JP2010529080A - 皮質カテコールアミン作動性神経伝達の調節因子としての新規な二置換フェニルピロリジン - Google Patents

皮質カテコールアミン作動性神経伝達の調節因子としての新規な二置換フェニルピロリジン Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳類脳の大脳皮質部位におけるカテコールアミン、ドーパミン及びノルエピネフリンの細胞外濃度を増加させる化合物、より詳細には、中枢神経系障害の治療のための3−(二置換アリール)−ピロリジンの使用を提供する。

Description

本発明は、哺乳類脳の大脳皮質部位におけるカテコールアミン、ドーパミン若しくはノルエピネフリンの細胞外濃度を増加させる、新規な二置換フェニルピロリジン及びこれらの化合物の使用、より詳細には、中枢神経系障害の治療のための3−(二置換アリール)−ピロリジンの使用に関する。
大脳皮質は、思慮、感情、記憶及び計画などの高次機能に関与するいくつかの主領域を包含している(Principles of Neural science、第2版、Elsevier Science Publishing co.、Inc.1985、671〜687ページ)。生体アミン、即ちドーパミン、ノルエピネフリン及びセロトニンは、哺乳類の皮質機能にとって重要である。上行するドーパミン及びノルエピネフリンの経路は、皮質を神経支配している。CNSのセロトニン作動性神経細胞は、大脳皮質を含めて、脳の実質的に全ての領域に突出している(Fundamental Neuroscience、Academic press 1999、207〜212ページ)。これらの経路の活性における一次的又は二次的機能不全は、これらの脳部位におけるドーパミン及びノルエピネフリン及びセロトニンの受容体で活性の調節不全に至り、引き続き、精神症状及び神経症状の顕在化に至る。
皮質の生体アミンは、情緒、不安、意欲、認知、注意、覚醒及び覚醒状態を制御する皮質機能のいくつかの側面を調節している(Neuropsychopharmacology、5th generation of Progress、Lippincott、Williams and Wilkins 2002、34章)。したがって、カテコールアミン、ドーパミン及びノルエピネフリンは、例えば注意、行為の計画及び衝動制御に関連するいわゆる実行認知機能にとって統合が不可欠である前頭前皮質部位に強い影響を及ぼす(これらの点におけるカテコールアミンの役割は、Arnsten及びLi、2005、Biol Psychiatry;57;1377〜1384において再確認される)。ノルエピネフリンは、不安及び恐怖を調節する回路網の主要部分であり、したがって、パニック障害、全般性不安障害(GAD)及び特定の恐怖症などの不安障害では調節不全であると考えられている(Sullivanら1999、Biol Psychiatry;46:1205〜121)。気分機能及び情動機能に関し、うつ病及び不安の治療における特にノルエピネフリン及びセロトニンの神経伝達を促進する化合物の有用性は、これらの神経伝達物質がともに情動機能の調節に関与するという広く受け入れられている概念に強く寄与してきた(Goodman&Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、第10版、McGraw−Hill、2001)。
一般に、生体アミン、より正確にはモノアミン、ノルエピネフリン、ドーパミン及びセロトニンの伝達に特異的に影響する化合物は、例えばうつ病、不安及び注意欠陥多動性障害(ADHD)を患う患者における情動、認知又は注意の症状を軽減するための使用に成功している。
さらに、皮質におけるモノアミン系は、統合失調症の中核症状に直接又は間接的に関与していることが知られている。統合失調症における特異的皮質部位の機能不全を示唆する神経心理学的観察とともに生化学的及び遺伝的発見の総合に基づいて、様々な病理の原因が皮質機能に収束するとこの障害が出現し、統合失調症の症状として臨床的に顕在化する皮質微小回路網の調節不全に至ることが提言されている(Harrison及びWeinberger、2005、Molecular Psychiatry;10:40〜68)。この皮質微小回路網は、グルタミン酸、GABA及びドーパミンを含めて、いくつかの神経伝達物質によって調節されている。
従来技術の説明
置換3−フェニル−ピリジンの種類に属している化合物が、これまでに報告されている。これらの化合物中、一部はCNSにおいて不活性であり、一部はセロトニン作動性又はセロトニン作動性/ドーパミン作動性混合の薬理学的特性を示す一方、一部はドーパミン受容体に高い親和性を持つ完全若しくは部分的なドーパミン受容体アゴニスト又はアンタゴニストである。

上記化合物は、合成中間体としてWO00/05225(セロトニンアンタゴニストとしてのビフェニル誘導体の調製)において、及びニコチン類似体としてHaglidら(Acta Chemica Scandinavica、1963、17(6)、1743〜50)によって開示されている。

3−クロロ−フェニル−3−ピロリジン(上記)は、合成中間体としてWO2006/117669(癌を治療するためのヒドロキシアリールカルボキサミド誘導体の調製)及びWO2006/112685(抗痙攣薬としてカルバモイル基を含有するトリアゾール及びテトラゾールの調製)に開示されている。4−クロロ−フェニル−3−ピロリジンは、J.Med.Chem.(2002)、45(17)3721〜3738(Highly Potent Geminal Bisphosphonates)に開示されている。パミドロン酸二ナトリウム(アレディア)からゾレドロン酸(ゾメタ)まで、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters(1999)、9(10)、1379〜1384(N−置換3−アリールピリジン:セロトニン1A受容体での強力及び選択的配位子)及びJournal of Medicinal Chemistry(1989)、32(6)(3−(p−クロロフェニル)ピロリジンの代謝(Metabolism of 3−(p−chlorophenyl)pyrrolidine))。原型γ−アミノ酪酸プロドラッグのラクタム及びγ−アミノ酪酸系代謝物への変換における構造効果。3−フルオロ−フェニル−3−ピロリジンは、US5,128,362及びEP325963(アドレナリン作動性α2アンタゴニストとしての1−アミノメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの調製(Preparation of 1−aminomethyl−1,2,3,4−tetrahydronaphthalenes as adrenergic α 2 antagonists))に開示されている。4−フルオロ−フェニル−3−ピロリジンは、WO2006/117669(癌を治療するためのヒドロキシアリールカルボキサミド誘導体の調製(Preparation of hydroxyarylcarboxamide derivatives for treating cancer))、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters(1999)、9(10)、1379〜1384(N−置換3−アリールピリジン:セロトニン1A受容体での強力及び選択的配位子(N−Substituted 3−arylpyrrolidines:potent and selective ligands at the serotonin 1A receptor))及びUS5,128,362(アドレナリン作動性α2アンタゴニストとしての1−アミノメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの調製(Preparation of 1−aminomethyl−1,2,3,4−tetrahydro naphthalenes as adrenergic α 2 antagonists))に開示されている。4−ブロモ−フェニル−3−ピロリジンは、WO2006/117669(癌を治療するためのヒドロキシアリールカルボキサミド誘導体の調製(Preparation of hydroxyarylcarboxamide derivatives for treating cancer))、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters(1999)、9(10)、1379〜1384(N−置換3−アリールピリジン:セロトニン1A受容体での強力及び選択的配位子(N−Substituted 3−arylpyrrolidines:potent and selective ligands at the serotonin 1A receptor))、US5,128,362(アドレナリン作動性α2アンタゴニストとしての1−アミノメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの調製(Preparation of 1−aminomethyl−1,2,3,4−tetrahydronaphthalenes as adrenergic α 2 antagonists))、及びWO01/16136(ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼの三環系阻害剤の調製(Preparation of tricyclic inhibitors of poly(ADP−ribose) polymerases))に開示されている。

上記化合物は、合成中間体としてWO2005/028438(ヒスタミンH3アンタゴニスト又は逆アゴニストとしてのピペリジン化合物の調製(Preparation of piperidine compounds as histamine H3 antagonists or inverse agonists))に開示されている。
式Iを有する化合物(WO92/18475)は、ドーパミン作動性安定剤特性を所有するとして開示されている。
式1
式1を有する化合物から、Sonessonら(J.Med.Chem.1994、37、2735〜2753)は、優先的な自己受容体アンタゴニストを有する一連のフェニルピペリジンを公開している。著者らは、該化合物が、線条体におけるDOPAC濃度を、ドーパミンアンタゴニスト特性の証明である100μmol/kgに増加させることを見出した。この出版物から一部の例を示す。
さらに、Sonessonら(Bioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246)は、フェニル環のメタ位にて電子求引基で置換されている3−フェニル−ピロリジンが、優先的なドーパミン自己受容体アンタゴニスト特性を示すことを記載している。この系列から一例を提示する。
従来技術により、J.Med.Chem.1994、37、2735又はBioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246の3−フェニル−ピペリジン及び3−フェニル−ピロリジンは、線条体におけるDOPAC(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)の組織含有量が増加すると測定されたドーパミン代謝に対する特異的、効果的及び特徴的効果を有することが教示される(表1を参照のこと)。皮質下のドーパミン代謝に対する効果は、本発明の目的ではない。
さらに、J.Med.Chem.1994、37、2735〜2753の化合物は、哺乳類脳の線条体及び大脳皮質部位の両方において同等の効果で、モノアミン(ドーパミン、ノルエピネフリン及びセロトニン)の細胞外濃度を増加させると見出されたことを、微小透析技術を用いて示す(図11〜12を参照のこと)。言い換えると、線条体間における及び大脳皮質部位における本発明の化合物の領域選択的特性は、従来技術には存在しない。
WO01/46146には、ドーパミン作動性安定剤特性を持つ化合物が開示されており、その一部を表1に提示する。
したがって、WO01/46146、WO92/18475.J.Med.Chem.1994、37、2735又はBioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246には、前頭皮質に対して優先性を持つノルエピネフリン及びドーパミンの神経伝達を増加させる化合物を得る方法のガイダンスがない。
本発明の一目的は、治療的使用のための新規な化合物、より正確には、ヒト脳を含めて、哺乳類脳におけるドーパミン及びノルエピネフリンの神経伝達を調節する化合物を提供することである。本発明の別の目的は、経口投与後に治療効果がある化合物を提供することである。またさらなる目的は、例えば動力学的挙動、生物学的利用能、溶解性又は有効性など、より最適な薬力学的特性を持つ化合物の提供である。
本発明は、大脳皮質におけるモノアミンに対する本発明の化合物の薬理効果の予期せぬ発見、及び特定のCNS障害のための治療としての本発明の化合物の使用に関する。ラットの生体内における薬理学的試験によって、本発明の化合物は、前頭皮質においてカテコールアミン濃度における領域選択的増加を生じさせることが実証される。認知、注意及び情緒に関連する皮質機能に対するカテコールアミンの特異的調節効果により、本発明の化合物は、これらの部位における機能不全を特徴とする障害の治療に使用することができる。したがって、該化合物は、認知障害、ADHD、うつ病及び不安の治療に使用することができる。該化合物は、認知不全及び精神病において顕在化される、大脳皮質の機能不全を特徴とする統合失調症を治療するのに使用することもできる。
以下の略語が、本発明において使用される。
NA:ノルエピネフリン、NM:ノルメタネフリン、DA:ドーパミン、DOPAC:3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、3−MT:3−メトキシチラミン、5−HT:セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)。
本発明は、遊離塩基又は医薬として許容できる塩の形態における新規な3−(二置換アリール)−ピロリジン、特に4−(オルト、パラ二置換フェニル)−1−ピロリジン、4−(メタ、パラ二置換フェニル)−1−ピロリジン、4−(メタ、メタ二置換フェニル)−1−ピロリジン及び4−(オルト、メタ二置換フェニル)−1−ピロリジン、前記化合物を含有する医薬組成物、及び治療中における前記化合物の使用に関する。
その第一態様において、本発明は、式2

(式中、
Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H及びMeからなる群から選択され、
ただし、Arがフェニルであり、R及びRの1つがパラ位に位置し、R及びRの他方がメタ位に位置する場合、このときRがHである場合はR及びRの両方がFであることはない)
の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、
又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩に関する。
一実施形態において、Arは、2−チオフェニル、2−フラニル、2−オキサゾイル又は2−チアゾリルである。
適当には、Arはフェニルである。さらなる実施形態において、本発明の化合物は、式(3)

又は式(4)

又は式(5)

又は式(6)

(式中、R、R及びRは、上記で定義した通りであり、ただし、上記の式(4)において、RがHである場合、R及びRの両方がFであることはない)
の化合物、又は医薬として許容できるそれらの塩である。
一実施形態において、RはFである。さらなる実施形態において、Rが、H又はMeである場合、RはFである。またさらなる実施形態において、RはHである。
式(3)の化合物の一実施形態において、RはHである。さらなる実施形態において、RはFである。またさらなる実施形態において、RはFである。特定の実施形態において、RはFであり、RはFである。
式(4)の化合物の一実施形態において、RはHである。さらなる実施形態において、RはMeである。またさらなる実施形態において、RはFである。さらなる実施形態において、RはClである。またさらなる実施形態において、RはFである。またさらなる実施形態において、RはClである。特定の実施形態において、RはFであり、RはFである。さらなる実施形態において、RはClであり、RはClである。
式(5)の化合物の一実施形態において、RはHである。さらなる実施形態において、RはFである。またさらなる実施形態において、RはFである。特定の実施形態において、RはFであり、RはFである。
式2〜6の化合物は、微小透析技術によって測定した場合、線条体に全く影響なく、又は実質的により少ない影響で、優先的に前頭皮質においてノルエピネフリン及びドーパミンの細胞外濃度を増加させることが見出された。これらの化合物の皮質ノルエピネフリン及び皮質ドーパミンにおける前例のない増加を、図1〜10に例証する。
本発明の化合物の例は
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2,3−ジクロロフェニル)ピロリジン;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン;
3−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン;及び
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン
である。
上記した通りの実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲内と考えられる。
医薬として許容できる塩
本発明の化合物は、意図する投与に適当な任意の形態で提供することができる。適当な形態として、本発明の化合物の薬剤的に(即ち生理的に)許容できる塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグの形態が挙げられる。
医薬として許容できる付加塩の例として、これに限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩及びトルエン−p−スルホン酸塩等などの非毒性無機及び有機酸付加塩が挙げられる。そのような塩は、当技術においてよく知られ、記載されている手順によって形成することができる。
医薬として許容できないと考えられるシュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物及び医薬として許容できるその酸付加塩を得る際に、中間体として有用な塩の調製に有用であり得る。
本発明の化合物の医薬として許容できるカチオン塩の例として、これに限定されないが、アニオン性基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、リチウム塩、コリン塩、リシニウム塩及びアンモニウム塩などが挙げられる。そのようなカチオン塩は、当技術においてよく知られ、記載されている手順によって形成することができる。
この発明の文脈において、N含有化合物の「オニウム塩」も、医薬として許容できる塩として企図される。好ましい「オニウム塩」として、アルキルオニウム塩、シクロアルキルオニウム塩及びシクロアルキルアルキルオニウム塩が挙げられる。
本発明による物質の適当なプロドラッグの例を含めて、本発明の化合物のプレドラッグ又はプロドラッグの形態の例として、親化合物の1つ又は複数の反応基又は誘導体化が可能な基で修飾された化合物が挙げられる。特に注目されるのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基又はアミノ基で修飾された化合物である。適当な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
本発明の化合物のプロドラッグの具体例は、下記で述べるN−オキシド、及び以下のN−ヒドロキシ誘導体である。
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−1−オール;及び
3−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン−1−オール
本発明の化合物は、水及びエタノール等など、医薬として許容できる溶媒と一緒に可溶性又は非可溶性の形態で提供することができる。可溶性形態として、一水和物、二水和物、半水化物、三水和物及び四水和物等などの水和物の形態も挙げることができる。一般に、本発明の目的では、可溶性形態は非可溶性形態と同等と考えられる。
立体異性体
本発明の化合物が、異なる立体異性型で存在することができることは、当業者に理解されよう。
本発明は、全てのそのような異性体、及びラセミ混合物を含めて、それらの任意の混合物を含める。
ラセミ体は、公知の方法及び技術によって光学対掌体に分割することができる。(エナンチオマー中間体を含めて)エナンチオマー化合物を分離させる一方法は、化合物がキラル酸である場合、光学活性アミンの使用、及びジアステレオマーの、酸での処理により分割した塩を遊離することによる。ラセミ体を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリックス上のクロマトグラフィーに基づく。本発明のラセミ化合物は、したがって、例えばD−又はL−(酒石酸、マンデル酸又はカンファースルホン酸の)塩の分別結晶によって、それらの光学対掌体に分割することができる。
本発明の化合物は、(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸から誘導などされる光学活性カルボン酸と本発明の化合物を反応させることによりジアステレオマーアミドを形成することによって、又は本発明の化合物を光学活性クロロホルメートなどと反応させることによりジアステレオマーカルバメートを形成することによって分割することもできる。
光学異性体を分割する追加の方法は、当技術において知られている。そのような方法として、Jaques J、Collet A、&Wilen Sによって「Enantiomers、Racemates、and Resolutions」、John Wiley and Sons、New York(1981)に記載されたものが挙げられる。
光学活性化合物は、光学活性出発原料から調製することもできる。
N−オキシド
この発明の文脈において、N−オキシドは、芳香族N−複素環式化合物、非芳香族N−複素環式化合物、トリアルキルアミン及びトリアルケニルアミンの窒素原子を含めて、第3級アミンのオキシド誘導体を意味する。例えば、ピリジルを含有する化合物のN−オキシドは、1−オキシ−ピリジン−2,−3又は−4−イル誘導体であってよい。
本発明の化合物のN−オキシドは、過酸化水素などの従来の酸化剤を使用し、酢酸などの酸の存在下にて昇温で対応する窒素塩基を酸化することによって、或いは適当な溶媒、例えばジクロロメタン、酢酸エチル若しくは酢酸メチル中で過酢酸などの過酸と反応、又はクロロホルム若しくはジクロロメタン中で3−クロロペルオキシ安息香酸と反応させることによって調製することができる。
以下のN−オキシドは、本発明の化合物及び医薬として許容できるそれらの塩に対するプロドラッグとして作用する。
式(7)

(式中、Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H及びMeからなる群から選択される)。
特に注目されるのは、式(8)

又は式(9)

又は式(10)

又は式(11)

(式中、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H及びMeからなる群から選択される)
を有するプロドラッグ及び医薬として許容できるそれらの塩である。
本発明によるN−オキシドの例は
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド;及び
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン1−オキシド
である。
標識化合物
本発明の化合物は、それらの標識又は無標識の形態で使用することができる。この発明の文脈において、標識化合物は、実際に通常認められている原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられる、1つ又は複数の原子を有する。標識付けは、前記化合物の容易な定量的検出を可能にする。
本発明の標識化合物は、様々な診断法における診断用ツール、放射性トレーサー又はモニター剤として、及び生体内での受容体造影に有用であり得る。
本発明の標識異性体は、少なくとも1つの放射性核種を標識として含有するのが好ましい。ポジトロン放出放射性核種は全て使用候補である。この発明の文脈において、放射性核種は、H(重水素)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択されるのが好ましい。
本発明の標識異性体を検出する物理的方法は、ポジション放射断層撮影(PET)、単一光子画像コンピューター断層撮影(SPELT)、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)及びコンピューター機軸X線断層撮影法(CAT)、又はそれらの組合せから選択することができる。
生物活性
本発明による化合物は、ノルエピネフリン、ドーパミン及びある程度のセロトニンを調節する特性を所有し、それら及びそれらの医薬組成物がともに、精神障害を含めて多くの中枢神経系障害を治療する際に有用である。特に、該化合物及びそれらの医薬組成物は、皮質モノアミン作動系が、直接又は間接的原因によって機能障害である中枢神経系障害の治療において使用することができる。
本発明による化合物及び組成物は、自閉症スペクトラム障害、ADHD、脳性麻痺、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、並びに統合失調症の中核症状の一部として発生する認知障害など、神経変性障害(例えば、認知症及び加齢性認知障害)及び発達障害を含めて、認知障害を治療するのに使用することができる。
本発明による化合物及び組成物は、うつ病及び双極性障害を含めて、情動障害を治療するのに使用することができる。それらは、統合失調症及び統合失調症様障害を治療するのにも使用することができる。
本発明による化合物及び組成物は、全般性不安障害(GAD)、特定恐怖症及びパニック障害(PD)を含めて、不安障害を治療するのに使用することができる。それらは睡眠障害の治療にも有用である。
本発明による化合物は、大脳皮質においてドーパミン及びノルエピネフリンの細胞外濃度、並びに一部の例においてはセロトニンの細胞外濃度も増加させることが示された。
しかし、本発明の化合物は、WO01/46146、WO01/46145、WO92/18475 J.Med.Chem.1994、37、2735又はBioorg.Med.Chem.Lett.1997に記載されている化合物の薬理活性に関する特徴である、線条体におけるドーパミンの代謝への影響を及ぼすことがない。本発明の化合物は、驚くべき及び特有の薬理を有する(表1を参照のこと)。
表1:試験化合物の全身投与後のラット線条体におけるDOPAC濃度(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)の増加(100μmol/kgの皮下注射)。対照値からの増加を%として表示。方法に関しては、同封の説明を参照のこと。
従来技術からの比較例;参照1:J.Med.Chem.1994、37、2735、参照2:Bioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241−246。参照1における表2から引用したデータ。参照2における表2から引用したデータ。この参照からのデータは、DOPAの蓄積であって、DOPACではない。DOPAC及びDOPAはともに、実験動物の脳におけるドーパミン濃度の間接的変化の測定である。DOPAC濃度及びDOPA濃度の増加は、該系におけるドーパミンの増加した合成及び変換を示す。DOPAの蓄積は、脳の線条体領域における3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン濃度の増加を測定する。DOPACは、脳の線条体領域における3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸濃度の増加を測定する。DOPAとDOPACとの間には強い関係がある。
試験した公知化合物は、投与すると、線条体のDOPAC濃度における有意な増加を生じさせると考えることができる。対照的に、本発明の化合物は、驚くべきことに、線条体のDOPAC濃度における減少を生じさせることを示した。他方、本発明の化合物の本質的特徴は、微小透析技術によって評価されるドーパミン及びノルエピネフリンの細胞外濃度として測定されるカテコールアミンの皮質レベルを増加させる一方で、皮質下のカテコールアミンに対して全く影響を示さない、又は多くとも弱い影響しか示さないことである(図1〜10)。
本発明において使用される動物モデルの説明
該組織のDOPAC含有量の測定は、研究分野において1960年代から十分確立されている。要するに、雄性スプレーグドーリーラットに、断頭60分前に試験化合物を投与した。脳を迅速に取り出し、解剖した。線条体を迅速に冷凍し、引き続き、HPLC及び電気化学的検出の手段によって、そのDOPAC含有量に関して定量的に分析した。各試験化合物/媒体に使用された動物の数は4/群である。
微小透析技術(Ungerstedt、Herrera−Marschitzら、1982)は、神経伝達物質の細胞外濃度を測定するための十分に確立された技術である(Ungerstedt 1991)。微小透析技術は、モノアミン伝達物質に対する薬物の効果を測定するのに使用された。添付のグラフ(図21及び図22)で、線条体及び前頭皮質におけるモノアミンに対する確立された抗うつ剤(ミルタザピン)の効果、並びに本発明(図1〜10、例1〜5)において請求する化合物に関する効果を示す。試験した各化合物に使用された動物の数(n)を、図の説明に注記する。
皮質領域におけるドーパミン及びノルエピネフリンに対する効果
認知
記憶、注意及び作業記憶を含めて、認知機能の基礎をなす皮質回路網は、ドーパミン作動性及びノルエピネフリン作動性の投射を上行することによって神経支配される、グルタミン酸作動性及びGABA作動性の神経細胞のネットワークを含む。(Harrison及びWeinberger 2005、Arnsten及びLi 2005)。DA D1受容体を介して作用するドーパミンが認知機能を増強する一方、皮質DA伝達の機能低下が特異的認知欠陥を生じさせる(Goldman−Rakic、2004において再確認)。同様に、ノルエピネフリンは、おそらく前頭前皮質におけるシナプス後のアルファ2受容体の刺激に依存して認知機能を増強することが見出された(Arnsten、2004)。皮質DA及びNE欠乏症の影響の臨床例は、統合失調症及びADHDにおいて見られる認知障害である。統合失調症において、皮質DA欠乏症は、認知機能障害の基礎をなす重要な特徴とみなされている(Perlmanら、2004、Goldman−Rakic、2004)。そのような皮質DA機能低下症が起こると考えられる一機序が、COMTコード化遺伝子において十分に説明されている点突然変異であり、これはCOMTの肥大活性に至り、したがって、DAの除去率が増加し、特に皮質におけるDA濃度の減少が後に続く(Harrison及びWeinberger 2005、Perlmanら、2004)。COMTのこの突然変異は、遺伝的に、統合失調症に関連し、並びに、健常者における認知能力と相関する。COMT異常とは別に、様々な他の病原経路は、統合失調症患者に見られる認知機能の特徴的な異常によって顕在化される、統合失調症における皮質機能不全の機能的に同様な状態に至ることが明示されている(Harrison及びWeinberger、2005)。例えば、多くの感受性遺伝子は、NMDA受容体仲介グルタメート伝達に優先的に影響すると考えられている。増大したDA D1受容体刺激による認知機能への有益な効果によって、皮質DA伝達の強化は、皮質活性を正常化し、統合失調症並びに他の状態における認知機能を増強することができる(Goldman−Rakic、2004)。さらに、皮質微小回路網における異常は、臨床症候群の基礎をなす中核的特徴とみなされていることから、DA伝達を促進することによるこの微小回路網の修復は、統合失調症における認知機能を改善するだけでなく、精神病性症状を低減するはずである。したがって、皮質DA伝達の正常化は、二次的効果として、皮質下DA伝達の正常化に至り、したがって、皮質下高ドーパミン作動性に関連する症状の軽減に至ると思われる(Goldman−Rakic、2004、Perlmanら、2004)。さらに、他の統合失調症化合物と比較して、それらの優れた効力及びより少ない副作用の基礎をなすと仮定される非定型統合失調症治療薬の一般的特徴は、皮質ドーパミンを増加させるそれらの能力である(Moghaddam及びBunney、1990、Deutchら、1991)。認知増強及び統合失調症治療薬効果を達成させる、この発明に記載した原理は、DA及びNEにおける領域選択的な皮質の増加に依存的である一方、皮質下DA、例えば線条体DAの増加は必要でないことに注目するのが重要である。結論として、皮質DAを増加させるが皮質下DA伝達を増加させないこの発明による化合物は、認知機能を改善し、統合失調症における精神病性症状を減少させる。
認知機能におけるDA及びNEの役割を示す他の臨床例は、この障害における症状を軽減するのに使用される化合物の作用様式を含めて、ADHDの臨床的特徴である。ADHDの重要な特徴は、注意の欠乏、長時間の仕事に集中する能力の不足、衝動性及び活動亢進である(Biederman 2005、Arnsten及びLi 2005)。神経心理試験において、ADHD患者は、特に前頭前皮質の機能を評価する試験の結果が悪い(Arnsten及びLi、2005)。これらの機能の基礎をなす皮質回路網の構造により、不十分なDA及びNEの伝達は、ADHDに見られる特異的神経心理欠陥に至ると思われると示唆されている。ADHDの病因に関する研究は全て、特に皮質領域におけるDA及びNEの調節不全に向けられている。入手可能な薬理的治療は、大部分の脳部位においてDA及びNEを増加させるデクスアンフェタミン及びメチルフェニデートを含めて、主に精神刺激薬である。ADHDの治療における近年の進歩は、皮質DA及びNEの領域選択的増加を生じさせる化合物アトモキセチン(US5,658,590)であり、これは、カテコールアミンに対する皮質下の効果がADHD薬物療法の臨床的効力に不可欠であるというよりむしろ、中核症状を軽減する一方で皮質下DA伝達の増加に関連する副作用を回避することでその皮質を支えている(Pliszka、2005)。
総合すると、増強された皮質DA及びNEの伝達が、認知の改善を含めて、ADHDの症状を改善すると思われる確固たる証拠がある。さらに、認知機能における皮質DA及びNEの役割は、皮質DA伝達の増強が、統合失調症又はADHD以外の原因から生じる認知障害における、並びに健常者における認知の機能も改善することを示唆している。これは、健常者におけるCOMT活性と認知能力との間の相関性(Perlmanら、2004)によって、並びに異なる障害と同様に健康な状態における認知機能に対する皮質DA及びNEの影響に関するげっ歯類、霊長類及びヒトにおける多数の研究(Arnsten、2004、Goldman−Rakic、2004)によって裏づけされている。その結果として、本発明による化合物は、皮質DA及びNEの領域選択的増加を生じさせるそれらの能力によって、通常の認知障害と同様にADHDの症状を治療するのに有用である。
抗不安薬及び抗うつ剤の作用
抗うつ剤の臨床的に有効な全種類の一般的な特色は、皮質におけるドーパミン及びノルエピネフリンの濃度における上昇である(Tanda、Carboniら、1994;Millan、Lejeuneら、2000)。一例として、臨床的に有効な抗うつ剤のミルタザピン(レメロン)は、皮質における細胞外のノルエピネフリン及びドーパミンを主に増加させることを示した(図21及び図22を参照のこと、並びにDevoto、Floreら、2004)。これは、本発明において請求する化合物が皮質におけるドーパミン及びノルエピネフリンの濃度を上昇させるので、それらが抗うつ剤として機能するという我々の請求を裏づけている(図1〜10、本発明における例1〜5を参照のこと)。さらに、ノルエピネフリンは、恐怖及び不安を制御する、青斑核、扁桃体及び大脳皮質を含むニューロン経路に強く関与しているので、皮質ノルエピネフリン伝達の調節は、不安の状態を調節する(Sullivanら、1999、Biol Psychiatry;46:1205〜121)。即ち、皮質ノルエピネフリン作動性伝達を変化させる化合物は、不安障害の治療に有効であると報告されている。より詳細には、NE再取り込み阻害(図22)以外の機序によって皮質NE濃度の著しい増加を生じさせるミルタザピン(レメロン)のようなNE調節化合物、及びノルエピネフリン再取り込みの阻害によって皮質NEを増加させるベンラファキシンはともに、臨床研究において抗不安特性を有する(Neuropsychopharmacology、5th generation of Progress、Lippincott、Williams及びWilkins 2002、967〜980ページ)。不安の制御におけるノルエピネフリンの重要な役割を実証する神経生物学的背景とともに、不安障害に対する増強された皮質ノルエピネフリン伝達の有益な効果のこの証拠に基づいて、皮質NEの著しい増加を生じさせる本発明の化合物は、不安障害の治療において有効であると結論づけられる。
添付の図を参照することによって、本発明をさらに例証する。
本発明(図1〜10)による実施例
実施例1、50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。例1を、0の時点で注射(皮下注射)する。図1に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例1、50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質アミンのグラフである。例1を、0の時点で(皮下注射)する。図2に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例2、50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。例2を、0の時点で注射(皮下注射)する。図3に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例2、50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質アミンのグラフである。例2は、0の時点で注射(皮下注射)する。図4に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例3、50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。例3を、0の時点で注射(皮下注射)する。図5に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例3、50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質アミンのグラフである。例3を、0の時点で注射(皮下注射)する。図6に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例4、50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。例4を、0の時点で注射(皮下注射)する。図7に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例4、50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質アミンのグラフである。例4を、0の時点で注射(皮下注射)する。図8に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例5、50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。例5を、0の時点で注射(皮下注射)する。図9に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 実施例5、50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質アミンのグラフである。例3を、0の時点で注射(皮下注射)する。図10に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM
比較例(図11〜22)
(S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジン(J.Med.Chem.1994、37、2735における例16)50μmol/kgの皮下注射、前頭前線条体のグラフである。 (S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図11に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM (S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジン(J.Med.Chem.1994、37、2735における例16)50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質のグラフである。 (S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図12に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(WO01/46146における例9)50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。 4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図13に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(WO01/46146における例9)50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質のグラフである。 4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図14に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM (WO01/46146において請求されている)4−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジン50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。 4−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図15に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM (WO01/46146において請求されている)4−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジン50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質のグラフである。 4−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図16に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(WO01/46146における例44)50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。 4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図17に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM 4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(WO01/46146における例44)50μmol/kgの皮下注射前頭前皮質のグラフである。 4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図18に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM (WO01/46146において請求されている)4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジン50μmol/kgの皮下注射、線条体アミンのグラフである。 4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図19に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM (WO01/46146において請求されている)4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジン50μmol/kgの皮下注射、前頭前皮質のグラフである。 4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図20に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM ミルタザピン(レメロン)10mg/kgの皮下注射、前頭前線条体のグラフである。 レメロンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図21に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM ミルタザピン(レメロン)10mg/kgの皮下注射、前頭前皮質のグラフである。 レメロンを、0の時点で注射(皮下注射)する。図22に表示されている値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析を、覚醒しており自由に動くラットに行った。ドーパミン=DA;ノルエピネフリン=NA;セロトニン=5−HT;エラーバー=SEM
(参考文献)

調製方法
本発明の化合物は、スキーム1において下記に概略した通りに調製することができる。しかし、本発明はこれらの方法に限定されることはない。該化合物は、従来技術において構造的関連化合物に関して記載された通りに調製することもできる。反応は、標準的手順(例えば、Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations Richard C.Larock、10月22日、1999 Wiley−VCH、ISBN:0471190314、又はMarch’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5版、Michael B.Smith、Jerry March、1月15日、2001 Wiley−Interscience、ISBN:0471585890)に従って、又は実施例に記載した通りに行うことができる。本出願に記載の方法のための出発原料は知られている、又は市販されている化学薬品から従来の方法によって容易に調製することができる。
当業者は、別法、及び一部の場合、より好都合な方法で本発明の化合物を得るために、以上で述べた個々の方法のステップを異なる順序で行っても、及び/又は個々の反応を全体経路において異なる段階で行ってもよいことを認識されよう(即ち、異なる中間体を、以上において特定の反応と関連させたものに化学的変態を行うことができる)。
本発明の化合物の合成を、スキーム1において下記に概略する。
スキーム1
スキーム1における置換基は以下の通りである。Zは脱離基であり、Aは、アルキル又は保護基であり、Ar、R1、R2及びR3は、上記で定義した通りである。
本発明においてプロドラッグとして使用されるN−オキシド化合物は、標準的N酸化手順(例えば、Handbook of Reagents for Organic Synthesis−Oxidising and Reducing Agents.S.D.Burke、R.L.Danheiser(編集);John.Wiley&Sons、Chichester、1999、ISBN 0−471−97926−0)を介してアミンから合成することができる。
本発明の化合物は、標準的方法によって任意のレベルの純度に単離してもよく、精製は、蒸留、再結晶及びクロマトグラフィーなど、当業者に知られている常法によって達成することができる。
医薬組成物
別の態様において、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を含む新規な医薬組成物を提供する。
本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物、及び中枢神経系障害を治療する際のそれらの使用に関する。有機酸及び無機酸はともに、本発明による化合物の非毒性の医薬として許容できる酸付加塩を形成するために使用することができる。本発明の化合物の適当な酸付加塩は、上記で述べたものなどの医薬として許容できる塩で形成されるものが挙げられる。本発明による化合物を含む医薬組成物は、医薬製剤の製造又は製剤の投与を容易にするのに使用される物質を含むこともできる。そのような物質は、当業者によく知られており、例えば、医薬として許容できる助剤、担体及び防腐剤であってよい。
臨床診療において、本発明による化合物は、該活性成分を含む医薬製剤の形態で医薬として許容できる担体との会合にて、遊離塩基として、又は塩酸塩、乳酸塩、酢酸塩若しくはスルファミン酸塩など、医薬として許容できる非毒性の酸付加塩として、経口、直腸、経鼻で、又は注射によって普通に投与される。担体は、固体、半固体又は液体の製剤であってよい。通常、該活性物質は、製剤の0.1重量%と99重量%との間、より詳細には、注射を意図する製剤には0.5重量%と20重量%との間、及び経口投与に適当な製剤には0.2重量%と50重量%との間で構成される。
本発明による化合物を含有する医薬製剤を経口適用の投与単位の形態で製造するため、選択化合物は、固体賦形剤、例えばラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、バレイショデンプン、コーンスターチ又はアミロペクチンなどのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン又はポリビニル−ピロリジンなどの結合剤、並びにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ワックス及びパラフィン等などの潤滑剤と混合し、次いで、錠剤に圧縮することができる。コーティング錠剤が必要であれば、(上記した通りに調製した)中核を、例えばアラビアゴム、ゼラチン、タルカム及び二酸化チタンなどを含有してよい濃縮糖溶液で被覆してもよい。別法として、錠剤を、容易に揮発する有機溶媒又は有機溶媒の混合物に溶解した、当業者に知られているポリマーで被覆することができる。活性化合物の異なる活性物質又は異なる量を含有する錠剤を容易に識別するため、染料をこれらの剤皮に添加してもよい。
軟ゼラチンカプセルの製剤には、活性物質を、例えば植物油又はポリエチレングリコールと添加混合することができる。硬ゼラチンカプセルは、錠剤用に上記した賦形剤のいずれか、例えばラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン(例えば、バレイショデンプン、コーンスターチ又はアミロペクチン)、セルロース誘導体又はゼラチンを使用し、活性物質の顆粒を含有することができる。該薬物の液体又は半固体も、硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
経口投与に適当な錠剤及びカプセルの製剤の例を下記に示す。
錠剤I mg/錠剤
化合物 100
ラクトースPh.Eur 182.75
クロスカルメロースナトリウム 12.0
とうもろこしスターチペースト(5%w/vペースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
錠剤II mg/錠剤
化合物 50
ラクトースPh.Eur 223.75
クロスカルメロースナトリウム 6.0
とうもろこしスターチ 15.0
ポリビニルピロリドン(5%w/vペースト)2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
錠剤III mg/錠剤
化合物 1.0
ラクトースPh.Eur 93.25
クロスカルメロースナトリウム 4.0
とうもろこしスターチペースト(5%w/vペースト) 0.75
ステアリン酸マグネシウム 1.0
カプセル mg/カプセル
化合物 10
ラクトースPh.Eur 488.5
マグネシウム 1.5
直腸適用の投与単位は溶液若しくは懸濁液であってよく、或いは中性脂肪塩基との混合物中に活性物質を含む坐剤、又は植物油若しくはパラフィン油との混合中に活性物質を含むゼラチンの直腸カプセル剤の形態で調製することができる。経口適用の液体製剤は、シロップ又は懸濁液の形態であってよく、例えば本明細書に記載した活性物質の約0.2重量%から約20重量%を含有する溶液で、その他残りが、糖並びにエタノール、水、グリセロール及びプロピレングリコールの混合物である。場合により、そのような液体製剤は、増粘剤として着色剤、香味剤、サッカリン及びカルボキシメチルセルロースを、又は当業者に知られている他の賦形剤を含有してもよい。
注入による非経口適用溶液は、活性物質の医薬として許容できる水溶性塩の水溶液中、好ましくは0.5重量%から約10重量%の濃度で調製することができる。これらの溶液は、安定化剤及び/又は緩衝剤を含有してもよく、好都合なことに、様々な投与単位アンプルで提供してもよい。治療する患者への使用及び投与は、当分野の一般技術には容易に明らかになると思われる。
鼻腔内投与又は吸入による投与には、本発明の化合物は、溶液、乾燥粉末又は懸濁液の形態で送達することもできる。投与は、患者によって圧搾若しくはポンプで吸い上げるポンプスプレー容器を介して、或いは適当な噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素若しくは他の適当な気体を使用する加圧容器若又はネブライザーからエアゾールスプレー放出を通して行うことができる。本発明の化合物は、担体物質(例えば多糖類)との組合せにおける微粉散剤又は微小球のいずれかとして、乾燥粉末吸入器を介して投与することもできる。吸入器、ポンプスプレー又はエアゾールスプレーは、単回用量又は多回用量であってよい。投与量は、一定量の活性化合物を送達するバルブを通して制御することができる。
本発明の化合物は、放出制御製剤で投与してもよい。該化合物は、所望の期間一定した薬理活性を維持するのに必要な速度で放出される。そのような剤形は、所定の期間中に薬物を身体に供給することを可能にし、したがって、従来の非制御製剤より長い期間、治療範囲における薬物濃度を維持する。該化合物は、活性化合物の放出を目的とする放出制御製剤に処方することもできる。例えば、該化合物の放出は、製剤のpH感度を介して消化器系の特異的領域に限定することができる。そのような製剤は、当業者によく知られている。
製剤及び投与の技術のさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版で確認することができる。
治療する障害若しくは患者及び投与の経路に依存して、該組成物は、様々な用量で投与することができる。投薬は、吸収性及び投与の頻度若しくは経路に対する効力の関係にも依存する。そのような用量は、1日1回、2回若しくは3回、又はそれより多い回数で投与することができる。治療する対象の体重、性別及び状態、治療する疾患状態及び選択される特定投与経路に依存して変動が必然的に起こるとしても、この発明の化合物は、1日当たりに体重1kg当たり0.01mgから500mgの範囲である用量で対象に投与することができる。しかし、1日当たりに体重1kg当たり0.1mgから10mgの範囲である投与量の単回投与量又は分割投与量は、疾患の治療のためにヒトに用いるのが最も望ましい。別法として、投与量は、0.1nMから1μMの間の化合物の血清濃度が得られる量である。
下記の実施例において、本発明をさらに例証するが、本発明の範囲を限定するものでは決してない。
(実施例1)
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール(1.0g、4.67mmol)及び酸化白金(0.1g)のメタノール(20ml)混合物を、50psiで15時間、水素で処理した。反応混合物をセライトパッドに通してろ過し、ろ液を蒸発させた。水性炭酸ナトリウム(10%、50ml)を添加し、水性相を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、蒸発させた。分取用HPLC、続いてシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、標題化合物(0.2g)を得た。アミンを塩酸塩に変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶させた。M.p.136〜137℃。MS m/z(相対強度、70eV)217(M+、63)、215(M+、bp)、172(18)、151(37)、115(60)。
(実施例2)
3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
1−ベンジル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン(0.80g、2.75mmol)、炭素上のパラジウム(0.08g)及びギ酸アンモニウム(1.73g、27.5mmol)のメタノール(20ml)混合物を、20分間還流した。混合物をセライトパッドに通してろ過し、ろ液を蒸発させた。水性炭酸ナトリウム(10%、50ml)を添加し、水性相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、蒸発させて、標題化合物を得た。(0.37g)アミンをシュウ酸塩に変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶させた。M.p.116〜116℃。MS m/z(相対強度、70eV)183(M+、bp)、153(35)、140(22)、133(21)、127(48)。
(実施例3)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン
例2に従った調製:1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール(0.71g、2.62mmol)、ギ酸アンモニウム(1.65g、26.2mmol)、炭素上のパラジウム(0.07g)、メタノール(50ml)。メタノールのろ過及び蒸発後、水性炭酸ナトリウム(10%、50ml)を添加し、水性相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、水性塩酸(5%、40ml)を添加し、水性相を二分量のジエチルエーテルで洗浄し、次いで、水性炭酸ナトリウムの添加によって塩基性化した。酢酸エチルを添加し、有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。アミンをシュウ酸塩に変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶させた。M.p.199〜200℃。MS m/z(相対強度、70eV)183(M+、bp)、153(44)、151(24)、133(23)、127(43)。
(実施例4)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン
ギ酸(4.9ml)中の3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン(0.31g、1.69mmol)及びホルムアルデヒド(40%溶液、4.4ml)の混合物を、100℃で1時間加熱した。水(50ml)を添加し、溶液を水性水酸化ナトリウム(5M、20ml)の添加によって塩基性化した。水性相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、粗生成物(0.33g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール 1:1)による精製で、標題化合物0.19g(57%)を得た。アミンをフマル酸塩に変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶させた。M.p.140〜142℃。MS m/z(相対強度、70eV)197(M+、71)、196(23)、153(13)、127(19)、57(bp)。
(実施例5)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール(1.96g、7.23mmol)及びギ酸アンモニウム(4.55g、72.3mmol)のメタノール(20ml)混合物を、窒素ガスでパージした後、炭素上のパラジウム(0.2g)を添加した。混合物を2時間還流し、周囲温度に冷却し、セライトパッドに通してろ過した。ろ液を蒸発させ、粗生成物を分取用HPLCによって精製して、標題化合物(0.3g)を得た。アミンを塩酸塩に変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶させた。M.p.139〜140℃。MS m/z(相対強度、70eV)183(M+、bp)、153(38)、151(22)、133(24)、127(45)。
以下の調製物を、上記実施例の合成に使用する。
調製1
1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(2.5g、12.8mmol)の乾燥ジエチルエーテル(30ml)溶液に、窒素下にて、ヘキシルリチウム(ヘキサン中2.3M、5.6ml、12.8mmol)を−78℃で滴下により添加した。混合物を1分間撹拌した後、1−ベンジルピロリジン−3−オン(1.5g、8.6mmol)の乾燥ジエチルエーテル(20ml)溶液を、滴下により添加した。生じた混合物を周囲温度にし、水(20ml)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:1)による精製で、標題化合物(2.07g)を得た。MS m/z(相対強度、70eV)289(M+、7)、198(60)、134(34)、133(56)、132(43)、91(bp)。
調製2
1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(1.6g、5.5mmol)及びポリリン酸(2g)の混合物を、85℃で1.5時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、水(50ml)を添加し、混合物を水性水酸化ナトリウム(5M)で塩基性化した。ジクロロメタンを添加し、有機相を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製で、標題化合物(0.71g)を得た。MS m/z(相対強度、70eV)271(M+、bp)、270(56)、369(93)、180(26)、91(93)。
調製3
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼン(3.0g、15.5mmol)の乾燥ジエチルエーテル(25ml)溶液に、窒素下にて、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、6.25ml、15.5mmol)を−78℃で滴下により添加した。混合物を1時間撹拌した後、1−ベンジルピロリジン−3−オン(2.7g、15.5mmol)の乾燥ジエチルエーテル(25ml)溶液を、滴下により添加した。生じた混合物を周囲温度にし、0.5時間撹拌し、水(20ml)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、蒸発させた。シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:1)による精製で、標題化合物(2.7g)を得た。MS m/z(相対強度、70eV)289(M+、9)、198(bp)、134(23)、133(35)、132(30)、91(63)。
調製4
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−2,5及び2,3−ジヒドロ−1H−ピロール
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(1.6g、5.5mmol)及びトリフルオロ酢酸(20ml)を、60℃で14時間、及び90℃で4時間加熱した。トリフルオロ酢酸を蒸発させ、水性炭酸ナトリウム(10%、50ml)を添加し、水性相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。水(50ml)を添加し、溶液を水性水酸化ナトリウム(5M)で塩基性化した。合わせた有機相を蒸発させ、水性塩酸(5%、40ml)を添加し、水性相を二分量のジエチルエーテルで洗浄し、次いで、水性炭酸ナトリウムの添加によって塩基性化した。酢酸エチルを添加し、有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、標題化合物を得た。(1.96g)MS m/z(相対強度、70eV)271(M+、51)、270(31)、269(31)、180(35)、91(bp)。
調製5
1−ベンジル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製1に従った調製:1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(7.49g、38.5mmol)、乾燥ジエチルエーテル(60ml)、ヘキシルリチウム(ヘキサン中2.3M、16.8ml、38.5mmol)及び1−ベンジルピロリジン−3−オン(4.5g、25.7mmol)。収量:5.7g。MS m/z(相対強度、70eV)289(M+、5)、198(66)、133(52)、132(42)、91(bp)。
調製6
1−ベンジル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン
1−ベンジル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(1.9g、6.57mmol)のジクロロメタン(50ml)冷却(0℃)溶液に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(0.86ml、6.57mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液を滴下により添加した。混合物を0.5時間撹拌した後、水性炭酸ナトリウム(50ml)を添加し、相を分離した。水性相をジクロロメタン(50ml)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製で、標題化合物(0.8g)を得た。MS m/z(相対強度、70eV)291(M+、59)、271(35)、133(64)、132(49)、91(bp)。
調製7
Tert−ブチル3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
4−ブロモ−1,2−ジクロロベンゼン(2.0g、8.85mmol)の乾燥テトラヒドロフランe(35ml)溶液に、窒素下にて、削り状マグネシウム(0.21g、8.85mmol)を添加した。混合物を1時間還流し、周囲温度に冷却し、1−N−boc−3−ピロリドン(1.63g、8.85mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液を、滴下により添加した。生じた混合物を3時間還流した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(40ml)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、蒸発させた。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル 1:1)による精製で、標題化合物(1g)を得た。MS m/z(相対強度、70eV)332(M+、1)、275(41)、232(37)、231(28)、230(52)、57(bp)。
調製8
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール
tert−ブチル3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(6.15g、18.5mmol)及びトリフルオロ酢酸(20ml)を、70℃で14時間加熱した。混合物を0℃に冷却し、水性水酸化ナトリウム(5N)を、pHが10に達するまで添加した。水性相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール)による精製で、標題化合物(1.g)を得た。MS m/z(相対強度、70eV)215(45)、214(M+、72)、213(76)、212(bp)、177(68)。
以下の試験を、本発明による化合物の評価に用いた。
生体内試験:神経化学
実験全体にわたり、体重220g〜320gの雄性スプラーグドーリーラットを使用する。試験物質の投与六十(60)分後に、ラットを断頭する。断頭の直後、脳を頭蓋骨から除去し、氷を充填したガラス製ペトリ鉢上に置いた。(側坐核−中核及びシェルの両方、嗅結節及び腹側淡蒼球の大部分を含有する)辺縁系を、細いつる首ピンセットを使用して解剖し、ドライアイス(二酸化炭素 −78℃)上の箔に直接置く。線条体及び皮質を次いで解剖し、またドライアイス上に置く。断頭から最後の組織を解剖するまでの時間は、40分から60分と異なる。コンピューターに接続されているザルトリウスBP3105を使用して組織を秤量し、標識したスズ箔で包み、次いで−80℃の冷凍庫に保存する。最大の注意を払い、神経化学分析の時まで組織を凍結しておく。各々の脳部分を、引き続き、モノアミンの含有量及びそれらの代謝物に関して分析する。
モノアミン伝達物質(NE(ノルエピネフリン)、DA(ドーパミン)、5−HT(セロトニン))並びにそれらのアミン(NM(ノルメタンフリン)、3−MT(3−メトキシチラミン))及び酸(DOPAC(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)、5−HIAA(5−ヒドロキシインドール酢酸)、HVA(ホモバニリン酸))の代謝物を、HPLC分離及び電気化学的検出によって、脳組織ホモジネート中で定量化する。
分析方法は、アミン又は酸専用の2つのクロマトグラフィー分離に基づいている。2つのクロマトグラフィーシステムは、2つのシステム上で10ポート弁及び同時注入用の2つの対照ループを持つ一般の自動注入器を共有している。両システムは逆相カラム(ルナC18(2)、dp3μm、502mm i.d.、Phenomenex)が装備されており、電気化学的検出は、ガラス状炭素電極(MF−1000、Bioanalytical Systems,Inc.)上の2つの電位で達成される。カラム溶出液を、T接続部を介して検出細胞又は廃液出口へと通過させる。これは、廃液出口又は検出器出口の一方を遮断する2つの電磁弁によって達成される。クロマトグラフィーフロントが検出器に達するのを防ぐことにより、より良い検出条件が達成される。酸系用の水性移動相(0.4ml/分)は、クエン酸14mM、クエン酸ナトリウム10mM、MeOH 15%(v/v)及びEDTA 0.1mMを含有する。Ag/AgCl基準に対する検出電位は、0.45及び0.60Vである。アミン系用の水性イオン対移動相(0.5ml/分)は、クエン酸5mM、クエン酸ナトリウム10mM、MeOH 9%(v/v)、MeCN 10.5%(v/v)、デカンスルホン酸0.45mM、及びEDTA 0.1mMを含有する。Ag/AgCl基準に対する検出電位は、0.45及び0.65Vである。
生体内試験:微小透析
実験全体にわたり、体重220g〜320gの雄性スプラーグドーリーラットを使用した。実験前に、動物を、水及び餌の入手が自由な各ケージに5匹、群れにして収容した。動物は、実験における外科手術及び使用の前に、到着後少なくとも5日間収容した。各ラットは、微小透析に1度だけ使用した。
I型プローブ(Santiago及びWesterink 1990)の修正版(Waters、Lofbergら 1994)を使用する。使用する透析膜は、AN69ポリアクリロニトリル/メタリルスルホン酸ナトリウムコポリマー(HOSPAL;o.d./i.d. 310/220μm:Gambro、Lund、Sweden)である。背側線条体においては、透析膜の露出長さが3mmであるプローブを使用し、前頭前皮質においては、対応する長さは2.5mmである。ラットをイソフルラン吸入麻酔下で手術し、その間コフ定位固定装置に乗せていた。ブレグマに対する座標を、(Paxinos及びWatson 1986)に従って計算した。背側線条体AP+1、ML±2.6、DV−6.2;Pf皮質、AP+3.2、8°ML±1.2、DV−4.0。定位固定のガイダンスの下に、透析プローブをバーホールに置き、ホスファチン歯科用セメントで固定した。
透析実験前の40時間、ラットを個々にケージ内に収容し、外科手術から回復させ、以下実験中の麻酔薬との薬物相互作用のリスクを最小限にした。この間、ラットは餌及び水の入手が自由であった。実験当日、スイベルを介して微小灌流ポンプにラットを接続し、拘束内で自由に行動することができるケージに戻した。灌流媒体は、(Moghaddam及びBunney 1989)に従って、NaCl;140mmol/l、CaCl;1.2mmol/l、KCl;3.0mmol/l、MgCl2;1.0mmol/l及びアスコルビン酸;0.04mmol/lを含有するリンゲル溶液であった。ポンプは、灌流速度を2μl/分に設定し、40μlの対照を20分毎に回収した。
モノアミン伝達物質(NE(ノルエピネフリン)、DA(ドーパミン)、5−HT(セロトニン))並びにそれらのアミン(NM(ノルメタンフリン)、3−MT(3−メトキシチラミン))及び酸(DOPAC(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)、5−HIAA(5−ヒドロキシインドール酢酸)、HVA(ホモバニリン酸))の代謝物を、HPLC分離及び電気化学的検出によって脳組織ホモジネート中で定量化する。
モノアミン伝達物質(NA、DA、5−HT)並びにそれらのアミン(NM、3−MT)及び酸(DOPAC、5−HIAA、HVA)の代謝物を、HPLC分離及び電気化学的検出によって微小透析対照中で定量化する。
分析方法は、アミン又は酸専用の2つのクロマトグラフィー分離に基づいている。2つのクロマトグラフィーシステムは、2つのシステム上で10ポート弁及び同時注入用の2つの対照ループ(酸用に5μl、アミン用に20μl)を持つ一般の自動注入器を共有している。該酸を逆相クロマトグラフィーによって分離する一方、アミンをカラムスイッチングの構成における逆相分離が先行する逆相イオン対によって分離する。
異なる長さの3つの分離カラム(ルナC18(2)、dp 3μm、2mm i.d.、Phenomenex)を使用する。電気化学的検出は、ガラス状炭素電極(MF−1000、Bioanalytical Systems,Inc.)上で達成される。
酸系用の水性移動相(0.6ml/分)は、クエン酸40mM、リン酸水素二カリウム10mM、MeOH 8%(v/v)及びEDTA 0.1mMを含有する。カラムの長さは30mmである。Ag/AgCl基準に対する検出電位は0.70Vである。
アミン系用の水性イオン対移動相(0.4ml/分)は、クエン酸5mM、クエン酸ナトリウム10mM、MeCN 10%(v/v)、THF 4%(v/v)、ドデカンスルホン酸0.05mM、及びEDTA 0.1mMを含有する。カラムの長さは50mmである。Ag/AgCl基準に対する検出電位は、0.45及び0.65Vである。
結合逆相分離用の水性移動相(0.4ml/分)はイオン対移動相と同一であるが、ドデカンスルホン酸は含まれていない。カラムの長さは20mmである。最適化のため経時的に、分析条件における微修正が起こる場合がある。
実験後、ラットを灌流ポンプから外し、断頭した。それらの脳を直ちに取り出し、それに続くプローブ局在化の検査用のAccustain溶液(Sigma、Sweden)に入れた。Sweden、Goteborgの動物倫理委員会は、これらの実験に適用した手順を承認した。
参照1の比較例16には、初期分析手順を使用した。この手順では、アミンはカラムスイッチングを用いることなく分離され、イオン対条件は僅かに異なって最適化される。参照1の比較例16では、ケタミン及びキシラジンの注入によって麻酔を誘導し、それに続くプローブ局在化の検査用のNeo−fix溶液(Kebolab、Sweden)に脳を入れた。
(参考文献)

Claims (16)

  1. 式(2)

    (式中、
    Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
    は、F及びClからなる群から選択され、
    は、F及びClからなる群から選択され、及び
    は、H及びMeからなる群から選択され、
    ただし、Arがフェニルであり、R及びRの1つがパラ位に位置し、R及びRの他方がメタ位に位置する場合、このときRがHである場合はR及びRの両方がFであることはない)
    の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、
    又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩。
  2. Arがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(3)

    又は式(4)

    又は式(5)

    又は式(6)

    (式中、R、R及びRは、請求項1で定義した通りであり、ただし、上記の式(5)において、RがHの場合、R及びRの両方がFであることはない)の請求項1又は2に記載の化合物。
  4. がFである、請求項1から3までのいずれかに記載の化合物。
  5. がH又はMeである場合RがFである、請求項1から4までのいずれかに記載の化合物。
  6. がHである、請求項1から5までのいずれかに記載の化合物。
  7. (+)−エナンチオマーの形態における、請求項1から6までのいずれかに記載の化合物。
  8. (−)−エナンチオマーの形態における、請求項1から6までのいずれかに記載の化合物。
  9. 3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン、
    3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン、
    3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン、
    3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン、
    又は医薬として許容できるそれらの塩である、請求項1に記載の化合物。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載の化合物若しくは化合物
    3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
    その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩の治療有効量とともに、1つ若しくは複数の医薬として許容できる担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
  11. 請求項1から9までのいずれかに記載の化合物若しくは化合物
    3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
    その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩の医薬製造のための使用。
  12. ヒトを含めた哺乳動物の疾患若しくは中枢神経系障害を治療、予防又は軽減するための医薬組成物製造のための、請求項11に記載の使用。
  13. 中枢神経系障害が、認知障害、神経変性疾患、認知症、加齢性認知障害、発達障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、脳性麻痺、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、統合失調症の中核症状の一部として起こる認知障害、統合失調症、統合失調症様障害、感情障害、うつ病、双極性障害、不安障害、全般性不安障害(GAD)、特定恐怖症、パニック障害(PD)又は睡眠障害である、請求項12に記載の使用。
  14. ヒトを含めて、動物生体の中枢神経系障害を治療、予防又は軽減する方法であって、請求項1から9までのいずれか一項に記載の化合物若しくは化合物
    3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
    又はその立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩の治療有効量を、それを必要とするそのような動物生体に投与するステップを含む方法。
  15. 医薬として使用するための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の化合物若しくは化合物
    3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
    その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩。
  16. 中枢神経系におけるドーパミン作動性機能の調節に応答する、ヒトを含めた哺乳動物の疾患又は障害又は状態を治療、予防又は軽減するのに使用するための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の化合物若しくは化合物
    3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン
    その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体の任意の混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは医薬として許容できるそれらの塩。
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