JP2010531921A - パワーステアリング流体 - Google Patents
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Abstract
提供されているのは、蝋質の供給材料から作られており、例えば、290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度のような改良された低温性能を有するパワーステアリング流体である。一態様において、該パワーステアリング流体は、50重量%より多い基油、粘度指数向上剤、及び約1.0重量%よりも少ない流動点降下剤を含む。
Description
提供されているのは、改良された低温性能及び高粘度指数を有するパワーステアリング流体であり、より具体的には、通し番号数(consecutive numbers)の炭素原子を有し非常に高い粘度指数を有する基油から作られるパワーステアリング流体である。
パワーステアリング流体は、あらゆるパワーステアリング装置の不可欠な部分である。パワーステアリング流体は、北米及び日本におけるあらゆる乗り物の約80〜90%、並びに世界の他の地域における増加している数の乗り物に使用されている。初期の装置製造業者は、パワーステアリング流体に対して厳しい規格を有している。要件には、高酸化安定性、高粘度指数、及びシール並びにホースとの適合性が含まれる。過去において、パワーステアリング流体はナフテン系基油及び中性溶媒基油の混合物を使用していた。より新しいパワーステアリング流体は、ナフテン系基礎原料油(base stocks;ベースストック)、中性溶媒基礎原料油、及び水素化分解基礎原料油の混合物を用いて配合されてきた。パワーステアリング流体に用いられた水素化分解基油は、約90〜約99質量%の飽和物含量を有してきた。改良された粘度指数及びより低いブルックフィールド粘度(Brookfield viscosity)を有するパワーステアリング流体が必要である。
NATO ASIシリーズ、1984年、F.R.Rodrigues,L.D.Rollman及びC.Naccache編集、R.M.Barrer著、Zeolites,Science and Technology、特に75頁
Ch.Baerlocher,W.M.Meier,及びD.H.Olson,Elsevier著、2001年、第5訂正版、"Atlas of Zeolite Framework Types",10〜15頁
Breck著、Zeolite Molecular Sieves,1974年版、特に8章
Anderson等のJ.Catalysis 58,114(1979)
1960年、McGraw−Hill Book Company,Inc.,New York発行、William Gruse及びDonald Stevens著、Chemical Technology of Petroleum第3版、566〜570頁
1999年3月16日、Houstonにおける1999年AIChE春季全国学会で提供されたD.C.Kramer等の"Influence of Group II & III Base Oil Composition on viscosity index and Oxidation Stability"
Kirk−OthmerのEncyclopedia of Chemical Technology第三版、14巻、477〜526頁
提供されているのは、50重量%より多い基油及び粘度指数向上剤を含み、290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有するパワーステアリング流体である。該基油は、通し番号数の炭素原子を有し、次の式により計算される粘度指数よりも大きな粘度指数(viscosity index)を有する:
28 x ln(100℃における動粘度)+101。
28 x ln(100℃における動粘度)+101。
又提供されているのは、50重量%より多い基油を含み、290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有するパワーステアリング流体を製造する方法であって、該方法は、基油を得、該基油を粘度指数向上剤と混合して該パワーステアリング流体を形成することを含む。該基油は、通し番号数の炭素原子、約4mm2/sよりも小さな100℃における動粘度、及び次の式により計算されるノアク揮発度ファクター(Noack Volatility Factor)よりも小さなノアク揮発度:
160−40(100℃における動粘度)
を有する。
160−40(100℃における動粘度)
を有する。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、約1.2mm2/sと約4.0mm2/s未満との間の100℃における動粘度、高い粘度指数、(−35℃において1500mPa・sより小さい)低い低温クランキング模擬装置粘度(Cold Cranking Simulator(CCS)viscosity)、及び一態様において、全シクロパラフィン官能性分子が5重量%より多いシクロパラフィン組成物、及び2.1より大きな、例えば、5より大きな、10より大きな、15より大きな、又は20より大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する。
ポリアルファオレフィン(PAO)油は、偶数炭素数の線状アルファオレフィン、典型的には1−デセンのオリゴマー化生成物である。従って、PAO油分子は、線状アルファオレフィン出発モノマーの炭素数の倍数だけ、炭素数が互いに異なる、偶数炭素数炭化水素分子の混合物を含む。たとえ偶数の炭素原子を有する線状アルファオレフィンモノマーの混合物(例えば、デセン及びドデセン)をオリゴマー化して重質潤滑剤基礎原料油を形成しても、得られる炭化水素分子の炭素原子数は依然として偶数の炭素原子を有するであろう。これは、偶数と奇数の両方の炭素原子を有する炭化水素分子を含み、通し番号数の炭素原子(例えば、1,2,3,4,5,6,7個及びそれより多くの炭素原子)だけ互いに異なる、ここに開示されるパワーステアリング流体の基油の炭化水素分子における通し番号数の炭素原子の混合物とは異なる。
「通し番号数の炭素原子」(“consecutive numbers of carbon atoms”)という句は、該基油が、どの数の炭素数も間に挟んで、或る範囲の炭素数に亘って炭化水素分子の分布を有する、という意味である。例えば、該基油は、どの炭素数も間に挟んで、C22からC36まで又はC30からC60まで変動する炭化水素分子を有することが出来る。該パワーステアリング流体の基油の炭化水素分子は、やはり連番号数の炭素原子を有する蝋質供給材料の結果として、通し番号数の炭素原子だけ互いに異なる。例えば、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成反応において、炭素原子源はCOであり、該炭化水素分子は一度に1個の炭素原子で積み上げられる。石油から誘導される蝋質供給材料も又連番の炭素数を有する。PAOに基づく油と対照的に、ここに開示されるパワーステアリング流体の基油の分子は、短い分枝を有する比較的長い幹(backbone;骨格)を含む、より線状の構造を有する。PAOに関する古典的教科書の説明は、星形分子、特に、中心点で結合している3個のデカン分子として図解されているトリデカンである。星形分子は理論的であるが、それにも拘らずPAO分子は該パワーステアリング流体の基油を構成する炭化水素分子よりも少なく長い分枝を有する。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は通し番号数の炭素原子を含む。該パワーステアリング流体は、50重量%より多い基油、及び13重量%より少ない、又は12重量%より少ない量の粘度指数向上剤を含む。該パワーステアリング流体は、0と約1.0重量%未満との間の流動点降下剤を含む。該パワーステアリング流体は、1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有する。該パワーステアリング流体は、一態様において、洗浄剤・防止剤の添加剤パッケージ、例えば、2〜6重量%又は5重量%の洗浄剤・防止剤の添加剤パッケージ(detergent−inhibitor additive package)を含む。
一態様において、(例えば、自動車及び軽トラック用の)該パワーステアリング流体は、自動車のパワーステアリング装置に用いられるパワーステアリング流体に対する種々の規格の要件を満たしている、即ち、パワーステアリング流体の充填交換サービスに適している。パワーステアリング流体規格の例は、ダイムラー・クライスラーMS5931F、ダイムラー・クライスラーMS1872、フォードM2C138−CJ、フォードM2C33−F、フォードESW−M2C128−C及びD、GM 9985010、ナビスターTMS 6810、及びフォルクスワーゲンTL−VW−570−26である。パワーステアリング流体部品番号の例は、アキュラ/ホンダ部品番号08206−9002PE、アウディ部品番号G002000、メルセデスベンツ部品番号00 989 8803、サーブ部品番号30 09 800、及びスバル部品番号K0Z09A0080である。
接触水添異性化により製造されるフィッシャー・トロプシュ誘導基油は、優れた酸化安定性、低い揮発度、及び高い粘度指数を有する。フィッシャー・トロプシュ誘導基油は、95重量%より多い、又は99.0重量%より多い、又は99.5重量%より多い飽和物を含有し、それにより以前パワーステアリング流体に使用された大部分の水素化分解基油から更に区別される。約1.2mm2/sと約4.0mm2/sの間の100℃における粘度を有するフィッシャー・トロプシュ誘導基油は、それらの良好な性質の故に、パワーステアリング流体中に配合することが出来る。フィッシャー・トロプシュ誘導基油は、シクロパラフィン官能性分子を含有しているので、本来良好な潤滑剤特性を有し、従って自然な潤滑性、耐摩耗性、溶解作用及びシール適合性を有する。フィッシャー・トロプシュ誘導基油は又、ナフテン系基油及び中性溶媒基油と充分相溶性であり、他のタイプの基油と組み合わせると、前述の潤滑剤特性、特に、パワーステアリング装置のシ−ル及びホース中のエラストマーとの適合性が更に向上している基油混合物を生成する。
定義及び用語
以下の用語は、本明細書を通して用いられ、他に指示のない限り以下の意味を有する。
以下の用語は、本明細書を通して用いられ、他に指示のない限り以下の意味を有する。
「フィッシャー・トロプシュ誘導」という用語は、該生成物、留分、又は供給材料がフィッシャー・トロプシュ法による或る段階に由来している、即ち、或る段階で生成していることを意味する。
「石油誘導」という用語は、該生成物、留分、又は供給材料が原油の蒸留からの塔頂蒸気流及び非蒸発性残留部分である残留燃料に由来していることを意味する。石油誘導生成物、留分、又は供給材料の源は、ガス田凝縮物からの物であり得る。
高パラフィン系ワックスは、一般的には40重量%より多いが、50重量%より多いか又は75重量%より多くてもよい、高含量のn−パラフィンを有するワックスを意味する。一態様において、該高パラフィン系ワックスは、又、非常に低い量の窒素及び硫黄、一般的には25ppmより少ない、例えば、20ppmより少ない窒素及び硫黄の全量を有する。高パラフィン系ワックスの例には、粗蝋、脱油粗蝋、精製蝋下油、蝋質潤滑剤ラフィネート、n−パラフィンワックス、NAOワックス、化学プラント法で製造されるワックス、脱油石油誘導ワックス、微結晶蝋、フィッシャー・トロプシュ・ワックス、及びそれらの混合物が含まれる。一態様において、該高パラフィン系ワックスの流動点は、50℃より高いか又は60℃より高い。
「高パラフィン系ワックスから誘導される」という用語は、該生成物、留分、又は供給材料が高パラフィン系ワックスからの或る段階に由来している、即ち、或る段階で生成していることを意味する。
芳香族化合物は、連続する大群の非局在化電子を共有する少なくとも一群の原子を含有する任意の炭化水素化合物を意味するが、該原子群における非局在化電子数は4n+2(例えば、6個の電子に対してはn=1、等)というヒュッケル規則の解に相当する。代表的な例は、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、等を含むが、それらに限定されない。
シクロパラフィン官能性分子は、単環式又は縮合多環式飽和炭化水素基であるか、又は該基を1個以上の置換基として含有する任意の分子を意味する。該シクロパラフィン基は、所望により、1個以上の、例えば、1〜3個の置換基で置換することが出来る。代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロペンタレン、(ペンタデカン−6−イル)シクロヘキサン、3,7,10−トリシクロヘキシルペンタデカン、デカヒドロ−1−(ペンタデカン−6−イル)ナフタレン、等を含むが、それらに限定されない。
モノシクロパラフィン官能性分子は、3〜7個の環炭素の単環式飽和炭化水素基である任意の分子、又は3〜7個の環炭素を有する単一の単環式飽和炭化水素基で置換されている任意の分子を意味する。該シクロパラフィン基は、所望により、1個以上の、例えば、1〜3個の置換基で置換することが出来る。代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、(ペンタデカン−6−イル)シクロヘキサン、等を含むが、それらに限定されない。
マルチシクロパラフィン官能性分子は、2個以上の縮合環の縮合多環式飽和炭化水素環基である任意の分子、2個以上の縮合環を有する、1個以上の縮合多環式飽和炭化水素環基で置換されている任意の分子、又は3〜7個の環炭素を有する、1個より多い単環式飽和炭化水素基で置換されている任意の分子を意味する。該縮合多環式飽和炭化水素環基は、しばしば、2個の縮合環から成る。該シクロパラフィン基は、所望により、1個以上の、例えば、1〜3個の置換基で置換することが出来る。代表的な例は、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロペンタレン、3,7,10−トリシクロヘキシルペンタデカン、デカヒドロ−1−(ペンタデカン−6−イル)ナフタレン、等を含むが、それらに限定されない。
ブルックフィールド粘度:ASTM D2983−04aは、低温度における自動車の液体潤滑剤の低せん断速度粘度を測定するのに用いられる。自動変速機油、ギヤ油、トルク及びトラクター流体、及び工業用並びに自動車用の油圧作動油の低温低せん断速度粘度は、頻繁にブルックフィールド粘度により特定されている。
動粘度は、重力下にある流体の流動抵抗の測定値である。多数の基油、それらから製造されるパワーステアリング流体、及びその装置の正しい操作は、使用される流体の適切な粘度に依存する。動粘度はASTM D445−06により測定される。該結果はmm2/sで報告される。一態様において、フィッシャー・トロプシュ誘導基油は、約1.2mm2/sと約4.0mm2/sとの間の100℃における動粘度を有する。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約1.5mm2/sと約3.5mm2/sとの間の動粘度を有する。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約2.0mm2/sと約3.5mm2/sとの間の100℃における動粘度を有し、一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約2.0mm2/sと約3.0mm2/sとの間の100℃における動粘度を有する。
粘度指数(VI)は、該油の動粘度に対する温度変化の影響を示す経験的な単位の無い数である。粘度指数はASTM D2270−04により測定される。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、101より大きな粘度指数を有する。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約105と約160の間の粘度指数を有する。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油の「粘度指数ファクター」は、該基油の動粘度から誘導される経験的な数である。該粘度指数ファクターは次の式により計算される:
粘度指数ファクター=28 x ln(100℃における動粘度)+101 (1)
(式中、“ln”は“e”を底とする対数関数である)。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、該粘度指数ファクターよりも大きな粘度指数を有することができる。図1は、上記の式による粘度指数ファクターのグラフである。基油の動粘度から誘導される高い粘度指数を有する高パラフィン系ワックスから誘導される以前の基油、例えば、米国特許第7,083,713号に教示されているものは、やはりパワーステアリング流体に有用である。しかしながら、ここに開示されるパワーステアリング流体の組成物に有用な基油は、米国特許第7,083,713号に教示されているものの粘度指数よりも高い粘度指数を有する。ここに開示されるパワーステアリング流体の基油のより高い粘度指数(粘度指数ファクター)は、該パワーステアリング流体の改良された性能(高い粘度指数及び低いブルックフィールド粘度)に貢献する。
粘度指数ファクター=28 x ln(100℃における動粘度)+101 (1)
(式中、“ln”は“e”を底とする対数関数である)。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、該粘度指数ファクターよりも大きな粘度指数を有することができる。図1は、上記の式による粘度指数ファクターのグラフである。基油の動粘度から誘導される高い粘度指数を有する高パラフィン系ワックスから誘導される以前の基油、例えば、米国特許第7,083,713号に教示されているものは、やはりパワーステアリング流体に有用である。しかしながら、ここに開示されるパワーステアリング流体の組成物に有用な基油は、米国特許第7,083,713号に教示されているものの粘度指数よりも高い粘度指数を有する。ここに開示されるパワーステアリング流体の基油のより高い粘度指数(粘度指数ファクター)は、該パワーステアリング流体の改良された性能(高い粘度指数及び低いブルックフィールド粘度)に貢献する。
流動点は、基油の試料が注意深く制御された条件下で流動し始める温度の測定値である。流動点は、ASTM D5950−02に記載されている様に測定することができる。該結果は摂氏温度で報告される。多数の市販基油は、流動点用の仕様を有している。基油が低い流動点を有している場合、該基油は又他の良好な低温特性、例えば、低い曇り点、低い低温フィルタ閉塞点、及び低温クランキング粘度(cranking viscosity)を有しやすい。
ノアク揮発度は、通常ASTM D5800−05手順Bにより試験される。ノアク揮発度を計算するためのより便利な方法であって、ASTM D5800−05と関連しているものは、ASTM D6375−05による熱重量分析器試験(TGA)を使用することによる。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、100重量%より小さいノアク揮発度を有する。基油のノアク揮発度は、一般に該動粘度が減少するに従って増加する。ノアク揮発度が低ければ低い程、基油及び配合油が使用されて蒸発する傾向はますます低い。基油の「ノアク揮発度ファクター」は、該基油の動粘度から誘導される経験的な数である。高パラフィン系ワックスから誘導される基油のノアク揮発度は非常に低く、一態様において、式:
ノアク揮発度ファクター=160−40(100℃における動粘度) (2)
により計算される量より小さい。米国特許出願公開第2006/0201852 A1号に提供されている式(2)は、1.5mm2/sと4.0mm2/sとの間の動粘度に対して、0と100との間のノアク揮発度ファクターを提供する。図2は、式(2)によるノアク揮発度ファクターのグラフである。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油のノアク揮発度は、式:
ノアク揮発度ファクター=900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
により計算される量より小さい。米国特許出願第11/613,936号に提供されている式(3)は、2.09mm2/sと4.3mm2/sとの間の動粘度に対して、0と100との間のノアク揮発度ファクターを提供する。図2は、又式(3)によるノアク揮発度ファクターを含む。2.4mm2/s〜3.8mm2/sの範囲の動粘度に対して、式(3)は式(2)が提供するよりも低いノアク揮発度ファクターを提供する。2.4mm2/s〜3.8mm2/sの動粘度を有する基油の範囲では、特に該基油をより高いノアク揮発度を有していることがある他の油と混合するのならば、より低いノアク揮発度ファクターが望ましい。
ノアク揮発度ファクター=160−40(100℃における動粘度) (2)
により計算される量より小さい。米国特許出願公開第2006/0201852 A1号に提供されている式(2)は、1.5mm2/sと4.0mm2/sとの間の動粘度に対して、0と100との間のノアク揮発度ファクターを提供する。図2は、式(2)によるノアク揮発度ファクターのグラフである。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油のノアク揮発度は、式:
ノアク揮発度ファクター=900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
により計算される量より小さい。米国特許出願第11/613,936号に提供されている式(3)は、2.09mm2/sと4.3mm2/sとの間の動粘度に対して、0と100との間のノアク揮発度ファクターを提供する。図2は、又式(3)によるノアク揮発度ファクターを含む。2.4mm2/s〜3.8mm2/sの範囲の動粘度に対して、式(3)は式(2)が提供するよりも低いノアク揮発度ファクターを提供する。2.4mm2/s〜3.8mm2/sの動粘度を有する基油の範囲では、特に該基油をより高いノアク揮発度を有していることがある他の油と混合するのならば、より低いノアク揮発度ファクターが望ましい。
アニリン点試験は、油が該油と接触するエラストマー(ゴムコンパウンド)を損傷し易いかどうかを示す。アニリン点は、等容量のアニリン(C6H5NH2)と該油が単一相を形成する最も低い温度(°F又は℃)である「アニリン点温度」と呼ばれる。該アニリン点はASTM D611−04により測定される。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される、該パワーステアリング流体の基油は、36 x ln(100℃における動粘度)+200よりも大きいアニリン点を有する。従って、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、良好なエラストマー適合性を示し、パワーステアリング装置におけるシ−ル及びホースと良く適合する。
高パラフィン系ワックス
該パワーステアリング流体の基油を製造するのに使用される高パラフィン系ワックスは、高含量のn−パラフィンを有し通し番号数の炭素原子を有するいかなるワックスであっても良い。該高パラフィン系ワックスは、40重量%より多い、例えば、50重量%より多いか、又は75重量%より多いn−パラフィンを含む。一態様において、該高パラフィン系ワックスは、又非常に低い量の窒素及び硫黄、一般的には25ppmより少ない、例えば20ppmより少ない窒素及び硫黄の全量を有する。高パラフィン系ワックスの例には、粗蝋、脱油粗蝋、精製蝋下油、蝋質潤滑剤ラフィネート、n−パラフィンワックス、NAOワックス、化学プラント法で製造されるワックス、脱油石油誘導ワックス、微結晶蝋、フィッシャー・トロプシュ・ワックス、及びそれらの混合物が含まれる。一態様において、該高パラフィン系ワックスの流動点は、50℃より高いか、又は60℃より高い。
該パワーステアリング流体の基油を製造するのに使用される高パラフィン系ワックスは、高含量のn−パラフィンを有し通し番号数の炭素原子を有するいかなるワックスであっても良い。該高パラフィン系ワックスは、40重量%より多い、例えば、50重量%より多いか、又は75重量%より多いn−パラフィンを含む。一態様において、該高パラフィン系ワックスは、又非常に低い量の窒素及び硫黄、一般的には25ppmより少ない、例えば20ppmより少ない窒素及び硫黄の全量を有する。高パラフィン系ワックスの例には、粗蝋、脱油粗蝋、精製蝋下油、蝋質潤滑剤ラフィネート、n−パラフィンワックス、NAOワックス、化学プラント法で製造されるワックス、脱油石油誘導ワックス、微結晶蝋、フィッシャー・トロプシュ・ワックス、及びそれらの混合物が含まれる。一態様において、該高パラフィン系ワックスの流動点は、50℃より高いか、又は60℃より高い。
高パラフィン系ワックスを処理して、低揮発度及び高粘度指数を有し、又良好な添加剤溶解性及びエラストマー適合性をも有する基油を提供できることが発見されている。一態様において、該高パラフィン系ワックスは、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスであり、フィッシャー・トロプシュ誘導基油を提供する。
フィッシャー・トロプシュ合成
フィッシャー・トロプシュ化学において、水素及び一酸化炭素は、反応条件下フィッシャー・トロプシュ触媒との接触により液体状及び気体状炭化水素に変換される。フィッシャー・トロプシュ型反応を行うための条件の例は、当業者に周知である。
フィッシャー・トロプシュ化学において、水素及び一酸化炭素は、反応条件下フィッシャー・トロプシュ触媒との接触により液体状及び気体状炭化水素に変換される。フィッシャー・トロプシュ型反応を行うための条件の例は、当業者に周知である。
フィッシャー・トロプシュ合成製品は、例えば、工業用のSASOL(登録商標)スラリー相フィッシャー・トロプシュ技術、工業用のSHELL(登録商標)中間流出物合成(SMDS)法、又は非工業用のEXXON(登録商標)進歩的ガス変換(AGC−21)法のような周知の方法により得ることが出来る。これらの方法等の詳細は、例えば、EP−A−776959,EP−A−668342,EP−B−450860;米国特許第4,943,672, 5,059,299, 5,348,982, 5,733,839及びRE39073号;米国出願公開第2005/0227866号,WO−A−9934917,WO−A−9920720及びWO−A−05107935に記載されている。該フィッシャー・トロプシュ合成製品は、通常1〜100の、或いは100より多くの炭素原子さえ有する炭化水素を含み、典型的にはパラフィン、オレフィン、及び酸素化生成物を含む。
該スラリー・フィッシャー・トロプシュ法は、該発熱性の強い合成反応に対して優れた熱(及び質量)移動特性を利用しており、コバルト触媒を使用する場合比較的高い分子量のパラフィン系炭化水素を製造することが出来る。
ある種のフィッシャー・トロプシュ触媒は比較的高い連鎖生長反応の確率を提供することが知られており、該反応生成物は比較的低割合の低分子量(C2−8)オレフィン及び比較的高割合の高分子量(C30+)ワックスを含む。かかる触媒は、当業者に周知であり、容易に取得及び(又は)製造をすることが出来る。
フィッシャー・トロプシュ法からの生成物は、主にパラフィンを含有している。フィッシャー・トロプシュ反応からの生成物は、一般的に軽質反応生成物及び蝋質反応生成物を含有している。該蝋質反応生成物(即ち、蝋質留分)は、約600°Fより上で沸騰する炭化水素(例えば、真空軽油から重質パラフィンまで)を主にC20+の範囲で含み、C10までの量は減少している。
該蝋質反応生成物は、一般に70重量%より多い直鎖パラフィンを、しばしば80重量%より多い直鎖パラフィンを含む。パワーステアリング流体におけるフィッシャー・トロプシュ誘導基油を提供する方法への供給原料として用いられるのが該蝋質反応生成物(即ち、蝋質留分)である。
該パワーステアリング流体のフィッシャー・トロプシュ基油は、該フィッシャー・トロプシュ合成原油の蝋質留分から水添異性化を含む方法により製造することが出来る。一態様において、該フィッシャー・トロプシュ基油は、米国特許出願公開第2005/0133409 A1及び2006/0289337 A1号に記載された方法により製造される。該パワーステアリング流体のフィッシャー・トロプシュ基油は、該パワーステアリング流体の成分が受け取られ混合される場所とは異なる場所でしばしば製造される。
基油を提供する方法
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、高パラフィン系ワックスを提供してから該高パラフィン系ワックスを水添異性化して該基油を提供することを含む方法により製造される。該高パラフィン系ワックスは、約600°F〜750°Fの条件下で、貴金属水素添加成分を含む形状選択性中間孔径分子篩を使用して水添異性化される。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、高パラフィン系ワックスを提供してから該高パラフィン系ワックスを水添異性化して該基油を提供することを含む方法により製造される。該高パラフィン系ワックスは、約600°F〜750°Fの条件下で、貴金属水素添加成分を含む形状選択性中間孔径分子篩を使用して水添異性化される。
一態様において、該高パラフィン系ワックスは、フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスであり、フィッシャー・トロプシュ誘導基油を提供する。フィッシャー・トロプシュ誘導基油は、フィッシャー・トロプシュ合成法とその後に続く該フィッシャー・トロプシュ合成原油の蝋質留分の水添異性化により製造することが出来る。
水添異性化
該高パラフィン系ワックスは、水添異性化を含む方法に処して該パワーステアリング流体の基油を提供する。水添異性化は、該分子構造中への分岐の選択的付加により該基油の低温流れ特性を改善することが意図されている。水添異性化は理想的には、同時に分解による変換を最小にしながら、高パラフィン系ワックスから非蝋質イソパラフィンへの高水準の変換を達成する。一態様において、水添異性化の条件は、蝋質供給物中の約700°Fより上で沸騰する化合物から約700°Fより下で沸騰する化合物への変換率が約10重量%と50重量%との間、例えば15重量%と45重量%との間に維持されるように制御される。
該高パラフィン系ワックスは、水添異性化を含む方法に処して該パワーステアリング流体の基油を提供する。水添異性化は、該分子構造中への分岐の選択的付加により該基油の低温流れ特性を改善することが意図されている。水添異性化は理想的には、同時に分解による変換を最小にしながら、高パラフィン系ワックスから非蝋質イソパラフィンへの高水準の変換を達成する。一態様において、水添異性化の条件は、蝋質供給物中の約700°Fより上で沸騰する化合物から約700°Fより下で沸騰する化合物への変換率が約10重量%と50重量%との間、例えば15重量%と45重量%との間に維持されるように制御される。
水添異性化は、形状選択性中間孔径分子篩を用いて行われる。用いられる水添異性化触媒は、形状選択性中間孔径分子篩、及び所望により、耐火性酸化物支持体上の触媒活性金属水素添加成分を含む。ここで用いられている「中間孔径」という句は、該多孔性無機酸化物が焼成形状である場合、約3.9〜約7.1Åの範囲の有効孔径を意味する。使用される形状選択性中間孔径分子篩は一般に1−D 10−,11−又は12−環分子篩である。一態様において、該分子篩は1−D 10−環の種類であり、ここに10−(又は11−又は12−)環分子篩は酸素により結合された10(又は11又は12)個の四面体状に統合された原子(T−原子)を有する。該1−D分子篩においては、10−環(又はそれより大きな)孔は互いに平行であり、相互に連結していない。しかしながら、中間孔径分子篩の比較的広い定義を満たすが、8員環を有して交差する孔を含む1−D 10−環分子篩は、又分子篩の定義内に包含することが出来ることに注意して頂きたい。1−D,2−D及び3−Dとしてのゼオライト内部溝の分類は、NATO ASIシリーズ、1984年、F.R.Rodrigues,L.D.Rollman及びC.Naccacheにより編集されたZeolites,Science and TechnologyにR.M.Barrerにより記載されており、その分類を全体として参考のために示す(特に75頁参照)。
水添異性化に使用される他の形状選択性中間孔径分子篩は、SAPO−11,SAPO−31,及びSAPO−41のように、燐酸アルミニウムに基づいている。SM−3は良好な形状選択性中間孔径分子篩SAPOの一例であり、それはSAPO−11分子篩の結晶構造に含まれる結晶構造を有している。SM−3の製造及びその特異な特性は米国特許第4,943,424及び5,158,665号に記載されている。水添異性化に使用される他の形状選択性中間孔径分子篩は、ZSM−22,ZSM−23,ZSM−35,ZSM−48,ZSM−57,SSZ−32,オフレタイト、及びフェリエライトのようなゼオライトである。
一態様において、中間孔径分子篩は、該溝の選択された結晶学的フリー直径、選択された結晶子サイズ(選択された溝長さに相当する)、及び選択された酸性度を特徴とする。該分子篩の溝の望ましい結晶学的フリー直径は、7.1Å以下の最大結晶学的フリー直径及び3.9Å以上の最小結晶学的フリー直径を有して、約3.9〜約7.1Åの範囲にある。この態様において、該最大結晶学的フリー直径は7.1Å以下であり、該最小結晶学的フリー直径は4.0Å以上である。一態様において、該最大結晶学的フリー直径は6.5Å以下であり、該最小結晶学的フリー直径は4.0Å以上である。分子篩の溝の結晶学的フリー直径は、Ch.Baerlocher,W.M.Meier,及びD.H.Olson,Elsevierによる、2001年、第5訂正版、“Atlas of Zeolite Framework Types”,10〜15頁に公開されている。
中間孔径分子篩の一例は、例えば、米国特許第5,135,638及び5,282,958号に記載されている。米国特許第5,282,958号において、かかる中間孔径分子篩は、約0.5ミクロン以下の結晶子サイズ、及び最小直径が少なくとも約4.8Åで最大直径が約7.1Åである細孔を有する。該触媒は充分な酸性度を有しているので、管状反応器中に位置している場合その0.5グラムは、370℃、1200psigの圧力、160ml/minの水素流量、及び1ml/hrの供給量で、少なくとも50%のヘキサデカンを変換する。該触媒は又、直鎖ヘキサデカン(n−C16)から他の化学種への96%変換を導く条件下で使用する場合、40パーセント以上の異性化選択率(異性化選択率は次のように決定される:100x(生成物中の分岐C16重量%)/(生成物中の分岐C16重量%+生成物中のC13−重量%))を示す。
一態様において、該分子篩は、約4.0〜約7.1Åの範囲の、例えば、4.0〜6.5Åの範囲の結晶学的フリー直径を有する細孔又は溝により更に特徴付けることができる。分子篩の溝の結晶学的フリー直径は、Ch.Baerlocher,W.M.Meier,及びD.H.Olson,Elsevierによる、2001年、第5訂正版、“Atlas of Zeolite Framework Types”,10〜15頁に公開されている。
もしも分子篩の溝の結晶学的フリー直径が知られていないならば、該分子篩の有効孔径を、標準吸着技術及び最小動力学的直径(kinetic diameters)の知られた炭化水素質化合物を用いて、測定することが出来る。BreckのZeolite Molecular Sieves,1974年版(特に8章);Anderson等のJ.Catalysis 58,114(1979);及び米国特許第4,440,871号を参照されたい。孔径を測定するために吸着測定を行う際には、標準技術が使用される。該分子篩上で約10分未満のうちにその平衡吸着値の少なくとも95%に到達しないならば、特定の分子は除外されていると考えるのが便利である(25℃においてp/p0=0.5)。中間孔径分子篩は典型的に、5.3〜6.5Åの動力学的直径を有する分子を殆んど障害なしに収容する。
水添異性化触媒は、触媒活性水素添加金属(catalytically active hydrogenation metal)をしばしば含む。触媒活性水素添加金属の存在は、生成物の改良、特に粘度指数及び安定性をもたらす。典型的な触媒活性水素添加金属は、クロム、モリブデン、ニッケル、バナジウム、コバルト、タングステン、亜鉛、プラチナ、及びパラジウムを含む。一態様において、該触媒活性水素添加金属は、プラチナ、パラジウム、及びそれらの混合物から選択される。もしもプラチナ及び(又は)パラジウムを使用するならば、活性水素添加金属の全量は、全触媒について、10重量パーセントを超えないように、典型的には0.1〜5重量パーセント、通常は0.1〜2重量パーセントの範囲にある。
該耐火性酸化物支持体は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、及びそれらの組合せを含む、従来から触媒に使用されている酸化物支持体から選択することが出来る。
水添異性化用の条件は、5重量%より多いシクロパラフィン官能性分子を含む基油を獲得するように調整される。一態様において、該条件は、マルチシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントに対するモノシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントの比が5より大きな、例えば、10より大きな、15より大きな、又は20より大きな基油を提供する。該水添異性化用条件は、使用される供給材料の性質、使用される触媒、該触媒が硫化されているか否か、所望の収率、及び該基油の所望の性質に依存する。該水添異性化方法を行うことの出来る条件には、約500°F〜約775°F(260℃〜約413℃)、例えば、600°F〜約750°F(315℃〜約399℃)、又は600°F〜約700°F(315℃〜約371℃)の温度、及び約15〜3000psig、例えば、100〜2500psigの圧力が含まれる。これに関連して、該水添異性化圧力は、該水添異性化反応器内の水素分圧のことを言うが、該水素分圧は全圧と実質的に同じ(即ち、殆んど同じ)である。接触中の液空間速度は、一般的に約0.1〜20hr−1、例えば、約0.1〜約5hr−1である。水素の炭化水素に対する比は、約1.0〜約50モルH2/モル炭化水素、例えば、約10〜約20モルH2/モル炭化水素の範囲に含まれる。水添異性化を行うための適切な条件は、米国特許第5,282,958及び5,135,638号に記載されている。
水素は水添異性化方法中反応域に、典型的に約0.5〜30MSCF/bbl(千標準立方フィート/バレル)、例えば、約1〜約10MSCF/bblの水素対供給原料比で存在する。一態様において、該水素対供給原料比は約712.4〜約3562リッターH2/リッター油(約4〜約20MSCF/bbl)である。水素は、時々該生成物から分離され該反応域に再循環される。
水素処理法(Hydrotreating)
水添異性化方法への高パラフィン系蝋質供給材料は、水添異性化の前に時々水素処理される。水素処理法は、通常遊離水素の存在下に行われる接触方法のことを言い、その主目的は砒素、アルミニウム、及びコバルトのような種々の金属汚染物質、硫黄及び窒素のようなヘテロ原子、酸素化物、又は芳香族化合物を供給原料から除去することである。一般に水素処理操作において、炭化水素分子の分解、即ち、比較的大きな炭化水素分子から比較的小さな炭化水素分子への破壊は最小にされ、不飽和炭化水素は全体的に又は部分的に水素添加される。
水添異性化方法への高パラフィン系蝋質供給材料は、水添異性化の前に時々水素処理される。水素処理法は、通常遊離水素の存在下に行われる接触方法のことを言い、その主目的は砒素、アルミニウム、及びコバルトのような種々の金属汚染物質、硫黄及び窒素のようなヘテロ原子、酸素化物、又は芳香族化合物を供給原料から除去することである。一般に水素処理操作において、炭化水素分子の分解、即ち、比較的大きな炭化水素分子から比較的小さな炭化水素分子への破壊は最小にされ、不飽和炭化水素は全体的に又は部分的に水素添加される。
水素化仕上げ(Hydrofinishing)
水素化仕上げは、高パラフィン系ワックスから誘導される基油を提供するために水添異性化に続く工程としてしばしば使用される水素処理法である。水素化仕上げは、微量の芳香族化合物、オレフィン、色材、及び溶剤を除去することにより、酸化安定性、紫外線安定性、及び基油の外観を改善することが意図されている。ここで使用する場合、紫外線安定性という用語は、紫外線及び酸素に曝した時の基油又はパワーステアリング流体の安定性のことを言う。不安定度は、紫外線及び空気に曝した時、通常綿状物又は曇りとして見られる可視性沈殿物が形成されるか、又は比較的暗い色が顕れる場合に示される。水素化仕上げの一般的記載は、米国特許第3,852,207及び4,673,487号で見出すことができる。不純物を除去する白土処理は、高パラフィン系ワックスから誘導される基油を提供するための選択的な最終処理工程である。
水素化仕上げは、高パラフィン系ワックスから誘導される基油を提供するために水添異性化に続く工程としてしばしば使用される水素処理法である。水素化仕上げは、微量の芳香族化合物、オレフィン、色材、及び溶剤を除去することにより、酸化安定性、紫外線安定性、及び基油の外観を改善することが意図されている。ここで使用する場合、紫外線安定性という用語は、紫外線及び酸素に曝した時の基油又はパワーステアリング流体の安定性のことを言う。不安定度は、紫外線及び空気に曝した時、通常綿状物又は曇りとして見られる可視性沈殿物が形成されるか、又は比較的暗い色が顕れる場合に示される。水素化仕上げの一般的記載は、米国特許第3,852,207及び4,673,487号で見出すことができる。不純物を除去する白土処理は、高パラフィン系ワックスから誘導される基油を提供するための選択的な最終処理工程である。
精留(Fractionation)
所望により、高パラフィン系ワックスから誘導される軽質基油を提供する方法は、水添異性化の前に高パラフィン系蝋質供給材料を精留すること、又は水添異性化法から得られる基油の精留を含めることが出来る。高パラフィン系蝋質供給材料又は異性化基油の留分への精留は一般に、常圧又は減圧蒸留により、又は常圧及び減圧蒸留の組合せにより成し遂げられる。常圧蒸留は典型的に、ナフサ及び中間留分のような比較的軽質な留分を約600°F〜約750°F(約315℃〜約399℃)より上の初期沸点を有する塔底留分から分離するのに使用される。より高い温度では、該炭化水素の熱分解が起きて、該装置の汚損及びより低い収率の比較的重質留分をもたらす可能性がある。減圧蒸留は典型的に、基油のような比較的高沸点物質を異なる沸点範囲の留分に分離するのに使用される。基油を異なる沸点範囲の留分に精留することにより、基油製造プラントは2種以上の等級、即ち粘度の基油を製造することが出来る。
所望により、高パラフィン系ワックスから誘導される軽質基油を提供する方法は、水添異性化の前に高パラフィン系蝋質供給材料を精留すること、又は水添異性化法から得られる基油の精留を含めることが出来る。高パラフィン系蝋質供給材料又は異性化基油の留分への精留は一般に、常圧又は減圧蒸留により、又は常圧及び減圧蒸留の組合せにより成し遂げられる。常圧蒸留は典型的に、ナフサ及び中間留分のような比較的軽質な留分を約600°F〜約750°F(約315℃〜約399℃)より上の初期沸点を有する塔底留分から分離するのに使用される。より高い温度では、該炭化水素の熱分解が起きて、該装置の汚損及びより低い収率の比較的重質留分をもたらす可能性がある。減圧蒸留は典型的に、基油のような比較的高沸点物質を異なる沸点範囲の留分に分離するのに使用される。基油を異なる沸点範囲の留分に精留することにより、基油製造プラントは2種以上の等級、即ち粘度の基油を製造することが出来る。
溶剤脱蝋(Solvent Dewaxing)
高パラフィン系ワックスから誘導される基油の製造方法は時々、水添異性化処理の前又は後に溶剤脱蝋工程をも含む。溶剤脱蝋は所望により、水添異性化の後に基油から少量の残留蝋質分子を除去するのに使用することが出来る。溶剤脱蝋は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はトルエンのような溶剤に基油を溶解させることにより、又は、1960年、McGraw−Hill Book Company,Inc.,New York発行、William Gruse及びDonald Stevens著、Chemical Technology of Petroleum第3版、566〜570頁で検討されているように、該蝋質分子を沈澱させることによりなされる。溶剤脱蝋は又、米国特許第4,477,333, 3,773,650及び3,775,288号に記載されている。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油の製造方法は時々、水添異性化処理の前又は後に溶剤脱蝋工程をも含む。溶剤脱蝋は所望により、水添異性化の後に基油から少量の残留蝋質分子を除去するのに使用することが出来る。溶剤脱蝋は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はトルエンのような溶剤に基油を溶解させることにより、又は、1960年、McGraw−Hill Book Company,Inc.,New York発行、William Gruse及びDonald Stevens著、Chemical Technology of Petroleum第3版、566〜570頁で検討されているように、該蝋質分子を沈澱させることによりなされる。溶剤脱蝋は又、米国特許第4,477,333, 3,773,650及び3,775,288号に記載されている。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油
高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、パワーステアリング流体に使用するのに適している。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約1.2mm2/sと約4.0mm2/sとの間、例えば、100℃において約1.5と約3.5mm2/sとの間、又は100℃において約2mm2/sと約3.5mm2/sとの間、又は100℃において約2mm2/sと約3.0mm2/sとの間の粘度を有する。高パラフィン系ワックスから誘導される基油は低いノアク揮発度を有するのが有利である。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、0と100重量%との間であって、次の式:
ノアク揮発度ファクター=160−40(100℃における動粘度)
により計算されるノアク揮発度ファクターよりも小さなノアク揮発度を有する。
一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、100重量%より小さい、例えば、50重量%又は35重量%より小さいノアク揮発度を有する。従って、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、高い粘度指数及び低い揮発度の両方を有するのが有利である。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、パワーステアリング流体に使用するのに適している。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約1.2mm2/sと約4.0mm2/sとの間、例えば、100℃において約1.5と約3.5mm2/sとの間、又は100℃において約2mm2/sと約3.5mm2/sとの間、又は100℃において約2mm2/sと約3.0mm2/sとの間の粘度を有する。高パラフィン系ワックスから誘導される基油は低いノアク揮発度を有するのが有利である。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、0と100重量%との間であって、次の式:
ノアク揮発度ファクター=160−40(100℃における動粘度)
により計算されるノアク揮発度ファクターよりも小さなノアク揮発度を有する。
一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、100重量%より小さい、例えば、50重量%又は35重量%より小さいノアク揮発度を有する。従って、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、高い粘度指数及び低い揮発度の両方を有するのが有利である。
一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、101よりも大きな粘度指数を有する。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約105と約160との間の粘度指数を有する。
一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油の粘度指数は、次の式により計算される粘度指数ファクター:
粘度指数ファクター=28 x ln(100℃における動粘度)+101
より大きい。
複数態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、100℃における動粘度の3倍よりも多い重量%のシクロパラフィン官能性分子を含む。
粘度指数ファクター=28 x ln(100℃における動粘度)+101
より大きい。
複数態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、100℃における動粘度の3倍よりも多い重量%のシクロパラフィン官能性分子を含む。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、5重量%未満、例えば、1重量%未満、又は0.5重量%未満の不飽和化合物を含む。一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、5重量%より多いシクロパラフィン官能性分子を含む。一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、5より大きい、例えば、10より大きい、15より大きい、又は20より大きい、マルチシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントに対するモノシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントの比を含む。該パワーステアリング流体の基油は、一般に0.30重量パーセント未満、例えば、0.1重量パーセント未満、又は0.05重量パーセント未満の芳香族官能性分子を含む。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、5重量パーセントより多いシクロパラフィン官能性分子を含む。複数態様において、該パワーステアリング流体の基油は、5より大きい、例えば、10より大きい、15より大きい、又は20より大きい、マルチシクロパラフィン官能性分子の重量%に対するモノシクロパラフィン官能性分子の重量%の比を含む。一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、100℃における動粘度の3倍よりも多い重量パーセントのシクロパラフィン官能性分子を含む。
いくつかの態様において、該パワーステアリング流体の基油は、19未満のアルキル分枝/100炭素、例えば、9より多いアルキル分枝/100炭素であって19未満のアルキル分枝/100炭素を含む。該パワーステアリング流体の基油は、特定のアルキル分岐配置を有することもできる。一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、主としてメチルの分岐を含み、該分岐は、100炭素当り6〜18個のアルキル分枝が存在し、該分岐の25%より多くが互いに離れた5個以上の炭素原子であり、該分岐の40%未満が互いに離れた2〜3個以内の炭素原子であるというようなものである。かかるタイプの基油の例は、米国特許出願公開第2005/0077208 A1号に教示されている。
所望量のシクロパラフィン官能性分子を含有する基油は、シクロパラフィン官能性分子が添加剤溶解性を付与するので、粘度指数向上剤及び潤滑油添加剤パッケージを含む添加剤に対して良好な溶解性を示す。マルチシクロパラフィン官能性分子は酸化安定性を減少させ、粘度指数を低下させ、そしてノアク揮発度を増加させるので、マルチシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントに対するモノシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントの高い比(即ち、高重量パーセントのモノシクロパラフィン官能性分子と低重量パーセントのマルチシクロパラフィン官能性分子)を含有する基油がやはり望ましい。従って、該基油は良好な酸化安定性及び高いノアク揮発度を示す。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、36 x ln(100℃における動粘度)+200よりも大きいアニリン点を有する。従って、該基油は良好なエラストマー適合性を示し、パワーステアリング装置におけるシ−ル及びホースを損傷しない。
一態様において、該パワーステアリング流体の基油は、溶出カラムクロマトグラフィー、ASTM D2549−02により測定した時、95重量%より多い、例えば、99重量%より多い、又は99.5重量%より多い飽和化合物を含有する。オレフィンは、長存続期間C13核磁気共鳴(NMR)分光法により検出できるよりも少ない量で存在している。一態様において、芳香族官能性分子はHPLC−UVにより0.3重量パーセントより少ない量で存在しており、低量の芳香族化合物を測定するように修正されたASTM D5292−99により確認されている。一態様において、芳香族官能性分子は、0.10重量パーセントより少ない、例えば、0.05重量パーセントより少ない、又は0.01重量パーセントより少ない量で存在している。硫黄は、ASTM D5453−06により紫外蛍光で測定した時、25ppmより少ない、例えば、5ppmより少ない、又は1ppmより少ない量で存在している。
高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、例えば、高揮発度、高粘度、及びヘテロ原子のような不純物を含むいかなる望ましくない特性をも該パワーステアリング流体に導入しない。一態様において、該基油はフィッシャー・トロプシュ誘導基油である。フィッシャー・トロプシュ誘導ワックスは、上述の性質を有するフィッシャー・トロプシュ誘導基油を提供するのに特に良く適している。
HPLC−UVによる芳香族化合物測定
該基油における低量の芳香族官能性分子を測定するのに使用される方法は、HP化学装置(HP Chem−station)に結び付けられたHP1050ダイオードアレー紫外−可視波長域検出器と結び付けられたHewlett Packard 1050シリーズ第四勾配(Quaternary Gradient)高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを使用している。高飽和基油における個々の芳香族クラスの同定は、それらの紫外線スペクトル型及びそれらの溶出時間に基づいてなされた。この分析に使用されたアミノカラムにより、芳香族分子はそれらの環数(又は、より正確には二重結合数)に大きく基づいて区別される。かくして、芳香族単環含有分子が先ず溶出し、続いて多環芳香族化合物が分子当りの二重結合数の増加する順序で溶出するであろう。同様の二重結合特性を有する芳香族化合物に関しては、環上にアルキル置換だけを有するものの方がシクロパラフィン置換を有するものよりも早く溶出するであろう。
該基油における低量の芳香族官能性分子を測定するのに使用される方法は、HP化学装置(HP Chem−station)に結び付けられたHP1050ダイオードアレー紫外−可視波長域検出器と結び付けられたHewlett Packard 1050シリーズ第四勾配(Quaternary Gradient)高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを使用している。高飽和基油における個々の芳香族クラスの同定は、それらの紫外線スペクトル型及びそれらの溶出時間に基づいてなされた。この分析に使用されたアミノカラムにより、芳香族分子はそれらの環数(又は、より正確には二重結合数)に大きく基づいて区別される。かくして、芳香族単環含有分子が先ず溶出し、続いて多環芳香族化合物が分子当りの二重結合数の増加する順序で溶出するであろう。同様の二重結合特性を有する芳香族化合物に関しては、環上にアルキル置換だけを有するものの方がシクロパラフィン置換を有するものよりも早く溶出するであろう。
種々の基油芳香族炭化水素をそれらの紫外線吸収スペクトルから明確に同定することは、それらのピーク電子遷移が純粋なモデル化合物類似体(model compound analogs)に対して、環システム上におけるアルキル及びシクロパラフィン置換の量に依存する程度に、すべて赤方偏移されるという事により、いくらか複雑となった。これらの深色偏移は芳香環におけるπ電子のアルキル基非局在化により引起こされることが周知である。潤滑剤範囲で沸騰する未置換芳香族化合物はほとんどないので、同定された主芳香族基のすべてに対してある程度の赤方偏移が予想され観察された。
溶出する芳香族化合物の定量化は、各一般クラスの化合物に対して最適化された波長から作成されたクロマトグラムを、その芳香族化合物に対する適切な保持時間窓(retention time window)に亘って積分することによりなされた。各芳香族クラスに対する保持時間窓境界線は、溶出する化合物の個々の吸収スペクトルを異なる時刻に手作業で評価し、それらのモデル化合物吸収スペクトルに対する定性的類似に基づいて、それらを適切な芳香族クラスに割り当てることにより決められた。ほとんど例外なく、たった5クラスの芳香族化合物が高飽和APIグループII及びIII基油において観察された。
HPLC−UV較正
HPLC−UVは、これらのクラスの芳香族化合物を非常に低い量でも同定するのに使用される。多環芳香族化合物は典型的に、単環芳香族化合物よりも10〜200倍強く吸収する。アルキル置換も又、約20%だけ吸収に影響を及ぼした。従って、HPLCを使用して様々な種類の芳香族化合物を分離し同定してそれらがどの程度効率的に吸収するかを知ることが重要である。
HPLC−UVは、これらのクラスの芳香族化合物を非常に低い量でも同定するのに使用される。多環芳香族化合物は典型的に、単環芳香族化合物よりも10〜200倍強く吸収する。アルキル置換も又、約20%だけ吸収に影響を及ぼした。従って、HPLCを使用して様々な種類の芳香族化合物を分離し同定してそれらがどの程度効率的に吸収するかを知ることが重要である。
5クラスの芳香族化合物が同定された。最も高度に保持されたアルキル−シクロアルキル−1−環芳香族化合物と最も低度に保持されたアルキルナフタレンとの間の小さな重複を除いて、芳香族化合物クラスのすべては基準が分析された。272nmにおける1−環及び2−環芳香族化合物の共溶出に対する統合制限(integraion limits)は、垂直落下法によりなされた。各一般芳香族クラスに対する波長依存応答係数は、置換芳香族類似体に最も近いスペクトルピーク吸収に基づいて、純粋なモデル化合物混合物からベアーの法則プロット(Beer’s Law plots)を作図することにより決められる。
例えば、基油におけるアルキル−シクロヘキシルベンゼン分子は、272nmにおける明確なピーク吸収を示し、それは未置換テトラリンモデル化合物が268nmで示す同じ(禁じられた)転移に相当する。基油試料中のアルキル−シクロアルキル−1−環芳香族化合物の濃度は、その272nmにおけるモル吸光率応答係数がベアーの法則プロットから計算された268nmにおけるテトラリンのモル吸光率に大体等しいと仮定することにより計算された。芳香族化合物の重量パーセント濃度は、各芳香族クラスに対する平均分子量が全基油試料に対する平均分子量に大体等しいと仮定することにより計算された。
この較正方法は、徹底的HPLCクロマトグラフィーにより1−環芳香族化合物を基油から直接に単離することにより更に改善された。これらの芳香族化合物を用いて直接に目盛を定めることにより、モデル化合物に関連する仮定及び不確実性が除去された。予想通り、単離された芳香族試料は、モデル化合物より高度に置換されているので、より低い応答係数を有していた。
より具体的には、HPLC−UV方法を正確に較正するために、Watersの準分離用HPLC単位装置を用いて、置換ベンゼン芳香族化合物を大量の基油から分離した。10グラムの試料をn−ヘキサン中に1:1で希釈し、移動相としてn−ヘキサンを18mls/minの流速で用いて、California州EmeryvilleのRainin Instruments製の、アミノ結合シリカカラム、5cm x 22.4mm IDガード、続いて、8〜12micronアミノ結合シリカ粒子の2本の25cm x 22.4mm IDカラム上に注入した。カラム溶出液は、265nm及び295nmに設定された二重波長UV検出器からの検出器応答に基づいて精留された。飽和化合物留分は、265nm吸収が単環芳香族化合物溶出の開始を示唆する0.01吸収単位の変化を示すまで収集した。単環芳香族化合物留分は、265nmと295nmとの間の吸収比が2環芳香族化合物溶出の開始を示す2.0に減少するまで収集した。単環芳香族化合物留分の精製及び分離は、HPLCカラムの積み過ぎから得られる「尾引き」(“tailing”)飽和化合物留分から離して単環芳香族化合物留分を再クロマトグラフすることにより行われた。
この精製芳香族「標準物質」は、アルキル置換が未置換テトラリンに対してモル吸光率応答係数を約20%だけ減少させることを示した。
NMRによる芳香族化合物の確認
該精製モノ芳香族標準物質中の芳香族官能性分子の重量パーセントは、長存続期間炭素13NMR分析によって確認された。NMRは、単純に芳香族炭素を測定するので、該応答が分析される芳香族化合物のクラスに依存しないから、HPLC−UVよりも較正し易かった。NMRの結果は、高飽和基油における芳香族化合物の95〜99%が単環芳香族化合物であることを知って、(HPLC−UV及びD 2007と一致する様に)芳香族炭素%から芳香族分子%に変換された。
該精製モノ芳香族標準物質中の芳香族官能性分子の重量パーセントは、長存続期間炭素13NMR分析によって確認された。NMRは、単純に芳香族炭素を測定するので、該応答が分析される芳香族化合物のクラスに依存しないから、HPLC−UVよりも較正し易かった。NMRの結果は、高飽和基油における芳香族化合物の95〜99%が単環芳香族化合物であることを知って、(HPLC−UV及びD 2007と一致する様に)芳香族炭素%から芳香族分子%に変換された。
芳香族化合物を0.2%の芳香族分子まで正確に測定するためには、高性能、長継続時間、及び良基線の分析が必要であった。
より具体的には、少なくとも一つの芳香族機能を有する低量のあらゆる分子をNMRにより正確に測定するために、標準D5292−99方法が(ASTM標準プラクチスE 386により)500:1という最小の炭素感度を与えるように修正された。10〜12mmのNaloracプロ−ブを用いた400〜500MHzのNMRで15時間の継続試験が使用された。該基線の形状を明確にし一貫して積分するために、AcornのPC積分ソフトウェアが使用された。人為現象が芳香族化合物領域中に脂肪族ピークの像を写すのを避けるために、該試験中に一度、搬送周波数(carrier frequency)を変化させた。担体スペクトル(carrier spectra)のどちらの側にもスペクトルを取り込むことにより、解像度は著しく改善された。
FIMSによるシクロパラフィン分布
パラフィンは、酸化に対してシクロパラフィンよりも安定であると考えられ、従ってより望ましい。モノシクロパラフィンは、酸化に対してマルチシクロパラフィンよりも安定であると考えられる。しかしながら、少なくとも一つのシクロパラフィン機能を有するあらゆる分子の重量パーセントが油中で非常に低い場合、該添加剤溶解性が低く該エラストマー適合性が悪い。これらの性質を有する油の例は、約5%未満のシクロパラフィンを有するフィッシャー・トロプシュ油である。パワーステアリング流体におけるこれらの性質を改善するために、エステルのような高価な補助溶剤をしばしば添加しなければならない。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導され誘電性流体として使用される基油は、高重量パーセントのモノシクロパラフィン官能性分子と低重量パーセントのマルチシクロパラフィン官能性分子を含むので、該基油は高い酸化安定性、低い揮発度、他の油との良好な混和性、良好な添加剤溶解性、及び良好なエラストマー適合性を有する。
パラフィンは、酸化に対してシクロパラフィンよりも安定であると考えられ、従ってより望ましい。モノシクロパラフィンは、酸化に対してマルチシクロパラフィンよりも安定であると考えられる。しかしながら、少なくとも一つのシクロパラフィン機能を有するあらゆる分子の重量パーセントが油中で非常に低い場合、該添加剤溶解性が低く該エラストマー適合性が悪い。これらの性質を有する油の例は、約5%未満のシクロパラフィンを有するフィッシャー・トロプシュ油である。パワーステアリング流体におけるこれらの性質を改善するために、エステルのような高価な補助溶剤をしばしば添加しなければならない。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導され誘電性流体として使用される基油は、高重量パーセントのモノシクロパラフィン官能性分子と低重量パーセントのマルチシクロパラフィン官能性分子を含むので、該基油は高い酸化安定性、低い揮発度、他の油との良好な混和性、良好な添加剤溶解性、及び良好なエラストマー適合性を有する。
該パワーステアリング流体の基油は、アルカン及び異なる数の不飽和を有する分子への電界イオン化質量分析(FIMS)により特徴付けられた。該基油における分子の分布は、FIMSにより測定された。FIMSスペクトルは、Micromass VG 70VSE質量分析計上で得られた。該試料は、例えば、少量(約0.1mg)の試験すべき基油をガラス毛細管に入れることにより、固体プローブを経由して該分光光度計中に導入された。該毛細管を質量分析計用固体プローブの先端に置き、約10−6 Torrの真空で操作しながら、該プローブを約40℃から500℃まで50℃/分の速度で加熱した。該質量分析計は、5秒/デケード(seconds/decade)の割合で、m/z 40からm/z 1000まで走査した。獲得した質量スペクトル群を併せて一つの「平均化」スペクトルを生成した。各スペクトルは、PC質量分析計からソフトウェア・パッケージを使用して13C修正した。
あらゆる化合物タイプに対する応答係数は1.0であると仮定したので、重量パーセントは面積パーセントから測定した。獲得した質量スペクトル群を併せて一つの「平均化」スペクトルを生成した。FIMS分析からの結果は、試験試料におけるアルカン、1−不飽和化合物、2−不飽和化合物、3−不飽和化合物、4−不飽和化合物、5−不飽和化合物、及び6−不飽和化合物の平均重量パーセントである。
異なる数の不飽和を有する分子は、シクロパラフィン、オレフィン、及び芳香族化合物から成っている可能性がある。もしも芳香族化合物が著しい量で基油中に存在していたら、それらは多分FIMS分析において4−不飽和化合物として同定されるであろう。オレフィンが著しい量で基油中に存在している場合、それらは多分FIMS分析において1−不飽和化合物として同定されるであろう。FIMS分析からの1−不飽和化合物、2−不飽和化合物、3−不飽和化合物、4−不飽和化合物、5−不飽和化合物、及び6−不飽和化合物の合計、マイナス、プロトンNMRによるオレフィンの重量パーセント、及びマイナス、HPLC−UVによる芳香族化合物の重量パーセントは、該パワーステアリング流体の基油中におけるシクロパラフィン官能性分子の全重量パーセントである。FIMS分析からの2−不飽和化合物、3−不飽和化合物、4−不飽和化合物、5−不飽和化合物、及び6−不飽和化合物の合計、マイナス、HPLC−UVによる芳香族化合物の重量パーセントは、該パワーステアリング流体の基油中におけるマルチシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントである。もしも芳香族化合物含量が測定されなかったら、それは0.1重量%未満であると仮定され、シクロパラフィン官能性分子の全重量パーセントの計算には含まれなかったことに注意して頂きたい。
一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、5より大きなシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントを有する。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は又、一般的に5より大きな、10より大きな、15より大きな、又は20より大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントに対するモノシクロパラフィン官能性分子の重量パーセントの高い比を有する。
一態様において、少なくとも一つのシクロパラフィン官能性を有するあらゆる分子の重量パーセントと、高パラフィン系ワックスから誘導される該パワーステアリング流体の基油の動粘度との間には、或る関係がある。即ち、mm2/sで表した100℃における動粘度が高ければ高いほど、得られるシクロパラフィン官能性分子の量はますます高くなる。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、mm2/sで表した動粘度の3倍よりも大きい重量パーセントのシクロパラフィン官能性分子を有する。一態様において、高パラフィン系ワックスから誘導される基油は、約1.2mm2/sと約4.0mm2/sとの間、例えば、約1.2mm2/sと約3.5mm2/sとの間、又は約2.0mm2/sと約3.5mm2/sとの間、又は約2.0mm2/sと約3.0mm2/sとの間の100℃における動粘度を有する。
低量の芳香族化合物を測定するのに使用される修正ASTM D5292−99及びHPLC−UV試験方法、及び飽和化合物を特徴付けるのに使用されるFIMS試験方法は、1999年3月16日、Houstonにおける1999年AIChE春季全国学会で提供されたD.C.Kramer等の“Influence of Group II & III Base Oil Composition on viscosity index and Oxidation Stability”に記載されているが、その内容全体をここに引用する。
高パラフィン系蝋質供給材料は本質的にオレフィンが無いけれども、基油処理技術は、「分解」反応の故に、特に高温においてオレフィンを導入する可能性がある。熱又は紫外線の存在下で、オレフィンは重合してより高分子量の生成物を形成する可能性があり、それらが基油を着色するか又は沈澱を引起こす可能性がある。一般に、オレフィンは水素化仕上げにより又は白土処理により除去することが出来る。
添加剤
パワーステアリング流体を提供する基油に使用される添加剤には、粘度指数向上剤、流動点降下剤、洗浄剤、分散剤、流動化剤、フリクション・モディファイヤ(friction modifier)、腐食防止剤、防錆剤、酸化防止剤、シール膨潤剤、耐摩耗性添加剤、極圧(EP)剤、増粘剤、着色剤、染料、色安定剤、消泡剤、金属不活性化剤、脱臭剤、解乳化剤、きしみ防止剤、及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤が含まれる。
パワーステアリング流体を提供する基油に使用される添加剤には、粘度指数向上剤、流動点降下剤、洗浄剤、分散剤、流動化剤、フリクション・モディファイヤ(friction modifier)、腐食防止剤、防錆剤、酸化防止剤、シール膨潤剤、耐摩耗性添加剤、極圧(EP)剤、増粘剤、着色剤、染料、色安定剤、消泡剤、金属不活性化剤、脱臭剤、解乳化剤、きしみ防止剤、及びそれらの混合物から成る群から選択される添加剤が含まれる。
これらの添加剤は、望ましい性質のパワーステアリング流体を提供するいくつかの添加剤を含む潤滑油添加剤パッケージの形状であっても良い。パワーステアリング流体を提供する基油に使用される潤滑油添加剤パッケージには、粘度指数向上剤、流動点降下剤、洗浄剤・防止剤(DI)添加剤パッケージ、及びそれらの混合物から成る群から選択される潤滑油添加剤パッケージが含まれる。
I.粘度指数向上剤
粘度指数向上剤は、温度の増加に伴う低粘ちゅう化(thinning)速度及び低温に伴う増粘速度(thickening)を減少させることにより、潤滑油の粘性特性を修正する。それにより粘度指数向上剤は、低温及び高温において向上した性能を提供する。多くの用途において、粘度指数向上剤は洗浄剤・防止剤添加剤パッケージと組み合わせて使用され、パワーステアリング流体を提供する。
粘度指数向上剤は、温度の増加に伴う低粘ちゅう化(thinning)速度及び低温に伴う増粘速度(thickening)を減少させることにより、潤滑油の粘性特性を修正する。それにより粘度指数向上剤は、低温及び高温において向上した性能を提供する。多くの用途において、粘度指数向上剤は洗浄剤・防止剤添加剤パッケージと組み合わせて使用され、パワーステアリング流体を提供する。
粘度指数向上剤は、オレフィン共重合体、エチレンとプロピレンの共重合体、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、スチレン・エステル、ポリイソブチレン、水素添加スチレン・イソプレン共重合体、水素添加ポリイソプレン・ポリブタジエン・ポリイソプレンのポリスチレン・ブロックとのテトラブロック共重合体アームを有するもの、又は、四価珪素カップリング剤の残りから成る芯のある分子、重合ジエン単位を含む複数のゴム状アーム、及び少なくとも一つの重合ジエンブロックと重合モノビニル芳香族化合物ブロックとを有するブロック共重合体アームを有する水素添加非対称放射状ポリマー、を含む星型ポリマー、水素添加スチレン・ブタジエン、及びそれらの混合物から成る群から選択することが出来る。一態様において、粘度指数向上剤は、WO 2006/102146 A2に記載されているようなエチレン/α−オレフィン共重合体であり、そこにおいて該エチレン/α−オレフィン共重合体は少なくとも一つの硬いブロックと少なくとも一つの軟らかいブロックを有するブロック共重合体である。該軟らかいブロックは、該硬いブロックよりも高い量のコモノマーを含む。一態様において、粘度指数向上剤は、米国特許出願公開第2006/0252660 A1号に記載されているような、約1〜約4個の炭素原子を有する第一のアクリル酸エステルモノマー、約12〜約14個の炭素原子を有する第二のアクリル酸エステルモノマー、及び約16〜約20個の炭素原子を有する第三のアクリル酸エステルモノマーから誘導された共重合体から成るアクリル酸エステルポリマーであり、そこにおいて該共重合体は20,000〜100,000ダルトンの重量平均分子量を有し、1重量%以下の未反応モノマーを含有する。
II.流動点降下剤
パワーステアリング流体で使用される流動点降下剤は、ワックスの結晶とその結果として生じる粘度増加又はゲル化との連動を減少させるように、ワックスの結晶形態を修正する。流動点降下剤の例は、アルキル化ナフタレン及びフェノール性ポリマー、ポリメタクリレート、アルキル化二環芳香族化合物、マレエート/フマレート共重合体エステル、メタクリレート・ビニルピロリドン共重合体、スチレン・エステル、ポリフマレート、酢酸ビニル・フマレート共重合体、フタル酸のジアルキルエステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、及びLUBRIZOL,ETHYL Corporation又はDegussaの一事業部であるROHMAXのような市販添加剤供給業者からの他の混合炭化水素ポリマーである。
パワーステアリング流体で使用される流動点降下剤は、ワックスの結晶とその結果として生じる粘度増加又はゲル化との連動を減少させるように、ワックスの結晶形態を修正する。流動点降下剤の例は、アルキル化ナフタレン及びフェノール性ポリマー、ポリメタクリレート、アルキル化二環芳香族化合物、マレエート/フマレート共重合体エステル、メタクリレート・ビニルピロリドン共重合体、スチレン・エステル、ポリフマレート、酢酸ビニル・フマレート共重合体、フタル酸のジアルキルエステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、及びLUBRIZOL,ETHYL Corporation又はDegussaの一事業部であるROHMAXのような市販添加剤供給業者からの他の混合炭化水素ポリマーである。
III.流動点降下用混合成分
いくつかの態様において、基油流動点降下用混合成分を使用することが出来る。ここで使用する場合、「流動点降下用混合成分」は、それを含有する潤滑基油混合物の流動点をそれが降下させるように、比較的高い分子量及び分子中に特定の程度のアルキル分岐を有する異性化蝋質生成物のことを言う。流動点降下用混合成分の例は、米国特許第6,150,577及び7,053,254号及び米国特許出願公開第2005−0247600 A1号に開示されている。流動点降下用混合成分は、1) 異性化フィッシャー・トロプシュ誘導塔底生成物、2) 異性化高蝋質鉱油から製造される塔底生成物、又は3) ポリエチレン・プラスチックから製造される、少なくとも約8mm2/sの100℃における動粘度を有する異性化油であっても良い。
いくつかの態様において、基油流動点降下用混合成分を使用することが出来る。ここで使用する場合、「流動点降下用混合成分」は、それを含有する潤滑基油混合物の流動点をそれが降下させるように、比較的高い分子量及び分子中に特定の程度のアルキル分岐を有する異性化蝋質生成物のことを言う。流動点降下用混合成分の例は、米国特許第6,150,577及び7,053,254号及び米国特許出願公開第2005−0247600 A1号に開示されている。流動点降下用混合成分は、1) 異性化フィッシャー・トロプシュ誘導塔底生成物、2) 異性化高蝋質鉱油から製造される塔底生成物、又は3) ポリエチレン・プラスチックから製造される、少なくとも約8mm2/sの100℃における動粘度を有する異性化油であっても良い。
一態様において、流動点降下用混合成分は、600と1100との間の平均分子量、及び100炭素原子当り6.5アルキル分枝と10アルキル分枝との間の分子中平均分岐度を有する、異性化フィッシャー・トロプシュ誘導減圧蒸留塔底生成物である。一般に、比較的高い分子量の炭化水素は、比較的低い分子量の炭化水素よりも、流動点降下用混合成分として有効である。一態様において、比較的高沸点の塔底物質を生ずる、減圧蒸留装置における比較的高いカットポイントは、流動点降下用混合成分を調製するのに使用される。該比較的高いカットポイントは又、比較的高い収率の蒸留基油留分を生ずるという利点を有する。一態様において、流動点降下用混合成分は、それが混合される留分基油の流動点よりも少なくとも3℃高い流動点を有する異性化フィッシャー・トロプシュ誘導減圧蒸留塔底生成物である。
一態様において、減圧蒸留塔底生成物である、流動点降下用混合成分の沸点範囲の10パーセント点(10 percent point)は、約850〜1050°F(454〜565℃)の間である。他の態様において、流動点降下用混合成分は、950°F(510℃)より上の沸点を有する、フィッシャー・トロプシュ又は石油の生成物から誘導され、少なくとも50重量パーセントのパラフィンを含有する。更に他の態様において、流動点降下用混合成分は1050°F(565℃)より上の沸点範囲を有する。
他の態様において、流動点降下用混合成分は、約1050°Fより上の沸点範囲を有する異性化石油誘導基油含有物質である。一態様において、該異性化塔底物質は、流動点降下用混合成分として使用される前に、溶剤脱蝋される。流動点降下用混合成分から溶剤脱蝋中に更に分離された蝋質生成物は、該溶剤脱蝋後に回収された油状生成物と比較して、優れた改善流動点降下特性を示すことが見出された。
他の態様において、流動点降下用混合成分は、ポリエチレン・プラスチックから製造される、少なくとも約8mm2/sの100℃における動粘度を有する異性化油である。一態様において、流動点降下用混合成分はプラスチック廃棄物から製造される。他の態様において、流動点降下用混合成分は、ポリエチレン・プラスチックの熱分解、重質部分の分離、該重質部分の水素処理、該水素処理された重質部分の接触異性化、及び、少なくとも約8mm2/sの100℃における動粘度を有する該流動点降下用混合成分の収集を含む諸工程から製造される。第三の態様において、ポリエチレン・プラスチックから誘導された流動点降下用混合成分は、1050°F(565℃)より上の沸点範囲を有するか、又は1200°F(649℃)より上の沸点範囲さえも有する。
一態様において、流動点降下用混合成分は、6.5〜10アルキル分枝/100炭素原子の範囲内の分子中平均分岐度を有する。他の態様において、流動点降下用混合成分は、600〜1100の間の平均分子量を有する。第三の態様において、それは700〜1000の間の平均分子量を有する。一態様において、流動点降下用混合成分は、8〜30mm2/sの100℃における動粘度を有し、該塔底生成物の沸点範囲の10パーセント点は、約850〜1050°Fの間に入る。更に他の態様において、流動点降下用混合成分は、15〜20mm2/sの100℃における動粘度及び−8〜−12℃の流動点を有する。
一態様において、流動点降下用混合成分は、ポリエチレン・プラスチックから製造される、少なくとも約8mm2/sの100℃における動粘度を有する異性化油である。一態様において、流動点降下用混合成分はプラスチック廃棄物から製造される。他の態様において、流動点降下用混合成分は、ポリエチレン・プラスチックの熱分解、重質部分の分離、該重質部分の水素処理、該水素処理された重質部分の接触異性化、及び、少なくとも約8mm2/sの100℃における動粘度を有する該流動点降下用混合成分の収集を含む諸工程から製造される。第三の態様において、ポリエチレン・プラスチックから誘導された流動点降下用混合成分は、1050°F(565℃)より上の沸点範囲を有するか、又は1200°F(649℃)より上の沸点範囲さえも有する。
IV.洗浄剤・防止剤添加剤パッケージ
洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、油汚染物質を懸濁させるのに役立ち、更にワニス及びスラッジ沈澱物の形成に伴うパワーステアリング流体の酸化を防止するのにも役立つ。パワーステアリング流体に有用な洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、分散剤、流動化剤、フリクション・モディファイヤ、腐食防止剤、防錆剤、酸化防止剤、洗浄剤、シール膨潤剤、極圧添加剤、耐摩耗性添加剤、脱臭剤、消泡剤、解乳化剤、着色剤、及び色安定剤から成る群から選択される1種以上の従来の添加剤を含有する。洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、パワーステアリング流体組成物の全重量に基づいて2〜25重量パーセントの量で存在する。洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、LUBRIZOL,ETHYL,Oronite及びINFINEUMのような添加剤供給業者から容易に入手できる。多数の洗浄剤・防止剤添加剤がEP 0 978 555 A1に記載されている。
洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、油汚染物質を懸濁させるのに役立ち、更にワニス及びスラッジ沈澱物の形成に伴うパワーステアリング流体の酸化を防止するのにも役立つ。パワーステアリング流体に有用な洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、分散剤、流動化剤、フリクション・モディファイヤ、腐食防止剤、防錆剤、酸化防止剤、洗浄剤、シール膨潤剤、極圧添加剤、耐摩耗性添加剤、脱臭剤、消泡剤、解乳化剤、着色剤、及び色安定剤から成る群から選択される1種以上の従来の添加剤を含有する。洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、パワーステアリング流体組成物の全重量に基づいて2〜25重量パーセントの量で存在する。洗浄剤・防止剤添加剤パッケージは、LUBRIZOL,ETHYL,Oronite及びINFINEUMのような添加剤供給業者から容易に入手できる。多数の洗浄剤・防止剤添加剤がEP 0 978 555 A1に記載されている。
V. 分散剤
分散剤は、潤滑される装置(即ちパワーステアリング装置)内における磨耗破壊屑及び潤滑油劣化生成物を分散させるために、パワーステアリング流体中で使用される。普通に使用される無灰分散剤は、親油性炭化水素基および極性官能親水基を含有している。該極性官能基は、カルボキシレート、エステル、アミン、アミド、イミン、イミド、ヒドロキシル、エーテル、エポキシド、燐、エステルカルボキシル、無水物、又はニトリルのクラスであっても良い。該親油基は、良好な油溶解性を確実にするために、通常70〜200炭素原子の、本質的にオリゴマー状又はポリマー状であっても良い。極性機能を導入するために種々の試薬で処理された炭化水素ポリマーには、ポリイソブテンのようなポリオレフィンを最初に無水マレイン酸、又は硫化燐、又は塩化物で、又は熱処理により処理し、次にポリアミン、アミン、エチレンオキシド、等のような試薬で処理することにより製造された生成物が含まれる。
分散剤は、潤滑される装置(即ちパワーステアリング装置)内における磨耗破壊屑及び潤滑油劣化生成物を分散させるために、パワーステアリング流体中で使用される。普通に使用される無灰分散剤は、親油性炭化水素基および極性官能親水基を含有している。該極性官能基は、カルボキシレート、エステル、アミン、アミド、イミン、イミド、ヒドロキシル、エーテル、エポキシド、燐、エステルカルボキシル、無水物、又はニトリルのクラスであっても良い。該親油基は、良好な油溶解性を確実にするために、通常70〜200炭素原子の、本質的にオリゴマー状又はポリマー状であっても良い。極性機能を導入するために種々の試薬で処理された炭化水素ポリマーには、ポリイソブテンのようなポリオレフィンを最初に無水マレイン酸、又は硫化燐、又は塩化物で、又は熱処理により処理し、次にポリアミン、アミン、エチレンオキシド、等のような試薬で処理することにより製造された生成物が含まれる。
これらの無灰分散剤の中で、パワーステアリング流体に典型的に使用されるものには、N−置換ポリイソブテニルスクシンイミド及びスクシネート、アルキルメタクリレート−ビニルピロリジノン共重合体、アルキルメタクリレート−ジアルキルアミノエチルメタクリレート共重合体、アルキルメタクリレート−ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、及びポリステアラミドが含まれる。パワーステアリング流体に使用されるいくつかの油を基材とした分散剤には、アルキルスクシンイミド、スクシネートエステル、高分子量アミン、及びマンニッヒ塩基と燐酸の誘導体の化学的クラスからの分散剤が含まれる。いくつかの具体例は、ポリイソブテニルスクシンイミド−ポリエチレンポリアミン、ポリイソブテニルコハク酸エステル、ポリイソブテニルヒドロキシベンジル−ポリエチレンポリアミン、ビス−ヒドロキシプロピルホスフォレートである。パワーステアリング流体に適した市販の分散剤は、例えば、LUBRIZOL 890(無灰PIBスクシンイミド)、LUBRIZOL 6420(高分子量PIBスクシンイミド)、及びETHYL HITEC 646(非硼素化PIBスクシンイミド)である。該分散剤は、潤滑剤工業で使用されている他の添加剤と組み合わせて、パワーステアリング流体用の添加剤パッケージ、例えば、LUBRIZOL 9677MXを形成することが出来、該全添加剤パッケージは分散剤として使用することが出来る。
或いは、低いHLB値(典型的に8以下)を有する界面活性剤又は界面活性剤混合物、例えば、非イオン性界面活性剤、又は非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤の混合物がパワーステアリング流体用分散剤として使用することが出来る。
選択された分散剤は、液体媒体又は添加剤希釈油に溶解性または分散性でなければならない。該分散剤は、パワーステアリング流体中の活性成分として、0.01〜30パーセントまでの範囲及びその間のあらゆる小範囲、例えば、0.5〜20パーセントの範囲、1〜15パーセントの範囲、又は2〜13パーセントの範囲であっても良い。
VI.流動化剤
流動化剤は時々パワーステアリング流体に使用される。適切な流動化剤は油溶性ジエステルを含む。ジエステルの例には、C8〜C13アルカノール(又はそれらの混合物)のアジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、及びセバチン酸エステル、及びC4〜C13アルカノール(又はそれらの混合物)のフタル酸エステルが含まれる。2種以上の異なるタイプのジエステルの混合物(例えば、アジピン酸ジアルキルとアゼライン酸ジアルキル、等)を使用することも出来る。このような物質の例には、アジピン酸、アゼライン酸、及びセバチン酸のn−オクチル、2−エチルヘキシル、イソデシル、及びトリデシルジエステル、及び、フタル酸のn−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、及びトリデシルジエステルが含まれる。パワーステアリング流体用の流動化剤として使用される他のエステルは、Henkel CorporationのEMERYグループからのEMERY 2918,2939及び2995,及び、HATCOL 2926,2970及び2999のようなポリオールエステルである。
流動化剤は時々パワーステアリング流体に使用される。適切な流動化剤は油溶性ジエステルを含む。ジエステルの例には、C8〜C13アルカノール(又はそれらの混合物)のアジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、及びセバチン酸エステル、及びC4〜C13アルカノール(又はそれらの混合物)のフタル酸エステルが含まれる。2種以上の異なるタイプのジエステルの混合物(例えば、アジピン酸ジアルキルとアゼライン酸ジアルキル、等)を使用することも出来る。このような物質の例には、アジピン酸、アゼライン酸、及びセバチン酸のn−オクチル、2−エチルヘキシル、イソデシル、及びトリデシルジエステル、及び、フタル酸のn−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、及びトリデシルジエステルが含まれる。パワーステアリング流体用の流動化剤として使用される他のエステルは、Henkel CorporationのEMERYグループからのEMERY 2918,2939及び2995,及び、HATCOL 2926,2970及び2999のようなポリオールエステルである。
VII.増粘剤(Thickeners)
パワーステアリング流体に使用出来る、粘度指数向上剤に加えて、他の増粘剤には、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸ナトリウムのようなアクリル系ポリマー、Union CarbideからのPolyox WSRのようなエチレンオキシドの高分子量ポリマー、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース化合物、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、キサンタンガム及びガーゴム、多糖類、アルカノールアミド、King IndustriesからのDISPARLON AQシリーズのようなポリアミドのアミン塩、疎水的に変性されたエチレンオキシド・ウレタン(例えば、RohmaxからのACRYSOLシリーズ)、シリケート、及びマイカ、シリカ、セルロース、木粉、(オルガノクレーを含む)クレー及びクレーのような充填材、及びポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂のような樹脂ポリマーが含まれる。
パワーステアリング流体に使用出来る、粘度指数向上剤に加えて、他の増粘剤には、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸ナトリウムのようなアクリル系ポリマー、Union CarbideからのPolyox WSRのようなエチレンオキシドの高分子量ポリマー、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース化合物、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、キサンタンガム及びガーゴム、多糖類、アルカノールアミド、King IndustriesからのDISPARLON AQシリーズのようなポリアミドのアミン塩、疎水的に変性されたエチレンオキシド・ウレタン(例えば、RohmaxからのACRYSOLシリーズ)、シリケート、及びマイカ、シリカ、セルロース、木粉、(オルガノクレーを含む)クレー及びクレーのような充填材、及びポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂のような樹脂ポリマーが含まれる。
増粘剤の他の例は、ポリイソブチレン、高分子量コンプレックス・エステル(complex ester)、ブチルゴム、オレフィン共重合体、スチレン−ジエン・ポリマー、ポリメタクリレート、スチレン−エステル、及び超高粘度PAOである。高分子量コンプレックス・エステルの例は、Priolube(登録商標)3986である。増粘を達成し低引張り係数特性をも付与するために、超高粘度PAOを該配合物に使用することも出来る。ここで使用する場合、「超高粘度PAO」は100℃において約150mm2/sと1,000mm2/s以上との間の動粘度を有する。
VIII.フリクション・モディファイヤ
フリクション・モディファイヤは所望によりパワーステアリング流体に使用される。適切なフリクション・モディファイヤには、脂肪族アミン又はエトキシ化脂肪族アミン、脂肪族脂肪酸アミド、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル・アミド、脂肪族ホスホネート、脂肪族ホスフェート、脂肪族チオホスホネート、脂肪族チオホスフェート、又はそれらの混合物のような化合物が含まれる。該脂肪族基は、該化合物を適切に油溶性とするように、典型的に少なくとも約8個の炭素原子を含有する。又適切であるのは、1種以上の脂肪族コハク酸又は無水物をアンモニアと反応させることにより形成される脂肪族置換コハク酸イミドである。
フリクション・モディファイヤは所望によりパワーステアリング流体に使用される。適切なフリクション・モディファイヤには、脂肪族アミン又はエトキシ化脂肪族アミン、脂肪族脂肪酸アミド、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル・アミド、脂肪族ホスホネート、脂肪族ホスフェート、脂肪族チオホスホネート、脂肪族チオホスフェート、又はそれらの混合物のような化合物が含まれる。該脂肪族基は、該化合物を適切に油溶性とするように、典型的に少なくとも約8個の炭素原子を含有する。又適切であるのは、1種以上の脂肪族コハク酸又は無水物をアンモニアと反応させることにより形成される脂肪族置換コハク酸イミドである。
フリクション・モディファイヤの一群は、N−脂肪族ヒドロカルビル置換基が約14〜約20の範囲で炭素原子を有するアセチレン不飽和のない少なくとも1種の直鎖脂肪族ヒドロカルビル基である、N−脂肪族ヒドロカルビル置換ジエタノールアミンから成る。
フリクション・モディファイヤの他の群は、脂肪酸のエステル、例えば、両方共Arizona Chemical製の、CENWAX(登録商標)TGA−185、及び、UNIFLEX(登録商標)1803のような選択された脂肪酸のグリセロールエステルから成る。フリクション・モディファイヤとして用いられる他の脂肪酸エステルは、OLEONによりRADIASURF(登録商標)の商品名で販売されているグリセロールモノ−オレエート、ペンタエリスリトールモノ−オレエート、及びソルビタンモノ−オレエートのようなモノ−オレエートである。
フリクション・モディファイヤには、N−脂肪族ヒドロカルビル置換基が約14〜約20の範囲で炭素原子を有するアセチレン不飽和のない少なくとも1種の直鎖脂肪族ヒドロカルビル基である、少なくとも1種のN−脂肪族ヒドロカルビル置換ジエタノールアミンと少なくとも1種のN−脂肪族ヒドロカルビル置換トリメチレンジアミンとの組合せが含まれる場合がある。このフリクション・モディファイヤの組合せに関する更なる詳細は、米国特許第5,372,735及び5,441,656号に記載されている。
フリクション・モディファイヤ混合物の他の例は、(i)同じか又は異なるヒドロキシアルキル基が各々2〜約4個の炭素原子を含有し、脂肪族基が約10〜約25個の炭素原子を含有する非環式ヒドロカルビル基である、少なくとも1種のジ(ヒドロキシアルキル)脂肪族第3アミン、及び、(ii)ヒドロキシアルキル基が2〜約4個の炭素原子を含有し、脂肪族基が約10〜約25個の炭素原子を含有する非環式ヒドロカルビル基である、少なくとも1種のヒドロキシアルキル脂肪族イミダゾリン、の組合せに基づいている。このフリクション・モディファイヤ系に関する更なる詳細は、米国特許第5,344,579号に見出される。
パワーステアリング流体に時々使用される他のクラスのフリクション・モディファイヤには、式:(式中、Zは基R1R2CH−であり、該基の中でR1及びR2は各々独立に1〜34個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素基であり、基R1及びR2における全炭素原子数は11〜35である)の化合物が含まれる。基Zは、例えば、1−メチルペンタデシル、1−プロピルトリデセニル、1−ペンチルトリデセニル、1−トリデセニルペンタデセニル、又は1−テトラデシルアイコセニルである。これらの化合物は、市販されているか又は公知技術の応用又は適応により製造される(たとえば、EP 0 020037 A1及び米国特許第5,021,176、5,190,680、及びRE−34,459号参照)。
フリクション・モディファイヤの使用は任意である。しかしながら、フリクション・モディファイヤが使用される応用例では、パワーステアリング流体は約1.25重量%まで、例えば、約0.05〜約1重量%の1種以上のフリクション・モディファイヤを含有する。
IX.腐食防止剤
腐食防止剤は、パワーステアリング流体に含有させるのに適した他のクラスの添加剤である。かかる化合物には、チアゾール、トリアゾール、及びチアジアゾールが含まれる。かかる化合物の例には、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、オクチルトリアゾール、デシルトリアゾール、ドデシルトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−ヒドロカルビルチオ−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−ヒドロカルビルジチオ−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ヒドロカルビルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ビス(ヒドロカルビルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールが含まれる。自由市場で入手できるこれらのタイプの腐食防止剤には、Cobratec TT−100及びHITEC(登録商標)314添加剤及びHITEC(登録商標)4313添加剤(ETHYL Petroleum Additives,Inc.)が含まれる。
腐食防止剤は、パワーステアリング流体に含有させるのに適した他のクラスの添加剤である。かかる化合物には、チアゾール、トリアゾール、及びチアジアゾールが含まれる。かかる化合物の例には、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、オクチルトリアゾール、デシルトリアゾール、ドデシルトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−ヒドロカルビルチオ−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−ヒドロカルビルジチオ−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ヒドロカルビルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ビス(ヒドロカルビルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールが含まれる。自由市場で入手できるこれらのタイプの腐食防止剤には、Cobratec TT−100及びHITEC(登録商標)314添加剤及びHITEC(登録商標)4313添加剤(ETHYL Petroleum Additives,Inc.)が含まれる。
X.防錆剤
防錆剤は他のタイプの防止剤添加剤から成る。いくつかの防錆剤は腐食防止剤でもある。パワーステアリング流体に有用な防錆剤の例は、モノカルボン酸及びポリカルボン酸である。適切なモノカルボン酸の例は、オクタン酸、デカン酸、及びドデカン酸である。適切なポリカルボン酸には、タル油脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等のような酸から製造されるようなダイマー酸及びトリマー酸が含まれる。このタイプの製品は、例えば、Witco Chemical CorporationのHumko Chemical DivisionによりHYSTRENEの登録商標の下で、そしてHenkel CorporationによりEMPOLの登録商標の下で販売されているダイマー酸及びトリマー酸のような種々の市販源から現在入手できる。パワーステアリング流体に使用するための他の有用なタイプの防錆剤は、例えば、テトラプロペニル琥珀酸、テトラプロペニル琥珀酸無水物、テトラデセニル琥珀酸、テトラデセニル琥珀酸無水物、ヘキサデセニル琥珀酸、ヘキサデセニル琥珀酸無水物、等のようなアルケニル琥珀酸及びアルケニル琥珀酸無水物腐食防止剤から成っている。又有用であるのは、アルケニル基中に8〜24個の炭素原子を有するアルケニル琥珀酸のポリグリコールのようなアルコールとの半エステルである。他の適切な防錆剤は、100℃未満のアニリン点を有する溶解性向上剤、即ち、2005年10月25日に出願された米国特許出願第11/257,900号に教示されているような、酸半エステル、無水物、酸、及びそれらの混合物から成る群から選択されるアルケニル琥珀酸化合物と、アミンホスフェートとの混合物から成る防錆剤である。他の適切な防錆剤又は腐食防止剤には、エーテルアミン、酸ホスフェート、アミン、エトキシ化アミン、エトキシ化フェノール、及びエトキシ化アルコールのようなポリエトキシ化化合物、イミダゾリン、アミノ琥珀酸又はそれらの誘導体、等が含まれる。これらのタイプの物質は商品として入手できる。防錆剤の混合物を使用することが出来る。
防錆剤は他のタイプの防止剤添加剤から成る。いくつかの防錆剤は腐食防止剤でもある。パワーステアリング流体に有用な防錆剤の例は、モノカルボン酸及びポリカルボン酸である。適切なモノカルボン酸の例は、オクタン酸、デカン酸、及びドデカン酸である。適切なポリカルボン酸には、タル油脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等のような酸から製造されるようなダイマー酸及びトリマー酸が含まれる。このタイプの製品は、例えば、Witco Chemical CorporationのHumko Chemical DivisionによりHYSTRENEの登録商標の下で、そしてHenkel CorporationによりEMPOLの登録商標の下で販売されているダイマー酸及びトリマー酸のような種々の市販源から現在入手できる。パワーステアリング流体に使用するための他の有用なタイプの防錆剤は、例えば、テトラプロペニル琥珀酸、テトラプロペニル琥珀酸無水物、テトラデセニル琥珀酸、テトラデセニル琥珀酸無水物、ヘキサデセニル琥珀酸、ヘキサデセニル琥珀酸無水物、等のようなアルケニル琥珀酸及びアルケニル琥珀酸無水物腐食防止剤から成っている。又有用であるのは、アルケニル基中に8〜24個の炭素原子を有するアルケニル琥珀酸のポリグリコールのようなアルコールとの半エステルである。他の適切な防錆剤は、100℃未満のアニリン点を有する溶解性向上剤、即ち、2005年10月25日に出願された米国特許出願第11/257,900号に教示されているような、酸半エステル、無水物、酸、及びそれらの混合物から成る群から選択されるアルケニル琥珀酸化合物と、アミンホスフェートとの混合物から成る防錆剤である。他の適切な防錆剤又は腐食防止剤には、エーテルアミン、酸ホスフェート、アミン、エトキシ化アミン、エトキシ化フェノール、及びエトキシ化アルコールのようなポリエトキシ化化合物、イミダゾリン、アミノ琥珀酸又はそれらの誘導体、等が含まれる。これらのタイプの物質は商品として入手できる。防錆剤の混合物を使用することが出来る。
XI.酸化防止剤
適切な酸化防止剤には、数ある中で、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン酸化防止剤、硫化フェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モリブデン含有化合物、ジアルキルジチオ燐酸亜鉛、及び有機ホスファイトが含まれる。異なるタイプの酸化防止剤の混合物がしばしば使用される。フェノール系酸化防止剤の例には、ヨノール(ionol)誘導ヒンダードフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、tert−ブチル化フェノールの液体混合物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、混合メチレン架橋ポリアルキルフェノール、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及び立体障害tert−ブチル化フェノールが含まれる。N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4−イソプロピルアミノジフェニルアミン、フェニル−ナフチルアミン、スチレン化ジフェニルアミン、及び環−アルキル化ジフェニルアミンが、芳香族アミン酸化防止剤の例として役に立つ。一態様において、酸化防止剤は、米国特許出願公開第2006/0258549 A1号に記載されているような、1種以上の油溶性有機金属化合物、及び(又は)、2種以上の陰イオン、1種以上の二座又は三座配位子、及び(又は)2種以上の陰イオン及び配位子と錯体化、結合又は合体した金属又は基底状態より上の1より大きな酸化状態を有する金属陽イオンのような有機金属配位錯体、を含む触媒的酸化防止剤である。
適切な酸化防止剤には、数ある中で、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン酸化防止剤、硫化フェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モリブデン含有化合物、ジアルキルジチオ燐酸亜鉛、及び有機ホスファイトが含まれる。異なるタイプの酸化防止剤の混合物がしばしば使用される。フェノール系酸化防止剤の例には、ヨノール(ionol)誘導ヒンダードフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、tert−ブチル化フェノールの液体混合物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、混合メチレン架橋ポリアルキルフェノール、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及び立体障害tert−ブチル化フェノールが含まれる。N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4−イソプロピルアミノジフェニルアミン、フェニル−ナフチルアミン、スチレン化ジフェニルアミン、及び環−アルキル化ジフェニルアミンが、芳香族アミン酸化防止剤の例として役に立つ。一態様において、酸化防止剤は、米国特許出願公開第2006/0258549 A1号に記載されているような、1種以上の油溶性有機金属化合物、及び(又は)、2種以上の陰イオン、1種以上の二座又は三座配位子、及び(又は)2種以上の陰イオン及び配位子と錯体化、結合又は合体した金属又は基底状態より上の1より大きな酸化状態を有する金属陽イオンのような有機金属配位錯体、を含む触媒的酸化防止剤である。
XII.洗浄剤
パワーステアリング流体に使用できる洗浄剤の例は、Kirk−OthmerのEncyclopedia of Chemical Technology第三版、14巻、477〜526頁に記載されているような、ホスホネート、スルホネート、フェノラート、又はサリチラートのタイプのような超塩基金属洗浄剤である。
パワーステアリング流体に使用できる洗浄剤の例は、Kirk−OthmerのEncyclopedia of Chemical Technology第三版、14巻、477〜526頁に記載されているような、ホスホネート、スルホネート、フェノラート、又はサリチラートのタイプのような超塩基金属洗浄剤である。
XIII.シール膨潤剤
パワーステアリング流体に有用な多数のシール膨潤剤は、米国特許出願公開第2003/0119682 A1及び2007/0057226 A1号に記載されている。シール膨潤剤の例は、アリールエステル、長鎖アルキルエーテル、アルキルエステル、野菜をベースとするエステル、セバケートエステル、スルホラン、置換スルホラン、他のスルホラン誘導体、フェナート、アジペート、グリセリルトリ(アセトキシステアレート)、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、脂肪族ポリウレタン、ポリエステルグルタレート、トリエチレングリコールカプレート/カプリレート、ジアルキルジエステルグルタレート、モノマー、ポリマー、及びエポキシ系可塑剤、ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート又はジヘキシルフタレートのようなフタレート可塑剤、又は、酸素、硫黄又は窒素含有多官能性ニトリル、フェナート、及びそれらの組合せである。上記可塑剤の代りに置き換えることが出来、そして(又は)と一緒に使用することが出来る他の可塑剤には、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート、及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、及びジイソノニルフタレートが含まれるが、それらのすべては溶剤担体に溶解性である。LUBRIZOL 730のような他のシール膨潤剤を使用することも出来る。
パワーステアリング流体に有用な多数のシール膨潤剤は、米国特許出願公開第2003/0119682 A1及び2007/0057226 A1号に記載されている。シール膨潤剤の例は、アリールエステル、長鎖アルキルエーテル、アルキルエステル、野菜をベースとするエステル、セバケートエステル、スルホラン、置換スルホラン、他のスルホラン誘導体、フェナート、アジペート、グリセリルトリ(アセトキシステアレート)、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、脂肪族ポリウレタン、ポリエステルグルタレート、トリエチレングリコールカプレート/カプリレート、ジアルキルジエステルグルタレート、モノマー、ポリマー、及びエポキシ系可塑剤、ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート又はジヘキシルフタレートのようなフタレート可塑剤、又は、酸素、硫黄又は窒素含有多官能性ニトリル、フェナート、及びそれらの組合せである。上記可塑剤の代りに置き換えることが出来、そして(又は)と一緒に使用することが出来る他の可塑剤には、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート、及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、及びジイソノニルフタレートが含まれるが、それらのすべては溶剤担体に溶解性である。LUBRIZOL 730のような他のシール膨潤剤を使用することも出来る。
XIV.耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤
種々のタイプの硫黄含有耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤をパワーステアリング流体に使用することが出来る。例には、ジヒドロカルビルポリスルフィド、硫化オレフィン、天然起源及び合成起源の硫化脂肪酸エステル、トリチオン、硫化チエニル誘導体、硫化テルペン、C2〜C8モノオレフィンの硫化オリゴマー、及び米国特許第RE−27,331号に開示されているもののような硫化ディールス・アルダー付加物が含まれる。具体的な例には、数ある中で、硫化ポリイソブテン、硫化イソブチレン、硫化ジイソブチレン、硫化トリイソブチレン、ジシクロヘキシルポリスルフィド、ジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジノニルポリスルフィド、及びジ−tert−ブチルトリスルフィド、ジ−tert−ブチルテトラスルフィド、及びジ−tert−ブチルペンタスルフィドの混合物のようなジ−tert−ブチルポリスルフィドの混合物が含まれる。かかる範疇の硫黄含有耐摩耗性及び(又は)極圧剤の組合せ、例えば、硫化イソブチレンとジ−tert−ブチルトリスルフィドの組合せ、硫化イソブチレンとジノニルトリスルフィドの組合せ、硫化トール油とジベンジルポリスルフィドの組合せを使用することも出来る。
種々のタイプの硫黄含有耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤をパワーステアリング流体に使用することが出来る。例には、ジヒドロカルビルポリスルフィド、硫化オレフィン、天然起源及び合成起源の硫化脂肪酸エステル、トリチオン、硫化チエニル誘導体、硫化テルペン、C2〜C8モノオレフィンの硫化オリゴマー、及び米国特許第RE−27,331号に開示されているもののような硫化ディールス・アルダー付加物が含まれる。具体的な例には、数ある中で、硫化ポリイソブテン、硫化イソブチレン、硫化ジイソブチレン、硫化トリイソブチレン、ジシクロヘキシルポリスルフィド、ジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジノニルポリスルフィド、及びジ−tert−ブチルトリスルフィド、ジ−tert−ブチルテトラスルフィド、及びジ−tert−ブチルペンタスルフィドの混合物のようなジ−tert−ブチルポリスルフィドの混合物が含まれる。かかる範疇の硫黄含有耐摩耗性及び(又は)極圧剤の組合せ、例えば、硫化イソブチレンとジ−tert−ブチルトリスルフィドの組合せ、硫化イソブチレンとジノニルトリスルフィドの組合せ、硫化トール油とジベンジルポリスルフィドの組合せを使用することも出来る。
この開示との関連で、化学構造中に燐と硫黄の両方を含有する成分は、硫黄含有耐摩耗性及び(又は)極圧剤よりはむしろ燐含有耐摩耗性及び(又は)極圧剤と考えられる。
油溶性の有機ホスフェート、有機ホスファイト、有機ホスホネート、有機ホスホナイト、等のような多種多様の燐含有油溶性耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤、及びそれらの硫黄類似体を使用することが出来る。パワーステアリング流体に使用することが出来る燐含有耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤として又有用であるのは、燐及び窒素の両方を含有する化合物である。パワーステアリング流体に有用な燐含有油溶性耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤には、米国特許第5,464,549、5,500,140及び5,573,696号に教示されている化合物が含まれる。
パワーステアリング流体に使用することが出来る、かかる一つのタイプの燐及び窒素含有耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤は、GB 1,009,913、GB 1,009,914、米国特許第3,197,405号及び(又は)米国特許第3,197,496号に記載されたタイプの燐及び窒素含有組成物である。一般に、これらの組成物は、ホスホロチオ酸のヒドロキシ置換トリエステルと無機の燐の酸、酸化燐又はハロゲン化燐との反応により酸性中間体を形成し、前記酸性中間体の実質的部分をアミン又はヒドロキシ置換アミンで中和することにより形成される。パワーステアリング流体に使用することが出来る、他のタイプの燐及び窒素含有耐摩耗性及び(又は)極圧添加剤には、ヒドロキシ置換ホスフェタンのアミン塩又はヒドロキシ置換チオホスフェタンのアミン塩、及び燐酸及びチオ燐酸の部分エステルのアミン塩が含まれる。
XV.消泡剤
消泡剤は、混入気泡を囲む液体膜を不安定にすることにより正常に機能する。効果的であるためには、それらは空気/液体の界面で効果的に広がらなければならない。理論によれば、その拡張係数Sの値が正ならば、消泡剤は拡がるであろう。Sは以下の式により定義される:
S=P1−P2−P1,2
式中、P1は泡状液体の表面張力であり、P2は消泡剤の表面張力であり、P1,2はそれらの間の界面張力である。表面張力及び界面張力は、ASTM D1331−89(2001年、再承認)「界面活性剤溶液の表面張力及び界面張力の標準試験方法」により、リング形張力計を用いて測定する。本件の開示に関しては、P1は消泡剤添加前のパワーステアリング流体の表面張力である。
消泡剤は、混入気泡を囲む液体膜を不安定にすることにより正常に機能する。効果的であるためには、それらは空気/液体の界面で効果的に広がらなければならない。理論によれば、その拡張係数Sの値が正ならば、消泡剤は拡がるであろう。Sは以下の式により定義される:
S=P1−P2−P1,2
式中、P1は泡状液体の表面張力であり、P2は消泡剤の表面張力であり、P1,2はそれらの間の界面張力である。表面張力及び界面張力は、ASTM D1331−89(2001年、再承認)「界面活性剤溶液の表面張力及び界面張力の標準試験方法」により、リング形張力計を用いて測定する。本件の開示に関しては、P1は消泡剤添加前のパワーステアリング流体の表面張力である。
消泡剤の例は、パワーステアリング流体中に混合された時、24℃及び93.5℃の両方において少なくとも2mN/mの拡張係数を示す消泡剤である。種々のタイプの消泡剤が米国特許第6,090,758号に教示されている。使用される場合、消泡剤はパワーステアリング流体の空気抜き時間を著しく増加させるべきではない。適切な消泡剤の例は、高分子量ポリジメチルシロキサン、或るタイプのシリコーン消泡剤、アクリレート消泡剤(それらは比較的低分子量のシリコーン消泡剤ほど空気抜き特性に悪い影響を与える可能性が高くないので)、ポリジメチルシロキサン、及びポリエチレングリコールエーテル及びエステルである。
XVI.着色剤/染料
着色剤又は染料は、色を与えるか又は特別なタイプの光の下で蛍光を発するために使用される。蛍光染料は漏れの検出を容易にする。着色油は、異なる製品を区別するのを助ける。これらの着色剤又は染料の例は、アントラキノン、アゾ化合物、トリフェニルメタン、ペリレン染料、ナフタルイミド染料、及びそれらの混合物である。特別なタイプの蛍光染料が米国特許第6,165,384号に教示されている。
着色剤又は染料は、色を与えるか又は特別なタイプの光の下で蛍光を発するために使用される。蛍光染料は漏れの検出を容易にする。着色油は、異なる製品を区別するのを助ける。これらの着色剤又は染料の例は、アントラキノン、アゾ化合物、トリフェニルメタン、ペリレン染料、ナフタルイミド染料、及びそれらの混合物である。特別なタイプの蛍光染料が米国特許第6,165,384号に教示されている。
XVII.希釈油
希釈油は、添加剤を液体媒体に効果的に懸濁又は溶解させるために、異なるタイプの添加剤パッケージ中でしばしば使用される。一般に、パワーステアリング流体を製造するのに使用される添加剤パッケージのすべてにおける希釈油の最大量は、0〜40容量%内であるべきである。或る態様において、希釈油は、米国特許出願公開第2006/0201852 A1号に記載された、高パラフィン系ワックスから誘導される超軽質炭化水素液体であり、そこにおいて該希釈油は、100℃で約1.0mm2/sと約3.5mm2/sの間の粘度及び50重量%未満のノアク揮発度を有し、又3重量%より多いシクロパラフィン官能性分子及び0.30重量%未満の芳香族化合物を有する。
希釈油は、添加剤を液体媒体に効果的に懸濁又は溶解させるために、異なるタイプの添加剤パッケージ中でしばしば使用される。一般に、パワーステアリング流体を製造するのに使用される添加剤パッケージのすべてにおける希釈油の最大量は、0〜40容量%内であるべきである。或る態様において、希釈油は、米国特許出願公開第2006/0201852 A1号に記載された、高パラフィン系ワックスから誘導される超軽質炭化水素液体であり、そこにおいて該希釈油は、100℃で約1.0mm2/sと約3.5mm2/sの間の粘度及び50重量%未満のノアク揮発度を有し、又3重量%より多いシクロパラフィン官能性分子及び0.30重量%未満の芳香族化合物を有する。
以下の説明に役立つ実施例は限定するものではないことを意図する。
実施例1:式(2)
米国特許出願公開第2006/0201852 A1に開示されているように、Feベースのフィッシャー・トロプシュ合成触媒を用いて製造された市販の水素処理フィッシャー・トロプシュワックスの試料、及びCoベースのフィッシャー・トロプシュ触媒を用いて製造された水素処理フィッシャー・トロプシュワックスの試料を分析して表Iに示した性質を有することが見出された。
米国特許出願公開第2006/0201852 A1に開示されているように、Feベースのフィッシャー・トロプシュ合成触媒を用いて製造された市販の水素処理フィッシャー・トロプシュワックスの試料、及びCoベースのフィッシャー・トロプシュ触媒を用いて製造された水素処理フィッシャー・トロプシュワックスの試料を分析して表Iに示した性質を有することが見出された。
該フィッシャー・トロプシュワックス供給材料を、アルミナバインダー上のPt/SAPO−11触媒を超えて、水添異性化した。実験条件は、652〜695°F(344〜368℃)の温度、0.6〜1.0hr−1の液空間速度(LHSV)、1000psig反応器圧、及び6〜7MSCF/bblの単流水素流量であった。反応器流出流は、シリカ・アルミナ上Pt/Pdの水素化仕上げ触媒を含有する、やはり1000psigの第二の反応器に直接移動した。その反応器における条件は、425〜700°F(218〜372℃)の温度、及び1.0hr−1のLHSVであった。
約600°Fより上で沸騰する生成物を常圧蒸留又は減圧蒸留により精留して、100℃で約2.0と3.5mm2/sの間の粘度を有する五つの留分を生成した。該五つの留分の性質を表IIに示す。
該留分の四つ、FT−1,FT−2,FT−3,及びFT−5のノアク揮発度は各々、式:
ノアク揮発度ファクター=160−40(100℃における動粘度) (2)
により計算された量よりも小さかった。
ノアク揮発度ファクター=160−40(100℃における動粘度) (2)
により計算された量よりも小さかった。
実施例2:式(3)
米国特許出願第11/613,936号に開示されているように、フィッシャー・トロプシュ誘導基油の三つの試料を分析して以下の性質を有することが測定された。
米国特許出願第11/613,936号に開示されているように、フィッシャー・トロプシュ誘導基油の三つの試料を分析して以下の性質を有することが測定された。
該三つのフィッシャー・トロプシュ誘導基油はすべて、水素処理されたCoベースのフィッシャー・トロプシュワックスを連続する二つの反応器中で水添異性化脱蝋し、該流出流を単一反応器中で水素化仕上げし、そして該生成物を異なるグレードの基油に減圧蒸留することにより製造された蒸留留分であった。これらフィッシャー・トロプシュ誘導基油の三つはすべて、非常に低い芳香族化合物及びオレフィン含量を有し、非常に良好な酸化安定性を有していた。更に、それらの三つはすべて非常に低いノアク揮発度を有していた。FT−Aだけが下記の式により定義される量よりも小さい重量%ノアク揮発度を有していたことに注意して頂きたい。
ノアク揮発度ファクター=900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
該軽質基油留分FT−Aの重量%ノアク揮発度とFT−Aの式(3)によるノアク揮発度ファクターとの差は、0.5よりも大きかった。FT−Aは又、極めて良好な酸化安定性、及び下記の式よりも大きな粘度指数を有していた。
28 x ln(100℃における動粘度)+95
ノアク揮発度ファクター=900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
該軽質基油留分FT−Aの重量%ノアク揮発度とFT−Aの式(3)によるノアク揮発度ファクターとの差は、0.5よりも大きかった。FT−Aは又、極めて良好な酸化安定性、及び下記の式よりも大きな粘度指数を有していた。
28 x ln(100℃における動粘度)+95
実施例3:式(3)
米国特許出願第11/613,936号に更に開示されているように、水素処理されたCoベースのフィッシャー・トロプシュワックスを、連続する三つの反応器中で、600〜700°Fの温度、約1LHSVの供給材料速度、800psigより低い圧力、及び約4〜約20MSCF/bblの水素流量において、Pt/SAPO−11水添異性化触媒を超えて水添異性化した。水添異性化に続いて該生成物を、連続する二つの水素化仕上げ反応器中で、700psigより高い全圧、約400〜約600°Fの温度、約1LHSVの供給材料速度、及び約4〜約20MSCF/bblの水素流量において、Pd/シリカ・アルミナ水素化仕上げ触媒を超えて水素化仕上げした。
米国特許出願第11/613,936号に更に開示されているように、水素処理されたCoベースのフィッシャー・トロプシュワックスを、連続する三つの反応器中で、600〜700°Fの温度、約1LHSVの供給材料速度、800psigより低い圧力、及び約4〜約20MSCF/bblの水素流量において、Pt/SAPO−11水添異性化触媒を超えて水添異性化した。水添異性化に続いて該生成物を、連続する二つの水素化仕上げ反応器中で、700psigより高い全圧、約400〜約600°Fの温度、約1LHSVの供給材料速度、及び約4〜約20MSCF/bblの水素流量において、Pd/シリカ・アルミナ水素化仕上げ触媒を超えて水素化仕上げした。
該水素化仕上げ反応器から出た生成物を、異なる基油グレード、即ち、1.5mm2/sと3.5mm2/sとの間の100℃における動粘度を有する一つ以上の留分に減圧蒸留した。これら基油留分の二つを分析して、以下の性質を有することが確定された。
これら基油は両方とも、0と100との間で、更に下記の式により定義される量より小さい重量%ノアク揮発度を有していた。
ノアク揮発度ファクター=900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
該軽質基油留分FT−D及びFT−Eの重量%ノアク揮発度とそれらの式(3)によるノアク揮発度ファクターとの差は、5よりも大きかった。それらは両方とも、例外的に良好な酸化安定性、低い流動点、及び高い粘度指数を有していた。
ノアク揮発度ファクター=900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
該軽質基油留分FT−D及びFT−Eの重量%ノアク揮発度とそれらの式(3)によるノアク揮発度ファクターとの差は、5よりも大きかった。それらは両方とも、例外的に良好な酸化安定性、低い流動点、及び高い粘度指数を有していた。
実施例4:パワーステアリング流体
二つの基油を、Coベースのフィッシャー・トロプシュワックス及びFeベースのフィッシャー・トロプシュワックスを1000psi、0.5〜1.5LHSV、及び660〜690℃の間でPt/SAPO−11触媒を超えて水添異性化脱蝋することにより製造した。それらの基油をその後水素処理して芳香族化合物及びオレフィンの量を減少させ、それから留分に減圧蒸留した。
二つの基油を、Coベースのフィッシャー・トロプシュワックス及びFeベースのフィッシャー・トロプシュワックスを1000psi、0.5〜1.5LHSV、及び660〜690℃の間でPt/SAPO−11触媒を超えて水添異性化脱蝋することにより製造した。それらの基油をその後水素処理して芳香族化合物及びオレフィンの量を減少させ、それから留分に減圧蒸留した。
FIMS分析を、Micromass Time−of−Flight分光光度計上で行った。該Micromass Time−of−Flight上の発光体は、FI操作用に設計されたCarbotec 5um発光体であった。ロックマスとして使用したペンタフルオロクロロベンゼンの一定流を、細い毛細管を経由して該質量分析計中に送った。プローブを約50℃から600℃まで100℃/分の速度で加熱した。該二つのフィッシャー・トロプシュ誘導潤滑基油(即ち、本願でクレームされたパワーステアリング流体に使用するのに適切な基油1、及び比較用基油)に関する試験結果を下の表Vに示す。
基油1は、比較用基油とは違って、以下の式により計算される粘度指数ファクターよりも大きな100℃における動粘度を有する。
28 x ln(100℃における動粘度)+101 (1)
基油1は又、比較用基油とは違って、以下の式のいずれかにより計算されるノアク揮発度ファクターよりも小さなノアク揮発度を有する。
160−40(100℃における動粘度) (2)
900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
上記したように、2.4mm2/s〜3.8mm2/sの範囲における動粘度に対して、式(3)は式(2)よりも低いノアク揮発度ファクターを提供する。基油1の動粘度は2.18mm2/sであるので、基油1に対して式(3)は式(2)が提供する(72.8)よりも低いノアク揮発度ファクターを提供しない(86.52)。しかしながら、比較用基油の動粘度は2.981mm2/sであるので、比較用基油に対して式(3)は式(2)が提供する(40.76)よりも低いノアク揮発度ファクター(27.27)を提供する。しかしながら、比較用基油のTGAノアク揮発度、48重量%は27.27又は40.76よりも大きく、一方基油1のTGAノアク揮発度、67.37重量%は86.52又は72.8よりも小さい。
28 x ln(100℃における動粘度)+101 (1)
基油1は又、比較用基油とは違って、以下の式のいずれかにより計算されるノアク揮発度ファクターよりも小さなノアク揮発度を有する。
160−40(100℃における動粘度) (2)
900x(100℃における動粘度)−2.8−15 (3)
上記したように、2.4mm2/s〜3.8mm2/sの範囲における動粘度に対して、式(3)は式(2)よりも低いノアク揮発度ファクターを提供する。基油1の動粘度は2.18mm2/sであるので、基油1に対して式(3)は式(2)が提供する(72.8)よりも低いノアク揮発度ファクターを提供しない(86.52)。しかしながら、比較用基油の動粘度は2.981mm2/sであるので、比較用基油に対して式(3)は式(2)が提供する(40.76)よりも低いノアク揮発度ファクター(27.27)を提供する。しかしながら、比較用基油のTGAノアク揮発度、48重量%は27.27又は40.76よりも大きく、一方基油1のTGAノアク揮発度、67.37重量%は86.52又は72.8よりも小さい。
Fortum Nexbase 3043は、従来のAPIグループIIIの基油である。Fortum Nexbase 3043に関するFIMSによる全1−〜6−不飽和は55重量%より大きく、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比は2.0より小さい。
ここに引用された刊行物、特許、及び特許出願のすべては、あたかも各個別の刊行物、特許出願、又は特許の開示が参考のために全体として挿入されるように具体的に且つ個別的に示されるのと同じ程度に、参考のために全体としてここに挿入されている。
ここに開示された模範的態様に関する多くの修正は、当業者の頭に容易に浮かぶであろう。従って、本願の開示は、別紙特許請求の範囲に含まれるあらゆる構造及び方法を含むと解釈されるべきである。
Claims (39)
- 下記のa)及びb)を含むパワーステアリング流体であって:
a) 通し番号数の炭素原子を有し、次の式により計算される粘度指数ファクターよりも大きな粘度指数を有する、50重量%より多い基油:
28 x ln(100℃における動粘度)+101;及び
b) 粘度指数向上剤;
290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有する該パワーステアリング流体。 - 約1.0重量%よりも少ない流動点降下剤を更に含む、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が蝋質の供給材料から作られている、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が約1.2mm2/sと約4.0mm2/sの間の100℃における動粘度を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が約1.5mm2/sと約3.5mm2/sの間の100℃における動粘度を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が5.0重量%よりも多いシクロパラフィン官能性の分子を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が、5よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が、10よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が、15よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 該基油が、20よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項1のパワーステアリング流体。
- 70重量%よりも多い基油を含む、請求項1のパワーステアリング流体。
- 粘度指数向上剤を13重量%よりも少ない量で含む、請求項1のパワーステアリング流体。
- 粘度指数向上剤を12重量%よりも少ない量で含む、請求項1のパワーステアリング流体。
- ほとんど0重量%の流動点降下剤を含む、請求項1のパワーステアリング流体。
- −40℃におけるブルックフィールド粘度が1500mPa・sよりも小さい、請求項1のパワーステアリング流体。
- 洗浄剤・防止剤の添加剤パッケージを更に含む、請求項1のパワーステアリング流体。
- 2〜6重量%の洗浄剤・防止剤の添加剤パッケージを含む、請求項16のパワーステアリング流体。
- 5重量%よりも少ない洗浄剤・防止剤の添加剤パッケージを含む、請求項16のパワーステアリング流体。
- 該基油がフィッシャー・トロプシュ誘導されている、請求項1のパワーステアリング流体。
- 自動車のパワーステアリング装置用の、一つ以上のパワーステアリング流体規格の要件を満たす、請求項1のパワーステアリング流体。
- 請求項1のパワーステアリング流体を製造する方法であって、
a) i) 通し番号数の炭素原子、
ii) 次の式により計算される粘度指数ファクターよりも大きな粘度指数:
28 x ln(100℃における動粘度)+101
を有する基油を得る工程、及び
b) 該基油を粘度指数向上剤と混合して、50重量%より多い基油を含み、290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有する該パワーステアリング流体を形成する工程
を含む、前記の製造方法。 - パワーステアリング流体を製造する方法であって、
a) i) 通し番号数の炭素原子、
ii) 約4mm2/sよりも小さな100℃における動粘度、及び
iii)次の式により計算されるノアク揮発度ファクターよりも小さなノア
ク揮発度:
160−40(100℃における動粘度)
を有する基油を得る工程、及び
b) 該基油を粘度指数向上剤と混合して、50重量%より多い基油を含み、290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有する該パワーステアリング流体を形成する工程
を含む、前記の製造方法。 - パワーステアリング流体を形成する工程が、更に該基油を流動点降下剤と混合することを含み、該パワーステアリング流体が約1.0重量%よりも少ない流動点降下剤を含む、請求項22の方法。
- 該基油が次の式により計算される粘度指数ファクターよりも大きな粘度指数を有する:
28 x ln(100℃における動粘度)+101
請求項22の方法。 - 該基油が約1.2mm2/sと約4.0mm2/sの間の100℃における動粘度を有する、請求項22の方法。
- 該基油が約1.5mm2/sと約3.5mm2/sの間の100℃における動粘度を有する、請求項22の方法。
- 該基油がフィッシャー・トロプシュ誘導されている、請求項22の方法。
- 該基油が5.0重量%よりも多いシクロパラフィン官能性の分子を有する、請求項22の方法。
- 該基油が、5よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項22の方法。
- 該基油が、10よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項22の方法。
- 該基油が、15よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項22の方法。
- 該基油が、20よりも大きな、マルチシクロパラフィン官能性分子に対するモノシクロパラフィン官能性分子の比を有する、請求項22の方法。
- パワーステアリング流体を形成する工程が、更に該基油を洗浄剤・防止剤の添加剤パッケージと混合することを含む、請求項22の方法。
- 該洗浄剤・防止剤添加剤パッケージを2〜6重量%の量で混合する、請求項33の方法。
- 該洗浄剤・防止剤添加剤パッケージを5重量%より少ない量で混合する、請求項33の方法。
- 該基油が、
36 x ln(100℃における動粘度)+200
よりも大きなアニリン点を有する、請求項22の方法。 - 該基油が0と100の間のノアク揮発度を有する、請求項22の方法。
- 該基油が次の式:
900 x (100℃における動粘度)−2.8−15
により計算されるノアク揮発度ファクターよりも小さなノアク揮発度を有する、請求項37の方法。 - 請求項22の方法により製造されるパワーステアリング流体であって、
a) 通し番号数の炭素原子、約4mm2/sよりも小さな100℃における動粘度、及び次の式により計算されるノアク揮発度ファクターより小さなノアク揮発度:
160−40(100℃における動粘度)
を有する、50重量%より多い基油、及び
b) 粘度指数向上剤
を含み、290よりも大きな粘度指数及び1900mPa・sよりも小さな−40℃におけるブルックフィールド粘度を有する、前記のパワーステアリング流体。
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