JP2010524900A - 非経口投与に適したコアとマイクロカプセル並びにそれらの製造方法 - Google Patents

非経口投与に適したコアとマイクロカプセル並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特定ポリマー及び生物学的活性物質のコアと、シェルを有する該コア、即ちマイクロカプセルの製造方法、並びにこのように製造されたコア及びマイクロカプセルと、このようなマイクロカプセルを含む医薬製剤に関する。

Description

本発明は、生物学的活性物質(以下では、BASs)を投与するためのガレニック製剤(galenic formulations)の分野、より正確には、BASsの迅速放出用コア及び前記BASsの制御放出用マイクロカプセルの分野の範囲内にある。より詳しくは、本発明は、前記BASsを含有する、このようなコア及びマイクロカプセルの製造方法と、このようにして得られたコア及びマイクロカプセルに関する。
例えば、タンパク質、ペプチド及びその他の薬物のようなBASsのため、特に非経口投与されるようなBASsのための迅速放出製剤及び制御放出製剤の必要性は、非常に大きい。多くのアプローチが公開されているにも拘わらず、完全に満足できるテクノロジーは存在しない。
高い乾燥含量と最小限の結合剤含量を有する粒子の製造方法は知られている(WO 0119345A1, WO 02072070A1)。非経口的でない組成物のみが、微粒化(atomisation)のために圧縮空気を用い、冷流体を機械的に撹拌し、真空凍結乾燥によって乾燥させて、製造されている。
抽出によるポリマー溶媒の除去を利用し、二帯プロセス容器(1帯は凍結用、そして1帯は前帯での液化ガスの循環流(encircling flow)による抽出用)を必要とする、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマーから持続放出マイクロカプセルを製造する方法は、知られている(US 6,726,860B2)。この方法は複雑であり、本発明の、簡単化かつ改良された方法と方法設計及びコア又はマイクロカプセルを開示していない。
ごく迅速に凍結するために、非常に高い噴霧圧と断熱ノズルを用いて液体窒素中に噴霧することによって粒子を製造する方法は、知られている(WO 02060411A2)。この方法は、サイズ、形状及び機械的性質に関して、エア・サスペンジョン塗装に適したコアを提供していず、本発明の特徴及び組成物を開示していない。
流動床における大気圧での水分の昇華によって、粒子を凍結させ、乾燥させる方法は知られている(US 4,508,764)。この方法は、特に、制御放出のために本発明の組成物によって粒子又は被覆マイクロ粒子(マイクロカプセル)を製造することを開示していない。
EP 1726299は、BASを含有するコア及び制御放出のためのマイクロカプセルの製造方法を開示する。これは、高負荷での非溶解BASs又はモデル物質に関連してのみ、微粒化のために圧縮空気を用いて凍結させて、真空乾燥凍結によって乾燥させることによる凝固を開示するが、コアの収率は明記していない。その上、この方法は、最も好ましいコアポリマーに関して、BASのコアポリマーに対する高い比率を有する非経口制御放出製剤に排他的に関する。
粉末の混合は、特に粉末が敏感な物質を含有する場合には、非常に困難であり、代替の、簡単な方法が必要である。
非経口投与用製剤を含めて、生物学的活性物質の迅速放出及び制御放出製剤の製造方法及び該製剤に適した調合(preparations)には、多くの進歩が知られているが、改良が望ましいと考えられる。
WO 0119345A1 WO 02072070A1 US 6,726,860B2 WO 02060411A2 US 4,508,764 EP 1726299
本発明は、BASsの即時若しくは迅速放出のために有用であり、そして持続放出製剤の製造に適した中間体として有用であるコア、及びコアとシェルを含むマイクロカプセルの製造方法並びに該コア及び該マイクロカプセル自体に関する。本発明はさらに、本発明のコア又はマイクロカプセルを含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、2種類の異なるコアを同時に製造する方法と、コアと粒子とを混合する手段を提供する。好ましい実施態様では、該マイクロカプセルは非経口投与のために受容される。
本発明は、不連続相が微粒化によって形成され、冷媒質を用いる凍結によって凝固されるプロセスにおいて、該不連続相と相互作用するガスの使用によって、新規で、改良されたプロセスが得られるという発見に基づく。本発明は、前記不連続相相互作用ガス(以下では、DPIG)の使用に基づいて完成されており、下記利点の1つ以上を、それだけで又は他の利点及び特徴と組み合わせて実現する、改良された製造方法及び改良された生成物を包含する:
・ エア・サスペンジョン技術による塗装に適しており、制御放出製剤の製造における有用な中間体であるか、又は迅速放出用途に適しているBAS含有コアの製造の可能性;
・ 不活性雰囲気下でも、敏感なBASを含有するコアの製造に非常に迅速で、穏やかな方法の使用の可能性;
・ 特に、低用量調合(low dose preparation)と、溶解BASsの使用によって、コアのマトリックスとして、非経口的用途のために既に認可されているポリマーの使用の可能性;
・ 異なる組成を有する少なくとも2つのコアを同時に含む製剤の製造の可能性;
・ 今までに利用可能な方法によるよりも迅速で、かつ少ないプロセス工程でのコア及びマイクロカプセルの製造の可能性;
・ 例えば、冷媒質中での粒子製造方法において非機械的撹拌の使用の可能性;
・ 下記利点:熱若しくは高剪断力への暴露の回避、静電気による問題の回避、複雑なプロセス装置の必要性の軽減、収率と混合効率の向上、用いた任意の液体媒質の除去の簡単化、及び溶媒除去前の粉末混合の可能性の少なくとも1つ又は幾つかを与える、コア及び乾燥コア又は粉末を包含する凍結不連続相の混合プロセス;
・ 有機溶媒及び/又はポリエチレングリコール及び/又は油を低含量で有するか又は全く有さないコアの製造の可能性;
・ 異なるプロセス装置及び/又は環境間での移動回数を減ずる、及び/又はプロセス及び装置の複雑さを減ずる可能性;
・ 少なくとも1つの乾燥工程において真空まで減圧する必要性の回避の可能性;
・ コアの製造及び/又はプロセス効率と収率の向上及び/又はプロセス時間の短縮とプロセス費用の減少の可能性。
本発明は、下記を開示する:
(1)コアを製造若しくは混合する方法、又は少なくとも1つのコアを含む医薬製剤を製造する方法であって、冷媒質と少なくとも1つのDPIGを接触させることを含む方法。
(2)撹拌又は混合を含む、(1)に記載の方法。
(3)前記撹拌又は混合が非機械的手段による、(1)〜(2)に記載の方法。
(4)少なくとも1つのDPIGが用いられる、(1)〜(3)に記載の方法。
(5)不連続相を、以下で定義するような、本発明のコアポリマー又は、以下で定義するような、本発明の水溶性低分子量コア物質の微粒化によって形成し、凍結によって凝固させる、(1)〜(4)に記載の方法。
(6)前記冷媒質中に少なくとも2つの不連続相が存在し、前記冷媒質が好ましくは液体の形態である、(1)〜(5)に記載の方法。
(7)好ましくは非経口的に許容される賦形剤が、溶媒中に溶解する、(1)〜(6)に記載のコア製造方法。
(8)該方法の少なくとも1つの工程中に、BASが不連続相中に存在する、(1)〜(7)に記載の方法。
(9)前記DPIGが、該方法のいずれかの工程において、好ましくは、冷媒質又は容器の器壁に接触したときに、体積減少又は相転移を受ける、(4)〜(8)に記載の方法。
(10)前記DPIGが、微粒化による不連続相の形成に関連して、及び/又は該不連続相と冷媒質との相互作用を改善するため、及び/又は該不連続相の一部を該不連続相の別の部分から分離するため、及び/又はプロセス容器の器壁への永久的付着を減ずるために用いられる、(4)〜(9)に記載の方法。
(11)乾燥工程をさらに含む、(1)〜(10)に記載の方法。
(12)前記コアを、以下で定義するような、本発明の乾燥方法グループのいずれかによってさらに乾燥させる、(11)に記載の方法。
(13)溶媒を、以下で定義するような、大気圧凍結乾燥によって除去する、(11)〜(12)に記載の方法。
(14)該プロセスを密閉容器内で、好ましくは無菌的に、最も好ましくはアイソレーター内で(within an isolator)実施する、(1)〜(13)に記載の方法。
(15)前記BASを(a)製薬的に受容される薬物、(b)非経口的に受容される薬物、(c)以下で定義するような、本発明のBASsの特定グループ、又は(d)以下で定義するような、本発明の特定の薬物から成る群から選択される、(8)〜(14)に記載の方法。
(16)該不連続相が、本発明の水溶性若しくは水不溶性コアポリマー又は水溶性低分子量コア物質から成る群から選択されるポリマーを含む、(1)〜(15)に記載の方法。
(17)前記ポリマーが、本発明の特定の非経口的の又は非経口的でないコアポリマーから選択される、(16)に記載の方法。
(18)前記ポリマーが、以下で定義するような、本発明の特定水溶性コアポリマーである、(16)〜(17)に記載の方法。
(19)液化ガス又は冷溶媒から選択される冷媒質を用いて、場合によっては、これをガスの形態で除去する、(1)〜(18)に記載の方法。
(20)コアの収率が少なくとも70%以上である、(1)〜(19)に記載の方法。
(21)場合によっては、以下で定義するような希釈剤粒子の存在下で、それぞれ、以下で定義するような、本発明の低負荷及び高負荷組成物に関して、BASの、コアポリマーに対する比率が定義される、(1)〜(20)に記載の方法。
(22)以下で定義するような不活性雰囲気下でコアを製造し、場合によっては、以下で定義するような不活性雰囲気下で、前記コアを乾燥させる方法。
(23)(22)と(1)〜(21)との複合方法。
(24)該BASが酸化によって分解生成物を形成することができ、該プロセスが不活性雰囲気下で実施される、(23)に記載の方法。
(25)(8)〜(24)に従って得られた若しくは得られるコア上に放出制御シェルを塗付(application)することを含む、持続放出マイクロカプセルの製造方法。
(26)該シェルが1種類以上のフィルム形成性(film-forming)で、生分解性の、投与可能な(administrable)ポリマー又はコポリマーを含む、(25)に記載の方法。
(27)該ポリマー又はコポリマーが、以下で定義するような、特定のシェルポリマーから選択される、(26)に記載の方法。
(28)放出制御シェルを塗付する方法が、エア・サスペンジョン塗装、噴霧乾燥、又はエマルジョンに基づく方法、場合によっては、イン−ウォータードライイング(in-water-drying)も含めたなかから選択され、エア・サスペンジョン塗装が好ましい、(25)〜(27)のいずれかに記載の方法。
(29)該放出制御ポリマーが、エア・サスペンジョン塗装によって塗付され、ポリマーの、コア又はコアポリマーに対する比率が以下で定義したとおりである、(25)〜(28)のいずれかに記載の方法。
(30)場合によっては、任意の遅延相なしにそして被膜を全く暴露せずに、BASの放出期間が3日間〜約6か月間の範囲内になるように、該放出制御ポリマーの組成と量を選択する、(26)〜(29)のいずれかに記載の方法。
(31)水性溶媒を用い、この溶媒が大気圧における昇華によって、少なくとも一部、好ましくは完全に除去される、(1)〜(30)に記載の方法。
(32)被覆マイクロ粒子若しくはマイクロカプセルの製造方法であって、少なくとも1種類のポリマーを溶解するために用いる少なくとも1種類の溶媒を、プロセスのいずれかの工程で、好ましくはコアの製造後又は放出制御ポリマーの組み入れ後に、少なくとも一部は大気圧における昇華によって除去する方法。
(33)場合によっては、以下で定義するような外部手段によって乾燥器へガスを供給せずに、ガス流によって前記溶媒除去を達成する、(31)〜(32)に記載の方法。
(34)(1)〜(31)と組み合わせた(32)又は(33)に記載の方法。
(35)(1)〜(34)によって得られることができるコア。
(36)(1)〜(34)によって得られたコア。
(37)以下で定義するような、本発明のコアポリマーの少なくとも1種類を含むコア。
(38)以下で定義するような、本発明の特定水溶性コアポリマーの少なくとも1種類又は、以下で定義するような、本発明の特定水溶性コア物質の少なくとも1種類を含むコア。
(39)残留オイルの含量が、以下で定義するように、低い、(38)又は(39)に記載のコア。
(40)残留ポリエチレングリコールの含量が、以下で定義するように、低い、(38)又は(39)に記載のコア。
(41)残留有機溶媒の含量が、以下で定義するように、低い、(38)又は(39)に記載のコア。
(42)(38)又は(39)と(39)〜(41)に記載のコア。
(43)BASを含む(37)〜(42)に記載のコアであって、該BAS/コアポリマーの比率が、以下で定義するような、本発明の低負荷及び高負荷組成物に関して定義するとおりであるコア。
(44)以下で定義するような、少なくとも2つの異なるコア集団を含む組成物。
(45)少なくとも1つの集団が(37)〜(43)に記載のコアを含む、(44)に記載の組成物。
(46)(37)〜(43)のいずれかに記載のコアと、1種類以上のフィルム形成性ポリマー又はコポリマーの放出制御シェルを含む持続放出マイクロカプセル。
(47)該BASが、以下で定義するような、免疫応答を高める意図で又は可能性があって投与される物質ではない、(8)〜(46)のいずれかに記載の主題(subject-matter)。
(48)該BASが、以下で定義するような、免疫応答を高める意図で又は可能性があって投与される物質を含む、(8)〜(46)のいずれかに記載の主題。
1つの実施態様では、BAS含有コアを製造するための本発明の方法は、下記工程:
(a)1種類以上のコア形成物質、好ましくはBASをも含む液体コア物質組成物を供給する工程;
(b)微粒化によって連続相中に(a)の組成物の不連続相を形成する工程;及び
(c)凍結によって前記不連続相を凝固する工程
を含み、
(d)該プロセスの少なくとも1つの工程で、DPIGを用いる。
本発明に有用なポリマー、特に、コア形成又はシェル形成に有用なポリマーは、全て生体適合性ポリマー(biocompatible polymers)であるが、これらに限定するわけではない。これらのポリマーは、局所投与、眼内投与、肺投与又は非経口投与用に受容される又は受容されるようになりうるポリマーから選択することができる。非経口投与用に認可される又は認可されるようになりうるポリマーが好ましい。コアの形成に用いる場合に、これらのポリマーを水又は水性媒質中に、又は有機溶媒と水との混合物中に溶解してから、凍結によって、個別の固体単位(即ち、コア)に凝固させることができる。好ましい実施態様では、前記コアはBASを含有する。1実施態様では、エア・サスペンジョン技術によって、前記コアを被覆することができる。本明細書では、これらのポリマーを水溶性コアポリマーと呼ぶことにする。別の実施態様では、これらのポリマーは有機溶媒中又は有機溶媒混合物中に溶解することができ、前記溶媒は、低温抽出(cold extraction)によって又は好ましくは昇華によって除去されうるように、選択される、そして本発明ではこれらのポリマーを水不溶性コアポリマーと呼ぶことにする。これらのポリマーをシェル形成に用いる場合には、これらを有機溶媒中に溶解して、コア上に塗付して、シェルを形成することができ、これらのポリマーはシェルポリマー又はコーティング・ポリマー(coating polymer)と呼ばれる。
これらのポリマーは、これらの予定用途のために生体適合性であり、好ましくは生分解性である。これらのポリマーは、好ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)のための非経口製剤に既に用いられているものから選択される。好ましい実施態様では、該ポリマーはヒトにおいて非免疫原性であるものから選択される。
本発明では、全てのパーセンテージは、特に指定しない限りは、重量によるものである。本発明では、BASの含量は、重量パーセンテージとして表現し、BASの乾燥重量をコア中のBASとポリマーとの総乾燥重量によって割ったもの(以下では、BAS/コアポリマー比率と呼ぶ)として算出される。マイクロカプセル中のBASの含量は、マイクロカプセルの乾燥重量によって割った、BASの乾燥重量として表現される。
本発明の1実施態様では、“コア(core)”又は“複数のコア(cores)”はエア・サスペンジョン技術を用いた塗装に適した粒子として定義される。実施態様の別のセットでは、“コア”又は“複数のコア”なる表現は、肺、鼻腔、皮膚、創傷内への適用に、又は非経口的適用に適した粒子として定義される。実施態様の別のセットでは、“コア”なる用語は、少なくとももう1種類の粒子又は粒子集団の存在下の冷媒質中で撹拌することができる、直径500μm未満の任意の粒子又は粒子集団を包含する。“非機械的に混合可能なコア”なる用語は、少なくとももう1種類の粒子又は粒子集団の存在下の冷媒質中で非機械的に撹拌されて、このときに該粒子又は粒子集団の混合物が得られる、直径500μm未満の任意の粒子又は粒子集団を包含する。
本発明では、“希釈剤粒子(diluent particles)”とは、BASを全く含有しない、直径20μm未満、好ましくは10μm未満のサイズを有する粒子として定義される。前記希釈剤は下記群の少なくとも1種類の物質を含む粒子から選択することができる:単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、ポリアミノ酸、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)、水溶性合成ポリマー、固体バッファー物質、脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、及び水不溶性ポリマー。希釈剤粒子の前記水不溶性ポリマーは、コア又は放出制御シェルの形成に適したポリマー全てを包含する。
本発明の実施態様の1セットでは、“不連続相”とは、本発明のコアを形成することになる凍結前後の小滴、並びに乾燥前後の該コアを包含するように定義される。実施態様の1セットでは、“不連続相”なる用語は、冷媒質中に存在して、冷媒質と相互作用する、任意の凍結小滴又は乾燥粒子を包含する。
本発明では、“不連続相と相互作用するガス” (略して、DPIG)なる用語は、不連続相と相互作用して、微粒化及び、凍結による凝固による不連続相の形成を含むコア製造方法の少なくとも1つの態様を、DPIGを用いない前記方法に比べて、改良する、任意のガスとして定義される。1実施態様では、前記相互作用は、不連続相の少なくとも1つの画分の表面との相互作用である。1実施態様では、前記相互作用は、不連続相が埋め込まれる構造の形成による(by formation of a structure in which the discontinuous phase is embedded)もの、又は不連続相の少なくとも一部が該不連続相の別の部分と若しくはプロセス容器の器壁と接触しようとする傾向を、特に永久的に低減する構造若しくは固体の形成によるものである。1実施態様では、前記相互作用は、例えば、冷媒質中での不連続相の動きの増強によって、該不連続相と該冷媒質との相互作用を改良することによるものである。1実施態様では、前記相互作用は、不連続相の形成前に固体状態の前記ガスを含む層を器壁上に存在させる又は該層を器壁上に形成することによって、該不連続相がプロセス容器の器壁の少なくとも一部、好ましくは大部分若しくは全てと接触するのを防止することによるものである。1実施態様では、前記相互作用は、相転移、例えば凝固によって、DPIGの量を減ずる、従って、逆流(backflow)を減ずることによるものである。1実施態様では、該相互作用は、前記相互作用の少なくとも2つの組み合わせによるものである。1実施態様では、該相互作用は、前記相互作用の少なくとも3つの組み合わせによるものである。
上記で開示したDPIGの利益は、適当に選択した冷媒質と充分に高濃度のDPIGとの組み合わせで実現され、前記濃度は各特定の組み合わせに関して簡単な実験によって決定することができ、前記濃度は空気中又は圧縮空気中に通常存在する濃度を常に超える。該DPIGの開示された利益のいずれもが、微粒化と冷媒質による凍結を用いるコア(好ましくはBASを含有する)製造を包含するプロセスにおいて得られるかぎり、前記組み合わせは限定されない。組み合わせは、二酸化炭素−液体窒素、二酸化炭素−液体エタノール、液体窒素−エタノール、二酸化炭素−アルゴンを包含する。
DPIGは、ガスの形態でプロセス容器に導入する、又はプロセス容器から取り出すことができる。プロセスのいずれかの工程では、DPIGは液化ガス又は固化ガスの形態であることができる。ガスの形態では、DPIGは、微粒化による不連続相の形成に関連して用いることができる。固体の形態で、DPIGは連続相中に又は冷媒質中に存在することができ、この場合には、DPIGは独立して(by itself)又は、プロセスの少なくとも一部中では、不連続相と合体して(associated with the discontinuous phase)存在することができる。前記固体は、冷媒質に固体の形態で又は、冷媒質と接触すると固体に変換するガスの形態で導入することができる。本発明の1つの好ましい実施態様では、DPIGと冷媒質との組み合わせは、プロセス容器中に導入されるガス量が、それが冷媒質と又は前記冷媒質を覆う冷ガスと接触するときに、少なくとも50%、好ましくは80〜100%の範囲内で減少するように、選択される。不連続相とのこの相互作用は、流動パターンの変化(例えば、微粒化中に導入されるガスの逆流の減少、従って、器壁上の沈着物の減少)に基づくものである。好ましい実施態様では、前記冷媒質は、プロセス容器中へのDPIGの導入時に、ガス及び液体の両方の形態で存在する。DPIGは、ガスの形態で取り出されることが好ましい。DPIGの例は、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン、及び酸素を包含する。二酸化炭素と窒素が好ましい。好ましい実施態様では、二酸化炭素が用いられる。前記ガスの混合物、例えば、窒素と二酸化炭素、空気と二酸化炭素の混合物も使用可能である。
本発明では、冷媒質中での“非機械的撹拌”とは、機械的手段を用いない撹拌、例えば、パドル撹拌若しくは電磁気撹拌を用いない撹拌、又は容器を機械的に動かさない撹拌として定義される。最も好ましい実施態様では、前記非機械的撹拌は、DPIGの使用によって達成される。これは、機械的手段によって得られる撹拌に比べて、改良された及び/又は単純化された撹拌を提供することができ、プロセス及び/又は装置設計の複雑さを軽減して、無菌製造を簡素化することができる。理論に縛られることを望むわけではないが、少なくとも一部は、冷媒質中での3cm〜5μmのサイズ範囲内であることができるDPIG粒子の運動によって、非常に効果的な撹拌が得られると考えられる。
本発明では、“不活性雰囲気”とは、酸素が殆ど又は全く存在しないとして定義される。1実施態様では、前記不活性雰囲気は、コアの製造に用いられるガスと冷媒質を意味する。1実施態様では、前記不活性雰囲気はさらに、以下に記載するような、コアの乾燥に用いられるガスを意味する。1実施態様では、本発明は、不活性雰囲気中でコアを製造する方法を開示する。1実施態様では、本発明は、不活性雰囲気中でコアを乾燥させる方法を開示する。1実施態様では、本発明は、酸化によって少なくとも1種類の分解生成物を形成することができるBASを含有するコアの製造方法であって、前記製造が不活性雰囲気中で行なわれる方法を開示する。例えば、ペプチド及びタンパク質中の一部のアミノ酸は、酸化されやすい。好ましい実施態様では、該不活性雰囲気は、本発明のDPIGのいずれかを用いて作り出されて、該コアの製造と乾燥の両方に用いられる。
本出願に開示する組成物の小滴(不連続相)を形成することができる、任意のアトマイザー又はスプレーノズルが使用可能である。該ノズルは、金属(例えばステンレス鋼)製でも非金属製でもよい。1実施態様では、スプレーノズルを加熱して及び/又は冷媒質から若しくは該冷媒質を覆う冷ガスから他の手段によって断熱若しくは保護して、例えば、該ノズル中での組成物の好ましくない粘度上昇又は凍結を防止する。1実施態様では、前記小滴形成を、ガスによって、例えば、圧縮空気、窒素、アルゴン、ヘリウム又は二酸化炭素によって助成する。不連続相の生成を可能にする圧力で、前記ガスを供給することが好ましく、その圧力を用いて、当該技術分野で知られているように、前記相のサイズ分布に影響を与えることができる。1つの好ましい実施態様セットでは、前記スプレーノズルは、さらに、マイクロクライメート・ガス(microclimate gas)を供給することができる。前記マイクロクライメート・ガスの供給を利用して、例えば、好ましいサイズと形状を有する凝固コアの形成及びBASの生物学的活性(bioactivity)に影響を与える要素を前記ガスの供給がない場合よりも良好に制御することができる、微粒化不連続相のためのマイクロクライメートを形成することができる。前記要素は、ガス流動パターン及び凍結速度を包含する。加熱されたマイクロクライメート・ガスを供給することによって、スプレーノズル内での凍結を回避することができ、例えば、不連続相の初期凍結速度の制御を改善することができる。これによって、該容器の上部でのより低い温度の使用が可能になる。1実施態様では、前記マイクロクライメート・ガスの温度は10〜90℃の範囲内である。
本発明では、“容器(vessel)”は、プロセスの少なくとも1つの工程が実施され、含有される、器壁によって境界をつけられた容器又はコンテナーとして定義される。前記容器は、冷媒質の機械的撹拌のための手段を任意に有することができる。前記容器は好ましくは、該容器内での冷媒質若しくは冷ガスとの接触によって、又は例えば、二重壁容器の使用若しくは冷液体中への浸漬による器壁外側の接触によって、冷却することができる物質(例えば、ステンレス鋼)製の壁を前記容器の内側に有する。該プロセスの開始前に該器壁を冷却することが好ましい。当該技術分野で知られているような、微粒化中の器壁上又は該容器内への冷媒質の導入を利用することができるが、これは好ましくない。該プロセスのいずれの工程の開始前にも、前記器壁を、好ましくは固体形態のDPIGで覆うことができる。1実施態様では、前記容器は、凍結及び乾燥を実施する唯一の帯を含有する。該容器は、例えば、スプレーノズルの取り付けを可能にすることによって、微粒化を助成するための入口を含有し、そして冷媒質の供給用に、少なくとも1つの他の入口を有することができ;該容器の閉鎖前に前記媒質を供給することもできる。該容器は、圧力調節のために少なくとも1つの出口を、そして場合によっては、該冷媒質の取り出しを可能にする1つの出口を含有することができる。1実施態様では、前記容器はさらに、好ましくは、ボトムからガスを供給するために付加的な入口を含有する。1つの好ましい実施態様では、前記ガス供給が、コアを流動化させ、好ましくは、溶媒の昇華によって大気圧において乾燥させる。好ましい1実施態様では、前記容器はさらに、例えばエア・サスペンジョン塗装によって該乾燥コアを塗装するためにシェルポリマーを供給する手段をも含有する。前記容器は当該技術分野で知られている。
本発明では、“コア表面物質”とは、放出制御シェルの塗付前にコア上に塗付される物質として定義される。前記物質は、pHを安定化させ、凝集を防止若しくは軽減し、BASの放出動力学若しくは安定性を改良若しくは制御することができる物質から選択することができる。本発明の実施態様の1セットでは、前記物質は固体粒子の形態で、結合剤を用いて又は用いずに、塗付される。機能性物質の量は、該コアの乾燥重量を基準にして0.1〜30%の範囲内であることができ、該機能性物質の粒度は5μm未満より小さく(below less than 5μm)、1μm未満でさえありうる。
本発明では、“コアポリマー”とは、該プロセスの工程(a)の組成物中に溶解したポリマーである。本発明の1態様では、前記ポリマーは水溶性であり、本明細書では“水溶性コアポリマー”と呼ばれる。実施態様の1セットでは、前記ポリマーは下記群:ポリアミノ酸、多糖類、グリコサミノグリカン(ムコ多糖類)及び水溶性合成ポリマーから選択することができる。
本発明の1態様では、前記ポリマーは水中で溶解性ではなく、本明細書では“水不溶性コアポリマー”と呼ばれる。実施態様の1セットでは、前記ポリマーは、下記群:Handbook of Pharmaceutical Excipients (Third edition, edited by Arthur H. Kibbe, 2000, American Pharmaceutical Association and Pharmaceutical Press)において定義されるような、水不溶性又は水難溶性(very slightly water-soluble)の合成若しくは半合成ポリマーから選択される。
本発明の“特定の水溶性コアポリマー”は、下記:(1)組み換えヒトゼラチン、コラーゲン、アテロコラーゲン、プロタミン、ポリアルギニン及びポリオルニチンを包含するポリアミノ酸、修飾アミノ酸配列を有するものを含む;(2)アミロペクチン、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、マルトデキストリン、アルギネート、デキストラン及びグリコーゲンを包含する多糖類;(3)ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン及び硫酸デルマタンを包含するグリコサミノグリカン(ムコ多糖類);(4)ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリエチレングリコール又はポリエチレンオキシド(両方とも、ここからPEGと呼ばれる)を包含する水溶性合成ポリマー;を包含する。1実施態様では、該コアポリマーは、低いアミノ酸窒素含量及び/又は低分子量物質の低い含量を有する。前記コアポリマーは、例えば、塩又は錯体(complex)として用いることができる。
特定の“水不溶性コアポリマー”は、ポリタルトレート、ポリ無水物(polyanhydrides)、ポリオルトエステル、ヒアルロン酸のベンジルエステル、ポリアセタール、ポリ(エチレンカーボネート)コポリマー、及びヒドロキシル基と、乳酸若しくはグリコール酸に基づく上記ポリマーを含むコポリマー、例えば、グルコース−PLGA、ポリ(エーテルエステル)マルチブロックコポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)とポリ(ブチレンテレフタレート)に基づくもの、2,2−ビス(2−オキサロン)連結ポリ乳酸又はポリグリコール酸を包含する。ポリマーの混合物も用いることができる。前記ポリマー類は当業者に周知である。
本発明の“水溶性低分子量コア物質”は、コアを形成するために及び/又はコア形成の前若しくはコア形成に関連して、固定若しくはカプセル封入によってBAS粒状形を変換するために用いることができる物質である。該低分子量物質は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、アミノ酸類及び化学的修飾アミノ酸類を包含する群から選択することができる。本発明の“特定の水溶性低分子量コア物質”は、スクロース、マンニトール、ソルビトール、グルクロン酸、N−アセチルグルコサミン、スクシネート、トレハロース、グルコース、マルトース、マンニトール、ヒスチジン、メチオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、トリプトファン、リシン、グリシン、アルギニンを包含する。前記物質は混合物として、そしてさらにポリマーに関連して用いることもできる。
ヒアルロン酸は、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの反復単位を有する線状ポリマーから成る天然生成グリコサミノグリカン(ムコ多糖)である。ヒアルロン酸ナトリウムは薬局方(the Pharmacopoeia)に包含され、眼投与、関節内投与及び非経口投与に、化学的に修飾されない又は修飾された形で用いられる。本発明では、ヒアルロン酸は、全ての非経口投与可能な形、例えば、ヒアルロン酸;塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸亜鉛);錯体(例えば、塩化ベンザルコニウムとBASsによるもの);イオン性架橋形(例えば、Fe3+によるもの);化学的修飾形(例えば、ベンジルエステルのようなエステル);及び本発明の方法の工程(a)で用いる前に化学的架橋した形、並びに本発明の他の投与経路に適した形を含むように定義される。同じことが、他の非経口投与可能なグルコサミノグリカン(ムコ多糖類)、例えば、硫酸コンドロイチン及び硫酸デルマタンにも該当する。ヒアルロン酸の分子量は限定されないが、50〜5000kDa又は400〜4000kDaの範囲内であることができる。
1実施態様では、コアの製造に1種類のみのポリマーを用いる。1実施態様では、前記コアポリマーは、それが生分解して、化学的中性種になり、酸性分解生成物にならないように選択される。他の実施態様では、本発明の水溶性コアポリマーから選択された1種類のみのポリマーが用いられる。1実施態様では、本発明の少なくとも1種類の水溶性低分子量コア物質が用いられる。
該ポリマーを通常、当該技術分野で知られた方法に従って(例えば、加熱によって)溶媒中に溶解する。ポリマー(単数又は複数種類)の濃度は、得られるコアが所望のBAS含量と、エア・サスペンジョン塗装のために或いは、迅速放出に用いる場合には、乾燥形でのパッケージングのために、又は例えば局所投与及び/若しくは創傷内投与に適したビヒクルとの混合のために受容されるサイズ分布及び機械的完全性とを有する限り、制限されない。
タンパク質安定剤、バッファー物質、界面活性物質、BAS及び/又はコアポリマーの溶解性の調節に用いられる物質と、該溶液のオスモラリティ(osmolarity)の調節に用いられる物質を加えることができる。1%を超える濃度及び/又は持続効果が望ましい場合には、前記物質は固体形で用いるのが好ましい。例は、スクロース、ゼラチン、トレハロース、マンニトール及び固体バッファー物質を包含する。
1実施態様では、工程(a)において組成物中でコア形成物質(例えば、ポリマー)と混合する場合に、BASは溶解形である。1実施態様では、BASは工程(a)において組成物中で非溶解形であり、好ましくは直径20μm未満、好ましくは10μm未満の粒子として、例えば、場合によっては溶解抑制物質の存在下で、プロセスにおけるコアの完全性の保持及び受容できる収率の達成を可能にする形である。本発明の目的のために、BASと関連した非溶解形なる用語は、組成物の成形前に、BASを実際には小粒子として取り扱うことができることを意味する。
コア中のBAS及び/又はポリマーの所望の濃度に希釈するために、及び/又は前記BASを安定化するために、BASの懸濁液に又はコア形成ポリマーの溶液に、又は両方に希釈剤又は希釈剤粒子を加えることができる。
実施態様の1セットでは、工程(a)における組成物を、BASのコアポリマーに対する比率が0.0001〜10%の範囲内であるように調節することによって、低負荷コアを提供する。実施態様の好ましいセットでは、BASはプロセスの工程(a)において溶解形である。
実施態様の1セットでは、工程(a)における組成物を、BASのコアポリマーに対する比率が10%より大きくなるように調節することによって、高負荷コアを提供する。実施態様の好ましいセットでは、BASは非溶解形である。前記比率は10〜99%、好ましくは15〜98%の範囲内であることができる。
工程(a)における組成物を供給するためのBASとコアポリマーとの混合は、慣用的な方法によって実施することができる。BASをポリマー溶液に加えることができ、この逆も可能である。ポリマー溶液の溶解特性とBASの温度感受性とに基づいて、温度は選択される。実施態様の1セットでは、温度は60℃未満であり、場合によっては50℃未満である。BASの完全性の維持を支持するために、より低い温度が好ましいこともありうる。
該BASは、有益な効果若しくは治療効果を導出するために投与することができるものから選択される。1実施態様では、前記BASを非経口的に投与することができる。1実施態様では、前記BASを肺に、鼻腔に又は関節内に投与することができる。1実施態様では、前記BASを局所的に、例えば創傷に投与することができる。1つの好ましい実施態様では、免疫応答を高める意図又は可能性で投与される物質、例えば、抗原、ワクチン又はウイルスは除外され、前記除外される物質は、本明細書では、免疫活性物質(immunologically active substances)(IASと略記される)として定義される。
該BASは、タンパク質薬物からも、非タンパク質薬物からも選択することができる。ペプチドを包含するタンパク質薬物は、下記特定サブクラス:グリコシル化タンパク質、非グリコシル化タンパク質、組み換えタンパク質、化学的修飾タンパク質、成長因子、サイトカイン、血液凝固因子、ペプチド、T細胞免疫調節酵素、免疫抑制薬、ペプチド類似体、ソマトスタチン類似体、モノクローナル抗体及び修飾モノクローナル抗体、から選択することができる。
本発明におけるタンパク質BASsの特定の例は、ヒト成長ホルモン、エリスロポエチン、インターフェロン(例えば、α型、β型又はγ型)、第VII因子、第VIII因子、LHRH類似体、グルカゴン様ペプチド(GLP)、インスリン様成長因子I、C−ペプチド、骨形成タンパク質(bone morphogenetic protein)、サイクロスポリンA、オクトレオチド、卵胞刺激ホルモン、上皮成長因子、インスリン、リラグルチド、インターロイキン1ra、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ、顆粒球コロニー刺激因子、トリプトレリン及びインターロイキンである。本発明に用いるために特に好ましいタンパク質BASsは、ヒト成長ホルモン、エリスロポエチン、インターフェロンα、インターフェロンα8、インターフェロンβ、インターフェロンγ、サイクロスポリンA及びグルカゴン様ペプチドである。上記物質の類似体若しくはフラグメント及び同様な治療機能を有するマクロ分子も、本発明に包含される。
1実施態様では、非タンパク質BASsは、本発明では一般に3.5kDa未満、好ましくは1kDa未満として定義される低分子量を有するものから選択することができる。1実施態様では、前記非タンパク質BASsは、抗腫瘍薬、抗生物質、抗炎症薬、抗ヒスタミン剤、アルコール依存症治療物質(anti-alcohol dependence substances)、鎮痛剤、筋肉弛緩剤、抗癲癇薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、気管支拡張薬、強心剤、抗不整脈薬、血管拡張薬、抗糖尿病薬、抗凝血薬、止血薬、神経保護薬、麻薬及びステロイドから選択することができる。特定の例は、リスペリドン、ナルトレキソン、モルヒネ、ブピバカイン、ロペラミド、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ阻害剤、ヘパリン、抗凝血活性(anticoagulant activity)を有する若しくは有さない低分子量ヘパリン、低分子量ヒアルロン酸、又はこれらのいずれかの誘導体から選択することができる。
工程(a)で生成される組成物を、好ましくは、微粒化によって、連続相中に不連続相を形成することによって成形する。最も好ましい実施態様では、前記成形は微粒化によるものであり、凍結によって、該不連続相を凝固させる。1実施態様では、例えば、サイズ分布に関して、エア・サスペンジョン技術を用いた塗装に適した粒子を得ることができる。1実施態様では、非経口投与することができず、その後のプロセス工程で取り出すことができない、いずれの化合物も存在しない状態で、前記成形を実施する。例えば、酸化によって劣化され易い物質のために特に有用な1実施態様では、前記成形及び凝固中にプロセス容器内で不活性雰囲気を用いる。1実施態様では、不連続相、例えば小滴のサイズは、物質の80%が乾燥状態で10〜200μm、好ましくは20〜180μmの範囲内であるようなサイズを、得られるコアが有するように、選択することが好ましい。1実施態様では、肺投与(pulmonary administration)に適した粒子が得られる。1実施態様では、鼻腔用途に適した粒子が得られる。1実施態様では、局所投与に適した粒子が得られる。
連続相は、該相の少なくとも一部において該不連続相の凝固点(freezing point)未満の温度を有する液体又はガスであることができる。最も好ましい実施態様では、連続相はガスである。該連続相の温度は、−196℃〜+40℃の範囲内であることができる。連続相中の不連続相を凍結させるための最適温度は、簡単な実験によって決定することができる。凍結は迅速であるべきであるが、コアの所望の形状が得られる前に凍結が生じるほど迅速であってはならない。1つの好ましい実施態様では、該不連続相を形成するために用いられるデバイスに近接したガスの温度は、該容器の少なくとも1つの他の部分におけるよりも高温である。1実施態様では、連続相に温度勾配があり、冷媒質に近接しては最低温度である。該容器の上部における又は該ノズルに近接した温度は+40℃〜−130℃の範囲内であることができる。1実施態様では、前記上部における温度は−5℃〜−80℃である。これらの温度の幾つかが、特に大規模製造のためのプロセス中に変化しうることは、当業者が理解するであろう。
凍結時の不連続相の必要な形状は、予定用途に依存する。一部の用途では、形状は限定されない。エア・サスペンジョン塗装によって制御放出マイクロカプセルを製造するための中間体として用いる場合には、球形が好ましいが、コーティングの塗付が受容可能に行われうる限り、他の形状も受容可能である。微粒化ガスの圧力、該連続相の温度と場合によっては温度勾配、及び任意のマイクロクライメートガスの圧力と温度の適当な組み合わせは、簡単な実験によって決定することができる。
凝固後に、工程(a)で供給された溶媒が除去される。1実施態様では、前記除去は、昇華によって行なわれる。1実施態様では、前記除去は低温抽出(cold extraction)によって行なわれる。1実施態様では、前記除去中にコアを乾燥させる。1実施態様では、前記除去後にコアを乾燥させる。BASの完全性が充分に保持され、適当な乾燥が達成され、コアの完全性が保持されるように、乾燥方法を選択することが好ましい。乾燥方法群の例は、空気乾燥、真空乾燥、真空凍結乾燥、流動床若しくはエア・サスペンジョン装置等を用いる乾燥、又は大気圧凍結乾燥である。好ましい実施態様では、コアが凍結状態で留まる温度において乾燥を行なう。1実施態様では、該温度はコアの融点下−5〜−100℃の範囲内(in the range-5 to -100℃ below the melting point of the cores)である。1実施態様では、昇華によって乾燥を行なう。1実施態様では、前記昇華はほぼ大気圧において行なう。1つの好ましい実施態様では、乾燥を流動床、エア・サスペンジョン塗装装置等における大気圧凍結乾燥によって行なう。最も好ましい実施態様では、流動床若しくはエア・サスペンジョン装置等におけるほぼ大気圧での水の昇華によって乾燥を行なう。該コアの直径を乾燥工程後に測定するのが好ましい。
実施態様の1セットでは、乾燥工程中の雰囲気を不活性雰囲気であるように選択する。前記乾燥がガスの流動を含む場合には、前記乾燥ガスは、当該技術分野で知られた手段によって、例えば、圧縮容器(pressurised vessel)から供給することができる。1実施態様では、不活性ガスを液化ガスとして又は固体として供給して、乾燥ガスを形成させる。1実施態様では、冷媒質が液化ガスを含み、その中でコア中の溶媒が凍結して、その後に凍結コアがフィルター上及び前記フィルター下方の冷媒質上に沈着し、次に該冷媒質に、上述したように用いることができる乾燥ガス流を生成させることによって、該コアを乾燥させる。
工程(a)における組成物の組成は、凝固及び乾燥条件と共に、場合によっては機械的処理若しくは篩い分け後に、実際に自由流動性粉末として取り扱うことができる乾燥コアを生成するように選択される。
本発明では、DPIGを超臨界流体の形態では用いない。本発明の1実施態様では、該圧力は、二酸化炭素が全てのプロセス工程において40℃で超臨界流体を形成する圧力よりも低い。1実施態様では、該圧力は、真空凍結乾燥のために必要な圧力よりも高い。1実施態様では、該圧力は、二酸化炭素が40℃において超臨界流体を形成する圧力よりも低く、全てのプロセス工程で真空凍結乾燥のために必要な圧力よりも高い。本発明において圧力に言及する場合に、該圧力は、組成物、コア及びマイクロカプセルが暴露される圧力を意味し、工程(b)において微粒化のために用いられるガスの圧力は明白に除外される。1実施態様では、該圧力は、不連続相が形成されるときに、10barを超えない。1実施態様では、前記圧力は0.5〜5barの範囲内である。1実施態様では、該ポリマー溶媒が除去されるときの圧力は0.8bar以上である。好ましい実施態様では、該圧力は、前記溶媒除去中に、大気圧である。最も好ましい実施態様では、該圧力は、全てのプロセス工程において、0.9barより高く、1.1barよりも低い。
本発明のコア中に封入後のBASの完全性は、当該技術分野で知られた方法によって評価することができる。この評価をin vivoで行なう場合には、コア又はマイクロカプセルを、恐らくは溶解形で、非経口的に投与して、次に効果を、適当な形態での、例えば溶液中の同量のBASによって得られた効果と比較する。生物学的活性物質が、例えば一部のin vitro分析において溶解形であることが必要である場合には、該物質を水性媒質中でコアから拡散させることができる、又はコアを溶解させることができる。好ましい方法は、溶媒、pH、加熱又は酵素処理を変えること、又はこれらの組み合わせを変えることである。
本発明の1実施態様は、2種類のコア集団(two populations of cores)を同時に又は1つのバッチ内で製造する方法を提供する。1実施態様では、少なくとも2つの不連続相集団を同じプロセス容器内へ同時に又は次々に導入することによって、前記製造を実施する。上述したように、溶媒の存在下で不連続相を形成するには、微粒化が好ましく、凝固のためには、凍結が好ましい。この実施態様では、冷媒質中で撹拌が生じる。撹拌を生じる手段は限定されない。好ましい実施態様では、前記撹拌は非機械的手段によって行なわれる。最も好ましい実施態様では、DPIGの使用によって、前記撹拌が生じる。少なくとも1つの、好ましくは2つ〜5つのコア集団が、上記でコアに関して定義したとおりの組成物を有することができる。
本発明の他の実施態様は、冷媒質中での不連続相との相互作用によってコア又は他の粒子を混合するための簡易化手段を提供する。冷媒質中に少なくとも2集団の前記コア、粒子又はこれらの混合物を導入して、撹拌を生じることによって、混合が得られる。前記コアは、例えば、上記方法に関して記述したように(この場合には、上述したように、該方法は乾燥工程を含有する)、溶媒を含有する。コア又は粒子の少なくとも1つの集団は、乾燥形で導入することができる。必要な混合は予定用途に依存して行なうことができ、簡単な実験によって評価することができる。冷媒質中で混合を生じるための手段は、機械的手段及び非機械的手段から選択される。好ましい実施態様では、プロセス設計と装置を簡易化するため、そして撹拌機への付着による損失を避けるために非機械的手段が用いられる。前記非機械的手段は、好ましくはプロセス容器の外側への適用による熱の導入、及びDPIGの使用から選択することができる。前記冷媒質と前記DPIGとは、ガスの形態で除去するのが好ましい。この方法によって混合することができるコア数には、上限がない。
1つの好ましい実施態様では、該方法はさらに、持続放出製剤を製造するための中間体であるコア上に放出制御シェルを塗付する工程(a step of applying a release controlling shell)を含む。前記塗付(application)は、エマルジョン若しくは吹き付けに基づく方法によって行なうことができる。エマルジョンに基づく方法では、上記で定義したように、予め成形したコアを乾燥形で用いることが好ましい。少なくとも1種類の有機溶媒中に溶解した、放出制御ポリマー(単数又は複数種類)の溶液中に該コアを懸濁させる。例えば、コア上への放出制御ポリマーの沈着を改良するために、コアを湿潤させるために充分な量であるが、コアを溶解させない量で、水又はバッファーを加えることができる。コア上への前記ポリマーの沈着は、界面沈着(interfacial precipitation)、非溶媒の付加(addition of anti-solvent)、又は任意に凍結後の抽出若しくは蒸発による有機溶媒の除去等によって達成することができる。エマルジョンに基づく方法のためには、イン−ウォータードライイングによる有機溶媒の除去が好ましい。前記方法は当該技術分野で周知であるので、詳しく述べる必要はない。エア・サスペンジョン塗装は、本質的に又は排他的に単一コア・マイクロカプセルを生成するが、エマルジョンに基づく方法及び吹き付けに基づく方法は多重コア・マイクロカプセルを生成する傾向がある。
放出制御ポリマー(単数又は複数種類)の好ましい塗付方法は、本明細書に援用されるWO97/14408に従ったエア・サスペンジョン塗装であり、これに関する詳細は、この刊行物から得ることができる。この方法は、該ポリマーが溶解している有機溶媒を非常に迅速に蒸発させることができ、さらに、非毒性の溶媒の使用を可能にする。
該放出制御ポリマーは、非限定的に、非経口投与可能であり、本明細書で開示したコア上に放出制御シェルを形成することができる、任意のポリマーであり、本明細書では“シェルポリマー”と呼ぶ。該ポリマーが生分解性であることが好ましい。特定のシェルポリマーは、例えば、α−ヒドロキシ酸、好ましくは乳酸及び/又はグリコール酸から又はグリセリド及びラクチドから選択される環状ダイマーから製造されたポリマー若しくはコポリマー、例えば、PLA、PLGA、ポリタルトレート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリ(エチレンカーボネート)コポリマー、及びヒドロキシル基と、乳酸若しくはグリコール酸に基づく上記ポリマーを含むコポリマー、例えばグルコース−PLGA、例えばポリ(エチレングリコール)とポリ(ブチレンテレフタレート)に基づくポリ(エーテルエステル)マルチブロックコポリマー、2,2−ビス(2−オキサロン)連結ポリ乳酸若しくはポリグリコール酸(2,2-bis(2-oxalonie)linked poly-lactic or polyglycolic acid)である。該ポリマーの混合物も使用可能である。PLGAが好ましい。1実施態様では、放出制御ポリマーは、コア形成に用いられるのと同じポリマーではない。
塗付される放出制御ポリマーの量と組成は、所望の放出特性によって決定され、幾つかの要素、例えば、コアのサイズ分布、BASの治療血清濃度と有害血清濃度、及び放出と治療効果の所望の持続期間に依存する。これは当業者によって、in vitro、好ましくはin vivoの放出動力学を、放出制御シェルの量の関数として測定することによって決定することができる。バースト(burst)を許容可能に低くすることが好ましい。一般に、放出制御シェルの性質は、BASの放出がヒトへの投与直後に開始して、まだ許容可能に低いバーストを有しながらの長い遅延段階を回避して、開始後に連続的な又は本質的に連続的な放出を生じるように選択される。シェルの性質も、BASの放出が前記シェルのないコアからの放出に比べて持続し、放出期間が少なくとも1日間、3日間、1週間、2週間、約1か月間以上になりうるように選択される。このためには、一般に、コア直径が40〜120μmであるときに、コア1gにつきポリマー(単数又は複数種類)約0.3〜10g、又は0.4〜6g、又は0.5〜2g、又は約0.6〜1.1gが必要である。
放出制御シェル(被膜)は、複合形若しくは非複合形として(in a complexed or uncomplexed form)、同様な若しくは異なる化学的組成を有する、幾つかの異なるポリマー並びに溶解可能な形若しくは固体形で用いられる添加剤、例えば、バッファー物質、界面活性剤、塩及びその他のイオン性化合物を含むことができる。シェルの最適な組成は、要因設計(factorial designs)及び反応表面最適化(response surface optimisation)のように、簡単な実験によって、例えば、ラット、ブタ又はサルにおける動物実験で放出動力学を測定することによって決定することができる。封入されたタンパク質(encapsulated protein)に対して発生した抗体が評価に影響するような場合には、当該技術分野で知られた方法による免疫抑制を用いるか又は適当なトランスジェニック動物を選択することができる。
放出制御シェルを塗付する前に、本明細書では“コア表面物質”と呼ぶ、1種類若しくは数種類の機能性物質をコア上に塗付することができる。該物質をエア・サスペンジョン塗装装置において吹き付けによって塗付することが好ましい。コアマトリックスを構成するポリマーに比べて、同じポリマー若しくは異なるポリマー又はこれらの混合物の溶液中に、該物質を分散させることができる。本発明によって有用なコア表面物質は、pHを安定化する、BASの放出動力学若しくは安定性を改良又は制御することができる物質から選択することができる。実施態様の1セットでは、バッファー物質が用いられる。
本発明の別の実施態様は、コア及びマイクロカプセルを無菌で製造する方法に関する。本発明のBASsの多くは、加熱又は放射による滅菌に耐えることができない、それ故、このような場合に本発明の組成物は、非経口投与のために受容可能であるように無菌製造する必要がある。1実施態様では、前記製造はクリーン室内で又はクリーン室に置かれたアイソレーター(isolator)内で行なわれる。無菌製造のためのアイソレーター技術の使用は、当該技術分野で知られている。1実施態様では、前記方法は、アイソレーター内で、いずれのプロセス工程においても圧力を真空まで減圧することなく実施される。好ましい実施態様では、該方法の全ての工程は、完成まで1つのアイソレーター内で、如何なる中間体も前記アイソレーターの外部に移すことなく行なわれる、前記完成とは、迅速放出に関してはコアまで又は制御放出に関してはマイクロカプセルまでである。これによって、無菌の確実さは向上し、プロセスはより効果的になる。組成物又は製剤の全ての成分と全ての媒質は、無菌形で、アイソレーター内に導入される。滅菌のために用いる方法は、例えば、監督機関(regulatory authorities)によって当該技術分野で許容可能であり、そして物質の受容可能な安定性を与える方法、例えば、加熱、γ若しくはβ放射線、又は滅菌濾過から選択される。1実施態様では、凝固と乾燥は1つの単独帯若しくは容器において行なわれる。
本発明の別の実施態様は、上記方法を用いて得られることができるコア及びマイクロカプセルに関する。1実施態様では、コアは、該方法に関連して上記で列挙した、特定ポリマーの群から選択される、少なくとも1種類のポリマーを含む。1実施態様では、コアは、上記で列挙した、特定の水溶性低分子量コア物質の少なくとも1種類を含む。実施態様の1セットでは、コアマトリックスは1種類のポリマーから成る。
1実施態様では、コア又は粒子は、残留物質の低い含量を有する。1実施態様では、PEGの含量は0.1%未満、好ましくは0.02%未満である。1実施態様では、油の含量は0.1%未満、好ましくは0.02%未満である。1実施態様では、有機溶媒の含量は0.1%未満、好ましくは0.02%未満である。1つの好ましい実施態様では、コア又は粒子は、油、有機溶媒及び場合によってはPEGの、上記で定義したような、低い含量を有する。
コアマトリックスは、化学的に架橋されていないものであるように選択することができる。該コアは本質的に均質であり、中空ではない。コアのサイズは、例えば、光学顕微鏡検査又は電子顕微鏡検査によって乾燥状態で測定される直径によって特徴付けられる。不規則な形状の粒子に関しては、最長の距離を測定し、凝集体は単一の実体として処理する。エア・サスペンジョン塗装を予定する場合に、平均直径は10〜250μm、又は15〜200μm、又は20〜120μmの範囲内であり、又は30〜100μmの範囲内でさえある。局所投与のために、平均直径は1000μmまでであることができ、鼻腔内投与のためには、平均直径は70μmまでであることができ、そして肺投与のためには、平均直径は10μmまで、好ましくは5μmまでであることができる。
コアは、好ましくは、少なくとも1種類のBASを含有する。コアは2種類のBASを如何なる制限もなく含有することができ、例えば、C−ペプチドとインスリン、インターフェロンとコロニー刺激因子(例えば、顆粒球−マクロファージ・コロニー刺激因子とインターフェロンγ)、抗ウイルス剤とインターフェロン、又は1種類、2種類以上のワクチン成分とアジュバントを含有することができる。
1実施態様では、コアは5%未満のコアポリマー(ポリマー性結合剤)を含む。1実施態様では、これはさらに低く、4%未満であり、好ましくは3%未満である。1実施態様では、コアポリマー、好ましくはヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、約2.5%以下である。所望のBAS及び/又は乾燥含量を得るために、必要に応じて、希釈剤粒子を用いることができる。前記希釈剤粒子は、ポリマー及び/又はBASを含む場合に、乾燥重量でのみ含まれる。
実施態様の1セットでは、該コアは、BASの迅速放出を生じることができる。本発明では、BASの“迅速放出”は、in vivo投与後又はin vitroの適当な条件下での投与後1日間以内に少なくとも60%の放出として定義される。所望の放出持続期間がコアから得られる放出持続期間よりも長く、そして該所望の放出持続期間を有する持続放出製剤の製造に前記コアを用いることができる場合に、本発明では該コアを、持続放出製剤を製造するための中間体として定義することができる。in vitro放出は37において測定する。多くの場合に、コアを単純に水溶液中に溶解することができる、又は非溶解状態のBASを放出させることができる。適切な場合には、特にin vivo環境をシミュレートするために、酵素を用いてコアを溶解することができる。
コアは、場合によっては、1種類又は数種類の機能性物質を、該方法に関して上述したように、1実施態様ではポリマー中に分散させずに、それらの表面に塗付して有することができる(さらなる詳細は該方法から得ることができる)。
本発明のマイクロカプセルは、BASとポリマーを含有するコア並びに、上記で定義したような、放出制御シェルを含む。該コアと該シェルは、電子顕微鏡検査によって、相互から識別することができる。コア中のポリマーとシェル中のポリマーとは異なる性質を有することも同様な性質を有することもできる。異なる性質であることが好ましく、コアとポリマーとが化学的に識別可能なポリマーを含むことが最も好ましい。放出制御シェルは、実施態様の1セットでは、BASを含有せず、例えば、コアに比べて2%未満、又は0.2%未満又は0.01%未満も含有しない。実施態様の1セットでは、該マイクロカプセルの少なくとも50%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも98%さえも、単一の明確なコア(one single distinct core)を有する。
実施態様の別のセットでは、該マイクロカプセルは、それらの表面上に塗付された凝集防止性物質を有することでさらに特徴付けられる。
1実施態様では、封入前のBASの生物学的活性に比べて、BASの生物学的活性が本質的に、例えば、少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも97%さえ保持される。例えば、ヒト成長ホルモン又はエリスロポエチンに関しては、コア内への封入中にダイマー又はポリマーの含量の増加は生じないか、又は許容可能な増加が生じる。
実施態様の別のセットでは、マイクロカプセルは少なくとも15%のBASを含有して、投与後最初の24時間内に、所望の放出を超えて20%以下、好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下の、濃度−時間曲線下の面積として定義される初期放出を示す。実施態様の別のセットでは、マイクロカプセルは少なくとも20%のBASを含有し、1週間にわたってBASの検出可能な血清レベルを生じる製剤では20%未満の初期放出を示し、約2〜4週間にわたってBASの検出可能な血清レベルを生じる製剤では10%未満の初期放出を示す。これらの実施態様では、少なくとも1日間、少なくとも3日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも約1か月間、又はそれ以上さえものBAS放出持続期間を有することが好ましい。これらの実施態様は、タンパク質若しくはペプチドBASs、特にヒト成長ホルモン、エリスロポエチン、インターフェロン及びグルカゴン様ペプチドと共に用いる場合に有利であると判明している。
本発明の別の実施態様は、非被覆形又は被覆形のいずれかのコアの少なくとも2つの異なる集団を含有する医薬組成物である。該差異は、例えば、異なるコアポリマー、異なるBASs、1つの集団にBASが存在しないこと、及び異なるサイズ分布を含みうる。
マイクロカプセルは、例えば冷蔵によって、例えば2〜25℃の範囲内の温度で乾燥貯蔵することができる。これらは、乾燥形で、又は投与する前に、適当な液体中に懸濁させて、サイズ21G以下、好ましくは23G以下、そして最も好ましく25G以下を有する微細な針を用いて投与することができる、或いは乾燥粉末として投与することができる。前記投与は、例えば、脂肪腫内、筋肉内、皮下、又は局所に、例えば、関節、脳若しくは特定器官内に行なうことができる。
参考例1
ヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(1%、組成物の67%w/w)中に懸濁させた澱粉顆粒(非溶解BASのモデル物質、組成物の33%w/w)の組成物を、Huttlin Kugelcoater(ステンレス鋼)からスプレーノズルを用いて、液体窒素を含有するステンレス鋼容器(直径45cm、高さ67cm)中に、圧縮空気(2.5bar)を用いて吹き込んだ。該液体窒素は、該組成物の凍結コアとして同定される若干の白色物質から離れて透明なままで残存した。ガスの実質的な逆流が生じたように思われ、多くのコアは該容器の器壁に付着した。
参考例1の実験を、微粒化のためのガスとして二酸化炭素を用いて繰り返した場合に、該容器の器壁上に物質は殆ど存在せず、液体窒素中に白色物質が形成された。液体窒素中には実質的な撹拌が観察された。光学顕微鏡では、該物質はコアの間に存在するのが観察され、該コアも該物質によって囲繞されるか又は該物質中に埋め込まれていた。該プロセス容器を熱水中に浸漬することによって加熱すると、液体窒素は蒸発して、該容器中には白色固体が残された。この固体は室温において、溶融して液体になることなく、消失した。
この実験は、微粒化のためにDPIGを用いると、冷媒質中でこれが凝固して、微粒化のために空気を用いた場合に比べて、プロセスの改良を生じたことを実証した。観察された改良は、液体窒素の撹拌の増強、該容器の壁に付着したコア数の減少、及び個々の凍結コアの相互からの分離とそれによる凝集の減少であった。さらに、該ガスの使用は、その量がプロセス中にこの場合にはガスから固体への相転移によって減少して、前記ガスの該プロセス容器への逆流を低減した。
2個の同じ(8x12x4cm)ステンレス鋼容器を60℃において乾燥させた。1個は液体窒素中への浸漬によって冷却し、次に、二酸化炭素ガスを低温の器壁上に吹き付けることによって、その器壁を固体二酸化炭素によって被覆した。両方の容器をより大きいステンレス鋼容器(直径45cm、高さ67cm)の底部に置き、各々に液体窒素約70mlを注入し、次に、実施例1による組成物をHuttlin Kugelcoaterから供給される圧縮空気(2bar)を用いて吹き込み、その後、これらの容器を観察のために実験台(bench)上に置いた。対照容器の器壁上には白色粉末(凍結コア)が観察され、これは、液体窒素が蒸発して、低温器壁上に凝結が形成されるときに溶融するまで、そこに留まった。二酸化炭素で予め被覆された容器に沈着した物質は、ドライアイスが落下したときに、器壁から除去され、液体窒素の蒸発中に低温のままだった該容器の下部は如何なる可視物質も含有しなかった。この実験は、ステンレス鋼容器の器壁上での凝固DPIGによって、組成物の微粒化に空気を用いたにも拘わらず、該器壁上へのコアの粘着を減ずることができ、完全にさえも回避することができることと、該器壁を低温に保持することが有益であることを実証する。
参考例1又は実施例1に本質的に従って、それぞれ、微粒化のために圧縮空気又は二酸化炭素を用いて、コアを製造した。これらのコアを、乾燥器(drying vessel)と呼ばれる、スチール・シーブ(40μm)でカバーされたHuttlin Kugelcoaterの底部において大気圧で凍結乾燥した。乾燥し、冷却した空気(エタノールとドライアイス中に浸漬した銅管)をスプレーノズルと空気分配プレートに供給して、乾燥のために約−20℃の出発温度を与えた。これらのコアを、液体窒素中に吊るした乾燥器中に注入して、空気供給を続けることによって(with air supply on)、空気分配プレート下方への流動を阻止した。微粒化のために二酸化炭素を用いて行なった製造では、乾燥器を固体二酸化炭素と液体窒素の添加によって予め冷却した。乾燥が完了したと思われたときに(2時間以内)、凝結を避けるために供給空気を加熱し、少なくとも室温に達するまで流動化が続いた。
微粒化のために空気を用いて行なった製造からは、多くの乾燥した自由流動性コアを回収することができたが、大きなフレークがプロセスの間中、空気分配プレートに付着したままであった。微粒化のために二酸化炭素を用いた場合には、このようなフレークは乾燥器中に又は製造において観察することはできなかった。このことは、DPIGを実施例1によるコアの製造に用いた場合には、これによって、先行技術プロセス(参考例1)におけるようにコアの製造に空気を用いた場合に比べて、冷ガス流中での流動化によって大気圧での凍結乾燥に関して改良された性質を有するコアが製造されたことを実証する。
該容器中への吹き込みによって、実施例1に従ってコアを製造した、該容器ではガス相が約−126℃又は−54℃の温度を有し、コア形成組成物を吹き込む前に二酸化炭素を吹き込むことによって凝固DPIGによって液体窒素中に撹拌が生じた。凍結乾燥した調製物(lyophilized preparation)は、−126℃製造では自由流動性ではないスレッドから成り、適当な小滴形成の前に凍結したことを示した、そして−54℃製造では、一部は球形に達する前に凝固したとは言え、エア・サスペンジョン塗装及び針による注入に適した自由流動性コアを示した。このことは、エア・サスペンジョン塗装に適したコアが、組成物へのガスの温度、製造条件及び装置を適当に組み合わせることによって製造できることを実証する。
コアの製造に適した温度勾配は、蓋付きで、約1Lの液体窒素を含有するステンレス鋼容器(直径45cm、高さ67cm)内に確立された。温度は、該液体窒素の真上では−125〜−133℃の範囲内、中間では−50〜−55℃、スプレーノズルが配置される頂部では−30〜−35℃であった。本質的に実施例1に従ってコアを製造した、この場合に液体窒素は蒸発し、温度は該容器の底部において約−60℃、頂部において−8℃であった。この実験は、該容器の頂部での温度約−10℃における微粒化/凍結によってコアを製造できることと、適当な温度勾配を形成することができることを実証した。
本質的に実施例1に従って、但し、器壁を予め冷却せず、そして蓋なしで、2つのコア集団を同時に製造した。組成物(hGHを含有する組成物と、BSAを含有する組成物)を2つのスプレーノズルと微粒化のために二酸化炭素を用いて、該容器中に同時に吹き込んだ。液体窒素の蒸発後に、調製物を真空凍結乾燥させて、自由流動性コアを得た。それぞれ約3mgの4サンプルを採取して、溶解し、GPC−GPLCによって分析した。曲線下面積の標準偏差として表現される(expressed as the standard deviation,of the area under the curve)、コア中タンパク質含量の均一性(homogeneity)は、BAS及びhGHに関して、それぞれ、7.4%及び15.9%であった。このことは、DPIGの使用によって同一容器内で2つのコア集団を同時に製造することができることと、さらに、冷媒質中でのコアの非機械的撹拌が多くの用途のために適当な混合を生じることができることを実証する。
本質的に実施例2に従って、ステンレス鋼容器(8x12x4cm)の内壁上に、該容器を液体窒素を含有する幾らか大きい容器内に入れ、撹拌を生じるために二酸化炭素ガスを供給して、該冷媒質中に凝固DPIGを得て、固体二酸化炭素を塗付した。次に、マグネタイトを含有し、それ故黒色に見える乾燥澱粉微小球(篩い分け100〜160μm)約1gを液体窒素上に加えて、続いて、白色に見える乾燥コア(米澱粉と結合剤としてのヒアルロン酸ナトリウムを含有する;篩い分け125〜160μm)約0.15gを加えた。該大きい容器内の液体窒素が蒸発したときに、該容器の外側に加熱された空気を供給して、非機械的混合を増強した。該冷媒質が蒸発したときの目視検査は、2つのコア集団が混合されていることを示し、このことは光学顕微鏡における検査によって確認された。このことは、冷媒質中にDPIGを用いる非機械的手段のみによって、2つの乾燥粒子集団の混合を達成することができることと、得られた混合物を、該冷媒質と該DPIGを蒸発させることによって、乾燥形で簡単に回収することができることを実証する。
小型ステンレス鋼容器(直径24cm、高さ25cm)を液体窒素中に入れることによって冷却して、サイクロスポリンA(USP)をヒアルロン酸ナトリウム(1%)と共に含有するコア(BAS/コアポリマー比率約98%を有する)の製造に用いて、該マイクロクライメートガスを加熱することの効果を実証した。スプレーノズルはステンレス鋼製であり、通常、エア・サスペンジョン・コーター(Kugelcoater, Huttlin)に用いられるものであった。該ノズルに、微粒化用ガス(二酸化炭素、2bar)とマイクロクライメートガス(47℃に加熱された二酸化炭素)を供給した。該容器を蓋で覆い、該蓋を通してノズルを蓋の真下にもたらして、組成物を吹き入れた。該蓋の真下の温度は、吹き入れ後に−96℃であった。液体窒素を蒸発させてから、調製物を真空下で凍結乾燥させた。収率は65%であり、調製物は多くの個別の球状コアを含有した。マイクロクライメートDPIGの加熱の利用によって、連続相ガス中の非常に低い温度と組み合わせた、このあまりにも小型の容器においても、該プロセスは改良され、個別の球状コアの製造が可能になり、さらに、スプレーノズル内で該組成物が凍結する如何なる傾向も阻止された。
本質的に実施例1に従って、微粒化のために圧縮空気(2bar)を用いてコアを製造した、但し、エタノールを含む冷媒質にDPIGとして液体窒素を加えて、非機械的撹拌を生じた。液体窒素の量は、冷媒質の表面に実質的な撹拌を生じるために充分であったが、該冷媒質を凝固させるには充分でなかった。エア・サスペンジョン塗装に適したコアが得られた。
エア・サスペンジョン塗装に適し、ヒト成長ホルモン(hGH)又はエリスロポエチン(EPO)のいずれかを含有するたコアを、本質的に実施例1に従って微粒化のために二酸化炭素を用いて、但し、冷媒質としてはエタノール又は固体二酸化炭素を含有するエタノールを用いて製造した。hGHに関しては、該組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム(1%、約4.1g)、希釈剤粒子(米澱粉、Sigma S7260、1.83g)及びhGH(217mg)を含有した、そしてEPOに関しては、該組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム(約3.4g)、希釈剤粒子(約1.48g)及びEPO(11mg)を含有した。固体二酸化炭素の存在下で冷媒質中には実質的な撹拌が生じており、ガスの逆流はあったとしてもごく僅かであった。該冷媒質を濾過によって除去して、室温及び大気圧において空気を用いてコアを乾燥させた。hGH(624mg)及びEPO(468mg)を含有する、エア・サスペンジョン塗装に適したコアが形成された。hGH又はEPOの分解生成物は、銀染色法と一緒にしたエレクトロフォレシス(SDS-PAGE 12 及び18%)によって検出されなかった。hGHのダイマー若しくはポリマー形の含量の増加は、Reslow等によるHPLCサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC, TSK2000 SWxI, Tosoh Corporation)(Sustained release of human growth hormone (hGH) from PLG- coated starch microspheres. Drug Delivery Systems and Sciences, 2002, 2,1 103-109)によって観察されなかった。EPOに関してはタンパク質安定性のための該冷媒質温度の重要性が見られた、この場合に冷媒質中の二酸化炭素の存在時にはダイマー含量の僅かな増加がウェスターンブロッティングによって観察され、冷媒質中の二酸化炭素不存在時には明らかにより大きな増加が観察された。
本質的に実施例8に従って製造した、サイクロスポリンA含有コア上に、WO9714408によるエア・サスペンジョン技術によって放出制御シェルを塗付することによって、マイクロカプセルを製造した。

Claims (20)

  1. コアを含む医薬製剤の製造方法であって、冷媒質と、少なくとも1種類の不連続相と、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン及びこれらの混合物から選択される、少なくとも1種類の不連続相相互作用ガスとを接触させることを含む方法。
  2. コアを含む医薬製剤の製造方法であって、冷媒質と、少なくとも1種類の不連続相と、少なくとも1種類の不連続相相互作用ガスとを、前記冷媒質を非機械的に撹拌しながら、接触させることを含む方法。
  3. 不連続相が微粒化によって生成され、凍結によって凝固する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記不連続相相互作用ガスを、該不連続相の生成に関連して及び/又は該不連続相と冷媒質との相互作用を改良するために及び/又は前記不連続相のプロセス容器との付着を減するために用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記冷媒質を液化ガス又は冷溶媒から選択する、請求項4記載の方法。
  6. 前記不連続相が密閉容器内で生成され、凝固するが、この分散開始の前に、前記容器の少なくとも一部が−10℃以下の温度を有するガス又は液体と接触する、この際に、場合によっては、前記容器が凝固及び溶媒除去のための単一帯を含む、請求項5記載の方法。
  7. 該容器の頂部におけるガス相の温度が−130℃〜+40℃の範囲内であり、該容器内の少なくとも1つの他の部分における該ガス相の温度がより低い温度である、請求項6記載の方法。
  8. 前記コアを、真空凍結乾燥、大気圧凍結乾燥又は低温抽出から成る群から選択される乾燥方法によってさらに乾燥させる、この際に、場合によっては、前記分散と凝固が行なわれる同じ容器内で前記乾燥が行なわれる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 全てのプロセス工程を2bar以下で0.8bar以上の圧力、好ましくは大気圧において行い、該不連続相中の溶媒を、少なくとも一部は昇華によって除去する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 該不連続相中に少なくとも1種類の生物学的活性物質が存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 該不連続相が、コラーゲン、アテロコラーゲン、プロタミン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、組み換えヒトゼラチン、アルギネート、アミロペクチン、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、マルトデキストリン、デキストラン、グリコーゲン、ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン、硫酸デルマタン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール若しくはポリエチレンオキシドから選択されるポリマー、又はスクロース、マンニトール、ソルビトール、グルクロン酸、N−アセチルグルコサミン、スクシネート、トレハロース、グルコース、マルトース、マンニトール、ヒスチジン、メチオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、トリプトファン、リシン、グリシン、アルギニンから選択される低分子量コア形成物質を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 少なくとも2種類の不連続相が冷媒質と接触する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 該不連続相の生成に関連してマイクロクライメートガスを供給する、場合によっては、前記マイクロクライメートガスが20〜90℃の範囲内の温度を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記製造が不活性雰囲気中で行なわれる、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の方法によって製造したコア上に放出制御シェルを塗付する工程を含む、持続放出マイクロカプセルの製造方法。
  16. 放出制御シェルの塗付が、エア・サスペンジョン塗装によって、場合によっては、不活性雰囲気中で行なわれる、請求項15記載の方法。
  17. 全てのプロセス工程が1つのアイソレーター内で、如何なる中間体も前記アイソレーターの外部に移すことなく、行なわれる、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 請求項10記載の方法で得られることができるコアであって、(a)ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、硫酸デルマタン、硫酸コンドロイチン及びアルギネートから選択されるポリマーと(b)生物学的活性物質を含み、該生物学的物質が、重量%で表現したときに、前記ポリマーと前記生物学的物質との総重量の乾燥重量の0.001〜40%を、好ましくは0.01〜10%を占めるような、前記ポリマーに対する比率であるコア。
  19. 0.1重量%以下の残渣レベルを有し、前記残渣が有機溶媒、油又はポリエチレングリコールである、請求項18記載のコア。
  20. 請求項18〜19のいずれかに記載のコアと、1種類以上のフィルム形成ポリマー若しくはコポリマーの放出制御シェルを含む持続放出マイクロカプセル。
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