JP2010530754A - ヒトEGFR−siRNAを含む組成物および使用方法 - Google Patents

ヒトEGFR−siRNAを含む組成物および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、EGFRの発現を阻害する核酸分子を提供する。その核酸分子を用いる方法も提供される。本発明の一態様は、上皮成長因子(EGF)受容体遺伝子の発現を下方調節する核酸分子であって、EGFR mRNAを標的とするヌクレオチド配列を含み、配列番号1〜10または21〜121に記載のポリヌクレオチド配列のいずれか1つを標的とするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。一部の実施形態において、核酸分子は、RNA干渉(RNAi)によりEGFR遺伝子の発現を下方調節する。

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119(e)の下、2007年6月22日に出願された米国仮特許出願第60/945,842号、2007年10月10日に出願された米国仮特許出願第60/998,284号、2008年4月14日に出願された米国仮特許出願第61/124,223号、2008年6月11日に出願された米国仮特許出願第61/060,721号に対する優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、分子生物学および医学の分野にあり、上皮成長因子(EGF)受容体の発現を調節する短鎖干渉RNA(siRNA)分子に関する。
(発明の背景)
EGFRは、細胞の増殖および分化の制御において重要な役割を果たすことが示されている、170kDaの膜貫通糖タンパク質である。EGFRは、EGFR(ErbB−1)、HER2/c−neu(ErbB−2)、Her 3(ErbB−3)、およびHer 4(ErbB−4)を含むErbB受容体ファミリーのメンバーである。EGFRは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインからなる。EGFRの細胞外ドメインに結合するリガンドにより二量体化およびチロシンキナーゼ活性の活性化がもたらされ、細胞の増殖および分化をもたらす酵素的および生物学的事象の複雑なカスケードが誘発される。
EGFRの過剰発現は、肺、腎臓、膵臓、乳房、頭頚部、胃、および結腸の悪性腫瘍を含む多くの悪性腫瘍と関連している。各種の細胞が、EGFRの(1つまたは複数の)変異型を生成することが示されている。例えば、A431ヒト類上皮癌細胞は、切断型EGFRを生成することが示されている。
癌におけるEGFRの役割は、転移性の結腸癌、肺癌、膵臓癌、および頭頚部癌の治療のためのベクチビックスおよびエルビタックスならびにタルセバ(商標)などの低分子TKiなどの中和抗体を含む、複数のEGFR阻害剤に対する近年のFDA承認により検証されている。
RNA干渉(RNAi)法が、特定の遺伝子産物の発現を抑制するのに有効な手段として出現しつつあり、したがって、EGFR発現の調節のための多数の治療的、診断的、および研究的適用において独自に有用であると判明する可能性がある。本発明は、RNAi法を用いてこれらのタンパク質の発現を調節する組成物および方法を提供する。
したがって、当技術分野では、癌および他の疾患の治療のための治療法として、EGFRの発現を調節する組成物および方法に対する必要が存在する。本発明は、この利点および他の利点を提供するものである。
(発明の要旨)
本発明の一態様は、上皮成長因子(EGF)受容体遺伝子の発現を下方調節する核酸分子であって、EGFR mRNAを標的とするヌクレオチド配列を含み、配列番号1〜10または21〜121に記載のポリヌクレオチド配列のいずれか1つを標的とするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。具体的な実施形態において、核酸はsiRNA分子である。より具体的な実施形態において、siRNAは、配列番号11〜20および122〜323に記載の一本鎖RNA配列のいずれか1つ、またはその二本鎖RNAを含む。一部の実施形態において、核酸分子は、RNA干渉(RNAi)によりEGFR遺伝子の発現を下方調節する。
別の実施形態において、本発明は、siRNA分子のいずれか1つまたは複数を含む組成物であって、siRNAが配列番号11〜20および122〜323に記載の一本鎖RNA配列のいずれか1つ、またはその二本鎖RNAを含む組成物を提供する。この点において、該組成物は、本発明の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100種以上のsiRNA分子を含みうる。具体的な実施形態において、siRNAは、標的化部分を含む。
各種の実施形態において、本発明は、EGFRを発現する癌を有し、該癌を有するかまたは癌を有する危険性を示すことが疑われる対象において癌を治療または予防する方法であって、配列番号11〜20および122〜323に記載の一本鎖RNA配列のいずれか1つ、またはその二本鎖RNAを含む組成物を対象に投与し、これにより、癌を治療または予防するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態において、癌は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、腎臓癌、子宮内膜癌、卵巣癌、髄膜腫、黒色腫、リンパ腫、および神経膠芽腫からなる群から選択される。
別の実施形態において、本発明は、EGFRの合成または発現を阻害する方法であって、EGFRを発現する細胞を1つまたは複数のsiRNAと接触させるステップを含み、siRNAが配列番号11〜20または122〜323に記載の配列を含む方法を提供する。
本発明のこれらの態様および他の態様は、以下の詳細な説明を参照することで明らかとなろう。
図1は、特定のsiRNA分子によるin vitroにおけるhEGFRの阻害を示す棒グラフである。HT−29細胞において、ヒトEGFR−siRNAのヒトEGFR遺伝子サイレンシング活性を調べた。細胞2×106個/200ulあたり4または8ugのsiRNAによる電気穿孔を介するトランスフェクション法を用いて、HT−29細胞にEGFR−siRNAをトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後において、hEGFR ELISAキット(R&D Systems社製)を用いて、トランスフェクトされたHT−29細胞内におけるEGFRタンパク質の濃度を測定した。hEGFRタンパク質濃度は細胞内総タンパク質に対して標準化し、hEGFRの阻害百分率はsiRNAを伴わないモック工程により処理された細胞に対して標準化した。5種すべてのhEGFR siRNAが、hEGFR生成の阻害を示した。hEGFR−25−1およびhEGFR−25−2が最も強力なsiRNAであり、siRNAトランスフェクションの72時間後において、hEGFRタンパク質の70%を超える阻害を示した。 図2は、2種のsiRNA分子による用量依存的なhEGFR阻害を示す棒グラフである。選択されたhEGFR−siRNAであるhEGFR−25−1およびhEGFR−25−2を、それらがhEGFRの発現を用量依存的に阻害する能力について調べた。電気穿孔を介するトランスフェクション法を用いて、HT−29細胞に細胞2×10個/200μlあたり0.01〜10ugの範囲のEGFR−siRNAをトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後において、hEGFR ELISAキット(R&D Systems社製)を用いて、トランスフェクトされたHT−29細胞内におけるEGFRタンパク質の濃度を測定した。hEGFRタンパク質濃度は細胞内総タンパク質に対して標準化し、hEGFRの阻害百分率はsiRNAを伴わないモック工程により処理された細胞に対して標準化した。hEGFR−25−1およびhEGFR−25−2のいずれもが、hEGFR生成の用量依存的な阻害を示した。 図3は、A431腫瘍の異種移植に対するhEGFR−siRNA−PolyTran(商標)NPXの腫瘍阻害効果を示す線グラフである。A431(類上皮癌)異種移植モデルにおいて、hEGFR−siRNAを保有するPolyTran(商標)(PT−NPX)の抗腫瘍効果を判定した。腫瘍細胞移植後第4日以降、1日おき6回にわたり、hEGFR−siRNAを保有するPolyTran NPXの静脈内投与により、確立されたA431腫瘍を有するマウスを治療した。治療対照は、治療なし(非治療)および6日間にわたり100mg/kgで毎日経口投与されたエルロチニブ(タルセバ(商標))を含んだ。ヒトEGFR siRNAを保有するPT−NPXによる治療は、非治療対照と比較してA431腫瘍の増殖を有意に阻害し、阻害効果は、タルセバ(商標)による治療対照よりも大きかった。 図4は、PT−EGFR−siRNA NPXによるA431腫瘍の増殖に対する阻害が、hEGFR−siRNA特異的であり、PT−siRNA NPX製剤を必要とすることを示す線グラフである。hEGFR−siRNAまたは陰性対照siRNAを保有するPolyTran(商標)ナノ粒子(PT−NPX)のほか、PolyTranペプチド単独またはhEGFR−siRNA単独をA431(類上皮癌)異種移植モデルにおいて調べた。腫瘍細胞移植後第5日以降、1日おき4回にわたり、hEGFR−siRNAもしくは陰性対照siRNA(2mg/kg)を保有するPolyTran NPX、またはhEGFR−siRNA単独、またはPolyTranペプチド単独の静脈内投与により、確立されたA431腫瘍を有するマウスを治療した。治療対照は、治療なし(非治療)を含んだ。非治療対照と比較して、A431腫瘍の増殖を有意に阻害したのは、ヒトEGFR siRNAを保有するPT−NPXによる治療のみであった。対照siRNAを保有するPT−NPX、hEGFR−siRNA単独、またはPolyTranペプチドを含む他のすべての治療群は、A431腫瘍の増殖を阻害しなかった。 図5は、A549腫瘍の異種移植に対するhEGFR−siRNA−PolyTran(商標)NPXの腫瘍抑制効果を示す線グラフである。hEGFR−siRNAを保有するPolyTran(商標)(PT−NPX)の抗腫瘍効果を、A549(NSCLC)異種移植モデルにおいて判定した。腫瘍細胞移植後第9日以降、1日おき6回にわたり、hEGFR−siRNAを保有するPolyTran NPXの静脈内投与により、確立されたA549腫瘍を有するマウスを治療した。治療対照は、治療なし(非治療)および6日間にわたり100mg/kgで毎日経口投与されたエルロチニブ(タルセバ(商標))を含んだ。ヒトEGFR siRNAを保有するPT−NPXによる治療は、非治療対照と比較してA549腫瘍の増殖を有意に阻害し、阻害効果は、タルセバ(商標)による治療対照よりも大きかった。対照siRNAを保有するPT−NPXは、A549腫瘍の増殖に対する阻害効果を有さなかった。 図6は、PolyTran(商標)の構造および組成を示す略図である。PolyTran(商標)は、合成による生体分解性の陽イオン分枝ポリペプチドである。正に帯電したPolyTran(商標)ポリペプチドは、負に帯電したsiRNAの担体および凝縮剤として用いられる。 図7は、ヒスチジン−リジンH3K4bポリペプチド構造を示すダイアグラムである。ヒスチジン−リジンH3K4bポリペプチドは、PT−NPXの調合に用いた。 図8は、PolyTran−siRNA NPXの電子画像である。PolyTranペプチドをsiRNA(hVEGFに対する)と混合すると、溶液中に直径約100nmの球形ナノ粒子(PT−siRNA NPX)が形成された。 図9は、PT−siRNA NPXの細胞内への取り込みを示す蛍光顕微鏡画像である。5ug/mLに相当するsiRNA濃度で6時間にわたり、Alexa488により標識されたhVEGF siRNA(QIAGEN社製)を含有するPT−NPXを、EA.hy926マウス内皮細胞にトランスフェクトした。細胞内で観察された蛍光発光により、PT−siRNA NPXの内在化が示唆される。 図10は、腫瘍内におけるPT−siRNA NPXの組織内分布を示す蛍光顕微鏡画像である。蛍光標識されたsiRNA(Alexa555により標識されたQIAGEN社製のhVEGF siRNA)を保有するPT−NPXを用いて、静脈内注射後におけるPT−NPXの生体内分布を探索した。A431異種移植を有するヌードマウスに、PT−NPXを静脈内注射した。注射の1時間後、腫瘍組織を除去し、凍結組織切片を調製した。腫瘍組織内において蛍光標識されたsiRNAが見出されたことは、腫瘍組織内におけるPT−NPXの分布が達成されたことを示す。非処理の腫瘍組織内において、自己蛍光バックグラウンドは見られなかった。 図11A〜Cは、VEGF siRNAによるhVEGF遺伝子のサイレンシングを示す線グラフである。PC−3ヒト前立腺癌細胞において、ヒトVEGF−siRNAの標的遺伝子サイレンシング活性を調べた。LipoFectamine RNAiMax(Invitrogen社製)を用いて、細胞にsiRNAをトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後(図11A)、48時間後(図11B)、および72時間後(図11C)において、ELISAキット(R&D Systems社製)を用いて培地中におけるVEGF濃度を測定した。調べた3種すべてのヒトVEGF siRNAが、VEGF生成を用量依存的に阻害し、ナノモルまたはナノモル以下で効力を有する。 図12は、PT−siRNA NPXによるhVEGF遺伝子のサイレンシングを示す棒グラフである。VEGFを発現するPC−3ヒト前立腺癌細胞株を、無血清培地中で4時間にわたり、hVEGF−siRNAまたは対照siRNAを保有するPT−NPXにより処理し、次いで、血清を補充した(10%)。処理の72時間後において、細胞溶解物を回収し、ELISAキット(R&D Systems社製)を用いてVEGFを測定した。hVEGF siRNAを含有するPT−NPXにより、in vitroにおけるhVEGF生成が抑制された。 図13は、A431ヒト類上皮癌の腫瘍体積に対するPT−siRNA NPXの効果を示す線グラフである。A431ヒト類上皮癌細胞を、雌ヌードマウスに皮下移植した。腫瘍体積が約80〜100mmに達した時点で、2mg/kg相当のsiRNAを伴うPT−NPXを静脈内注射した。横軸下方の矢印により、注射スケジュールを示す。ヒトVEGF−siRNAまたはマウスVEGFR2−siRNA(センス鎖:5’−ggaaggcccauugaguccaacuaca−3’(配列番号327)およびアンチセンス鎖:5’−uguaguuggacucaaugggccuucc−3’(配列番号328))を含有するPT−NPXによる治療は、非治療対照またはGFP−siRNA NPX治療対照と比較して、有意に腫瘍の増殖を阻害した。抗腫瘍効果は、腹腔内注射による5mg/kgでのアバスチンの効果と同等であった。hVEGF−siRNA治療動物またはmVEGFR2 PT−NPX治療動物のいずれにおいても、明白な体重減少または臨床的異常は観察されなかった。 図14は、PT−mVEGFR2−siRNA NPXによる全身治療を介するA549腫瘍におけるマウスVEGFR2 mRNAのin vivoにおけるノックダウンを示す棒グラフである。PT−siRNA NPXによるin vivoにおける標的遺伝子のノックダウンを、A549異種移植モデルにおいて検討した。異種移植腫瘍の確立後、3日間にわたり、毎日2mg/kgでmVEGFR2−siRNA(センス鎖:5’−ggaaggcccauugaguccaacuaca−3’(配列番号327)およびアンチセンス鎖:5’−uguaguuggacucaaugggccuucc−3’(配列番号328))または対照siRNAを保有するPT−NPXにより、マウス(n=6)を静脈内治療した。最終回注射の24時間後において、腫瘍を除去し、腫瘍組織に由来する総RNAを単離し、相対定量的リアルタイムPCRアッセイにかけた。PT−mVEGFR2−siRNA NPXによる治療の結果、A549異種移植におけるmVEGFR2 mRNAの有意なノックダウン(反復実験において30〜90%)がもたらされた。
(発明の詳細な説明)
本発明は、EGFRの発現を調節するための核酸分子に関する。一部の実施形態において、核酸はリボ核酸(RNA)である。一部の実施形態において、RNA分子は一本鎖または二本鎖である。この点において、siRNAなど本発明の核酸に基づく分子は、EGFRの発現を阻害または下方調節する。
本発明は、EGFR遺伝子の発現および/または活性の調節に応答する形質、疾患、および状態の研究、診断、および治療のための化合物、組成物、および方法に関する。本発明はまた、このような形質、疾患、および状態の維持または発現を媒介するEGFR遺伝子の発現経路または他の細胞過程に関与する遺伝子の発現および/または活性の調節に応答する形質、疾患、および状態に関連する化合物、組成物、および方法をも対象とする。具体的に述べると、本発明は、EGFR遺伝子の発現に対するRNA干渉(RNAi)を媒介する能力がある短鎖干渉核酸(siNA)分子、短鎖干渉RNA(siRNA)分子、二本鎖RNA(dsRNA)分子、マイクロRNA(miRNA)分子、および短鎖ヘアピンRNA(shRNA)分子などの低分子核酸を含む二本鎖核酸分子に関し、このような低分子核酸のカクテルおよびこのような低分子核酸のナノ粒子製剤を含む。本発明はまた、siNA、siRNA、および内因性マイクロRNA(miRNA)もしくは内因性短鎖干渉RNA(siRNA)などの内因性RNA分子の機能を阻害するか、またはRISCの機能を阻害して、このような内因性RNAまたはこのような内因性RNAと関連するタンパク質(例えば、RISC)の調節機能に干渉することによりEGFR遺伝子の発現を調節しうる他の核酸(例えば、miRNA阻害剤もしくはsiRNA阻害剤またはRISC阻害剤)などの低分子核酸にも関し、このような低分子核酸のカクテルおよびこのような低分子核酸のナノ粒子製剤を含む。このような低分子核酸は、例えば、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、および卵巣癌、黒色腫、リンパ腫、神経膠腫、多剤耐性癌、ならびに対象または生物におけるEGFR遺伝子の発現または活性と関連する他の任意の癌性疾患および/または他の病態、状態、もしくは形質を予防、抑制、または軽減する組成物を提供するのに有用である。
「阻害する」または「下方調節する」とは、EGFR遺伝子の発現、もしくはEGFRタンパク質をコードするmRNAレベル、EGFRタンパク質レベル、またはEGFR活性を、本発明の核酸分子の不在下で観察されるレベル未満に低下させることを意味する。一実施形態において、本発明の核酸分子による阻害または下方調節は、同じ標的RNAに結合する能力はあるが、該RNAを切断または他の形でサイレンシングする能力はない不活性対照または弱力化された分子の存在下で観察されるレベル未満である。別の実施形態において、本発明の核酸分子による阻害または下方調節は、例えば、スクランブル配列またはミスマッチを有する核酸の存在下で観察されるレベル未満であることが好ましい。別の実施形態において、本発明の核酸分子によるEGFRの阻害または下方調節は、該核酸の存在下における方が、その不在下におけるよりも大幅である。
「調節する」とは、EGFR遺伝子の発現、またはEGFRタンパク質をコードするmRNAレベル、EGFRタンパク質レベル、またはEGFR活性を上方調節または下方調節して、発現、レベル、または活性が、本発明の核酸分子の不在下で観察されるよりも高度または低度であるようにすることを意味する。
「二本鎖RNA」または「dsRNA」とは、遺伝子の対応するメッセンジャーRNA転写物を分解する細胞内酵素を活性化する能力がある所定の遺伝子配列にマッチする二本鎖RNAを意味する。これらのdsRNAを短鎖干渉RNA(siRNA)と称し、これらを用いて遺伝子発現を阻害することができる(例えば、Elbashirら、2001年、Nature、第411巻、494〜498頁;およびBass、2001年、Nature、第411巻、428〜429頁を参照されたい)。本明細書で用いられる「二本鎖RNA」または「dsRNA」という用語はまた、RNA干渉「RNAi」の能力がある二本鎖RNA分子も指し、短鎖干渉RNA「siRNA」を含む(例えば、Bass、2001年、Nature、第411巻、428〜429頁;Elbashirら、2001年、Nature、第411巻、494〜498頁;ならびにKreutzerら、PCT国際出願公開第WO00/44895号;Zernicka−Goetzら、PCT国際出願公開第WO01/36646号;Fire、PCT国際出願公開第WO99/32619号;Plaetinckら、PCT国際出願公開第WO00/01846号;MelloおよびFire、PCT国際出願公開第WO01/29058号;Deschamps−Depaillette、PCT国際出願公開第WO99/07409号;およびLiら、PCT国際出願公開第WO00/44914号を参照されたい)。dsRNAは、25マーでありうる。dsRNAは、平滑末端である場合もあり、一本鎖突出を含む場合もある。
「遺伝子」とは、mRNAをコードする核酸を意味し、例えば、核酸配列は、ポリペプチドをコードする構造遺伝子を含むがこれらに限定されない。
「標的とする核酸」とは、マッチするか、相補的であるか、または別の形で結合するか、もしくは特異的にハイブリダイズし、これにより、標的配列を含む遺伝子の発現、またはEGFRタンパク質をコードするmRNAレベル、EGFRタンパク質レベル、またはEGFR活性を調節する、本発明で説明される核酸を意味する。
「相補性」とは、核酸が、従来のワトソン−クリック型または他の非従来型による別のRNA配列と(1つまたは複数の)水素結合を形成する能力を指す。本発明の核酸分子に関して、核酸分子のその標的配列または相補性配列との結合自由エネルギーは、関連する核酸機能、例えば、核酸の酵素的切断、アンチセンスまたは三重らせんによる阻害がなされることを可能とするのに十分である。核酸分子の結合自由エネルギーの決定は、当技術分野でよく知られている(例えば、Turnerら、1987年、CSH Syrup. Quant. Biol.、第LII巻、123〜133頁;Frierら、1986年、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、第83巻、9373〜9377頁;Turnerら、1987年、J. Am. Chem. Soc.、第109巻、3783〜3785頁を参照されたい)。パーセント相補性により、第2の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン−クリック型の塩基対合)を形成しうる、核酸分子中における隣接残基の百分率が示される(例えば、10残基中5、6、7、8、9、10残基の相補性は、50%、60%、70%、80%、90%、および100%の相補性である)。「完全に相補性の」とは、核酸配列のすべての隣接残基が、第2の核酸配列中における同数の隣接残基と水素結合することを意味する。
「RNA」とは、少なくとも1つのリボヌクレオチド残基を含む分子を意味する。「リボヌクレオチド」または「2’−OH」とは、β−D−リボフラノース部分の2’位においてヒドロキシル基を有するヌクレオチドを意味する。
「RNA干渉」または「RNAi」とは、当技術分野で一般に知られる通り、細胞内における遺伝子発現を阻害または下方調節する生物学的過程を意味し、これは、短鎖干渉核酸分子を介する(例えば、ZamoreおよびHaley、2005年、Science、第309巻、1519〜1524頁;VaughnおよびMartienssen、2005年、Science、第309巻、1525〜1526頁;Zamoreら、2000年、Cell、第101巻、25〜33頁;Bass、2001年、Nature、第411巻、428〜429頁;Elbashirら、2001年、Nature、第411巻、494〜498頁;ならびにKreutzerら、PCT国際出願公開第WO00/44895号;Zernicka−Goetzら、PCT国際出願公開第WO01/36646号;Fire、PCT国際出願公開第WO99/32619号;Plaetinckら、PCT国際出願公開第WO00/01846号;MelloおよびFire、PCT国際出願公開第WO01/29058号;Deschamps−Depaillette、PCT国際出願公開第WO99/07409号;ならびにLiら、PCT国際出願公開第WO00/44914号;Allshire、2002年、Science、第297巻、1818〜1819頁;Volpeら、2002年、Science、第297巻、1833〜1837頁;Jenuwein、2002年、Science、第297巻、2215〜2218頁;ならびにHallら、2002年、Science、第297巻、2232〜2237頁;HutvagnerおよびZamore、2002年、Science、第297巻、2056〜60頁;McManusら、2002年、RNA、第8巻、842〜850頁;Reinhartら、2002年、Gene & Dev.、第16巻、1616〜1626頁;ならびにReinhartおよびBartel、2002年、Science、第297巻、1831頁を参照されたい)。加えて、本明細書で用いられるRNAiという用語は、転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、転写阻害、またはエピジェネティックスなど、配列特異的なRNA干渉を説明するのに用いられる他の用語と同義であることが意図される。例えば、本発明のsiRNA分子を用いて、転写後レベルまたは転写開始前の両方において遺伝子をエピジェネティックにサイレンシングすることができる。非限定的な例において、本発明のsiRNA分子による遺伝子発現のエピジェネティック調節は、siRNAを介するクロマチン構造またはメチル化パターンの改変による遺伝子発現の変更から生じうる(例えば、Verdelら、2004年、Science、第303巻、672〜676頁;Pal−Bhadraら、2004年、Science、第303巻、669〜672頁;Allshire、2002年、Science、第297巻、1818〜1819頁;Volpeら、2002年、Science、第297巻、1833〜1837頁;Jenuwein、2002年、Science、第297巻、2215〜2218頁;およびHallら、2002年、Science、第297巻、2232〜2237頁を参照されたい)。別の非限定的な例において、本発明のsiRNA分子による遺伝子発現の調節は、当技術分野で知られる通り、siRNAを介するRISCによるRNA(コードRNAまたは非コードRNA)の切断、または代替的に、翻訳阻害から生じうる。別の実施形態において、本発明のsiRNA分子による遺伝子発現の調節は、転写阻害から生じうる(例えば、Janowskiら、2005年、Nature Chemical Biology、第1巻、216〜222頁を参照されたい)。
一部の実施形態において、核酸阻害剤は、既知の任意のEGFR配列に相補的な配列を含み、発現および/または活性の変化を有するその変異体、特に、疾患と関連する変異体を含む。EGFR変異体は、野生型のEGFR配列と70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有する配列を含み、このようなEGFR変異体は、チロシンキナーゼ活性の変化(上昇または低下)を示しうる。当業者が理解する通り、EGFR配列は、GENBANKまたはSWISSPROTを含む各種の公開配列データベースのいずれかにおいて入手できる。一実施形態において、本発明の核酸阻害剤(例えば、siRNA)は、配列番号1〜10または21〜121(表1および3を参照されたい)に記載の特異的なEGFR標的配列に対して相補的な配列を含む。このようなsiRNA分子の例はまた実施例においても示され、配列番号11〜20および122〜323(表2および4を参照されたい)にも記載されている。
「ベクター」とは、所望の核酸を送達するのに用いられる任意の核酸ベースおよび/またはウイルスベースの技法を意味する。
「対象」とは、本発明の核酸分子の受容者である生物を意味する。「対象」とはまた、本発明の核酸分子を投与することのできる生物も指す。一部の実施形態において、対象は哺乳類または哺乳類細胞である。さらなる実施形態において、対象は、ヒトまたはヒト細胞である。
核酸は、当技術分野で知られ、Caruthersら、1992年、Methods in Enzymology、第211巻、3〜19頁;Thompsonら、PCT国際出願公開第WO99/54459号;Wincottら、1995年、Nucleic Acids Res.、第23巻、2677〜2684頁;Wincottら、1997年、Methods Mol. Bio.、第74巻、59頁;Brennanら、1998年、Biotechnol Bioeng.、第61巻、33〜45頁;およびBrennan、米国特許第6,001,311号で説明されるプロトコールを用いて合成することができる。核酸の合成では、5’端におけるジメトキシトリチル基および3’におけるホスホラミダイト基などの一般的な核酸防御基および核酸結合基が用いられる。非限定的な例において、小スケールの合成は、2’−O−メチル化ヌクレオチドのための2.5分間の結合ステップおよび2’−デオキシヌクレオチドのための45秒間の結合ステップを伴う0.2μMスケールのプロトコールを用いるApplied Biosystems社製394型合成器において実施される。代替的に、0.2μMスケールでの合成は、Protogene社(カリフォルニア州、パロアルト)製の機器など、96ウェルプレートによる合成器において、サイクルに最小限の改変を加えて実施することができる。2’−O−メチル残基の各結合サイクルでは、ポリマーに結合した5’−ヒドロキシル基に対する2’−O−メチルホスホラミダイト基の33倍の超過(0.11Mで60μL=6.6μM)およびS−エチルテトラゾール基の105倍の超過(0.25Mで60μL=15μM)を用いることができる。デオキシ残基の各結合サイクルでは、ポリマーに結合した5’−ヒドロキシル基に対するデオキシホスホラミダイト基の22倍の超過(0.11Mで40μL=4.4μM)およびS−エチルテトラゾール基の70倍の超過(0.25Mで40μL=10μM)を用いることができる。トリチル画分の熱量定量により決定される、Applied Biosystems社製394型合成器における平均結合収量率は、97.599%であることが典型的である。Applied Biosystems社製394型合成器のための他のオリゴヌクレオチド合成試薬は、以下のものを含む:脱トリチル化溶液は塩化メチレン中3%のTCA(ABI社製)である;THF中16%のN−メチルイミダゾール(ABI社製)およびTHF中10%の無水酢酸/10%の2,6−ルチジン(ABI社製)でキャッピングを行う;酸化溶液はTHF中16.9mMのI、49mMのピリジン、9%の水である。Burdick & Jackson社製の合成グレードのアセトニトリルを、試薬ボトルから直接用いる。S−エチルテトラゾール溶液(アセトニトリル中0.25M)は、American International Chemical社製の固体から作製される。代替的に、ホスホロチオエート結合の導入には、ボカージ試薬(アセトニトリル中0.05Mの3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキサイド)が用いられる。
「ヌクレオチド」とは、リン酸化した糖とのN−グリコシド結合中におけるヘテロ環窒素塩基を意味する。当技術分野において、ヌクレオチドは、当技術分野でよく知られる天然塩基(標準)および改変塩基を含むことが認知されている。このような塩基は、一般に、ヌクレオチド糖部分の1’位に位置する。ヌクレオチドは、一般に、塩基、糖基、およびリン酸基を含む。ヌクレオチドは、糖部分、リン酸部分、および/または塩基部分において改変されない場合もあり、改変される場合もある(互換的に、ヌクレオチド類似体、改変ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、非標準ヌクレオチド、およびその他とも称する;例えば、UsmanおよびMcSwiggen、前出;Ecksteinら、PCT国際出願公開第WO92/07065号;Usmanら、PCT国際出願公開第WO93/15187号;UhlmanおよびPeyman、前出を参照されたい)。Limbachら、1994年、Nucleic Acids Res.、第22巻、2183頁により概括される通り、当技術分野では、改変核酸塩基のいくつかの例が知られる。核酸中に導入されうる例示的な化学改変核酸塩基およびその他の天然核酸塩基は、例えば、イノシン、プリン、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、シュードウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)、または6−アザピリミジンもしくは6−アルキルピリミジン(例えば、6−メチルウリジン)、プロピン、キュエソシン、2−チオウリジン、4−チオウリジン、ワイブトシン、ワイブトキソシン、4−アセチルチジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、5’−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン、ベータ−D−ガラクトシルキュエオシン、1−メチルアデノシン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアノシン、3−メチルシチジン、2−メチルアデノシン、2−メチルグアノシン、N6−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、5−メトキシアミノメチル−2−チオウリジン、5−メチルアミノメチルウリジン、5−メチルカルボニルメチルウリジン、5−メチルオキシウリジン、5−メチル−2−チオウリジン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、ベータ−D−マンノシルキュエオシン、ウリジン−5−オキシ酢酸、2−チオシチジン、トレオニン誘導体、およびその他を含む(Burginら、1996年、Biochemistry、第35巻、14090頁;UhlmanおよびPeyman、前出)。この態様における「改変塩基」とは、1’位におけるアデニン、グアニン、シトシン、およびウラシルまたはそれらの同等物以外のヌクレオチド塩基を意味し、このような塩基は、例えば、酵素的核酸分子の触媒性コア内および/または該核酸分子の基質結合領域における任意の位置で用いることができる。
「ヌクレオシド」とは、糖とのN−グリコシド結合中におけるヘテロ環窒素塩基を意味する。当技術分野において、ヌクレオシドは、当技術分野でよく知られる天然塩基(標準)および改変塩基を含むことが認知されている。このような塩基は、一般に、ヌクレオシド糖部分の1’位に位置する。ヌクレオシドは、一般に、塩基および糖基を含む。ヌクレオシドは、糖部分および/または塩基部分において改変されない場合もあり、改変される場合もある(互換的に、ヌクレオシド類似体、改変ヌクレオシド、非天然ヌクレオシド、非標準ヌクレオシド、およびその他とも称する;例えば、UsmanおよびMcSwiggen、前出;Ecksteinら、PCT国際出願公開第WO92/07065号;Usmanら、PCT国際出願公開第WO93/15187号;UhlmanおよびPeymanを参照されたい)。Limbachら、1994年、Nucleic Acids Res.、第22巻、2183頁により概括される通り、当技術分野では、改変核酸塩基のいくつかの例が知られる。核酸中に導入されうる例示的な化学改変核酸塩基およびその他の天然核酸塩基は、イノシン、プリン、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、シュードウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)、または6−アザピリミジンもしくは6−アルキルピリミジン(例えば、6−メチルウリジン)、プロピン、キュエソシン、2−チオウリジン、4−チオウリジン、ワイブトシン、ワイブトキソシン、4−アセチルチジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、5’−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン、ベータ−D−ガラクトシルキュエオシン、1−メチルアデノシン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアノシン、3−メチルシチジン、2−メチルアデノシン、2−メチルグアノシン、N6−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、5−メトキシアミノメチル−2−チオウリジン、5−メチルアミノメチルウリジン、5−メチルカルボニルメチルウリジン、5−メチルオキシウリジン、5−メチル−2−チオウリジン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、ベータ−D−マンノシルキュエオシン、ウリジン−5−オキシ酢酸、2−チオシチジン、トレオニン誘導体、およびその他を含む(Burginら、1996年、Biochemistry、第35巻、14090頁;UhlmanおよびPeyman、前出)。この態様における「改変塩基」とは、1’位におけるアデニン、グアニン、シトシン、およびウラシルまたはそれらの同等物以外のヌクレオシド塩基を意味し、このような塩基は、例えば、酵素的核酸分子の触媒性コア内および/または該核酸分子の基質結合領域における任意の位置で用いることができる。
一部の実施形態では、細胞内で真核細胞プロモーターから本発明の核酸分子を発現させることができる(例えば、IzantおよびWeintraub、1985年、Science、第229巻、345頁;McGarryおよびLindquist、1986年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第83巻、399頁;Scanlonら、1991年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第88巻、10591〜5頁;Kashani−Sabetら、1992年、Antisense Res. Dev.、第2巻、3〜15頁;Dropulicら、1992年、J. Virol.、第66巻、1432〜41頁;Weerasingheら、1991年、J. Virol. 、第65巻、5531〜4頁;Ojwangら、1992年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第89巻、10802〜6頁;Chenら、1992年、Nucleic Acids Res.、第20巻、4581〜9頁;Sarverら、1990年、Science、第247巻、1222〜1225頁;Thompsonら、1995年、Nucleic Acids Res.、第23巻、2259頁;Goodら、1997年、Gene Therapy、第4巻、45頁)。当業者は、真核細胞内で適切なDNA/RNAベクターから任意の核酸を発現させうることを認識するであろう。このような核酸の活性は、酵素的核酸による一次転写物からのそれらの放出により増強することができる(Draperら、PCT WO93/23569;およびSullivanら、PCT WO94/02595;Ohkawaら、1992年、Nucleic Acids Symp.、第27集、15〜16頁;Tairaら、1991年、Nucleic Acids Res.、第19巻、5125〜30頁;Venturaら、1993年、Nucleic Acids Res.、第21巻、3249〜55頁;Chowriraら、1994年、J. Biol. Chem.、第269巻、25856頁)。
本発明の別の態様において、RNA分子など本発明の核酸分子は、DNAベクターまたはRNAベクター内に挿入された転写単位(例えば、Coutureら、1996年、TIG.、第12巻、510頁を参照されたい)から発現される。組換えベクターは、DNAプラスミドまたはウイルスベクターであることが好ましい。RNAを発現するウイルスベクターは、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、またはアルファウイルスに基づいて構築されうるが、これらに限定されない。核酸分子を発現する能力がある組換えベクターは、上記で説明された通りに送達され、標的細胞内で存続することが好ましい。代替的に、核酸分子の一過性発現を提供するウイルスベクターを用いることもできる。このようなベクターは、必要に応じて反復投与することができる。発現すると、核酸分子は、標的mRNAに結合する。核酸分子を発現するベクターの送達は、静脈内投与または筋肉内投与によるなどの全身投与も可能であり、患者または対象から外植された標的細胞の投与後における患者または対象内への再導入によることも可能であり、あるいは所望の標的細胞内への導入を可能とする他の任意の手段によることも可能である(総説については、Coutureら、1996年、TIG.、第12巻、510頁を参照されたい)。
一態様において、本発明は、本発明の少なくとも1種の核酸分子をコードする核酸配列を含む発現ベクターを特徴とする。本発明の核酸分子をコードする核酸配列は、該核酸分子の発現を可能とする形で作動的に連結される。
別の態様において、本発明は、a)転写開始領域(例えば、真核細胞polI、II、またはIIIの開始領域)、b)転写終結領域(例えば、真核細胞polI、II、またはIIIの終結領域)、c)本発明の少なくとも1種の核酸触媒をコードする核酸配列を含み、前記配列が前記核酸分子の発現および/または送達を可能とする形で前記開始領域および前記終結領域に作動的に連結されている発現ベクターを特徴とする。該ベクターは、場合によって、本発明の核酸触媒および/またはイントロン(介在配列)をコードする配列の5’側または3’側に作動的に連結される、タンパク質に対応するオープンリーディングフレーム(ORF)を含みうる。
核酸分子配列の転写は、真核細胞RNAポリメラーゼI(polI)、同RNAポリメラーゼII(polII)、または同RNAポリメラーゼIII(polIII)のプロモーターから駆動される。polIIプロモーターまたはpolIIIプロモーターからの転写物は、すべての細胞内において高レベルで発現され、所与の細胞型における所与のpolIIプロモーターレベルは、近傍に存在する遺伝子調節配列(エンハンサー、サイレンサーなど)の性質に依存する。原核細胞RNAポリメラーゼ酵素が適切な細胞内で発現している場合は、原核細胞RNAポリメラーゼプロモーターもまた用いることができる(Elroy−SteinおよびMoss、1990年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、6743〜7頁;Gaoおよび Huang、1993年、Nucleic Acids Res.、第21巻、2867〜72頁;Lieberら、1993年、Methods Enzymol.、第217巻、47〜66頁;Zhouら、1990年、Mol. Cell. Biol.、第10巻、4529〜37頁)。このようなプロモーターから発現されるリボザイムなどの核酸分子は、哺乳類細胞内で機能しうることが、複数の研究者により示されている(例えば、Kashani−Sabetら、1992年、Antisense Res. Dev.、第2巻、3〜15頁;Ojwangら、1992年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第89巻、10802〜6頁;Chenら、1992年、Nucleic Acids Res.、第20巻、4581〜9頁;Yuら、1993年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、6340〜4頁;L’Huillierら、1992年、EMBO J.、第11巻、4411〜8頁;Lisziewiczら、1993年、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A、第90巻、8000〜4頁;Thompsonら、1995年、Nucleic Acids Res.、第23巻、2259頁;SullengerおよびCech、1993年、Science、第262巻、1566頁)。より具体的に述べると、U6核内低分子RNA(snRNA)、転移RNA(tRNA)、およびアデノウイルスVA RNAをコードする遺伝子に由来する転写単位などの転写単位が、細胞内において高濃度のリボザイムなど所望のRNA分子を生成するのに有用である(Thompsonら、前出;CoutureおよびStinchcomb、1996年、前出;Noonbergら、1994年、Nucleic Acid Res.、第22巻、2830頁;Noonbergら、米国特許第5,624,803号;Goodら、1997年、Gene Ther、第4巻、45頁;Beigelmanら、PCT国際出願公開第WO96/18736号)。上記のリボザイム転写単位は、プラスミドDNAベクター、ウイルスDNAベクター(アデノウイルスベクターまたはアデノ関連ウイルスベクターなど)、またはウイルスRNAベクター(レトロウイルスまたはアルファウイルスベクターなど)を含むがこれらに限定されない、哺乳類細胞内への導入のための各種のベクター内に組み込むことができる(総説については、CoutureおよびStinchcomb、1996年、前出を参照されたい)。
別の態様において、本発明は、本発明の少なくとも1種の核酸分子の発現を可能とする形で、該核酸分子をコードする核酸配列を含む発現ベクターを特徴とする。一実施形態において、発現ベクターは、a)転写開始領域、b)転写終結領域、c)少なくとも1種の前記核酸分子をコードする核酸配列を含み、前記配列は前記核酸分子の発現および/または送達を可能とする形で前記開始領域および前記終結領域に作動的に連結されている。
別の実施形態において、発現ベクターは、a)転写開始領域、b)転写終結領域、c)オープンリーディングフレーム、d)少なくとも1種の前記核酸分子をコードする核酸配列を含み、前記配列は前記オープンリーディングフレームの3’端に作動的に連結され、前記配列は前記核酸分子の発現および/または送達を可能とする形で前記開始領域、前記オープンリーディングフレーム、および前記終結領域に作動的に連結されている。さらに別の実施形態において、発現ベクターは、a)転写開始領域、b)転写終結領域、c)イントロン、d)少なくとも1種の前記核酸分子をコードする核酸配列を含み、前記配列は前記核酸分子の発現および/または送達を可能とする形で前記開始領域、前記イントロン、および前記終結領域に作動的に連結されている。
さらに別の実施形態において、発現ベクターは、a)転写開始領域、b)転写終結領域、c)イントロン、d)オープンリーディングフレーム、e)少なくとも1種の前記核酸分子をコードする核酸配列を含み、前記配列は前記オープンリーディングフレームの3’端に作動的に連結され、前記配列は前記核酸分子の発現および/または送達を可能とする形で前記開始領域、前記イントロン、前記オープンリーディングフレーム、および前記終結領域に作動的に連結されている。
核酸分子の使用および投与の方法
核酸分子の送達法は、Akhtarら、1992年、Trends Cell Bio.、第2巻、139頁に説明されており、「Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics」、Akhtar編;Sullivanら、PCT WO94/02595では、酵素的RNA分子の送達についての一般的な方法がさらに説明されている。これらのプロトコールは、事実上任意の核酸分子の送達に用いることができる。核酸分子は、リポソーム内への封入、イオントフォレーシス、またはハイドロゲル、シクロデキストリン、生体分解性ナノカプセル、および生体接着性マイクロスフェアなど他の媒体内への組み込みによる方法を含むがこれらに限定されない、当業者に知られる各種の方法により細胞へと投与することができる。代替的に、核酸/媒体の組合せは、直接の注射または注入ポンプの使用により局所送達される。例えば、本発明の核酸および組成物は、腫瘍内に直接投与することができる。他の送達経路は、経口送達(錠剤または丸薬の形態)および/または髄腔内送達(Gold、1997年、Neuroscience、第76巻、1153〜1158頁)を含むがこれらに限定されない。他の手法は、例えば、コンジュゲートおよび生体分解性ポリマーの使用によるなど、各種の輸送システムおよび担体システムの使用を含む。CNS送達を含む薬剤送達戦略に関する包括的な総説については、Hoら、1999年、Curr. Opin. Mol. Ther.、第1巻、336〜343頁;およびJain、「Drug Delivery Systems: Technologies and Commercial Opportunities」、Decision Resources社、1998年;およびGroothuisら、1997年、J. Neuro Virol.、第3巻、387〜400頁を参照されたい。核酸の送達および投与についてのより詳細な説明は、Sullivanら、前出;Draperら、PCT WO93/23569;Beigelmanら、PCT WO99/05094;およびKlimukら、PCT WO99/04819に記載されている。
本発明の分子は、医薬作用物質として用いることができる。医薬作用物質により、対象における病態の出現が予防、阻害されるか、またはそれが治療される(その症状がある程度緩和される、好ましくはそのすべての症状が緩和される)。
本発明の負に帯電したポリヌクレオチドは、安定化剤、緩衝剤などを伴うかまたは伴わない任意の標準的な手段により対象内に投与および導入して、医薬組成物を形成することができる。リポソーム送達機構を用いることが望ましい場合、リポソーム形成の標準的なプロトコールに従うことができる。本発明の組成物はまた、経口投与のための錠剤、カプセル、またはエリキシル剤;直腸内投与のための坐剤;滅菌溶液;注射投与のための懸濁液;および当技術分野で知られる他の組成物としても用いることができる。
本発明はまた、説明される化合物の薬学的に許容される製剤も含む。これらの製剤は、上記の化合物の塩、例えば、酸添加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、酢酸塩、およびベンゼンスルホン酸塩を含む。
薬理学的組成物または製剤とは、細胞または対象、好ましくはヒトへの投与、例えば、全身投与に適する形態での組成物または製剤を指す。適切な形態は、部分的に、例えば、経口、経皮、または注射などの使用または侵入経路に依存する。このような形態は、組成物または製剤が標的細胞に到達するのを妨げないものとする。例えば、血流中に注射される薬理学的組成物は、可溶性であるものとする。当技術分野では他の因子が知られており、組成物または製剤がその効果を及ぼすことを妨げる毒性および形態などの考慮内容を含む。
「全身投与」とは、in vivoでの血流中における薬剤の全身吸収または蓄積の後の全身における分布を意味する。全身吸収をもたらす投与経路は、静脈内、皮下、腹腔内、吸入、経口、肺内、および筋肉内を含むがこれらに限定されない。これらの各投与経路により、所望の負に帯電した核酸が、接触可能な疾患組織に曝露される。循環中への薬剤の投入速度は、分子量または分子サイズの関数であることが示されている。本発明の化合物を含むリポソームまたは他の薬剤担体の使用により、例えば、細網内皮系(RES)組織など、一部の組織型内に薬剤を潜在的に局在化させることができる。リンパ球およびマクロファージなどの細胞の表面との薬剤の会合を促進しうるリポソーム製剤もまた有用である。この手法により、癌細胞などの異常な細胞のマクロファージおよびリンパ球による免疫認識の特異性を活用することで、標的細胞への薬剤送達の増強をもたらすことができる。
薬学的に許容される製剤とは、その所望の活性に最も適する物理的な位置における本発明の核酸分子の有効な分布を可能とする組成物または製剤を意味する。本発明の核酸分子を伴う製剤に適する作用物質の非限定的な例は、PEG結合核酸、リン脂質結合核酸、親油性部分を含有する核酸、ホスホロチオエート、各種組織への薬剤の侵入を増強するP−糖タンパク質阻害剤(プルロニックP85など);植え込み後における持続放出送達のためのポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)マイクロスフェア(Emerich, DFら、1999年、Cell Transplant、第8巻、47〜58頁、マサチューセッツ州、ケンブリッジ、Alkermes社製)などの生体分解性ポリマー;および血液脳関門を越えての薬剤送達が可能であり、ニューロンへの取り込み機構の変更が可能である、ポリブチルシアノアクリレートから作製されたナノ粒子などの充填ナノ粒子(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry、第23巻、941〜949頁、1999年)を含む。
本発明はまた、ポリ(エチレングリコール)脂質を含有する表面改変リポソーム(PEG改変リポソーム、分枝リポソームおよび非分枝リポソームもしくはこれらの組合せ、または長時間循環型リポソームもしくはステルスリポソーム)を含む組成物の使用も特徴とする。本発明の核酸分子はまた、多様な分子量を有する共有結合したPEG分子も含みうる。これらの製剤により、標的組織内における薬剤蓄積を増加させる方法が与えられる。このクラスの薬剤担体は、単核食細胞系(MPSまたはRES)によるオプソニン化および除去に対して耐性であり、これにより、より長時間にわたる血中循環時間および封入された薬剤に対する組織曝露の増強が可能となる(Lasicら、Chem. Rev.、1995年、第95巻、2601〜2627頁;Ishiwataら、Chem. Pharm. Bull.、1995年、第43巻、1005〜1011頁)。このようなリポソームは、おそらくは血管新生の生じた標的組織における溢出および取り込みにより、腫瘍内に選択的に蓄積されることが示されている(Lasicら、 Science、1995年、第267巻、1275〜1276頁;Okuら、1995年、Biochim. Biophys. Acta、第1238巻、86〜90頁)。長時間循環型リポソームにより、特に、MPS組織内に蓄積されることが知られる従来の陽イオンリポソームと比較して、DNAおよびRNAの薬物動態特性および薬力学特性が増強される(Liuら、J. Biol. Chem.、1995年、第42巻、24864〜24870頁;Choiら、PCT国際出願公開第WO96/10391号;Ansellら、PCT国際出願公開第WO96/10390号;Hollandら、PCT国際出願公開第WO96/10392号)。長時間循環型リポソームはまた、その肝臓および脾臓など代謝的に侵襲性のMPS組織における蓄積を回避する能力に基づき、陽イオンリポソームと比較してより大幅に薬剤をヌクレアーゼ分解から防御する可能性も高い。
さらなる実施形態において、本発明は、US2003/0166601で説明される通りに調製されるsiRNA組成物などの核酸組成物を含む。この点において、一実施形態では、本発明は、1)核酸(例えば、siRNA)およびポリエチレンイミンを含むコア複合体と、2)NHS−PEG−VSを含む外殻部分および標的化部分とを含む、本明細書で説明されるsiRNA組成物を提供する。
本発明の一部の実施形態では、上記で説明された標的化部分を用いて、対象細胞を(1つまたは複数の)siRNAの標的とする。
したがって、一部の実施形態において、本発明のsiRNA分子を含む組成物は、siRNA分子を含む組成物(「ベクター」)の標的組織または標的細胞との高度に特異的な相互作用を可能とする細胞表面受容体または他の細胞表面マーカーに対するリガンドなど、少なくとも1つの標的化部分を含む。より具体的に述べると、一実施形態において、ベクターは、非遮蔽リガンドまたは遮蔽リガンドを含むことが好ましい。ベクターは、標的とされる細胞型に応じて、2つ以上の標的化部分を含みうる。多重(2つ以上の)標的化部分の使用により細胞標的化におけるさらなる選択性を提供することができ、また、標的細胞に対するベクター結合のより高度な親和性および/または結合活性にも寄与することができる。ベクター上に複数の標的化部分が存在する場合、標的化部分の相対的なモル比を変化させて、最適の標的化効率を提供することができる。この形で細胞結合および細胞選択性を最適化する方法は、当技術分野で知られている。当業者はまた、当技術分野では細胞選択性および親和性ならびに結合効率を測定するアッセイが知られており、これらを用いて、(1つまたは複数の)標的化リガンドの性質および量を最適化することができることも認めるであろう。
適切なリガンドは、RGDおよび腫瘍細胞または内皮細胞の表面上における受容体に対するモノクローナル抗体を含むがこれらに限定されない。
標的化部分の別の例は、シアリル−Lewisであり、この場合、組成物により炎症領域を治療することが意図される。ファージディスプレイ(F. Bartoliら、「Isolation of peptide ligands for tissue−specific cell surface receptors」、「Vector Targeting Strategies for Therapeutic Gene Delivery」(コールドスプリングハーバー研究所1999年会議の抄録)、1999年、4頁)および微生物ディスプレイ(Georgiouら、「Ultra−High Affinity Antibodies from Libraries Displayed on the Surface of Microorganisms and Screened by FACS」、「Vector Targeting Strategies for Therapeutic Gene Delivery」(コールドスプリングハーバー研究所1999年会議の抄録)、1999年、3頁)などの方法を用いて、他のペプチドリガンドを同定することができる。このようにして同定されたリガンドは、本発明での使用に適する。
「DNAシャフリング」(W. P. C. Stremmer、「Directed Evolution of Enzymes and Pathways by DNA Shuffling」、「Vector Targeting Strategies for Therapeutic Gene Delivery」(コールドスプリングハーバー研究所1999年会議の抄録)、1999年、5頁)など、標的組織および標的細胞に対する強力で選択的な結合を引き起こす新規のペプチド配列を作製する方法が開発されており、これらの新規の配列によるペプチドは本発明に適するリガンドである。多くの形態で存在し、細胞により一般的に用いられるリガンドである天然の炭水化物(Kralingら、Am. J. Path.、1997年、第150巻、1307頁)のほか、その一部がD−アミノ酸およびペプチド模倣剤など、天然リガンドの類似体である場合もあり、組合せ化学(P. D. Kassnerら、「Ligand Identification via Expression (LIVEθ): Direct selection of Targeting Ligands from Combinatorial Libraries」、「Vector Targeting Strategies for Therapeutic Gene Delivery」(コールドスプリングハーバー研究所1999年会議の抄録)、1999年、8頁)などの医化学の技法により同定される他の化学種である場合もある新規の化学種など、リガンドの他の化学的形態も本発明に適する。
さらなる実施形態において、本発明は、米国特許第7,163,695号、同第7,070,807号、および同第6,692,911号で説明される、送達用に調製される核酸組成物を含む。この点において、一実施形態では、本発明は、米国特許第7,163,695号、同第7,070,807号、および同第6,692,911号で説明されるヒスチジン−リジンコポリマー(本明細書ではPolyTran(商標)とも称する)を、単独であるか、またはPEG(例えば、分枝PEGもしくは非分枝PEGまたはこれらの混合物)との組合せであるか、もしくはPEGおよび標的化部分との組合せで含む組成物中において、本発明の核酸を提供する。
本発明はまた、保存または投与のために調製され、薬学的に許容される担体または希釈剤中に薬学的有効量の所望化合物を含む組成物も含む。治療用に許容される担体または希釈剤は製薬技術分野でよく知られており、例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、メリーランド州、ボルチモア、Lippincott Williams & Wilkins社、2000年において説明されている。例えば、防腐剤、安定化剤、染料、および芳香剤を与えることができる。これらは、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp−ヒドロキシ安息香酸エステルを含む。加えて、抗酸化剤および懸濁化剤を用いることができる。
薬学的有効用量とは、病態の出現を予防、阻害するか、またはそれを治療する(その症状をある程度緩和する、好ましくはそのすべての症状を緩和する)のに必要な用量である。薬学的有効用量は、疾患の種類、用いられる組成物、投与経路、治療される哺乳類の種類、考慮される特定の哺乳類の身体的特性、併用薬剤、および医療技術分野において当業者が認める他の因子に依存する。一般に、負に帯電したポリマーの効力に応じて、0.1mg/体重kg/日〜100mg/体重kg/日の量の有効成分が投与される。
本発明の核酸分子およびその製剤は、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、および媒体を含有する投与単位製剤により、経口投与、局所投与、非経口投与、吸入もしくは噴霧投与、または直腸内投与することができる。本明細書で用いられる非経口という用語は、経皮、皮下、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、または髄腔内の注射法または注入法などを含む。加えて、本発明の核酸分子および薬学的に許容される担体を含む医薬製剤が提供される。本発明の1つまたは複数の核酸分子は、1つまたは複数の非毒性の薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/またはアジュバントならびに所望の場合は他の有効成分と会合して存在しうる。本発明の核酸分子を含有する医薬組成物は、経口用に適する形態、例えば、錠剤、トローチ、ドロップ、水性もしくは油性の懸濁液、分散粉末もしくは分散顆粒、乳剤、硬質もしくは軟質のカプセル、またはシロップもしくはエリキシル剤でありうる。
本発明の核酸組成物は、標的遺伝子(例えば、EGFR)の同じであるかもしくは異なる領域を標的とするかまたは他の対象遺伝子を標的とする他の核酸組成物と組み合わせて用いることができる。本発明の核酸組成物はまた、化学療法、放射線療法、または低分子レジメンなど、任意の各種の治療モダリティーと組み合わせても用いることができる。
経口用を目的とする組成物は、医薬組成物の製造について当技術分野で知られる任意の方法により調製することができ、このような組成物は、薬学的に洗練される催嗜好性の製剤を提供するために、1つまたは複数のこのような甘味剤、芳香剤、着色剤、または防腐剤を含有しうる。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された有効成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、またはアカシアガム;および潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、または滑石でありうる。錠剤は、被覆しない場合もあり、既知の技法により被覆する場合もある。場合によっては、こうした被覆を既知の技法により調製し、消化管における分解および吸収を遅延させ、これにより、長時間にわたる持続的な作用をもたらすこともできる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を用いることができる。
経口用製剤はまた、有効成分が不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセル、または有効成分が水もしくは油媒体、例えば、ラッカセイ油、液体パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセルとしても提示することができる。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混合された活性物質を含有する。こうした賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガムであり;分散化剤または保湿剤は、天然のリン脂質、例えば、レシチン、またはアルキレンオキサイドの脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキサイドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、エチレンオキサイドの脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、またはエチレンオキサイドの脂肪酸および無水ヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートである。水性懸濁液はまた、1つまたは複数の防腐剤、例えば、エチルp−ヒドロキシベンゾエートまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の芳香剤、およびスクロースまたはサッカリンなど、1つまたは複数の甘味剤も含有しうる。
油性懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油、または液体パラフィンなどの鉱物油中に有効成分を懸濁させることにより調合することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィン、またはセチルアルコールを含有しうる。甘味剤および芳香剤を添加して、催嗜好性の経口調製物を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加により保存することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散可能な粉末および顆粒により、分散剤または保湿剤、懸濁化剤および1つまたは複数の防腐剤と混合された有効成分が提供される。適切な分散剤もしくは保湿剤または懸濁化剤は、既に上述された分散剤もしくは保湿剤または懸濁化剤により例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤、および着色剤もまた存在しうる。
本発明の医薬組成物はまた、水中油乳剤の形態でもありうる。油相は、植物油もしくは鉱物油またはこれらの混合物でありうる。適切な乳化剤は、天然ガム、例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム、天然リン脂質、例えば、大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトールに由来するエステルまたは部分エステル、無水物、例えば、ソルビタンモノオレエート、ならびに前記部分エステルのエチレンオキサイドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。乳剤はまた、甘味剤および芳香剤も含みうる。
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコース、またはスクロースと共に調合することができる。このような製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、ならびに芳香剤および着色剤も含みうる。医薬組成物は、水性または油性の滅菌注射用懸濁液の形態でありうる。この懸濁液は、上述されたこれらの適切な分散化剤または保湿剤および懸濁化剤を用いる既知の技術に従い調合することができる。滅菌注射用製剤はまた、許容可能な非毒性の非経口希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液でありうる。用いうる許容可能な媒体および溶媒には、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、従来は、滅菌固定油が溶媒または懸濁化媒体として用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたは同ジグリセリドを含む任意のブランドの固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に用いられる。
本発明の核酸はまた、例えば、薬剤の直腸内投与のための坐剤の形態でも投与することができる。これらの組成物は、薬剤を、常温では固体であるが直腸内温度では液体となり、したがって、直腸内では溶けて薬剤を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような物質は、ココアバターおよびポリエチレングリコールを含む。
本発明の核酸分子は、滅菌媒体により非経口投与することができる。薬剤は、用いられる媒体および濃度に応じて、媒体中に懸濁または溶解させることができる。局所麻酔剤などのアジュバント、防腐剤、および緩衝剤を媒体中に溶解させることができて有利である。
1日当たり体重キログラム当たり約0.01mg〜約140mgのオーダーの用量レベルが、本明細書で説明される疾患状態の治療に有用である(1日当たり患者または対象当たり約0.5mg〜約7g)。担体物質と組み合わされて単一剤形を提供しうる有効成分量は、治療される宿主および具体的な投与方式に応じて変化する。用量単位は、一般に、約1mg〜約500mgの有効成分を含有する。
任意の特定の患者または対象に対する特定の投与レベルは、用いられる特定の化合物活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、および排出速度、薬剤の組合せ、ならびに治療を受ける特定の疾患の重症度を含む各種の因子に依存する。
非ヒト動物に対する投与の場合、組成物はまた、動物飼料または飲用水に添加することもできる。動物が餌と共に治療に適切な量の組成物を摂取するように、動物試料および飲用水による組成物を調合するのが好都合でありうる。また、飼料または飲用水に対する添加用の事前混合物として組成物を提示するのも好都合でありうる。
本発明の核酸分子はまた、全般的な治療効果を増大させる他の治療化合物と組み合わせて対象に投与することもできる。適応を治療するための複数化合物の使用により、副作用の存在を軽減する一方で、有益効果を増大させることができる。
本発明の核酸ベースの阻害剤は、標的細胞または標的組織に直接添加するか、または陽イオン脂質と複合させるか、リポソーム内に封入するか、もしくは別の形で送達することができる。核酸または核酸複合体は、その生体ポリマーへの組み込みを伴うかまたは伴わない注射または注入ポンプにより、ex vivoまたはin vivoで関連する組織に局所的に投与することができる。
本発明の核酸分子は、EGFR遺伝子内における異なる標的配列を標的とするかまたは他の遺伝子内における配列を標的とする複数の核酸分子(siRNA)を含む組成物中で用いることができる。
本発明の核酸分子を個別にまたは他の薬剤と組み合わせてもしくはこれらと共に用いて、EGFRの発現および/または活性の変化と関連する疾患または状態を治療することができる。したがって、本明細書で説明される低分子核酸は、例えば、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、および卵巣癌、黒色腫、リンパ腫、神経膠腫、多剤耐性癌、ならびに対象または生物におけるEGFR遺伝子の発現または活性と関連する他の任意の癌性疾患および/または他の病態、状態、もしくは形質を予防、抑制、または軽減する組成物を提供するのに有用である。
本発明の核酸分子はまた、個別にまたは他の薬剤と組み合わせてもしくはこれらと共に用いて、EGFRの活性および/または発現の変化と関連する疾患または状態を発現する危険性を示すことが疑われる個体において、こうした疾患または状態を予防することができる。例えば、EGFRの発現レベルと関連する疾患または状態を治療または予防するためには、当業者に明らかである通り、治療に適切な条件下で、個別にまたは1つまたは複数の薬剤との組合せにより、該疾患もしくは状態を有するかまたは該疾患もしくは状態を発現する危険性を示すことが疑われる対象を治療することもでき、他の適切な細胞を治療することもできる。したがって、本発明は、EGFR発現の調節に対して応答する疾患または状態を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に配列番号11〜20および122〜323に記載の核酸分子など、1つまたは複数の本発明の核酸分子を含む有効量の組成物を投与するステップを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、EGFRの発現と関連する疾患を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に配列番号11〜20および122〜323に記載の核酸分子など、1つまたは複数の任意の有効量の本発明の核酸分子を投与して対象におけるEGFRの発現を下方調節し、これにより、EGFRの発現と関連する疾患を治療または予防するステップを含む方法を提供する。この点において、本発明の組成物は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、髄膜腫、腎臓癌、子宮内膜癌、および卵巣癌、黒色腫、リンパ腫、神経膠芽腫、多剤耐性癌、ならびにEGFR発現の調節に応答する他の任意の癌性疾患または他の状態を治療または予防する方法に用いることができる。
さらなる実施形態において、siRNA、アンチセンス、またはリボザイムなど、本発明の核酸分子は、本明細書で説明される状態または疾患を治療する他の既知の治療と組み合わせて用いることができる。例えば、説明される分子は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、髄膜腫、腎臓癌、子宮内膜癌、および卵巣癌、黒色腫、リンパ腫、神経膠芽腫、多剤耐性癌、ならびにEGFR発現の調節に応答する他の任意の癌性疾患または他の状態を治療する1つまたは複数の既知の治療剤または診断剤と組み合わせて用いることができる。別の実施形態では、本発明の核酸分子を用いて、肺癌、腎臓癌、膵臓癌、乳癌、頭頚部癌、胃癌、または結腸癌を治療することができる。
一部の実施形態において、本発明のsiRNA分子と共に用いて本明細書で説明される癌を治療しうる治療剤は、化学療法、放射線、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、マイコフェノレート、およびFK506などの免疫抑制剤、抗体、またはCAMPATH、抗CD3抗体など他の免疫除去剤、または他の抗体療法、シトキシン、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、マイコフェノール酸、ステロイド、サイトカイン、および照射などの作用因子を含みうる。これらの薬剤は、カルシウムに依存するホスファターゼであるカルシニューリンを阻害する(シクロスポリンおよびFK506)か、または成長因子が誘導するシグナル伝達に重要なp70S6キナーゼを阻害する(ラパマイシン)(Liuら、Cell、第66巻、807〜815頁、1991年;Hendersonら、Immun.、第73巻、316〜321頁、1991年;Biererら、Curr. Opin. Immun.、第5巻、763〜773頁、1993年)。さらなる実施形態において、本発明のRNA分子は、骨髄移植、フルダラビンなどの化学療法剤、外部ビーム放射線療法(XRT)、シクロホスファミド、またはOKT3もしくはCAMPATHなどの抗体を用いるT細胞除去療法と共に(例えば、その前、それと同時、またはその後に)患者に投与される。別の実施形態において、本発明の細胞組成物は、CD20と反応する作用物質、例えば、リツキサンなどのB細胞除去療法後に投与される。
さらなる実施形態では、米国特許出願公開第2005/0186586号、同第2005/0181382号、および/または同第2006/0134787号に従い、siRNAのセンス鎖配列を改変することで、siRNA二本鎖に1つまたは複数のミスマッチを導入することにより本発明のRNA分子を改変し、とりわけ、該分子の5’側アンチセンス端の安定性を低下させて、適正鎖をRISC複合体内へと優先的に導入することもでき、標的効果を低下させることもできる。加えて、US2005/0037988に従い、siRNAのアンチセンス鎖とそれに相補的な標的mRNAとの間にゆらぎ塩基対(G/U)を導入することにより本発明のRNA分子を改変し、とりわけ、RISCの代謝回転を増大させることができる。
本明細書で説明されるEGFRの発現と関連する疾患または状態を有するかまたはこれを有する危険性を示すことが疑われる対象を同定する組成物および方法は、当技術分野で知られている。
(実施例1)
A431モデルにおいてPolyTran(商標)と共に調合され全身送達されたhEGFR−siRNAに由来する抗腫瘍効果
図3:A431腫瘍の異種移植に対するhEGFR−siRNA−PolyTran(商標)NPXの腫瘍抑制効果
hEGFR−siRNAを保有するPolyTran(商標)(PT−NPX)(図6)の抗腫瘍効果を、A431異種移植モデルにおいて判定した。A431ヒト類上皮癌細胞(1匹当たり細胞5×10個)を、雌ヌードマウスに皮下移植した。腫瘍サイズが約80〜100mmであった腫瘍細胞移植後第4日以降、1日おき6回にわたり、hEGFR−siRNA(hEGFR−25−1およびhEGFR−25−2の1:1混合物、2mg/kg)を保有するPolyTran NPXの静脈内投与により、確立された腫瘍を有するマウスを治療した。PolyTran−siRNA NPXは、3:1の比(w/w)でPolyTranペプチドをsiRNAと混合することにより調製され、NPXの粒子サイズは、約100nmである。治療対照は、治療なし(非治療)および6日間にわたり100mg/kgで毎日経口投与されたエルロチニブ(FDAにより承認されたEGFR阻害剤であるタルセバ(商標))を含んだ。腫瘍サイズは、PT−siRNA NPX投与前に1日おきに測定した。
2mg/kgでヒトEGFR siRNAを保有するPT−NPXによる治療は、非治療対照と比較してA431腫瘍の増殖を有意に阻害し、阻害効果は、タルセバ(商標)による治療対照よりも大きかった。
(実施例2)
全身送達されたPT−siRNA NPXに由来する抗腫瘍効果はhEGFR−siRNA特異的であり、PT−NPX製剤を必要とする
図4:PT−EGFR−siRNA NPXによるA431腫瘍の増殖に対する阻害は、hEGFR−siRNA特異的であり、PT−siRNA NPX製剤を必要とする
実施例1における抗腫瘍効果がhEGFR−siRNA特異的であり、PT−NPXを伴うsiRNA製剤を必要とすることを確認するため、hEGFR−siRNAまたは陰性対照siRNAを保有するPolyTran(商標)(PT−NPX)のほか、PolyTranペプチド単独またはhEGFR−siRNA単独をA431異種移植モデルにおいて調べた。A431ヒト類上皮癌細胞(1匹当たり細胞5×10個)を、雌ヌードマウスに皮下移植した。腫瘍サイズが約80〜100mmであった腫瘍細胞移植後第5日以降、1日おき4回にわたり、hEGFR−siRNA(hEGFR−25−1およびhEGFR−25−2の1:1混合物、2mg/kg)もしくは陰性対照siRNA(2mg/kg)を保有するPolyTran NPX、またはhEGFR−siRNA単独(hEGFR−25−1およびhEGFR−25−2の1:1混合物、2mg/kg)、またはPolyTranペプチド単独(6mg/kgのペプチド)の静脈内投与により、確立された腫瘍を有するマウスを治療した。PolyTran−siRNA NPXは、3:1の比(w/w)でPolyTranペプチドをsiRNAと混合することにより調製され、NPXの粒子サイズは、約100nmである。治療対照は、治療なし(非治療)を含んだ。腫瘍サイズは、試験物の投与前に1日おきに測定した。
非治療対照と比較して、A431腫瘍の増殖を有意に阻害したのは、2mg/kgでヒトEGFR siRNAを保有するPT−NPXによる治療のみであった。対照siRNAを保有するPT−NPX、hEGFR−siRNA単独、またはPolyTranペプチドを含む他のすべての治療群は、A431腫瘍の増殖を阻害しなかった。
(実施例3)
A549モデルにおいてPolyTran(商標)と共に調合され全身送達されたhEGFR−siRNAに由来する抗腫瘍効果
図5:A549腫瘍の異種移植に対するhEGFR−siRNA−PolyTran(商標)NPXの腫瘍抑制効果
A431モデルに加えて、hEGFR−siRNAを保有するPolyTran(商標)(PT−NPX)の抗腫瘍効果を、A549異種移植モデルにおいて判定した。A549ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)細胞(1匹当たり細胞5×10個)を、雌ヌードマウスに皮下移植した。腫瘍サイズが約80〜100mmであった腫瘍細胞移植後第9日以降、1日おき6回にわたり、hEGFR−siRNA(hEGFR−25−1およびhEGFR−25−2の1:1混合物、2mg/kg)または陰性対照siRNA(2mg/kg)を保有するPolyTran NPXの静脈内投与により、確立された腫瘍を有するマウスを治療した。PolyTran−siRNA NPXは、3:1の比(w/w)でPolyTranペプチドをsiRNAと混合することにより調製され、NPXの粒子サイズは、約100nmである。治療対照は、治療なし(非治療)および6日間にわたり100mg/kgで毎日経口投与されたエルロチニブ(FDAにより承認されたEGFR阻害剤であるタルセバ(商標))を含んだ。腫瘍サイズは、PT−siRNA NPX投与前に1日おきに測定した。
2mg/kgでヒトEGFR siRNAを保有するPT−NPXによる治療は、非治療対照と比較してA549腫瘍の増殖を有意に阻害し、阻害効果は、タルセバ(商標)による治療対照よりも大きかった。対照siRNAを保有するPT−NPXは、A549腫瘍の増殖に対する阻害効果を有さなかった。
(実施例4)
siRNA分子はヒトEGFRの発現を阻害する
ヒトEGFR遺伝子の公表配列(NM_005228)を用いて、25マーのヒトEGFR siRNA分子を設計した。表1は、hEGFR−siRNAの標的配列候補を示す。
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標準的な技法を用いて、候補siRNA分子を合成した。siRNAの候補を表2に示す。
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hEGFR遺伝子のノックダウン活性について、上記の候補をin vitroでスクリーニングした。siRNA候補(表2)による電気穿孔を用いてHT−29細胞をトランスフェクトし、トランスフェクションの72時間後において、市販されるELISAキットを用いてhEGFRタンパク質発現をアッセイした(図1を参照されたい)。
用量滴定実験における活性について、2種のsiRNA候補であるhEGFR−25−1およびhEGFR−25−2をさらに調べた。図2に示す通り、これら2種のhEGFR siRNA候補は、用量依存的にhEGFRの発現を阻害した。
まとめると、この実験は、多数のsiRNA候補によるEGFRの発現に対する阻害の成功を示す。これらのsiRNA候補は、疾患の治療に用いることができる。
(実施例5)
ヒトEGFR発現の阻害のためのsiRNA候補分子
調べたアルゴリズムを用い、また、ヒトEGFR遺伝子の公表配列(NM_005228)を用いて、25マーのヒトEGFR siRNA分子を設計した。表3は、hEGFR−siRNAの標的配列候補を示す。
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hEGFRの候補siRNA分子は、以下の表4に示され、配列番号122〜323に記載される。
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本実施例で説明される候補siRNA分子は、hEGFR発現の阻害に用いることができ、各種の治療状況、例えば、動脈弁疾患などの心血管障害および乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、髄膜腫、腎臓癌、子宮内膜癌、および卵巣癌、黒色腫、リンパ腫、神経膠芽腫、多剤耐性癌、ならびに対象または生物におけるhEGFR遺伝子の発現または活性と関連する他の任意の癌性疾患および/または他の病態、状態、もしくは形質を含むがこれらに限定されない癌の治療において有用である。
本明細書において参照され、かつ/または出願データシートに列挙される上記すべての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
前述より、本明細書では、本発明の特定の実施形態が例示を目的として説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、各種の改変を行うことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。
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Claims (10)

  1. 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の発現を下方調節する核酸分子であって、配列番号1〜10または21〜121に記載のポリヌクレオチド配列のいずれか1つを標的とする核酸を含む核酸分子。
  2. 前記核酸が、短鎖干渉RNA(siRNA)分子である、請求項1に記載の核酸分子。
  3. 前記siRNAが、配列番号11〜20および122〜323に記載の一本鎖RNA配列のいずれか1つ、またはその二本鎖RNAを含む、請求項2に記載の核酸。
  4. RNA干渉(RNAi)によりEGFR遺伝子の発現を下方調節する、請求項1に記載の核酸分子。
  5. 請求項3に記載のsiRNA分子のいずれか1つまたは複数を含む組成物。
  6. 標的化部分をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
  7. ヒスチジン−リジンコポリマーをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
  8. EGFRを発現する癌を有し、前記癌を有するかまたは癌を有する危険性を示すことが疑われる対象において癌を治療または予防する方法であって、請求項5に記載の組成物を前記対象に投与し、これにより癌を治療または予防するステップを含む方法。
  9. 前記癌が、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳の癌、食道癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頚癌、頭頚部癌、腎臓癌、子宮内膜癌、卵巣癌、髄膜腫、黒色腫、リンパ腫、および神経膠芽腫からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 細胞内におけるEGFRの合成または発現を低下させる方法であって、前記細胞内に1つまたは複数のsiRNAを導入するステップを含み、前記1つまたは複数のsiRNAが配列番号11〜20または122〜323に記載の配列を含む方法。
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