JP2010533712A - 抗糖尿病化合物としてのベータカルボリン誘導体 - Google Patents

抗糖尿病化合物としてのベータカルボリン誘導体 Download PDF

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Abstract

構造式Iのベータ−カルボリン誘導体は、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の選択的アンタゴニストであり、2型糖尿病、並びに高血糖症、インシュリン抵抗性、肥満症、脂質障害及び高血圧症を含む、この疾患としばしば関連する病状の治療に有用である。この化合物は、うつ病及び不安の治療にも有用である。
【化1】

Description

本発明は、2型糖尿病の治療、並びに高血糖症、インシュリン抵抗性、肥満症、脂質障害及び高血圧症を含む、この疾患としばしば関連する病状の治療に有用なソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の選択的アンタゴニストである置換ベータ−カルボリン誘導体に関する。この化合物は、うつ病及び不安の治療にも有用である。
糖尿病は、複数の原因から誘導される疾患であり、空腹状態における又は経口グルコース負荷試験の際のグルコース投与後の上昇したグルコースレベル(高血糖症)によって特徴づけられる。一般的に2種の認識される糖尿病の型がある。1型糖尿病又はインシュリン依存性糖尿病(IDDM)においては、患者は、グルコースの利用を調整するホルモン、インシュリンを少量しか産生しないか又は産生しない。2型糖尿病又はインシュリン非依存性糖尿病(NIDDM)において、インシュリンは膵臓内の島細胞により産生され続けている。2型糖尿病を患っている患者は、筋肉、肝臓及び脂肪組織を含む、主要なインシュリン感受性組織において、グルコース及び脂質の代謝を刺激するインシュリンの効果に対して抵抗性を有している。これらの患者は正常なインシュリンレベルを有している場合があり、増加量のインシュリンを分泌することにより、インシュリンの有効性の低下を補っているので、高インシュリン血症の状態(血漿インシュリン濃度の上昇)であり得る(Polonsky,Int.J.Obes.Relat.Metab.Disord.24 Suppl 2:S29−31,2000)。膵島細胞内のベータ細胞は、最初にインシュリンの産生量を増大することによりインシュリン抵抗性を補っている。インシュリン抵抗性は、インシュリン受容体の数を減少させることにより一次的に引き起こされないが、むしろ、まだ完全に理解されていない、後インシュリン受容体結合欠損により引き起こされる。このインシュリンに対する反応性の欠損は、インシュリンにより介在される筋肉内でのグルコースの不十分な取り込み、酸化及び貯蔵の活性化、並びにインシュリンにより介在される脂肪組織での脂肪分解、並びに肝臓におけるグルコース産生及び分泌の不十分な発現をもたらす。結局、患者は、インシュリン抵抗性を適切に補うことができないために糖尿病になるのかもしれない。ヒトにおいては、ベータ細胞集団内における不十分な増加(実際は減少)による2型糖尿病の発症は、非糖尿病性インシュリン抵抗性の個体と比較し、明らかに増加したベータ細胞アポトーシスのためである(Butler et al.,Diabetes 52:102−110,2003)。
糖尿病を併発する持続性又は非制御型高血糖症は、罹患率及び死亡率の上昇及び早期化と関連している。異常なグルコース恒常性は、肥満症、高血圧、並びに脂質、リポタンパク質及びアポリポタンパク質代謝、並びに他の代謝の変化、並びに血行動態疾患と、直接的及び間接的に関連している。2型糖尿病を患っている患者は、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈障害、脳卒中、末梢血管疾患、高血圧症、腎障害、神経障害及び網膜症を含む大血管及び微少血管合併症の危険性が顕著に上昇している。従って、グルコース恒常性、脂質代謝、肥満症及び高血圧症の治療的制御は、糖尿病の臨床管理及び治療において非常に重要である。
インシュリン抵抗性を患っている患者は、X症候群又はメタボリックシンドロームとして言及されるさまざまな症状を有する場合がある。広く用いられている定義によれば、メタボリックシンドロームを患っている患者は、以下の5種の症状、すなわち:(1)腹部肥満;(2)高トリグリセリド血症;(3)低高密度リポタンパク質コレステロール(HDL);(4)高血圧;及び(5)高空腹時血糖、から選択される3種以上の症状を有するとして特徴づけられ、もし患者が糖尿病でもあれば、2型糖尿病の特徴の範囲にある。これらの各症状は、Third Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection, Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel III,or ATP III), National Institutes of Health,2001,NIH Publication No.01−3670において臨床的に定義されている。メタボリックシンドロームを患っている患者は、糖尿病が発症しているかいないにかかわらず、アテローム性動脈硬化症及び冠状動脈障害のような2型糖尿病を併発する前述した大血管及び微少欠陥の合併症を発症する危険性が上昇している。
2型糖尿病にはいくつかの利用可能な治療法があり、それぞれ独自の限界及び潜在的な危険性を有する。運動、並びにカロリー量の食餌摂取量の減少は、糖尿病の病状を劇的に改善する場合があり、2型糖尿病及びインシュリン抵抗性に関連のある糖尿病前症状の通常の推奨される最初の治療である。かなり固定的に座っているライフスタイル、並びに過剰の食品消費、特に、大量の脂肪及び炭水化物を含む食品のため、この治療の遵守は一般的に非常に悪い。薬理学的治療は、主として病態生理学の3つの領域:(1)肝糖産生(ビグアニド)、(2)インシュリン抵抗性(PPARアゴニスト)、(3)インシュリン分泌(スルホニル尿素);(4)インクレチンホルモン模倣薬(エクセナチド及びリラグルチドのようなGLP−1誘導体及び類似体);及び(5)インクレチンホルモン分解の阻害剤(DPP−4阻害剤)に焦点が当てられている。
ビグアニドは、2型糖尿病を治療するために広く用いられている薬剤のクラスに属する。フェンホルミン及びメトホルミンは、最も知られているビグアニドのうちの2種であり、高血糖症のある程度の修正を起こす。ビグアニドは、主として肝糖産生を阻害することにより作用し、インシュリン感受性を穏やかに改善すると考えられる。ビグアニドは、低血糖の危険を増大することなく、単剤療法、又はインシュリン若しくはインシュリン分泌促進因子のような他の抗糖尿病薬と併用して用いることができる。しかし、フェンホルミン及びメトホルミンは、乳酸アシドーシス、吐き気/嘔吐及び下痢を誘発し得る。メトホルミンは、フェンホルミンよりも副作用の危険が低く、2型糖尿病の治療のために広く処方されている。
グリタゾン(例えば、5−ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン)は、高血糖症及び2型糖尿病の他の症状を改善することができる化合物のクラスである。現在市販されているグリタゾン(ロシグリタゾン及びピオグリタゾン)は、ペルオキシソーム増殖因子応答性受容体(PPAR)ガンマサブタイプのアゴニストである。PPAR−ガンマアゴニストは、2型糖尿病のいくつかの動物モデルにおいて、筋肉、肝臓及び脂肪組織でインシュリン感受性を実質的に上昇させ、低血糖を発症せずに上昇した血漿グルコース濃度を部分的又は完全に補正する。PPAR−ガンマアゴニストは、グリタゾンを用いて治療されるヒト患者において観察される、改善されたインシュリン感受性に関与すると考えられている。現在、新規なPPARアゴニストが開発されている。多くの新規なPPAR化合物は、1種以上のPPARアルファ、ガンマ及びデルタサブタイプのアゴニストである。現在市販されているPPARガンマアゴニストは、血漿グルコース及びヘモグロビンA1Cの減少において効き目は穏やかである。現在市販されている化合物は、脂質代謝を著しく改善するものではなく、脂質プロフィールについて、実際に良くない効果を有するかもしれない。従って、PPAR化合物は、糖尿病の治療において重要な進展を示す。
他の広く用いられている薬物治療は、スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリピジド及びグリメピリド)のようなインシュリン分泌促進因子の投与を含む。これらの薬剤は、より多くのインシュリンを分泌するように、膵臓のβ−細胞を刺激することによりインシュリンの血漿濃度を上昇させる。膵臓のβ−細胞中のインシュリン分泌は、グルコース、並びに代謝、神経及びホルモンシグナルによる厳密な制御下にある。グルコースは、代謝によるATP生産及び他のシグナル伝達分子を介し、インシュリン産生及び分泌を促進するが、他の細胞外シグナルは、細胞膜上に存在するGPCR’sを介したインシュリン分泌の増強剤又は阻害剤として作用する。スルホニル尿素及び関連するインシュリン分泌促進因子は、細胞の脱分極及びインシュリンの放出の刺激による電圧依存性Ca2+チャネルの開孔を引き起こす、β細胞内のATP−依存性Kチャネルを遮断することにより作用する。このメカニズムはグルコース依存性ではなく、それ故、インシュリンの分泌は、周囲のグルコース濃度に関わらず発生し得る。たとえ、グルコース濃度が低くても、これはインシュリンの分泌を引き起こすことができ、重症のケースにおいて致命的になり得る低血糖をもたらす。従って、インシュリン分泌促進因子の投与は、慎重に調節しなければならない。インシュリン分泌促進因子は、しばしば2型糖尿病の治療のための最初の薬物治療として用いられる。
ジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン及びアログリプチン)は、食品の消費に応答し、インシュリン分泌を増加するための新規な手段を提供する。グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)は、食後に、存在するグルコースの増加に応答して増加し、グルカゴンは、インシュリン産生を促進する。多くの細胞表面に存在するセリンプロテイナーゼ酵素DPP−4はGLP−1を分解する。DPP−4阻害剤はGLP−1の分解を減少し、その結果、その作用から保護し、食事を介したグルコースの増加に応答した多量のインシュリン産生を可能にする。
グルコース依存性インシュリン分泌により調節される、膵臓島細胞をベースとするインシュリン分泌に対する、新たな関心が存在した。このアプローチは、β−細胞の機能の安定化及び回復の可能性を有する。この点で、本出願は、食事をすることに起因するグルコースの増加に応答するインシュリン分泌を増加させる手段として、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)のアンタゴニストである化合物をクレームする。これらの化合物は、ベータ細胞集団及び島細胞の機能を評価するための画像化(例えば、PET、SPECT)のためのリガンドとしても用いることができる。β−細胞集団中の減少は、時間経過による特定の患者に関して決定することができる。
発明の要旨
本発明は、構造式I:
Figure 2010533712
の化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する。
これらの二環式ベータ−カルボリン誘導体は、SSTR3のアンタゴニストとして有効である。従って、それらは、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、脂質障害、肥満症、アテローム性動脈硬化症、メタボリックシンドローム、うつ病及び不安のような、SSTR3の拮抗作用に応答する疾患の治療、抑制又は予防に有用である。
本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物にも関する。
本発明は、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、治療を必要とする被験者において、SSTR3の拮抗作用に応答する障害、疾患又は病状を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物及び組成物を投与することによる、2型糖尿病、高血糖症、インシュリン抵抗性、肥満症、脂質障害、アテローム性動脈硬化症及びメタボリックシンドロームを治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物及び組成物を投与することによる、うつ病及び不安を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物を、肥満症を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療的有効量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物を、2型糖尿病を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療的有効量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物を、アテローム性動脈硬化症を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療的有効量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物を、脂質障害を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療的有効量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物を、メタボリックシンドロームを治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療的有効量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療する方法にも関する。
本発明は、本発明の化合物を、うつ病及び不安を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療的有効量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、抑制又は予防する方法にも関する。
本発明の他の態様は、治療的有効量のSSTR3アンタゴニストを、治療的有効量のジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤と組み合わせて用いる、2型糖尿病、高血糖症、インシュリン抵抗性及び肥満症の治療方法に関する。
本発明の他の態様は、2型糖尿病、高血糖症、インシュリン抵抗性及び肥満症を治療するための医薬の製造のための、DPP−4阻害剤と組み合わせたSSTR3アンタゴニストの使用に関する。
発明の詳細な記載
本発明は、SSTR3のアンタゴニストとして有用なベータ−カルボリン誘導体に関する。本発明の化合物は、構造式I:
Figure 2010533712
[式中、
nは1〜4の整数であり;
は、
(1)−C(O)OR
(2)−C(O)NR
(3)シクロへテロアルキル、
(4)シクロへテロアルキル−C1−10アルキル−、
(5)ヘテロアリール、及び
(6)ヘテロアリール−C1−10アルキル−、からなる群から選択され、ここで、アルキル及びシクロヘテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;ヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ただし、ヘテロアリールは、ピリジニル、ピロリル、チエニル、1,3−ベンゾジオキソリル又はフラニルではなく;
は、
水素、
1−10アルキル、
2−10アルケニル、
2−10アルキニル、
3−10シクロアルキル、
3−10シクロアルキル−C1−10アルキル−、
1−6アルキル−X−C1−6アルキル−、
アリール−C1−4アルキル−X−C1−4アルキル−、
ヘテロアリール−C1−4アルキル−X−C1−4アルキル−、
3−10シクロアルキル−X−C1−6アルキル−、
アリール、
シクロへテロアルキル、及び
ヘテロアリール、からなる群から選択され、ここで、Xは、O、S、S(O)、S(O)及びNRからなる群から選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;アリール及びヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
は、
水素、
1−10アルキル、
3−10シクロアルキル、
シクロへテロアルキル、
シクロへテロアルキル−C1−6アルキル−、及び
ヘテロアリール−C1−6アルキル−、からなる群から選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル及びシクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;ヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
は、水素又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−8アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−10アルキル、
2−10アルケニル、
2−10アルキニル、
3−10シクロアルキル、
シクロへテロアルキル、
アリール、及び
ヘテロアリール、からなる群から選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル及びシクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、アリール及びヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
は、
水素、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−10アルキル、
2−10アルケニル、
3−10シクロアルキル、及び
1−4アルキル−O−C1−4アルキル−、からなる群から選択され;
各Rは、独立して、
(1)水素、
(2)−OR
(3)−NRS(O)
(4)ハロゲン、
(5)−S(O)
(6)−S(O)NR
(7)−NR
(8)−C(O)R
(9)−OC(O)R
(10)−CO
(11)−CN、
(12)−C(O)NR
(13)−NRC(O)R
(14)−NRC(O)OR
(15)−NRC(O)NR
(16)−OCF
(17)−OCHF
(18)シクロへテロアルキル、
(19)1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−10アルキル、
(20)C3−6シクロアルキル、
(21)アリール、及び
(22)ヘテロアリール、からなる群から選択され、ここで、アリール及びヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
は、
水素、
1−10アルキル、
2−10アルケニル、及び
3−10シクロアルキル、からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びシクロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
10及びR11は、それぞれ独立して、水素、又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
各Rは、独立して、
(1)−OR
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−S(O)
(5)−S(O)NR
(6)−NR
(7)−C(O)R
(8)−OC(O)R
(9)オキソ、
(10)−CO
(11)−CN、
(12)−C(O)NR
(13)−NRC(O)R
(14)−NRC(O)OR
(15)−NRC(O)NR
(16)−CF
(17)−OCF
(18)−OCHF、及び
(19)シクロへテロアルキル;
(20)C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;及び
(21)C1−6アルキル−X−C1−6アルキル−、からなる群から選択され、ここで、Xは、O、S、S(O)、S(O)及びNRからなる群から選択され;
各Rは、独立して、
(1)R
(2)C1−10アルキル、及び
(3)C3−6シクロアルキル、からなる群から選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルは、1〜3個のヒドロキシル及び1〜6個のフッ素で置換されていてもよく;
及びRは、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
(6)シクロへテロアルキル、
(7)シクロへテロアルキル−C1−10アルキル−、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル−、及び
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−、からなる群から選択され;又は
及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、酸素、イオウ及びN−Rから独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む、4〜7員環の複素環を形成し、ここで、R及びRが水素以外である場合、各R及びRは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
各Rは、独立して、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)C3−6シクロアルキル、
(5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
(6)シクロへテロアルキル、
(7)シクロへテロアルキル−C1−10アルキル−、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1−10アルキル−、及び
(11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−、からなる群から選択され、ここで、Rが水素でない場合、各Rは、Rから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
各Rは、独立して1〜5個のフッ素で置換されていてもよい、−C(O)R又はC1−10アルキルであり;
各Rは、独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S(O)−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF
(7)−OCHF、及び
(8)−O−CF、からなる群から選択され;そして
各mは、独立して0、1又は2である]により記述される化合物及び薬学的に許容されるその塩。
本発明は、以下に要約する多数の実施態様を有する。本発明は式Iの化合物を含む。本発明は、前記化合物の薬学的に許容される塩、並びに前記化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物をも含む。前記化合物は、2型糖尿病、高血糖症、肥満症、及び2型糖尿病に関連する脂質障害の治療に有用である。
本発明の化合物の一実施態様においては、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ水素である。この実施態様の一クラスにおいては、Rは水素又はメチルである。
本発明の化合物の第二の実施態様においては、R及びRは水素であり、Rはフェニル又はヘテロアリールであり、それぞれは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。この実施態様の一クラスにおいては、ヘテロアリールはRから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいピリジニルである。この実施態様の他のクラスにおいては、Rは、ハロゲン、メチル及びメトキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジン−2−イルである。このクラスの一サブクラスにおいては、Rは、フェニル、4−フルオロフェニル、ピリジン−2−イル又は5−フルオロ−ピリジン−2−イルである。
本発明の化合物の第三の実施態様においては、nは1である。この第三の実施態様の一クラスにおいては、Rは水素、ハロゲン又はシアノである。このクラスの一サブクラスにおいては、Rは、水素、塩素又はフッ素である。このサブクラスの一サブクラスにおいては、Rは水素である。
本発明の化合物の第四の実施態様においては、Rは:
水素、
から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
1−3アルキル−O−C1−3アルキル−、及び
アルキルが、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、からなる群から選択される。
本発明の化合物の第五の実施態様においては、Rはシクロへテロアルキル又はヘテロアリールであり、ここで、シクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ヘテロアリールはRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。この第五の実施態様の一クラスにおいては、Rは、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである。このクラスの一サブクラスにおいては、Rは、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル及び1,3−オキサゾール−4−イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、それぞれはC1−4アルキルで置換されていてもよく、ここでアルキルは1〜3個のフッ素で置換されていてもよい。
本発明の化合物の第六の実施態様においては、Rは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり、
は:
水素、
から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
1−3アルキル−O−C1−3アルキル−、及び
アルキルが、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、からなる群から選択される。
この第六の実施態様の一クラスにおいては、R又はRは水素である。
この第六の実施態様の他のクラスにおいては、Rは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである。
本発明の第七の実施態様においては、*により印を付けた不斉炭素において、表示するR立体配置を有する、構造式II:
Figure 2010533712
(式中、R〜R11及びnは前述した通りである)の化合物を提供する。この第七の実施態様の一クラスにおいては、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ水素であり;Rは水素又はメチルであり、nは1である。このクラスの一サブクラスにおいては、Rは水素、ハロゲン又はシアノである。
第七の実施態様の第二のクラスにおいては、Rは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり、
は:
水素、
から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
1−3アルキル−O−C1−3アルキル−、及び
アルキルが、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、からなる群から選択される。
このクラスの一サブクラスにおいては、R又はRは水素である。
このクラスの第二のサブクラスにおいては、Rは、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである。このサブクラスの一サブクラスにおいては、R及びRは、それぞれ独立して、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル及び1,3−オキサゾール−4−イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、それぞれはC1−4アルキルで置換されていてもよく、ここでアルキルは1〜5個のフッ素で置換されていてもよい。
例えば、SSTR3のアンタゴニストとして有用である本発明の化合物の非限定的な具体例は、以下のベータ−カルボリンである。Kとして表される、SSTR3受容体についての結合アフィニティーを各構造の下に示す。
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
並びに薬学的に許容されるその塩。
SSTR3の阻害剤として有用である本発明の化合物の更なる具体例は、以下の:
Figure 2010533712
及び薬学的に許容されるその塩である。
本明細書において確認されるSSTR3は、インシュリン分泌及びベータ細胞集団の評価に影響を及ぼす標的である。グルコースが刺激するインシュリン分泌は、SSTR3の発現を無効にすることにより、またSSTR3選択的アンタゴニストの使用を介して促進されることがわかった。インシュリンの重要な生理的作用は、血中グルコース濃度を低下させることである。本明細書に開示されるように、SSTR3を標的とすることは、治療用途、診断用途及び可能な治療の評価を含む、種々の用途を有している。
ソマトスタチンは、7回膜貫通型(TM)ドメインG−タンパク質結合受容体のファミリーにより介在される生物学的効果の広いスペクトルを発揮するホルモンである[Lahlou et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1014:121−131,2004,Reisine et al.,Endocrine Review 16:427−442,1995]。ソマトスタチンの主たる前活性形態はソマトスタチン−14及びソマトスタチン−28である。ソマトスタチン−14は環状テトラデカペプチドである。ソマトスタチン−28は、ソマトスタチン−14の伸長した形態である。
ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)は、ソマトスタチンに応答する、5種の関連G−タンパク質受容体サブタイプの三番目である。他の受容体は、ソマトスタチンサブタイプ受容体1(SSTR1)、ソマトスタチンサブタイプ受容体2(SSTR2)、ソマトスタチンサブタイプ受容体4(SSTR4)及びソマトスタチンサブタイプ受容体5(SSTR5)である。5種の異なるサブタイプは、異なる染色体上に分離された別個の遺伝子によりコードされる(Patel et al.,Neuroendocrinol.20:157-198,1999)。5種全ての受容体サブタイプは、低いナノモル親和性でソマトスタチン−14及びソマトスタチン−28と結合する。ソマトスタチンに対するドメインと結合するリガンドは、第二の細胞外ループによる潜在的寄与とともにTMs III−VII中の残基から構成される。ソマトスタチン受容体は、しばしば、同じ細胞内に共に存在する複数のサブタイプとして、多くの組織中で広く発現する。
5種の異なるソマトスタチン受容体は、全て、パーツシス毒素感受性タンパク質(Gαi1−3)によるアデニレートシクラーゼの阻害と機能的に連結している[Lahlou et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1014:121−131,2004]。ソマトスタチンが誘発するペプチド分泌の阻害は、主に、細胞内Ca2+の減少に起因する。
ソマトスタチンの効果の広いスペクトルのうち、ある種の生物学的応答は、異なる受容体サブタイプの選択性と同一であるとみなされる。これらには、SSTR2及びSSTR5により介在される成長ホルモン(GH)の分泌、SSTR1及びSSTR5により介在されるインシュリンの分泌、SSTR2により介在されるグルカゴンの分泌及びSSTR2により介在される免疫応答が含まれる[Patel et al.,Neuroendocrinol.20:157-198,1999;Crider et al.,Expert Opin.Ther.Patents 13:1427−1441,2003]。
種々の生物からの種々のソマトスタチン受容体の配列は、当該技術分野において周知である(例えば、Reisine et al.,Endocrine Review 16:427−442,1995を参照されたい)。ヒト、ラット及びマウスのSSTR3の配列及びコードする核酸配列は、配列番号:3(ヒトSSTR3 cDNA gi|44890055|ref|NM_001051.2|CDS 526..1782);配列番号:4(ヒトSSTR3 AA gi|4557861|ref|NP_001042.1|);配列番号:5(マウスSSTR3 cDNA gi|6678040|ref|NM_009218.1|CDS 1..1287);配列番号:6(マウスSSTR3 AA gi|6678041|ref|NP_033244.1|);配列番号:7(ラットSSTR3 cDNA gi|19424167|ref|NM_133522.1|CDS 656..1942);配列番号:8(ラットSSTR3 A gi|19424168|ref|NP_598206.1|)において提供される。
SSTR3アンタゴニストは、SSTR3及びSSTR3をコードする核酸を用いて確認することができる。適切なアッセイは、SSTR3への結合についてのSSTR3アゴニストと競合する化合物を検出し、SSTR3細胞上の化合物の機能的効果又は生理的関連活性を測定することを含む。SSTR3細胞活性には、cAMP阻害、ホスホリパーゼCの増加、チロシンホスファターゼの増加、内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)の減少、Kチャネルの増加、Na/Hの交換の減少及びERKの減少が含まれる[Lahlou et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1014:121−131,2004]。機能的効果は、SSTR3を発現する細胞系を用い、1種以上のSSTR3活性における化合物の効果を測定することにより測定することができる(例えば、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000,2001;Hocart et al.,J.Med.Chem.41:1146−1154,1998)。
SSTR3結合アッセイは、ソマトスタチンをラベルし、ソマトスタチンの結合を阻害する化合物の能力を測定することにより実施することができる(Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000,2001;Hocart et al.,J.Med.Chem.41:1146−1154,1998)。受容体に対する化合物の結合の測定のための更なるフォーマットは、当該技術分野において周知である。
SSTR3阻害についての生理学的関連活性は、インシュリン分泌の促進である。インシュリン分泌の促進は、インビトロ又はインビボで評価することができる。
SSTR3アンタゴニストは、実験的に又は利用できる情報に基づいて確認することができる。種々の異なるSSTR3アンタゴニストは当該技術分野において周知である。アンタゴニストの具体例には、ペプチドアンタゴニスト、β−カルボリン誘導体及びデカヒドロイソキノリン誘導体が含まれる[Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000(2001),Hocart et al., J.Med.Chem.41:1146−1154(1998),Reubi et al.,PNAS 97:13973−13978(2000),Banziger et al.,Tetrahedron:Asymmetry 14:3469−3477(2003),Crider et al.,Expert Opin.Ther.Patents 13:1427−1441(2003),Troxler et al.,International Publication No.WO 02/081471,International Publication Date October 17,2002]。
アンタゴニストは、SSTR3に結合する能力(Ki)及びSSTR3活性への影響(IC50)、並びにSSTR3に選択的に結合する能力及びSSTR3活性への選択的影響に基づいて特徴づけすることができる。好ましいアンタゴニストは、SSTR3に強力かつ選択的に結合し、SSTR3活性を阻害する。
SSTR3に関する種々の実施態様においては、アンタゴニストは100(nM)未満、好ましくは50未満、更に好ましくは25未満、更に好ましくは10未満のKiを有する。KiはPoitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000(2001)に開示され、本明細書に開示されたようにして測定することができる。
選択的SSTR3アンタゴニストは、SSTR1、SSTR2、SSTR4及びSSTR5に結合するよりも、少なくとも10倍強くSSTR3と結合する。選択的SSTR3結合に関する種々の実施態様においては、アンタゴニストは、1000を超える又は好ましくは2000nMを超えるKiでSSTR1、SSTR2、SSTR4及びSSTR5と結合し、SSTR1、SSTR2、SSTR4及びSSTR5に結合するよりも、少なくとも40倍、更に好ましくは少なくとも100倍、更に好ましくは少なくとも500倍強く、SSTR3と結合する。
SSTR3活性に関する種々の実施態様においては、アンタゴニストは、500(nM)未満、好ましくは100未満、更に好ましくは50未満、更に好ましくは10nM未満のIC50を有する。IC50は、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000,2001に開示されたように、SSTR3を発現するCHO−K1細胞中でホルスコリン(1μM)による、ソマトスタチン−14が誘発するcAMPの蓄積の減少の阻害を測定することにより決定することができる。
好ましいアンタゴニストは、好ましいか又は更に好ましいKi、好ましいか又は更に好ましいIC50、並びに好ましいか又は更に好ましい選択性を有する。更に好ましいアンタゴニストは、25(nM)未満のKiを有し;SSTR1、SSTR2、SSTR4及びSSTR5と比較し、SSTR3に対して少なくとも100倍選択的であり;50(nM)未満のIC50を有する。
米国特許第6,586,445号は、多くの疾患の治療に有用であるとして示される、ソマトスタチン受容体アンタゴニストとしてのβ−カルボリン誘導体及びナトリウムチャネル遮断薬を開示している。
米国特許第6,861,430号は、うつ病、不安及び双極性障害の治療のためのSSTR3アンタゴニストとしてβ−カルボリン誘導体をも開示している。
他のセットの具体例は、Poitout et al.,J.Med.Chem.44:2990−3000,2001に提供される化合物をベースとするイミダゾリルテトラヒドロ−β−カルボリン誘導体である。
選択的SSTR3アンタゴニストであるデカヒドロイソキノリン誘導体が、Banziger et al.,Tetrahedron:Asymmetry 14:3469−3477,2003に開示されている。
「アルキル」並びにアルコキシ及びアルカノイルのような接頭辞「アルカ(alk)」を有する他の置換基は、直鎖又は分岐鎖又はそれらの組み合わせである炭素鎖を意味する。アルキル基の具体例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状又は分枝状又はそれらの組み合わせであってもよい炭素鎖を意味する。アルケニルの具体例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が含まれる。
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状又は分枝状又はそれらの組み合わせであってもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの具体例には、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−へプチニル等が含まれる。
「シクロアルキル」は、それぞれが3〜10個の炭素原子を有する、単環式又は二環式の環状又は架橋した飽和炭素環を意味する。該用語には、連結部が非芳香族部分上にあるアリール基と縮合した単環式の環も含まれる。シクロアルキルの具体例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニル等が含まれる。
「アリール」は、炭素原子のみを含む、単環式又は二環式芳香環を意味する。該用語には、連結部が芳香族部分上にある、単環式シクロアルキル又は単環式シクロへテロアルキルと縮合したアリールも含まれる。アリールの具体例には、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,4−ベンゾジオキサニル等が含まれる。
「ヘテロアリール」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、芳香族又は部分芳香族複素環を意味する。従って、「ヘテロアリール」には、アリール、シクロアルキル及び芳香族でないヘテロシクリル等の他の種類の環と縮合したヘテロアリールが含まれる。ヘテロアリール基の具体例には、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、(ピリジニル)、オキサゾリル、オキサジアゾリル(特に、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル等が含まれる。ヘテロシクリル及びヘテロアリール基については、3〜15個の原子を含み、1〜3個の環を形成する環及び環構造が含まれる。
「シクロへテロアルキル」は、各環が3〜10個の原子を有し、連結部が炭素又は窒素である、N、S及びOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、単環式又は二環式又は架橋した飽和炭素環を意味する。該用語には、連結部が非芳香族部分上にある、アリール又はヘテロアリール基に縮合した単環式ヘテロシクリル環も含まれる。「シクロヘテロアルキル」の具体例には、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリニル、2−H−フタラジニル、イソインドリニル、ベンゾオキサゼピニル、5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]チアゾリル、テトラヒドロキノリニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリル等が含まれる。該用語には、窒素を通して結合する2−又は4−ピロリドン又はN−置換−(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換ウラシル)のような、芳香族でない部分不飽和単環式環も含まれる。該用語には、5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクチル及び3−アザビシクロ[3.2.2]ノニル及びアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルのような架橋した環も含まれる。シクロへテロアルキル環は、環炭素及び/又は環窒素上で置換されていてもよい。
「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
「オキソ」は、例えば、(1)「C=(O)」、すなわちカルボニル基;(2)「S=(O)」、すなわちスルホキシド基;及び(3)「N=(O)」、すなわちピリジル−N−オキシドのようなNオキシド基のような、官能基「=O」を意味する。
任意の変数(例えば、R、R等)が、任意の構成又は構造式Iにおいて2回以上出現する場合、各出現におけるその定義は、他の全ての出現における定義とは独立している。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
本明細書を通して用いられる標準的命名法の下、指定される側鎖の末端部分を最初に記載し、次いで隣接する官能基を連結部分に向かって記載する。例えば、C1−5アルキルカルボニルアミノC1−6アルキル置換基は、
Figure 2010533712
と同等である。
本発明の化合物の選択において、当業者は、種々の置換基、すなわち、R、R等が、化学構造の連結性及び安定性の周知の原則に従って選択されることを認識するであろう。
「置換される」なる用語は、指示された置換基による複数の置換の度合いを含むと考えられるであろう。複数の置換基の部位が開示されるか又は請求の範囲に記載される場合、置換化合物は、1個以上の開示されるか又は請求の範囲に記載される置換基部位、1個又は複数により独立して置換され得る。独立して置換されるとは、(2個以上の)置換基が同一であっても異なっていてもよいことである。
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
構造式Iの化合物は、1個以上の不斉中心を含んでいてもよく、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、構造式Iの化合物のこのような全ての異性体形態を含むことを意味する。
式Iの化合物は、例えば、適切な溶媒、例えばメタノール又は酢酸エチル又はそれらの混合物からの分別結晶化又は光学活性固定相を用いたキラルクロマトグラフィーによって個々のジアステレオマーに分離することができる。絶対的立体化学は、必要であれば、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される結晶生成物又は結晶性中間体のX−線結晶学によって決定することができる。
また、一般構造式Iの化合物の任意の立体異性体は、既知の絶対配置の光学的に純粋な出発材料又は試薬を用いて、立体特異的な合成により製造することができる。
所望であれば、個々の光学異性体を分離するように、化合物のラセミ混合物を分離することができる。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物とカップリングしてジアステレオマー混合物を生成し、分別結晶化又はクロマトグラフィー等の標準的な方法により個々のジアステレオマーを分離する等の、当該技術分野において周知の方法により実施することができる。カップリング反応は、しばしば光学異性的に純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成である。次いで、加えられたキラルな残基の切断により、ジアステレオマー誘導体を純粋な鏡像異性体に変換する。化合物のラセミ混合物は、また、方法が当該技術分野において周知なキラル固定相を用いたクロマトグラフィー法によっても直接分離することができる。
本明細書に開示された化合物のいくつかはオレフィン二重結合を含んでおり、特に示さない限りはE及びZ幾何異性体を含むことを意味する。
本明細書に開示された化合物のいくつかは、1個以上の二重結合シフトに付随して起こる水素の異なる結合点を有する互変異性体として存在し得る。例えば、ケトン及びそのエノール体はケト−エノール互変異性体である。個々の互変異性体及びその混合物は、本発明の化合物に含まれる。本発明の化合物に包含されることを意図する互変異性体の具体例を、以下に示す:
Figure 2010533712
塩:
本明細書で用いられる場合、構造式Iの化合物への言及は、薬学的に許容される塩、それらがフリーの化合物又は薬学的に許容される塩への前駆体として又は他の合成操作において用いられる場合、薬学的に許容されない塩をも含むことが理解されるであろう。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。「薬学的に許容される塩」なる用語は、無機又は有機塩基並びに無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される無毒の塩基又は酸から製造される塩を意味する。「薬学的に許容される塩」なる用語に含まれる塩基性化合物の塩は、一般的にフリーの塩基を適切な有機又は無機酸と反応させることにより製造される本発明の化合物の無毒の塩を意味する。本発明の塩基性化合物の代表的な塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシル酸塩、トリエチオダイド、吉草酸塩が含まれるが、これらに限定されない。更に、本発明の化合物が酸部分を有する場合は、適切な薬学的に許容される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、マンガン塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含む無機塩基に由来する塩が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機の無毒の塩基に由来する塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンのような一級、二級及び三級アミンの塩、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂が含まれる。
また、本発明の化合物の中にカルボン酸(−COOH)又はアルコール基が存在する場合、メチル、エチル又はピバロイルオキシメチルのようなカルボン酸誘導体、又はO−アセチル、O−ピバロイル、O−ベンゾイル及びO−アミノアシルのようなアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを用いることができる。徐放製剤又はプロドラッグ製剤として用いるための溶解性又は加水分解特性を修飾するために当業界で公知のエステル及びアシル基が含まれる。
なお、構造式Iの化合物の溶媒和物、特に水和物は本発明に含まれる。
本発明の具体例は、実施例及び本明細書に開示される化合物の使用である。
有用性:
本明細書に開示される化合物は、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の強力かつ選択的なアンタゴニストである。この化合物は、SSTR3リガンド、一般的にアンタゴニストにより調節される疾患の治療に有効である。これらの多くの疾患を以下に要約する。
治療を必要とする患者への治療的有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩の投与により、1種以上の以下の疾患が治療され得る。また、式Iの化合物は、1種以上の以下の疾患を治療するための医薬の製造のために用いることができる:
(1)非インシュリン依存性糖尿病(2型糖尿病);
(2)高血糖症;
(3)インシュリン抵抗性;
(4)メタボリックシンドローム;
(5)肥満症;
(6)高コレステロール血症;
(7)高トリグリセリド血症(トリグリセリドを豊富に含むリポタンパク質の濃度の上昇);
(8)混合型又は糖尿病性脂質異常症;
(9)低HDLコレステロール;
(10)高LDLコレステロール;
(11)ハイパーアポBリポタンパク質血症(hyper−apo−B lipoproteinemia);及び
(12)アテローム性動脈硬化症。
本発明の化合物の使用の一実施態様は、治療を必要とする患者、特にヒトに治療的有効量を投与することによる、1種以上の以下の疾患の治療に関する。前記化合物は、1種以上のこれらの疾患の治療において用いられる医薬の製造のために用いることができる。
(1)2型糖尿病;
(2)高血糖症;
(3)インシュリン抵抗性;
(4)メタボリックシンドローム;
(5)肥満症;及び
(6)高コレステロール血症。
前記化合物は、糖尿病患者、並びに耐糖能を損なっている及び/又は前糖尿病症状にある非糖尿病患者において、グルコース及び脂質を減少させるのに有効である。前記化合物は、糖尿病又は前糖尿病患者においてしばしば発生する血清グルコース濃度の変化を調節することにより、これらの患者においてしばしば発生する高インシュリン血症を改善し得る。前記化合物は、インシュリン抵抗性の治療又は減少にも有効である。前記化合物は、妊娠性糖尿病の治療又は予防にも有効である。
本明細書に開示される化合物、組成物及び医薬は、メタボリックシンドロームと関連する不利な後遺症の危険を減少し、アテローム性動脈硬化症の発症の危険性を減少し、アテローム性動脈硬化症の発症を遅延し及び/又はアテローム性動脈硬化症の後遺症の危険性を減少するのにも有効であり得る。アテローム性動脈硬化症の後遺症には、狭心症、跛行、心臓麻痺、脳卒中及びその他が含まれる。
高血糖症を制御することにより、前記化合物は、血管再狭窄及び糖尿病性網膜症、神経障害及び腎症の遅延又は予防にも有効であり得る。
1型糖尿病の治療に有用であるか、2型糖尿病を患っている患者がインシュリン治療を必要とすることを遅延又は防止するように、本発明の化合物は、β−細胞の機能の向上又は回復にも有用性を有している。
前記化合物は、1種以上の以下の疾患:すなわち(1)2型糖尿病(非インシュリン依存性糖尿病又はNIDDMとしても知られている)、(2)高血糖症、(3)グルコース耐性障害、(4)インシュリン抵抗性、(5)肥満症、(6)脂質障害、(7)脂質異常症、(8)高脂血症、(9)高トリグリセリド血症、(10)高コレステロール血症、(11)低HDLレベル、(12)高LDLレベル、(13)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(14)血管再狭窄、(15)腹部脂胖症、(16)網膜症、(17)メタボリックシンドローム、(18)高血圧(高血圧症)、及び(19)インシュリン抵抗性の治療にも有効である。
本発明の一態様は、式Iを有する化合物の治療的有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、混合型又は糖尿病性脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症及び/又は高トリグリセリド血症の治療及び抑制のための方法を提供する。前記化合物は、単独で用いることができ又は有利には、コレステロール生合成阻害剤、特に、ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン又はZD−4522のようなHMG−CoAレダクターゼ阻害剤と一緒に投与してもよい。前記化合物は、コレステロール吸収阻害剤(例えば、スタノールエステル、チクエシドのようなステロールグリコシド、エゼチミブのようなアゼチジノン)、ACAT阻害剤(アバシミブ等)、CETP阻害剤(トルセトラピブ等、並びにWO2005/100298,WO2006/014413及びWO2006/014357に開示された化合物)、ナイアシン及びナイアシン受容体アゴニスト、胆汁酸金属捕捉剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤及び胆汁酸再取り込み阻害剤のような、他の脂質低下薬と組み合わせて有利に用いることもできる。これらの併用療法は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高脂血症、高トリグリセリド血症、脂質異常症、高LDL及び低HLDからなる群から選択される1種以上の病状の治療又は抑制に有効であり得る。
投与及び投与量範囲:
任意の適切な投与経路を用いて、哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の有効用量を提供することができる。例えば、経口、直腸内、局所、非経口、眼球、肺、経鼻等を用いることができる。剤形には、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル、クリーム剤、軟膏、エアロゾル剤等が含まれる。好ましくは、式Iの化合物は経口で投与される。
用いられる活性成分の有効投与量は、特定の用いられる化合物、投与方法、治療される病状及び治療される病状の重症度に依存して変化し得る。このような投与量は、当業者によって容易に確認することができる。
糖尿病及び/又は高血糖症又は高トリグリセリド血症又は式Iの化合物が適応とする他の疾患を治療又は予防する場合、一般的に満足な結果は、本発明の化合物を、1日に約0.1mg〜約100mg/動物の体重1kg、好ましくは単一投与又は1日に2〜6回に分けて又は徐放形態で投与する場合に得られる。最も大きな動物について、1日の全投与量は約1.0mg〜約1000mgである。70kgの成人のヒトの場合、1日の全投与量は一般に約1mg〜約500mgである。特に有力な化合物については、成人のヒトに対する投与量は、0.1mgと低い。あるケースにおいては、1日投与量は1グラムと高い。投与計画は、この範囲内又は最適な治療反応を提供するためにこの範囲外で調整することができる。
経口投与は、通常、錠剤又はカプセルを用いて実施される。錠剤及びカプセル中の投与量の具体例は、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg及び750mgである。他の経口形態も、同様又は類似の投与量を含む。
医薬組成物:
本発明の他の態様は、式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、活性成分として式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を含み、また、薬学的に許容される担体、及び場合により他の治療薬を含む。「薬学的に許容される塩」なる用語は、無機塩基又は酸、並びに有機塩基又は酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から製造される塩を意味する。プロドラッグが投与される場合、医薬組成物には、プロドラッグ又は薬学的に許容されるその塩が含まれる。
組成物には、経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与(皮下注射、筋肉内注射及び静脈注射を含む)、眼内投与(眼科用)、経肺投与(経鼻又は経頬投与)又は経鼻投与が含まれるが、任意の所定のケースにおける最も適切な経路は、治療される病状の性質及び重症度、並びに活性成分の性質に依存するであろう。それらは、単位投与形態中に都合よく存在しており、薬学の分野において周知の任意の方法により製造される。
実践的な使用においては、式Iの化合物は、従来の薬剤混合技術に従い、医薬担体と念入りに混合した、活性成分として混合することができる。担体は、投与に望ましい製剤、例えば、経口又は非経口(静脈注射を含む)の形態に依存し、種々の形態をとり得る。経口投与形態のための組成物の製造においては、通常の医薬媒体、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び液剤のような経口液剤の場合には、例えば、水、グリコール類、油類、アルコール類、香料、保存剤、着色剤等を;例えば、粉末、硬及び軟カプセル及び錠剤等の経口固形製剤の場合には、例えば、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤を用いることができ、固形経口製剤が、液状製剤より好ましい。
投与の容易さのため、錠剤及びカプセルは、最も好都合な経口投与単位形態であり、この場合においては、固形の医薬担体が当然に使用される。所望であれば、錠剤を、標準的な水性又は非水性技術によりコーティングしてもよい。このような組成物及び製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。これらの組成物中の活性化合物の割合は、当然に変化し得、単位の約2重量%〜約60重量%が都合がよい。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、効果的な投与量が得られるであろうほどである。活性化合物は、例えば、液滴又は噴霧により鼻腔内投与することもできる。
錠剤、丸剤、カプセル等は、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチ又はゼラチンのようなバインダー;第二リン酸カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤を含んでもよい。投与単位形態がカプセルである場合、前記タイプの材料に加え、脂肪油のような液状担体を含んでもよい。
ある場合には、投与される化合物又は塩の溶解度に依存し、化合物又は塩を、1種以上の中鎖脂肪酸のトリグリセリドのような油、トリアセチンのような親油性溶媒、親水性溶媒(例えば、プロピレングリコール)又はこれらの2種以上の混合物中の溶液として製剤化することが有利であり、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリエトキシル化トリグリセリド及び1種以上の中鎖脂肪酸のモノ及び/又はジグリセリドのような、1種以上のイオン性又は非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤(特に2種以上の界面活性剤)を含む溶液は、水に接触すると、エマルション又はマイクロエマルションを形成するであろう。前記化合物は、水溶性ポリマー中で製剤化してもよく、その中で、前記化合物は、ホットメルト伸長及び噴霧乾燥のような方法により非晶層として分散しており、このようなポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCS)及びポリビニルピロリジノンを含み、ホモポリマー及びコポリマーが含まれる。
種々の他の材料はコーティングとして又は投与単位の物理的形態を修飾するために存在してもよい。例えば、錠剤は、セラック、糖又は両者でコーティングされていてもよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性成分に加え、甘味剤としてショ糖、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、チェリーフレーバー又はオレンジフレーバーのような染料及び香味料を含んでもよい。
式Iの化合物は非経口的に投与されてもよい。これらの活性化合物の液剤又は懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート80、並びに中鎖及び長鎖脂肪酸のモノ及びジグリセリドのような界面活性剤又は界面活性剤の混合物と適切に混合された水中で製造することができる。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及び油中のそれらの混合物中で製造することもできる。保存及び使用の通常の条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するための保存料を含む。
注射に使用するために適した医薬製剤は、無菌注射用液剤又は分散剤を即時に製造するための無菌水溶液又は分散剤及び無菌粉末を含む。全てのケースにおいて、製剤は無菌であり、容易に注射可能である範囲で液体でなければならない。製造及び保存条件下で安定なければならず、細菌及び真菌のような微生物の混入作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、それらの安定な混合物及び植物油を含む、溶媒又は分散媒であってもよい。
併用療法
式Iの化合物は、式Iの化合物が有用である疾患又は病状の治療又は改善にも有用であり得る他の薬剤と併用することができる。このような他の薬剤は、一般に使用される経路及び量で、式Iの化合物と同時に又は連続して投与することができる。2型糖尿病、インシュリン抵抗性、肥満症、メタボリックシンドローム及びこれらの疾患に伴う併存疾患を患っている患者の治療において、2種以上の薬剤が通常に投与される。本発明の化合物は、通常、これらの疾患のための1種以上の他の薬剤を既に摂取している患者に、投与してもよい。患者の血糖濃度が適切に治療に応答しない場合、メトホルミン、スルホニル尿素及び/又はPPARガンマアゴニストのような1種以上の抗糖尿病化合物で既に治療を受けている患者に、前記化合物を投与する場合もある。
式Iの化合物を1種類以上の他の薬剤と同時に用いる場合には、このような他の薬剤と式Iの化合物とを含む単位投与形態における医薬組成物が好ましい。しかし、併用療法は、式Iの化合物と1種類以上の他の薬剤とを異なる重複スケジュールで投与する療法をも含む。また、1種類以上の他の活性成分と併用する場合には、本発明の化合物と他の活性成分とをそれぞれ単体で使用する場合よりも低い用量で用いることが意図される。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1種類以上の他の活性成分を含む医薬組成物を含む。
式Iの化合物と組み合わせて投与することができ、別々に又は同じ医薬組成物として投与することができる、他の活性成分の具体例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
(a)グリタゾン及び非グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、LY−300512、LY−818、並びにWO02/08188、WO2004/020408及びWO2004/020409に開示されている化合物)の両方を含むPPARガンマアゴニスト及び部分アゴニスト;
(b)メトホルミン及び薬学的に許容されるその塩のようなビグアニド;
(c)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤;
(e)インシュリン又はインシュリン模倣薬;
(f)トルブタミド、グリブリド、グリメピリド、グリピジド及び関連物質のような経口血糖降下性スルホニル尿素;
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース等);
(h)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522及び他のスタチン類)、(ii)胆汁酸金属捕捉剤(コレスチラミン、コレスチポール及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ナイアシン受容体アゴニスト、ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベザフィブラート)のようなPPARαアゴニスト、(v)エゼチミブのようなコレステロール吸収阻害剤、(vi)アバシミブのようなアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、(vii)トルセトラピブのようなCETP阻害剤、及び(viii)プロブコールのようなフェノール性抗酸化剤、のような患者の脂質プロファイルを改善する薬剤;
(i)ムラグリタザル、テサグリタザル、ファルグリタザル及びJT−501のようなPPARα/γ二重アゴニスト;
(j)WO97/28149に開示された化合物のようなPPARδアゴニスト;
(k)フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、神経ペプチドYY5阻害剤、MC4Rアゴニスト、カンナビノイド受容体1(CB−1)アンタゴニスト/インバースアゴニスト(例えば、リモナバント及びタラナバント)及びβアドレナリン作動性受容体アゴニストのような抗肥満薬;
(l)回腸型胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(m)アスピリン、非ステロイド系抗炎症剤、グルココルチコイド、アザルフィジン及びシクロオキシゲナーゼ2(Cox−2)選択的阻害剤のような、炎症性病状に用いることを意図した薬剤;
(n)グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(o)エキセンディン(例えば、エキセナチド及びリラグルチド)のようなGLP−1類似体及び誘導体;
(p)米国特許第6,730,690号;WO03/104207;及びWO04/058741に開示された化合物のような、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1の阻害剤;
(q)ステアロイル−補酵素Aデルタ9デサチュラーゼ(SCD)阻害剤;
(r)グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(s)WO03/015774;WO04/076420;及びWO04/081001に開示された化合物のような、グルコキナーゼ活性因子(GKAs);
(t)AMPK活性因子;
(u)ACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−II受容体遮断薬(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、β−遮断薬及びカルシウムチャネル遮断薬のような降圧薬;
(v)WO2008/054674及びWO2008/054675に開示された化合物のような、G−タンパク質結合受容体−40アゴニスト;及び
(w)G−タンパク質結合受容体−119アンタゴニスト。
前記組み合わせは、本発明の化合物と、1種の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性化合物との組み合わせをも含む。非限定的な具体例には、式Iの化合物と、メトホルミン、スルホニル尿素、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、PPARガンマアゴニスト、DPP−4阻害剤及びカンナビノイド受容体1(CB1)インバースアゴニスト/アンタゴニストとの組み合わせが含まれる。
メトホルミンの好ましい薬学的に許容される塩は塩酸塩である。組成物中のメトホルミン成分は、Glucophage(登録商標)のような即効型、若しくはGlucophage XR(登録商標)、Glumetza(登録商標)及びFortamet(登録商標)のような徐放性のいずれかに製剤化されていてもよい。
構造式Iの化合物と併用することのできるジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤には、米国特許第6,699,871号;WO 02/076450(2002年10月3日);WO 03/004498(2003年1月16日);WO 03/004496(2003年1月16日);EP 1 258 476(2002年11月20日);WO 02/083128(2002年10月24日);WO 02/062764(2002年8月15日);WO 03/000250(2003年1月3日);WO 03/002530(2003年1月9日);WO 03/002531(2003年1月9日);WO 03/002553(2003年1月9日);WO 03/002593(2003年1月9日);WO 03/000180(2003年1月3日);WO 03/082817(2003年10月9日);WO 03/000181(2003年1月3日);WO 04/007468(2004年1月22日);WO 04/032836(2004年4月24日);WO 04/037169(2004年5月6日);及びWO 04/043940(2004年5月27日)に開示されているものが含まれる。特定のDPP−IV阻害剤化合物には、シタグリプチン(JANUVIA(登録商標));ビルダグリプチン(GALVUS(登録商標));デナグリプチン;P93/01;サキサグリプチン(BMS477118);RO0730699;MP513;アログリプチン(SYR−322);ABT−279;PHX1149;GRC−8200;及びTS021、並びに薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。
構造式Iの化合物と併用することのできる抗肥満化合物には、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、神経ペプチドY又はYアンタゴニスト、カンナビノイドCB1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト及びメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニストが含まれる。構造式Iの化合物と併用することのできる抗肥満化合物の概説については、S.Chaki et al.,“Recent advances in feeding suppressing agents:potential therapeutic strategy for the treatment of obesity,”Expert Opin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001);D.Spanswick and K.Lee,“Emerging antiobesity drugs,”Expert Opin.Emerging Drugs,8:217−237(2003);及びJ.A.Fernandez−Lopez,et al.,“Pharmacological Approaches for the Treatment of Obesity,”Drugs,62:915−944(2002)を参照されたい。
構造式Iの化合物と併用することのできる神経ペプチドY5アンタゴニストには、米国特許第6,335,345号(2002年1月1日)及びWO 01/14376(2001年3月1日)に開示された化合物;及びGW 59884A;GW 569180A;LY366377;及びCGP−71683Aに同定された特定の化合物が含まれる。
式Iの化合物と併用することのできるカンナビノイドCB1受容体アンタゴニストには、PCT国際公開WO 03/007887;リモナバントのような米国特許第5,624,941号;SLV−319のようなPCT国際公開WO 02/076949;米国特許第6,028,084号;PCT国際公開WO 98/41519;PCT国際公開WO 00/10968;PCT国際公開WO 99/02499;米国特許第5,532,237号;米国特許第5,292,736号;PCT国際公開WO 03/086288;PCT国際公開WO 03/087037;PCT国際公開WO 04/048317;PCT国際公開WO 03/007887;PCT国際公開WO 03/063781;PCT国際公開WO 03/075660;PCT国際公開WO 03/077847;PCT国際公開WO 03/082190;PCT国際公開WO 03/082191;PCT国際公開WO 03/087037;PCT国際公開WO 03/086288;PCT国際公開WO 04/012671;PCT国際公開WO 04/029204;PCT国際公開WO 04/040040;PCT国際公開WO 01/64632;PCT国際公開WO 01/64633;及びPCT国際公開WO 01/64634に開示されるものが含まれる。
本発明において有用なメラノコルチン−4受容体(MC4R)アゴニストには、全体として本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許第6,294,534号、米国特許第6,350,760号、第6,376,509号、第6,410,548号、第6,458,790号、米国特許第6,472,398号、米国特許第5837521号、米国特許第6699873号;全体として本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許出願公開第2002/0004512号、第2002/0019523号、第2002/0137664号、第2003/0236262号、第2003/0225060号、第2003/0092732号、第2003/109556号、第2002/0177151号、第2002/187932号、第2003/0113263号;及びWO 99/64002、WO 00/74679、WO 02/15909、WO 01/70708、WO 01/70337、WO 01/91752、WO 02/068387、WO 02/068388、WO 02/067869、WO 03/007949、WO 2004/024720、WO 2004/089307、WO 2004/078716、WO 2004/078717、WO 2004/037797、WO 01/58891、WO 02/070511、WO 02/079146、WO 03/009847、WO 03/057671、WO 03/068738、WO 03/092690、WO 02/059095、WO 02/059107、WO 02/059108、WO 02/059117、WO 02/085925、WO 03/004480、WO 03/009850、WO 03/013571、WO 03/031410、WO 03/053927、WO 03/061660、WO 03/066597、WO 03/094918、WO 03/099818、WO 04/037797、WO 04/048345、WO 02/018327、WO 02/080896、WO 02/081443、WO 03/066587、WO 03/066597、WO 03/099818、WO 02/062766、WO 03/000663、WO 03/000666、WO 03/003977、WO 03/040107、WO 03/040117、WO 03/040118、WO 03/013509、WO 03/057671、WO 02/079753、WO 02/092566、WO 03/093234、WO 03/095474及びWO 03/104761に開示されるものが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の他の態様は、治療的有効量のSSTR3アンタゴニストを、治療的有効量のジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤と組み合わせて用いる、2型糖尿病、高血糖症、インシュリン耐性及び肥満症の治療方法に関する。本発明のこの態様の一実施態様においては、DPP−4阻害剤は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチン、デナグリプチン及びメログリプチン、並びに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。
シタグリプチンの特定の薬学的に許容される塩は、(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンのリン酸二水素塩である、下記構造式Iを有する、シタグリプチンリン酸塩である。
Figure 2010533712
一実施態様においては、シタグリプチンリン酸塩は、無水結晶又は一水和物の形態である。この実施態様の一クラスにおいては、シタグリプチンリン酸塩は、一水和結晶の形態である。シタグリプチンのフリーの塩基及び薬学的に許容されるその塩は、米国特許第6,699,871号に開示されており、その内容が全体として参考文献として本明細書に組み入れられる。シタグリプチンリン酸塩及び結晶一水和物の形態は、米国特許第7,326、708号に開示されており、その内容が全体として参考文献として本明細書に組み入れられる。
ビルダグリプチンは、構造式IIを有する(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンの一般名である。ビルダグリプチンは、特に、米国特許第6,166,063号に開示されており、その内容が全体として参考文献として本明細書に組み入れられる
Figure 2010533712
サキサグリプチンは、下記構造式IIIのメタノプロリンニトリルである。サキサグリプチンは、特に、米国特許第6,395,767号に開示されており、その内容が全体として参考文献として本明細書に組み入れられる。
Figure 2010533712
アログリプチンは、米国特許第2005/0261271に開示されている、構造式(IV)の2−[[6−[(3R)−3−アミノ−1−ピペリジニル]3,4−ジヒドロ−3−メチル−2,4−ジオキソ−1(2H)−ピリミジニル]メチル]ベンゾニトリルである。アログリプチンの特定の薬学的に許容される塩は、アログリプチン安息香酸塩である。
Figure 2010533712
本発明の更に他の態様は、SSTR3アンタゴニストとDPP−4阻害剤との組み合わせである。一実施態様においては、DPP−4阻害剤は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチン、デナグリプチン及びメログリプチン、並びに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。この実施態様の一クラスにおいては、DPP−4阻害剤は、シタグリプチン又は薬学的に許容されるその塩である。この組み合わせは、型糖尿病、高血糖症、インシュリン耐性及び肥満症の治療に有用である。
生物学的アッセイ
ソマトスタチンサブタイプ受容体3の産生
SSTR3は、化学的合成及び組換え生産の技術を含む、当該技術分野において周知の技術を用いて製造することができる[例えば、Vincent,Peptide and Protein Drug Delivery,New York,N.Y.,Decker,1990;Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−2002,及びSambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989を参照されたい]。
タンパク質を製造するための組換え核酸技術は、細胞内にタンパク質をコードする組換え型遺伝子を導入するか、細胞内で生産し、タンパク質を発現することを含む。細胞から精製タンパク質を得ることができる。また、細胞内又は細胞抽出物内のタンパク質の活性を評価することができる。
組換え型遺伝子は、タンパク質発現のための調節エレメントと一緒に、タンパク質をコードする核酸を含む。組換え型遺伝子は、細胞ゲノム内に存在し得るか、発現ベクターの一部であり得る。
組換え型遺伝子の一部として存在し得る調節エレメントは、自然にタンパク質をコードする配列に関連するもの及びタンパク質をコードする配列に自然に関連しない外因性調節エレメントを含む。外因性プロモータのような外因性調整エレメントは、特定の宿主内での組換え型遺伝子の発現又は発現レベルの上昇に有用であり得る。一般に、組換え型遺伝子中に存在する調節エレメントは、転写プロモータ、リボソーム結合部位、ターミネータ及び場合により存在するオペレータを含む。真核細胞内で処理するための好ましいエレメントはポリアデニル化シグナルである。
細胞内における組換え型遺伝子の発現は、発現ベクターの使用により促進される。好ましくは、組換え型遺伝子に加えるベクターは、宿主細胞内で自律増殖するための複製オリジン、選択マーカー、限定された数の有用な制限酵素部位及び高コピー数のための潜在力をも含む。発現ベクターの具体例は、クローニングベクター、改変したクローニングベクター、特別に設計されたプラスミド及びウイルスである。
所望であれば、特定の宿主内での発現は、コドン最適化により向上することができる。コドン最適化には、更に好ましいコドンの使用が含まれる。種々の宿主におけるコドン最適化のための技術は当該技術分野において周知である。
分離したマウス島細胞におけるSSTR3アンタゴニストによるグルコース依存性インシュリン分泌(GDIS)の増強
膵臓のランゲルハンス島細胞を、コラゲナーゼ消化及び不連続Ficoll勾配分離、Lacy及びKostianovsky(Lacy et al.,Diabetes 16:35−39,1967)の変形により、正常なC57BL/6Jマウスから分離した。島細胞を、GDISアッセイの前にRPMI 1640培地(11mMグルコース)中で一晩培養した。
GDISを測定するため、島細胞を最初に、2mMグルコースを含むクレブスリンガー重炭酸塩(KRB)バッファー中で30分間プレインキュベートした(ペトリ皿中)。KRB培地は、143.5mM Na、5.8mM K、2.5mM Ca2+、1.2mM Mg2+、124.1mM Cl、1.2mM PO 3−、1.2mM SO 2+、25mM CO 2−、2mg/mLウシ血清アルブミンを含む(pH7.4)。次いで、島細胞を96穴プレートに移し(1個の島細胞/ウェル)、2又は16mMグルコース、並びにオクトレオチドのような試験すべき他の薬剤及びSSTR3アンタゴニストを含む200μLのKRBバッファー中、37℃で60分間インキュベートした(Zhou et al.,J.Biol.Chem.278:51316−51323,2003)。市販のキット(ALPCO Diagnostics,Windham,NH)を用いて、ELISAにより、インキュベーションバッファーの一定量中のインシュリンを測定した。
SSTR結合アッセイ
SSTRの5種全てのサブタイプの受容体−リガンド結合アッセイを、クローニングされたヒトソマトスタチン受容体を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞から分離した膜を用いて、既に報告されたように(Yang et al.PNAS 95:10836−10841,1998,Birzin et al.Anal.Biochem.307:159−166,2002)、96穴フォーマット中で実施した。
SSTR1−SSTR5についての安定な細胞系を、リポフェクタミンを用い、5種全てのSSTRについてのDNAを用いて安定に形質導入することにより開発した。ネオマイシン耐性クローンを選択し、400μg/mLのG418を含む培地中で維持した(Rohrer et al.Science 282:737−740,1998)。結合アッセイは、放射リガンドとしての(3−125I−Tyr11)−SRIF−14(0.1nMで使用)及びThe Packard Unifilterアッセイプレートを用いて実施した。アッセイバッファーは、1mM EGTA、5mM MgCl、ロイペプチン(10μg/mL)、ペプスタチン(10μg/mL)、バシトラシン(200μg/mL)及びアプロチニン(0.5μg/mL)を含む50mM TrisHCl(pH7.8)からなる。CHO−K1細胞膜、放射性標識したソマトスタチン及び非標識試験化合物を、このアッセイバッファー中に再懸濁又は希釈した。非標識試験化合物は、0.01nM〜10,000nMの濃度の範囲にわたり試験した。化合物についてのKi値を、Cheng及びPrusoff(Biochem Pharmacol.22:3099−3108(1973))により開示されたようにして測定した。
本発明の化合物、特に実施例1〜19及び表2〜5に記載する実施例の化合物は、SSTR3に対して100nM〜0.1nMの範囲のKi値を示し、SSTR1、SSTR2、SSTR4及びSSTR5受容体に対して100nMを超えるKi値を示した。
SSTR3が介在するサイクリックAMP産生の阻害を評価するための機能アッセイ
受容体の機能アッセイにおける種々の親和力により、ヒト及びマウスのSSTR3に結合する化合物の影響を、SSTR3を発現するCHO細胞中で、ホルスコリン(FSK)単独又はFSK及びSS−14の存在下に、cAMP産生を測定することにより評価した。FSKは、アデニレートシクラーゼを活性化することにより、これらの細胞中でcAMP産生を誘発するように作用するが、SS−14は、SSTR3に結合し、次いで、GTP−結合タンパク質(Gαi)のアルファサブユニットを介してアデニレートシクラーゼを阻害することにより、SSTR3安定細胞中でcAMPの産生を抑制する。
化合物のアゴニズム活性を測定するため、我々は、ヒト又はマウスのSSTR3安定CHO細胞を、化合物と15分間プレインキュベートし、次いで、3.5μM FSKを含む細胞と1時間インキュベートした(化合物は常駐している)。インキュベーションの間に産生したcAMPの量を、Lance cAMPアッセイキット(PerkinElmer,CA)を用い、製造業者の使用説明書に従い、定量した。本出願に開示されるほとんどの化合物は、アゴニズム活性を示さないかわずかに示す。従って、各化合物のアゴニズム活性を示すために活性%を用いた。活性%は下記式を用いて計算した:
Figure 2010533712
化合物のアンタゴニズム活性を測定するため、我々は、ヒト又はマウスのSSTR3安定CHO細胞を、化合物と15分間プレインキュベートし、次いで、3.5μMのFSK及び100nMのSS−14の混合物を含む細胞と1時間インキュベートした(化合物は常駐している)。インキュベーションの間に産生したcAMPの量を、Lance cAMPアッセイを用いて定量した。各化合物のアンタゴニズム活性は、阻害%(SS−14の活性を遮断する最大能力)及び8点の滴定により得られるIC50値の両方により示した。各化合物の阻害%は下記式を用いて計算した。
Figure 2010533712
あるケースにおいては、20%ヒト血清を、機能アッセイのアンタゴニズムモードの間、インキュベーションバッファー中でインキュベーションし、潜在力のセラムシフト(serum shift)を評価した。
マウスにおけるグルコース耐性試験:
オスのC57BL/6Nマウス(7〜12週齢)をケージあたり10匹収容し、通常の齧歯類用の食事を、絶えることなく利用できるようにする。マウスを処理群にランダムに割り当て、4〜6時間絶食させる。基準の血中グルコース濃度を、尾に切り目を付けた血液から血糖測定器によって測定する。次いで、動物を、媒体(0.25%メチルセルロース)又は試験化合物で経口的に処理する。処理後、指定の時間ポイントにおいて血中グルコース濃度を測定し(t=0分)、次いで、マウスに、デキストロースを、腹腔内(2〜3g/kg)又は経口(3〜5g/kg)投与する。媒体処理マウスの1つの群は、陰性コントロールとして食塩水を投与する。デキストロース投与の20、40、60分後に、尾から得た血液から血中グルコース濃度を測定する。t=0〜t=60分からの血中グルコース偏位(excursion)プロフィールを、各処理についての濃度曲線下面積(AUC)を統合するために用いる。各処理についての阻害割合を、食塩水を投与したコントロールに対して標準化したAUCデータから生成する。同様のアッセイをラットにおいて実施してもよい。本発明の化合物は、0.1〜100mg/kgの範囲で経口投与した後に活性である。
SSTR3遺伝子ノックアウトマウスにおけるグルコース耐性試験:
SSTR3阻害の選択性を評価するため、機能的SSTR3の遺伝子を欠如するマウスにおいて、前述した経口グルコース耐性試験(oGTT)において化合物を評価した。実施例17、20及び21は無傷の機能的SSTR3を含む野生型マウスにおいてグルコースの偏位を阻害するが、1〜30mg/kgの範囲で経口投与した後のSSTR3ノックアウトマウスにおいてはグルコース偏位を顕著に阻害しなかった。
Figure 2010533712
Figure 2010533712
本発明の化合物を製造するためのいくつかの方法を、下記スキーム及び実施例に示す。出発材料は、市販されているか又は文献中に又は示されているように公知の工程により製造される。本発明は、更に、前述したような構造式Iの化合物の製造方法を提供する。あるケースにおいては、反応を促進し又は所望でない反応生成物を回避するために、前述の反応スキームを実施する順序を変えることができる。以下の実施例は、説明の目的のためにのみ提供され、開示される発明を限定するものとして解釈するものではない。特に示さない限り、温度は全て摂氏である。β−カルボリン環へのピクテ−スペングラー環化反応からのスキーム3の構造Gにおいて**により示される炭素の立体中心における立体化学の指示は、核オーバーハウザー効果(NOE)NMR分光法を用いて決定された。NOE NMR分光法の理論及び応用の詳細な議論については、Ernst,R.R.;Bodenhausen,B.;Wokaun,A.,“Principles of Nuclear Magnetic Resonances in One or Two Dimensions”,Oxford University Press,1992;Neuhaus,D.;Williamson,M.P.,“The Nuclear Overhauser Effect in Structural and Conformational Analysis, 2nd Edition”,in “Methods in Stereochemical Analysis”,Marchand,A.P.(シリーズエディタ),John A.Wiley and Sons,New York 2000に述べられている。
Figure 2010533712
スキーム1において、置換インドールを、マンニッヒ反応において、ジメチルアミン及びパラホルムアルデヒドで処理し、3−(ジメチルアミノ)メチル−インドールを生成する。のニトロエステルとの反応により3−(インドール−3−イル)−2−ニトロ−プロピオン酸、エチルエステルを得、これをトリプトファン誘導体に還元する。中のアミンのアシル化及びエステルの加水分解により、適切に保護されたトリプトファン誘導体を得る。キラルカラムクロマトグラフィーによる又はの異性体の分離により個々の鏡像異性体を得る。
Figure 2010533712
スキーム2においては、置換インドールを、無水酢酸及び酢酸の存在下、L−セリンと反応させ、トリプトファンを生成する。アミドの加水分解、それに続くアミンの保護により、所望の置換トリプトファン中間体を得る。
Figure 2010533712
スキーム3においては、置換トリプトファン誘導体を、α−ブロモ−ケトンと反応させ、エステルを得る。酢酸アンモニウムとの反応は環化をもたらし、置換イミダゾールを得る。酸を用いたN−Boc保護基の除去によりインドールイミダゾールを得、これをピクテ−スペングラー環化反応によりアルデヒド又はケトンと反応させ、所望の生成物を得る。
中間体1
Figure 2010533712
tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
文献(Gordon,T.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.1993,3,915;Gordon,T.et al.,Tetrahedron Lett.1993,34,1901;Poitout,L.et al.,J.Med.Chem.2001,44,2990)に開示された方法により、N−Boc−D−トリプトファン及び2−ブロモアセトフェノンから標題の化合物を製造した。
中間体2
Figure 2010533712
(1R)−2(1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エタンアミン
文献(Gordon,T.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.1993,3,915;Gordon,T.et al.,Tetrahedron Lett.1993,34,1901;Poitout,L.et al.,J.Med.Chem.2001,44,2990)に開示された方法に従い、tert−ブチル(1R)−2(1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートを塩酸又はトリフルオロ酢酸を用いて処理することにより、標題の化合物を製造した。
中間体3
Figure 2010533712
tert−ブチル(1R)−2−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)エチルカルバメート
工程A:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−1−メチル−D−トリプトファン
100mLの一口丸底フラスコに、1−メチル−D−トリプトファン(3.4g,15.58ミリモル)、メタノール(50mL)及びDIPEA(4.03g,31.2ミリモル)を満たした。ジ−tert−ブチルジカルボネート(4.08g,18.69ミリモル)を加えながら、全ての固体が溶解するまで混合物を撹拌した。次いで、混合物を30分間撹拌した。ロータリーエバポレータにより溶媒を除去し、残渣を、酢酸エチル(30mL)及び1N HCl(15mL)で分配した。水層を、pH=4に調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−1−メチル−D−トリプトファンを得、これを更に精製することなく次の工程で直接用いた。LC−MS:m/z319(M+H)(3.0min).
工程B:N−(tert−ブトキシカルボニル)−1−メチル−D−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル
100mLの一口丸底フラスコに、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−1−メチル−D−トリプトファン(4.96g,15.58ミリモル)、炭酸セシウム(2.69g,8.26ミリモル)及びエタノール(40mL)を満たした。混合物を室温で30分間撹拌し、ロータリーエバポレータにより溶媒を除去した。DMF(40mL)中の得られた塩に、2−ブロモ−4’−フルオロアセトフェノン(3.45g,15.89ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下、室温で18時間撹拌した。ロータリーエバポレータにより溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈した。CsBrをろ過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄した。ろ液を濃縮し、N−(tert−ブトキシカルボニル)−1−メチル−D−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステルを得、これを更に精製することなく、次の工程で直接用いた。LC−MS:m/z455(M+H)(1.25min).
工程C:tert−ブチル(1R)−2−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)エチルカルバメート
200mLの一口丸底フラスコに、N−(tert−ブトキシカルボニル)−1−メチル−D−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル(7.08g,15.58ミリモル)、酢酸アンモニウム(4.80g,62.3ミリモル)及びキシレン(40mL)を満たした。次いで、混合物を還流温度で3時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで水、飽和NaHCO水溶液、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、MPLC(120gシリカゲル、移動相として、ヘキサン中の0〜40%酢酸エチル)により精製し、tert−ブチル(1R)−2−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)エチルカルバメートを固体として得た。LC−MS:m/z435(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):7.63(1H,br),7.61(1H,br),7.28(1H,d,J=8.5Hz),7.21(t,J=7Hz),7.07(5H,m),6.83(1H,s),5.58(1H,br),5.03(1H,q,J=7.5Hz),3.7(3H,s,3.54(1H,br),3.41(1H,dd,J=14.5,7Hz),2.23(1H,br),1.41(9H,s).
中間体4
Figure 2010533712
tert−ブチル(1R)−及び(1S)−2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
工程A:N α −tert−ブトキシカルボニル−5−ブロモ−トリプトファン
100mLの一口丸底フラスコに、D,L−5−ブロモ−トリプトファン(2.06g,7.28ミリモル)、メタノール(20mL)及びDIPEA(1.81g,14.55ミリモル)を満たした。ジ−tert−ブチルジカルボネート(1.91g,8.72ミリモル)を加えながら、混合物を撹拌した。混合物を30分間撹拌した。次いで、ロータリーエバポレータにより溶媒を除去し、残渣を、酢酸エチル(30mL)及び1N HCl(15mL、pH=4)で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、標題の化合物を得た。LC−MS:m/z383(M+H)
工程B:N α −tert−ブトキシカルボニル−5−ブロモ−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル
100mLの一口丸底フラスコに、Nα−tert−ブトキシカルボニル−5−ブロモ−トリプトファン(2.78g,7.25ミリモル)、炭酸セシウム(1.25g,3.84ミリモル)及びエタノール(20mL)を満たした。混合物を室温で30分間撹拌し、ロータリーエバポレータにより溶媒を除去した。DMF(20mL)中の得られた塩に、2−ブロモ−4’−フルオロアセトフェノン(1.61g,7.40ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下、室温で18時間撹拌した。ロータリーエバポレータにより溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈した。CsBrをろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を濃縮し、Nα−tert−ブトキシカルボニル−5−ブロモ−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステルを固体として得た。LC−MS:m/z519(M+H)
工程C:tert−ブチル(1R,S)−2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
100mLの一口丸底フラスコに、Nα−tert−ブトキシカルボニル−5−ブロモ−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル(3.77g,7.26ミリモル)、酢酸アンモニウム(2.34g,29ミリモル)及びキシレン(40mL)を満たした。次いで、混合物を、還流温度で3時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで水、飽和NaHCO水溶液、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、MPLC(120gシリカゲル、ヘキサン中の0〜40%酢酸エチルで溶出)により精製し、tert−ブチル(1R,S)−2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートを固体として得た。LC−MS:m/z599(M+H)
工程D:tert−ブチル(1R,S)−2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートの鏡像異性体の分割
tert−ブチル(1R,S)−2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(2.48g,4.97ミリモル)のイソプロパノール(40mL)中の溶液を、ヘプタン中の12%イソプロパノールで溶出する、ChiralCel(登録商標)OD(登録商標)カラム(2×25cm)で分割した。速く溶出する鏡像異性体の保持時間は14.1分であり、遅く溶出する鏡像異性体の保持時間は21.6分であった。LC−MS:m/z501(M+H)(2min).
中間体5
Figure 2010533712
tert−ブチル1(R)−及び1(S)−2−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
工程A:1−ニトロ−3,4−ジフルオロ−6−メチルベンゼン
0℃で、3,4−ジフルオロトルエン(25.6g,0.2モル)のHSO(100mL)中の撹拌溶液に、KNO(20.2g,0.2モル)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷/水(200g)に注ぎ入れ、EtOAc(300mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、標題の化合物を淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.90〜7.96(m,1H),7.13〜7.19(m,1H),2.60(s,3H).
工程B:1−ジエチルアミノ−2−(4,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−エチレン
N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール(11.2g,64ミリモル)及び1−ニトロ−3,4−ジフルオロ−6−メチルベンゼン(5g,32ミリモル)の混合物を、無水DMF中、120℃で10時間加熱した。得られた暗赤色の溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び水で分配した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、粗1−ジエチルアミノ−2−(4,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−エチレンを黒色固体として得、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
工程C:5,6−ジフルオロ−1H−インドール
75℃で、亜鉛粉末を、1−ジエチルアミノ−2−(4,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−エチレン(17.3g,76ミリモル)の80% AcOH中の溶液に4時間かけて一部ずつ加えた。反応混合物を冷却し、ろ過した。固体をEtOAcに溶解し、水及び食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で蒸発させ、5,6−ジフルオロ−1H−インドールを得て、これを50:1石油エーテル/エーテルで溶出するシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。H NMR(300MHz,CDCl):δ8.143(s,1H),7.09〜7.40(m,3H),6.44〜6.51(m,1H).
工程D:N α −アセチル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン
L−セリンを、5,6−ジフルオロ−1H−インドール(3.83g,25ミリモル)のAcOH及びAcO中の溶液に溶解し、混合物を、N雰囲気下、73℃で2時間撹拌した。冷却した後、反応混合物をMTBEで希釈し、30%NaOH水溶液を用いてpH=10に調整した。水層に更にMTBEを加え、分離した。有機層を、1N NaOHで更に抽出し、少量のNaを、混合アルカリ溶液に加え、これを1/2容量に濃縮し、HClを用いてpH=3に酸性化し、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=15:1で溶出)により精製し、Nα−アセチル−5,6−ジフルオロ−トリプトファンを黒色の油状物質として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d):δ11.00(s,1H),8.06〜8.91(m,1H),7.43〜7.50(m,1H),7.27〜7.33(m,1H),7.18(s,1H),4.36〜4.43(m,1H),3.06〜3.13(m,1H),2.87〜2.97(m,1H),1.77(s,3H).LC−MS:m/z283(M+H)
工程E:5,6−ジフルオロ−トリプトファン
α−アセチル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン(1.8g,6.38ミリモル)及びHCl/HO(10mL/10mL)の混合物を、100℃で16時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、5,6−ジフルオロ−トリプトファンを粗生成物として得、これを更に精製することなく、次の工程で用いた。LC−MS:m/z241(M+H)(6min).
工程F:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン
5,6−ジフルオロ−トリプトファン(1.53g,6.38ミリモル)、トリエチルアミン(2.23mL,15.9ミリモル)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(1.67g,7.66ミリモル)の混合物を、無水ジクロロメタン(20mL)中、室温で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル及び水(50mL/20mL)で分配した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−5,6−ジフルオロ−トリプトファンを得、これを更に精製することなく、次の工程で用いた。LC−MS:m/z363(M+Na)(2min).
工程G:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル
α−tert−ブチルオキシカルボニル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン(1.2g,3.53ミリモル)の無水DMF(15mL)中の溶液に、炭酸セシウム(0.574g,1.76ミリモル)を加えた。室温で30分間撹拌した後、2−ブロモアセトフェノン(0.737g,3.7ミリモル)を混合物に加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。酢酸エチル及び水(50mL/20mL)で反応を停止した後、水層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。一緒にした酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶出するシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステルを得た。LC−MS:m/z481(M+Na)(2min).
工程H:tert−ブチル1(R,S)−2−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
α−tert−ブチルオキシカルボニル−5,6−ジフルオロ−トリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル(1.6g,3.53ミリモル)及び酢酸アンモニウム(0.81g,10.6ミリモル)の混合物を、キシレン(10mL)中、145℃で2時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を、酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液(60mL/40mL)で分配した。水層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。一緒にした酢酸エチルを食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、乾燥した。残渣を、ジクロロメタン中の5% MeOHで溶出するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル1(R,S)−2−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートを得た。LC−MS:m/z439(M+H)(2min).
工程I:tert−ブチル1(R,S)−2−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートの鏡像異性体の分割
tert−ブチル1(R,S)−2−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(0.92g,2.09ミリモル)のイソプロパノール(20mL)中の溶液を、ヘプタン中の12%イソプロパノールで溶出するODカラムにより分割した。速く溶出する鏡像異性体の保持時間は13.5分であり、遅く溶出する鏡像異性体の保持時間は22.5分であった。両鏡像異性体は、同じLC−MSを与えた:m/z439(M+H)(2min).
中間体6
Figure 2010533712
tert−ブチル1(R)−及び1(S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
工程A:エチル5−フルオロピリジン−2−カルボキシレート
2−ブロモ−5−フルオロピリジン(5g,28.4ミリモル)、無水エタノール(20mL,343ミリモル)、トリエチルアミン(7.92mL,56.8ミリモル)、トリフェニルホスフィン(2.98g,11.36ミリモル)及び酢酸パラジウム(1.276g,5.68ミリモル)のDMF中の撹拌溶液に、一酸化炭素(CO)ガスを約30分間パージした。次いで、反応フラスコにCOバルーンを設置し、COの存在下、混合物を60℃で5日間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を冷水(100mL)に注ぎ入れ、生成物をエーテル(150mL)で3回抽出した。一緒にした有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の0%EtOAc〜20%EtOAcで溶出するMPLCにより精製し、エチル5−フルオロピリジン−2−カルボキシレートを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.64−8.62(m,1H),8.24−8.20(m,1H),7.58−7.54(m,1H),4.52−4.50(m,2H),1.50−1.45(m,3H).CFNOのLC−MS実測値:m/z170.07(M+H)
工程B:5−フルオロピリジン−2−カルボン酸
エチル5−フルオロピリジン−2−カルボキシレート(3.5g,20.69ミリモル)のTHF(20mL)中の撹拌溶液に、水(20mL)中の水酸化リチウム一水和物(4.34g,103ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水中で、1N HCl水溶液を用いてpHを約7に調整し、濃縮して乾燥し、5−フルオロピリジン−2−カルボン酸を塩化リチウムと一緒に得た。CFNOのLC−MS実測値:m/z142.15(M+H)(0.6min).
工程C:2−ブロモ−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタノン
室温で、5−フルオロピリジン−2−カルボン酸(塩化リチウムの混入を考慮して2.95ミリモル)の塩化メチレン(20mL)中の撹拌懸濁液に、塩化オキサリル(DCM中2.0M,4.43mL,8.85ミリモル)を滴下して加え、次いで、DMF(0.1mL)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで固体をろ過して除去し、DCMで洗浄した。ろ液を、元の容量の3分の1まで濃縮し、無水THF(20mL)を加えた。0℃で、この溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(エーテル中2.0,5.90mL,11.80ミリモル)を滴下して加えた。混合物を、室温で更に30分間撹拌し、次いで、再度0℃に冷却し、次いで、濃HBr(水中48%,1mL,8.85ミリモル)を滴下して加えた。泡の発生が止まった後、混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮し、粗2−ブロモ−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタノンを得、これを次の反応で用いた。CBrFNOのLC−MS実測値:m/z218.02(M+H)(2.18min).
工程D:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−トリプトファン
6−フルオロ−D,L−トリプトファン(5.82g,26.0ミリモル)のジオキサン(80mL)中の撹拌溶液に、1N NaOH(30mL)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(6.286g,2.85ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、1N HClを用いてpHを約6〜7に調整した。生成物をEtOAcで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を得た。C19FNのLC−MS実測値:m/z345.2(M+Na)(2.83min).
工程E:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−トリプトファン,2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−2−オキソエチルエステル
α−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−トリプトファン(3.0g,9.31ミリモル)の無水エタノール(21mL)中の撹拌溶液に、炭酸セシウム(3.03g,9.31ミリモル)を加えた。懸濁液を室温で30分間撹拌し、次いで、濃縮して乾燥し、次いで、無水DMF(36mL)を加えた。この撹拌懸濁液に、2−ブロモ−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタノン(3.34g,11.17ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮した。残渣にEtOAcを加え、次いで、固体をろ過して除去し、EtOAcで洗浄した。一緒にしたろ液を濃縮し、粗生成物を、溶出溶媒としてヘキサン中の50% EtOAcを用いてMPLCにより精製し、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−トリプトファン,2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−2−オキソエチルエステルを得た。C2323のLC−MS実測値:m/z482.26(M+Na)(1.19min).
工程F:tert−ブチル1(R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
α−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−トリプトファン,2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−2−オキソエチルエステル(583mg,1.26ミリモル)及び酢酸アンモニウム(978mg,12.69ミリモル)の混合物を、無水キシレン(30mL)中、還流温度で4時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を濃縮し、残渣を、EtOAc(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(50mL)で分配した。生成物をEtOAc(50mL)で3回抽出し、一緒にした有機抽出物を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、溶出溶媒としてEtOAcを用いてMPLCにより精製し、tert−ブチル1(R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.41−8.39(1H),8.0−7.9(1H),7.7−7.4(3H),7.1−6.9(2H),6.8−6.7(1H),5.18−4.95(1H),3.20−3.40(2H),1.40−30(9H).C2323のLC−MS実測値:m/z440.14(M+H)(1.03min).
工程G:tert−ブチル1(R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートの鏡像異性体の分割
tert−ブチル1(R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(650mg)を、ChiralCel(登録商標)ODカラム(2cm×25cm)を用いたGilsonシステムにより(移動相としてヘプタン中の15%IPA、9mL/分の流速、220nmの波長及び1回の可動あたり約50mg、60分の可動時間)、分割し、tert−ブチル2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートのそれぞれの鏡像異性体を得た。C2323を有する両方の異性体について見られるLC−MS: m/z 440.14(M +H)(1.03 min).
中間体7
Figure 2010533712
tert−ブチル1(R)−及び1(S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート
工程A:1−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン
500mLの一口丸底フラスコに、6−フルオロインドール(5g,37.0ミリモル)、ジメチルアミン塩酸塩(9.05g,111ミリモル)、パラホルムアルデヒド(1.33g,44.4ミリモル)及び1−ブタノール(100mL)を満たした。得られた混合物を、還流温度で1時間撹拌及び加熱した。室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1N NaOH(120mL)で洗浄した。次いで、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、1−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミンを明るい色の固体として得た。LC−MS:m/z193(M+H)
工程B:エチル3−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−2−ニトロプロパノアート
100mLの三ツ口丸底フラスコに、1−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(7.11g,37.0ミリモル)、エチル2−ニトロプロピオネート(5.99g,40.7ミリモル)及びキシレン(100mL)を満たした。フラスコにコンデンサ、窒素注入口及び隔壁を備え付けた。規則的な窒素流の下、混合物を還流温度で、8時間撹拌及び加熱した。次いで、混合物をロータリーエバポレータにより濃縮し、残渣をMPLC(120gシリカゲル、ヘキサン中の0〜30%酢酸エチルで溶出)により精製し、エチル3−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−2−ニトロプロパノアートを得た。LC−MS:m/z295(M+H)(3.23min).H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):8.15(1H,s),7.45(1H,dd,J=8.5,5Hz),7.04(1H,dd,J=9.5,2Hz),6.99(1H,d,J=2Hz),6.91(1H,td,J=5,2Hz),4.27(2H,m),3.78(1H,d,J=15Hz),3.60(1H,d,J=15Hz),1.73(3H,s),1.27(3H,m).
工程C:6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル
500mLの一口丸底フラスコに、エチル3−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−2−ニトロプロパノアート(7.02g,23.85ミリモル)、亜鉛(9.36g,143ミリモル)及び酢酸(100mL)を満たした。次いで、混合物を70℃で、1時間撹拌及び加熱した。室温まで冷却したのち、ろ過により固体を除去し、酢酸エチルで洗浄した。ロータリーエバポレータによりろ液を濃縮し、次いで、残渣を、酢酸エチル(100mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステルを白色固体として得た。LC−MS:m/z265(M+H)(0.90min).
工程D:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル
250mLの一口丸底フラスコに、6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル(5.76g,21.79ミリモル)、THF(100mL)及びトリエチルアミン(6.62g,65.4ミリモル)を満たした。ジ−tert−ブチルジカルボネート(7.13g,32.7ミリモル)を一度に加えながら、混合物を撹拌し、反応混合物を20時間撹拌した。次いで、水(30mL)を用いて反応物の反応を停止した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、MPLC(120gシリカゲル、ヘキサン中の10〜100%酢酸エチルで溶出)により精製し、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステルを得た。LC−MS:m/z365(M+H)(1.18min).H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):8.08(1H,s),7.49(1H,dd,J=9,5.5Hz),7.01(1H,dd,6.95(1H,s),6.86(1H,td),5.18(1H,br),4.22(2H,m),3.46(1H,br),3.35(1H,d,J=14.5Hz),1.56(3H,s),1.44(9H,s),1.24(3H,m).
工程E:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン
250mLの一口丸底フラスコに、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル(5.29g,14.52ミリモル)及びメタノール(40mL)を満たした。5N NaOH溶液(20mL)を加えながら混合物を撹拌し、得られた反応混合物を60℃で1時間加熱した。混合物を元の容量の3分の1まで濃縮し、次いで、水(10mL)及び酢酸エチル(40mL)で分配した。濃HCl(約6mL)を用いて、水層のpHを2に調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(40mL)で2回抽出した。一緒にした有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファンを得た。LC−MS:m/z337(M+H)
工程F:N α −tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル
250mLの一口丸底フラスコに、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン(4.88g,14.51ミリモル)、炭酸セシウム(4.73g,14.51ミリモル)及びDMF(40mL)を満たした。2−ブロモ−4’−フルオロアセトフェノン(3.46g,15.96ミリモル)を加えながら、混合物を撹拌した。窒素雰囲気下、混合物を室温で2時間撹拌した。ロータリーエバポレータにより溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈した。CsBrの固体をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を濃縮し、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステルを得た。LC−MS:m/z473(M+H)
工程G:tert−ブチル(1R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−メチル−1−エチルカルバメート
500mLの一口丸底フラスコに、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−6−フルオロ−α−メチルトリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル(6.85g,14.51ミリモル)、酢酸アンモニウム(6.71g,87ミリモル)及びキシレン(40mL)を満たした。次いで、混合物を3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、MPLC(120gシリカゲル、ヘキサン中の10〜60%酢酸エチルで溶出)により精製し、tert−ブチル(1R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−メチル−1−エチルカルバメートを得た。LC−MS:m/z453(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):7.65(2H,br),7.17(2H,m),7.08(2H,t,J=8.5Hz),6.96(1H,dd),7.79(1H,s),6.64(1H,t),3.44(2H,br),1.65(3H,s),1.42(9H,br).
工程H:tert−ブチル(1R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−メチル−1−エチルカルバメートの鏡像異性体の分割
tert−ブチル(1R,S)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−メチル−1−エチルカルバメートを、20%IPA/ヘプタンで溶出するChiralPak(登録商標)AD(登録商標)カラムにより分割し、それぞれ個々の鏡像異性体を得た:(ヘプタン中の20%IPAによるchiral ADカラムにおいてR=10.4分)及び(ヘプタン中の20%IPAによるchiral ADカラムにおいてR=17.2分)。
中間体8
Figure 2010533712
tert−ブチル(1R)−及び(1S)−2−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
工程A:1−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン
500mLの一口丸底フラスコに、6−クロロインドール(17.39g,115ミリモル)、ジメチルアミン塩酸塩(28.1g,344ミリモル)、パラホルムアルデヒド(4.13g,138ミリモル)及び1−ブタノール(200mL)を満たした。次いで、得られた反応混合物を還流温度で1時間撹拌及び加熱した。室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1N NaOH(120mL)で洗浄した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を、水、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、1−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミンを明るい色の固体として得た。LC−MS:m/z209(M+H)
工程B:エチル3−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−2−ニトロプロパノアート
1000mLの三ツ口丸底フラスコに、1−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(23.95g,115ミリモル)、エチル2−ニトロプロピオネート(18.57g,126ミリモル)及びキシレン(200mL)を満たした。フラスコにコンデンサ、窒素注入口及び隔壁を設置した。混合物を、規則的な窒素流の下、8時間、撹拌及び加熱還流した。次いで、ロータリーエバポレータにより混合物を濃縮し、残渣を、MPLC(330gシリカゲル、ヘキサン中の0〜30%酢酸エチルで溶出)により精製し、エチル3−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−2−ニトロプロパノアートを、粘着性のある油状物質として得た。LC−MS:m/z311(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):8.16(1H,s),7.45(1H,dd),7.35(1H,d),7.06(1H,dd),7.00(1H,d),4.27(2H,m),3.78(1H,d,J=15Hz),3.60(1H,d,J=15Hz),1.73(3H,s),1.27(3H,m).
工程C:6−クロロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル
500mLの一口丸底フラスコに、エチル3−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−2−ニトロプロパノアート(26.3g,85ミリモル)、亜鉛(33.2g,508ミリモル)及び酢酸(200mL)を満たした。次いで、混合物を70℃で1時間撹拌及び加熱した。室温まで冷却した後、ろ過により固体を除去し、酢酸エチルで洗浄した。ロータリーエバポレータによりろ液を濃縮し、次いで、残渣を、酢酸エチル(200mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、6−クロロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステルを白色固体として得た。LC−MS:m/z281(M+H)(1.20min).
工程D:N α −tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル
250mLの一口丸底フラスコに、6−クロロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル(23.76g,85ミリモル)、THF(300mL)及びトリエチルアミン(25.7g,254ミリモル)を満たした。ジ−tert−ブチルジカルボネート(27.7g,127ミリモル)を一度に加えながら混合物を撹拌し、反応混合物を20時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をMPLC(330gシリカゲル、ヘキサン中の10〜100%酢酸エチルで溶出)により精製し、Nα−tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステルを得た。LC−MS:m/z381(M+H)(1.18min).H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):8.45(1H,s),7.46(1H,dd,J=9Hz),7.29(1H,s)7.03(1H,d),6.92(1H,s),5.20(1H,br),4.22(2H,m),3.40(1H,br),3.35(1H,d,J=14Hz),1.59(3H,s),1.44(9H,s),1.24(3H,m).
工程E:N α −tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン
α−tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン,エチルエステル(4.28g,11.24ミリモル)、水酸化ナトリウム(2.7g,67.4ミリモル)及びMeOH/HO(38mL/19mL)の混合物を、55℃で4時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を、酢酸エチル及びHO(50mL/50mL)で分配した。濃HClを用いてpHを約6に調整し、水層を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。一緒にした抽出物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、Nα−tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファンを得、これを更に精製することなく次の工程で用いた。LC−MS:m/z352(M+H)(2min).
工程F:N α −tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル
α−tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン(3.8g,10.77ミリモル)の無水DMF(30mL)中の混合物に、炭酸セシウム(3.5g,10.7ミリモル)を加えた。室温で30分間撹拌した後、2−ブロモ−4−フルオロアセトフェノン(2.45g,11.3ミリモル)を混合物に加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。酢酸エチル及び水(100mL/50mL)で反応物の反応を停止した。水層を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Nα−tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステルを得た。LC−MS:m/z489(M+H)(2min).
工程G:tert−ブチル(1R,S)−2−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート
α−tert−ブトキシカルボニル−6−クロロ−α−メチルトリプトファン,2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチルエステル(3.35g,6.85ミリモル)及び酢酸アンモニウム(2.11g,27.4ミリモル)のキシレン(20mL)中の混合物を、145℃で2時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を、酢酸エチル及び飽和NaHCO水溶液(100mL/50mL)で分配した。水層を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、ヘキサン中の60%酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題の化合物を得た。LC−MS:m/z469(M+H)(2min).
工程H:tert−ブチル(1R,S)−2−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメートの鏡像異性体の分割
tert−ブチル(1R,S)−2−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート(1.0g,2.13ミリモル)のイソプロパノール(20mL)中の溶液を、移動相としてヘプタン中の15%イソプロパノールを用い、ChiralPak AD(登録商標)カラムを用いて分割した。速く溶出する鏡像異性体の保持時間は23.6分であり、遅く溶出する鏡像異性体の保持時間は33.6分であった。LC−MS:m/z469(M+H)(2min).
中間体9
Figure 2010533712
tert−ブチル(1R,S)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート
工程A:tert−ブチル(1R,S)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート
文献(Gordon,T.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.1993,3,915;Gordon,T.et al.,Tetrahedron Lett.1993,34,1901;Poitout,L.et al.,J.Med.Chem.2001,44,2990)に開示された方法により、N−Boc−α−メチル−トリプトファン及び2−ブロモ−4’−フルオロ−アセトフェノンから標題の化合物を製造した。
工程B:tert−ブチル(1R,S)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメートの鏡像異性体の分割
tert−ブチル(1R,S)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート(500mg,1.15ミリモル)のChiral HPLC分割を、ヘプタン中の20%イソプロパノールの0.5mL/分の流速及び254nmにおけるUV検出により、ChiralPak AD(登録商標)4.6×250mmカラムを用いて実施した。速く溶出する鏡像異性体及び遅く溶出する鏡像異性体の保持時間は、それぞれ、16.2分及び24.7分であった。速く溶出する鏡像異性体のH NMR(500MHz,CDOD):δ7.61(m,2H),7.31(m,2H),7.20(m,1H),7.14(t,2H),7.04(t,1H),6.90(m,2H),3.46(m,2H),1.73(s,3H),1.44(s,9H).LC−MS:m/z435.08(M+H)(2.67min)。遅く溶出する鏡像異性体のH NMR及びLC−MSは、速く溶出する鏡像異性体のものと同じであった。
中間体1又は他の中間体に引用された文献に開示された方法に従い、適宜置換されたD−又はD,L−トリプトファン誘導体及びハロメチルアリールケトンから、表1に示す中間体を製造した。
Figure 2010533712
中間体17
Figure 2010533712
テトラヒドロフラン−2−オン−4−カルボキシアルデヒド
工程A:4−ヒドロキシメチル−テトラヒドロフラン−2−オン
文献(Mori et al.,Tetrahedron.38:2919−2911,1982)に開示された方法に従い、テトラヒドロフラン−2−オン−4−カルボン酸から標題の化合物を製造した。H NMR(500MHz,CDCl):δ5.02(s,1H),4.42(dd,1H),4.23(dd,1H),3.67(m,2H),2.78(m,1H),2.62,(dd,1H),2.40,(dd,1H).
工程B:テトラヒドロフラン−2−オン−4−カルボキシアルデヒド
4−ヒドロキシメチル−テトラヒドロフラン−2−オン(200mg,1.722ミリモル)のCHCl(15mL)中の溶液に、デスマーチンペルヨージナン(804mg,1.895ミリモル)を加えた。反応物を室温で2.5時間撹拌した。炭酸水素ナトリウム(1447mg,17.22ミリモル)及び水(2mL)を反応物に加えた。15分間撹拌した後、チオ硫酸ナトリウム(2723mg,17.22ミリモル)を加え、懸濁液を更に15分間撹拌した。懸濁液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。固体をCHClで洗浄した。有機ろ液を最小容量まで濃縮した。H NMR(500MHz,CDCl)は、δ9.74ppmにアルデヒドのシングレットを示した。粗生成物は、更に精製することなく、次の反応で用いた。
中間体18
Figure 2010533712
4−(メトキシメチレン)−2−メチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸,メチルエステル
工程A:2−メチル−2,3−ジヒドロ−4H−ピラン−4−オン−2−カルボン酸,メチルエステル
100mLの一口丸底フラスコに、ピルビン酸メチル(3.11g,30.5ミリモル)及びトルエン(50mL)と一緒にダニシェフスキージエン(5g,29.0ミリモル)を満たした。ZnCl(エーテル中、1M)の溶液(2.90mL,2.90ミリモル)を滴下して加えながら、5分間、混合物を撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温で18時間撹拌した。0.1N HCl(50mL)を加えることにより反応物の反応を停止し、室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、MPLC(120gシリカゲル、移動相としてヘキサン中の5〜50%酢酸エチル)により精製し、生成物を透明な液体として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.40(d,1H),5.48(d,1H),3.82(s,3H),3.05(d,1H),2.73(d,1H),1.71,(s,3H).
工程B:2−メチル−テトラヒドロピラン−4−オン−2−カルボン酸,メチルエステル
工程Aからの2−メチル−2,3−ジヒドロ−4H−ピラン−4−オン−2−カルボン酸,メチルエステル(3.54g,20.80ミリモル)及びPd−C(2.214g,2.080ミリモル)のメタノール(50mL)中の懸濁液にHバルーンを取り付けた。懸濁液を室温で4時間撹拌した。反応物をろ過し、触媒を除去した。触媒をMeOHで洗浄し、ろ過し、濃縮し、2−メチル−テトラヒドロピラン−4−オン−2−カルボン酸,メチルエステルを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ4.20(m,1H),3.93(m,1H),3.80(s,3H),2.95(d,1H),2.58(m,1H),2.43(m,2H),1.56(s,3H).
工程C:4−(メトキシメチレン)−2−メチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸,メチルエステル
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(7.71g,22.51ミリモル)のTHF(25mL)中の懸濁液を−20℃まで冷却し、THF中のカリウムtert−ブトキシド(18.00mL,18.00ミリモル)を加えた。10分後、工程Bからの2−メチル−テトラヒドロピラン−4−オン−2−カルボン酸,メチルエステル(1.55g,9.00ミリモル)のTHF(15mL)中の溶液を加えた。混合物を30分間撹拌し、次いで室温まで加温し、更に1時間撹拌した。混合物を−78℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止した。混合物をEtOAcで抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからEtOAcへの勾配)により4−(メトキシメチレン)−2−メチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸,メチルエステルを、幾何異性体の1:1混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)における特徴的なピークは、1種の異性体についてδ5.93(s,1H)であり、他の異性体について5.90(s,1H)である。
中間体19
Figure 2010533712
イソチアゾール−4−カルボキシアルデヒド
工程A:N−メトキシ−N−メチル−イソチアゾール−4−カルボキシアミド
イソチアゾール−4−カルボン酸(1g,7.74ミリモル)のCHCl(15mL)及びDMF(0.060mL,0.774ミリモル)中の溶液を0℃まで冷却し、塩化オキサリル(0.813mL,9.29ミリモル)を10分間かけて滴下して加えた。反応混合物を室温まで加温し、1時間撹拌した。得られた酸塩化物溶液を、N−メトキシ−N−メチル−アミン塩酸塩及びKCO(4.82g,34.8ミリモル)の水(10mL)中の冷却溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いでEtOAcで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、N−メトキシ−N−メチル−イソチアゾール−4−カルボキシアミドを得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ9.25(s,1H),8.93(s,1H),3.66(s,3H),3.36(s,3H).
工程B:イソチアゾール−4−カルボキシアルデヒド
工程Aからの粗生成物N−メトキシ−N−メチル−イソチアゾール−4−カルボキシアミド(0.91g,5.28ミリモル)をCHCl(15mL)に溶解し、−78℃まで冷却した。溶液をDIBAL(15.85mL,15.85ミリモル)で処理し、−78℃に3時間維持した。−78℃で、飽和NHCl水溶液(3mL)を滴下して加えることにより反応物の反応を停止し、室温まで加温し、一晩冷却し続けた。混合物を水及びエーテルで希釈し、ロッシェル塩(6g)で処理し、室温で2時間撹拌した。有機層を分離し、水層をエーテルで抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮し、イソチアゾール−4−カルボキシアルデヒドを得、これをさらに精製することなく用いた。H NMR(500MHz,CDCl):δ10.16(s,1H),9.38(s,1H),9.01(s,1H).
中間体20
Figure 2010533712
2−エトキシ−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−エタノン
工程A:N−メトキシ−N−メチル−2−エトキシアセトアミド
エトキシ酢酸(4.54mL,48.0ミリモル)のCHCl(80mL)及びDMF(0.372mL,4.80ミリモル)中の溶液を0℃まで冷却し、塩化オキサリル(5.05mL,57.6ミリモル)を10分間かけて滴下して加えた。反応混合物を室温まで加温し、1時間撹拌した。得られた酸塩化物溶液を、N−メトキシ−N−メチル−アミン塩酸塩及びKCO(29.9g,216ミリモル)の水(40mL)中の冷却溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗N−メトキシ−N−メチル−2−エトキシアセトアミドを得、これをCHClからアセトンへの勾配を用いて溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。H NMR(500MHz,CDCl):δ4.29(s,2H),3.72(s,3H),3.65(q,2H),3.22(s,3H),1.29(t,3H).
工程B:2−エトキシ−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−エタノン
0℃で、1−メチル−4−ヨード−1H−ピラゾール(3g,14.42ミリモル)のTHF(40mL)中の溶液に、イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中、2.0M)(8.00mL,16.01ミリモル)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、−78℃まで冷却し、工程AからのN−メトキシ−N−メチル−2−エトキシアセトアミド(3.18g,21.63ミリモル)を加えた。混合物を、ゆっくりと1.5時間かけて室温まで加温した。反応物を−78℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液を滴下して加えることにより反応を停止し、室温まで加温し、一晩冷却し続けた。反応物を冷却した1N HClで希釈し、EtOAcで4回抽出した。一緒にした有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。50%EtOAc/ヘキサン〜100%EtOAcの勾配で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより2−エトキシ−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−エタノンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.07(s,1H),8.03(s,1H),4.38(s,2H),3.96(s,3H),3.62(q,2H),1.29(t,3H).
中間体21
Figure 2010533712
工程A:3−ヒドロキシメチル−1−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン
1−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−カルボン酸(200mg,1.281ミリモル)をTHF(2.0mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.179mL,1.281ミリモル)を加え、反応物を氷浴中で冷却した。クロロ蟻酸エチル(0.168mL,1.281ミリモル)を、一時にすべて加えた。沈殿が生成し、混合物を氷浴の温度で15分間撹拌した。水(1.0mL)中のNaBH(121mg,3.2ミリモル)を加えた結果、ガスが激しく発生した。氷浴を取り除き、反応物を室温で2時間撹拌した。多少の水を加え、混合物をCHClで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を食塩水で洗浄した。水層を濃縮して乾燥し、15分間撹拌しながらCHClで粉砕した。混合物をろ過し、10分間撹拌しながら固体を再度CHClで処理した。混合物をろ過し、全てのCHCl抽出物を一緒にし、濃縮して乾燥した。残渣を室温、減圧下で乾燥し、粗生成物を無色の油状物質として得た。生成物を、12:8:2のヘキサン−EtOAc−MeOHで溶出するシリカゲル(1と1/4インチ×3と3/4インチ)によるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−ヒドロキシメチル−1−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジンを無色の油状物質として得た。MS:[M+H]+=143.H−NMR(500MHz,CDCl):δCH−O(4.31,s,2H),N−CH(3.4,s,3H),環状CH(2.54,m,4H),OH+HO(2.2,ブロードベースラインピーク,〜2H).
工程B:1−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−カルボキシアルデヒド
塩化オキサリル(382μL,4.36ミリモル)をCHCl(4.0mL)に溶解し、−70℃に冷却した。DMSO(619μL,8.73ミリモル)を数分かけて加えた結果、ガスが発生した。反応混合物を−70℃で20分間撹拌し、次いで、3−ヒドロキシメチル−1−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン(564mg,3.97ミリモル)のCHCl(6mL)中の溶液を5分間かけて加えた。生成した沈殿及び混合物を−70℃で更に40分間撹拌した。次いで、トリエチルアミン(2.76mL,19.84ミリモル)を加え、氷浴を取り除き、反応物を室温まで加温した。混合物をCHClで希釈し、少量の水を、多少の食塩水と一緒に加えた。層を分離し、水層を、少量のMeOHを含むCHClで2回抽出した。一緒にした抽出物を無水MgSOで乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレータにより濃縮した。生成物を、ヘキサン−EtOAc−MeOH(12:8:2)で溶出するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1−メチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−カルボキシアルデヒドを淡黄色固体として得た。MS:[M+H]+=141.
中間体22
Figure 2010533712
1−メチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルケトン
0℃で、1−メチル−4−ヨード−1H−ピラゾール(3g,14.42ミリモル)のTHF(40mL)中の溶液に、2.0Mのイソプロピルマグネシウムクロライド(THF中、8.00mL,16.01ミリモル)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、−78℃に冷却し、N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシアミド(中間体19、工程Aの製造について開示された工程に従い、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボン酸の酸塩化物及びN−メトキシ−N−メチルアミン塩酸塩から製造)(3.21g,18.75ミリモル)を加えた。混合物を1.5時間かけてゆっくりと室温まで加温した。反応物を−78℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液をゆっくりと滴下して加えることにより反応を停止し、室温まで加温した。反応物を冷所に一晩置いた。反応物を、冷却した1N HCl水溶液で希釈し、EtOAcで4回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。生成物を、ヘキサン中の10%EtOAc〜100%EtOAcの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1−メチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イルケトンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.41(s,1H),8.29(s,1H),3.99(s,3H),2.71(s,3H).
実施例1
Figure 2010533712
(3R)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
25mLの一口丸底フラスコに、tert−ブチル(1R)−2−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)エチルカルバメート(中間体3)(106mg,0.244ミリモル)、塩化メチレン(1mL)及びTFA(0.5mL)を満たした。混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、テトラヒドロ−2H−ピラニル−4−カルボキシアルデヒド(55.7mg,0.488ミリモル)を加え、得られた反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、水及び酢酸エチルで分配した。水層を、飽和NaHCO水溶液を用いて塩基性にし、抽出処理を行った。次いで、生成物を、分取用TLC(2000nm、3:2酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、(3R)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS:m/z431(M+H)H NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):7.70(2H,br),7.56(1H,d,J=8Hz),7.30(1H,d,J=8Hz),7.24(1H,t,J=8Hz),7.14(1H,t,7.5Hz),7.07(2H,t,8.5Hz),4.59(1H,m),4.06(2H,m),3.93(2H,dd),3.44(1H,m),3.32(2H,m),3.05(1H,dd),2.14(1H,m),1.67(3H,m).
実施例2
Figure 2010533712
(3R)−6,7−ジフルオロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
2−(5,6−ジフルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体5)の速く溶出する鏡像異性体(0.02g,0.046ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(0.039mL,0.502ミリモル)の混合物を、ジクロロメタン(1mL)中、室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。残渣に、テトラヒドロ−2H−ピラニル−4−カルボキシアルデヒド(0.01g,0.091ミリモル)及びジクロロメタン(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濃縮して乾燥した。残渣をHPLCにより精製し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.81〜7.74(m,3H),7.51〜7.7.48(m,2H),7.45〜7.41(m,1H),7.31〜7.27(m,1H),7.23〜7.20(m,1H),4.71(dd,1H),4.59(s,1H),4.06(dd,1H),3.97(dd,1H),3.53(t,1H),3.45(t,1H),3.28(d,1H),3.18(qt,1H),2.44(t,1H),1.92〜1.86(m,1H),1.79〜1.72(m,2H),1.23(d,1H).LC−MS:m/z435(M+H)(2min).
実施例3
Figure 2010533712
3−(4−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
中間体9からの速く溶出する鏡像異性体(100mg,0.230ミリモル)のCHCl(3mL)中の懸濁液にTFA(2mL)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで、濃縮した。得られた物質をCHCl(5mL)に溶解し、4−テトラヒドロ−2H−ピラニル−4−カルボキシアルデヒド(52.5mg,0.460ミリモル)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。物質を濃縮して残渣を得、これを、移動相として以下の溶媒システム:すなわち5%(10%NHOH/90%CHOH)/95%CHClを用いて、分取用TLCにより精製した。ジアステレオマーのChiral HPLC分割を、ChiralCel(登録商標)OD(登録商標)カラム(4.6×250mm)を用い、ヘプタン中の15%エタノールの0.5mL/分の流速及び220nmにおけるUV検出により実施した。速く溶出するジアステレオマー及び遅く溶出するジアステレオマーの保持時間は、それぞれ、11.7分及び22.9分であった。速く溶出する異性体のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.80(m,2H),7.48(m,2H),7.39(m,1H),7.16(m,3H),7.04(t,1H),4.43,(s,1H),4.07,(dd,1H),3.98(dd,1H),3.53(t,1H),3.46(t,1H),3.26,(m,2H),2.39(m,1H),1.84(m,2H),1.66(s,3H),1.36(m,2H).LC−MS:m/z431.06(M+H)(2.72min).遅く溶出する異性体のLC−MS: m/z431.06(M+H)(2.62min).
実施例4
Figure 2010533712
7−クロロ−3−(4−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
中間体8、工程Hからの速く溶出する鏡像異性体(32mg,0.068ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(86mg,0.751ミリモル)の混合物を、ジクロロメタン(1mL)中、室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。残渣に、4−テトラヒドロ−2H−ピラニル−4−カルボキシアルデヒド(23.37mg,0.205ミリモル)及びジクロロメタン(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液(30mL/10mL)で分配した。水層を酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。一緒にした有機抽出物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、酢酸エチルで溶出するシリカゲルによる分取用TLCにより精製し、それぞれ個々のジアステレオマーを得た。
速く溶出するジアステレオマーのH NMR:(500MHz,CDCl):δ8.24(s,1H),7.70(s,br,1H),7.33(d,2H),7.22(s,1H),7.08〜7.05(m,3H),4.15(s,1H),4.05(dd,1H),3.95(dd,1H),3.44(t,1H),3.34(t,1H),3.12(qt,2H),1.83(qt,1H),1.61(d,2H),1.52(s,3H),1.30〜1.26(m,2H).LC−MS:m/z442(M+H)(2min).
遅く溶出するジアステレオマーのH NMR:(500MHz,CDCl):δ8.04(s,1H),7.56〜7.50(m,1H),7.41(d,1H),7.25(s,1H),7.12〜7.09(m,1H),7.03〜6.99(m,2H),6.96(s,1H),4.07(d,1H),3.99(d,1H),3.91(s,1H),3.53〜3.35(m,3H),2.91(d,1H),1.99(d,1H),1.80(d,1H),1.72(s,3H),1.61(d,1H),1.34〜1.25(m,2H).LC−MS:m/z465(M+H)(2min).
実施例5
Figure 2010533712
7−フルオロ−3−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
中間体6、工程Gからのtert−ブチル2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートの速く溶出する鏡像異性体(60mg,0.137ミリモル)の無水ジクロロメタン(2mL)の撹拌溶液にTFA(2mL)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで濃縮した。残渣を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアルデヒド(31.2mg,0.273ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。処理後、粗生成物を、逆相HPLCにより精製し、7−フルオロ−3−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.60−8.45(1H),8.10−7.80(2H),7.78−7.68(1H),7.55−7.42(1H),7.15−7.05(1H),6.95−6.82(1H),4.98−4.80(2H),4.15−4.00(2H),3.60−3.30(4H),2.60−2.50(1H),1.95−1.78(3H),1.42−1.35(1H).C2423OのLC−MS実測値:m/z436(M+H)(1.01min).
実施例6
Figure 2010533712
6−シアノ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
中間体4、工程Dからのtert−ブチル2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートの速く溶出する鏡像異性体(0.056g,0.112ミリモル)及びトリフルオロ酢酸(0.095mL,1.234ミリモル)のジクロロメタン(1mL)中の混合物を、室温で30分間撹拌した。次いで、減圧下で溶媒を除去した。残渣に、テトラヒドロピラニル−4−カルボキシアルデヒド(0.026g,0.224ミリモル)及びジクロロメタン(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濃縮して乾燥し、残渣を、HPLCにより精製し、6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを、単一のジアステレオ異性体として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.82〜7.79(m,2H),7.77(s,1H),7.62(s,1H),7.29(t,1H),7.24〜7.21(m,3H),4.81(dd,1H),4.72(s,1H),4.06(dd,1H),3.97(dd,1H),3.52(t,1H),3.45(t,1H),3.36〜3.24(m,2H),2.51(t,1H),1.86(qt,1H),1.80〜1.72(m,2H),1.27(d,1H).LC−MS:m/z495(M+H)(2min).
工程B:6−シアノ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(50mg,0.069ミリモル)、亜鉛粉末(1.62mg,0.025ミリモル)、シアン化亜鉛(19.48mg,0.166ミリモル)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン(6.13mg,0.011ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(5.06mg,5.53マイクロモル)及び無水N,N−ジメチルアセトアミド(1mL)の混合物を、厚肉パイレックス瓶中、130℃において1時間マイクロ波照射した。反応混合物を、酢酸エチル及び飽和NaHCO水溶液(30mL/20mL)で分配した。水層を酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。一緒にした有機抽出物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残渣を、HPLCにより精製し、6−シアノ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.91(s,1H),7.82〜7.78(m,3H),7.51(d,1H),7.41(d,1H),7.25(t,2H),4.66(dd,1H),4.58(s,1H),4.06(dd,1H),3.96(dd,1H),3.53(t,1H),3.45(t,1H),3.34(d,1H),3.16(t,1H),2.48(t,1H),1.95〜1.86(m,1H),1.81〜1.72(m,2H),1.18(d,1H).LC−MS:m/z442(M+H)(2min).
実施例7
Figure 2010533712
6−(ピラゾール−1−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−2,9−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
実施例6、工程Aからの6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(0.3g,0.606ミリモル)、トリエチルアミン(0.508mL,3.63ミリモル)、ジ−tert−ブチルジカルボネート(0.423g,1.938ミリモル)及び触媒量のDMAPの混合物を、無水ジクロロメタン(2mL)中、室温で16時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出する分取用TLCにより精製し、6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−2,9−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS:m/z797(M+H)(2min).
工程B:6−(ピラゾール−1−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−2−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
6−ブロモ−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−2,9−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(40mg,0.05ミリモル)、ピラゾール(11.71mg,0.25ミリモル)、ヨウ化銅(47.9mg,0.25ミリモル)、(1R,2R’)−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(35.8mg,0.25ミリモル)、炭酸カリウム(34.7mg,0.25ミリモル)及び無水アセトニトリル(1mL)の混合物を、厚肉パイレックス瓶中、150℃において2時間マイクロ波照射した。反応混合物をセライトによりろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液(30mL/20mL)で分配した。水層を酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。一緒にした有機抽出物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、6−(ピラゾール−1−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−2−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得、これを更に精製することなく次の工程で用いた。LC−MS:m/z583(M+Na)(2min).
工程C:6−(ピラゾール−1−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
6−(ピラゾール−1−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−2−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(40mg,0.069ミリモル)、濃HCl(1mL)及びメタノール(1mL)の混合物を40℃で2時間加熱した。減圧下で反応混合物を濃縮し、残渣を、HPLCにより精製し、6−(ピラゾール−1−イル)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.11(s,1H),7.82〜7.79(m,3H),7.74(d,1H),7.69(s,1H),7.47(d,2H),7.23(t,2H),6.50(d,1H),4.73(dd,1H),4.67(s,1H),4.07(dd,1H),3.98(dd,1H),3.54(t,1H),3.49(t,1H),3.38(dd,1H),2.50(t,1H),1.89(qt,1H),1.78〜1.76(m,2H),1.28(d,1H).LC−MS:m/z483(M+H)(2min).
実施例8
Figure 2010533712
(3R)−1−(4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアルデヒド
DIPEA(6.12mL,35.0ミリモル)のジクロロメタン(100mL)中の溶液を氷−水浴中で冷却した。この溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(6.33mL,35.0ミリモル)、次いで、テトラヒドロ−2H−ピラニル−4−カルボキシアルデヒド(2g,17.52ミリモル)のジクロロメタン(100mL)溶液を加えた。添加完了後、氷−水浴を取り除いた。反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、ヘキサン(200mL)で処理し、室温に1時間維持した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、粗TMSエーテルを得た。0℃で、粗TMSエーテルのジクロロメタン(100mL)中の溶液に、ジクロロメタン(100mL)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(9.95g,31.5ミリモル)を追加ロートにより加えた。3時間後、4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアルデヒドを含む反応混合物を次の工程で用いた。
工程B:(3R)−1−(4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体1)(305mg,0.757ミリモル)を、ジクロロメタン(3mL)、次いでトリフルオロ酢酸(10mL)で処理した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、濃縮した。、CHCl(25mL)中の、工程Aからの粗4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアルデヒド(約200mg,1.514ミリモル)を加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物の3分の1(8mL)を2分の1インチのシリカゲル及びNaHCOの十分に混合した固体混合物を含む大きなカートリッジに移した。100%ジクロロメタン〜100%アセトンの勾配で溶出するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより、(3R)−1−(4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.45(s,1H),7.70(d,2H),7.40(d,1H),7.36(m,3H),7.26(t,1H),7.19(t,1H),7.09(t,1H),4.37(dd,1H),4.32(d,1H),3.82(m,1H),3.70(m,2H),3.62(t,1H),3.19(d,1H),2.97(t,1H),2.06(m,1H),1.83(m,1H),1.57(t,1H),1.21(t,1H).LC−MS:m/z417.06(M+H)(2.68min).
実施例9
Figure 2010533712
1−(4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
tert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメート(中間体11)の早く溶出する鏡像異性体(315mg,0.757ミリモル)を、CHCl(3mL)、次いでTFA(10mL)に溶解した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、濃縮した。実施例8、工程Aからの、CHCl(25mL)中の粗4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシアルデヒド(約10mg/mL)(200mg,1.514ミリモル)を加えた。反応混合物(8mL)を、2分の1インチのシリカゲル及びNaHCOの十分に混合した固体混合物を含む大きなカートリッジに移した。100%ジクロロメタン〜100%アセトンの勾配で溶出するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより、1−(4−フルオロ−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS:m/z431.14(M+H)(2.79min).
実施例10
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,ピロリジンアミン
工程A:(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ベータ−カルボリン−1−カルボン酸
tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体10)(1g,2.378ミリモル)を、CHCl(10mL)、次いでトリフルオロ酢酸(4mL)で処理した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を酢酸エチル(6mL)で処理した。この混合物に、水(3mL)中のグリオキシル酸一水和物(0.263g,2.85ミリモル)を滴下して加えた。10%KCO水溶液を用いて混合物のpHを5に調整した。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、水(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)中の10%〜100%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)の勾配で溶出するC−18カラムによる逆相HPLCにより精製し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ベータ−カルボリン−1−カルボン酸を、ジアステレオ異性体の約2:1混合物として得た。LC−MS:m/z377.15(M+H)(2.43min).
工程B:(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,ピロリジンアミド
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸(31mg,0.051ミリモル)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(98mg,0.256ミリモル)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(34.9mg,0.256ミリモル)及びピロリジン(0.064mL,0.769ミリモル)の混合物を、CHCl(2mL)中、室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルによる分取用TLCに付し、200:10:1のCHCl/MeOH/NHOHで2回溶出し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,ピロリジンアミドを得た。LC−MS:m/z430.19(M+H)(2.75min).
実施例11
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,エチルエステル
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(4g,11.2ミリモル)[tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体10)を塩酸で処理することにより製造]のEtOH(10mL)中の溶液に、トルエン中のグリオキシル酸エチルエステル(2.74mL,13.45ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、1N NaOH、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,エチルエステルを、2種のジアステレオ異性体の2:1の比の混合物として得た。混合物を、分取用TLCにより更に精製し、少量のより極性で遅く溶出する化合物を、純粋な形態で分離した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.73(brt,2H),7.46(d,1H),7.35(m,2H),7.11(m,3H),7.00(m,1H),4.92(s,1H),4.65(dd,1H),4.28(m,2H),3.16(dd,1H),3.01(dd,1H),1.32(t,3H).LC−MS:2.71minにおいてm/z405(M+1)
実施例12
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,n−ブチルアミド
工程A:(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,メチルエステル
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(1g,2.8ミリモル)のMeOH(20mL)中の溶液に、グリオキシル酸一水和物(0.31g,3.36ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、EtOAcで希釈し、1N NaOH、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中の5〜100%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,メチルエステルを得た。LC−MS:2.6minにおいてm/z391(M+H)
工程B:(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,n−ブチルアミド
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,メチルエステル(150mg,0.384ミリモル)をn−ブチルアミン(2mL)と混合した。次いで、混合物を60℃で5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘキサン中の50%アセトンで溶出する分取用TLCにより精製し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,n−ブチルアミドの2種のジアステレオ異性体を得た。
極性の低い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.75(br 2H),7.50(d,1H),7.37(d,2H),7.10(m,3H),7.00(1H),4.73(s,1H),4.23(dd,1H),3.28(m,1H),3.15(t,1H),3.00(dd,1H),1.57−1.31(m,6H),0.93(t,3H).LC−MS 2.66minにおいてm/z421(M+1)
極性の高い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.75(br 2H),7.42(d,1H,7.38(br,1H),7.36(d,1H),7.10(m,3H),6.99(t,1H),4.89(s,1H),4.40(dd,1H),3.27(m,2H),1.52(m,2H),1.33(m,1H),0.89(t,3H).LC−MS:2.66minにおいてm/z421(M+1)
実施例13
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,4−モルホリニルアミド
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−1−カルボン酸,エチルエステル(180mg,0.445ミリモル)のエタノール中の溶液に、4−モルホリンHCl(122mg,0.89ミリモル)及びトリエチルアミン(0.248mL)を加えた。混合物を、マイクロ波照射下、130℃で4.5時間撹拌し、EtOAcで希釈し、水、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣を、ヘキサン中の50%アセトンで溶出する分取用TLCにより精製し、それぞれ個々のジアステレオマーを得た。
極性の低い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.75(brt,2H),7.49(d,1H),7.36(d,1H),7.35(s,1H),7.10(m,3H),7.00(t,1H),4.73(s,1),4.25(dd,1H),3.93(m,3H),3.46(m,2H),334(m,1H),2.95(m,1H),1.89(m,1H),1.77(m,1H),1.64(m,2H).LC−MS:2.57minにおいてm/z460(M+1)
極性の高い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.74(br 2H),7.48,7.41(d,1H),7.36(d,2H),7.10(m,3H),7.00(m,1H),4.72(s,1H),4.36,4.25(dd,1H),3.93(m,3H),3.43(m,2H),3.11−2.95(m,2H),1.87(m,1H),1.68(m,3H).LC−MS:2.63minにおいてm/z460(M+1)
実施例14
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−1−((2S)−ピロリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:(3R)−3−[4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−1−((2S)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体1)(75mg,0.186ミリモル)のCHCl(4mL)中の懸濁液にTFA(2mL)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し濃縮した。得られた物質をCHCl(4mL)に溶解し、(2S)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2−カルボキシアルデヒド(74.3mg,0.373ミリモル)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。材料の半分を濃縮し残渣を得、これを、水(0.1% TFA)及びアセトニトリル(0.1% TFA)の勾配で溶出するC−18逆相カラムによるHPLCにより精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥し、(3R)−3−[4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−1−((2S)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを固体として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.80(m,3H),7.52(m,3H),7.45(m,2H),7.16(t,1H),7.07(t,1H),5.04(m,1H),4.66,(dd,1H),4.24(m,1H),3.56(m,2H),3.40(m,1H),3.23,(m,1H),2.15(m,2H),1.94(m,1H),1.75(m,1H),1.54(s,9H).LC−MS:m/z484.29(M+H)(3.09min).
工程B:(3R)−3−[4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−1−((2S)−ピロリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程Aからの(3R)−3−[4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−1−((2S)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(0.093ミリモル)の懸濁液をCHCl(2mL)に溶解し、TFA(2mL)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、濃縮して残渣を得、これを、水(0.1% TFA)及びアセトニトリル(0.1% TFA)の勾配で溶出するC−18逆相カラムによるHPLCにより精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥し、(3R)−3−[4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル]−1−((2S)−ピロリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを固体として得た。H NMR(600MHz,CDOD):δ7.76(m,2H),7.74(m,1H),7.49(m,2H),7.46(m,1H),7.40(m,1H),7.37(m,1H),7.15(t,1H),7.04(t,1H),4.79,(d,1H),4.59(dd,1H),4.17(m,1H),3.46(m,1H),3.24(m,1H),3.20,(m,1H),3.07,(m,1H),2.32,(m,1H),2.15(m,1H),2.11(m,1H),2.09(m,1H).LC−MS:m/z384.29(M+H)(2.29min).
実施例15
Figure 2010533712
(3R)−7−フルオロ−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(6−メトキシカルボニル−ピペリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:ピペリジン−2,6−ジカルボン酸,tert−ブチルメチルジエステル
J.Org.Chem.46:4914(1981)に開示された方法に従い、ピペリジン−2,6−ジカルボン酸,tert−ブチルメチルジエステルを製造した。
工程B:1−tert−ブチルオキシカルボニル−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−2−カルボン酸,メチルエステル
室温で、ピペリジン−2,6−ジカルボン酸,tert−ブチルメチルジエステル(2.3g,9.45ミリモル)に、トリエチルシラン(3.77mL,23.63ミリモル)、次いでトリフルオロ酢酸(14.57mL,189ミリモル)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。反応物を濃縮し、MeOH(20mL)、トリエチルアミン(3.95mL,28.4ミリモル)、次いで、ジ−tert−ブチルジカルボネート(2.68g,12.29ミリモル)で処理した。反応物を室温で48時間撹拌した。水性画分を濃縮して残渣を得、これを、氷及び1N HCl水溶液で処理し、CHClで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し、濃縮して残渣を得、これを、−78℃でテトラヒドロフラン(10mL)、次いでBH(テトラヒドロフラン中、1M溶液)(18.91mL,18.91ミリモル)で処理した。混合物を室温まで加温しながら一晩撹拌した。反応物を−78℃まで冷却し、20mLの水で処理し、室温まで加温した。水性の処理、続いて濃縮して残渣を得、これをヘキサン中の5%酢酸エチル〜100%酢酸の勾配で溶出するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーに付し、1−tert−ブチルオキシカルボニル−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−2−カルボン酸,メチルエステルを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ4.98〜4.59(broad,1H),4.36(m,1H),3.78(s,3H),3.56(s,2H),2.41(broad,1H),2.16(s,1H),1.79(m,2H),1.68(m,2H),1.48(m,9H).
工程C:1−tert−ブチルオキシカルボニル−ピペリジン−6−カルボキシアルデヒド−1−カルボン酸,メチルエステル
−78℃で、塩化オキサリルのCHCl(3mL)中の溶液(CHCl中、2M)(790μL,1.579ミリモル)にジメチルスルホキシド(146μL,2.053ミリモル)を加えた。混合物を−78℃で5分間撹拌し、1−tert−ブチルオキシカルボニル−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−2−カルボン酸,メチルエステル(332mg,1.215ミリモル)のCHCl(2mL)中の溶液を加えた。溶液を−78℃で30分間撹拌し、次いで、トリエチルアミン(1016μL,7.29ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)で希釈した。抽出及びそれに続く濃縮により、1−tert−ブチルオキシカルボニル−ピペリジン−6−カルボキシアルデヒド−1−カルボン酸,メチルエステルを得、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
工程D:(3R)−7−フルオロ−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(6−メトキシカルボニル−ピペリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
中間体6、工程Gからのtert−ブチル2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(300mg,0.684ミリモル)に、CHCl(3mL)、次いでTFA(3mL)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮し、残渣をCHClで希釈し、再度濃縮した。残渣をCHCl(3mL)、次いで、CHCl(3mL)中のtert−ブチル2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(330mg,1.215ミリモル)で処理した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を濃縮し、次いで、MeOH(2mL)、次いで、トリエチルアミン(286μL,2.053ミリモル)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(149mg,0.684ミリモル)で処理し、室温で2時間撹拌した。粗反応生成物を分取用TLCにより回収し、TFA−CHClで処理し、全てのBoc基を除去した。水性の処理により残渣を得、これを200:10:1のCHCl/MeOH/NHOHで溶出する分取用TLCにより精製し、(3R)−7−フルオロ−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(6−メトキシカルボニル−ピペリジン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS:m/z492.27(M+H)(2.46min).
実施例16
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(200mg,0.56ミリモル)[tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体10)を塩酸で処理することにより製造]のMeOH(5mL)中の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアルデヒド(74mg,0.67ミリモル)、次いで、数滴のTFAを加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、メタノール中の7Nアンモニア(3mL)を用いて中和した。次いで、減圧下で溶媒を除去した。残渣を、TLCクロマトグラフィーにより精製し、それぞれ個々のジアステレオマーを得た。
極性の低い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.70(m,2H),7.58(s,1H),7.52(s,1H),7.45(d,1H),7.33(s,1H),7.27(d,1H),7.07(m,3H),7.00(m,1H),5.38(s,1H),4.40(dd,1H),3.85(s,3H),3.17(m,2H).LC−MS:2.48minにおいてm/z413(M+1)
極性の高い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.68(m,2H),7.48(d,1H),7.41(s,1H),7.39(s,1H),7.29(s,1H),7.29(d,1H),7.07(m,3H),7.01(m,1H),5.36(s,1H),4.38(dd,1H),3.80(s,3H),3.18(m,2H).LC−MS:2.56minにおいてm/z413(M+1)
実施例17
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(200mg,0.56ミリモル)[tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体10)を塩酸で処理することにより製造]のMeOH(5mL)中の溶液に、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシアルデヒド(75mg,0.67ミリモル)、次いで数滴のTFAを加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、メタノール中の7Nアンモニア(3mL)を用いて中和し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を、分取用TLCにより精製し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンのそれぞれ個々のジアステレオ異性体を得た。
極性の低い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.72(m,2H),7.48(d,1H),7.36(s,1H),7.31(d,1H),7.10(m,3H),7.01(t,1H),5.69(s,1H),4.48(dd,1H),3.23(ddd,1H),3.13(m,1H),2.61(s,3H).LC−MS:2.65minにおいてm/z415(M+1)
極性の高い生成物のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.72(m,2H),7.50(d,1H),7.33(s,1H),7.31(d,1H),7.10(m,3H),7.01(t,1H),5.53(s,1H),4.68(dd,1H),3.25(dd,1H),3.11(ddd,1H),2.58(s,3H).LC−MS:2.61minにおいてm/z415(M+1)
2種の生成物の相対的立体化学を、核オーバーハウザー効果(nOe)NMR分光法により決定した。極性の低いジアステレオマーは、C−1及びC−3水素の間にnOeシグナルを生じ、極性の高い生成物は生じなかった。従って、極性の低い生成物はシス−異性体として特定され、極性の高い異性体はトランス−異性体として特定された。
実施例18
Figure 2010533712
7−フルオロ−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3−メチル−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
中間体7、工程Hからのtert−ブチル2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−メチル−1−エチルカルバメートの速く溶出する鏡像異性体(100mg,0.22ミリモル)のCHCl(5mL)中の溶液に、TFA(0.17mL,2.2ミリモル)、次いでN−メチル−4−ホルミルピラゾール(24mg,0.67ミリモル)を加えた。混合物を室温で2日間撹拌し、メタノール中の7Nアンモニアを用いて中和し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を分取用TLCにより精製し、7−フルオロ−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−3−メチル−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを5:1のジアステレオ異性体混合物として得た。主要な異性体のH NMR:(500MHz,CDOD):δ7.67(m,2H),7.52(s,1H),7.48(m,1H),7.43(dd,1H),7.27(s,1H),7.10(m,3H),6.97(dd,1H),6.79(m,1H),5.36(s,1H),3.81(s,3H),3.36(d,1H),3.10(d,1H),1.68(s,3H).LC−MS:2.64minにおいてm/z445(M+1)
実施例19
Figure 2010533712
(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(1H−ピラゾール−1−イル−メチル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−ピラゾール
ピラゾール(749mg,11ミリモル)をDMF(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、NaH(鉱油中60%、440mg,10ミリモル)をゆっくりと加えた。混合物を0℃で10分間、室温で2時間撹拌した後、1,1−ジメトキシ−2−ブロモ−エタン(1.69g,10ミリモル)を加えた。混合物を1日間撹拌し、EtOAcで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮し、1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−ピラゾールを無色の油状物質として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.51(d,1H),7.44(d,1H),6.25(t,1),4.65(t,1H),4.22(d,2H),3.36(s,6H).
工程B:(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(1H−ピラゾール−1−イル−メチル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(50mg,0.14ミリモル)[tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体10)を塩酸で処理することにより製造]のCHCl(1mL)中の溶液に、TFA(50μL)、次いで、1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−ピラゾール(33mg,0.21ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO及び食塩水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し、濃縮し、粗残渣を得、これを分取用TLCにより精製し、(3R)−3−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(1H−ピラゾール−1−イル−メチル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ11.2(s,1H),7.82(m,2H),7.77(d,1H),7.64(s,1H),7.54(s,1H),7.46(d,1H),7.40(d,1H),7.22(m,2H),7.12(t,1H),7.02(t,1H),6.27(s,1H),4.95(d,2H),4.58(m,1H),4.42(br,1H),3.19(m,1H),3.06(m,1H).LC−MS:2.71minにおいてm/z413(M+1)
実施例20
Figure 2010533712
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(エトキシメチル)−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(450mg,1.261ミリモル)[tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(中間体10)を塩酸で処理することにより製造]を、ピリジン(5mL)、次いで2−エトキシ−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−エタノン(中間体20)(297mg,1.766ミリモル)で処理した。混合物を、N雰囲気下(油浴で70℃)、2.5日間加熱し、次いで、更に24時間加熱した(油浴で80℃)。反応混合物を濃縮し、残渣を、20:1のCHCl:MeOHで溶出する分取用TLCにより精製し、(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(エトキシ−メチル)−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンをジアステレオマーの混合物として得た。これらの異性体を分取用キラルHPLCにより分離し、個々のジアステレオ異性体を得た。異性体は、ヘプタン中の20%IPAで溶出する分析用キラルADカラムにより特徴づけた。
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(エトキシメチル)−(1R)−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(速く溶出する異性体:保持時間19.78分):H NMR(500MHz,MeOH−d):δ7.72(m,2H),7.57(s,1H),7.53(s,1H),7.49(d,1H),7.33(m,2H),7.11(m,3H),7.03(t,1H),4.73(dd,1H),4.06(s,2H),3.84(s,3H),3.58(m,2H),3.20(dd,1H),3.05(dd,1H),1.21(t,3H).LC−MS:m/z471.1(M+H)(2.62min).
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(エトキシメチル)−1−(1S)−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(遅く溶出する異性体:保持時間25.79分):H NMR(500MHz,MeOH−d):δ7.72(m,2H),7.48(d,1H),7.39(m,3H),7.34(s,1H),7.12(m,3H),7.04(t,1H),4.29(dd,1H),4.04(d,1H),3.93(d,1H),3.81(s,3H),3.57(m,2H),3.13(m,2H),1.17(t,3H).LC−MS:m/z471.1(M+H)(2.67min).
2種のジアステレオ異性体の相対的立体化学を、核オーバーハウザー効果(nOe)NMR分光法により決定した。遅く溶出するジアステレオマーは、C−ピラゾール上のC−3水素及びC−5水素、並びにβ−カルボリン上のC−3水素の間にnOeシグナルを生じ、速く溶出する生成物は生じなかった。従って、分取用キラルHPLCの精製から最初に溶出するジアステレオ異性体はシス−異性体(イミダゾール及びピラゾールがシス)として特定され、遅く溶出する異性体はトランス−異性体として特定された。
実施例21
Figure 2010533712
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
(1R)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン塩酸塩(370mg,1.037ミリモル)[tert−ブチル(1R)−2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートを塩酸で処理することにより製造]を、ピリジン(4mL)で処理し、次いで1−メチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イルケトン(中間体22)(219mg,1.141ミリモル)と反応させた。反応物を、N雰囲気下(油浴で70℃)で48時間加熱し、次いで、更に3日間加熱した(油浴で85℃)。反応混合物を濃縮し、トルエンで共沸した。反応物を、CHCl中の10%MeOHで溶出する分取用TLCを用いて精製し、(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンをジアステレオ異性体の混合物として得、これをキラルHPLCにより分離した。異性体は、ヘプタン中、20%IPAで溶出する分析用キラルADカラムにより特徴づけた。
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−(1R)−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(速く溶出する異性体:保持時間18.13分):H NMR(500MHz,MeOH−d):δ7.74(m,2H),7.65(s,1H),7.52(m,2H),7.37(m,2H),7.13(m,3H),7.04(s,1H),4.47(dd,1H),3.87(s,3H),3.24(dd,1H),3.16(dd,1H),2.63(s,3H).LC−MS:m/z495.3(M+H)(2.56min).
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−(1S)−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン(遅く溶出する異性体:保持時間24.62分):H NMR(500MHz,MeOH−d):δ7.73(m,2H),7.54(d,1H),7.48(s,1H),7.43(s,1H),7.40(d,1H),7.36(brs,1H),7.13(m,3H),7.06(t,1H),4.40(dd,1H),3.84(s,3H),3.26(dd,1H),3.16(dd,1H),2.63(s,3H).LC−MS:m/z495.3(M+H)(2.61min).
2種のジアステレオ異性体の相対的立体化学を、核オーバーハウザー効果(nOe)NMR分光法により決定した。遅く溶出するジアステレオ異性体は、C−1ピラゾール上のC−3及びC−5水素並びにβ−カルボリン上のC−3水素の間にnOeシグナルを生じ、速く溶出する生成物には生じなかった。従って、分取用キラルHPLCの精製から最初に溶出するジアステレオ異性体はシス−異性体(イミダゾール及びピラゾールがシス)として特定され、遅く溶出する異性体はトランス−異性体として特定された。
表2に示す実施例を、実施例1〜21に開示された方法に従い、適切に置換されたtert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−アリール−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート誘導体、並びに置換へテロシクリル又はヘテロアリールカルボキシアルデヒドから製造した。
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
表3に示す実施例を、実施例1〜21に開示された方法に従い、適切に置換されたtert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−アリール−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート誘導体、並びに置換へテロシクリル又はヘテロアリールケトンから製造した。
Figure 2010533712
Figure 2010533712
表4に示す実施例を、実施例1〜21に開示された方法に従い、適切に置換されたtert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−アリール−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート誘導体、並びに置換へテロシクリル又はヘテロアリールケトンから製造した。
Figure 2010533712
Figure 2010533712
Figure 2010533712
実施例239
Figure 2010533712
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−Β−カルボリン
工程A:2−クロロアセチル−5−フルオロピリジン
室温で、200mLのTHF中の2−ブロモ−5−フルオロピリジン(50.0g,284ミリモル)を、イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中,2M,284mL,568ミリモル)に25分間かけて滴下して加え、混合物を室温で2時間撹拌した。室温で、反応混合物に、2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(119g,695ミリモル)の150mLのTHF中の溶液を30分間かけて滴下して加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、500mLの2N HClを含む2000gの氷に注ぎ入れた。混合物をエーテル中で抽出し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して残渣を得、これを1Lの加温したヘキサンに溶解し、数グラムのシリカゲルで処理し、着色した不純物を除去した。次いで、混合物をろ過した。ろ液を濃縮し、氷の温度で0.5時間冷却した。ろ過により固体を分離し、2−クロロアセチル−5−フルオロピリジンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.53(d,1H),8.19(dd,1H),7.60(td,1H),5.09(s,2H).
工程B:tert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート
Gordon,T.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.1993,3,915;Gordon,T.et al.,Tetrahedron Lett.1993,34,1901;及びPoitout,L.et al.,J.Med.Chem.2001,44,2990に開示された方法を用い、2−クロロアセチル−5−フルオロピリジンを、tert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメートに変換した。LC−MS:m/e422.4(M+H)(2.49min).
工程C:2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミン
tert−ブチル2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルカルバメート(100g,237ミリモル)をCHCNに加え、5分間撹拌した。全容量が1.6Lになるまで、追加のCHCNを徐々に加えた。p−トルエンスルホン酸一水和物(149g,783ミリモル)を加えた。混合物を60℃まで1時間加熱し、次いで室温まで冷却した。ろ過により固体を分離し、CHCNで洗浄し、空気乾燥し、2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンを得た。LC−MS:m/e322.4(M+H)(1.92min).H NMR(500MHz,CDOD):δ8.54(s,1H),8.05−7.97(m,2H),7.89(td,1H),7.69(d,4H),7.43(d,1H),7.31(d,1H),7.18(d,4H),7.10−7.03(m,2H),6.95(t,1H),5.03(dd,1H),3.70−3.59(m,2H),2.32(s,6H).
工程D:1−エチル−4−ヨード−ピラゾール
水素化ナトリウム(2.68g,67.0ミリモル)のDMF(100mL)中の懸濁液に、氷−水浴中で冷却しながら4−ヨード−ピラゾール(10g,51.6ミリモル)を少しずつ加えた。混合物を60℃に30分間加熱した。次いで、混合物を40℃に冷却し、ヨウ化エチル(8.33mL,103ミリモル)を加えた。反応物を40℃で5時間加熱し、次いで、室温で一晩撹拌した。0℃で、水を滴下して加えることにより、反応物の反応を停止した。混合物を、EtOAc/ヘキサンで4回抽出した。一緒にした有機層を水(3回)及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。0%〜25%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、1−エチル−4−ヨード−ピラゾールを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.49(s,1H),7.42(s,1H),4.17(q,2H),1.46(t,3H)
工程E:N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシアミド
中間体19、工程Aについて開示された方法に従い、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボン酸から標題の化合物を製造した。
工程F:1−エチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルケトン
中間体22について開示された方法に従い、N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシアミドから標題の化合物を製造した。−10℃で、1−エチル−4−ヨード−ピラゾール(199g,807ミリモル)のTHF(2L)中の溶液に、イソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M,0.382L,765ミリモル)を、20分間かけて滴下して加えた。濃い白色の混合物を0℃で45分間撹拌した。混合物を−70℃まで冷却し、130mLのTHF中のN−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキシアミドを10分間かけて滴下して加えた。反応物を3時間かけてゆっくりと0℃まで加温した。反応物を、2.5Lの1N HCl/氷に注ぎ入れ、30分間撹拌した。混合物を、酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃い油状にまで濃縮し、これを約1Lのヘキサンで希釈した。フラスコをロータリーエバポレータ中に置き、約30℃で30分間ゆっくりと回転させた。固体が分割され、ろ過し、ヘキサンで洗浄し、空気乾燥し、1−エチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルケトンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.41(s,1H),8.29(s,1H),4.23(q,2H),2.69(s,3H),1.53(t,3H).
工程G:3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−エチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミン(95g,143ミリモル)、酢酸ナトリウム(11.71g,143ミリモル)、テトラエチルオルトシリケート(29.7g,143ミリモル)及び1−エチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルケトンのDMSO(200mL)中の混合物を、油浴(75℃)中、72時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、2N NaOHに注ぎ入れた。混合物を数分間撹拌し、次いで、ろ過した。ろ過ケーキを水で洗浄し、空気乾燥し、2種のジアステレオ異性体混合物として黄褐色の粉末を得、これをSFCにより分離した(分析条件:Chiral AD−Hカラム、4.6×250mm、40%(EtOH+0.2%イソブチルアミン)/CO、2.1mL/分、100バール、40℃;保持時間は、2種のジアステレオ異性体それぞれについて、5.53分及び7.20分であった。)。速く溶出するジアステレオ異性体を含む画分を濃縮し、固体を得た。材料の一部を、アセトニトリル/トルエンから再結晶し、次いで、CHClで粉砕し、3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−エチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。残りの材料をCHClから再結晶し、追加の3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−エチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS:m/e510.3(M+H)(2.49min).H NMR(500MHz,CDOD):δ8.38(s,1H),7.92−7.85(m,1H),7.67(s,1H),7.59(td,2H),7.52−7.45(m,2H),7.34(d,1H),7.11(t,1H),7.01(t,1H),4.47(dd,1H),4.12(q,2H),3.21(dd,1H),3.13(dd,1H),2.59(s,3H),1.40(t,3H).
別個の反応から、他のジアステレオマーも分離された。LC−MS:m/e510.4(M+H)(2.57min).H NMR(500MHz,CDOD):δ8.36(d,1H),7.85(d,1H),7.59−7.50(m,2H),7.50−7.41(m,3H),7.36(d,1H),7.11(t,1H),7.02(t,1H),4.39(dd,1H),4.06(q,2H),3.23(dd,1H),3.12(dd,1H),2.56(s,3H),1.35(t,3H).
実施例240
Figure 2010533712
(3R)−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
工程A:N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキシアミド
中間体19、工程Aの製造について開示された方法に従い、標題の化合物を製造した。1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸,カリウム塩(29.3g,176ミリモル)のCHCl(500mL)及びDMF(1.365mL,17.63ミリモル)中の混合物を、0℃まで冷却し、塩化オキサリル(18.52mL,212ミリモル)を20分間かけて滴下して加えた。反応混合物を室温まで加温し、1時間撹拌した。この酸塩化物溶液を、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(27.5g,282ミリモル)及びKCO(110g,793ミリモル)の水(300mL)中の冷却溶液に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキシアミドを得、これを、MPLC(ヘキサン中の10%EtOAc〜100%EtOAc)により精製し、N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキシアミドを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ3.82(s,3H),3.30(s,3H),2.54(s,3H).
工程B:1−エチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルケトン
0℃で、実施例239、工程Dからの1−エチル−4−ヨード−ピラゾール(4.2g,18.92ミリモル)のTHF(50mL)中の溶液に、THF中の2.0Mイソプロピルマグネシウムクロライド(10.40mL,20.81ミリモル)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、−78℃まで冷却し、N−メトキシ−N−メチル−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキシアミド(2.266g,13.24ミリモル)を加えた。混合物をゆっくりと4.5時間かけて室温まで加温した。反応物を−78℃まで冷却し、飽和塩化アンモニア水溶液を滴下して加えることにより反応を停止し、室温まで加温した。混合物を冷却した1N HClで希釈し、EtOAcで4回抽出し、一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣を、ヘキサン中の10%EtOAc〜100%EtOAcの勾配で溶出するシリカゲルによるMPLCにより精製し、1−エチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルケトンを得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.43(s,1H),8.10(s,1H),4.08(q,2H),2.47(s,3H),1.36(t,3H).
工程C:3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−(1−エチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
実施例239、工程Cからの2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミン(1.54g,2.313ミリモル)を、テトラエトキシシラン(1.295mL,5.78ミリモル)、1−エチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルケトン(0.620g,3.01ミリモル)及びピリジン(7mL)で処理した。混合物を65℃で2.5日間加熱した。混合物をEtOAc及び氷で処理し、次いで、5N NaOHで処理した。混合物をEtOAcで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、CHCl中の20%アセトン〜100%アセトンの勾配で溶出するシリカゲルによるMPLCにより精製し、2種のジアステレオ異性体の混合物を得た。次いで、これらのジアステレオ異性体を、ChiralPak(登録商標)ADカラム(分析条件:ChiralPak(登録商標)AD、4.6×250mm、10μ、30% IPA/ヘプタン、0.5mL/分;保持時間は、2種のジアステレオ異性体のそれぞれについて15.44分及び23.87分であった)を用いたGilson HPLCにより分離した。最初に溶出するジアステレオ異性体を含む画分を一緒にし、3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−(1−エチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS: m/e 510.3 (M + H) (1.01分及び2分の勾配法). H NMR(500MHz,CDOD):δ8.40(s,1H),7.95−7.89(m,1H),7.71(s,1H),7.61(td,2H),7.52(d,2H),7.36(d,1H),7.14(t,1H),7.04(t,1H),4.52(dd,1H),4.15(q,2H),3.28−3.14(m,2H),2.54(s,3H),1.42(t,3H).
別個の反応から、遅く溶出するジアステレオ異性体も分離された。LC−MS:m/e 510.4 (M + H) (1.02分及び2分の勾配法). H NMR(500MHz,CDOD):δ8.35(s,1H),7.85(s,1H),7.59−7.46(m,5H),7.36(d,1H),7.13(t,1H),7.03(t,1H),4.38(dd,1H),4.07(q,2H),3.23(dd,1H),3.12(dd,1H),2.49(s,3H),1.36(q,3H).
実施例241
Figure 2010533712
3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン
実施例239、工程Cからの2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−エチルアミンのビス−トシレート塩(5.07g,7.62ミリモル)を、酢酸ナトリウム(0.937g,11.42ミリモル)、テトラエトキシシラン(2.56mL,11.42ミリモル)、1−メチル−ピラゾール−4−イル5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルケトン(中間体22)(1.756g,9.14ミリモル)及びDMSO(20mL)で処理した。混合物を95℃で48時間加熱した。混合物を室温まで冷却した。水を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ロータリーエバポレータにより溶媒を除去し、粗生成物を、MPLC(EtOAc(100%)〜EtOAc中の10%MeOHの勾配で溶出)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を高濃度で含む画分を得た。この材料を、12.5:1=CHCl:(9:1MeOH/NHOH)で溶出する分取用薄層クロマトグラフィーにより更に精製し、3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。更に、MPLCクロマトグラフィーからの所望の生成物及びそのジアステレオ異性体の混合画分を、Chiral OD SFC(40%IPA)により分離し、遅く溶出する所望のジアステレオ異性体を得、これを、シリカゲルMPLC(CHCl〜アセトンの勾配で溶出)により更に精製し、更に3−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−(1−メチル−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリンを得た。LC−MS:m/e 496.3(M+H)(1.00分,2分法). H NMR(500MHz,MeOH−d):δ8.40(s,1H),7.93(brs,1H),7.64−7.57(m,3H),7.53−7.47(m,2H),7.35(d,1H),7.12(t,1H),7.02(t,1H),4.47(dd,1H),3.85(s,3H),3.22(dd,1H),3.14(dd,1H),2.60(s,3H).
表5に示す実施例を、実施例239〜241に開示された方法に従い、適切に置換された2−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1−エチルアミン誘導体、並びに置換へテロシクリル又はヘテロアリールケトンから製造した。
Figure 2010533712
Figure 2010533712
実施例255
マウスにおける経口グルコース耐性試験のSSTR3アンタゴニスト及びジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤の組み合わせ効果
前述した、経口グルコース耐性試験(oGTT)において、本発明の化合物をジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤と組み合わせた。オスのC57BL/6Nマウス(7〜12週齢)をケージあたり10匹収容し、通常の齧歯類用の食事及び水を、絶えることなく利用できるようにした。マウスを処理群にランダムに割り当て、4〜6時間絶食させた。基準の血中グルコース濃度を、尾に切り目を付けた血液から測定した。次いで、動物を、媒体(0.25%メチルセルロース)、若しくは試験化合物単独又はジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤と組み合わせて経口的に処理した。処理後(t=0分)、指定の時間ポイントにおいて血中グルコース濃度を測定し、次いで、マウスに、デキストロースを、腹腔内(2〜3g/kg)又は経口(3〜5g/kg)投与した。媒体処理マウスの1つの群は、陰性コントロールとして食塩水を投与した。デキストロース投与の20、40、60分後に、尾から得た血液から血中グルコース濃度を測定した。t=0〜t=90分からの血中グルコース偏位(excursion)プロフィールを、各処理についての濃度曲線下面積(AUC)を統合するために用いた。各処理についての阻害割合の値を、食塩水を投与したコントロールに対して標準化したAUCデータから生成した。0.001〜0.1mg/kgの範囲の経口投与において準最適な投与量の実施例20及び21は、シタグリプチン及びデスフルオロシタグリプチン、すなわち、(2R)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−2−アミンのようなDPP−4阻害剤の低投与量との組み合わせにおいて、それが単独であるよりもより活性であることがわかった。
医薬製剤の実施例
本発明化合物の経口用組成物の特定の実施態様として、実施例の任意の1種の50mgの化合物を、十分に微粉化された乳糖を用いて製剤化し、総量580〜590mgが満たされた、サイズOの硬ゼラチンカプセルを提供する。
本発明化合物の経口用組成物の第二の特定の実施態様として、実施例の任意の1種の100mgの化合物、微結晶性セルロース(124mg)、クロスカルメロースナトリウム(8mg)及び未製粉の無水二塩基性リン酸カルシウム(124mg)をブレンダー中で十分に混合し、次いで、ステアリン酸マグネシウム(4mg)及びステアリルフマル酸ナトリウム(12mg)をブレンダーに加え、混合し、混合物を、直接圧縮のための回転式錠剤圧縮機に移す。得られた錠剤を、味を遮蔽するために、場合により、Opadry(登録商標)IIを用いてフィルムコーティングする。
本発明を、特定の実施態様を参照して開示及び説明したが、当業者は、種々の変更、修飾及び置換を本発明の精神及び範囲を逸脱せずになし得ることを理解するであろう。例えば、前記に記載の好ましい投与量以外の有効な投与量を、特定の病状について治療されるヒトの応答性における変化の結果として適用することができる。同様に、観察される薬理学的反応は、選択される特定の活性化合物、薬学的担体が存在するかどうか、製剤のタイプ及び用いられる投与方法により及び依存して変化し得、結果におけるこのような予想される変形又は相違は、本発明の目的及び実施に従って意図される。従って、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定され、このような請求の範囲は、妥当であるかぎり広く解釈されることが意図される。

Claims (28)

  1. 構造式I:
    Figure 2010533712
    [式中、
    nは1〜4の整数であり;
    は、
    (1)−C(O)OR
    (2)−C(O)NR
    (3)シクロへテロアルキル、
    (4)シクロへテロアルキル−C1−10アルキル−、
    (5)ヘテロアリール、及び
    (6)ヘテロアリール−C1−10アルキル−、からなる群から選択され、ここで、アルキル及びシクロヘテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;ヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ただし、ヘテロアリールは、ピリジニル、ピロリル、チエニル、1,3−ベンゾジオキソリル又はフラニルではなく;
    は、
    水素、
    1−10アルキル、
    2−10アルケニル、
    2−10アルキニル、
    3−10シクロアルキル、
    3−10シクロアルキル−C1−10アルキル−、
    1−6アルキル−X−C1−6アルキル−、
    アリール−C1−4アルキル−X−C1−4アルキル−、
    ヘテロアリール−C1−4アルキル−X−C1−4アルキル−、
    3−10シクロアルキル−X−C1−6アルキル−、
    アリール、
    シクロへテロアルキル、及び
    ヘテロアリール、からなる群から選択され、ここで、Xは、O、S、S(O)、S(O)及びNRからなる群から選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;アリール及びヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    は、
    水素、
    1−10アルキル、
    3−10シクロアルキル、
    シクロへテロアルキル、
    シクロへテロアルキル−C1−6アルキル−、及び
    ヘテロアリール−C1−6アルキル−、からなる群から選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル及びシクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;ヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    は、水素又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−8アルキルであり;
    及びRは、それぞれ独立して、
    水素、
    1−10アルキル、
    2−10アルケニル、
    2−10アルキニル、
    3−10シクロアルキル、
    シクロへテロアルキル、
    アリール、及び
    ヘテロアリール、からなる群から選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル及びシクロへテロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、アリール及びヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    は、
    水素、
    1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−10アルキル、
    2−10アルケニル、
    3−10シクロアルキル、及び
    1−4アルキル−O−C1−4アルキル−、からなる群から選択され;
    各Rは、独立して、
    (1)水素、
    (2)−OR
    (3)−NRS(O)
    (4)ハロゲン、
    (5)−S(O)
    (6)−S(O)NR
    (7)−NR
    (8)−C(O)R
    (9)−OC(O)R
    (10)−CO
    (11)−CN、
    (12)−C(O)NR
    (13)−NRC(O)R
    (14)−NRC(O)OR
    (15)−NRC(O)NR
    (16)−OCF
    (17)−OCHF
    (18)シクロへテロアルキル、
    (19)1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−10アルキル、
    (20)C3−6シクロアルキル、
    (21)アリール、及び
    (22)ヘテロアリール、からなる群から選択され、ここで、アリール及びヘテロアリールは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    は、
    水素、
    1−10アルキル、
    2−10アルケニル、及び
    3−10シクロアルキル、からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びシクロアルキルは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    10及びR11は、それぞれ独立して、水素、又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキルであり;
    各Rは、独立して、
    (1)−OR
    (2)−NRS(O)
    (3)ハロゲン、
    (4)−S(O)
    (5)−S(O)NR
    (6)−NR
    (7)−C(O)R
    (8)−OC(O)R
    (9)オキソ、
    (10)−CO
    (11)−CN、
    (12)−C(O)NR
    (13)−NRC(O)R
    (14)−NRC(O)OR
    (15)−NRC(O)NR
    (16)−CF
    (17)−OCF
    (18)−OCHF、及び
    (19)シクロへテロアルキル;
    (20)C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;及び
    (21)C1−6アルキル−X−C1−6アルキル−、からなる群から選択され、ここで、Xは、O、S、S(O)、S(O)及びNRからなる群から選択され;
    各Rは、独立して、
    (1)R
    (2)C1−10アルキル、及び
    (3)C3−6シクロアルキル、からなる群から選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルは、1〜3個のヒドロキシル及び1〜6個のフッ素で置換されていてもよく;
    及びRは、それぞれ独立して、
    (1)水素、
    (2)C1−10アルキル、
    (3)C2−10アルケニル、
    (4)C3−6シクロアルキル、
    (5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
    (6)シクロへテロアルキル、
    (7)シクロへテロアルキル−C1−10アルキル−、
    (8)アリール、
    (9)ヘテロアリール、
    (10)アリール−C1−10アルキル−、及び
    (11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−、からなる群から選択され;又は
    及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、酸素、イオウ及びN−Rから独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む、4〜7員環の複素環を形成し、ここで、R及びRが水素以外である場合、各R及びRは、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    各Rは、独立して、
    (1)水素、
    (2)C1−10アルキル、
    (3)C2−10アルケニル、
    (4)C3−6シクロアルキル、
    (5)C3−6シクロアルキル−C1−10アルキル−、
    (6)シクロへテロアルキル、
    (7)シクロへテロアルキル−C1−10アルキル−、
    (8)アリール、
    (9)ヘテロアリール、
    (10)アリール−C1−10アルキル−、及び
    (11)ヘテロアリール−C1−10アルキル−、からなる群から選択され、ここで、Rが水素でない場合、各Rは、Rから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    各Rは、独立して、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい、−C(O)R又はC1−10アルキルであり;
    各Rは、独立して、
    (1)ハロゲン、
    (2)C1−10アルキル、
    (3)−O−C1−4アルキル、
    (4)−S(O)−C1−4アルキル、
    (5)−CN、
    (6)−CF
    (7)−OCHF、及び
    (8)−O−CF、からなる群から選択され;そして
    各mは、独立して0、1又は2である]の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  2. 、R、R、R、R10及びR11が、それぞれ水素である、請求項1記載の化合物。
  3. が水素又はメチルである、請求項2記載の化合物。
  4. 及びRが水素であり、Rがフェニル又はヘテロアリールであり、それぞれが、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1記載の化合物。
  5. ヘテロアリールが、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいピリジニルである、請求項4記載の化合物。
  6. が、ハロゲン、メチル及びメトキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい、フェニル又はピリジン−2−イルである、請求項4記載の化合物。
  7. が、フェニル、4−フルオロフェニル、ピリジン−2−イル又は5−フルオロ−ピリジン−2−イルである、請求項6記載の化合物。
  8. nが1である、請求項1記載の化合物。
  9. が水素、ハロゲン又はシアノである、請求項8記載の化合物。
  10. が:
    水素、
    から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
    1−3アルキル−O−C1−3アルキル−、及び
    アルキルがRから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
  11. がシクロへテロアルキル又はヘテロアリールであり、ここで、シクロへテロアルキルはRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ヘテロアリールはRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1記載の化合物。
  12. が、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項11記載の化合物。
  13. が、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル及び1,3−オキサゾール−4−イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、それぞれがC1−4アルキルで置換されていてもよく、ここでアルキルは1〜3個のフッ素で置換されていてもよい、請求項12記載の化合物。
  14. が、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり;
    が:
    水素、
    から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
    1−3アルキル−O−C1−3アルキル−、及び
    アルキルがRから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
  15. 又はRが水素である、請求項14記載の化合物。
  16. が、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項15記載の化合物。
  17. *により印を付けた不斉炭素において、表示するR立体配置を有する、構造式II
    Figure 2010533712
    で表される、請求項1記載の化合物。
  18. 、R、R、R、R10及びR11が、それぞれ水素であり;Rが水素又はメチルであり、nが1である、請求項17記載の化合物。
  19. が水素、ハロゲン又はシアノである、請求項18記載の化合物。
  20. が、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり、
    が:
    水素、
    から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
    1−3アルキル−O−C1−3アルキル−、及び
    アルキルが、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、からなる群から選択される、請求項17記載の化合物。
  21. 又はRが水素である、請求項20記載の化合物。
  22. が、Rから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項20記載の化合物。
  23. 及びRが、それぞれ独立して、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル及び1,3−オキサゾール−4−イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、それぞれがC1−4アルキルで置換されていてもよく、ここでアルキルは1〜5個のフッ素で置換されていてもよい、請求項22記載の化合物。
  24. Figure 2010533712
    Figure 2010533712
    Figure 2010533712
    Figure 2010533712
    からなる群から選択される、請求項1記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  25. 請求項1記載の化合物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
  26. 治療を必要とするほ乳動物における、ソマトスタチンサブタイプ受容体3(SSTR3)の拮抗作用に応答する障害、病状又は疾患を治療するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用。
  27. 前記障害、病状又は疾患が、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、高血糖症、肥満症、脂質障害、メタボリックシンドローム及び高血圧からなる群から選択される、請求項26記載の使用。
  28. 治療を必要とするほ乳動物において、2型糖尿病、高血糖症、インシュリン抵抗性、脂質障害、肥満症、メタボリックシンドローム及び高血圧の治療のための医薬を製造するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用。
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