JP2010523160A - 薬理学的シャペロンとしての基質の使用 - Google Patents

薬理学的シャペロンとしての基質の使用 Download PDF

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Abstract

薬理学的シャペロンとして、天然基質の誘導体である基質を使用して、リソソーム酵素の活性を高める方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年4月13日出願の米国特許仮出願第60/911,710号に優先権を主張する。
本発明は、コンフォメーション変異が原因のリソソーム蓄積病において欠損している酵素の基質または基質類似体である薬理学的シャペロンを使用して、リソソーム蓄積病を治療する方法に関する。この方法は、関連する酵素のコンフォメーション変異が原因の他の酵素欠損と関連する疾患にも適用することができる。
タンパク質は細胞質で合成され、新たに合成されたタンパク質は、ほとんど折り畳まれていない状態で小胞体(ER)腔内に分泌される。一般に、タンパク質のフォールディングは、自己集合の原理によって支配されている。新たに合成されたポリペプチドは、そのアミノ酸配列をベースとするネイティブコンフォメーションへとフォールディングする(非特許文献1)。生体内では、周囲温度と高タンパク質濃度の組み合わせが、凝集プロセスを刺激し、そこで疎水性コアに通常埋もれているアミノ酸がその隣接するものと非特異的に相互作用することから、タンパク質のフォールディングは複雑である。この問題を避けるために、タンパク質のフォールディングは通常、シャペロンと呼ばれるタンパク質の特別なグループによって促進され、シャペロンは、タンパク質がネイティブコンフォメーションでリフォールディングするように、新生ポリペプチド鎖がアンフォールドタンパク質に結合することにより凝集するのを防ぐ(非特許文献2)。
内因性分子シャペロンは、実質的にすべての種類の細胞に、かつ大部分の細胞区画に存在する。一部は、タンパク質の輸送に関与し、熱ショックおよびグルコース飢餓などのストレス下で細胞が生き残ることを可能にする(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)。内因性シャペロンの中で、BiP(免疫グロブリン重鎖結合性タンパク質,Grp78)が、ERの最も特徴のあるシャペロンである(非特許文献7)。他のシャペロンと同様に、BiPは、その成熟の間ずっと、ER内で多くの分泌および膜タンパク質と相互作用する。新生タンパク質のフォールディングが円滑に進行した場合には、この相互作用は通常弱く、短期間である。タンパク質のネイティブコンフォメーションが達成されたら、分子シャペロンはもはや、そのタンパク質と相互作用しない。フォールディング、構築に失敗した、または適切なグリコシル化に失敗したタンパク質に結合するBipは安定性となり、通常、ER関連分解経路を通じてタンパクの分解を引き起こす。このプロセスは、ERにおける「品質管理」システムとしての役割を果たし、適切にフォールドされ、かつ構築されたタンパク質のみをERの外部へ輸送してさらに成熟させ、不適切にフォールドされたタンパク質を次の分解のために保持することを確実にする(非特許文献8)。熱力学的性質タンパク質のフォールディングプロセスの無効性とER品質管理システムを合わせた作用により、新生(非変異)タンパク質の部分のみが、フォールドして機能的コンフォメーションを形成し、無事にERから出る。
特異的酵素阻害剤から誘導された薬理学的シャペロン
変異型酵素の救済および野生型酵素の増強
リソソーム蓄積病(LSD)と関連する酵素の小分子阻害剤は、変異型酵素のフォールディングおよび活性を救済し、かつ野生型酵素のフォールディングおよび活性を増強することができることは既に示されている(特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;および特許文献5(参照によりすべて本明細書に組み込まれる)参照)。特に、LSDに関連する変異型酵素の可逆的、特異的な競合的阻害剤であるグルコースおよびガラクトースの小分子誘導体の投与は有効に、変異型酵素の生体外および生体内での安定性を高め、変異型酵素活性を増強することが発見された。この方策の背後にある元の理論は以下のとおりである:変異型酵素タンパク質はER内で不適切にフォールドするため(非特許文献9)、その酵素タンパク質は通常の輸送経路(ER→ゴルジ体→エンドソーム→リソソーム)で遅れをとり、急速に分解する。したがって、変異型タンパク質の正常なフォールディングを安定化する化合物は、変異型タンパク質の活性部位特異的シャペロンとして働き、ER品質管理システムからのその円滑な脱出を促進する。この方策は最初に、変異型α−ガラクトシダーゼAのシャペロンとしてガラクトースを使用して実証された(α−Gal−A;非特許文献10)。しかしながら、ガラクトースは、α−Gal−A活性の産物であり、真の阻害剤(または基質)ではない。さらに、それが投与されたのみの患者において変異型α−Gal−A活性を回復するには多くの投与量が必要であり、そのため治療候補として非現実的であった。酵素阻害剤はまた触媒中心を占め、その結果、培養中の細胞および動物において酵素コンフォメーションを安定化する。しかしながら、酵素阻害剤は可逆的であり、酵素がER外へ出ると、酵素から解離することができるため、後の基質の結合を妨げず、したがって、酵素の機能を阻害しない。これらの特異的な薬理学的シャペロンは、酵素の活性部位において(可逆的に)結合したことから、「活性部位特異的シャペロン(ASSC)」と名付けられた。
この方策は、コンフォメーション変異体に関連する他の疾患に、およびコンフォメーション変異体に関連しない疾患または状態にも、リソソーム蓄積病以上に適用されたが、野生型酵素の増大した活性は有益であるだろう。他のコンフォメーション病の例としては、変異型PTENに関連する癌、変異型α−セクレターゼに関連するアルツハイマー病、およびグルコセレブロシダーゼにおけるヘテロ接合性変異に関連するパーキンソン病などが挙げられる。2006年5月12日出願の共有の特許文献6;2006年5月12日出願の特許文献7;および2006年6月8日出願の特許文献8を参照されたい。これらの症状を発症するリスクのある患者において非変異型、野生型酵素の活性を増加すると、これらの疾患の発症を防ぎ、発症を遅らせることができ、あるいはこれらの疾患の重症度を軽減することができる。
変異型酵素の救済に加えて、ASSCは、ER分泌および組換え野生型酵素の活性を高めることができる。ASSCは、そうでなければER品質管理システムにおいて遅れをとる、過剰発現野生型酵素のフォールディングを促進する。というのは、酵素の過剰発現および過剰産生は、ERの容量を超え、タンパク質の凝集および分解を引き起こすからである。したがって、フォールディング中の酵素の安定な分子コンフォメーションを誘導する化合物は、「シャベロン」として働き、ERから出るのに適切なコンフォメーションで酵素を安定化する。上記のように、酵素に対して、かかる化合物は意外にも、酵素の特異的な競合的阻害剤であることが判明した。
しかしながら、多くのリソソームおよび他の酵素に対する公知の競合的阻害剤が存在するが、疾患状態に関連する他の酵素に特異的かつ可逆的に結合する公知の阻害剤(または他の小分子化合物)は存在しない。したがって、本発明は、酵素の活性、特にリソソーム酵素の活性を高める方法であって、その酵素に特異的に結合する唯一既知の作用物質がその酵素の基質または基質類似体である方法を提供する。Schuchmanによる特許文献9に、ニーマン・ピック病A型およびB型に関連する変異型酸性スフィンゴミエリナーゼを救済するための、シャペロンとして見込まれるスフィンゴミエリンおよびセラミド類似体が記述されている。セラミドは、セラミドおよびホスホコリンとなるスフィンゴミエリンの加水分解の産物である。それに記載されているスフィンゴミエリン類似体のうちの2種類は基質類似体であり得るが、それらの類似体が、天然基質と同様に酸性スフィンゴミエリナーゼによって加水分解されるかどうかは明らかではない。しかしながら、それらは生体内でスフィンゴミエリンに結合し、スフィンゴミエリンを阻害することができる。
U.S. Patent Nos. 6,274,597 U.S. Patent Nos. 6,583,158 U.S. Patent Nos. 6,589,964 U.S. Patent Nos. 6,599,919 U.S. Patent Nos. 6,916,829 U.S. provisional application serial numbers 60/799,969 U.S. provisional application serial numbers 60/800,071 U.S. patent application serial number 11/449,528 U.S. published patent application 2005/015934
Anfinsen et al., Adv. Ptotein Chem. 1975; 29:205-300 Hartl, Nature 1996; 381:571-580 Gething et al., Nature 1992; 355:33-45 Caplan, Trends Cell. Biol. 1999; 9:262-268 Lin et al., Mol. Biol. Cell. 1993; 4:109-1119 Bergeron et al., Trends Biochem. Sci. 1994; 19:124-128 Haas, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 1991; 167:71-82 Hurtley et al., Annu. Rev. Cell. Biol. 1989; 5:277-307 Ishii et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 1996; 220: 812-815 Okuyima et al., Biochem Biophis Res Comm. 1995; 214: 1219-24
本発明は、リソソーム酵素が酸性スフィンゴミエリナーゼではないという条件で、酵素に特異的な基質または基質類似体と細胞を接触させることによって、細胞におけるリソソーム酵素の活性を高める方法を提供する。
具体的な実施形態において、リソソーム酵素は、コンフォメーション変異が原因で欠損している。
他の具体的な実施形態において、リソソーム酵素は野生型である。
本発明の一態様において、リソソーム酵素は、イズロネート−2−スルファターゼであり、基質または基質類似体は、ヘパラン硫酸;デルマタン硫酸;O−(α−L−イドピラノシルウロン酸2−硫酸)−(1−4)−(2,5−アンヒドロ−D−マンニトール−l−t6−硫酸(IdA−Ms);L−O−(α−イズロン酸2−硫酸−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール(IdoA2S−anM);L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(IdoA2S−anM6S);O−(α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(IdoA−anT4S);O−(α−L−イドピラノシルウロン酸2−硫酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(IdoA2S−anT4S);L−O−(α−イズロン酸2硫酸)−D−O−(α−グルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(IdoA2S−GlcNH6S−IdoA2S−anM6S);L−O−(α−イズロン酸2硫酸)−(1−4)−D−O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−O−(β−D−グルクロンまたはα−L−イズロン酸)−(1−4)D−O(α−N−アセチルグルコサミン−(1−3)−D−O−]−グロン酸(IdoA2S−GlcNS−UA−GlcNAc−GlcOA);O−(β−D−グルコピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(GlcA−anT4S);O−(β−D−グルコピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール6−硫酸(GlcA−anT6S);およびO−(α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール(IdoA−anT);またはO−(α−L−イドピラノシルウロン酸−2−硫酸)−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール−6−硫酸である。
本発明の第2の態様において、リソソーム酵素は、ヘパラン−N−スルファターゼであり、基質または基質類似体は、ヘパラン;ヘパリン;O−α−2−スルホアミノグルコサミン(sulphaminoglucosamine))−(1−4)O−L−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−O−D−(2,5)−アンヒドロ−−マンニトール6−硫酸(GlcNS−IdoA2S−anM6S);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸)−(1−4)−O−D−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−3)−L−−イドン酸(GlcNS−IdoA−GlcNS−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−O−L−イズロン酸(GlcNS−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6−硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(GlcN6S−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(GlcNS6S−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−L−イドース)(GlcNS−Ido);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6−硫酸)−(l−4)−L−イドース2−硫酸(GlcNS6S−Ido2S);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−イドース(GlcNS6S−Ido);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−L−6−イドース2−硫酸(GlcNS−Ido2S);2−スルホアミノ−グルコサミン(GlcNS);または2−スルホアミノ−ガラクトサミン(GalNS)である。
本発明の第3の態様において、リソソーム酵素は、α−グルコサミニドN−アセチルトランスフェラーゼであり、基質または基質類似体は、ヘパラン硫酸;α−N−アセチルグルコサミン;またはO−(2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルN−硫酸)−(1−4)−β−D−ウロン酸−(1−4)−(2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルN−硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(または−2,5−アンヒドロ−L−イドン酸もしくは−L−グロン酸)である。
本発明の第4の態様において、リソソーム酵素は、N−アセチル−グルコサミン−6−硫酸スルファターゼであり、基質または基質類似体は、ヘパラン硫酸;ケラタン硫酸;N−アセチル−グルコサミン6−硫酸;グルコース6−硫酸;O−α−D−6−スルホ−2−アセトアミド−2−デオキシグルコシル−(1−4)−O−ウロノシル−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール(GlcNAc(6S)UA−aMan−ol);O−(α−L−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ[1−H]マンニトール6−硫酸(IdoA2S−GlcNS6S−IdoA2S−anM6S);O−(α−N−アセチルグルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6硫酸(GlcNAc6S−IdoA2S−anM6S);O−α−グルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(GlcNH6S−IdoA2S−anM6S);またはO−(α−N−アセチルグルコサミン6−硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(GlcNAc6S−IdOA)である。
本発明の第5の態様において、リソソーム酵素は、N−アセチル−ガラクトサミン−6−硫酸−スルファターゼであり、基質または基質類似体は、ケラタン硫酸;コンドロイチン−6−硫酸;ヒアルロニダーゼ分解C−6−S四糖;6−スルホ−N−アセチルガラクトサミン−グルクロン酸−6−スルホ−N−アセチル−1−ガラクトサミニトール;またはN−アセチルガラクトサミン6−硫酸−(β,1−4)−グルクロン酸−(β,1−3(−N−アセチルガラクトサミニトール6−硫酸))である。
本発明の第6の態様において、リソソーム酵素は、アリールスルファターゼAであり、基質または基質類似体は、セレブロシド硫酸;4−ニトロカテコール硫酸;デヒドロエピアンドロステロン硫酸;セレブロシド−3−硫酸;アスコルビン酸−2−硫酸;2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルスルホン酸ナトリウム一水和物(Na(+)×C(7)H(6)NO(6)S(−)×H(2)O);N−[7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル]サイコシン硫酸(NBD−PS);2−(1−ピレン)ドデカノイルセレブロシド硫酸(P12−スルファチド);または12(1−ピレンスルホニルアミド)ドデカノイルセレブロシド硫酸(PSA12−スルファチド)である。
本発明の第7の態様において、リソソーム酵素は、アリールスルファターゼBであり、基質または基質類似体は、イズロネート硫酸;デルマタン硫酸;コンドロイチン硫酸;p−ニトロカテコール硫酸;GalNAc4S−GlcA−GalitolNAc4S;コンドロイチン4−硫酸−四糖;またはN−アセチルガラクトサミン4−硫酸−(1−4)−β−グルクロン酸−(1−3)−β−N−アセチルガラクトサミニトール4−硫酸である。
本発明の第8の態様において、リソソーム酵素は、酸性セラミダーゼであり、基質または基質類似体は、セラミド;N−ステアロイルスフィンゴシン;N−ステアロイルジヒドロ−スフィンゴシン;N−オレオスフィンゴシン;またはN−ラウロイルスフィンゴシンである。
本発明の第9の態様において、リソソーム酵素は、N−アセチルグルコサミン−1−ホスホトランスフェラーゼであり、基質または基質類似体は、UDP−N−アセチルグルコサミンまたはα−メチル−マンノシドである。
シャペロンとして基質を使用する潜在的メカニズムを表す。 ヘパラン硫酸の構造を表す。 ヘパラン硫酸類似体GlcNS6S−IdOAの構造を表す。
酵素に対する基質または基質類似体または誘導体を使用して酵素の活性を増加する方法を提供する。基質は、小胞体(ER)内の標的酵素に結合し、それがERから出て、かつリソソームなどの細胞におけるそのネイティブな位置にそれを輸送するのを可能にするコンフォメーションで酵素を安定化する。ERから出ると、結合した基質または類似体または誘導体は、酵素でプロセッシングされ、その産物は酵素から解離し、その酵素は他の基質のプロセッシングに利用することができる。この方法では、野生型酵素とコンフォメーション変異体である酵素の両方への使用が企図される。この方法は、ER内の酵素に対する強い親和性を有する基質に特に適しており、それは、酵素−基質複合体(ES)の形成に有利に働くが、代謝回転率が低く(低Kcat、低K)、ERからそのネイティブな細胞位置(図1)に酵素を介添えするのに十分な時間、基質が結合した状態にしておくことを可能にする。
定義
本明細書で使用される用語は一般に、本発明の文脈内および各用語が使用されている特定の文脈において、当技術分野におけるその通常の意味を有する。特定の用語が以下に、または本明細書における他の箇所で説明されており、本発明の組成物および方法ならびにそれらをいかに製造かつ使用するかの記述において、医師への更なるガイダンスが提供される。
本明細書で使用される、「薬理学的シャペロン」または時に「特異的な薬理学的シャペロン」(「SPC」)という用語は、タンパク質に、特に酵素に特異的に結合し、かつ以下の作用:(i)タンパク質の安定な分子コンフォメーションの形成を高める;(ii)ERから他の細胞位置、好ましくはネイティブの細胞位置へのタンパク質の適切な輸送を高める、すなわちタンパク質のER関連分解を防ぐ;(iii)コンフォメーション上、不安定な凝集、すなわちミスフォールドされるタンパク質を防ぐ;(iv)タンパク質の少なくとも部分的な野生型機能、安定性、および/または活性を回復する、または高める;かつ/または(v)変異型タンパク質を保持する細胞の表現型または機能を向上させる;のうちの1つまたは複数を有する分子を意味する。したがって、薬理学的シャペロンは、タンパク質に特異的に結合し、その結果、そのタンパク質の適切なフォールディング、輸送、非凝集、および/または活性を提供する、分子である。本発明の文脈において、特異的な薬理学的シャペロンは、酵素の基質または基質類似体または誘導体である。
本明細書で使用される、「薬理学的シャペロン」という用語は、BiPなどの内因性シャペロン、またはグリセロール、DMSOまたは重水素水など、種々のタンパク質に対する非特異的なシャペロン活性を示す非特異的な作用物質、すなわち化学的シャペロンを意味しない(Welch et al., Cell Stress and Chaperones 1996; 1(2):109-115; Welch et al., Journal of Bioenergetics and Biomembranes 1997; 29(5):491-502; U.S. Patent No. 5,900,360; U.S. Patent No. 6,270,954;およびU.S. Patent No. 6,541,195参照)。
本明細書で使用される、「基質」という用語は、酵素によって作用を受ける(修飾される)分子を意味する。本発明に従って、この用語は、人の介入によって修飾されていない、酵素の天然または生理学的基質を意味する。一部のリソソーム酵素の天然基質の例を表2に示す。
本明細書で使用される、「基質類似体」または「基質誘導体」という用語は、天然に、またはヒトの介入により、その天然または内因性生理学的状態から修飾され、かつ相当する天然または内因性生理学的基質を修飾する酵素によって修飾される能力を保持する、基質を意味する。さらに詳しくは、「基質類似体」または「基質誘導体」とは、構造および/または機能が内因性生理学的酵素基質に似ている、合成(人工)または天然化学化合物を意味する。一般に、基質類似体および誘導体は、結合親和性(Km)、および/または(Kcat)などの天然または生理学的基質と比べて異なる物理的性質を有する。基質類似体または誘導体は、天然または生理学的基質よりも小さい場合が多い。本発明に従って、基質として使用される基質類似体または誘導体は、蛍光、色素、または他の種類の標識などの検出可能な標識を含有し得る。蛍光標識の具体的な一例は、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)である。
本明細書で使用される、「特異的に結合する」という用語は、薬理学的シャペロン、すなわち基質または基質類似体または誘導体と、特定のタンパク質との相互作用、具体的には、薬理学的シャペロンとの接触に直接関与するタンパク質のアミノ酸残基との相互作用を意味する。薬理学的シャペロンは、標的タンパク質、例えばリソソーム酵素に特異的に結合し、その酵素にシャペロン効果を発揮し、関連酵素または非関連酵素の一般的グループには効果を発揮しない。酵素タンパク質の場合には、シャペロンと相互作用する酵素のアミノ酸残基は一般に、酵素の「活性部位」にある。
酵素タンパク質の「活性部位」は、基質に結合し、かつ基質との反応または基質の修飾を触媒する、酵素の領域として定義される。
「Vmax」という用語は、酵素触媒反応の最高初期速度、すなわち飽和基質レベルでの速度を意味する。「Km」という用語は、二分の一のVmaxを達成するのに必要な基質濃度である。Kcatは、酵素の総濃度で割ったVmaxとして、すなわち、単位時間当たり酵素分子1個につき産物に変換することができる基質の最高分子数として定義される(代謝回転数)。
本明細書で使用される、「コンフォメーション安定性を高める」または「コンフォメーション安定性を増加する」という用語は、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触していない細胞(好ましくは、同じ細胞型の細胞、または例えば、早い時点での同じ細胞)におけるタンパク質に対する、薬理学的シャペロンと接触している、例えばタンパク質に特異的な基質と接触している細胞における機能的コンフォメーションの形をとるタンパク質の量または割合の増加を意味する。一実施形態において、細胞はコンフォメーション変異体を発現しない。他の実施形態において、細胞は、ポリペプチドをコードする変異型ポリヌクレオチド、例えばコンフォメーション変異型タンパク質を発現する。
本明細書で使用される、「活性を高める」または「活性を増加する」という用語は、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触していない細胞(好ましくは、同じ細胞型の細胞、または例えば、早い時点での同じ細胞)におけるタンパク質の活性に対して、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触している細胞において、本明細書に記載のようにタンパク質の活性を増加することを意味する。この用語は、下記に定義されるように、タンパク質輸送を高めること、およびタンパク質の発現レベルを高めることを意味する。
本明細書で使用される、「タンパク質輸送を高める」または「タンパク質輸送を増加する」という用語は、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触していない細胞(好ましくは、同じ細胞型の細胞、または例えば、早い時点での同じ細胞)におけるタンパク質の輸送効率に対して、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触している細胞におけるERから他の位置へのタンパク質の輸送効率を増加することを意味する。
本明細書で使用される、「タンパク質レベルを高める」または「タンパク質レベルを増加する」という用語は、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触していない細胞(好ましくは、同じ細胞型の細胞、または例えば、早い時点での同じ細胞)におけるタンパク質のレベルに対して、タンパク質に特異的な薬理学的シャペロンと接触している細胞における標的タンパク質のレベルを増加することを意味する。
「適切なコンフォメーションを安定化する」という用語は、相当する野生型タンパク質のコンフォメーションと機能的に同等である標的変異タンパク質のコンフォメーションを誘導または安定化する、薬理学的シャペロン、例えば基質または基質類似体または誘導体の能力を意味する。「機能的に同等」という用語は、コンフォメーションの軽微な変化はあり得るが(ほぼすべてのタンパク質が、その生理学的状態においていくらかのコンフォメーション柔軟性を示す)、このコンフォメーション柔軟性によって、(1)タンパク質の凝集、(2)小胞体関連分解経路を介した排除、(3)タンパク質機能の障害、例えば、活性の低下、かつ/または(4)細胞内の不適切な輸送、例えば、野生型タンパク質よりも著しく低い程度のリソソームへの局在化は起こらないことを意味する。
「安定性分子コンフォメーション」という用語は、薬理学的シャペロンにより誘導されたタンパク質、すなわちリソソーム酵素のコンフォメーションであって、細胞において少なくとも部分的な野生型機能を提供するコンフォメーションを意味する。例えば、変異型リソソーム酵素の安定性分子コンフォメーションは、野生型に関しては、ミスフォールドされ、かつ分解される代わりに、酵素がERから逃れ、リソソームに輸送されるコンフォメーションであるだろう。さらに、変異タンパク質の安定性分子コンフォメーションは、完全または部分的なタンパク質活性、例えばリソソームヒドロラーゼ活性も保持し得る。しかしながら、安定性分子コンフォメーションが、野生型タンパク質の機能的特質のすべてを持っている必要はない。
「タンパク質活性」という用語は、細胞における野生型タンパク質の正常な生理学的機能を意味する。例えば、リソソーム酵素の活性(リソソーム酵素活性)は、細胞脂質および炭水化物などの基質の加水分解を含む。このような機能性は、かかるタンパク質の機能性を確立するのに公知のいずれかの手段によって試験することができる。例えば、人工基質を使用したアッセイを用いて、加水分解活性を決定することができる。かかるアッセイは当技術分野でよく知られている。例えば、Hopwood, J. Biol Chem. 1999; 274: 37193-99には、組換えスルファミダーゼの産生が記述されている。さらに、Braulke et al., Hum Mutation. 2004; 23:559-66には、細胞環境における変異型スルファミダーゼ酵素の輸送、酵素活性および安定性を評価する手段が記述されている。さらに、リソソームスルファミダーゼにおけるミスセンス突然変異のマウスモデルが、Hopwood, Glycobiology. 2001; 11: 99-103に記述されている。サンフィリポ症候群IIIa型の自然発生マウスモデルが、Bhattacharyya et al., Glycobiology. 2001; 11: 99-103に記述されている。
「野生型酵素」という用語は、ER内で機能的コンフォメーションを達成し、細胞内で適切な局在化を達成する能力を有し、かつ野生型活性(例えば、リソソーム加水分解酵素活性)を示す、ポリペプチドによってコードされる酵素を意味する。この用語は、互いに異なり得るが、そのコードされている酵素の産物が前述の野生型活性を示す、オルソログおよびホモログなどのポリペプチド、および突然変異体を含む。
「リソソーム酵素」とは、リソソームで機能するあらゆる酵素を意味する。リソソーム酵素としては、限定されないが、表1および表2に示す酵素が挙げられる。その他のリソソーム酵素としては、限定されないが、α−グルコシダーゼ、酸性β−グルコシダーゼ(グルコセレブロシダーゼ)、α−ガラクトシダーゼA、酸性β−ガラクトシダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、酸性α−マンノシダーゼ、酸性β−マンノシダーゼ、α−L−フコシダーゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、α−N−アセチルガラクトサミニダーゼ、β−ヘキソサミニダーゼA、β−ヘキソサミニダーゼB、α−L−イズロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、シアリダーゼおよび酸性スフィンゴミエリナーゼが挙げられる。
特定の試験によって、その実際の生体内機能に相当する、または相当しないタンパク質の特質を評価することができるが、それにもかかわらず、かかる試験における凝集はタンパク質の機能性の代理となり、野生型の挙動は、本発明の技術によるタンパク質のフォールディングの救済または向上の許容可能な結果となる。本発明による、このような一つの活性は、小胞体からリソソームへのリソソーム酵素の適切な輸送である。
本明細書で使用される「変異型タンパク質」という用語は、アミノ酸配列の変化を生じさせる、遺伝的突然変異を含有する遺伝子から輸送されたポリペプチドを意味する。一実施形態において、その変異によって、野生型タンパク質と比較した場合に、ERに通常存在する条件下にてネイティブコンフォメーションを達成しない、あるいは野生型タンパク質と比較すると低下した安定性または活性を示すタンパク質が産生される。この種類の変異は、本明細書において「コンフォメーション変異」と呼ばれ、かかる変異を有するタンパク質は、「コンフォメーション変異体」と呼ばれる。このコンフォメーションを達成することができなかった結果として、細胞におけるそのネイティブな位置へ、または細胞外環境内へと、タンパク質輸送系の通常の経路を介して輸送されず、タンパク質が分解または凝集する。一部の実施形態において、変異は、タンパク質をコードする遺伝子の非コード部分で起こり、タンパク質発現の効率が下がり、例えば転写効率、スプライシング効率、mRNA安定性等に影響する変異が起こる。タンパク質の野生型ならびにコンフォメーション変異型バリアントの発現レベルを高めることにより、薬理学的シャペロンの投与は、かかる非効率的タンパク質発現から起こる欠損を回復させることができる。
「治療上有効な投与量」および「有効な量」という用語は、治療反応を得るのに十分な、特異的薬理学的シャペロンの量を意味する。治療反応は、使用者(例えば、臨床家)が、前述の症状および臨床的代用マーカーなど、治療に対する有効な反応として認める、あらゆる反応であり得る。したがって、治療反応は一般に、その疾患または障害の当技術分野で公知の症状、例えば神経症状などの、疾患または障害、例えばリソソーム蓄積症の1つまたは複数の症状の改善であるだろう。
「薬学的に許容される」という表現は、ヒトに投与した場合に、生理学的に耐えることができ、かつ通常有害な反応を起こさない、分子的実体および組成物を意味する。好ましくは、本明細書で使用される、「薬学的に許容される」という用語は、動物、さらに詳しくはヒトにおける使用に関して、連邦政府または州政府の管理機関により承認されている、または米国薬局方または他の一般に認められている薬局方においてリストに記載されていることを意味する。「担体」という用語は、化合物が共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、またはビヒクルを意味する。かかる薬剤担体は、水および油などの無菌の液体であることができる。水または生理食塩水溶液およびブドウ糖およびグリセロール水溶液が、特に注射可能な溶液の担体として用いられることが好ましい。適切な薬剤担体は、"Remington's Pharmaceutical Sciences" by E.W. Martin, 18th Edition, or other editionsに記載されている。
「約」および「およそ」という用語は一般に、測定値の本質または精度を与える、測定量の誤差の許容可能な程度を意味する。一般に、例示的な誤差の程度は、所定の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、さらに好ましくは5%以内である。代わりとして、および特に生体系では、「約」または「およそ」という用語は、所定の値の一桁以内、好ましくは所定の値の5倍以内、さらに好ましくは2倍以内である値を意味する。本明細書で記載の数量は、別段の指定がない限り近似値であり、特に指定されていない場合には、「約」および「およそ」という用語が推測される。
本明細書で使用される、「単離(される)」という用語は、参照材料が、それが通常見出される環境から取り出されることを意味する。したがって、単離された抗生物質は、細胞成分を含有せず、すなわち、その中で材料が見出される、または産生される細胞の成分を含有しない。核酸分子の場合には、単離核酸としては、PCR産物、ゲル上のmRNAバンド、cDNA、または制限断片が挙げられる。他の実施形態では、単離核酸は、好ましくは、それが見出される染色体から切り出され、さらに好ましくは、非調節、非コード領域に、または他の遺伝子に結合せず、染色体において見出される場合には、単離核酸分子によって含まれる遺伝子の上流または下流に位置する。さらに他の実施形態において、単離核酸は、1つまたは複数のイントロンを欠いている。単離核酸は、プラスミド、コスミド、人工染色体等に挿入された配列を含む。したがって、具体的な実施形態において、組換え核酸は単離核酸である。単離タンパク質は、それが膜結合型タンパク質であるならば、細胞内でそれが結合する他のタンパク質もしくは核酸、または両方と、または細胞膜と結合することができる。単離細胞器官、細胞、または組織は、生物においてそれが見出される解剖学的部位から除去されている。単離物質を精製することができるが、精製する必要がない場合がある。
本明細書で使用される、「精製」という用語は、無関係の物質、すなわち混入物を減少または除去する条件下で単離されている、核酸またはポリペプチドなどの物質を意味する。例えば、精製タンパク質は、細胞内でそれが結合している他のタンパク質または核酸を実質的に含有しないことが好ましい。本明細書で使用される、「実質的に含有しない」という用語は、物質の分析試験の文脈において操作上使用される。好ましくは、混入物を実質的に含有しない精製物質は、少なくとも50%の純度;さらに好ましくは、少なくとも90%の純度、さらに好ましくは少なくとも99%の純度である。純度は、従来の手段、例えば、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、イムノアッセイ、組成分析、生物学的アッセイ、および当技術分野で公知の他の方法によって評価することができる。
リソソーム蓄積障害の治療
本発明の方法は、その阻害剤がまだ同定かつ/または評価されていないため、リソソーム蓄積病、特に欠損リソソーム酵素の小分子阻害剤での薬理学的シャペロン療法の候補ではないリソソーム蓄積病を治療するための療法を提供する。このカテゴリーに入るリソソーム酵素およびそれに関連する疾患の一部の例を表1に示す。根底にある分子欠陥に直接取り組む療法はこれらの疾患には存在せず、不適切であることが多い、発症した症状の治療に患者は頼らざるを得ない。さらに、これらの疾患の多くは中枢神経系の関与を有することから、酵素が血液脳関門を通ることができず、かつカテーテルの使用を必要とするため、酵素補充療法は現実的な選択肢ではない。しかしながら、シャペロンとしての基質の使用は、小分子シャペロンがそれに対して同定されていないリソソーム酵素に限定されない(以下の表2)。それと反対に、この方法はすべての酵素に適用可能である。
基質またはより小さな基質類似体または誘導体の利点は、全身投与後に血液脳関門を通過することができるであろうことである。例えば、低分子量脱重合ヘパリン誘導体、特に四糖および二糖は、血液脳関門を通過することが実証されており(モデルとして培養星状膠細胞を使用;Leveugle et al., J Neurochem. 1998; 70: 736-44)、他のプロテオグリカンまたはグリコサミノグリカンの低分子誘導体も血液脳関門を通過することができるであろうことが示唆されている。さらに、N−アセチルグルコサミンをベースとする類似体もまた、血液脳関門を通過することが示された(Kisilevsky et al., Am J Pathol. 2004;164:2127-2137)。
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基質および基質類似体または誘導体
本発明に従って、シャペロンとして使用することができる基質は、酵素の天然または生理学的基質であるか、または標的酵素により(リソソーム酵素の場合)加水分解することができる天然基質の類似体または誘導体である。
リソソーム酵素基質
例示的なリソソーム酵素およびその基質および基質類似体/誘導体を以下の表3に示す。一実施形態において、候補基質または類似体または誘導体は、小胞体におけるpH(中性)よりも低いpHにて最適な触媒活性を有し、そのためにER内で、またはリソソーム酵素がリソソームに移行する間に、基質シャペロンのわずかな切断が起こるだろう。pHが低い(約4.8)リソソーム内に入ると、基質シャペロンは加水分解され、pHが低いほど安定性が高いと思われる酵素は、リソソームにおいて見出される天然基質に結合し、かつ加水分解することができるだろう。例えば、以下の表3における基質類似体/誘導体の多くに関しては、最適なpHは、約4〜5であり、5を超えるpHではKmおよびKcatが低い(以下の表2におけるHopwood; BeilickiおよびFreemanによる記載の出版物を参照されたい)。
一例として、FreemanおよびHopwood(J Biol. Chem.1986)は、ヘパラン−N−スルファターゼ(スルファメートスルホヒドラーゼ酵素)の基質類似体について記述している。最適な酸性pH、すなわちリソソームに最適なpHを有する基質は、二糖基質(例えば、GlcNS6S−Ido;GlcNS6S−Ido2S;およびGlcNS6S−IdOA;記述に関しては以下の表2を参照されたい)のGlcNS残基上にC−6硫酸エステルを有する基質である。
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イズロネート−2−スルファターゼ
Bielickiらは、上記の表2に示される基質類似体に対するイズロネート−2−スルファターゼの最適なpHおよび酵素キネティクスを詳述している。基質の構造は、pH活性プロファイルに影響を及ぼす。高硫酸化四糖基質IdoA2S−GlcNAc6S−IdoA2S−anM6S;IdoA2S−GlcNS6S−IdoA2S−anM6S;およびIdoA2S−GlcNH6S−IdoA2S−anM6Sに対する最高活性は、それぞれ5.5、5.7、および5.1で見られるが、IdoA2S−GlcNAc6S−IdoA2S−anM6Sに関してはpH範囲約4.6〜6.5、IdoA2S−GlcNS6S−IdoA2S−anM6Sに関してはpH範囲5.0〜6.5、およびIdoA2S−GlcNH6S−IdoA2S−anM6Sに関してはpH範囲4.2〜6.0であった。pH6.3では、前述のものはそれぞれ、その最高活性の約80%、90%および12%を有する。
Bielickiらにより決定されている、その基質類似体に最適なpHにおける種々の基質類似体に対する酵素のキネティクスを以下の表4に示す。簡潔には、IdoA2S−anM6Sが生じる、6−硫酸エステル基の二糖IdoA2S−anMへの付加によって、結合親和性と代謝回転数(KmおよびKcat)がそれぞれ5倍と13倍増加した結果、触媒活性が63倍増加する。グルコサミン置換基の作用は、GlcNAcおよびGlcNHと比較して、結合親和性を2倍まで増加することであった。
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要するに、非還元性イズロネート−2−硫酸末端残基に隣接するアグリコン構造は、酵素の触媒効率に影響を及ぼす。
最後に、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウムおよび塩化ナトリウム塩は、基質に対する活性に阻害性であり、塩化マグネシウム、塩化マンガンは、酵素の活性をに影響しない、または高めない。
ヘパラン−N−スルファターゼ
上記の表2に示されるように、ヘパラン類似体は、FreemanおよびHopwoodによって記述されている。この研究では、基質類似体それぞれに対して精製酵素のph最適値も評価された。一般に、二糖基質GlcNS−IdOA、GlcNS−Ido2SおよびGclNS−Ido(類似体GlcNS6S−IdOA、GlcNS6S−Ido2SおよびGlcNS6S−Idoをそれぞれ産生する)のGlcNS残基上のC−6硫酸エステルの存在によって、pH最適値が5.5〜6.7から3.8〜4.2へとシフトした。それに対して、GlcNS−Idoを産生する、GlcNSへのイドースの添加によって、ph最適値は5.6から6.7へと増加した。GlcNS−Ido2SおよびGlcNS−IdoAを産生する、イドース残基上のC−2硫酸エステルの添加によって、ph最適値が5.5へと下がった。四糖基質GlcNS−IdoA−GlcNS−IdOAに対する酵素のph最適値も5.5であった。
この研究では、37℃でのヘパラン−N−スルファターゼの最適なpH範囲における基質のKmおよびKcatも評価された。これらの結果を以下の表5にまとめる。要するに、隣接単糖残基上のC−6カルボキシ基も含有する基質(例えば、GlcNS6S−IdOA)上にC−6硫酸エステルが存在すると、酵素の親和性が増加する(Kmが低下する)が、スルファミン酸結合の加水分解が減少する(Kcatが増加する)。したがって、GlcNS残基の非還元性末端上にC−6硫酸エステルが存在すると、KmおよびKcatが低くなる。さらに、GlcNS6S−IdOAに対する酵素のpH最適値が低い(4.2)ことから、この基質は、pHが中性である小胞体内においておそらく加水分解されにくいと考えられ、例えば、pHがより最適である酸性リソソーム内では酵素は遊離され、天然基質が加水分解される。
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N−アセチル−グルコサミン−6−硫酸スルファターゼ(6S)
FreemanおよびHopwoodによって実証されているように、単糖Glc6SおよびGlcNAc6Sに対する6Sの活性は、pH最適値5.7を有した。α−(1−4)−イドース残基またはβ−(1−3)−ガラクチトール残基を添加した結果、ph最適値がそれぞれ5.7から5.4または5.0へとシフトする。GlcNAc6S−IdOAにおける開環イドース上に6−カルボキシ基が存在することによっても、pH最適値が5.4から5.0へとシフトする。
様々な基質に対する6Sの動力学的特性を以下の表6に示す。要するに、最も単純な基質は、Km62.5μMおよびKcat0.585mol/分/モル 酵素を有するGlc6Sであった。2−アセトアミド基を付加してGlcNAc6Sを得た結果、Kmは約6〜9倍減少し、Kcatも減少する。GlcNAc6S−Idoを得るためにGlcNAc6Sにイドースを結合することは、Kmに影響しないが、Kcatを減少させる。GlcNAc6S−Idoに6−カルボキシ基を付加すると、代謝回転数が約80倍増加する。グルコサミン6−硫酸残基の2−アミノ基上の置換基は、二糖および三糖への6Sの活性に影響を及ぼす。非置換二糖および三糖基質は、N−アセチル化またはN−硫酸化相当物よりも低い代謝回転率を有する。
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前述の研究から得られた結論は、天然基質の構造的特徴を保持する基質類似体は一般に、加水分解率が最大となるということである。
非リソソーム蓄積病
プロテオグリカンを分解する非欠損リソソーム酵素の活性を増加することなどによる、プロテオグリカンの分解の増加もまた基質を使用して企図される。例えば、アルツハイマー病は、アミロイド前駆タンパク質(APP)のタンパク質分解処理後に形成されるβアミロイド(Aβ)39−42−アミノ酸ペプチドの高分子フィブリルで構成される老人斑を特徴とする。ヘパラン硫酸プロテオグリカン(パールカン)は、アルツハイマー病の脳におけるAβと共局在することが示されており、実験的証拠から、プロテオグリカンとペプチドの相互作用が、老人斑の促進、沈着、および/または持続に重要であることが指摘されている(Bame et al., J Biol Chem. 1997; 272: 17005-11)。さらに、最近、ヘパリンの濃度が低いと、部分活性なBACE1、APPを切断してAβペプチドを形成する酵素が刺激されることが判明した(Beckman et al., Biochemistry. 2006;45(21):6703-14)。したがって、アミロイドの沈着を引き起こす、Aβ−ヘパラン硫酸プロテオグリカン複合体の形成を防ぐ一メカニズムは、ヘパラン硫酸の分解を増加することであるだろう。
特異的な小分子薬理学的シャペロンは、野生型ならびに変異型リソソーム酵素を増加することが示されていることから、基質シャペロンは同様に、野生型リソソーム酵素を安定化し、かつその半減期および/または活性を増加することができと推測される理由がある。
製剤形態、投与および投薬量
本発明は、その化合物が血液脳関門を通過して、神経細胞に作用することが有利であろうことから、全身投与することができる剤形で基質または基質の類似体もしくは誘導体を投与することができることを提供する。一実施形態において、特異的な薬理学的シャペロンは、単剤療法として、好ましくは薬学的に許容される適切な担体を有する経口剤形(以下にさらに説明される)で投与されるが、他の剤形も企図される。特異的な薬理学的シャペロンの製剤形態、投薬量、および投与経路を以下に詳述する。
製剤形態
投与経路に適した標準製剤形態で治療上有効な基質を個体に投与することができる。すべての投与経路に関する標準製剤形態は当技術分野でよく知られている。例えば、Remington's Pharmaceutical Science, 20th Edition, Mack Publishing Company (2000)を参照されたい。
一実施形態において、基質または類似体または誘導体は、錠剤またはカプセル剤などの固形経口剤形で製剤される。錠剤またはカプセル剤は、結合剤(例えば、アルファー化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム;潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤を使用して、従来の手段によって製造することができる。錠剤は、当技術分野でよく知られている方法によってコーティングすることができる。経口投与用の液体製剤は、例えば液剤、シロップ剤または懸濁剤の形をとることができ、または使用前に水または他の適切なビヒクルと混合される乾燥製品として製造することができる。かかる液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ剤、セルロース誘導体または水素化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコールまたは分画植物油);および保存剤(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤を使用して、従来の手段によって製造することができる。製剤は適宜、緩衝塩、香味剤、着色剤および甘味剤も含有し得る。
他の実施形態において、基質または類似体または誘導体は、持続注入またはボーラス注入などによる非経口投与用に製剤される。注入用の製剤形態は、水性または油性の懸濁液、溶液、分散液、またはエマルジョンであることができ、それは、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの賦形剤を含有し得、かつそれらに依存する。すべての場合において、非経口的製剤は無菌でなければならず、かつ容易に注射可能な程度まで流動性でなければならない。製造および保存条件下において安定性でなければならず、かつ細菌および真菌などの微生物の汚染作用に備えて保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒体であることができる。例えば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散液の場合には必要な粒径を維持することによって、かつ界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持することができる。微生物作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、ソルビン酸等によって行うことができる。注射可能な組成物の持続性吸収は、吸収を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に使用することによって行うことができる。
更なる実施形態において、基質または類似体または誘導体は、徐放性製剤形態で送達することができる。徐放性の非経口的送達システムとしては、乳酸/グルタミン酸(PLGA)のポリマーなどのコポリマーマトリックス、浸透圧ポンプ、植込型注入システム、例えば、皮下、カプセル化細胞送達、リポソーム送達、および経皮パッチが挙げられる。
前述の製剤形態に包含され得る、その他の薬学的に許容される賦形剤としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、および重炭酸緩衝液などの緩衝液、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質;血清アルブミン、コラーゲン、およびゼラチンなどのタンパク質;EDTAまたはEGTA、および塩化ナトリウムなどの塩;ポリビニルピロリドン;デキストラン、マンニトール、ソルビトール、およびグリセロールなどの糖;プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(例えば、PEG−4000、PEG−6000);グリセロール;グリシンまたは他のアミノ酸;および脂質が挙げられる。製剤形態と共に使用される緩衝系としては、クエン酸;酢酸;重炭酸;およびリン酸緩衝液が挙げられる。
投与
例示的な投与経路としては、経口または非経口投与、例えば静脈内、皮下、動脈内、腹腔内、点眼、筋肉内、頬腔、経直腸、経膣、眼窩内、脳内、皮内、頭蓋内、髄腔内、脳室内、髄腔内、槽内、嚢内、肺内、鼻腔内、経粘膜、経皮、または吸入投与が挙げられる。
一例として、ヘパラン硫酸(HS)が、他のグリコサミノグリカンとして(Baggio et al., Eur J Clin Pharmacol, 2004; 40: 247-40)、経口的に活性であることが示されている(Barsotti et al., Nephron. 1999;81:310-316)。両親媒性ヘパリン誘導体などの高分子の経口送達が、ChenらによるU.S Patent 6,458,383およびByunらによるU.S Patent 6,656,922に記載されている。経口または経直腸投与に適している、デルマタン硫酸およびヘパラン硫酸などの硫酸化グリコサミノグリカンの有機化カチオン塩が、U.S Patent 5,264,425に記載されている。ヘパラン硫酸などの作用物質の経口送達用の製剤形態は、ChenらによるU.S Patent 6,761,903に記載されている。さらに、低分子量脱重合ヘパリン誘導体、特に四糖および二糖は、血液脳関門を通過することが実証されており(モデルとして培養星状膠細胞を使用して;Leveugle et al., J Neurochem. 1998; 70: 736-44))、他のグリコサミノグリカンの低分子量誘導体もまた血液脳関門を通過することができるであろうことが示唆されている。
本発明の投与された基質または類似体または誘導体は、細胞外ヘパラン硫酸に結合し、次いで脂質ラフトによりエンドサイトーシスされる、ヒトヘパリン結合性タンパク質から誘導された小さなペプチドを用いて、細胞内取り込みに対して標的化することができる(De Coupade et al., Biochem J. 2005; 390(Pt 2):407-18)。ペプチドなどの外来性疎水性分子は、細胞によって取り込まれ、ERに標的化されることも実証されており(Day et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1997; 94: 8064-8069; Patil et al., BMC Immunol. 2004; 5: 12)、オリゴ糖基質も取り込まれることが示唆されている。薬剤修飾を用いて、中枢神経系への送達を増加することができる。かかる修飾としては、脂質化、安定性を高めるための構造的修飾、グリコシル化、栄養素輸送体に対する親和性の増加、プロドラッグ、ベクターベース、カチオン化、およびポリマー抱合/カプセル化が挙げられる。これらの修飾の更なる説明については、Witt et al., AAPS Journal. 2006; 8(1): E76-E88 を参照されたい。特に、Wan et al.,は、A549細胞によるキトサンオリゴ糖ナノ粒子の取り込みについて記述している(Yao Xue Xue Bao. 2004;39(3):227-31)。キトサンは、ランダムに分布しているβ−(1−4)−結合D−グルコサミンおよびN−アセチル−D−グルコサミンで構成される直鎖状多糖である。
さらに、転移細孔(translocation pore)が、UDP−グルクロン酸などのアニオン小分子をER内に輸送することができることが最近示されており(Lizak et al., Am J Physiol Cell Physiol. 2006;291(3):C511-7)、二糖から四糖基質の酸性化形態(例えば、イズロン酸を含有する基質)は、同じ経路を介してERに入ることができることが示唆されている。
投薬量
基質または類似体または誘導体の投薬量は、通常の実験によって決定することができる。半減期(t1/2)、ピーク血漿中濃度(Cmax)、ピーク血漿中濃度までの時間(tmax)、曲線下面積(AUC)により測定された曝露、および組織分布などの薬物動態学的および薬力学的測定値は、適切な基質または類似体または誘導体、およびその基質の適切な投薬量を選択する因子となるだろう。
細胞培養アッセイまたは動物研究から得られたデータを用いて、ヒトおよび非ヒト動物において使用される治療量範囲を表すことができる。本発明の治療方法で使用される化合物の投薬量は好ましくは、ほとんど、または全く毒性がないが、ED50濃度(試験母集団の50%に有効な濃度)を含む循環濃度の範囲内にある。治療で使用される特定の投薬量は、用いられる特定の剤形、用いられる投与経路、個体(例えば、患者)の状態等の因子に応じて、この範囲内で変化し得る。
基質の薬理学的シャペロンの最適濃度は、組織または循環において基質の活性またはバイオアベイラビリティ、あるいは組織または循環において基質シャペロンの代謝を妨げることなく、生体内で、組織または循環において酵素の適切なコンフォメーションを安定化し、かつ誘導するのに必要とされる量に従って決定される。さらに、標的外の活性もまた、有害なまたは不利な副作用を避けるために、投薬量決定の因子となる。例えば、ヘパランおよびデルマタン硫酸は抗凝固剤であることから、その特性を欠いている類似体または誘導体は、対象が出血している状況において血液凝固を防ぐための、より良い治療的候補であり得る。したがって、硫酸化の程度が、ヘパランおよびデルマタン硫酸両方の抗凝固作用に極めて寄与する重要な機能特性であるらしいことから、N−アセチル化誘導体などの硫酸化の程度が低い類似体または誘導体は、療法のより良い候補であり得る(Ofosu et al., Biochem J. 1987; 248(3): 889-896; Patay et al., Biochem Soc Trans. 2005; 33(part 5): 1116-1118)。低減された抗凝固活性を示すヘパリンの誘導体が、Lapierre et al., Glycobiology. 1996; 16: 366-66 およびU.S. Patent 5,250,519に記載されている。
アッセイおよびスクリーニング
発現、局在化および活性アッセイ
潜在的な基質または基質類似体のシャペロン活性の評価は、通常のアッセイを用いて行うことができる。既に示されているように、細胞内の、特にER内の酵素タンパク質レベルの増加を測定することによって、または増加した酵素活性を決定することによって、増加した酵素の発現を決定することができる。酵素活性を評価するための、非制限的な例示的方法を以下に述べる。
細胞内発現の決定
細胞内酵素タンパク質レベルを定量化する方法は当技術分野で公知である。かかる方法としては、ウエスタンブロット法、ウエスタンブロット法に続く免疫沈降(IPウエスタン法)、または標識リソソームタンパク質を用いた免疫蛍光法が挙げられる。
活性アッセイ
基質の存在下でのリソソームタンパク質活性のアッセイは、当技術分野における通常のアッセイである。一例として、候補基質のキネティクスを決定するのに使用される、精製リソソーム酵素を使用した生体外アッセイを行うことができる。Perkins et al., J Biol Chem. 1999; 274: 37193-199の方法に従って、組換えヒトスルファミダーゼを製造することができる。この方法は、他のリソソーム酵素の製造に適用することができる。他の例としては、ヒト組換えおよびα−N−アセチルグルコサミニダーゼの発現およびキャラクタリゼーションおよび宿主細胞へのトランスフェクションが、Weber et al., Protein Expr Purif. 2001;21(2):251-9に記述されている。
蛍光原(4−メチルウンベリフェリル−α−D−N−スルホグルコサミニド)基質の存在下における酵素活性およびキネティクスをアッセイする手段が、Karpova et al., J Inher Metab Dis. 1996; 19: 278-85に記述されている。この方法は、変異型リソソーム酵素を発現し、かつ基質で処理された細胞が、増加した酵素活性を有するかどうかを決定するために、全細胞溶解物に用いられる。
一実施形態において、シャペロンとしての差別的に標識された基質および活性を検出するための基質の使用が企図される。例えば、活性を決定するために存在が蛍光によって検出される基質の使用と併せての、その存在が吸光度によって検出される、シャペロニングのための基質の使用。
局在化
細胞局在を視覚的に検出するための高感度法としては、蛍光タンパク質または蛍光抗体を用いた蛍光顕微鏡法も挙げられる。例えば、対象の酵素タンパク質を例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、および赤色蛍光タンパク質で標識し、続いて多色および経時的顕微鏡検査法および電子顕微鏡法を行って、固定細胞および生細胞におけるこれらのタンパク質の成り行きを研究することができる。タンパク質輸送における蛍光イメージングの使用の概説に関しては、Watson et al., Adv Drug Deliv Rev 2005; 57(1):43-61を参照されたい。タンパク質の細胞内共局在化に対する共焦点顕微鏡観察法の使用の説明については、Miyashita et al., Methods Mol Biol. 2004; 261:399-410を参照されたい。
蛍光相関分光法(FCS)は、単一分子および実時間分解が可能な超高感度および非観血的検出法である(Vukojevic et al., Cell Mol Life Sci 2005; 62(5): 535-50)。SPFI(単一粒子蛍光イメージング)では、小さな蛍光粒子で選択的に標識された個々の分子を可視化するために、高感度の蛍光が使用される(Cherry et al., Biochem Soc Trans 2003; 31(Pt 5): 1028-31)。生細胞イメージングの概説については、Hariguchi, Cell Struct Funct 2002; 27(5):333-4)を参照されたい。標的タンパク質、例えばリソソーム酵素と、リソソーム常在タンパク質、例えば、リソソーム膜タンパク質1(LAMP−1)の両方が差別的に標識され、次いで2つの蛍光シグナルが重ね合わされる、二重蛍光アッセイを用いて、リソソームにおける酵素とリソソーム常在タンパク質の共局在化を確認することもできる。ヘパランスルファターゼの細胞位置を決定するための、二重標識免疫蛍光顕微鏡法を使用した具体的なアッセイが、Muschol et al., Hum Mutat. 2004;23(6):559-66に記述されている。
生理学的条件下でのタンパク質の構造および局在化を研究するために、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)顕微鏡法も用いられる(Periasamy, J Biomed Opt 2001; 6(3): 287-91)。
動物モデル
変異リソソーム酵素を発現するマウスなどの遺伝子導入動物を作製して、基質または類似体または誘導体での処置を受けての、生体内での酵素活性および薬物動態を評価することができる。遺伝子導入マウスを作製する方法は当技術分野でよく知られている。例えば、N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼの変異型を発現する遺伝子導入マウスモデルが、Tomatsu et al., Hum Mol Genet. 2005;14(22):3321-35に記述されている。同様な方法を用いて、コンフォメーション変異型リソソーム酵素のモデルを作製することができる。
本発明はさらに、以下に示す実施例によって説明される。かかる実施例の使用は、単に例示的なものであり、本発明の、または例示される用語の範囲および意味を限定するものではない。同様に、本発明は、本明細書に記載の特定の好ましい実施形態に限定されない。実際には、本明細書を読めば、本発明の多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであるだろう。したがって、本発明は、特許請求の権利を与えられる、等価物の全範囲に沿って、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ制限されるべきである。
実施例1:ヘパラン−N−スルファターゼを救済するための、ヘパラン硫酸および誘導体の使用
方法
トランスフェクションおよび/または細胞培養
コンフォメーション変異型ヘパラン−N−スルファターゼの安定性または適切な宿主細胞(BHK、CHO、またはCOS−7)への一過的発現は、当技術分野で公知の通常の方法を用いて達成することができる。ヘパラン硫酸の例示的な変異は、S66W、R150W、R206PおよびV486Fである。代替方法としては、皮膚線維芽細胞またはMPSIIIa患者由来の他の適切な細胞型(例えば、リンパ球)を培養し、評価に使用することができる(Perkins et al., Mol Genet Metab. 2001;73(4):306-12; Karpova et al., J Inherit Metab Dis. 1996; 19: 278-85参照)。
基質投与
ヘパラン(図2A)または類似体GlcNS6S−IdOA(図2B)を様々な濃度(濃度反応曲線)で細胞の培養物に添加し、生理学的条件(37℃,CO5%)下にて十分な時間インキュベートする。上述のように、取り込みを向上させるために、基質を修飾することができる(例えば、カチオン化)。
活性アッセイ
次いで、細胞を溶解し、Karpova et al., J Inherit Metab Dis. 1996; 19: 278-85の方法に従って、4−メチルウンベリフェリル−α−D−スルホグルコサミニド(MU−αGlc−NS)などの標識基質を添加することにより、ライセート中のヘパラン−N−スルファターゼの活性を測定する。簡潔には、細胞ホモジネートを通常の手段によって作製する。線維芽細胞およびリンパ球の標準ヘパリンスルファミダーゼ反応混合物は、ミカエリス(Michaelis)のバルビタール酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)(ナトリウムバルビタール29mmol/L、酢酸ナトリウム29mmol/L、NaCl0.68%(w/v)、アジ化ナトリウム0.02%(w/v);HClでpH6.5に調節されている)中のホモジネート10μl(それぞれ、タンパク質10または15μg)、MU−α−GlcNS20μl(それぞれ5または10mmol/L)からなり得る。反応混合物を37℃で7時間インキュベートする。白血球についての標準アッセイは以下のとおりである:ペファブロック(プロテアーゼ阻害剤)0.225mg/mlを含有するバルビタール/酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)中のホモジネート10μl(タンパク質60μg)+10mmol/L MU−αGIc−NS20μl。次いで、細胞を47℃で17時間インキュベートする。すべてのアッセイに関して、37℃または47℃での最初のインキュベーション後に、水中にアジ化ナトリウム0.02%および酵母a−グルコシダーゼ(シグマ社(Sigma))(0.1U)10μlを含有する2倍濃縮マックイルバイン(Mctlvain's)・リン酸/クエン酸緩衝液6μlを添加し、第2のインキュベーションを37℃で24時間行う。次に、0.5mol% Na2CO3/NaHCO(pH10.7)200μlを添加し、放出された4−メチルウンベリフェロン(MU)の蛍光を蛍光光度計で測定し、蛍光を定量化した。
局在化アッセイ
二重免疫蛍光顕微鏡法を用いて、ヘパラン−N−硫酸を保持する細胞の細胞内輸送を達成することができる。例えば、CHO細胞を成長させて、野生型または変異型ヘパラン−N−スルファターゼを含有するベクターをトランスフェクトすることができる。細胞を約3日間培養し、続いてDMEM中のシクロヘキシミド50mg/mlで3時間処理する。次いで、細胞を洗浄し、氷上にてメタノールで5分間固定し、再度洗浄し、BSA1%を含有するPBS(PBSBSA)でブロックする。
次いで、PBS−BSA中のウサギ抗ヒトスルファミダーゼポリクローナル抗体(1:50)(Muschol et al., Hum Mut. 2004; 23: 559-66参照)、および抗LAMP1抗体(1:15)または抗PDI抗体(1:800)のいずれかを使用して、細胞を室温で60分間インキュベートする。次いで、PBS−BSA中の抗マウスCy3(1:2,000)および抗ウサギFITC(1:100)を使用して、二次抗体と共にインキュベーションを室温で60分間行う。カバーガラスを蛍光封入剤に載せ、免疫蛍光顕微鏡法に使用するために処理する。
例えば、励起波長488nm(FITC)および552nm(Cy3)、発光波長575nm(FITC)および570nm(Cy3)で設定されたLSM510レーザー共焦点顕微鏡(ドイツ,イェナのツァィス社)(Zeiss,Jena,Germany)を使用して、二重蛍光を観察した。
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって、その範囲は限定されない。実際は、本明細書に記載のものに加えた本発明の種々の修正形態が、前述の説明および添付の図面から当業者には理解されよう。かかる修正形態は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。
すべての値が近似値であり、説明のために提供されることをさらに理解されたい。
本出願全体を通して、特許、特許出願、出版物、製品説明、およびプロトコルが記載されているが、その開示内容全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (28)

  1. 細胞におけるリソソーム酵素の活性を増加させる方法であって、前記リソソーム酵素が酸性スフィンゴミエリナーゼではないという条件で、酵素の活性を増加させるのに有効な量で、その酵素に特異的な基質または基質類似体と細胞を接触させる工程を含む方法。
  2. 前記リソソーム酵素が、コンフォメーション変異が原因で欠損している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リソソーム酵素が、イズロネート−2−スルファターゼであり、前記基質または類似体が、ヘパラン硫酸;デルマタン硫酸;O−(α−L−イドピラノシルウロン酸2−硫酸)−(1−4)−(2,5−アンヒドロ−D−マンニトール)6−硫酸(IdA−Ms);L−O−(α−イズロン酸2−硫酸−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール(IdoA2S−anM);L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(IdoA2S−anM6S);O−(α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(IdoA−anT4S);O−(α−L−イドピラノシルウロン酸2−硫酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(IdoA2S−anT4S);L−O−(α−イズロン酸2硫酸)−D−O−(α−グルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(IdoA2S−GlcNH6S−IdoA2S−anM6S);L−O−(α−イズロン酸2硫酸)−(1−4)−D−O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−O−(β−D−グルクロンまたはα−L−イズロン酸)−(1−4)D−O(α−N−アセチルグルコサミン−(1−3)−D−O−グロン酸(IdoA2S−GlcNS−UA−GlcNAc−GlcOA);O−(β−D−グルコピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(GlcA−anT4S);O−(β−D−グルコピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール6−硫酸(GlcA−anT6S);およびO−(α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5−アンヒドロ−D−タリトール(IdoA−anT);およびO−(α−L−イドピラノシルウロン酸−2−硫酸)−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール−6−硫酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記リソソーム酵素が、ヘパラン−N−スルファターゼであり、前記基質または基質類似体が、ヘパラン;ヘパリン;O−α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)O−L−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−O−D−(2,5)−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(GlcNS−IdoA2S−anM6S);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸)−(1−4)−O−D−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−3)−L−[6−H]−イドン酸(GlcNS−IdoA−GlcNS−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−O−L−イズロン酸(GlcNS−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6−硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(GlcN6S−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(GlcNS6S−IdOA);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−L−イドース)(GlcNS−Ido);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6−硫酸)−(l−4)−L−[6−H]−イドース2−硫酸(GlcNS6S−Ido2S);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−イドース(GlcNS6S−Ido);O−(α−2−スルホアミノグルコサミン)−(1−4)−L−6−イドース2−硫酸(GlcNS−Ido2S);2−スルホアミノ−グルコサミン(GlcNS);および2−スルホアミノ−ガラクトサミン(GalNS)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記リソソーム酵素が、α−グルコサミニドN−アセチルトランスフェラーゼであり、前記基質または基質類似体が、ヘパラン硫酸;α−N−アセチルグルコサミン;O−(2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルN−硫酸)−(1−4)−β−D−ウロン酸−(1−4)−(2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルN−硫酸)−(1−3)−L−イドン酸または−2,5−アンヒドロ−L−[6−H]イドン酸または−L−グロン酸)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記リソソーム酵素が、N−アセチル−グルコサミン−6−硫酸スルファターゼであり、前記基質または基質類似体が、ヘパラン硫酸;ケラタン硫酸;N−アセチル−グルコサミン6−硫酸;グルコース6−硫酸;O−α−D−6−スルホ−2−アセトアミド−2−デオキシグルコシル−(1−4)−O−ウロノシル−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール(GlcNAc(6S)UA−aMan−ol);O−(α−L−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−(α−2−スルホアミノグルコサミン6硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(IdoA2S−GlcNS6S−IdoA2S−anM6S);O−(α−N−アセチルグルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6硫酸(GlcNAc6S−IdoA2S−anM6S);O−α−グルコサミン6−硫酸)−(1−4)−L−O−(α−イズロン酸2−硫酸)−(1−4)−D−O−2,5−アンヒドロ−マンニトール6−硫酸(GlcNH6S−IdoA2S−anM6S);およびO−(α−N−アセチルグルコサミン6−硫酸)−(1−3)−L−イドン酸(GlcNAc6S−IdOA)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記リソソーム酵素が、N−アセチル−ガラクトサミン−6−硫酸−スルファターゼであり、前記基質または基質類似体が、ケラタン硫酸;コンドロイチン−6−硫酸;ヒアルロニダーゼ分解C−6−S四糖;6−スルホ−N−アセチルガラクトサミン−グルクロン酸−6−スルホ−N−アセチル−1−ガラクトサミニトール;およびN−アセチルガラクトサミン6−硫酸−(β,1−4)−グルクロン酸−(β,1−3(−N−アセチルガラクトサミニトール6−硫酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記リソソーム酵素が、アリールスルファターゼAであり、前記基質または基質類似体が、セレブロシド硫酸;4−ニトロカテコール硫酸;デヒドロエピアンドロステロン硫酸;セレブロシド−3−硫酸;アスコルビン酸−2−硫酸;2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルスルホン酸ナトリウム一水和物(Na(+)×C(7)H(6)NO(6)S(−)×H(2)O);N−[7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル]サイコシン硫酸(NBD−PS);2−(1−ピレン)ドデカノイルセレブロシド硫酸(P12−スルファチド);および12(1−ピレンスルホニルアミド)ドデカノイルセレブロシド硫酸(PSA12−スルファチド)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記リソソーム酵素が、アリールスルファターゼBであり、前記基質または基質類似体が、イズロネート硫酸;デルマタン硫酸;コンドロイチン硫酸;p−ニトロカテコール硫酸;GalNAc4S−GlcA−GalitolNAc4S;コンドロイチン4−硫酸−四糖;およびN−アセチルガラクトサミン4−硫酸−(1−4)−β−グルクロン酸−(1−3)−β−N−アセチルガラクトサミニトール4−硫酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  10. 前記リソソーム酵素が、酸性セラミダーゼであり、前記基質または基質類似体が、セラミド;N−ステアロイルスフィンゴシン;N−ステアロイルジヒドロ−スフィンゴシン;N−オレオスフィンゴシン;N−ラウロイルスフィンゴシンからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  11. 前記リソソーム酵素が、N−アセチルグルコサミン−1−ホスホトランスフェラーゼであり、前記基質または基質類似体が、UDP−N−アセチルグルコサミン;α−メチル−マンノシド;または4−メチルウンベリフェリルα−D−グルコシドである、請求項1または2に記載の方法。
  12. 前記リソソーム酵素が、α−ガラクトシダーゼAであり、前記基質が、α−D−ガラクトシルアミン;4−メチルウンベリフェリルα−D−ガラクトピラノシド;およびp−ニトロフェニルα−D−ガラクトピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  13. 前記リソソーム酵素が、酸性β−グルコシダーゼであり、前記基質が、2,3−ジ−O−テトラデシル−1−O−(β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロール;4−メチルウンベリフェリルβ−D−グルコピラノシド;p−ニトロフェニルβ−D−グルコピラノシド;およびレソルフィンβ−D−グルコピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  14. 前記リソソーム酵素が、α−L−イズロニダーゼであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリル−α−L−イズロニド;α−L−イドピラノシルウロン酸(1−3)−α,β−D−2−アセトアミド−2−デオキシ−4−O−スルホガラクトピラノース;O−(α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−3)−2,5アンヒドロ−D−タリトール4−硫酸(IdoA−anT4S);5−フルオロ−α−L−イドピラノシルウロン酸フルオリド;2−デオキシ−2−フルオロ−α−L−イドピラノシルウロン酸フルオリド(2FIdoAF);O−(α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2,5−アンヒドロ−D−マンニトール−l−t6−硫酸)(IdA−−Ms);およびイズロノシルアンヒドロ−マンニトール6−硫酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  15. 前記リソソーム酵素が、酸性α−グルコシダーゼであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリルα−D−グルコピラノシド;p−ニトロフェニルα−D−グルコピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  16. 前記リソソーム酵素が、β−ガラクトシダーゼであり、前記基質が、O−β−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール6−硫酸;O−β−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール6−硫酸;6−オクタノイルアミノ−4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシドおよび6−ブタノイルアミノ−4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド;一、二、および三硫酸化β−Gal−β−GlcNac−β−Gal−2,5−アンヒドロ−D−マンニトール;およびO−[4−(1−イミダゾリル)ブチル]−2,3−ジシアノ−1,4−ヒドロキノニルβ−D−ガラクトピラノシド(Im−DCH−β−Gal)およびそのテトラ酢酸誘導体、Im−DCH−β−Gal(OAc)4からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  17. 前記リソソーム酵素が、β−グルクロニダーゼであり、前記基質が、O−(β−D−グルコピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2,5−アンヒドロ−D−マンニトール−l−t6−硫酸);4−ニトロフェニル−β−D−グルクロニド;4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド;およびO−(β−D−グルコピラノシルウロン酸)−(1−4)−2,5−アンヒドロ−D−マンニトールからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  18. 前記リソソーム酵素が、α−L−フコシダーゼであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリル−α−L−フコシド2−ナフチルα−L−フコピラノシド;2−クロロ−4−ニトロフェニルα−L−フコピラノシド;Fuc−α−(1−2)−ガラクトースおよびFuc−α−(1−2)−ガラクトース−β1−OCNO;Fuc−α−(1−3)−GlcNac−β1−OC;およびFuc−α−1−4GlcNAc−β1−OCからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  19. 前記リソソーム酵素が、シアリダーゼであり、前記基質が、L−α−ホスファチジル−D−ミオ−イノシトール−3,5−ビスリン酸(PtdIns3,5P2);AD2765(スフィンゴミエリンのチオ尿素誘導体);および6−ヘキサデカノイルアミノ−4−メチルウンベリフェリル−ホスホリルコリンからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  20. 前記リソソーム酵素が、β−ヘキソサミニダーゼAであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−α−D−ノイラミン酸(Neu5Ac α2MU);p−ニトロフェニル−N−アセチル−α−D−ノイラミン酸(Neu5Ac α−2PNP);5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイルα−D−N−アセチルノイラミン酸;α−S−(4−アジド−2−ニトロフェニル)−5−アセトアミド−2,6アンヒドロ−2,3,5,9−テトラデオキシ−9−チオ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノン酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  21. 前記リソソーム酵素が、β−ヘキソサミニダーゼBであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリル−6−スルホ−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  22. 前記リソソーム酵素が、β−ガラクトセレブロシダーゼであり、前記基質が、6−ヘキサデカノイルアミノ−4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド;色素生産性2−ヘキサデカノイルアミノ−4−ニトロフェニルβ−D−グルコピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  23. 前記リソソーム酵素が、酸性セラミダーゼであり、前記基質が、N−ドデカノイルスフィンゴシン;ラウリン酸;スフィンゴシン、およびセラミドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  24. 前記リソソーム酵素が、酸性α−マンノシダーゼであり、前記基質が、p−ニトロフェニルα−D−マンノシド;および4−メチルウンベリフェリルα−D−マンノシド;2(’),4(’)−ジニトロフェニル−α−D−マンノピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  25. 前記リソソーム酵素が、酸性β−マンノシダーゼであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリル−β−D−マンノシド;およびMan−α−(1−3)[Manα(l−6)]Manβ(l−4)GlcNAc(Man−GlcNAc);Man−GlcNAcからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  26. 前記リソソーム酵素が、酸性α−N−酸性β−マンノシダーゼアセチルガラクトサミニダーゼであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリルβ−N−アセチルガラクトサミニド;4−メチルウンベリフェリル−2−アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシド;p−ニトロフェニル−2−アセトアミド−デオキシ−D−ガラクトピラノシド;およびアリールN−アセチル−α−D−ガラクトサミニドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  27. 前記リソソーム酵素が、α−N−アセチルグルコサミニダーゼであり、前記基質が、4−メチルウンベリフェリル−2−アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド(GlcNAc−IdOA);O−(α−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシル)−(1−3)−L−イドン酸;O−(α−3−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシル)−(1−4)−L−イドース(GlcNAc−Ido);O−(α−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシル)−(1−4)−1,6アンヒドロ−L−イドース(GlcNAc−anIdo);O−(α−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシル)−(1−4)−L−イドース2−硫酸(GlcNAc−Ido(OS);およびp−ニトロフェニル−2−アセトアミド−デオキシ−D−グルコピラノシドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  28. 前記リソソーム酵素が、β−N−アセチルグルコサミニダーゼであり、前記基質が、p−ニトロフェニルN−アセチル−β−D−グルコサミニド;および4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−グルコサミニドからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
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