JP2010521107A - 周波数ワープオーディオ等化器 - Google Patents

周波数ワープオーディオ等化器 Download PDF

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Abstract

ある実施形態では、複数の周波数帯域を有する1つ以上のデジタルフィルタを周波数ワーピングすることによって、向上したオーディオ等化フィルタを発生させることができる。周波数ワーピングは、例えば、1つ以上のデジタルフィルタの周波数帯域のうちの少なくともいくつかをより低い周波数帯域に変換することを含んでいてもよい。結果的に、さまざまなインプリメンテーションにおいて、オーディオ等化フィルタは、ある現在利用可能なIIR等化フィルタよりも、より正確である。オーディオ等化フィルタはまた、ある現在利用可能なFIR等化フィルタよりも、よりコンピューティングリソース効率がよい。
【選択図】 図13

Description

関連出願の相互参照
本出願は、“オーディオ処理システムおよび方法”と題する2007年3月9日に出願された米国仮出願第60/894,076号に対して優先権を主張している。この出願は、その全体が参照によりここに組み込まれている。
背景
関連技術の説明
オーディオ等化器は、一般的に、オーディオ信号の周波数応答をユーザが制御することを可能にする1つ以上のスライディング制御を備えている。スライダーを動かすことによって、ユーザは、選択された周波数帯域におけるオーディオ信号の利得に影響を及ぼすことができる。一般的に、スライダーを上げることによって、影響を受ける周波数をブーストさせ、一般的に、スライダーを下げることによって、影響を受ける周波数をカットまたは減衰させる。オーディオ等化器は、ハードウェアスライダーまたはソフトウェアスライダーを備えていてもよい。予め規定された組の周波数で信号利得を制御する1組のスライダーを備えた等化器は、グラフィック等化器と呼ばれることが多い。
一般的なオーディオ等化器では、それぞれのスライダーは、特定の周波数帯域に対応している。等化器における周波数帯域またはスライダーの数は、わずか2つであってもよいし、30ほどの数またはそれ以上であってもよい。グラフィック等化器を実現するコンピューティングデバイスに対して、米国規格協会(ANSI)にしたがった共通仕様は、±12デシベル(dB)利得範囲を持つ10オクターブ間隔の周波数帯域である。
オーディオ等化器を設計するにあたって、コンピューティングリソース(例えば、処理およびメモリリソース)の使用と、ユーザの設定がオーディオ信号の実際の周波数応答に影響する精度との間にはトレードオフが存在する。
ある実施形態の概要
ある実施形態では、オーディオ等化フィルタを発生させる方法は、複数の周波数帯域を含む1つ以上のフィルタを提供することを含み、1つ以上のフィルタは、それぞれデジタルフィルタを備える。方法は、1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせて、オーディオ等化フィルタを生成させることをさらに含んでいてもよく、1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせることは、1つ以上のフィルタの周波数帯域のうちの少なくともいくつかの変換を実行することを含んでいてもよい。好都合にも、ある実施形態では、入力オーディオ信号のあるいくつかの周波数がユーザの入力に少なくとも部分的に基づいて選択的にエンファシスまたはデエンファシスされるように、オーディオ等化フィルタは入力オーディオ信号をフィルタリングすることができる。
オーディオ信号を処理するためのさまざまな実施形態のシステムが提供されており、システムは、オーディオ信号入力と、オーディオ信号入力に結合されているオーディオ等化フィルタとを備えている。オーディオ等化フィルタは、1つ以上のフィルタの周波数ワープ形態であってもよく、1つ以上のフィルタは、それぞれデジタルフィルタを備えていてもよい。さらに、システムは、オーディオ等化器フィルタと通信する等化器インターフェースを具備していてもよい。等化器インターフェースは、オーディオ等化フィルタの周波数帯域の利得値を調整するための制御を行うことができる。さらに、等化器インターフェースに対するユーザ入力は、オーディオ信号入力の1つ以上の周波数帯域をオーディオ等化フィルタが選択的にエンファシスまたはデエンファシスさせるようにすることができる。
さらに、オーディオ入力信号を受け取ることと、オーディオ入力信号の1つ以上の周波数帯域に対する1つ以上の望ましい利得値を含む望ましい利得入力を受け取ることと、望ましい利得入力を受け取ることに応答して、等化フィルタの1つ以上の内部利得値を調整することと、等化フィルタでオーディオ入力信号をフィルタリングして、1つ以上の内部利得値に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の周波数帯域を選択的にエンファシスまたはデエンファシスすることとを含み、等化フィルタが、1つ以上のデジタルフィルタの周波数ワープ形態である、オーディオ信号を処理するための方法を提供する。
この概要も、詳細な説明も、ここに開示した本発明を規定したことにはならない。ここで開示した本発明のうちのいくつかのものは、特許請求の範囲によって規定している。
図1は、オーディオ等化システムの実施形態を図示している。 図2は、図1のオーディオ等化システムのある実施形態とともに使用するための例示的なグラフィック等化器を図示している。 図3Aは、例示的な初期フィルタの周波数応答の実施形態を図示している。 図3Bは、図3Aの初期フィルタの周波数ワープバージョンの周波数応答の実施形態を図示している。 図3Cは、図3Aの周波数応答に対応している極零プロットの実施形態を図示している。 図3Dは、図3Bの周波数応答曲線に対応している極零プロットの実施形態を図示している。 図4Aは、ある等化フィルタとともに使用するためのオールパスフィルタの実施形態を図示している。 図4Bは、ある等化フィルタとともに使用するためのオールパスフィルタの実施形態を図示している。 図4Cは、ある等化フィルタとともに使用するためのオールパスフィルタの実施形態を図示している。 図5は、図4Cのオールパスフィルタのカスケード接続の実施形態を図示している。 図6Aは、例示的な初期フィルタを図示している。 図6Bは、図4Cのオールパスフィルタを用いた図6Aの例示的な初期フィルタを周波数ワーピングすることによって設計された、等化フィルタの実施形態を図示している。 図7は、ある等化フィルタとともに使用するためのオールパスフィルタの別の実施形態を図示している。 図8は、図7のオールパスフィルタを用いた等化フィルタの実施形態を図示している。 図9は、周波数ワープ等化フィルタを使用して、オーディオ信号をフィルタリングするためのプロセスの実施形態を図示している。 図10Aは、例示的なスライダー設定を備えたグラフィック等化器を図示している。 図10Bは、図10Aの例示的なスライダー設定に対応している等化フィルタのある実施形態の例示的な周波数応答の曲線を図示している。 図11Aは、例示的なスライダー設定を備えた別のグラフィック等化器を図示している。 図11Bは、図11Aの例示的なスライダー設定に対応している等化フィルタのある実施形態の例示的な周波数応答の曲線を図示している。 図12Aは、例示的なスライダー設定を備えた別のグラフィック等化器を図示している。 図12Bは、図12Aの例示的なスライダー設定に対応している等化フィルタのある実施形態の例示的な周波数応答の曲線を図示している。 図13は、等化フィルタの機能を実現して、増強されたリスニング体験をリスナに提供できる例示的な移動体デバイスを図示している。
例示的な実施形態の詳細な説明
オーディオ等化器は、一般的に、入力オーディオ信号の周波数応答を調整する1つ以上のユーザ調整可能な等化フィルタを備えている。等化器に対して選択されるタイプのフィルタは、コンピューティングリソースの使用および等化器の精度に影響を及ぼす。2つの一般の等化フィルタのタイプは、無限インパルス応答(IIR)フィルタを使用するものと、有限インパルス応答(FIR)フィルタを使用するものとがある。IIR等化フィルタは、FIR等化フィルタよりも、比較的より少ないコンピューティングリソースで実現できることが多いが、IIR等化フィルタはきわめて不正確である傾向がある。一方、FIR等化フィルタは、コンピューティングリソースの使用が増加するトレードオフがあるが、多くのIIR等化フィルタよりも、より正確な周波数応答を実現することができる。
一般的に、IIR等化フィルタはリソース効率がよいことから、IIR等化フィルタは、メディアプレーヤ(例えば、MP3プレーヤ)や、セル電話機や、スマートフォンや、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)や、こられに類するもののような移動体デバイスにおいて使用されることが多い。多くの移動体デバイスにおいて使用される一般的なIIR等化フィルタでは、複数の周波数選択可能(例えば、バンドパス)フィルタが提供される。それぞれの周波数選択可能フィルタは、等化フィルタの周波数帯域に対応している。これらのフィルタの1つの欠点は、選択された周波数帯域の利得の調整が、隣接帯域中の周波数に影響を及ぼす場合があることである。この結果、これらの単純なIIR等化フィルタの精度が低い傾向がある。周波数選択可能なフィルタの次数を増加させることによって、または、周波数応答補正メカニズムを搭載することによって、IIR等化のフィルタを向上させることができる。しかしながら、これらの方策は、これらのフィルタのコンピューティングリソースの使用を増加させる。
一般的なFIR等化フィルタでは、長いフィルタ長(例えば、多くの係数)を使用して、望ましい周波数応答を低周波数で実現する。低周波数では、一般的な等化器の周波数帯域は、より高い周波数に比べて互いにより近づく。例えば、低周波数帯域は、32Hz、64Hz、125Hz等を含んでいてもよく、より高い周波数帯域は、4kHz、8kHz、16kHz等を含んでいてもよい。したがって、より低い周波数のより近い間隔(例えば、低周波数でのより高い分解能)を実現するために、多くのFIR等化フィルタのフィルタ長は、きわめて長い。この長いフィルタ長は、一般的なIIR等化フィルタと比べて精度を高めるが、結果的に、より多くのコンピューティングリソースを使用することになることが多い。FIR等化フィルタの高いコンピューティングリソースのコストが、移動体デバイスでのFIR等化フィルタの使用を妨げる。
したがって、ある実施形態において、上述した問題を減らす、または、なくすオーディオ等化フィルタを増強するためのシステムおよび方法を提供する。あるインプリメンテーションでは、例えば、好ましいコンピューティングリソース使用特性を有している初期フィルタを使用し、増強された等化フィルタを設計することができる。好都合にも、初期フィルタを周波数ワープさせて等化フィルタにし、この等化フィルタは、多くのFIR等化フィルタよりも、より効率的にコンピューティングリソースを使用し、多くのIIR等化フィルタよりも、よりよい精度を有する。結果的に、周波数ワープ等化フィルタが、移動体デバイスユーザのオーディオリスニング体験を増強させることができる。さらに、さまざまな実施形態において、周波数ワープ等化フィルタは、移動体デバイスとは異なるコンピューティングデバイスにおいて実現することができる。
上記で要約した図面を参照して、これらのシステムおよび方法の機能をこれから記述する。参照する要素との間の対応関係を示すために、図面全体を通して参照番号を再び使用する。図面、関係する説明、および特定のインプリメンテーションは、ここで開示した本発明の実施形態を例証するために提供したものであり、ここで開示した発明の範囲を限定するものではない。
さらに、ここで記述した信号処理アルゴリズムは、任意の特定のシーケンスに限定されるものではなく、また、適切な他のシーケンスにおいて、この信号処理アルゴリズムと関係するブロックまたは状態を実行してもよい。例えば、記述したブロックまたは状態は、具体的に開示したものとは異なる順序で実行することができ、または、複数のブロックまたは状態を、単一ブロックまたは状態で組み合わせることができる。さらに、ここで記述したシステムのさまざまなモジュール、ブロック、およびコンポーネントは、1つ以上のコンピューティングデバイス上で、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、またはハードウェアコンポーネントとして実現することができる。さまざまなモジュール、コンポーネント、およびブロックを別々に図示したが、これらは、同じ基礎とするロジックまたはコードのいくつか、または、すべてを共有してもよい。
図1を参照すると、例示的なオーディオ等化システム100が図示されている。オーディオ等化システム100のある実施形態は、ある現在利用可能なオーディオ等化フィルタよりも、より少ないコンピューティングリソースを使用しながらも、オーディオ信号の周波数応答のより正確な調整を可能にする。オーディオ等化システム100は、例えば、デスクトップコンピュータや、ラップトップや、メディアプレイヤーや、スマート電話機や、PDAや、これらと同じものを組み合わせたものや、これらに類するものを組み合わせたもののような、コンピューティングデバイス上のソフトウェアモジュールとして実現することができる。さらに、オーディオ等化システム100は、ハードウェア回路において、または、ソフトウェアとハードウェアとを組み合わせたものとして実現することができる。
オーディオ等化システム100では、ユーザ入力110を等化器インターフェース120に提供することができる。等化器インターフェース120は、オーディオ信号の利得値を選択的に(ブースティングまたはカッティングを含む)調整をするためのスライダーを備えているハードウェアまたはソフトウェアインターフェースであってもよい。ユーザ入力110は、ユーザのスライダー調整によって提供される利得値を含んでいてもよい。
例示的な等化器インターフェース200が図2に図示されている。図示した等化器インターフェース200は、ソフトウェアで実現されるインターフェースの代表例である。等化器インターフェース200は、複数のスライダー202を備え、それぞれ周波数帯域に対応している。32Hzから16kHzに及ぶ10個の周波数帯域に対して10個のスライダー202が示されている。マウス、ボタンのような入力デバイス、または、ユーザの指によって、スライダー202を上に動かしたり下に動かしたりすることができる。図示した実施形態では、スライダー202を上に動かすことによって、選択された周波数帯域の利得を増加させることができ、スライダー202を下に動かすことによって、選択された周波数帯域の利得を減少させることができる。例示的な等化器インターフェース200における利得値は、−12dBから+12dBに及ぶ。他の多くの利得値の可能性がある。
再び、図1に戻ると、等化器インターフェース120が、ユーザ入力110に基づいた出力を周波数ワープ等化フィルタ140に提供する。出力は、ユーザによって調整された選択されたスライダー値に対応している1組の望ましい利得値を含んでいてもよい。等化フィルタ140は、これらの望ましい利得値を使用して、オーディオ入力信号130の周波数応答を調整し、オーディオ出力信号150を提供することができる。オーディオ出力信号150は、例えば、スピーカーに提供される、あるいは、ハードディスク、フラッシュドライブ、メモリ、これらと同じものを組み合わせたもの、またはこれらに類するもののようなコンピュータ読取媒体上にファイルとして記憶することができる。
周波数ワープ等化フィルタ140は、入力信号130の周波数応答を調整するための1つ以上の周波数選択可能なフィルタを備えていてもよい。好都合にも、周波数ワーピング技術を使用して、周波数ワープ等化フィルタ140を設計、そうでなければ、発生させることができる。あるインプリメンテーションでは、例えば、好ましいコンピューティングリソース使用特性を有している1つ以上の初期フィルタを周波数ワーピングさせることによって、等化フィルタ140を設計することができる(例えば、図6Aないし8を参照)。ある実施形態では、初期フィルタ(または、複数のフィルタ)は、デジタルフィルタである。初期フィルタは、FIRフィルタであってもよいが、FIRフィルタである必要もない。例証目的で、この明細書の残りの部分では、FIR初期フィルタの周波数ワーピングについて参照することにする;しかしながら、ある実施形態では、IIR初期フィルタを周波数ワーピングさせることによっても、等化フィルタ140を設計することができる。
ある実施形態における初期フィルタは、等化フィルタ140の少なくともいくつかの周波数帯域よりも、より高い中心周波数を有する少なくともいくつかの周波数帯域を持っていてもよい。これらの比較的より高い周波数帯域は、ある現在利用可能な等化フィルタよりも、より小さいフィルタ係数によって効果的に表すことができる。ある実施形態において、初期フィルタの少なくともいくつかの周波数帯域をより低い周波数帯域に周波数ワーピングさせることによって、初期フィルタを等化フィルタ140に変換することができる。好都合にも、初期フィルタをこのように周波数ワーピングさせることは、結果的に、あるFIR等化フィルタよりも、よりよいコンピューティングリソースを使用し、かつ、周波数応答精度が、あるIIR等化フィルタよりも、よりよい周波数応答の精度を有する、等化フィルタ140が生じることになり得る。例えば、周波数等化フィルタ140は、1つの周波数帯域における変化の、隣接帯域に対する影響を最小限にすることができ、これによって、フィルタ140の精度を高めることができる。
ある実施形態において、周波数ワープ等化フィルタ140を発生させるために使用される周波数ワーピング変換は、双一次変換のような変換であってもよく、または、より詳細に述べると、ラプラスまたはZ変換ドメインにおいて、線または円を他の線または円上にマッピングする等角写像であってもよい。したがって、ある実施形態において、周波数ワーピング技術を使用して、初期フィルタの周波数スケールを、修正された周波数スケールに変換させることができる。ある実施形態では、この変換は、1つのデジタルフィルタ(初期フィルタ)の、別のデジタルフィルタ(等化フィルタ140)へのスペクトル変換である。この変換は、あるインプリメンテーションにおいて、初期フィルタにおける1つ以上の遅延ブロックを、1つ以上のオールパスフィルタに置換することによって実行することができる。図3ないし8を参照して、以下でさらに詳細に周波数ワーピングについて記述する。
ここで使用する「オールパスフィルタ」という用語は、その広い一般的な意味を持つことに加えて、(例えば、可聴周波数スペクトルにおける、または、このサブセット内の)相当な数または量の周波数を通過させる任意のフィルタのことも意味する。ある実施形態において、周波数ワーピングのために使用されるさまざまなオールパスフィルタは、すべての周波数を均等に通過させてもよいし、または、通過させなくてもよい。オールパスフィルタは、位相シフトフィルタ、時間遅延フィルタ、遅延等化器、または、これらに類するものであってもよい。1つの実施形態では、オールパスフィルタは、フィルタのスペクトル振幅が均一または実質的に均一である任意のフィルタであってもよい。ここで記述するオールパスフィルタは、1の利得を持っていてもよく、あるいは、1の利得よりも、より大きい、または、より小さい利得を持っていてもよい。さらに、オールパスフィルタは、幅広い範囲の周波数に対して、フィルタの振幅応答が平坦または実質的に平坦である何らかのフィルタであってもよく、周波数の範囲は、回路帯域幅またはプロセッサにおける精度のビット数によって制限されてもよい。さらに、この明細書の残りの部分では、オールパスフィルタを用いた周波数ワーピングについて言及するが、いくつかの実施形態では、周波数ワーピングを実行するために使用される他のフィルタを、ここで記述するすべてのオールパスフィルタに置き換えることができる。
図3Aおよび3Bは、(示していない)2つの例示的なフィルタの周波数応答300を図示している。図3Aは、初期フィルタの例示的な周波数応答300aを図示しており、さらに、図3Bは、初期フィルタの周波数ワープバージョンの例示的な周波数応答300bを図示している。例証を容易にするために、1つの周波数帯域を有している周波数応答300を示した。しかしながら、以下で記述するように、図3Aおよび3Bの原理を、複数の周波数帯域を持つフィルタに拡張することができる。
図3Aに戻ると、初期フィルタの例示的な周波数応答300aは、トレース312を用いて図示されており、トレース312は、周波数応答300aの輪郭を図示している。トレース312は、約1100Hzのピーク振幅または中心周波数を有し、かつ、1100Hzより前および後で減少している周波数帯域を含んでいる例示的な周波数応答300aを示している。このように、周波数応答300aは、約1100Hzの中心周波数あたりの帯域における周波数をエンファシスさせ、他の周波数を減衰させる。
周波数応答300aを有する初期フィルタの極零プロット300cが、図3Cに示されている。極零プロット300cは、複素平面318aでプロットされて示されている。複素平面318aは、初期フィルタの単位円314とゼロ316とを含む。複素平面318aにおけるゼロ316の位置は、例示的な位置であり、他の例では変えることができる。
図3Bに戻ると、周波数応答300bは、周波数応答300aの周波数ワープバージョンの1つの例を図示している。周波数応答300bは、トレース322を用いて図示されており、トレース322は、周波数応答300bの輪郭を図示している。トレース322は、例示的な周波数応答300bが、約125Hzでピーク振幅を持ち、かつ、約125Hzより前および後で減少している周波数帯域を含むことを示している。このように、周波数応答300bは、約125Hzの中心周波数あたりの帯域における周波数をエンファシスさせ、他の周波数を減衰させる。図3Aおよび3Bから分かるように、周波数応答300aは、周波数応答300bの中心周波数(約125Hz)よりも、周波数が比較的より高い中心周波数(約1100Hz)を有している。
周波数応答300bを有する周波数ワープフィルタの極零プロット300dが、図3Dに示されている。極零プロット300dも、複素面318bにおいてプロットされて示されている。複素面318bは、周波数ワープフィルタの単位円324とゼロ326を含む。複素面318bにおけるゼロ326の位置は、例示的位置であり、以下で記述するように、周波数ワーピングの異なる量を実現するために変えることができる。
ある実施形態では、周波数応答300aの周波数応答300bへの周波数ワーピングは、初期フィルタのゼロ316を複素面318における別の位置のゼロ326に変換またはマッピングすることによって実現することができる。現在の例では、ゼロ316は、ゼロ326によって示されている新しい例示的な位置に変換またはマッピングされている。ゼロ326aないし326fのそれぞれは、ゼロ316aないし316fにそれぞれ対応している。さらに、極328が、プロット300dに追加されている。この、ゼロ316のゼロ326への変換および極328の追加は、結果的に、周波数応答300aの周波数応答300bへのシフトまたはワーピングを生じさせる。
実際に、ある実施形態における周波数ワーピングは、Z変換の単位円314をこれ自体にマッピングすることによって、最初のデジタルフィルタを別のデジタルフィルタにマッピングする。このように、プロット300cの単位円314は、プロット300dの単位円324上にマッピングされている。実施形態において、ゼロ316a、316b、316c、および316dを単位円314に沿って(330における)点z=1に、より近付けるように移動させる(または、マッピングする)ことは、周波数応答300aを、より低い中心周波数に“移動”またはワープさせる。反対に、ゼロ316a、316b、316c、および316dを単位円314に沿って(332における)点z=−1に、より近付けるように移動させる(または、マッピングする)ことは、周波数応答300aを、より高い中心周波数に移動させる。
ある実施形態では、すべてのゼロ326を異なる位置に移動させる必要はない。例えば、(330における)z=1であるDC点のゼロ316fは、ゼロ316f自体にゼロ326fとしてマッピングされており、(332における)z=−1におけるナイキスト点のゼロ316eは、ゼロ316e自体にゼロ326eとしてマッピングされている。さらに、ある実施形態では、周波数ワーピングは、初期フィルタのDCとナイキスト点との間の何らかの周波数を、DCとナイキスト点との間の他の何らかの周波数上にマッピングしてもよい。ゼロ316が移動される、または、ワープされる程度は、図4ないし8を参照して以下に記述するように、1つ以上のワーピングファクタによって制御することができる。
あるインプリメンテーションでは、初期フィルタにおける(示されていない)それぞれの遅延ブロックを、1つ以上のオールパスフィルタと置換することによって、周波数応答300aから周波数応答300bへの周波数ワーピング変換を実行することができる(例えば、図4ないし8参照)。いくつかのインプリメンテーションでは、それぞれの周波数帯域に対して2つのオールパスフィルタが使用される。したがって、図3Aないし3Dに図示した例示的な実施形態では、2つのオールパスフィルタを使用して、周波数応答300aを周波数応答300bにワープさせてもよい。しかしながら、他の実施形態では、それぞれの周波数帯域に対して、より多くの、または、より少ないオールパスフィルタが使用されてもよい。オールパスフィルタを使用することによって、結果的に、極328が周波数応答300bの極零プロット300dに追加されることになる。図4ないし8を参照して、オールパスフィルタのさらなる詳細な説明を以下に記述する。
図3Aないし3Dを参照して、上述した周波数ワーピングの原理を、複数の周波数帯域に拡張させることができる。ある実施形態では、少なくともいくつかの比較的より高い周波数帯域を有する初期フィルタを周波数ワープさせて、少なくともいくつかの比較的より低い周波数帯域を有する等化フィルタにすることができる。例えば、1kHz、3kHz、5kHz、7kHz、9kHz、11kHz、13kHz、15kHz、17kHz、および19kHzを中心とした、等間隔の周波数帯域を持つ初期フィルタを周波数ワープさせて、それぞれ、32Hz、64Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、および16kHzを中心としたオクターブ間隔の周波数帯域を有するオーディオ等化器フィルタにしてもよい。この例は、例えば、1kHzの初期フィルタをワープさせて、32Hz帯域の等化フィルタにすることができたり、3kHz帯域の初期フィルタをワープさせて、64Hz帯域の等化フィルタにすることができること等を説明している。
しかしながら、同じ例の組の初期フィルタ帯域を、異なる方法でもワーピングさせることができる。例えば、初期フィルタ帯域のうちの少なくともいくつかをワープさせて、より低い周波数にすることができるとともに、他の初期フィルタ帯域をワープさせて、より高い周波数にすることができる。1つの例として、15kHzの初期フィルタ帯域をワープさせて、16kHz帯域にするとともに、17kHzの初期フィルタ帯域をワーピングさせて8kHz帯域にしてもよい。別の例では、1kHzの初期フィルタをワープさせて、64Hz帯域にすることができるとともに、3kHzの初期フィルタ帯域をワープさせて32Hz帯域にすることができる。さらに、いくつかのインプリメンテーションでは、初期フィルタ帯域の少なくとも一部をワーピングさせずに、他の部分をワーピングさせる。さまざまな実施形態において、初期フィルタ帯域をワーピングさせるための他の多くの構成が用いられてもよい。
先の例では、等間隔の帯域をワーピングさせて、オクターブ間隔(例えば、ANSI)の帯域にしているが、いくつかの実施形態では、等間隔でない帯域をワープさせて、オクターブ間隔の帯域にすることができる。さらに、等間隔または等間隔ではない帯域をワープさせて、オクターブ間隔でない帯域にすることができる。さまざまな帯域をワープさせて、例えば、3分の1オクターブ間隔のような、オクターブの何倍かの間隔にしたがった間隔の帯域にすることができる。代わりに、さまざまな帯域をワープさせて、バークスケール、melスケール、または、これらの一部にしたがって、または、バークスケール、melスケール、または、これらの一部に実質的に類似した間隔の帯域にすることができる。バークまたはmelスケール間隔は、多くのリスナが互いに等距離、または、ほぼ等距離と知覚する周波数帯域の知覚的なスケールを提供することができる。
好都合にも、ある実施形態では、初期フィルタはFIRフィルタであってもよい。先に説明したように、FIRフィルタを用いて、等化フィルタを実現することによって、IIRフィルタを用いるよりも、より優れた精度を実現することができる。しかしながら、FIRフィルタは、より低い周波数で、より高い分解能を実現するために長いフィルタ長が使用されることから、より多いコンピューティングリソースを使用することが多い。したがって、1つの実施形態では、等化フィルタの望ましい周波数帯域と比べて、少なくともいくつかのより高い周波数帯域を有するFIRフィルタを周波数ワーピングさせることによって、周波数ワープ等化フィルタを発生させることができる。比較的より高い周波数帯域を持つFIRフィルタは、比較的より低い周波数帯域を持つFIRフィルタよりも、より短いフィルタ長を有するので、比較的より高い周波数帯域を持つFIRフィルタを周波数ワーピングさせることによって、あるFIR等化フィルタよりも、比較的より短いフィルタ長を有する等化フィルタを実現することができる。結果的に、周波数ワープ等化フィルタは、IIRフィルタに匹敵する性能、または、IIRフィルタよりも、よりよい性能を実現しながらも、FIR等化フィルタに匹敵する精度、または、FIR等化フィルタよりも、よりよい精度を有することができる。
図4Aないし4Cは、ある実施形態において周波数ワーピングするために使用できる、さまざまな例示的なオールパスフィルタ400を図示している。上述したように、周波数ワーピングは、初期フィルタにおけるそれぞれの遅延ブロックを、1つ以上のオールパスフィルタと置換することによって実現することができる。オールパスフィルタは、一次フィルタまたはより高次のフィルタであってもよい;しかしながら、性能を向上させるために、ある実施形態では、一次フィルタが使用されてもよい。したがって、いくつかの例示的な一次オールパスフィルタ400を図4A、4B、および4Cに示した。
図4Aに戻ると、オールパスフィルタ400aが示されている。オールパスフィルタ400aは、直接型I構造を有しているIIRフィルタである。オールパスフィルタ400aの直接型I構造は、2つの乗算器404、411と、2つの加算器408、410と、2つの遅延ブロック406、412とを備えている。オールパスフィルタ400aは、入力信号402を受け取り、出力信号414を提供する。矢印は、出力フィルタ構造400aにおける信号のフローの方向を示しており、または代わりに、アルゴリズム的フローの方向を示している。したがって、例えば、入力信号402は、乗算器404と遅延ブロック406とに提供される。
乗算器404が、加算器408に出力を提供する。同様に、遅延ブロック406が、出力を加算器408に提供する。乗算器404および遅延ブロック406の出力が、加算器408によって加算され、加算器410に提供される。加算器410の出力が、遅延ブロック412に提供され、そして出力414として提供される。フィードバックループの一部として、遅延ブロック412が出力を乗算器411に提供する。乗算器411の出力が、加算器410に提供され、加算器410は、上述したように、出力信号414を提供する。
図示した実施形態では、乗算器404は値ρを有している。同様に、乗算器411は、負のρである値を有している。ある実施形態では、この値ρはワーピングファクタであってもよい。ワーピングファクタを調整することによって、オールパスフィルタ400aによって提供される周波数ワーピングの量を変えることができる。1つの実施形態では、ワーピングファクタρは、−1から+1までの範囲をとることができる。ここで、0よりも小さい値は、より低い周波数に対してワーピングすることを表し、0の値はワーピングしないことを表し、0よりも大きい値はより高い周波数に対してワーピングすることを表す。上記の図3Bで使用したワーピングファクタは、1つの実施形態において、例えば、−0.9の値を有していてもよい。さまざまな実施形態では、他の多くの範囲のワーピングファクタρの可能性がある。
図4Bは、オールパスフィルタ400bの別のインプリメンテーションを図示している。オールパスフィルタ400bは、直接型II構造を持つIIRフィルタである。オールパスフィルタ400bの直接型II構造は、ワーピングファクタρ(または−ρ)を有する2つの乗算器425、428と、2つの加算器424、432と、1つの遅延ブロック426とを備えている。オールパスフィルタ400bが、入力信号422を受け取り、出力信号432を提供する。オールパスフィルタ400bは、オールパスフィルタ400aの2つの遅延ブロック406、412とは対照的に1つの遅延ブロック426を有していることから、いくつかのインプリメンテーションにおいて、オールパスフィルタ400bは、オールパスフィルタ400aよりも、より効率的にコンピューティングリソースを使用することができる。
図4Cを参照すると、別のオールパスフィルタ400cが示されている。オールパスフィルタ400a、400bのような、オールパスフィルタ400cが、入力信号442を受け取り、出力信号454を提供する。示した構成では、オールパスフィルタ400cは、1つの乗算器と、1つの加算器と、1つの減算ブロックと、2つの遅延ブロック444、452とを備えている。オールパスフィルタ400aおよび400bに類似した、オールパスフィルタ400cの乗算器448は、ワーピングファクタρである値を有している。オールパスフィルタ400cは1つの乗算器448を備えていることから、フィルタ400cの構造は、単一の乗算器の形態とみなすことができる。好都合にも、図5に示したように、複数の単一乗算器のオールパスフィルタ400cをカスケード接続する増分コストがわずかであるために、オールパスフィルタ400cの単一の乗算器の形態は、オールパスフィルタ400a、400bよりも、より効率的にコンピューティングリソースを使用できる。
図5は、3つのカスケード接続されたオールパスフィルタ510、520、および530を図示している。それぞれのフィルタ510、520、530は、各フィルタを囲んだ破線によって図示されている。単一の乗算器の形態を用いているフィルタ510、520、530が効率的にカスケード接続されていることを、図5は図示している。特に、ある実施形態では、第1のオールパスフィルタ510とカスケード接続されたそれぞれの付加的なオールパスフィルタ520、530によって、1つの乗算器、1つの加算器、1つの減算ブロック、1つの遅延ブロックの増分コストが増す。
カスケード接続における第1のオールパスフィルタ510は、オールパスフィルタ400cのすべての要素を備えている。カスケード接続における第2のオールパスフィルタ520は、遅延ブロック452を共有し、減算ブロック502、乗算器504、加算器506、および遅延ブロック508の増分コストを増やす。同様に、第3のオールパスフィルタ530は、遅延ブロック508を、第2のオールパスフィルタ520と共有し、減算ブロック512と、乗算器514と、加算器516と、遅延ブロック518とを追加する。効果的に、フィルタのカスケード接続では、単一の乗算器の形態により、より少ない要素またはブロックを使用することが促進され、これにより、コンピューティングリソースのより効率的な使用が促進される。
図6Aは、例示的な初期フィルタ600aを図示しており、初期フィルタaから、図6B中の例示的な周波数ワープ等化フィルタ600bが設計されてもよい。初期フィルタ600aは、図示した実施形態では(示していない)4つの周波数帯域を有するFIRフィルタである。周波数帯域の数を例示目的のためだけに選択することができ、また、変えることができる。さらに、初期フィルタ600aは、直接型で図示されている。FIRフィルタの他の形態または構造を使用して、ある実施形態において等化フィルタを設計してもよい。さらに、いくつかのインプリメンテーションでは、1つより多いFIRフィルタを使用して、等化フィルタを設計してもよい。
初期フィルタ600aは、入力信号540を受け取り、入力信号540をフィルタリングして、出力信号580を生成させる。初期フィルタ600aは、遅延ブロック550aないし550fと、乗算器560aないし560gと、加算器570aないし570fとを備えている。矢印は、信号またはアルゴリズム的なフローの方向を示している。乗算器560aないし560fのそれぞれは、(それぞれg0ないしg6によって表されている)初期フィルタ600aの係数である値を有している。1つの実施形態では、初期フィルタ600aの周波数帯域のうちの少なくともいくつかが、等化フィルタの望ましい中心周波数よりも、比較的、より高い中心周波数を有することができるように、フィルタ係数g0ないしg6を選択してもよい。結果的に、初期フィルタ600aは、好ましいコンピューティングリソース使用特性を持つことができる。
好都合にも、それぞれの遅延ブロック550をオールパスフィルタと置換することによって、これらの中心周波数を周波数ワープさせることができる。図6Bは、例えば、初期フィルタ600aから設計された周波数ワープ等化フィルタ600bの例示的な実施形態を図示している。上述したシステム100のような等化システムでは、例えば、周波数ワープ等化フィルタ600bが使用されてもよい。
ある実施形態では、等化フィルタ600は、線形重ね合わせの原理を使用して単一フィルタ600bに統合された、カスケード接続されたオールパスフィルタ601、603、605、607、609、および611のバンクを使用している。それぞれのオールパスフィルタ601、603、605、607、609、および611は、初期フィルタ600aにおける遅延ブロック550と置換する。図示した実施形態では、それぞれのオールパスフィルタ601、603、605、607、609、および611は、図4Cおよび5を参照して上述した単一の乗算器の形態で構成されている。等化フィルタ600は、それぞれIIR構造で構成されている個々のオールパスフィルタ601、603、605、607、609、および611を備えたFIR全体構造を有している。したがって、ある実施形態では、等化フィルタ600は、FIRまたはIIRフィルタのいずれか、あるいは双方のハイブリッドが考えられる。
等化フィルタ600bでは、初期フィルタ600aの4つの周波数帯域が、4つの新しい周波数帯域に周波数ワープされる。これらの新しい周波数帯域のうちの少なくともいくつかは、初期フィルタ600aの周波数帯域のうちの少なくともいくつかよりも、より低い中心周波数を有することができる。したがって、ある実施形態において、等化フィルタ600bによって、より低い周波数(例えば、低域周波数)をより効率的に等化または調整することができる。
便宜のために、最初の3つのカスケード接続されたオールパスフィルタ601、603、および605に対して、図4Cおよび5からの参照番号を繰り返す。したがって、これらのフィルタ601、603、および604は、上述したコンポーネント444ないし518を含んでいる。3つのさらなるフィルタ607、609、および611のそれぞれは、さらなる増分フィルタ要素を含む。したがって、例えば、フィルタ607は、遅延ブロック518をフィルタ605と共有し、減算ブロック602と、乗算器604と、加算器606と、遅延ブロック608とを備えている。同様に、フィルタ609は、遅延ブロック608をフィルタ607と共有し、減算ブロック610と、乗算器612と、加算器614と、遅延ブロック616とを備えている。同様に、フィルタ611は、遅延ブロック616をフィルタ609と共有し、また、減算ブロック618と、乗算器620と、加算器624と、遅延ブロック626とを備えている。
オールパスフィルタ601ないし611と通信する4つの乗算器640、642、644、および646が示されている。これらの乗算器は、等化フィルタ600bの係数h0、h1、h2、およびh3を表している。等化フィルタ600bでは、係数の対称性のために、7個ではなく、4個の係数が提供される。対称的な係数を有することによって、等化フィルタ600bは、フィルタ601ないし611間で係数を共有することができ、これによって、コンピューティングリソースをより効率的に使用することができる。ある他のインプリメンテーションでは、係数は非対称であってもよい。
より詳細に述べると、フィルタ607の出力637は、加算器630によってフィルタ603の出力633と合成され、加算器630が、乗算器642(係数h1)に出力を提供する。同様に、フィルタ609の出力639は、フィルタ601の出力631と合成され、加算器632に提供され、加算器632が、乗算器644(係数h2)に出力を提供する。フィルタ611の出力641は、入力信号442と合成され、加算器634に提供され、加算器634が、乗算器646(係数h3)に出力を提供する。さらに、フィルタ605(係数h0)の出力635が、乗算器640に提供される。それぞれの乗算器640、642、644、および646の出力は、加算器650、652、および654によってそれぞれ互いに合計されて、出力信号660を生成させる。したがって、ある実施形態では、フィルタ601ないし611の出力は、互いにスーパーインポーズされる。
ユーザが1つ以上のスライダーの利得を調整したとき、あるインプリメンテーションでは、この調整によって、等化フィルタ600のフィルタ係数h0−h3を再計算させることができる。フィルタ601ないし611の出力がスーパーインポーズされることから、ある実施形態では、フィルタ係数h0−h3を変えることは、1組の連立方程式を解くことによって実行される。
例示的な等化フィルタ600bにおけるそれぞれのフィルタ601ないし611は、乗算器448、504、514、604、612、および620によって表されているように、同じワーピングファクタρを含んでいる。このワーピングファクタρの調整によって、等化フィルタ600bにおけるワーピングの量の調整が可能になる。ここで、それぞれのフィルタ601ないし611は、1つの周波数帯域に対応している。例えば、ワーピングファクタρによって、初期フィルタ600aにおける少なくともいくつかの、より高い周波数帯域を、等化フィルタ600bにおけるより低い周波数帯域に周波数ワープさせることが可能になる。好都合にも、ある実施形態では、等化フィルタ600bは、1つの周波数帯域での変化の影響を隣接帯域に対して最小限にすることができ、これによって、現在利用可能な等化フィルタと比較して、等化フィルタ600bの精度を高めることができる。さらに、等化フィルタ600bは、ある現在利用可能なIIR等化フィルタに類似した、または、ある現在利用可能なIIR等化フィルタよりも、よりよいリソースを使用することができる。
ある実施形態では、フィルタ601ないし611によって表されている周波数帯域の間隔(例えば、帯域の中心周波数の間隔)を、周波数ワーピングファクタρによって調整することができ、1つの実施形態では、周波数ワーピングファクタρは、周波数帯域の全集合を調整するための1つの自由度を表す。好都合にも、1つの実施形態におけるワーピングファクタρを調整して、周波数帯域のバークスケールまたは近似バークスケールを生成させることができる。しかしながら、他の間隔(例えば、ANSI間隔)が望まれた場合、1つの自由度のワーピングファクタρでこのような間隔を実現させることは難しい。
この問題を解消するために、いくつかのインプリメンテーションでは、付加的なフィルタを提供することによって、付加的な周波数帯域を追加することができる。コンピューティングリソースの潜在的な何らかの付加的コストで、等化フィルタ600bにおける周波数帯域のうちのいくつかの帯域間を補間することによって、望ましい中心周波数に近似させることができる。例えば、周波数帯域の望ましい中心周波数が125Hzであり、フィルタ600bにおいて最も近い中心周波数が100Hzである場合、150Hzの中心周波数を有するフィルタが、等化フィルタ600bに追加される。100Hzと150Hzの周波数帯域から、125Hzの望ましい中心周波数を補間することができる。
ある実施形態では、それぞれの追加される周波数帯域に対して、付加的なオールパスフィルタ、または、他のタイプのフィルタを追加することによって、付加的な帯域による補間を実現することができる。したがって、結果として生じた等化フィルタ600bは、さらなる係数または内部利得を有する、より長いフィルタ構造を持っていてもよい。これらの内部利得は、ユーザ入力(例えば、スライダー入力)利得の数よりも、数的により大きくてもよい。したがって、1つの実施形態では、フィルタ600bにおける内部利得のより高い数は、より低い数のユーザ入力利得の線形的な組み合わせであってもよい。
ある他の実施形態において、周波数帯域のうちのいくつか、または、周波数帯域のすべてに対してワーピングファクタを含むフィルタを設計することによって、1つのワーピングファクタρを使用するいくつかの欠点を減少させる、または、解消することができる。このような1つのフィルタ設計の例示的なインプリメンテーションを、以下の図7および8に図示する。
図7は、別々のワーピングファクタを等化フィルタの周波数帯域に提供するために使用可能な二次オールパスフィルタ700の例を図示している。複数のオールパスフィルタ700は、等化フィルタを生成させるために互いにカスケード接続することができ、図8を参照して、この例を以下で記述する。
オールパスフィルタ700は、図4ないし図6を参照して上述したオールパスフィルタとは異なる構造を有している。オールパスフィルタ700は、入力信号702を受け取り、入力信号702が、遅延ブロック704と、減算ブロック707とに提供される。遅延ブロック704の出力は、加算器706に提供されるとともに、減算ブロック707の出力が、乗算器ブロック710に提供される。乗算器ブロック710の値は、図示した実施形態において、周波数ワーピングファクタρxを表している。異なる周波数帯域に対して周波数ワーピングファクタρxが異なることを、下付き “x”は表している。
乗算器710の出力が、加算器706に提供される。加算器706は、遅延ブロック712に出力を提供し、そして、遅延ブロック712が、減算ブロック707と加算器718とに出力を提供する。さらに、加算器706が、減算ブロック714に出力を提供する。減算ブロック714は、乗算器ブロック716に出力を提供し、また、乗算器ブロック716は、周波数ワーピングファクタである値ρxを有している。そして、乗算器716は、加算器718に出力を提供し、加算器718が、遅延ブロック720に出力を提供する。同様に、遅延ブロック720が、出力を減算ブロック714に提供する。さらに、加算器718が、オールパスフィルタ700の出力722を提供する。
図8は、図7のオールパスフィルタ700を使用できる周波数ワープ等化フィルタ800の実施形態を図示している。等化フィルタ800は、例えば、上述したシステム100のような等化器システムにおいて使用されてもよい。好都合にも、等化フィルタ800は、複数の周波数ワーピングファクタρxを含み、この周波数ワーピングファクタρxは、等化フィルタ800の周波数帯域を望ましい中心周波数に別々に同調させることを可能にする。
等化フィルタ800は、複数のブロック810、820、830、860を有しており、これらのそれぞれは、オールパスフィルタによって置換されている(示していない)初期フィルタの遅延ブロックを表している。初期フィルタは、例えば、FIRフィルタであってもよい。あるインプリメンテーションでは、それぞれのブロック810、820、830、860に対して使用されているオールパスフィルタは、オールパスフィルタ700であってもよい。したがって、例えば、オールパスフィルタ700の入力702は、ブロック810に対する入力に対応することができ、オールパスフィルタ700の出力722は、ブロック810の出力に対応すること等ができる。しかしながら、ある他の実施形態では、ここで記述したオールパスフィルタ構造のいずれのものも、または、他のオールパスフィルタ構造も、等化フィルタ800とともに使用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、等化フィルタ800の異なる周波数帯域に対して、異なるタイプのオールパスフィルタ構造を使用することができる。
実施形態では、等化フィルタ800がこれに基づいている初期フィルタは、fs/4においてゼロを有している。ここでは、fsは、使用されるサンプリング周波数を表している。ある実施形態において、初期フィルタ構成は、比較的簡単なデジタルインプリメンテーションを可能にし、これは、初期フィルタから設計される周波数ワープ等化フィルタ800の複雑さを最小限にすることができる。初期フィルタのゼロの位置は、さまざまなインプリメンテーションにおいて他の値を有していてもよい。
例示的な等化フィルタ800におけるそれぞれの周波数帯域に対して、同じワーピングファクタρxを有する2つの対応するオールパスフィルタ700が存在してもよく、ここでは、“x”は(図示した例では、0で始まる)周波数帯域の数を表している。それぞれの帯域の中心周波数に対して、より正確な制御を行うために、異なる周波数帯域に対して、ワーピングファクタを異ならせることができる。例えば、ブロック810aおよび810bにおいて提供されているオールパスフィルタは、それぞれ、ワーピングファクタρ0を有している第1の周波数帯域に対応しており、ブロック820aおよび820bは、ワーピングファクタρ1を有する第2の周波数帯域に対応している等、n番目のワーピングファクタ(ρn)を有するn番目の周波数帯域にまで対応する。省略符号853は、等化フィルタ800において任意の数の周波数帯域(およびワーピングファクタ)を提供することができることを示している。
好都合にも、ワーピングファクタによって、周波数ワープ等化フィルタ800が、あるIIR等化フィルタよりも、より正確にオーディオ信号をフィルタリングすることが可能になる。図6Bの等化フィルタ600bと同様に、等化フィルタ800は、1つの周波数帯域における変化の、隣接帯域に対する影響を最小限にすることができ、これによって、フィルタ800の精度を高める。
それぞれの中心周波数をより正確に調整するための能力は、いくつかのインプリメンテーションでは、何らかのさらなる複雑さの犠牲のもとで得られる。例えば、オールパスフィルタ400cとは異なるオールパスフィルタ700では、より多くのコンポーネント(または演算)が使用され、等化フィルタ600とは異なる等化フィルタ800では、付加的なコンポーネントが使用されてもよい。しかしながら、このコンピューティングリソースの使用の増加は、現在利用可能なFIR等化フィルタのコンピュータ使用よりも、または、IIR等化フィルタのコンピュータリソースの使用さえ、依然として少なくすることができる。例えば、現在利用可能な10帯域のIIRバイクアッドベース等化フィルタは、ARM9eプロセッサ上で44.1kHzで1つのチャネルを処理するために、秒あたりの6百万から1千万の間あたりの命令(MIPS)を使用してもよい。これに対して、等化フィルタ800のあるインプリメンテーションは、向上した精度で、同じタスクを同じプロセッサ上で実現するために、約4.3またはより少ないMIPSを使用する。
乗算器ブロック814、828、848、および866は、等化フィルタ800の係数を表している。実施形態では、それぞれのブロック814、828、848、および866は、値gx *xを有しており、ここで、gxは係数であり、mxは調整ファクタである。調整ファクタmxは、ワーピングファクタρxを変えることによって生じる等化フィルタ800の周波数応答の変動を補償する。1つの実施形態では、すべての等化器係数gxが1に設定されたときに、調整ファクタmxは、周波数帯域の(例えば、スライダーによる入力)利得の逆数に等しい値を有することができる。1つの実施形態における調整ファクタmxによって、所定の周波数帯域の周波数応答をより正確にすることが可能になる。
乗算器ブロック803、804、805、816、818、829、832、850、852、854、および868は、2による除算を表している。これらのブロックは、加算器ブロック806、819、824、833、844、および851のうちの1つ以上によってオーディオ信号の倍増を補償するために、オーディオ信号を半分に除算する。
好都合にも、ある実施形態では、固定小数点プロセッサにおいて、等化フィルタ800を実現してもよい。このような1つの実施形態では、何の乗算演算もなく、等化フィルタ800を実現してもよく、この演算は、一般的に、他の数学的演算よりも、より多くのコンピューティングリソースを消費する。1つの実施形態では、ワーピングファクタおよび/または係数に使用される精度の桁数を減少させることによって、乗算演算をなくすことができる。数ビットの精度を用いることによって、例えば、乗算を、加算およびシフトに置換することができる。さらに、2による除算をシフトによって置換することができる。したがって、低分解能の固定小数点数学演算に対してさえも、等化フィルタ800は、数値的に強固である。
好都合にも、ある実施形態においては、等化フィルタ800の全体的なFIR構造により、乗算演算の数をなくす、または、減らすことが実現できる。一方、ある現在の利用可能なIIR等化フィルタは、数ビットの精度を用いて、丸め誤差を減らすことができる。一方、等化フィルタ800においてより少ないビットを用いると、精度を低下させるが、フィルタ800の精度は、現在利用可能なIIR等化フィルタの精度よりも、依然としてかなり優れている。
ある他の実施形態では、さらなる内部周波数帯域を追加することによって、等化フィルタ800の精度をさらに向上させることができる。この技術は、図6Bを参照して上述した補間演算を実行することを含んでいてもよい。さらに、ある実施形態では、等化フィルタ800で入力オーディオ信号802を2度フィルタリングすることによって、等化フィルタ800の精度をさらに向上させることができる。いくつかのインプリメンテーションでは、これらの技術の双方は、付加的なコンピューティングリソースを消費する。
さらに、いくつかのインプリメンテーションでは、等化フィルタ800におけるブロックのうちのいくつかを取り除く、または、変えることによって、いくらかのコンピューティングリソースを節約することができる。例えば、ワーピングファクタρnによって表されている周波数帯域に対して、2による除算ブロック868を取り除いてもよい。したがって、ブロック866の出力は、加算器851と、減算ブロック870とに直接的に提供される。別の実施形態では、乗算器868からの出力を受け取らないように、減算ブロック870を改良することができる。したがって、減算ブロック870は、ブロック860bと乗算器854との出力を加算する加算器になってもよい。これらの改良のうちの1つ、または、双方は、等化フィルタ800における周波数帯域のいくつか、または、すべてに使用されてもよい。これらの改良は等化フィルタ800の精度を低下させる可能性があるが、コンピューティングリソース節約が、いくつかのインプリメンテーションにおいて重要である。さらに、他の改良は、コンピューティングリソースの使用をさらに減少させる可能性がある。
グラフィック等化器においてフィルタとして使用されていることに加え、等化フィルタ800のある実施形態は、パラメータ的またはセミパラメータ的等化器において使用してもよい。したがって、等化フィルタ800に対するユーザ入力は、中心周波数での利得調整に加えて、中心周波数の調整を含んでいてもよい。好都合にも、ユーザ入力は、1つ以上の周波数ワーピングファクタを変えさせることができ、これによって、中心周波数値に対するユーザ制御が行われる。等化フィルタ800は、固定小数点プロセッサでの乗算がなくても実現できることから、等化フィルタ800を用いたパラメータ的またはセミパラメータ的な等化器は、ある他のパラメータ的またはセミパラメータ的な等化器よりも、数値的により強固である。
図9は、周波数ワープ等化フィルタを使用してオーディオ信号をフィルタリングするための例示的なプロセス900を図示している。好都合にも、ある実施形態では、プロセス900は、等化システム100のような等化システムによって実現することができる。プロセス900は、オーディオ信号の正確な、かつ効率のよい等化を可能にする。
ブロック902では、オーディオ入力信号が受け取られる。オーディオ入力信号は、音楽信号、スピーチ信号、または、これらに類するような任意のオーディオ信号であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶されているファイルから、ウェブサイトのようなネットワークリソースから、または、別のソースから、オーディオ入力信号は受け取られてもよい。
ブロック904では、望ましい利得入力が提供されたか否かが決定される。望ましい利得入力は、1組のスライダーまたはこれに類するものから提供され(例えば、図2参照)、オーディオ入力信号の1つ以上の周波数帯域に対する利得値を表すことができる。1つの実施形態において、望ましい利得入力が、ユーザによって提供されてもよい。
望ましい利得入力が提供された場合、ブロック906では、周波数ワープ等化フィルタの内部利得値が、望ましい利得入力に少なくとも部分的に基づいて調整される。内部利得値は、周波数ワープ等化フィルタの係数であってもよい。これらの内部利得値を調整することは、1つ以上の周波数帯域の望ましい利得値を実現または近似するために、内部利得値を再計算することを含んでいてもよい。
ブロック904において、または、ブロック906の後に、望ましい利得入力が提供されなかった場合、プロセス900は、ブロック908に進む。ブロック908において、オーディオ入力信号は、周波数ワープ等化フィルタでフィルタリングされる。好都合にも、使用される等化フィルタは、ここで使用された周波数ワープ等化フィルタのうちの任意のものであってもよい。同様に、等化フィルタは、多くの現在利用可能な等化フィルタよりも、より効率的におよび/または正確にオーディオ信号を等化することができる。
図10Aは、スライダー1002が低い位置に均一に設定されている例示的なグラフィック等化器1000aを示している。10個のスライダー1002が示されており、これらは、10個の周波数帯域に対応している。中心周波数の実際の値は示されていないが、中心周波数は、任意のスケール(例えば、バークまたはANSI)であってもよい。グラフィック等化器1000aは、(例えば、10個の周波数帯域を含めるように改良された)上述した周波数ワープ等化フィルタのうちの任意のもののような等化フィルタに出力信号を提供することができる。図10Bは、グラフィック等化器1000aからの入力に少なくとも部分的に基づいた、等化フィルタの例示的な周波数応答を図示している。トレース1010は、スライダー1002が、同じ、または、実質的に同じ位置にある、実質的に平坦な周波数応答を図示している。平坦な周波数応答1000bは、20ヘルツから20キロヘルツまでの全体または実質的に全体の可聴周波数範囲にわたって広がっている。さらに詳細に述べると、ある実施形態では、平坦または実質的に平坦な周波数応答1000bは、約100ヘルツから約10キロヘルツまで広がっている。
図11Aは、グラフィック等化器1100aの別の構成を示している。グラフィック等化器1100aのスライダー1102は、低位置にあるのに対して、スライダー1104はスライダー1102に比べて高位置にある。図11Bは、グラフィック等化器1100aの入力に対応している等化器フィルタの周波数応答1100bを図示している。スライダー1102が低い場合には、周波数応答1100bのトレース1100が、領域1120において、同様に低い。スライダー1104が高い場合には、トレース1110は領域1130において高い。このように、ある実施形態では、周波数応答1100bは、正確に、または、実質的に正確に、スライダー1102および1104の設定に対応していることが分かる。
図12Aは、グラフィック等化器1200aの別の構成を図示している。スライダー1204は高位置にある一方で、スライダー1202は低位置にある。図12Bは、スライダー位置1202および1204に対応している周波数応答1200bを図示している。スライダー1202が低位置にある場合に、周波数応答1200bのトレース1220もまた、領域1220によって図示したように、低位置にある。スライダー1204が高位置にある場合に、周波数応答1200bのトレース1210もまた、領域1230によって図示したように、高位置にある。このように、図12Aおよび12Bは、ここで記述した周波数ワープ等化フィルタのある実施形態によって実現できる精度をさらに図示している。
図13は、等化フィルタ1340を備えた例示的な移動体デバイス1300を図示しており、等化フィルタ1340は、上述した等化フィルタのうちの任意のものとして実現してもよい。移動体デバイス1300は、他のコンピューティングデバイスよりも、コンピューティングリソースがより少ないことから、より少ないコンピューティングリソースを使用しながらもより優れた精度を提供する等化フィルタ1340を備えると、移動体デバイス1300は恩恵が得られるかもしれない。移動体デバイス以外のデバイスも、さまざまなインプリメンテーションにおいて、ここで記述した等化フィルタのうちの任意のものを実現することができる。
実施形態に依存して、ここで記述したアルゴリズムのうちの任意の、ある動作、イベント、または機能を異なるシーケンスで実行することができ、また、ひとまとめに追加したり、組み合わせたり、外したりしてもよい(例えば、記述した動作またはイベントのすべてが、アルゴリズムの実行のために必要なわけではない)。さらに、ある実施形態では、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、あるいは、複数のプロセッサまたはプロセッサコアを通して、シーケンシャルにではなく、同時に、動作またはイベントを実行してもよい。
ここに開示した実施形態に関連して記述した、さまざまな例示的な論理的ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、あるいは双方を組み合わせたものとして実現してもよい。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に図示するために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、およびステップを、一般的に、これらの機能の観点から上記で記述した。この機能が、ハードウェアまたはソフトウェアとして実現されるか否かは、システム全体に課せられている特定のアプリケーションおよび設計制約に依存する。それぞれ特定のアプリケーションに対して変わる方法で、記述した機能を実現してもよいが、このようなインプリメンテーションの決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせるものとして解釈すべきはでない。
ここで開示した実施形態に関連して記述した、さまざまな例示的な論理的ブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)または他のプログラム可能ロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいは、ここで記述した機能を行うように設計されたこれらの任意の組み合わせで、実現しても、あるいは、実行してもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替実施形態では、プロセッサは、プロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、または、状態機械、これらと同じものを組み合わせたもの、または、これらに類するものであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせとして、複数のマイクロプロセッサとして、DSPコアを組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサとして、あるいは、このような構成の他の任意のものとして実現してもよい。
ここで開示した実施形態と関連して記述した方法のステップまたはアルゴリズムは、直接、ハードウェアで、プロセッサにより実行可能なソフトウェアモジュールで、あるいは、2つのものを組み合わせたもので具体化してもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーブバルディスク、CD−ROM、あるいは技術的に知られている他の何らかの形態の記憶媒体に存在していてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合されていてもよい。代替実施形態では、記憶媒体はプロセッサと一体化してもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在していてもよい。ASICは、ユーザ端末中に存在していてもよい。代替実施形態では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末においてディスクリートコンポーネントとして存在していてもよい。
上記の詳細な説明を示し、さまざまな実施形態に適用されるような新規な特徴を説明し指摘したが、図示したデバイスまたはアルゴリズムの形態および詳細において、本開示の精神を逸脱することなく、さまざまな省略、置換、および変更がなされ得ることが理解されるであろう。認識されるように、いくつかの特徴は他のものと別々に使用または実施してもよいので、ここで記述した本発明のある実施形態は、ここで述べた特徴および利益のすべてを提供しない形態内で具体化してもよい。ここで開示したある発明の範囲は、先述の説明によってではなく、特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入るすべての変更は、本発明の範囲内に包含されるべきものである。

Claims (22)

  1. オーディオ等化フィルタを発生させる方法において、
    複数の周波数帯域を含む1つ以上のフィルタを提供することと、
    前記1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせて、オーディオ等化フィルタを生成させることとを含み、
    前記1つ以上のフィルタは、それぞれデジタルフィルタを備え、
    前記1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせることは、前記1つ以上のフィルタの前記周波数帯域のうちの少なくともいくつかの変換を実行することを含み、
    入力オーディオ信号のあるいくつかの周波数が、ユーザの入力に少なくとも部分的に基づいて選択的にエンファシスまたはデエンファシスされるように設定されて、前記オーディオ等化フィルタが入力オーディオ信号をフィルタリングするように動作可能である方法。
  2. 前記1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせることは、前記1つ以上のフィルタの少なくともいくつかの周波数帯域を、より低い周波数帯域に変換することを含む請求項1記載の方法。
  3. 前記1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせることは、前記1つ以上のフィルタの1つ以上の遅延ブロックを1つ以上のオールパスフィルタに置換することを含む請求項1記載の方法。
  4. 前記1つ以上のオールパスフィルタは、単一の乗算器の形態で構成されている少なくとも1つのフィルタを含む請求項3記載の方法。
  5. 前記1つ以上のオールパスフィルタは、前記オーディオ等化フィルタのそれぞれの周波数帯域に対して2つのオールパスフィルタを含む請求項3記載の方法。
  6. 前記1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせることは、ワーピングファクタを調整することを含む請求項1記載の方法。
  7. 前記1つ以上のフィルタを周波数ワーピングさせることは、複数のワーピングファクタを調整することを含み、それぞれのワーピングファクタは、選択された周波数帯域を調整するように設定されている請求項1記載の方法。
  8. オーディオ信号を処理するシステムにおいて、
    オーディオ信号入力と、
    前記オーディオ信号入力に動作可能に結合されているオーディオ等化フィルタと、
    前記オーディオ等化器フィルタと通信する等化器インターフェースとを具備し、
    前記オーディオ等化フィルタは、1つ以上のフィルタの周波数ワープ形態であるように構成され、前記1つ以上のフィルタは、それぞれデジタルフィルタを備え、
    前記等化器インターフェースは、前記オーディオ等化フィルタの周波数帯域の利得値を調整するための制御を行うように構成され、
    前記等化器インターフェースに対するユーザ入力は、前記オーディオ等化フィルタが、前記オーディオ信号入力の1つ以上の周波数帯域を選択的にエンファシスまたはデエンファシスするようにさせるシステム。
  9. 前記オーディオ等化フィルタは、前記1つ以上のフィルタの少なくともいくつかの周波数帯域がより低い周波数帯域に変換されることによって周波数ワープされるように構成されている請求項8記載のシステム。
  10. 前記1つ以上のフィルタの少なくともいくつかの周波数帯域の、より低い周波数帯域への変換は、前記1つ以上のフィルタの1つ以上の遅延ブロックを、少なくとも1つのオールパスフィルタと置換することを含む請求項9記載のシステム。
  11. 前記少なくとも1つのオールパスフィルタは、単一の乗算器の形態で構成されている少なくとも1つのフィルタを含む請求項9記載のシステム。
  12. 前記少なくとも1つのオールパスフィルタは、前記オーディオ等化フィルタの前記周波数帯域のそれぞれに対して2つのオールパスフィルタを含む請求項9記載のシステム。
  13. 第2のオーディオ等化フィルタが、ワーピングファクタを調整することによって周波数ワープされる請求項8記載のシステム。
  14. 前記第2のオーディオ等化フィルタは、複数のワーピングファクタを調整することによって周波数ワープされ、それぞれのワーピングファクタは、前記1つ以上のフィルタの選択された周波数帯域を調整するように設定されている請求項8記載のシステム。
  15. 等化インターフェースに対する複数の等化器入力が実質的に同じ値を持つときに、前記オーディオ等化フィルタは、約100Hzから約10kHzの範囲において実質的に平坦な周波数応答を持つ請求項8記載のシステム。
  16. オーディオ信号を処理する方法において、
    オーディオ入力信号を受け取ることと、
    前記オーディオ入力信号の1つ以上の周波数帯域に対する1つ以上の望ましい利得値を含む、望ましい利得入力を受け取ることと、
    前記望ましい利得入力を受け取ることに応答して、等化フィルタの1つ以上の内部利得値を調整することと、
    前記等化フィルタで前記オーディオ入力信号をフィルタリングして、前記1つ以上の内部利得値に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の周波数帯域を選択的にエンファシスまたはデエンファシスすることとを含み、
    前記等化フィルタは、1つ以上のデジタルフィルタの周波数ワープ形態であるように構成されている方法。
  17. 前記等化フィルタは、前記1つ以上のデジタルフィルタの少なくともいくつかの周波数帯域がより低い周波数帯域に変換されることによって周波数ワープされるように構成されている請求項16記載の方法。
  18. 前記等化フィルタは、前記1つ以上のデジタルフィルタの1つ以上の遅延ブロックを、少なくとも1つのオールパスフィルタに置換することによって周波数ワープされるように構成されている請求項16記載の方法。
  19. 前記少なくとも1つのオールパスフィルタは、単一の乗算器の形態で構成されている請求項18記載の方法。
  20. 前記オーディオ等化フィルタは、1つ以上のワーピングファクタを調整することによって周波数ワープされる請求項16記載の方法。
  21. オーディオ信号を処理するシステムにおいて、
    オーディオ入力信号を受け取る手段と、
    前記オーディオ入力信号の1つ以上の周波数帯域に対する1つ以上の望ましい利得値を含む、望ましい利得入力を受け取る手段と、
    前記望ましい利得入力を受け取ることに応答して、等化フィルタの1つ以上の内部利得値を調整する手段と、
    前記等化フィルタで前記オーディオ入力信号をフィルタリングして、前記1つ以上の内部利得値に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の周波数帯域を選択的にエンファシスまたはデエンファシスする手段とを具備し、
    前記等化フィルタは、1つ以上のデジタルフィルタの周波数ワープ形態であるように構成されているシステム。
  22. 前記等化フィルタは、前記1つ以上のデジタルフィルタの少なくともいくつかの周波数帯域がより低い周波数帯域に変換されることによって周波数ワープされるように構成されている請求項21記載のシステム。
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