JP2010513868A - ジェットポンプライザクランプ - Google Patents

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Abstract

原子炉(1)内のパイプアセンブリにおけるサーマルスリーブ(9)およびエルボ(11)を固定するためのクランプアセンブリ(19)、および、前記クランプアセンブリを有する原子炉(1)が記載される。 前記クランプアセンブリは、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の第1の接合部(17)で前記エルボ(11)を囲んで配置されたスリーブクランプ(37)を備え、また、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)をまたいで延びるスリーブ支持手段(25)を備える。 前記クランプアセンブリ(19)は、前記スリーブクランプ(37)の位置決めを支持するために、第1の端部が、前記炉心シュラウド(7)および前記炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方に支持されるように構成された少なくとも1つのクランプアーム(27)を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、原子炉圧力容器内にあるジェットポンプライザ用のクランプと、原子炉圧力容器内にあるジェットポンプライザをクランプで覆う方法とに関する。より具体的には、本発明は、ジェットポンプライザにクラックが入る場合に備えて、ジェットポンプライザにあるパイプをともに保持する上記クランプに関する。
原子炉は、一般的には略円筒形状で、例えば、ボトムヘッドおよび取り外し可能なトップヘッドによって両端部で閉じられて、閉じた容器を形成する原子炉圧力容器を有する。炉心プレートおよびトップガイドは、原子炉圧力容器の内部に配置され、トップガイドは炉心プレートの上面に配置される。トップガイドは複数の穴を有する。燃料バンドルの形態の原子炉炉心は、各燃料バンドルがトップガイドの穴を貫通して配置され、炉心プレートに載った状態で、原子炉圧力容器の内部に配置される。原子炉によっては、炉心、炉心プレート、およびトップガイドを囲む炉心シュラウドを設けたものもある。
原子炉圧力容器は、炉心およびシュラウドを覆う水を充填される。原子炉圧力容器内の水は、原子炉の運転時に炉心を流れて炉心を冷却する。その流れは通常、シュラウドと原子炉圧力容器との間に配置された循環ポンプによって発生し、これにより、シュラウドと原子炉圧力容器(RPV)壁との間の空間を水が下方に流れるようになる。循環ポンプは、多種多様なタイプのいずれかのものとすることができる。上記のタイプの原子炉で使用する循環ポンプの1つのタイプにジェットポンプがあり、シュラウドと原子炉圧力容器との間に配置されたジェットポンプ内の細いノズルを通じて水が注入される。水は、RPV壁内の導入ノズルを通ってRPVに入る。ジェットポンプライザアセンブリは導入ノズルに接続され、サーマルスリーブ、下側エルボ、ライザ管、および上側エルボを有する。サーマルスリーブの一方の端部はRPVの外側に配置され、一方、サーマルスリーブの他方の端部は、下側エルボの第1の端部に溶接される。下側エルボの第2の端部は、ライザ管の第1の端部に溶接される。ライザ管の第2の端部は、上側エルボに溶接される。原子炉の運転時に、かなりの量の水がジェットポンプライザアセンブリを通じて押し出される。大量の水がジェットポンプライザアセンブリを流れると、大きな水圧および振動がジェットポンプアセンブリにかかる。さらに、原子炉の運転時に、大量の熱が炉心で発生し、その結果、熱応力がジェットポンプアセンブリにかかる。水圧、振動応力、および熱応力によって、ライザ管エルボに応力腐食割れ(SCC)が発生することがあり、結果的に、ライザ管エルボがサーマルスリーブから切断される恐れがある。当然ながら、これは全く望ましくない。
ジェットポンプライザエルボを支持する装置を提供することが望ましい。この種の装置は、米国特許第6,053,652号明細書に記載されており、この特許は、ライザ管および下側エルボを支持するクランプアセンブリに関するものである。クランプアセンブリは、サーマルスリーブに固定されるように構成された下側サーマルスリーブクランプと、ライザ管に固定されるように構成されたライザクランプとを有する。下側クランプとライザクランプとは互いに連結される。このようなクランプアセンブリの場合、サーマルスリーブと下側エルボとの間の溶接部、および下側エルボとライザ管との間の溶接部にかかる応力が大幅に低減される。これは、下側エルボとライザ管との間の接合部、および下側エルボとサーマルスリーブとの間の接合部で、ライザ管アセンブリにSCCが発生する危険性を最小限にする。しかし、米国特許第6,053,652号明細書によるクランプアセンブリの場合、下側エルボとライザ管との間の溶接部、および下側エルボとサーマルスリーブとの間の溶接部を検査するのがより困難になることがある。
米国特許第6,108,391号明細書は、ジェットポンプライザ管を修理するクランプ装置について記載している。前記特許に記載されたクランプ装置は、下側クランプ要素および上側クランプ要素を有する。上側および下側要素は、サーマルスリーブとジェットポンプライザエルボとの間の接合部に配置されるように構成される。上側および下側要素は、接合部の両側でスリーブエルボアセンブリに正確に機械加工された円周方向の溝に嵌合するように構成された突出隆起部を有する。
米国特許第6,108,391号明細書に記載されたクランプ装置の1つの欠点は、接合部の両側で、スリーブエルボアセンブリに正確に機械加工された溝を必要とすることである。
先行技術による装置を使用して、原子炉圧力容器内にあるライザ管アセンブリのライザ管と、下側エルボと、サーマルスリーブとの間の接合部を支持することができる。しかし、先行技術の問題の少なくとも1つを解決する代替のクランプ装置が必要である。
本発明の目的は、原子炉圧力容器内にあるライザ管アセンブリのライザ管と、下側エルボと、サーマルスリーブとの間の接合部の少なくとも1つを支持するクランプ装置を提供することである。
本発明の他の目的は、原子炉圧力容器内にあるライザ管アセンブリのライザ管と、下側エルボと、サーマルスリーブとの間の接合部の少なくとも1つを支持し、先行技術によるクランプに関する問題の少なくとも1つを解決するクランプ装置を提供することである。
これらの目的は、独立請求項によるクランプ装置で達成される。
本発明に付帯するさらなる利点は、従属請求項で定義した特徴によって得られる。
本発明の第1の態様によれば、原子炉内にあるパイプアセンブリのサーマルスリーブとエルボを固定するクランプアセンブリが提供される。パイプアセンブリは、長軸を備えたサーマルスリーブ、エルボ、および長軸を備えたライザ管を有し、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部、およびライザ管とエルボとの間の第2の接合部を含む。エルボは、原子炉圧力容器壁と、炉心シュラウドおよび炉心プレート支持リングの少なくとも一方との間に配置される。クランプアセンブリは、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部でエルボを囲んで配置されるように構成されたスリーブクランプと、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部をまたいで延びるように構成されたスリーブ支持手段と、パイプアセンブリと炉心シュラウドとの間に一部分が配置され、スリーブクランプ対して固定され、パイプアセンブリと接触するように構成されたクランプバンドとを有する。クランプアセンブリは、クランプバンドがエルボの、炉心シュラウドと対向する面と接触するように構成されたことを特徴とし、また、クランプアセンブリが、炉心シュラウドおよび炉心プレート支持リングの少なくとも一方に支持されるように構成された第1の端部を備えた少なくとも1つのクランプアームと、クランプアームとスリーブクランプとの間に配置されて、炉心シュラウドから離れる方向でスリーブクランプに力を加え、クランプバンドをエルボの、炉心シュラウドと対向する面と接触させるばね手段とを有することを特徴とする。それによって、スプリング手段は、サーマルスリーブに向かう方向でエルボに力を加え、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部に対してスリーブクランプの位置を固定する。
本発明によるクランプアセンブリの場合、サーマルスリーブに対してサーマルスリーブの長軸に垂直な方向に、エルボが移動できなくなると同時に、サーマルスリーブに向かう方向でエルボに力が加えられる。さらに、クランプアームは、炉心シュラウドによる支持を可能にする。クランプアームとスリーブクランプとの間にばね手段を有することで、炉心シュラウドは、原子炉圧力容器に対して移動することができ、これは、原子炉の運転モード切替時に起こり得る。本発明によるクランプアセンブリの場合、スリーブクランプの位置は、クランプバンドの大きさによって決まり、一方、エルボにかかるクランプバンドの力は、ばね手段のばね定数とクランプアームの長さとによって決まる。
ばね手段は、圧縮可能なリングからなることができる。これは、ばね手段を頑強なものとした実施例である。一方、ばね手段を別の形態で具現化することも可能である。ばね手段は、例えば、1つまたは複数の皿ばね、またはコイルばねとすることができる。
クランプアセンブリは、エルボとスリーブクランプとの間に配置され、前記少なくとも1つのクランプアームに対して固定して配置されるように構成されたばね支持体を有することができ、ばね手段は、ばね支持体とスリーブクランプとの間に配置される。そのようなばね支持体をクランプアームとばね手段との間に配置することにより、ばね手段の配置が容易になる。
スリーブ支持手段は、スリーブクランプから突出し、サーマルスリーブのまわりに離間するように構成された複数のスタッドからなることができる。スタッド間に空間があると、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部にカメラを配置することが可能になるので、スリーブ支持手段を複数のスタッドとすることによって、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部の将来的な検査が容易になる。
スリーブクランプは、留め具手段を用いて互いに取り付けられる下側スリーブクランプ部および上側スリーブクランプ部からなることができる。スリーブクランプを2つの部分に分割することによって、原子炉内において比較的簡単な方法でスリーブクランプをエルボのまわりに配置することができる。
留め具手段はねじとすることができる。留め具手段として当業者に公知の任意の留め具手段を使用することも可能である。もっとも、原子炉内のスリーブクランプ上に配置するには、ねじが比較的簡単である。
クランプバンドは、留め具手段を用いて上側スリーブクランプに取り付けることができる。留め具手段を用いてクランプバンドを上側スリーブクランプに取り付けることによって、クランプアセンブリで必要とされる部品が最小限になる。
スリーブクランプは、エルボおよびサーマルスリーブと軽く接触するように構成することができ、それによって、エルボおよびサーマルスリーブがスリーブクランプに対して移動できるようになる。こうして、スリーブクランプの位置がクランプバンドの長さのみによって規定される。
本発明の第2の態様によれば、壁を備えた原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器の内部に配置された炉心と、炉心が配置された炉心プレートと、炉心プレートを支持する炉心プレーと支持リングと、炉心を囲み、原子炉圧力容器内に配置された炉心シュラウドと、炉心を冷却するために、冷却水を原子炉圧力容器内に送るパイプアセンブリとを有する原子炉が提供される。パイプアセンブリは、原子炉圧力容器壁を貫通して配置された、長軸を含むサーマルスリーブと、エルボと、長軸を含むライザ管とを有し、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部、およびライザ管とエルボとの間の第2の接合部を含む。ライザ管およびエルボは、原子炉圧力容器壁と、炉心シュラウドおよび炉心プレート支持リングの少なくとも一方との間に配置される。原子炉はまた、サーマルスリーブとエルボを固定するクランプアセンブリを有し、前記クランプアセンブリは、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部でエルボを囲んで配置されたスリーブクランプを有し、このスリーブクランプは、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部をまたいで延びるスリーブ支持手段と、パイプアセンブリと炉心シュラウドとの間に一部分が配置され、スリーブクランプに対して固定され、パイプアセンブリと接触するクランプバンドとを有する。原子炉は、クランプバンドがエルボの、炉心シュラウドと対向する面と接触することを特徴とし、また、クランプアセンブリが、炉心シュラウドおよび炉心プレート支持リングの少なくとも一方に支持されるように構成された第1の端部を備えた少なくとも1つのクランプアームと、クランプアームとスリーブクランプとの間に配置されて、炉心シュラウドから離れる方向でスリーブクランプに力を加え、クランプバンドをエルボの、炉心シュラウドと対向する面と接触させるばね手段とを有することを特徴とし、それによって、サーマルスリーブに向かう方向でエルボに力を加え、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部に対してスリーブクランプの位置を固定する。
クランプアセンブリが原子炉内でそのように配置されると、エルボが、サーマルスリーブに対してサーマルスリーブの長軸に垂直な方向に移動できなくなると同時に、サーマルスリーブに向かう方向でエルボに力が加わる。さらに、クランプアームは、炉心シュラウドによる支持を可能にする。クランプアームとスリーブクランプとの間にばね手段を有することで、炉心シュラウドは、原子炉圧力容器に対して移動することができ、これは、原子炉の運転モード切替時に起こり得る。本発明によるクランプアセンブリの場合、スリーブクランプの位置は、クランプバンドの大きさによって決まり、一方、エルボにかかるクランプバンドの力は、ばね手段のばね定数とクランプアームの長さとによって決まる。
本発明の第1の態様に関して上記した特徴は、上記したのと同じ利点を有したまま、本発明の第2の態様による原子炉内でも実施することができる。
クランプバンド全体をエルボとライザ管との間の第2の接合部より下に配置することができる。こうしたクランプバンドの配置により、エルボとライザ管との間の第2の接合部の検査が容易になる。
原子炉は、ライザ管の長軸とサーマルスリーブの長軸とによって定義される平面の両側に配置された2つのクランプアームを有することができる。このように2つのクランプを配置することで、クランプアセンブリが安定化する。
留め具手段は、基本的にライザ管の長軸に対して平行に配置することができる。これは、原子炉内での留め具手段の配置を容易にする。
クランプバンドは、基本的にU字形状とされ、ライザ管の長軸とサーマルスリーブの長軸とによって定義される平面の一方の側にある留め具手段から、エルボの後ろでエルボと炉心シュラウドの間に延び、さらに前記平面のもう一方の側にある留め具手段に至る。
本発明の第3の態様によれば、壁を備えた原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器の内部に配置された炉心と、炉心が配置された炉心プレートと、炉心プレートを支持する炉心プレート支持リングと、炉心を囲み、原子炉圧力容器内に配置された炉心シュラウドと、炉心を冷却するために、冷却水を原子炉圧力容器内に送るパイプアセンブリとを有する原子炉内で、サーマルスリーブとエルボを固定する方法が提供される。パイプアセンブリは、原子炉圧力容器壁を貫通して配置された、長軸を含むサーマルスリーブと、エルボと、長軸を含むライザ管とを有し、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部、およびライザ管とエルボとの間の第2の接合部を含む。ライザ管およびエルボは、原子炉圧力容器壁と、炉心シュラウドおよび炉心プレート支持リングの少なくとも一方との間に配置される。この方法は、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部で、エルボを囲むようにスリーブクランプを配置することによって、かつ、スリーブクランプに対して固定されて、パイプアセンブリと接触するクランプバンドを、パイプアセンブリと炉心シュラウドとの間に部分的に配置することによって、クランプアセンブリをパイプアセンブリに配置するステップを含み、スリーブクランプは、エルボとサーマルスリーブとの間の第1の接合部をまたいで延びるスリーブ支持手段を有する。この方法は、クランプバンドをエルボの、炉心シュラウドに対向する面と接触させて配置することを特徴とし、また、この方法が、炉心シュラウドおよび炉心プレート支持リングの少なくとも一方に支持されるように構成された第1の端部を備えた少なくとも1つのクランプアームを配置するステップと、炉心シュラウドから離れる方向でスリーブクランプに力を加えて、クランプバンドをエルボの、炉心シュラウドに対向する面と接触させるために、クランプアームとスリーブクランプの間にばね手段を配置するステップとを含むことを特徴とし、それによって、サーマルスリーブに向かう方向でエルボに力を加え、エルボとサーマルスリーブの間の第1の接合部に対してスリーブクランプの位置を固定する。
本発明の第3の態様による方法の場合、エルボがサーマルスリーブに対してサーマルスリーブの長軸に垂直な方向に移動できなくなると同時に、サーマルスリーブに向かう方向でエルボに力が加わるように、クランプアセンブリを原子炉内に配置する。さらに、クランプアームは、炉心シュラウドによる支持を可能にする。クランプアームとスリーブクランプとの間にばね手段を有することで、炉心シュラウドは、原子炉圧力容器に対して移動することができ、これは、原子炉の運転モード切替時に起こり得る。本発明によるクランプアセンブリの場合、スリーブクランプの位置は、クランプバンドの大きさによって決まり、一方、エルボにかかるクランプバンドの力は、ばね手段のばね定数とクランプアームの長さとによって決まる。
下記の本発明の好ましい実施形態では、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明によるクランプアセンブリを配置することができる沸騰水型原子炉を概略的に示す図である。 図2は、図1の沸騰水型原子炉にあるパイプアセンブリに配置されたクランプアセンブリを拡大して詳細に示す図である。 図3は、図2のクランプアセンブリの分解図である。
本発明の好ましい実施形態の以下の説明において、同じ参照番号は、一定の縮尺で示されていない異なる図面にある同様の部分に対して使用される。
図1は、本発明によるクランプアセンブリを配置することができる沸騰水型原子炉1を概略的に示している。原子炉1は、壁3を備えた原子炉圧力容器2と、原子炉圧力容器2の内部に配置された炉心4と、炉心4が配置された炉心プレート5と、炉心プレート5を支持する炉心プレート支持リング6と、炉心4を囲み、原子炉圧力容器2内に配置された炉心シュラウド7とを有する。原子炉はまた、炉心4を冷却するために、冷却水を原子炉圧力容器2内に送る、ジェットポンプアセンブリ8の形態の複数のパイプアセンブリを有する。ジェットポンプアセンブリ8は、導入口10を備えて、原子炉圧力容器壁3を貫通して配置されたサーマルスリーブ9と、エルボ11およびエルボ11から上方にトランジションピース13まで延びるライザ管12と、トランジションピースから下方に延びる2つのインレットミキサ14とを有する。水は、外部ポンプ(図示せず)によって導入口10に送り込まれる。水は、エルボ11およびライザポンプを通ってトランジションピースに押し込まれ、そこから、ジェットポンプ(図示せず)内のノズル(図示せず)を通って押し出されてインレットミキサを通り、こうして、トランジションピース13から下方に原子炉圧力容器2の底部に向かい、さらに、炉心4を通って上昇する水の流れが生成される。
図2は、図1の沸騰水型原子炉1にあるパイプアセンブリに配置されたクランプアセンブリ19をさらに拡大して詳細に示し、パイプアセンブリは、サーマルスリーブ9、エルボ11、およびライザ管12を有する。サーマルスリーブ9は、基本的に原子炉圧力壁3に対して垂直な長軸15を有する。ライザ管12は、基本的にサーマルスリーブの長軸に対して垂直な長軸16を有する。パイプアセンブリは、エルボ11とサーマルスリーブ9との間の第1の接合部17、および、ライザ管12とエルボ11との間の第2の接合部18を有する。第1の連結パイプ20は、エルボ11とライザ管12との間に配置されている。第2の連結パイプ21は、エルボ11とサーマルスリーブ9との間に配置されている。ライザ管9およびエルボ11は、原子炉圧力容器壁3と、炉心シュラウド7および炉心プレート支持リング6の少なくとも一方との間に配置されている。サーマルスリーブ9とエルボ11とを固定するクランプアセンブリ19は、エルボ11とサーマルスリーブ9との間の第1の接合部17でエルボ11を囲んで配置されたスリーブクランプ37を有する。スリーブクランプ37は、ねじ24の形態の留め具手段を用いて互いに取り付けられる下側スリーブクランプ部22および上側スリーブクランプ部23を有する。ねじ24は、基本的にライザ管12の長軸16に対して平行に配置されている。スリーブクランプ37は、スリーブクランプから突出して、サーマルスリーブ9のまわりに離間したスタッドの形態で、エルボ11とサーマルスリーブ9との間の第1の接合部17をまたいで延びるスリーブ支持手段25、および、一部分がパイプアセンブリと炉心シュラウド7との間に配置され、スリーブクランプ37に対して固定され、パイプアセンブリと接触しているクランプバンド26を有する。クランプバンド26は、ねじ24を用いて上側スリーブクランプ部23に取り付けられている。クランプバンド26は、エルボ11の炉心シュラウド7に対向する側面と接触している。クランプアセンブリはまた、ライザ管12の長軸16と、サーマルスリーブ9の長軸15とによって定義される平面の両側に配置された2つのクランプアーム27を有し、クランプアーム27の第1の端部30は、炉心シュラウド7および炉心プレート支持リング6の少なくとも一方に支持されるように構成されている。さらに、クランプアセンブリは、リングの形態のばね手段28を有する。ばね手段28は、クランプアーム27に対して固定されたばね支持体29と上側スリーブクランプ部23との間に配置されて、スリーブクランプ37に炉心シュラウド7から離れる方向の力を加え、クランプバンド26をエルボ11の炉心シュラウド7に対向する側面と接触させる。こうして、ばね手段28は、エルボ11にサーマルスリーブ9に向かう方向の力を加え、エルボ11とサーマルスリーブ9との間の第1の接合部17に対して、スリーブクランプの位置を固定する。スリーブクランプは、エルボ11およびサーマルスリーブ9とを緩く嵌合して配置され、それによって、エルボ11およびサーマルスリーブ9がスリーブクランプに対して移動するのを可能にする。クランプバンド26は、基本的にU字形状とされ、ライザ管12の長軸16とサーマルスリーブ9の長軸15とによって定義される平面の一方の側にあるねじ24から、エルボ11の後ろでエルボ11と炉心シュラウド7との間に延び、さらに前記平面のもう一方の側にあるねじ24に至る。
図3は、下側スリーブクランプ部22、上側スリーブクランプ部23、クランプアーム27、ばね支持体29、クランプバンド26、ばね手段28、およびねじ24を示す図2のクランプアセンブリの分解図である。クランプアーム27は、炉心シュラウド7および炉心プレート支持リング6の少なくとも一方に支持されるように構成された第1の端部30を有する。クランプアーム27はまた、長軸35を有する。支持アーム27の第2の端部は、スリーブクランプアームの支持面32が下側スリーブクランプ部22に支持された状態で、下側スリーブクランプ部の凹部31に配置される。ばね支持体29は、2つの支持アーム33を有しており、この支持アームは、クランプアームの対応する凹部34に配置され、それによって、ばね支持体がクランプアーム27の長軸35に沿って移動するのを防止するように構成されている。ばね支持体29の支持スタッド36は、クランプアーム27に支持されるように構成されている。クランプバンド26は、ばね支持体29の側部張出部に支持されるように構成されている。クランプバンドが、ねじ24を用いて上側スリーブクランプ部23および下側スリーブクランプ部22に固定されると、それによって、ばね支持体29は、クランプアーム27に対して移動できなくなる。この場合に、ばね支持体29およびクランプアーム27は、クランプアーム27の長軸に沿ってのみ移動することができる。
説明した実施形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多岐にわたって修正することができ、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明によるクランプアセンブリにおいて、クランプアーム27を1つだけにすることも可能である。

Claims (22)

  1. 原子炉(1)内のパイプアセンブリにおけるサーマルスリーブ(9)およびエルボ(11)を固定するためのクランプアセンブリ(19)であり、前記パイプアセンブリは、長軸(15)を有するサーマルスリーブ(9)、エルボ(11)、および長軸(16)を有するライザ管(12)を備え、前記エルボと前記サーマルスリーブとの間の第1の接合部(17)、および前記ライザ管(12)と前記エルボ(11)との間の第2の接合部(18)を含み、前記エルボ(11)は、原子炉圧力容器壁(3)と、炉心シュラウド(7)および炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方との間に配置され、前記クランプアセンブリは、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)で前記エルボ(11)を囲んで配置されたスリーブクランプ(37)を備え、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)をまたいで延びるスリーブ支持手段(25)、および、一部分が前記パイプアセンブリと前記炉心シュラウド(7)との間に配置され、前記スリーブクランプ(37)に対して固定され、前記パイプアセンブリと接触しているクランプバンド(26)を備えた、クランプアセンブリであって、
    前記クランプバンド(26)が、前記エルボ(11)の前記炉心シュラウド(7)に対向する側面と接触していることを特徴とし、また、前記クランプアセンブリがさらに、
    第1の端部が、前記炉心シュラウド(7)および前記炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方に支持されるように構成された少なくとも1つのクランプアーム(27)と、
    前記クランプアームと前記スリーブクランプ(37)との間に配置されて、前記スリーブクランプ(37)に前記炉心シュラウド(7)から離れる方向の力を加え、前記クランプバンド(26)を前記エルボ(11)の前記炉心シュラウド(7)に対向する側面と接触させ、これにより、前記エルボ(11)に前記サーマルスリーブ(9)に向かう方向の力を加え、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)に対して、前記スリーブクランプ(37)の位置を固定するばね手段(28)とを備える、
    ことを特徴とする。
  2. 請求項1に記載のクランプアセンブリであって、前記ばね手段(28)は、圧縮可能なリングを含む。
  3. 請求項1または請求項2に記載のクランプアセンブリであって、前記エルボ(11)と前記スリーブクランプ(37)との間に配置され、前記少なくとも1つのクランプアーム(27)に対して固定されるばね支持体(29)を備え、前記ばね手段(28)は、前記ばね支持体(29)と前記スリーブクランプ(37)との間に配置される。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクランプアセンブリであって、前記スリーブ支持手段(25)は、前記スリーブクランプ(37)から突出し、かつ、前記サーマルスリーブ(9)のまわりに離間した複数のスタッドを含む。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のクランプアセンブリであって、前記スリーブクランプ(37)は、留め具手段を用いて互いに取り付けられる下側スリーブクランプ部(22)および上側スリーブクランプ部(23)を含む。
  6. 請求項5に記載のクランプアセンブリであって、前記留め具手段はねじ(24)である。
  7. 請求項5または請求項6に記載のクランプアセンブリであって、前記クランプバンド(26)は、前記留め具手段を用いて前記上側スリーブクランプ部(23)に取り付けられる。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のクランプアセンブリであって、前記スリーブクランプ(37)は、前記エルボ(11)および前記サーマルスリーブ(9)と緩く接触して配置され、これにより、前記エルボ(11)および前記サーマルスリーブ(9)が前記スリーブクランプ(37)に対して移動するのを可能にする。
  9. 以下を備えた原子炉(1)、すなわち、
    壁(3)を有する原子炉圧力容器(2)と、
    前記原子炉圧力容器(2)の内部に配置された炉心(4)と、
    前記炉心(4)が配置された炉心プレート(5)と、
    前記炉心プレート(5)を支持する炉心プレーと支持リング(6)と、
    前記炉心(4)を囲み、前記原子炉圧力容器(2)内に配置された炉心シュラウド(7)と、
    前記炉心(4)を冷却するために、冷却水を前記原子炉圧力容器(2)内に送るパイプアセンブリであり、前記パイプアセンブリは、前記原子炉圧力容器壁(3)を貫通して配置された、長軸(15)を有するサーマルスリーブ(9)と、エルボ(11)と、長軸(16)を有するライザ管(12)とを備え、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の第1の接合部(17)と、前記ライザ管(12)と前記エルボとの間の第2の接合部(18)とを含み、前記ライザ管(12)および前記エルボ(11)は、前記原子炉圧力容器壁(3)と、前記炉心シュラウド(7)および前記炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方との間に配置された、パイプアセンブリと、
    前記サーマルスリーブ(9)および前記エルボ(11)を固定するクランプアセンブリであり、前記クランプアセンブリは、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)で前記エルボを囲んで配置されたスリーブクランプ(37)を備え、このスリーブクランプ(37)は、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)をまたいで延びるスリーブ支持手段(25)と、前記パイプアセンブリと前記炉心シュラウド(7)との間に一部分が配置され、前記スリーブクランプ(37)に対して固定され、前記パイプアセンブリと接触するクランプバンド(26)とを備えた、クランプアセンブリと、
    を備えた原子炉であって、
    前記クランプバンド(26)が、前記エルボ(11)の前記炉心シュラウド(7)に対向する側面と接触していることを特徴とし、また、前記クランプアセンブリがさらに、
    第1の端部が、前記炉心シュラウド(7)および前記炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方に支持されるように構成された少なくとも1つのクランプアーム(27)と、
    前記クランプアーム(27)と前記スリーブクランプ(37)との間に配置されて、前記スリーブクランプ(37)に前記炉心シュラウド(7)から離れる方向の力を加え、前記クランプバンド(26)を前記エルボ(11)の前記炉心シュラウド(7)に対向する側面と接触させ、これにより、前記エルボ(11)に前記サーマルスリーブ(9)に向かう方向の力を加え、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)に対して、前記スリーブクランプ(37)の位置を固定するばね手段(28)とを備える、
    ことを特徴とする。
  10. 請求項9に記載の原子炉であって、前記ばね手段は、圧縮可能なリングを含む。
  11. 請求項9または請求項10に記載の原子炉であって、前記エルボ(11)と前記スリーブクランプ(37)との間に配置され、前記少なくとも1つのクランプアーム(27)に対して固定されるばね支持体(29)を備え、前記ばね手段(28)は、前記ばね支持体と前記スリーブクランプ(37)との間に配置される。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記クランプバンド全体は、前記エルボ(11)と前記ライザ管(12)との間の前記第2の接合部(18)より下に配置される。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記ライザ管(12)の前記長軸(16)と前記サーマルスリーブ(9)の前記長軸(15)とによって定義される平面の両側に配置された2つのクランプアーム(27)を含む。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記スリーブ支持手段(25)は、前記スリーブクランプ(37)から突出し、かつ、前記サーマルスリーブ(9)のまわりに離間した複数のスタッドを含む。
  15. 請求項9〜14のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記スリーブクランプ(37)は、留め具手段を用いて互いに取り付けられる下側スリーブクランプ部(22)および上側スリーブクランプ部(23)を含む。
  16. 請求項15に記載の原子炉であって、前記留め具手段はねじ(24)である。
  17. 請求項15または請求項16に記載の原子炉であって、前記クランプバンド(26)は、前記留め具手段を用いて前記上側スリーブクランプ部(23)に取り付けられる。
  18. 請求項9〜17のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記留め具手段は、基本的に、前記ライザ管(12)の前記長軸(16)に対して平行に配置される。
  19. 請求項9〜18のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記ライザ管(12)の前記長軸(16)は、基本的に、前記サーマルスリーブ(9)の前記長軸(15)に対して垂直である。
  20. 請求項9〜19のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記スリーブクランプ(37)は、前記エルボ(11)および前記サーマルスリーブ(9)と緩く嵌合して配置され、これにより、前記エルボ(11)および前記サーマルスリーブ(9)が前記スリーブクランプ(37)に対して移動するのを可能にする。
  21. 請求項9〜20のいずれか1項に記載の原子炉であって、前記クランプバンドは、基本的にU字形状とされ、前記ライザ管(12)の前記長軸(16)と前記サーマルスリーブ(9)の前記長軸(15)とによって定義される平面の一方の側にある留め具手段から、前記エルボ(11)の後ろで前記エルボ(11)と前記炉心シュラウド(7)との間に延び、さらに前記平面のもう一方の側にある留め具手段に至る。
  22. 以下を備えた原子炉(1)、すなわち、
    壁(3)を有する原子炉圧力容器(2)と、
    前記原子炉圧力容器(2)の内部に配置された炉心(4)と、
    前記炉心(4)が配置された炉心プレート(5)と、
    前記炉心プレート(5)を支持する炉心プレート支持リング(6)と、
    前記炉心(4)を囲み、前記原子炉圧力容器(2)内に配置された炉心シュラウド(7)と、
    前記炉心を冷却するために、冷却水を前記原子炉圧力容器内に送るパイプアセンブリであり、前記パイプアセンブリは、前記原子炉圧力容器壁を貫通して配置された、長軸を有するサーマルスリーブと、エルボと、長軸を有するライザ管とを備え、前記エルボと前記サーマルスリーブとの間の第1の接合部(17)と、前記ライザ管(12)と前記エルボ(11)との間の第2の接合部(18)とを含み、前記ライザ管(12)および前記エルボ(11)は、前記原子炉圧力容器壁(3)と、前記炉心シュラウド(7)および前記炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方との間に配置される、パイプアセンブリと、
    を備えた原子炉内で、サーマルスリーブ(9)およびエルボ(11)を固定する方法であって、
    前記方法は、前記エルボと前記サーマルスリーブの間の前記第1の接合部(17)で、前記エルボを囲むようにスリーブクランプ(37)を配置することによって、また、前記スリーブクランプ(37)に対して固定され、前記パイプアセンブリと接触するクランプバンドを、前記パイプアセンブリと前記炉心シュラウドとの間に部分的に配置することによって、クランプアセンブリを前記パイプアセンブリに配置するステップを含み、前記スリーブクランプ(37)は、前記エルボと前記サーマルスリーブとの間の前記第1の接合部(17)をまたいで延びるスリーブ支持手段(25)を有し、
    前記クランプバンド(26)が、前記エルボ(11)の前記炉心シュラウド(7)に対向する側面と接触して配置されることを特徴とし、前記方法がさらに、
    前記炉心シュラウド(7)と前記炉心プレート支持リング(6)の少なくとも一方に支持されるように構成された第1の端部を有する少なくとも1つのクランプアーム(27)を配置するステップと、
    前記スリーブクランプ(37)に前記炉心シュラウド(7)から離れる方向の力を加えて、前記クランプバンド(26)を前記エルボ(11)の前記炉心シュラウド(7)に対向する側面と接触させるために、前記クランプアーム(27)と前記スリーブクランプ(37)との間に前記ばね手段(28)を配置するステップであり、これにより、前記エルボ(11)に前記サーマルスリーブ(9)に向かう方向の力を加え、前記エルボ(11)と前記サーマルスリーブ(9)との間の前記第1の接合部(17)に対して、前記スリーブクランプ(37)の位置を固定する、ばね手段(28)の配置ステップとを含む、
    ことを特徴とする。
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