JP2010504825A - 表面処理組成物を用いた歯科器具を製造する方法 - Google Patents

表面処理組成物を用いた歯科器具を製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は包括的に、歯科器具及び歯科補綴物、特に義歯を製造する方法に関する。当該方法には重合性歯科用組成物が用いられる。重合性歯科用組成物は、重合性アクリル系化合物と、光又は熱によって活性化することができる、組成物を重合させる重合開始系と、ワックス材料を少なくとも部分的に溶解することができる溶媒とを含む。好ましくは、ヘプタン溶媒と酢酸メチル溶媒との混合物が用いられる。組成物は、ワックス残渣を効果的に除去し且つその後塗布される材料に対する義歯ベースプレートの結合強度を改善することができる。

Description

本発明は包括的に、歯科器具及び歯科補綴物、特に義歯を製造する方法に関する。義歯ベースプレートの表面を処理する際に、重合性アクリル系化合物と、重合系と、溶媒とを含有する組成物を使用する。この処理は、ベースプレートから残渣を効果的に除去すること、及びその後塗布される材料に対するベースプレートの結合強度を改善することをもたらす。
歯科器具としては、例えば、総義歯、着脱可能な部分用義歯、総義歯及び部分用義歯のリライン、ナイトガード、及び咬合スプリント等の多くの機器が挙げられる。多くの従来の義歯は、アクリル系化合物(acrylic)ベースに一組の人工歯を埋め込んだものから成る。
義歯を製造する一方法では、加工ベースプレートを初めに準備する。この技法の後、歯科医はまず患者の歯の解剖学的構造の印象をとる。アルギン酸塩等のペースト状材料を、標準印象トレイ又はカスタムメイド印象トレイに入れる。歯科医が患者の口腔内にトレイに挿入し、患者がトレイを咬む。上顎歯列弓及び下顎歯列弓用に別個の印象トレイを用いる。歯科医はトレイを患者の口腔から取り出し、それらを放置して固化させる。次に固化した印象を歯科技工所に送る。そこで、歯科技工士が、固化した印象に歯科用プラスターを注入することによって上顎弓及び下顎弓のキャスト(模型)を調製する。得られるプラスター模型は、患者の上顎弓及び下顎弓を厳密に表した成形表面を有する。離型剤、例えば、Alcote(登録商標)(Dentsply Internationalから入手可能)の薄い平滑なコーティングを各歯科模型に塗布し、この模型をコンディショニングオーブン(conditioning oven)に入れる。
加温模型から重合性材料の鋳型を作ることによって上顎義歯ベースプレート及び下顎義歯ベースプレートをそれぞれ作製する。重合性樹脂を塗布し、模型表面を完璧に被覆する。エアバリアコーティングの薄層を樹脂コート模型の表面に塗布して、最適な硬化を保証してもよい。樹脂コート模型をそれぞれ光硬化ユニットに入れ、光を照射することによって、樹脂を固化させる。光硬化サイクルを完了させた後、固化したベースプレートを支持する各模型をユニットから取り出し、冷却させる。その後、硬化したベースプレートを各模型から外す。次に歯科技工士はワックス咬合リムをベースプレート上に取り付ける。このワックスリムベースプレートは歯科医に戻され、患者の口腔における嵌合について評価され得る。その後、咬合調整が完了したら、ワックスリムを外す。
一方法において、ワックス義歯は加工ベースプレート上に造られる。上顎義歯を製造する方法に関して、加工ベースプレートにワックスを添加して、一組の人工歯をワックスに位置付ける。
この従来方法に続き、2つの部品を有する歯科用フラスコが選択及び準備される。完全な歯配置を有する加工ベースプレートを、好適なインベストメント用媒体を含有するフラスコ内に置く。その後、このフラスコを加熱してワックスを排除する。ワックスが溶融したら、ワックスをフラスコから流出させる。一般的に、この工程を用いてワックスの大部分を溶融してフラスコから除去する。ワックスをフラスコ内部から除去することにより、義歯形状を有する内部窩洞が残る。ベースプレートには如何なるワックス残渣も実質的に存在しないことが重要である。通常、残るワックスを除去するために、加工ベースプレートの表面を研磨する必要がある。この処理により、以下でさらに記載するように、ベースプレートをその後塗布されるアクリル樹脂と結合させることが可能である。しかしながら、ベースプレートがフラスコ内のインベストメントに用いられる歯科用石膏(invested dental stone)中に固定されているため、ベースプレートの研磨は困難なことがある。このため、ワックス残渣をベースプレート表面から実質的に除去するために、ベースプレートを沸騰水で洗浄することが多い。次の工程では、重合性アクリル系組成物をフラスコの内部窩洞に「充填」("packed into" into)する。アクリル系組成物を加熱することによって、歯及びベースプレートに結合する。このアクリル系組成物が硬化して硬くなる場合、人工歯は適切な位置に保持される。言い換えれば、アクリル系組成物は、一時的なワックス層に代わるものであり、最終的な義歯に組み込まれる。
従来技術の方法を用いて義歯を製造することによる1つの欠点は、ベースプレートに対するアクリル系組成物の結合に関する。硬化したアクリル系ベースプレートの表面は、ワックス及び他の不純物が存在しないことが求められる。硬化したベースプレート表面とアクリル系層との間に清浄な界面が存在すれば、比較的強力且つ耐久性のある結合をベースプレートとアクリル系化合物との間に形成することができる。従来方法で為されているようにベースプレートを沸騰水で洗浄することは、比較的軟質のベースプレートワックスを除去するには幾らか効果的であると考えられる。しかしながら、洗浄工程を数回繰り返したとしても、残渣ワックスは幾らかベースプレート表面に残るおそれがある。
義歯を製造するのに用いられる従来技術の一方法は、Bedard他の特許文献1に記載されている。この方法では、軟質層と硬質の補強層とを備える積層ブランクが提供されている。このブランクは加熱すると、成形可能となり、その後研究用キャストにより接触成形される。成形された積層体のバリを除き、「試適」ベースプレートを形成する。人工歯を担持する一時的なワックスプレートを試適ベースプレート上に形成する。このベースプレートを患者の口腔内で試験し、任意の必要な調整を行った後、ベースプレートを歯科用フラスコに入れる。埋没プロセスにおいて、ワックス層を加熱して流出させる。ワックス層の代わりに重合性層で置き換える。特許文献1は、フラスコの内部空間に洗剤又は洗浄製剤を導入して完全にワックスを除去することを記載している。
別法では、Stange他の特許文献2が、絶縁フィルムを用いた義歯等の歯科補綴物を製造する方法を開示している。患者の歯の解剖学的構造の作業模型を初めに構築し、ベースプレートをこの作業模型に取り付ける。次に、多官能性ウレタンメタクリレート/アクリレート樹脂を含む高分子組成物をベースプレートに塗布し、その後固化させる。ワックス中に歯印象が得られるように絶縁フィルムをベースプレートに取り付ける。歯科用インベストメント材を使用して歯のフレームワークを形成する。熱い沸騰水をインベストメント材に添加することによりワックス材料を煮沸除去し、絶縁フィルムを外す。ワックスを除去することによって作られる中空空間を高分子材料で充填し、続いてこれを固化して義歯完成品を形成する。
米国特許第6,077,075号明細書 米国特許第6,881,360号明細書
上記の特許に記載されているように、歯科用フラスコの内部から煮沸除去することは、ワックスを加工ベースプレートから除去するのに用いられる1つの方法である。しかしながら、沸騰水を繰り返しフラスコに導入したとしても、ワックス残渣が幾らかベースプレート上に残るおそれがある。義歯又は他の歯科器具を製造する工程としてワックス残渣を効果的に除去し且つベースプレートの表面を処理することができる組成物に対する要求が存在している。本発明は、このような歯科用組成物を提供する。本発明はまた、かかるワックス除去及び表面処理組成物を用いて歯科器具を製造する方法を提供する。本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び利点は以下の説明及び例示される実施形態から明らかである。
本発明は、歯科器具及び歯科補綴物、特に義歯を製造する方法に関する。一実施の形態において、外表面を有するベースプレートを準備する。一時的なワックス層をベースプレート表面上に成形し、一組の人工歯をワックス層中に加圧することにより試適ベースプレートを形成する。歯科医は、ベースプレートを患者の口腔に入れて嵌合(fit:フィット)についてベースプレートを評価する。ベースプレートを取り出した後、それを熱処理してワックス層を実質的に除去する。その後、第1の重合性アクリル系歯科用組成物をベースプレートに塗布することにより、組成物をそこに少なくとも部分的に拡散させることができる。第2のアクリル系組成物を引き続きベースプレートに塗布する。最終的に、第1の重合性樹脂及び第2の重合性樹脂、ベースプレート、及び一組の人工歯を共に結合させ、アクリル樹脂を硬化して歯科器具を形成する。
第1のアクリル系組成物は、重合性アクリル系化合物と、光又は熱によって活性化することができる、組成物を重合させる重合開始系と、ワックス材料を少なくとも部分的に溶解することができる溶媒とを含む。好ましくは、ヘプタン溶媒と酢酸メチル溶媒との混合物が用いられる。この組成物は、ワックス残渣を効果的に除去し且つ義歯ベースプレートの結合強度を改善することができる。
第2の実施の形態では、上記方法が、ワックス咬合リム(wax occlusal rims:咬合用の蝋堤)が取り付けられているベースプレートを準備することを伴う。歯科医は、ベースプレートを患者の口腔に入れて嵌合についてベースプレートを評価する。このワックスリムはその後取り外され廃棄される。次に、第1の重合性アクリル系歯科用組成物をベースプレートの表面に塗布することにより、組成物は残るワックス材料を全てベースプレートから除去することができる。第2のアクリル系組成物を後でベースプレートに被覆層として塗布し、一組の人工歯をこの被覆層に加圧する。冷却したら、被覆層は好適な未硬化の層を形成する。その後、第1のアクリル系組成物及び第2のアクリル系組成物を重合し固化して、硬化歯科器具を形成する。
本発明のワックス除去/表面処理組成物で処理した義歯ベースプレートの詳細画像である。 本発明のワックス除去/表面処理組成物で処理していない比較用義歯ベースプレートの詳細画像である。
本発明は、重合性歯科用組成物を使用して義歯及び他の歯科器具の作製中にワックス残渣を除去し且つベースプレートの表面を処理する方法に関する。
本発明に従って用いられる重合性歯科用組成物は、重合性アクリル系化合物と、光又は熱によって活性化することができる、組成物を重合させる重合開始系と、ベースプレートの表面に少なくとも部分的に拡散することができる溶媒とを含む。この組成物は以下の成分を用いて調製することができる。
重合性アクリル系化合物
本発明の組成物に用いられ得る重合性アクリル系化合物としては、モノアクリレート、ジアクリレート又はポリアクリレート及びメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート(hexacrylate)、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン;2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA);2,2−ビス[4−(アクリロイルオキシ−エトキシ)フェニル]プロパン;2,2−ビス[4−(メタクリロイルオキシ−エトキシ)フェニル]プロパン(又は、エトキシル化ビスフェノールA−ジメタクリレート)(EBPADMA);ウレタンジ(メタ)アクリレート(UDMA)、ジウレタンジメタクリレート(DUDMA)、4,13−ジオキソ−3,14ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオールジアクリレート;4,13−ジオキソ−3,14ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオールジメタクリレート;トリメチル1,6−ジイソシアナトヘキサンとビスフェノールAプロポキシレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの反応生成物(TBDMA);1,6ジイソシアナトヘキサンと水で変性された2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの反応生成物(HDIDMA); 1,6ジイソシアナトヘキサンと水で変性された2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物(HDIDA);ポリウレタンジメタクリレート(PUDMA);アルコキシル化ペンタエリスリトール(pentacrythritol)テトラアクリレート;ポリカーボネートジメタクリレート(PCDMA);ポリエチレングリコールのビス−アクリレート及びビス−メタクリレート;及びアクリル化モノマーとアクリル化オリゴマーとの共重合性混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
上記の重合性アクリル系化合物に加えて、組成物は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(pentacrylate)リン酸エステル(PENTA)等の酸性モノマー;ビス[2−(メタクリロキシルオキシ)−エチル]ホスフェート;及びスチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート及びジビニルフタレート等のビニル化合物を含有してもよい。希釈用重合性モノマーを組成物に添加してもよい。例えば、ヒドロキシアルキルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレート、及びトリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(TEGDMA)等のジオールメタクリレートを添加して粘度を下げ、組成物を塗布するのにより好適にすることができる。重合性アクリル系化合物を組成物中に単独で使用してもよく、又は化合物の混合物を使用してもよい。
溶媒
本発明の組成物はさらに、ベースプレートの表面に少なくとも部分的に拡散することができる溶媒を含有する。溶媒はまた、ワックス材料を少なくとも部分的に溶解することができる。好適な溶媒の例としては、アセトン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、メチルペンタン、ジメチルペンタン、トリメチルペンタン、メチルヘキサン、ジメチルヘキサン、メチルブタン、ジメチルブタン、トリメチルブタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ミネラルスピリット、酢酸エチル、酢酸プロピル、エーテル、塩化メチレン、クロロホルム、シクロヘキサノン、ヘプタン、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ヘプタン溶媒と酢酸メチル溶媒との混合物が用いられる。ヘプタンは「脱脂剤」として作用して、ベースプレート上に残るワックスを溶解する。酢酸メチルは、以下でさらに記載するように、硬化したベースプレート材料中に浸透することができる。
充填剤
天然であっても又は合成であってもよい無機充填剤等の従来の充填材料を組成物に添加することができる。このような材料としては、シリカ、二酸化チタン、酸化鉄、窒化ケイ素;カルシウム、鉛、リチウム、セリウム、スズ、ジルコニウム、ストロンチウム、バリウム及びアルミニウムをベースとするガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ストロンチウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸アルミニウムリチウム、カオリン、石英、及びタルク等のガラスが挙げられるが、これらに限定されない。シリカはシラン処理したヒュームドシリカの形態であることが好ましい。好ましいガラス充填剤は、シラン処理したバリウムホウ素アルミノシリケート及びシラン処理したフッ化バリウムホウ素アルミノシリケートである。ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチル/エチルメタクリレート)、架橋ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート及びポリエポキシド等の有機粒子も充填剤として用いることができる。
無機充填剤粒子をシラン化合物又は他のカップリング剤で表面処理して、粒子と樹脂マトリクスとの結合を改善することができる。好適なシラン化合物としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
重合系
光硬化性反応又は熱硬化性反応によって本発明の組成物の重合(固化)を開始する重合系は、本発明の組成物に用いることができる。一実施形態において、組成物を光硬化性にするために、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイン及びそれらの誘導体、又はα−ジケトン及びそれらの誘導体等の光活性化剤を組成物に添加する。好ましい光重合開始剤はカンファーキノン(CQ)である。光重合は、好ましくは約400nm〜約500nmの範囲の波長を有する青色可視光を組成物に照射することによって開始することができる。標準的な歯科用青色光硬化ユニットを用いて、組成物を照射することができる。カンファーキノン(CQ)化合物は、約400nm〜約500nmの最大吸光度を有し、この範囲の波長を有する光を照射するとフリーラジカルが生成され重合する。アシルホスフィンオキシドの種から選択される光開始剤を用いることもできる。これらの化合物としては、例えば、モノアシルホスフィンオキシド誘導体、ビスアシルホスフィンオキシド誘導体、及びトリアシルホスフィンオキシド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド(TPO)を光重合開始剤として用いることができる。一実施の形態において、カンファーキノン(CQ);ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);N,N−ジメチルアミノネオペンチルアクリレート、及びメタクリル酸を含む、「ALF」と呼ばれる材料を組成物中に使用することもできる。
別の実施の形態において、過酸化物等の熱活性化重合開始剤を添加して、組成物を熱硬化性にすることができる。過酸化物は、フリーラジカルを生成して高温で組成物の重合及び固化を開始することができる。過酸化ジベンゾイル(BPO)、ジ−p−クロロベンゾイルペルオキシド、ジ−2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、第三級ブチルペルオキシベンゾエート、メチルエチルケトンペルオキシド、ジターシャリーブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシド等の過酸化物を使用することができる。
光活性化剤及び熱活性化剤に加えて、組成物は、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ヒドロキノン;ヒドロキノンモノメチルエーテル;ベンゾキノン;クロラニル;フェノール;ブチルヒドロキシアナリン(BHT);第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ);及びトコフェロール(ビタミンE)等の光重合開始剤を含んでいてもよい。好ましくは、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を光重合開始剤として使用する。光重合開始剤は捕集剤として作用して、フリーラジカルを組成物中に捕捉し、組成物の貯蔵寿命を延ばす。
上記組成物を本発明に従って用いて、例えば、総義歯、着脱可能な部分用義歯、総義歯及び部分用義歯のリライン、ナイトガード、及び咬合スプリント等の歯科器具及び補綴物を作製することができる。組成物は、義歯を製造するのに特に好適である。義歯を製造する方法は、主に上顎義歯を製造する方法として以下に記載されている。しかしながら、本方法を用いて、上顎義歯及び下顎義歯の両方、並びに他の歯科器具を製造することができることを理解されたい。
本発明の方法の一実施形態において、初めに従来のアクリル樹脂及び技法を用いて義歯基材(ベースプレート)を調製する。本明細書中で使用される場合、用語「アクリル樹脂」とは、上記の少なくとも1つの重合性アクリル系化合物を含む樹脂状材料を意味する。義歯基材を作製するのに用いられるアクリル樹脂は、上記のワックス除去/表面処理組成物を調製するのに用いられる同じ重合性アクリル系化合物を含有していてもよい。代替的に、義歯基材用のアクリル樹脂は、異なる重合性アクリル系化合物を含有していてもよい。
第2の実施形態では、光硬化性重合性材料を用いて義歯ベースプレートを形成する。好ましい光硬化性樹脂は商品名Eclipse(登録商標)(Dentsply International, Inc. (York, PA)製)として入手可能であり、ベースプレートは、製造業者の指示書に従って調製することができる。代替的に、用語「ワックス様」重合性材料を使用してベースプレートを形成することができる。本明細書中で使用される場合、用語「ワックス様」とは、40℃より高温で流動可能(流動性)であり且つ少なくとも23℃以下の温度で寸法安定性になる(即ち、凝固して非流動性である)任意の材料を意味する。40℃〜100℃の範囲の温度を有する流動可能なワックス様材料は、0℃〜37℃の範囲の周囲温度に冷却してから5分以内に寸法安定性となる。ワックス様重合性材料としては、例えば、ウレタンプレオリゴマーとヒドロキシルアルキルメタクリレートとの反応によって調製されるメタクリレート(又はアクリレート)化合物が挙げられる。かかるワックス様重合性材料は、Sun他の米国特許第6,592,369号明細書、同第6,799,969号明細書、及び同第7,024,770号明細書(これらの開示は参照により本明細書中に援用される)に記載されている。ベースプレートを製造するさらに別の方法において、ナイロン又はポリカーボネート等の熱可塑性材料を成形及び整形してベースプレート構造体を形成する。
初めにベースプレートを調製した後、その外表面を粗削り用バーで粗面化する。この粗面化工程は、ベースプレートの厚みを減らし、その表面と後に塗布されるアクリル系組成物との機械的結合の改善を促す。歯科技工士はワックス咬合リムをベースプレート上に設置し、これを、患者の口腔内における嵌合及び快適性の評価のために歯科医に送る。歯科医は、適切なリップサポート(lip support:唇のふくらみの保持)及び咬合に関してワックスリムを調節することができる。その後、ベースプレートを歯科技工所に戻し、そこで、ワックスリムを取り外して廃棄する。
次に、技工士は、一時的なワックスセットアップ(set-up:硬化)樹脂をベースプレートの粗面化された外表面上に設ける。樹脂が柔らかい状態であるときに人工歯をワックス樹脂中に加圧する。ワックス樹脂は、天然の歯列を模倣するように形作られる。一時的なワックスと埋め込まれた歯とを供える義歯基材を歯科医に戻し、歯科医によって「試適」として患者の口腔内に設けることが出来る。ここで、歯科医は、患者の歯の解剖学的構造に従うワックス層及び埋め込まれた歯を供える「試適」義歯へと調節することを要求することが可能である。その後、試適義歯を歯科技工所に戻して、最終的な義歯を作製することができる。
試適義歯を、歯科用硬質石膏又は石膏を充填した従来の歯科用フラスコに入れる。歯科用フラスコは2つの部分、下半分及び上半分を有する。これらのフラスコ部品を互いに密接させ、フラスコを加熱して人工歯を保持するワックスを溶融させる。例えば、フラスコを沸騰水槽内で加熱することができる。溶融したら、ワックスをフラスコから流出させる。この工程は、「ワックスの煮沸除去」又は「ロストワックス」技法と呼ぶこともある。その後、フラスコ容器を開け、各フラスコ部分を作業台又は他の好適な支持体表面上に上向きに置く。このとき、フラスコの一部分には、歯科用硬質石膏に埋め込まれた一組の歯科義歯ベースプレートが収められ、フラスコの残りの部分には、歯科用硬質石膏に埋め込まれた人工歯が収められる。ベースプレートがフラスコの半分のいずれかの部分に位置する場合、沸騰水で何度か洗浄し、清浄なタオルを用いてベースプレートを拭き取り乾燥させる。
ベースプレートを沸騰水で洗浄した後、ベースプレートは依然として、除去を必要とする少量のワックス残渣を含有し得る。上記の本発明の組成物はワックス材料を除去するのに用いられる。この組成物は、第1の重合性アクリル系組成物と呼ぶことができ、ベースプレート上にブラッシングしなければならず、好ましくは、少なくとも3回から4回被覆層として塗布される。加えて、第1の重合性アクリル系組成物を、埋め込まれた人工歯に塗布して、歯表面からあらゆるワックス残渣を除去することができる。このようにベースプレート及び人工歯を処理することによって、アクリル系組成物をベースプレート及び歯の表面に部分的に拡散する。これにより、以下でさらに詳細に記載するように結合強度が高められたベースプレート及び歯がもたらされる。
アクリル系組成物の最終的な被覆層を塗布した直後に、(一組の人工歯が収められている)フラスコの上半分を(ベースプレートが収められている)下半分に被せるように閉じる。このフラスコは依然としてこの時点で比較的暖かく、典型的に約50℃〜約55℃の範囲の温度である。フラスコは、十分な時間、好ましくは10分〜15分閉じたままである。その後、フラスコを開け、上半分及び下半分を冷却する。
フラスコが完全に冷却した後、第2の重合性アクリル系組成物を、一組の人工歯が収められているフラスコの上半分に充填する。第2のアクリル系組成物は、第1のアクリル系組成物に用いられるものと異なる重合性アクリル系化合物を含んでいてもよい。代替的に、義歯基材用のアクリル樹脂が同じ重合性アクリル系化合物を含んでいてもよい。第2のアクリル系組成物は、上記の光硬化性開始剤及び熱活性化開始剤を含んでいてもよい重合系も含有する。代替的に、自己(化学)硬化性重合系を使用することができる。かかる自己硬化性系は通常2パートから成る。1つのパートは、第三級アミン等のフリーラジカル重合促進剤を含有し、他のパートは、過酸化物等の重合促進剤を含有する。これらのパートを共に混合し、アミンと過酸化物とを互いに反応させ、組成物の重合及び固化を開始させる。
第2のアクリル系組成物は、ワックス材料を溶解する如何なる溶媒も含有しない点で上記の第1のアクリル系組成物と異なる。また、このとき、(メチルメタクリレート)液体モノマーを塗布して、下半分に位置するベースプレートの表面を湿潤させることができる。その後、フラスコを閉じて、十分な時間加熱する(典型的には2時間の短期熱硬化又は9時間の長期熱硬化)。フラスコの上半分及び下半分を合わせて加圧するため、アクリル樹脂、ベースプレート及び一組の人工歯が共に結合する。第1の重合性アクリル系組成物及び第2の重合性アクリル系組成物を重合及び固化させることにより、人工歯を義歯ベースプレートに完全に取り付ける。最終的に、フラスコを開け、人工歯が埋め込まれている義歯器具完成品をフラスコから取り出す。最後に、従来の技法を用いて義歯器具に仕上げ処理及び研磨を行う。
上記のように、好ましい実施形態では、本発明の組成物(第1の重合性アクリル系組成物)が、溶媒(例えばヘプタン及び酢酸メチル)の混合物を含有している。ヘプタン溶媒は脱脂剤として作用し、ベースプレートの硬化表面及び人工歯表面上にあるワックスを溶解する。酢酸メチル溶媒は、ベースプレート及び人工歯の表面に作用し、重合性アクリル系化合物がベースプレート材料及び人工歯に浸透することができるようにする。言い換えれば、ヘプタン溶媒と酢酸メチル溶媒との混合物は、ベースプレート材料及び人工歯を攻撃し、重合性アクリル系化合物を、ベースプレート材料及び人工歯中に少なくとも部分的に拡散させる。例えば、組成物中のメタクリレート樹脂はベースプレートの表面に部分的に浸透することができる。メタクリレート樹脂はその後重合し、その後塗布される上記第2の重合性アクリル系組成物と相互貫入ポリマーネットワークを形成する。この樹脂は重合すると、強力な結合界面を形成する。第1の重合性アクリル系組成物中に含まれる揮発性溶媒は、ベースプレートの加熱により直ちに蒸発するか、又はベースプレートを室温に維持したときに短時間で蒸発する。
本発明の方法の別の実施形態では、歯科技工所が加工ベースプレートを準備する。上記のように、ワックス咬合リムをベースプレート上に設置して、患者の口腔内における嵌合の評価のために技工所から歯科医にベースプレートが送られる。歯科医は、適切なリップサポートに合わせてワックスリムを調節し、ワックスリムに咬合性及び審美性に関するマーキングを行う。その後、ベースプレートを歯科技工所に戻す。このベースプレートを、患者の歯の解剖学的構造を複製する歯科用硬質石膏模型(キャスト)に取り付け、ベースプレートから咬合性及び審美性に関するマーキングを模型に移す。その後ワックスリムを取り外して廃棄する。ベースプレートを模型上に取り付けたままの状態で、これを沸騰水で数回洗浄することによりワックス材料を除去する。ベースプレートを沸騰水で洗浄した後、バー又はダイアモンドを用いてその外表面を粗面化してもよい。これによって、その後塗布される材料に対する結合の改善が促される。ベースプレートは沸騰水で洗浄されるが、除去する必要があるワックス残渣を幾らか依然として含有していてもよい。上記の本発明のワックス除去(cleaning)/表面処理組成物は、かかるワックス残渣を除去するのに用いられ、またベースプレートの表面に浸透させることが可能である。ワックスの除去及び表面の浸透の効率を上げるために、ワックス除去/表面処理プロセス中に熱を使用することが好ましい。これで人工歯をベースプレート上に設置する準備が整う。
初めに、セットアップ樹脂とも呼ばれる、重合性材料のシート又はロープをベースプレートの外表面上に配置する。歯の配置直前に電気スパチュラ又はホットエアガンを用いてセットアップ樹脂の表面を溶融する。次に、セットアップ樹脂が柔らかい状態であるときに歯をセットアップ樹脂に加圧する。その後、高温に設定した溶融ポットに樹脂を入れることによって事前に調製した、溶融した輪郭樹脂とも呼ばれる溶融した重合性材料を塗布し、それを埋め込まれた人工歯の周囲に流す。樹脂が固化すると、歯が所定位置に固定されてしまうため、輪郭樹脂は埋め込まれた歯の間をスムーズ且つ均等に流れなければならない。輪郭樹脂は、埋め込まれた歯の周囲に流れるため、セットアップ樹脂及び任意の表出しているベースプレートを被覆する。上記のワックス様重合性材料は、セットアップ樹脂及び輪郭樹脂として使用することができる。このような樹脂は、Dentsply InternationalからEclipse(登録商標)の商品名でセットアップ樹脂及び輪郭樹脂として入手可能である。これらの樹脂を冷却して、安定な未硬化のアクリル系層を形成することが可能である。これで未硬化の義歯は、患者の口腔における位置決めのために「試滴」義歯として歯科医に送られる状態になる。歯科技工所から未硬化の義歯が歯科医に送られる。
この義歯が患者の口腔の輪郭に厳密に合致し且つ良好な咬合があるように嵌合させなければならない。義歯は未硬化であり且つ長期の製作時間を有するため、歯科医は微妙なチェアサイド調節(minor chairside adjustments:診療椅子の傍らにおける微調節)を何度か行うことができる。その後、義歯機器を歯科技工所に送り返し、義歯機器完成品を調製することができる。
技工所では、義歯を模型に戻し(必要であれば新たな模型を作製してもよい)、エアバリアコーティングを塗布して全ての外側樹脂表面及び埋め込まれた歯を被覆する。義歯及び支台模型をコンディショニングオーブンに入れて加熱する。義歯/模型をコンディショニングオーブンから取り出し、模型離型剤を義歯の縁領域に塗布する。次に、義歯/模型を光硬化/発熱装置に入れる。義歯/模型を好適な温度に加熱して光硬化させる。光硬化サイクルが完了した後、義歯/模型を取り出し、義歯が周囲温度になるまで冷却する。その後、義歯を模型から分離する。最後に、従来の技法を用いて義歯に仕上げ処理及び研磨を行う。
本発明のワックス除去/表面処理組成物は、半結晶性成分を含有していてもよい。例えば、重合性アクリル系化合物、例えば、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、4,13−ジオキソ−3,14ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオールジアクリレート;4,13−ジオキソ−3,14ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオールジメタクリレート;1,6ジイソシアナトヘキサンと水で変性された2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの反応生成物(HDIDMA);1,6ジイソシアナトヘキサンと水で変性された2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物(HDIDA)が半結晶性であり得る。溶媒を組成物から蒸発させると、半結晶性アクリル系材料の固体層がベースプレートの表面上に残る。アクリル系コーティングは定着剤として作用し、硬化したベースプレート表面に対してその後塗布される第2の重合性アクリル系組成物との結合強度を高める。本発明の乾燥組成物は、その後塗布されるアクリル系化合物及び他の樹脂に対する優れた界面をもたらす硬くて非粘着性の表層を形成する。本発明の組成物を用いて高い結合強度が得られる。反対に、液体表層又は非固体表層を形成する組成物は粘着性又は付着性(tacky)がある。かかる粘着性組成物を取り扱い及び処理することは困難である。さらに、未硬化状態で、ベースプレートとその後塗布される未硬化の固体アクリル系化合物、例えばEclipse(登録商標)の輪郭樹脂及び/又はセットアップ樹脂との間の、液体表層又は非固体表層によって作られる結合は強くない。結果として、未硬化の固体アクリル系化合物は、加工ベースプレートと離層する可能性がある。
高分子量、及び室温〜37℃の範囲の温度で低粘着性を有する成分を本発明の組成物中に含むことが好ましい。例えば、トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサンとビスフェノール−Aプロポキシレートと2−ヒドロキシメチルメタクリレート(TBDMA)との反応生成物等の化合物は、高分子量及び低粘着性を有する。これらの成分は、溶媒を蒸発させると重合性生成物を急激に固化させるものである。高分子量成分の使用は低重合収縮及び低応力重合生成物をもたらす。この組成物の上記半結晶性成分は部分的に再結晶化可能である。このような急激な再結晶化可能な成分は、重合性組成物の急激な固化をもたらす。この成分は、与えられた温度及び組成物中に用いられる溶媒に応じて良好な流動性及び寸法安定性を有する。重合した場合、結晶相は効果的に溶融して、重合収縮を相殺する体積膨張をもたらす。このため、高分子組成物は低収縮回復及び低応力回復をもたらす。
以下の実施例によって本発明をさらに示すが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。
実施例1
オリゴマーの調製
以下の実施例1において、本発明の組成物中に用いたオリゴマーは以下のように調製した。乾燥窒素流の下、反応容器を1176gのトリメチル−l,6−ジイソシアナトヘキサン(5.59mol)及び1064gのビスフェノールAプロポキシレート(3.09mol)で充填し、窒素加圧下で約65℃に加熱した。この反応混合物に、10滴のジラウリン酸ジブチルスズ触媒を添加した。反応混合物の温度を、65℃〜140℃に約70分間維持した後、さらに10滴のジラウリン酸ジブチルスズ触媒を添加した。粘稠性ペースト様イソシアナートエンドキャップ中間生成物が形成され、これを100分間攪拌した。この中間生成物に、反応温度を68℃〜90℃に維持しながら、662g(5.09mol)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び抑制剤として7.0gのBHTを70分かけて添加した。70℃で約5時間攪拌した後、加熱を止めて、オリゴマーを半不透明の可撓性固体として反応容器から回収し、乾燥雰囲気中で貯蔵した。
実施例2A〜実施例2F
以下の実施例2A〜実施例2Fにおいて、本発明のワックス除去/表面処理組成物の様々な実施形態を、表1及び表2に示す成分を混合することによって作製した。
Figure 2010504825
Figure 2010504825
実施例3
以下の実施例3において、義歯用のベースプレートを、本発明のワックス除去/表面処理組成物で処理した。
初めに、患者の口腔のプラスター歯科模型(キャスト)を離型剤でコーティングし、オーブン内でキャストを55℃に加熱した。Eclipse(登録商標)ベースプレート樹脂(Dentsply International Inc.から入手可能)を塗布し、指圧を用いて加温キャスト上で整形した。余分な材料を取り除き、加温キャスト上にベースプレートを形成した。加温キャストによって支持されるベースプレートを、Eclipse(登録商標)加工ユニット(Dentsply International)において10分間光硬化した。このキャストを水中に浸漬させ、次に、硬化したベースプレートをキャストから取り出した。粗削り用バーを用いてベースプレートの全表面を粗面化した後、ワックスリム/バイトブロックをベースプレート上に設置して、義歯の最初の試適を実施した。バイトブロックを用いて咬合器をセットアップし、適切な咬合位を調整した。その後、一時的なワックスセットアップ樹脂をベースプレートに塗布し、人工歯をワックス樹脂に加圧して義歯を形成した。義歯をフラスコに入れ、次にワックスを「煮沸除去する」ように水中で加熱した。フラスコ内に残ったベースプレート及び歯を清潔な沸騰水で数回洗浄した。洗浄工程の直後に、フラスコの両半分を作業台上に置いた。フラスコが蒸気を出さなくなったら(約1分〜2分)、ベースプレートを拭いて余分な水を取り除いた。
フラスコが熱いうちに、3つ〜4つの塗布具を用いて、実施例2Aの上記製剤(表1)をベースプレート上に偏りなくブラッシングした。
最終洗浄後、ベースプレートをフラスコの下半分に入れた。フラスコの上半分を下半分に被せるように閉じ、フラスコを10分〜15分間通風領域で閉じた状態のままとした。その後、フラスコを開け、ベースプレートを拭いてあらゆる余分な水を取り除いた。フラスコを冷却させた後、試しにLucitone 199(登録商標)アクリル系義歯基材樹脂(Dentsply International Inc.から入手可能)で試験充填した。下半分にベースプレートを含むフラスコを閉じた。フラスコを10分〜15分間通風領域に放置した。このフラスコを開け、ベースプレートを拭いて余分な水を取り除いた。その後、Lucitone 199(登録商標)アクリル系液体を塗布し、フラスコ内に位置するベースプレートの表面を湿潤させた。フラスコの最終的なパッケージングは、Lucitone 199(登録商標)アクリル樹脂を用いて実施し、フラスコを閉じて15分間作業台に放置した。2時間の短期熱硬化法を用いて義歯を加工し、Lucitone 199(登録商標)アクリル樹脂を固化することができた。上半分及び下半分を互いに加圧して、Lucitone 199(登録商標)アクリル樹脂、ベースプレート、及び一組の人工歯を共に結合させた。フラスコを開け、人工歯が埋め込まれている義歯完成品を取り出した。実施例3に従って作製した義歯完成品の写真を図1Aに示す。
比較例A
以下の比較例Aにおいて、本発明のワックス除去/表面処理組成物でベースプレートを処理しなかった以外は、上記実施例3に記載の義歯を作製する同じ手順に従った。比較例Aに従って作製した義歯完成品の写真を図1Bに示す。
比較例Aに示されるように、ベースプレートを構成する積層材料は幾らか離層している。この離層は、ベースプレート表面と被覆するアクリル系組成物との弱い結合効果に起因していると考えられる。弱い結合効果は、汚れたベースプレート表面に起因することがある。特に、ベースプレート表面が本発明の組成物で処理されていないため、界面がワックス残渣及び他の異物片を含んでいる可能性があると考えられる。
本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、本明細書中の実施形態及び記載に対する種々の変更が為され得ることは、当業者によって理解されるであろう。全てのかかる変更は添付の特許請求の範囲によって網羅されるように意図されている。

Claims (15)

  1. 歯科器具を製造する方法であって、
    外表面を有するベースプレートを準備する工程と、
    前記ベースプレートの前記外表面上に一時的なワックス層を成形すると共に、該ワックス層中に一組の人工歯を加圧する工程であって、それにより、試適ベースプレートを形成する、成形すると共に加圧する工程と、
    前記試適ベースプレートを患者の口腔に入れて嵌合について該試適ベースプレートを評価し、続いて該試適ベースプレートをそこから取り出す工程と、
    前記試適ベースプレートを熱で処理する工程であって、前記一時的なワックス層を実質的に除去する、処理する工程と、
    少なくとも1つの溶媒を含有する第1の重合性アクリル系組成物を前記試適ベースプレートに塗布すると共に、該第1の重合性アクリル系組成物を該試適ベースプレートに少なくとも部分的に拡散させる工程と、
    第2の重合性アクリル系組成物を前記試適ベースプレートに塗布し、該試適ベースプレート、前記第1の重合性アクリル系組成物及び該第2の重合性アクリル系組成物、並びに前記一組の人工歯を合わせて加圧し、且つ固化して歯科器具を形成するようにこれらのアクリル樹脂を硬化する工程と、
    を含む、歯科器具を製造する方法。
  2. 前記第1の重合性アクリル系組成物が、
    重合性アクリル系化合物と、
    前記第1の重合性アクリル系組成物を重合するように光又は熱によって活性化することができる重合開始系と、
    前記試適ベースプレートの表面に少なくとも部分的に拡散することができる溶媒と、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の重合性アクリル系組成物の前記重合性アクリル系化合物が半結晶性材料である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の重合性アクリル系組成物の前記重合開始系が光活性化剤である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第1の重合性アクリル系組成物の前記重合開始系がカンファーキノンを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の重合性アクリル系組成物の前記重合開始系が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシドを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記第1の重合性アクリル系組成物の前記重合開始系が熱活性化剤である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記第1の重合性アクリル系組成物が、無機材料及び有機材料、並びにそれらの混合物の群から選択される充填材料をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  9. 前記溶媒が、アセトン、ヘプタン、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、及びテトラヒドロフラン、並びにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載の方法。
  10. 前記試適ベースプレートを歯科用フラスコに入れて、前記一時的なワックス層を実質的に除去するように加熱する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第1の重合性アクリル系組成物を前記ベースプレート及び前記一組の人工歯に塗布する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記歯科器具が義歯である、請求項1に記載の方法。
  13. 歯科器具を製造する方法であって、
    ワックス咬合リムを取り付けるベースプレートを準備する工程であって、該ベースプレートが外表面を有する、準備する工程と、
    前記ベースプレートを患者の口腔に入れて嵌合について該ベースプレートを評価し、続いて該ベースプレートをそこから取り出す工程と、
    少なくとも1つの溶媒を含有する第1の重合性アクリル系組成物を、前記ベースプレートの前記外表面に塗布する工程であって、それにより該第1の重合性アクリル系組成物がワックス材料を該ベースプレートから実質的に除去する、塗布する工程と、
    加熱した第2の重合性アクリル系組成物を被覆層として前記ベースプレートに塗布する工程と、
    前記第2の重合性アクリル系組成物の前記被覆層中に一組の人工歯を加圧すると共に、該被覆層を冷却する工程であって、それにより、安定な未硬化層を形成する、加圧すると共に冷却する工程と、
    前記第1の重合性アクリル系組成物及び前記第2の重合性アクリル系組成物を硬化させる工程であって、それにより、前記第1の重合性アクリル系組成物及び前記第2の重合性アクリル系組成物を固化して硬化歯科器具を形成する、硬化させる工程と、
    を含む、歯科器具を製造する方法。
  14. 前記第1の重合性アクリル系組成物が、
    重合性アクリル系化合物と、
    光又は熱によって活性化することができる、前記第1の重合性アクリル系組成物を重合させる重合開始系と、
    前記ベースプレートの表面に少なくとも部分的に拡散することができる溶媒と、
    を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第2の重合性アクリル系組成物が重合性ワックス様材料である、請求項13に記載の方法。
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