JP2010517070A - 投影システムにおけるスペックルの軽減 - Google Patents
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Abstract
少なくとも1つのコヒーレントな光源2と、その光源からの光を変調する変調器4と、その変調器からの変調光をスクリーン9上に投影するためのレンズ8とを含む投影システム1。システムはさらに、少なくとも1つのコヒーレントな光源とレンズ8との間の光路中に配された高速切換液晶(LC)素子6であって、そのLC素子を通過する光を散乱させるように構成されたLC素子6と、そのLC素子の散乱を変化させるためのドライバとを有する。LC素子の散乱を、光がスクリーン上に投影されている際は常に連続的に変化するよう制御することにより、光のコヒーレント性が除去され、それにより表示されるイメージ中のスペックルが軽減される。
Description
本発明は、少なくとも1つのコヒーレントな光源と、その光源からの光を変調する変調器と、その変調器からの変調光をスクリーン上に投影するためのレンズとを含む、投影システムに関するものである。
本発明はまた、かかるシステムにおけるスペックルを軽減する方法にも関するものである。
かなりの量の光エネルギーを消費する従来型の白色光源と比較した、レーザー光源の多くの利点に鑑みると、投影システムにおいてレーザー光源を使用することは望ましい。レーザーの利点としては、たとえば、レーザーはレーザー源の波長に基づいた光のみを発する点、エタンデューが小さい点、および高効率と長寿命とを兼ね備えている点が挙げられる。
所望のレーザー投影システムを実現すると期待される光源は、コンパクトかつ高パワーのレーザー光源である。従来より、書換可能型の光ディスクシステムにおいて高パワーの赤色レーザーダイオード(LD)が使用されており、また、緑色高パワー第2高調波発生(SHG)型の緑色レーザーも実現されていた。青色領域では、擬似位相整合(QPM)デバイスを利用したSHGレーザーおよびGaN半導体レーザーが、開発されている。半導体レーザーに基づいたこれらのコンパクトな可視光レーザーの発展は、レーザーディスプレイの可能性を示唆している。
しかしながら、レーザーディスプレイを実現するために解決されなくてはならない重要な問題の1つとして、光源のコヒーレント性に起因して、投影されるイメージ上に重畳されるスペックルノイズおよび干渉の抑制という問題がある。スペックルは、スクリーンのような粗い面からコヒーレント光が散乱された際に生じ、観察者の肉眼のような有限の開口を有する二乗検波器により検出される。理論上は、スペックルは、光のランダムな干渉により生じる、ランダムな強度のばらつきとして規定される。スクリーンのような粗い表面を有する物体は、レーザーからのコヒーレント光により照らされると、スペックルを伴う見た目を呈する。表面のばらつきは波長よりも大きいため、表面の個々の要素により散乱されたコヒーレント光は、干渉して、ある定常パターンを形成する。表面と観察者との間に相対的な動きがあると、スペックルは、瞬きまたは煌めきを呈するように見える。これらの強度のゆらぎ、すなわちスペックルは、観察者の肉眼には、主として暗い領域が明るい島を有するような知覚体験として体感される。
上記のようなスペックルの抑制は、光パラメータの多様化によって得られ、かかるパラメータの1つが光散乱角度である。散乱角度を高速かつ高周波で時間変化させると、それに対応して、スペックルパターンも高速かつ高周波で時間変化する。パターンが十分高速に変化させられれば、観察者の肉眼は、スペックルパターンが均されたかのように体感し、実質的にスペックルは観察されなくなる。
角度の多様化を得る1つの一般的なアプローチは、時間変化する散光器を使用する方法である。この時間変化する散光器は、多数の散乱状態を作り出すために設計された光学素子である。したがって、ディスプレイ中のスペックルの問題に対する1つの解決策は、高周波でスクリーンを振動させることにより、スペックルパターンが高速で変化するようになし、観察者の肉眼に観察されないようにスペックルパターンを均すという解決策である。このタイプのディスプレイは、ディスプレイスクリーンの機械的な運動を必要とするので、動作が複雑かつ高コストである。
たとえば米国特許第6122023号は、ディスプレイスクリーン自体が散光器として作用するレーザー投影システムを開示している。このスクリーンは、高散乱性状態のものとして構築された、液晶投影ディスプレイスクリーンである。液晶分子に電圧が印加されることにより、液晶分子がわずかに振動し、それにより典型的に観察されるスペックルが軽減される。
しかしながら、スクリーン自体に散光器を形成させることは、制約を生じさせる。液晶素子をディスプレイスクリーンとして用いると、スクリーンが高価となり、とりわけ大きなスクリーンの場合は高価になってしまう。
したがって、本発明の1つの目的は、従来の解決策の問題のいくつかを軽減し、角度の多様化を介して、投影先のディスプレイの材料組成による制約を受けないような抑制態様で、レーザー源イメージの改善されたスペックルの抑制を提供することである。
本発明の第1の側面によれば、上記およびその他の目的は、上記の少なくとも1つのコヒーレントな光源と上記のレンズとの間の光路中に配された高速切換液晶(LC)素子であって、当該LC素子を通過する光を散乱させるように構成されたLC素子、および、角度の多様性を導入することにより、スクリーン上のイメージ中のスペックルが抑制されるように、LC素子の散乱を変化させるためのドライバを含む、投影システムにより達成される。
コヒーレントな光源という用語は、スペックル効果を生じさせるのに十分なコヒーレント性を有する光を供給する、任意の光源を含む意図である。典型的には、光源は何らかのレーザー(たとえばダイオードレーザー)とされるが、本発明は、かかる実装形態に限定されるものではない。
本発明によれば、高速切換液晶素子の形態である散光器が、光源からの光を散乱させる。このLC素子の散乱を、光がスクリーン上に投影されている際は常に連続的に変化するよう制御することにより、光のコヒーレント性が除去され、表示されるイメージ中のスペックルが軽減される。したがって、従来スペックルを抑制するのに利用されていたような、散光器を動かすために必要とされる信頼性の低い機構は、必要なくなる。
本発明の散光器は、光源と投影レンズとの間の光路中に配され、好ましくは、中間イメージ平面のような、光学系の焦点に配される。この配置は、散光器がディスプレイと一体化されている上記で述べた米国特許第6122023号に開示されたシステムにおける配置、すなわちスクリーン自体が散光器を形成している配置とは異なる。これに代わる本発明に従う散光器の光路中配置によって、システムがイメージを投影するスクリーンが、スペックルの抑制を実行する素子を形成する役割から解放される。上記の抑制をもたらす要素からスクリーンを除外することは、イメージが投影されるスクリーンに課せられる制約を、さらに軽減する。たとえば、スクリーンが、散光性を有する材料を含む必要はなくなり、電圧を印加される必要もなくなる。結果として、この形態は、スクリーン、すなわちイメージが投影される領域の複雑さを緩和するため、コスト削減をもたらす。
上記の液晶素子は、投影機のメインユニットと一体化されていることが好ましい。これにより、スペックルの抑制を実現するのに、投影機外の別個の部品が必要なくなるので、投影システムの取扱いが容易となる。加えて、レーザーと投影機のレンズとの間に散光器を配するという配置は、そのレンズが、スクリーンに最も近接した素子である構成を示唆する。レンズをスクリーンに最も近い位置に配置すれば、散光器は、光ビームをスクリーン上に集光するレンズを妨害しないので、かかる配置は好ましい。
液晶素子は、その液晶素子に後続する集光光学系の集光領域内において、光を散乱するように構成され得る。典型的には、この集光光学系は、システムの投影レンズとされる。散光器を通過した後のビームプロファイルのFWHM、すなわち半値全幅は、好ましくは45°未満、さらに好ましくは20°未満とされる。
前方方向の、集光光学系の境界内において光を散乱させるように散光器を構成すれば、光の損失が最小限となるよう保証される。
強度の変化を導入することなく散乱の変化を実現することができれば、それらの変化は観察者によっては検知されず、変化のレートは重要でなくなる。散乱がスクリーン上における観察可能な強度変化をもたらさない限りは、散乱は、ごくゆっくりと変化するものとされてもよい。
時間変化する散乱がイメージの強度変化をもたらす場合には、かかる変化は、観察者の肉眼により検知されるかもしれない。したがって、そのような場合には、液晶素子の切換えは、人間の肉眼の反応よりも高速の切換え、すなわち約50Hzよりも大きな周波数の切換えとされることが好ましい。
これに加えて、散乱により生じる平均強度への影響が一定であれば、それも好ましい。換言すると、各イメージフレーム中の全開状態のピクセル(最大限の光を通過させるピクセル)の平均強度が、一定に保たれる。そうでない場合、この影響はやはり観察者の肉眼により検知され得る。
投影システムは、変調光をスクリーンに亘って走査するための方向変換用光学系を含んでいてもよい。変調器が投影されるべきイメージの一部のみを生成するよう構成されている場合には、完全なイメージを形成するのに方向変換用光学系が必要とされる。
液晶素子は、ピクセル化された液晶素子とされてもよい。すなわち、パターン化された形態を形成するように、散光器のセルが、複数の異なる制御可能な切換領域に分けられていてもよい。かかる複数の制御可能な領域は、構造化された電極により形成することができる。散光器をピクセル化することは、散光器を時間変化する散乱または回折を導入するものとして構成することのできる、追加の方式を提示する。この形態は、たとえば均質な液晶(たとえばゲル中に含まれていない際に強誘電性であるような液晶材料)を含む散光器に、関連する形態である。
投影システム内においてイメージを生成する技術のタイプに応じて、光の偏光が必要とされ得る。たとえば、液晶セルは、偏光させられた光を必要とする。
この場合、光の偏光状態は保持される必要があり、偏光状態保持型の散光器が使用されるべきである。偏光状態保持型のLC素子の例としては、均一の配向を有するネマチック異方性ゲルが挙げられる。かかるゲルは、複数の偏光状態のうち1つのみを、有効に散乱する。
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)やグレーティング・ライトバルブといったような、偏光させられた光を必要としない他の技術も存在する。
結果として、これらのケースにおいては、液晶素子は、偏光状態変換型の散光器とされてもよい。偏光状態変換型の散光器は、角度の多様性に加えて、偏光状態の多様性を誘起し、これはスペックルをさらに軽減するのにも役立ち得る。
偏光状態変換型のLC素子の例としては、ポリマー分散型液晶(PDLC)、または、ネマチック性、強誘電性もしくはキラル性の液晶材料のうちの1つを含む異方性ゲルが挙げられる。
本発明のその他の側面、利点および有利な特徴は、以下の説明および特許請求の範囲から、明らかとなるであろう。
本発明は、非制限的な例として提供されている添付の図面から、より明らかとなるであろう。
図1は、本発明の1つの実施形態に従うレーザー投影システム1を、例として示している。
図示された例のシステム1は、レーザー2を含んでおり、このレーザー2から光が発せられる。これに代えて、たとえば複数の異なる光色を実現するような、複数のレーザー2が設けられてもよい。
発せられた光は、照射光学系3を通過し、変調器4に供給される。この変調器4は、光ビームの強度を変調する効果をもたらす。変調器4は、単一ピクセルのものであってもよいし、複数ピクセルの線状アレイであってもよいし、複数ピクセルの二次元アレイであってもよい。また、変調器4は、位相変換、回折、散乱、屈折および方向変換を誘起するものであってもよい。
次に、ビームは、コントラスト生成光学系5を通過する。適切なコントラスト光学系5の選択は、変調器4により生成される効果に依存する。コントラスト生成光学系5は、たとえばシュリーレン光学系のように、偏光器、絞りおよびレンズを含むものとされ得る。
図示されている例では、ビームは続いて、散光器6、すなわち高速切換液晶素子を通過する。この散光器6は、光路中の中間焦平面に配されてもよいし、あるいは、光路中において変調器に先行する他の場所、たとえば光学系3の中に配されてもよい。図示の例では、ビームは次に、方向変換用光学系7、たとえばスキャナを通過する。変調器4が、全体イメージを生成するのではなく、1ピクセル分または1つのピクセルアレイ分といったような、イメージの一部のみを生成するように構成されている場合には、スクリーン9に亘ってビームを走査して全体イメージを構築するために、方向変換用光学系7が用いられる。いずれの場合においても、光は、変調光をスクリーン9上に合焦させるレンズ8によって、スクリーン9上に合焦させられる。図1に示すように、方向変換用光学系7は、レンズ8に先行して配されてもよい。あるいは、方向変換用光学系7は、レンズ8に後続して配されてもよい。
制御用電子回路系10は、レーザー2、変調器4、方向変換器7、および時間変化する散光器6を制御する。
図示の例では、スクリーン9は前方投影用のものとして設計されており、したがって観察者11は、スクリーン9に対して、レーザー前方投影システム1と同じ側にいることとなる。しかしながら、スクリーン9は、後方投影用のものとして設計されてもよい。スクリーンは、変調された光により形成されるイメージを表示するのに適したものであれば、いかなる面であってもよい。またスクリーンは、実装形態に応じて、反射性のスクリーン(前方投影の場合)とされてもよいし、透過性のスクリーン(後方投影の場合)とされてもよい。
散光器6は、たとえばポリマー分散型液晶(PDLC)、またはネマチック性、強誘電性もしくはキラル性の液晶材料のうちの1つを含む等方性ゲル散光器6といったような、偏光状態変換型の散光器であってもよい。あるいは、散光器6は、たとえば均一の配向を有する切換可能なネマチック異方性ゲルといったような、偏光状態保持型の散光器であってもよい。
図示されている例では、散光器6は、レンズ8の集光領域内において光を散乱するように構成されている。したがって、光ビームが集光光学系の集光領域外にまで拡散してしまうのを制限し、それにより高い輝度および最小限の光損失を伴って意図されたイメージが投影されるのに寄与するよう、散光器6は、小さな角度内において光を散乱する。
散乱セルすなわち散光器6を通過した後の、平行ビームの所望のビームプロファイルは、45°を超えない半値全幅(HWFM)を有する必要がある。HWFMは、最も望ましくは、2−30°の範囲内とされる必要がある。散光器6は、反応性分子と液晶との混合物の重合によって作製されてもよく、また好ましくは、セル内にパターン化された形態を創出するために、散光器6をパターン状に重合することもできる。
PDLCを作製するための1つのよく知られた手順は、反応性のモノマーを、従来型の液晶と混合して、等方性の混合物を得ることによる手順である。重合に際し相分離が誘起され、ポリマーのマトリックス内において液晶の小滴の形成がもたらされる。重合後のPDLC系に電場が印加されると、PDLC系は散乱効果を示す。
異方性ゲルは、モノマーと、液晶状態にある液晶との混合物を作製することにより得られる。重合に際し、この系は、巨視的な配向性を有する状態に保持される。PDLCと異なり、ゲルは、重合後は透明状態となる。電場を印加すると、ゲルは半透明となり、光の散乱を誘起する。負の誘電異方性を有するホモトロピック配向のネマチックゲルは、キラル性ゲルと同様にして、偏光状態変換型の(偏光から独立した)散乱を示す。正の誘電異方性を有する均一配向のゲルは、偏光状態保持型の(直線偏光の方向に依存する)散乱を示す。かかる系により誘起される角度散乱の最大値は、層厚の形態および液晶の複屈折によって調整することができる。
散光器6に印加されるのは時間変化する電圧12であり、図示されている例では散光器の表面に亘って同一の電圧であるが、これと異なる方法で実現されてもよい。あるいは、散光器6内のピクセル化された切換領域セルが、ピクセル化された電極を用いて誘起されてもよい。同様に、ピクセル化された強誘電体も、1つの選択肢である。かかる場合には、時間変化する印加電圧12は、散光器6の表面に亘って同一の電圧ではなく、散光器6の表面に亘って変化する電圧であってもよい。
時間変化する電圧12は、ある電場パターンを生成する。散光器6に印加される電圧12は、通過するビームに、時間変化する散乱21a、21b、21c(図2a、2b、2c参照)、すなわち角度の多様性を生じさせる。
散光器のセルは、切換可能な特性を有している必要がある。これにより、セル内の異なる切換領域を切り換えて、散乱光の方向変換角度の変化を誘起し、スペックルの抑制に繋げることが可能となる。
図2aから明らかなように、印加電圧12は、必ずしも連続的な電圧でなくてもよく、パルス状の信号22であってもよい。また、同一の周波数を有するものでなくてもよい。(負または正の)パルスが散光器6に適用されるたびに、そのパルスが、散光器のセルの表面層に亘って電場を生じさせ、散乱21aが増大するようになす。リーク量は時間の関数で減衰するので、セルにかかる実効電圧22は減少し、したがって散乱21aも減少する。したがって、図2aに示すように、各パルスは、全期間における散乱の変化を提供する。セルは、パルスの極性にかかわらず同様に反応するので、変化する散乱21aの周波数は、電圧22の周波数の2倍となる。
あるいは、図2bに例示されているように、散光器6に印加される時間変化する電圧12は、振幅変調されてもよい。振幅変調された電圧12を印加した場合、印加される電圧12の周波数ではなく振幅が、結果として得られる時間変化する散乱パターン21bを左右する。時間変化する散乱パターン21bを実現するため、高周波のAC電圧23が印加され、そのAC電圧23の振幅が、時間の関数として変化する。これにより、散乱パターン21bも、対応の変化を示すようになる。このケースでは、散光器6に印加される負または正の電圧23は、決してゼロに等しくはならず、その結果、散光器のセルにかかる実効電圧の減衰が防止される。
図2cに図示されているように、液晶が十分高速に印加電圧24の周波数に追従できるものである場合には、固定の振幅で連続的に変化する電圧パターン24を印加することも可能である。この結果、散乱21cがもたらされる。同様に、印加される電圧パターンの形状と強度との両方を変化させることも可能である。
散乱21a、21b、21cが強度のゆらぎを生じさせない限りにおいては、時間変化する電圧12の周波数は重要ではない。
しかしながら、時間変化する散乱21a、21b、21cがイメージの強度変化を生じさせる場合には、かかる変化は、観察者11の肉眼によって検知され得る。したがって、そのような場合には、散光器6の切換えは、観察者11の肉眼の反応よりも高速とされることが好ましい。すなわち、約50Hzよりも大きな周波数が必要とされる。
加えて、散乱21a、21b、21cが平均強度に及ぼす影響は、表示される各イメージフレームに対して、一定であることが好ましい。そうでない場合、この影響も観察者11の肉眼によって検知され得る。
以上、例を用いて本発明を説明してきた。しかしながら、本発明のいくつかのバリエーションも考えることができる。たとえば、図1において例として記述された要素に対する追加要素または代替要素も、本発明の範囲の一部をなすものと捉えられるべきである。かかる変更形態およびその他の自明な変更形態も、特許請求の範囲により規定される本発明に包含されるものと捉えられなくてはならない。
Claims (18)
- 少なくとも1つのコヒーレントな光源と、前記光源からの光を変調する変調器と、前記変調器からの変調光をスクリーン上に投影するためのレンズとを含む、投影システムであって、
前記少なくとも1つのコヒーレントな光源と前記レンズとの間の光路中に配された高速切換液晶素子であって、当該液晶素子を通過する光を散乱させるように構成された液晶素子、および
角度の多様性を導入することにより、前記スクリーン上のイメージ中のスペックルが抑制されるように、前記液晶素子の散乱を変化させるためのドライバを含むことを特徴とする投影システム。 - 前記液晶素子が、該液晶素子に後続する集光光学系の集光領域内において、光を散乱するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の投影システム。
- 前記集光光学系が前記レンズであることを特徴とする請求項2記載の投影システム。
- 前記液晶素子が、半値全幅が45°未満、好ましくは20°未満であるようなビームプロファイルを有することを特徴とする請求項2または3記載の投影システム。
- 前記ドライバが、50Hzよりも大きな周波数で、前記散乱を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の投影システム。
- 前記ドライバは、各イメージフレーム中の全開状態のピクセルの平均強度が、実質的に一定に保たれるようにして、前記散乱を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の投影システム。
- 前記変調光を前記スクリーンに亘って走査するための方向変換用光学系をさらに含むことを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の投影システム。
- 前記液晶素子が、ピクセル化された液晶素子であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の投影システム。
- 前記液晶素子が、偏光状態変換型の散光器であることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の投影システム。
- 前記液晶素子が、ポリマー分散型液晶であることを特徴とする請求項1記載の投影システム。
- 前記液晶素子が、ネマチック性、強誘電性またはキラル性の液晶材料のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1記載の投影システム。
- 前記液晶素子が、切換可能な異方性ゲルであることを特徴とする請求項1記載の投影システム。
- 少なくとも1つのコヒーレントな光源と、前記光源からの光を変調する変調器と、前記変調器からの変調光をスクリーン上に投影するためのレンズとを含む投影システムによって、前記スクリーン上に投影されるイメージ中のスペックルを軽減する方法であって、
投影される光に角度の多様性を導入するように、前記少なくとも1つのコヒーレントな光源と前記レンズとの間の光路中に配された、液晶素子の散乱を変化させる工程を含むことを特徴とする方法。 - 前記液晶素子に電圧を印加することにより、前記散乱が変化させられることを特徴とする請求項13記載の方法。
- 前記電圧が一連の離散したパルスであり、各パルスの立上り側に対して前記散乱が増大し、各パルスの立下り側に対して前記散乱が減少することを特徴とする請求項14記載の方法。
- 前記電圧が振幅変調され、前記散乱が、前記電圧の各振幅レベルに合わせて調整することを特徴とする請求項14記載の方法。
- 前記散乱が、50Hzよりも大きな周波数で変化するように制御されることを特徴とする請求項13から16いずれか1項記載の方法。
- 各イメージフレーム中の全開状態のピクセルの平均強度が、実質的に一定に保たれるように、前記散乱が変化させられるよう制御されることを特徴とする請求項13から17いずれか1項記載の方法。
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