JP2010504247A - タイヤ内多素子圧電センサ - Google Patents

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Abstract

タイヤに係る状態を監視するための装置及び方法を開示する。1対又は複数対のセンサが取り付けられている基板が設けられる。1対又は複数対のセンサは、互いに対して所定の距離離されて互いに対して所定の関係に取り付けられ、センサを設けることができるタイヤの回転方向や速度や他のパラメータを測定することができる。或る実施例では、実効的に複数対のセンサが設けられて、センサの取付方向を予め決定しておく必要を解消する。

Description

本発明は、タイヤセンサに関するものである。具体的に述べるならば、本発明は、車両に取り付けられている設置対象タイヤの位置を演繹するための信号を生成することができる圧電式タイヤセンサに関するものである。
空気タイヤ構造体へ電子装置の組込みにより、多くの実際的な利点が得られる。タイヤ電子装置は、温度、圧力、タイヤ回転数、車両速度などのタイヤの様々な物理的なパラメータに係る情報を得るために、センサ及び他の構成要素を具備することができる。このような性能情報は、タイヤ監視及び警告システムに役立てることができ、更には、或る種のタイヤ及び/又は車両関連システムを調整又は制御するためにフィードバックシステムの一部として使用できる潜在的可能性がある。
米国特許第5,749,984号(フレイ他)は、タイヤ・デフレクション(タイヤ撓み)、タイヤ速度及びタイヤ回転数のような情報を測定することができるタイヤ監視システム及び方法を開示している。更に、タイヤ電子装置システムの他の例を、異常タイヤ状態警告システムに係る米国特許第4,510,484号(スナイダー)に見ることができる。
米国特許第4,862,486号(ウイング他)も、タイヤ電子装置に係るものであり、特に自動車及びトラックのタイヤに関連して使用する典型的な回転計を開示している。
タイヤ構造体に組み込まれた電子装置システムによってもたらされる。更に別の潜在的な可能性は、商業車両分野における追跡及び性能評価である。商業用トラック、航空機及び土木車両/採鉱車両は全て、タイヤ電子装置システムとそれに関連する情報送信の利点が利用できる実行可能な工業分野である。タイヤセンサによって車両の各タイヤが走行した距離を求めることができ、商業用システムの整備計画の一助となる。採鉱装置等のコストのかかる用途では車両の配置及び性能を最適化させることができる。RFタグ送信を利用して車両群全体を追跡することができる。この例は米国特許第5,457,447号明細書(ガーム他)に開示されている。
このように組み込まれたタイヤ電子装置システムは、多様な技術及び様々な電力発生システムによって従来電力供給されている。タイヤの運動からエネルギーを発生させる機械機構の例は米国特許第4,061,200号明細書(トンプソン)及び米国特許第3,760,350号明細書(トーマス)に開示されている。かかる例は、最新のタイヤ利用装置で組み込むには一般に好ましくない嵩ばる複雑なシステムとなっている。米国特許第4,510,484号明細書(スナイダー)には、タイヤ電子装置システムへ電力供給するための更に別の選択肢が開示されている。この特許は、タイヤの半径方向中心線を中心とした対称な圧電式電源に係るものである。
タイヤ電子装置システムへの他の形式の電力供給方法は、再充電不可能な電池を使用するものである。しかし、この方法は、電子装置システムの正常な動作が定期的な電池交換に依存しているので、タイヤ使用者にとっては本質的に不便なものである。また、従来の電池は環境汚染につながる重金属を含んでいることが多いため、電池を多量に使用する場合には廃棄の問題が生じる。更に、複雑な機能を有する応用電子装置へ電力供給する場合には電池は蓄積したエネルギーを急速に消耗する。電池の蓄積エネルギーの消耗は、比較的遠距離の通信、例えばトラックホイール位置からトラックのキャビン内の受信機までの遠い距離を情報送信する電子装置システムでも特にみられる。一方、ホイール位置から上記位置よりも近い受信機位置へ送信する電子装置システムで電池を使用した場合には、情報は一般に有線送信媒体を介して無線受信機位置から車内へ中継されることになるため、多くの場合に高価となる追加の通信配線を車両内に設置する必要がある。
タイヤ監視システムのための電力を取り出す更に別の公知の方法は、設置対象タイヤの回転によって発生したエネルギーを回収する圧電式電力発生装置に関する。米国特許第6,725,713号は、圧電構造体及びエネルギー蓄積装置を使用して、回転しているタイヤの機械エネルギーから電力を発生するためのシステムを開示している。
上述した全ての米国特許の開示内容を、ここに引用して本明細書に組み入れる。
タイヤ電子装置システムにおける圧電センサの様々な利用が既に開発されているが、本発明によって後述するような所望の特徴の全てを包括的に含む構成は全くなかった。
米国特許第5,749,984号 米国特許第4,510,484号 米国特許第4,862,486号 米国特許第5,457,447号 米国特許第4,061,200号 米国特許第3,760,350号 米国特許第4,510,484号 米国特許第6,725,713号
従来技術において遭遇し本発明が注目した問題に鑑みて、タイヤ関連信号を生成するための改良した装置を開発した。
典型的な形態において、1対の圧電センサが、タイヤ内に設置するための共通基板に取り付けられる。
それら形態のより単純な形式のうちの1つの形式において、対をなす圧電センサが、タイヤ電子装置システムの構成要素としてタイヤ内に取り付けられる。
本発明の或る実施例の特徴によれば、圧電センサと一緒に配置することができるセンサ関連電子装置に動作電力を供給する方法が提供される。
本発明の他の実施例の或る特徴によれば、対をなす圧電センサを支えている基板上に、一つ以上の電力回収素子を一緒に配置する方法が提供される。
本発明の更に別の実施例の更に別の特徴によれば、センサ支持基板の配置方向に関係なく、タイヤ位置決定信号の生成を確保する装置とそれに関連する方法が提供される。
更に、本発明の或る実施例の更に別の特徴によれば、タイヤ及び/又は車両の動作の長期間の履歴を提供する装置及び方法が提供される。
更に、本発明の別の実施例によれば、様々な検出された状態に基づいて車両関連動作を調整及び/又は制御する装置及び方法が提供される。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の詳細な説明に記載し、また、当業者には以下の詳細な説明から明らかであろう。
具体的に図示し参照し説明する特徴及び特徴の構成要素に対する変更や変形は、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の様々な実施例及び使用例において実施できることは理解されたい。
かかる変形には、限定するものではないが、図示し参照し説明する手段又は特徴又は工程に均等な手段又は特徴又は工程への置換、並びに様々な部品、特徴、工程等の機能上又は動作上又は位置上の反転が含まれる。
更に、本発明の様々な実施例及び様々な現在好ましい実施例には、ここに開示する特徴、工程、要素又はそれらの均等物の様々な組合せ又は形状(図面に具体的に図示していない又は図面を参照して詳細に説明していない特徴、工程、要素の組合せ又はそれらの形状も含む)も含まれると理解されたい。
「課題を解決するための手段」の項において必ずしも説明していない本発明の他の実施例には、「課題を解決するための手段」の項において言及した特徴又は構成要素又は工程の特徴及び/又は本明細書の他の部分において説明する他の特徴又は構成要素又は工程の特徴の様々な組合せも含まれる。
当業者にとっては、本明細書の他の部分を検討するならば、上記した実施例ほかの特徴をより良く理解できる筈である。
当業者に向けた本発明の最良の実施形態を含め、添付図面を参照して本明細書において本発明を十分に且つ実施可能に開示する。
1対の圧電センサを使用している本発明の第1の典型的な実施例を概略的に図示する。 複数対の圧電センサを使用している本発明の第2の典型的な実施例を概略的に図示する。 空気タイヤ構造体内において圧電センサを配置するための典型的な配置を図示する、本発明の典型的なタイヤ組立体の等角斜視図を示す。 3つの個々のセンサから2対のセンサを構成している、共有センサを使用している本発明の第3の典型的な実施例を概略的に図示する。 公知の実装方向により1対のセンサから2対のセンサが効果的につくられる本発明の第4の典型的な実施例を概略的に図示する。
本明細書及び添付図面において、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を表すために同一参照符号を使用する。
「発明の概要」において上述したように、本発明は、車両並びにタイヤ関連装置へのタイヤ取付位置を測定するために使用できるタイヤ関連信号を生成するための改良した装置に特に関するものである。
ここに開示する本発明の複数の特徴の選択的な組合せは、本発明の複数の異なる実施例を構成する。本明細書において開示し説明する典型的な実施例の各々は、本発明の限定を意味するものではないことは理解されたい。1つの実施例の一部として図示し又は説明した特徴又は工程は、別の実施例の特徴と組み合わせて、更に別の実施例を構成することもできる。更に、或る特徴を、同一又は類似の機能を達成するここに明示的に説明していない同様な装置又は特徴と置換可能である。
以下、本発明のタイヤ内多素子圧電センサの好ましい本実施例を詳細に参照する。図面を参照するならば、図1は、本発明に従って構成されるタイヤ内多素子圧電センサ100の第1の典型的な実施例を図示する。
多素子圧電センサ100は、基板102の両端部に互い並行関係に取り付けられる1対の比較的狭いストリップ状の圧電センサ110及び112を使用している。基板102は、タイヤに適合した任意の材料で形成することができる。典型的な実施例において、基板102は、電子デバイスの印刷回路板として一般に使用されている板と同様なファイバーグラスで裏張りされた板とすることができる。圧電センサ110及び112として使用可能な典型的な圧電材料には、水晶、チタン酸バリウム、硫化カドミウム、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)及びポリ塩化ビニル(PVC)がある。
詳細に後述する理由のために、圧電センサ110及び112は、正確に知られた距離互いに離れて取り付けられている。オプションとして、圧電センサ110及び112間の領域には、電力回収圧電素子120を取り付けることができる。電力回収圧電素子120が設けられる場合、電力回収圧電素子120は、圧電センサ110及び112間に残る表面積を可能な限り最大限占有すべきであり、更に、電力回収圧電素子120によって回収されたエネルギーを調整して貯蔵する回路と一緒に取り付けることができる。圧電素子110及び112、120の各々は、他の圧電素子から電気的に分離されている。電力回収圧電素子120として使用するに適した典型的な圧電材料には、圧電センサ110及び112のための典型的な圧電材料として上述した材料と同じ材料がある。オプションであるエネルギー調整貯蔵回路は、上記した米国特許第6,725,713号(アダムソン他)(特許文献8)開示されているものと同様でもよい。
詳細に後述するように、圧電素子110及び112は、後で解析するためのタイヤ関連信号を出力する信号発生器としてもっぱら使用される。電力回収圧電素子120は、同様な信号を発生するように使用することもできるが、圧電素子の両端に加わる何らかの電気的な負荷によってそれらの信号が影響を受けるかもしれず、従って、考慮しなければならないことが分かった。
多素子圧電センサ100は、インナーライナー表面上のクラウンの下のタイヤの周方向中心線上に中心が位置して、矢印130で示すようなタイヤの回転方向に向くように取り付けられるように構成されている。図1に図示するようにセンサ形状をとる目的の1つは、圧電センサ110及び112の信号を1対の時間的に分離可能な信号対にするためであり、それら圧電センサ110及び112の向き及び正確な分離距離を知ることによって、1対の圧電センサ間で発生される信号のシーケンスと、発生した信号の間の遅れ時間とを測定することにより、回転方向とタイヤ・ベルト・パッケージの表面速度との両方を測定することができる。更に、個々の圧電センサ110及び112の信号の内の何れか一方から回転するタイヤの1回転に要する時間を測定することもできる。タイヤ・ベルト速度及びタイヤ角速度とを知ることにより、タイヤの並進速度を計算することができる。
更に、個々の圧電センサ110及び112の何れか一方を、接地面長さの持続時間を、絶対値又はタイヤ・ベルト長の比で測定するために使用することもできる。また、タイヤ・デフレクション(タイヤ撓み)も計算することもできる。タイヤに取り付けられた別のセンサを含む他の手段によって、タイヤ空気圧を測定することができるならば、その計算したタイヤ・デフレクションを解析して、タイヤが過負担であるかどうかを判定することもできる。
タイヤに関連した「ブラックボックス」をつくるために、測定又は計算した上述したパラメータの内の任意のパラメータ又は全てのパラメータを、タイヤ内の追記型又は再書き込み可能型の記憶装置に周期的に書き込むことができる。従って、長期間に亘るタイヤの履歴の記録及び極最近のタイヤの履歴の記録を、記憶し且つ検索し更に又は車両上の又は遠隔の中央処理装置に送信することもできる。このようにして蓄積された「ブラックボックス」データを使用して、全走行距離、最高気温、最小圧力、最大タイヤ・デフレクション、最大速度、及び/又は一組の走行条件での走行時間又は走行距離を調べて、個々のタイヤ毎に再生するかどうか決定することができることは理解されたい。そのような利用方法の1つの例には、初期のランフラット状態と、大きなデフレクション(撓み)ではなく、デュアルパートナーで支えられている(従来検出が困難であった)空気抜け状態との検出がある。もう一つの使用例には、臨時のスペアタイヤと組み合わせて、本発明の多素子センサを使用して生成される信号を利用することである。臨時に使用するタイヤからのタイヤ関連信号を利用して、制限距離又は制限速度を越えたときドライバに警告を発することにより、そして、臨時のスペアタイヤを使用したとき作動される自動速度制御システムによって車両速度を実際に制限することにより、走行距離及び走行速度を制限させることができる。
上述したように、1対の圧電センサを正確な距離離隔して配置することの目的の1つは、回転方向と、ベルト・パッケージの表面速度とを測定可能にすることである。本発明のタイヤ内多素子圧電センサを利用する車両に通信システムがあると仮定するならば、そのようにセンサを装備したタイヤに、車両に対するタイヤ取り付け位置を知る能力を持たせることができる。
車両上の各タイヤ認識情報(ID)を知っており、そして、同じ時間枠内での空気圧、ベルト速度又はタイヤの角速度、及び接触パッチ長又はタイヤデフレクション又は負荷を知っているならば、車両に対する具体的な位置と共に各タイヤIDを識別するに十分な一組のタイヤ相対位置を演繹することができる。
例として、18輪のトラックの場合、重ねて装着されているどのタイヤ対は、常時同一角速度である筈であり、従って、ステアリング・タイヤは、重ねて装着されていないタイヤであると識別することができる。転回中は、車両の一方の側の全タイヤは、負荷と角速度とが全体に増大し、他方、車両の反対側の全タイヤは、負荷と角速度とが全体に減少する。更に転回中は、転回半径が減少してゆくので、角速度の低下は車両の前輪軸より後輪軸の方が顕著であり、その結果、車軸速度の低下は、角速度を全体に減少させる。非常にきつい転回にあっては、内側のトレーラタイヤは、実際に後ろ向きに回転する場合もある。
制動時、タンデムの前車軸のタイヤは、負荷が増大する。他の可能性としては、ABS(Anti-lock Braking System)により選択的に車軸にブレーキがかけている場合に、駆動トルクの有無により、どの車軸にブレーキがかけているかを知り又はタイヤを弁別することができる。関連タイヤデータを、瞬間的な履歴又は蓄積された履歴と比較される時間的な変化又は展開としてプロセッサによって処理される。このようなデータを時間平均して、位置決定の信頼性を改善し又は従前の決定を確認することもできる。
タイヤ内の多素子圧電センサの設置方向を制御することが不可能な場合、関連データの組合せを、異なる圧電センサ構造によって改良することができる。このような改良は、図2に示すような本発明の第2の典型的な実施例を使用することによって実現することができる。
図2を参照するならば、図示する多素子圧電センサ200は、4対の圧電センサ212と222、214と224、216と226及び218と228を具備しており、それら圧電センサは、互いに対をなす圧電センサに対して平行関係に、且つ基板202に中心軸の周りに全体が八角形をなすように取り付けられている。基板202は、図1に図示する実施例の基板102とほぼ同様な材料でもよく、一方、対を成している圧電センサ212と222、214と224、216と226及び218と228も、圧電センサ110及び112に関して上述した材料と同様な材料でもよい。
図2に図示したセンサの対をなす配列により、4対の互いに向き合っているセンサの各対は、図1の実施例に関して上述したように長手方向と解釈することができる。センサ信号間の最大位相差又は時間差を有する圧電信号対を決定することにより、最もほぼ長手方向に整列されているセンサ対を決定することができる。従って、その特定された長手方向センサ対に対して直交関係にあるセンサ対を同定することができ、判定されている旋回方向と組み合わせてタイヤの操縦レスポンスを含む利用可能な位置同定データを展開するために利用することができる。
図2に図示して上述した多素子圧電センサ200を車両の各タイヤに設置することにより、且つ車両の全タイヤが車両上の中央処理ユニットに様々なデータを送ることができるように通信システムが設けられていると仮定すると、車両制御のための沢山の可能性がある。例えば、多素子圧電センサ200からのデータが空気圧信号及び温度信号と組み合わせられて、車両の電子制御モジュール(ECM)に接続している中央処理装置に送られる場合、データは、上述した車両タイヤ位置を知ることに寄与するだけでなく、スペアタイヤに関して上述した方法と同様な方法で車両動作を制御して、安全動作限界を超えた状態でのタイヤ走行を制御するために使用することも可能である。そのような状態には、限定するものではないが、速度、タイヤ・デフレクション、負荷、空気圧不足の限界がある。エンジン温度に基づいてエンジン速度を制限することができる現行のシステムと同様な方法によりECMによって、車両のドライバに対して音声による又は視覚的な警告を与えることもでき及び/又は実際の車両速度を制限することもできる。
次に図3を参照するならば、タイヤ300内に多素子圧電センサ328が取り付けられた典型的なタイヤ組立体が例示されている。タイヤ300は、外側のトレッド部分を有するクラウン部316と、内側サイドウォール部分322と外側サイドウォール部分320とを有しており、クラウン領域316の下のインナーライナー315に多素子圧電センサ328を取り付けることができる。
本発明が例示されて、空気タイヤにセンサを組合せた例を参照して本発明を図示し説明したが、他の形態も考えられることは当業者には理解される筈である。例えば、センサは、本件出願の出願人によって現在開発中の「Tweel」タイヤ・ホイール組合せ体のような非空気圧タイヤ装置と組み合わせることもできる。
本発明は、現在好ましい能力を発揮するには少なくとも1対のセンサを設ける必要があるけれども、本発明が、図1に図示する1対のみの圧電センサ又は図2に図示する4対の圧電センサに限定されるものではないことは理解されたい。実際、本発明は、任意の数のセンサ対を設けることができ、センサ対の数は、物理的及び他の製造上の条件及び実用性により制限されるだけである。例えば図1及び図2に示すような本発明の或る実施例においては、複数対のセンサが平行関係に取り付けることができる。本発明の別の実施例では、2対のセンサを3つのセンサを使用して構成することができる。その場合、3つのセンサの内の1つのセンサが、各センサ対の素子の一方として共用される。かかる構成において、センサは、図4に示すように三角形状に配置することができる。更に、対を成している運動検出センサの物理的な関係を維持できる限り、現在の好ましい圧電センサ以外のセンサも使用して、本発明を実施することもできる。
図4を参照するならば、基板402上にほぼ三角形の配置されて取り付けられた一群の3つの圧電センサ410、412、414を使用している多素子圧電センサ400が実現できることがわかろう。本発明によれば、2対のセンサは、2対のセンサの両方のセンサ対の素子としてセンサ412を共用すことによって実現することができる。このように、センサ410及び412が、第1の対のセンサ420を形成するように組み合わされ、センサ412及び414が、第2の対のセンサ422を形成するように組み合わされる。図2の典型的な実施例と同様に、センサ400の取り付け方向は、センサ410、412、414からの信号の解析によって決定することができる。
まだ本発明の更なる典型的な実施例において、類似した結果が2つのセンサだけを設けることによって得られることができるように、複数の対を形成するためにセンサを共用する概念は図5に図示したように更に拡張することができる。
図5を参照するならば、本発明の第5の典型的な実施例が図示されている。そこにおいて、1対の圧電センサ502及び504を使用している多素子圧電センサ500が設けられている。図1に例示した本発明の第1の実施例と同様に、図5に例示している典型的な実施例は、センサ500の方向についての具体的な情報を必要とする。図5に図示したように、センサ500は、センサが装着されるタイヤの中心線510に対して角度を成すように位置付けられるならば、運動から生成される特性を決定することができる。
更に図5を参照するならば、センサ500がタイヤ中心線510に対して角度を成すように取り付けられているので、センサ502及び504によって生じる信号の間の位相差520は、車両の速度及び転回方向を決定するために使用できることがわかろう。同様に、センサ502及び504によって生じる信号の間の波長の差522は、運転の方向及び大きさを決定するために使用できる。
上述したように、本発明は、同一基板上に電力発生回収装置を組み込むだけでなく、他のタイヤ電子装置素子及びセンサを組み込むこともできる。かかる素子及びセンサには、限定するものではないが、温度及び圧力のセンサ、表面弾性波(SAW)装置、無線認識装置(RFID)、信号及びデータの記憶及び送信装置、信号受信装置、マイクロプロセッサ及びマイクロコントローラを含むデータ処理装置がある。
本発明の具体的な実施例に関して詳細に本発明を説明したが、上述したことを理解した当業者にとっては、上記した実施例に対する変形、変更、均等物への置換を容易に実施できることは理解されたい。従って、本発明の開示は、例示であって限定するものではない。本発明の開示は、当業者にとって明らかな本発明の上記した変形、変更、及び/又は追加を含むものである。

Claims (20)

  1. 基板と、
    前記基板に取り付けられた、少なくとも1対の運動感応センサと
    を具備しているタイヤセンサにおいて、
    前記少なくとも1対の運動感応センサの各センサは、互いに所定の距離離れて、互いに対して所定の関係に前記基板に取り付けられており、前記少なくとも1対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、選択したタイヤ特性を確認することができることを特徴とするタイヤセンサ。
  2. 前記少なくとも1対の運動感応センサが圧電センサから成ることを特徴とする請求項1に記載のタイヤセンサ。
  3. 前記少なくとも1対の運動感応センサと共に前記基板に取り付けられた電力回収素子を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のタイヤセンサ。
  4. 前記電力回収素子が圧電素子から成ることを特徴とする請求項3に記載のタイヤセンサ。
  5. 前記基板に取り付けられた、少なくとも2対の運動感応センサを具備しており、前記少なくとも2対の運動感応センサの各対は、互いに所定の距離離れて、互いに対して所定の関係に前記基板に取り付けられており、センサ取付方向を事前に知る必要なしに、前記少なくとも2対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、選択したタイヤ特性を確認することができることを特徴とする請求項1に記載のタイヤセンサ。
  6. 前記少なくとも2対の運動感応センサの各対が1対の圧電センサから成ることを特徴とする請求項5に記載のタイヤセンサ。
  7. 少なくとも4対の運動感応センサが設けられ、それら少なくとも4対の運動感応センサは、中心軸の周りにほぼ八角形の形をなすように前記基板に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載のタイヤセンサ。
  8. 前記少なくとも2対の運動感応センサの各対が1つの共通のセンサを共用していることを特徴とする請求項5に記載のタイヤセンサ。
  9. タイヤと、
    基板と、
    前記基板に取り付けられた、少なくとも1対の運動感応センサと
    を具備しているタイヤ組立体において、
    前記少なくとも1対の運動感応センサの各センサは、互いに所定の距離離れて、互いに対して所定の関係に前記基板に取り付けられており且つ前記基板は前記タイヤに結合させられており、前記少なくとも1対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、選択したタイヤ特性を確認することができることを特徴とするタイヤ組立体。
  10. 前記少なくとも1対の運動感応センサが圧電センサから成ることを特徴とする請求項1に記載の請求項9に記載のタイヤ組立体。
  11. 前記少なくとも1対の運動感応センサと共に前記基板に取り付けられた電力回収素子を更に具備することを特徴とする請求項9に記載のタイヤ組立体。
  12. 前記タイヤが、クラウンと、サイドウォール部分とを有しており、前記クラウンが、外側トレッド部分と、内側クラウン部分とを有しており、前記内側クラウン部分にはインナーライナーが設けられており、前記基板は前記インナーライナーに固定されていることを特徴とする請求項9に記載のタイヤ組立体。
  13. 前記基板に取り付けられた、少なくとも2対の運動感応センサを具備しており、前記少なくとも2対の運動感応センサの各対は、互いに所定の距離離れて、互いに対して所定の関係に前記基板に取り付けられており、センサ取付方向を事前に知る必要なしに、前記少なくとも2対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、選択したタイヤ特性を確認することができることを特徴とする請求項9に記載のタイヤ組立体。
  14. 前記少なくとも2対の運動感応センサの各対が1対の圧電センサから成ることを特徴とする請求項13に記載のタイヤ組立体。
  15. 前記少なくとも2対の運動感応センサの各対が1つの共通のセンサを共用していることを特徴とする請求項13に記載のタイヤ組立体。
  16. 少なくとも4対の運動感応センサが、中心軸の周りにほぼ八角形の形をなすように前記基板に取り付けられていることを特徴とする請求項13に記載のタイヤ組立体。
  17. タイヤを用意し、
    少なくとも1対の運動感応センサを互いに所定の距離離して基板に取り付け、
    前記基板を前記タイヤに結合し、
    前記タイヤを回転させ、
    前記少なくとも1対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、選択したタイヤ特性を測定する
    ことを特徴とする、選択したタイヤ特性を測定する方法。
  18. 前記少なくとも1対の運動感応センサを互いに所定の距離離して基板に取り付けることは、少なくとも1対の圧電センサを互いに所定の距離離して基板に取り付けることであることを特徴とする、請求項17の方法。
  19. 前記少なくとも1対の運動感応センサを互いに所定の距離離して基板に取り付けることは、各対の各センサが互いに平行な関係にあるように、少なくとも4対の運動感応センサを互いに所定の距離離して基板に取り付けることであり、
    更に、前記少なくとも4対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、タイヤの回転方向に最も一致する1対のセンサを決定する
    ことを特徴とする、請求項17の方法。
  20. 前記少なくとも1対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、選択したタイヤ特性を測定することは、前記少なくとも1対の運動感応センサが発生した信号を評価することによって、タイヤ回転方向とタイヤ回転速度と転回方向とタイヤ取付位置との内の少なくとも1つを決定することであることを特徴とする、請求項17の方法。
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