適な開始点を選ぶことは今日のコンピュータでは実行不可能であり、第２の本発明の方法を選ぶことで所望の結果の８０％を上回る結果となる可能性がある。

例えば、システムの１つの本発明の方法は、チェーン内のインボイスの相殺金額を最大にするためにネットワーク内の最も高い金額のインボイスに基づいて最適な開始点を選ぶものである。この開始点は、かなりのコンピューティングリソースを節約し、同時に一定レベルの流動性および顧客の満足度を達成することになる。別の本発明の方法は、最も頻度の高いインボイス金額（金額差が１０％以内）を有するシステム内のインボイスの上位２０％を識別し、これらの上位２０％のインボイスの各々から関連付けされるインボイスのツリーおよびブランチを構築することによって最適な開始点を選んで、相殺される最適なまたはほぼ最適なチェーンを発見する。

別の実施例では、１００個のインボイスの完全なチェーン（チェーンＡ）ではインボイス当たり７００ドルまたはチェーン内の平均のインボイス金額の平均５０％を相殺および清算することができるが、７０個のチェーンＡのインボイスを含む７７個のインボイスのチェーン（最適化チェーン）ではインボイス当たり１，２００ドルまたはチェーン内の平均のインボイス金額の平均８０％を相殺および清算することができる。システムは、チェーンＡを無視して、システムが最適チェーンであるチェーンＡに近いものとみなす最適化チェーン内のインボイスを相殺することになる。

実施例９：金融機関が不完全または不均衡なインボイスチェーンを使用する本発明の方法
売り手Ａが顧客に対してインボイス（売上インボイス）を発行し、その顧客は売り手（売り手Ｂ）でもあり、別の顧客に対してインボイスを発行し、その別の顧客は売り手（売り手Ｃ）でもあり、また別の顧客（顧客Ｄ）に対してインボイスを発行するが、このチェーン内に売り手Ａに対してインボイスを発行する売り手がない。システムは、自動的にまたはユーザの取引認可によって、売り手Ａの売上インボイスをファクタリングし、同じコストで顧客Ｄの仕入インボイスを資金調達して、完全チェーンと同様の条件を作成する、または不均衡チェーンの例で説明したように、利子差益の一部を早期に支払わせるための顧客へのインセンティブとして提供することができる。

インボイス清算システム（ＩＣＳ）は、売り手Ａから売上インボイスを割引して自動的に購入（ファクタリング）するのに使用されることができる。別の実施例では、システムは、顧客Ｄが売り手Ｃに対する仕入インボイスの債務を自動的に完済するのに他の売上インボイスを使用できるようにする、または短期無利息融資を受けられるようにすることができる。これらの２つのオプションは、不均衡チェーンを完了する際にＩＣＳによって使用される本発明の方法であり、金融機関が従来の利率でインボイスをファクタリングして、最後の顧客（顧客Ｄ）に対する融資によって数分または一日以内にそのインボイスが支払われるようにするものである。金融期間は、業績が大きく伸びるとともに取引および販売コストを低減できるという利益を享受することになる。チェーン内の残りのインボイスは、完全なインボイスチェーンと同じ方法で相殺される。（５００ドルの仕入インボイスの借方は５００ドルの売上インボイスの貸方で相殺）。

実施例１０：インボイスチェーン内のインボイスの本発明による相殺の実施例
表１は、完全なインボイスチェーンの一例である。

この実施例では、完全チェーンの本発明の方法では、全ての売り手が同じチェーン内の顧客でもある。４８，０００ドルの金額（「相殺金額」）は、チェーン内の全てのインボイスの中で最も少ない金額のインボイスであり、清算できる最も高い金額である。多くの売り手がこれらのインボイスの新たな未払い残高となる残高を残すことになり、再度支払期間を変更せずにシステム内で処理することになる。

利子差益は、売り手により支払われる利子から別の売り手から顧客として受け取る利子を差し引いたものである。売り手による支払利子と受取利子との金額は、代替の資金調達および貯蓄の選択肢を伴う金利平価、相殺日から支払日までの時間価値などの複数の要因によって決まる。金利平価は、信用度を含む。

表２は、不完全または「不均衡」なインボイスチェーンの一例である。

この実施例では、全ての売り手が同じチェーン内の顧客というわけではない。会社Ａはチェーンの売り手であるが顧客ではなく、会社Ｇはチェーンの顧客であるが売り手ではない。４８，０００ドルの金額（「相殺金額」）は、チェーン内の全てのインボイスの中で最も少ない金額のインボイスであり、清算できる最も高い金額である（チェーン内では、会社Ａには売上インボイスがあるが仕入インボイスがないが会社Ｇは仕入インボイスがあるが、売上インボイスがない）。チェーンは、会社Ｆの４８，０００ドルを割引４８０ドルまたは１％で支払うために会社Ｇにインセンティブを支払うことで清算される。

実施例１０：インボイス清算システムのための本発明のコードおよび設計手法の一例
問題なのは、逆にＴＳＰ「Ｔｒａｖｅｌｉｎｇ Ｓａｌｅｓｍａｎ」（出張セールスマン）問題に分解されることである。ＴＳＰは、経路に沿って各都市を訪問するための最短で最も安価な経路を探そうと試みるが、費用はいくつかの要因／変数によって定義される。基本の形態では、本発明のインボイス清算システムは、その逆を行って最も費用のかかる経路を探そうと試みる。

主要な段階
（１）インボイスのリストを準備する
（２）インボイスで表わされる各会社間の関係を示す行列／グラフを構築する
（３）以下の可変オプションを有するインボイスのツリーを構成する
（ａ）ツリーのルート
（ｂ）ルールフィルタ
各ツリーは、基本的には時間内のある時点におけるサブグラフの行列である。得られるツリーは、各ツリーのリーフノードで最終的に清算可能な金額を有する。
（４）最も費用のかかるリーフノード／ツリーの経路は、経路費用に基づいて選択される。選択された経路の全てのインボイスは無効として効果的にフラグが立てられる。
（５）プロセスはまだ有効なインボイスに関して段階３から繰り返される。

以下は、実装事項および実装されるＪａｖａ（登録商標）コードの選択された一部を示す疑似コードである。

このように、特定の実施形態およびインボイス債務を相殺するための方法、システム、ソフトウェアの応用について説明してきた。しかしながら、すでに説明した形態以外に、本明細書内の本発明の概念から逸脱せずにさらに多くの変形が可能であることは当業者には明らかである。したがって、本発明の主題は本明細書の開示物の精神を除いて限定されるものではない。さらに、開示物を解釈する時に、全ての用語は文脈と一致するように可能な限り最も広い意味で解釈されるべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、包括的に要素、コンポーネント、またはステップのことを指すものと解釈することができ、基準となる要素、コンポーネント、またはステップが存在する、利用される、または明示されない他の要素、コンポーネント、またはステップを組み合わされるものと解釈することができる。

Claims (20)

1. 各々が貸方値を備える少なくとも１つの売上インボイスを提供するステップと、
   各々が借方値を備える少なくとも１つの仕入インボイスを提供するステップと、
   仕入インボイスの借方値の少なくとも一部を売上インボイスの借方値の少なくとも一部で相殺するステップとを含む、インボイス債務を解消する方法。
2. 少なくとも１つの売上インボイスと少なくとも１つの仕入インボイスとが、インボイスチェーンを形成する、請求項１に記載の方法。
3. インボイスチェーンが完全チェーンである、請求項２に記載の方法。
4. インボイスチェーンが不均衡チェーンである、請求項２に記載の方法。
5. 少なくとも１つの最適な判断条件が、インボイスチェーンの最適な開始点を判断するために利用される、請求項２に記載の方法。
6. インボイスチェーンが最適なインボイスチェーンを備える、請求項２に記載の方法。
7. 少なくとも１つの売上インボイスのうちの少なくとも１つが、売り手、顧客、またはその組み合わせにより提供される、請求項１に記載の方法。
8. 少なくとも１つの仕入インボイスのうちの少なくとも１つが、顧客により提供される、請求項１に記載の方法。
9. 相殺後、少なくとも１つの元のインボイスの一部が履行された場合、少なくとも１つの新規のインボイスまたは部分的に相殺されたインボイスの新残高を発行するステップをさらに含む、請求項１に記載の方法。
10. 相殺するステップが、少なくとも１つの金種、インボイス期間および条件の少なくとも１つのセット、またはその組み合わせを明確にする、請求項１に記載の方法。
11. 少なくとも１つの売上インボイスを有する少なくとも１人の売り手を提供するステップと、
    少なくとも１つの売上インボイスと少なくとも１つの仕入インボイスとを有する少なくとも１人の顧客を提供するステップであって、少なくとも１つの売上インボイスのうちの少なくとも１つと、少なくとも１つの仕入インボイスのうちの少なくとも１つがインボイスチェーンを形成するステップと、
    売り手の少なくとも１つの売上インボイスを顧客の少なくとも１つの売上インボイス、少なくとも１つの仕入インボイス、またはその組み合わせで相殺するステップとを含む、インボイス債務を解消する方法。
12. インボイスチェーンが完全チェーンである、請求項１１に記載の方法。
13. インボイスチェーンが不均衡チェーンである、請求項１１に記載の方法。
14. 少なくとも１つの最適な判断条件が、インボイスチェーンの最適な開始点を判断するために利用される、請求項１１に記載の方法。
15. インボイスチェーンが最適なインボイスチェーンを備える、請求項１１に記載の方法。
16. 借方値を有する少なくとも１つの仕入インボイスと貸方値を有する少なくとも１つの売上インボイスとを備え、借方値を貸方値で相殺するインボイスチェーンをインテリジェントに判断するための実行コードと、
    実行コードを実行するための媒体と、
    表示装置と、
    実行コードを実行するための対話ツールとを備える、インボイス債務を解消するためのシステム。
17. 実行コードを実行するための媒体が、コンピュータプロセッサ、サーバシステム、ネットワークシステム、ウェブベースのシステム、インターネットまたはこれらの組み合わせを備える、請求項１６に記載のシステム。
18. 表示装置が、コンピュータモニタ、ハンドヘルド装置モニタ、テレビモニタ、紙またはこれらの組み合わせを備える、請求項１６に記載のシステム。
19. 対話ツールが、一連のユーザプリセット装置、マウス、キーボード、音声認識ソフトウェア、接触認識ソフトウェア、アプリケーションインタフェース、統合ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを備える、請求項１６に記載のシステム。
20. 貸方値を有する少なくとも１つの売上インボイスと借方値を有する少なくとも１つの仕入インボイスとを備え、貸方値を借方値で相殺するインボイスチェーンをインテリジェントに判断するための実行コードを備える、ソフトウェアパッケージ。

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