JP2010511057A - 急性骨髄性白血病の処置のためのiap阻害剤の使用 - Google Patents

急性骨髄性白血病の処置のためのiap阻害剤の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、急性骨髄性白血病(AML)を含む血液悪性疾患を処置するための方法であって、Smacタンパク質のIAPへの結合を阻害する化合物(“IAP阻害剤”)の使用を含む方法に関する。本発明は、また、AMLを含む血液悪性疾患を処置するための薬剤を製造するためのIAP阻害剤の使用に関する。

Description

技術分野
本発明は、急性骨髄性白血病(AML)を含む血液悪性疾患を処置するための方法であって、Smacタンパク質のIAPへの結合を阻害する化合物(“IAP阻害剤”)の使用を含む方法に関する。
本発明は、また、AMLを含む血液悪性疾患を処置するための薬剤を製造するためのIAP阻害剤の使用に関する。
AMLは骨髄前駆細胞の細胞分化の妨害および異常増殖により特徴付けられる血液悪性疾患である。AML患者の約30%および急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者の一部は、変異体型のクラスIII受容体チロシンキナーゼ、FLT3(Fms様チロシンキナーゼ−3;STK−1、ヒト幹細胞チロシンキナーゼ−1;またはFLK−2、胎児肝臓キナーゼ−2)を発現させる。Rosnet and Birnbaum (1993)およびStirewalt and Radich (2003)参照。構造的に活性化したFLT3はほとんどの場合、膜近傍ドメイン内に内部直列重複として発生し[Nakao et al. (1996)参照]、骨髄異形成症候群(MDS)を有する患者では5%未満であるが約20−25%のAML患者で観察される。Nakao et al. (1996); Horiike et al. (1997); Kiyoi et al. (1998); Kondo et al. (1999); Kiyoi et al. (1999)およびRombouts et al. (2000)参照。FLT3−ITD変異体を発現するレトロウイルスで感染させたマウス骨髄細胞の移植で、マウスにおいて致死の骨髄増殖性疾患の発症を迅速に引き起こすことが示されている。Kelly et al. (2002)参照。機能獲得型FLT3は活性化ループにおける点変異があまり起こらず(約7%のAML場合)、しばしば、835位のアスパラギン(Asp)残基により特徴付けられる。Yamamoto et al. (2001)参照。N841I[Jiang et al. (2004)参照]およびY842C[Kindler et al. (2005)参照]を含むキナーゼドメインにおけるさらなる点変異はあまり起こらない。急性白血病患者を処置するための小分子を開発することが必要である。
発明の要旨
IAPタンパク質のファミリーメンバーがアポトーシスを介在する役割を果たし、それらが急性白血病において可変的に発現されることが見出されたため、これらのタンパク質が白血病の標的となり、化学療法感受性、化学療法耐性、疾患の進行、寛解および患者の生存率と関連することを見出した。
本発明は、白血病、とりわけAML、特に、慣用の化学療法に耐性であるAMLを有する温血動物、とりわけヒトを処置する方法であって、治療有効量のAMLの処置に有用なIAP阻害剤を該動物に投与することを含む方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、AMLを含む血液悪性疾患を処置するための薬剤を製造するためのIAP阻害剤の使用に関する。
図1は、PKC412−感受性FLT3−ITD−Ba/F3およびPKC412−耐性G697R−Ba/F3におけるN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドとPKC412の2日処置を説明する(n=2)。 図2は、PKC412−感受性FLT3−ITD−Ba/F3およびPKC412−耐性G697R−Ba/F3におけるN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドとLBW242の3日処置を説明する(n=2)。 図3は、野生型FLT3−Ba/F3およびD835Y−Ba/F3細胞におけるN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドとLBW242の3日処置を説明する(n=2)。 図4は、尾静脈内注射を介して800,000個のBa/F3−FLT3−ITD−luc+細胞を注入され、次に10日間まで強制経口投与によりビヒクル(NMP+PEG300)、LBW242(50mg/kg)で処置されたNCRヌードマウスを説明する。
発明の詳細な説明
アポトーシスシグナル伝達のメディエーターは治療的介入に対する魅力ある標的を示す。“カスパーゼの第2のミトコンドリア由来活性化因子”(“Smac”)は内因性アポトーシス経路を介して起こすアポトーシスを介在し[Du et al. (2000)参照]、IAPファミリーのタンパク質に結合し、阻害する。Liu et al. (2000)およびWu et al. (2000)参照。SmacはDrosophila Reaper、HidおよびGrimの機能的同等物であろう[Vucic et al. (1998); McCarthy and Dixit (1998)およびGoyal et al. (2000)参照];マウスSmacオルソログはDIABLOである。Verhagen et al. (2000)参照。同定されたヒトIAP(c−IAP−1、c−IAP−2およびX染色体連鎖IAPまたはXIAP)はカスパーゼ9に結合し、その活性化を妨害する。Deveraux et al. (1998)参照。IAPは、また、活性型カスパーゼに直接結合し、阻害する[Deveraux et al. (1997); Roy et al. (1997)およびDeveraux et al. (1998)参照];BIR(“バキュロウイルスIAP繰り返し”)ドメインはIAPの抗アポトーシス活性に関与する。Takahashi et al. (1998)参照。IAPタンパク質のファミリーメンバーはアポトーシスを介在する役割を果たす。
本発明で使用するIAP阻害剤化合物は、式(I):
Figure 2010511057
〔式中、
は、H;C−Cアルキル;C−Cアルケニル;C−CアルキニルまたはC−C10シクロアルキルであり、これらは非置換であるか、または、置換されており;
は、H;C−Cアルキル;C−Cアルケニル;C−CアルキニルまたはC−C10シクロアルキルであり、これらは非置換であるか、または、置換されており;
は、H;−CF;−C;C−Cアルキル;C−Cアルケニル;C−Cアルキニル;−CH−Zであるか、または、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、het環を形成し、
Zは、H;−OH;F;Cl;−CH;−CF;−CHCl;−CHFまたは−CHOHであり;
は、C−C16直鎖または分岐鎖アルキル;C−C16アルケニル;C−C16アルキニル;または−C−C10シクロアルキル;(CH1−6−Z;−(CH0−6−アリールフェニル;および−(CH0−6−hetであり;ここで、アルキル、シクロアルキルおよびフェニルは非置換であるか、または置換されており;
は、−N(R)−C(O)−C−C10アルキル;−N(R)−C(O)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−N(R)−C(O)−(CH0−6−フェニル;−N(R)−C(O)−(CH1−6−het;−C(O)−N(R)(R10);−C(O)−O−C−C10アルキル;−C(O)−O−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−C(O)−O−(CH0−6−フェニル;−C(O)−O−(CH1−6−het;−O−C(O)−C−C10アルキル;−O−C(O)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−O−C(O)−(CH0−6−フェニル;−O−C(O)−(CH1−6−hetであり;ここで、アルキル、シクロアルキルおよびフェニルは非置換であるか、または置換されており;
hetは、1−4個のN、OおよびSから選択されるヘテロ環原子を含む5−7員単環式ヘテロ環式環、または、1、2または3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む1個の5−7員ヘテロ環式環を含む8−12員縮合環系であり、ここで、hetは非置換であるか、または、置換されており;ここで、ヘテロ環式環または縮合環系は非置換であるか、または炭素または窒素原子で置換されており;
は、H;−CH;−CF;−CHOHまたは−CHClであり;
およびR10は、それぞれ独立して、H;C−Cアルキル;C−Cシクロアルキル;−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−(CH0−6−フェニルであり;ここで、アルキル、シクロアルキルおよびフェニルは非置換であるか、または置換されているか、または
およびR10は、窒素と一体となって、hetを形成し;
は、H;C−C10−アルキル;アリール;フェニル;C−Cシクロアルキル;−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−C−C10アルキル−アリール;−(CH0−6−C−Cシクロアルキル−(CH0−6−フェニル;−(CH0−4CH−((CH1−4−フェニル);(CH0−6−CH(フェニル);−インダニル;−C(O)−C−C10アルキル;−C(O)−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−C(O)−(CH0−6−フェニル;−(CH0−6−C(O)−フェニル;−(CH0−6−het;−C(O)−(CH1−6−hetであるか、または、
は、アミノ酸の残基であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、フェニルおよびアリール置換基は非置換であるか、または置換されており;
Uは、構造(II):
Figure 2010511057
{式中、
n=0−5であり;
Xは、−CHまたはNであり;
RaおよびRbは、独立して、O、SもしくはN原子またはC0−アルキルであり、ここで、アルキル鎖の1個以上の炭素原子はO、SまたはNから選択されるヘテロ原子により置換されていてもよく、そして、アルキルは非置換であるか、または、置換されていてもよく;
Rdは:
(a)−Re−Q−(Rf)(Rg);または
(b)Ar−D−Ar;または
(c)Ar−D−Ar
から選択され、
RcはHであるか、またはRcおよびRdは、一体となって、シクロアルキルまたはhetを形成してもよく;ここで、RdおよびRcがシクロアルキルまたはhetを形成するとき、RはCまたはN原子で形成される環に結合しており;
pおよびqは、独立して、0または1であり;
Reは、C1−アルキルまたはアルキリデンであり、そして、Reは非置換であるか、または、置換されていてもよく;
Qは、N、O、S、S(O)またはS(O)であり;
ArおよびArは、置換または非置換アリールまたはhetであり;
RfおよびRgは、それぞれ独立して、なしか、またはH;−C−C10アルキル;C−C10アルキルアリール;−OH;−O−C−C10アルキル;−(CH0−6−C−Cシクロアルキル;−O−(CH0−6−アリール;フェニル;アリール;フェニル−フェニル;−(CH1−6−het;−O−(CH1−6−het;−OR11;−C(O)−R11;−C(O)−N(R11)(R12);−N(R11)(R12);−S−R11;−S(O)−R11;−S(O)−R11;−S(O)−NR1112;−NR11−S(O)−R12;S−C−C10アルキル;アリール−C−Cアルキル;het−C−Cアルキル;−SO−C−Cアルキル;−SO−C−Cアルキルフェニル;−O−C−Cアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、hetおよびアリールは非置換であるか、または置換されている)であるか、または、
およびRは、hetまたはアリールから選択される環を形成し;
Dは、−CO−;−C(O)−またはC1−アルキレンもしくはアリーレン;−CF−;−O−;またはS(O)nr(ここで、r、nは0−2である);1,3ジオキソラン;またはC1−アルキル−OHであるか(ここで、アルキル、アルキレンまたはアリーレンは非置換であるか、または、1個以上のハロゲン、OH、−O−C−Cアルキル、−S−C−Cアルキルまたは−CFで置換されていてもよい)、または、
Dは、−N(Rh)であり、ここで、Rhは、H;C−Cアルキル(非置換であるか、または置換されている);アリール;−O(C1−シクロアルキル)(非置換であるか、または置換されている);C(O)−C10−C10アルキル;C(O)−C−C10アルキル−アリール;C−O−C−C10アルキル;C−O−C−C10アルキル−アリールまたはSO−C10−C10−アルキル;SO−(C−C10−アルキルアリール)であり;
、R、R’およびR’は、それぞれ独立して、H;−C−C10アルキル;−C−C10アルコキシ;アリール−C−C10アルコキシ;−OH;−O−C−C10アルキル;−(CH0−6−C−Cシクロアルキル;−O−(CH0−6−アリール;フェニル;−(CH1−6−het;−O−(CH1−6−het;−OR11;−C(O)−R11;−C(O)−N(R11)(R12);−N(R11)(R12);−S−R11;−S(O)−R11;−S(O)−R11;−S(O)−NR1112;−NR11−S(O)−R12であり、ここで、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは非置換であるか、または置換されており;そして、R、R、R’およびR’は、一体となって、環系を形成することができ;
11およびR12は、独立して、H;C−C10アルキル;−(CH0−6−C−Cシクロアルキル;−(CH0−6−(CH)0−1(アリール)1−2;−C(O)−C−C10アルキル;−C(O)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−C(O)−O−(CH0−6−アリール;−C(O)−(CH0−6−O−フルオレニル;−C(O)−NH−(CH0−6−アリール;−C(O)−(CH0−6−アリール;−C(O)−(CH1−6−het;−C(S)−C−C10アルキル;−C(S)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル;−C(S)−O−(CH0−6−アリール;−C(S)−(CH0−6−O−フルオレニル;−C(S)−NH−(CH0−6−アリール;−C(S)−(CH0−6−アリール;−C(S)−(CH1−6−hetであるか(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは非置換であるか、または置換されている)、または、
11およびR12は、細胞膜を介する分子の輸送を容易にする置換基であるか、または、
11およびR12は、窒素原子と一体となって、hetを形成し;
ここで、R11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、または1個以上のC−C10アルキル、ハロゲン、OH、−O−C−Cアルキル、−S−C−Cアルキルまたは−CFから選択される置換基により置換されており;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、1個以上のC−C10アルケン;C−Cアルキル;ハロゲン;OH;−O−C−Cアルキル;−S−C−Cアルキルまたは−CFから選択される置換基により置換されており;そして、
11およびR12の置換フェニルまたはアリールは、1個以上のハロゲン;ヒドロキシ;C−Cアルキル;C−Cアルコキシ;ニトロ;−CN;−O−C(O)−C−Cアルキルおよび−C(O)−O−C−C−アリールから選択される置換基により置換されている}で示される〕
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
式(I)の範囲内の化合物およびそれらの製造法はU.S.60/835,000(この内容を出典明示により本明細書に包含させる)に記載されている。好ましい化合物は:
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾル−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−シクロヘキシル−(エチル−{(S)−1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;および
・N−[1−シクロヘキシル−2−(2−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−ピリジン−4−イル}ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
さらなる態様において、IAP阻害剤は、式(III):
Figure 2010511057
〔式中、
は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−C10シクロアルキルであり、ここでRは非置換であるか、または、置換されていてもよく;
は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキルであり、ここでRは非置換であるか、または、置換されていてもよく;
は、H、CF、C、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、CH−Zであるか、または、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成し、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはhet環は非置換であるか、または、置換されていてもよく;
Zは、H、OH、F、Cl、CH、CHCl、CHFまたはCHOHであり;
は、C0−10アルキル、C−C10シクロアルキルであり、ここでC0−10アルキルまたはシクロアルキル基は非置換であるか、または、置換されており;
Aはhetであり、これは置換されているか、または非置換であってよく;
Dは、C−CアルキレンまたはC−Cアルケニレン、C(O)、O、NR、S(O)r、C(O)−C−C10アルキル、O−C−C10アルキル、S(O)r−C−C10アルキル、C(O)C−C10アリールアルキルOC−C10アリールアルキルまたはS(O)rC−C10アリールアルキルであり、ここでアルキルおよびアリール基は非置換であるか、または、置換されていてもよく;
rは、0、1または2であり;
は、置換アリールまたは非置換または置換hetであり、ここでアリールおよびhetの置換基は、ハロ、低級アルコキシ、NR、CN、NOまたはSRであり;
それぞれのQは、独立して、H、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリールC−C10アルコキシ、OH、O−C−C10−アルキル、(CH0−6−C−Cシクロアルキル、アリール、アリールC−C10アルキル、O−(CH0−6アリール、(CH1−6het、het、O−(CH1−6het、−OR11、C(O)R11、−C(O)N(R11)(R12)、N(R11)(R12)、SR11、S(O)R11、S(O)11、S(O)−N(R11)(R12)またはNR11−S(O)−(R12)であり、ここでアルキル、シクロアルキルおよびアリールは非置換であるか、または置換されており;
nは、0、1、2、3、4、5、6または7であり;
hetは、1−4個のN、OおよびSから選択されるヘテロ環原子を含む5−7員単環式ヘテロ環式環、または、1、2または3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ環原子を含む1個の5−7員単環式ヘテロ環式環を含む8−12員縮合環系であり、ここで、hetは非置換であるか、または、置換されており;
11およびR12は、独立して、H、C−C10アルキル、(CH0−6−C−Cシクロアルキル、(CH0−6−(CH)0−1(アリール)1−2、C(O)−C−C10アルキル、−C(O)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル、−C(O)−O−(CH0−6−アリール、−C(O)−(CH0−6−O−フルオレニル、C(O)−NH−(CH0−6−アリール、C(O)−(CH0−6−アリール、C(O)−(CH1−6−het、−C(S)−C−C10アルキル、−C(S)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル、−C(S)−O−(CH0−6−アリール、−C(S)−(CH0−6−O−フルオレニル、C(S)−NH−(CH0−6−アリール、−C(S)−(CH0−6−アリールまたはC(S)−(CH1−6−het、C(O)R11、C(O)NR1112、C(O)OR11、S(O)nR11、S(O)NR1112(m=1または2)、C(S)R11、C(S)NR1112、C(S)OR11であり、ここでアルキル、シクロアルキルおよびアリールは非置換であるか、または置換されているか;または、R11およびR12は、細胞膜を介する分子の輸送を容易にする置換基であるか、または、R11およびR12は、窒素原子と一体となって、hetを形成し、
ここで、R11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、または1個以上のC−C10アルキル、ハロゲン、OH、O−C−Cアルキル、−S−C−Cアルキル、CFまたはNR1112から選択される置換基により置換されていてもよく;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、1個以上のC−C10アルケン;C−Cアルキル;ハロゲン;OH;O−C−Cアルキル;S−C−Cアルキル、CF;またはNR1112から選択される置換基により置換されており、そして、
11およびR12の置換hetまたは置換アリールは、1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ニトロ、CNO−C(O)−C−CアルキルおよびC(O)−O−C−C−アルキルから選択される置換基により置換されており;
、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキル低級アルキルであり;そして、
ここで、R、R、R、R、Q、AおよびA基の置換基は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリール、アリール低級アルキル、アミノ、アミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、アミノ低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、シアノ低級アルキル、カルボキシ、低級カルバルコキシ、低級アルカノイル、アリーロイル、低級アリールアルカノイル、カルバモイル、N−モノ−もしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルカルバミン酸エステル、アミジノ、グアニジン、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホアミノ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、スルホネート、スルファニル低級アルキル、アリールスルホンアミド、ハロゲン置換アリールスルホネート、低級アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル;アリール−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルアリールスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−低級アルキルスルホニル、低級アリールアルキル低級アルキルアリールスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、ホスホノ(−P(=O)(OH))、ヒドロキシ−低級アルコキシホスホリルもしくはジ−低級アルコキシホスホリル、(R)NC(O)−NR1013、低級アルキルカルバミン酸エステルもしくはカルバメートまたは−NR14であり、ここで、RおよびR14は、同じであるか、または異なっていてよく、独立して、Hまたは低級アルキルであるか、または、RおよびR14は、N原子と一体となって、窒素ヘテロ環原子を含む3から8員ヘテロ環式環を形成し、そして所望により、1または2個のさらなる窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ環原子を含んでよく、ここで、ヘテロ環式環は、非置換であるか、または低級アルキル、ハロ、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、低級アルキル、アミノ、ジ低級アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、低級カルバルコキシ、ホルミル、低級アルカノイル、オキソ、カルバモイル、N−低級もしくはN、N−ジ低級アルキルカルバモイル、メルカプトまたは低級アルキルチオで置換されていてよく、そして、
、R10およびR13は、独立して、水素、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アリール低級アルキルである〕
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
式IIIの化合物の範囲に含まれるいくつかの化合物は:(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾル−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;(S)−N−[(S)−シクロヘキシル−(エチル−{(S)−1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;および(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;およびそれらの薬学的に許容される塩を含む。
これらの式IIIの化合物はPCT/US2007/074790および米国シリアルナンバー第60/835,000号(これら両方の内容を出典明示により本明細書に包含させる)に記載されている。
他のIAP阻害剤は、例として、2005年10月20日に出願されたWO05/097791に記載されている化合物を含む。式(I)の範囲内の好ましい化合物はN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドである。
さらなるIAP阻害剤はWO04/005284、PCT/US2006/013984およびPCT/US2006/021850に記載されている化合物を含む。
本発明で使用する他のIAP阻害剤化合物は、WO06/069063、WO05/069888、US2006/0014700、WO04/007529、US2006/0025347、WO06/010118、WO05/069894、WO06/017295、WO04/007529およびWO05/094818に記載されているものを含む。
引例として特許出願が挙げられているときのそれぞれの場合において、化合物に係る発明主題を出典明示により本出願の内容に包含させる。同様に、それらの薬学的に許容される塩、対応するラセミ体、ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体、ならびに存在するとき上記化合物の対応する結晶変態、例えば、記載されている溶媒和物、水和物および多形を含む。本発明の組合せにおいて活性成分として使用される化合物は、それぞれの引用文献に記載されているとおりに製造され、投与することができる。また、上記2種以上の別々の活性成分の組合せ、すなわち、3種以上の活性成分を含む医薬組合せも本発明の範囲内である。
“処置”または“治療”なる用語は、予防、好ましくは治療を意味し、該疾患、とりわけ下記の疾患を軽減させる、治癒する、症状を緩和する、症状を軽減させる、調節する、および/または阻止することを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される“AML”なる用語は、骨髄細胞、例えば、顆粒球、ならびに赤血球および巨核球細胞および前駆細胞の非制御の急速に進行する増殖を意味する。AMLを有する患者において、未成熟な骨髄、赤血球または巨核球細胞が赤血球(erythrocyteまたはred blood cell)より非常に数が多く、疲労および出血を引き起こし、また、感染症に対する感受性が増す。子供、ならびに成人において、AMLは侵襲性化学療法プロトコールの使用にもかかわらず予後不良である。全体の生存率は40−60%である。骨髄機能廃絶化学療法による自己骨髄移植では生存率に変化がないが、侵襲性化学療法による同種異系骨髄移植では70%まで生存率を増加させ得る。残念なことに、適合する同胞ドナーの入手可能性は限定されている。したがって、AML処置の新規治療戦略が必要である。
温血動物(または患者)は好ましくは哺乳動物、とりわけヒトである。
使用されるIAP阻害化合物の正確な投与量は、宿主、処置される状態の性質および重症度、投与経路を含むいくつかの因子に依存する。IAP阻害化合物は経口的に、非経腸的に、例えば、腹膜内に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、腫瘍内に、または経直腸的にまたは経腸的に、を含む任意の経路により投与することができる。好ましくは、IAP阻害化合物は、経口的に、好ましくは1−300mg/kg体重の投与量で、または、さらに大型の霊長類に対して50−5,000、好ましくは500−3,000mgの1日投与量で投与される。好ましい経口1日投与量は、1−75mg/kg体重、または、さらに大型の霊長類に対して単回でまたは複数回に分割して、例えば1日に2回で投与される10−2,000mgの1日投与量である。
通常、最初に少ない投与量が投与され、処置下の宿主に対して決定されている最適の投与量にまで投与量を徐々に増加させる。投与量の上限は副作用に課される投与量であり、処置される宿主に対する試験により決定することができる。
投与レジメンは、特定の適応症、患者の年齢、体重および全身の状態ならびに所望の応答にまで漸増させなければならないが、一般的に、投与量は、単回または複数回1日投与で必要とされるとき、約10mg/日から約500mg/日である。
IAP阻害剤化合物は、1種以上の薬学的に許容される担体、所望により、1種以上の他の慣用の医薬アジュバントと組み合わされ、経腸的に、例えば、経口的に錠剤、カプセル、カプレットなどの形態で、または非経腸的に、例えば、腹膜内にまたは静脈内に滅菌注射溶液または懸濁液の形態で投与され得る。経腸および非経腸組成物が慣用の手段により製造され得る。
N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドは、インビトロでPKC412−感受性および耐性変異体FLT3発現細胞を阻害する。N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドは、アネキシン−pi染色およびカスパーゼアッセイを介して測定したときアポトーシスを誘導し、マイクロモルの範囲における有効な濃度で穏やかに観察された。
N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドは、インビボで生理学的に受け入れることができ、かつ耐用性である投与量で変異体FLT3に対して有効である。
実施例
実施例1 細胞系および細胞培養
IL−3−依存マウス造血細胞系Ba/F3をネオマイシンで選択可能なマーカーを有するFLT3−ITDまたはFLT3−D835Y−含有MSCVレトロウイルスのいずれかで形質導入し、ネオマイシンに対する耐性で選択する。Kelly et al. (2002)参照。FLT3−ITD形質導入細胞をG418(1mg/mL)中で培養して選択する。ATP結合ポケットの変異(F691L、A627T、G697R、N676D)を有するFLT3−ITDを発現するPKC412−耐性Ba/F3細胞系が開発されている。Cools et al. (2004)参照。ヒトAML−由来、FLT3−ITDを発現する細胞系であるMV4;11を得る[Quentmeier et al. (2003)参照](Dr. Scott Armstrong, Dana Farber Cancer Institute, Boston, MAによる)。ヒトAML由来、FLT3−ITDを発現する細胞系であるMOLM−13をルシフェラーゼを発現するように改良し、MOLM13−luc+として得る(Dr. Andrew Kung, Dana Farber Cancer Institute, Boston, MAによる)。全ての細胞系を5%CO、37℃で、10%ウシ胎仔血清を有し1%グルタミンを補った2×10から5×10の濃度のRPMI(Mediatech, Inc., Herndon, VA)で培養する。野生型FLT3を発現する親Ba/F3細胞をIL−3の源として15%WEHI条件培地で同様に培養する。全てのトランスフェクト細胞系を1mg/mLのG418で補った培地で培養する。
実施例2 化学化合物および生物学的反応剤
N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドはNovartis Pharma AG, Basel, Switzerlandにより合成され、DMSOに溶解し、10mMの貯蔵溶液を製造する。次にDMSOで連続希釈し、細胞アッセイのための最終希釈物を得る。
実施例3 細胞生存およびアポトーシス分析
トリパンブルー色素排除アッセイは[Weisberg et al. (2002)参照]に記載されており、LBW242の存在および非存在下で培養される細胞の増殖を測定するために使用される。細胞生存は対照(非処理)細胞のパーセントとして記録する。エラーバーは、それぞれのデータ点の平均の標準誤差を示す。薬物処理細胞のアポトーシスは公開されているAnnexin-V-Fluos Staining Kit(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)を使用して測定する。Weisberg et al. (2002)参照。
実施例4 PKC412−感受性および耐性変異体FLT3発現細胞の増殖におけるN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドの効果
N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドは、培養中のPKC412−感受性系FLT3−ITD−Ba/F3およびD835Y−Ba/F3細胞、ならびにPKC412−耐性系G697R−Ba/F3に対して、相対的に高投与量(≧1μM)で活性を示す(図1−3参照)。
≦1μMの濃度で野生型FLT3を発現するBa/F3細胞の細胞増殖においてN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドの阻害効果はない;しかしながら、N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドが>1μMの濃度でこれらの細胞死を誘導する(図3)。
FLT3−ITD−Ba/F3およびG697R−Ba/F3系において、1μMのN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドの存在下での培養の2日および3日後それぞれにおいて、アポトーシスの誘導およびカスパーゼ活性が見出される。変異体FLT3を発現する細胞を、WEHI(IL−3の源として使用される)の存在および非存在下のいずれかで1μMのN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドで並行して処理する。WEHIによりPKC412の細胞毒性効果から完全に救われるPKC412処理細胞とは対照的に、培養培地にWEHIを補うことではN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド処理細胞は救われず、N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドは、IAPの阻害の提案されているメカニズムと一致して、変異体FLT3を選択的に阻害しないが、生存率を妨げることを示す。
実施例5 インビボでのN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドの効果の研究
インビボでN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドの抗腫瘍効果を直接評価するため、急性白血病のマウスモデルの腫瘍組織量を発光腫瘍細胞の非侵襲性的画像により定量する(図4)。マウスFLT3−ITD−Ba/F3細胞をホタルルシフェラーゼを安定に発現するように設計し、次にNCrヌードマウスにこれらの細胞を接種する。非侵襲性的画像を使用して連続的に腫瘍組織量を評価し、確立した白血病を有するマウスを同様の腫瘍組織量を有するコホートに分ける。N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを強制経口投与を介して投与する(ビヒクルのときも同様)。
マウスにビヒクル単独、N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド(50mg/kg)(図4)を与える。生物発光により評価される最も低い腫瘍組織量は、FLT3−ITD−Ba/F3−luc+細胞の静脈内注射の5および7日後(薬剤処置の4および6日後に対応する、各々)の薬剤組合せグループにおいて観察される。スチューデントt検定を静脈内注射の7日後で観察される生物発光結果の統計的評価のために使用する:p≦0.056247(ビヒクル対N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド単独)。静脈内注射の5日後の統計的評価(スチューデントt検定を介する)を得た:p≦0.077299 (ビヒクル対N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド単独)。
実施例6 血液細胞系における(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾル−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミドの単剤効果
EC50はCellTiter−Glo(Promega)、生物発光、生存細胞においてATPレベルを測定する細胞生存アッセイを使用して測定した。細胞をアッセイプレートに置き、72時間、化合物濃度の範囲でインキュベートした。細胞を溶解し、ATPレベルを製造業者の指示に従って照度計でCellTiter−Glo反応剤を使用して測定した。EC50は細胞増殖の50%を阻害する化合物の濃度を意味する。
表1
Figure 2010511057

Claims (8)

  1. 急性骨髄性白血病(AML)を有する温血動物を処置する方法であって、治療有効量の式(III):
    Figure 2010511057
    〔式中、
    は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−C10シクロアルキルであり、ここでRは非置換であるか、または、置換されていてもよく;
    は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキルであり、ここでRは非置換であるか、または、置換されていてもよく;
    は、H、CF、C、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、CH−Zであるか、または、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成し、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはhet環は非置換であるか、または、置換されていてもよく;
    Zは、H、OH、F、Cl、CH、CHCl、CHFまたはCHOHであり;
    は、C0−10アルキル、C−C10シクロアルキルであり、ここでC0−10アルキルまたはシクロアルキル基は非置換であるか、または、置換されており;
    Aはhetであり、これは置換されているか、または非置換であってよく;
    Dは、C−CアルキレンまたはC−Cアルケニレン、C(O)、O、NR、S(O)r、C(O)−C−C10アルキル、O−C−C10アルキル、S(O)r−C−C10アルキル、C(O)C−C10アリールアルキルOC−C10アリールアルキルまたはS(O)rC−C10アリールアルキルであり、ここでアルキルおよびアリール基は非置換であるか、または、置換されていてもよく;
    rは、0、1または2であり;
    は、置換アリールまたは非置換または置換hetであり、ここでアリールおよびhetの置換基は、ハロ、低級アルコキシ、NR、CN、NOまたはSRであり;
    それぞれのQは、独立して、H、C−C10アルキル、C−C10アルコキシ、アリールC−C10アルコキシ、OH、O−C−C10−アルキル、(CH0−6−C−Cシクロアルキル、アリール、アリールC−C10アルキル、O−(CH0−6アリール、(CH1−6het、het、O−(CH1−6het、−OR11、C(O)R11、−C(O)N(R11)(R12)、N(R11)(R12)、SR11、S(O)R11、S(O)11、S(O)−N(R11)(R12)またはNR11−S(O)−(R12)であり、ここでアルキル、シクロアルキルおよびアリールは非置換であるか、または置換されており;
    nは、0、1、2、3、4、5、6または7であり;
    hetは、1−4個のN、OおよびSから選択されるヘテロ環原子を含む5−7員単環式ヘテロ環式環、または、1、2または3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ環原子を含む1個の5−7員単環式ヘテロ環式環を含む8−12員縮合環系であり、ここで、hetは非置換であるか、または、置換されており;
    11およびR12は、独立して、H、C−C10アルキル、(CH0−6−C−Cシクロアルキル、(CH0−6−(CH)0−1(アリール)1−2、C(O)−C−C10アルキル、−C(O)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル、−C(O)−O−(CH0−6−アリール、−C(O)−(CH0−6−O−フルオレニル、C(O)−NH−(CH0−6−アリール、C(O)−(CH0−6−アリール、C(O)−(CH1−6−het、−C(S)−C−C10アルキル、−C(S)−(CH1−6−C−Cシクロアルキル、−C(S)−O−(CH0−6−アリール、−C(S)−(CH0−6−O−フルオレニル、C(S)−NH−(CH0−6−アリール、−C(S)−(CH0−6−アリールまたはC(S)−(CH1−6−het、C(O)R11、C(O)NR1112、C(O)OR11、S(O)nR11、S(O)NR1112(m=1または2)、C(S)R11、C(S)NR1112、C(S)OR11であり、ここでアルキル、シクロアルキルおよびアリールは非置換であるか、または置換されているか;または、R11およびR12は、細胞膜を介する分子の輸送を容易にする置換基であるか、または、R11およびR12は、窒素原子と一体となって、hetを形成し、
    ここで、R11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、または1個以上のC−C10アルキル、ハロゲン、OH、O−C−Cアルキル、−S−C−Cアルキル、CFまたはNR1112から選択される置換基により置換されていてもよく;
    11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、1個以上のC−C10アルケン;C−Cアルキル;ハロゲン;OH;O−C−Cアルキル;S−C−Cアルキル、CF;またはNR1112から選択される置換基により置換されており、そして、
    11およびR12の置換hetまたは置換アリールは、1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ニトロ、CNO−C(O)−C−CアルキルおよびC(O)−O−C−C−アルキルから選択される置換基により置換されており;
    、RおよびRは、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキル低級アルキルであり;そして、
    ここで、R、R、R、R、Q、AおよびA基の置換基は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリール、アリール低級アルキル、アミノ、アミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、アミノ低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、シアノ低級アルキル、カルボキシ、低級カルバルコキシ、低級アルカノイル、アリーロイル、低級アリールアルカノイル、カルバモイル、N−モノ−もしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルカルバミン酸エステル、アミジノ、グアニジン、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホアミノ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、スルホネート、スルファニル低級アルキル、アリールスルホンアミド、ハロゲン置換アリールスルホネート、低級アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル;アリール−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルアリールスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−低級アルキルスルホニル、低級アリールアルキル低級アルキルアリールスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、ホスホノ(−P(=O)(OH))、ヒドロキシ−低級アルコキシホスホリルもしくはジ−低級アルコキシホスホリル、(R)NC(O)−NR1013、低級アルキルカルバミン酸エステルもしくはカルバメートまたは−NR14であり、ここで、RおよびR14は、同じであるか、または異なっていてよく、独立して、Hまたは低級アルキルであるか、または、RおよびR14は、N原子と一体となって、窒素ヘテロ環原子を含む3から8員ヘテロ環式環を形成し、そして所望により、1または2個のさらなる窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ環原子を含んでよく、ここで、ヘテロ環式環は、非置換であるか、または低級アルキル、ハロ、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、低級アルキル、アミノ、ジ低級アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、低級カルバルコキシ、ホルミル、低級アルカノイル、オキソ、カルバモイル、N−低級もしくはN、N−ジ低級アルキルカルバモイル、メルカプトまたは低級アルキルチオで置換されていてよく、そして、
    、R10およびR13は、独立して、水素、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アリール低級アルキルである〕
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を該動物に投与することを含む方法。
  2. AMLが慣用の化学療法に耐性である、請求項1に記載の方法。
  3. 温血動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
  4. ヒトが若年者である、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1に定義の式(III)の化合物を所望により医薬担体と共に含む医薬組成物。
  6. AMLを処置するための請求項5に記載の医薬組成物の使用。
  7. 請求項1に定義のAMLの処置に有用な式(III)の化合物をAMLの処置において同時に、個別にまたは連続して使用するための指示書を共に含む、市販用パッケージ。
  8. AMLを処置するための薬剤を製造するための請求項1に定義の式(II)の化合物の使用。
JP2009539424A 2006-11-28 2007-11-26 急性骨髄性白血病の処置のためのiap阻害剤の使用 Pending JP2010511057A (ja)

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