JP2010526994A - ニューロトリプシンのインビボ活性を検出するための方法、ニューロトリプシン関連性障害の診断および監視における方法の使用およびバイオマーカーとしてのアグリンのC末端22kDaフラグメントの使用 - Google Patents

ニューロトリプシンのインビボ活性を検出するための方法、ニューロトリプシン関連性障害の診断および監視における方法の使用およびバイオマーカーとしてのアグリンのC末端22kDaフラグメントの使用 Download PDF

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Abstract

ニューロトリプシンのインビボ活性を検出するための方法であって、アグリンの22kDaフラグメントの量を患者から採取したサンプル中で測定し、サンプル中のアグリンの22kDaフラグメントの測定した量を使用してニューロトリプシンの活性が計算される方法、ニューロトリプシン関連性障害を診断および監視するための前記方法の使用、およびニューロトリプシン関連性障害のためのバイオマーカーとしての22kDaフラグメントの使用を提供する。

Description

本発明は、ニューロトリプシンのインビボ(生体内)活性を検出するための方法、すべてが酵素であるニューロトリプシンの活性に直接的もしくは間接的に関連する様々な診断的または臨床的適応におけるバイオマーカーとしての該方法の使用およびアグリンのC末端22kDaフラグメントの使用に関する。
バイオマーカーは、疾患または治療の間に進行中の生物学的現象について報告する。バイオマーカーは、正常もしくは病理生物学的プロセスの、または治療介入への薬理学的応答のインジケーターとして客観的に測定および評価できる任意の特性であると定義されている。種々のタイプのバイオマーカーは、分子的特性、生理学的パラメーター(例えば、血圧、心拍数)について報告する、またはイメージング情報を提供する。重要なことに、それらは「転帰」について、例えば分子的、細胞的、もしくは生理学的機序の結果について、治療的利点について、または治療介入のリスクについての情報を提供する。有用なバイオマーカーは、2つの基準を満たさなければならず、疾患または治療の間に進行中の生物学的機序に関連していなければならず、そして臨床転帰と統計的に相関していなければならない。
ニューロトリプシンは、トリプシン様セリンプロテアーゼである。ニューロトリプシンは、固有のドメイン組成を示す(Proba et.al.,1998)。ニューロトリプシンは、プロリンリッチな塩基性セグメント、1つのクリングル・ドメイン、4つのスカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR)ドメイン、およびプロテアーゼドメインからなる。
ニューロトリプシンは、主として大脳皮質、海馬および小脳扁桃のニューロン内で発現する(Gschwend et.al.,1997)。免疫電子顕微鏡検査によって、ニューロトリプシンは、どちらも非対称性(興奮性)および対称性(抑制性)シナプスであるシナプス前膜およびシナプス前活性帯に局在化された(Molinari et.al.,2002)。
ニューロトリプシンは、神経精神病学的障害ならびに神経系の外側での障害において重要な役割を果たす。
近年、ニューロトリプシンは、精神遅滞の重篤な常染色体劣勢型の原因であると同定された(Molinari et.al.,2002)。ニューロトリプシン依存性精神遅滞に罹患している個人は、ニューロトリプシン遺伝子の第7エクソンにおける4bp欠失を示し、触媒ドメインが欠如する短縮タンパク質を生じさせる。罹患した個人における疾患の病態生理学的表現型および発症年齢は、ニューロトリプシンを例えば神経発達の後期中のシナプス再組織化および成人シナプス可塑性などの適応シナプス機能の調節因子であると特徴付けている。罹患した個人は、初期18カ月間は精神運動の正常な発達を示した後、年齢がほぼ2歳になると精神遅滞の初発症候を示した。これは、例えばより高度の認知機能を確立および/または維持するために必要とされる適応シナプス機能のように、ニューロトリプシン機能が脳の発達の後期において極めて重要であることを示している。
国際公開第2006/103261号パンフレットでは、トランスジェニックマウスの運動ニューロン中でのニューロトリプシンの過剰発現は神経筋接合部の変性を生じさせ、順に除神経筋線維の死を引き起こすことが証明されている。筋線維消失は、高齢者において見いだされる骨格筋減少症と呼ばれる筋萎縮のタイプに特徴的である。このため、ニューロトリプシンの阻害は年齢依存性筋線維脱神経、筋線維消失、および骨格筋萎縮に有益な作用を及ぼすことができたと想定されている。
また別のデータ(Aimes et al.,2005)は、セリンプロテアーゼ類に血管機能および血管新生においてニューロトリプシンのような潜在的役割があることを示唆している。
代謝においてニューロトリプシンが中心的役割を果たすことを考えると、患者におけるニューロトリプシン関連性障害を決定および監視すること、またはインビボでのニューロトリプシンの状態に医薬品が及ぼす作用を評価することが各々望ましい。
本発明者らは、ニューロトリプシンのインビボ活性を決定するためにアグリンの22kDaフラグメントが脳脊髄液(CSF)中、または血液中、もしくは尿中で測定される請求項1に記載の方法、およびニューロトリプシン関連性障害を診断および監視するための請求項3に記載の該方法の使用によって本発明の目的を実現できることを見いだした。本発明はさらにまた、請求項8に記載の特殊バイオマーカーとしてのアグリンの22kDaフラグメントの使用も含んでいる。
また別の独立請求項は、ニューロトリプシンの活性に物質が及ぼす作用を確定するための臨床または前臨床試験におけるバイオマーカーとしてのアグリンの22kDaフラグメントの使用、請求項1に記載の方法における参照物質としての組み換え技術によって調製されたアグリンの22kDaフラグメントの使用、および天然もしくは組換え抗体またはその他の特異的結合タンパク質を生成するための標的としての組み換え技術もしくは化学合成によって調製されたアグリンの22kDaフラグメントもしくはその一部分の使用に向けられる。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において取り扱われる。
ヒトアグリンのタンパク質配列(配列番号1)を示す図である。未処理前駆体の全長は、2,045アミノ酸である。図示した配列部分では、αおよびβ開裂部位の位置がマークされている。さらに、実施例において言及する一部の部分配列もマークされている。アグリンの22kDaフラグメントの配列は、ボールド体で示されている。 アグリンのドメイン組織化およびそのニューロトリプシン依存性開裂部位の局在化の略図表示である。アグリンは、約220kDaのコアタンパク質質量を有する。アグリンは、9つのFS(ホリスタチン様)ドメイン、2つのLE(ラミニン−EGF様)ドメイン、1つのSEA(精子タンパク質エンテロキナーゼおよびアグリン)ドメイン、4つのEG(表皮増殖因子様)ドメイン、および3つのLG(ラミニン球状)ドメインからなるマルチドメインタンパク質である。SEAドメインの両側では、S/T(セリン/トレオニンリッチ)領域が見いだされる。 アグリンは幾つかのアイソフォームで、例えばN末端アグリン(NtA)ドメインを備える分泌されたアイソフォームおよび原形質膜内にその足場を固定するN末端膜貫通(TM)セグメントを備えるII型膜貫通型アイソフォームで存在する。C末端成分のスプライス変異体、A/y部位での4アミノ酸長鎖インサート、およびB/z部位での3つの相違するインサートは8、11または19(8+11)アミノ酸から構成された。ニューロトリプシンは、2つの部位でアグリンを開裂する。1つの部位(α部位と称する)は、アルギニン1102(R1102)とアラニン1103(A1103)との間に位置する。もう1つの部位(β部位と称する)は、リシン1859(K1859)とセリン1860(S1860)との間に位置する。アミノ酸数は、ヒトオルトログ(UniProtKB/Swiss−Prot O00468)の分泌型アグリン(スプライス変異体A0B0)に関する。ニューロトリプシンによるアグリンの開裂は、110〜400kDa(相違する炭水化物レベルに起因する)の範囲内にあるN末端フラグメント、約90kDaの中間フラグメントおよび22kDaのC末端フラグメントを生成する。 ニューロトリプシンがインビトロ(試験管内)でアグリンを開裂する方法を示した図である。膜結合アグリン(+)、野生型ニューロトリプシン(wt)、不活性ニューロトリプシン(S/A)、およびエンプティpcDNA3.1(−)の組み合わせでコトランスフェクトされたHeLa細胞のウエスタンブロット分析。上清(S)および細胞溶解液(CL)は、アグリンのC末端に向けられた抗アグリン抗体を用いて分析された。上方パネル:アグリン単独のトランスフェクションは、細胞溶解液中で250kDaを超えるシグナルを生じさせた。野生型ニューロトリプシンを用いてコトランスフェクトすると、全長アグリンが開裂され、上清中において22、90および110kDaでランするフラグメントが生じた。不活性ニューロトリプシンを用いたコトランスフェクション後には開裂は見いだされなかった。下方パネル:ニューロトリプシンに対する抗体を用いたニューロトリプシン発現のためのコントロール。 膜貫通型アグリンのドメイン構造を示した図である。ニューロトリプシン開裂の結果として生じたαおよびβ開裂部位ならびにC末端フラグメントの配列が示されている。TM、膜貫通セグメント;FS、ホリスタチンに類似するシステインリッチリピート;LE、ラミンEGF様ドメイン;S/T、セリン/トレオニンリッチ領域;SEA、精子タンパク質、エンテロキナーゼおよびアグリンドメイン;EG、表皮増殖因子(EGF)様ドメイン;LG、ラミン球状ドメイン;一重丸、N−結合型グリコシル化部位;多重丸、グリカン付着部位。 ニューロトリプシンがインビボでアグリンを開裂することを示した図である。野生型(wt)およびニューロトリプシン欠損性(KO)マウス由来の組織のウエスタンブロット分析。90kDaアグリン開裂産物は、野生型マウスの脳、腎臓、および肺の中で検出されたが、ニューロトリプシン欠損性では存在しなかった。肺を除いて、22kDaアグリンフラグメントについても類似の結果が得られた。βアクチンは、ローディングコントロールとして使用された。 長期間増強の化学的刺激がニューロトリプシンのタンパク質分解活性の増加を誘導することを示した図である。 図5Aは、刺激なし(No Stim)ならびにピクロトキシン、ホルスコリン、およびロリプラムの組み合わせ(PFR)によって刺激された海馬スライスにおけるアグリン(上方パネル)およびβアクチン(下方パネル)のウエスタンブロット分析である。PFR刺激海馬内のニューロトリプシンにより開裂されたアグリンの90kDaフラグメントのシグナル強度は、刺激なしコントロールにおけるよりはるかに強度である。 図5Bは、βアクチンシグナル強度により標準化されたアグリンの90kDaフラグメントのシグナル強度の比率を示している。刺激なしコントロールにおけるシグナル強度の平均値は、1に設定した。3件の独立実験は、刺激なしコントロールに比較してPFR刺激によるアグリンフラグメントの有意な30%増加を示した(Studentのt検定によるとp<0.05)。 長期間増強の化学的刺激がニューロトリプシン依存方法で糸状仮足の数を増加させる方法を示している。 このヒストグラムは、4種の相違する条件下で海馬CA1錘体ニューロンの二次先端樹状突起(Dend)1μm当たりの糸状仮足(Fil)の数を示している。野生型マウス(wt)では、ピクロトキシン、ホルスコリン、およびロリプラム(PFR)の組み合わせによる刺激は、刺激なしコントロールに比較して糸状仮足の数の有意な増加を誘導した(No Stim;Studentのt検定によるとp<0.01)。これとは対照的に、ニューロトリプシン欠損性マウス(ntd)は、PFR刺激による糸状仮足の数における有意な変化を示さなかった。 ニューロトリプシン欠損性マウス(ntd)における海馬CA1錘体ニューロンの二次先端樹状突起(Dend)1μm当たりの糸状仮足(Fil)の数を示しているヒストグラムである。PFR刺激単独(PFR)は、刺激なしコントロール(No Stim)に比較して糸状仮足の数の有意な増加を誘導しなかった。ピクロトキシン、ホルスコリン、およびロリプラム(PFR)ならびに22kDaフラグメントの共投与(PFR+22−kDa)は、糸状仮足の数における化学的刺激誘導性増加を救済した(Studentのt検定によるとNo StimおよびPFRに対してp<0.001)。さらに、PFR刺激を行わなかった22kDaフラグメント(22−kD frag)もまた糸状仮足の数における有意な増加を誘導した(Studentのt検定によるとNo Stimに対して、p<0.001)。 そこで、アグリンの22kDaフラグメントは、ニューロトリプシン欠損性マウスにおける糸状仮足の数の増加を誘導する。 野生型(+/+)およびニューロトリプシン欠損性(−/−)マウスの脳ホモジネートについてのウエスタンブロット分析を示す図である。アグリンの22kDaフラグメントは、野生型マウスにおいてしか検出されないことを留意されたい。これは、22Daフラグメントが実際にアグリンのニューロトリプシン依存性開裂の結果であることを示している。 野生型(+/+)、ホモ接合性ニューロトリプシン欠損性(−/−)、およびヘテロ接合性ニューロトリプシン欠損性(+/−)マウスの血清についてのウエスタンブロット分析を示す図である。アグリンの22kDaフラグメントは、機能的ニューロトリプシンを発現するマウス(+/+および+/−)においてしか存在しないことが示されている。 さらに図8A、Bの両方から、アグリンの22kDaフラグメントがマウスの脳ホモジネート中および血液中において存在することは明白である。 1カ月間〜86年間の年齢範囲にあるヒトのCSFサンプルについてのウエスタンブロット分析を示す図である。各レーンでは、10μLのヒトCSFを分析した。市販で入手できる勾配SDS−PAGEゲル(NuPAGE、4〜12%)を使用した。免疫検出は、アグリンの22kDaフラグメントに対する抗体R139を用いて実施した。神経発達中のニューロトリプシンの上昇した発現レベルによると、アグリンのニューロトリプシン依存性22kDaフラグメントは、2〜9月齢の年齢で最も豊富である。 ヒトCSFにおいて見いだされる22kDaフラグメントのLC/MS分析を示す図である。提示した配列は、22kDaフラグメントおよびβ開裂部位に先行する5つのアミノ酸を含んでいる(配列部分2)。数人の個人のCSFサンプルをプールし、ウエスタンブロット分析により同定した22kDaフラグメントを富裕化するためにそれらのタンパク質をクロマトグラフィーによって分離した。22kDaフラグメントが富裕な画分をSDS−PAGEゲルから切り出し、LC/ESI/MS/MS分析にかけた。2種のペプチド、ペプチド#1(配列部分3)および#2(配列番号4)が同定された。どちらもアグリンの22kDaフラグメントに局在化された。 図9AおよびBは、アグリンの22kDaフラグメントがどちらもヒト脳脊髄液(CSF)中で検出できることを示している。 アグリンの22kDaフラグメントについて免疫応答性の強力なバンドを示しているクロマトグラフィーによって処理されたヒト血清のウエスタンブロット分析を示す図である。しかしその同一性についての最終確認はMS分析を必要とするが、本試験の結果はアグリンの22kDaフラグメントをヒト血清中で見いだせるという強力な証拠である。
本発明の方法においてバイオマーカーとして使用されるプロテオグリカンであるアグリンのC末端22kDaフラグメントは、その固有の処理酵素であるニューロトリプシンによるアグリンのタンパク質分解性開裂の1つの自然に生成された産物である。
アグリンは、明確に特性付けられた分子である(Bezakova et.al.,2003;Sanes and Lichtman,,2001)。アグリンは、約220kDaのコアタンパク質質量を有する。アグリンは、数種のアイソフォームおよびスプライス変異体で存在する。
図2Aに示したように、アグリンはαおよびβ開裂部位と称する2つの相同部位でセリンプロテアーゼであるニューロトリプシンにより開裂される。HeLa細胞における2種のタンパク質の共発現の結果として生じるニューロトリプシンによるアグリンの開裂は、培養上清中へのアグリンの3つのフラグメントを遊離させる(実施例1および図1B)。22kDaフラグメントは、アグリンのβ開裂部位からC末端までの範囲に及ぶ。90kDaのフラグメントはαからβ開裂部位の範囲に及ぶが、そこで他方α開裂部位からC末端の範囲に及ぶ110kDaフラグメントは、β部位での不完全の開裂の結果である。N末端フラグメントは細胞とともに残存し、おそらくはエンドサイトーシスによって高速分解される。
どちらの開裂部位も明白に同定され、相同であり、進化中には保存されることが見いだされた(実施例2)。
用語「アグリンの22kDaフラグメント」は、本出願において使用される場合はアグリンのβ開裂部位からC末端に及び、インビボで発生するフラグメントのすべての相違するアイソフォームおよびスプライス変異体を含むものとする。一部の刊行物では、アグリンのC末端ラミニンGドメイン(LG3)は、20kDaフラグメントと呼ばれている。この用語が意味するタンパク質は、構造に関しては本発明によって使用されるフラグメントと同等であるが、その機能を試験する目的でアグリンのC末端ラミニンLGドメインに対応する組換えタンパク質として人工的に生成されてきた。これとは対照的に、アグリンのC末端LGドメインがニューロトリプシン依存性タンパク質分解開裂によりアグリン分子の残りから分離されることは、本明細書に提示した本発明の必須態様である。アグリンの22kDaフラグメントは、いわゆるβ開裂部位でのタンパク質分解性開裂後にのみ移動性になり、その生成部位から脳脊髄液または血液中へ転位し、そこで確立された検出方法に基づいて検出できるのでバイオマーカーとして機能できる。
上述した国際公開第2006/103261号パンフレットから、阻害物質がニューロトリプシンの活性に及ぼす作用を決定するための試験方法は公知である。公知の方法の典型的なプロトコールは、阻害物質がニューロトリプシンおよびアグリンと一緒にインキュベートされることを提供し、アグリンの開裂の量は、ニューロトリプシンのタンパク質分解活性によって生成されたフラグメントの測定に基づいて決定される。
公知の方法は、限定された数の反応パートナーを用いたインビトロ酵素アッセイに関する。インビボでの状況ははるかに複雑であるので、脳および神経外組織中でのニューロトリプシンのインビボ活性について報告するために、アグリンの特殊フラグメントもCSFまたは血液中で見いだしてインビボバイオマーカーとして使用できると予想することはできなかった。第1に、タンパク質またはペプチドのインビトロ開裂から、開裂がインビボでも発生するとは結論付けることができない。インビトロ開裂は、人工の実験反応である。インビトロ開裂は、タンパク質分解酵素とタンパク質とを試験管内に一緒に入れ、開裂反応を発生させるためにそれらを一緒にインキュベートする工程によって達成される。これとは対照的に、タンパク質またはペプチドのインビボ開裂は、反応を発生させるためには、空間および時間において所定のタンパク質分解酵素と共局在化することを必要とする。例えば、アグリンを膵セリンプロテアーゼトリプシンによって開裂できることはインビトロで証明できる。しかし、トリプシンはアグリンをインビボでは開裂できないが、それはアグリンがインビボではトリプシンと共局在化していないからである。本発明者らは、遺伝子ターゲティングによるニューロトリプシンの選択的不活性化がアグリンの開裂を完全に無効にすることを見いだした(実施例3)。これは、インビボではニューロトリプシンしかアグリンを開裂できず、他のトリプシン様セリンプロテアーゼ類、例えばインビトロでアグリンを開裂できるトリプシンはインビボではアグリンを開裂しないことを示している。第2に、ニューロトリプシンによるアグリンのインビボ開裂がホモジナイズ化された組織中で見いだされるという事実からさえ、アグリンのニューロトリプシン依存性フラグメントがCSFまたは血液中で見いだされるかどうかを予測することはできない。CSFおよび血液中では、全長アグリンおよび90kDaフラグメントは、極めてわずかな量でしか見いだされない。ニューロトリプシンは、CSFおよび血液中では検出不能である。このため、ニューロトリプシンによるアグリンの開裂は、CSF中でも血液中でも発生しないが、細胞表面上または細胞外マトリックス内でアグリンおよびニューロトリプシンが遭遇する神経および非神経組織の内部では発生する。このため、CSFおよび血液中の22kDaフラグメントの発生は、明確に前例がなく重要な観察である。この結論を支持して、アグリンのN末端フラグメントも中央90kDaフラグメントもニューロトリプシンによるそれらの生成後にはCSFまたは血液中では出現しないと述べることができる。このため、ニューロトリプシンのタンパク質分解活性により生成されるアグリンの3つのフラグメント中、22kDaフラグメントだけがCSFおよび血液中へ効率的に転位され、他の2つのフラグメントは転位されない。
CSFおよび血液中のアグリンの22kDaフラグメントの発生は、脳および非神経組織各々におけるニューロトリプシン活性のレベルを反映する。
脳内でのニューロトリプシン活性に関して、本発明者らは、最初に野生型マウスの脳ホモジネートが、ニューロトリプシン欠損性マウスの脳ホモジネート中では対照的に見いだされないアグリンの22kDaフラグメントを含有することを証明した(実施例3)。さらに、本発明者らは、シナプトソームと呼ばれる単離シナプスの調製物中でのアグリンの22kDaフラグメントの存在を証明することができた。この観察所見は、脳由来のアグリンの22kDaフラグメントが、ニューロトリプシンが分泌されるシナプスを起源とし、細胞外空間内でアグリンと遭遇することを示している。シナプスまたはシナプスの近位でのアグリンの局所的開裂後に、22kDaフラグメントはCSFへ選択的に転位する。このため、CSF中のアグリンの22kDaフラグメントのレベルは、CNSシナプスでのニューロトリプシン活性について報告する。
非神経組織中でのニューロトリプシン活性に関して、本発明者らは、ニューロトリプシンが腎臓および肺で発現すること、ならびに腎臓および肺におけるアグリンのニューロトリプシン依存性開裂が90kDaおよび22kDaのアグリンフラグメントを生成することを証明した。腎臓および肺はどちらも高度に血管化された組織であるので、血液内で見いだされるアグリンの22kDaフラグメントの少なくとも一部が腎臓および/または肺を起源とする可能性は極めて高い。このため、血液中で見いだされる22kDaフラグメントのレベルは、腎臓および/または肺におけるニューロトリプシン活性について報告する。
血液中で見いだされるアグリンの22kDaフラグメントの画分は、神経筋接合部を起源とする可能性が極めて高い。本発明者らは、運動神経に沿って骨格筋へ運ばれる運動ニューロン由来ニューロトリプシンが神経筋接合部でアグリンを開裂することを見いだした。NMJで遊離されるアグリンの22kDaフラグメントは、血液中へ転位する可能性が最も高い。このため、血液中で見いだされるアグリンの22kDaフラグメントのレベルは、NMJでのニューロトリプシン活性についても報告する。
CSFおよび血液中のアグリンの22kDaフラグメントのレベルを測定することによる脳中または神経外組織中でのニューロトリプシン活性の評価は、各々ニューロトリプシン依存性の生理学的または病理学的状態についての結論を引き出すことを可能にする。
本発明者らは、ニューロトリプシンがCNS中でのシナプス可塑性の促進因子であると認識した。本発明者らは、ニューロトリプシンによるシナプス可塑性の促進はアグリンの開裂に左右され、これはC末端22kDaフラグメントの生成および遊離を生じさせることを証明した(実施例4)。22kDaフラグメントは、シナプス刺激性を有し、したがって可塑性促進性活性を有する。海馬組織スライスに基づく実験モデル系を使用して、本発明者らは、長期間増強の誘導後の糸状仮足促進がニューロトリプシン欠損性マウスにおいて無効にされることを見いだした(実施例5)。本発明者らは、アグリンの開裂を介するニューロトリプシンによって生成された22kDaフラグメントは、樹状糸状仮足の数を増加させることを通してシナプス可塑性のニューロトリプシン依存性促進において有益であることもまた見いだした(実施例6)。樹状糸状仮足は、シナプスの前駆体である。樹状糸状仮足の増加は、CNSにおけるシナプス回路の再組織化を促進する。ニューロトリプシン欠損性マウスの海馬を用いた実験は、アグリンの22kDaフラグメントのニューロトリプシン依存性生成を伴わないと、樹状糸状仮足の活性依存性促進は機能的ではないことを証明した。そこで、病理的ニューロトリプシン依存性状態とアグリンの22kDaフラグメントとの直接的関連を動物において確立することができよう。マウスにおけるこの観察所見は、適応シナプス可塑性がニューロトリプシンを伴わないと機能的ではないこと、そして精神遅滞とも呼ばれるより高度の(認知)脳機能における強度の欠損性が生じるという、ニュートリプシンが欠損するヒト個体において行われた観察所見に明確に一致している(Molinari et.al.,2002)。このため、CSF中でのアグリンの22kDaフラグメントを測定することによるシナプスでのニューロトリプシンの活性を監視することは、例えばニューロトリプシン依存性シナプス可塑性などのニューロトリプシン依存性シナプス機能のダウンレギュレーションの診断を許容する。
また別の実験では、アグリンの22kDaフラグメントはマウスおよびヒト患者の血液またはCSF中で検出できることが証明された。アグリンの22kDaフラグメントを検出するための抗体は、最初にアグリンの組換え22kDaフラグメントを生成し(実施例7)、その後にそのフラグメントを抗体産生のために一般に使用される方法のいずれか1つを用いることで生成される(実施例8)。
アグリンの22kDaフラグメントに対する抗体を使用して、マウスの脳ホモジネートおよび血液中(実施例9)ならびにヒトCSF(実施例10)および血液(実施例11)中におけるその存在が証明された。これは、このフラグメントをルーチン用途のために適切なバイオマーカーにさせる。
したがって本発明は、患者サンプル中でのアグリンの22kDaフラグメントの量を測定することによってニューロトリプシンのインビボ活性を決定するための方法を含んでいる。この方法を使用することによってニューロトリプシン関連性障害を診断または監視することができ、このフラグメントは、一般にはすべてのニューロトリプシン関連性障害のためのバイオマーカーとして使用できる。
そのような障害は、特別にはニューロトリプシンのダウンレギュレーションによって誘発される疾患であってよく、このとき用語「ダウンレギュレーション」は遺伝子レベル上の調節プロセスを含むだけではなく、ニューロトリプシンの活性に影響を及ぼす代謝プロセスに反映することができる。
本発明の好ましい実施形態では、アグリンフラグメントは、例えばニューロトリプシン依存性神経遅滞およびサルコペニア、高齢者の骨格筋萎縮などのニューロトリプシンに関連する神経または神経筋系の疾患もしくは障害のバイオマーカーとして使用される。
アグリンの22kDaフラグメントは、上述した障害または疾患を診断するために使用できる。診断とは別に、ニューロトリプシンに関連した疾患の傾向またはプロセスを監視するために問題のバイオマーカーを使用することもまた可能である。
上述したように、広範囲の疾患もしくは障害は酵素ニューロトリプシンまたはその活性と結び付けることができると思われる。このため1つの重要な治療的アプローチは、インビボでニューロトリプシンの活性に影響を及ぼす、特別には阻害する物質を見いだすことである。さらにこの状況では、すなわち例えばニューロトリプシン阻害剤としての物質の可能性のある適用性を決定するために実施された臨床または前臨床試験において、アグリンの22kDaフラグメントはバイオマーカーとして使用できる。そのような試験の設計は、当業者にとっての問題を表していない。それらがニューロトリプシンに及ぼす可能性がある作用のために選択された様々な物質で治療される患者におけるアグリンの22kDaフラグメントのインビボ測定を可能にするあらゆる設計が適合する。
バイオマーカーとしてのアグリンの22kDaフラグメントを使用することにおける1つの主要な利点は、このフラグメントがどちらもルーチン用途において分析できる体液である血液またはCSF中で検出できることである。フラグメントの検出は、ELISA、免疫ブロット(ウエスタンブロット)技術、RIA、フローサイトメトリー、蛍光偏光、ラテックス凝集法、ラテラルフローアッセイ、免疫クロマトグラフィーアッセイ、免疫チップ法、ディップスティック免疫試験、または一部の例だけを挙げれば任意の他の方法(例、化学発光、Luminex)と併用したビーズをベースとする技術のような当分野において公知の通常の方法によって実施できる。
血液またはCSFを用いて作業することの1つの主要な利点は、上述した組織中でのニューロトリプシンによるタンパク質分解性開裂後にはアグリンの22kDaフラグメントしか遊離されないことである。全アグリン分子は、血液またはCSF中には存在していない、または極めてわずかな程度にしか存在していないので、血液中のフラグメントの検出は全アグリンとその22kDaフラグメントとを必ずしも鑑別できない抗体を用いて実施することができる。
アグリンの22kDaフラグメントへ選択的に結合する抗体またはその他の種類の特異的結合タンパク質は、当業者であれば誰でも生成することができる(Roque et.al.,2004;Gill and Damle,2006)。好ましくは天然または組換え抗体もしくはその他の特異的結合タンパク質は、標的として組み換え技術もしくは化学合成によって調製されるアグリンの22kDaフラグメントまたはその一部分を使用することによって生成される。
本発明に規定したアグリンの22kDaフラグメントは、配列番号12のヒトアグリンの22kDaフラグメントであり、これはさらにB/z部位でアグリンアイソフォームの8、11または19(8+11)個のアミノ酸インサートを含んでいてよい。ヒトアグリンでは、B/z部位は、LG3ドメイン内でアミノ酸Serl884とGlul885との間に局在する(図1およびUniProtKB/Swiss−Prot O00468)。挿入配列は、ELANEIPV(B/z 8;配列番号13)、PETLDSGALHS(B/z 11;配列番号14)またはELANEIPVPETLDSGALHS(B/z 19;配列番号15)であってよい。本発明では、用語「アグリンの22kDaフラグメント」は配列番号12によって規定されたタンパク質の変異体または8、11もしくは19の追加のアミノ酸を備える対応するアイソフォームをさらに含んでいるが、このとき1つ以上、特別には1、2、3または4つのアミノ酸は他のアミノ酸で置換される、および/または12個までのアミノ酸はC末端もしくはN末端のいずれかで欠失される、または30個までのアミノ酸がN末端で付加される。N末端でのそのような追加のアミノ酸は、例えば適切な細胞中での組換え合成および発現による調製方法に起因して存在する。アグリンの22kDaフラグメントの定義下に入れられるそのようなタンパク質の例は、精製を単純化するためにグリシン−セリン(GS)リンカーを備える8xHisタグおよびN末端での4個の追加のアミノ酸をさらに含有している、実施例7によって調製された配列番号12のタンパク質である。真核細胞内での発現中にグリコシル化さもなければ修飾されるタンパク質もまた、アグリンの22kDaフラグメントの本定義に含まれている。
アグリンの22kDaフラグメントに対して向けられた抗体またはその他の結合タンパク質は、アグリンの22kDaフラグメントの一部分だけ、例えばアグリンの22kDaフラグメントの配列から取り出された配列を備える18アミノ酸のペプチドを使用して生成することもできる。
さらに、組み換え技術によって調製されたアグリンの22kDaフラグメントは、キャリブレーション目的で請求項1に記載の方法における参照物質として使用されることもまた本発明に含まれる。
(真核細胞中でのアグリンとニューロトリプシンとのコトランスフェクションは2つの部位でのアグリン開裂を生じさせる)
ニューロトリプシンのための基質としてのアグリンを試験するために、HeLa細胞をラットアグリン(x4y8)単独、または野生型ニューロトリプシン(wt)もしくは活性部位SerがAlaへ突然変異したニューロトリプシンの不活性形(S/A)のいずれかと一緒の膜貫通アイソフォームを用いてトランスフェクトした。
ニューロトリプシンを発現させるために、全長ヒトニューロトリプシンのコーディング領域(CAA04816)をpcDNA3.1ベクター(Invitrogen社)内に挿入した。触媒不活性のニューロトリプシン(S/A)は、オーバーラップエクステンションPCRによってSer825をAlaへ突然変異させることによって生成した。膜結合全長アグリンを発現させるために、ラットアグリンのMet〜Pro1948の範囲に及ぶコーディング配列(P25304、アイソフォーム4、スプライス変異体y4z8)をpcDNA3.1内に挿入した。HeLa細胞は、10% FCSを補給したDMEM(Biochrom社)を含む12ウェル培養皿(Corning社)内で60〜80%のコンフルエンシーへ培養させた。ポリエチレンイミン(PEI)は、Baldi et.al.,2005に記載されたようなトランスフェクション試薬として使用した。トランスフェクション混合物は、トランスフェクションの4〜6時間後にリン酸緩衝食塩液(PBS)を用いて1回洗浄する工程により取り除いた。FCSを含まないDMEM中での48時間培養後に、培地を採取し、細胞を150mM NaCl、0.5mM EDTA、10%グリセロール、20mM Tris−HCl中の1% Triton−X−100(pH7.4)中に溶解させた。開裂産物を分析するために、上清および細胞溶解液を4〜12% NuPAGEゲル(Invitrogen社)上で分離し、免疫検出法によって分析した。
アグリン単独を用いてトランスフェクトした細胞の溶解液中において、全長アグリンに特徴的な250kDaを超えるスメアは、そのC末端部分に対して立てられた抗体を用いたウエスタンブロットにおいて検出された(図2A)。同一シグナルは、不活性ニューロトリプシンとともにコトランスフェクトされた細胞の溶解液中でも見いだされた。野生型ニューロトリプシンがアグリンとともにコトランスフェクトされた場合は、アグリンシグナルは細胞溶解液中で見いだされなかった。しかし、110、90、および22kDaの新規バンドが培養上清中で見いだされた。これらのアグリンフラグメントは、ニューロトリプシンの不活性形を用いたコトランスフェクションの上清中では全く見いだされなかった。まとめると、これらの結果は、タンパク質分解活性のニューロトリプシンがアグリンを開裂させ、結果として培養上清中への3つのC末端フラグメントの遊離を生じさせることを証明した。
(アグリンの2つのニューロトリプシン依存性開裂部位は相同であって進化的に保存されている)
アグリンのニューロトリプシン依存性開裂部位を決定するために、PEIトランスフェクション法を使用して、ラットアグリンの膜貫通全長形(スプライス変異体y4z8)またはLG2、EG4、およびLG3ドメインを含むアグリンのC末端フラグメントのいずれかを用いてニューロトリプシンをHEK293T細胞中で共発現させた(Baldi et.al.,2005)。3日後、上清を採取した。90kDaフラグメントを精製するため、全長アグリンでトランスフェクトした細胞の1Lの上清を20mM Tris−HCl(pH7.5)中の150mM NaClを用いて平衡化させたヘパリンセファロースCL−6Bカラム(GE Healthcare社)上に装填した。タンパク質は、20mM Tris−HCl(pH7.5)中で150mMから1MのNaClへの勾配で溶出させた。22kDaフラグメントは、製造業者の勧告にしたがってStrepTactinカラム(IBA社)を用いてアグリンのC末端フラグメントでトランスフェクトした細胞の24mL培地からそのC末端StrepTagによって精製した。Edman分解によるN末端シーケンシングのために、ペプチドサンプルは4〜12% NuPAGEゲル上で分離し、PVDF膜上へ電気移動させ、Functional Genomics Center Zurich(チューリッヒ機能的ゲノミクスセンター)でProcise 492 cLCシーケンサー(Applied Biosystems社)上で分析された。
この方法で、N末端配列ASCYN SPLGCCSDGK(配列番号5)は90kDaフラグメントに対して、およびSVGDLETLAF(配列番号6)は22kDaフラグメントに対して見いだされた。このため、1つの開裂部位は、第1S/Tセグメントと配列PIER−ASCY(配列番号7、図3)内のArg995のC末端にあるSEAドメインとの間に局在化された。第2の開裂部位は、第4EGF様と配列LVEK−SVGD(配列番号8、図3)内のLys1754のC末端にあるLG3ドメインとの間に局在化された。アミノ酸数は、膜固定ラットアグリンに関する(P25304;スプライス変異体x4y0)。本発明者らは、R995とA996との間の切断可能な結合をα開裂部位と命名し、K1754とS1755との間の切断可能な結合をβ開裂部位と命名した。
ラットアグリンの2つの開裂配列と様々な脊椎動物種の対応するセグメントとのアラインメント(表1)は、開裂部位をフランキングするアミノ酸の厳密な保存を証明した。
Figure 2010526994
表1から明白であるように、α部位はP1において厳密に保存されたArgとP2において厳密に保存されたGluとを有していた。β部位は、P1において厳密に保存されたLysとP2において厳密に保存されたGluとを有していた。P3位置での残基はより変動性であったが、他方主として無極性残基は両方の部位のP4で見いだされた。切断可能な結合のC末端側では、P1’およびP2’残基は、主としてα部位ではAla−Ser配列およびβ部位ではSer−Ala配列が各部位で良好に保存されている。良好に保存されたが別個の残基は、2つの部位のP3’およびP4’で見いだされた。
これらを要約すると、αおよびβ部位のコンセンサス配列は、P1およびP2残基の厳密な保存、P3位置の可変性の占有、ならびにP4、P1’、P2’、およびP3’での高度の保存を伴う同一プロファイルを示す。αおよびβ部位の個別コンセンサス配列の全プロファイルは、2つの開裂部位の結合コンセンサス配列が生成された場合に維持され(表2)、これはαおよびβ部位での個別開裂配列間の相同性を確証している。
Figure 2010526994
(アグリンのニューロトリプシン依存性開裂はインビボで発生してニューロトリプシン欠損性マウスでは見いだされない)
本発明者らは、アグリンフラグメントの存在について野生型およびニューロトリプシン欠損性マウス由来の相違する組織について調査した。脳、肺、および腎臓は10月齢の野生型およびニューロトリプシン欠損性マウスから単離した。約1gの各組織はPotterホモジナイザーを用いてプロテアーゼ阻害剤のカクテル(Sigma社)を含有する1mLの溶解バッファー(320mMスクロース、5mM HEPES(pH7.4))中でホモジナイズした。細胞溶解液(40μgの腎臓、80μgの脳/肺)は、免疫ブロッティング法を使用してニューロトリプシン発現およびアグリン開裂について分析した。βアクチンは、アグリン免疫ブロット法の剥離膜上で精査した。図4に示したように、全長アグリンについての強度の免疫応答性は、野生型マウスの脳、腎臓、および肺中で検出された。これらの組織中では、本発明者らは、アグリンの90kDa開裂産物もまた見いだした。22kDa開裂産物は、脳および腎臓中では容易に検出可能であったが、肺中には存在しなかった。ニューロトリプシン欠損性マウスでは、アグリン免疫応答性は、22kDaまたは90kDaで検出可能であった。これらの結果は、ニューロトリプシンによるアグリン開裂はインビボで発生し、さらにニューロトリプシン欠損性マウスにおける開裂産物の不在は、アグリン開裂がニューロトリプシンに厳密に依存することを示している。
(長期増強(LTP)の誘導はCNS組織中でのニューロトリプシンの増加したタンパク質分解活性を生じさせ、結果として22kDaフラグメントを含むアグリンフラグメントの生成を生じさせる)
学習様神経活性がニューロトリプシンのタンパク質分解活性に及ぼす作用は、海馬のCA1領域の組織スライス内での長期増強(LTP)の誘導によって証明される。現時点で、LTPは、細胞、分子および電気生理学的レベルで最も広汎に認められた学習および記憶との相関物である(Martin et.al.,2000)。LTPに参加するシナプスの数を最大化するために、LTP誘導の化学的プロトコール(Otmakhov et.al.,2004)がピクロトキシン(50μM)、ホルスコリン(50μM)、およびロリプラム(0.1μM)の組み合わせとともに使用された。これらの化合物の組み合わせは、電気刺激を全く必要とせずに数時間にわたり持続する強力なLTPを誘導する。
海馬スライスを調製するために、海馬を隣接脳皮質と一緒に4〜5週齢のC57BL/6マウスから迅速に切除し、McIlwain機械的組織チョッパー(The Mickle Laboratory Engineering社)を使用して海馬の長手軸に対して垂直に厚さ400μmのスライスへ切片作製する。これらのスライスは、カルシウムを含まない、95% O/5% COで酸素化した人工脳脊髄液(ACSF)(120mM NaCl、3mM KCl、1.2mM NaHPO、23mM NaHCO、11mMグルコース、2.4mM MgCl)中へ移し、脳組織が解剖損傷から回復するために十分な時間を提供するために、室温で1時間にわたりインキュベートした。プレインキュベーション後、これらのスライスは20分間にわたりカルシウムを含むACSF(120mM NaCl、3mM KCl、1.2mM NaHPO、23mM NaHCO、11mMグルコース、4mM CaCl)中でインキュベートする。次に16分間にわたり50μMピクロトキシン、50μMホルスコリン、および0.1μMロリプラムの組み合わせと一緒にインキュベーションすること(PFR刺激)によってスライス内で化学的LTPを誘導する。
スライス内のニューロトリプシンのタンパク質分解活性を試験するためには、その基質であるアグリンのタンパク質分解処理をウエスタンブロット分析によって評価する。PFR刺激の直後に、スライスは、1% Triton X−100、0.32Mスクロース、0.5mM EDTA、5mM HEPES(pH7.4)中でホモジナイズする。破片は、遠心分離(4℃で30分間にわたり16,000×g)によって除去する。上清のタンパク質(75μgのタンパク質)は、10% SDSポリアクリルアミドゲル中で電気泳動法により分離し、次にPVDF膜へ電気移動させる。引き続いて、膜をメタノール中に10秒間浸漬し、ブロッキングのために乾燥させる。ブロッキング後、膜は、0.1% Tween−20(TTBS)を含有するTris緩衝食塩液(TBS;0.15M NaCl、10mM Tris−HCl(pH8.0))中で希釈したアフィニティ精製ウサギ抗アグリンポリクローナル抗体(R132;1μg/mL)とともにインキュベートした。R132は、ニューロトリプシンによるαおよびβ部位でのアグリンの開裂により生成されるアグリンの中央90kDaフラグメントを認識する。TTBS中で10分間にわたり3回洗浄した後、膜はペルオキシダーゼ(Sigma社;1:10,000に希釈)とコンジュゲート化した抗ウサギIgG抗体を含有するTTBS中において4℃で一晩インキュベートし、次にTTBS中で3回、TBS中で1回洗浄する。続いて、アグリンフラグメントを可視化するために5分間にわたり化学発光基質(CHEMIGLOW;Alpha Innotech Corporation社)中に浸漬する。化学発光シグナルは、ChemiImager(Alpha Biotech社)を用いて検出した。
図5Aに示したように、ニューロトリプシン依存性90kDaアグリンフラグメントの量は、非刺激コントロール(No Stim)と比較してPFR刺激(PFR)によって増加する。この増加は、Studentのt検定によって決定されるように、統計的有意である(相違するサンプルを用いた3例の独立ブロッティング実験;p<0.05;図5B)。この結果は、PFR刺激がニューロトリプシン依存性タンパク質分解活性の増加を誘導することを示している。アグリンの90kDaフラグメントの量の増加はさらにまた、アグリンのC末端フラグメントである22kDaフラグメントの増加も示すが、それはアグリンの90kDaフラグメントが22kDaフラグメントの生成を伴わずに生成されることはあり得ないからである。
(ニューロトリプシンのタンパク質分解活性および結果として生じるCNS組織中のアグリンの22kDaフラグメントの生成の活性誘導性増加は、樹状糸状仮足の数の増加を生じさせる)
樹状糸状仮足の調査を可能にするために、Thy−1プロモーターの制御下で単一ニューロン内において緑色蛍光タンパク質(GFP)または膜標的化緑色蛍光タンパク質(mGFP)を発現するトランスジェニックマウス系をニューロトリプシン欠損性マウス系と交配させる。GFPまたはmGFPを発現するトランスジェニックマウスは、以前に記載されたように生成する(Feng et.al.,2000;De Paola et.al.,2003)。GFPまたはmGFPを発現するニューロトリプシン欠損性マウスは、ニューロトリプシン欠損性マウスと、単一ニューロン中でGFPまたはmGFPを発現するトランスジェニックマウス系と交配させることによって生成される。以下の分析では、mGFPを過剰発現するホモ接合性ニューロトリプシン欠損性マウスおよび対応するmGFPを過剰発現する野生型マウスを5〜6週齢で使用する。
急性海馬スライスは、実施例4に記載したように調製し、PFRによって刺激する。刺激期間の直後に、スライスは4℃で4%パラホルムアルデヒド、4%スクロース、0.1Mリン酸緩衝食塩液(PBS)(pH7.4)中で一晩インキュベーションすることによって固定する。PBS中での洗浄後、スライスをスライド上に封入し、Vectashield封入剤(Vector Laboratory社)中でカバースリップを被せた。mGFPを発現する海馬CA1錘体ニューロンの二次先端樹状突起内の蛍光シグナルは、共焦点顕微鏡(Leica社)を用いて観察し、0.1221μmの間隔で連続画像を収集する。これらからImarisイメージングソフトウエア(Bitplane AG社)のSurpass Volumeモードを使用して三次元画像を再構成する。典型的な糸状仮足の数は、全方向から三次元画像を検査することによって12〜20本の独立樹状突起に沿って30〜40μmの長さに渡って手作業で計数する。樹状糸状仮足は、以下の形態学的基準にしたがって同定する。1)樹状膜突出部は、その長さが同一樹状突起上の棘の平均長の少なくとも2倍である場合に糸状仮足であると分類される;2)頭径対首径の比率は、1.2:1より小さい、3)糸状仮足長対首径の比率は、3:1より大きい(Grutzendler et.al.,2002)。
これらの結果は、PFR刺激下では、野生型(WT)マウスの海馬中の樹状糸状仮足の数は、非刺激コントロール中と比較して増加することを示している。12〜20の独立樹状突起からのデータを使用した統計的分析は、PFR刺激による糸状仮足の数における有意な増加を示している(Studentのt検定によるとp<0.01;図6)。これとは対照的に、PFRによる化学的刺激は、ニューロトリプシン欠損性マウス(ntd)マウスにおける糸状仮足の数を変化させない(図6)。これは、ニューロトリプシンが糸状仮足の数における活性駆動増加のために必要とされることを示している。これを要約すると、これらの結果は、CNSニューロンにおけるニューロトリプシンの増加したタンパク質分解活性が増加した樹状糸状仮足の数を生じさせることを示している。
(CNSニューロンへのアグリンの22kDaフラグメントの投与は樹状糸状仮足数の増加を生じさせる)
アグリンのC末端フラグメントである22kDaフラグメントは、アグリンのβ開裂部位でのニューロトリプシンのタンパク質分解活性により自然に生成される。アグリンの組換え22kDaフラグメントは、実施例7において記載した通りに生成する。ニューロトリプシンによる22kDaフラグメント生成が樹状糸状仮足の数における活性駆動増加に関係しているかどうかを調査するために、海馬CA1ニューロンの樹状突起に沿った糸状仮足を、単一ニューロン中のGFPまたはmGFPを発現するホモ接合性ニューロトリプシン欠損性マウス由来の22kDaフラグメント処置急性スライス中で計数する。ニューロトリプシン欠損性マウスは、実施例9に記載したとおりに生成する。GFPまたはmGFPを発現するトランスジェニックマウスは、以前に記載されたように生成する(Feng et.al.,2000;De Paola et.al.,2003)。GFPまたはmGFPを発現するニューロトリプシン欠損性マウスは、ニューロトリプシン欠損性マウスと、単一ニューロンにおいてGFPまたはmGFPを発現するトランスジェニックマウス系と交配させることによって生成する。急性海馬スライスは、実施例4に記載したようにニューロトリプシン欠損性のmGFPを過剰発現するマウスから調製する。これらのスライスは、それらを4種の刺激条件に曝露させるために4群に分割する。刺激なし(No Stim)、PFRとのインキュベーション(PFR)、22kDaフラグメントおよびPFRの両方とのインキュベーション(22kDa frag+PFR)、ならびに22kDaフラグメントとのインキュベーション(22kDa frag)。22kDa fragおよび22kDa frag+PFRと指定した実験条件は、酸素化ACSF中での22nMの濃度でヒト、ラット、またはマウス22kDaフラグメント(実施例7に記載したとおりに調製した)を含有している。刺激期間(16分間)の直後に、実施例5に記載したとおりにスライスを固定し、スライド上に封入し、共焦点顕微鏡によってGFPを発現するニューロンの二次先端樹状突起から0.1221μmで連続画像を入手する。糸状仮足は、Imarisイメージングソフトウエアを用いた三次元画像の再構成後に、CA1錘体ニューロンの14〜20の二次先端樹状突起(各30〜40μm長)中で計数する。
図7に示したように、PFR刺激後の樹状糸状仮足の数の増加は、ニューロトリプシン欠損性マウスにおいては見られない(この作用は、実施例5および図6においても示した)。しかし、PFRへの22kDaフラグメントの添加は、野生型マウスにおいてPFRを用いて見いだされたレベルと同一レベルへのニューロトリプシン欠損性マウスからの海馬スライス内の糸状仮足の数の増加を再確立する(Studentのt検定によるとp<0.001)。これは、糸状仮足の数における活性駆動増加がアグリンからのニューロトリプシン依存性タンパク質分解性開裂による22kDaフラグメントの生成に依存すること(これは、ニューロトリプシン欠損性マウスでは発生しない)を証明している。さらに、22nMの精製組換えヒト22kDaフラグメント単独(PFRを含まない)の投与はPFRによる化学的LTPの非存在下で糸状仮足の有意な増加を誘導する。22kDaフラグメントの糸状仮足誘導作用は、LTP誘導性刺激の非存在下においても観察されるが、これは22kDaフラグメントがLTPの糸状仮足誘導作用の下流メディエーターであることを示している。要するに、これらの結果は、22kDaフラグメントが糸状仮足誘導因子として機能することを示している。
(ヒトアグリンの22kDa C末端フラグメントのクローニング、発現および精製)
アクセッション番号BC007649を備える、インサートとしてのヒトアグリンのcDNAの3’領域を有するBAC DNAを使用して、PCR増幅によりアグリンの最終LGドメインをコードするDNAフラグメントを生成する。使用されるPRCプライマーは、
HpaI部位(5’ヒトC)を導入している、(配列番号9)5’−GCG CGA GTT AAC CAC CAT CAC CAT CAC CAT CAC CAT TCA GCG GGG GAC GTG GAT ACC TTG GC−3’、および
NotI部位(3’ヒトC)を導入している、(配列番号10)5’−TTA CCT GCG GCC GCT CAT GGG GTG GGG CAG GGC CGC AGC TC−3’である。
この戦略を使用して、N末端8xHisタグをコードするDNA配列を挿入する。結果として生じるPCR産物は、制限酵素NotIおよびHpaI(プライマー配列中でボールド体により表記した)を用いて開裂され、同一制限酵素を用いたヒトカルシンテニン−1のシグナルペプチドに対するコーディング配列を含有するpEAK8ベクター内にクローニングする。結果として生じる構築体pEAK8−22kDaフラグメントは、22kDaフラグメントに対する分泌シグナルとしてのヒトカルシンテニン−1のシグナル配列のコーディング領域を含有している。プラスミドのクローニングならびに増幅は、大腸菌(E. coli)中で実施する。真核生物タンパク質合成のためには、HEK 293T細胞は、リン酸カルシウム法を用いてトランスフェクトする。HEK 293T細胞における翻訳中に、シグナルペプチドは開裂される。結果として生じる分泌タンパク質は、リーダー配列ARVNHHHHHH HH(SEQ ID NO:11)が配列番号12のアグリンのLG3ドメインおよびC末端を含むβ部位でのニューロトリプシン依存性アグリン開裂によって入手されるN末端に結合されている配列を有する。
SAGDVDTLAFD GRTFVEYLNA VTESEKALQS NHFELSLRTE ATQGLVLWSG KATERADYVA LAIVDGHLQL SYNLGSQPVV LRSTVPVNTN RWLRVVAHRE QREGSLQVGN EAPVTGSSPL GATQLDTDGA LWLGGLPELP VGPALPKAYG TGFVGCLRDV VVGRHPLHLL EDAVTKPELR PCPTP
このポリペプチドは、N末端ARVN−8xHisタグを伴わない約20kDaの分子量を有する。タグを含む総質量は、約21.5kDaである。
タンパク質産生のためには、HEK 293T細胞は、各々10%FCSが補給された100mL DMEM培地(GIBCO)を含む500cmの7枚の培養皿(Corning社)において80%コンフルエンシーへ培養する。トランスフェクションのためには、35mLの500mM CaClおよび35mLのHBSバッファー(50mM HEPES、140mM NaCl、1.5mM NaHPO(pH7.1))を室温へ平衡化させる。pEAK8−22kDaフラグメント発現構築体の2mgのDNAをCaCl溶液に加え、HBSバッファーと混合する。トランスフェクション混合物は、30分間にわたり室温でインキュベートする。HEK細胞の500cm培養皿をトランスフェクトするために、10mLのトランスフェクション混合物を培養へ滴下し、37℃で4時間インキュベートする。トランスフェクション混合物は次にPBSを用いて1回洗浄し、FCSを含まないDMEM培地の添加によって除去する。60時間後、馴化培地を採取し、Steritop 0.22μmフィルター(Millipore社)を用いて濾過する。上清は20mM Tris−HCl、400mM NaCl(pH8.5)に対して透析し、BioLogic液体クロマトグラフィーシステム(Biorad社)上でNi−NTAカラム(10mL HisSelect、Sigma−Aldrich社)を使用してIMAC精製を受けさせる。馴化および透析培地は5mL/分の流量で装填し、カラムは20CVの20mM Tris−HCl、400mM NaCl(pH8.5)で洗浄する。溶出については、10カラム容量について0〜250mMイミダゾールの線形勾配を使用する。純粋組換え22kDaフラグメントを含有する画分をプールし、15mLスピン濃縮装置(Millipore社)を用いて濃縮し、バッファーはNAP 25カラム(Pharmacia社)を用いて10mM MOPS、100mM NaCl(pH7.5)と交換する。精製タンパク質は液体窒素中で冷凍し、−80℃で貯蔵する。この方法で生成された22kDaフラグメントは、N末端8xHisタグ、それに続いて開裂部位βのP’残基およびアグリンの天然C末端を含有している。
同様に、同一ドメイン構造を含むラットまたはマウスアグリンの組換え22kDaフラグメントをクローニングし、発現させ、そして精製する。
標準クローニング技術を用いて他のタグを備える22kDaフラグメントまたは22kDaフラグメントのタグなし変異体を構築することもまた可能である。発現は標準真核または原核細胞系において達成され、所望のタンパク質の精製は、標準液体クロマトグラフィーまたは封入体からのリフォールディングのいずれかによって達成される。
インビボで見いだされる形態と同一である22kDaフラグメントを生成するためには、N末端His−タグを取り除き、22kDaフラグメントは、インビトロでニューロトリプシンを用いた消化によって、またはアグリンもしくは44kDaアグリンフラグメントの発現中に、LG3ドメインおよびアグリンの開裂部位β(例えば、全長アグリンまたは44kDaのC末端フラグメント)を含むアグリンのC末端フラグメントをコードする任意の種類のcDNAから生成する。22kDaフラグメントは、上述したように精製する。
(アグリンの22kDaフラグメントに対するポリクローナル抗体の生成)
アグリンのLG3ドメインに対するポリクローナル抗体は、50μgのラットアグリンLG3ドメインを用いてウサギを免疫することによって生成する。結果として生じる抗体は、ヒト、マウスまたはラット全長アグリンを検出するため、ならびにアグリンのLG3ドメインを含有するアグリンフラグメントを検出するために有用である。
(アグリンの22kDaフラグメントはマウスの脳ホモジネートおよび血液中で検出できる)
本発明者らは、マウスの脳ホモジネートの可溶性画分中および血清中でのアグリンフラグメントの発生について調節した。検出するために、本発明者らは90kDaおよび22kDaフラグメントに対して本発明者らの検査室で生成した特異的なアフィニティ精製抗体を使用した。22kDaフラグメントは、脳ホモジネートおよび血清の両方のウエスタンブロット上で容易に検出できた(図8)。ホモ接合性ニューロトリプシン欠損性マウスに含まれた脳ホモジネート(図8AおよびBにおける−/−)は22kDaフラグメントを含有していなかったが、他方ニューロトリプシン欠損性マウスのヘテロ接合性形(図8Bにおける+/−)は、減少したレベルの22kDaフラグメントを示した。まとめると、これらの結果は、ウエスタンブロット分析によって検出される22kDaフラグメントがニューロトリプシンの作用に起因すること、そして脳ホモジネートならびに血清の可溶性画分中で検出できることを示している。
(アグリンの22kDaフラグメントはヒトCSF中で見いだされる)
本発明者らは、さらにニューロトリプシン依存性アグリンフラグメントの存在についてヒトサンプルを、すなわち尿、血液、および脳脊髄液を試験した。今までのところ、本発明者らは、体液のいずれかにおける110kDaまたは90kDaフラグメントの存在についての証拠を何も見いださなかった。しかし、本発明者らは、脳脊髄液および血清の両方において22kDaフラグメントを見いだした。
図9Aに示したように、アグリンの22kDaフラグメントについての免疫応答性シグナルは、1カ月齢の小児からその後の発達段階および成人期を通して86歳の女性のCSFまでの範囲に及ぶ、試験した全年齢で見いだされた。初期出生後発達中のピーク発現を伴うニューロトリプシンの時間的発現パターンに基づいて予測されるように、本発明者らは、2カ月齢〜9カ月齢の小児のCSF中で最高量の22kDaフラグメントを見いだした。興味深いことに、86歳の女性において22kDaフラグメントの明白に上昇したレベルが見出された。しかし、この観察所見の生物学的または病態生理学的重要性についての結論を引き出すためには、明確により多くのサンプルを測定しなければならない。
22kDa免疫応答性バンドの同一性を検証するために、本発明者らは、脳脊髄液から基礎のタンパク質を単離し、それにLC/ESI/MS/MS分析にかけた。明白にその部分ペプチド配列をベースとするタンパク質を同定するために、それをトリプシン消化によってフラグメント化した。結果として生じたフラグメントを次に液体クロマトグラフィーによって分離し、MS/MS分析にかけた。図9Bに示したように、ヒトアグリンの22kDaフラグメントの第1の27アミノ酸(13アミノ酸(配列番号3)を含むペプチド#1;14アミノ酸(配列番号4)を含むペプチド#2)と正確にマッチする2つのペプチドが検出された。どちらのペプチドも塩基性アミノ酸で終了するが、これはそれらのトリプシン性を確証している。ペプチド#1は、アグリンのニューロトリプシン依存性β開裂部位から始まる。アグリンの22kDaフラグメントの両端の外側に位置するペプチドは見いだされなかった。まとめると、これらの結果は、ウエスタンブロットにおいて見いだされた免疫応答性22kDaバンドがアグリンのニューロトリプシン依存性22kDaフラグメントと同一であることを確証している。これらの結果は、CSFが脳内のニューロトリプシンの活性を監視するためのレポーター区画であることを示している。
(アグリンの22kDaフラグメントはヒト血液中で検出できる)
アグリンのニューロトリプシン依存性フラグメントについての探索を神経外サンプルにまで拡大した。図10に示したように、ヒト血清のウエスタンブロット分析は、明白な免疫応答性バンドを示した。しかし、血清中で検出されたシグナルは、CSF中で見いだされたシグナルより低強度であった。明確な検出のためには、シグナルを解明するために血清タンパク質のクロマトグラフィー分離および示差的濃縮が必要とされた(図10における矢印)。現在進行中の研究は、免疫応答性22kDaバンドがアグリンの誘導体と同一であることに関する構造的検証を目的としている。確証に成功すれば、血清もまたインビボでのニューロトリプシンを監視するためのレポーター区画として使用できよう。血清中の22kDaフラグメントに関する定量的データは、神経筋接合部、ならびに例えば腎臓および肺などの神経外組織でのニューロトリプシン活性についての結論を引き出すことができる。
[参考文献]
Figure 2010526994

Claims (14)

  1. ニューロトリプシンのインビボ活性を検出するための方法であって、アグリンの22kDaフラグメントの量を患者から採取したサンプル中で測定し、前記サンプル中のアグリンの22kDaフラグメントの測定した量を使用してニューロトリプシンの活性を計算する方法。
  2. 前記22kDaフラグメントを測定する前記サンプルが、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、またはリンパ液である請求項1に記載の方法。
  3. ニューロトリプシン関連性障害を診断および監視するための請求項1または2に記載の方法の使用。
  4. ニューロトリプシンの脱調節によって誘発される疾患を診断および監視するための請求項3に記載の使用。
  5. 神経系および神経筋系のニューロトリプシン関連性疾患および障害を診断および監視するための請求項3または4に記載の使用。
  6. 非神経系、特に腎臓および肺のニューロトリプシン関連性疾患および障害を診断および監視するための請求項3または4に記載の使用。
  7. ニューロトリプシンの活性に物質が及ぼす作用を確定するための臨床または前臨床試験における請求項1または2に記載の方法の使用。
  8. ニューロトリプシン関連性障害についてのバイオマーカーとしてのアグリンの22kDaフラグメントの使用。
  9. ニューロトリプシンの脱調節によって誘発される疾患を診断および監視するための請求項8に記載の使用。
  10. 神経系および神経筋系のニューロトリプシン関連性疾患および障害を診断および監視するための請求項8または9に記載の使用。
  11. 非神経系のニューロトリプシン関連性疾患および障害を診断および監視するための請求項8または9に記載の使用。
  12. ニューロトリプシンの活性に物質が及ぼす作用を確定するための臨床または前臨床試験におけるバイオマーカーとしてのアグリンの22kDaフラグメントの使用。
  13. 請求項1に記載の方法における参照物質としての、組み換え技術によって調製されたアグリンの22kDaフラグメントの使用。
  14. 天然の抗体もしくは組換え抗体またはその他の特異的結合タンパク質を生成するための標的としての組み換え技術または化学合成によって調製される、アグリンの22kDaフラグメントまたはその一部分の使用。
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