JP2010508980A - パッケージング溶液 - Google Patents

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Abstract

眼科用装置(例えばヒドロゲル製コンタクト・レンズ)を保管するための包装システムは、非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含むパッケージング水溶液を利用する。この溶液は、少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持っていて、熱殺菌されることが好ましい。

Description

本発明は、全体として眼科用装置(例えばコンタクト・レンズ)のパッケージング溶液に関する。
消費者に売るため個々のソフト・コンタクト・レンズを包装するのにブリスター-パックとガラス製バイアルが一般に用いられている。コンタクト・レンズの包装または製造に関するさまざまな特許で言及されているように、ブリスタ-パック中のレンズを保存するため生理食塩水や脱イオン水が用いられる。レンズ材料は、自身やレンズ包装体に粘着し易いため、ブリスタ-パック用のパッケージング溶液はレンズの折れ重なりや粘着が減少し、あるいはなくなるように処方されることがあった。この理由でポリビニルアルコール(PVA)がコンタクト・レンズのパッケージング溶液に使用されてきた。さらに、アメリカ合衆国特許第6,440,366号には、ポリエチレンオキシド(PEO)/ポリプロピレンオキシド(PPO)ブロック・コポリマー(特にポロキサマーまたはポロキサミン)を含むコンタクト・レンズパッケージング溶液が開示されている。
レンズが装着前に完全に清潔であるならば、涙液がレンズを十分に濡らすことができると言われてきた。さらに、パッケージング溶液への界面活性剤の添加は、商品寿命が短くなる可能性、および/または熱殺菌の間に好ましくない反応が起こる可能性があるという理由もあって困難であるため、レンズの快適さに影響する可能な効果やちょっとした効果を提供することを目的としてパッケージング溶液で界面活性剤を使用することはさらに限られる。レンズを装着した後、タンパク質その他の沈殿物がレンズの表面に形成されたときにだけ、標準的なレンズ手入れ用液で界面活性剤が使用されてきた。
コンタクト・レンズは装着者にとってできるだけ快適であることが非常に望ましい。コンタクト・レンズの製造者は、レンズの快適さを改善するため努力を続けている。それにもかかわらず、コンタクト・レンズを装着する多くの人は、一日中、特に一日の終わりに乾きや目の痛みを感じている。どの時点であれ、十分に濡れていないレンズは、レンズの装着者に大きな不快感を引き起こすことになろう。そうした不快感を緩和するのに必要に応じて湿潤にする液滴を使用できるが、そもそもそうした不快感が起こらないことが確実に望ましかろう。
したがって、眼科用レンズのための改良された包装システムを提供することで、レンズを実際に使用する際により快適になり、角膜の痛みやそれ以外の好ましくない効果なしにレンズを長期にわたって装着することが可能になると望ましかろう。
本発明の一実施態様によれば、保管可能な無菌眼科用装置を収容するパッケージを作るため、
(a)非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含んでいて、少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持つ溶液の中に眼科用装置を浸すステップと;
(b)この溶液と装置を、この装置が微生物によって汚染されないようにして包装するステップと;
(c)包装された溶液と装置を殺菌するステップを含む方法が提供される。
本発明の第2の実施態様によれば、コンタクト・レンズを包装して保管するため、コンタクト・レンズを消費者-装着者に供給する前に、コンタクト・レンズを、非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含んでいて、少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持つコンタクト・レンズ用パッケージング水溶液にパッケージの中で浸し、その溶液を熱殺菌する操作を含む方法が提供される。
本発明の第3の実施態様によれば、眼科用装置を保管するため、非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含んでいて、少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持ち、熱殺菌される溶液に浸した未使用の1つ以上の眼科用装置を収容する密封された容器を備える包装システムが提供される。
本発明の第4の実施態様によれば、眼科用装置を保管するため、
(a)非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含んでいて、少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持つ溶液と;
(b)少なくとも1つの眼科用装置と;
(c)上記溶液が消毒に有効な量の消毒剤を含まない状態でその溶液と眼科用装置の無菌性を維持したままその溶液と眼科用装置を保持するのに十分な容器と
を含む包装システムが提供される。
非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を組み合わせてパッケージング溶液を形成すると、この組み合わせが、緩衝化生理食塩溶液の中に保管したコンタクト・レンズ、または調整用ポリマーを含む緩衝化生理食塩溶液の中に保管したコンタクト・レンズよりもコンタクト・レンズの表面の摩擦を少なくするため、レンズの表面の潤滑性が増大することが見いだされた。したがってレンズは実際に使用する際により快適になるため、角膜の痛みやそれ以外の好ましくない効果なしにレンズを長期にわたって装着することが可能になろう。
本発明により、身体組織または体液と直接接触させる眼科用装置を保管するための包装システムが提供される。この明細書では、“眼科用装置”という用語は、目の中または表面に存在する装置を意味する。この装置は、光学的補正、傷のケア、薬の送達、診断機能、美容促進、美容効果、またはこれらの性質の組み合わせを提供することができる。このような装置の代表例として、ソフト・コンタクト・レンズ(例えばソフトなヒドロゲル製レンズ、ソフトな非ヒドロゲル製レンズなど)、ハード・コンタクト・レンズ(例えばハードなガス浸透レンズ材料など)、眼内レンズ、オーバーレイ・レンズ、目への挿入物、光学的挿入物などがある。当業者が理解しているように、レンズは、折り曲げても壊れないのであれば“ソフト”であると見なされる。この明細書では、眼科用装置(例えばコンタクト・レンズ)を製造するための公知のあらゆる材料を使用できる。
この明細書では、生体適合性材料を使用することが特に有用である。その材料には、眼科用装置(例えばコンタクト・レンズ)で一般に使用されている柔らかい材料と堅固な材料の両方が含まれる。好ましい基本材料はヒドロゲル材料(例えばシリコーン・ヒドロゲル材料)である。特に好ましい材料として、親水性モノマーと共重合させたビニル機能化ポリジメチルシロキサンのほか、親水性モノマーと共重合させたフッ素化メタクリレートや、親水性モノマーと共重合させたメタクリレート機能化フッ素化ポリエチレンオキシドがある。この明細書で用いる基本材料の代表例として、アメリカ合衆国特許第5,310,779号、第5,387,662号、第5,449,729号、第5,512,205号、第5,610,252号、第5,616,757号、第5,708,094号、第5,710,302号、第5,714,557号、第5,908,906号に開示されているものがある(これら特許の内容は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)。
この明細書では多彩な材料を使用できるが、シリコーン・ヒドロゲル製コンタクト・レンズ材料が特に好ましい。一般に、ヒドロゲルは、平衡状態の水を含有する水和した架橋ポリマー系を含むよく知られた1つのクラスである。シリコーン・ヒドロゲルは、一般に、含水量が約5質量%よりも多く、約10〜約80質量%であることがより一般的である。このような材料は、通常、少なくとも1種類のシリコーン含有モノマーと、少なくとも1種類の親水性モノマーとを含む混合物を重合させることによって調製される。一般に、シリコーン含有モノマーと親水性モノマーのいずれかが架橋剤として機能する(架橋剤は、複数の重合可能な官能基を有するモノマーとして定義される)。あるいは別の架橋剤を使用することもできる。シリコーン・ヒドロゲルの形成に使用できるシリコーン含有モノマー単位は従来技術でよく知られており、多数の例が、アメリカ合衆国特許第4,136,250号、第4,153,641号、第4,740,533号、第5,034,461号、第5,070,215号、第5,260,000号、第5,310,779号、第5,358,995号に提示されている。
使用可能なシリコーン含有モノマー単位の代表例として、バルクのポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル・モノマーがある。バルクのポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル・モノマーの一例は、一般式(I):
Figure 2010508980
の構造で表わされる。ただしXは-O-または-NR-を表わし;R1は、独立に水素またはメチルを表わし;それぞれのR2は、独立に低級アルキル基、フェニル基、
Figure 2010508980
で表わされる基(ただしそれぞれのR2'は、独立に低級アルキル基またはフェニル基を表わし;hは1〜10である)のいずれかを表わす。バルクのモノマーの例は、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチル-シロキシ)シランまたはトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(TRISと呼ばれることがある)とトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルビニルカルバメート(TRIS-VCと呼ばれることがある)などである。
このようなバルクのモノマーはシリコーン・マクロモノマー(分子の2つ以上の端部が不飽和基でキャップをされたポリ(有機シロキサン))と共重合させることができる。アメリカ合衆国特許第4,153,641号には、例えばアクリルオキシ基やメタクリルオキシ基などのさまざまな不飽和基が開示されている。
代表的なシリコーン含有モノマーの別のクラスとして、シリコーン含有ビニルカルボネートまたはビニルカルボネート・モノマーがある。それは例えば、1,3-ビス[(4-ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト-1-イル]テトラメチル-ジシロキサン;3-(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボネート;3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;t-ブチルジメチルシロキシエチルビニルカルボネート;トリメチルシリルエチルビニルカルボネート;トリメチルシリルメチルビニルカルボネートなどと、これらの混合物である。
シリコーン含有モノマーの別のクラスとして、ポリウレタン-ポリシロキサン・マクロモノマー(プレポリマーとも呼ばれることがある)がある。これらマクロモノマーは、従来からあるウレタンエラストマーと似たハード-ソフト-ハード・ブロックを備えていてもよい。これらマクロモノマーは、末端が親水性モノマー(例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA))でキャップをされていてもよい。そのようなシリコーンウレタンの例はさまざまな刊行物に開示されており、例えばアメリカ合衆国特許第6,858,218号とPCT出願公開WO 96/31792がある(その開示内容は、参考としてその全体がこの明細書に組み込まれているものとする)。シリコーンウレタン・モノマーの別の例は、一般式(II)と(III)で表わされる。
E(*D*A*D*G)a*D*A*D*E' (II)
E(*D*G*D*A)a*D*A*D*E' (III)
ただし、
Dは、独立に、アルキル・ジラジカル、アルキルシクロアルキル・ジラジカル、シクロアルキル・ジラジカル、アリール・ジラジカル、アルキルアリール・ジラジカルのいずれかで6〜約30個の炭素原子を持つものを表わし;
Gは、独立に、アルキル・ジラジカル、シクロアルキル・ジラジカル、アルキルシクロアルキル・ジラジカル、アリール・ジラジカル、アルキルアリール・ジラジカルのいずれかで1〜約40個の炭素原子を持ち、主鎖の中にエーテル結合、チオ結合、アミン結合のいずれかを含んでいてよいものを表わし;
*は、ウレタン結合またはウレイド結合を表わし;
aは少なくとも1であり;
Aは、独立に、一般式(IV)で表わされる2価のポリマー基:
Figure 2010508980
を表わし(ただし、
それぞれのRsは、独立に、アルキル基またはフルオロ置換アルキル基で1〜約10個の炭素原子を持ち、炭素原子間にエーテル結合を含んでいてよいものを表わし;
m'は少なくとも1であり;pは、この部分の分子量を約400〜約10,000にする数である);
それぞれのEとE'は、独立に、一般式(V)で表わされる重合可能な不飽和有機基:
Figure 2010508980
である(ただし、
R3は水素またはメチルであり;
R4は、水素、炭素原子が1〜6個のアルキル基、-CO-Y-R6基(ただしYは-O-、-S-、-NH-のいずれかである)のいずれかであり;
R5は、1〜約10個の炭素原子を持つ2価のアルキレン基であり;
R6は1〜約12個の炭素原子を持つアルキル基であり;
Xは-CO-または-OCO-を表わし;
Zは-O-または-NH-を表わし;
Arは、約6〜約30個の炭素原子を持つ芳香族基を表わし;
wは0〜6であり;xは0または1であり;yは0または1であり;Zは0または1である)。
シリコーン含有ウレタン・モノマーの特別な一例は、一般式(VI):
Figure 2010508980
で表わされる(ただし、mは少なくとも1であり、3または4が好ましく;aは少なくとも1であり、1であることが好ましく;pは、この部分の分子量を約400〜約10,000にする数であり、少なくとも30であることが好ましく;R7は、イソシアネート基を除去した後のジイソシアネートのジラジカル(例えばイソホロンジイソシアネートのジラジカル)であり;それぞれのE"は、
Figure 2010508980
で表わされる基である)。
本発明の別の一実施態様では、シリコーン・ヒドロゲル材料は、約5〜約50質量%(約10〜約25質量%が好ましい)の1種類以上のシリコーン・マクロモノマーと、約5〜約75質量%(約30〜約60質量%が好ましい)の1種類以上のポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル・モノマーと、約10〜約50質量%(約20〜約40質量%が好ましい)の親水性モノマーを(バルクで、すなわち共重合されたモノマー混合物として)含んでいる。一般に、シリコーン・マクロモノマーは、分子の2つ以上の端部が不飽和基でキャップをされたポリ(有機シロキサン)である。アメリカ合衆国特許第4,153,641号には、上記の構造式の末端基に加え、別の不飽和基(例えばアクリルオキシ、メタクリルオキシ)が開示されている。アメリカ合衆国特許第5,310,779号、第5,449,729号、第5,512,205号に開示されているようなフマレート含有材料も本発明における有用な基本材料である。シラン・マクロモノマーは、シリコーン含有ビニルカルボネートであること、またはシリコーン含有ビニルカルバメートであること、または1つ以上のハード-ソフト-ハード・ブロックを備えていて末端に親水性モノマーのキャップをされたポリウレタン-ポリシロキサンであることが好ましい。
適切な親水性モノマーとして、アミド(例えばジメチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド)、環状ラクタム(例えばn-ビニル-2-ピロリドン、重合可能な基で機能化されたポリ(アルケングリコール))などがある。機能化された有用なポリ(アルケングリコール)の例として、鎖の長さがさまざまで末端のキャップとしてモノメタクリレートまたはジメタクリレートを有するポリ(ジエチレングリコール)がある。好ましい一実施態様では、ポリ(アルケングリコール)ポリマーは、少なくとも2つのアルケングリコール・モノマー単位を含んでいる。さらに別の例は、アメリカ合衆国特許第5,070,215号に開示されている親水性ビニルカルバメート・モノマーまたは親水性ビニルカルバメート・モノマーと、アメリカ合衆国特許第4,910,277号に開示されている親水性オキサゾロン・モノマーである。他の適切な親水性モノマーは、当業者には明らかであろう。
上記のシリコーン材料は単なる例であり、基本材料として使用されて本発明のパッケージング溶液の中に包装されることによる恩恵を受けることのできる他の材料、さまざまな刊行物に開示されている他の材料、コンタクト・レンズその他の医療用装置で使用するために開発が続けられている他の材料も使用できる。例えばこの明細書で使用する眼科用レンズとして、カチオン性レンズ(例えばカチオン性コンタクト・レンズ)やフッ素化シリコーン含有モノマーが可能である。例えばアメリカ合衆国特許第4,954,587号、第5,010,141号、第5,079,319号に記載されているように、そのようなモノマーは、フルオロシリコーン・ヒドロゲルを形成する際に、それをもとに製造されるコンタクト・レンズに堆積物が蓄積するのを減らすのに使用されてきた。ある種のフッ素化側鎖基(すなわち-(CF2)-H)を有するシリコーン含有モノマーが、親水性ユニットとシリコーン含有モノマー・ユニットの間の適合性を改善することが見いだされている。例えばアメリカ合衆国特許第5,321,108号、第5,387,662号を参照のこと。
本発明が適用される眼科装置(例えばコンタクト・レンズ)をさまざまな従来法を用いて製造し、レンズが望ましい前面と後面を持つ成形製品にすることができる。スピン成形法がアメリカ合衆国特許第3,408,429号、第3,660,545号に開示されている。また、静的成形法がアメリカ合衆国特許第4,113,224号、第4,197,266号、第5,271,875号に開示されている。
本発明は、長期装着コンタクト・レンズや特殊用途のコンタクト・レンズにおいて特に有利である。長期装着レンズは、一晩中装着することのできるレンズだが、少なくとも一週間装着できることが好ましく、一週間〜1ヶ月の期間にわたって連続して装着できることが最も好ましい。“できる”とは、そのような消費者用レンズに関して1つ以上の政府規制機関(例えばアメリカ合衆国食品医薬品局(USFDA))または他国の同等な機関によって認可されたレンズを意味する。
長期装着レンズは、比較的大きな酸素浸透率を必要とする。酸素浸透率は、酸素がある材料を通過する割合である。レンズ材料の酸素浸透率(Dk)はレンズの厚さに依存しない。酸素浸透率は、barrerを単位として測定される。
他方、この明細書で用いるレンズの酸素透過率は、酸素が特定のレンズを通過する割合である。酸素透過率Dk/tは、通常はbarrer/mmを単位として表わされる。ここにtは、測定する領域全体での材料の平均の厚さ(単位はmm)である。例えばDkが約90barrer(酸素浸透率)で厚さが約90μm(約0.090mm)のレンズは、Dk/tが約100barrer/mmになろう(酸素透過率barrer/mm)。
次に、レンズをパッケージング溶液に浸した後、本発明による包装システムの中に保管する。一般に、本発明による眼科用レンズを保管するための包装システムは、レンズ用パッケージング水溶液に浸した未使用の1つ以上のレンズを収容する密封された容器を少なくとも含んでいる。密封された容器は、気密シールをしたブリスター-パックであることが好ましい。このブリスター-パックの中では、コンタクト・レンズを収容する凹んだウエルが、ブリスター-パックを開封するため剥がすことのできる金属シートまたはプラスチック・シートで覆われている。密封された容器は、一般に不活性でレンズを納得できる程度に保護する適切な任意の包装材料にすることができ、プラスチック材料(例えばポリアルキレン、PVC、ポリアミドなど)が好ましい。
適切な任意の非イオン性ポリマー調整剤成分を本発明で使用できる。ただし、この明細書に記載したように機能し、しかも保管中のコンタクト・レンズやコンタクト・レンズの装着者に実質的に悪影響のないことが条件である。この成分は、使用する濃度で眼科において許容可能である。特に有用な成分は、水溶性のもの(例えば有用な水性液体媒体の中で使用する濃度で溶けるもの)である。
これらの化合物は、保持時間を長くするためにレンズ表面の粘性を大きくすること;レンズの表面をより湿潤にすること;表面の摩擦を小さくすること;レンズの表面にクッション性のある膜を形成することによってコンタクト・レンズをより快適にすることという属性のうちの1つ以上を提供することによってレンズの状態を整える。
非イオン性ポリマー調整剤の1つのクラスとして、非イオン性多糖がある。この明細書で用いるのに適した成分の代表例として、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルデンプンなどがある。
非イオン性ポリマー調整剤の別のクラスとして、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンがある。
非イオン性ポリマー調整剤の別のクラスとして、PEOのポリマー(例えばPEOホモポリマー)や、PEOとPPOのブロック・コポリマーがある。このクラスにはポロキサマーとポロキサミンが含まれ、例えばアメリカ合衆国特許第6,440,366号に開示されているものが挙げられる。
非イオン性ポリマー調整剤の上記のクラスは単なる例示を目的としたものであり、本発明の範囲がそのクラスに限定されることはない。このようなポリマーは当業者に知られている。
一般に、非イオン性ポリマー調整剤の平均分子量は、最小で約1kDa、最大で約700kDaであり、約5kDa〜500kDaが好ましい。
使用する非イオン性ポリマー調整剤の量は、非イオン性非ポリマー・ポリオールと組み合わせたときに眼科用装置の表面の性質を改善するのに有効な量である。非イオン性ポリマー調整剤は、少なくとも0.01%w/vの量が本発明のパッケージング溶液の中に存在していることが好ましい。使用するこのような成分の具体的な量は、多数の因子(例えば使用する具体的なポリマー成分と非イオン性ポリオール)によって広く変化する可能性がある。一般に、非イオン性ポリマー調整剤の濃度は約0.01〜約10%w/wだが、約0.5〜約1.5%w/wであることが好ましい。
一実施態様では、この明細書で使用する非イオン性非ポリマー・ポリオールとして、2〜約12個(2〜4個が好ましい)の炭素原子と2〜8個のヒドロキシル基を含む非イオン性ポリオールが可能である。このような非イオン性ポリオールの代表例として、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、単糖、二糖(例えばトレハロース)などと、これらの混合物がある。一実施態様では、非イオン性ポリオールとして、グリセリン、エチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、単糖、ならびにこれらの混合物が可能である。
パッケージング溶液中の非イオン性非ポリマー・ポリオールの量は、一般に、レンズを本発明のパッケージング溶液の中に包装したときにそのレンズの表面により一様なコーティングを形成するのに十分な量である。一般に、非イオン性ポリオールの濃度は約0.01〜約10%w/wの範囲になろう。この範囲は約0.1〜約3.0%w/wであることが好ましい。
特定のいかなる理論とも無関係に、非イオン性非ポリマー・ポリオール分子は、レンズ材料、その中でもヒドロゲル・レンズ材料のマトリックスの中に侵入できるため、水分子がレンズのマトリックスに引き付けられて結合すると考えられる。ポリマー調湿剤はレンズの周囲に膜を形成するため、水分を捕捉して保持し、装着している間にポリオールをゆっくりと放出する。したがってこれら2つの成分が組み合わさって独自の効果をもたらす。したがって好ましいポリオールは湿潤剤(水分子と水素結合を形成できるために水分を引き付けて保持する物質)であり、好ましいポリマー調整剤は緩和剤である。
本発明のパッケージング溶液は、生理学的適合性がある。この溶液は、特に、レンズ(例えばコンタクト・レンズ)で使用する上で“眼科的に安全”でなければならない。これは、この溶液で処理したコンタクト・レンズが、一般に、洗浄せずに目に直接取り付けるのに適していて安全であること、すなわちこの溶液が、この溶液で湿らされたコンタクト・レンズを通じて目と毎日接触しても安全で快適であることを意味する。眼科的に安全な溶液は、目に対する適合性のある張性とpHを持ち、ISO規格とアメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)の規制に従う非細胞毒性材料を、細胞毒性がない量で含んでいる。この溶液は無菌でなければならず、発売前にはそのような製品に必要な程度にその製品中に汚染微生物が存在しないことが統計的に証明されている必要がある。本発明で有用な液体媒体は、処理または手入れされるレンズに対して実質的に悪い効果がないように、そしてそのレンズの処理が可能になるように、それどころか容易になるように選択する。この液体媒体は水をベースとしていることが好ましい。特に有用な水性液体媒体は生理食塩水に由来するものであり、例えば従来の生理食塩溶液や従来の緩衝化生理食塩溶液がある。
この溶液のpHは約6.0〜約8の範囲内に維持する必要があり、約6.5〜約7.8が好ましい。適切な緩衝液を添加してもよい。それは、リン酸塩;ホウ酸塩;クエン酸塩;炭酸塩;トリス-(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS);ビス(2-ヒドロキシエチル)-イミノ-トリス-(ヒドロキシメチル)アミノアルコール(ビス-トリス);両性イオン緩衝液(例えばN-[2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]グリシン(トリシン)と3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS);N-(カルバモイルメチル)タウリン(ACES);アミノ酸とアミノ酸誘導体などと;これらの混合物である。一般に、緩衝液は、溶液の約0.05〜約2.5質量%の範囲の量が使用される。この量は、約0.1〜約1.5質量%が好ましい。本発明のパッケージング溶液は、ホウ酸緩衝液を含んでいて、その中には、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、これらの混合物のうちの1つ以上が含まれていることが好ましい。
必要な場合には、張性剤を用いて本発明の溶液を調節し、通常の涙液(塩化ナトリウム0.9%溶液、またはグリセロール2.5%溶液と同等である)の浸透圧とほぼ等しくなるようにできる。これらの溶液は、単独で、または組み合わせて用いられる生理食塩水と実質的に等張となるようにする。そうでなく単に殺菌水と混合して低張性または高張性にするならば、レンズは望ましい光学的パラメータを失うことになろう。それに対応し、生理食塩水が過剰になると高張性溶液を形成する可能性がある。するとひりひりして目の痛みが発生することになる。
適切な張性調節剤の例として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、デキストロース、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどと、これらの混合物が挙げられる。これらの物質は、一般に、それぞれ約0.01〜約2.5%w/vの範囲の量で使用される。この範囲は約0.2〜約1.5%w/vが好ましい。張性剤は、最終的な浸透圧モル濃度の値が少なくとも約200mOsm/kgとなる量を使用することが好ましかろう。浸透圧モル濃度は、約200〜約450mOsm/kgであることが好ましく、約250〜約400mOsm/kgであることがより好ましく、約280〜約370であることが最も好ましい。
望むのであれば、1種類以上の追加の成分をパッケージング溶液の中に含めることができる。そのような追加の成分は、パッケージング溶液に少なくとも1つの有利な特性または望ましい特性を与えるように選択する。そのような追加の成分は、眼科用装置を手入れするための1種類以上の組成物で通常用いられている成分の中から選択することができる。そのような追加の成分の例として、クリーニング剤、湿潤剤、栄養剤、封鎖剤、粘度上昇剤、コンタクト・レンズ調湿剤、酸化防止剤などと、これらの混合物がある。追加のこれら成分は、それぞれ、パッケージング溶液の中に、そのパッケージング溶液に有利な特性または望ましい特性を与えるのに有効な量を含めることができる。例えばそのような追加の成分は、パッケージング溶液の中に、他の製品(例えばコンタクト・レンズを手入れするための一般的な製品)で用いられている成分と同様の量が含まれていてもよい。
有用な封鎖剤として、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ヘキサメタリン酸アルカリ金属、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどと、これらの混合物がある。
有用な酸化防止剤として、メタ亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、N-アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどと、これらの混合物がある。
眼科用レンズを包装して保管する本発明の方法は、上に説明したコンタクト・レンズ用パッケージング水溶液の中に浸した状態でその眼科用レンズを包装する操作を少なくとも含んでいる。この方法は、コンタクト・レンズを製造した直後、コンタクト・レンズ用水溶液の中にそのコンタクト・レンズを浸してから消費者/装着者に供給する操作を含むことができる。あるいは本発明の溶液の中への包装と保管は、最終的な消費者(装着者)に供給する前だが、乾燥状態のレンズを製造して輸送した後という中間段階で実施することができる。その乾燥したレンズは、コンタクト・レンズパッケージング溶液に浸すことによって水和させる。その結果、消費者に供給するためのパッケージは、本発明によるコンタクト・レンズ用パッケージング水溶液の中に浸した未使用の1つ以上のコンタクト・レンズを収容する密封された容器を含むことができる。
一実施態様では、本発明の眼科用装置包装システムに至るステップは、(1)少なくとも第1の鋳型部と第2の鋳型部を備える鋳型の中で眼科用装置を成形するステップと;(2)その鋳型部からレンズを取り出すステップと;(3)本発明のパッケージング溶液と眼科用レンズを容器の中に導入するステップと;(4)容器を密封するステップを含んでいる。この方法は、容器の中身を殺菌するステップも含むことが好ましい。殺菌は、容器を密封する前または後に実施できるが、密封後になされることが最も一般的であり、従来技術で知られている適切な方法(例えば密封した容器を約120℃以上の温度での平衡高圧減菌)によって行なうことができる。好ましい包装は、コンタクト・レンズとパッケージング溶液を受け入れる凹部を有するプラスチック製ブリスター包装である。この場合、凹部を蓋で密封した後に包装した内容物を殺菌する。
以下の実施例は、当業者が本発明を実施できるよう提示したものであり、本発明の単なる例示である。実施例は、請求項に規定されている本発明の範囲を制限するものであると読んではならない。
表1〜表3は、本発明のさまざまな溶液を示している。さらに、表2と表3の溶液のpHは、NaOH/HClを用いて調節した。
Figure 2010508980
Figure 2010508980
Figure 2010508980
表4と表5に、本発明の別の溶液と2種類の比較用溶液を示してある。
Figure 2010508980
Figure 2010508980
表4と表5の溶液は以下のようにしてテストした。コンタクト・レンズを表4と表5のそれぞれの溶液に72時間以上にわたって浸した。次に、レンズをテスト溶液から取り出し、直ちに取り付け、1mlのリン酸ホウ酸生理食塩水(PBS)の中でテストした。CETRモデルUMT-2マイクロ摩擦計で摩擦試験を実施した。それぞれのレンズを、最初はレンズの裏側の形状に合致したHDPEホルダに固定した。次に、ポリ(プロピレン)製締め付けリングを用いてレンズの端部領域を保持した。レンズがホルダに取り付けられると、その全体を、マイクロ摩擦計の中にある静的締め付け装置の中に設置した。次に、1mlのテスト溶液を含む研磨したステンレス鋼製円板をレンズと接触させ、摩擦測定を実施している間を通じてFNを2gに調節した。5秒間にわたって負荷を平衡させた後、ステンレス鋼製円板を12cm/秒の速度で20秒間にわたって順方向と逆方向の両方に回転させ、ピーク(静的)COF値と平均(動的)COF値を記録した。それぞれの値は、9〜10個のレンズの平均を表わしている。対照試験は、どのテスト溶液にも曝露しなかった同じロットのレンズで実施した。PBSの中でテストしたレンズなしのレンズ・ホルダから得た平均値ですべてのデータを規格化した。結果を表6にまとめてある。
Figure 2010508980
摩擦学は、2つの面が相対運動するときに互いにいかに相互作用するかの研究である。コンタクト・レンズにとって重要である可能性のある摩擦学の1つの特徴は摩擦である。摩擦は、材料を特定の基板と接して配置したとき、横方向の運動に対するその材料の抵抗の1つの指標である。2つの面の間の相対的摩擦は摩擦係数(COF)で記述することができる。摩擦係数は、運動を開始させ、次いで維持するのに必要な横方向の力(Fx)を法線方向の力(FN)で割った比として定義される。さらに、考慮するとよい2つの摩擦係数が存在している。それは、ピーク(または静的)COFと平均(または動的)COFである。静的COFは、2つの面の相対運動を開始させるのにどれだけのFxが必要であるかの1つの指標であり、一般にこれら2つの値のうちの大きいほうである。実際には、コンタクト・レンズでは、静的COFは、まばたきのサイクルを開始させるのに必要な力、またはレンズが角膜上を移動し始めるのに必要な力の大きさと関係している。動的COFは有限期間で平均したある特定の速度において運動を維持するのに横方向の力がどれだけ必要であるかの1つの指標である。この値は、サイクル全体を通じてまばたきを維持するのに必要な力の大きさ、およびレンズが角膜上を運動する容易さと関係している(後者は、レンズが角膜上をどれだけ多く移動するかとも関係している可能性がある)。
この明細書に開示した実施態様に対してさまざまな変更が可能であることが理解されよう。したがって本発明が上の説明に限定されると考えてはならず、上の説明は単に好ましい実施態様の例示である。例えば上に説明し、本発明を実施するための最良の態様として実現した機能は、説明だけ目的としている。当業者であれば、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、他の構成と方法を実現できよう。さらに、当業者であれば、この明細書に記載した特徴と利点の範囲と精神の中で他の変更を考えることができよう。

Claims (20)

  1. 保管可能な無菌眼科用装置を収容するパッケージを作る方法であって、この方法が、
    (a)非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含む溶液であって少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持つ溶液の中に、眼科用装置を浸すステップと;
    (b)この溶液と装置を、この装置が微生物によって汚染されないようにして包装するステップと;
    (c)包装された溶液と装置を殺菌するステップを含む方法。
  2. 上記眼科用装置がコンタクト・レンズである、請求項1に記載の方法。
  3. 上記眼科用装置が、1種類以上のシリコーン含有モノマーを含むモノマー混合物の重合生成物を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 上記非イオン性ポリマー調整剤が、非イオン性多糖、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、PEOのポリマーからなるグループの中から選択した少なくとも1つの物質を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 上記非イオン性ポリマー調整剤が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルデンプンからなるグループの中から選択した少なくとも1つの物質を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 上記非イオン性ポリマー調整剤が、PEOとPPOのブロック・コポリマーを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 上記非イオン性ポリマー調整剤がポリビニルアルコールを含む、請求項4に記載の方法。
  8. 上記非イオン性ポリマー調整剤の濃度が約0.01〜約10%w/wである、請求項1に記載の方法。
  9. 上記非イオン性非ポリマー・ポリオールが、2〜12個の炭素原子と2〜8個のヒドロキシル基を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 上記非イオン性非ポリマー・ポリオールが、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、単糖、二糖からなるグループの中から選択した少なくとも1つの物質を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 上記非イオン性非ポリマー・ポリオールが、グリセリン、ソルビトール、マンニトールからなるグループの中から選択した少なくとも1つの物質を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 上記溶液が緩衝剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 上記緩衝剤が、リン酸塩;ホウ酸塩;クエン酸塩;炭酸塩;TRIS;ビス-トリス;トリシン;MOPS;ACES;アミノ酸からなるグループの中から選択した少なくとも1つの物質を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 上記上記眼科用装置と上記溶液をパッケージの中に密封し、そのパッケージの内容物を熱殺菌するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 上記溶液が、消毒に有効な量の消毒剤を含まない、請求項1に記載の方法。
  16. 上記溶液が、殺菌化合物を含まない、請求項1に記載の方法。
  17. 眼科用装置を保管するため、非イオン性非ポリマー・ポリオールと非イオン性ポリマー調整剤を含んでいて、少なくとも約200mOsm/kgの浸透圧モル濃度と約6〜約8の範囲のpHを持つパッケージング水溶液の中に浸した未使用の眼科用装置を収容する密封した容器を備える包装システム。
  18. 上記眼科用装置がコンタクト・レンズである、請求項17に記載の包装システム。
  19. 上記眼科用装置がシリコーン・ヒドロゲル製コンタクト・レンズを含む、請求項18に記載の包装システム。
  20. 上記溶液が、消毒に有効な量の消毒剤を含まない、請求項18に記載の包装システム。
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