JP2010503841A - キャピラリー電気泳動による分離に続いて行われるテイラー分散の分析による、混合物の成分の流体力学的半径の決定 - Google Patents

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Abstract

本発明は、次の工程を含む、混合物成分について流体力学的半径の決定を可能にする方法に関する:
(A)該混合物Mの成分は、キャピラリー電気泳動の技術を用い、そして該成分を該キャピラリー中に残すことにより分離され;
(B)工程(A)において分離された各成分を種々の帯域に含む、この仕方で得られる該キャピラリーの一方の端部において、検知し得るマーカーが、該キャピラリーの他の端部の側に配置された検知装置の領域中に注入され;
(C)工程(B)のマーカーが導入された該キャピラリー端部と該キャピラリーの他の端部との間に正の静水圧差が引き起こされ、それにより、テイラー分散の現象と協同して、該キャピラリー中に存在する種々の種の移動が引き起こされ、そして、工程(A)の間に分離された様々な成分及び最後には工程(B)の間に導入された該マーカーが該キャピラリーの出口における検出装置の前部に移行可能にされ、そして
(D)得られた該テイラー分散を分析することにより、該マーカーの検出時間及び各成分の溶離分布に基づいて、各成分について流体力学的半径が決定される。
【選択図】なし

Description

本発明は、混合物の様々な成分の寸法を非常に容易に且つ非常に迅速に確定することを可能にする、分析的分離の方法に関する。より正確には、本発明は、混合物から出発して、該混合物中に溶解又は懸濁して存在する分子、高分子、コロイド、粒子又は微生物類の複数の種の個々の流体力学的半径の非常に簡単な確定を可能にする方法に関する。
産業上、分子、高分子、コロイド状又は粒子状物の寸法を正確に特性決定する方法は非常に重要である。組成物中に溶解又は懸濁して存在する活性物質又は添加物の寸法は、化学又は化粧品産業の特殊ポリマー、特に活性成分供給のための生態適合性合成ポリペプチド、ペンキ用のラテックス、ニス、又は紙塗装用組成物、のような種々の分野、但し限定的ではない、を含む数多くの用途において、最重要なパラメーターの1つである。
より一般的には、溶解又は懸濁している物体の寸法の正確な特性決定のための技術はまた、他の分野、例えば特に蛋白質混合物、又は微生物を含む媒体の生物学的分析、においても非常に重要である。
そのような物体の寸法の細かな特性決定は、寸法を求められている物体がほとんどの場合一般的に複雑な混合物中に存在するためなおさら、一般に達成困難であることが分かる。
このように、特に、現在産業に広く用いられており動的光散乱(DLS)の使用を含む流体力学的半径を決定するための技術は、複雑で実施困難でありしばしば混合物の特性決定には不適切な方法であることが分かる。動的光散乱の技術は、混合物中に存在する各々の種の個々の性質に関する表示(indication)は全くなしに、混合物中の複数種の流体力学的半径の平均値のみの確定を可能にする。対照的に、物体が分析される混合物中に実質的に異なる大きさを持って存在する場合(大多数の産業用途で非常によくある)には、動的光散乱の技術はより大きい物体の貢献を過大評価する傾向があり、拡散される強度が6の力(power of 6)に対する物体の該半径の挙動によって(in the manner of the radius)変化するため、著しく多量(100%超まで)であり得るより小さい物体の寸法との関係で生じる(committed)誤差(error)を伴う。動的光散乱の技術についての更なる詳細及び混合物についての当該技術の限界については、特にB.J.Berne and R.Perocaによる刊行物Dynamic light Scattering; Wiley-Interscience, New York, USA, 1976を参照し得る。
流体力学的半径を決定するための他の知られた方法はまた、混合物には適さないことが分かる。これらは特に本文脈において次のものを含む:
− 自由拡散(特に、W.Jorgenson及びK.D.Lukacs、Anal. Chem., 1981, 53, 1298)は、更に、比較的時間のかかる(long)技術であるという不利がある、
− 沈降技術、例えばK.E.Van Holde, R.L.Baldwin, J. Phys. Chem., 1958, 62, 734に記載のもの、
− パルスNMR技術、例えばE.O.Stejskal, J.E. Tanner, J. chem. Phys., 1965, 42, 288で教示されているもの、
− クロマトグラフ方法、例えばJ.Bos及びR. Tijssen、刊行物“Chromatography in the Petroleum Industry; J Chem library, Vol. 56; E.R. Adlard, Ed.; Elsevier, Amsterdam, 1995. に記述された流体力学的クロマトグラフィー(HDC).
混合物中に存在する複数種の寸法の精密な特性決定を可能とするため、他の、より特定な(specific)方法の発見が必要である。
この目的のため、特に、(i)屈折率、(ii)粘度及び(iii )各々の分離された画分についての(on each fraction)光の拡散、の3つの測定と組み合わせた分離的(separative)立体排除クロマトグラフィー(SEC)の利用が提案され、これは混合物中に存在する成分の寸法及び分子量(molar mass)分布の確定を可能にする。この技術は、特に混合物中の複数種の特性決定の前に様々な種を分離することが可能なため、動的光散乱よりも正確ではあるが、それでもなお、次のような特定の幾つかの不利がある:
− 第1に、大きく且つ取り扱いが複雑な装置のため、実施困難であり、
− 更に、特に、示差屈折法による屈折率の測定に基づいて溶質に関する(in terms of solute)濃度を確定するのに必要なdn/dC比(濃度による屈折率の変化)の決定を含むため、通常、長い又は非常に長い時間を必要とする、
− 更に、この技術では、特定の幾つかの種の特性決定が出来ない。特に、荷電された種の立体排除クロマトグラフィーにより特性決定は通常極めて困難であり、荷電された高分子は使用される固定相上に吸着される傾向があるため、その特性決定は特別に困難である。更に、クロマトグラフィー分離管中に生ずるせん断力は、一般に、ポリマーについては典型的に1,000,000 g/molより少ない分子量を持つ、小さい寸法を持つ種に対する立体排除クロマトグラフィーの使用を制限する。より一般的には、該固定相に対して不活性な化合物のみが立体排除クロマトグラフィーを用いて特性決定され得るのであって、この方法は、例えば、蛋白質、イオン性ポリマー(特に高分子電解質)、ラテックス、コロイド又は微生物タイプ、の化合物の分析を妨げる。
本発明は、屈折率、粘度及び光の散乱の測定と組み合わせた分離的立体排除クロマトグラフィーについて上記した技術を用いて成され得るが、しかしこの方法に固有の不利及び限界を回避するような、混合物の成分についての流体力学的半径の決定を可能にする方法の提供を目指すものである。より一般的には、本発明の目的は、荷電された成分に基づく混合物の成分の流体力学的半径の簡単で且つ安価に決定を可能にする方法を提供することにある。
この目的のため、本発明は 次の工程を含む、混合物Mの成分の分離及びその成分の流体力学的半径決定のための方法に関する。
(A)該混合物Mの成分は、キャピラリー電気泳動の技術を用い、そして該成分を該キャピラリー中に残すことにより分離され;
(B)工程(A)において分離された各成分を種々の帯域に含む、この仕方で得られる該キャピラリーの一方の端部において、検知し得るマーカーが、該キャピラリーの他の端部の側に配置された検知装置の領域中に注入され;
(C)工程(B)のマーカーが導入された該キャピラリー端部と該キャピラリーの他の端部との間に正の静水圧差が引き起こされ、それにより、テイラー分散(Taylor dispersion)の現象と協同して、該キャピラリー中に存在する種々の種の移動が引き起こされ、そして、工程(A)の間に分離された様々な成分及び最後には工程(B)の間に導入された該マーカーが該キャピラリーの出口における検出装置の前部に移行可能にされ、そして
(D)得られた該テイラー分散を分析することにより、該マーカーの検出時間及び各成分の溶離分布に基づいて、各成分について流体力学的半径が決定される。
本記載の状況において、特定の種の「検出時間」は、通常の意味を持ち、工程(C)における圧力差の適用の開始と該検出器の領域における問題としている種の検出との間の経過時間を指す。
更に、「溶離分布」という用語は、この例においては、工程(C)に続く検出器の領域において検出された各々のクロマトグラフィーのピークの特性を指し、この分布は特に検出時間(該ピークの先端(tip)に対応する)及び各々の対応するピークの中間高さ(mid-height)における分散(variance)即ち幅(width)を含んでいる。
本発明の方法は、キャピラリー電気泳動の手法による分離と、それに続く、テイラー分散の現象を用いた、分離された化合物の流体力学的半径の決定を実施する。
この様な状況において、本発明者等は、テイラー分散の分析の手法による化合物の流体力学的半径の決定を含む、知られてはいたが非常に一般的ではなかった技術の、キャピラリー電気泳動の手法による分離のための予備的工程との組み合わせを可能にして、この技術の独創的な改造を開発せねばならなかったということが強調されるべきである。
この点に関し、テイラー分散の分析の手法によって種についての流体力学的半径が決定されるときに一般に推奨される技術に関連する次のような要素に特に言及がなされるであろう。
テイラー分散の分析の手法による種の流体力学的半径の決定は、分析される種の、小さい内径を持つ中空管への該種の溶液又は懸濁液の分散を含む。
この分散は、殆どの場合、分析される種の溶液又は懸濁液のストリップ(strip)を該管に注入し、次いで、典型的には該管の入口に圧力を適用することにより、該管中に流体力学的流れを引き起こすことによって行われる。
該流体力学的流れは、該管内に、一般に放物線状の分散速度分布をもたらし、該管の壁に最も近い種は殆どゼロの移動速度を持ち、この速度は該種が軸のより近くに動くに従って増加し、該管の中心に位置する化合物が最大の速度を持つ。
該複数の種は、それらの拡散係数に従って該管中に再分配される:
− 高い拡散係数を持つ分子は、それらのキャピラリー中の当初の位置に関係なく、殆ど同一の平均移動速度を持つ。これらの分子に対応するピークは、該速度分布によって大きくは広がらない。
− 逆に、低い拡散係数を持つ分子のピークは、該分散的速度分布によって非常に大きく広がる。
該溶質のストリップの広がりは、該分子の分子拡散係数(D)に直接依存する。
開放管の流体力学的流れの影響下における与えられた種についてのストリップの広がりの分析は、「テイラー分散分析(TDA)」と言われる。
一般に、この分析は下記の関係式を用いた分子拡散係数の直接確定をかのうにする。
H = (2D/u) + (dc 2u/96D) (テイラー関係式)
式中:
Hは、該種のピークの理論平坦域(plateau)Hの高さ(該クロマトグラフィーピークの幅に直接つながった(directly linked))であり、次のように計算される。
H = (lsσt 2)/(td 2)、
式中:lsは、該管中の溶質の走行長さ、
tdは、該ピークの平均検出時間;そして
σt 2は、該ピークの時間分散(σt 2 =<(t−td)2>)
この関係式は、ガウスピークの特定の例に関する:
H = (lsδ2)/(5.54td 2)
・ uは、該流体力学的流れを受ける該種の直線移動速度であり;
・ dcは、使用された管の内径である。
Dの値が得られた後、問題の種の流体力学的半径Rhは、RhとDが次の関係式によりつながるので、容易に決定され得る:
D = (kT)/(6πηRh) (アインシュタイン関係式):
式中:
Kは、ボルツマン定数であり;そして
ηは、該種が分散している媒体の粘度である。
上記の関係式から分かるように、該管と該使用される分散媒の特性の外に、テイラー分散の分析手法による種の流体力学的半径の決定は次の知見を含む:
− 問題の種の移動速度(u);
− 該管中の該種による走行距離(ls)。
テイラー分散を分析するのに一般に使用される方法に従って、これら2つの変数は用意に確定される。殆どの場合、この技術は特定の種の流体力学的半径の決定に使用され、種は一般に時間t=0において管の入口に導入され、t=td(検出時間)において、下流に位置した検出器の領域で検出される。このような非常に特定な条件の下で、該管中の種による走行距離は非常に容易に確定される:それは、該管の入口から該検出器に至る長さ(L)に等しい。固定され且つ正確に測定し得るこの距離(L)、及び同様正確に測定され得る検出時間に基づいて、該移動速度(u)は、関係式(L/td)によりきわめて容易に確定される。
本発明の状況においては、しかしながら、この単純な技術はもはや適用できない。該テイラー分散が開始する時(工程(C)の始め)、流体力学的半径の決定を意図されている種は、キャピラリーの入口には位置せず、対照的に、演繹的に最初の位置を決定できない帯域においてキャピラリー中に存在する。このような条件下では、改造されていない常用の方法を使用したのでは、各々の種の走行長さも、それらの移動速度も確定するのは不可能である。
テイラー分散分析を使用可能にするため、本発明者等はこの技術の特定の改造を開発せねばならなかった。この改造は、テイラー分散に先立って(本方法の工程(B))該キャピラリーの入口にマーカーを導入することを含む。この提案された方法は、非常に簡単に実施できるにも拘らず、特別に正確であることが分かった。
工程(B)に導入される該マーカーの特定の存在によって、工程(D)における様々な種の流体力学的半径の確定は非常に容易に可能である。
より正確には、該テイラー分散の始めに該マーカーが該キャピラリーの入口に導入されるという事実によって、工程(C)の間にこのマーカーによる走行距離(ls m)が知られる;それはキャピラリーの入口と検出器の間の距離(L)に等しい。このマーカーの検出時間(td m)もまた知られ、該マーカーの移動速度はそれから誘導され、該比(L/td m)に等しい。
よって、工程(A)により分離される様々な成分による移動速度及び走行距離の確定は容易に可能である:
− 移動速度に関しては、それはマーカーの速度と同一であり、キャピラリー中に存在する全ての種が工程(C)において同一の速度で動くとして与えられる。即ち、分離された各々の成分の移動速度uは次のように計算される:
u = (L/td m)
式中:Lはキャピラリーの入口と検出器の間の距離を表し;
そして、td mは該マーカーの検出時間を示す。
各々の成分により走行される距離(ls c)は、問題の成分の検出時間(td c)から次の式を用いて計算される:
ls c = L.(td c/td m)
式中:Lはキャピラリーと検出器との間の距離を表し;そして
td cは問題の成分の検出時間を示し、
td mは該マーカーの検出時間を示す。
これらのデータに基づいて、拡散係数D及び従って流体力学的半径は、上記したテイラー及びアインシュタイン関係式を用いて、容易に計算される。
このような状況において、該拡散係数Dを確定すべき全ての場合に用いられ得る方法は、様々な混合物Mの試料について、工程(b)で負荷される圧力差だけを変え、全ての他の変数は変えずに、該工程(A)、(B)及び(C)を数回繰返し、そして工程(C)で検出されるような各々の成分のピークの分散Hを各々の場合について決定することである。このように、各々の成分について、Hの様々な値が様々な圧力差について、即ち該キャピラリー中の複数種の様々な移動速度について、得られる。実際上、Hとuとの間には擬似線形(quasi-linear)関係があり、項(2D/u)は、テイラー等式中の項(dc 2u/96D)中では(in face of)通常無視できる。この事実により、各々の場合に得られる様々なH及びuの値に基づき、uの関数としてHの展開(development)を表す直線を引くことが可能であり、その傾斜はDの値の直接の確定を可能にする。
ピークの分散に対する電気泳動の工程の貢献が無視できるような、より特定の(しかし、比較的頻出する)場合については、より早い方法を実施することができる。これは、例えば、単分散分析及び/又はテイラー分散が著しい(significant)場合(この分散は、キャピラリーの内径の増加及び拡散係数Dの減少により、より大きくなる)。この極めて特定の例においては、1回の連続した工程(A)から(C)に基づき、単に問題の化合物のクロマトグラフィーピークの分散δt 2(又は、ガウスピークの場合は中間高さw1/2の幅)を測定することにより、次の関係式に基づいて分子拡散係数を得ることができる:
D = (dc 2u/96H) = (dc 2td 2u/96lsσt 2)
ガウスピークの場合は記述される
D = (dc 2u/96H) = (5.54dc 2td 2u/96lsw1/2 2)
本発明者等により開発されたこの方法は多くの利点を有する。
特に、上に示したように、この方法は、殆どの場合、拡散係数D(従って流体力学的半径Rh)を、最初に混合物中に存在する1つの種についてたった数分間で極めて容易に決定することを可能にする。
この点について、本発明の方法は、絶対的な方法であって何らの検量を必要としないものである、テイラー拡散を分析する方法を特に使用するということが更に注目されるべきである。
更に、本発明の方法は、1つの同一のキャピラリー中で行われる分離工程と分析工程を実施し、きわめて実際的な方法である。本発明の方法は、特に、何らの著しい改変のない殆ど全ての現行のキャピラリー電気泳動装置中で使用され得、現存の商業的電気泳動装置の大多数の、実際上何らの付加的費用なしの(又は最小限の費用での)実施を可能にすると考えられる。
例えば、本発明の方法は、Agilent Technologieから市販の3DCE型、又はBeckman Coulterから市販のPACE MDQ型のキャピラリー電気泳動装置中で有利に使用され得る。
本方法の様々な変形及び好ましい実施態様は、以下により詳細に記載されるであろう。
混合物Mの成分
本発明の方法は、混合物中の成分がキャピラリー電気泳動手法により分離され、そして数多くの成分についての場合は引続き検出される(有利には、UV吸収又は別法として特に蛍光又は電導度分析により)、時間に基づいて、混合物中に存在する多数の成分の寸法を精密に特性決定することを可能にする。成分が本発明の方法により分離される混合物Mは、かくして、実際上、キャピラリー電気泳動による分離に適した任意の混合物であり得る。該電気泳動法としては、特に、M.G. Khaledi in High Performance Capillary Electrophoresis, Chemical Analysis Series, vol. 146, (1998)又はS.F.Y.Liの刊行物”Capillary electrophoresis: princiles, practice and applications”, Journal of Chromatography Library, vol. 52, third edition (1996)が参照され得る。
殆どの場合、本発明によって分離され特性決定される混合物の「成分」は、分子、高分子、分子又は高分子(ポリマー、ペプチド、蛋白質、---)の会合物、粒子(鉱物質又は有機質、特にナノ粒子)、コロイド、分散媒に不溶な液滴(例えば、エマルジョン、ミクロエマルジョン又はラテックスタイプの)、粒子の凝集物、ポリマー、及び/又は微生物(ウイルス、バクテリア、細胞、---)の凝集物、である。これらの成分は分散状態で又は溶媒もしくは分散媒中に溶解して混合物M中に存在し得る。混合物Mは、これらのタイプの内の唯1つ又は上記した類型の幾つかから取られた化合物の混合物、に属する成分を含み得る。
正確な性質がどの様であれ、本発明により分離され特性決定される成分は、殆どの場合数10ナノメーターと数マイクロメーターの間の流体力学的半径を持ち、本発明方法は、特に、0.5nm 〜 1μm、例えば1nm 〜 500nm程度の流体力学的半径を持つ成分の分離及び特性決定にきわめて適する。
混合物Mの成分は荷電又は非荷電の種であり得る。
このように、特定の実施態様によれば、混合物Mの成分の全て又は幾つかは、荷電された種である。現在知られている立体排除クロマトグラフィー技術と比べた本発明の利点の1つは、そのような荷電された種を分離及び特性決定できることである。この実施態様によれば、混合物Mは、同じ符号の電荷を持つ複数の荷電成分の混合物であり得るが、異なる符号の電荷を持つ成分の混合物もまた考えられ、該混合物は所望により非荷電の成分を含有し得る。
1つの可能な実施態様において、該混合物Mは非荷電の成分、特に、非荷電であり且つミセルモード(micellar mode)におけるキャピラリー電気泳動の手法で分離され得る成分、を含み得る。
使用されるキャピラリー
本発明の方法において、1つの、同一のキャピラリーが電気泳動分離工程(工程(A))及びテイラー拡散(工程(C))を行うために使用される。
実際上、電気泳動に適した任意のキャピラリーが本発明の方法に適しており、これらのキャピラリーはまた通常テイラー拡散にも適することが分かる。
本発明の方法の工程(A)から(c)で使用するキャピラリーは、有利には5〜300μmの内径を持つキャピラリーであり、工程(c)で行われるテイラー分散は内径の増加により増加する。キャピラリーの内径は、特に、工程(A)で分離される様々な成分のピークの重なりが過度に高いレベルになることを導く可能性のある過度に高いレベルのピークの分散を防ぐため、有利には200μm又はより小さく、好ましくは100μm又はより小さい。
しかし、この内径は、特に、測定の適正な感度を可能にし、且つ理論平坦域高さ(H)が直線移動速度(u)のアフィン関数(affine function)となるような条件を提供するため、10μm又はより大きく保持するのが好ましい。
このように、本発明の分離方法を実施するのに有利に使用され得るキャピラリーとして、特に、例えば内径10μm、25μm、50μm、75μm又は100μmのような、内径が10 〜 100μmのキャピラリーが挙げられ得、50μmのキャピラリーが殆どの場合特に適することが分かる。
更に、本発明の方法に使用するキャピラリーは、一般に、第1帯域における電気泳動手法による分離及びキャピラリーの残部におけるテイラー分散を可能にするための十分な長さを必要とする(キャピラリーの第1の方向に電気泳動を行い他の方向のキャピラリーを用いてテイラー分散を行うことにより必要空間を減らすことも考えられるが)。一般原則として、本発明の方法で工程(A)から(c)で使用するキャピラリーは、少なくとも20cm、より好ましくは少なくとも30cmの長さを持つ。しかしながら、殆どの場合、分析時間に限度を設けるため、キャピラリーの長さは1m以下、有利には60cm以下が好ましく、この長さは、例えば、50cm又はより短い。このように、典型的には、本発明による有利なキャピラリーの長さは、有利には20cmから1m、例えば20から60cm、好ましくは30から50cm(典型的には40cm程度)である。しかし、この長さは大きく変え得る。
更に、使用されるキャピラリーは、検出器を付帯して提供され、それにより、工程(B)に導入されるマーカー、及びクロマトグラフィーピークの形で観察されるように工程(A)で分離される様々な成分の出力が可能になる。該使用される検出器は、特に、UV又はIR放射線吸収の検出器、蛍光又は電導度分析の手法による検出器(特に、一般に「非接触電導度検出器」と言われるタイプの電導度分析器を含む)である。
一般に、本発明により使用される検出器は、該キャピラリーの出口の側に設置される。検出は一般に、該キャピラリーの最後の10cmに典型的に位置された帯域でキャピラリーを介して行われる。この点に関して、本記載中に「キャピラリーの入口と検出器との間の長さ」が引用された場合、この表現は通常の意味を有し、キャピラリーの入口とこの検出帯域との間の長さを指すものであることが注意されるべきである。
工程(A)
本発明の方法の工程(A)は、電気泳動の手法による分離のための工程であり、それは、該混合物Mの成分の分離を、それらの供給量(charge)により又は供給量/全体量比(charger/mass ratio)により最上に行うため、それ自体知られている任意の手段を用いて実施され得る。
電気泳動の専門家は、工程(A)で可能な最も完全な分離を達成するために実施されるべき条件を採用できる。化合物の混合物の分離のために行われる電気泳動操作を、それらの供給量又は供給量/全体量比により実施するための一般的な条件に関する詳細については、特に、M.G.Khaledi in High Performance Capillary Electrophoresis, Chemical Analysis Series, vol. 146, (1998)の記事、又は上記した刊行物、S.F.Y. Li “Capillary electrophoresis: principles, practice and applications”, Journal of Chromatography Library, vol. 52, third edition (1996)、が参照され得る。
電気泳動の専門家はまた、分離された種が工程(A)に続くキャピラリー中に留まるように、工程(A)の持続(duration)を採用することが出来る。この状況では、特に工程(c)が可能な限り効率的であるように、混合物の成分がキャピラリーの最初の半分を越えて移行しない、有利には最初の3分の一を越えない、ことが好ましい。
殆どの場合、工程(A)は常用の方法、即ち、キャピラリーを分離電解液で満たし、次いで混合物Mを該キャピラリーの先端部に注入し、そしてキャピラリーの入口と出口の間に電位差を適用することにより該混合物の成分を分離することにより行われる。
もう1つの、より特定の実施態様により、工程(A)は、特に出願FR 03 10299中に記載された技術により、1本のキャピラリー中で2次元キャピラリー電気泳動操作を行うことにより実施され得る。
工程(B)
工程(B)では、管の先端においてマーカーが注入され、そして工程(c)において混合物の全ての成分の速度が決定されることを可能にし、そして、各々の成分による走行長さが決定され、それは工程(D)において流体力学的半径が確定されるのを可能にする。
このマーカーの選択は、従って、きわめて重要である。このような状況において、特に、このマーカーがキャピラリーの出口にある検出装置により非常に適切に検出されるのが有利である。このマーカーが出口装置の領域で可能な限り精密なピークが得られるのを可能にすることが、特に該マーカーの検出時間の測定を最適化するために、好ましい(極めて一般に必要とされるものではないが)。
工程(B)に導入されるマーカーは、一般に、中性の又は荷電されたものであり得る、比較的小さい分子の種である。多数の化合物がこの状況で使用可能である。工程(c)におけるマーカーとしての使用に適した化合物の例については、次の化合物を挙げることが出来る(数多くの他の例の中から):
− 適切な中性の化合物:ホルムアミド、ジメチルホルムアミド又はメシチルオキシド又はアセトン;
− 適切な荷電された化合物:イミダゾールタイプのマーカー(カチオン性マーカー)又は安息香酸又はナフタレンスルホネート(アニオン性マーカー)。
本発明のもう1つの実施態様によれば、それは特に付加した実施例の発明に対応するが、工程(A)で分離された混合物Mと工程(B)の間にキャピラリー中に導入されるマーカーは、共に該キャピラリーの同じ入口を介して注入され、検出装置は該キャピラリーの他の端部の側に配置されている。
もくろみ得るもう1つの特定の実施態様によれば、工程(A)で分離された混合物Mは、工程(B)で該マーカーが導入されるところである反対の端部を介して逆に注入される。この第2の実施方法は、工程(A)の電気泳動分離を行い次いで工程(B)のテイラー分散を行う両方に、キャピラリーの全体の長さを利用するという利点を持つ。この実施方法により、分離される該複数種は、工程(A)において第1の方向に移行し、工程(B)において反対方向に移行する。その結果、本発明のこの特定の実施態様は、一般に、該混合物とマーカーとが該キャピラリーの同じ入口を介して注入される実施態様に比べて、必要なキャピラリーはより短い。
本発明方法の工程(C)は、テイラー拡散の手法により、該キャピラリー中に分離された成分のピークを広げることを意図する。
このテイラー拡散、そのメカニズムは特にG.Taylor, in Proc. Roy. Soc., A, 219, 186-203(1953)及びR.Aris, in Proc. Roy. Soc. Lond. A, 235, 67-77(1956)の論文により周知である、は、任意の公知の方法、例えば、Phys. Chem., 1974, 78, 2297-2301又はScience, 1994, 266, 773-776に記載された技術に従って実施され得る。
本発明の方法の状況においては、該テイラー分散は、工程(C)において、それを介して工程(B)のマーカーが導入されるキャピラリーの一端と該キャピラリーの他の端部との間に正の静水圧差を設けることにより引き起こされ、このように創られた圧力勾配は、出口方向への溶媒の明瞭な流れと、それによる様々な種(マーカー及び当初の混合物Mの成分)の検出器方向への明瞭な流れを引き起こす。
殆どの場合、工程(C)の間に適用されるキャピラリーの両端部間の圧力差は、5〜50 mbar(500〜5000Pa)程度である。
更に、工程(C)の間に適用されるキャピラリーの両端部間の圧力差は、特に工程(D)における流体力学的半径の可能な限り正確な測定を可能にするため、工程(C)の全期間実質的に一定に保つのが一般に好ましい。このように、有利には、この工程(C)の間、該減圧は、設定基準値(fixed referencevalue)に対して最大で±0.1 mbar (10 Pa)の範囲で変化する。しかし、この基準値は、殆どの場合は正確に決定されねばならないという訳ではない。
工程(C)において、該キャピラリーの両端部間の圧力差は、公知の任意の方法、例えば、それを介して工程(B)のマーカーが導入されるキャピラリーの端部領域に過剰な圧力を適用するか、逆に他の端部に減圧を適用する、ことにより設定され得る。
もう1つの有利な実施態様において、キャピラリーの両端部間の圧力差は、入口の溶媒貯槽とキャピラリーの出口のそれとの間の高さを変えることによって引き起こし得る。この実施態様は、付加的な圧力調整システムなしに工程(C)の全期間一定の圧力差が設定されるのを可能にするという限りにおいて一般に有利であることが分かる。
更に、知られているように、工程(C)では、様々な成分の検出時間が比dc 2/2D(式中、dcはキャピラリーの内径である)よりも非常に大きい必要がある。この分野の専門家はキャピラリーをこの条件に合うように改変できる。
その様々な利点を考慮すると、本発明の方法は非常に多くの潜在的用途を持つ。それは、小さい分子とより大きい分子を共に含む混合物、例えばペプチド、蛋白質、DNA又はRNA鎖(又はDNA又はRNAの断片)又はポリマー(特に、例えば製紙産業で使用されるタイプのようなラテックス)又は例えばコロイド、ナノ粒子又は微生物(例えば、ウイルス、バクテリア)のようなより複雑な目的物、中に存在する数多くの分析される試料の寸法の決定を可能にする。
その非常によいレベルの正確さを考慮すると、本発明の方法は、類型的な化学分析及び物理化学的分析のみならず、品質管理及び、例えば活性成分(特にインスリンのような化合物)の提供に用いられる合成ポリペプチドの特性決定のための生物医学的分析にも用いられ得、よいレベルの正確さを与える。
本方法の様々な態様と利点は、下記の実施例により、より明確に認識されるであろう。
実施例1:混合物中の2種のポリマーの流体力学的半径の決定
本発明方法は、2種のポリマーP1及びP2を含む試験混合物について実施された。
− ポリマー P1:アクリルアミド(90モル%)と2-アクリルアミド-2-メチル-プロパン-スルホネート(10モル%)のランダムコーポリマーであって、チャージレベル(charge level)10%、平均分子量2×105 g/モル(ポリモレキュラリティーインデックス(polymolecularity index)2程度);
− ポリマー P2:ポリスチレンスルホネート(チャージレベル100%)で、平均分子量1.45×105 g/モル(ポリモレキュラリティーインデックス1.2未満)。
より正確には、該試験混合物は、ポリマーP1濃度5 g/l、ポリマーp2濃度0.5 g/lであるポリマーの水溶液である。
電気泳動の手法による2つのポリマーの分離及び引き続くそれらの夫々の流体力学的半径の決定に使用されたキャピラリーは、内径dcが50マイクロメーターで全長が40cmの高純度2酸化ケイ素のキャピラリーであり、該キャピラリーの入口から31.5cmのところの該キャピラリーの出口に位置したUV検出器(200nmの波長を吸収する化合物の検出)を備えている。
この方法の使用温度は25℃である。
数多くの一連の電気泳動分離操作が行われ、次いでテイラー分散が行われ、テイラー分散のための工程(C)で適用される減圧の値だけを変化させて、各々の場合に工程(A)から(C)が下記のように実施された。
(a) 混合物(m)のポリマーP1及びP2の電気泳動分離
キャピラリーは、前もって、80ミリモル、pH 9.2の硼酸塩緩衝水溶液(aqueous borate buffer)である分離電解液で充填された。このキャピラリー管の充填を行うために適用された圧力は1 bar(105 Pa)であった。キャピラリーには、この電解液が、電気泳動操作及びそれに続く工程の全期間に亘り供給された。
2種のポリマーP1及びP2を含む混合物(m)が、次いで、40 mbar(4000Pa)の圧力を3秒適用することによりキャピラリーの入口において導入された。
この注入に続いて、キャピラリーの入口と出口の間に26kVの電位差を60秒適用することにより、電気泳動が行われた。
ポリマーP1及びP2の分離はこのようにキャピラリー中で行われ、行われた電気泳動操作の条件下で、コーポリマーP1は、ポリマーP2よりも速くキャピラリーの出口方向に移行した。
(b) マーカーの注入
電気泳動に続いて、適用された電位差が解除され、そして、キャピラリーの入口において、ホルムアミドの0.03容積%水溶液が注入され、導入されたホルムアミドはこの方法の残りの工程においてマーカーとして機能した。ホルムアミドの注入は、40 mbar(4000 Pa)の圧力を3秒適用して行われた。
(c) テイラー拡散
上記工程(b)のマーカーの導入に続いて直に、キャピラリー中に存在する様々な画分についてテイラー拡散を起こさせるために、流体力学的圧力ΔPがキャピラリーの入口に適用された。このように適用された圧力は、該マーカーが該キャピラリーの出口で検出されるまで維持された(順に、ポリマーP1が始めに排出され、次いでP2、次いでマーカーが排出される)。
工程(a)から(c)は次の様々なΔP値について行われ:30 mbar、35 mbar、40 mbar、45 mbar及び50 mbar(即ち、3000 Pa、3500 Pa、4000 Pa、4500 Pa及び5000 Pa)、ΔP値は、各々の場合、該基準値に対し0.1 mbar以内であるように一定に保持された。
各々の場合、該複数種の各々について検出時間が測定された(該過剰圧力の適用開始と該検出器の領域での検出の時の間で測定された時間)。
例えば、35 mbarの減圧については、次の検出時間が測定された。
コーポリマーP1: td p1 = 2.418分
ポリマーP2: td p2 = 4.482分
マーカー: td m = 6.859分
中間高さの幅 w1/2 も、対応するポリマーP1及びP2のクロマトグラフィーピークの各々について測定された。
(d) 該ポリマーの流体力学的半径の決定
各々の場合、該マーカーの検出時間に基づき、移行速度(u)が該マーカー(検出時間において31.5 cm動いた)について確定された。この速度は工程(a)の開始時にキャピラリー中に存在する全ての分析される試料について同一でありそしてポリマーP1及びP2の各々について検出時間が測定されるので、テイラー拡散の間での各々のポリマーの走行長さ(ls)がそれから得られ(この長さは、各々のポリマーの検出時間に移行速度を掛けた値に等しい)、それによりテイラー関係式に従って各々の場合に各々の成分のピークの分散Hの決定が可能となる。
先に計算された値に基づいて得られたuの関数としてのHの展開を示す直線の傾斜に基づき、該ポリマーの各々について分子拡散係数の値が確定された。
対応する拡散係数Dは、対応する流体力学的半径Rhと共に下記の表に示される。
表はまた、参照として、ポリマーP1及びP2の各々について単独状態で(taken in isolation)得られた拡散係数Drefの測定結果を含み、それは、本方法で得られた結果が完全にこれら参照値に対応することを確証する。
Figure 2010503841
(*) 粘度を1センチポイズ(10−3 Pa.s)としてストークス/
アインシュタイン関係式に基づき計算した値。
(**) コーポリマーP1単独についてテイラー分散分析の手法により計算した値。
(***) 次の等式により計算した値:
D = (kT/6 πη)×(10 πηNA/3[η]M)1/3
式中、NAはアボガドロ数である。水中、イオン力(ionic force) 0.1MにおけるPSSの固有粘度は、[η] = 1.68 10−4 M0.68、dL/gを単位とした[η]として(Macromolecules, 1983, 17, 1698-1704)。
実施例2:混合物中に存在するポリマーとDNA鎖の流体力学的半径の決定。
本発明の方法は、実施例1と同様の条件下で、試験混合物について実施された。
− 実施例1のポリマーP1、及び
− 配列(5’-TCCTTTGTTTGTG)に従った、13単位に基づくオリゴヌクレオチドであるDNA鎖。
実施例2で試験された混合物は、より正確には、7.5 g/l のポリマーと0.98 g/lのDNA鎖を含む水溶液である。
使用されたキャピラリー及び条件は実施例1と同じである。
ポリマーP1及びポリマー鎖について決定された拡散係数D及び流体力学的半径RHは、下記表に示される。
表はまた、参照として、ポリマーP1及びDNA鎖各々単独で得られた拡散係数Drefの測定結果を含む。
Figure 2010503841
(*) 粘度を1センチポイズとして、ストークス/アインシュタイン関係式に基づき計算した値(10−3 Pa.s)。
(**) コーポリマーP1単独についてテイラー分散の手法により計算した値。

Claims (9)

  1. 次の工程を含む、混合物Mの成分の分離及びその成分の流体力学的半径決定のための方法:
    (A)該混合物Mの成分は、キャピラリー電気泳動の技術を用い、そして該成分を該キャピラリー中に残すことにより分離され;
    (B)工程(A)において分離された各成分を種々の帯域に含む、この仕方で得られる該キャピラリーの一方の端部において、検知し得るマーカーが、該キャピラリーの他の端部の側に配置された検知装置の領域中に注入され;
    (C)工程(B)のマーカーが導入された該キャピラリー端部と該キャピラリーの他の端部との間に正の静水圧差が引き起こされ、それにより、テイラー分散の現象と協同して、該キャピラリー中に存在する種々の種の移動が引き起こされ、そして、工程(A)の間に分離された様々な成分及び最後には工程(B)の間に導入された該マーカーが該キャピラリーの出口における検出装置の前部に移行可能にされ、そして
    (D)得られた該テイラー分散を分析することにより、該マーカーの検出時間及び各成分の溶離分布に基づいて、各成分について流体力学的半径が決定される。
  2. 工程(D)において、該混合物の成分の全て又は幾つかが荷電された種である、請求項1に記載の方法。
  3. 該混合物Mが、荷電されておらずそしてミセルモードにあるキャピラリー電気泳動の手段により分離され得る成分を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該混合物Mの成分が、分子、高分子、分子又は高分子の会合物、粒子、コロイド、分散媒に不溶な液滴、粒子凝集物、ポリマー及び/又は微生物の凝集物である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 該使用されるキャピラリーの内径が10〜100マイクロメーターである、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 該使用されるキャピラリーの長さが、20cm〜1m、例えば30〜50cmである、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 工程(B)で導入される該マーカーが、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、メシチルオキシド、アセトン、イミダゾールタイプのマーカー、安息香酸及びナフタレンスルホネートから選ばれる、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 工程(C)の間該キャピラリーの末端間に適用される減圧が、この工程の全期間実質的に一定である、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 該工程(A)、(B)及び(C)が、該混合物の異なった試料について、夫々の場合工程(B)で課される圧力差のみを変化させ、他の全てのパラメーターは変化させずに数度繰り返され、それにより異なった圧力についてピーク分散及びキャピラリー中の移動速度の種々の値が確定され、それは該移動速度に従って夫々の成分について該ピーク分散の直線的な展開線が引かれることを可能にし、その傾斜は問題の成分の拡散係数を確定し、それに基づいて該成分の流体力学的半径が計算される、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
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