JP2010517675A - 生物学的刺激による摂取疾患の治療 - Google Patents

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Abstract

味覚を脳へ運ぶ神経を刺激し、修正すべき摂取行動に通常関連する喜びを減退(または、用途によっては増大)させる。

Description

関連出願
本願は、2007年2月5日に出願された米国仮出願番号第60/888,124号、2007年5月14日に出願された米国仮出願番号第60/917,725号、及び2007年10月23日に出願された米国仮出願番号第60/982,039号に基いて優先権を主張し、その利益を享受する。これらの出願の開示は、参照により、その全てが本明細書に援用される。
発明の背景
本発明は、摂取、及び/又は口の満足を求める疾患を有する患者の行動修正に関し、特に、そのような病気を治療するシステム、及び方法に関する。
座ることが多くなるにつれて、公衆衛生上の問題として、肥満が増大している。多くの人々は、自分達のエネルギー需要を超えるカロリー摂取を防止することが難しく、その結果、肥満は叙々に増加している。肥満は、精神的打撃をもたらすだけでなく、心臓病、糖尿病、及び恐らくは癌を患う可能性を増大させ、寿命を縮める。そのため人々は、体重を減らし、及び/又は少ない体重を維持する試みとして、膨大な金額をダイエット、運動療法、及び処方薬に費している。
しかしながら、この努力に反して、大半のダイエット志望者は、長期的な成功を成し遂げていない。あまりにも多くの人々が、たとえ体重を落とすことに一時的に成功したとしても、以前の食べる習慣を取り戻し、失った体重を再び取り戻している。こうした人達は、食べる習慣を改善し、いったん体重を落とすことに成功した後、失った体重を再び取り戻さないようにしなければならない。
喫煙、飲酒、又は違法薬物の使用を止めようとする者も、同様の局面に遭遇する。いずれの場合も、人々は、止めるための最初の努力の後、長年の習慣に逆戻りし、自分が達成した進歩を無にすることがないように、自分の行動を修正する手助けを必要とする。そのような手助けの試みには、例えば、催眠術や、ジスルフィラム(アンタビューズとして市販されている)のような薬物の使用がある。ジスルフィラムは、服用者にとってアルコールを不快なものにする。催眠術は、当然ながら毎日継続することが難しく、薬物の使用は、副作用、及び長期的毒性に関する心配を増加させる。
従って、行動の修正を容易にし、食品、飲料、タバコ、又は違法薬物の摂取に関わる疾患(以下、「摂取疾患」)の克服における長期的成功の可能性を最大限増加させるような方法が、依然として必要とされている。理想的には、そのようなアプローチは、出来る限り侵襲的ではないことが好ましく、必要に応じて、患者自身によって実施できることが好ましい。
本発明の種々の実施形態は、食品、飲料、タバコ、又は違法薬物を摂取したいという人の衝動のコントロールを助けることにより、摂取疾患を治療する。また、本発明は、しゃっくりの抑制にも有効であることが判明しており、従って、本発明の目的に関し、しゃっくりも、「摂取疾患」であるものとみなされる。種々の実施形態において、本発明は、味覚を脳へ運ぶ神経枝を刺激し、修正すべき行動に通常関連する喜びを減退(又は、用途によっては増大)させる刺激を生じさせることを特徴とする。
本発明による装置は、口腔の神経に電気刺激を印加する。口腔は、第5(三叉神経)、第7、第9、第10、及び第12の脳神経を含む。刺激は例えば、硬口蓋、軟口蓋、及び/又は舌に印加される場合がある。三叉神経、すなわち、鼓索神経から延びる繊維のような顔面神経の刺激により、次の3つのうちのいずれかの感覚が、ユーザに発生する。(1)刺激停止後、ある時間にわたって継続する程よく不快な味、及び、それによって、食べる、飲む、又はタバコを吸うことにより口を満足させたいというユーザの欲求を減退させる。(2)集中的な幸福感、又は(3)満足感。ユーザが体感する感覚は、特に、パルス周波数、パルス持続時間、及びタイミングによって大きく変わり、特に、パルスの周波数、及び/又は持続時間を変化させたときに大きく変わる。
本発明の目的にとっては、応答(1)、及び/又は(3)が望ましい。幸福感応答は、100Hzから300Hzの間の比較的高い周波数において得られる傾向にある。幸福感応答は、本発明の摂取関連の目的には直接関係せず、応答(1)、及び(3)とは違い、後に残らない傾向にあり(満足感は、数時間にわたって持続する傾向にあるのに対し、幸福感は、刺激の最中、又はその直後にしか感じられない)、必ずしも一貫性はない。すなわち、幸福感は体感として、刺激の度に異なる傾向にある。
本発明の種々の実施形態によれば、パルス持続時間、周波数、及びタイミング、並びに、電圧、及び電流の範囲を変化させることが可能になる。本発明による装置は、公衆の面前で使用するのに十分に目立たない形で実施することができ、また、本発明は、薬物を全く使用しないので、毒性の心配も生じない。本発明のアプローチは、既存のダイエットプログラムと組み合わせて使用してもよいし、食欲抑制剤のような他の製品に対する補助として使用してもよい。
本発明による刺激装置は、アクリルプラスチックのような任意の非導電性の生体適合性材料から構成され、口腔内に刺激を与えるための1以上の電極を有する場合がある。電極は、任意の導電性の生体適合性材料から作成することができ、銀、金、ステンレス鋼、及びプラチナが好ましい。電極は、消毒可能に、又は使い捨てにしてもよい。一実施形態において、刺激装置は、携帯機器の形を有し、その少なくとも一部をユーザの口腔に挿入することができ、刺激装置の平坦な表面に、2つ、4つ、又は碁盤目状の電極を備え、電極を舌に接触させ易いように構成される。他の実施形態として、刺激装置は、ユーザが自分の口に挿入する棒付きキャンデー、又はリップクリームのような形を有するものであってもよい。刺激装置は、ちょうど歯列矯正における歯の固定器具と同様に、ユーザの硬口蓋の形に適合するように構成される場合がある。
このように、第1の態様において、本発明は、口の満足を求めるユーザの欲求を減退させる装置に関する。種々の実施形態において、この装置は、ユーザの体の一部に電気回路を形成するために、互いに間隔を空けて配置された少なくとも2つの電極を備える。電極の少なくとも1つは、ユーザの口腔の表面に接触するように構成される。また、この装置は、電極間に電気刺激を発生する回路をさらに含む。刺激は、口の満足を求めるユーザの欲求を減退させる神経反応を引き起こす。電気刺激は、例えば、例えば二相信号のような、時間的に変化する電気信号を含む場合がある。実施形態によっては、信号は、10Hz〜50Hzの範囲の一定周波数を有する場合がある。また、実施形態によっては、150Hzから300Hz、10Hzから50Hz、又は10Hzから100Hzの範囲の可変周波数を使用する場合がある。例えば周波数は、約4秒の時間をかけて変化する場合がある。信号は、100マイクロ秒から1ミリ秒の範囲で変化するパルス幅を有する場合があり、パルス幅は、約4秒の時間をかけて変化する場合がある。実施形態によっては、10マイクロアンペアから10ミリアンペアの範囲の電流振幅を有する場合がある。
装置は、信号の効果をモニタリングし、モニタリングされた効果に応答して少なくとも1つの信号特性を変更するための監視モジュール、及び変更された信号の特性を表すデータを格納するための記憶回路を含む場合がある。実施形態によっては、監視モジュールは、電極間において抵抗閾値、又はインピーダンス閾値が検出されるまで、電気信号の発生を防止する場合がある。装置の種々の実施形態は、例えば、アラーム・クロック、カレンダー、LCD、カメラ、アドレス帳、MP3プレイヤー、及び/又はボイスレコーダのような、消費者にとって魅力を向上させる機能を実施する補助的な回路を含むことがある。
第2の態様において、本発明は、摂取疾患を治療する方法に関する。種々の実施形態において、この方法は、ユーザの口腔の表面に電気刺激を印加し、口の満足を求めるユーザの欲求を減退させる神経応答を引き起こすことを含む。表面は、硬口蓋、軟口蓋、及び/又は舌であってもよい。電気刺激は、二相信号のような時間的に変化する信号を含む場合がある。実施形態によっては、信号は、150から300Hzの範囲で変化する周波数を有し、周波数は、例えば、約4秒をかけて変化する場合がある。信号は、100マイクロ秒から1ミリ秒の範囲で変化するパルス幅を有する場合があり、パルス幅は、約4秒をかけて変化する場合がある。実施形態によっては、信号は、100マイクロアンペアから10ミリアンペアの範囲の電流振幅を有する場合がある。この方法はさらに、信号を特定のユーザに適合させることを含む場合がある。
図中、種々の図面を通じて、同様の参照文字は一般に、同じ特徴を指している。また、図面は必ずしも拡大縮小されてなく、むしろ、本発明の原理を示すために強調が施されている。下記の説明では、図面を参照しながら、本発明の種々の実施形態について説明する。
本発明の動作に関連するパルスパターンを示す図である。 本発明の動作に関連するパルスパターンを示す図である。 本発明の動作に関連するパルスパターンを示す図である。 本発明の動作に関連するパルスパターンを示す図である。 本発明によるバイオ刺激装置の種々の構成部品を示す概略図である。 本発明による携帯装置を示す斜視図である。
1.動作原理
概して、本発明は、例えば、C.H. Lemon、及びP.M. Di Lorenzo著、J. Neurophysiol. 88:2477-2489 (2002); W.O. Wickelgren著、J. Physiol. 270:115-131 (1977); I. Nussinovitch、及びR. Rahamimoff著、J.Physiol. 396:435-455 (1988); 並びにK. L. Magleby著、J. Physiol. 234:353-371 (1973)に記載されているような強縮刺激を印加することにより、神経の増強を達成する。これらの文献の内容は、参照によって、その全部が援用される。強縮刺激によれば、神経が元の状態に戻る速度よりも速い速度で、一連の刺激パルスを神経に伝達することができ、その結果、神経増強と呼ばれる非線形神経応答を生じさせることができる。実施形態によっては、パルス列全体にわたって減少するパルス幅、及びパルス間隔を有する一連のパルスを印加することによって、強縮刺激に影響を与える場合がある。そのような場合、パルスは、パルス列の始まりから終わりへ向かって、時間的に叙々に短く、互いに近づいてゆくことになり、それが、刺激に対する神経応答を強める。以下で説明するように、電気刺激のための最適パラメタは、最小限の実験で、簡単に究明することができ、自動的に究明することもできる。
パルス列は、所望のプロファイルに適合する一連の電流パルス、又は一連の電圧パルスを含む場合がある。好ましいパルス幅は、約1マイクロ秒から約10秒までの範囲であり、より好ましくは、約100マイクロ秒から1ミリ秒までの範囲であり、500マイクロ秒が一般的であり、1〜100マイクロ秒の範囲もまた、見込みがあることが分かっている。パルス反復周波数、すなわち、1秒あたりのパルス数は、概ね100Hzより低く、通常は、10〜50Hzの範囲にある。ただし、100Hz〜500Hzの範囲にある比較的高い周波数も、有用である。
刺激中にパルス幅を変更し、及び/又はパルス反復周波数を変更し、特に比較的高い周波数においてそれらを変更するにより、より強い強度、及びより顕著な中枢効果が得られることが分かった。特に、例えば1秒から10秒の時間をかけて、好ましくは4秒の時間をかけて、周波数を150Hzから300Hzへ変化させ、さらに150Hzに戻したときに、効果は、大きく強調されることが分かった。また、例えば1秒から10秒の時間をかけて、パルス幅を短から長へ変化させ、さらに再び短へ戻したとき(例えば、100マイクロ秒から1ミリ秒へ変化させ、さらに100マイクロ秒へ戻したとき)、効果は、強調されることが分かった。一定周波数を維持しながら、又は周波数も変化させながら、パルス幅を変化させることは、腸運動に影響を与え、食に対する生理的欲求を減退させる結果を招く感覚をユーザに与える傾向にある。
刺激パターンの一例として、25Hzのパルスを1秒間(すなわち、25パルス)印加し、1秒間何もパルスを印加せず、25zのパルスを1秒間印加し、さらに再び、1秒間何もパルスを印加しない場合がある。このパターンが、刺激セッション(例えば、20〜30秒)全体にわたって繰り返される。この一般的アプローチは、一定周波数、一定パルス幅、変化する周波数、及び/又はパルス幅を使用した刺激に適している。このアプローチは、活動電位の一斉射撃において、ニューロンが、休止時間を空けて発火するという事実に基く。
最適なパルス振幅は、使用される電極の数、及びサイズによって決まる(そして、電荷や電流密度も、それらによって決まる)。好ましい動作電圧は、約1マイクロボルトから約50ボルトの範囲であり、より好ましい電圧は、約1ミリボルトから10ボルトの間であり、特に好ましい電圧範囲は、約5ボルトから約10ボルトの範囲である。好ましい動作電圧範囲は、約100マイクロアンペアから約10ミリアンペアであり、大まかに言えば、250マイクロアンペアが、効果を生じさせる、すなわちそれを感じる閾値である一方、4、又は5ミリアンペアが、痛みの閾値である。ただし、これらのパラメタは、電極の数、位置、及びサイズ、並びにユーザの舌の質量に応じて大きく変わる。比較的大きな振幅においては、周波数が低下するほど、生じる痛みは小さくなる。1インチの間隔を空けて2×2の碁盤の目を成すように構成された直径7ミリメートルの4つの電極を使用した場合、3.5ミリアンペアよりも高い振幅のときに、舌は痙攣(筋紡錘の収縮を示す)を開始することが分かった。ユーザの舌の生理学的特性が変われば、この結果も変わるであろう。
説明を簡単にするために、電流パルスに着目して説明するものと仮定し、電流源は、所望のパルスプロファイルに従って、1以上の電極対の間に電流を印加するものとする。ただし、同じ原理は、電圧パルスにも適用されるものと考えなければならない。図1Aに示す単相パルスでは、一定の電流が1秒間(一般に、数十マイクロ秒から数百マイクロ秒程度)流れた後、次のパルスまで、外部刺激回路は開回路になる(すなわち、電極から電気が有効に除去される)。二相パルスでは、一定の電流が、ある方向に流れた後、電流の向きが反転され、次のパルスまで、回路は開回路になる。二相パルスでは、最初のフェイズ、すなわち刺激フェイズは、活動電位の開始のような所望の生理学的作用を発生させるために使用され、第2のフェイズ、すなわち反転フェイズは、刺激パルスの最中に発生する電気化学的プロセスを反転させるために使用される。反転フェイズは、組織、及び金属電極に損傷を及ぼす可能性がある状態を反転させるのに役立つ。そのような訳で、単相パルスが、刺激に最も有効であるが、単相パルスは二相パルスほど安全ではない(組織の損傷を避ける意味で)。D. R. Merrill他著、J. Neurosci. Meth. 141:171-198 (2005)を参照。従って、二相パルスは、本発明にとって好ましいが、単相パルスも、用途よっては有用な場合がある。
正のパルスも刺激に使用される場合があるが、負のパルスを刺激フェイズとして使用し(図1A〜図1Dに示すように、パルスにおいて電流が負になる)、その後に、正の反転フェイズが続くことも、一般的である。刺激の周波数は、周期の逆数、すなわち、2つの連続したパルスの開始点間の時間の逆数であり、各パルスは、パルス幅PWを有する。パルス間間隔(IPI)は、あるパルスの終わりから次のパルスの始まりまでの間の時間である。
図1Bは、電荷バランスのとれたニ相パルスを示しており、この場合、刺激フェイズにおける電荷は、反転フェイズにおける電荷に等しい。図1Cは、電荷バランスのとれていない二相パルスを示しており、この場合、2つのフェイズが存在するが、刺激フェイズにおける電荷は、反転フェイズにおける電荷よりも大きくなっている。電荷バランスのとれていない二相波形は、負の方向においても、正の方向においても、復元不可能な電荷を減少させる。これらは、刺激を受ける組織、又は金属電極に対する損傷を最小限に抑えるのに役立つ。図1Dは、刺激フェイズと反転フェイズの間のフェイズ間遅延の使用を示している。この遅延は、二相パルスにおいて、反転フェイズが、刺激フェイズの所望の生理学的効果の一部を無効化する可能性(それによって、神経の刺激に要する閾値が増大する)に対処する。遅延(通常は100マイクロ秒で十分である)は、この閾値を単相パルスの閾値付近のレベルにまで低減する。
出力パターンを特定ユーザに適合させるために、すなわち、ユーザの神経細胞が刺激に順応すること(及び、それに従って反応性が低下することを)を防止するために、種々のパラメタは、変更される場合がある。パラメタは、各一回の使用中に変更される場合もあれば、複数回の使用の間に変更される場合もあり、それらを組み合わせてもよい。変更されるパラメタには、例えば、パルス幅、及びパルス反復周波数がある。
装置を最初に使用するときの最初の「衝撃」を無くすために、パワー出力は、複数パルス分の時間から数秒の時間をかけて一定比率で上昇され、ユーザが刺激を受けることを「容易」にする場合がある。また、初期化手順、又は設定手順を組み込み、ユーザが、パルスの快適な最大パワーレベルを設定できるようにすることも望ましい。これは、ユーザが装置を使用しながら、パワー出力をゆっくりと一定比率で上昇させることによって達成される場合がある。出力が、不快になり始めた時点で、ユーザは、装置を取り除くことができ、装置は出力レベルをメモリに記録する。また、装置はさらに、使用周波数をモニタリングし、出力パワーを低下、又は制限するように構成される場合があり、あるいは、場合によっては、怪我を防止するために、出力を完全に無効にすることもある。
2.代表的構成
図2は、本発明による機能を実現する回路アーキテクチャ200を示す一般的表現である。構成部品の役割、及び構成部品間の関係を示すために、種々の構成部品が示されているが、これは、例示の目的で示されているに過ぎない。他の計算機構成(例えば、構成部品間の通信を可能にする双方向バスの使用)も、本明細書の開示範囲内にあるものと考えるべきである。
回路200は、206、206で示される少なくとも一対の外部電極を駆動するパルス刺激器203を含む。監視回路210は、電極に接続され、電極206間の電圧、及び/又は電流をモニタリングする。監視回路210はさらに、電極206間の組織(例えば、舌)のインピーダンスのような派生パラメタを追跡記録する場合がある。監視回路210は通常、出力パラメタを超過していないことや、電極206間の電圧、若しくは電流が、期待値に一致していることを確認するといった、基本的なフィードバック機能を実施する。さらに、回路210は、最小限のユーザ動作で自動運転を可能にする条件を検出することも出来る。回路210は、例えば、電極206間の抵抗値が、ユーザの舌との間の接触を示すポイントまで低下したときに、装置の使用を検出し、パルス刺激器を駆動する場合がある。また、回路210は、例えば、電極206間の抵抗値の増加から、ユーザの舌との間の電気的接触が不十分であること、すなわち装置がユーザの舌から取り除かれたことを検出し、パルス刺激器の動作を停止させ、及び/又は、音声、映像、若しくは他のフィードバックメカニズムを利用して、電気的接触が不十分であることをユーザに知らせる場合がある。同様に、較正の際に(以下で説明するように)、回路210は、ユーザの舌からの電極206の除去を検出することができる。これは、ユーザの許容レベルに達したこと、及び電流出力パラメタを上限値として記憶すべきことを意味する。
実施形態によっては、監視回路206は、パルス刺激器203の一部である場合もあれば、例えば、アナログ比較器、閾値回路、又はトリガ、及び派生パラメタを計算するための計算モジュールを含む独立した専用の回路である場合もある。監視回路206はさらに、最大安全電流、若しくは最大安全電圧に対応する値、及び装置が使用中であることを示す最小電流、若しくは最小電圧に対応する値を記憶する場合がある。
マイクロプロセッサ215は、回路200の全体的動作を制御する。プロセッサ215に関するプログラムは、記憶回路218の書き換え不能部分に配置される。記憶回路218は、動作中にプロセッサ215によってメモ帳のように使用され、入出力機能を支援する揮発性(例えば、ランダムアクセス)メモリ、及び動作中に定義されたユーザ固有パラメタを記憶するための不揮発性(例えば、フラッシュ、又はマイクロディスク)メモリを含む場合がある。記憶回路218は、マイクロプロセッサに組み込まれる場合もあれば、独立した回路として構成される場合もある。プロセッサ215はさらに、ディスプレイドライバ220を制御し、ディスプレイドライバ220は、外部ディスプレイ223の外観、及び外部ディスプレイ223に表示される情報を指示する。1以上の入出力(I/O)モジュール226は、外部制御手段(例えば、一連のボタン230)へ信号を送り、又は外部制御手段から信号を受信し、あるいは、1以上のI/Oポート(例えば、USBポート235、ヘッドフォンジャック等)を介して信号を送受信する。回路200は、電源238から電源の供給を受ける。後で詳細を説明するオプションの補助回路240は、本発明の基本的機能を補い、及び/又は、装置の魅力を向上させる無関係の機能を提供する場合がある。事例、又は機能によっては、補助回路240は、I/Oモジュール226と直接通信し、若しくはI/Oモジュール226を介して通信を行い、さらに、プロセッサ215をバイパスし、ディスプレイドライバ220とも通信する。
回路200を機能的装置として実現する態様を図3に示す。回路200はハウジング305に収容され、ハウジング305は、ユーザの口に挿入し易いように構成され、4つの電極を舌に接触させる位置まで持ってくることができるように構成される。表示装置223は、本発明の動作に関連する状態情報を表示することができる。例えば、表示装置223は、適当な時点で装置を使用すべきことをユーザに知らせるリマインダーを表示する液晶表示装置(LCD)であってもよい。(可聴アラームを発する音声トランスデューサを含む場合もある。)設計に含まれる補助回路240によっては、表示装置223はさらに、装置の補助機能に関連する情報を表示する場合もある。
ボタン230により、ユーザは、装置の動作を制御することが出来るが、以下で説明するように、回路200は、監視回路210により検出された状態に基いて自動的に動作するようにプログラムされることが好ましい。従って、補助回路のための専用のボタン(及び/又は、トラックボール、スライド制御手段、クリックホイール等のような他のI/Oデバイス)のための空間を残しながらも、本発明の機能にとって専用のボタン230の数は、最小限に抑えることが好ましい。
ハウジング305については、他の構成も可能である。例えば、ハウジング305は、リップスティック、又はリップクリームチューブのフォームファクタを有する場合がある。あるいは、種々の構成部品を複数のハウジングに分離することも可能である。例えば、電極206は、回路200を収容する帯状ハウジングにケーブルを介して接続された棒付きキャンデーの形をした固定具に配置される場合がある。帯状ハウジングは比較的大きくてもよいので、比較的大きな電源、及び比較的大きな補助回路を含めることができる。棒付きキャンデーの形をした固定具は、使い捨てである場合もあれば、簡単に取り外し、交換することが可能な使い捨てヘッドを有する場合もある。
また、回路200の構成部品は、単一のハウジング305内において独立した複数の部分に分割される場合がある。例えば、刺激に関連する機能に責任を負う構成部品は、回路200の一部に配置され、残りの構成部品は全て、独立した単一物理セクションとして構成される場合がある。この分離設計によれば、新たな機能の比較的簡単な配備、及び装置改修が可能となり、場合によっては、そのような変更に関するFDAの認可も単純化されるかもしれない。回路200は、固定器具、マウスガード、ピアス、または、口腔内に留まる装置に組み込むこともでき、それらにより、ユーザは、刺激装置を常に身に着けていること(及び、場合によっては、一定の時間間隔で自動的に刺激を受けること)が可能になる。
図2を再び参照すると、パルス刺激器203は、上で述べた電流パルス、又は電圧パルスを生成する機能を備えた従来の信号発生器を含む。出力は、短絡回路から保護されることが望ましい。また、電位は、生理学的組織、又は電極にとって耐えられないレベルで不可逆ファラデー反応が発生することが無い限度内に維持しなければならない。もし、不可逆ファラデー反応がどうしても発生する場合、それらは、生理学的に許容できるもので、かつ、電極にとって許容できるものでなければならない。すなわち、不可逆ファラデー反応の有害な作用は、大きさとして小さいものでなければならず、例えば、もし腐食が発生しても、非常に遅い速度であり、電極は、長持ちすることになる。
プロセッサ215は、メモリ218に記憶されたパラメタに基いてパルス刺激器203の動作を制御する。プロセッサ215、及びハルス刺激器203によって訓練される制御の比例度は、ありふれた設計事項に相当する。一部の実施形態では、パルス刺激器203は、パルス列の形、反復周波数(何れも、上記のように、変わる場合がある)、及び振幅を指定するパラメタに基いてパルスパターンを生成する機能を備えている。他の実施形態では、パルス刺激器203は、単純な電流源、又は電圧源(あるいは、何れかのモードで動作する機能を備えた電源)であり、プロセッサ215は、電源をオン/オフする所望のパルスパターンに一致する一連のビット切り替え信号を送信することによって、その出力を直接管理するマイクロコントローラとして動作する場合がある。「プッシュ・プル」出力技術とともに、上記の実施形態の1つを使用することにより、二相パルスパターンを実施することができる。
好ましい実施形態として、電源238は通常、1以上の電池を含み、電池は、任意選択で再充電可能であってもよい。例えば、電源238は、充電クレードルに誘導的に結合された回路を含む場合があり、ハウジング300は不使用時に、電気歯ブラシに使用される無線充電システムに酷似して、充電クレードルに配置される。その結果、装置30を完全防水にすることができ、次回の使用に備えて装置300を徹底的に掃除することが可能になる。さらに、充電クレードル(または、装置305自体)は、UVランプ、又はUV LEDを使用した紫外線(UV)殺菌システムを含み、使用と使用の合間における殺菌が可能である場合がある。
上記のように、ユーザに実際に伝達される電荷、又は電流密度は、電極のサイズによって決まる。一般に、神経は、舌の上の十分に広い範囲にわたって存在しているので、電極の正確な設置は、重要ではない。舌の先(前方)の部分は、中間部や後方部に比べて鋭い感覚を有する。従って、電極206の数、及び構成は、特定の設計に合わせて専用とされる場合がある。1つの方法として、単一の電極をユーザの口蓋に接触させ、カウンタ電極をユーザの体のどこかに設置し(例えば、手首に巻きつけ)、又は回路200内のグラウンドに接続する場合がある。あるいは、実施形態によっては、口内接触用に構成された2つ、4つ、又は9以上の碁盤目状の電極を使用する場合もある。例えば、碁盤目内の異なる電極対はそれぞれ、パルス刺激器203によって個別にアドレス指定可能なチャネルを構成し、さらに、そのチャネルが、ユーザによって体感される刺激器パターンを変化させるための(順応を避けるために)、例えば、限定はしないが、パルス振幅、パルス周波数、パルス幅、及びパルスタイミングのような種々のパルスパラメタを有する異なるチャネルを駆動する場合がある。リング構成の場合、円形の中心電極が、電流のリターンパスとして機能する環状の導電性リングによって囲まれ、2つの導電性領域の間に、非導電性の環状ギャップが形成される。
実施形態によっては、ハウジング305は、使用と使用の合間にユーザが、電極を装置の中に格納し、電極を清潔に保ち、電極を保護するための格納メカニズムを有する場合がある。あるいは、装置はさらに、電極の上に装着され、同じ働きをする着脱可能なキャップを備える場合がある。
一般に、電極は、任意の導電性の生体適合性材料から作成することができ、銀、金、ステンレス鋼、及びプラチナは、好ましい金属である。ただし、カーボン、又は他の非金属材料、例えば、薄い可撓性基板の上に印刷された導電性のインクなどを使用することも可能である。そのような基板は、上記のような電極格納にも役立つことがある。タングステン、金、又は、プラチナ/プラチナ−イリジウムのような非鉄導電性材料は、磁気共鳴画像診断(MRI)、及び機能的磁気共鳴画像診断(fMRI)の研究の際に、刺激に使用されることがある。非鉄電極の長さを数フィートを超えて延長し、装置の電子回路をMRIボアの磁界の外側に置くようにしてもよい。あるいは、非鉄電極は、同じ目的のために数フィートを介して動作する光ファイバー信号伝送システムに接続される場合もある。さらに一般的には、電極は、使い捨てに、装置上で簡単に交換可能に、及び/又は1回限りの使用に設計される場合がある。
また、電極は、装置内に搭載されるカートリッジに格納される場合もある。例えば、カートリッジは、一日、又は一週間等について十分な数の使い捨て、すなわち一回限りの使用の電極を有する場合がある。カートリッジは、ハウジング305に一体化され、必要なときに、単一の電極を分注するように構成される場合がある。この方法によれば、基板上に堆積された電極を、一回使用した後は、唾液との接触によって溶解され、又は洗い流される印刷パターンとして使用することが可能になる。
この一回限りの使い捨て電極は、要望に応じて、電極基板に口臭予防剤を含有し、又は食べ物の味を変化させる仄かに不快な味を有する薬剤(刺激により生成される不快な味を強調する)を含有する場合がある。
電極はさらに、所定量の使用の後、故障するように設計される場合がある。例えば、電極故障は、使用回数(例えば、50回の刺激)、又は時間(例えば、1週間)によって実施される場合がある。これは例えば、電極に対し、電極への電流の流れを妨害する回路を使用したり、または、電極に対してヒューズを使用し、ヒューズを飛ばすことによって電極へ流れる電流を阻止したりすることによって達成される。
補助回路240は、装置305の機能に関連する補助的な機能、及び/又は生物刺激には関係しないが、消費者にとっての魅力を向上させる機能を提供する場合がある。特に、人々は、現在、ますます多くの携帯電子機器、例えば、携帯電話、携帯音楽プレイヤ、携帯情報端末(PDA)、及びブラックベリー通信装置などを携帯するようになり、さらにもう1つのデバイスを携帯するように消費者を説得することは、難しい問題である。従って、本発明は、そのような無関係の装置に関連する機能を付加することにより、ユーザがどのみち持ち歩くであろう装置の代わりとなることによって、余分な荷物の増加を避けることができる。例えば、補助回路は、表示装置223を通して有効化されるアラーム・クロック機能(上で述べたような生物学的刺激を印加するためのリマインダー・アラームを含む)、カレンダー機能、及び連絡先/アドレスブック機能;表示装置223を通して有効化されるMP3プレイヤ、I/Oモジュール226に接続さるたヘッドフォン/イヤホンジャック、及び音楽ファイルを記憶するための、記憶モジュール218におけるフラッシュメモリ; 及び/又はI/Oモジュール226に接続された一体型マイクロフォン、又はマイクロフォンジャックを介して有効化される音声レコーダ、及びレコーディングを記憶するための、記憶モジュール218におけるフラッシュメモリを提供する場合がある。それらの機能を実施する回路は、容易に入手可能であり、従来技術である。
パーソナル健康器具として見れば、本発明は、他の健康関連機能と組み合わせることもできる。従って補助回路240は、一日を通してユーザの歩数をカウントし、この情報を表示装置223を通してユーザに表示する万歩計を含む場合がある。代替、又は追加として、補助回路240は、一日を通してユーザの食事摂取量を記録し、ユーザが食べる速度を記録するのに役立つカロリー計算機を含む場合がある。カロリー計算機は、一般的な食物の典型的なカロリー内訳を含む、メモリ218に記憶されたデータベースを使用する場合がある。データベースは、表示装置223に表示される種々のメニューを操作するためのボタン230によってアクセスされる場合がある。補助回路240において実施される心拍計によれば、ユーザは、自分の心拍数を測定、記録することが可能になる一方、血糖測定器によれば、糖尿病患者のユーザは、自分の血糖レベルをモニタリングすることが可能になる。万歩計、カロリー計、及び血糖測定器によって収集されたデータは、メモリ218に記憶されたオンボード健康ソフトウェアによって処理され、本発明の生物学的刺激機能を使用する際の成功に直接関係する総合的な健康情報をユーザに提供する場合がある。この場合も、それらの機能を実施する機能は従来的なものであり、当業者であれば、簡単に実施することができる。
また、USBポート235により、ユーザは、装置305によって収集された健康に関連する情報を外部コンピュータへ転送することができ、そこで、より複雑なソフトウェアを使用して、ユーザの発育を追跡記録し、そのデータをより大局的な表現、又は監視機能に統合することもできる。これには、例えば、各刺激の日時、時間、及びパワーレベルなどを記録し、外部コンピュータへ提供する、使用量追跡記録機能が挙げられる。
あるいは、回路200は、デジタルカメラや携帯電話のような既存のデバイスの中に装着されるように構成され、本明細書に記載する生物学的機能を提供することにより、事実上その装置の魅力を向上させるように構成される場合がある。
3.装置の動作
上記のように、メモリ218の不揮発性部分は、パルス刺激器203、及び電極206を利用して本発明の機能を実施するためにプロセッサ215によって実行される種々の命令を格納する。特に、それらの命令は通常、パルス持続時間、反復周波数、振幅、及びオン又はオフする電極の数に関する指定された計画に従って刺激の伝送を発生させる1以上の事前にプログラムされた設定を反映する。一般に、これらの命令はさらに、プロセッサ215に対し、監視回路210からのデータを連続的に処理させ、電極が口腔に当たると装置の電源をオンにさせ、使用の際の装置の適切な動作を確保させる。すなわち、もしユーザの舌のインピーダンスが予期せずに減少した場合は、余分なパルス振幅を防止する一方、当該インピーダンスが上昇した場合は、振幅を増加させ、及び/又は更に別の電極を駆動する。命令は、所定量の時間(例えば、20秒)にわたって刺激を生じさせる場合もあれば、電極がユーザの口腔に接触している限りは刺激を継続させる場合もある。
プロセッサ215は、伝送された刺激の履歴に従って、刺激パラメタ(電流、電圧、パルス持続時間、パルス間隔、反復周波数など)を変更するようにプログラムされる場合もある。例えば、パルス電圧、若しくはパルス電流の大きさは増加され(脱感作を克服するために)、又は減少される(例えば、ユーザが所定時間内に刺激装置305を特定回数を超えて使用した場合)場合がある。
適当な刺激パラメタは、ユーザによって大きく変わらない傾向にあるものの、或る程度のばらつきは存在する。例えば、一部のユーザは、一般的な許容範囲のパルス振幅において不快さを感じる一方、また一部のユーザは、もっと大きな刺激を要求する場合もある。従って、実行可能命令は、ボタン230の1つにより駆動される較正ルーチンを実施する場合がある。ユーザは、電極を舌、又は他の口腔組織に押し付けた状態に維持しながら、パルス振幅を増加させる。そして、自分の許容レベルに達すると、ユーザは電極を除去する。較正ルーチンは、その除去の時点におけるパルス振幅を上限として記録する。さらに、この最大許容パルス振幅は、他の刺激パラメタに関連付けられ(モデル化式に従って、又はデータベースエントリとして)、振幅の設定により、刺激プログラムをユーザに適合させることができるようにする場合がある。
較正は、モニタリング機能に一体化され、使用中も継続される場合がある。例えば、もし、監視回路210によって、ユーザが電極を自分の舌に押し付けた状態に維持する時間が叙々に延びていることが検出された場合、較正ルーチンは、これを順応として解釈し、それに従って刺激パラメタを変更する場合がある。上述のように、較正ルーチンは、最小限のユーザの関与しか必要としないことが望ましく、むしろ、ユーザによる装置の普通の操作に基いて、プログラム変更の必要性を推測することが望ましい。
メモリ218に記憶された動作命令を変更する必要性は、時々生じることがある。これは、ユーザのコンピュータに接続される、装置305のUSBポート235を介して達成される。ユーザは、置換ソフトウェアへのリンクを含むウェブサイトを訪れ、これを従来のやり方でメモリ218にダウンロードする。
プロセッサ215のための動作命令は、FORTRAN、PASCAL、C、C++、C#、Java、Tcl、又はBASICのような多数の上位言語の1つで記述される場合もあれば、あるいは、EXCEL、若しくはVISUAL BASICのような市販のソフトウェアに機能的に埋め込まれる場合もあることを強調する必要がある。ただし、より従来的には、そうした動作命令は、プロセッサ215向けのアセンブリ言語として実施される。
特定の幾つかの実施形態を参照して本発明を具体的に図示説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定されるような発明の思想、及び範囲から外れることなく、形や詳細に種々の変化を施すことも可能であるものと考えるべきである。例えば、刺激回路は、マイクロプロセッサ等のようなデジタル構成部品を使用せずに、アナログのみで実施することも可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、従って、特許請求の範囲の意味、及び均等の範囲に入る変更は全て、その範囲に含めることを意図している。

Claims (25)

  1. 口の満足を求めるユーザの欲求を減退させる装置であって、
    (a)ユーザの体の一部に電気回路を形成するための、互いに間隔を空けて設けられた少なくとも2つの電極であって、前記電極の少なくとも1つが、ユーザの口腔の表面に接触するように構成される、少なくとも2つの電極と、
    (b)前記電極間に電気刺激を生成する回路であって、前記刺激により、口の満足を求めるユーザの欲求を減退させる神経反応を引き起こす、電気刺激を生成する回路とを含む装置。
  2. 各電極は、銀、金、ステンレス鋼、及びプラチナからなる一群の金属から選択されたいずれか一つの金属から構成される、請求項1に記載の刺激装置。
  3. 前記電気刺激は、時間的に変化する電気信号からなる、請求項2に記載の刺激装置。
  4. 前記信号は、二相信号である、請求項3に記載の刺激装置。
  5. 前記信号は、10Hzから50Hzまでの範囲の一定周波数、又は変化する周波数を有する、請求項3に記載の刺激装置。
  6. 前記周波数は、約4秒の時間をかけて変化する、請求項5に記載の刺激装置。
  7. 前記信号は、100マイクロ秒から1ミリ秒までの範囲の変化するパルス幅を有する、請求項3に記載の刺激装置。
  8. 前記パルス幅は、約4秒の時間をかけて変化する、請求項7に記載の刺激装置。
  9. 前記信号は、10マイクロ秒から10ミリ秒までの範囲の電流振幅を有する、請求項3に記載の刺激装置。
  10. 前記電極は、殺菌可能な生体適合性材料から形成される、請求項1に記載の刺激装置。
  11. 前記信号の作用をモニタリングし、モニタリングされた作用に応答して、少なくとも1つの信号特性を変更する監視モジュールをさらに含む、請求項3に記載の刺激装置。
  12. 前記変更された信号の特性を表すデータを保持するための記憶回路をさらに含む、請求項11に記載の刺激装置。
  13. 前記監視モジュールは、前記電極間に抵抗閾値、又はインピーダンス閾値が検出されるまで、前記電気刺激の生成を防止する、請求項11に記載の刺激装置。
  14. 外部表面上に少なくとも2つの電極を備えるハウジングをさらに含み、前記外部は、前記ユーザの口腔に挿入するように構成される、請求項1に記載の刺激装置。
  15. アラーム・クロック、カレンダー、LCD、カメラ、アドレス帳、MP3プレイヤー、及びボイスレコーダのうちの少なくとも1つを実施する補助回路をさらに含む、請求項1に記載の刺激装置。
  16. 摂取疾患を治療する方法であって、ユーザの口腔の表面に電気刺激を印加し、口の満足を求めるユーザの欲求を減退させる神経応答を発生させるステップを含む方法。
  17. 前記表面は、硬口蓋、軟口蓋、及び舌のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記電気刺激は、時間的に変化する電気刺激からなる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記信号は、二相信号である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記信号は、150Hzから300Hzまでの範囲で変化する周波数を有する、請求項17に記載の方法。
  21. 前記周波数は、約4秒の時間をかけて変化する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記信号は、100マイクロ秒から1ミリ秒までの範囲で変化するパルス幅を有する、請求項18に記載の方法。
  23. 前記パルス幅は、約4秒の時間をかけて変化する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記信号は、10マイクロアンペアから10ミリアンペアの範囲の電流振幅を有する、請求項18に記載の方法。
  25. 前記信号をユーザに適合させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
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