JP2010521436A - オリゴヌクレオチド類に固着された光反応性Ru(II)錯体類、それらを得るための方法、及びそれらの使用 - Google Patents

オリゴヌクレオチド類に固着された光反応性Ru(II)錯体類、それらを得るための方法、及びそれらの使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 G含有オリゴヌクレオチド上に固着された光反応性Ru(II)錯体類、例えば化合物1、それらを得るための方法及びそれらの使用を提供する。
【解決手段】 G含有オリゴヌクレオチドに固着された光反応性Ru(II)錯体に光架橋される特定のヌクレオチド配列を標的とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に高増殖性疾患に関与する特定のヌクレオチド配列を標的とするための及びそれらの原核生物または真核生物細胞(特に酵母細胞を含む、細菌細胞、植物細胞、動物細胞、真菌類細胞)中の発現を避けるための、G−含有オリゴヌクレオチド類に結合された(固着された)光反応性Ru(II)錯体から作られた化合物、それらを得るための方法、及びそれらの使用に関する。
これらのオリゴヌクレオチド類の好適な使用は、抗腫瘍療法及びおそらく予防の分野においてである。
少なくとも二つのTap(1,4,5,8−テトラアザフェナントレン)配位子を含むRu(II)錯体は、それらの励起状態でDNA分子(オリゴヌクレオチド)のグアニン単位を光酸化するのに十分な酸化剤であることが知られており;グアニンなしにハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドの一方の鎖上に固着されたルテニウム錯体は、照明下で相補鎖上に位置されたグアニンと反応することができ、それは抗癌療法(アンチセンス法)で使用されることができる両鎖の光架橋に導く。
WO2004/037907は、生体分子のような標的被検体の検出及び単離に有用である発光金属イオン錯体及びそれらの成分(これらの錯体につながれたオリゴヌクレオチド類を含む)を記載する。
ヨーロッパ特許EP0733058は、遷移金属錯体のようなレドックス活性部分による特定部位の核酸の選択的変性を記載する。このヨーロッパ特許は、好ましくは予め決められた位置の核酸配列のリボース−ホスフェート骨格に沿って共有結合されている電子供与体及び/または電子受容体部分を記載する。これらの錯体は全く新しい種類のバイオコンダクター及び診断プローブの使用を可能にする独特な構造的特徴を持つ。
Lentzen等の刊行物(Journal of Biological Inorganic Chemistry第9巻第100〜108頁(2004))は、Ru(II)標識されたオリゴヌクレオチド類と光付加物を形成するDNAグアニン部位の決定を記載する。この刊行物において、発明者はアンチセンス法に使用するためのオリゴヌクレオチド類含有光反応性Ru(II)錯体を記載する。合成されたオリゴヌクレオチド類はその中にグアニンを全く含まない。なぜなら、これらのRu(II)錯体は、励起された状態では相補DNA配列中に存在するグアニン単位を光酸化するのに十分な反応性があることが知られているからである。
Garcia−Fresnadillo等の刊行物(Bio−physical Journal第82巻第978〜987頁(2002))は、標的相補鎖によるRu標識されたオリゴヌクレオチド類の発光消滅を記載する。オリゴヌクレオチド類のプローブ配列中に存在するグアニン単位の一つの光酸化を避けるためにプローブ配列は如何なるグアニン単位も含まない。
本発明は、標的とされかつ不活性化される相補ヌクレオチド配列との光架橋に導くことができかつ従来技術の欠点を示さないオリゴヌクレオチド類を含む化合物を提供することを目的とする。
本発明の好適な目的は、もし標的とされるそれらの対応する特定のヌクレオチド配列との結合(ハイブリダイゼーション)が全く得られなかったら、高い特異性を示しかつ光不活性化されるオリゴヌクレオチド類から作られた化合物を得ることである。
本発明のさらなる目的は、もし標的とした腫瘍配列に結合が全く得られなかったら、それらの対応するヌクレオチド配列に結合(ハイブリダイズ)しないオリゴヌクレオチド類の可能な副作用を、例えば抗腫瘍配列への可能な結合(ハイブリダイゼーション)を避けることにより、減少する、かかる化合物を提案することである。
本発明は、光反応性Ru(II)錯体Ru(L)(L)(L2+に結合された(連結されたまたは固着された)オリゴヌクレオチドから作られた化合物に関し、ここでLとLの両者は式IによるRu(II)中心に配位された二つのピラジン部分を含み、
Figure 2010521436
ここでRとRはHであるかまたはそれらの間に式II,式IIIまたは式IVを持つ環を形成し、
Figure 2010521436
さらにLはいずれかのジイミンポリアザ芳香族配位子であり、これらの錯体はLを介してオリゴヌクレオチド類(または以後オリゴとして規定される)に固着され、これらのオリゴヌクレオチド類はグアニン含有オリゴヌクレオチド類であり、それはこれらのオリゴヌクレオチド類が一つ以上のグアニン単位(G塩基)を含むことを意味する。
好適な実施態様によれば、本発明の化合物において、式Ru(L)(L)(L2+を与える光反応性Ru(II)錯体は1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(ジピラジノ(1,3−f)(2′,3′−h)キノキサリン、2,2′ビピラジン、1,10フェナントロリノ−[5,6−b]−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンまたは1,4,5,8−テトラアザフェナントレン(またはピラジノ[2,3−f]−キノキサリン)からなる群から選ばれた少なくとも二つの配位子を含む。
この化合物のオリゴヌクレオチド配列は、アンチセンスまたはRNAiオリゴヌクレオチド配列(遺伝子サイレンシングのため)であり、5′または3′端で光反応性Ru(II)錯体に(おそらくリンカー配列を通して)結合された(連結されたまたは固着された)少なくとも8,9,10,11,12,13,14,15,20,25,30,35個の、しかし200,150,100,50,40または35個未満の塩基から作られている。
本発明はまた、これらの化合物を得るための方法に関し、そこでは光反応性錯体とオリゴヌクレオチド類との間の結合(連結または固着)は、この錯体への結合を可能にするための好適な端部を持つ化学リンカーにより得られる。
本発明はまた、上述の化合物(II)及びおそらく光子(hν)を含む医薬組成物または診断キット(部品のキットまたは装置)または光子を放射する装置に関する。医薬組成物はまた、適切な医薬担体または希釈剤を含むことができる。本発明による診断キット(または装置)において、光子を放射する装置を含むことができる。
本発明の別の態様は、医薬として使用するための(反応剤を形成する)光子と組合せた本発明の化合物に関する。
本発明のさらなる態様は、癌遺伝子により誘発された高増殖性疾患(すなわち癌)のような特定のヌクレオチド配列の発現により誘発された疾患の治療での医薬の製造のための医薬組成物の使用に関し、その発現は緩和され、好ましくは減少されまたは抑制されるべきであり、かつそれらのヌクレオチド配列は本発明の化合物中に存在するオリゴヌクレオチド類の配列に相補的である。
本発明による組成物の適切な医薬担体または希釈剤は特定の細胞または組織に要求される投与のタイプに応じて当業者により選択される。
適切な医薬担体または希釈剤の量と活性化合物との間の比率は、哺乳動物対象(人間の患者を含む)に適用される投与量、腫瘍上皮の表面または治療される腫瘍の容積、及び人間の患者を含む哺乳動物対象への活性化合物の可能な副作用に応じて、当業者により規定される。
好ましくは、この適切な医薬担体は固体または液体の形で存在し、これらのオリゴヌクレオチド類は、おそらく、細胞を形質転換(トランスフェクション)させる補助薬(単数または複数)と共に好適なベクター(陽イオン小胞、プラスミド、ウイルス等)中に組入れられる。
好ましくは、この病状は特定の細胞(腫瘍細胞)中に存在する高増殖性疾患または病状(癌)である。
本発明の組成物により治療されるこの高増殖性疾患または病状(癌)は、好ましくは皮膚の、消化管の上皮腫瘍細胞(特に、直腸、結腸、腸管、胃、咽喉、喉頭、または口腔前庭の腫瘍細胞)、肺の腫瘍細胞、または生殖器または泌尿器、特に尿管、尿道、前立腺、膀胱、または子宮頸に影響を及ぼす腫瘍細胞のような上皮細胞または光子に加えて本発明の化合物によりまたはこの腫瘍により影響を及ぼされるこれらの器官の導管中に入ることができる装置により治療されることができる他の組織に影響を及ぼす高増殖性疾患または病状(癌)である。細胞の他の例は診断または治療目的のために標的とされるヌクレオチド類配列を与える反応剤を形成する原核生物または真核生物細胞、好ましくは病原性細胞である。
本発明による治療は、本発明による化合物を治療される細胞と接触させ、これらの細胞を適切な光照射(光子放射)にさらす工程を含む。好ましくは、この光照射は、治療される上皮の領域の上に光子を放射するいずれかの好適な装置により得られる。
好ましくは、この装置は、(光反応性錯体の活性化を通して)腫瘍細胞の効率的な治療を得るために十分な時間の間、可視範囲の光を放射する。
有利には、この化合物及びこの装置は、光照射(光子放射)下で、前記腫瘍細胞を含む上皮と本発明による医薬組成物の(活性化された)化合物要素との間の接触を得るために使用されることができる内視鏡またはカテーテルまたはいずれかの医療装置をおそらく含む部品のキットまたは装置で与えられることができる。
本発明は、同封された図面に関して、以下の非限定的例でより詳細に説明されるであろう。
図1は、本発明による種々の化合物(Ru(II)オリゴヌクレオチド類)を示す。 図2Aは、本発明による化合物(Ru(II)オリゴヌクレオチド類)の吸収スペクトルを示す。 図2Bは、本発明による化合物(Ru(II)オリゴヌクレオチド類)の吸収スペクトルを示す。 図2Cは、本発明による化合物(Ru(II)オリゴヌクレオチド類)の吸収スペクトルを示す。 図2Dは、本発明による化合物(Ru(II)オリゴヌクレオチド類)の吸収スペクトルを示す。 図3は、本発明による種々の化合物(Ru(II)オリゴヌクレオチド類)の照明影響を示す。
図4は、本発明による種々のオリゴヌクレオチド類のポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。照明の0,5,10,15及び30分後の変性PAGE実験:ライン1〜5:W1Tss;ライン6〜10:W3とハイブリダイズされたW1T(W1T ds);ライン11〜15:W1T及びSC1;ライン16〜20:W1T及びSC2
化合物(グアニン単位を含むオリゴヌクレオチド上に固着された少なくとも二つのTAP(1,4,5,8−テトラアザフェナントレン)配位子を含む光活性Ru(II)錯体)が、このRu−オリゴヌクレオチドとその相補鎖との間の光架橋の可視光照射下のオリゴヌクレオチド配列及び形成の特定の認識のために使用される。ルテニウム−標識オリゴヌクレオチド配列中のグアニン塩基の存在は、それがいずれかの他のG含有ODNの存在下であったとしても、標的配列の不存在下のこのRu−ODN(ODN=オリゴデオキシリボヌクレオチド)の分子内光反応を意味する。この研究は、「切腹分子」と呼ばれる新しいタイプのインテリジェント医薬の基礎であり、切腹分子は、もしそれらが完全に非反応性かつ非毒性種に導くそれらの標的を見出すことができないなら、自壊する。
位置3′または5′のいずれかの14量体オリゴヌクレオチド上に固着された三つの異なるRu(II)錯体が得られた。使用された錯体は、Ru(Tap)Phen2+(それはグアニンと光反応性である)及びRu(Bpy)Phen2+及びRu(Phen)Phen2+(それらは照明下にG塩基と反応するのに十分な光酸化剤ではない)である[Bpy=2,2′ビピリジン、Phen=1,10フェナントロリン、Phen″=5−((N−(ター−ブトキシカルボニル)−O−(カルボキシメチル)ヒドロキシルアミン)グリシンアミド)−1,10−フェナントロリン]。Ru(Tap)Phen2+及びRu(Phen)Phen2+はODNの3′または5′端にオキシム結合を介して化学的に結合される。Ru(Bpy)Phen2+はRu(Bpy)Clを誘導体化された配位子Phen″と反応させることにより得られ、かつアルデヒド機能を持つ誘導体化されたオリゴヌクレオチド類に固着される。
分光研究のために使用される一本鎖及び二本鎖溶液が水性緩衝液(トリス−HCl 10mM、NaCl 150mM、pH=7)中で1×10−5Mの濃度で調製された。全ての測定は600μL石英セル(UVセレクト、1.0×0.2cm)中で実行された。照明はHO及び水性KNOフィルターを持つ、Thermo Oriel Xeランプ(500W)(Fairlight、オランダ)で実施された。吸収及び放射スペクトルはPerkin−Elmer Lambda 40 UV−Vis分光計及びHamamatsu R928赤感性光電子増倍管を備えたShimadzu RF−5001PC分光蛍光計でそれぞれ実施された。
ODNsの5′位置の放射線標識は、37℃で30分間、T4ポリヌクレオチドキナーゼ及び[β32P]ATPで処理することにより実行された。必要なときには85℃で5分間及び室温で少なくとも6時間標識されたODNをその相補鎖と共にインキュベートすることによりハイブリダイゼーションが実施された。PAGE実験のための照明はHe/Cdレーザー(442nm)(Melles Griot)で実施された。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、(尿素7M)20%ポリアクリルアミド(19:1アクリルアミドのビスアクリルアミドに対する比)をTBE(90mM トリスホウ酸塩、pH=8、2mM EDTA)ゲルで変性することを通して実施された。DNAフラグメントは、貯蔵燐光体スクリーン(Amersham)フィルムを持つオートラジオグラフィにより可視化され、燐光体イメージャStorm 860装置でカウントされた。
図1は、合成された種々のRu−オリゴヌクレオチド類を示す。これらのRu−ODNは、もし錯体の固着が3′末端でなされたならWaleo1と呼ばれ、もし錯体の固着が5′末端でなされたらWaleo2と呼ばれる。さらに、もし固着された錯体がTap配位子を含むなら前者の名前にTが付加され、もしそれがBpy配位子を含むならBが付加され、もしそれがPhen配位子を含むならPが付加され、そのようにして6個の異なるRu−ODN:Waleo1T,Waleo2T,Waleo1B,Waleo2B,Waleo1P及びWaleo2Pが得られ;Waleo3はそれらの相補鎖である。注目すべき重要な事実は、Ru(II)錯体を支持するために使用されるオリゴヌクレオチドがグアニン単位を含み、それは、もし標的相補鎖が見出されないなら、まさに光酸化性Ru(II)錯体により酸化される塩基であることである。
種々のRu−ODNの溶液は水性緩衝液中でまず照明され、照明時間の関数として吸収及び放射スペクトルの放出を観察することができる。一本鎖及び二本鎖のWaleo1x及びWaleo2x(x=T,BまたはP)の1×10−5M溶液が調製された。各溶液の500μLの照明が行われ、照明の5,15,30及び60分後の吸収及び放射スペクトルが記録された。Waleo1Pss,Waleo1Pds,Waleo1Tss及びWaleo1Tdsの典型的なスペクトルが図に見られる。
照明中に、Waleo1P一本鎖及びWaleo1P二本鎖(ds)の吸収スペクトルは略450nm(MLCT吸収バンド)に浅色効果を被り、500nm以上に濃色効果を被り、一方で放射は照明中に下がり、それはRu(II)錯体の光脱キレート化の特徴であると知られている(図2)。対照的に、Waleo1Tssの吸収スペクトルは略420nmにMLCT吸収バンドの濃色効果及び浅色効果を示す。これは光付加物の形成の特徴であり;それは照明下に、ODN上に固着されたRu(Tap)Phen2+錯体がG塩基と反応することを意味する。光反応生成物の起源は二つありうる;それは分子内光反応生成物(励起状態のRu(Tap)Phen2+錯体がそれ自身のODN鎖のグアニンと反応)であるかまたはそれが分子間光付加物(励起状態のRu(Tap)Phen2+錯体が別のRu−ODNのグアニンと反応)であるかのいずれかである。同じ観察が一本鎖での光反応が二本鎖での光反応より速いという点でのみ異なるものの、照明下の二本鎖のWaleo1T試料の吸収スペクトルからなされる(図3)。
5′−変性ODNsにより得られた結果は3′−変性ODNsに対して述べた結果に非常に似ている。唯一の差はWaleo1Tdsに比べたWaleo2Tdsの放射スペクトルの放出にある。Waleo2TdsはWaleo1Tdsに比べて非常に不十分な放射を示し、その発光は照明時に放出されない。これは標的鎖の3′端の末端のすぐ近くの3Gsからもたらされるかもしれない。3グアニンの存在はそれらの一つと励起されたルテニウム錯体との間の電子移動を助けるかもしれず、それによりその励起状態の発光を消滅する。
照明下のWaleo1T単独によりかつその相補鎖の存在で得られた光付加物の性質を検討するために、ポリアクリルアミドゲル電気泳動実験が実施された。
従って、5′−32P標識されたWaleo1T及びWaleo1Tds溶液が5,10,15及び30分間単色レーザー(λ=452nm)により照明された(図4)。レーン1は本来のWaleo1T Ru−ODNである。照明中、Waleo1Tは消費され、出発物質よりより速く泳動する新しいバンドが現れる(レーン2〜5)。この観察はWaleo1Tの分子内光反応の仮説と矛盾しない。照明の30分後、85%の分子内光反応生成物が得られた。
Waleo1Tがその相補鎖とハイブリダイズされ、述べたように照明されると、本来のWaleo1Tよりかなりゆっくりと泳動し、光架橋生成物と矛盾しない新しいバンドが電気泳動ゲル上に現れる(レーン7〜10)。光架橋の量は照明の30分後に出発物質の略40%である。他方で、分子内光反応生成物の痕跡は見られない。化合物Waleo1B,Waleo2B,Waleo1P及びWaleo2PはWaleo3の存在で光架橋を起こさない。従って、照明下のWaleo1Tは分子内反応を受け、一方二本鎖は選択的に光架橋生成物に導く。
第二段階で、相補鎖(Waleo3)は光活性分子の特異性を検討するために一つ以上のグアニン塩基を含む別のODN鎖により置き換えられた。二つの不揃いの配列SC1:1Gを持つ5′−TTT TCG TTT TAA ATT AT−3′及びSC2:2Gsを持つ5′−TAA ATT TAA GGA AAA−AA−3′が使用された。照明後、PAGE実験は絶対的に光架橋生成物がなく、しかし分子内光反応生成物のみが検出されることができることを示した(レーン11〜20)。
結論として、Waleo1Tは非常に特異的にその標的配列と光反応し、オリゴヌクレオチド類を含む全ての他のグアニンをそのまま残す。標的配列とは別のいかなる他の配列の存在下でも、Waleo1Tは非認識グアニンと反応するよりむしろ分子内反応を受ける。言い換えれば、もし光活性分子がその標的(その相補鎖)を見出さないなら、それはそれ自身を破壊し、他のどのDNA配列も損傷しない。

Claims (10)

  1. 光反応性Ru(II)錯体Ru(L)(L)(L2+に結合されたオリゴヌクレオチドを含む化合物であって、LとLの両方が式IによるRu(II)中心に配位された二つのピラジン部分を含み、
    Figure 2010521436
    ここでRとRはHであるかまたはそれらの間で式II,式IIIまたは式IVを持つ環を形成し、
    Figure 2010521436
    さらに、Lがオリゴヌクレオチドに固着されているものにおいて、このオリゴヌクレオチドが一つ以上のグアニン単位(G塩基)を含むことを特徴とする化合物。
  2. 光反応性Ru(II)錯体が化学リンカーによりオリゴヌクレオチド配列上に固着されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  4. 請求項1〜3に記載の化合物と所望により光子を放射する好適な装置とを含むことを特徴とする診断キットまたは装置。
  5. 光子を放射する装置をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の診断キット。
  6. 適切な医薬担体または希釈剤、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物、及び光子を含むことを特徴とする医薬組成物。
  7. 高増殖性疾患(癌)の治療及び/または予防のための医薬の製造のための請求項6に記載の医薬組成物の使用。
  8. 高増殖性疾患が上皮細胞に影響を及ぼす疾患であることを特徴とする請求項7に記載の使用。
  9. 上皮細胞が哺乳動物の皮膚の腫瘍細胞、消化管の腫瘍細胞、肺の腫瘍細胞、並びに生殖器及び/または泌尿器の腫瘍細胞からなる群から選ばれた腫瘍細胞であることを特徴とする請求項8に記載の使用。
  10. 哺乳動物が人間であることを特徴とする請求項8に記載の使用。
JP2009553110A 2007-03-16 2008-03-05 オリゴヌクレオチド類に固着された光反応性Ru(II)錯体類、それらを得るための方法、及びそれらの使用 Pending JP2010521436A (ja)

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