JP2010518172A - 腹腔内グルタミンによる術後癒着形成の減少 - Google Patents

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Abstract

グルタミンの腹腔内投与を経て持続放出をもたらす放出プロファイルを有するグルタミン源処方物は、術後癒着形成を減少させる。

Description

発明の背景
癒着は、腹膜腔内で形成される線維組織の異常沈着である。腹部癒着は小腸閉塞および女性の不妊症の一般的原因である〔1‐3〕。癒着形成は外科手術後に生じる。ところが、それは腹部および骨盤手術後には極めて一般的であり、顕著な病的状態の原因であり続けている。発生率は、一般的外科腹部手術後での約67%〜93%から、開放性婦人科骨盤手術後での約97%にまで及ぶ〔4,5〕。開腹術をうけたことのある患者の臨床および解剖研究において、腹内癒着の発生率は約70〜90%であった〔6〕。手術における補強材としての、吸収性ポリグリコール酸メッシュおよび非吸収性ポリプロピレンメッシュ双方の使用は、癒着形成の高発生率と関連している〔6a,6b〕。
術後癒着の形成と関連する要因としては、外傷、熱傷、感染、虚血および異物がある。癒着形成と関連する他の要因として、縫合された腹膜内の張りが虚血および擦過傷を生じる、きつい縫合が挙げられる。手袋由来のタルクおよびパウダー、腹部用パック由来の糸くずまたは使い捨て紙のような異物への暴露も、癒着の形成に係わることがある〔7‐9〕。好中球減少は癒着率の低下と関連し、術後癒着を調節する役割を果たしている可能性がある〔10〕。
腹膜は、疎性結合組織に包埋された脂肪細胞と、さらに単核食細胞の集合を主に含んだ、2枚の中皮シートから構成されている。大網は腹膜の最大部分であり、そのサイズは300g〜2000gで、300cm〜1500cmの表面積を有する。網には、腎糸球体と類似するため網糸球体と称される、多くの特徴的な毛細血管の回旋を備えた、豊富な血管の供給がある。これらの毛細血管床は中皮下に直接位置している〔11〕。癒着は、ほとんどが手術後に、腹膜損傷の線維修復の結果として形成されている。
白濁斑(milky spot)は、20〜35週目の妊娠期で、腹膜の大網に特別な構造として発達してくる〔12〕。それらは網糸球体でみられる小体であり、サイズが0.1〜2mmであり、裸眼ではほとんどみられず、低倍率下では原綿のふさのようにみえる〔13,14〕。白濁斑は、血管構造の永続的な糸球体パターン、特別な細胞群および特殊化された中皮ライニング(mesothelial lining)で特徴づけられる。ヒトの場合、白濁斑はマクロファージ(70%)、Bリンパ球(10%)、Tリンパ球(10%)、肥満細胞および間質細胞を含んでなる。1つの白濁斑における細胞の平均数は約600である〔500〕。白濁斑の数は幼時に最高であり、年齢と共に徐々に減少してくる〔12〕。腹部手術から6時間以内に生じる白濁斑の活性化が、癒着形成で役割を果たしている〔16〕。
成熟網のマクロファージは本質的にスカベンジャーである。それらは白濁斑で単球前駆体から分化するらしく、骨髄由来の前駆体には依存していない〔17〕。それらは形状が樹状であり、顕著な食作用能を有している。それらは注入された炭素粒子および細菌を腹腔内で執拗に貪食する。活性化されると、白濁斑のマクロファージ前駆体は増殖し、中皮表面へ移動して、樹状形マクロファージへと変化する。手術後、マクロファージは数が増加し、常在性マクロファージとは異なる機能に変わり、シクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼ代謝産物、プラスミノーゲン活性化因子、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター(PAI)などの様々な物質を分泌する〔9,18〕。これらのマクロファージは新たな中皮細胞を取込み、それが損傷箇所で増殖してアイランドを形成し(forming islands)、腹膜再中皮化をもたらす。白濁斑の刺激後、体液に対する微小血管透過性の増加、好中球、単球およびフィブリンの白濁斑の結合組織マトリックス内における沈着、次いで腹膜腔への中皮ライニングを越えた細胞移動の増加がある〔19〕。
癒着形成は、細菌、化学毒性、虚血、暴露による機械的または単なる乾燥などの有害な刺激によるか否かにかかわらず、腹膜に負わせた損傷から始まる〔16,25〕。損傷は炎症応答へ至り、それがフィブリン沈着、次いでフィブリン癒着へと進行する。フィブリン癒着が損傷の初日のうちに解消されないと、線維芽細胞を含めた修復細胞がフィブリンマトリックス中へ増殖して、それを恒久的線維性癒着へと変えてしまう。このプロセスは損傷から1週間以内で完了する。フィブリン沈着および分解のバランスはしたがって腹膜修復および癒着形成の初期段階で重要である〔25‐27〕。腹膜マクロファージは腹膜腔でプラスミン活性の調節に関与し〔28〕、そのため癒着形成で役割を果たしているのかもしれない〔29〕。
腹腔滲出液中でのフィブリン沈着の防止、局部組織炎症の減少およびフィブリン沈着の除去を含めて、癒着防止および治療の様々な方法が用いられてきた。現行法のほとんどはこれらカテゴリーの1つを抑えているが、未だ限定的な成功に留まっている。再吸収性織布または膜の形をとるインプラント(マクロファージバリアとして作用すると思われる)および生体適合性物質から形成されるゲルも、癒着の形成を減らすために用いられてきた。例としては、商標名INTERCEEDおよびSEPRAFILMで販売されている製品である。
グルタミンは、大手術、ショック、外傷性損傷および重度敗血症のようなある生理学的状況下〔30,31〕において、体が十分な量で合成することができない、条件的必須アミノ酸である。細胞外グルタミンの減少は、マクロファージおよび他の免疫細胞の機能を損ない、骨格筋におけるタンパク質分解の増加を招く〔20〕。マクロファージは、グルタミンを取込み、それを生合成のためのエネルギー形成および前駆体の供給双方に向けた細胞内貯蔵として作用するグルタミン酸として‘捕捉する’高い能力を備えた、極めて活性な細胞である(ATP代謝回転に基づくと1分間当たり10回および酸素消費に基づくと1分間当たり5回)。マウス腹膜マクロファージは、それらが最終分化細胞とみられるとしても、グルタミノライシス(glutaminolysis)のプロセスで多量のグルタミンを利用することが示された〔21,22〕。これらのマクロファージは、高率のタンパク質分泌および膜リサイクリングで特徴付けられる〔23,24〕。グルタミンはヒト骨格筋で未結合アミノ酸プールの>50%を占めているが、血液および組織グルタミンでは、大手術〔32〕、外傷〔33〕および敗血症〔34,35〕のような異化事象後に急速な減少がみられた。
グルタミンは安全でよく吸収され、報告された副作用を有しない。グルタミンは創傷治癒を高めることが知られている。グルタミンおよびそのジペプチド類は、危篤状態の患者において、非経口および経腸(enteral)の補給成分として用いられてきた。Fukuzawaら〔36〕による最近の研究では、グルタミンが、術後患者において、好中球による食作用および反応性酸素中間体(ROI)産生の双方とも高めている、と結論づけた。ランダム化予期研究において、完全非経口栄養(TPN)でグルタミンジペプチド類を用いたMorlionらは、補給群が、腹部手術後に、入院期間が短く、改善された免疫状態および窒素バランスを有している、と結論づけた〔37〕。
アラニル‐グルタミンおよびグリシル‐グルタミンは、遊離グルタミンより高い溶解性と化学的安定性を有し、より安定な構成アミノ酸源となっているため、臨床的に用いられてきた、グルタミンの二種のジペプチド類である〔37‐42〕。グルタミン+アラニン混合物ではなく、アラニル‐グルタミンによる経腸補給は、腸切除後のペプチド輸送の増加によって証明されるように、腸順応を促進している〔43〕。アラニル‐グルタミンはまた、CPM投与後において、ペプチド輸送発現が増加し、血漿グルタミン濃度が上昇することによって証明されるように、腸のダメージも防いでいる〔44〕。最近、アラニル‐グルタミンが単独で術後患者に初めて経腸で用いられ、成功かつ安全と報告された〔53〕。
本発明者らは、グルタミン源の腹腔内投与が術後癒着形成を減らすことを見い出した。グルタミンはマクロファージの直接燃料であるため、これは意外である。腹膜修復および癒着形成において活性化白濁斑由来のマクロファージに推測される役割からみると、グルタミンは癒着の形成を悪化させると予想されることだろう。本発明者らは、本発明に関連した基本的メカニズムに関する推論に拘束されることを望むものではないが、グルタミンの腹腔内投与が活性化白濁斑由来のマクロファージの助力なしに腹膜修復を高めると考えている。
グルタミン投与を伴う従来の療法では、経腸投与(例えば、食品サプリメント)または静脈内経路による非経口投与(例えば、完全非経口栄養処方物の投与)を用いていた。腹膜に影響を及ぼす外科処置を受けるまたは受けた患者に、グルタミン源の腹腔内投与を用いると有利であることが、本発明の結果として理解されるであろう。
本出願者の同時係属出願として国際公開第2007016791号が公開されており、グルタミン源として作用する処方物であって、静脈内注射に適した処方物よりも大きな粘度を有するように増粘化されたものについて記載している。これは、腹膜腔内における処方物の意図通りの適用と選択部位への粘着とを促す。このような増粘化処方物は滅菌され、かつその他にも腹腔内投与に適していなければならず、そのため以前から経腸供給に用いられていたグルタミン含有処方物とは異なる。一例として、グルタミン源が溶解した水相を含有するゲルがある。
グルタミン源は直接的に腹膜へまたは腹膜腔内に投与してもよく、腹膜内またはその付近に配置されるインプラントおよび/または医療器具に適用してもよい。このようなインプラントまたは医療器具の例としては、外科癒着を減らす手段として現在用いられ、またはその使用が意図されている織布または非織布の再吸収性物質、織物、メッシュ、およびその他のバリアまたはシールドがある。グルタミン源は外科用品または埋込型(implantable)の物体に収容または含浸されているか、あるいは複合体を形成している。
第一の態様によれば、本発明は、少なくとも一種のグルタミン源を含んでなる、腹腔内投与または配置用の組成物および製品を提供する。このような組成物または製品は、術後癒着形成を減少させるための患者治療において有用である。この組成物は、手術時、手術後またはその両方における組成物の腹腔内デリバリーに適したデリバリー器具中に存在してもよい。
他の態様によれば、本発明は、術後癒着形成を減少させるためのグルタミン源の使用を提供する。
他の態様によれば、本発明は、術後癒着形成を減少させるための腹腔内投与用薬剤の製造におけるグルタミン源の使用を提供する。
他の態様によれば、本発明は、有効量のグルタミン源を患者へ腹腔内投与することを含んでなる、術後癒着形成を減少させるための患者の治療方法を提供する。
本発明の様々な態様によれば、術後癒着を減少させるために用いられる、腹腔内投与のためのグルタミン源を含んでなる、無菌組成物および製品を提供する。該組成物または製品は、一種以上の薬学的に/生理学的に許容可能な担体、デリバリービヒクル、希釈剤、賦形剤、増粘剤、粘度増強剤などを含んでもよい。
本発明において使用される粘度増強剤は、水和されたときにゲルを形成してもよい。このようなゲル組成物は、水溶性グルタミン源と適切なゲル形成剤とを乾燥形態で含んでいてもよい。後者の処方物はまた、部分的に水和した形態または完全に水和した形態で提供されてもよい。
本発明はまた、グルタミン含有処方物の腹腔内投与を行なうために好適な器具を提供する。該器具は、注入またはその他の押出プロセス、滴下または噴霧をはじめとする様々な公知の手法において、処方物の腹腔内投与に適用させてよく、シリンジ、ベローズ(bellows)容器、スクィーザブル(squeezable)容器、加圧式スプレー器具などの形態をとってもよい。手術時、または手術後の持続点滴のための、埋込型ポンプをはじめとするポンプもまたこれに含まれる。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体および少なくとも一種のグルタミン源を含んでなる腹腔内投与のための組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体および少なくとも一種のグルタミン源を含んでなる浸食制御持続放出組成物(erosion controlled sustained release composition)が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体が少なくとも一種のグルタミン源に結合されてなる、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体が少なくとも一種のグルタミン源を被包してなる、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体が合成ポリマーデリバリービヒクルである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体が脂質デリバリービヒクルである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、脂質デリバリービヒクルが1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン塩である、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体がゼラチンである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、ゼラチンがゼラチンカプセルの形態である、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体がメッシュである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、薬学的に許容可能な持続放出担体がカルボキシメチルセルロースである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、カルボキシメチルセルロースがメッシュの形態である、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、グルタミン源が約2g/kg〜約0.25g/kgの濃度において提供される、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、グルタミン源が約1g/kg〜約0.3g/kgの濃度において提供される、ここに記載された組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、グルタミン源が約1g/kgの濃度において提供される、ここに記載された組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、該グルタミン源が約0.5g/kgの濃度において提供される、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、グルタミン源が約0.3g/kgの濃度において提供される、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、少なくとも一種のグルタミン源がL−グルタミン含有可溶性ペプチドである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、ペプチドがジペプチドである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、ジペプチドがアラニル−グルタミンである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、少なくとも一種のグルタミン源がL−グルタミンである、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、該少なくとも一種のグルタミン源が固形(solid form)である、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、術後癒着形成を減少させ、患者を治療するための、本明細書に記載の組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、術後癒着形成を減少させるための、本明細書に記載の組成物の使用が提供される。
本発明の他の態様によれば、術後癒着形成を減少させるための腹腔内投与用薬剤の製造における、本明細書に記載の組成物の使用が提供される。
本発明の他の態様によれば、有効量の本明細書に記載の組成物の腹腔内投与を含んでなる、術後癒着形成を減少させるための患者の治療方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、該組成物が手術時に腹腔へデリバリーされる、本明細書に記載の方法が提供される。
本明細書において、「グルタミン源」という用語は、L‐グルタミンおよびその生理学上許容可能な塩、並びにL‐グルタミンを含んでなるペプチドを含む。本発明ではL‐グルタミンを用いてよいが、このアミノ酸は比較的低い水溶性(20℃で36g/L)を有し、滅菌および長期貯蔵中に分解しやすい。本発明ではまた、代謝されてL‐グルタミンを供しうる、L‐グルタミンを含んでなるオリゴペプチドを用いてよい。好ましいことに、このようなペプチドはL‐グルタミンの場合よりも水に高い溶解性を示す。多くの場合、このようなペプチドはまた、滅菌および貯蔵中の分解に対して高い抵抗性も示す。本発明で用いられる、このようなペプチドのうち二種は、L‐グルタミンと、L‐アラニンまたはグリシンとを含んでなるジペプチドである。ジペプチド アラニル‐グルタミン(C末端位にグルタミン残基)は水に高い溶解性(568g/L)を有する。グリシル‐グルタミン(C末端位にグルタミン)もまた、グルタミンと比較して水に高い溶解性(154g/L)を示す。後者のジペプチドの各々は、静脈内注射用の完全非経口栄養処方物に従来適用されていた加熱滅菌および長期貯蔵に際して、十分に安定である。
アラニル‐グルタミンおよびL‐グルタミンは、腹腔内で投与されたとき、術後癒着(二次癒着を含む)を減少させ、および/または防止する上で有効である。この効果は、腹腔内出血の存在、縫合糸タイプまたは炎症の程度により妨げられない。現在のところ、アラニル‐グルタミンの効果は、癒着防止について、L‐グルタミンの場合より顕著である。
L‐グルタミンおよびL‐グルタミン含有ペプチド(アラニル‐グルタミンを含む)の薬学的に許容可能な製剤は市販されている。加えて、本発明で使用のL‐グルタミン含有ペプチド類は、公知の手法に従い合成して、薬剤使用向けに精製および滅菌してもよい。
本発明による組成物は乾燥、部分的水和または完全水和の形態をとってよく、グルタミン源に加え、薬学的に許容可能な担体または希釈剤成分、例えば無菌蒸留水、無菌等張液、無菌生理塩水、または希釈された場合にこのような溶液を形成する、乾燥緩衝剤および/または塩混合物もしくは濃縮物を含んでよい。組成物中グルタミン源の量は、投与に際して完全に溶解されたアミノ酸またはペプチドを供給するように選択されてよい。さらに、投与用に処方されたときに組成物から得られるL‐グルタミンの量および/または投与される処方物の総量は、適量のL‐グルタミンを患者に供給するように、熟練医療従事者により選択されるであろう。
L‐グルタミンおよびそのジペプチドの静脈内投与を伴う以前の研究に基づくと、腹腔内用量としては、1日当たり患者kgにつき約0.01g〜約1.0gのL‐グルタミンを供給してもよい。しかしながら、本用量は、これら上限および下限量に入らないように選択してもよい。アラニル‐グルタミンを用いる典型的用量は約0.1g〜約0.5gのジペプチド/kg/日の範囲であってよい。
外科処置に際してグルタミン源を投与するとき、平均的成人患者の典型的用量としては、腹膜腔内に約0.3g〜約2.0gまたは約0.3g〜約1.5gのL‐グルタミンまたはアラニル‐グルタミンとすることができる。
本発明による投与によれば、手術中、閉合前の手術最後に、または閉合直後に、腹膜腔内へのグルタミン源のデリバリーを行なってよい。本発明はまた、その後、注射によるグルタミン源の、術後の腹腔内および/または静脈内投与も考慮している。
本発明に用いられる処方物は、グルタミン源を含んでなる固体、液体、ペーストまたはゲルであってよい。本発明による組成物は、このような処方物であってもよく、または水和されたときにこのような処方物を生じるような組成物でもよい。簡単な形態では、本発明に用いられる処方物は、無菌水性液体ビヒクル中に溶解されたグルタミン源からなっていてよく、これは手術中における腹膜腔内への滴注(instill)またはその後で行なわれる腹腔内注入に適している。この溶液は、適切な無菌容器から腹膜腔中へそれを単に注入し、蓄積させ(depositing)または噴霧することにより、手術中に滴注される。処方物は腹腔鏡手術用に形成されたポートから滴注してもよい。
本発明の使用における処方物は、該処方物が静脈内注射に適した典型的液体処方物よりも高い粘度を示すように増粘化されていてもよい。このような増粘化処方物は、外科処置に際して、腹膜の選択組織もしくは部位または腹膜腔内へ直接適用しうる、ペーストまたはゲルの形態をとりえる。好適な薬学的に許容可能な増粘剤は公知であり、用いてもよい。好ましくは、このような剤は、水和されたときにヒドロゲルを形成するか、または適切な架橋剤へ曝されて水和されたときにヒドロゲルを形成する。このようなゲル形成成分はそれらの生体適合性から選択され、再吸収性であってもよい。医薬処方物で用いられてきた好適な増粘剤およびゲル形成剤の例としては、例えばコラーゲンなどの親水性成分を有するポリマー;例えばポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのポリオキシアルキレンポリマー;ヒアルロネート;アルブミンなどのような様々なタンパク質がある。フィブリノーゲンまたはフィブリンを含有するものをはじめとする止血ゲルもまた、用いてよい。
グルタミン源は埋込型外科用物質または器具に適用し、それらに含浸させ、またはそれらからデリバリーさせてもよい。例えば、本発明のゲル処方物はインプラントの外部へ付着させてもよい。織布再吸収性セルロースのような物質から構成されるインプラント(例えば、商標名INTERCEEDで販売されている種類)も本発明による液体またはゲル処方物で含浸させてよい。該埋込型物質を作製するためのその他の材料は、ポリアミド類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、PTFE、カーボンファイバー類等であってよい。
本発明に用いられる処方物はまた、マクロファージおよび/または繊維芽細胞によるグルタミン源の取り込みを促進するために適用されてよい。さらに、あるいはそれとは別に、該処方物はグルタミン源の延長された、または遅延した放出を提供することができる。
他に特定されない限り、ここで用いられる「持続放出」との語は、当業において一般に理解されるものとして用いられる。本発明の目的のために、持続放出、持続デリバリー、延長放出、および延長デリバリー、遅延放出および遅延デリバリーは互換的に用いられる。「持続放出担体」もまた、当業において一般に理解されるものとして用いられ、かつ、一種以上の薬物と共に組成物中に含まれる際、該薬物が一定期間を通して放出されるように、該一種以上の薬物の持続放出、延長放出および/または遅延放出のパターンを提供する化合物または組成物として定義される。
Controlled Drug Delivery: Fundamentals and Applications, Joseph Robinson et al., ((1987) ed: Robinson, pub: Informa Health Care) の5ページに、「制御された放出とは、時間的または空間的性質に関するか、またはその両者に関するかを問わず、体内における薬物放出の制御を提供できるシステムを意味するというのが一般的なコンセンサスである。言い換えればこのシステムは、標的組織または細胞における薬物濃度を制御しようと試みるものである。従って、長時間にわたる薬物の血液、または組織の治療的な濃度のみを延長させる延長放出または持続放出システムは、この定義によれば制御放出システムとはみなされない。それらは、単純なin vitro試験に基づきin vivoにおける放出速度および持続時間を正確に特定できる、速度制御薬物デリバリーシステムとは区別される〔...〕。一方薬物ターゲティングは、それが体内での薬物放出の空間的制御を示すことにおいて、制御放出の形であるとみなされる。速度制御放出および薬剤ターゲティングは完全に別々のデリバリーアプローチを示すため、それらは別々に考察され得る。」と教示されている。
Robinson et al.,(上記参照)は、薬物放出メカニズムへの様々なアプローチについて記載している。Robinson et al.,は、浸食制御アプローチを拡散による制御アプローチとは区別している。制御された浸食とは、活性剤が持続放出剤へ結合し、かつ/または活性剤が持続放出剤により包囲され、かつ持続放出剤の浸食が薬剤の放出のために提供されるアプローチである。
腹腔内投与に続くグルタミン源のデリバリーを遅延または延長させるために、様々な方法が利用可能である。一つのアプローチとしては、グルタミン源の固形での提供が挙げられる。単純には、これは手術時または手術の終了時における腹腔内へのグルタミン源の固形または結晶形態での直接投与を包含しうる。あるいは、グルタミン源の半流動性または固体の処方物は被包されていてもよく、かつこのようなカプセルは手術時に腹腔内に配置されてもよい。一般に用いられる、溶解するかまたは分解する(例えば酵素作用を通して)被包物質は、ゼラチン、キトサン、デキストラン、ポリマーなどを含む。例えば、半流動性または固体のグルタミン源(例えば粉末または結晶L−グルタミンまたはグルタミンペプチド)を含有する一つ以上のゼラチンカプセルが手術時に腹腔内に配置されてもよい。あるいは、グルタミン源が添加された溶解ペレットが公知の方法(例えばInnovative Research of America、サラソータ、米国、からの持続放出ペレット)を用いて調製されてよく、使用することができる。グルタミン源は浸食し、浸出し、そうでなければ長時間にわたって放出される。適切な持続放出デリバリービヒクルの例は、ゼラチンカプセルである。ゼラチンカプセルは、アラニル−グルタミンおよび/またはL−グルタミン粉末をゼラチンカプセル中に挿入すること、および該ゼラチンカプセルを動物腹膜における使用のために閉鎖すること、または特定の使用および/または配置に適した他の閉鎖方法を用いることにより調製されてよい。
腹腔内への延長デリバリーのためのその他の公知の方法は、インスリンのようなその他の治療法の持続腹腔内デリバリーのための公知の技術に適応させられるであろう。従って、埋込型浸透圧ポンプをはじめとする、外部および内部埋込型点滴ポンプの両者が、腹腔内のグルタミン源の延長または持続デリバリーのために用いられてよい。
小分子薬物デリバリーのためのその他の公知の技術は、腹腔内のグルタミン源の持続または遅延放出の提供のために適応されてよい。ペプチドをはじめとする小分子薬物のデリバリーに適した、様々なデリバリービヒクルが公知である。一般に、これらは、治療剤の天然または合成ポリマーデリバリービヒクルによる錯体化;治療剤の脂質デリバリービヒクルによる被包または錯体化;または埋込を意図するかあるいは医療器具として使用される三次元物体中への治療剤の取り込みを包含する。
重合体デリバリービヒクルに用いられる物質の例は、コラーゲン、フィブリン、アルギン酸塩、キトサン、デキストランなどの「天然」ポリマー、およびシリコン、ポリ乳酸(PLA)ポリマー、ポリグリコール酸(PGA)ポリマー、ポリ乳酸−co−グリコール酸(PLGA)ポリマー、ポリ酸無水物、ポリカプロラクトンポリマーのようなポリエステル、およびポリエチレンビニル−co−アセテート(EVAc)、ポリジオキサノン、ポリリン酸エステルなどのようなポリエチレンポリマーなどの合成物を含む。さらに、重合体デリバリービヒクルは、ペプチド治療剤の共有結合へ、例えばカルボジイミド共役のような様々なペプチド共役機構の使用を通して適用できる。水溶性ペプチドの共役応用に特に有用な共役剤は、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド)(EDC)である。
上記のようなゲル処方物に加え、重合体デリバリーシステムの使用に関わる様々なその他の構造物が公知であり、ここで用いられてもよい。例としてはグルタミン源をポリマーで錯体化することにより調製されたナノスフェア、マイクロスフェアなどがある。このような処方物を調整するため、エマルジョンに基づいた方法論(例えばシングルおよびダブルエマルジョン)、溶媒キャストアプローチおよび発泡工程をはじめとする様々な方法が公知である[56]。収集、洗浄、精製、および乾燥のため、遠心分離、濾過、凍結乾燥などをはじめとする典型的な方法が用いられてよい。このような組成物の凝集物もまた用いられてよい。
脂質を基礎としたデリバリービヒクルの使用例は、脂質を基礎とした膜が形成され、かつそれはグルタミン源を被包するために用いられるミセルおよび小胞(リポソームを含む)を含む。同様に、活性剤が脂質デリバリービヒクルに共役されてもよい。ペプチドのデリバリーのための脂質デリバリービヒクルを形成するための様々な技術は公知である。さらに、この技術は、該脂質を基礎としたデリバリービヒクルと標的細胞との融合、同様に標的細胞によるこのようなビヒクルの優先的な取り込みを促進するために開発されてきた。一例は、グルタミン源を錯体化するための1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン塩(DOTAP)(それ自体で、またはコレステロールのような他の脂質との組み合わせにおいて)の使用であろう。一例は、マクロファージにより取り込まれうる、市販製品のMegaFectin(商標)の使用であろう。アラニル−グルタミンのようなジペプチドは、短い混合時間の後にDOTAPにより錯体化されるだろう。DOTAP製剤のその他の例は公知である[57]。
上記記載の通り、癒着形成を減少させるため、手術時に使用または配置される三次元製品が、グルタミン源のデリバリーのためのビヒクルとして使用されてよく、特にそれは別の面ではインプラントを保護する。インプラントは、長時間にわたって放出されるグルタミン源の大きな貯蔵物を提供できる。構造物は、(例えば)ポリマーとグルタミン源を所望の形状に直接鋳造すること;グルタミン源が負荷されているマイクロスフィアを三次元構造物へと処理すること[56];および、その他の公知の技術によって形成できる。構造物の形状(例えば形、サイズ、多孔性)は、用途に合わせて調整できる。例えば気体プラズマが、インプラントに適した表面特性、または質感を提供するために使用されてもよい。一定の環境においては、内因性の切断機構によって生じるグルタミン源の放出を提供するインプラントの構造または足場に、グルタミン源を結合させることが可能である。
適切な三次元構造物の例は、アラニル−グルタミンおよび/またはL−グルタミンを混合および/または含浸させたカルボキシメチルセルロース(CMC)のメッシュである。このようなメッシュは、CMCをリン酸緩衝液(PBS)中に分散させ、水和させることにより調製されてよい。アラニル−グルタミンおよび/またはL−グルタミンは、混合することにより添加されてよい。得られた混合物は無菌ペトリ皿中へ注いでよい。水はその後メッシュを作るために蒸発させられる。該メッシュはその後架橋され、95%エタノールで洗浄される。洗浄ステップは所望により反復されてよい。該メッシュはその後バイオセーフティーフードの中で乾燥されてよい。メッシュの特定の使用に適した形状は、各形状がアラニル−グルタミンおよび/またはL−グルタミンの所望の濃度を含むように切断されてよい。
グルタミン源は、非再吸収性器具、基質または足場内に含浸させてよく、その足場からのグルタミン源の拡散の結果としての持続性放出が主に達成される。このような物体の作製の際に用いられる非分解性の合成ポリマーの例は、EVAcである。器具の浸食それ自体がグルタミン源の持続性または遅延性放出に寄与するであろう場合、再吸収性の構造物もまた、用いられてよい。再吸収性のバイオ材料の準備において使用されるポリマーの例は、PGA,PLAおよびPLGAである。
本発明に従った三次元構造物または足場からのグルタミン源の放出プロファイルは、多孔性の制御、ポリマー含有量またはコポリマーの割合の改変などをはじめとする様々な公知の方法を通して調整できる。例えば、PLGA器具の分解時間は、短期間から月単位の期間までの範囲に適応できる。
例1
70匹以上の雄性Wistarラット(各350g超)を術後1、3、5、7、10、30日目および約6週目に組織学的に評価した。ラットは、処置の様式、縫合糸のタイプおよび手術中出血の有無に基づき、ランダムに分けた。最初に、3つの手術群(アラニル‐グルタミン処置、塩水、無処置)と、コントロール(無手術)とがあった。アラニル‐グルタミンの代わりにL‐グルタミンを用いた第五群が、予備結果が得られた後に含められた。
ラットをハロタン/ケタミンで麻酔した。中線臍下切開と、腹部閉合後のソイレージ(soilage)を防ぐためのプルストリング(pulstring)での改変盲腸穿刺とを伴う、開放手術を行なった。腸の医原性/外傷性穿孔の臨床展開をまねて、その処置では糞便押出を少し行なった。アラニル‐グルタミン〔Degussa;Coubevoie、フランス〕(0.3g/kg〜1.5g/kg);塩水(5mL);またはL‐グルタミン〔Wiler;PCCA〕(1.5g/kg)をシリンジから腹膜腔中へ滴注した。盲腸、腹部および皮膚を、同一縫合糸を用いて各層で閉じた。様々な吸収性縫合糸(3/0 Vicryl(商標),3/0 Monocryl(商標),3/0 PDS(商標),2/0 Maxon(商標))および非吸収性縫合糸(3/0 Prolene(商標),3/0 Ethibond(商標),4/0 & 5/0 Surgilene(商標),3/0 Novafil(商標))を用いた。創傷を局所麻酔剤で浸透させた。食するに十分な食べ物を動物に与えた
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胃腸管および網を胃からS状結腸まで集め、評価のためにホルムアルデヒド溶液で固定した。
癒着の程度は、標準ヘマトキシリン&エオシンおよびMassonトリクロム染色スライドを用いて、組織学的に評価した。後者は線維形成およびコラーゲン沈着の程度を描写する上で役立った。
白濁班の平均数/高倍率視野(high-power-field:HPF)をスコア化することにより、半定量分析を行った。実験群間でT検定を用いて定量的統計分析を行った。白濁班は炎症および癒着形成のマーカーである。より多くの白濁班がより多くの癒着形成と関連していることが見い出された。
術後10日目、アラニル‐グルタミン処置ラットにおける腹膜の組織学的外観は無処置および塩水処置手術群と比較して極めて少ない癒着であり、バージン(コントロール)ラット腹膜にほぼ匹敵していた。6週目に評価されたラットでもこの結果は続いた。無処置手術群で6〜7白濁班/5HPFに対し、コントロールの腹膜では1白濁班/5高倍率視野(5HPF)であった。アラニル‐グルタミン処置群における白濁班はコントロールと同様であったが、塩水処置群は2〜4白濁班/5HPFを有していた。
また、結果によれば、塩水および無処置手術群と比較して、3〜7日目(アラニル‐グルタミン)処置群では著しく低い量の急性炎症応答が示された。低量のマクロファージおよびマクロファージ走化性タンパク質により、これは明らかであった。L‐グルタミン処置も減少に至ったが、アラニル‐グルタミン処置群より劣る程度であった。塩水および無処置手術群に対し、処置群では10日目の動物において線維形成およびコラーゲン沈着も減少していた。また一方、塩水処置は無処置手術群より良い結果を示した。
アラニル‐グルタミンの用量は0.3g/kgおよび1.5g/kgで有効であった。無処置および塩水処置群では、非編組またはモノフィラメント縫合糸(3/0 Monocryl(商標),3/0 PDS(商標),3/0 Prolene(商標),4/0 & 5/0 Surgilene(商標),3/0 Novafil(商標))より編組縫合糸(3/0 Vicryl(商標),2/0 Maxon(商標),3/0 Dexon(商標)& 3/0 Ethibond(商標))で癒着が多かった。モノフィラメント縫合糸(吸収性 vs.非吸収性縫合糸)では癒着形成に差異的な傾向もみられた。しかしながら、アラニル‐グルタミン処置群は全縫合糸群で癒着を防いだ。
以前のあるヒト研究では、0.19〜0.75g/kg/日の範囲で非経口用量のアラニル‐グルタミンを用いた〔42,47〕。2.972g/kg/日 アラニル‐グルタミンおよび2.0g/kg/日 L‐グルタミン(1.22g/kg/日 アラニンと混合)経腸ボーラスサプリメント(enteral bolus supplement)をラットに与えた〔43〕。本実施例では、0.3〜1.5g/kg アラニル‐グルタミンおよびL‐グルタミンを腹腔内投与した。ラットは手術から回復して通常の活動を続け、アラニル‐グルタミンおよびL‐グルタミンの腹腔内使用に起因した合併症は観察されなかった。
我々は、マクロファージ走化性タンパク質(MCP1)抗体染色を用いて、腹部手術後にマクロファージ活性を評価した。MCP1はマクロファージ活性のマーカーである〔46〕。我々の観察によれば、塩水および無処置手術群と比較してグルタミン源処置群ではMCP1が低くなっており、グルタミン源処置が腹部手術後にマクロファージ遊走に対して阻止効果を有することを示していた。MCP1が上記処置により減少したが、完全に不在ではないという事実は、完全な不在が開腹術後に腹膜炎および敗血合併症を伴うため望ましくないことから重要である〔48〕。
腹膜縫合は虚血、脈管遮断および壊死を増加させ、そのため癒着形成に至りやすい〔49〕。モノフィラメントは編組縫合糸より少なく癒着を生じることが示されたが、それらの細孔が細菌を宿す傾向を有しているからである〔50,51〕。我々は無処置ラットで同様のパターンを観察した。しかしながら、処置によって全縫合糸群で癒着が防がれた。
出血はまた、現行予防療法を使用しても、癒着の高発生率と関連する。腹腔内出血は激しい炎症反応とその広い癒着を引き起こし、それと癒着との関連性は動物およびヒト双方の研究で多数確認されている〔52〕。出血が上記処置の効果を妨げなかったことを我々は観察した。
例2
以前の研究によれば、外科用メッシュが補強材として用いられたときに、癒着形成の高発生率が示されている〔6a,6b〕。我々は実施例1で記載されたように試験を繰返し、手術群で処置に際しMarlex(商標)メッシュを挿入した。実施例1で記載されたものに匹敵する結果が1〜42日目で得られた。
癒着の程度はZuhlkeら〔54〕の癒着スコアを用いて90日目に評価した。このスコア化手順は、癒着に対する他の潜在的な処置法の評価に関する文献に記載されていた〔55〕。90日目に、アラニル‐グルタミンで処置された動物の癒着スコアは0〜1(無癒着または弱い癒着)であり、コントロール群のバージン腹部に匹敵した。これは、約90%に達する癒着形成と報告された、ポリプロピレンメッシュを用いた以前の癒着測定とは異なる〔6a〕。
例3
癒着は再発しやすい。我々はこのような二次癒着におけるアラニル‐グルタミン治療の効果を試験した。実施例1で記載されたプルストリング閉合処置での改変盲腸穿孔をSprague-Dawleyラット9匹で行なった。これらを5群に分け、各群に異なる形のメッシュ(INTERCEED(商標);PROCEED(商標);BARD(商標)複合材;プロレン;および創傷の反復再開により「汚染」させたメッシュ)を施した。メッシュ用品(mesh implacement)を用いて外科処置をグルタミン源の適用なしで行なった。初回手術後6ヶ月目に、開腹術、次いで癒着剥離(adhesiolysis)に続いてアラニル‐グルタミンの滴注を各ラットで行った。3週間後、ラットを癒着の再発について評価し、Zuhlkeら〔54〕に従いスコア化したところ、二次癒着はみられなかった。
例4
15匹の300g超のWistarラットを、上記実施例1に述べたようなプルストリング縫合を通した盲腸穿孔に供した。各ラットにはまた、癒着形成の機会を増大させるようデザインされたProleneメッシュを備えた。該ラットは3匹ずつ;
a)1g/kgの濃度のアラニル−グルタミンを含むDOTAP処方物2mLが投与されるラット;
b)0.5g/kgの濃度のアラニル−グルタミンを含むDOTAP処方物2mLが投与されるラット;
c)0.3g/kgの濃度のアラニル−グルタミンを含むDOTAP処方物2mLが投与されるラット;
d)1g/kgの濃度のL−グルタミンを含むゼラチンカプセルが投与されるラット;および
e)塩水リンスが投与されるラット(コントロール群)、
の5グループに分けた。
該DOTAPはVaccine and Infectious Disease Organization (VIDO)の好意により提供され、かつこれはSigmaより市販されている。我々は、第一のエマルジョンを形成するため、アラニル−グルタミンを含む水性溶液をDOTAP溶液に(アラニル−グルタミン:DOTAP)が3:1W/W、2:1W/W、および1:1W/Wの割合で加え、それぞれの濃度が1g/kg、0.5g/kgおよび0.3g/kgで提供されるようにした。DOTAPおよびアラニル−グルタミンは、使用10分前に約1から2分間、共に振盪することにより混合した。得られた混合物は、アラニル−グルタミンの放出を4日間持続させる、DOTAPカチオン性リポソームである。
ゼラチンカプセルは薬局にてL−グルタミン粉末をゼラチンカプセル中に挿入すること、および動物腹膜での使用のためにカプセルを封じることにより調製した。
上記のグループ分けに従い、ラットに適切なDOTAP処方物(注射器を用いて局所的に腹膜へ)、ゼラチンカプセル(手で局所的に腹膜へ)、または塩水リンス(注射器を用いて局所的に腹膜へ)を投与した。a)からe)それぞれのグループのラットは開腹に供され、a)からe)それぞれのグループの何匹かのラットは4週目に、a)からe)それぞれのグループからのその他のラットは8週目に安楽死させた。安楽死後、ラットを再び開き、腹部の内容物および前腹壁が検査した。
癒着は臓器のそれ自身および前腹壁への付着に関与する。a)およびb)のグループのラットに癒着は見られず、Zuhlkeの評価スコアは0であった。グループc)のラットは弱い癒着または微細な癒着のみを示し、Zuhlkeの評価スコアは1であった。グループd)のラットは微細な癒着を示し、Zuhlkeの評価スコアは1であった。グループe)のラットは著しい癒着を示し、Zuhlkeの評価スコアは4または5であった。
例5
カルボキシメチルセルロース(CMC)およびアラニル−グルタミンのメッシュは、0.17gのCMCを20mLのpH6.4のリン酸緩衝液(PBS)中に分散させ、1から2時間水和させることにより調製した。5mLのアラニル−グルタミンを混合により添加した。混合物を直径10cmの無菌ペトリ皿中へ注いだ。水はメッシュを作るため窒素上で40℃において蒸発させた。該メッシュは10mLの15mM EDCにより、室温で24時間架橋した。該メッシュは95%エタノールで3回洗浄し、その後バイオセーフティーフードの中で乾燥させた。各円が0.3mLのアラニル−グルタミンを含むように、直径2.5cmの円を切り出した。
1匹のラットを、上記実施例1に記載のようなプルストリング縫合を通した盲腸穿孔に供した。該ラットには上記のような2.5cmのCMCメッシュ円を投与した。該ラットをその後閉じた。盲腸穿孔から7日後、該ラットを安楽死させ、再び開き、腹部の内容物および前腹壁を検査した。Zuhlkeスコアにより1と分類される、単一の微細な癒着が前腹壁から腸に観察された。腹部のその他に癒着はみられなかった。
上記発明は、理解の明確化を目的として、説明および実施例によりある程度詳細に記載されてきたが、本請求の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に変更および修正が加えうることは、本発明の教示から当業者には容易に明らかであろう。本明細書で言及されたすべての特許、特許出願および文献は、引用することにより本明細書の一部とされる。
参考文献
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Claims (27)

  1. 薬学的に許容可能な持続放出担体と、少なくとも一種のグルタミン源とを含んでなる、腹腔内投与用組成物。
  2. 薬学的に許容可能な持続放出担体と、少なくとも一種のグルタミン源とを含んでなる、浸食制御持続放出組成物。
  3. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体が、前記の少なくとも一種のグルタミン源に結合されてなる、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体が、少なくとも一種のグルタミン源を被包してなる、請求項1または2に記載の組成物。
  5. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体が、合成ポリマーデリバリービヒクルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体が、脂質デリバリービヒクルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記脂質デリバリービヒクルが、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン塩である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体がゼラチンである、請求項1または2に記載の組成物。
  9. 前記ゼラチンがゼラチンカプセルの形態である、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体がメッシュである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記薬学的に許容可能な持続放出担体が、カルボキシメチルセルロースである、請求項1または2に記載の組成物。
  12. 前記カルボキシメチルセルロースがメッシュの形態である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記グルタミン源が、約2g/kg〜約0.25g/kgの濃度において提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記グルタミン源が、約1g/kg〜約0.3g/kgの濃度において提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記グルタミン源が、約1g/kgの濃度において提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記グルタミン源が、約0.5g/kgの濃度において提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記グルタミン源が、約0.3g/kgの濃度において提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記少なくとも一種のグルタミン源が、L−グルタミンを含有する可溶性ペプチドである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記ペプチドがジペプチドである、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記ジペプチドがアラニル−グルタミンである、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記少なくとも一種のグルタミン源がL−グルタミンである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記少なくとも一種のグルタミン源が固形である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 術後癒着形成を減少させるための患者治療のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 術後癒着形成を減少させるための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  25. 術後癒着形成を減少させるための腹腔内投与用薬剤の製造における、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  26. 術後癒着形成を減少させるための患者治療の方法であって、有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物を患者へ腹腔内投与することを含んでなる方法。
  27. 前記組成物が手術時に腹腔へデリバリーされる、請求項26に記載の方法。
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