JP2010515424A - 直流回路網に使用するための過電圧保護装置で、特に光起電性装置のための過電圧保護装置 - Google Patents

直流回路網に使用するための過電圧保護装置で、特に光起電性装置のための過電圧保護装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、直流回路網に使用するための過電圧保護装置で、特に、第一の出力経路と第二のトリガ可能な出力経路の、エネルギー調整された並列接続を伴う光起電性装置のためのものに関し、前記出力経路は各々、妨害事象及び過電圧に関して異なる応答特性を有している。本発明によると、第一の出力経路は少なくとも1つのバリスタを有していて、該バリスタの残留電圧値が検知されて、第一の出力経路のエネルギー負荷を算出するために制御回路に到達する。第二の出力経路は少なくとも1つのトリガ可能な火花ギャップを有していて、該火花ギャップのトリガインプットは制御回路の第一のアウトプットに接続されている。前記の第一及び第二の出力経路には、整流及び消弧経路としての第三の分岐部が並列接続されていて、該分岐部は、少なくとも1つのパワートランジスタより成る短絡スイッチを含んでいて、該短絡スイッチの制御インプットは制御回路の第二のアウトプットに接続されている。火花ギャップを備えた第二の出力経路は、残留電圧監視部材を用いて検知された第一の出力経路のエネルギー過負荷が見込まれる時にのみ、制御回路を介して活性化される。有効な回路網追従電流抑制のためには、第二の出力経路中の火花ギャップの応答から算出された遅延時間経過後の予め与えられた時間の間、第三の分岐部において短絡スイッチが閉じられる。

Description

詳細な説明
本発明は、直流回路網に使用するための過電圧保護装置で、特に、第一の出力経路と第二のトリガ可能な出力経路の、エネルギー調整された並列接続を伴う光起電性装置のためのものに関し、前記出力経路は、特許請求の範囲第1項の前提部により、各々、妨害事象及び過電圧に関して異なる応答特性を有している。
過渡的な過電圧の制限のために、異なる過電圧保護素子をモジュラー過電圧保護ユニットに統合することは、例えばDE3228471A1号より公知である。そこにおいては火花ギャップとバリスタとの並列配設によって、雷光を条件として生じてたいていははるかに大きなエネルギー量を有する妨害事象の制限と同様に、接続行為に基づく過電圧の制限が効果的に行われる。これに関して、公知の技術水準によると、保護素子が2つの出力経路に分けられていて、第一の出力経路には、主に、急勾配の波面と比較的わずかなエネルギー量を伴う接続行為に基づく過電圧が導かれ、第二の経路には、例えば雷放電の、大きなエネルギー供給を伴う過電圧が導かれるように調整されている。
更に、DE19838776C2号によると、幾つかの過電圧保護素子の並列接続における必要な調整の制御のための回路配設が従来技術に属している。そこで、公知の解決策においては、繊細な(良質の)保護素子、例えばバリスタ、へのエネルギー供給の評価が行われ、それに基づき需要に応じて、大まかな保護素子、即ち、火花ギャップ、が活性化される。従って、ここにおいて備えられた経路は、エネルギー調整されていて、しかも、これに関して必要な構成グループによって、最初に応答する第一の経路中のエネルギー供給が検知されて評価され、限界値(閾値)ないしは幾つかの臨界限界値パラメータを越える場合に、第一の経路から第二の経路への整流工程が行われるという意味において、調整されている。
従来、避雷工学においては、耐雷電流性の火花ギャップが公知であり、該火花ギャップは主に低圧領域において用いられる。該火花ギャップの技術的な改良形成は、トリガ可能な火花ギャップの主放電ギャップの点火時点を広い範囲に指定することを可能にし、このことによって例えば並列配設されたバリスタの残留電圧と点火時点との好ましい調整が行われることのできる点火装置に由来する。バリスタ素子の残留電圧を、通される電流に関係付けることによって、バリスタを介して火花ギャップの点火時点までに生じたエネルギー負荷が推量されることができる。
DE19952004B4号に記されたトリガリングの構成によると、同時に、少なくとも2つの残留電圧値と該残留電圧の時間(期間)を用いて、異なる点火時点を調節して、調整を更に最適化する可能性が存在する。そこで、例えば、バリスタを介した短い電流インパルスの場合の火花ギャップの直接的点火は比較的高い電流波高値(振幅)において初めて起こり、他方、長く持続する電流インパルスの場合は、波高値が短時間インパルスの時間(期間)外のタイムスケールを越えるならその限りにおいて、比較的小さな波高値においても既に前記の点火が起こる。
従って、前述より、特に光起電性装置のための直流回路網に使用するのにとりわけ調整されている改良形成された過電圧保護装置を示すことが本発明の課題である。該過電圧保護装置はモジュラー製作されるものであり、雷放電、及び、該雷放電に関連する雷電流の誘導に適していて、とりわけ、前述の直流システムにおいて生じる条件において、適している。そこでソーラー装置の場合は電圧レベル及び動作電流が変化し、このことはその他の交流回路網においては当てはまらない。主に工業の光起電性装置の領域における過電圧保護装置の使用の問題点の本質は、1000Vの範囲の直流電圧が生じるという点にもある。
本発明の課題の解決は、特許請求の範囲第1項に記載の特徴部の組み合わせによる過電圧保護装置によって実現され、その際、従属特許請求の範囲の項は、少なくとも合目的の構成及び改良形を示している。
過電圧保護装置が、共通の担体プレート(支持体)上に取り付けられた幾つかの機能ユニットより構成されていて、その際、前記担体プレートは、該機能ユニットを機構的に固定し、電磁的許容範囲を考慮して該ユニットの相互の最短経路の電気接続を可能にするための装置を有している。
直流回路網に使用するための過電圧保護装置においては、第一の出力経路と第二のトリガ可能な出力経路の、エネルギー調整された並列接続が前提とされ、その際、前記の両出力経路は、与えられた妨害事象及び過電圧に関して異なる応答特性を有している。
第一の出力経路が少なくとも1つのバリスタを有していて、該バリスタの残留電圧値が検知され、前記の第一の出力経路のエネルギー負荷を算出するために制御回路に達する。
第二の出力経路が少なくとも1つの火花ギャップを有していて、該火花ギャップのトリガインプットは制御回路の第一のアウトプットに接続されている。
第一及び第二の出力経路には、整流及び消弧経路として第三の分岐部が並列接続されていて、該分岐部は、少なくとも1つのパワートランジスタより成る短絡スイッチを含んでいて、該パワートランジスタの制御インプットは制御回路の第二のアウトプットに接続されている。ここにおいては、パワートランジスタの代わりに、例えばサイリスタ等の他の迅速に切り換わる素子も用いられることができると記されるべきである。
火花ギャップを伴う第二の出力経路は、残留電圧監視装置を用いて検知された第一の出力経路、主にバリスタ、のエネルギー過負荷が見込まれる時にのみ、制御回路を介して活性化される。更に、有効な回路網追従電流抑制のために、第二の出力経路中の火花ギャップの応答により算出される遅延時間経過後の予め与えられた時間の間、第三の分岐部中の短絡スイッチが閉成される、即ち、活性化される。
第二の出力経路中の火花ギャップの応答は、前述の制御回路を用いた、電圧の落ち込みの発生に関するシステム電圧の監視によって検知される。
選択的には、第二の出力経路中の火花ギャップの応答の検知のために、電流センサが備えられていてもよい。
制御回路は、遅延時間の確定、及び/又は、短絡スイッチの閉成時間の確定のための、固定サイクルジェネレータを含んでいる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記閉成時間は、10μsから3msの範囲にある。
短絡状態において、第三の分岐部中を流れる電流が監視され、過負荷の場合、少なくとも1つのパワートランジスタが開放された高抵抗状態に移行させられる。
特に衝撃電流状の電流過負荷の場合、第一、及び/又は、第二の出力経路が、反作用の意味において新たに活性化される。
短絡スイッチないしは少なくとも1つのパワートランジスタの活性化のための遅延時間は、規格化されたサージ電流インパルスのパルス長が克服されるように調整されている。
リークの場合、システム電圧が存在しないので、制御回路は、リークの場合でも確実な作動ができるようにエネルギー蓄積ユニットを有している。
避雷工学のアース接続のために、過電圧保護装置は、アース接続につながれる分離火花ギャップを備えるよう仕上げられている。
以下において本発明が実施例を用いて、並びに、図面を用いて詳細に説明される。
第1図は、各々の機能ユニットを備えた過電圧保護装置の機構上の構造の遠近法による図である。 第1a図は、火花ギャップ、並びに、任意に備えられた分離火花ギャップ、を伴う過電圧保護装置の細部を示す図である。 第2図は、光起電性装置の極L+とL−の間の配線に関する過電圧保護装置の基準回路図を示す図である。 第2a図は、補足の分離火花ギャップを備えた過電圧保護装置の回路図を示す図である。 第2b図は、第1図の担体プレートの上側に配設された機能ユニットの接続を示す図である。 第2c図は、第1図の担体プレートの下側に配設された機能ユニットの接続を示す図である。 第3図は、リーク工程中の電流及び電圧の推移を示す図である。
第1図及び第1a図に記載の過電圧保護装置が担体台板5を含んでいて、該担体台板上には2つのバリスタ素子3(VDR1及びVDR2)が上側に配設されている。図面において右側に示されてトリガ回路があり、該トリガ回路は、調整及び監視ユニットCCU、符号4、として働く制御回路の構成部分である。
第二の出力経路の火花ギャップが符号1を、及び、分離火花ギャップは符号2を備えている。第1図及び第1a図において、接地バーが符号6で、アースが符号6′で(第1図)示されている。
第2図の第一出力経路を介して電流Ip1が流れる。トリガ可能な火花ギャップを備えた第二の出力経路が電流Ip2を案内する。
短絡スイッチとしてのトランジスタを備えた整流ないしは消弧経路中を電流Ip3が流れる。第二の出力経路中には、更に、制御回路CCU(E3)のインプットに案内されている電流センサSが存在する。
バリスタVDR2を介した電圧、即ち、UVDR、が制御回路CCUのインプットE1及びE2に到達し、該制御回路のアウトプットA1には、第二の出力経路の火花ギャップのトリガインプットが接続されている。
制御回路CCUのアウトプットA2は、ベース、即ち、第三の分岐部中のトランジスタの接続インプット、に接続されている。
VDRはバリスタVDR2を介した残留電圧を、Uは火花ギャップの点火ないしは応答電圧を、UBOは火花ギャップのアーク動作電圧を、及び、UTRは消弧経路ないしは短絡スイッチのスイッチングトランジスタを介した短絡電圧を、示している。
電流Ip1を伴う第一の経路と、電流Ip2を案内する第二の経路との調整は、制御回路CCUが第一の経路のエネルギー負荷に基づき、制御シグナルを介して、第二の経路中のトリガ可能な火花ギャップのトリガ装置を活性化することによって、前記制御回路を介して行われる。
その結果として、火花ギャップの主放電ギャップが対応する点火インパルスを介して点火され、最初は第一の経路を経て導かれたリーク電流が第二の経路中に整流される。第一の経路が完全に電流の通じていない状態となる完全な整流のための前提条件は、バリスタ電圧に対してできる限り小さなアーク電圧であり、該アーク電圧は、火花ギャップの放電ギャップに関する自身の応答に応じて生じるものである。
比較的性能のよい火花ギャップがほとんどリーク工程を引き受け、それと共にサージ電流を引き受けることによって、バリスタは、整流により負荷軽減される。バリスタ経路がこの時点においてもはや電気的に活動していないので、火花ギャップ自身がリーク工程を完了せねばならず、その結果、その後に通常の回路網条件が再び調整される。即ち、サージ電流インパルスが弱まった後には多くの場合、火花ギャップは後続する電流を隣接する回路網から遮断せねばならない、即ち、消弧させねばならない。前記の回路網追従電流もしくは追従電流と言われるものは、火花ギャップを経た回路網の動作電圧が該火花ギャップのアーク動作電圧よりも大であるとすぐに、もしくは、その限りにおいて、生じる。
追従電流は電流の大きさ、及び/又は、時間に応じて、火花ギャップに対する著しい負荷を示すこともあり、従って、たいていの場合、エネルギー平衡の評価においてなおざりにされることはできない。調整されていずに制御されない状態においては、前記追従電流は、火花ギャップが予定より早く老化し、最後には突然停止することにつながる。
従って、追従電流の発生を回避する、もしくは、該追従電流を時間的に、並びに、振幅において制限することが必要である。
追従電流問題の解決のためには、ソーラー装置の直流電圧回路網において非常に大きな電圧値があることも顧慮されねばならない。
本発明においては、第一の方策として、バリスタに対するエネルギー過負荷の危険性が存在する時のみ、火花ギャップの応答が現れることによって、追従電流の発生が回避される。前記の危険性がない場合、バリスタは出力工程を完全に行い、それと共に、機能制限されて追従電流が排除されている。
エネルギー評価が制御回路CCU中で行われ、該制御回路は、主にバリスタを介した残留電圧推移を用いて、選択的に調整されたトリガ信号を作り出し、このことによって、トリガ可能な火花ギャップが応答させられる。
第二の出力経路の閉成が第一の経路中のバリスタの能力に応じて行われるので、広い選択可能な領域が生じて、該領域内では、一方でバリスタの過負荷の危険性が存在し、他方で主に追従電流が生じる、ということなしに、バリスタが電流インパルスの完全な放出を遂行することができる。
前記領域が、簡単な判定法に対して、選択的に調整された制御回路を用いた評価によって、拡大されることができ、その結果、例えば、8/20μsの波形のエネルギーの乏しいサージ電流インパルスの場合、一定のバリスタタイプが10KAまで負荷を与えられ、10/350μsの波形のその他のエネルギー豊富な電流インパルスの場合は、同じタイプのものが1.5KAまで負荷を与えられることができる。
前記の方法を適用すると、追従電流が、既にエネルギーの弱い衝撃電流の場合、発生することが不可能であり、該衝撃電流は例えばバイアス軽減電圧もしくは軽減された間接的な雷の影響の結果として、比較的頻繁に生じることがあるものである。8/20μsの波形によって代表される、多様な間接的な雷の影響に関しても追従電流は見込まれない。それに対して、10/350μs波形によって後続形成される直接的な雷の影響の場合は火花ギャップが規定どおりに閉成される。そこで、既に前記の構成により、比較的わずかな追従電流のケースが予想される。
追従電流の発生の回避のための他の方策として、先ず、いつ火花ギャップが通電されたか、及び、いつ遅延時間の経過が始まるのかが監視される。衝撃電流が弱められた時点が査定される、もしくは、予め与えられた遅延時間が経過したなら、第三の分岐部、即ち、整流及び消弧経路、中で、火花ギャップのアーク動作電圧を短絡させるスイッチが作動し、その結果、生じる、もしくは、既に生じた、追従電流が整流されて、そこで電流のない火花ギャップが消弧される。短い閉成時間の後に、消弧経路中のスイッチの開成によって短絡が再び終結させられ、出力工程の前に存在した元の動作状態が再び作り出される。
公知の方法に比べると、提示された解決は場所を節約してコストを安くするのが容易である。このことによって、従来、通常は交流電圧回路網においてのみ用いられた、ないしは、そのような回路網のために考案された火花ギャップ構成が使われることができるという長所が生じる。
構成図より既に明らかなように、消弧経路が短絡スイッチを有していて、該短絡スイッチは、整流工程に関連して生じる電気的及び機構上の要求を満たすことが物理的に可能である。更に、調整されたスイッチON(閉成)とOFF(開成)が制御回路CCUを介して行われることができるようにスイッチが制御可能である。
切換工程に関連して、大きな切換負荷の能力の他に、切換工程自体は切換アークの形成なしに行われるという要求が存在する。このことによって、無駄な消弧室、及び、それと共に、補足的に生じる大きな所要床面積が削減されることができる。追従電流を消弧させる、ないしは、火花ギャップの絶縁ギャップの再強化を達成することが短い閉成時間内に可能であるので、スイッチは迅速に閉成されうる、並びに、再び開成されうるように設計されている、即ち高い動的開閉速度を有している。
本発明の説の転化において生じる長所に関しては以下のことが注目されるべきである。
約1000Vの直流電圧の場合に追従電流を消弧させる無駄は、火花ギャップを用いる場合非常に大きく、たいていは消弧のために非常にコストのかかる方策を必要とする。他のかなり格安な火花ギャップは低電圧領域の交流電圧の制御のために大きさを定められて設計されている。制御されるべき電圧は前記の適用の場合明らかに比較的低く、更に、アーク[放電]は通常の電流ゼロ通過において独自に消弧する。直流電圧の場合は自然の電流ゼロ通過が存在せず、それ故、火花ギャップは直流電流消弧原理に従って作動せねばならない。追従電流の成果のある遮断に必要な接続能力は相当なものであり、特別に発展形成されていて、並びに、場所もコストもかかる火花ギャップを必要とし、該火花ギャップは、前記の適用の場合にのみ適合させられている。前記の如き火花ギャップの老化は、必要とされる高められた接続能力故に著しい。最終的には対応する火花ギャップは、結び付けられた大きな所要床面積を伴う無駄な消弧室を用いねばならない。
本発明を用いると、交流電流、及び、明らかに比較的低い電圧の場合に十分な追従電流消弧能力のみを使える低圧領域から成る通常の、かつ、従来の火花ギャップを1000Vまでの直流電圧領域での利用のためにも使用可能にすることが、独立して後置可能な短絡経路によって達成される。
更に、好都合にも、通常の直流電流消弧原理において必要な1000Vより大きなアーク電圧が作り出されなくてよく、アーク電圧は例えばわずかに30Vでよいので、火花ギャップ内での変換された能力の徹底的な軽減が生じる。そこで同じ電流の場合、接続能力、火花ギャップの負荷、及び、老化が、係数30より多く減じられることができる。
本発明の根本原理は、追従電流を火花ギャップを用いて消弧させるのでなく、回路網追従電流のための消弧機能を、老化及びアーク放電のない半導体構成要素に移すことに基づいている。それと共に、火花ギャップと半導体構成要素との間には、言わば機能的な分離及び役割が存在する。火花ギャップとバリスタの組み合わせが全体でインパルス形状の妨害の大きさの誘導の機能を実現し、その際、半導体がアークのない追従電流消弧の機能を引き受ける。これに関する前提条件は、火花ギャップから半導体経路中への追従電流の完全な整流、及び、半導体素子が追従電流を遮断する前の、レベルにおいても速度においても十分な火花ギャップの再強化である。前記の完全な整流は、消弧経路の電圧の落ち込みが火花ギャップのアーク電圧よりも低いことによって達成される。半導体の閉成時間は電圧UTRとUBOの差、並びに、火花ギャップの再強化時間に左右され、このことは、実施例において第3図を指示して詳細に説明される。
消弧経路のための閉成時点を正確に定めることができるために、並びに、衝撃電流が該消弧経路を経て流れること、もしくは、追従電流が火花ギャップの出力経路中に長く留まりすぎることを回避するために、短絡スイッチの応答の速い閉路が必要なだけでなく、火花ギャップ経路の監視のためのセンサとの接続の可能性を提供する回路工学上の装置も必要である。
そこで例えば火花ギャップを通る電流が検知可能であり、その結果、衝撃電流の減衰のすぐ後に短絡スイッチが作動させられることができる。火花ギャップを通る望ましくない追従電流が回避され、火花ギャップのエネルギー負荷、並びに、該負荷によって引き起こされる老化であって、過渡的な過電圧の結果生じる衝撃電流の通過に応じた老化も減じられる。短絡スイッチとしてはパワートランジスタが用いられるのが好ましく、該パワートランジスタは、電気的限界値が越えられないという前提のもとに、摩耗もしくは老化現象を被らない。
本発明によると、大きな妨害放出物が出されるような回路部分は、妨害に応答しやすい構成グループから断続されているよう配慮されている。このことは、個々の機能が、一方では妨害源もしくは応答しない回路部分のみをまとめ、他方では妨害に応答しやすいものをまとめたグループに区分されていることによって実現され、その際、前記グループの相互の接続は空間的分離にも関わらず最短経路に設計されている。
短絡スイッチが断続された状態で、過電圧保護装置の保護レベル自体より上の大きな絶縁耐力に達するために、直列接続されたトランジスタより構成されていてよい。
トランジスタスイッチの損傷を阻止するためには、許容しうる最大の電流積分値に達するか、もしくは、上回る時に、前記スイッチは高抵抗に接続される。閉成接続の場合の電流過負荷の際には、場合によっては、予定された言わば緊急の断続は、消弧ないしは整流工程が中断されることにつながる。従って、前記の如き緊急の断続と正規の開閉工程を区別すること、及び、それとは逆に、正規の開閉工程が実現するまで、新たな消弧の試みを始めること、が必要である。確実に調整された閉成時間全体に渡って間断なく存続するものが正規の開閉工程とみなされる。閉成時間が、消弧時間と回復時間より構成されていて、低抵抗の導電性領域から高抵抗の絶縁性領域へと移行するために火花ギャップはたいてい負荷に左右されて前記消弧時間及び回復時間を必要とする。従って、必要な閉成時間は約10μsから3msの範囲にある。
トランジスタが既に閉成された後に電流過負荷が生じると、同様に緊急断続が始まらなければならず、前述の如く、場合によっては、正規の開閉工程が始まるまで1つもしくはそれ以上の新たな消弧サイクルを作り出さねばならない。
緊急断続は、短絡スイッチが消弧経路を高抵抗に接続することを引き起こす。しかしながらこのことは、電流過負荷の場合に衝撃電流が問題である場合でも、消弧経路を経る電圧が、第一の出力経路、もしくは、更に第二の出力経路の、新たな応答につながるまで、上昇することができることを表す。このことによって、過電圧保護装置が好都合には、簡単な全般的な調整だけでなく遡及的な調整も有していて、該調整においては、配設の最後の段階(第三の分岐部)が、必要な場合には、第一の段階に遡及する。それと共に、過電圧保護装置は、消弧経路の活性化された局面の間に新たな電流負荷が生じる時に、いわゆる複合雷放電を克服することができ、該雷放電においては一定の間隔でいくつかの過電圧ないしは電流インパルスが発生する。前記のフィードバック機能によって言わば自動的に、対応する出力段階、即ち第一もしくは第二の出力経路、が応答させられる。
制御回路CCUは、機能グループの時間的な経過に関する全ての情報を把握し、対応する調整もしくは制御命令を調整部材に伝達するのに役立つ。制御回路CCUの最も重要な機能の1つは、バリスタ負荷の評価、及び、火花ギャップの選択的トリガリングのための結果として生じる信号を発すること、の他に消弧経路中で履行された機能の調整である。
前記の重要な機能には、緊急の断続に関連する機能の他に、消弧工程と並行して現れるもの、しかもその上、火花ギャップが応答したことの把握に始まって、短絡スイッチの断続もしくは再トリガリングに至るまでの、短絡スイッチの事象の制御もしくは時間的制御を受けた閉成を経て完結する正規の開閉工程と並行して現れるものも属している。
火花ギャップが応答したことの把握は、火花ギャップの応答に典型的に対応し、例えば一定の電圧相互コンダクタンスを有していて、その際、同時に、一定の電圧値が下回られるという電圧の落ち込みに関して、隣接するシステム電圧が監視されることによって行われることができる。前記ラスターに対応する外部の工程に基づく電圧の落ち込みは好都合には同様に、例えば絶縁欠陥によって生じる妨害アーク放電が電流回路全体において制御されて消弧されることができることによって検知される。
現存する情報が制御回路CCUによって評価されて、例えば遅延時間のための開始条件とみなされ、該遅延時間の経過後に短絡経路が閉成される。
遅延時間は、例えば、8/20μsもしくは10/350μsの波形の規格化されたサージ電流インパルスのインパルス長を次第に小さくする、もしくは時間的になんとか克服するように設定されることができる。10/350μsの電流インパルスのためには約2msの遅延時間が見積もられ、該遅延時間は、比較的短いインパルス付勢の場合でもほぼ前記の時間に対応して追従電流を引き起こすこともできる。緊急の断続の既存の機能によって比較的短い電流インパルス8/20μsに向けられている比較的短い不感時間、例えば60μs、も設定されることが出来、その結果、比較的長いインパルス、例えば10/350μs、の場合、緊急の断続は、電流が短絡経路中で許容される接続電流よりも大であるくらい長く周期的に活性化される。60μsの不感時間が受け入れられた場合、短絡経路は幾つかの定期的な開閉(接続)サイクルに渡って、最終的に衝撃電流の残留値が許容される接続電流に減衰するまで短絡スイッチを整流の開始のために作動させるよう試みる。前記方策によっては、遅延時間調節を経て、サイクル時間の意味における時間的に有利なことが行われることができる、即ち、前記遅延時間の経過後に、整流のための切換の試みがなされる。前記調節の長所の本質は、特に大きな追従電流が見込まれる場合の追従電流局面の短縮という点にある。
本発明の他の実施態様においては、第二の出力経路中に、制御回路からの信号検出が衝撃電流、もしくは、追従電流、もしくは、前記の両種の電流、に設定可能である電流センサが配設される。それと共に、火花ギャップを経た衝撃電流が、消弧経路中の許容される接続電流に対応する値に減衰された時に既に、整流工程を不変に設定された遅延時間に関わらず開始する可能性が存在する。従って、消弧経路中の短絡スイッチの速い接続速度に結び付く比較的わずかな応答時間によっては追従電流は実現しない。このことは、大きな追従電流が見込まれる場合に、減衰するサージ電流の、始められるべき追従電流への移行にできるだけ近くに切換時点を置くための他の可能性である。
短絡経路のための切換条件を把握するための解説された実施例は、制御回路を用いた広い範囲での適応力及び柔軟性が可能であることを示している。制御回路が遂行することのできる他の機能においては、ある種の状況のために消弧経路が望まれる持続短絡を形成する、もしくは、長時間持続して、過渡的な時間の範囲外に生じる過電圧が一定の値に制限されることによって、例えば開閉基準を拡大するために、異なる性質の組み合わせ、もしくは、論理的な結び付けも可能である。制御回路CCUを用いて遂行されるべき他の課題は、最初に与えられた時間内で消弧が行われないなら閉成時間の自動的延長であり、もしくは、火花ギャップの加熱温度を短絡スイッチ‐閉成時間、即ち、消弧時間、の自動測定に算入すること、である。
出力工程全体においてシステム電圧が実際には用いられないという事実に基づき、制御回路は、この局面に関して必要な電流供給を保証するエネルギー蓄積部材を用いる。
前述のように、短絡スイッチとしての半導体スイッチが主にパワートランジスタより成っていて、該パワートランジスタは、適切な構成要素として、大きな接続電流の場合でも短い時間間隔で要求される接続(閉成)及び断続(開成)機能を自由に行う。ここにおいて、例えば切換可能なサイリスタ、もしくは、サイリスタ、もしくは、トリガ可能な排気部材、をバリスタ、もしくは、PTC‐素子に直列に用いる選択的な解決も考えうる。
第2a図及び第2c図を参照して、一定の使用条件のもとに、活性電流回路、例えば、ソーラー装置中でL+/L−で表記される極、が地電位(大地)から確実に離されている、ないしは、据え付けられていなければならないという要求がある。この場合、避雷工学の視点から必要なアースは分離火花ギャップを介して行われねばならない。この必要に備えて、規格化された過電圧保護装置には、接地バー6がはずされて、分離火花ギャップを介して接地接続6′に接続されることによって、前記の如き分離火花ギャップ2(第1図及び第1a図参照)が統合されることができる。これに関して必要性がない場合、前記火花ギャップ2はなくてよく、装置の面では全般的な接地バー(接続6及び6′)で補われる。
第3図は、出力工程中の電流及び電圧の典型的な経過を示している。
ここにおいては、「インパルス」の領域は影響の大きさUBlitzの減衰までの本来の出力工程に関わっていて、他方、「システム」の領域は、システム電圧の再来までの、火花ギャップを経て生じる追従電流を伴う消弧局面を表わしている。
ここの局面IP1乃至IP3における図示された電流整流には以下の条件が当てはまる。
即ち UTR<UBO<UVDR
時間の範囲t0乃至t1においては影響の大きさUBlitzは先ず出力経路IP1中のバリスタを必要とし、そこにおいて電圧UVDRを引き起こす。
付属する電流に関連して前記電圧がバリスタの許容される負荷(大きさ及び時間に関して設定された値)を越えるなら、電流は、第1図及び第1a図に描かれたようにt1の時点で火花ギャップの出力経路IP2に整流され、その結果、バリスタ電圧UVDRはシステム電圧UVDCの下方の値UBOに落ち込む。影響の大きさが減衰した後に、t2の時点で火花ギャップ1を経て回路網追従電流が調整され、該回路網電流はt3の時点で短絡経路IP3に整流されて、t4の時点に該短絡経路から断続される。t3とt4の時点の間に、電圧はトランジスタ電圧UTRに低下される。
t2乃至t3の時間の範囲は、本件の場合に、望まれない追従電流が火花ギャップを経て生じる領域を表わしている(斜線で表示)。センサ、特に、電流センサS、及び、迅速な短絡スイッチに接続すると、前記の望ましくない時間の範囲は、衝撃電流負荷を越えては火花ギャップに対して何ら追加の負荷をもはや作り出さないくらいまで短縮されることができる。
要約すると、本発明の、直流電圧システムのための過電圧保護装置は、従来技術の火花ギャップを直流電圧応用して用いることを可能にする特性を使い、その際、解決手段は、火花ギャップが必要な場合にのみ出力工程に入れられることによって追従電流を回避することを目指している。追従電流は、短絡スイッチが消弧経路中で、衝撃電流の減衰のすぐ後に切り換わることによって回避される、ないしは、追従電流は、システム電圧中の、定められた電圧の落ち込みが遅延時間を誘発し、該遅延時間の経過後に短絡スイッチが消弧経路中で作動されることによって、時間的に制限されることができる。
元来の火花ギャップ経路の他に、過電圧保護素子を伴う新たな出力経路が備えられていて、該過電圧保護素子は、追従電流さえも構成することなく、比較的小さな衝撃電流乃至中くらいの衝撃電流を案内することができる。補足的に、消弧経路が存在し、発生する追従電流を検知して、火花ギャップのアーク電圧の短絡によって、火花ギャップ経路から消弧経路への電流整流を引き起こす。消弧工程が監視され、場合によっては、正規の消弧が行われなかったことが検知されるとすぐに、繰り返される。
過電圧保護装置は、バリスタを備えた第一の出力経路が、過負荷の際に、火花ギャップを備えた、比較的性能のよい第二の出力経路に整流されるように調整されている。火花ギャップ経路中の電流インパルスの減衰の後に、消弧経路への整流が行われる。
短絡−消弧経路の過負荷の際に、迅速な緊急の断続と共に、第一のバリスタ経路へと、及び、そこから場合によっては火花ギャップを伴う第二の経路へと、新たに整流が行われることができる。
1 トリガ可能な火花ギャップ(FS1)
2 分離火花ギャップ(FS2)
2′接続湾曲部
3 バリスタ素子(VDR1/VDR2)
4 調整及び監視ユニットとしての制御回路(CCU)
5 担体プレート
6 接地バー
6′接地接続

Claims (10)

  1. 直流回路網に使用するための過電圧保護装置で、特に、第一の出力経路と、第二のトリガ可能な出力経路のエネルギー調整された並列接続を伴う光起電性装置のためのもので、前記第一及び第二の出力経路はそれぞれ妨害事象と過電圧に関して異なる応答特性を有している過電圧保護装置において、第一の出力経路が少なくとも1つのバリスタを有していて、該バリスタの残留電圧値が検知され、第一の出力経路のエネルギー負荷を算出するために制御回路に到達すること、第二の出力経路が少なくとも1つの火花ギャップを有していて、該火花ギャップのトリガインプットが制御回路の第一のアウトプットに接続していること、第一及び第二の出力経路には整流及び消弧経路として第三の分岐部が並列接続されていて、該分岐部は、制御インプットが制御回路の第二のアウトプットに接続されている短絡スイッチを有していて、その際、火花ギャップを伴う第二の出力経路は、残留電圧監視部材を用いて検知される第一の出力経路のエネルギー過負荷が見込まれる時にのみ活性化され、更に、有効な回路網追従電流制限のために、第三の分岐部中の短絡スイッチが第二の出力経路中の火花ギャップの応答から算出された遅延時間の経過後の予め与えられた時間の間接続されること、を特徴とする過電圧保護装置。
  2. 第二の出力経路中の火花ギャップの応答が、電圧の落ち込みの発生に関する制御回路を用いたシステム電圧の監視によって把握されることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護装置。
  3. 第二の出力経路中の火花ギャップの応答の把握のために電流センサが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護装置。
  4. 制御回路が短絡スイッチの、遅延時間及び/又は閉成時間の確定のためのサイクルジェネレータを有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の過電圧保護装置。
  5. 閉成時間が10μsから3msの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の過電圧保護装置。
  6. 短絡状態で第三の分岐部中を流れる電流が監視され、過負荷の場合に、短絡スイッチとして装入されたパワートランジスタが開成された高抵抗の状態に移されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の過電圧保護装置。
  7. 特に衝撃電流状の電流過負荷の場合に、第一及び/又は第二の出力経路が活性化されることを特徴とする請求項6に記載の過電圧保護装置。
  8. 遅延時間は、規格化されたサージ電流インパルスのインパルス長が克服されるように調整されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の過電圧保護装置。
  9. 制御回路が、出力の場合の作動のためのエネルギー蓄積ユニットを有していることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の過電圧保護装置。
  10. 避雷工学上のアースのために、分離火花ギャップが備えられていて、アースにつながれていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の過電圧保護装置。
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