JP2013533867A - ケロイド治療 - Google Patents

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Abstract

皮膚バリアを越えて、新しい皮膚が形成される真皮に、所定のサイズの閾値を超える化合物を送達することに付随する困難について認識しているにも拘らず、瘢痕減少の長期に亘る興味により、アラニル−グルタミンが、ケロイド瘢痕の治療能を有するか試験した。驚くべきことに、アラニル−グルタミンの真皮用処方が、瘢痕の重症度の低減及び/又は瘢痕形成の予防に有効であることを見出した。
【選択図】なし

Description

(先願情報)
本出願は、2010年6月28日に出願された米国特許仮出願61/359,053の利益を主張する。
(本発明の背景技術)
癒着は、腹膜腔内に形成する線維組織の異常な沈着である。腹部癒着は、小腸閉塞及び女性不妊症の一般的な原因である(Thompson及びWhawell, 1995, Br J Surg 82: 3-5;Thompson, 1995, Lancet 346: 1382;Ellis, 1997, Eur J Surg Suppl 577: 5-9)。
腹膜は、2枚の中皮シートで構成され、これらのシートは、疎性結合組織に組み込まれた脂肪細胞を主に取り囲み、単核の食細胞の凝集体も取り囲んでいる。大網は腹膜の大部分であり、300gmから2000gmまで様々なサイズを有し、300cm2〜1500cm2の比表面積を有している。大網は、腎糸球体との類似性のため、大網糸球体と呼ばれる、数多くの特徴的な毛細血管の塊に、豊富な血管を供給させる。これらの毛細血管床は、中皮の真下にある(Ackermannら, 1991, Acta Anat (Basel) 140: 146-9)。癒着は、殆ど手術後、腹膜の傷の線維修復の結果として形成される。
術後癒着の形成に関係する要因には、外傷、熱傷、感染、虚血及び異物が含まれる。癒着形成に関係する他の要因には、きつく結んだ縫合が含まれ、その縫合された腹膜内の張力により、虚血及び擦傷が生じる。手袋からのタルク及び粉末、腹部のガーゼ又は使い捨て紙製品からの糸屑などの異物に晒されると、癒着形成を引き起こすかもしれない(Menzies, 1992, Surg Annu 24: 27-45;Bridgesら, 1965, Acta Anat (Basel) 61: 203-12;Drollette及びBadawy, 1992, J Reprod Med 37: 107-21)。好中球減少症は、より低い癒着率を示し、術後癒着を調節する役割を果たす可能性がある(Vuralら, 1999, Hum Reprod 14: 49-54)。
癒着形成は、細菌毒、化学毒、虚血、機械的な乾燥又は露光からの単純乾燥を含む有害刺激によるものであれ、腹膜に負った傷から始まる(Williams及びWhite, 1986, Curr Probl Surg 23: 789-865;Dijkstraら, 2000, Scand J Gastroenterol Suppl 232: 52-9)。傷は、炎症反応を引き起こし、それがフィブリン沈着、次いでフィブリン癒着を進行させる。フィブリン癒着が、傷を受けてから最初の数日間のうちに分解されない場合には、線維芽細胞を含む修復細胞が、フィブリン基質内に繁殖し、永久的な線維性癒着に変化する。この過程は、傷の1週間以内に完了する。従って、フィブリンの沈着と分解とのバランスが、腹膜修復及び融着形成の初期段階において極めて重要である(Dijkstraら, 2000;Vipondら, 1990, Lancet 335: 1120-2;Whawell及びThompson, 1995, Eur J Surg 161: 315-8)。
グルタミンは、条件付きの必須アミノ酸であり、生体は、大手術、感電、外傷及び重症敗血症などの特定の生理環境下では十分な量を合成できない(Smith, 1990, J Parenter Enteral Nutr 14: 40S-44S;Lacey及びWilmore, 1990, Nutr Rev 48: 297-39)。細胞外のグルタミンの減少が、マクロファージ及び他の免疫細胞の機能を悪化させ、その結果、骨格筋のタンパク質分解が増大する(Newsholme, 1996, Experientia 52: 455-9)。マクロファージは、グルタミンを吸収し、グルタミン酸塩として「捕捉」する高い能力を備えた、極めて活性の高い細胞(ATP代謝回転では10回/分、酸素消費では5回/分)であり、エネルギー産生及び生合成のための前駆体提供の双方に対し、細胞内貯蔵として作用する。マウスの腹膜のマクロファージは、たとえ最終分化細胞とみなされても、グルタミノリシス過程を通じて、豊富なグルタミンを利用することを示している(Newsholmeら, 1985, Biosci Rep 5: 393-400;Newsholmeら, 1985, Q J Exp Physiol 70: 473-89)。前記マクロファージは、高効率のタンパク質分泌及び細胞膜リサイクルを特徴としている(Werb及びCohn, 1972, J Biol Chem 247: 2439-46;Ardawi及びNewsholme, 1983, Biochem J 212: 835-42)。グルタミンは、ヒト骨格筋において未結合アミノ酸プールの50%超(>50%)を構成するが、血液及び組織のグルタミンの急速な減少は、次のような異化作用を生ずる出来事、例えば、大手術(Vinnarsら, 1975, Ann Surg 182: 665-671)、外傷(Askanaziら, 1980, Ann Surg 191, 465-72)及び敗血症(Roth, 1985, Z Exp Chir Transplant Kunstliche Organe 18: 150-6;Fukuzawaら, 1995, Transplantation 59: 6-9)などで知られている。
グルタミンは安全で、よく吸収され、かつ副作用も何ら報告されていない。グルタミンは創傷治癒力を高めることで知られている。グルタミン及びそのジペプチドは、重症患者の非経口及び経腸補給成分に使用されている。Fukuzawaら(1995)による最近の研究では、グルタミンが、術後患者の好中球による食作用及び活性酸素中間体(ROI)生成の双方を増強させると結論付けた。前向き無作為化研究において、Morlionらは、完全非経口栄養法(TPN)でグルタミンジペプチドを用い、サプリメント群が病院滞在をより短くし、腹部手術後の免疫状態及び窒素バランスを改善すると結論付けた(Morlionら, 1998, Ann Surg 227: 302-8)。
アラニル−グルタミン及びグリシル−グルタミンは、2つのグルタミンジペプチドであり、これらは、遊離のグルタミンを超える高い溶解性及び化学的安定性のため、臨床的に使用されており、より安定な構成アミノ酸源を形成する(Morlionら, 1998, Ann Surg 227: 302-8;Furstら, 1989, Metabolism 38: 67-72;Karner及びRoth, 1989, Metabolism 38: 73-7;Babstら, 1993, J Parenter Enteral Nutr 17: 566-74;Nordfjeldら, 1983, J Clin Hosp Pharm 8: 265-74;Cardona Pera, 1998, Nutr Hosp 13: 8-20)。腸切除後のペプチド輸送の増加から明らかなように、グルタミンとアラニンとの混合物ではなく、アラニル−グルタミンを腸内補給することにより、腸の順応性を促進する(Satohら, 2003, J Mol Med 12: 615-20)。また、CPM投与後のペプチド輸送発現の増大及び血漿グルタミン濃度の上昇で示されるように、アラニル−グルタミンは腸損傷を予防する(Satohら, 2003, J Gastroenterol Hepatol 18: 719-25)。近年、初めて、アラニル−グルタミンが単独で、報告された通り安全に、術後患者に経腸使用された(Obayan, A.O.E., Oxidative Stress: Natural History and Modulation in Surgery and Trauma Patients. (University of Saskatchewan: 2004))。
(本発明の概要)
本発明の一態様により、ケロイド瘢痕の形成部位又はケロイド瘢痕が形成される可能性のある部位に、有効量のグルタミン源を局所投与する工程を含むケロイド瘢痕を治療又は予防又は予防的に治療する方法が提供される。
好ましい実施態様では、ケロイド瘢痕の形成部位又はケロイド瘢痕が形成される可能性のある部位に、オルガノゲル中の有効量のL−アラニル−L−グルタミンを局所投与する工程を含むケロイド瘢痕を治療又は予防又は予防的に治療する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様では、局所投与のために用意された、グルタミン源を含む医薬組成物が提供される。
好ましい実施態様では、上記医薬組成物は、L−アラニル−L−グルタミンをオルガノゲル中に含んでいる。
(好ましい実施形態の開示)
別に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者に一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び材料と同様又は同等の方法及び材料であれば、いかなるものでも本発明の実施又は試験に使用できるが、好ましい方法及び材料が、これから記載される。以下で言及される全ての刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書では、用語「グルタミン源」には、L−グルタミン及びその生理学的に許容可能な塩の他に、L−グルタミン含有ペプチド[例えば、グルタミン含有ジペプチド又はグルタミンジペプチド(例えば、当該分野で知られ、本明細書で論じられるもの)]も含まれる。L−グルタミンを本発明で使用してもよいが、このアミノ酸は比較的低い水溶性(20℃で36g/L)を有し、滅菌及び長期保存中に分解する傾向にある。代謝されてL−グルタミンを提供できるL−グルタミン含有ジペプチドを、本発明で使用してもよい。このようなジペプチドの具体例には、アラニル−ジペプチド及びグリシン−ジペプチド(glydipeptide)が含まれるが、決してこれらに限定されない。従って、本明細書で論じられるように、本発明の好ましい実施態様では、L−グルタミン又はグルタミン含有ジペプチド[アラニル−ジペプチド及びグリシン−ジペプチド(glydipeptide)など]が、治療を必要としている人に投与される。前記ペプチドは、好ましくはL−グルタミンを超える高い水溶性を示すだろう。しばしば、前記ペプチドは、滅菌及び保存中の分解に対し、向上した抵抗性を示すだろう。本発明に使用されうる前記ペプチドを2つ挙げれば、L−グルタミンと、L−アラニン又はグリシンとを含むジペプチドである。ジペプチドのアラニル−グルタミン(C末端がグルタミン残基)は高い水溶性(568g/L)を有する。グリシル−グルタミン(C末端がグルタミン)も、グルタミン(154g/L)に比べて増大された水溶性を示す。後者のジペプチドは、熱滅菌及び長期保存中、十分に安定である。
本明細書では、「オルガノゲル」は、非晶質、非ガラス質、熱可逆性(熱可塑性)の固体材料を意味し、三次元架橋網に閉じ込められた液状の有機相で構成される。このような固体材料の具体例としては、ゼラチンを埋め込んだカプセル剤が挙げられる。液体は、例えば、有機溶媒、鉱油又は植物油であってもよい。
L−グルタミン及びL−グルタミン含有ペプチド(アラニル−グルタミンを含む)の薬学的に許容可能な製剤は、市販されている。また、本発明に使用するためのL−グルタミン含有ペプチドは、公知の方法に従って合成し、精製し、医薬用途のために滅菌してもよい。
2007年2月15日に公開された公開PCT出願WO2007/016791及び2008年8月21日に公開された公開PCT出願WO2008/098364は、いずれも、全体として参照によって本明細書に組み込まれており、これらの文献で論じられるように、グルタミン源の腹腔内投与が、術後の癒着形成を減少することを見出した。そこで論じられるように、グルタミン投与を伴う過去の治療は、経腸投与(例えば、補助食品の形態で)又は静脈経路を介する非経口投与(例えば、完全非経口栄養剤の投与)のいずれかを行っている。
上記の通り、癒着は、術後の生体の治癒経過における当然の過程として形成する。その経過過程として、生体は、傷を負った組織にフィブリンを沈着する。そのフィブリンは、傷を塞ぐための接着剤のように作用し、細胞マトリックスの沈着を促進するが、互いに癒着するために分離すべきである組織を、癒着して1つに結合する可能性がある。
癒着の研究により、AGが線維芽細胞の挙動を調節することを示したが、この研究より前に、AGが瘢痕形成を治療するために使用できることを示す証拠は全くなかったことは注意すべきである。
当業者に明らかなように、いかなる腹膜損傷も、線維性癒着を形成することがある。我々の先の特許出願で論じられているように、グルタミンは、腹膜用途では異なって処方される必要があり、特に、静脈用途に適した処方よりも高い粘度を有するよう、濃度を濃くする必要があった。特に、グルタミンは、損傷又は創傷に続く(例えば、手術に続く)癒着形成を特に予防又は減少するため、1回適用されることが意図されている。
他方、ケロイド及びケロイド瘢痕は、顆粒組織(III型コラーゲン)の過剰増殖によって引き起こされる。典型的に、ケロイドは、治癒した皮膚創傷の部位に、堅固で弾力のある損傷又はつややかな線維性小結節を形成するが、正常皮膚に拡散することもある。ケロイドは、身体の不快感、例えば、深刻な掻痒及び鋭い痛みを伴うことがある。
特に、ケロイドは、細胞外マトリックス成分、特にコラーゲン、フィブロネクチン、エラスチン及びプロテオグリカンが過剰に沈着した、異型の線維芽細胞の塊によって特徴付けられる。
さらに、当業者に理解されるように、このような濃度の高い処方は、経皮用途には不適当である。
フィブリンは、正常な血液凝固中に形成された、線維性で不溶性のタンパク質であり、凝血の重要因子である。フィブリンは、フィブリノーゲン、すなわち、肝臓で合成された可溶性の血漿糖タンパク質で作られている。コラーゲンは、一群の自然発生タンパク質であり、結合組織、皮膚、腱、軟骨及び骨の主要タンパク質である。
しかし、本発明者の一人は、瘢痕を減少する処方に長期に亘る興味を有しており、癒着形成を減少するときのAGの特性がこの発明者の興味を引きつけた。本発明者は、皮膚バリアを越えて、新しい皮膚が形成される真皮に、所定のサイズの閾値を超える化合物を送達することに付随する困難について認識しているにも拘らず、ケロイド瘢痕の治療に関する組成物を試験することに決めた。驚くべきことに、以下で論じられるように、20〜25%のAG(217.22の分子量を有する)を含む真皮用の処方(又は製剤)が有効であることを見出した。
従って、好ましい実施態様では、有効量のAG又は他の適切なグリセリド含有ジペプチド[決して限定されないが、例えば、アラニル−ジペプチド及びグリシン−ジペプチド(glydipeptide)]を含む、ケロイド瘢痕の治療、予防及び/又は予防的に治療するための医薬組成物が提供される。一実施態様では、「有効量」のAGは、類似の形態を有するが未治療の創傷の結果として形成される瘢痕に比較して、創傷領域でのケロイド瘢痕の形成及び/又はその重症度を減少するのに十分な量である。一実施態様では、有効量は、例えば、5〜35%、5〜30%、10〜35%、10〜30%、5〜25%、10〜25%又は20〜25%のAGであってもよい。好ましい実施態様では、以下で論じられるように、医薬組成物は有効量のAG及びオルガノゲルを含んでいる。
当業者に理解されるように、腹膜腔から真皮に用途形式を変更するために医薬組成物の組成を変更することは、些細な事項ではない。特に、添加剤が異なっているだけでなく、ある場合には、組成物を1回だけ適用するが(腹膜腔用途)、他の場合(皮膚用途)には、組成物を、患者に望ましい頻度で適用してもよい。
アミノ酸のグルタミンは、広範囲に研究され、重病、傷、外傷、火傷の治療及び癌の副作用に関連した治療の他、術後の患者の創傷治療にも有用であることが明らかにされている。通常、グルタミンは、肝臓及び肺で合成されるため、必須アミノ酸であると考えられていない。生体は、ストレスを感じると、ホルモンコルチゾールを血流に放出する。高濃度のコルチゾールは、腸細胞、リンパ球及びマクロファージ(全て正常な創傷治療に必要である)の主要な燃料源である、生体のグルタミン貯蓄を低減することがある。生体のグルタミンの要求が、生体の合成能を超えて増大する可能性があり、従って補給が必要であるのは、生体がストレス下におかれる時である。
歴史的に、局所用ビヒクルとして使用されているオルガノゲルは、生理活性物質(bioactives)の皮膚深層への部位特異的送達を可能にし、様々な病状に対して、非侵襲で、便利で、比較的副作用のない治療選択を可能にしている。上記の通り、アラニル−グルタミン及びグリシル−グルタミンは、遊離グルタミンよりも高い溶解性及び化学的安定性を有し、オルガノゲルの水相により溶けやすい。これにより、皮膚バリアを越えて瘢痕形成部位に、より高い濃度のグルタミンを送達できる。オルガノゲルなどの的確な送達方法を利用しなければ、活性成分のアラニル−グルタミンが、瘢痕形成に関わる皮膚層に近づけないため、腹膜処方を1回投与して創傷を洗浄してもいかなる作用を及ぼすことも期待できないだろう。通常の局所クリームで混合されるときの処方は、Lipoderm(登録商標)(経皮ビヒクル、PCCA含有処方)又はTransdel(登録商標)(経皮クリーム)などのオルガノゲルと共に混合されるときの処方と同じ効果を示さなかった。プルロニックゲルの他の例には、Diffusimax(登録商標)及びPLO(登録商標)が含まれるが、これらに決して限定されない。他の適切なゲルは、当業者に容易に明らかであるだろう。
本発明の一態様により、ケロイド瘢痕の形成部位又はケロイド瘢痕が形成される可能性のある部位に、有効量のグルタミン源を局所投与する工程を含む、ケロイド瘢痕を治療又は予防又は予防的に治療又は重症度を低減する方法が提供される。本明細書で論じられるように、瘢痕の「重症度の低減」は「扁平化」を意味し、又は別の表現をすれば、同じような経過年数及び重症度を有する未治療の瘢痕に比較した、瘢痕の出現(又は外観)の改善を意味することは注意すべきである。
好ましい実施態様では、ケロイド瘢痕の形成部位又はケロイド瘢痕が形成される可能性のある部位に、オルガノゲル中の有効量のL−アラニル−L−グルタミンを局所投与する工程を含む、ケロイド瘢痕の治療又は予防又は予防的に治療又は重症度を低減する方法が提供される。
ケロイド瘢痕形成に関する「予防的治療」とは、傷が最近生成し、ケロイド瘢痕形成の疑いがあるか、又はケロイド瘢痕形成を引き起こすリスクがある部位への組成物の投与を意味することに注意すべきである。あるいは、ケロイド瘢痕形成が分子レベルで始まっていてもよいが、視認可能な瘢痕又は差し迫った瘢痕形成の視認可能な兆候が未だ生成していない部位に組成物を適用してもよい。
本発明のさらに別の態様では、局所投与のために処方又は用意された、グルタミン源を含む医薬組成物が提供される。
好ましい実施態様では、上記医薬組成物は、L−アラニル−L−グルタミンをオルガノゲル中に含んでいる。
好ましい実施態様では、処方(又は製剤)は以下の通りである。
ジメチルスルホン 5g
トラニラスト 0.42g
ブロメライン 2g
L−アラニル−L−グルタミン 10g
バーサベースクリーム(Versabase Cream) qs 100g
当業者に理解されるように、この処方は10%AG含有組成物を形成するだろう。他の実施態様では、本明細書で論じられるように、AGの添加量は、例えば、5〜35%、5〜30%、10〜35%、10〜30%、5〜25%、10〜25%又は20〜25%AG含有組成物を形成するため、変更することができる。
本発明は、これから実施例の様式によって記載されるだろう。しかし、本発明は実施例によって必ずしも限定されない。
実施例1
一個人が、眉毛にワックスを塗っているとき、重度な火傷を負った。瞼には第1級の火傷が生じた。上記のように調製したクリームを適用した。このクリームを、3日間、1日に2回又は3回適用した。火傷、赤み、腫れ及び触れたときの痛みの程度により、皮膚剥脱が予期されたが、それは生じなかった。クリームを適用して数日後、火傷の跡は何もなかった。
実施例2
ケロイド瘢痕の病歴がある一個人が、創傷後すぐに、皮膚領域に上記の局所組成物を適用した。長く深い切り傷が前腕にあり、およそ1cmの長さ及び数mmの深さであった。この個人はケロイド瘢痕の既住があるという事実にも拘らず、驚くべきことに、創傷領域の瘢痕形成が、過去の患者の病歴に基づいて予期された結果に比較して減少した。特に、その個人は傷が生じたとき日の当たる場所にいたせいか、いくつかの変色が見られたが、予期に反して、瘢痕は扁平であった。
本発明の好ましい実施態様は、上述した通りであるが、様々な修正がなされうることが認識され、理解されるであろう。そして、添付された特許請求の範囲は、本発明の趣旨及び範囲内に含まれうるような全ての修正を包括することが意図されている。

Claims (5)

  1. ケロイド瘢痕を治療又は予防又は予防的に治療する方法であって、
    ケロイド瘢痕の形成部位又はケロイド瘢痕が形成される可能性のある部位に、有効量のグルタミン源を局所投与する工程を含む方法。
  2. ケロイド瘢痕を治療又は予防又は予防的に治療する方法であって、
    ケロイド瘢痕の形成部位又はケロイド瘢痕が形成される可能性のある部位に、オルガノゲル中の有効量のL−アラニル−L−グルタミンを局所投与する工程を含む方法。
  3. 局所投与のために処方される、グルタミン源を含む医薬組成物。
  4. 前記グルタミン源が、L−アラニル−L−グルタミンである請求項3記載の医薬組成物。
  5. 前記L−アラニル−L−グルタミンが、オルガノゲル中に懸濁されている請求項4記載の医薬組成物。
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