JP2010524958A - 改善された溶解度を有する両親媒性ペプチドおよびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
本明細書において、水性緩衝液における改善された溶解度を保有することが発見され、ひいては薬学的応用、特にヒト患者へのインビボ投与に必要な精製を容易にする、新規両親媒性ペプチド分子および組成物が開示される。加えて、そのような両親媒性ペプチド組成物のゲルは、機械的剛性の増大を含む予想外の優れたゲル化動態および流動学的性質を保有することが本明細書において示され、これは、天然の中枢神経系組織の機械的性質をよりよく模倣している。
Description
優先権
本出願は、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2007年4月17日に提出された米国特許仮出願第60/912,289号および2008年4月16日に提出された米国特許非仮出願第12/104,407号の恩典を主張する。
本出願は、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2007年4月17日に提出された米国特許仮出願第60/912,289号および2008年4月16日に提出された米国特許非仮出願第12/104,407号の恩典を主張する。
発明の分野
本発明は、概して、優れたゲル化動態および流動学的性質を有する新規の改善された両親媒性ペプチド(PA)、そこから自己集合した新規両親媒性ペプチドナノファイバー、ならびにそれらを作製方法および使用方法に関する。より詳しくは、本発明は、少なくとも3つの独自のセグメント、すなわちN末端またはその近傍に配置される非ペプチドの親油性セグメント、中間の構造ペプチドセグメント、およびC末端またはその近傍に配置される機能性ペプチドセグメントで構成される、両親媒性分子であって、ペプチドセグメントの特定のアミノ酸配列が、予想外に優れた性質、たとえば増大した溶解度を両親媒性ペプチドに付与し、それによって、ヒト被験体への投与などのインビボ応用に必要なレベル(たとえば、少なくとも95%の純度)まで精製することができる両親媒性分子に関する。
本発明は、概して、優れたゲル化動態および流動学的性質を有する新規の改善された両親媒性ペプチド(PA)、そこから自己集合した新規両親媒性ペプチドナノファイバー、ならびにそれらを作製方法および使用方法に関する。より詳しくは、本発明は、少なくとも3つの独自のセグメント、すなわちN末端またはその近傍に配置される非ペプチドの親油性セグメント、中間の構造ペプチドセグメント、およびC末端またはその近傍に配置される機能性ペプチドセグメントで構成される、両親媒性分子であって、ペプチドセグメントの特定のアミノ酸配列が、予想外に優れた性質、たとえば増大した溶解度を両親媒性ペプチドに付与し、それによって、ヒト被験体への投与などのインビボ応用に必要なレベル(たとえば、少なくとも95%の純度)まで精製することができる両親媒性分子に関する。
発明の背景
生体適合性の足場を使用する組織工学技術は、人工器官再建手術において現在用いられている材料に取って代わる実現性のある代用物を提供する。これらの材料はまた、疾患を有する、欠損した、または損傷した組織を交換するための組織または臓器同等物の形成においても有望である。加えて、生体適合性の足場を用いて、既定の領域への治療材料(たとえば、遺伝子材料、細胞、ホルモン、薬物、またはプロドラッグ)の徐放性放出のために用いられる可能性がある生体分解性材料を形成することができる。しかし、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、およびポリ酸無水物などの、これらの足場を作製するために今日用いられているほとんどのポリマーは、制御することが難しく、とりわけ、組織工学材料が利用される部位での細胞付着不良、および組み込み不良が起こる。したがって、研究の中心は、合成生体分子から形成された足場、より詳しくはインサイチューで自己集合することができる生体模倣性足場へと移っている。
生体適合性の足場を使用する組織工学技術は、人工器官再建手術において現在用いられている材料に取って代わる実現性のある代用物を提供する。これらの材料はまた、疾患を有する、欠損した、または損傷した組織を交換するための組織または臓器同等物の形成においても有望である。加えて、生体適合性の足場を用いて、既定の領域への治療材料(たとえば、遺伝子材料、細胞、ホルモン、薬物、またはプロドラッグ)の徐放性放出のために用いられる可能性がある生体分解性材料を形成することができる。しかし、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、およびポリ酸無水物などの、これらの足場を作製するために今日用いられているほとんどのポリマーは、制御することが難しく、とりわけ、組織工学材料が利用される部位での細胞付着不良、および組み込み不良が起こる。したがって、研究の中心は、合成生体分子から形成された足場、より詳しくはインサイチューで自己集合することができる生体模倣性足場へと移っている。
天然の組織を模倣するナノスケールでの構造を有するいかなる合成材料の調製も、難題となっている。1つのアプローチは、天然の細胞外マトリクスを構成するタンパク質およびプロテオグリカンに形態が類似したフィブリルへと自発的に集合する分子を調製することである。ほとんどの合成生体ポリマーとは対照的に、自己集合する小分子を用いることは、これらの高分子集合の化学的性質および構造的性質の制御を容易にする1-12。そのために、両親媒性ペプチドは、適した条件下で自己集合して、フィブリル様ミセル(当技術分野において「ナノファイバー」と呼ばれる)を形成することが最近示されており、そのようなナノファイバーは、生体適合性の足場として、より詳しくは組織工学の領域において特に有用性を有する13-26。しかし、多くのそのような分子は、大規模に合成および/または精製することが難しいことがわかっている。これは、部分的に、分子の両性イオンの性質(すなわち、陽電荷と陰電荷の双方を持つ)および非極性アミノ酸残基の比率が相対的に大きいことによるそれらの溶液中での凝集傾向による1,27,28。本発明は、インビボ応用に必要なレベルまで自動合成および精製を可能にする改善された物理的および化学的性質を有する新規両親媒性ペプチド分子および組成物を提供することによって、この必要性に取り組む。加えて、人工脳脊髄液(CSF)29-31において形成された本発明の改善された両親媒性ペプチド組成物のゲルは、天然の中枢神経系組織の機械的性質をよりよく模倣する増大した機械的剛性を保有することが本明細書において証明されており、次にこれが間葉幹細胞の改善された神経発生分化に相関するはずである32。
したがって、本発明の目標は、優れたゲル化動態および流動学的性質を有する改善された両親媒性ペプチド(PA)分子を提供することであり、そのようなPA分子には、少なくとも以下の3つのセグメントが含まれる:(1)全般的に1本のアルキル鎖で構成される、非ペプチドの親油性セグメント;(2)β-シート二次構造の形成能と、予想外の溶解度の増大との双方を分子に付与し、これによって液体クロマトグラフィー(LC)による精製が可能となる、構造ペプチドセグメント;および(3)セグメントにおけるアミノ酸の選び方およびその並べ方によって、発達の際に中枢神経系の天然の細胞外マトリクスに存在するタンパク質の結合ドメインを模倣する荷電アミノ酸を含む、機能性ペプチドセグメント。
本発明の1つまたは複数の局面は、一定の目標を満たすことができるが、1つまたは複数の他の局面が一定の他の目標を満たすことができることは当業者によって理解されると考えられる。それぞれの目標は、全ての点で本発明のあらゆる局面に等しく当てはまらない可能性がある。そのため、以下の目的対象を、本発明の任意の1つの局面に関する代用物と見なすことができる。
したがって、本発明の目的は、分子のペプチド部分がアミノ酸配列「SLSLAAA(X)n」(たとえば、SEQ ID NO:1)を含み、nが0〜5、より好ましくは1〜3の範囲の整数であり、Xが、たとえばグルタミン酸(E)およびアスパラギン酸(D)を含む酸性側鎖を有するアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基である、先に記述した両親媒性ペプチド(PA)分子を提供することである。脊髄再生のための足場として用いるために独自に適している1つの特に好ましい両親媒性ペプチドは、以下の構造を有し、これは本明細書においてSEQ ID NO:2と呼ばれる。
これらの好ましい態様において、親油性のアルキルセグメントは、ペプチド結合によってペプチド成分のN末端に付着し、「構造」ペプチドセグメントおよび「機能性」ペプチドセグメントは共に、1本の直鎖状のペプチド鎖を形成し、ペプチドのC末端は遊離の酸である。以下に詳細に考察されるように、SEQ ID NO:2は、自動合成および高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた精製を容易にする優れたゲル化動態および流動学的性質を保有する。
これらの好ましい態様において、親油性のアルキルセグメントは、ペプチド結合によってペプチド成分のN末端に付着し、「構造」ペプチドセグメントおよび「機能性」ペプチドセグメントは共に、1本の直鎖状のペプチド鎖を形成し、ペプチドのC末端は遊離の酸である。以下に詳細に考察されるように、SEQ ID NO:2は、自動合成および高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた精製を容易にする優れたゲル化動態および流動学的性質を保有する。
側鎖におけるカルボン酸基の数を変化させることができるのと同様に、酸性アミノ酸残基の側鎖の長さを増加または減少させることによっても、その残基を含有する両親媒性ペプチドの溶解度を改変することができる。したがって、本発明の目的は、分子のペプチド部分がアミノ酸配列「SLSLAAAX」(SEQ ID NO:3)を含み、Xがα炭素と1つまたは複数のカルボン酸残基とのあいだに炭素原子0〜5個、より好ましくは1〜3個を有するα-置換アミノ酸である、両親媒性ペプチド分子を提供することである。好ましい態様において、Xは、アミノマロン酸(Ama)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アミノアジピン酸(Aib)、アミノヘプタン二酸(Apm)、またはγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)から選択される。したがって、脊髄再生のための足場として用いるための特に好ましい別の両親媒性ペプチドは、以下の構造を有し、これは本明細書においてSEQ ID NO:4と呼ばれる。
本発明のさらなる目的は、適した条件下でナノファイバーとも呼ばれる円筒状ミセルへの自己集合能を有する新規の改善されたPA分子を提供することであり、ここで、親油性セグメントは中心部に詰め込まれて、親水性の機能性ペプチドセグメントがナノファイバーの表面に沿って露出する。そのような態様において、機能性ペプチドセグメントは、好ましくは生理的pHで多価である。理論に拘束されたくはないが、荷電アミノ酸の特定の数と共に、α-アミノ酸の側鎖の長さならびにアミノ酸配列の全体的な疎水性および親水性の並べ方は、PAの自己集合において重要な役割を果たすようにみえる。多数の特定のPA配列が文献において既に開示されているが1,2,7,14-24,27,33-45、いくつかの努力にもかかわらず46-49、当業者が、それによって特定のペプチド配列の自己集合、ゲル化動態または流動学的性質を予め予測することができる全般的な理論またはモデルは記述されていない。
本発明のさらなる目的は、1つまたは複数の非球状ミセル、たとえばその例にナノファイバーが含まれるがこれらに限定されるわけではない円錐形ミセルを形成するように自己集合する1つまたは複数の両親媒性ペプチドで構成される組成物を提供することである。組成物はまた、基質の形態をとってもよく、その基質には、その基質の少なくとも一部の上に自己集合した非球状ミセルが、たとえばその上に配置されるナノファイバーコーティングとして、提供される。
本発明のさらなる目的は、両親媒性ペプチドおよび/または両親媒性ペプチド組成物で構成される、生体適合性で生体分解性のゲルを提供することであり、そのようなゲルは、臓器または組織同等物をつくるかまたはつくるように身体を誘導するために、単離された細胞が含まれてもよくまたは含まれなくてもよい足場または鋳型をヒト患者において作製するのに有用である。そのようなゲルは、細胞の定着を促進して、新しい組織成長のための三次元鋳型を提供することができると考えられる。得られる組織は、体の天然の治癒プロセスの際に介入を行わなければ全般的に生じると考えられる瘢痕組織とは対照的に、その組成および組織構造が全般的に、天然に存在する組織と類似していると予想される。
そのために、本発明は、1つの態様において、自己集合した両親媒性ペプチドゲルがフィブリル足場またはマトリクスを構築する、ヒト患者内の標的部位に直接注射することができる自己集合性両親媒性ペプチド溶液を提供する。別の態様において、体外のマトリクスに予め形成された自己集合した両親媒性ペプチドゲルに、細胞を浮遊させてもよく、次にこれをヒト患者に埋め込むことができる。最終的に、自己集合した両親媒性ペプチドゲルは分解して、得られた組織のみが残る。本発明のなお別の態様において、本発明の両親媒性ペプチドは、ゲル、固体、または液体のいずれかとして他の組織工学材料と共に用いられ、患者における既定の領域での組織成長の鋳型として用いられる。
本発明のさらなる目的は、その設計および機能が、天然に存在する材料および組織に倣って作られる、自己集合性両親媒性ペプチドからなるフィブリル(またはナノ線維性(nanofibrous))足場を提供することである。たとえば、1つの態様において、本発明は、その設計および機能が、中枢神経系の発達に関係するタンパク質37,50,51に倣って作られる、自己集合性両親媒性ペプチドを提供する。
当業者は、pH、温度、および等張性の生理的な条件下でこれらのナノファイバーを含むゲルまたは固体が、広範囲の目的のために、および可能性がある多数の異なる生物医学および組織工学応用においてこの材料を利用する機会を与えることを容易に認識すると考えられる。
したがって、1つの態様において、本発明は、組織工学材料を必要とする患者の標的部位に両親媒性ペプチド組成物を投与する段階を含む、組織工学材料によって患者を処置する方法を提供する。
両親媒性ペプチド分子およびそこから形成されたゲルに関する1つの特に好ましい有用性は、神経再生および脊髄損傷処置の分野である。PA組成物は、神経前駆細胞の分化を刺激することができ、CNS細胞による瘢痕組織形成を抑制することができる37,50,51。本発明のPAはまた、ニューロンにおける軸索伸長の調節、抑制、または促進と共に、神経細胞における細胞-基質接着の調節、抑制、または促進において適用が見出される可能性がある。
本発明のさらなる目的は、細胞(たとえば、神経前駆細胞およびニューロン)の分化および成長を変更する(たとえば、増強または刺激する)ための方法および組成物を提供することである。特に、本発明は、細胞を封入することができ、かつ細胞の分化(たとえば、神経突起の発達)を促進することができるナノファイバーを生成する(たとえば自己集合する)1つまたは複数の自己集合する両親媒性ペプチド(たとえば、溶液中で)を含む組成物、およびその使用方法に関する。本発明の組成物および方法は、研究、臨床(たとえば、治療)および診断の設定において有用である。
いくつかの態様において、本発明は、両親媒性ペプチドを含む組成物をニューロンに接触させる段階を含む、ニューロンの発達を変更する方法を提供する。いくつかの態様において、ニューロンの発達を変更することは、軸索の成長を含む。いくつかの態様において、軸索の成長は、下行性運動神経線維の成長を含む。いくつかの態様において、軸索の成長は、上行性知覚神経線維の成長を含む。いくつかの態様において、発達を変更することは、病変部位を通して起こる。いくつかの態様において、ニューロンの発達を変更することは、アストログリオーシス(astrogliosis)の低減を伴う。いくつかの態様において、両親媒性ペプチドは、IKVAV配列(SEQ ID NO:5)および/または発達中の哺乳動物中枢神経系の細胞外マトリクスに存在するタンパク質ファミリーであるラミニンのアミノ酸配列から選択される他のアミノ酸配列を含む37。いくつかの態様において、ニューロンは、障害を受けた脊髄におけるニューロンである。いくつかの態様において、脊髄は、外傷性の脊髄損傷によって障害を受けている。いくつかの態様において、ニューロンは知覚ニューロンである。いくつかの態様において、ニューロンは運動ニューロンである。いくつかの態様において、ニューロンの発達を変更することは、ニューロンの発達を促進することを含む。いくつかの態様において、ニューロンの発達を変更することは、障害を受けたニューロン、たとえば神経突起の発達を再生することを含む。
本発明のさらなる目的は、以下の段階を含む、被験体を処置するための方法を提供することである:被験体においてニューロンの成長が起こるような条件で、障害を受けた神経を有する被験体に両親媒性ペプチドを含む組成物を投与する段階。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、軸索の成長を含む。いくつかの態様において、軸索の成長は下行性運動神経線維の成長を含む。いくつかの態様において、軸索の成長は、上行性知覚神経線維の成長を含む。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、障害を受けた神経部位での軸索の成長を含む。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、被験体におけるアストログリオーシスおよび随伴性の瘢痕組織形成の低減を伴う。好ましい態様において、アストログリオーシスの低減および瘢痕形成の低減は、神経障害部位で起こる。いくつかの態様において、障害を受けた神経は、障害を受けた脊髄における神経である。いくつかの態様において、障害を受けた神経は外傷性の脊髄損傷によって障害を受けている。いくつかの態様において、障害を受けた神経は、障害を受けた知覚ニューロンを含む。いくつかの態様において、障害を受けた神経は障害を受けた運動ニューロンを含む。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、障害を受けたニューロンの発達を再生することを含む。いくつかの態様において、投与は、両親媒性ペプチド水溶液の髄腔内注射を含む。いくつかの態様において、両親媒性ペプチドは、障害を受けた組織に接触することでナノファイバーゲルを形成する。いくつかの態様において、両親媒性ペプチドを含む組成物は、1つまたは複数の他の物質と同時投与される。
本発明のさらなる目的は、1つまたは複数の両親媒性ペプチドを含む薬学的組成物、たとえばIKVAV配列(SEQ ID NO:5)を含む薬学的組成物を提供することである。その内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2006-0247165号(Stupp et al.)を参照されたい。
本発明のこれらおよび他の目的および特色は、添付の図面および実施例と共に以下の詳細な説明を読むことによってより完全に明らかになると考えられる。しかし、前述の本発明の要約および以下の詳細な説明はいずれも好ましい態様に関するものであり、本発明および本発明の他の代わりの態様を制限しないと理解されるべきである。特に、本発明は多くの特定の態様を参照して本明細書において記述されるが、記述は本発明を例示するためであり、本発明を制限するとは解釈されないと認識される。様々な改変および応用が当業者に想起される可能性があるが、それらも添付の特許請求の範囲に記述されるように、本発明の趣旨および範囲に含まれる。同様に、本発明の他の目的、特色、利益、および長所はこの要約および以下に記述される一定の態様から明らかであり、様々な両親媒性化合物、自己集合技術、およびペプチド合成の知識を有する当業者に容易に明らかになると考えられる。そのような目的、特色、利益、および長所は、単独で、または本明細書において組み入れられる参考文献を考慮して、添付の実施例、データ、図、およびそこから引き出される全ての妥当な推測と共に考慮すれば、前述から明らかになると考えられる。
本発明の様々な局面および応用は、以下の図面の簡単な説明および本発明の詳細な説明、ならびにその好ましい態様を検討することによって、当業者に明らかになると考えられる。
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:7として本明細書において言及される両親媒性ペプチドの化学構造を示し、「親油性」ペプチドセグメント、「構造」ペプチドセグメント、および「機能性」ペプチドセグメントを示す。
図2Aは粗(または合成されたままの)両親媒性ペプチド(SEQ ID NO:2)の調整規模の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)の結果を示す。この図は、220 nmのUV吸収の軌跡(実線)、溶媒勾配(破線、水におけるアセトニトリルの%に対応する)、および分離の際に収集された精製材料の一部(点線のあいだ)によって示される、SEQ ID NO:2のHPLC精製を示す。図2Bは、精製SEQ ID NO:2の陰イオンモードでのエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)を示す。図2Cおよび2Dはそれぞれ、精製SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:4の分析規模の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を示す。
SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:6のゲル化動態および流動学的性質を比較するアッセイの結果を示す。図3Aにおいて示されるように、SEQ ID NO:2の複素剪断弾性係数(G*)(剪断ひずみによって除した剪断応力として定義される)は、ゲル化後1時間でSEQ ID NO:6に関する係数より1桁大きいことが判明した。図において、実線はSEQ ID NO:2であり、破線はSEQ ID NO:6である。図3Bにおいて示されるように、SEQ ID NO:2は、有意により低いtan(δ)の値を表し、このことはSEQ ID NO:6のより「液体様」の挙動と比較してより「ゲル様」の性質を示している。図において、丸は、SEQ ID NO:2を表し、三角は、SEQ ID NO:6を表す。
これらの予想外に異なるゲル化動態および流動学的性質は、SEQ ID NO:2のゲルが天然の中枢神経系組織の機械的性質をよりよく模倣することを考えれば、脊髄における組織工学応用にとって優れていると予想される32。加えて、この分子およびSEQ ID NO:4の溶解度は、広範囲の水溶性緩衝液において有意に高かった。たとえば、水酸化アンモニウムを0.1%含有する水におけるSEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:4の溶解度は、20 mg/mLを超えたが、同じ緩衝液におけるSEQ ID NO:6の溶解度は1 mg/mL未満であった。これらの予想外に優れた溶解度の性質によって、顕著に改善されたHPLC精製、より詳しくはインビボ応用および薬学的使用にとって必要な精製程度が可能となる。
好ましい態様の詳細な説明
本明細書に記述の方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の態様の実施または試験において用いることができるが、好ましい方法、装置、および材料をこれより記述する。しかし、本発明の材料および方法を記述する前に、本明細書において記述される特定の分子、組成物、方法論、またはプロトコールはルーチンの実験および最適化に従って多様となる可能性があることから、本発明は、これらに限定されないと理解されるべきである。同様に、説明において用いられる用語は、特定の見解または態様を記述する目的に限られ、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限するとは意図されないと理解されるべきである。
本明細書に記述の方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の態様の実施または試験において用いることができるが、好ましい方法、装置、および材料をこれより記述する。しかし、本発明の材料および方法を記述する前に、本明細書において記述される特定の分子、組成物、方法論、またはプロトコールはルーチンの実験および最適化に従って多様となる可能性があることから、本発明は、これらに限定されないと理解されるべきである。同様に、説明において用いられる用語は、特定の見解または態様を記述する目的に限られ、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限するとは意図されないと理解されるべきである。
特に定義していなければ、本明細書において用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。しかし、矛盾する場合は、定義を含めて本発明が優先する。したがって、本発明の文脈において、以下の定義を適用する。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」には、本文が明らかにそうでないことを指図している場合を除き、複数形が含まれる。このように、たとえば「1つの細胞(a cell)」という言及は、1つまたは複数の細胞および当業者に公知であるその同等物に対する言及等である。
本明細書において用いられるように、「ナノファイバー」という用語は、100ナノメートル未満の直径を有する伸長したまたは糸状のフィラメントを指す。
本明細書において用いられるように、「円筒状ミセル」という用語は、両親媒性分子で構成される、非球状の高い縦横比(長さ/直径>10)の形状を有するコロイド状凝集体を指し、ミセルを形成する両親媒性物質の疎水性(または親油性)部分は、極性相(たとえば、水)から離れて位置する傾向があるが、分子の極性部分(頭部基)は、ミセル-溶媒界面に位置する傾向がある。
本明細書において用いられるように、「生理的な条件」という用語は、生存しているヒトの体内の組織において通常生じる温度、pH、および等張性(または浸透圧)の条件範囲を指す。
本明細書において用いられるように、「自己集合する」および「自己集合」という用語は、成分部分からの、独立した(discrete)非ランダムな凝集体構造の形成を指し、集合は、それらの成分の固有の化学的性質または構造的性質のみによる成分(たとえば、分子)のランダムな運動を通して自発的に起こる。
本明細書において用いられるように、「足場」および「マトリクス」は、空間において伸長し、体内またはインビトロのいずれかで、生存している組織の成長のための機械的支持または他の支持を提供する開放多孔を有する天然もしくは合成の構造またはメッシュ構造を互換的に指す。
本明細書において用いられるように、「ゲル」という用語は、線維性マトリクスおよび液体が充填された間隙からなる、コロイド状液体の凝固によって形成される、半固体の粘弾性材料(何らかの機械的応力に変形せずに耐えることができる)を指す。
本明細書において用いられるように、「両親媒性ペプチド」という用語は、少なくとも非ペプチド親油性セグメント、構造ペプチドセグメント、および機能性ペプチドセグメントを含む分子を指す。両親媒性ペプチドは、生理的pHで正味の陽電荷もしくは正味の陰電荷のいずれかである実効電荷が出現していてもよく、または両性イオンであってもよい(すなわち、陽電荷と陰電荷の双方を持つ)。
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、「親油性セグメント」という用語は、両親媒性ペプチドのN末端に配置された炭化水素部分を指す。この親油性セグメントは、本明細書においておよび他所で疎水性成分または疎水性セグメントと呼ばれることがある。親油性セグメントは、水または別の極性溶媒系において両親媒性挙動およびミセル形成を提供するために十分な長さのセグメントであるべきである。
したがって、本発明の文脈において、親油性セグメントは好ましくは、式CnH2n-1O-の1本の直鎖状のアルキル鎖を含み、n=6〜22である。特に好ましい親油性分子はパルミチン酸(C16H31O-)である。しかし、他の親油性の低分子をアルキル鎖の代わりに用いてもよい。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において用いられるように、「構造ペプチドセグメント」という用語は、全般的に、そのβシート二次構造の形成傾向に関して選択される、非極性の非荷電側鎖を有する3〜10個のアミノ酸残基で構成される、両親媒性ペプチド分子の中間のアミノ酸配列を指す。天然に存在する20個のアミノ酸から選択される適したアミノ酸残基の例には、Met(M)、Val(V)、Ile(I)、Cys(C)、Tyr(Y)、Phe(F)、Gln(Q)、Leu(L)、Thr(T)、Ala(A)、Gly(G)が含まれる(βシートの形成傾向順に記載)。しかし、類似のβシート形成傾向を有する天然に存在しないアミノ酸も同様に用いてもよい。好ましい態様において、構造ペプチドセグメントのN末端は、親油性セグメントの酸素に共有結合的に付着して、構造ペプチドセグメントのC末端は機能性ペプチドセグメントのN末端に共有結合的に付着する。より好ましい態様において、たとえば形状(XA)Na(XB)Nbをとる強いおよび弱いβシート形成体を組み合わせて用い、式中、XAおよびXBは、A、L、V、およびGから選択され、NaおよびNbは、2、3、または4である。実例となる例には
(SEQ ID NO:8〜19)が含まれる。
(SEQ ID NO:8〜19)が含まれる。
本発明の文脈において、1つの特に好ましい構造ペプチドセグメントは、アミノ酸配列AAALLL(SEQ ID NO:19)を有する。この構造セグメントは、
の構造を有する例示的な両親媒性ペプチドSEQ ID NO:7において利用される。
の構造を有する例示的な両親媒性ペプチドSEQ ID NO:7において利用される。
代替のより好ましい態様において、構造ペプチドセグメントは、(XC)(XA)Na(XB)Nbの形をとってもよく、式中XAおよびXBは、先に記述したとおりであり、XCは「SLSL」(SEQ ID NO:20)である。系にSLSL改変を行うと、より遅いゲル化動態に至ると予想される。理論に拘束されたくはないが、かさ高いロイシン側鎖が散在する極性のセリンヒドロキシルは、分子のナノファイバーへのパッキングを部分的に抑制する可能性があると考えられる。より遅いゲル化は、手術室などの機能的なインサイチューの環境において特に応用可能であると予想され、これは体内の様々な組織部位に両親媒性ペプチドナノファイバーを送達する際にゲル形成を遅らせるために都合がよい可能性がある。以下にさらに詳細に考察されるように、1つの特に好ましい構造ペプチドセグメントは、アミノ酸配列「SLSLAAA」(SEQ ID NO:21)を有する。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において用いられるように、「機能性ペプチドセグメント」という用語は、概して3〜15個のアミノ酸残基を含有するC末端配置ペプチド配列を指し、側鎖を有する少なくとも1個(および全般的に2〜7個)のアミノ酸残基が生理的な条件でイオン化されており、天然に存在する20個のアミノ酸から選択されるその例には、Lys(K)、Arg(R)、Glu(E)および/またはAsp(D)が含まれるが、イオン化可能な側鎖を有する他の非天然アミノ酸残基も、当業者に明らかであるように用いることができる。このセグメントのアミノ酸配列は典型的に、インテグリン、タンパク質、増殖因子、または他の生体分子の公知の結合ドメインに基づいて選択される。自己集合すると、機能性ペプチド基は、ナノファイバーの表面に露出して、それによって環境へと提示される生体活性シグナルとして役立つ。
本発明の両親媒性ペプチドの文脈において用いるのに適した機能性ペプチド配列の例には、「EnIKVAV」(SEQ ID NO:22、式中Eはグルタミン酸(Glu)を表し、nは0〜5の整数、好ましくは1〜3の整数である)が含まれるがこれらに限定されるわけではない。または、機能性ペプチドセグメントは、XnIKVAV(SEQ ID NO:23)を含む配列を含んでもよく、式中Xはアミノマロン酸(Ama)、アスパラギン酸(Asp)、アミノアジピン酸(Aib)、アミノヘプタン二酸(Apm)、またはγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)から選択されるアミノ酸残基であり、nはまた0〜5の整数、好ましくは1〜3の整数である。
または、機能性ペプチド配列が、nが0〜5の整数であるXnVAVKI(SEQ ID NO:24)を含むように、アミノ酸の配列を逆転させてもよい。非極性のアミノ酸残基(V、A、またはI)の1つまたは複数を、I、A、G、V、またはLが含まれるがこれらに限定されるわけではない。同様に非極性の別の残基に置換することによって、機能性配列における他の変化形が可能である。当業者によって理解されるように、これらおよび類似の改変は、当初のIKVAV(SEQ ID NO:5)ペプチド配列の生物機能をおそらく保持する可能性がある。さらに、本発明のいくつかの局面は、VVIAK(SEQ ID NO:25)などの「スクランブルした」ペプチド配列52を利用してもよく、これはその対応する受容体、増殖因子等に対するその特異的な結合能を変化させて、したがって、使用される特定の並べ方に応じてペプチドの当初の生物機能が変更される(すなわち、生物機能を増大または減少させる)可能性がある。本発明のいくつかの例において、
またはその一部54などのラミニン1α鎖からのペプチド配列のより長い部分を用いることが都合がよい可能性がある。これらの機能性ペプチドセグメントにはさらに、それが両親媒性ペプチド分子の機能性ペプチドセグメントの対応する受容体、増殖因子等に対する結合能を保持している限り、その当初の型、反転型またはスクランブル型において他の公知のセグメントが含まれてもよい。
またはその一部54などのラミニン1α鎖からのペプチド配列のより長い部分を用いることが都合がよい可能性がある。これらの機能性ペプチドセグメントにはさらに、それが両親媒性ペプチド分子の機能性ペプチドセグメントの対応する受容体、増殖因子等に対する結合能を保持している限り、その当初の型、反転型またはスクランブル型において他の公知のセグメントが含まれてもよい。
その内容が参照により本明細書に組み入れられる、WO 2004/018628を参照されたい。加えて、本発明の両親媒性ペプチド分子には、1つまたは複数の対応する受容体、増殖因子等との結合相互作用のために1つ以上の機能性ペプチド配列が含まれてもよい。たとえば、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2005-0208589号(Stupp et al.)は、増強されたエピトープ提示のために分岐構造を有する機能性セグメントを記述している。多数の両親媒性エピトープペプチドは、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2005-0209145号(Stupp et al.)および第2005-0208589号(Stupp et al.)においてさらに記述されている。
本発明の両親媒性ペプチドにおいて有用なアミノ酸には、天然に存在するアミノ酸および人工アミノ酸が含まれるがこれらに限定されるわけではない。βまたはγアミノ酸および非天然の側鎖を含有するアミノ酸、および/またはヒドロキシ酸などの他の類似のモノマーなどの人工アミノ酸を組み入れることも同様に企図され、これは、対応する成分がこの局面においてペプチド様であるという効果を有する。
本発明の両親媒性ペプチド分子および組成物は、当業者に周知の調製技術を用いて、好ましくは標準的な固相ペプチド合成によって、親油性セグメントを作製するためにはペプチドのN末端で標準的なアミノ酸の代わりに脂肪酸を付加することによって、合成することができる。合成は典型的に、C末端から開始して、それに対してRinkアミド樹脂(それによって樹脂から切断後にペプチドのC末端で-NH2基が得られる)またはWang樹脂(それによってC末端で-OH基が得られる)のいずれかを用いてアミノ酸を連続的に付加する。したがって、本発明は、-H、-OH、-COOH、-CONH2、および-NH2からなる群より選択されうるC末端部分を有する両親媒性ペプチドを包含する。
親油性セグメントは典型的に、最後のアミノ酸結合後にペプチドのN末端において組み入れられ、かつ親油性セグメントは、ペプチジル結合によってN末端アミノ酸に連結される脂肪酸または他の酸で構成されている。水溶液において、PA分子は、そのコアにおいて親油性セグメントを埋没させて、表面に機能性ペプチドを提示する円筒状ミセルへと自己集合する。構造ペプチドは分子間水素結合を受けて、ミセルの長軸に対して平行になるβシートを形成する。円筒状ミセル(ナノファイバーとも呼ばれる)は、典型的に0.5〜4重量%の範囲の濃度で水または様々な水性媒質においてゲルを形成することができる。
両親媒性ペプチドの水溶液の自己集合を誘導するために、溶液のpHを変化(上昇または下降)させてもよく、または多価イオン、荷電ポリマー、もしくは他の高分子を溶液に加えてもよい。理論に拘束されることを意図しないが、自己集合は、この場合、機能性ペプチドセグメントにおいてイオン化側鎖のあいだの静電気的反発の中和または遮蔽(screening)(低減)によって促進される。自己集合によって形成されたこれらの円筒状ミセルは、機能性ペプチドセグメントがミセルの表面で繰り返し提示されるフィブリルまたは高縦横比のナノ構造物として見ることができる。
本発明のPAは、臓器または組織同等物をつくるかまたはつくるように身体を誘導するために、単離された細胞が含まれてもよくまたは含まれなくてもよい足場または鋳型の作製において有用な生体適合性で生体分解性のゲルをヒト患者において形成するために用いてもよい。そのようなゲルは、細胞の定着を促進して、新しい組織成長のための三次元鋳型を提供することができると考えられる。得られる組織は、体の天然の治癒プロセスの際に介入がない場合に全般的に生じると考えられる瘢痕組織とは対照的に、その組成および組織構造が全般的に、天然に存在する組織に類似していると予想される。
そのために、本発明は1つの態様において、ヒト患者内の標的部位に直接注射することができる自己集合性両親媒性ペプチド溶液を提供し、ここで、自己集合した両親媒性ペプチドゲルは、フィブリル足場またはマトリクスを構築する。別の態様において、体外のマトリクスへと予め形成された自己集合した両親媒性ペプチドゲルに、細胞を浮遊させてもよく、これをヒト患者に埋め込むことができる。最終的に自己集合した両親媒性ペプチドゲルは分解して、得られた組織のみが残される。本発明のなお別の態様において、本発明の両親媒性ペプチドは、ゲル、固体、または液体のいずれかとして他の組織工学材料と共に用いられ、かつ患者の既定の領域における組織成長の鋳型とするために用いられる。
本発明のさらなる目的は、その設計および機能が、天然に存在する材料および組織に倣って作られる、自己集合性両親媒性ペプチドからなるフィブリル(またはナノ線維性)足場を提供することである。たとえば、1つの態様において、本発明は、その設計および機能が、中枢神経系の発達に関係するタンパク質37,50,51に倣って作られる、自己集合性両親媒性ペプチドを提供する。
当業者は、pH、温度、および等張性に関する生理的な条件下でこれらのナノファイバーを含むゲルまたは固体が、広範囲の目的のために、ならびに可能性がある多くの異なる生物医学および組織工学応用においてこの材料を利用する機会を与えることを容易に認識すると考えられる。
1つの態様において、本発明は、組織工学材料を必要とする患者の標的部位に両親媒性ペプチド組成物を投与する段階を含む、組織工学材料によって患者を処置する方法を提供する。両親媒性ペプチド分子およびそこから形成されたゲルに関する1つの特に好ましい有用性は、神経再生および脊髄損傷処置の分野である。PA組成物は、神経前駆細胞の分化を刺激することができ、CNS細胞による瘢痕組織形成を抑制することができる37,50,51。本発明のPAはまた、ニューロンにおける軸索伸長の調節、抑制、または促進と共に、神経細胞における細胞-基質接着の調節、抑制、または促進において適用が見出される可能性がある。
本発明のさらなる目的は、細胞(たとえば、神経前駆細胞およびニューロン)の分化および成長を変更する(たとえば増強または刺激する)ための方法および組成物を提供することである。特に、本発明は、細胞を封入することができ、かつ細胞分化(たとえば、神経突起の発達)を促進することができるナノファイバーを生成する(たとえば、自己集合する)1つまたは複数の自己集合する両親媒性ペプチド(たとえば、溶液中で)を含む組成物、およびその使用方法に関する。本発明の組成物および方法は、研究、臨床(たとえば、治療)および診断の設定において有用である。
神経前駆細胞の発達を変更するこの方法には、神経前駆細胞、例えば幹細胞、未発達の神経突起、ニューロン、または不死化細胞に、神経前駆細胞の発達を変更する両親媒性ペプチドを含む組成物を接触させる段階が含まれる。発達の変更には、神経前駆細胞の成長および/または分化の変更が含まれてもよい。発達の変更には、たとえば下行性運動神経線維の成長または上行性知覚神経線維の成長を含んでもよい神経前駆細胞の成長および/または軸索の成長が含まれうる。発達の変更にはまた、神経前駆細胞の分化が含まれてもよい。これは、アストログリア細胞への神経前駆細胞の分化を抑制することによって、アストログリオーシスを低減することによって成し遂げられうる。
神経前駆細胞の分化および/または成長のための本発明の組成物は、先に記述したように発達を変更するために十分な量で本発明の両親媒性ペプチドを含み、かつ他の生物学的に適合性の物質をさらに含んでもよい。たとえば、組成物はさらに、神経栄養因子、神経成長抑制因子の抑制因子、神経成長誘引物質および神経成長抑制因子からなる群より選択される1つまたは複数の他の物質を含んでもよい。
発達の変更の部位は、神経前駆細胞の発達または成長の変更が必要である任意の部位にもたらされうる。たとえば、神経細胞の分化および/または成長にとって十分な条件で、両親媒性ペプチド組成物を病変部位の中に方向付けてもよく、または障害を受けた神経部位に方向付けてもよい。障害を受けた神経は、たとえば脊髄に存在していてもよい。または障害部位は、障害を受けた知覚ニューロンまたは運動ニューロンであってもよい。
組成物は、両親媒性ペプチドを含む水溶液の髄腔内投与、静脈内投与、または非経口投与によることを含む、神経前駆細胞の成長部位へと両親媒性ペプチド組成物を方向付けるのに適した任意の方法で投与されてもよい。
本発明のさらなる目的は、被験体においてニューロンの成長が起こるような条件で、障害を受けた神経を有する被験体に両親媒性ペプチドを含む組成物を投与する段階を含む、被験体を処置するための方法を提供する。本発明の組成物は、下行性運動神経線維の成長または上行性知覚神経線維の成長などの軸索の成長を促進することができる。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、障害を受けた神経部位での軸索の成長を含む。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、被験体におけるアストログリオーシスおよび随伴性の瘢痕組織形成の低減を伴う。好ましくは、アストログリオーシスの低減および瘢痕形成の低減は、神経障害部位で起こる。いくつかの態様において、両親媒性ペプチドは、障害を受けた組織に接触することでナノファイバーゲルを形成する。処置されるべき障害を受けた神経は、外傷性の脊髄損傷によって障害を受けた神経などの、障害を受けている脊髄の神経であってもよい。いくつかの態様において、障害を受けた神経は障害を受けた知覚ニューロンを含む。他の態様において、障害を受けた神経は障害を受けた運動ニューロンを含む。いくつかの態様において、ニューロンの成長は、障害を受けたニューロンの発達の再生を含む。PA組成物は、障害を受けた神経部位へと組成物を方向付けるのに適した任意の方法で投与されてもよいが、好ましくは両親媒性ペプチドの水溶液の髄腔内注射によって投与される。いくつかの態様において、両親媒性ペプチドを含む組成物は、1つまたは複数の他の物質と同時投与される。
本発明のさらなる目的は、1つまたは複数の両親媒性ペプチドを含む薬学的組成物、たとえば、IKVAV配列(SEQ ID NO:5)を含む薬学的組成物を提供することである。その内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2006-0247165号(Stupp et al.)を参照されたい。
以降、実施例を参照することによって、本発明をより詳細に説明する。しかし、以下の材料、方法、および実施例は本発明の局面を説明するのみであって、本発明の範囲を決して制限することを意図しない。そのため、本明細書に記述の方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実践または試験において用いることができる。
実施例
実施例1
機能性ペプチドセグメントXnIKVAV(SEQ ID NO:23)を含有する両親媒性ペプチドの自動合成および精製
1.1. 試薬
以下の試薬または同等物を、受領したまま使用した:HBTU(2-(1H-ベンゾトリアゾール-l-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、ピペリジン、DIEA(n,n,-ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(n,n-ジメチルホルムアミド)、DCM(ジクロロメタン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TIS(トリイソプロピルシラン)。水は全て、逆浸透によって精製して、Millipore(商標)システムを用いて比抵抗18.2 Mohm-cmまで濾過した。9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)保護アミノ酸をEMD Biosciences(La Jolla, CA)から購入した。ペプチドは、標的ペプチドの総収率を改善するために、低添加のFmoc-Val-Wang樹脂(約0.2〜0.3 mmol/g)において合成した。Fmoc-Leu-Ser(ΨMe,Mepro)-OH(「シュードプロリン」と呼ばれる)を用いて、ペプチドのSer-Leu-Ser部分の結合効率を増加させた。
実施例1
機能性ペプチドセグメントXnIKVAV(SEQ ID NO:23)を含有する両親媒性ペプチドの自動合成および精製
1.1. 試薬
以下の試薬または同等物を、受領したまま使用した:HBTU(2-(1H-ベンゾトリアゾール-l-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、ピペリジン、DIEA(n,n,-ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(n,n-ジメチルホルムアミド)、DCM(ジクロロメタン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TIS(トリイソプロピルシラン)。水は全て、逆浸透によって精製して、Millipore(商標)システムを用いて比抵抗18.2 Mohm-cmまで濾過した。9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)保護アミノ酸をEMD Biosciences(La Jolla, CA)から購入した。ペプチドは、標的ペプチドの総収率を改善するために、低添加のFmoc-Val-Wang樹脂(約0.2〜0.3 mmol/g)において合成した。Fmoc-Leu-Ser(ΨMe,Mepro)-OH(「シュードプロリン」と呼ばれる)を用いて、ペプチドのSer-Leu-Ser部分の結合効率を増加させた。
1.2. ペプチド合成
ペプチドを、自動ペプチドシンセサイザー(CS Bio Co. model 136XT)において、250 mLガラス反応容器を用いて、樹脂を各試薬に十分に曝露するためにガラス容器を各反応段階のあいだに2秒毎に180度倒立させて、固相方法論によって合成した。樹脂を最初にDCMおよびDMFによって膨張させた後、30 vol%ピペリジンのDMF溶液によってFmoc脱保護を10分間行い、これを2回繰り返した。アミノ酸の結合はFmoc保護アミノ酸4.0当量(DMFにおいて0.5 M)、HBTU 3.8当量(DMFにおいて0.475 M)、およびDIEA 6.0当量(DMFにおいて0.75 M)によって結合あたり3時間行った。各溶液を合わせて、高純度の窒素ガスを3分間通気することによって予め活性化した後、樹脂含有反応容器に加えた。標的ペプチド配列の収率を改善するために、各結合を2回繰り返したが、N末端に最も近いアラニンと構造ペプチドに隣接するロイシンとに関しては結合を3回繰り返した。任意の反応していない遊離のアミン(結合段階後)のアセチル化を10 vol%無水酢酸のDMF溶液によって5分間行った後、3回繰り返した。2 mmolの反応規模の場合、溶液55 mLをそれぞれの脱保護、アセチル化、および洗浄段階のために用いた。試薬を全て保存して、高純度窒素ガス下で反応を行った。多数のDCMおよびDMF洗浄段階を各反応段階のあいだに行った。分子のペプチド部分を調製した後、ペプチドのN末端を、DMFにおいて脂肪酸2.0当量、HBTU 1.9当量、およびDIEA 3.0当量を用いて、パルミチン酸によってキャップした。この反応を2時間進行させて、少なくとも3回繰り返した後、産物をニンヒドリン反応(「カイザー試験」としても知られる)によって遊離のアミンに関してチェックして、必要であれば遊離のアミンに関する陰性結果を得るためにキャッピングを繰り返した。
ペプチドを、自動ペプチドシンセサイザー(CS Bio Co. model 136XT)において、250 mLガラス反応容器を用いて、樹脂を各試薬に十分に曝露するためにガラス容器を各反応段階のあいだに2秒毎に180度倒立させて、固相方法論によって合成した。樹脂を最初にDCMおよびDMFによって膨張させた後、30 vol%ピペリジンのDMF溶液によってFmoc脱保護を10分間行い、これを2回繰り返した。アミノ酸の結合はFmoc保護アミノ酸4.0当量(DMFにおいて0.5 M)、HBTU 3.8当量(DMFにおいて0.475 M)、およびDIEA 6.0当量(DMFにおいて0.75 M)によって結合あたり3時間行った。各溶液を合わせて、高純度の窒素ガスを3分間通気することによって予め活性化した後、樹脂含有反応容器に加えた。標的ペプチド配列の収率を改善するために、各結合を2回繰り返したが、N末端に最も近いアラニンと構造ペプチドに隣接するロイシンとに関しては結合を3回繰り返した。任意の反応していない遊離のアミン(結合段階後)のアセチル化を10 vol%無水酢酸のDMF溶液によって5分間行った後、3回繰り返した。2 mmolの反応規模の場合、溶液55 mLをそれぞれの脱保護、アセチル化、および洗浄段階のために用いた。試薬を全て保存して、高純度窒素ガス下で反応を行った。多数のDCMおよびDMF洗浄段階を各反応段階のあいだに行った。分子のペプチド部分を調製した後、ペプチドのN末端を、DMFにおいて脂肪酸2.0当量、HBTU 1.9当量、およびDIEA 3.0当量を用いて、パルミチン酸によってキャップした。この反応を2時間進行させて、少なくとも3回繰り返した後、産物をニンヒドリン反応(「カイザー試験」としても知られる)によって遊離のアミンに関してチェックして、必要であれば遊離のアミンに関する陰性結果を得るためにキャッピングを繰り返した。
1.3. 樹脂の切断
ペプチドを添加した樹脂を200 mLのガラスシェーカー容器に移して、樹脂の切断および脱保護を、TFA:TIS:水の95.0:2.5:2.5比の混合物約50 mLによって3時間行った。両親媒性ペプチド溶液を丸底フラスコにデカントして、溶液を40℃に加熱しながら-78℃(ドライアイス/イソプロパノール)の収集装置および最終的な圧力約20 mtorrを用いて、TFAをロータリーエバポレーションによって除去した。完全に乾固する前にロータリーエバポレーションを停止して、残っている粘性のペプチド溶液(典型的に<1 mL)を冷(-20℃)ジエチルエーテル約200 mlによって粉砕した。溶液を確実によく混合するように撹拌した後-20℃まで終夜再度冷却して、完全に沈殿させた。得られた沈殿した両親媒性ペプチドを中間のフリットガラス漏斗に収集して、冷エーテル(約200 mL)によって3回洗浄して、真空下(<20 in.Hg)で乾燥させた。
ペプチドを添加した樹脂を200 mLのガラスシェーカー容器に移して、樹脂の切断および脱保護を、TFA:TIS:水の95.0:2.5:2.5比の混合物約50 mLによって3時間行った。両親媒性ペプチド溶液を丸底フラスコにデカントして、溶液を40℃に加熱しながら-78℃(ドライアイス/イソプロパノール)の収集装置および最終的な圧力約20 mtorrを用いて、TFAをロータリーエバポレーションによって除去した。完全に乾固する前にロータリーエバポレーションを停止して、残っている粘性のペプチド溶液(典型的に<1 mL)を冷(-20℃)ジエチルエーテル約200 mlによって粉砕した。溶液を確実によく混合するように撹拌した後-20℃まで終夜再度冷却して、完全に沈殿させた。得られた沈殿した両親媒性ペプチドを中間のフリットガラス漏斗に収集して、冷エーテル(約200 mL)によって3回洗浄して、真空下(<20 in.Hg)で乾燥させた。
1.4. 精製
SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4を十分な水酸化アンモニウムと共に水溶液において20 mg/mLで溶解してpH 9を得た。この溶液をPhenomenex, Inc. Gemini(登録商標)5μm C18カラム(100×30 mm)を備えたAgilent, Inc.モデル1100調整用HPLCを用いて5 mLアリコートにおいて精製した。水およびアセトニトリル(それぞれ、0.1 vol%水酸化アンモニウム緩衝液を含有する)の溶出勾配を、図2Aにおいて示されるように用いた。流速は15 mL/分であり、移動相をTimberline Instruments TL-105カラムヒーターを用いて約45℃まで予め加熱した。UV吸収を波長220 nmでモニターして、溶出液を図2Aに示されるように収集した。SEQ ID NO:6についての類似の精製の試みは、使用した水性緩衝液におけるこの両親媒性ペプチドの溶解度が比較的低いために成功しなかった。
SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4を十分な水酸化アンモニウムと共に水溶液において20 mg/mLで溶解してpH 9を得た。この溶液をPhenomenex, Inc. Gemini(登録商標)5μm C18カラム(100×30 mm)を備えたAgilent, Inc.モデル1100調整用HPLCを用いて5 mLアリコートにおいて精製した。水およびアセトニトリル(それぞれ、0.1 vol%水酸化アンモニウム緩衝液を含有する)の溶出勾配を、図2Aにおいて示されるように用いた。流速は15 mL/分であり、移動相をTimberline Instruments TL-105カラムヒーターを用いて約45℃まで予め加熱した。UV吸収を波長220 nmでモニターして、溶出液を図2Aに示されるように収集した。SEQ ID NO:6についての類似の精製の試みは、使用した水性緩衝液におけるこの両親媒性ペプチドの溶解度が比較的低いために成功しなかった。
1.5. 凍結乾燥
調整用HPLC後の水およびアセトニトリルを除去するために、両親媒性ペプチド溶液をガラス凍結乾燥フラスコに移して、ドライアイス/イソプロパノール浴において-78℃でシェルを凍結させて、収集装置の温度-80℃および圧力<0.100 mbarで操作する凍結乾燥器において少なくとも48時間凍結乾燥した。精製両親媒性ペプチドの典型的な収率は、理論的収率の30〜40%であり、典型的に2 mmol反応規模で材料約1.0 gが得られ、ペプチドの純度は>95%であった。
調整用HPLC後の水およびアセトニトリルを除去するために、両親媒性ペプチド溶液をガラス凍結乾燥フラスコに移して、ドライアイス/イソプロパノール浴において-78℃でシェルを凍結させて、収集装置の温度-80℃および圧力<0.100 mbarで操作する凍結乾燥器において少なくとも48時間凍結乾燥した。精製両親媒性ペプチドの典型的な収率は、理論的収率の30〜40%であり、典型的に2 mmol反応規模で材料約1.0 gが得られ、ペプチドの純度は>95%であった。
1.6. pHの調節
凍結乾燥した両親媒性ペプチド粉末の重量を測定して、USP薬学等級の水に5 mg/mLの濃度で再度溶解した。得られたコロイド状の懸濁液を、超音波浴において30分間撹拌した。USP薬学等級のNaOHおよび水から調製した1 M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を滅菌0.2ミクロンPTFEシリンジフィルターを通して濾過した。少量のNaOH溶液を加えることによって、懸濁液のpHをpH 7.0〜7.5に調節して、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4分子を容易に溶解させた。
凍結乾燥した両親媒性ペプチド粉末の重量を測定して、USP薬学等級の水に5 mg/mLの濃度で再度溶解した。得られたコロイド状の懸濁液を、超音波浴において30分間撹拌した。USP薬学等級のNaOHおよび水から調製した1 M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を滅菌0.2ミクロンPTFEシリンジフィルターを通して濾過した。少量のNaOH溶液を加えることによって、懸濁液のpHをpH 7.0〜7.5に調節して、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4分子を容易に溶解させた。
1.7. 無菌的濾過およびウイルスの充填
pH調節両親媒性ペプチド溶液を滅菌25 mmポリエーテルスルホン低タンパク質結合メンブレン(Pall Life Sciences Acrodisc(登録商標)Supor(登録商標)0.8/0.2ミクロン、または同等物)を通して、滅菌の予め洗浄した血清ガラスバイアルの中に濾過した。バイアルを凍結乾燥ストッパーによってキャップをして凍結し、直ちに凍結乾燥器に移して、先に記述したように凍結乾燥した。48時間後、バイアルに、0.2ミクロンPTFEフィルターを通して濾過した高純度窒素ガスを充填して、インサイチューでストッパーをつけた。バイアルを凍結乾燥チャンバーから取り出した後、アルミニウムキャップを縮らせて密封し、バイアルを使用するまで-20℃で保存した。
pH調節両親媒性ペプチド溶液を滅菌25 mmポリエーテルスルホン低タンパク質結合メンブレン(Pall Life Sciences Acrodisc(登録商標)Supor(登録商標)0.8/0.2ミクロン、または同等物)を通して、滅菌の予め洗浄した血清ガラスバイアルの中に濾過した。バイアルを凍結乾燥ストッパーによってキャップをして凍結し、直ちに凍結乾燥器に移して、先に記述したように凍結乾燥した。48時間後、バイアルに、0.2ミクロンPTFEフィルターを通して濾過した高純度窒素ガスを充填して、インサイチューでストッパーをつけた。バイアルを凍結乾燥チャンバーから取り出した後、アルミニウムキャップを縮らせて密封し、バイアルを使用するまで-20℃で保存した。
実施例2
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、およびSEQ ID NO:6の溶解度および流動学的性質の比較
本明細書において詳細に調べた3つの両親媒性ペプチドの構造は以下の通りである。
SEQ ID NO:2:
SEQ ID NO:4:
SEQ ID NO:6:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、およびSEQ ID NO:6の溶解度および流動学的性質の比較
本明細書において詳細に調べた3つの両親媒性ペプチドの構造は以下の通りである。
SEQ ID NO:2:
SEQ ID NO:4:
SEQ ID NO:6:
これらの分子の化学構造も同様に、図1に示す。SEQ ID NO:6と共にSEQ ID NO:2のゲル化動態および流動学的性質を調べるために実験を行った。両親媒性ペプチド試料を水に10 mg/mLの濃度で溶解した。次に、溶液0.125 mLを等量の人工脳脊髄液(CSF)と混合した29-31。人工CSFを、ヒト脊髄の組織に存在する正常な生理的なpH、等張性、および塩濃度を示すように処方した。人工CSFは、両親媒性ペプチドSEQ ID NO:2の自己集合を誘導して、所望の性質を有するゲルが得られることが見いだされた。
25 mmプレートを備えたPhysica, Inc. MCR 300 Molecular Compact Rheometerを用いて、インビトロでSEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:6によって形成されたゲルの剛性を測定した。試料を21℃、0.5%剪断ひずみで周波数(ω)10 Hzでプレート間の空隙0.5 mmで測定した。G'(貯蔵弾性係数(storage modulus))およびG''(損失弾性係数(loss modulus))をゲル化後の時間後に関して測定した。SEQ ID NO:2の複素剪断弾性係数(G*)(剪断ひずみによって除した剪断応力として定義される)は、ゲル化後1時間でSEQ ID NO:6の係数より1桁大きいことが見いだされた。図3Aを参照されたい。
Tan(δ)(貯蔵弾性係数によって除した損失弾性係数として定義される)は、粘度とは無関係に材料におけるエネルギー損失とエネルギー貯蔵のあいだのバランスを定量する。SEQ ID NO:2に関してtan(δ)の有意に低い値が得られ、人工脳脊髄液におけるSEQ ID NO:6のより「液体様」挙動と比較してより「ゲル様」性質を示している。図3Bを参照されたい。
SEQ ID NO:2とSEQ ID NO:6のあいだのアミノ酸配列の変化は、一見、比較的軽微であるようにみえるが、それにもかかわらず、いくつかの重要な予想外の結末を付与する。追加のグルタミン酸残基は、水溶液での溶解度を増大させて、分子が可溶性となる水性緩衝液のタイプを広くする。この改変がなければ、SEQ ID NO:6において生理的な条件下でイオン化するアミノ酸側鎖のみが両性イオン(たとえば、Glu-Ile-Lys)を形成し、これはほとんどの水性緩衝液における分子の溶解度を制限する。たとえば、SEQ ID NO:2は、0.1 vol%水酸化アンモニウム緩衝液において20 mg/mLの濃度で可溶性であるが、SEQ ID NO:6はこの緩衝液ではごくわずかに可溶性であるに過ぎない。水酸化アンモニウムにおける溶解度はHPLCによる精製を大きく容易にすることから、両親媒性ペプチドの製造性および臨床開発にとって、この変化は重要な意味を有する。
両性イオンまたはカルボン酸とアミン側鎖のあいだの塩架橋形成がSEQ ID NO:6の溶解度に及ぼす影響は、SEQ ID NO:6における1つのグルタミン酸をアスパラギン酸(Asp)に交換すること(SEQ ID NO:4)によってさらに証明される。この見かけ上無意味な改変(残基からの1つのメチレン基の欠失)によって、水酸化アンモニウム緩衝液における両親媒性ペプチドの水溶液溶解度は20倍を上回って増大し、HPLCによる精製を大いに容易にする(図2Dを参照されたい)。
加えて、人工脳脊髄液におけるSEQ ID NO:2によって形成されたゲルの増大した剛性は、弾性係数100〜1000 Paを有する天然の中枢神経系(脳および脊髄)組織の機械的性質をよりよく模倣している32。
これらの有意な予想外の性質の変化は、組織工学応用のための両親媒性ペプチドの設計におけるアミノ酸配列選択の重要性を強調する。結果はまた、アミノ酸配列のみから溶解度、動態、および肉眼的な機械的性質を前もって予測することの難しさを強調している。重要なことは、SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:4の両親媒性ペプチドについて得られた溶解度およびゲル剛性の改善が、当初のSEQ ID NO:6構造の3つの基本的な要素:パルミトイル親油性セグメント、β-シート形成構造セグメントSLSLAAA(SEQ ID NO:21)、およびC末端機能性セグメントIKVAV(SEQ ID NO:5)を保持しながら達成されたことである。このように、自己集合したゲルおよびその生物活性のナノスケールでの形態は、改善されなければ類似であると予想される。
産業上の利用可能性
本明細書において記述される両親媒性ペプチド組成物は、予想外に優れたゲル化動態および流動学的性質、たとえば改善された溶解度を保有し、これは次に、薬学的応用、たとえばヒト患者へのインビボ投与のために必要な高い純度の程度の実現を容易にする。加えて、CSFにおいて形成された本発明の改善された両親媒性ペプチド組成物のゲルは、天然の中枢神経系における組織の機械的性質をよりよく模倣する増大した機械的剛性を保有し、次にこれは間葉幹細胞の神経発生分化の改善と相関する。
本明細書において記述される両親媒性ペプチド組成物は、予想外に優れたゲル化動態および流動学的性質、たとえば改善された溶解度を保有し、これは次に、薬学的応用、たとえばヒト患者へのインビボ投与のために必要な高い純度の程度の実現を容易にする。加えて、CSFにおいて形成された本発明の改善された両親媒性ペプチド組成物のゲルは、天然の中枢神経系における組織の機械的性質をよりよく模倣する増大した機械的剛性を保有し、次にこれは間葉幹細胞の神経発生分化の改善と相関する。
本明細書において言及した全ての特許および刊行物は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書におけるいかなる記述も、先行発明に基づいてそのような開示がなされた日付を早める権利が本発明にはないと自認したと解釈されるべきではない。
本発明は、その特定の態様を参照して詳細に説明してきたが、前述の説明は本質的に例示的で説明的であり、本発明およびその好ましい態様を説明するために意図されると理解されるべきである。ルーチンの実験を通して、当業者は様々な変化および改変を本発明に行うことができるが、それらも本発明の趣旨および範囲に含まれることを容易に認識すると考えられる。たとえば、様々な両親媒性ペプチドが特定のアミノ酸残基に関連して記述されているが、そこから調製されたナノ構造における特定の組織の成長および再生を促進するために、本発明と共に他の残基を用いることができる。同様に、本発明は、生物医学または組織工学での用途に適用可能であると説明されているが、他の長所および特色が本明細書の後に提出された特許請求の範囲から明らかとなる。そのような特許請求の範囲は、当業者によって理解されるように、その妥当な同等物によって決定される。このように、本発明は、上記の説明によって定義されるのではなく、添付の特許請求の範囲およびその同等物によって定義されると意図される。
Claims (46)
- 請求項1記載の化合物を含む組成物を被験体に投与する段階を含む、それを必要とする被験体における神経障害を処置する方法。
- 障害を受けた神経が、被験体の脊髄における神経である、請求項2記載の方法。
- 障害を受けた神経が知覚ニューロンを含む、請求項2記載の方法。
- 障害を受けた神経が運動ニューロンを含む、請求項2記載の方法。
- 組成物が髄腔内に投与される、請求項2記載の方法。
- 組成物が、化合物を含む水溶液である、請求項6記載の方法。
- 化合物が被験体においてナノファイバーゲルを形成する、請求項7記載の方法。
- 障害を受けた神経に接触することでナノファイバーゲルが生じる、請求項8記載の方法。
- 組成物が、神経栄養因子、神経成長抑制因子の抑制因子、神経成長誘引物質、および神経成長抑制因子からなる群より選択される1つまたは複数の他の物質をさらに含む、請求項2記載の方法。
- (a)n=6〜22である式CnH2n-1Oの1本の直鎖状アルキル鎖からなる群より選択され、かつペプチジル結合によってペプチドのN末端に連結される、親油性セグメント;
(b)非極性側鎖を有する3〜8個のアミノ酸残基を含み、かつ主にβ-シート二次構造を形成する傾向を有する、分子の中間に存在する構造ペプチドセグメント;ならびに
(c)式中m=0〜5、p=0〜3であり、Xaaが酸性側鎖を有する1つもしくは複数のアミノ酸残基から選択され、かつXbbが任意のアミノ酸から選択される
を含む式を有するか、またはSEQ ID NO:22〜26、31、および32のいずれか1つから選択される、C末端の機能性ペプチドセグメント
を含む、
水性媒質において水溶性であり、かつ生理的な条件下でゲルをもたらす、両親媒性ペプチド。 - Xaaが、アミノマロン酸(Ama)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アミノアジピン酸(Aib)、アミノヘプタン二酸(Apm)、またはγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)からなる群より選択されるアミノ酸残基である、請求項11記載の両親媒性ペプチド分子。
- Xaaがグルタミン酸(Glu)およびアスパラギン酸(Asp)からなる群より選択されるアミノ酸残基である、請求項11記載の両親媒性ペプチド分子。
- n=16であり、それ故に親油性セグメントがパルミチン酸を含む、請求項11記載の両親媒性ペプチド分子。
- 構造ペプチドセグメントがSEQ ID NO:8〜21からなる群より選択される、請求項11記載の両親媒性ペプチド分子。
- Xaaがグルタミン酸であり、mが2であり、かつpが0である、請求項11記載の両親媒性ペプチド分子。
- Xaaがアスパラギン酸であり、mが1であり、かつpが0である、請求項11記載の両親媒性ペプチド分子。
- 請求項1または11記載の1つまたは複数の両親媒性ペプチド分子を含む、自己集合して1つまたは複数のフィブリル構造を形成する組成物。
- フィブリル構造が円筒状ミセルである、請求項20記載の組成物。
- 請求項20記載の組成物を有する、その上にコーティングが施された基質。
- 請求項1または11記載の両親媒性ペプチド分子を含み、組織成長のための足場として役立つ、生体適合性で生体分解性のゲル。
- 請求項20記載のフィブリル構造を含み、組織成長のための足場として役立つ、生体適合性で生体分解性のゲル。
- 請求項20記載の組成物を含む、マトリクスまたは足場。
- 薬学的に許容される担体と共に、請求項1または11記載の1つまたは複数の両親媒性ペプチド分子を含む、薬学的組成物。
- 請求項11記載の両親媒性ペプチド分子を含む組成物を、ニューロンの再生を刺激する条件下で被験体に投与する段階を含む、神経の障害を有するヒト患者を処置する方法。
- 障害を受けた神経が、外傷性の脊髄損傷によって障害を受けている、請求項27記載の方法。
- 両親媒性ペプチドが、脳脊髄液に接触することでゲルを形成する、請求項27記載の方法。
- 請求項1または11記載の両親媒性ペプチドを含む組成物を神経前駆細胞に接触させる段階を含む、神経前駆細胞の発達を促進する方法。
- ニューロンの発達が軸索の成長を含む、請求項32記載の方法。
- 軸索の成長が下行性運動神経線維の成長を含む、請求項33記載の方法。
- 軸索の成長が上行性知覚神経線維の成長を含む、請求項33記載の方法。
- 組成物が神経栄養因子をさらに含む、請求項32記載の方法。
- 神経前駆細胞が、被験体におけるアストログリオーシス(astrogliosis)の低減を伴う、請求項32記載の方法。
- 接触させる段階が、両親媒性ペプチドを含む水溶液の髄腔内投与を含む、請求項32記載の方法。
- 神経前駆細胞が幹細胞である、請求項32記載の方法。
- 神経前駆細胞が神経突起または未発達のニューロンである、請求項32記載の方法。
- 神経前駆細胞が不死化されている、請求項32記載の方法。
- 発達の変更が、神経前駆細胞の成長を含む、請求項32記載の方法。
- 発達の変更が、神経前駆細胞の分化および成長を含む、請求項32記載の方法。
- アストログリア細胞への神経前駆細胞の分化を抑制する段階をさらに含む、請求項32記載の方法。
- 固相ペプチド合成が、保護されたアミノ酸の0.1〜0.4 mmol/gの添加画分が予め添加されたポリマー樹脂支持体を用いて行われ、添加画分が、ペプチドの合成収率を改善するように選択される、請求項11記載の両親媒性ペプチドを作製する方法。
- ペプチドの合成収率を改善するように選択される方法であって、セリンアミノ酸残基が、シュードプロリン(オキサゾリジン)ジペプチドの形でペプチド配列に組み入れられる、請求項11記載の両親媒性ペプチドを作製する方法。
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