JP2010520396A - スパイラルケーシングを有する渦巻きポンプ - Google Patents

Abstract

渦巻き状のスパイラルケーシングを有する渦巻きポンプにおいて、スパイラルケーシングが、第１のケーシング部分（１）と、第２のケーシング部分（２）とから成っており、第２のケーシング部分（２）の真ん中の領域が、湿室（Ｎ）内に位置するロータ（３）を収容するために一貫してカップ形に形成されており、カップ形の底部分（２’）に、ロータ（３）の回転可能な支承のための軸受け（３’）が形成されている。第２のケーシング部分（２）を取り囲むようにロータ（３）の領域の外側で、乾室（Ｔ）内にステータ（４）が配置されている。

Description

本発明は、スパイラルケーシングを有する渦巻きポンプ（ボリュートポンプ）に関する。さらに本発明は、渦巻きポンプの使用に関する。スパイラルケーシングを有する渦巻きポンプは公知である。ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０３４７３０２号明細書には、渦巻きポンプに用いられる、２つの部分から成るスパイラルケーシングが記載されている。このスパイラルケーシングは流体技術的に最適化されて設計されている。このような渦巻きポンプは、通常、電動モータにより駆動される。この場合、電動モータのステータは乾室内に、ロータは湿室内にそれぞれ配置されている。したがってロータは、圧送したい流動媒体の流れによって満たされる湿室内で回転する。この場合、乾室と湿室とは、別個に配置されたキャンもしくは分離管（Spaltrohr）により分離されている。この場合、湿室から乾室への液体または蒸気の流入を回避するために、スパイラルケーシングの一部とキャンとの間にシールエレメントを配置することが必要となるので不都合である。運転時間が長くなる場合、つまりシール部材が徐々に多孔質となる場合、または渦巻きポンプに作用する振動が存在する場合には、液体または蒸気が湿室から乾室へ流入することを、しばしば阻止することができなくなる。このことは、たとえばステータに並んで同じく乾室内に配置されている電子構成部品の損傷に繋がる。

したがって本発明の根底を成す課題は、ロータを取り囲む湿室から乾室への液体または蒸気の進入が完全に阻止されるような、スパイラルケーシングを有する渦巻きポンプを提供することである。

本発明の根底を成す課題は、渦巻き状のスパイラルケーシングを有する渦巻きポンプにおいて、スパイラルケーシングが、第１のケーシング部分と、第２のケーシング部分とから成っており、第２のケーシング部分の真ん中の領域が、湿室内に位置するロータを収容するために一貫してカップ形に形成されており、カップ形の底部分に、ロータの回転可能な支承のための軸受けが形成されており、第２のケーシング部分を取り囲むようにロータの領域の外側に、乾室内にステータが配置されていることを特徴とする渦巻きポンプによって解決される。第２のケーシング部分の真ん中の領域は一貫してカップ形に形成されている。このことは、第２のケーシング部分が、長手方向軸線を中心として、閉鎖された底部を有するほぼ円筒状の部分を形成していることを意味している。カップ形の形成により、ロータを収容するために設けられている湿室Ｎが規定される。第２のケーシング部分は、カップ形の底部分に、ロータの回転可能な支承のための軸受けを形成している。この場合、カップ形の底部分は、それ自体が軸受けとして働くか、またはロータのための軸受けを収容するためにしか使用されない。

意想外にも、第２のケーシング部分の一貫したカップ形の形成により、湿室Ｎから乾室Ｔへの液体の進入は完全に阻止され得ることが判った。湿室Ｎを乾室Ｔからシールエレメントによって別個の分離管もしくはキャンを介して分離することが必要とならないので有利である。これによって湿室Ｎからの乾室Ｔの一貫した分離は、運転時間が長くなる場合にも保証されている。この場合、別個のキャンの配置が完全に不要となるので有利である。

本発明の有利な実施形態では、第２のケーシング部分の外側の領域が、流入部Ｅから流入する媒体の流れ方向に対して垂直な、縦断面円弧形の、輪郭画定部もしくは制限部を有している。この場合、正確な円弧形の形状は、技術者による設計によって流体技術的に最適化される。これによってスパイラルケーシング内の流れ特性の最適な調節を設定することができるので有利である。これにより渦巻きポンプのために必要となる構成スペースを小さくすることができるので有利である。

本発明の対象はさらに、自動車に設けられた冷却水用渦巻きポンプとしての渦巻きポンプの使用である。自動車に設けられた冷却水用渦巻きポンプは、長時間にわたり申し分なく機能しなければならず、この場合、乾室Ｔ内の電子構成部品の損傷が阻止されなければならない。したがってこの渦巻きポンプを自動車の冷却水用渦巻きポンプとして使用することは特に有利である。

以下に本発明を図面（図１〜図３）につき詳しく例示的に説明する。

渦巻きポンプの縦断面図である。 渦巻きポンプの縦断面を分解図の形で示す図である。 公知先行技術による渦巻きポンプの縦断面図である。

図１には、渦巻きポンプが縦断面図で示されている。この渦巻きポンプは、渦巻き状のスパイラルケーシングを有しており、このスパイラルケーシングは、第１のケーシング部分１と、第２のケーシング部分２とから成っている。第２のケーシング部分２の真ん中の領域は、湿室Ｎ内に位置するロータ３を収容するために、一貫してカップ形に形成されている。第２のケーシング部分２は、カップ形の底部分２’に、ロータ３の回転可能な支承のための軸受け３’を有している。この第２のケーシング２を取り囲むようにロータ３の領域の外側で、乾室Ｔ内にステータ４が配置されている。乾室Ｔは、外側でケーシング５によって周囲から閉鎖されている。第２のケーシング部分２の外側の領域は、流入部Ｅから流入する媒体の流れ方向に対して垂直な、縦断面円弧形の輪郭画定部２^＊を有している。流入する媒体は、太矢印で示されている。円弧形の輪郭画定部２^＊によって、スパイラルケーシングの内部での流れ特性は最適化される。湿室Ｎから乾室Ｔへの液体または蒸気の流入は、シールエレメントを配置しなくても阻止されるので、乾室Ｔ内の電子構成部品（図示せず）ならびにステータ４は、液体または蒸気による損傷から保護されている。

図２には渦巻きポンプの縦断面図が分解図の形で示されている。第２のケーシング部分２の真ん中の領域は、ロータ３を収容するために一貫してカップ形に形成されている。したがって、この真ん中の領域により規定された湿室Ｎ（図示せず）は、ステータ４が位置する乾室Ｔ（図示せず）から完全に遮断されている。

図３には、公知先行技術による渦巻きポンプが縦断面図で示されている。公知先行技術によるこの渦巻きポンプは、渦巻き状のスパイラルケーシングを有している。このスパイラルケーシングは、第１のケーシング部分１ｂと、第２のケーシング部分２ｂとから成っている。流入部Ｅｂを通って、圧送したい液状の媒体が、太矢印により示すように湿室Ｎｂ内に流入する。この湿室Ｎｂ内には、ロータ３ｂが回転可能に支承されている。ロータ３ｂの領域の外側には、ステータ４ｂが乾室Ｔｂ内に配置されている。この場合、乾室Ｔｂは、ケーシング５ｂによって周囲から閉鎖されている。湿室Ｎｂと乾室Ｔｂとの分離は、公知先行技術によれば、密閉用容器である分離管もしくはキャン６ｂの配置により行われる。この場合、場合によっては、湿室Ｎｂから乾室Ｔｂへの液体の進入が、キャン６ｂと第２のケーシング部分２ｂとの間に配置されているシールリング７ｂの不都合な配置によって起こり得る。渦巻きポンプ１にたとえば振動が作用する場合、液体または蒸気が、シールリング７ｂを介して湿室Ｎｂから乾室Ｔｂ内に流入することが可能となる。このことは細い矢印により図示されている。こうしてステータ４ｂまたは同じく乾室Ｔｂ内に位置する別の電子構成部品（図示せず）が損傷される恐れがある。このことは本発明による渦巻きポンプにより阻止される。

Claims (3)

1. 渦巻き状のスパイラルケーシングを有する渦巻きポンプにおいて、スパイラルケーシングが、第１のケーシング部分（１）と、第２のケーシング部分（２）とから成っており、第２のケーシング部分（２）の真ん中の領域が、湿室（Ｎ）内に位置するロータ（３）を収容するために一貫してカップ形に形成されており、カップ形の底部分（２’）に、ロータ（３）の回転可能な支承のための軸受け（３’）が形成されており、第２のケーシング部分（２）を取り囲むようにロータ（３）の領域の外側で、乾室（Ｔ）内にステータ（４）が配置されていることを特徴とする、スパイラルケーシングを有する渦巻きポンプ。
2. 第２のケーシング部分（２）の外側の領域が、流入部Ｅから流入する媒体の流れ方向に対して垂直な、縦断面円弧形の輪郭画定部（２^＊）を有している、請求項１記載の渦巻きポンプ。
3. 請求項１または２記載の渦巻きポンプの、自動車の冷却水用渦巻きポンプとしての使用。

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