本発明の1つの目的は、プールエリアの重なり合う領域内に位置しているアクセスノード(例えば、eNodeB)へのサービスデータの配信における効率的なリソース利用を促進するメカニズムを提案することである。
本発明の別の目的は、アクセスノードがいくつかのプールエリアに同時に割り当てられることのある通信ネットワークにおいて、移動端末によって受信されるマルチキャストサービスのサービス継続性を可能にすることである。本発明の別の目的は、アクセスノードがいくつかのプールエリアに同時に割り当てられることのある通信ネットワークにおいて、ユーザプレーンの管理を向上させることである。
これらの目的の少なくとも1つは、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の1つの側面は、2つ以上のプールエリアが互いに重なり合うネットワーク領域内に位置しているアクセスノードまで、サービスのためのユーザプレーンを提供する1つのユーザプレーンエンティティが選択されることを確保することである。したがって、特定のプールエリアへのユーザプレーンエンティティの実際の割当てには関係なく、選択を行うことができる。重なり合うプールエリアにおけるユーザプレーンを提供する共通のユーザプレーンエンティティを選択することは、さまざまな方法において達成することができる。
1つの可能な方法は、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードが、異なるプールエリアのユーザプレーンエンティティを示しているセッション開始メッセージを受信した場合に、同じユーザプレーンエンティティを選択するようにすることである。このことは、例えば、アクセスノードが、受信したセッション開始メッセージを、すべてのアクセスノードがサービスのユーザプレーンのための同じユーザプレーンエンティティを選択することにつながる選択規則に従って個々に処理することによって、達成することができる。
これに代えて、ユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティを、重なり合う複数の異なるプールエリアの移動管理エンティティによって「事前に選択する」ことができる。したがって、プールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードに、サービスのためのユーザプレーンを確立するように要求するメッセージは、1つのユーザプレーンエンティティを示すのみであり、したがって、アクセスノードによって異なるユーザプレーンエンティティが選択されることはない。
本発明の別の側面は、移動端末によって受信されるマルチキャストサービスのサービス継続性を確保することである。例えば、アクセスノードが、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを、2つのプールエリアのうちのいずれか一方まで確立する(すなわち、プールエリアのうちのいずれか一方に同時に割り当てられている)場合、移動管理エンティティが、そのマルチキャストサービスについてユーザプレーンエンティティにおいて登録できることを提案する。したがって、移動管理エンティティの登録は、その移動管理エンティティの実際のプールエリアとは無関係である。したがって、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンがもう一方の第2のプールエリアに属しているユーザプレーンエンティティまで確立されている(される)場合、マルチキャストサービスについてその第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録することができる。
したがって、ユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティにおいてマルチキャストサービスを登録抹消する最後の移動管理エンティティは、2つ以上のプールエリアに割り当てられているアクセスノードまでのユーザプレーンを終了させる。
上記の概説した両方の側面は、容易に組み合わせることができ、したがって、プールエリアの重なり合う部分において、サービス継続性と効率的なリソース利用とを同時に可能にする。
プールエリアの重なり合う領域内に位置しているアクセスノード(例えば、eNodeB)へのサービスデータの配信における効率的なリソース利用を確保することに関して、本発明の一実施形態においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、ユーザプレーンエンティティと、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている異なるアクセスノードとの間にユーザプレーンを確立するための方法を提案する。複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている各アクセスノードは、異なるプールエリアの異なるユーザプレーンエンティティを示している複数のセッション開始メッセージを受信することがある。したがって、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている各アクセスノードは、セッション開始メッセージに示されている示されたユーザプレーンエンティティのうちの1つのユーザプレーンエンティティを、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられているすべてのアクセスノードに共通する選択規則に基づいて、選択する。この選択規則は、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが、複数の異なるプールエリアの1つにおける同じユーザプレーンエンティティを選択することを確保する。さらに、これらのアクセスノードは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、選択された同じユーザプレーンエンティティまでの各ユーザプレーンを確立することができる。
さらなる実施形態においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのサービス開始メッセージであって、複数の異なるプールエリアに割り当てられているアクセスノードにおいて受信されるサービス開始メッセージは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを識別する共通サービス識別子をさらに備えている。1つのマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに属しているセッション開始メッセージは、例えばこの共通サービス識別子に基づいて識別することができる。
本発明の別の実施形態においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータを、選択されたユーザプレーンエンティティから、複数の異なるプールエリアに割り当てられている各アクセスノードまで、確立されたユーザプレーンを介してトンネル化することができる。
本発明の別の実施形態によると、セッション開始メッセージは、複数の異なるプールエリアの移動管理エンティティから受信される。移動管理エンティティは、複数の異なるプールエリアの各プールエリアにおいてマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを受信するように移動端末を処理担当することができる。
この実施形態のバリエーションにおいては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのセッション開始メッセージを受信した各アクセスノードから、選択されたユーザプレーンエンティティを自身のセッション開始メッセージにおいて示した移動管理エンティティに、肯定応答を送信することができる。
別のバリエーションにおいては、選択されないユーザプレーンエンティティを示しているセッション開始メッセージを送信した移動管理エンティティに、選択されたユーザプレーンエンティティを通知することができる。この通知は、例えば、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのセッション開始メッセージを受信した各アクセスノードによって送信することができる。
さらに、この通知は、例えば、移動管理エンティティからのセッション開始メッセージの受信に応えてアクセスノードによって移動管理エンティティに送信される否定応答と一緒に、または否定応答の中で、送信することができる。
さらなるバリエーションにおいては、通知は、選択されたユーザプレーンエンティティの識別子を含んでいる、または、選択されたユーザプレーンエンティティのプールエリアを識別することができる。
本発明の別の実施形態によると、各アクセスノードは、設定可能な時間間隔においてユーザプレーンを確立するため、ユーザプレーンエンティティの選択を遅延させることができる。この時間間隔は、例えば、アクセスノードと、このアクセスノードが通信することができる各移動管理エンティティとの間で交換されるデータの往復時間に基づくことができる。あるいは、この時間間隔は、アクセスノードと、このアクセスノードが通信することができる各移動管理エンティティとの間で交換されるデータの最大往復時間に設定することができる。
別の例においては、時間間隔は、アクセスノードと、このアクセスノードが通信することができる各移動管理エンティティとの間で交換されるデータの最大往復時間と、移動管理エンティティの追加の処理遅延との合計時間に設定することができる。
さらなる一実施形態においては、選択規則は、複数の示されたユーザプレーンエンティティのうち、複数の異なるプールエリアのうちの1つのユーザプレーンエンティティを選択する目的で、ユーザプレーンエンティティにおける各セッション開始メッセージの中の少なくとも1つのパラメータの処理を定義する。したがって、セッション開始メッセージは、例えば、選択ステップの結果に影響を与える少なくとも1つの選択パラメータを備えていることができる。さらに、少なくとも1つの選択パラメータは、例えば、移動管理エンティティのプールエリアのプールエリア識別子、セッション開始メッセージの中で示されたユーザプレーンエンティティの識別子、セッション開始メッセージを送信する移動管理エンティティの識別子、セッション開始メッセージを送信する移動管理エンティティにおいてマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスについて登録している移動端末の数、のうちの少なくとも1つとすることができる。
別の実施形態による、効率的なリソース利用を可能にするための別の代替ソリューションは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、ユーザプレーンエンティティと、重なり合うプールエリアの重なり領域内の複数の異なるアクセスノードとの間にユーザプレーンを確立する別の方法に関する。この例示的な実施形態においては、少なくとも部分的に重なり合う複数の異なるプールエリアの移動管理エンティティであって、複数の異なるプールエリアにおける移動端末を処理担当している移動管理エンティティは、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分のアクセスノードが、移動端末に提供されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンを確立する先の、プールエリアのうちの1つのユーザプレーンエンティティを決定することができる。ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティを明示的または暗黙的に示している少なくとも1つのメッセージ(例えば、セッション開始メッセージ)を、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分のアクセスノードのそれぞれに、さらに送信することができる。
さらなる一実施形態においては、複数の異なるプールエリア内の各移動管理エンティティは、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内の各アクセスノードにセッション開始メッセージを送信し、送信されるすべてのセッション開始メッセージは、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティを識別している。
本発明の別の実施形態においては、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティの決定は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのサービスアクティブ化メッセージの受信時に移動管理エンティティによってトリガーされる。
別の可能な方法として、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティの決定は、複数の異なるユーザプレーンエンティティを識別している、同じマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのセッション開始メッセージ、が受信されたことを示している、アクセスノードからの通知、によってトリガーされ、この通知に応えて、少なくとも1つのメッセージが送信される。この通知は、例えば、移動管理エンティティに送信することができ、セッション開始メッセージが受信された送信元の別の移動管理エンティティを示している。
さらに、別の実施形態においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティの決定は、複数の異なるプールエリア内の移動管理エンティティの間の制御シグナリングを含んでいる。この制御シグナリングは、ポイントツーポイント通信リンクを介して、またはポイントツーマルチポイント通信リンクを介して、制御メッセージを送信するステップを含んでいることができる。
バリエーションにおいては、複数の異なる重なり合うプールエリアの移動管理エンティティにIPマルチキャストアドレスが割り当てられており、制御メッセージは、このIPマルチキャストアドレスにアドレッシングされる。別のバリエーションにおいては、制御シグナリングは、少なくとも部分的に重なり合う複数の異なるプールエリアの各プールエリアの、事前に設定される、または選択される1つの移動管理エンティティの間で交換される。
さらなる実施形態によると、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティの決定は、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードまでのユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティの明示的または暗黙的な識別情報を、マルチキャストサービスセンターまたはブロードキャストサービスセンターに要求するステップを含んでいる。この実施形態のバリエーションにおいては、要求は、要求側移動管理エンティティのプールエリアのユーザプレーンエンティティを識別する。
さらに、本発明の別の実施形態においては、マルチキャストサービスセンターまたはブロードキャストサービスセンターは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのために、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードまでのユーザプレーンを提供しているユーザプレーンエンティティが、要求において示されているマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスについて登録されているかを判定することができ、登録されていない場合、マルチキャストサービスセンターまたはブロードキャストサービスセンターは、受信される要求からユーザプレーンエンティティを導き、要求の中で示されているユーザプレーンエンティティを、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードまでのユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティとして、マルチキャストサービスセンターまたはブロードキャストサービスセンターにおいて登録し、導かれたユーザプレーンエンティティを、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードまでのユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティとして、要求に応えて要求側移動管理エンティティに示すことができる。
さらなる実施形態においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、複数の異なるプールエリアの各プールエリアにおいて、1つのユーザプレーンエンティティが事前に設定される。
本発明の別の実施形態は、ユーザプレーンエンティティと自身との間にユーザプレーンを確立するアクセスノードであって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている、アクセスノードに関する。このアクセスノードは、異なるプールエリアの異なるユーザプレーンエンティティを示している複数のセッション開始メッセージを受信する通信ユニット(例えば、送信器および受信器など)と、さらに、セッション開始メッセージの中に示されている、示されたユーザプレーンエンティティのうち1つのユーザプレーンエンティティを、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられているすべてのアクセスノードに共通する選択規則、に基づいて選択する処理ユニット(またはプロセッサ)と、を備えており、選択規則が、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられているすべてのアクセスノードが、複数の異なるプールエリアのユーザプレーンエンティティのうちの同じユーザプレーンエンティティを選択することを確保する。通信ユニットは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、同じ選択されたユーザプレーンエンティティまで各ユーザプレーンを確立する目的に、さらに使用することができる。
別の実施形態によると、アクセスノードは、異なるプールエリアの異なるユーザプレーンエンティティを示しているセッション開始メッセージを、複数の異なるプールエリアの複数の異なる移動管理エンティティから受信する受信器と、同じマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのセッション開始メッセージであって、複数の異なるユーザプレーンエンティティを識別しているセッション開始メッセージ、が受信されたことを示す通知を、複数の異なる移動管理エンティティのうちの少なくとも1つに送信する送信器と、を備えていることができる。さらに、受信器は、通知に応えての、複数の異なるプールエリアのうちの1つのユーザプレーンエンティティを示しているメッセージを受信することができる。さらに、アクセスノードは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、示されたユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立するようにすることができる。
本発明の別の実施形態は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、ユーザプレーンエンティティと、重なり合うプールエリアの重なり領域内に位置している異なるアクセスノードとの間にユーザプレーンを確立する移動管理エンティティに関する。この移動管理エンティティは、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分のアクセスノードが、移動管理エンティティによって処理担当されている移動端末に提供されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンを確立する先の、複数の異なるプールエリアのうちの1つのユーザプレーンエンティティ、を決定する処理ユニット(またはプロセッサ)を備えている。さらに、この移動管理エンティティは、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティを明示的または暗黙的に識別しているメッセージを、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分のアクセスノードのそれぞれに送信する通信ユニットを備えていることができる。
本発明のさらなる実施形態は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令がアクセスノードのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、アクセスノードが、ユーザプレーンエンティティとアクセスノードとの間にユーザプレーンを確立し、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、アクセスノードが複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている、コンピュータ可読媒体に関する。命令の実行に起因して、アクセスノードは、異なるプールエリアの異なるユーザプレーンエンティティを示している複数のセッション開始メッセージを受信するステップと、セッション開始メッセージに示されている示されたユーザプレーンエンティティのうちの1つのユーザプレーンエンティティを、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられているすべてのアクセスノードに共通する選択規則に基づいて、選択するステップであって、選択規則が、複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられているすべてのアクセスノードが、複数の異なるプールエリアのユーザプレーンエンティティのうちの同じユーザプレーンエンティティを選択することを確保するステップと、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、選択された同じユーザプレーンエンティティまでの各ユーザプレーンをアクセスノードによって確立するステップとによって、ユーザプレーンを確立することができる。
本発明の別の実施形態は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令がアクセスノードのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、アクセスノードが、ユーザプレーンエンティティとアクセスノードとの間にユーザプレーンを確立し、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、アクセスノードが複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている、コンピュータ可読媒体に関する。命令の実行に起因して、アクセスノードは、異なるプールエリアの異なるユーザプレーンエンティティを示しているセッション開始メッセージを、複数の異なるプールエリアの複数の異なる移動管理エンティティから受信するステップと、同じマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのセッション開始メッセージであって、複数の異なるユーザプレーンエンティティを識別しているセッション開始メッセージ、が受信されたことを示す通知を、複数の異なる移動管理エンティティのうちの少なくとも1つに送信するステップと、通知に応えての、複数の異なるプールエリアのうちの1つのユーザプレーンエンティティを示しているメッセージを受信するステップと、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、示されたユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立するステップとによって、ユーザプレーンを確立することができる。
本発明のさらなる実施形態は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令がアクセスノードのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、アクセスノードが、ユーザプレーンエンティティとアクセスノードとの間にユーザプレーンを確立し、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するため、アクセスノードが複数の異なるプールエリアに同時に割り当てられている、コンピュータ可読媒体、に関する。命令の実行に起因して、アクセスノードは、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分のアクセスノードが、移動管理エンティティによって処理担当されている移動端末に提供されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンを確立する先の、複数の異なるプールエリアのうちの1つのユーザプレーンエンティティ、を決定するステップと、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティを明示的または暗黙的に識別しているメッセージを、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分のアクセスノードのそれぞれに送信するステップとによって、ユーザプレーンを確立することができる。
本発明のさらなる実施形態は、上述したように、サービス継続性を確保することに関する。本発明の一実施形態によると、アクセスノードから移動端末によって受信されるマルチキャストサービスのサービス継続性を確保する方法を提供する。したがって、アクセスノードは、第1のプールエリアと、少なくとも第2のプールエリアとに同時に割り当てられており、すなわち、2つ以上のプールエリア/トラッキングエリアが重なり合うエリア内に位置している。さらに、移動端末が、第1のプールエリアの移動管理エンティティによって処理担当されているものと想定する。この実施形態によると、移動端末を処理担当しているアクセスノードが、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを使用する場合、第1のプールエリアの移動管理エンティティを、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録することができる。
この登録は、いくつかの異なるメカニズムによってトリガーすることができる。例えば、一実施形態においては、ユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録は、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立するというアクセスノードの決定、を示している通知をアクセスノードから受信することに応えて、実行される。
別の実施形態においては、ユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録は、例えば、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのサービスアクティブ化メッセージを移動端末から受信することに応えて、実行される。
さらなる実施形態においては、ユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録は、例えば、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティを示している通知を、別の移動管理エンティティから受信することに応えて、実行される。
別の実施形態によると、ユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録は、例えば、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードまでのユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティの明示的または暗黙的な識別情報を、マルチキャストサービスセンターまたはブロードキャストサービスセンターから受信することに応えて、実行される。
さらなる実施形態は、移動管理エンティティによるそのような登録のトリガーに関する。例えば、一実施形態においては、少なくともマルチキャストサービスに関するマルチキャストサービス情報を、アクセスノードから、少なくとも、第1のプールエリアの移動管理エンティティによって処理担当されている移動端末に送信する(例えば、ブロードキャストする)ことができる。このマルチキャストサービス情報は、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティのプールエリア、あるいは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティの識別子、を示していることができる。
したがって、本発明のさらなる実施形態においては、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまで確立されていることの通知を移動端末から受信することに応えて、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録することができる。この通知は、例えば、マルチキャストサービスのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティが、移動端末を処理担当している第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティのプールエリア(またはトラッキングエリア)とは異なるプールエリア(またはトラッキングエリア)に割り当てられていることを検出したことに応えて、移動端末によって送信することができる。この検出は、例えば、移動端末によって受信される、アクセスノードからのマルチキャストサービス情報に基づくことができる。
さらに、さらなる実施形態によると、通知は、マルチキャストサービスのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティが、移動端末を処理担当している第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティのプールエリア(またはトラッキングエリア)とは異なるプールエリア(またはトラッキングエリア)に属していることを検出したときに(のみ)、移動端末によって送信することができる。
さらに、別の実施形態においては、アクセスノードによって提供されるマルチキャストサービス情報は、さらなる情報を備えている。例えば、少なくともマルチキャストサービスに関するマルチキャストサービス情報は、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先の、プールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティ、においてマルチキャストサービスについて登録している移動管理エンティティの1つまたは複数のプールエリア(またはトラッキングエリア)を、さらに示していることができる。
この実施形態のバリエーションにおいては、移動端末によって送信される通知は、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録するように、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティに示す(または移動管理エンティティをトリガーする)ことができる。この通知は、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティが、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録したことを、アクセスノードから受信されたマルチキャストサービス情報が示していない場合にのみ、移動端末によって送ることができる。
本発明の別の実施形態は、マルチキャストサービスのためのユーザプレーン(マルチキャストユーザプレーン)を確立すべきである先のユーザプレーンエンティティに関する、アクセスノードによる処理および選択に関する。本発明の一実施形態においては、アクセスノードは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立または使用するか、あるいは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立または使用するか、を決定することができる。マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立する要求を、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティから受信したときに、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンがすでに確立されている場合、この決定の結果として、例えば、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを選択(および使用)することができる。
これに代えて、アクセスノードは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立する各要求を、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティ、および、マルチキャストサービスをアクセスノードを通じて要求している少なくとも1つの別の移動端末を処理担当している第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティから受信したときに、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立または使用するか、あるいは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立または使用するか、を決定することができる。この場合、アクセスノードは、要求に基づいて、マルチキャストユーザプレーンを確立するために関係している任意のプールエリア(またはトラッキングエリア)を選択する自由を有する。
一般的には、アクセスノードは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立する複数の要求が同じマルチキャストサービスに関連していることを、各マルチキャストサービスの識別子に基づいて、検出することができる。同様に、確立されているユーザプレーンがマルチキャストサービスに関連していることを、マルチキャストサービスの識別子によって検出することができる。
例示的な一実施形態においては、アクセスノードは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立し、アクセスノードにおいてマルチキャストサービスデータを受信し、このマルチキャストサービスデータを、アクセスノードのサービスエリアの中の、マルチキャストサービスに登録されている移動端末に転送することができる。
ユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録のトリガーに関するさらなる実施形態においては、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンがマルチキャストサービスデータのために使用されることの通知を、アクセスノードから受信することに応えて、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて自身を登録する。
この例示的な実施形態においては、通知は、例えば、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティの指示情報(indication)を含んでいる、または第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)を識別することができる。したがって、移動管理エンティティは、マルチキャストユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティを、通知における第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の識別情報に基づいて(識別子が通知にすでに含まれていない場合)、解決することができる。
例示的な実施形態においては、通知は、移動端末のトラッキングエリア更新メッセージにカプセル化されて、または、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードによって送られるセッション開始メッセージへの応答において、受信される。
バリエーションにおいては、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードは、移動端末からのトラッキングエリア更新メッセージが、ユーザプレーンが確立されている先のプールエリアと同じプールエリア内に位置している移動管理エンティティを宛先としているか、を判定することができる。宛先としていない場合、すなわち、ユーザプレーンを確立する必要がある場合、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードは、トラッキングエリア更新メッセージが宛先としている移動管理エンティティに通知を送ることができる。
アクセスノードの判定においては、例えば、アクセスノードによって維持されている、移動端末に関するコンテキスト情報を使用することができる。このコンテキスト情報は、移動端末のサービスに関して備えており、例えば、移動端末がマルチキャストサービスについて登録されていることを識別する。一実施形態においては、移動端末は、最初にアイドルモードにあり、トラッキングエリア更新(位置エリア更新とも表す)手順を実行するためアクティブモードに切り替えることができる。アクティブモードに切り替えることによって、アクセスノードは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンをトラッキングエリアのために確立する必要があるかに関する判定をアクセスノードが実行することを可能にするコンテキスト情報、を受信することができる。
第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードにアタッチしている移動端末が、トラッキングエリア更新を実行するようにするため、本発明の別の実施形態では、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアに割り当てられていることを予測する。
したがって、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードによって送られる通知は、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアのうちの1つにトラッキングエリアが変更されたことの検出に応えて、移動端末によって送られるトラッキングエリア更新メッセージによってトリガーすることができる。
本発明の別の実施形態によると、アクセスノードからの通知は、ユーザプレーンの確立をトリガーするためのセッション開始メッセージに応えて、受信される。さらに、この実施形態においては、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが少なくとも1つの個別のトラッキングエリアに割り当てられているならば、さらに有利である。第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードからのトラッキングエリア更新メッセージを、第1のプールエリアの移動管理エンティティにおいて受信すると、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、例えば、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが属している(少なくとも1つの)トラッキングエリア(トラッキングエリア更新メッセージがこのトラッキングエリアを識別することができる)内の(1つまたは複数の)アクセスノードまで確立されているか、を判定することができる。
ユーザプレーンを確立する必要がある場合、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンの確立をトリガーするためのセッション開始メッセージを、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられている少なくともアクセスノードに送信する、または、送信するように第1のプールエリア内のユーザプレーンエンティティに要求することができる。
本発明のいくつかの実施形態においては、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティによって処理担当されている移動端末は、アクティブモードにあることができ、したがって、アクセスノードレベルにおいて通信ネットワークに認識されていることができる。
さらに、別の実施形態においては、アクセスノードを通じてマルチキャストサービスを受信する可能性のある移動端末が、アイドルモードにある。この場合、アクセスノードは、マルチキャストサービスを受信する少なくとも1つの移動端末が自身のサービスエリア内に存在しているかを判定することができる。このアクセスノードは、マルチキャストサービスを受信する少なくとも1つの移動端末が自身のサービスエリア内に存在している場合、移動管理エンティティに通知を送信することができる。
別の実施形態においては、特定のサービスのためのユーザプレーンを確立したユーザプレーンエンティティを中央に登録する方法に関する。この中央「登録」は、例えば、コアネットワークエンティティ、例えば、MBMSサービスのためのBM−SCにおいて維持することができる。効果的な実施形態のためには、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが個別のトラッキングエリアに割り当てられており、問い合わせが個別のトラッキングエリアを示しているならば、有利である。一般的には、移動管理エンティティの登録をトラッキングエリアレベルにおいて制御および更新することが有利である。なぜなら、サービスのためのユーザプレーンエンティティにおける移動エンティティの登録をチェックして潜在的に登録を更新または確立するためのトリガーとして、トラッキングエリア更新を使用できるためである。
この実施形態によると、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンがマルチキャストサービスデータのために使用されることを示している通知を、コアネットワークエンティティから受信することに応えて、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて自身を登録する。この通知は、例えば、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティの指示情報を含んでいる、または、第2のプールエリアを識別することができる。
バリエーションにおいては、通知は、例えば、第1のプールエリアの移動管理エンティティによる、コアネットワークエンティティへの問い合わせに応えて、この移動管理エンティティによって受信することができる。
上述したように、トラッキングエリア更新手順をトリガーメカニズムとして有利に使用することができる。例えば、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードからのトラッキングエリア更新メッセージを受信することができ、トラッキングエリア更新メッセージは、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが属しているトラッキングエリアを識別している。次いで、移動管理エンティティは、このトラッキングエリアの指示情報に基づいて、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードが属しているトラッキングエリア内のアクセスノードまで確立されているかを判定することができ、確立されていない場合、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて自身を登録することができるユーザプレーンエンティティの識別情報を解決できるように、コアネットワークエンティティへの問い合わせを送信する。
さらなるバリエーションにおいては、問い合わせに対するコアネットワークエンティティの応答が、トラッキングエリアのためのユーザプレーンエンティティがまだ登録されていないことを示している場合、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、以下の一連のステップを実行することができる。第1のプールエリアの移動管理エンティティは、第1のプールエリアまたは第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティを選択することができ、次いで、選択されたユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンの確立を開始するため、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードにセッション開始メッセージを送ることができる。さらに、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、マルチキャストサービスおよびトラッキングエリアのための選択されたユーザプレーンエンティティを、コアネットワークエンティティにおいて登録することができる。
本発明の別の側面は、移動管理エンティティによる、マルチキャストサービスの登録抹消の処理である。本発明の例示的な一実施形態においては、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのマルチキャストユーザプレーンが確立されている先の、第2の(他方の)プールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティに、マルチキャストサービス登録抹消を送信するものと想定する。移動管理エンティティは、この登録抹消に応えて、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信することができ、この確認メッセージは、少なくとも1つの別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示している。
別の実施形態においては、第2のプールエリアの移動管理エンティティは、マルチキャストサービス登録抹消を第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティに送信することができ、登録抹消に応えて、移動管理エンティティにおいて、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信することができ、この確認メッセージは、少なくとも1つの別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示している。第1のプールエリアの別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されているが、第2のプールエリアの別の移動管理エンティティはユーザプレーンエンティティにおいて登録されていないことを、確認メッセージが示している場合、登録抹消を送信した移動管理エンティティは、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードを除く、第2のプールエリアの各アクセスノードに、ユーザプレーン解除通知を送信することができる。
さらに、別の実施形態においては、別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録していないことを、確認メッセージが示している場合、マルチキャストサービス登録抹消を送信した移動管理エンティティは、ユーザプレーン解除通知を、第2のプールエリアの各アクセスノードに、送信することができる。
本発明のさらなる実施形態によると、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにマルチキャストサービス登録抹消を送信することができる。第1のプールエリアの移動管理エンティティは、登録抹消への応答において、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信することができ、この確認メッセージは、少なくとも1つの別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示している。別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録していない場合、移動管理エンティティは、少なくとも1つの別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示すように第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティに要求するマルチキャストサービス登録ステータス要求を、第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティに送信することができる。
マルチキャストサービス登録ステータス要求に応えて第1のプールエリアの移動管理エンティティにおいて受信された、第1のプールのユーザプレーンエンティティからの応答が、第1のプールエリアの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されていること、を示している場合、登録抹消を送信した移動管理エンティティは、ユーザプレーン解除通知を、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられている各アクセスノードに、さらに送信することができる。
この実施形態のバリエーションにおいては、第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティからの応答が、第1のプールエリアの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいてもはや登録されていないこと、を示している場合、移動管理エンティティは、ユーザプレーン解除通知を、第1のプールエリアの各アクセスノードに送信することができる。
一実施形態においては、ユーザプレーン解除通知は、ユーザプレーンを終了させる対象のマルチキャストサービスを識別できるようにするため、マルチキャストサービスの識別子を備えている。したがって、アクセスノードは、ユーザプレーン解除通知を受信することに応えて、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを解除することができる。
本発明の別の実施形態は、マルチキャストサービス登録抹消の別の可能な処理方法に関する。この例示的な実施形態においては、移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのマルチキャストユーザプレーンが確立されている先の、第2(他方)のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティに、マルチキャストサービス登録抹消を送信する。この場合にも、移動管理エンティティは、登録抹消に応えて、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信することができる。この例示的な実施形態においては、確認メッセージは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の1つまたは複数の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されていること、を示している。したがって、登録抹消する移動管理エンティティは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの新しいユーザプレーンが確立されたときに、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードに、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを解除するように通知することができる。
さらに、別の実施形態によると、登録抹消する移動管理エンティティは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードと、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティとの間に、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンの確立をトリガーするように、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティに指示することができる。これによって、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の(1つまたは複数の)移動管理エンティティのみが第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されている場合にのみ、マルチキャストユーザプレーンを、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)から第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)に再配置することができる。
本発明の別の実施形態によるさらなる改良形態においては、登録抹消する移動管理エンティティは、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録している、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の1つまたは複数の移動管理エンティティに、マルチキャストサービスについて第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録するように、要求することができる。
別の実施形態においては、登録抹消する移動管理エンティティは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードを除く、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の各アクセスノードに、ユーザプレーン解除通知を送信する。
さらなる実施形態による本発明の別の側面は、プールエリア(またはトラッキングエリア)の重なり合う部分内に位置していない移動元アクセスノードから、プールエリア(またはトラッキングエリア)の重なり合う部分内に位置している移動先アクセスノードに、移動端末がハンドオーバーされる場合における、登録の処理である。この例示的な実施形態においては、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動元アクセスノードは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノード(すなわち、移動先アクセスノード)に、ハンドオーバー要求メッセージを送信することができる。このハンドオーバー要求メッセージは、移動元アクセスノードから移動先アクセスノードにハンドオーバーされる移動端末のマルチキャストサービスに関する移動端末関連コンテキスト情報を備えていることができる。ハンドオーバー要求メッセージを受信する移動先アクセスノードは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)あるいは第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが使用されるかを、コンテキスト情報に基づいて判定することができ、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが使用される場合、ハンドオーバーにおいて移動端末を処理担当する第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティを、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録するように、トリガーすることができる。
本発明の代替実施形態においては、移動先アクセスノードは、移動端末のハンドオーバー時に、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)あるいは第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが使用されるか、を判定することができる。この判定は、例えば、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードにハンドオーバーされる移動端末によって受信されるマルチキャストサービスに関する情報を備えているコンテキスト情報に基づくことができる。第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが使用される場合、移動先アクセスノードは、自身からのハンドオーバー完了メッセージを、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティに送信することができ、ハンドオーバー完了メッセージは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティを、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録するように、トリガーする。
本発明の別の実施形態は、マルチキャストサービスを受信するために移動端末を処理担当する、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティに関する。この移動管理エンティティは、移動端末を処理担当するアクセスノードが、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを使用する場合、マルチキャストサービスについて第2の他方のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて移動管理エンティティを登録する送信器、を備えている。
さらなる実施形態においては、移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまで確立されていることの通知、を受信する受信器を備えている。通知は、移動端末から、アクセスノードから、またはコアネットワークエンティティから、受信することができる。移動管理エンティティは、通知の受信に応えて、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録することができる。通知は、例えば、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティの識別子、または第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の指示情報を備えていることができ、したがって、通知を受信する移動管理エンティティは、マルチキャストサービスについて登録すべきユーザプレーンエンティティおよびプールエリア(トラッキングエリア)を認識する、または導くことができる。この通知は、例えば、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードから、あるいは、コアネットワークエンティティから、受信することができる。
別の実施形態による移動管理エンティティは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティの識別子を、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の指示情報に基づいて解決する処理ユニット、をさらに備えている。
本発明の別の実施形態は、マルチキャストサービスを受信するために移動端末を処理担当する、第1のプールエリア内に位置している移動管理エンティティに関する。この移動管理エンティティは、マルチキャストサービス登録抹消を第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティに送信する送信器と、登録抹消に応えて、第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信する受信器であって、確認メッセージが、少なくとも1つの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示している受信器と、を備えていることができる。
さらに、第2のプールエリアの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されているが、第1のプールエリアの別の移動管理エンティティはユーザプレーンエンティティにおいて登録されていないことを、確認メッセージが示している場合、移動管理エンティティの送信器を、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードを除く、第1のプールエリアの各アクセスノードに、ユーザプレーン解除通知を送信するように、することができる。
別の実施形態による移動管理エンティティは、マルチキャストサービスについて別の移動管理エンティティが第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録していないことを、確認メッセージが示している場合、ユーザプレーン解除通知を第1のプールエリアの各アクセスノードに送信することができる。
本発明のさらなる実施形態は、マルチキャストサービスを受信するために移動端末を処理担当する、第1のプールエリア内に位置している移動管理エンティティに関する。この移動管理エンティティは、マルチキャストサービス登録抹消を第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティに送信する送信器と、登録抹消に応えて、第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信する受信器であって、確認メッセージが、少なくとも1つの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示している受信器と、を備えている。
送信器は、別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録していない場合、少なくとも1つの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示すように第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティに要求するマルチキャストサービス登録ステータス要求を、第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティに送信することができる。さらに、マルチキャストサービス登録ステータス要求に応えて、第1のプールエリアの移動管理エンティティにおいて受信される、第1のプールのユーザプレーンエンティティからの応答が、第1のプールエリアの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されていること、を示している場合、送信器は、第1のプールエリアおよび第2のプールエリアに同時に割り当てられている各アクセスノードにユーザプレーン解除通知を送信することができる。
別の実施形態による移動管理エンティティは、第1のプールのユーザプレーンエンティティからの応答が、第1のプールエリアの別の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについて第1のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいてもはや登録されていないことを示している場合、ユーザプレーン解除通知を、第1のプールエリアの各アクセスノードにさらに送信することができる。
別の実施形態においては、マルチキャストサービスを受信するために移動端末を処理担当するさらなる移動管理エンティティを提供する。この実施形態においては、移動管理エンティティは、マルチキャストサービス登録抹消を第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティに送信する送信器と、登録抹消に応えて、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティからの確認メッセージを受信する受信器であって、確認メッセージが、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の1つまたは複数の別の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについて第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されていることを示している受信器と、を備えている。さらに、移動管理エンティティは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンが確立されたときに、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2の他方のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードに、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを解除するように通知することができる。
別の実施形態による移動管理エンティティは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードと、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティとの間に、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立するように、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティをトリガーすることができる。
さらに、移動管理エンティティは、例えば、マルチキャストサービスについて第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録している、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の1つまたは複数の移動管理エンティティを、マルチキャストサービスについて第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録するように、トリガーすることができる。
さらなる実施形態においては、移動管理エンティティの送信器は、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に同時に割り当てられているアクセスノードを除く、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の各アクセスノードに、ユーザプレーン解除通知を送信することができる。
本発明の別の実施形態は、本明細書に概説したさまざまな実施形態のうちの任意の1つによる方法および手順の一連のステップを実行することができる、または一連のステップに参加する移動管理エンティティ、を提供する。
本発明のさらなる実施形態は、アクセスノードを通じてマルチキャストサービスを受信する移動端末に関する。この移動端末は、少なくともマルチキャストサービスに関するマルチキャストサービス情報をアクセスノードから受信する受信器であって、マルチキャストサービス情報が、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティのプールエリア(またはトラッキングエリア)、あるいは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティの識別子、を示している受信器、を備えていることができる。さらに、移動端末は、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録をトリガーする通知を、移動端末を処理担当している移動管理エンティティに送信する送信器、を含んでいることができる。
一実施形態においては、移動端末の送信器は、マルチキャストサービスのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティが、移動端末を処理担当している移動管理エンティティとは異なるプールエリア(またはトラッキングエリア)に割り当てられていることを検出することに応えて、通知を送信することができる。この検出は、例えば、マルチキャストサービス情報に基づくことができる。
本発明の別の実施形態による移動端末においては、送信器は、マルチキャストサービスのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティが、移動端末を処理担当している移動管理エンティティとは異なるプールエリア(またはトラッキングエリア)に割り当てられていることを検出したときに、通知を送信することができる。
前述したように、本発明の一実施形態においては、マルチキャストサービス情報は、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先の、プールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録している移動管理エンティティのプールエリア(またはトラッキングエリア)を示している。さらに、移動端末の送信器は、例えば、移動端末によって受信される、アクセスノードからのマルチキャストサービス情報が、移動端末を処理担当している第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティが第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンにおいて登録していることを示していない場合にのみ、通知を送信することができる。
本発明の別の実施形態は、本明細書に概説したさまざまな実施形態のうちの任意の1つによる方法および手順の一連のステップを実行することができる、または一連のステップに参加する移動端末、を提供する。
さらに、本発明の別の実施形態は、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に割り当てられているアクセスノードに関する。一実施形態においては、このアクセスノードは、少なくともマルチキャストサービスに関するマルチキャストサービス情報を、マルチキャストサービスを受信する少なくとも1つの移動端末に送信する送信器であって、マルチキャストサービス情報が、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティのプールエリア(またはトラッキングエリア)、または、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティの識別子、を示している送信器、を備えている。
前述したように、マルチキャストサービス情報は、例えば、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおいて登録している1つまたは複数の移動管理エンティティのプールエリア(またはトラッキングエリア)、を示していることができる。
別の実施形態によるアクセスノードは、移動管理エンティティからの通知を受信する受信器であって、通知が、移動管理エンティティがマルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティにおいてマルチキャストサービスについて登録していることを、アクセスノードに示す、受信器をさらに備えていることができる。さらに、アクセスノードは、通知に応えてマルチキャストサービス情報を更新する処理ユニットを含んでいることができる。
別の実施形態においては、アクセスノードは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの、あるいは、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立または使用するかを決定する処理ユニット、を備えている。アクセスノードは、アクセスノードの受信器によって受信されるマルチキャストサービスのためのユーザプレーンの確立の複数の要求が、同じマルチキャストサービスに関連していることを、各マルチキャストサービスの識別子に基づいて検出するように、することができる。
さらなる実施形態は、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)および第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)に割り当てられているさらなるアクセスノードに関する。このアクセスノードは、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)までの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンの確立の要求を、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティから受信する受信器と、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先の第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティにおける、第1のプールエリア(またはトラッキングエリア)の移動管理エンティティの登録、をトリガーするための通知を、第1のプールの移動管理エンティティに送信する送信器と、を備えていることができる。
通知は、第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)のユーザプレーンエンティティの識別子、または第2のプールエリア(またはトラッキングエリア)の識別情報を、含んでいることができる。
さらに、別の実施形態によると、アクセスノードは、本明細書に概説したさまざまな実施形態のうちの任意の1つによる方法および手順の一連のステップを実行する、または一連のステップに参加することができる。
別の実施形態は、それぞれ本明細書に記載したさまざまな実施形態のうちの1つによる移動管理エンティティ、移動端末、アクセスノード、のうちの少なくとも1つを備えている通信システムに関する。
さらに、別の実施形態は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、移動管理エンティティ、移動端末、またはアクセスノードの処理ユニットによって命令が実行されたとき、それに起因して、各エンティティが、本明細書に概説したさまざまな実施形態のうちの任意の1つによる方法および手順の一連のステップを実行する、または一連のステップに参加するコンピュータ可読媒体、の提供に関する。
以下では、本発明について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図の中の類似または対応する細部は、同じ参照数字を使用して表してある。
以下の段落では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。例示のみを目的として、ほとんどの実施形態は、上記の[背景技術]において説明したSAE/LTEによる(進化した)UMTS通信システムに関連して概説してある。なお、本発明は、例えば、前述したSAE/LTE通信システムなどの移動通信システムに関連して有利に使用できるが、本発明は、この特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されない。
上記の[背景技術]に示した説明は、本明細書において説明する、主にSAE/LTEに関連する例示的な実施形態を深く理解することを目的としており、移動通信ネットワークにおけるプロセスおよび機能の、説明した特定の実施形態に本発明を制限するものではないことを理解されたい。しかしながら、本明細書において提案する改良は、[背景技術]に説明したアーキテクチャ/システムにおいて容易に適用することができ、本発明のいくつかの実施形態においては、これらのアーキテクチャ/システムの標準的な手順および改良された手順を利用することもできる。
本発明の1つの側面は、2つ以上のプールエリアが互いに重なり合うネットワーク領域内のアクセスノードまで、サービスのためのユーザプレーンを提供する1つのユーザプレーンエンティティが選択されることを確保することである。この選択は、特定のプールエリアへのユーザプレーンエンティティの実際の割当てには無関係に行うことができる。一例においては、このことは、重なり合うプールエリアのうちの任意の一方のプールエリアから1つのユーザプレーンエンティティが選択され、すべての重なり合うプールエリアの移動管理エンティティは、自身が特定のプールエリアに割り当てられていることには関係なくユーザプレーンエンティティにおいて登録できることを意味する。
重なり合うプールエリアにおけるユーザプレーンを提供する共通のユーザプレーンエンティティを選択することは、いくつかの異なる方式において達成することができる。1つの例示的なソリューションは、リアクティブ方式(reactive scheme)と称することができる。なぜなら、サービス(例えば、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービス)のためのユーザプレーンを確立する共通のユーザプレーンエンティティは、アクセスノードが、特定のサービスのためのユーザプレーンを確立する異なるユーザプレーンエンティティが選択されるいくつかのセッション開始メッセージを受信することに応えて選択されるためである。複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードが、異なるプールエリアのユーザプレーンエンティティを示しているセッション開始メッセージを受信した場合に、同じユーザプレーンエンティティを選択することを確保するため、これらのアクセスノードは、例えば、すべてのアクセスノードがサービスのユーザプレーンのための同じユーザプレーンエンティティを選択することにつながる選択規則に従って、受信したセッション開始メッセージを個別に処理することができる。
これに代えて、ユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティを、重なり合う複数の異なるプールエリアの移動管理エンティティによって「事前に選択する」ことができる。したがって、プールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードに、サービスのためのユーザプレーンを確立するように要求するメッセージは、1つのユーザプレーンエンティティを示すのみであり、したがって、これらのアクセスノードによって異なるユーザプレーンエンティティが選択されることがない。サービスのためのユーザプレーンが確立される先の共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションは、複数の異なる重なり合うプールエリアの移動管理エンティティの間での制御シグナリングによって達成することができ、あるいは、BM−SCなどの中央集中型のノードが、重なり合うプールエリアのすべての移動管理エンティティによって、サービスのための共通のユーザプレーンエンティティが選択されるように、制御/確保することができる。移動管理エンティティもしくは中央集中型の制御ノード、またはその両方による、コアネットワーク内でのユーザプレーンエンティティの選択は、プロアクティブ式に(proactively)実行する、すなわち、プールエリアの重なり合う部分内のアクセスノードに、サービスのためのユーザプレーンを確立するように要求する前に実行する、あるいは、リアクティブ式に実行する、すなわち、サービスのための異なるユーザプレーンエンティティの選択を示している可能性のある通知を受信することに応えて実行することができ、結果として、非効率的なリソース利用につながりうる。
本発明のもう1つの側面は、特に、少なくとも1つのアクセスノード(例えば、基地局、NodeB、またはeNodeB)が少なくとも2つのプールエリアに割り当てられている場合において、移動端末によって受信されるマルチキャストサービスのサービス継続性を確保することである。上記の[背景技術]に説明したように、このようなアクセスノードは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを、2つのプールエリアのうちのいずれか一方まで確立することができる。これにより、例えば、同じマルチキャストサービスのマルチキャストサービスデータをアクセスノードに2回(場合によってはそれ以上のコピーを)提供することによるトラフィックオーバーヘッドを低減することが可能となる。なぜなら、各アクセスノードにマルチキャストサービスデータを一度のみ提供できるためである。
この最適化から生じうる潜在的な問題として、結果として個々のユーザにおけるサービス継続性が失われうる問題につながるいくつかの要因について、以下に概説する。一般には、特定のプールエリアの移動管理エンティティおよびユーザプレーンエンティティは、別のプールエリアにアタッチされている移動端末によってもマルチキャストサービスが要求されているかを認識していないことがある。重なり合うプールエリアと負荷分散機能のコンセプトに起因して、移動管理エンティティおよびユーザプレーンエンティティは、これらのインタフェース処理を行うアクセスノードに接続されているすべての移動端末についての情報を保持していないことがある。
マルチキャストユーザプレーンの確立に関する、重なり合うプールエリア内のアクセスノードによる決定は、一般には、それぞれのコアネットワークエンティティにさらに提供されるのみである。さらに、一般に、アクセスノードは、一般的なサービス可用性について、ブロードキャストされるシステム情報を介して移動端末に通知するのみである。したがって、サービスを受信する移動ノードも、一般には、マルチキャストサービスの提供元であるプールエリアに関する情報を保持していない。
さらに、移動端末は、アイドルモード移動(例えば、セルの再選択)を実行するときに、重なり合うプールエリア内のアクセスポイントを選択できるが、自身を処理担当している移動管理エンティティまたはユーザプレーンエンティティに、新しいアタッチポイントを通知する手段を持たない。さらに、アイドルモードにある移動端末は、その移動管理エンティティからはトラッキングエリアレベルにおいて認識されているのみである。重なり合うエリア内のアクセスノードは、移動端末の現在のトラッキングエリアに属しているため、トラッキングエリア更新を実行する必要がない。
3GPP SAE/LTEシステムの場合について上に例示的に概説したこれらの潜在的な問題を回避する目的で、マルチキャストサービスを登録しており、2つ以上のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードを通じてそのマルチキャストサービスを受信するユーザ、を処理担当している移動管理エンティティが、マルチキャストサービスデータをアクセスノードに提供するユーザプレーンが確立されている(または確立される)先のユーザプレーンエンティティにおいてマルチキャストサービスについて登録することを提案する。これにより、移動管理エンティティの登録を、その移動管理エンティティの実際のプールエリアには無関係とすることができる。例えば、本発明の一実施形態によると、第1のプールエリアの移動管理エンティティは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが、別の第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティまで確立されている(される)場合、その第2のプールエリアに属しているユーザプレーンエンティティにおいてマルチキャストサービスについて登録することができる。
本発明のさらなる側面は、アクセスノードが割り当てられているいくつかのプールエリアのうちの1つにおけるユーザプレーンエンティティがアクセスノードによって選択されたことを、移動端末に通知することである。これにより、アイドルモードにある移動端末(すなわち、アクセスノードにアタッチしているが、そのアクセスノードとのシグナリング接続を確立していない移動端末)についても、サービス継続性を確保することができる。この側面によると、2つ(またはそれ以上)のプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードは、選択されたユーザプレーンエンティティのプールエリアに関する情報(あるいは、選択されたユーザプレーンエンティティの識別子)を、(例えば、アクセスノードのサービスエリア内のブロードキャストを介して、)マルチキャストサービス情報において送信することができる。移動端末は、この情報を受信すると、その移動端末が現在アタッチされているプールエリアではない別のプールエリアからマルチキャストサービスが提供されているのかを検出することができる。この場合、移動端末は、例えば、自身の移動管理エンティティを、サービス登録を更新するようにトリガーする、すなわち、上述したように他方のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいてマルチキャストサービスについて登録するように、トリガーすることができる。
本発明の別の側面は、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティにおいて、移動管理エンティティがマルチキャストサービスを登録抹消する処理である。本発明のこの側面では、1つのプールエリアの移動管理エンティティが、マルチキャストサービスについてユーザプレーンエンティティにおいて登録できるのみならず、そのユーザプレーンエンティティとは異なるプールエリアに属しているユーザプレーンエンティティにおいて移動管理エンティティが登録できるようにすることを考慮する。この例示的な状況に対処するための1つのコンセプトは、ユーザプレーンエンティティが、マルチキャストサービスを登録抹消する移動管理エンティティに、別の移動管理エンティティがそのマルチキャストサービスについて依然として登録されているかを示すことである。依然として登録されている場合、登録されている(1つまたは複数の)移動管理エンティティが、マルチキャストサービスのユーザプレーンが確立されているプールエリアに属しているのか、別のプールエリアに属しているのかを、さらに考慮すべきである。
登録されているさらなる移動管理エンティティが存在する場合、マルチキャストサービスを登録抹消する移動管理エンティティは、自身のプールエリア内のユーザプレーンを終了させるべきではない。登録抹消する移動管理エンティティのプールエリアにおいて、それ以外の移動管理エンティティがマルチキャストサービスについてもはや登録されていないが、別のプールエリアの1つまたは複数の別の移動管理エンティティがサービスについてユーザプレーンエンティティにおいて登録されている場合、登録抹消する移動管理エンティティは、自身のプールエリア内の、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンエンティティと、その移動管理エンティティのプールエリアのみに割り当てられているアクセスノードとの間のすべてのユーザプレーンを終了させることができるが、少なくとも2つのプールエリアに同時に割り当てられているアクセスノードについては、ユーザプレーンを終了させない。
したがって、ユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティにおいてマルチキャストサービスを登録抹消する最後の移動管理エンティティは、2つ以上のプールエリアに割り当てられているアクセスノードまでのユーザプレーンを終了させる。
本発明のいくつかの実施形態においては、プールエリアは、1つまたは複数のトラッキングエリアに対応する。トラッキングエリアは、一般には、アイドルモードにある端末の移動を効率的にサポートする目的に使用される。この実施形態においては、プールエリア内の移動管理エンティティは、特定の地理的エリアにおけるトラッキングエリアのIDと、そのトラッキングエリア内のセルとの間のマッピング情報を必要とすることが予測される。言い換えれば、プールエリアは、1つまたは複数のトラッキングエリアを備えていることができるが、移動管理エンティティは、自身のプールエリアにどのトラッキングエリアが属しているかを認識することができる。
別の実施形態においては、本文書の冒頭において説明したマルチトラッキングエリア登録を予測することができ、したがって、各アクセスノードは、必ず1つのトラッキングエリアに割り当てられており、すなわち、自身の(1つまたは複数の)無線セル内で1つのトラッキングエリア識別子(例えば、TA−ID)のみをブロードキャストする。このコンセプトを使用するときには、移動端末を複数のトラッキングエリアに並列に割り当てることができる。さらには、移動端末は、自身に現在割り当てられているトラッキングエリア識別子のいずれもブロードキャストしないアクセスノードを選択する、またはそのようなアクセスノードにアタッチした場合に、コアネットワークエンティティ(例えば、一般には移動管理エンティティ)において自身の位置を更新することができる。
一例においては、プールエリアの重なり合う部分のアクセスノードをまとめて、これによって1つのトラッキングエリアを形成することができる。このことは、移動端末が、その重なり合うプールエリア領域内のアクセスノードにアタッチポイントを切り替えるときに、ブロードキャストされるトラッキングエリア識別子の変化をさらに認識し、トラッキングエリア更新手順を開始するという利点を提供することができる。このメカニズムによって、プールエリアの重なり合う領域の中に入る移動端末の検出を促進することができるのみならず、重なり合うプールエリア領域のためにマルチキャストサービスのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティにおける、処理担当している移動管理エンティティの適切な登録のトリガーを、さらに容易にすることができ、これについては、後からさらに詳しく例示する。
さらに、アクセスノードは、移動端末がアタッチする、通信ネットワークのアクセスシステム内のエンティティとみなすことができる。本発明の例示的な一実施形態は、アクセスノードが基地局またはNodeB(3GPP SAE/LTEシステムにおいてはeNodeBと表す)である移動通信システムに関する。別の実施形態においては、アクセスノードは、WLANシステムのアクセスポイントを表すこともできる。
ユーザプレーンは、データを送信する(一方向または双方向)目的で、通信システムにおける2つのネットワークエンティティの間に確立される経路として理解することができる。一般に、ユーザプレーンには、ネットワークノードが異なるユーザプレーンを区別できるようにする識別子が割り当てられる。オプションとして、ネットワークノードに確立されるユーザプレーンのコンテキスト情報として、そのユーザプレーンに関する補足的な情報を含んでいるコンテキスト情報を存在させることができる。3GPPベースの通信システムに関連する例示的な一実施形態においては、ユーザプレーンは、一般には、基地局(またはNodeB)とユーザプレーンエンティティとの間に確立される。ユーザプレーンは、ユーザによって要求されるサービスの実際のユーザデータを伝え、一般には、例えば、サービスあるいはユーザのサブスクリプションに応じて、何らかのサービス品質(QoS)パラメータが関連付けられる。本発明の例示的な一実施形態においては、ユーザプレーンは、アクセスノード(基地局)とユーザプレーンエンティティとの間のIPマルチキャスト伝送に基づくことができる。
さらに、本発明を深く理解できるように、以下の段落では、通信システムにおいてマルチキャストサービスを開始および終了させるための一般的な手順およびステップであって、本明細書に説明する本発明のいくつかの実施形態にも適用可能である手順およびステップについて概説する。マルチキャストサービスの提供は、一般には、いくつかの段階、例えば、サブスクリプションおよびサービスのアナウンスメント、加入、セッション開始、ならびにデータの伝送を含んでいる。さらに、マルチキャストサービスの終了においては、いくつかの段階、例えば、セッション停止および離脱(leaving)を識別することができる。これらの段階のうち、サブスクリプション、加入、および離脱は、一般には、ユーザごとに個別に実行される。それ以外の段階は、一般には、サービスベースにおいて、すなわち、関連するサービスを要求するすべてのユーザに対して実行される。
サブスクリプションは、ユーザとサービスプロバイダとの間の関係を確立し、これによって、ユーザは、事業者によって提供される関連するマルチキャストサービスを受信することができる。サービスアナウンスメントは、サービスに関する情報と、サービスのアクティブ化に必要であるパラメータ(例えば、IPマルチキャストアドレス)と、場合によってはその他のサービス関連パラメータ(例えば、サービス開始時刻)とをユーザに配信するのに使用される。
加入は、サービスアクティブ化段階の一部であり、このステップによって、サブスクライバがマルチキャストグループに加入する(マルチキャストグループのメンバーになる)、すなわち、ユーザは、自身が特定のマルチキャストサービスの受信を希望することをネットワークに示す。ユーザもしくはUE、またはその両方は、サービスアナウンスメントに応えて加入時を選択することが可能である。加入時は、マルチキャストサービスの実際の開始の前、開始時、または開始後の任意のタイミングとすることができる。サービスアクティブ化段階がサービス開始の前に行われる場合、一般には、加入によって、ネットワーク内に関連する登録情報が配備され、必要なリソースを実際に割り当てることなくこれらのリソースがリザーブされる。
最後に、セッション開始は、マルチキャストサービスデータを送る準備が整った時点である。上述したように、セッション開始は、ユーザによるサービスアクティブ化とは無関係に起こりうる。セッション開始は、ネットワーク内でのリソースの割当ておよび確立のトリガーであり、すなわち、コアネットワークリソースおよび無線ネットワークリソースが関与する。その後、マルチキャストサービスデータをユーザに送信することができる。
補足として、セッション停止は、マルチキャストサービスにおいて送られるデータがそれ以上存在しない時点である。セッション停止では、ネットワーク内で以前に割り当てられたリソースの解放がトリガーされる。その一方で、離脱は、サブスクライバがマルチキャストグループを離れる(マルチキャストグループのメンバーであることを終了する)プロセスであり、すなわち、ユーザは、特定のマルチキャストサービスの受信をもはや望んでいない。
上述したマルチキャストサービスの提供と同様に、ブロードキャストサービスを提供する場合にも、いくつかの段階を識別することができる。一般には、これらの段階は、サービスベースにおいて実行される段階のみ、例えば、サービスのアナウンスメント、セッションの開始または停止を含んでいる。ユーザごとに個別に実行される段階、例えば、サービスのサブスクリプション、加入、および離脱は、ブロードキャストサービスには要求されない。
以下では、さまざまな実施形態による本発明のコンセプトおよびアイディアについて、3GPPベースの移動通信システム(例えば、SAE/LTEシステム)に関連して説明する。理解を容易にするため、以下の実施形態は、(例示を目的として)図3に示した構造を有する移動通信システムを参照しながら概説する。なお、図3の参照は、例示を目的としているにすぎず、本文書に記載されているコンセプトおよびアイディアは、図3に示した通信システムの例示的なアーキテクチャ、あるいは無線通信システムのみに、本発明を制限することを意図するものではない。さらに、例示を目的として、基地局(eNodeB)は移動端末(UE)のためのアクセスノードを形成するものと想定する。
基地局(eNodeBとも表す)を配備するとき、基地局は、一般に、正しく使用するうえで要求されるネットワーク情報を使用して構成・設定される。この構成・設定は、例えば、基地局が属しうる、トポロジ上の領域(例えば、(1つまたは複数の)プールエリア/(1つまたは複数の)トラッキングエリア)に関する情報と、これらのエリアに含まれており、基地局がインタフェースを維持することができる先のネットワークノードに関する情報とを含んでいることができる。言い換えれば、基地局は、トポロジ上のエリア(例えば、トラッキングエリアまたはプールエリア)を、そのエリア内のノードの識別子(例えば、移動管理エンティティまたはユーザプレーンエンティティの識別子、あるいは別の基地局の識別子)にマッピングする、またはこの逆方向にマッピングすることができる。
したがって、基地局は、重なり合うプールエリア内に自身が位置しているか、すなわち、その基地局が2つ以上のプールエリアに同時に割り当てられているかを、認識することができる。さらに、このような基地局は、セッション開始メッセージを受信すると、例えば、そのメッセージの送信元の識別子と、格納されているネットワーク構成とを比較照合することによって、発信元のプールエリアを判定することができる。基地局が複数のマルチキャストセッション開始メッセージを受信した場合、その基地局は、各メッセージに含まれているサービス識別子、例えば、サービスのTMGI/IPマルチキャストアドレスを分析することによって、それらのメッセージが同じサービスに属しているかを判定することができる。
図22および図23に関連して前述したように、2つ以上のプールエリアの重なり合う領域内の基地局に関して生じうる1つの問題は、基地局が、異なるユーザプレーンエンティティ(さらにはこれらが異なるプールエリア内に位置していることもある)を個別に選択する場合における、アクセスネットワーク(基地局)とコアネットワーク(例えば、ユーザプレーンエンティティ)との間での非効率的なリソース利用である。
いま、例示を目的として、マルチキャストサービス/ブロードキャストサービスのためのユーザプレーンエンティティ(例えば、プールエリア#1内のM−UPE#1)が、(例えば、ネットワーク事業者による事前設定によって)プールエリア内で事前に選択されている/設定されていると想定するならば、プールエリア内でリソースが効率的に利用されることを確保することができる。しかしながら、この事前設定/事前選択では、複数の異なるプールエリアに同時に属している基地局における問題を解決することができない。移動管理エンティティが、セッション開始を送るようにトリガーされたとき(例えば、BM−SCからセッション開始メッセージを受信したとき)、その移動管理エンティティは、移動端末が以前にその移動管理エンティティにおいてサービスをアクティブ化しているならば、1つまたは複数のトラッキングエリア(TA)を含んでいるプールエリア内のすべての基地局にそのメッセージを配信する。すべての基地局にセッション開始メッセージを配信する理由は、アイドル状態にある移動端末が、トラッキングエリアレベル(プールエリアに対応している、またはプールエリアに少なくとも関連している)においてのみ認識されている、すなわち、これらの端末が現時点でどの基地局に接続されているかが明らかではないためである。重なり合うエリアに関しては、移動管理エンティティは、そのエリア内に位置しているすべての基地局にセッション開始を必ず送る。
図24は、本発明の例示的な実施形態による、3GPP SAE/LTEシステムにおける重なり合うプールエリアの複数の異なる移動管理エンティティによって、プールエリアの重なり合う領域内に位置している基地局(eNodeB)にセッション開始メッセージを送信する状況を例示的に示している。この例示的な実施形態においては、例示のみを目的として、プールエリア#1内の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためにM−UPE#1を選択するように事前に設定されており、その一方で、プールエリア#2内の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためにM−UPE#2を選択するように事前に設定されているものと想定する。
例示を目的として、M−MME#10およびM−MME#11は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービス(例えば、MBMS)のためのサービスアクティブ化をUE#1およびUE#2から受信したものと想定する。したがって、これら2つの移動管理エンティティは、端末のためのサービスコンテキスト(例えば、MBMS UEコンテキスト)を確立している。したがって、M−MME#10およびM−MME#11は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供する中央集中型のネットワークノード(例えば、BM−SC)からのトリガーを受信すると、プールエリア#1内のすべてのアクセスノード、すなわち、eNodeB#1と、プールエリア#1とプールエリア#2の重なり合うプールエリア領域内のeNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5とに、セッション開始メッセージを送る。これらのセッション開始メッセージは、受信側ノードが特定のサービスのためのユーザプレーンを確立するためのトリガーメッセージと考えることができる。したがって、M−MME#10およびM−MME#11のセッション開始メッセージは、サービス(例えば、サービスIDによって)と、プールエリア#1内のユーザプレーンエンティティM−UPE#1の識別情報とを示している(同じ破線形状の矢印を使用することによって示してある)。さらに、M−MME#10およびM−MME#11からのメッセージは、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータを、示されたユーザプレーンエンティティから基地局までトンネル化するために使用されるプライベートIPマルチキャストアドレスも示すことができる。
同様に、UE#3は、UE#1およびUE#2と同じサービスを、プールエリア#2のM−MME#20において以前にアクティブ化したものとさらに想定することができ、このことも、UE#3についてM−MME#20に維持されているコンテキスト情報によって示される。さらに、M−MME#20は、プールエリア#1とプールエリア#2の重なり合うプールエリア領域内のeNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5を含めて、プールエリア#2内のすべてのアクセスノードに、セッション開始メッセージを送る。M−MME#20のセッション開始メッセージは、M−MME#10およびM−MME#11のセッション開始メッセージとは異なり、プールエリア#2内のユーザプレーンエンティティM−UPE#2の識別情報を備えている。
したがって、eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5は、同じマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービス(例えば、セッション開始メッセージの中の同じサービス識別子に基づいて識別できる)のための複数の異なるセッション開始メッセージを受信し、これらのセッション開始メッセージによると、異なるプールエリア内の異なるユーザプレーンエンティティが選択される。各基地局eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5は、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータを、(例えば、プールエリア内においてプライベートIPマルチキャストアドレスを介して)一回受信すればよいため、これらの基地局は、2つのユーザプレーンエンティティのうちの一方を個別に選択し、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンを、選択したそのユーザプレーンエンティティまで確立する。したがって、各基地局eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5は、選択したユーザプレーンエンティティを指定しているセッション開始メッセージに肯定応答し、他方のセッション開始メッセージに否定応答する。さらには、各移動管理エンティティが、選択されたユーザプレーンエンティティにおいて登録することができるように、選択されなかったユーザプレーンエンティティを提示した移動管理エンティティに、選択されたユーザプレーンエンティティについて通知することができる(これについては後からさらに詳しく説明する)。
リソースを効率的に利用するためには、プールエリアの重なり合う領域内のすべての基地局(すなわち、eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5)が、同じユーザプレーンエンティティを選択するべきである。プールエリアの重なり合う領域内のすべての基地局によって同じユーザプレーンエンティティが選択されることを確保する目的で、基地局は、セッション開始メッセージの中の何らかの情報を処理することができ、この処理の結果として、セッション開始メッセージの中で提示された複数のユーザプレーンエンティティのうちの1つが一義的に選択される(このことは、基地局が、事前に定義されている選択規則に基づいて選択を行うものと考えることもできる)。
1つの単純なソリューションは、ユーザプレーンを確立すべき先の利用可能なユーザプレーンエンティティの間で、セッション開始メッセージにすでに含まれている情報(例えば、ユーザプレーンエンティティの識別子)に基づいて、ユーザプレーンエンティティに優先順位を付け、基地局が、最低または最高のユーザプレーンエンティティ識別子を有するユーザプレーンエンティティを選択することである。原理的には、プールエリアの重なり合う部分内のすべての基地局によって同じユーザプレーンエンティティが一義的に選択されるような、セッション開始メッセージからの任意の情報、もしくは、利用可能な別の決定基準、またはその両方を使用することができる。
しかしながら、このソリューションでは、最適な選択基準が得られないことがある。なぜなら、選択時に、システム要件あるいはシステムの状態(例えば、複数の異なるプールエリア内のユーザプレーンエンティティによって処理担当される移動端末の数)をさらに考慮することが有利であるためである。
このようなさらに改善された選択規則を達成する目的で、プールエリアの重なり合う領域内の基地局に送られるセッション開始メッセージに、すべての基地局による共通のユーザプレーンエンティティの選択を促進することができる何らかの追加の情報を加えることができる。上述したように、セッション開始メッセージは、例えば、そのセッション開始メッセージを送る各移動管理エンティティに維持されている、関与するUEコンテキストの数に関する補足情報とすることができる。各基地局は、セッション開始メッセージの中のこの情報に基づいて、自身が同時に接続されているプールエリアのそれぞれから処理担当される移動端末の数を判定することができる。プールエリアの重なり合う領域内のすべての基地局が、セッション開始メッセージの同じセットを受信するため、基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンが確立される先の共通のユーザプレーンエンティティを選択する目的に、セッション開始メッセージの中の追加の情報を利用することができる。
例えば、各移動管理エンティティにおけるUEコンテキストの数(すなわち、各移動管理エンティティにおいてサービスを要求した端末の数)をセッション開始メッセージに含めて、この数を選択基準として使用する場合、すべての基地局が、例えば、UEコンテキストの最大数を示しているセッション開始メッセージのユーザプレーンエンティティを選択することができる。
バリエーションにおいては、基地局は、プールエリア当たりのUEコンテキストの数を最初に合計し、次いで、最も多くの端末がサービスについて登録しているプールエリアのユーザプレーンエンティティを選択することができる。基地局は、例えば、各セッション開始メッセージが「属している」プールエリアを、各セッション開始メッセージに含まれている、そのメッセージを送った移動管理エンティティの各移動管理エンティティ識別子に基づいて(例えば、移動管理エンティティ識別子の共通の接頭辞を識別することによって、あるいは、ネットワークトポロジに関する基地局側の情報を利用することによって)、識別することができる。
別のオプションは、重複する確率が低い乱数またはハッシュ値をセッション開始メッセージに含めることである。この場合、すべての基地局が、最小/最大の数またはハッシュ値を含んでいるセッション開始メッセージのユーザプレーンエンティティを選択する。別のオプションは、何らかのソート可能な識別子(例えば、UPE−ID、MME−ID、PA−ID)をセッション開始メッセージに含めることであり、すべての基地局が、例えば、ソートされたリストにおける最初のIDに対応するセッション開始メッセージのユーザプレーンエンティティを選択する。
図25に示したように、例示を目的として、プールエリア#1およびプールエリア#2の重なり合う領域内のすべての基地局eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5が、サービスのためのユーザプレーンを提供する目的に、プールエリア#1のM−UPE#1を選択するものと想定することができる。基地局は、さらに、選択したユーザプレーンエンティティM−UPE#1を示していたセッション開始メッセージに肯定応答(ACK)することができる(図25には示していない)。基地局eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5は、それ以外のすべてのセッション開始メッセージをNACKメッセージによって拒否する(すなわち、否定応答する)。さらに、基地局eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5は、セッション開始メッセージが拒否された移動管理エンティティに通知を送ることができ、この通知は、選択されたユーザプレーンエンティティに関する情報を含んでいることができ、これにより、移動管理エンティティは、選択されたユーザプレーンエンティティにおいてそれぞれのサービス登録を更新することができる(後からさらに詳しく説明する)。この通知は、例えば、セッション開始メッセージの拒否と一緒に送ることができる。
上記の図23および図24に関連して説明したソリューションにおいて起こりうる1つの問題として、複数の異なる移動管理エンティティからのセッション開始メッセージが、同期して基地局に送られないことがある。一般的には、移動管理エンティティは、自身のプールエリア内のすべての基地局に、セッション開始メッセージなどの制御メッセージをポイントツーポイントリンクを介して送る(例えば、既存のSCTP(ストリーム制御伝送プロトコル)接続において利用する)。したがって、複数の異なる基地局が、複数の異なる移動管理エンティティからのセッション開始メッセージを受信するときに異なる遅延が生じる。この遅延を考慮するため、基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンエンティティを選択する前のいくらかの待機時間を設定することができる。この待機時間は、すべての基地局がセッション開始メッセージの同じセットを確実に受信するうえで十分に長いものとすべきである。その一方で、待機時間はできるだけ短くすべきである。なぜなら、待機時間はセッション開始手順の全体的な遅延に直接的に影響するためである。
MMEと基地局との間のシグナリング遅延は、シグナリング接続の往復時間(RTT)によって特徴付けられる。したがって、基地局は、すべての移動管理エンティティまでの往復時間を測定して格納することができ、(最初のセッション開始メッセージを受信した後の)待機時間を、最大の往復時間に等しくなるように設定することができる。オプションとして、事前に設定されるいくらかの追加時間として、移動管理エンティティの処理遅延を考慮することが可能となる追加時間を、すべての基地局が、最大の往復時間に加えることができる。しかしながら、この遅延は無視することができる。なぜなら、移動管理エンティティは、一般には、大量のシグナリングメッセージを小さな遅延にて(例えば、複数の端末のページングを考慮することにより)処理および配信するように設計されているためである。
複数の異なるプールエリアの重なり合う部分内のすべての基地局が同じユーザプレーンエンティティを選択するための、上述したソリューションに関する別の側面として、いくつかの代替ソリューションにおいては、基地局が異なるユーザプレーンエンティティを選択する危険性が依然として残りうることである。例えば、複数の異なる移動管理エンティティからのセッション開始メッセージにおいて、同じ数のUEコンテキストが示されていることを考えると、この結果として、プールエリアの重なり合う部分内の基地局によって異なるユーザプレーンエンティティが選択されることがある。なぜなら、基地局は、複数の異なるメッセージの間で任意に選択しなければならないためである。したがって、プールエリアの重なり合う部分内のすべての基地局が同じ共通のユーザプレーンエンティティを一義的に選択することを達成する目的で、上記に概説した異なる選択基準の組合せを、決定規則として予測することができる。例えば、UEコンテキストの示された数と、識別子の値(例えば、MME−IDまたはUPE−ID)の組合せに基づいて、選択を行うことができる。
本発明のさらなる実施形態による別の代替ソリューションは、プールエリアの重なり合う部分内の基地局を、選択されるユーザプレーンエンティティを自発的にネゴシエートするように構成することである。例えば、プールエリアの重なり合う領域内の基地局のうちの1つを、「マスター」基地局として指定することができる。この指定された基地局は、移動管理エンティティから自身が受信したセッション開始メッセージの中に示されているユーザプレーンエンティティのうちの1つを自発的に選択することができる。この選択は、例えば、上述したセッション開始メッセージ内の追加情報に基づいて行うことができる。マスター基地局は、ユーザプレーンエンティティを選択した時点で、プールエリアの重なり合う領域内の他の基地局に自身の決定を通知することができ、したがって、これらの基地局も、示されたユーザプレーンエンティティを選択する。したがって、すべての基地局が同じユーザプレーンエンティティを選択し、上述したように、セッション開始メッセージに肯定応答する、または拒否することができる。この代替ソリューションは、セッション開始手順にさらに遅延が加わるという欠点がある。なぜなら、マスター基地局は、自身の決定(すなわち、選択したユーザプレーンエンティティの識別情報と、選択を行った対象のサービスを示すためのサービス識別子)を他の基地局にシグナリングする必要があるためである。しかしながら、例えば、プールエリアの重なり合う領域内の基地局が直接的なインタフェースを維持している、あるいは、このような基地局が互いに直列に接続されており、したがってシグナリング遅延が許容されるものである場合、このソリューションは依然として妥当である。
上述した実施形態においては、共通のユーザプレーンエンティティの選択は、重なり合うエリア内に位置している基地局において実行される。別のオプションとしては、重なり合うプールエリアの移動管理エンティティが、プールエリアの重なり合う部分内の基地局までの、サービスのためのユーザプレーンを確立するために使用される、共通のユーザプレーンエンティティの選択を調整する。
図26は、本発明の例示的な実施形態による、3GPP SAE/LTEシステムにおける、重なり合うプールエリアの移動管理エンティティによる共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションと、プールエリアの重なり合う領域内に位置している基地局(eNodeB)に、重なり合うプールエリアの移動管理エンティティによるセッション開始メッセージを送信する状況とを、例示的に示している。この例示的な実施形態においても、例示を目的として、プールエリア#1内の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためにM−UPE#1を選択するように事前に設定されており、その一方で、プールエリア#2内の移動管理エンティティが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためにM−UPE#2を選択するように事前に設定されているものと想定する。
後からさらに詳しく説明するように、特定のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのユーザプレーンのための共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションは、各プールエリアの、専用に指定されている移動管理エンティティの間での(例えば、プールエリア#1のM−MME#10およびプールエリア#2のM−MME#20による)制御シグナリングによって実行することができ、これらの移動管理エンティティは、ネゴシエーションの結果を、各プールエリアの残りの移動管理エンティティに伝搬させる。別の例示的なソリューションは、重なり合う各プールエリアの移動管理エンティティの間での制御シグナリングによって、共通のユーザプレーンエンティティをネゴシエートすることである。このネゴシエーションは、プロアクティブ式に(すなわち、セッション開始手順の前に)実行する、あるいは、例えば、トリガーに応えてリアクティブ式に実行することができ、この場合のトリガーとは、例えば、移動端末によるサービスアクティブ化や、アクセスノード(基地局)からの通知であって、異なるユーザプレーンエンティティを示している複数のセッション開始メッセージを自身が受信したことの通知、あるいは、BMSCによる要求である。
上記の例、すなわち、マスター基地局が、サービスのためのユーザプレーンエンティティを選択すること、およびプールエリアの重なり合う領域内の他の基地局に選択結果を通信することの責務を負っている例と同様に、本発明の一実施形態によると、プールエリア当たり1つのマスター移動管理エンティティを指定する、または事前に設定することができ、このマスター移動管理エンティティが、別の(1つまたは複数の)プールエリアの(移動管理エンティティのうちの)指定された移動管理エンティティと、共通のユーザプレーンエンティティをネゴシエートする責務を負う。例えば、図26に示したシナリオにおいては、プールエリア#1のM−MME#10およびプールエリア#2のM−MME#20を、指定された移動管理エンティティとすることができる。
指定された移動管理エンティティは、各プールエリア内のすべての移動管理エンティティに認識されている。さらに、複数の異なるプールエリアの、指定された移動管理エンティティは、別のプールエリア内の別の指定された移動管理エンティティも認識している。このことは、指定された移動管理エンティティの各識別子を格納することによって達成することができ、あるいは、例えば、MME識別子としてIPアドレスを使用する場合、指定された移動管理エンティティは、プールエリアの各接頭辞と、ネットワーク内のすべてのノードに既知である接尾辞とによって形成される周知のIPアドレスをリスンすることができる。
別の代替方法は、移動管理エンティティが、IPマルチキャストアドレスに加入することによって、事前に設定されている通知チャネルをリスンする、またはサブスクライブすることである。共通のユーザプレーンエンティティの選択のシグナリングを、このチャネル上で行うことができる。
したがって、指定された移動管理エンティティは、例えばポイントツーポイントリンクを介して(すなわち、別の指定された(1つまたは複数の)各移動管理エンティティを明示的にアドレッシングすることにより)、制御シグナリングメッセージを交換することによって、選択されるユーザプレーンエンティティを互いにネゴシエートすることができる。指定された移動管理エンティティは、プールエリアの重なり合う部分内の基地局を処理担当することができる、別のプールエリアの使用可能なさらなる(1つまたは複数の)ユーザプレーンエンティティと、ユーザプレーンエンティティの選択を行う対象のサービスとを、互いに通知することができる。例えば、プールエリア#1のM−MME#10は、プールエリア#2のM−MME#20に、M−UPE#1が、サービスのために選択することが可能なユーザプレーンエンティティであることを、通知することができる。
図24および図25に関連して上述したように、別の指定された各移動管理エンティティにシグナリングされる情報は、前の実施形態におけるセッション開始メッセージに含められる補足情報に類似したものとすることができ、さらに、指定された移動管理エンティティがユーザプレーンエンティティのうちの1つを一義的に選択することができるように、類似する選択規則を使用することができる。サービスのためのユーザプレーンエンティティを選択すると、指定された移動管理エンティティは、自身のプールエリア内の移動管理エンティティに選択結果を伝搬させることができる。
したがって、指定された移動管理エンティティは、別の指定された各移動管理エンティティに、サービスのための使用可能なユーザプレーンエンティティを通知する前に、各プールエリアの別の移動管理エンティティに維持されている、サービスに関連するUEコンテキストの数それぞれを問い合わせ、それらの数を合計して、各プールエリア内の、サービスをアクティブ化した移動端末の合計数を導くことができる。共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションにおいては、指定された移動管理エンティティのうち、各プールエリア内の、サービスをアクティブ化した最大数の移動端末を示した移動管理エンティティ、によって提示されたユーザプレーンエンティティを、共通のユーザプレーンエンティティとして選択することができる。別のオプションは、重複する確率が低い乱数またはハッシュ値をネゴシエーションメッセージに含めることである。さらに、前述したように、何らかのソート可能な識別子(例えば、UPE−ID、MME−ID、PA−ID)に基づいて選択を行うことも可能である。
2つのプールエリアが重なり合う状況に適用することができる別の代替ソリューションにおいては、1つの指定された移動管理エンティティ(例えば、プールエリア#1のM−MME#10)が、他方の第2のプールエリアの指定された移動管理エンティティ(例えば、プールエリア#2のM−MME#20)に、サービスのために選択できる使用可能なユーザプレーンエンティティ(M−UPE#1)を通知することができる。さらに、この情報を伝える制御メッセージは、上述したようにユーザプレーンエンティティの適切な選択を促進するための追加の情報をさらに含んでいることができる。第2のプールエリアの指定された移動管理エンティティは、この情報を受信すると、サービスのためのユーザプレーンエンティティを選択するために自身が必要とする情報を集めて(まだ存在していない場合)、次いで、サービスのための共通のユーザプレーンエンティティを選択することができる。次いで、第2のプールエリアの移動管理エンティティは、その選択を第1のプールエリアの移動管理エンティティに通知することができる。
上記の一連の例においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのための共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションは、各プールエリア内の指定された移動管理エンティティが担当している。別の実施形態においては、重なり合う領域を有するプールエリアのすべての移動管理エンティティを、ユーザプレーンエンティティのネゴシエーションに関与させることができる。プールエリアの重なり合う部分内の基地局による共通のユーザプレーンエンティティの選択と同様に、移動管理エンティティは、類似する決定規則および決定基準に基づいて、同じユーザプレーンエンティティを自発的に選択することができる。この自発的な選択を促進する目的で、移動管理エンティティは、サービスのための望ましい各ユーザプレーンエンティティ(一般には、自身のプールエリア内の指定されるユーザプレーンエンティティ)を、重なり合うプールエリアの別の移動管理エンティティとの間で交換することができ、したがって、すべての移動管理エンティティが、選択できる利用可能なユーザプレーンエンティティを認識している。さらに、移動管理エンティティは、選択のための追加情報/補足情報(例えば、本明細書において前述したように、各移動管理エンティティによって維持されるUEコンテキストの数)を伝搬させることができる。
移動管理エンティティが、共通のユーザプレーンエンティティをネゴシエートするために効率的にメッセージを通信することが可能であるようにする目的で、重なり合うプールエリアのすべての移動管理エンティティがネゴシエーションチャネルをサブスクライブすることができ、このチャネル上で、ネゴシエーションメッセージを他のすべての移動管理エンティティに提供するために使用できるIPマルチキャストアドレスを設定することができる。
プロアクティブ方式を使用する場合、重なり合うプールエリア領域内の基地局までのユーザプレーンを提供するためのユーザプレーンエンティティを選択する別の可能な方法は、移動端末からのサービスアクティブ化を受信した最初の移動管理エンティティのプールエリア内に位置しているユーザプレーンエンティティを選択することである。この方法は図26に例示的に示してあり、この場合、M−MME#10がUE#1からのサービスアクティブ化を受信する。M−MME#10は、このサービスアクティブ化に応えて、UE#1のための、サービス関連ユーザコンテキストを確立することができ、プールエリア#1内とプールエリア#2内の移動管理エンティティに、自身が選択したプールエリア#1のユーザプレーンエンティティ(すなわち、M−UPE#1)を、通知することができる。したがって、プールエリア#1内とプールエリア#2内の他のすべての移動管理エンティティも、そのサービスのためにこのユーザプレーンエンティティを「選択する」。
したがって、移動管理エンティティは、基地局eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5に提供されるセッション開始メッセージの中に、M−UPE#1の各識別情報も含め、後から説明するように、移動管理エンティティのすべてが、サービスについてM−UPE#1において登録することができる。図26に示したように、M−MME#10(および潜在的には、移動端末がサービスをアクティブ化している、プールエリア#1およびプールエリア#2のすべての他の移動管理エンティティ)は、プールエリアの重なり合う部分内のすべての基地局に、サービスのユーザプレーンのための選択されたM−UPE#1を示しているセッション開始メッセージを送信する。
したがって、この例においては、サービスのためのサービスアクティブ化を受信する最初の移動管理エンティティによって選択されたユーザプレーンエンティティは、その後、すべての他の移動管理エンティティによっても、それぞれのサービスのために使用される。
サービスのための共通のユーザプレーンエンティティの、コアネットワークノード(例えば、移動管理エンティティ)による選択は、さまざまなイベントによってトリガーすることができる。例えば、特定のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのための(最初の)サービスアクティブ化要求を受信したとき、移動管理エンティティは、ユーザプレーンエンティティの選択をプロアクティブ式にトリガーすることができる。指定された「マスター」移動管理エンティティが、共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションの責務を負っており、指定されていない「スレーブ」移動管理エンティティにおいてサービスアクティブ化要求が受信された場合、その移動管理エンティティは、自身のプールエリアの指定された「マスター」移動管理エンティティへの要求によって、共通のユーザプレーンエンティティのネゴシエーションをトリガーすることができる。このような要求は、例えば、選択を実行すべき対象のサービスと、オプションとして、選択規則に応じて、選択手順において使用するためのさらなるパラメータとを示すことができる。
別のオプションは、特定の通知に関する調整を、基地局によってリアクティブ式にトリガーすることであり、例えば、矛盾するセッション開始メッセージの解決を要求する。例えば、異なるユーザプレーンエンティティの選択につながる複数のセッション開始メッセージを、複数の異なる移動管理エンティティから受信すると(例えば図24に示したように)、基地局は、共通のユーザプレーンエンティティの選択をトリガーする通知によって、それらのセッション開始メッセージに応答することができる。この通知は、例えば、各基地局が各サービスのためのセッション開始メッセージを受信した送信元の(他の)移動管理エンティティの識別情報を備えている、もしくは、セッション開始メッセージの中で示されたユーザプレーンエンティティを(さらに)示している、またはその両方とすることができる。トリガーに応えて共通のユーザプレーンエンティティが選択されると、基地局は、サービスのための共通のユーザプレーンエンティティを示している更新されたセッション開始メッセージまたは別のシグナリングメッセージを、1つまたは複数の移動管理エンティティから受信することができる。
矛盾する状況が基地局に存在しうることを移動管理エンティティにおいて検出するための別のオプションは、複数の異なる基地局から、同じセッション開始に対するACKメッセージおよびNACKメッセージを受信することに基づくことができる。この場合、上記のリアクティブ式のオプションと同様に、移動管理エンティティによる、共通のユーザプレーンエンティティの選択をトリガーすることができ、選択の結果が、プールエリアの重なり合う領域内の基地局に伝えられ、したがって、これらの基地局のすべてが、同じユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを確立する。
共通のユーザプレーンエンティティを選択するための上述したリアクティブ式のオプションのいずれにおいても、少なくとも1つの移動管理エンティティ(例えば、指定された移動管理エンティティのうちの1つ)が、重なり合うプールエリア領域内の基地局に、選択されたユーザプレーンエンティティを通知すべきである。
共通のユーザプレーンエンティティをプロアクティブ式に選択する場合、サービスのための共通のユーザプレーンエンティティの選択は、サービスアクティブ化の前に実行される。したがって、サービスをアクティブ化するときには、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンのためのユーザプレーンエンティティは選択されており、したがって、移動管理エンティティのすべては、それらのセッション開始メッセージの中で、プールエリアの重なり合う領域内の基地局に同じユーザプレーンエンティティを示すことができる。なお、ユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティを、1つの移動管理エンティティが基地局に通知しさえすれば、当然ながらそれで十分であることを認識されたい。しかしながら、移動管理エンティティは、移動端末が他の各移動管理エンティティにおいてサービスをアクティブ化したかを必ずしも認識していないため、プールエリア内のすべての移動管理エンティティそれぞれが、プールエリアの重なり合う部分内の基地局にセッション開始メッセージを送信することができる。
あるいは、例えば、セッション開始メッセージの送信が、(例えば、ブロードキャストサービスのための)ユーザの事前のサービスアクティブ化とは無関係である場合においては、1つの移動管理エンティティ(例えば、プールエリアの、指定された「マスター」移動管理エンティティ)が、プールエリアの重なり合う部分内のすべての基地局と、自身のプールエリアのそれ以外の基地局とに、セッション開始メッセージを送信することができ、これにより、プールエリアの重なり合う部分内のすべての基地局にアドレッシングされているセッション開始メッセージのすべてが、サービスのための同じ、すなわち共通のユーザプレーンエンティティを示している。
上述したように、重なり合うプールエリアにおける共通のユーザプレーンエンティティの選択を移動管理エンティティが調整するための1つのオプションは、ポイントツーポイント通信を使用することである。この場合、関与する各移動管理エンティティの間での何らかのシグナリングが要求されうる。ユーザプレーンエンティティの選択に関与する移動管理エンティティの数が多いシナリオを考えると、この制御シグナリングは、大きなシグナリング負荷につながりうる。この大きなシグナリング負荷は、リソース(すなわち移動管理エンティティ自体)と、これらの間の送信ネットワークの非効率的な使用につながる。その一方で、リアクティブ式にトリガーする場合を考えると、それによってセッション開始の遅延が増大しうる。したがって、必要なシグナリングを制限するための何らかの手段を考慮しなければならない。
上述したように、MMEプール内のすべての移動管理エンティティが同じユーザプレーンエンティティを選択できるものと想定する。例えば、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに使用するためのユーザプレーンエンティティを、プールエリアのすべての移動管理エンティティにおいて静的に事前設定することができる。別のオプションとしては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに使用するためのユーザプレーンエンティティを、プールエリアのすべての移動管理エンティティにおいて、例えば負荷バランシングに関するO&M(運用&保守)メカニズムに基づいて動的に選択することができる。類似する方法においては、指定された移動管理エンティティ(または「マスター」M−MME)をプールエリア内で選択することができ、この移動管理エンティティは、異なるプールエリア内に位置している別の「マスター」M−MMEとの間で調整して共通のユーザプレーンエンティティを選択する責務を負う。その後、選択手順の結果を、各プールエリア内の他の移動管理エンティティに通知する。このようにして、調整手順に関与する移動管理エンティティの数が減少し、これによって、要求されるシグナリングが制限される。
各プールエリアの指定された移動管理エンティティのみがセッション開始メッセージを送信する、上記の代替ソリューションにおいては、共通のユーザプレーンエンティティを選択するための制御シグナリングを大幅に低減することができる。なぜなら、共通のユーザプレーンエンティティをネゴシエートする必要があるのは、複数の異なるプールエリアの指定された移動管理エンティティのみであるためである。ネゴシエーションの結果は、他の移動管理エンティティにシグナリングしなくてもよい。なぜなら、指定された移動管理エンティティは、正しい、すなわち選択された共通のユーザプレーンエンティティまでの、サービスのユーザプレーンの確立をトリガーする責務も負うためである。しかしながら、この方法は、いずれかの移動端末がサービスをアクティブ化したかを考慮できないため、(どの移動端末も、指定された移動管理エンティティにおいてサービスをアクティブ化していない場合には)やはり非効率的なリソース利用につながる可能性がある。なぜなら、たとえどの端末もサービスをアクティブ化していない場合にもユーザプレーンが確立されうるためである。
共通のユーザプレーンエンティティを調整によって選択するための別のオプションは、移動管理エンティティによって(例えば、IPマルチキャストアドレスによって)ポイントツーマルチポイント通信を利用することである。上述したように、すべての移動管理エンティティは、IPマルチキャスト通知チャネルに加入することができる。一般的には、調整が正しく機能するためには、関与するすべての移動管理エンティティにおいて確実に同じ選択結果となるようにすべきである。しかしながら、共通のユーザプレーンエンティティを選択するための制御シグナリングがマルチキャスト通知チャネル上で送られる場合、他のすべての移動管理エンティティによってシグナリングメッセージが受信されることを保証できないことがある。なぜなら、IPマルチキャスト送信は一般に信頼性が低いためである。したがって、すべての移動管理エンティティにおける結果が、選択可能であるユーザプレーンエンティティの同じリストにならないことがある。
上述したように、重なり合うプールエリア領域内の基地局までのユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティを選択するための1つの可能な方法は、プロアクティブ方式を使用することである。例えば、移動端末からのサービスアクティブ化を受信した最初の移動管理エンティティのプールエリア内に位置しているユーザプレーンエンティティを選択する。これを達成する目的で、移動端末からの最初のサービスアクティブ化を受信した移動管理エンティティは、ユーザプレーンエンティティを選択し、それをIPマルチキャスト通知チャネル上で通知する(各サービス識別子も示す)。この通知は、同じIPマルチキャスト通知チャネルにサブスクライブされているすべての他の移動管理エンティティによって受信されるため、それらの移動管理エンティティのすべては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの以降のサービスアクティブ化を受信したときに、プールエリアの重なり合う部分までの、そのサービスのユーザプレーンを提供するための同じユーザプレーンエンティティを使用し、そのユーザプレーンエンティティにおいて登録することができる。
しかしながら、上述したように、IPマルチキャスト通知チャネルの信頼性が低いため、調整が正しく機能するうえでの問題が生じる。この問題を克服する1つのオプションは、移動管理エンティティが、共通に選択されたM−UPEの通知をIPマルチキャストチャネル上で繰り返すことである。例えば、移動管理エンティティは、端末からサービスアクティブ化要求を受信するたびに、移動端末からの最初のサービスアクティブ化を受信した移動管理エンティティによって示されるユーザプレーンエンティティを通知することができる。共通のユーザプレーンエンティティの通知を繰り返すことによって、すべての移動管理エンティティによって通知が少なくとも一回受信される信頼性が高まる。
共通のユーザプレーンエンティティが高い信頼性の調整によって選択されるようにする別のオプションは、移動管理エンティティが、通知チャネルを絶え間なく監視することである。現在選択されているユーザプレーンエンティティと比較して異なる、選択されたユーザプレーンエンティティが通知された場合、移動管理エンティティは、共通のユーザプレーンエンティティの反復通知を求める問い合わせメッセージを通知チャネル上で送ることができる。移動管理エンティティは、この応答に従って、現在の選択もしくは登録、またはその両方を訂正することができる。
考慮すべき別の側面は、基地局によってリアクティブ式にトリガーされる、ユーザプレーンエンティティの調整によって生じうるセッション開始遅延を低減することである。この例示的な場合においては、基地局は、重なり合うプールエリアにおいて使用するための共通のユーザプレーンエンティティを移動管理エンティティが解決するまで待機しなければならず、このことは、セッション開始の大きな遅延につながりうる。オプションとして、基地局が、異なるユーザプレーンエンティティまでのマルチキャストユーザプレーンを最初に確立できるようにし、後の段階において移動管理エンティティによって解決されたとき、その共通のユーザプレーンエンティティに切り替えるようにすることができる。このようにして、シグナリングがわずかに増大する代わりに、追加のセッション開始遅延を回避することができる。
図27は、本発明の例示的な実施形態による、3GPP SAE/LTEシステムにおいて、プールエリアの重なり合う領域内に位置している基地局(eNodeB)と、共通のユーザプレーンエンティティとの間に確立されているユーザプレーンを例示的に示している。この例においては、例示を目的として、プールエリア#1とプールエリア#2の移動管理エンティティによる、共通のユーザプレーンエンティティの選択の結果として、プールエリア#2内のM−UPE#2が選択され、したがって、eNodeB#3、eNodeB#4、およびeNodeB#5が、マルチキャストサービスのためM−UPE#2までのユーザプレーンを確立しているものと想定する。後からさらに詳しく説明するように、サービス継続性を確保する目的で、プールエリア#1の移動管理エンティティ(例えば、M−MME#10)は、端末からのサービスアクティブ化を受信すると、選択されているユーザプレーンエンティティ(M−UPE#2)において登録することができる。当然ながら、共通のユーザプレーンエンティティの選択の結果として、プールエリア#1内のM−UPE#1が選択されることもあり、この場合、図25に示したようにユーザプレーンが確立され、さらに、サービス継続性を確保するため、プールエリア#2の移動管理エンティティがM−UPE#1において登録するようにすることができる。
さらに、共通のユーザプレーンエンティティのプロアクティブ式の選択が実行される場合、移動管理エンティティは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのマルチキャストサービス関連コンテキストまたはブロードキャストサービス関連コンテキストをまだ確立していないことがあることに留意されたい。移動管理エンティティがサービスコンテキストをまだ維持していない場合、これらの移動管理エンティティは、サービスのための共通のユーザプレーンエンティティを格納することができるサービス関連コンテキストを生成および維持することができる。一般的には、移動管理エンティティは、共通のユーザプレーンエンティティに加えて、さらなる情報、例えば、何らかの種類の状態情報を、サービス関連コンテキストに格納することができる。この状態情報は、例えば、サービス関連コンテキストに対応するサービスが進行中であるか否か(例えば、サービスがアクティブであるか待機状態であるか)を示すことができる。これと同様に、状態情報は、それを維持している移動管理エンティティが、少なくとも1つの移動端末からサービスアクティブ化をすでに受信したか否かを示すことができる。この情報は、それを維持している移動管理エンティティが、マルチキャストサービスセンターまたはブロードキャストサービスセンター(BM−SC)からのセッション開始の指示の受信によってトリガーされたときに、プールエリアの重なり合う部分内の基地局と、自身のプールエリアの他の基地局とにセッション開始メッセージを送る必要があるかを、決定する目的に使用することができる。
本発明の別の実施形態は、複数の異なるプールエリアの重なり合う部分における、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのための1つの共通のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンの確立を確保する目的で、中央集中型のネットワークノード(例えば、BM−SC)を使用することに関する。例えば、マルチキャストサービスのためのサービスアクティブ化要求を受信した移動管理エンティティは、サービスに使用するための共通のユーザプレーンエンティティに関する情報をBM−SCが有するかを、BM−SCに問い合わせることができる。この要求は、例えば、対象のサービスのサービス識別子を備えていることができる。さらに、この要求は、要求側の移動管理エンティティにおいて望ましいユーザプレーンエンティティをさらに示していることができる。サービスのための共通のユーザプレーンエンティティが以前に登録されている場合、BM−SCは、その共通のユーザプレーンエンティティを、(例えば、ユーザプレーンエンティティの識別子によって)要求側の移動管理エンティティに示すことによって、問い合わせに応答することができる。BM−SCにおいて、共通のユーザプレーンエンティティが、(例えば、サービス関連コンテキスト(例えば、MBMSサービスコンテキスト)の中に)まだ登録されていない場合、BM−SCは、要求側の移動管理エンティティによって示されるユーザプレーンエンティティを登録することができ、すなわち、示されたユーザプレーンエンティティを、サービスのための共通のユーザプレーンエンティティとして「選択する」ことができる。
共通のユーザプレーンエンティティは、重なり合うエリア内に位置している基地局に関連するのみである。なぜなら、これらのeNodeBのみが、複数の異なるプールエリア内に位置しているユーザプレーンエンティティに接続できるためである。これに対して、プールエリアの重なり合わない部分内に位置しているeNodeBは、それぞれのプールエリア内に位置しているユーザプレーンエンティティに接続できるのみである。このとき、移動管理エンティティは、移動端末によって送られたサービスアクティブ化要求から、そのアクティブ化要求が送られた元のトラッキングエリアを導くことができるものと想定する。この情報は、BM−SCに問い合わせる必要があるか否か(すなわち、要求が、重なり合うエリア内のeNodeB(またはセル)から送られたか)を決定する目的に、移動管理エンティティにおいて使用することができる。必要がある場合、移動管理エンティティは、各重なり合うエリアのためのユーザプレーンエンティティがBM−SCにおいてすでに登録されているかをチェックする目的でBM−SCに送られる問い合わせに、トラッキングエリア情報(この情報は、各重なり合うエリアを識別するために使用することができる)を含めることもできる。
BM−SCの応答がユーザプレーンエンティティを示している場合、移動管理エンティティは、重なり合うエリア内の基地局に送られる以降のセッション開始メッセージにおいて、そのユーザプレーンエンティティを使用する。
そうではなく、(移動管理エンティティの望ましいユーザプレーンエンティティの指示情報が問い合わせに含まれていないと想定したとき、)応答にユーザプレーンエンティティが示されていない場合、移動管理エンティティは、自身が選択するユーザプレーンエンティティをBM−SCにおいて登録することができる。
プールエリアの重なり合う領域は、いくつかのトラッキングエリアから成ることがある。したがって、BM−SCにおいてユーザプレーンエンティティを登録するとき、移動管理エンティティは、重なり合うプールエリア領域内のすべての関与するトラッキングエリアに関する情報を、登録(または、望ましいユーザプレーンエンティティを問い合わせに含める場合には問い合わせ)にさらに含めることができ、これは、BM−SCがつねにネットワークトポロジ問題にとらわれないようにするためである。いずれの場合も、すべての移動管理エンティティが、重なり合うエリア内の基地局に送られるセッション開始メッセージに、同じユーザプレーンエンティティを含めることが確保される。
上述したように、共通のユーザプレーンエンティティをBM−SCにおいて登録するステップは、ネットワークノード識別子およびトラッキングエリアを問い合わせまたは登録するために必要なシグナリングメッセージを処理することに加えて、これらの情報をBM−SCにおいて格納するステップを含みうる。この機能をサポートするためには、標準のBM−SCの何らかの適合化が要求されることがあり、このことは望ましくないことがある。なぜなら、これによりこれらのエンティティのコストが増大しうるためである。したがって、BM−SCへの必要な変更をできるかぎり最小にすることが重要である。
要求される基本機能は、複数の異なる移動管理エンティティによって選択される、場合によっては異なる一連のユーザプレーンエンティティのうち、重なり合うプールエリアに使用するための共通のユーザプレーンエンティティを決定する手順を中央集中化することである。移動端末からの(各)サービスのアクティブ化において、共通のユーザプレーンエンティティをBM−SCを介して調整する代わりに、複数の異なる重なり合うプールエリアの移動管理エンティティは、セッション開始の時点において、BM−SCを使用して複数のユーザプレーンエンティティを解決することができる。セッション開始が(BM−SCによって)トリガーされたとき、すべての移動管理エンティティが、それぞれの選択した/望ましいユーザプレーンエンティティを含んでいる要求をBM−SCに送信することができる。この要求は、セッション識別子もしくはサービス識別子、またはその両方も含んでいることができる。BM−SCは、これらの要求に提示されているユーザプレーンエンティティを解決し、同じユーザプレーンエンティティを含んでいる応答をすべての移動管理エンティティに送ることができ、そのユーザプレーンエンティティは、その後、すべての移動管理エンティティによって、重なり合うエリア内の基地局にセッション開始メッセージを送るときに使用される。応答に含まれる共通のユーザプレーンエンティティは、例えば、移動管理エンティティからの最初のメッセージに示されているユーザプレーンエンティティとすることができる。このようにして、BM−SCは、ユーザプレーンエンティティの識別子または位置エリア情報を維持および格納する必要がない。BM−SCの応答は、移動管理エンティティの最初の要求メッセージの単純なコピーとすることができる。
上述したように、重なり合うプールエリア内の基地局にマルチキャストサービスを提供する場合に問題となりうる状況は、複数の異なるプールエリアに登録されている2つ以上の移動端末が同じマルチキャストサービスを受信するときに発生する。このことは、移動端末が、マルチキャストユーザプレーンを提供していないプールエリアに登録されており、かつアイドルモードにあるときに、特に問題である。本発明の一実施形態においては、アイドル状態とは、移動端末が、その移動管理エンティティにプールエリアレベル/トラッキングエリアレベルにおいてのみ認識されていることを意味する。アイドルモードの移動端末は、基地局との制御接続を有していないこともあり、基地局は、これらの移動端末に関する何らの情報(例えば、ネットワーク内における移動端末の位置)も持たず、プールエリア/トラッキングエリア内のどの基地局に移動端末がアタッチされているかが認識されていない。サービスのユーザプレーンのための共通のユーザプレーンエンティティを選択するだけでは、この問題の状況を解決することができない。
この状況が発生する可能性はいくつかある。1つの可能性は、すでに上述したように、重なり合うエリア内の同じ基地局に接続されている複数の移動端末が、異なるプールエリア/トラッキングエリア内の異なる移動管理エンティティにアタッチされており、同じマルチキャストサービスをアクティブ化する場合である。サービスがまもなく開始されるとき、移動管理エンティティは、自身のプールエリア内の各ユーザプレーンエンティティまでの、マルチキャストサービスのためのユーザプレーン、の確立をトリガーするためのマルチキャストセッション開始メッセージを、それぞれのプールエリア内の基地局に送る(あるいは、マルチキャストセッション開始メッセージを送るように、各プールエリア内のユーザプレーンエンティティに要求する)。重なり合うプールエリア内の基地局は、複数のセッション開始メッセージを受信し、同じサービスのための重複するマルチキャストユーザプレーンの確立を回避する目的で、1つのセッション開始メッセージを選択する。いま、マルチキャストユーザプレーンを提供していないプールエリアにアタッチされている移動端末がアイドル状態に遷移する場合、問題のある状況が発生することがあり、なぜなら、これらの移動端末のマルチキャストサービス登録が、マルチキャストユーザプレーンを提供するプールエリア内の移動管理エンティティまたはユーザプレーンエンティティに認識されていないのみならず、基地局は、これらの移動端末がアイドルモードにあるため、そのアタッチ状態を追跡することもできないためである。
別の可能性は、重なり合うプールエリア内の基地局に接続されており、すべて同じプールエリアにアタッチされている移動端末のみが存在する場合である。サービスが開始されるとき、その特定のプールエリア内にマルチキャストユーザプレーンが確立される。いま、アイドルモードの移動端末(最初は別のプールエリアにアタッチされており、やはり同じマルチキャストサービスをアクティブ化した移動端末)が、移動に起因して、重なり合うプールエリア内のこの基地局を選択すると、問題となりうる状況が発生する。
例示的な一実施形態によると、マルチキャストサービスにおけるサービスの消失は、アイドルモードの移動端末をホストしている、プールエリア内の移動管理エンティティが、マルチキャストユーザプレーンを提供している、プールエリア内のユーザプレーンエンティティにおいて登録できるようにすることによって、防止することができる。この登録を実行するためには、いくつかの問題を克服しなければならない。
重なり合うプールエリア内のアクセスノードは、自身が最初に応答した(すなわち、肯定応答した)マルチキャストセッション開始メッセージを認識している。言い換えれば、このアクセスノードは、自身がマルチキャストユーザプレーンを確立した先のユーザプレーンエンティティ、および特にプールエリアを認識している。しかしながら、このアクセスノードは、一般には、登録手順をトリガーすることができない。なぜなら、自身のサービスエリア内のアイドルモードの移動端末の情報を持たないためである。アイドルモードにある移動端末は、それを処理担当している移動管理エンティティに認識されているのみである。さらに、アイドルモードの移動端末を処理担当している移動管理エンティティも、登録手順をトリガーできないことがある。なぜなら、この移動管理エンティティは、アイドルモードの移動端末がリスンしている特定のアクセスノードを認識しておらず、その一方で、この移動管理エンティティは、アクセスノードがマルチキャストユーザプレーンを維持している先のユーザプレーンエンティティおよびプールエリアを認識していないことがあるためである。
アイドルモードにおいては、移動端末がリスンしている特定のアクセスノードを認識しているのは、その移動端末のみである。例示を目的として、アイドルモードにある移動端末が、アクセスノードによってブロードキャストされるシステム情報を依然として受信するものと想定することができる。このシステム情報は、各アクセスノードのサービスエリア内において利用可能であるマルチキャストサービスに関する情報も含んでいることができる。しかしながら、移動端末は、このマルチキャストサービス情報からは、特定のマルチキャストサービスの一般的な可用性を導くことができるのみである。移動端末が登録手順をトリガーできるようにする目的で、本発明の例示的な実施形態によると、アクセスノードによって提供されるこのマルチキャストサービス情報を拡張することを提案する。この拡張されたマルチキャストサービス情報においては、アクセスノードは、選択されているユーザプレーンエンティティのトラッキングエリア/プールエリア情報、または選択されているユーザプレーンエンティティの識別子を、さらに送信することができる。2つ以上のプールエリア/トラッキングエリアの重なり合う部分内のアクセスノードのみが、この拡張されたマルチキャストサービス情報を送信することができる、またはこれに代えて、プールエリア/トラッキングエリアのすべてのアクセスノードが、拡張されたマルチキャストサービス情報を、例えばシステムブロードキャスト情報の一部として、送信することができる。
アクセスノードは、例えば、選択されたユーザプレーンエンティティのトラッキングエリア/プールエリア情報、または選択されたユーザプレーンエンティティの識別子を、マルチキャストセッション開始メッセージから導くことができる。例示を目的として、3GPP SAE/LTEシステムを考えるとき、拡張されたマルチキャストサービス情報は、ポイントツーマルチポイントMBMS制御チャネル(MCCH)上で送信することができ、この情報は、アイドルモードにある移動端末によっても受信される。
当然ながら、移動端末は、アイドルモードにあるとき、自身がリスンしているアクセスノードを認識しているのみではない。移動端末は、自身に格納されているコンテキスト情報から、自身が現在登録されているトラッキングエリア/プールエリアを認識することもできる。移動端末が、プールエリア/トラッキングエリアの境界を超える場合にトラッキングエリア/プールエリア更新手順を実行するシステムにおいては、移動端末は、一般的に、自身の現在のトラッキングエリアを認識しているものと考えられる。したがって、移動端末は、ブロードキャストされたトラッキングエリア/プールエリア情報を、格納されているトラッキングエリア/プールエリアと絶え間なく比較して、これらが異なる場合、トラッキングエリア更新手順をトリガーすることができる。
上述した、マルチトラッキングエリア登録のコンセプトの場合においては、移動端末が、複数のトラッキングエリアに同時に登録されることがある。この場合、登録されているすべてのトラッキングエリアを、移動端末におけるコンテキスト情報に格納することができる。さらに、移動端末は、ブロードキャストされたトラッキングエリア情報を、格納されているトラッキングエリアと絶え間なく比較することができる。ブロードキャストされたトラッキングエリア情報が、格納されているトラッキングエリアのいずれとも異なる場合、移動端末はトラッキングエリア更新手順をトリガーする。
本発明の別の例示的な実施形態によると、マルチキャストサービスのためのサービス登録を更新する目的に、類似する方法を採用することができる。この方法については、図6に関連して以下に概説する。以前にマルチキャストサービスをアクティブ化した移動端末は、自身が現在アタッチされているアクセスノード(eNodeB#2)からマルチキャストサービス情報を受信する(601)。この情報から、移動端末は、マルチキャストユーザプレーンを提供するトラッキングエリア/プールエリアの情報を導くことができる。受信されたマルチキャストユーザプレーンの情報を、格納されているコンテキスト情報と比較することによって、移動端末は、そのマルチキャストサービスが異なるトラッキングエリア/プールエリアから提供されているかを検出することができる。そのような場合、移動端末は、自身の移動管理エンティティにおけるサービス登録の更新をトリガーし(602)、このトリガーは、例えば、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを提供する、選択されたプールエリア(プールエリア#1)、あるいは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティ(M−UPE#1)の識別子を、移動端末の移動管理エンティティ(M−MME#20)に知らせる通知を送ることによる。
3GPP SAE/LTEシステムに関連する例示的な実施形態においては、この通知は、移動端末(UE#2)と、現在アタッチされている移動管理エンティティ(M−MME#20)との間で交換されるNAS(非アクセス階層:Non-Access Stratum)メッセージとして表すことができる。
移動端末(UE#2)からのこの通知(またはトリガーメッセージ)を受信すると、移動管理エンティティ(M−MME#20)は、異なるトラッキングエリア/プールエリア(プールエリア#1)内のユーザプレーンエンティティ(M−UPE#1)において登録することができる(603)。登録先のトラッキングエリア/プールエリアおよび各ユーザプレーンエンティティは、例えば、移動端末(UE#2)からの通知の内容から導くことができる。
ユーザプレーンエンティティ(M−UPE#1)は、特定のマルチキャストサービスについて登録しているすべての移動管理エンティティに関する情報を格納することができる。この格納される情報は、例えば、移動管理エンティティの識別情報(identities)とトラッキングエリア/プールエリア情報を備えていることができる。あるいは、ユーザプレーンエンティティ(M−UPE#1)は、登録された移動管理エンティティの数を示しているカウンタを維持することができる。登録手順においては、例えば、プールエリア#2の移動管理エンティティM−MME#20とプールエリア#1のユーザプレーンエンティティM−UPE#1との間の直接的なインタフェースを利用することができ、あるいは、マルチキャストユーザプレーンを提供するユーザプレーンエンティティのプールエリア#1内の移動管理エンティティM−MME#10を介して達成することができる。
さらに、図7は、本発明の例示的な一実施形態による、サービス登録の更新をトリガーするタイミングを検出する目的で移動端末において実行される手順を、例示的に示している。例示を目的として、この実施形態においては、トラッキングエリアがプールエリアに対応しているものと想定する。この手順は、アイドルモードおよびアクティブモードいずれの移動端末にも適用することができる。
service_TAは、サービスの提供元として予測されるトラッキングエリア/プールエリアを表す。最初、このservice_TAを、現在アタッチされているトラッキングエリア/プールエリア(attached_TA)に設定する(701)。移動端末は、自身がアタッチされているアクセスノードからマルチキャストサービス情報を受信したかを絶え間なく判定することができる(702)。received_TAは、ブロードキャストされるマルチキャストサービス情報から解読することができ、送信側アクセスノードがマルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立した先のトラッキングエリア/プールエリアを示している。移動端末は、両方のパラメータ、すなわちreceived_TAとservice_TAとを比較する(703)ことによって、マルチキャストサービスが異なるトラッキングエリア/プールエリアによって提供されているかを検出することができる。後者の場合、移動端末は、自身がアタッチされているプールエリア内の移動管理エンティティにおける、サービス登録の更新をトリガーし(704)、パラメータservice_TAをreceived_TAに設定する(705)ことができる。一般的には、マルチキャストサービスは、移動端末が現在アタッチされているトラッキングエリア/プールエリアから提供されるものと予測される。そうではないことを移動端末が検出した場合、この手順を適用する。この手順は、マルチキャストサービスの受信の開始から終了まで続行することができ、トラッキングエリア更新手順が含まれる、別の管理エリアへの各ハンドオーバー後に、再び開始することができる。
マルチキャストサービスの進行中に、そのサービスを受信している移動端末が、アタッチされている移動管理エンティティから削除されることがある。この理由はいくつかある。例えば、移動端末がマルチキャストサービスの受信を停止する。この場合、一般に、移動端末は、移動管理エンティティにおいてマルチキャストサービスを非アクティブ化する。別の例は、移動端末が別の管理エリア(プールエリア)に移動することであり、このことは、移動端末の制御が別の移動管理エンティティに移ることを意味する。さらなる理由としては、移動端末がカバーエリアの外に移動する、バッテリが切れる、またはその他の障害・故障状況(それにより端末がネットワーク内に存在しなくなる)が起こることである。このようないずれの場合にも、一般には、サービスコンテキスト情報、場合によっては移動端末のコンテキスト情報全体(マルチキャストサービスコンテキスト情報を含む)が、移動管理エンティティから削除される。
移動管理エンティティは、個々の移動端末コンテキスト情報を使用することにより、特定のサービスをアクティブ化した移動端末の数を少なくとも含んでいるサービスコンテキスト情報を構築することができる。マルチキャストサービスの場合においては、移動管理エンティティは、そのサービスを要求している移動端末を自身がホストしているかを導くことができる。マルチキャストサービスについて、いずれの移動端末もホストしていない場合、その移動管理エンティティは、そのマルチキャストサービスを処理担当する目的で自身が以前に登録を送った先のユーザプレーンエンティティから登録抹消することができる。
通常では、移動管理エンティティは、登録抹消の肯定応答をユーザプレーンエンティティから受信すると、そのユーザプレーンエンティティまでのマルチキャストユーザプレーンを以前に確立した、自身のプールエリア内のすべてのアクセスノードに、ユーザプレーン解除メッセージ(または登録抹消メッセージ)を送る。上述したように、これらのアクセスノードは、セッション開始メッセージに応えて移動管理エンティティがACKメッセージを受信した送信元(または、ACKメッセージの送信をユーザプレーンエンティティによって知らされた)アクセスノードである。
本発明の例示的な実施形態によると、ユーザプレーンエンティティは、移動管理エンティティからのサービス登録抹消への応答において、その特定のサービスについて登録した別の移動管理エンティティが存在しているかを示す。ユーザプレーンエンティティは、この情報を、例えば、上述したように、登録されている移動管理エンティティに関する格納されている情報から導くことができる。
この応答は、例えば、そのマルチキャストサービスについてユーザプレーンエンティティにおいて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを示すことができる。登録されている別の移動管理エンティティが存在していないことをユーザプレーンエンティティが示す場合、登録抹消する移動管理エンティティは、自身のサービスエリア内のすべてのアクセスノードに、ユーザプレーン解除メッセージを送ることができる。なぜなら、そのサービスを受信する端末がもはや存在せず、したがって、すべてのユーザプレーンを終了させることができ、アクセスノードはサービスのマルチキャスト処理を停止できるためである。たとえ、登録抹消する移動管理エンティティが、ユーザプレーンエンティティとは異なるプールエリア/トラッキングエリア内に位置している場合であっても、ユーザプレーンエンティティにおいて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在していなければ、そのことは、登録抹消する移動管理エンティティのプールエリア/トラッキングエリア内の他のすべての移動管理エンティティも、そのユーザプレーンエンティティからすでに登録抹消していることを意味する(登録が存在していた場合)。
そうではなく、マルチキャストサービスについてユーザプレーンエンティティにおいて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在している場合、そのユーザプレーンエンティティは、登録抹消する移動管理エンティティと同じプールエリア内に位置している、1つまたは複数の登録されている移動管理エンティティが存在しているか否かを、登録抹消する移動管理エンティティに示す情報を、応答メッセージにさらに含めることができる。
1つまたは複数の登録されている移動管理エンティティが、登録抹消する移動管理エンティティと同じプールエリア内に位置している場合、そのことは、そのマルチキャストサービスを受信している別の端末であって、登録抹消する移動管理エンティティと同じプールエリアの少なくとも1つの移動管理エンティティにアタッチされている別の端末が存在していることを意味する。この場合、登録抹消する移動管理エンティティは、自身のプールエリア/トラッキングエリア内のアクセスノードにユーザプレーン解除通知を送ることを抑制する。
登録されているさらなる移動管理エンティティが、登録抹消する移動管理エンティティと同じプールエリア内に位置していない場合、そのことは、現在のプールエリア内のいずれの端末もそのマルチキャストサービスを受信していないが、そのマルチキャストサービスを受信しているさらなる移動端末が別のプールエリアにアタッチされている可能性があることを意味する。したがって、登録抹消する移動管理エンティティは、自身のプールエリア内のアクセスノードのうち、プールエリア/トラッキングエリアの重なり合わない部分内のアクセスノード、すなわち、登録抹消する移動管理エンティティのプールエリアにのみ割り当てられているアクセスノードに、ユーザプレーン解除通知を送る。
このように、重なり合うプールエリア内のアクセスノードからユーザプレーンエンティティまでのマルチキャストユーザプレーンが終了するのは、ユーザプレーンエンティティのプールエリアの少なくとも1つのアクセスノードが同時に割り当てられている先のプールエリア内の移動管理エンティティにアタッチされている移動端末が存在しない場合に限られ、アクセスノードからサービスを受信しているが、別のプールエリアにアタッチされている残りの(1つまたは複数の)移動端末について、サービス継続性を達成することができる。
図8は、2つの重なり合うプールエリアを考慮する上述した手順を例示的に示しており、この場合、登録抹消する移動管理エンティティと、マルチキャストユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティとが同じプールエリア(またはトラッキングエリア)に属している。例示を目的として、プールエリア#1にアタッチされている移動端末UE#1が、その移動管理エンティティM−MME#10においてマルチキャストサービスからサブスクライブ解除する(801)ものと想定する。移動管理エンティティM−MME#10は、このサブスクライブ解除に応えて、さらなる移動端末が移動管理エンティティM−MME#10においてマルチキャストサービスをサブスクライブしているかを判定する。この判定は、例えば、移動管理エンティティM−MME#10によって処理担当されている複数の異なる移動端末のコンテキスト情報をチェックする、すなわち、マルチキャストサービスのサブスクリプションについて、移動端末UE#1によって示されるマルチキャストサービス識別子に基づいてチェックすることによって、達成することができる。サービスをサブスクライブしているさらなる移動端末が存在しない場合、移動管理エンティティM−MME#10は、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1に登録抹消メッセージを送る(803)。
ユーザプレーンエンティティM−UPE#1は、マルチキャストサービスについて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを、登録に関する格納されている情報に基づいて判定する。ユーザプレーンエンティティM−UPE#1は登録抹消応答(確認)を返し(804)、この応答は、サービスに登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているか、および、存在している場合には、マルチキャストサービスについて登録されている、プールエリア#1の少なくとも1つの移動管理エンティティが存在しているかを示している。
次いで、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1からの登録抹消応答(確認)に基づいて、移動管理エンティティM−MME#10は、サービスについてユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを判定する(805)。存在していない場合、移動管理エンティティM−MME#10は、プールエリア#1のすべてのアクセスノードにユーザプレーン解除メッセージを送ることができる。
サービスについてユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録されているさらなる移動管理エンティティが存在している場合、移動管理エンティティM−MME#10は、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録されている、プールエリア#1の移動管理エンティティが存在しているかを、(登録抹消応答に基づいて)さらに判定する(806)ことができる。存在している場合、移動管理エンティティM−MME#10は、ユーザプレーン解除通知を送ることを抑制する。そうではなく、プールエリア#1のいずれの移動管理エンティティも、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録されていない場合、移動管理エンティティM−MME#10は、マルチキャストサービスの識別情報を含んでいるユーザプレーン解除コマンドを、プールエリア#1内のアクセスノードのうち、プールエリア#1のみに割り当てられているアクセスノードすべて(すなわちeNodeB#1)に送り(807)、したがって、これらのアクセスノードにおいてユーザプレーンが終了するのみである。
図13は、2つの重なり合うプールエリアを考慮する上述した手順を例示的に示しており、この場合、登録抹消する移動管理エンティティと、マルチキャストユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティとが異なるプールエリア(またはトラッキングエリア)に属している。例示を目的として、プールエリア#2にアタッチされている移動端末UE#2が、その移動管理エンティティM−MME#20においてマルチキャストサービスからサブスクライブ解除する(1301)ものと想定する。移動管理エンティティM−MME#20は、このサブスクライブ解除に応えて、さらなる移動端末が移動管理エンティティM−MME#20においてマルチキャストサービスをサブスクライブしているかを判定する。この判定は、例えば、移動管理エンティティM−MME#20によって処理担当されている複数の異なる移動端末のコンテキスト情報をチェックする、すなわち、マルチキャストサービスのサブスクリプションについて、移動端末UE#2によって示されるマルチキャストサービス識別子に基づいてチェックすることによって、達成することができる。サービスをサブスクライブしているさらなる移動端末が存在しない場合、移動管理エンティティM−MME#20は、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1に登録抹消メッセージを送る(1303)。
ユーザプレーンエンティティM−UPE#1は、マルチキャストサービスについて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを、登録に関する格納されている情報に基づいて判定する。ユーザプレーンエンティティM−UPE#1は登録抹消応答(確認)を返し(1304)、この応答は、サービスに登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているか、および、存在している場合には、マルチキャストサービスについて登録されている、プールエリア#1の少なくとも1つの移動管理エンティティが存在しているかを示している。
次いで、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1からの登録抹消応答(確認)に基づいて、移動管理エンティティM−MME#20は、マルチキャストサービスについてユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを判定する(1305)。
存在していない場合、移動管理エンティティM−MME#20は、マルチキャストサービスのための登録抹消メッセージ(登録ステータス要求)をユーザプレーンエンティティM−UPE#2に送る(1306)。このメッセージは、1つの役割として、ユーザプレーンエンティティM−UPE#2においてマルチキャストサービスから移動管理エンティティM−MME#20を登録抹消することができる。さらにそれと同時に、この登録抹消メッセージ(登録ステータス要求)は、サービスについてユーザプレーンエンティティM−UPE#2において登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを移動管理エンティティM−MME#20に示すように、ユーザプレーンエンティティM−UPE#2に要求する。
ユーザプレーンエンティティM−UPE#2は、マルチキャストサービスについて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを、例えば、登録に関する格納されている情報に基づいて判定する。ユーザプレーンエンティティM−UPE#2は、登録抹消応答(登録ステータス応答)を返し(1307)、この応答は、登録抹消メッセージ(登録ステータス要求)に示されているマルチキャストサービスに登録されているさらなる移動管理エンティティが存在するかを示している。
次いで、ユーザプレーンエンティティM−UPE#2からの登録抹消応答(登録ステータス応答)に基づいて、移動管理エンティティM−MME#20は、サービスについてユーザプレーンエンティティM−UPE#2において登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているかを判定する(1308)。
存在している場合、移動管理エンティティM−MME#20は、プールエリア#1およびプールエリア#2に同時に割り当てられているすべてのアクセスノードに、ユーザプレーン解除メッセージを送ることができるが、プールエリア#2のみに割り当てられているアクセスノードには送らない。存在していない場合、移動管理エンティティM−MME#20は、プールエリア#1およびプールエリア#2に同時に割り当てられているアクセスノードも含めて、プールエリア#2のすべてのアクセスノードに、ユーザプレーン解除メッセージを送ることができる。次いで、このユーザプレーン解除メッセージを受信したアクセスノードは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを終了させることができる。
別の実施形態は、マルチキャストユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティのプールエリア内のすべての移動管理エンティティが、そのユーザプレーンエンティティから登録抹消した状況に関連する。この実施形態においては、同じプールエリア/トラッキングエリア内に位置している移動管理エンティティから、マルチキャストサービスのためのサービス登録抹消が、ユーザプレーンエンティティにおいて受信されるものと想定する。前と同様に、ユーザプレーンエンティティは、マルチキャストサービスについて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しているか、および、残っている登録されている移動管理エンティティのうちの少なくとも1つが、登録抹消する移動管理エンティティと同じプールエリア/トラッキングエリア内に位置しているかを、応答において示すことができる。
ユーザプレーンエンティティのプールエリア内に、マルチキャストサービスについて登録されているさらなる移動管理エンティティが存在しない場合、サービスについて依然として登録されている移動管理エンティティのプールエリア/トラッキングエリアに、マルチキャストユーザプレーンを再配置することを決定することが有利である。したがって、登録抹消する移動管理エンティティは、いくつかのプールエリア/トラッキングエリアに割り当てられているアクセスノードにユーザプレーン解除通知を送ることができ、この通知は、現在処理担当しているユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを、別のプールエリア/トラッキングエリアの別の移動管理エンティティまでの新しいユーザプレーンを確立した時点で終了させるべきであることを、これらのアクセスノードに示す。さらに、登録抹消応答は、マルチキャストサービスについてユーザプレーンエンティティにおいて依然として登録されている移動管理エンティティのプールエリア/トラッキングエリア(または場合によっては、その中の1つまたは複数の移動管理エンティティの(1つまたは複数の)識別子)も示すことができる。
登録抹消する移動管理エンティティは、示された1つまたは複数のプールエリア/トラッキングエリアのうちの1つの中に位置している1つの移動管理エンティティの識別子を判定することができ、さらに、この移動管理エンティティに、プールエリア/トラッキングエリア(すなわち、割り当てられている、登録抹消する移動管理エンティティのプールエリア/トラッキングエリアと、要求される側の移動管理エンティティのプールエリア/トラッキングエリア)の重なり合う部分内の各アクセスノードと、その要求を受信する移動管理エンティティのプールエリア/トラッキングエリアのユーザプレーンエンティティとの間の各ユーザプレーンの確立をトリガーするように、要求することができる。
以下の、本発明のさらなる実施形態においては、例示を目的として、マルチトラッキングエリア登録が使用されるものと想定することができ、したがって、各アクセスノードが、つねに1つのトラッキングエリアに割り当てられる、すなわち、自身の(1つまたは複数の)無線セル内でただ1つのトラッキングエリア識別子(例えば、TA−ID)をブロードキャストする。さらに、図16〜図21に示したシナリオにおいては、プールエリアの重なり合う領域内の(1つ以上の)アクセスノード(この場合にはeNodeB#2)が、(重なり合っていない領域内のアクセスノードとは)個別の1つまたは複数のトラッキングエリアを形成しているものと想定することができ、したがって、移動端末は、プールエリア#1およびプールエリア#2の重なり合う領域内のアクセスノードにアタッチすると、例えば、プールエリア#1およびプールエリア#2の重なり合う領域内の、移動端末がアタッチするアクセスノード、によってブロードキャストされる新しいトラッキングエリア識別子を検出することに応えて、ルーティングエリア更新手順を実行する。
図16〜図21に示した実施形態のバリエーションにおいては、移動端末UE#2がアイドルモードにあると想定し、したがって、移動をサポートする目的で、アイドルモード移動手順(例えば、セルの再選択およびトラッキングエリア更新手順)が使用される。移動端末が移動手順を実行する必要がある場合、移動端末は、例えば、移動手順のため一時的にアイドルモードからアクティブモードに切り替えることができ、移動手順を終了した時点で、再びアイドルモードに戻ることができる。アクティブモードに切り替えるとき、この結果として、移動端末がアタッチする(1つまたは複数の)アクセスノードにおいてコンテキスト情報が確立され、このコンテキスト情報は、特に移動端末がサブスクライブしているサービスに関する情報を含んでいることができる。後からさらに詳しく説明するように、アクセスノードは、移動端末に関連するこのコンテキスト情報と、アクセスノード内の、マルチキャストサービスに関連するコンテキスト情報とを一緒に使用して、移動端末を処理担当している移動管理エンティティに、そのトラッキングエリアにおけるマルチキャストサービスのためのユーザプレーンであって、その移動管理エンティティのプールエリアとは別のプールエリア内のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンエンティティ、の確立を知らせる必要があるか否かを判定する。
以下では、本発明の一実施形態について、図16および図17に関連して説明する。移動端末UE#2がアイドル状態において(またはアイドルモードにおいて)移動しているとき、少なくとも3GPPベースシステムにおいては、この移動端末は、本明細書において前述したように、現在アタッチされている移動管理エンティティにトラッキングエリアレベルにおいて認識されているのみである。この状態において、選択されたアクセスノードeNodeB#2は、一般には、移動端末UE#2の何らのコンテキスト情報も保持していない。
しかしながら、移動端末UE#2が、現在登録されているトラッキングエリアの部分ではないアクセスノードeNodeB#2を選択してアタッチする(1701)場合、移動端末UE#2は、新しいアクセスノードeNodeB#2によって提供されるトラッキングエリア識別子によって、以前に登録されていた(1つまたは複数の)トラッキングエリアとは異なるトラッキングエリアが識別されることを認識し(1702)、トラッキングエリア手順を実行する(1601)。移動端末UE#2は、自身が選択したアクセスノードeNodeB#2を介して、コアネットワーク内の自身の移動管理エンティティM−MME#20に、トラッキングエリア更新メッセージ(位置エリア更新とも称する)を送る(1704)ことができる。このメッセージは、現在選択されているアクセスノードeNodeB#2のトラッキングエリアを備えていることができる。
このメッセージ(例えば、非アクセス階層メッセージとすることができる)を送る目的で、移動端末UE#2は、選択したアクセスノードとのRRC接続を確立することができ、すなわち、アクティブモードに切り替える(1703)。このRRC接続の確立時、アクセスノードeNodeB#2は、特に、マルチキャストサービスに関する情報(例えば、マルチキャストサービス識別子)を備えている、移動端末のコンテキスト情報を受信する。
アクセスノードが、マルチキャストサービスのユーザプレーンのためのベアラサービス(例えば、MBMSベアラ)を提供している場合、このアクセスノードは、対応するマルチキャストサービスコンテキスト(例えば、MBMSサービスコンテキスト)をさらに維持しており、このコンテキストは、サービス識別子と、そのサービスのためのマルチキャストユーザプレーンを提供するネットワーク要素(ユーザプレーンエンティティ)の少なくとも識別子とを備えている。アクセスノードeNodeB#2は、格納されているコンテキスト情報を利用して、トラッキングエリア更新を送っている移動端末UE#2によっても要求されるマルチキャストサービスのためのベアラサービスを自身が提供しているかを判定することができる。アクセスノードeNodeB#2は、例えば、移動端末に関連するコンテキストに含まれているマルチキャストサービス識別子を、マルチキャストサービスコンテキスト内のマルチキャストサービス識別子と比較することができ、これにより、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンにおけるベアラサービスがすでに提供されているかを判定する(1705)。
さらに、ネットワークの構成に関する情報を利用することによって、アクセスノードeNodeB#2は、マルチキャストサービスを提供しているユーザプレーンエンティティ(すなわち、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティ)と、トラッキングエリア更新メッセージの送信先である移動管理エンティティとが、異なるプールエリアに割り当てられているかを、さらに導くことができる。異なるプールエリアに割り当てられている場合、アクセスノードは、前述したように、移動端末のマルチキャストサービス継続性を確保する目的で、異なるプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録するように移動管理エンティティM−MME#20をトリガーする(1602)必要があり得ることを認識する。
オプションとして、アクセスノードeNodeB#2は、自身が重なり合うプールエリア内に位置しているか、すなわち、複数の異なるコアネットワークエンティティプールに接続されているかをさらに考慮することができ、このことは、アクセスノードeNodeB#2がネットワーク構成情報から認識することもできる。両方の条件が満たされる場合、すなわち、アクセスノードeNodeB#2が重なり合うプールエリア領域内に位置しており、移動端末UE#2を処理担当している移動管理エンティティM−MME#20と、マルチキャストサービスのユーザプレーンエンティティが確立されている先のユーザプレーンエンティティM−UPE#1とが、異なるプールエリアに割り当てられている場合、アクセスノードeNodeB#2は、移動管理エンティティM−MME#20によるサービス登録の更新をトリガーする(1602)。
アクセスノードが移動管理エンティティをトリガーする(1602)ことを決定すると、必要な情報を移動管理エンティティM−MME#20に提供するためのいくつかのオプションが存在する。1つのオプションとして、アクセスノードeNodeB#2が移動管理エンティティM−MME#20に転送する(1706)トラッキングエリア更新メッセージと一緒に、サービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティM−UPE#1に関する情報を備えている通知をピギーバック式に送る(1707)ことができる。例えば、3GPPベースのUTRANにおいては、RANUPプロトコルのDIRECT INFORMATION TRANSFERメッセージを使用して、アクセスノードとコアネットワークとの間で非アクセス階層シグナリング(例えば、移動端末からのトラッキングエリア更新)を交換することができる。この場合、ユーザプレーンエンティティ情報を、新しい情報要素(IE)としてメッセージに追加することができる。
マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティM−UPE#1を、移動端末UE#2を処理担当している移動管理エンティティM−MME#20に知らせるための別のオプションにおいては、アクセスノードeNodeB#2は、専用のシグナリングメッセージ(例えば、RANAPメッセージ)を使用することができる。
マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティに関する情報(ユーザプレーンエンティティ情報とも称する)を移動管理エンティティが受信することを、示されたユーザプレーンエンティティにおいて自身を登録する(1603)ためのトリガーとして使用することができる(そのユーザプレーンエンティティが移動管理エンティティとは別のプールエリア内に位置している場合)。第1のプールエリアの移動管理エンティティを第2のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録することは、トラッキングエリア当たり一回実行するのみでよい。したがって、アクセスノードeNodeB#2からの通知に示されているユーザプレーンエンティティに、マルチキャストサービスの登録を送る(1710)前に、移動管理エンティティM−MME#20は、示されたユーザプレーンエンティティM−UPE#1において自身がすでに登録したかをチェックする(1709)ことができる。したがって、移動管理エンティティM−MME#20が他方のプールエリア内のユーザプレーンエンティティにおいて以前に登録している場合、移動管理エンティティM−MME#20は、登録のさらなるトリガーを無視することができる。当然ながら、トラッキングエリア更新メッセージを受信したとき、移動管理エンティティM−MME#20は、さらに、移動端末UE#2の新しいトラッキングエリアを登録する(1708)。
ユーザプレーンエンティティ情報が、トラッキングエリア更新メッセージと一緒にピギーバックされる場合、移動管理エンティティM−MME#20は、この情報から各トラッキングエリアを導くことができる。アクセスノードeNodeB#2が、登録先のユーザプレーンエンティティM−UPE#1を移動管理エンティティM−MME#20に知らせる目的に専用メッセージを使用する場合には、アクセスノードeNodeB#2は、トラッキングエリア識別子または移動端末識別子のいずれかを、その専用シグナリングメッセージに含めることができる。移動管理エンティティは、これらの識別子のいずれか一方を使用して、該当するトラッキングエリアを導くことができる。
移動管理エンティティM−MME#20によって送られる(1710)登録メッセージは、移動管理エンティティM−MME#20がユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録するマルチキャストサービスの識別子を含んでいるべきである。さらに、この登録メッセージは、オプションとして、登録する移動管理エンティティM−MME#20の識別子(MME識別子)を備えていることができる(この識別子を登録メッセージ自体から暗黙的に導くことができない場合)。ユーザプレーンエンティティM−UPE#1は、サービスについて登録されている移動管理エンティティのMME識別子のリストを維持することができ、ユーザプレーンエンティティは、(登録抹消時に)そのサービスについて別の移動管理エンティティが依然として登録されているかを、このリストによって判定することができる。
上述したこの手順は、移動端末に送られる各トラッキングエリア更新メッセージに対して実行することができる。
多数のユーザを考慮する場合、上記の手順は、アクセスノードにおける相当な負荷と、シグナリングのためのリソース消費の増大につながりうる(例えば、アクセスノードにおいて要求される処理と、アクセスノードと移動管理エンティティとの間のインタフェースを通じて送られる追加の情報に起因する)。前述したように、別のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおける移動管理エンティティの登録は、各トラッキングエリアについて一回実行すればよい。したがって、さらなるバリエーションにおいては、アクセスノードは、必要な情報を自身がすでに提供した先の移動管理エンティティと、必要な情報を提供した対象のトラッキングエリアとを追跡することができ、したがって、アクセスノードは、ユーザプレーンエンティティ情報を、移動管理エンティティおよびトラッキングエリア(およびサービス)当たり一回のみ通知すればよい。
移動管理エンティティは、別のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録する必要があるかを、アクセスノードによって知らされるため、上述した手順は、プロアクティブ式と称することができる。
移動管理エンティティの登録をトリガーするアクセスノードは、従来のシステムと比較して、いくつかの追加の情報および機能(例えば、コンテキスト情報およびネットワークトポロジの情報)がアクセスノードにおいて利用できることが要求されうる。アクセスノードは、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立される先のユーザプレーンエンティティについての情報を、(移動端末によるトラッキングエリア更新の送信先である)移動管理エンティティに提供するかを、例えば、移動端末のコンテキストに含まれているサービス識別子と、マルチキャストサービス情報(例えば、MBMSコンテキスト情報)とを比較することによって、検出する必要がある。さらに、アクセスノードは、マルチキャストサービスに直接的には関連していない非アクセス階層メッセージと一緒にユーザプレーンエンティティ情報をピギーバックする、または、専用メッセージを使用する必要がありうる。さらに、アクセスノードによって送られるトリガー(ユーザプレーンエンティティ情報)を検出するための何らかの機能が、移動管理エンティティにおいて必要となりうる。
本発明の別の実施形態は、移動管理エンティティの登録のリアクティブ式のトリガーを提供し、この方式では、移動管理エンティティの登録のトリガーに関連する、アクセスノード負荷を大幅に低減することができる。この実施形態について、図18および図19に関連してさらに詳しく説明する。
この代替ソリューションにおいては、移動管理エンティティM−MME#20とアクセスノードeNodeB#2との間でのセッション開始要求/応答の交換(1802、1803)時に、異なるプールエリア内に位置しているユーザプレーンエンティティに関する情報を移動管理エンティティM−MME#20に提供することができる。この手順は、移動端末UE#2によって送られる(1801)トラッキングエリア更新メッセージによってトリガーすることができる。図16および図17に示した例示的な実施形態とは異なり、移動端末UE#2がアタッチするアクセスノードeNodeB#2は、トラッキングエリア更新の内容を分析する必要がなく、トラッキングエリア更新を、移動端末UE#2を処理担当している、転送先の移動管理エンティティM−MME#20に単に転送することができる。
移動管理エンティティM−MME#20は、例えば、自身が現在登録されている先のユーザプレーンエンティティの情報を格納することができる。この情報は、マルチキャストサービスごとに、もしくはトラッキングエリアごとに、またはその両方に対して維持することができる。移動端末UE#2は、新しいアクセスノードeNodeB#2にアタッチし(1701)、トラッキングエリア識別子の変化を検出する(1702)と、自身を処理担当している移動管理エンティティM−MME#20にトラッキングエリア更新メッセージを送る(1801、1704)ことができる。このメッセージは、現在選択されているアクセスノードeNodeB#2のトラッキングエリアを備えていることができる。移動管理エンティティM−MME#20は、移動端末UE#2の新しいトラッキングエリアを登録する(1708)。移動管理エンティティM−MME#20は、格納されているコンテキスト情報(例えば、マルチキャストサービスに関連するコンテキスト情報)を利用して、トラッキングエリア更新を送っている移動端末UE#2がサブスクライブしている(1つまたは複数の)マルチキャストサービスと、各マルチキャストサービスについて、示されたトラッキングエリアのためにいずれかのユーザプレーンエンティティにおいて自身をすでに登録しているかとを、さらに判定する(1901)ことができる。
これらの条件が満たされている場合、移動管理エンティティM−MME#20は、移動端末UE#2の新しいトラッキングエリア識別子を登録するステップを除いて、さらなるステップを実行する必要がない。なぜなら、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンがすでに確立されているためである。
上記の条件が満たされていない場合、移動管理エンティティM−MME#20は、例えば、自身のプールエリアのユーザプレーンエンティティ(例えば、M−UPE#2)を選択し、自身のトラッキングエリア内のそのユーザプレーンエンティティのユーザプレーンエンティティ識別子を含んでいるセッション開始メッセージを、少なくとも、移動端末UE#2によって選択されたアクセスノードeNodeB#2に送る(1902)。
アクセスノードeNodeB#2が、サービスのためのユーザプレーン(例えば、マルチキャストサービスベアラ)をすでに提供している場合、アクセスノードeNodeB#2は、さらに、サービス識別子と、マルチキャストユーザプレーンを提供しているノード(この場合にはM−UPE#1)の少なくとも識別子とを備えている、対応するマルチキャストサービスコンテキストを維持することができる。さらに、移動管理エンティティによって送られるセッション開始メッセージは、サービス識別子(例えば、TMGI)を備えていることができる。
セッション開始メッセージを受信したアクセスノードeNodeB#2は、格納されているマルチキャストサービスコンテキスト情報を利用して、サービスのための、別のユーザプレーンエンティティまでのユーザプレーンを、自身がすでに確立しているかを判定する(1903)ことができる。確立している場合、アクセスノードeNodeB#2は、セッション開始にNACKメッセージによって応答し(1904)、さらに、そのトラッキングエリアのためにマルチキャストサービスのためのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティM−UPE#1を、移動管理エンティティM−MME#20に通知する(1905)ことができる。通知のこの情報は、NACKの一部として、または、(上述したように)専用のシグナリングメッセージにおいて送ることができる。NACKによって送る場合、マルチキャストサービスの追加の識別情報を含める必要がない。専用のシグナリングメッセージを使用し、かつ、通知が送られる対象のマルチキャストサービスおよびトラッキングエリアを暗黙的に識別することができない場合、この通知は、ユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティM−UPE#1の識別情報に加えて、トラッキングエリア識別子およびマルチキャストサービス識別子を含んでいることができる。
ユーザプレーンを提供している選択されているユーザプレーンエンティティM−UPE#1の通知を利用することによって、マルチキャストサービスについて、示されたユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録する(1906)ように、移動管理エンティティM−MME#20をトリガーすることができる。移動管理エンティティが、アクセスノードに送られるセッション開始メッセージの中で自身が使用した(1902)、以前に選択したユーザプレーンエンティティに、自身をすでに登録している場合、その移動管理エンティティはそのユーザプレーンエンティティから登録抹消する。
ユーザが多数である現実的なシナリオを考慮すると、場合によっては多数の移動管理エンティティが関与しうる。例えば、最悪の場合、移動管理エンティティプール内の各移動管理エンティティが、いくつかの移動端末からトラッキングエリア更新メッセージを受信する。しかしながら、セッション開始メッセージおよび各NACKメッセージは、示されたトラッキングエリアのためにユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティ(M−UPE)において移動管理エンティティがまだ登録されていない場合にのみ、移動管理エンティティおよびトラッキングエリアごとに一回のみトリガーすることができる。さらに、セッション開始メッセージを送る必要があるアクセスノードは、トラッキングエリア更新メッセージを受信した送信元のアクセスノードのみである(すなわち、トラッキングエリアのすべてのアクセスノードに送る必要はない)。しかしながら、移動端末が、何らのシグナリングなしに各トラッキングエリア内の別のアクセスノードに移動しうる(なぜなら、移動端末が、トラッキングエリア更新メッセージを送った直後にアイドル状態に遷移しうる)ことを考慮すると、トラッキングエリア更新手順時に移動端末によって示される新しいトラッキングエリア内のすべてのアクセスノードに、移動管理エンティティがセッション開始メッセージを送ることは、有利であり得る。これらすべてを考慮したとき、たとえ現実的なシナリオを考慮する場合にも、発生する負荷は制限されるはずである。
図16〜図19に関連して説明した上記の例示的な実施形態においては、移動端末UE#2によって選択されたアクセスノードeNodeB#2は、その移動端末を処理担当している移動管理エンティティM−MME#20に、別のプールエリアのユーザプレーンエンティティM−UPE#1までのユーザプレーン接続が確立されていることを知らせる必要があるかを決定する。これにより、アクセスノードは、サービス登録を更新するように、プロアクティブ式またはリアクティブ式に移動管理エンティティをトリガーし、これは、特定のサービス(およびトラッキングエリア)のためのマルチキャストユーザプレーンを提供しているユーザプレーンエンティティに関する情報を通知することによる。代替実施形態においては、「中央集中型」方法を使用することを予測することができ、この方法においては、コアネットワーク内のネットワークエンティティが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのユーザプレーンをアクセスネットワーク内のアクセスノードまで確立しているユーザプレーンエンティティを追跡する。これにより、ユーザプレーンエンティティは、例えば、特定のサービスおよびトラッキングエリアのために、中央のコアネットワークエンティティにおいて自身を登録することができる。1つのオプションとして、BM−SCと、BM−SCが有する他のマルチキャストサービス機能とによって、この登録機能を提供することもできる。
例えば、MBMSサービスにおいては、例えば、移動端末によって送られるサービスアクティブ化において、ユーザプレーン接続を提供するためのMBMSベアラの提供が要求されるとき、要求側のエンティティ(移動管理エンティティまたはユーザプレーンエンティティ)は、サービスのためのユーザプレーン接続が確立される先のユーザプレーンエンティティをBM−SCにおいて登録することができる。この登録は、例えば、専用のシグナリング手順を使用して、または、移動端末のためのサービス提供を認可する目的に使用される組合せ手順において、実行することができる。BM−SCは、マルチキャストサービスを提供しているエンティティの識別子のリストを維持することができる。したがって、BM−SCは、コアネットワーク内のどのエンティティが、どのトラッキングエリアのためにマルチキャストユーザプレーンを提供しているかを示している情報を、マルチキャストサービスごとに維持することができる。トラッキングエリアに関する情報は、エンティティの識別子自体に含める(すなわち、エンティティの識別子によってトラッキングエリアを暗黙的に識別することができる)、または、追加のパラメータとして格納することができる。
以下では、コアネットワークエンティティのこの中央登録を使用して、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンを終了させる場合について、図20および図21に関連して、さらに詳しく例示的に説明する。移動端末UE#2からのトラッキングエリア更新メッセージを受信する(2001、1704)移動管理エンティティM−MME#20は、移動端末に関連するコンテキスト情報を維持し、この情報は、特に、移動端末UE#2のサービスを含んでいることができる。移動端末UE#2によって移動管理エンティティM−MME#20に送られる(2001、1704)トラッキングエリア更新メッセージは、さらに、現在選択されているアクセスノードeNodeB#2のトラッキングエリアを備えていることができる。さらに、移動管理エンティティM−MME#20は、マルチキャストサービスごと、およびトラッキングエリアごとに、登録情報を格納しており、これは、例えば、その移動管理エンティティが(各トラッキングエリアのために)どのサービスについてどのユーザプレーンエンティティにおいて登録しているかを示すリストを維持することによる。移動管理エンティティM−MME#20は、この登録情報に基づいて、トラッキングエリア更新メッセージに示されているトラッキングエリアのために、サービスのためにいずれかのユーザプレーンエンティティにおいて自身をすでに登録しているかを判定する(2101)ことができる。登録していない場合、移動管理エンティティM−MME#20は、そのトラッキングエリアのために特定のサービスのためのユーザプレーン接続をどのユーザプレーンエンティティ(存在時)が維持しているかの情報を要求するため、中央コアネットワークエンティティ(例えば、BM−SC)に問い合わせる(2002、2102)ことができる。したがって、この問い合わせは、移動端末からのトラッキングエリア更新メッセージに示されているトラッキングエリアのトラッキングエリア識別子と、マルチキャストサービス識別子とを含んでいることができる。
この問い合わせを受信したコアネットワークエンティティは、登録されているエンティティの自身のリストをチェックして、示されたトラッキングエリアおよびサービスについて登録されているユーザプレーンエンティティに関する情報によって応答する(2103)ことができる。この情報は、例えば、各ユーザプレーンエンティティの識別子とすることができる。移動管理エンティティM−MME#20は、この応答を使用して、自身のサービス登録を更新することができる。コアネットワークエンティティBM−SCがユーザプレーンエンティティを示さない、すなわち、そのトラッキングエリアのためにユーザプレーンがまだ確立されていない場合には、移動管理エンティティM−MME#20は、そのサービスおよびトラッキングエリアのためのユーザプレーンを確立すべき先のユーザプレーンエンティティを選択することができ、例えば、選択されたユーザプレーンエンティティの識別情報を含んでいるセッション開始メッセージを、少なくとも、移動端末がアタッチしたアクセスノードeNodeB#2に、またはトラッキングエリア内のすべてのアクセスノードに送ることによって、ユーザプレーンの確立をトリガーすることができる。選択するユーザプレーンエンティティは、移動管理エンティティと同じプール内に位置していることが有利である。
さらに、移動管理エンティティM−MME#20は、その後、マルチキャストサービスおよびトラッキングエリアのための選択したユーザプレーンエンティティをコアネットワークエンティティにおいて登録することができる、あるいは、選択されたユーザプレーンエンティティが自身を中央のネットワークエンティティBM−SCにおいて登録することができる。図20および図21に示した例においては、プールエリア#1内の別の移動管理エンティティ(例えば、移動管理エンティティM−MME#10)によってユーザプレーンエンティティM−UPE#1までユーザプレーンがすでに確立されており、したがって、この移動管理エンティティはユーザプレーンエンティティM−UPE#1を中央ネットワークノード(例えば、BM−SC)においてすでに登録している(2004、2105)ものと想定している。特定のトラッキングエリアおよびサービスのためのユーザプレーンエンティティを登録するための登録メッセージは、例えば、マルチキャストサービスの識別子と、トラッキングエリアの識別子と、ユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティの識別子とを含んでいることができる。特定のトラッキングエリアまでのユーザプレーンを終了させる場合、そのユーザプレーンの終了を開始する移動管理エンティティは、トラッキングエリアのためにそのユーザプレーンが確立されている先のユーザプレーンエンティティを、コアネットワークエンティティにおいて登録抹消することもできる。
問い合わせへの応答が、トラッキングエリアおよびサービスのためのユーザプレーンが存在していることを示している場合、すなわち、この応答が各エンティティを示している場合、移動管理エンティティM−MME#20は、そのユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録する(2003、2104)。
すでに上述したように、トラッキングエリアは、移動端末がアイドル状態において移動する場合に要求されるシグナリングと、格納されるコンテキスト情報とを制限するために使用される。トラッキングエリアは、管理上の移動エリアと考えることができ、このエリア内では、移動端末は、ネットワークとの何らのシグナリング交換の必要なしに移動することができる。一般に、トラッキングエリアは、複数のアクセスノードによって処理担当されるエリアを備えており、したがって、いくつかのセルを備えている。トラッキングエリアは、特定の識別子(TA−ID)によって識別することができる。あるいは、トラッキングエリアを、位置エリア(LA)またはルーティングエリア(RA)と称することもある。同様に、トラッキングエリアの更新に関連して説明されている手順は、トラッキングエリア更新手順またはルーティングエリア更新手順とも称することができる。
上述したさまざまな実施形態は、制御プレーン機能とユーザプレーン機能の明確な分離が実施されている(このことは、異なるネットワークエンティティが、制御プレーンまたはユーザプレーンのいずれかの責務を負っていることに反映されている)ネットワークアーキテクチャに特に適している。例えば、例示を目的として、移動管理およびセッション管理は、移動管理エンティティにおいて実施される機能であるものと想定してきた。しかしながら、アーキテクチャ上の別のオプションにおいては、セッション管理機能をユーザプレーンエンティティ(すなわち、例えば、ユーザプレーンエンティティ)に配置することができ、結果として、移動管理機能(移動管理エンティティ内に配置されている)とセッション管理機能(ユーザプレーンエンティティ内に配置されている)とが分離される。当然ながら、移動管理とセッション管理とをこのような方式にて分離するためには、移動手順(例えば、トラッキングエリア更新)がセッション管理に影響する(およびの逆の)場合、それぞれの機能を実施する異なるエンティティの間でシグナリングメッセージを交換することが要求されうる。
マルチキャストサービスの場合においては、このことは、セッションベースのすべての制御手順(例えば、セッション開始)が、ユーザプレーンエンティティによって処理されることを意味する。このシナリオにおいては、セッション管理機能と移動管理機能とが異なるコアネットワークエンティティに分離されていることに対応できるように、上述したさまざまな実施形態を修正することができる。例えば、移動管理手順(例えば、ハンドオーバー手順、またはトラッキングエリア更新手順)に応えてセッション管理手順を実行する必要があるとき、移動管理エンティティは、自身のプールエリア内の各ユーザプレーンエンティティを、必要なセッション管理手順を実行するようにトリガーすることができる。
例えば、移動管理エンティティが、マルチキャストサービスを要求する移動端末のトラッキングエリア更新を受信した対象のトラッキングエリアのために、そのマルチキャストサービスのためのセッション開始手順が必要であると決定する場合、移動管理エンティティは、そのトラッキングエリア内の(1つまたは複数の)各アクセスノードとのセッション開始手順を実行するように、要求/応答方式を使用してユーザプレーンエンティティをトリガーすることができる。同様に、要求されたユーザプレーンエンティティは、セッション開始手順が成功したか、または、サービスのためのユーザプレーンが確立されている先の、別のプールエリア内の別のユーザプレーンエンティティを識別しているNACKメッセージおよび通知が受信されたかを、報告することができる。ユーザプレーンエンティティは、このような通知を移動管理エンティティに転送し、したがって、その移動管理エンティティは、上述したように、その別のプールエリアの示されたユーザプレーンエンティティにおいて登録することができる。
上述した手順と同様に、ユーザプレーンエンティティがセッション管理機能を含んでいる場合、ユーザプレーンエンティティは、マルチキャストサービスコンテキストも維持する。選択されたユーザプレーンエンティティは、この格納されているサービスコンテキストを利用して、セッション開始手順を実行すべき対象のそのトラッキングエリアに、自身がマルチキャストサービスをすでに提供しているかを判定することができる。提供していない場合、選択されたユーザプレーンエンティティは、トラッキングエリア内に位置しているアクセスノードにセッション開始メッセージを送る。ユーザプレーンエンティティは、サービスおよびトラッキングエリアのために以前に登録していないすべての移動管理エンティティについて、そのトラッキングエリア内で一回のみセッション開始メッセージを送る。
セッション開始メッセージを受信したアクセスノードは、格納されているサービスコンテキスト情報を利用して、上述した場合と同様に、サービスのためのマルチキャストユーザプレーンを別のユーザプレーンエンティティまで自身がすでに確立したかを判定することができる。すでに確立した場合、そのアクセスノードは、選択されているユーザプレーンエンティティ(このユーザプレーンエンティティは、セッション開始手順をトリガーする移動管理エンティティと、セッション開始メッセージを送った、トリガーされるユーザプレーンエンティティと同じプールエリアまたは別のプールエリアの中に位置していることができる)に関する情報を含んでいるNACKメッセージによって、セッション開始に応答する。NACKメッセージを受信したユーザプレーンエンティティは、その情報を、登録側の移動管理エンティティに転送し、これにより、示されたユーザプレーンエンティティにおいて登録するように移動管理エンティティがトリガーされる。
明らかに、重なり合わないプールエリア、または、別のプールエリアと重なり合わないプールエリアの部分内のアクセスノードにおいては、サービス中断の潜在的な問題は存在しない。これらのアクセスノードに対しては、特定の手段を適用する必要がなく、すなわち、重なり合わないプールエリア、またはプールエリアの重なり合わない部分のアクセスノードは、一般的には、マルチキャストサービスのための拡張されたシステム情報を送信する必要がない。しかしながら、例示的な一実施形態によると、重なり合わないエリア内のアクセスノードが、すでに上述したように、拡張されたシステム情報をブロードキャストすることもできる。しかしながら、この場合、選択されたユーザプレーンエンティティのトラッキングエリア/プールエリアに関する情報は、移動端末の現在のトラッキングエリア/プールエリアと異なることはない。
重なり合わないエリア内のアクセスノードが、拡張されたシステム情報をブロードキャストしない場合、移動端末は、この情報の欠如を、別のプールエリアと重なり合わないプールエリアの部分内に自身が存在しているものと解釈することができる。したがって、移動端末は、サービス継続性に関する問題(移動端末からの何らかのアクションが要求される)が存在しないことを認識する。
上記の考察を考慮すると、明らかに、重なり合うプールエリアと重なり合わないプールエリアの混在する動作をサポートすることができる。例えば、プールエリアの重なり合う部分に入る移動端末は、マルチキャストユーザプレーンが別のプールエリアから提供されていることを検出することがあり、適切なアクションをトリガーする。移動に起因して、移動端末が、現在のプールエリアのうちの重なり合わない部分内に戻るならば、追加のアクションは要求されない。なぜなら、この場合、移動端末の現在のプールエリアからマルチキャストユーザプレーンが提供されているためである。移動に起因して、移動端末が、(現在のプールエリアとは)別のプールエリアの重なり合わない部分内に移動するならば、通常のハンドオーバー手順を行うことができる。最終的に、移動端末はその別のプールエリアにアタッチし、移動端末のその時点の位置においては、マルチキャストユーザプレーンはつねにそのプールエリアによって提供される。
上述したいくつかの実施形態は、移動端末から各コアネットワークエンティティへのシグナリングをベースとしている。しかしながら、このシグナリング交換では、シグナリングメッセージを移動端末から各コアネットワークエンティティ(すなわち、移動管理エンティティ)に伝送する目的で、移動端末と無線ネットワークとの間のアクティブな通信接続が要求される。アクティブモードにある移動端末の場合、この通信接続はすでに存在していることがある。しかしながら、アイドルモードにある移動端末の場合、通信接続が存在していないことがあり、最初に確立する必要がありうる。この必要な手順では、移動端末のリソース(例えば、バッテリ)と、(例えば、RRCシグナリングのための)無線リソースとが消費される。
本発明のさらなる実施形態によると、重なり合うプールエリア内の移動端末が、自身が現在アタッチされているトラッキングエリア/プールエリアとは異なるトラッキングエリア/プールエリアからマルチキャストユーザプレーンが提供されていることを検出すると、それら各移動端末は、自身の移動管理エンティティにおけるサービス登録の更新をトリガーすることができる。しかしながら、別のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおけるこの登録が要求されるのは、1つの移動管理エンティティにおいて一回のみ(例えば、最初にトリガーされるとき)である。なぜなら、ユーザプレーンエンティティにおける登録は移動端末ごとには行われないためである。以降のトリガーメッセージは無視されるが、上述したように、乏しいリソースが依然として消費される。
この欠点を克服する目的で、本発明の別の実施形態においては、リソース利用が向上する改良手順を提案する。上述したように、サービス登録の更新をトリガーするシグナリングメッセージを移動端末から移動管理エンティティに送信する(例えば、図6のステップ602における通知を参照)ためには、移動端末と無線ネットワーク(例えば、アクセスノード)との間のアクティブな通信接続が要求される。したがって、トリガーメッセージを受信した移動管理エンティティは、移動端末が接続されているアクセスノードを判定することができる。言い換えれば、移動管理エンティティは、どのアクセスノードがマルチキャストサービスを提供する(しかし、別のプールエリアまでのマルチキャストユーザプレーンを確立している)かを認識している。
少なくとも1つの移動端末が、特定のアクセスノードからサービス登録の更新をトリガーした場合、移動管理エンティティは、別のプールエリア内のユーザプレーンエンティティにおいて正常に登録した後、そのアクセスノードに情報を知らせることができる。アクセスノードは、この情報を、マルチキャストサービスのためのブロードキャストされるシステム情報に含めることができる。したがって、アクセスノードによってブロードキャストされる拡張されたマルチキャストサービス情報を使用することにより、マルチキャストユーザプレーンを提供するトラッキングエリア/プールエリアについて、および、サービスを提供するそのトラッキングエリア/プールエリアにおいて登録している別のトラッキングエリア/プールエリアを、移動端末に知らせることができる。したがって、別の移動端末は、たとえアイドルモードにあっても、サービス登録がすでに更新されており、追加のトリガーメッセージを送る必要がないことを検出することができ、結果として、移動端末のリソースおよび無線リソースが節約される。
図9に示した例示的な実施形態によると、移動端末UE#2は、プールエリア#1およびプールエリア#2に割り当てられているアクセスノード(eNodeB#2)を介してプールエリア#2にアタッチし(901)、そのアクセスノードによって提供されるマルチキャストサービスに関する情報を含んでいるシステム情報を受信する(902)。アクセスノードeNodeB#2のサービスエリア内で提供される各サービスのマルチキャストサービス情報は、マルチキャストユーザプレーンを提供するトラッキングエリア/プールエリアに関する情報と、サービスを提供するそのトラッキングエリア/プールエリアにおいて登録している別のトラッキングエリア/プールエリアとを、含んでいることができる。マルチキャストサービスに関するこの情報に基づいて、移動ノードは、サービス登録の更新が必要であるかを、例えば、図12に示した方法を利用することによって、決定する(903)ことができる。
図12は、本発明の例示的な一実施形態による、サービス登録の更新をトリガーするタイミングを検出する目的で移動端末において実行される手順を示している。図7と同様に、例示を目的として、トラッキングエリアがプールエリアに対応しているものと想定する。この手順は、アイドルモードおよびアクティブモードいずれの移動端末にも適用することができる。
この場合も、パラメータservice_TAは、サービスの提供元として予測されるトラッキングエリア/プールエリアを表す。最初、このservice_TAを、現在アタッチされているトラッキングエリア/プールエリア(attached_TA)に設定する(1201)。移動端末は、自身がアタッチされているアクセスノードからマルチキャストサービス情報を受信したかを絶え間なく判定することができる(1202)。received_TAおよびregistered_TAは、ブロードキャストされるマルチキャストサービス情報から解読することができる。received_TAは、送信側アクセスノードがマルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立した先のトラッキングエリア/プールエリアを示している。さらに、registered_TAは、送信側アクセスノードがマルチキャストサービスのためのユーザプレーンを確立した先のトラッキングエリア/プールエリア内のユーザプレーンエンティティにおいて登録した移動管理エンティティのトラッキングエリアを示している。service_TAが、received_TAに等しい、またはregistered_TAに含まれているかを判定する(1203)ことによって、移動端末は、サービス登録の更新が必要であるか否かを検出することができる。service_TAが、受信されたパラメータの一方に合致する場合、更新は必要ない。そうでない場合、移動端末は、自身の移動管理エンティティにおけるサービス登録の更新をトリガーする(1204)ことができ、パラメータservice_TAをreceived_TAに設定する(1205)ことができる。一般的には、マルチキャストサービスの提供は、移動端末の現在アタッチされているトラッキングエリア/プールエリアからであることが予測される。移動端末は、そうではないことを検出した場合にこの手順を適用する。この手順は、マルチキャストサービスの受信の開始から終了まで続行することができ、トラッキングエリア更新手順が含まれる、別の管理エリアへの各ハンドオーバー後に、再び開始することができる。
図9に戻り、移動端末は、ステップ903における評価に応じて、自身の移動管理エンティティM−MME#20におけるサービス登録の更新をトリガーする(904)ことができる。移動管理エンティティM−MME#20は、移動端末UE#2からの通知に応えて、ユーザプレーンエンティティM−UPE#1に登録を送る(905)ことができる。ステップ904における通知は、登録が要求される対象のマルチキャストサービス(マルチキャストサービス識別子)を示すことができ、さらに、マルチキャストサービスのためのマルチキャストユーザプレーンが確立されている先のプールエリア、またはユーザプレーンエンティティM−UPE#1の識別子(例えば、IPアドレス)のいずれかを示すことができる。プールエリアが示される場合、移動管理エンティティM−MME#20は、その情報からユーザプレーンエンティティM−UPE#1の識別子を解決することができる。プールエリア#1内のユーザプレーンエンティティM−UPE#1において正常に登録された後、プールエリア#2内の移動管理エンティティM−MME#20は、アクセスノードeNodeB#2に登録を知らせる(906)ことができる。このアクセスノードは、マルチキャストサービス情報(例えば、プールエリア#1によって提供されるサービス、プールエリア#1において登録されているプールエリア#2)を更新する(907)ことができ、更新した情報を、ブロードキャストするシステム情報に含めることができる。以降、更新されたシステム情報を読み取る(908)移動端末は、サービス登録の更新がすでに行われていることを導くことができ、追加のトリガーメッセージを送らない。
本明細書に説明した実施形態のいくつかは、特に、アイドルモードにある移動端末に焦点を当てている。当然ながら、アクティブモードにある移動端末も、マルチキャストサービスの進行中に、重なり合うプールエリア内のアクセスノードにハンドオーバーすることがある。移動端末がアタッチしているプールエリアとは別のプールエリアからマルチキャストユーザプレーンが提供されている場合、すでに上述した状況に類似する状況が起こる。
アイドルモードにある移動端末とは異なり、アクティブモードにある移動端末は、一般にはアクセスノードによって認識することができる。なぜなら、アクティブモードにある移動端末は、ネットワークとのアクティブな通信接続を維持しているためである。移動端末に関するこの情報は、移動端末の現在のプールエリアに関する情報をさらに備えていることができ、この情報は、例えば、アクセスノードにおける移動端末コンテキスト情報に格納することができる。例えば、セルラー環境においては、一般には、アクティブモードにある移動端末のハンドオーバーは、無線ネットワークが制御する。この場合、移動端末が現在接続されているアクセスノードを移動元ノードと称し、移動端末がハンドオーバーするべき先のアクセスノードを移動先アクセスノードと称する。
本発明の別の実施形態によると、ハンドオーバーが実行された後、移動先アクセスノードは、移動を処理する各コアネットワークエンティティ(例えば、移動管理エンティティ)に、移動端末の新しい位置についてこれらに知らせる目的で、通知(例えば、HO完了メッセージ)を送ることができる。移動先アクセスノードは、移動端末に関する、格納されているコンテキスト情報を使用して、マルチキャストサービスを提供しているプールエリアが、移動端末のプールエリアとは異なるかを検出することができる。この場合、移動先アクセスノードは、マルチキャストサービスのための選択されているユーザプレーンエンティティと、そのユーザプレーンエンティティのトラッキングエリア/プールエリアとに関する情報を、移動管理エンティティへのHO完了メッセージに追加することができる。この追加の情報によって、異なるプールエリア内のユーザプレーンエンティティにおいてサービス登録を更新するように、移動管理エンティティをトリガーすることができる。
実際のハンドオーバーが実行される、すなわち、移動端末が移動先アクセスノードに接続する前に、移動元ノードと移動先ノードとの間で、いくつかの情報(例えば、HO要求メッセージ)を交換することができる。この情報は、現在要求されている(1つまたは複数の)(マルチキャスト)サービスを、移動先アクセスノードのサービスエリア内でさらに提供できるかを移動先アクセスノードが評価できるようにする目的で、それらの(1つまたは複数の)サービスについての情報をさらに備えていることができる。移動先アクセスノードは、自身のサービスエリア内で提供されているマルチキャストサービスについてと、それらサービスの各ユーザプレーン構成・設定とを認識している。したがって、移動先アクセスノードは、ハンドオーバー時に移動端末によって受信されることが示されているマルチキャストサービスについて移動管理エンティティにおけるサービス登録の更新をトリガーする必要があるか否かを、HO要求を受信した時点ですでに判定することが可能である。
いずれの場合にも、移動管理エンティティにおけるサービス登録の更新をトリガーする必要なメッセージは、アクティブモード移動に要求されるシグナリングメッセージに統合することができる。したがって、上述したソリューションと改良形態の組合せにおいては、アイドルモードの移動端末が本手順をトリガーする必要がないようにすることができ、これにより、移動端末のリソースおよびネットワークリソースの良好な利用につながる。
図10は、本発明の例示的な実施形態による、移動端末のハンドオーバー時に移動先アクセスノードによってマルチキャストサービスの登録をトリガーする状況を示している。この例においては、プールエリア#2にアタッチされている移動端末UE#2は、移動元アクセスノードeNodeB#3から、重なり合うプールエリア内の移動先アクセスノードeNodeB#2にハンドオーバーするとき、アクティブモードにあると想定する。前述したように、ハンドオーバー手順時の、移動元アクセスノードと移動先アクセスノードとの間のシグナリング1001において、移動元アクセスノードは、移動端末UE#2の(1つまたは複数の)サービスに関するサービス情報を、例えば、UEコンテキスト情報の伝送の一部として、移動先アクセスノードに提供する。このサービス情報は、移動端末によって受信されるマルチキャストサービスと、そのユーザプレーン構成・設定(ユーザプレーンのプールエリアを含む)も識別する。移動先アクセスノードは、マルチキャストサービスに関する自身のコンテキスト情報(例えば、移動先アクセスノードのサービスエリア内でのマルチキャストサービスのマルチキャストユーザプレーン構成・設定を含む)をチェックすることができる。移動先アクセスノードのコンテキストにおけるユーザプレーン構成・設定と、移動元アクセスノードから受信される、マルチキャストサービスのユーザプレーン構成・設定とが一致しない場合、移動先アクセスノードは、プールエリア#2の移動管理エンティティM−MME#20におけるサービス登録の更新をトリガーする(1002)ことができる。あるいは、移動先アクセスノードは、移動端末の現在のプールエリア(伝送されるUEコンテキスト情報において示すことができる)と、マルチキャストサービスを提供しているプールエリア(マルチキャストサービスに関する、格納されているコンテキスト情報から導くことができる)とを比較することができる。移動端末の現在のプールエリアが、マルチキャストサービスを提供しているプールエリアに一致しない場合、移動先アクセスノードは、プールエリア#2の移動管理エンティティM−MME#20におけるサービス登録の更新をトリガーする(1002)ことができる。
通知に従って、移動管理エンティティM−MME#20は、通知に含まれているプールエリア情報からユーザプレーンエンティティM−UPE#1の識別子を解決した後、あるいは、移動先アクセスノードからの通知(ステップ1002)に含まれているユーザプレーンエンティティM−UPE#1の識別子に基づいて、マルチキャストサービスについてプールエリア#1のユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録する(1003)ことができる。
上述した実施形態のほとんどは、進行中のマルチキャストサービスに関連する。言い換えれば、これらの手順は、サービスがすでに開始されているときに行われる。しかしながら、いくつかの状況においては、サービス開始の段階においてすでにサービス登録を更新することが可能である。これに該当するケースとして、重なり合うプールエリア内の同じアクセスノードに複数の移動端末が接続されているが、これらの移動端末が、異なるプールエリア内の移動管理エンティティにおいて同じマルチキャストサービスをアクティブ化するときである。
すでに上述したように、この場合、重なり合うプールエリア内のアクセスノードは、複数の異なるプールエリアから、同じサービスのための複数のセッション開始メッセージを受信する。アクセスノードは、1つを選択し、選択したセッション開始メッセージに対してACKを送り、それ以外のセッション開始メッセージにNACKを送る。明らかに、マルチキャストセッション開始メッセージの拒否を受信した(または知らされた)移動管理エンティティは、後のサービス送信時に、サービス登録の更新を実行することが要求される可能性がある。したがって、本発明の別の実施形態によると、拒否メッセージを受信した(または知らされた)ときに、登録の更新を実行することが有利であり得る。
図11は、本発明の例示的な実施形態による、移動管理エンティティを、その移動管理エンティティのプールエリア以外のプールエリアのユーザプレーンエンティティにおいて登録する手順を示している。第1のステップにおいて、プールエリア#2の移動管理エンティティM−MME#20が、プールエリア#1およびプールエリア#2の重なり合う部分内のアクセスノードeNodeB#2に、マルチキャストサービスのためのユーザプレーン確立要求を送信する(1101)。いま、このアクセスノードが、サービスのためのマルチキャストユーザプレーンをプールエリア#1のユーザプレーンエンティティまで確立することを決定したと想定すると、このアクセスノードは、選択されたユーザプレーンエンティティもしくはそのトラッキングエリア/プールエリア、またはその両方に関する情報を含んでいるNACKメッセージによって、応答する(1102)ことができる。移動管理エンティティM−MME#20は、このNACKメッセージを受信することにより、異なるプールエリア内のユーザプレーンエンティティM−UPE#1において登録する(1103)ようにトリガーされる。
上述したさまざまな実施形態の組合せにおいては、重なり合うエリア内のアクセスノードは、マルチキャストサービスのための拡張されたシステム情報を瞬時にブロードキャストすることができ、このシステム情報は、マルチキャストユーザプレーンを提供する選択されたユーザプレーンエンティティおよびそのプールエリアと、そこに登録されている別のトラッキングエリア/プールエリアとに関する情報を備えている。これにより、アイドルモードの移動端末が、進行中のサービス中にサービス登録の更新をトリガーする必要がないようにすることができ、これにより、移動端末のリソースおよびネットワークリソースの良好な利用につながる。
本明細書に説明した例示的な実施形態は、主として、特定のプロトコルを使用するセルラー移動ネットワークアーキテクチャ(例えば、3GPPにおいて標準化されているSAE/LTEシステム)に焦点を当ててきた。したがって、移動管理エンティティは、例えば、3GPPベースのSAE/LTEシステムのMMEに相当し、ユーザプレーンエンティティは、マルチキャストサービス(例えば、MBMSサービス)のためのユーザプレーンを提供するUPEとすることができる。当然ながら、UPEは、1つのマルチキャストサービスを担当するのみならず、例えば、いくつかのマルチキャストサービス、その他の専用サービス、ブロードキャストサービスのうちの1つ以上のためのユーザプレーンを提供することもできる。同様に、アクセスノードは、例えば、3GPPベースのSAE/LTEシステムにおけるeNodeBとすることができる。
しかしながら、上のさまざまな実施形態において説明した本発明の側面は、IETF(Internet Engineering Task Force)において標準化されているアーキテクチャおよびプロトコルを利用する別の移動通信ネットワークにも適用することができる。
具体的には、本発明は、RFC 3344, "Mobility Support for IPv4"(http://www.ietf.orgにおいて入手可能であり、この参照をもってその内容を本願に繰り入れるものとする)において標準化されているIP Mobility Support for IPv4(MIPv4)を使用するシステムに関連している。このRFCでは、ユーザの移動を可能にするため、IPv4ベースのネットワークにいくつかの機能エンティティが導入されている。1つは、移動ノード(MN)であり、これは、自身のアタッチポイントを1つのネットワークまたはサブネットワークから別のネットワークまたはサブネットワークに変更するホストまたはルータである。MIPv4に固有な別のエンティティは、ホームエージェント(HA)であり、これは、移動ノードのホームネットワーク上のルータと考えることができ、移動ノードがホームから離れているときに移動ノードに配信するデータグラムをトンネル化し、移動ノードのための現在の位置情報を維持する。さらには、MIPv4には外部エージェント(FA)が導入されており、これは、移動ノードの異動先ネットワーク上のルータであり、登録されている間、移動ノードへのルーティングサービスを提供する。
本発明のさまざまな実施形態に関連して上述したコンセプトにおいては、ホームエージェントは、3GPPベースのSAE/LTEシステムのコアネットワークエンティティに類似する機能を提供するものと考えることができる。したがって、一実施形態においては、移動管理エンティティおよびユーザプレーンエンティティは、ホームエージェントに相当するものと考えることができる。したがって、本発明の一実施形態においては、第1のネットワークにおける移動端末のホームエージェントが、マルチキャストサービスについて別のネットワークの別のホームエージェントにおいて登録することができることを予測する。同様に、プールエリアまたはトラッキングエリアは、それぞれ、ホームエージェントまたは外部エージェントによって処理担当されるネットワーク(ネットワーク内において定義されているIPv4アドレスの所定の接頭辞によって識別される)に類似する。明らかに、1つのプールエリア/トラッキングエリア内に、1つまたは複数のホームエージェントと、1つまたは複数の外部エージェントとが存在することができる。
さらに、外部エージェントは、本明細書に説明したさまざまな実施形態におけるアクセスノードの機能に対応する機能を有するものと考えることができる。MIPv4においては、気付アドレス(CoA)は、移動ノードがホームから離れているときに移動ノードに転送されるデータグラムのための、移動ノードの方へのトンネルの終点を表す。MIPv4プロトコルは、2つの異なるタイプの気付アドレスを使用できるが、本発明に関連するタイプは、外部エージェントのアドレス(このアドレスによって移動ノードが登録される)を使用する「外部エージェント気付アドレス」である。
本発明の別の実施形態によると、例示を目的として、以下のシナリオを考えることができる。2つ以上の移動ノードが同じマルチキャストサービスを要求する、例えば、そのマルチキャストサービスを提供する同じサーバに、移動ノードのホームアドレスを登録する。さらに、すべての移動ノードが、同じ(外部)ネットワークにアタッチされており、同じ外部エージェントを使用しているものと想定する。しかしながら、少なくとも2つの移動ノードが、異なるホームネットワークを有する(すなわち、異なるホームエージェントによって処理担当されている)。
このシナリオにおいては、各ホームエージェントが、同じマルチキャストサービスを外部エージェントまでトンネル化する。したがって、外部エージェントは、同じサービスデータを複数の異なるトンネルを介して複数回受信する。外部エージェントは、複数の異なるホームエージェントから受信したサービスデータを比較することができるため、同じサービスを検出することができる。明らかに、データが必要であるのは一回のみであり、外部ネットワークにおいてデータを複製して、各移動ノードに送信することができる。これにより、外部エージェントとホームエージェントとの間のネットワークにおけるリソースを節約することができる。したがって、最適化方策として、外部エージェントが、ホームエージェントのうちの1つまでのただ1つのトンネルを使用し、それ以外のトンネルを終了させる。
残っているトンネルが関連付けられている移動ノードがサービスを離脱する場合(例えば、移動ノードにおいてサービスの受信が終了する、あるいは移動ノードが別のネットワークに移動することによる)、外部エージェントとホームエージェントとの間のトンネルが終了する。この結果として、同じマルチキャストサービスをアクティブ化した別の移動ノードにおいてサービスが失われる。この問題を克服する目的で、本発明の一実施形態では、マルチキャストサービスのための上述した最適化を適用する外部エージェントが、選択されたトンネルと、選択されたホームエージェントとに関する情報を、例えば、この情報を自身のエージェント広告(agent advertisement)に含めることによって、接続されている移動ノードに示すことができることを提案する。移動ノードは、この指示情報を受信した場合、自身のホームエージェントをトリガーして、他方のホームエージェントに通知または登録させることができる。このようにして、たとえ移動ノードがもはや存在していない場合にもそのトンネルを維持することができ、それ以外の移動ノードにおけるサービス継続性が達成される。
本明細書に説明したほとんどの実施形態においては、プールエリアおよびトラッキングエリアという用語を頻繁に使用している。これに関連して、一般に、移動通信システムでは、通常ではアクティブおよびアイドルと称される、移動端末の異なる状態がサポートされることにさらに留意されたい。アクティブ状態においては、移動端末は、ネットワークとのアクティブな通信チャネルを維持しており、データを受信および送信することができる。しかしながら、これらの通信チャネルを維持するには、たとえ移動端末がデータを受信または送信しない場合にも、通常、乏しいバッテリリソースを多量に消費する。このような場合における移動端末からのバッテリ電力の不必要な流出を回避する目的で、移動端末は、アイドル状態に遷移することができる。この状態においては、移動端末は、一般には移動ネットワークに依然として登録されているが、通信チャネルをアクティブには維持しない。データを送信または受信するためには、移動端末は、最初にアクティブ状態に遷移しなければならない。アイドル状態においては、アクティブ状態とは異なり、端末の位置が一義的に認識されていないことがある。したがって、ネットワークは、移動端末に送信する何らかのデータを受信した場合、最初に移動端末の位置を認識し、アクティブ状態に遷移するように移動端末に命令しなければならない。この手順を一般にはページングと称する。
当然ながら、移動端末がアイドル状態であるときに移動することもあり得る。ネットワークは端末の位置を認識していないため、最悪の場合、ネットワーク全体においてページングを実行しなければならない。このシグナリング処理を制限する目的で、一般に、通信ネットワークは、いくつかの管理エリア(しばしばトラッキングエリア(TA)と称する)を構成・設定する。アイドル状態にある移動端末は、このトラッキングエリアレベルにおいて認識されている。このようなエリアの外に移動端末が移動する場合、移動端末は、例えばトラッキングエリア更新手順を使用して、そのことをネットワークに通知する。
3GPP SAE/LTEシステムにおいては、プールエリア内のトラッキングエリア間、およびプールエリア間での移動端末のローミング活動を制御するエンティティは、移動管理エンティティである。さらに、1つの移動管理エンティティプールには、特定の地理的エリアにおけるトラッキングエリアIDと、そのトラッキングエリア内のセルとの間のマッピング情報が要求されるものと予測される。言い換えれば、プールエリアは、1つまたは複数のトラッキングエリアを備えていることができるが、移動管理エンティティは、どのトラッキングエリアが自身のプールエリアに属しているかを認識することができる。したがって、移動管理エンティティは、マルチキャストサービスが別のプールエリアにおいて提供されているかを、トラッキングエリア情報から導くことができる。
したがって、本発明の別の実施形態においては、移動管理エンティティにプールエリアが知らされている場合における手順のすべてにおいては、特定のトラッキングエリアに関する情報を利用することもできる。なぜなら、この情報は、移動管理エンティティが別のプールエリア内のネットワークエンティティ(例えば、マルチキャストサービスのためのユーザプレーンエンティティ)を識別するうえで十分な情報であるためである。したがって、これらの手順においては、プールエリアに関する情報の代わりに、トラッキングエリアに関する情報を移動管理エンティティに提供することができる。
本発明の別の実施形態は、上述したさまざまな実施形態を、ハードウェアおよびソフトウェアを使用して実施することに関する。本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行できることが認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブルロジックデバイスとすることができる。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行あるいは具体化することもできる。
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、ソフトウェアモジュールによって実施することもでき、これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行される、あるいはハードウェアにおいて直接実行される。さらに、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納することができる。
さらに、本発明のさまざまな実施形態の個々の特徴は、個別に、または任意の組合せにおいて、別の発明の主題とすることができることに留意されたい。
本発明には、具体的な実施形態に示したように、広義に記載されている本発明の概念または範囲から逸脱することなく、膨大なバリエーションもしくは変更形態を創案できることが、当業者には理解されるであろう。したがって、これらの実施形態は、あらゆる点において例示的なものであり、本発明を制限するものではないことを認識されたい。