JP2015521743A - テイラー分散の実施により粒子の混合物の粒径分布を決定する方法および関連するシステム - Google Patents

テイラー分散の実施により粒子の混合物の粒径分布を決定する方法および関連するシステム Download PDF

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Abstract

テイラー分散を実施することにより粒子の混合物の粒径分布を決定する方法および関連するシステム。この方法は、試料をキャピラリ内に注入するステップ(100)と、試料を、テイラー分散現象を発生させるのに適した実験条件でキャピラリに沿って移送するステップ(110)と、テイラー分散に特徴的な信号を生成するステップ(120)と、信号を処理して、実験テイラー信号【数1】を得るステップ(130)と、実験テイラー信号【数2】を解析するステップ(200)とを含む。解析ステップは、振幅分布P(G(C))に従わなければならない制約と関連する少なくとも1つの制約項を含む費用関数Hαを最小化する制約付き正則化アルゴリズムを実施することにより、実験テイラー信号【数3】をガウス関数の和に分解することを可能にする振幅分布P(G(c))を求め、上記の最小化は、ガウス振幅関数P(G(c))に特徴的なパラメータG(c)の値の関心のある間隔について実行される。

Description

本発明は、テイラー分散の実施により粒子の混合物の粒径分布を決定する方法および関連するシステムに関し、この方法および関連するシステムは、以下のステップを含む。
分析対象の混合物の試料を、溶離剤が流れているキャピラリに注入するステップ、
注入した試料を、検出部分のレベルで測定可能なテイラー分散現象を発生させるのに適した実験条件で、キャピラリに沿って注入部分から検出部分まで移送するステップ、
検出部分を含む最適なセンサにより、移送された試料のテイラー分散に特徴的な信号を生成するステップ、
検出信号を取得して、実験テイラー信号を得るステップ、
実験テイラー信号を解析するステップ。
以下、「粒子」という用語は、溶液中の任意の分子、および/または混合物中に懸濁する粒子を指す。
本明細書では、1つの種は、例えば同じ流体力学的レイなど同じサイズを特徴とする全ての粒子を含む。したがって、1つの種は「粒子サイズ」値と関連付けられる。
本分野では、テイラー信号の「デコンボルーション(解析)」という用語は、混合物を構成する各種の流体力学的レイの決定およびこれらの各種の濃度の決定をする実験テイラー信号の処理を指す。
国際公開第2010/009907A1号パンフレットとして公開された国際出願には、その解析ステップにおいて、実験テイラー信号の様々なデコンボルーションアルゴリズムを実施する、前述のタイプの方法が開示されている。ただし、これらのアルゴリズムは、2成分混合物、すなわち2種類の種の混合物という特殊な場合にしか使用することができない。したがって、これらの既知のアルゴリズムでは、どのような所望の試料でも解析できるわけではなく、2種類の種を混合したものであることが予め分かっている試料しか解析することができない。
実際に、任意の所与の種の混合物の試料の実験テイラー信号をデコンボルーションするという一般問題を解くことは不可能であると、現在は考えられている。
国際公開第2010/009907A1号
したがって、本発明は、特に、任意の所与の混合物の試料の実験テイラー信号のリアルタイム解析を行う方法を提案することで、この問題を緩和しようとするものである。
この目的のために、本発明は、分子または粒子種の混合物の粒径分布を決定する方法であって、
解析対象の前記混合物の試料を、溶離剤が流れているキャピラリ内に注入するステップと、
注入した前記試料を、検出部分のレベルで測定可能なテイラー分散現象を発生させるのに適した実験条件で、前記キャピラリに沿って注入部分から前記検出部分に移送するステップと、
前記検出部分を含む最適なセンサにより、前記移送した試料のテイラー分散に特徴的な信号を生成するステップと、
前記検出信号を処理して、実験テイラー信号
Figure 2015521743
を得るステップと、
前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
を解析するステップとを含み、
前記混合物の試料の実験テイラー信号
Figure 2015521743
を解析する前記ステップが、前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
を方程式
Figure 2015521743
によってガウス関数の和に分解することを可能にする振幅分布P(G(c))を探索する。
ここで、tは、前記実験テイラー信号が依存する変数であり、tは、前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
のピークに対応する、前記様々なガウス関数に共通の変数tの値であり、
(c)は、ガウス振幅関数P(G(c))の特徴パラメータであり、
c=1の場合には、関係式
Figure 2015521743
に従って種の拡散係数Dと関連し、
c=−1の場合には、関係式
Figure 2015521743
に従って種の流体力学的レイRと関連し、
c=−1/d=−(1+a)/3の場合には、関係式
Figure 2015521743
に従って種のモル質量Mと関係する。
ここで、kは、ボルツマン定数であり、Tは、実験が行われるケルビンで表現される絶対温度であり、ηは、使用する前記溶離剤の粘度であり、Rは、使用する前記キャピラリの内部レイであり、Nは、アボガドロ数であり、Kおよびaは、マルク・ホウインク係数であり、
前記探索が、前記方程式の解である前記振幅分布P(G(C))に従わなければならない制約と関連する少なくとも1つの制約項を含む費用関数Hαを最小化する制約付き正則化アルゴリズムの実施により行われ、前記最小化が、前記パラメータG(c)の値の関心のある間隔について実行される。
特定の実施形態によれば、この方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を、単独で、または技術的に可能な全ての組合せで含む。
前記方程式が、前記パラメータG(c)の値の間隔を細分することによって離散化され、各離散点Gが、単位値と値Nとの間で変化する整数mで指標を付けられ、前記点Gが、長さcの小間隔に対応する点Gm−1からある距離にある。
前記費用関数が、
α=χ+αΔ
をとり、
第1項χが、前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
Figure 2015521743
で定義される再構築されたテイラー信号の間の距離項であり、
第2項Δが、前記方程式の解である前記振幅分布P(G)に従わなければならない前記少なくとも1つの制約と関連する制約項であり、前記第2項が、ラグランジュ係数αによって導入されて、前記費用関数Hαの前記第2項の寄与分を前記第1項に適応させることができる。
前記第1項χが、
Figure 2015521743
をとる「最小2乗」タイプの距離であり、
前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
および前記再構築された関数S’(t)が、経時的にサンプリングされ、各試料が、単位値と値Lの間で変化する整数kで指標を付けられる。
前記方程式の解である前記振幅分布P(G)が従わなければならない前記少なくとも1つの制約が、
Figure 2015521743
をとることが好ましい制約項Δと関連する正則性制約である。
前記解析ステップが、前記費用関数Hα=α0の最小値に対応する距離項χの値が、ν=L−Nをとることが好ましい統計誤差νより小さい値に近くなるように、前記ラグランジュ係数αの最適値αを決定するステップを含む。
前記パラメータG(c)の値の関心のある間隔が、最小値Gminおよび最大値Gmaxによって範囲を定められるので、前記方法は、前記最小値および前記最大値の値を決定するステップを含む。
前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
と関連する正規化テイラー信号s(t)を、関係式s(t)=S(t)/S(t)によって構成要素に分解するステップを含み、前記分解ステップが、1次の構成要素Γおよび2次の構成要素Γを決定するように、前記変数(t−tの2次多項式を曲線ln[s(t)]に合わせて調整することからなり、前記最小値Gminおよび前記最大値Gmaxの値を決定する前記ステップが、方程式
Figure 2015521743
および
Figure 2015521743
を使用し、
βおよびγは、それぞれ対数正規分布のパラメータGの対数の平均および標準偏差であり、その後、
Figure 2015521743
および
Figure 2015521743
を使用する。
前記関心のある間隔の前記最小値および前記最大値の値を決定する前記ステップが、実験的であり、
関係式s(t)=S(t)/S(t)によって前記実験テイラー信号
Figure 2015521743
と関連する正規化テイラー信号s(t)を決定すること、
前記対数ln[s(t)]を計算すること、
前記変数x=(t−tに対する導関数
Figure 2015521743
を決定すること、
min=0.1、amax=3として、関係式
Figure 2015521743
および
Figure 2015521743
に従って前記導関数の極値に関係するパラメータτminおよびτmaxの値を決定すること、ならびに
c=1の場合には、方程式
Figure 2015521743
を使用し、
c=−1の場合には、方程式
Figure 2015521743
を使用し、
c=−1/d=−(1+a)/3の場合には、方程式
Figure 2015521743
を使用して、前記最小値Gminおよび前記最大値Gmaxを決定する。
前記実験テイラー信号に基づくパラメータG(1)のTにおける平均<G>および/または前記分解に基づくパラメータG(1)のΓにおける平均<G>Γを測定するステップを含み、各平均を、前記方程式の解である振幅分布P(G(1))が従わなければならない制約で使用することができる。
前記最小値Gminおよび前記最大値Gmaxの値を決定する前記ステップが、方程式
Figure 2015521743
および
Figure 2015521743
を使用し、次いで
Figure 2015521743
および
Figure 2015521743
を使用する。
また、本発明は、コンピュータによって実行されたときに、上述の分子または粒子種の混合物の流体力学的レイ、拡散係数またはモル質量分布を決定する方法を実行するための命令を含むデータ記憶媒体にも関する。
最後に、本発明は、コンピュータを含む、分子または粒子種の混合物の流体力学的レイ、拡散係数またはモル質量分布を決定するシステムであって、前記コンピュータが、上述の分子または粒子種の混合物の流体力学的レイ、拡散係数またはモル質量分布を決定する方法を実行するようにプログラムされるシステムに関する。
本発明のその他の特徴および利点は、例示を目的として与える以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読めば、明らかになるであろう。
粒子混合物の粒径分布を決定するシステムを示す概略図である。 図1のシステムによって実施される粒子混合物の粒径分布を決定する方法を示す概略ブロック図である。 合成高分子の2つの試料の等質量混合物の場合に図2の方法を実施した結果を示すグラフであり、3つの反復する実験テイラー信号の総計を示す図である。 合成高分子の2つの試料の等質量混合物の場合に図2の方法を実施した結果を示すグラフであり、図2の方法を実施することによって得られる流体力学的レイ分布を、合成高分子試料の供給元から提供される、排除クロマトグラフィによって得られる分布と比較して示す図である。 合成高分子の2つの試料の等質量混合物の場合に図2の方法を実施した結果を示すグラフであり、図2の方法によるテイラー信号の調整を示す図である。 合成高分子の2つの試料の等質量混合物の場合に図2の方法を実施した結果を示すグラフであり、図3の実験テイラー信号の構成要素への分解を示す図である。
実験装置
図1を参照すると、粒子の混合物のサイズを決定するシステム2は、テイラー分散現象を発生させ、実験テイラー信号を生成するのに適した実験装置3と、実験装置3から出力された実験テイラー信号を解析して、その試料が実験装置に注入されている粒子混合物の粒径分布をリアルタイムで決定するのに適した解析装置5とを含む。
実験装置3は、既知の通り、キャピラリ6を含む。
実験装置3は、キャピラリ6の一方の端部の近傍に注入部分7を含み、キャピラリ6の他方の端部の近傍に検出部分9を含む。
注入部分7は、解析対象の混合物の試料をキャピラリ6に注入する手段11を含む。また、注入部分7は、溶離剤がキャピラリ6内を注入部分7から検出部分9まで流すことができる手段も含む。これらの流れ手段は、図1では、ブロック13として概略的に示してある。
検出部分9は、光学的なものである。検出部分は、光源Sから発出された光線をキャピラリ6の狭い部分に収束させるのに適した光源Sおよび光学系15を含む光学セルを備える。光学系15の光軸に沿って、ただしキャピラリ6の照射側の反対側に、セルは、キャピラリ6を通過した光を収集し、収集した光に対応する検出信号を生成するのに適したCCD、ダイオード・アレイまたは光電子増倍管センサ17を含む。センサ17は、センサ17が生成した検出信号を前処理してダイジェスト化する電子カード19に電気的に接続される。カード19は、時間依存性のデジタル測定信号を出力する。この測定信号を、「実験テイラー信号」またはテイラーグラムと呼ぶ。以下、実験テイラー信号は、
Figure 2015521743
と表す。
実験テイラー信号
Figure 2015521743
は、所定の時間的頻度でサンプリングされるが、サンプリング点t(k=1、…、L)は、一定間隔である。したがって、実験テイラー信号
Figure 2015521743
は、一群のL対のデータ(t
Figure 2015521743
)からなる。
1つの変形形態では、検出部分は、例えば質量分析、蛍光(適用可能であればレーザ誘起蛍光)、電気化学または光の拡散を用いる導電率検出器、あるいはさらに一般的に、キャピラリ電気泳動に使用される任意のタイプの検出器など、別のタイプのものであってもよい。特に、テイラー信号は、時間信号(細いセンサの前でテイラー・ピークをスクロールする)でなく、空間信号(幅広のセンサの前でテイラー・ピークを瞬間的に捉える)であってもよい。この場合には、変数tは時間を表すのではなく、キャピラリに沿った位置を表す。
解析装置5は、実験装置3の電子カード19が接続された入出力インタフェース21を含むコンピュータからなる。
このコンピュータは、RAMおよび/またはROMなどのメモリ23と、マイクロプロセッサなどの処理ユニット25とをさらに含む。また、このコンピュータは、図1に番号27で示す、人間/機械インタフェース手段も含む。人間/機械インタフェース手段としては、例えば、ユーザがコンピュータ5と対話することを可能にするタッチ・スクリーンなどが挙げられる。コンピュータの全ての構成要素は、例えばデータ交換バスを用いるなど、既知の方法で相互接続される。
実験テイラー信号
Figure 2015521743
は、ソフトウェア・アプリケーションによって処理され、ソフトウェア・アプリケーションの命令は、メモリ23に格納され、処理ユニット25によって実行される。このソフトウェアは、図1には、ブロック31で概略的に示してある。
テイラー信号のモデル化
既知の方法では、(i)信号のピークのレベルにおける分散に対するキャピラリ6に沿った拡散の寄与は無視することができ、(ii)キャピラリ6への試料の注入時間は十分に短く(通常、注入する体積はキャピラリの容積の1%未満)、(iii)検出装置は、分子の質量に対して感度があると仮定すると、単分散試料、すなわち1種類の種しか含まず、したがって流体力学的レイ値Rまたは拡散係数Dで特徴付けられる試料の実テイラー信号S(t)は、次のガウス関数でモデル化される。
Figure 2015521743
ここで、
Cは、計器定数、
Mは、種のモル質量、
ρは、種のモル濃度、
は、キャピラリの内部レイ、
は、テイラー信号のピークに対応する瞬間、
Bは、測定アーチファクトを構成するオフセットである(以下では、この項は、制約付き正則化方法で考慮されるので、分かりやすくするために省略する)。
なお、仮定(iii)は、検出部分で使用するセンサの性質に依存すること、および別のタイプのセンサを使用すれば、当業者には既知の形で本明細書に示す数式が変化することを強調しておく。
多分散試料、すなわち複数の種を含む試料の実テイラー信号S(t)は、各種の寄与の合計としてモデル化される。したがって、種の連続体を含む混合物を仮定すると、数式(1)は、以下のようにガウス関数の連続和として一般化される。
Figure 2015521743
数式(2)では、ガウス関数は、全て、同じ参照時間tを中心とする。
パラメータ
Figure 2015521743
を導入して、数式(2)を、
Figure 2015521743
のようにする。P(G)は、以下、パラメータGのガウス関数の「振幅分布」と呼ぶ。
パラメータGの値は、拡散係数Dを介して、種と関連する。例えば、ストークス・アインシュタイン・サザーランドの式では、パラメータGの値と、流体力学的レイ値Rによって特徴付けられる種とを、
Figure 2015521743
として関連付けることができる。ここで、
は、ボルツマン定数、
Tは、実験を行う絶対温度(単位ケルビン)、
ηは、使用する溶離剤の粘度である。
したがって、数式(3)において、各ガウス関数
Figure 2015521743
は、実テイラー信号S(t)の全振幅に対する、1つの種の寄与を表す。各ガウス関数の振幅P(G)は、混合物中の対応する種の濃度に直接依存する。
ソフトウェア31の機能は、実テイラー信号S(t)を実験テイラー信号
Figure 2015521743
で置換したときの数式(3)に対応する以下の数式の解である分布P(G)を決定することである。
Figure 2015521743
実験装置によって生じる測定誤差
あらゆる測定装置と同様に、検出部分9でも系統的測定誤差が生じるので、実験テイラー信号
Figure 2015521743
は、実テイラー信号S(t)と完全には等しくならない。
数式(5)を解くと、それぞれが測定誤差の解となるいくつかの分布が決定される。換言すれば、数式(5)を解くと、実験テイラー信号
Figure 2015521743
に合わせて調節された再構築されたテイラー信号
Figure 2015521743
の和をそれぞれ生じる、ガウス関数のいくつかのファミリが特定される。この調整の基準は、検出部分によって生じる測定誤差を考慮している。
ただし、数式(5)の解となる様々な分布P(G)のうち、物理的重要性を有するのは一部のみである。ソフトウェア31が決定するのに適しているのは、このような「物理的」解である。
物理的に重要な分布を決定する方法
この問題を解消するために、ソフトウェア31は、制約付き正則化方法を実施するアルゴリズムを使用する。
このアルゴリズムは、数式(5)のパラメータGに関する離散化によって得られる以下の数式に基づく。
Figure 2015521743
ここで、所定の最小値Gmin=Gと最大値Gmax=Gの間のパラメータGの関心のある値の間隔は、整数mで識別される長さcのN個の小間隔に細分される。好ましくは、これらの様々な小間隔は、同じ長さ
Figure 2015521743
を有する。
限界は、数式(6)が離散化される間隔が分布P(G)がニルにならない間隔を超えるように設定される。したがって、P(G)=P(G)=0である。
数式(6)の未知数は、全ての振幅P(G)(m=1、…、N)からなる。
原則として、数式(6)の解は、再構築したテイラー信号
Figure 2015521743
によって実験テイラー信号
Figure 2015521743
を調整するプロセスによって得られる。すなわち、任意の時間tについて、S’(t)は、可能な限り
Figure 2015521743
に近くなければならない。
しかし、物理的に重要で確固たる結果を得るためには、調整プロセス中に、振幅P(G)に関する入手できる全ての情報を考慮して、物理的に許容可能でない全ての解を排除するようにすることが必要である。
この目的のために、制約付き正則化アルゴリズムは、N個の未知のP(G)に依存する費用関数を最小限に抑え、振幅P(G)に関する入手できる情報を制約に変換することによって、数式(6)を解く。
本実施形態では、費用関数Hαは、以下の形態をとる。
α=χ+αΔ (7)
この数式は、「実験テイラー信号
Figure 2015521743
と再構築したテイラー信号S’(t)の間の距離」に対応する第1項χを含む。
例えば、この第1項は、「最小2乗」タイプの距離である。
Figure 2015521743
別の距離測度を使用することもできる。特に、前述の和において、瞬間tにおける測定値に影響を及ぼすノイズに反比例する係数wで各項に重み付けする距離測度を使用することもできる。
費用関数Hαは、制約項と呼ばれる、物理的重要性のない振幅P(G)をペナライズする制約を表す第2項Δを含む。
例えば、
Figure 2015521743
である。
この例では、制約項は、分布P(G)の2次導関数の2乗した項の和に対応する。この制約項は、正則性制約に変換される。近傍の振幅P(Gm−1)またはP(Gm+1)に対して変化が速すぎる振幅P(G)は、したがってペナライズされる。
正則性制約の別の例は、以下である。
Figure 2015521743
この制約項は、分布P(G)の3次導関数の2乗した項の和に対応する。n次導関数(n≧1)に基づく正則性制約への一般化は直接的であり、当業者なら行うことができる。
以下、使用する正則性制約は、数式(9)の分布P(G)の2次導関数のものとする。
費用関数Hαの第1項および第2項は、ラグランジュ係数である係数αの値を選択することによって適合させることができる相対寄与を有する。この係数は、距離項に対する制約項のサイズを検証するものである。αが非常に小さい場合には、制約項は無視することができる。この場合には、費用関数を最小化すると、実験データに合わせた単純な調整と同じ結果が得られる。一方、αの値が大きすぎる場合には、有意な費用がP(G)への制約に割り当てられ、このアルゴリズムは、実験データに適切に当てはまらない解を維持する危険性はあるが、制約に従わない解を排除することになる。
追加的等式または不等式あるいはP(G)1次不等式の形で表現することができる追加的制約は、費用関数の最小値を探索する間に、P(G)の空間に特有の小領域に探索を限定することによって、直接課される。
例えば、振幅は正である、すなわちP(G)≧0、∀mであるという制約は、正の振幅の半空間のみで費用関数を最小にすることによって課される。
例えば、パラメータGの平均<G>の値が決定されている場合には、数式(6)の解である振幅P(G)に対する追加的制約は、それらの振幅によって、偏差εにおいて予め決定された平均<G>を決定することができるというものである。この制約は、P(G)1次不等式の形でも表現される。
Figure 2015521743
例えば、ε/<G>=5%である。
数式12は、算術平均以外の種類の平均に容易に一般化することができる。
Figure 2015521743
例えば、以下で導入する平均<G>および<G>Γなどである。
重要な点は、数式7における費用関数Hαの係数αの選択である。係数αの選択には、2つの方法をとることができる。
第1の方法は、距離項χが、測定誤差および制約付き正則化プロセスの自由度の数に依存する統計的に予想される値を超えないように、大きい方のαの値を選択する。したがって、各実験点について、測定誤差の標準偏差σが既知である場合には、αは、距離項χの正規化値
Figure 2015521743
が自由度の数ν=L−Nを超えないように選択される。ここで、
Figure 2015521743
は、以下の数式で与えられる。
Figure 2015521743
ノイズの標準偏差σが既知でない場合には、その推定値σestを、実験データと、制約を考慮しない場合に可能な最良の調整結果、すなわちα=0で得られる結果との間の平均偏差に基づいて決定することができる。すなわち、
Figure 2015521743
である。ここで、S’(t)(α=0)は、費用関数Hα=0の第1項のみを最小にすることによって得られる振幅P(G)に基づいて再構築されたテイラー信号のk番目の点の値である。
ノイズが推定されたら、数式12のσをσestで置換することによって計算される距離項χの正規化値
Figure 2015521743
が自由度の数ν=L−Nを超えないように、αが選択される。
第2の方法は、距離項と制約項に等しい重みを与えるαの値を選択する。
この場合には、保持されるパラメータαは、制約関数Hαが最小化された後で、その結果がχ=αΔとなるようなαである。
実際には、αの選択は、係数αの値の大きな範囲を走査することによって行われる。αの各値について、費用関数Hαを最小にする全ての振幅P(G)が決定される。
Figure 2015521743
、HαおよびP(G)の対応する値を、記録する。これらの全ての試行の中で、
Figure 2015521743
となるように最大の値を有するラグランジュ係数αが、最終的に保持される。
デジタル探索の効率を向上させるために、最初に大きなステップを有する試行グリッドでαの値を走査し、その後、より精細なグリッドを用いてαの値を精錬する。
実験テイラー信号からの<G>および<G>Γの決定
以下、実験テイラー信号から直接得ることができる、Gの2つの平均を提示する。
パラメータGのT平均は、
Figure 2015521743
と定義され、パラメータGのΓ平均は、
Figure 2015521743
と定義される。ここで、cは、数式(6)に関連して定義したものである。
これらの平均を決定することの目的は、2つある。
これにより、数式(6)を解く間に、振幅P(G)に対する制約を追加することができる。
これにより、分布P(G)の平均および幅を推定することができる。この情報は、それ自体が興味深いだけでなく、数式(6)の解を探す際に頼りにすることができるパラメータGの値の間隔を決定することを可能にする。
<G>は、実験テイラー信号の時間的分散に基づいて計算することができ、<G>Γは、以下に述べる累積的手法に基づいて計算することができる。
実験テイラー信号の時間的分散に基づく<G>の決定
これは、以下のように示される。
Figure 2015521743
したがって、パラメータGのT平均は、実験テイラー信号を積分することによって得られる。
Figure 2015521743
とすると、パラメータGのT平均は、以下で与えられる。
Figure 2015521743
実験テイラー信号の分解に基づく<G>Γの決定
この項では、中程度に多分散した試料の場合の実験テイラー信号の分解について述べる。
粒径分布は離散的であると仮定する。すると、数式(2)は、以下のようになる。
Figure 2015521743
ここで、ρは、混合物中のi番目の種のモル濃度であり、MおよびDは、それぞれそのモル質量および拡散係数である。
ここで、
Figure 2015521743
を導入することによって、テイラー信号をそのピークの高さに対して「正規化」すると有用である。ここで、
Figure 2015521743
であり、また、
Figure 2015521743
は、テイラー信号中のi番目の種の相対寄与である。なお、fは、i番目の種の拡散係数に依存することに留意されたい。
パラメータGのΓ平均は、以下のように表される。
Figure 2015521743
<δG>Γ=0としてG=<G>Γ+δGと仮定することにより、数式(19)は以下のようになる。
Figure 2015521743
これは、ガウス関数と補正項の積である。
(t−tδG<<1の場合には、すなわちテイラー信号のピーク付近では、数式(21)の第2項を制限展開すると、以下のようになる。
Figure 2015521743
これは、数式(21)において
Figure 2015521743
および
Figure 2015521743
を用いると、
Figure 2015521743
となる。
粒径分布が広すぎない場合には(すなわちわずかに多分散した試料の場合には)、正規化テイラー信号s(t)をガウス関数(単分散試料の場合と同様)と補正項(多分散試料の場合の偏差を考慮に入れるためのもの)の和として表すことができる。
数式(23)の対数をとり、新たな制限展開を行うと、以下の数式が得られる。
Figure 2015521743
数式(24)は、所望のキュムラント展開である。係数Γ=<G>ΓおよびΓ=<δGΓは、この展開の1次および2次のキュムラントである。
これらは、変数(t−tの2次多項式を関数ln[s(t)]に合わせて調整することによって得ることができる。
第1のキュムラントから、拡散係数のΓ平均も得られる。
Figure 2015521743
拡散係数Dが異なるパワーに現れるので、Γ平均は、前述のT平均とは異なる。これらの2つの平均は、分布P(G)について異なる情報を含む。これらの平均により、費用関数における2つの制約の追加を最小限に抑えることができる。
第2のキュムラントは、拡散係数の分布の分散のΓ平均と関連付けられ、試料の多分散性の推定値を与える。さらに詳細には、第2のキュムラントを第1のキュムラントの2乗で割った比は、以下のようになる。
Figure 2015521743
解を求めるためのパラメータG値の間隔の選択
制約付き正則化調整手順では、分布P(G)を求めるための値Gの間隔の選択は、重要な要素である。
実際に、数式(6)の離散化に使用される点の数Nは、あまり大きくてはならない。大きすぎると、調整のための計算時間が長くなりすぎるからである。
さらに、Nは、実験テイラー信号のデジタル化点の数Lよりかなり小さくなければならない。
代表的なNの値は、50〜200の範囲である。
これらの考慮事項から、間隔[Gmin、Gmax](Gmin=G、およびGmax=G)は、慎重に選択しなければならないことが分かる。
ただし、分布P(G)の切捨てによるアーチファクトを回避するために、分布の間隔[Gmin、Gmax]は、分布P(G)がニルにならない間隔より大きくなければならない。
さらに、分布P(G)がニルにならない間隔が、間隔[Gmin、Gmax]の小間隔で狭すぎる場合には、離散化中に分布P(G)の詳細が十分に決定されない。
また、GminおよびGmaxの決定を可能にする自動手続きを定義して、ユーザが間隔の限界を選択し、一連の試行錯誤を回避するのに時間を無駄にしないようにすることも重要である。
発明者等は、GminおよびGmaxを決定するための可能な手法を3つ提案する。最初の2つの手法は、等価対数正規分布の計算に基づくものであり、第3の手法は、実験的なものであり、キュムラントへの分解に使用される同じ軸系の(t−tに依存するln[S(t)]の表現に基づくものである。
対数正規分布に基づく間隔の決定
等価対数正規分布
対数正規分布は、高分子または粒子の試料の粒径分布を高い精度で記述することができることが多い。
Figure 2015521743
ここで、
PDF(G)は、試料の粒子がGとG+dGの間のG値を有する確率密度であり、
βおよびγは、それぞれ、パラメータGの対数lnGの平均および標準偏差である。
対数正規分布は、複雑な混合物には適さないモデルであることもあるが、任意の混合物の等価対数正規分布を決定することは、数式(6)の解である分布P(G)を求めるためのパラメータGの値の間隔を推定するのに有用である。
確率密度PDG(G)は、パラメータβおよびγのみに依存する。これら2つのパラメータは、<G>および<G>Γから決定することができる。
その定義は、以下の通りである。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
数式(28)および(29)に数式(27)を代入すると、以下が得られる。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
また、以下の関係に従って、1次および2次のキュムラントから等価対数正規分布を得ることもできる。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
結論として、数式(30)および(31)に従って<G>および<G>Γから、または数式(32)および(33)に従ってΓおよびΓから、対数正規分布を決定することができる。
等価対数正規分布に基づく間隔の限界の計算
minおよびGmaxは、分布P(G)を等価対数正規分布で置換することによって推定することができる。
目的は、間隔[Gmin、Gmax]が、実験テイラー信号と等価な対数正規分布のかなりの部分をカバーすることである。この分布のこの部分は、以下によって得られる。
ΔQ=Q(Gmax)−Q(Gmin) (32)
ここで、Q(G)は、
Figure 2015521743
によって定義される累積確率である。
さらに、間隔[Q(Gmin)、Q(Gmax)]が、中間値Q=1/2に対して対称的に分布することが好ましい。したがって、以下のようになる。
(Gmin)=1−Q(Gmax) (34)
このように仮定した状況では、数式(36)は、以下を生じる。
Figure 2015521743
ここで、erfは、当業者には既知の誤差関数である。
これにより、以下が得られる。
Figure 2015521743
、すなわち
Figure 2015521743
Figure 2015521743
また、
Figure 2015521743
、すなわち
Figure 2015521743
Figure 2015521743
ここで、k=erf−1(ΔQ)であり、erf−1は、逆誤差関数である。
例えば、ΔQ=99.53%である場合には、k=2であり、ΔQ=99.998%である場合には、k=3である。
キュムラントへの分解に基づく間隔の実験的決定
簡潔にするために、x=(t−tという表現を使用する。
単分散試料では、xの関数としてのln[s(t)]は直線であり、その勾配が、試料の種の拡散係数を与える。すなわち、
Figure 2015521743
となる。
したがって、∂lns/∂xは、xに依存しない、すなわち、時間依存性ではない。
一方、多分散試料では、xに依存する曲線ln[s(t)]は、導関数∂lns/∂xを決定することによって計算される湾曲を有する。これは、パラメータGに比例する。
数式(40)に基づいて、小さな拡散係数を有する種が小さなG値に対応し、したがってテイラー信号のわずかな経時的な減少に対応するので、Gminがlns(絶対値)の局所勾配の最小値と関連付けられると仮定する。したがって、以下のように仮定する。
Figure 2015521743
ここで、|∂lns/∂x|の最小値は、実験的に決定されるxの適応後の間隔に基づいて求められ、bminは、やはり実験的に決定される数値係数である。
あらゆる種類の試料の多数のテイラー信号を研究することにより、発明者等は、xの適当な間隔は、その間に信号s(t)が2桁減少する間隔であることを発見した。これは、s(t)=S(t)/S(t)=0.01となるように、s(t)のピークに対応する時間tと時間tの間の時間間隔に対応する。
同様に、
Figure 2015521743
と考えられる。ここで、|∂lns/∂x|の最大値は、xの同じ間隔に基づいて求められる。
実験テイラー信号の解析では、s(t)の特徴的な減少時間を推定すると、より簡単である。減少時間をτ=G−1/2と定義すると、最小減少時間および最大減少時間は、前述の関係に基づいて、以下のように定義される。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
あらゆる種類の試料の多数のテイラー信号を研究することにより、発明者等は、パラメータaminおよびamaxの以下の値が、所望の最小値および最大値を定めることができることを発見した。
min=0.1;amax=3、すなわちbmin=1/9;bmax=100 (43)
最後に、データを調整するために使用される値GminおよびGmaxは、以下のように計算される。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
パラメータGに従う分布に基づくパラメータD、RまたはMに従う分布の計算
振幅P(G)の分布が得られたら、拡散係数Dに従う振幅P(D)の分布を容易に計算することができる。
以下の数式は、確率変数yの確率分布Pを確率変数xの確率分布Pに関連付けるものである。ここで、xはyの関数である。
Figure 2015521743
ここで、
Figure 2015521743
とすると、以下が得られる。
Figure 2015521743
この式では、分布P(G)が必ずしも正規化されていないので、文語に整数を導入した。
試料の多分散性は、第1の流体力学的レイRまたはモル質量Mのパラメータに従う振幅分布に関して表現することが望ましいことが多い。
これら2つの分布は、数式(46)および以下の変換規則を用いて、分布P(G)に基づいて計算することができる。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
数式(48)は、ストークス・アインシュタインの関係
Figure 2015521743
を使用する。ここで、kは、ボルツマン定数、Tは、絶対温度、ηは、溶離剤の粘度である。
数式(49)は、希釈懸濁液の粘度のアインシュタイン方程式、および固有粘度[η]を以下の関係に従ってモル質量と関連付けるマルク・ホウインク方程式を使用する。
[η]=KM (50)
ここで、Kおよびaは、マルク・ホウインク係数である。
流体力学的レイをモル質量の関数とし与える以下の関係を使用することもできる。
Figure 2015521743
ここで、Nは、アボガドロ数であり、d=3/(1+a)は、物体のフラクタル次元である(例えば、通常の小型の物体ではd=3、統計的高分子では2、良溶媒中の高分子では5/3である)。
数式(48)および(49)は、GがそれぞれRおよびMにおいて非線形であり、Gが単純にDに比例することを示す。
この非線形性により、数式(6)の解として特定されるパラメータGに従う分布の変換により、費用関数の制約、特に正則性制約に必ずしも従わないパラメータRまたはパラメータMに従う分布が得られる。ほとんどの場合には、この変換により、実際には、パラメータRまたはパラメータMに従う分布に非物理的なピークまたは信号が生じる。
これは、上記で詳細に述べた方法の変形形態において、この方法が、制約付き正則化によって、1つまたは複数の制約に従い、かつ実験データの正しい再現を可能にするパラメータRまたはパラメータMに従う分布を直接求めるからである。
この目的のために、実験テイラー信号は、適応後のパラメータのガウシアンのファミリに基づいて分解する。すなわち、数式(5)は、したがって、以下の形に一般化される。
Figure 2015521743
ここで、以下の3つの場合を考慮している。
(1)c=1:Dに従う振幅分布を求めるときに使用する。
(2)c=−1:Rに従う振幅分布を求めるときに使用する。
(3)c=−/d=−(1+a)/3:Mに従う振幅分布を求めるときに使用する。
norm(G(c))は、適切に正規化された分布P(G(c))である。
Figure 2015521743
(1)の場合には、G(1)=Gである。この場合、数式(54)は、数式(5)になる。振幅P(D)は、以下の数式を用いて、振幅分布P(G(1))に基づいて決定される。
Figure 2015521743
(2)の場合には、
Figure 2015521743
である。
制約付き正則化アルゴリズムを実施することにより、振幅分布P(G(−1))が決定される。この場合、分布P(R)は、以下の関係に従ってPnorm(G(−1))に基づいて決定される。
Figure 2015521743
最後に、(3)の場合には、
Figure 2015521743
である。
制約付き正則化アルゴリズムを実施することにより、振幅分布P(G(−(1+a)/3))が決定される。この場合、分布P(M)は、以下の関係に従ってPnorm(G(−(1+a)/3))に基づいて決定される。
Figure 2015521743
分布P(G(c))を求めるための間隔[G(c)、min、G(c)、max]を選択する方法は、上述の方法と同様である。特に、τminおよびτmaxは、数式(43)および(44)に従って計算される。最後に、値G(c)、min、G(c)、maxは、以下のように決定される。
Figure 2015521743
Figure 2015521743
Figure 2015521743
試料の粒径分布を決定する方法
粒子の混合物の粒径分布を決定する方法について、図2を参照して述べる。
この方法は、実験装置3の注入部分7に解析対象の試料を注入する第1のステップ100を含む。
次いで、ステップ110で、キャピラリ6内に溶離剤を導入して循環させる手段13を起動した後で、注入した試料を、実験装置3の注入部分7から検出部分9に移送する。実験条件(溶離剤の性質、溶離剤の流速、注入部分を検出部分から分離する移送距離、温度、キャピラリの内部レイなど)は、検出部分9で検出可能なテイラー分散現象が起こるように適応させる。以下の実験例で、精密な実験条件を示す。
ステップ120で、溶離剤によって移送される試料が、検出部分9の光学セルを通過する。次いで、センサ17が、試料中で起こるテイラー分散に特徴的な電気測定信号を生成する。
ステップ130で、センサ17によって生成された検出信号を、電子カード19が処理して、ダイジェスト実験テイラー信号
Figure 2015521743
を送達する。
ステップ140で、コンピュータ5が、実験テイラー信号
Figure 2015521743
を取得する。
次いで、ソフトウェア31を実行することによって実験テイラー信号を解析して(ステップ200)、粒径分布を決定する。ソフトウェア31は、以下の基本ステップを実行する。
ステップ142で、第1の適応されたメニューをユーザに対して提示して、制約付き正則化方法を実行する際に従うパラメータをユーザが選択することができるようにする。したがって、ユーザは、拡散係数D((1)の場合、c=1)、流体力学的レイ((2)の場合、c=−1)、またはモル質量M((3)の場合、c=−1/d)のいずれかを選択することができる。また、ユーザは、求める分布の離散化のための数Nを選択するように求められる。以下では、簡潔にするために、ユーザが、拡散係数Dを選択し、考慮するパラメータはパラメータGであるものと仮定する。
ステップ144で、第2の適応されたメニューをユーザに対して提示して、数式(5)の解である分布を求める際に考慮する制約の数および性質をユーザが選択することができるようにする。選択されるものとして提案される制約としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
1.分布の正則性。
2.分布が全ての点で正である。
3.分布から、所定のT平均に指定の偏差をプラスまたはマイナスしたものが得られなければならない。
4.分布から、所定のΓ平均に指定の偏差をプラスまたはマイナスしたものが得られなければならない。
以下では、第1の制約は、費用関数のラグランジュ乗数によって実施され、その他の制約は、費用関数の極値を求める振幅分布P(G)の空間を適切に制限することによって直接実施されるものと仮定する。
ステップ146で、実験テイラー信号
Figure 2015521743
を、キュムラントに分解する。さらに詳細には、正規化テイラー信号
Figure 2015521743
を最初に決定し、その後、その対数ln[s(t)]を計算する。最後に、変数(t−tの2次多項式を、関数ln[s(t)]に合わせて調整する。次いで、1次および2次のキュムラントΓおよびΓを決定する。Γは、特に、パラメータGのΓ平均の測定を可能にする。さらに、テイラー信号のT平均を測定する。
ステップ148で、分布を求めるパラメータGの値の間隔の限界GminおよびGmaxを、数式(32)および(33)を用い、その後に数式(38)および(39)を用いて、ステップ148で得られた1次および2次のキュムラントΓおよびΓの値に基づいて決定される等価対数正規分布に基づいて計算する。
ステップ150で、費用関数Hαを、ステップ144でユーザによって選択された第1の制約から展開する。選択された制約に関連する制約項は、コンピュータ5のメモリに格納される。
ステップ152で、ステップ154で決定される間隔GminおよびGmaxをN個の小間隔に細分することにより、費用関数Hαの離散表現を得る。
ステップ154で、一群の試験値中のラグランジュ係数αの各値について、費用関数Hαの最小値を決定する。振幅が正となり、所定の偏差を有する所定のT平均およびΓ平均を生じなければならない厳密な制約を考慮するために、費用関数の最小値は、これらの厳密な制約を満たす振幅P(G)の適当な小空間でのみ求める。
ステップ156で、統計誤差νを決定し、ラグランジュ係数αの最適値αを、ステップ156でこの統計誤差νより小さい値で最も近い距離項χを生じたラグランジュ係数の値を選択することによって決定する。
ステップ158で、求めた分布P(G)の一群は、ステップ156で決定したラグランジュ係数の最適値αの費用関数Hαを最小にする分布の一群である。
ステップ160で、混合物の粒子のサイズに関係する値を、ステップ158で得られた分布P(G)に基づいて計算する。
最後に、ステップ162で、適応変換のために、流体力学的レイまたはモル質量に従う分布を、ステップ158で得られた分布P(G)に基づいて計算する。
適用可能であれば、計算した様々な分布を、コンピュータ5のスクリーンに表示する。ソフトウェア31は、計算した分布に対してユーザが所望の計算を行うことができるようにする「ツール」を含む。
ソフトウェア31は、したがって、実験テイラー信号の解析の各ステップを実行するのに適した手段を含む。
1つの変形形態では、分布P(G)を求める間隔の限界GminおよびGmaxは、実験的に計算される。これは、正規化テイラー信号
Figure 2015521743
を決定し、その対数を得、次いで導関数|∂lns/∂x|を計算する。パラメータGの関心のある間隔の限界は、数式(43)および(44)を用い、その後に数式(46)および(47)を用いて、最終的に推論する。
前述の変形形態とは無関係のさらに別の変形形態では、パラメータGのT平均<G>は、数式(16)を用いて実験テイラー信号
Figure 2015521743
を積分することによって計算し、パラメータGのΓ平均<G>Γは、実験テイラー信号のキュムラントへの分解によって生じる1次のキュムラントの決定に基づいて計算する。粒径分布を求める間隔の限界GminおよびGmaxは、数式(30)および(31)と、数式(38)および(39)とに従って、パラメータGのTおよびΓに基づいて計算する。この変形形態の方法では、これらの平均のうちの一方または他方に基づく制約項を、費用関数に組み込むこともできる。
1つの試料の一連の実験テイラー信号の制約付き正則化解析
制約付き正則化による調整は、1つの混合物の一群の試料に対して同じ実験を繰り返すことによって得られるいくつかの実験テイラー信号を用いて有利に実施することができる。
繰り返すたびに独立して解析することができ、得られた振幅分布を平均することができるが、これらの様々な個別のテイラー信号を累積して、個別の各テイラー信号の実験点の合計に等しい、いくつかの実験点を含む1つの大域的テイラー信号にすると、より確実であることが分かっている。次いで、制約付き正則化アルゴリズムを適用することにより、この大域的テイラー信号に基づいて振幅分布を求める。
これにより、課される制約に最も厳密に従う振幅分布P(G)が得られる。例えば、分布P(G)は、より正則になる。また、これにより、個別のテイラー信号の取得に影響を及ぼす不確実性および不正確さも、考慮に入れることが可能になる。
この操作中に、参照時間tが実験テイラー信号ごとに厳密には同じでない場合には、全ての実験テイラー信号が正確に同じ参照時間tを有するように、時間座標を変換する。
処理の前に、基線の補正と、その後の各実験テイラー信号の正規化とが、必要になることもある。
ソフトウェア31は、ユーザがこのようにして得られた大域的テイラー信号を解析する前にいくつかの実験テイラー信号を処理することができるようにするメニューを含む。
利点
上述の方法は、種の混合物の粒径分布と、その混合物中のそれらの種の濃度とを、解析する試料の多分散性がどのようなものであれ、すなわちこの試料に含まれる種の数およびそのそれぞれの濃度がどのようなものであれ、自動的に、かつリアルタイムで得ることを可能にする。
上述の装置および方法の適用分野としては、高分子、コロイド、ラテックス・ナノ材料、エマルジョン、リポソーム、ベシクルおよび分子または生体分子一般のサイズ特徴決定が挙げられる。1つの重要な適用分野は、薬品産業の蛋白質の安定性/劣化/凝集の研究である。
テイラー分散減少を用いた試料の特徴決定の利点は、当業者には既知である。すなわち、キャピラリに注入する試料の体積が小さいこと、実験装置の較正が不要であること、極めて簡単な実験装置を使用すること、数ナノメートル未満の粒子のサイズ測定に特に良く適応した技術であること、一般に質量濃度に感度のある信号であること、などである。
実験例
実験条件
バージン・シリコン・キャピラリ:R=50μm、注入部分と検出部分の間の距離は30cm。
温度:T=293°K
溶離剤:ホウ酸ナトリウム緩衝液80mM、pH9.2
溶離剤の粘度:η=8.9 10−4Pa.s.
試料:ポリスチレンスルフォン酸(PSS) 0.5g/l
注入:0.3psi(20mbar)、9s、すなわち注入体積は8nl(全キャピラリ容量は589nl)
波長200nmでUV検出
注入する高分子標準物質の特徴
(1)PSS1290 M=1290g/mol M=1094g/mol M/M<1.20
(2)PSS5190 M=5190g/mol M=5280g/mol M/M<1.20
(3)PSS29000 M=29000g/mol M=29500g/mol M/M<1.20
(4)PSS148000 M=145000g/mol M=148500g/mol M/M<1.20
(5)PSS333000 M=333000g/mol M=338000g/mol M/M<1.20
ここで、Mは、平均モル重量質量、Mは、クロマトグラフィ・ピークの頂点におけるモル質量、M/Mは、多分散指数である。平均モル質量および分布の特徴は、同じ化学的性質を有する高分子標準物質(PSS)を用いて較正した排除クロマトグラフィによってそれらを決定した供給元から与えられたものである。
調査した高分子の実験テイラー信号
図3は、PSS1290およびPSS29000の等質量混合物について得られる実験テイラー信号を示す図である。実際には、ここでは3つの実験テイラー信号を総計している。
さらに、実験テイラー信号の左側部分のみを示している。実際には、一般に、テイラーグラムは対称である。ただし、キャピラリ表面への吸着現象が起こる場合には、時間t以降の時間に対応する信号の右側部分は、時間t以前の時間に対応する信号の左側部分と正確に対称にはならないことがある。この場合には、データの処理を実験テイラー信号の左側部分に集中させることが好ましい。上述の方法では、信号の左側部分のみを考慮して、これらの起こりうる寄生現象の影響を制限しているので、有利である。
図4は、高分子の供給元から与えられるクロマトグラフィ方法によって得られる分布(SEC)との比較で、前述の方法(ソフトウェア31)によって得られる分布P(R)を重畳して示す図である。図4では、供給元から与えられる流体力学的レイ分布とソフトウェア31を実行することによって得られる分布の間に良好な一致が見られる。
図5Aは、正規化実験テイラー信号
Figure 2015521743
(Data)と正規化再構築信号S’(t)(Fit)の間の調整を示し、図5Bは、正規化実験テイラー信号
Figure 2015521743
の対数(Data)とキュムラント展開(Fit)の間の調整を示す図である。
結果の比較
表1は、拡散係数Dの様々な平均を示す表である。これらは、キュムラントへの分解によって直接得られた拡散係数Dの平均(Γ平均、第2列)、またはテイラーグラムを集積することによって得られた拡散係数Dの平均(T平均、第3列)と、それに対してソフトウェア31を実行することによって得られた拡散係数Dの平均(Γ平均(第4列)およびT平均(第5列))である。なお、この例では、実験テイラー信号に基づいて直接測定された平均は、信号のデコンボルーション(解析)を制約するために使用せず、緩い正則性制約および厳密な正値性制約のみを使用する。
Figure 2015521743
全体として、これらの結果は、良好な一貫性を示し、ソフトウェア31は、T平均およびΓ平均(第4列および第5列)が実験値(第2列および第3列)に近い解をもたらす。
表2は、様々な提案される手法、すなわち実験的手法(第4列および第5列)、キュムラントΓおよびΓ(第2列および第3列)に基づくキュムラントへの分解(第6列および第7列)、ならびに拡散係数のT平均およびΓ平均を用いる手法(1次のキュムラントおよびテイラーグラムの集積に基づく第8列および第9列)に基づいて決定されるτminおよびτmaxの値を示す表である。
Figure 2015521743
τminおよびτmaxの桁は、考慮する方法によらず非常に一致している。
表3は、キュムラントへの分解によって得られる平均流体力学的レイ値(Γ平均、第2列)、分布P(G)を決定した後でΓT集積を行うことによってソフトウェア31を実行することによって得られる平均流体力学的レイ値(第3列および第6列)、当該の平均に続いて排除クロマトグラフィによる基準方法を行うことによって得られる平均流体力学的レイ値(第4列および第7列)、ならびに信号全体についてのテイラーグラムの直接集積によって得られる平均流体力学的レイ値(第5列)を比較する表である。同じ平均(一方では第2列から第4列、他方では第5列から第7列)について、結果は、考慮する全ての試料について一様である。
このことは、当該の平均の各グループで、全ての試料について高い一貫性を示す。
Figure 2015521743
ピークの時間の決定
実験では、実験テイラー信号
Figure 2015521743
のピークの時間tは、測定ノイズにより正確には分からない。
ピークの時間
Figure 2015521743
は、キュムラント解析、および制約付き正則化によって得られる粒径分布の決定の両方に影響を及ぼす。
さらに、キュムラント方法は、(t−t)→0の制限展開に基づく。実験の見地から、解析のための時間tの範囲は賢明に選択することが必要である。すなわち、非常に小さな間隔に制限すると、その結果は測定ノイズに大きな影響を受けることになる。一方、考慮する間隔が広すぎると、キュムラント方法で無視される高次の(t−t)項の寄与が有意になる。
ピーク時間t、およびキュムラント解析に適した最適な時間範囲を決定するステップを、以下に示す。
第1のサブステップで、
Figure 2015521743
が最大となる時間を考慮することによって、あるいは放物線関数またはガウス関数によって
Figure 2015521743
のピークを調整することによって、ピーク時間の第1の推定値t0、guessを得る。
第2のサブステップで、試験するN個のピーク時間t0、iのリストを作成する。ここで、自然整数iは、1からNの間で変化し、時間t0、iは、およそt0、guessであり、一定の時間増分だけ等間隔に離間している。
0、1<t0、2<…<t0、N
0、i+1=t0、i+dt、および
0、1=t0、guess−Δt、t0、N=t0、guess+Δt
ここで、
dtは、2つの連続する試験ピーク時間の間の時間増分であり、
Δtは、典型的にはt0、guess/50程度の時間間隔である。
第3のサブステップで、試験する各ピーク時間t0、iごとに、長さの異なる様々な時間範囲を考慮して、一連のキュムラント解析を実行する。
時間範囲は、例えば、信号
Figure 2015521743
のカットオフ・レベルである。例えば、カットオフ・レベルが0.1であれば、時間範囲tは、
Figure 2015521743
となるように考慮する。各時間範囲における調整によって得られる第1および第2のキュムラントの値を示す。
第4のサブステップでは、最適なピーク時間tを、カットオフ・レベルが増加するときには第1のキュムラントΓが正の値に向かって発散するピーク時間の間にあるものとして、またカットオフ・レベルが増加するときには第1のキュムラントΓが負の値に向かって発散するピーク時間の間にあるものとして決定する。
グラフ上で、試験する各ピーク時間t0、iごとに、カットオフ・レベルによって決まる第1のキュムラントΓの曲線を追跡すると、最適なピーク時間tは、この曲線が上向きの凹曲線と下向きの凹曲線の間に位置する時間である。この曲線は、その他の曲線より変動が小さい。
最適なピーク時間の選択は、前述のグラフィックスの視覚的解析によって行われる、または例えばカットオフによって決まる第1のキュムラントΓの2次の数値微分の符号に基づいて自動的に行われる。
あるいは、または最適には、第2のキュムラントΓ2および/または第1のキュムラントに対する第2のキュムラントの比の2乗に対して同じことをすることができる。これを第1のキュムラント、第2のキュムラント、および第1のキュムラントに対する第2のキュムラントの比の2乗に対して同時に行うことにより、ピーク時間の選択の信頼性を高めることができる。
第5のステップでは、最適なカットオフ・レベルを、非常に高いカットオフ・レベルでの測定ノイズの影響によってデータがその一般的な傾向に対して有意な偏差を示す前の最も高いものとして決定する。

Claims (14)

  1. 分子または粒子種の混合物の粒径分布を決定する方法であって、
    解析対象の該混合物の試料を、溶離剤が流れているキャピラリ内に注入するステップ(100)と、
    注入した該試料を、検出部分のレベルで測定可能なテイラー分散現象を発生させるのに適した実験条件で、該キャピラリに沿って注入部分から該検出部分に移送するステップ(110)と、
    該検出部分を含む最適なセンサによって、該移送した試料のテイラー分散に特徴的な信号を生成するステップ(120)と、
    該検出信号を処理して、実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    を得るステップ(130)と、
    該実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    を解析するステップ(200)とを含み、
    該混合物の試料の実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    を解析する該ステップが、該実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    を方程式
    Figure 2015521743
    によってガウス関数の和に分解することを可能にする振幅分布P(G(c))を探索することからなり、
    ここで、tは、該実験テイラー信号が依存する変数であり、tは、該実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    のピークに対応する、様々な該ガウス関数に共通の変数tの値であり、
    (c)は、ガウス振幅関数P(G(c))の特徴パラメータであり、
    c=1の場合には、関係式
    Figure 2015521743
    に従って種の拡散係数Dと関連し、
    c=−1の場合には、関係式
    Figure 2015521743
    に従って種の流体力学的レイRと関連し、
    c=−1/d=−(1+a)/3の場合には、関係式
    Figure 2015521743

    に従って種のモル質量Mと関係し、
    は、ボルツマン定数であり、Tは、実験が行われるケルビンで表現される絶対温度であり、ηは、使用する該溶離剤の粘度であり、Rは、使用する該キャピラリの内部レイであり、Nは、アボガドロ数であり、Kおよびaは、マルク・ホウインク係数であり、
    該探索が、該方程式の解である該振幅分布P(G(C))に従わなければならない制約と関連する少なくとも1つの制約項を含む費用関数Hαを最小化する制約付き正則化アルゴリズムを実施することにより行われ、該最小化が、該パラメータG(c)の値の関心のある間隔について実行される、方法。
  2. 前記方程式が、前記パラメータG(c)の値の間隔を細分することにより離散化され、各離散点Gが、単位値と値Nとの間で変化する整数mで指標を付けられ、前記点Gが、長さcの小間隔に対応する点Gm−1からある距離にある、請求項1に記載の方法。
  3. 前記費用関数が、
    α=χ+αΔ
    をとり、
    第1項χが、前記実験テイラー信号
    Figure 2015521743

    Figure 2015521743
    で定義される再構築されたテイラー信号の間の距離項であり、
    第2項Δが、該方程式の解である前記振幅分布P(G)に従わなければならない前記少なくとも1つの制約と関連する制約項であり、該第2項が、ラグランジュ係数αにより導入されて、該費用関数Hαの該第2項の寄与を該第1項に適応させることができる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1項χが、
    Figure 2015521743
    をとる「最小2乗」タイプの距離であり、
    前記実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    および前記再構築された関数S’(t)が、経時的にサンプリングされ、各試料が、単位値と値Lの間で変化する整数kで指標を付けられる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方程式の解である前記振幅分布P(G)が従わなければならない前記少なくとも1つの制約が、
    Figure 2015521743
    をとることが好ましい制約項Δと関連する正則性制約である、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記解析ステップが、前記費用関数Hα=α0の最小値に対応する距離項χの値が、ν=L−Nをとることが好ましい統計誤差νより小さい値で近くなるように、前記ラグランジュ係数αの最適値αを決定するステップを含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記パラメータG(c)の値の関心のある間隔が、最小値Gminおよび最大値Gmaxによって範囲を定められることで、該最小値および該最大値の値を決定するステップを含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    と関連する正規化テイラー信号s(t)を、関係式s(t)=S(t)/S(t)によって構成要素に分解するステップを含み、該分解ステップが、1次の構成要素Γおよび2次の構成要素Γを決定するように、変数(t−tの2次多項式を曲線ln[s(t)]に合わせて調整し、前記最小値Gminおよび前記最大値Gmaxの値を決定する前記ステップが、方程式
    Figure 2015521743
    および
    Figure 2015521743
    を使用し、
    βおよびγは、それぞれ対数正規分布のパラメータGの対数の平均および標準偏差であり、その後、
    Figure 2015521743
    および
    Figure 2015521743
    を使用する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記関心のある間隔の前記最小値および前記最大値の値を決定する前記ステップが、実験的であり、
    関係式s(t)=S(t)/S(t)によって前記実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    と関連する正規化テイラー信号s(t)を決定すること、
    前記対数ln[s(t)]を計算すること、
    前記変数x=(t−tに対する導関数
    Figure 2015521743
    を決定すること、
    min=0.1、amax=3として、関係式
    Figure 2015521743
    および
    Figure 2015521743
    に従って該導関数の極値に関係するパラメータτminおよびτmaxの値を決定すること、ならびに
    c=1の場合には、
    方程式
    Figure 2015521743
    を使用し、
    c=−1の場合には、
    Figure 2015521743
    を使用し、
    c=−1/d=−(1+a)/3の場合には、
    Figure 2015521743
    を使用して、前記最小値Gminおよび前記最大値Gmaxを決定する、請求項7に記載の方法。
  10. 前記実験テイラー信号に基づくパラメータG(1)のTにおける平均<G>および/または前記分解に基づくパラメータG(1)のΓにおける平均<G>Γを測定するステップを含み、各平均を、前記方程式の解である振幅分布P(G(1))が従わなければならない制約で使用することができる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記最小値Gminおよび前記最大値Gmaxの値を決定する前記ステップが、方程式
    Figure 2015521743
    および
    Figure 2015521743
    を使用し、次いで
    Figure 2015521743
    および
    Figure 2015521743
    を使用する、請求項10と関連する請求項7に記載の方法。
  12. 前記実験テイラー信号
    Figure 2015521743
    のピーク時間を決定するステップを含み、該ピーク時間を決定するステップが、
    該ピーク時間の第1の推定値t0、guessを得るサブステップと、
    該推定したピーク時間t0、guessの周りで選択した試験するいくつかの異なるピーク時間t0、iについて、カットオフ・レベルに基づいて指定される、異なる長さのいくつかの時間範囲を考慮する一連のキュムラント解析を実行するサブステップと、
    該カットオフ・レベルが増加するときには、第1のキュムラントΓ、第2のキュムラントΓおよび/または該第1のキュムラントに対する該第2のキュムラントの比の2乗が正の値に向かって発散する最適ピーク時間tを選択し、該カットオフ・レベルが増加するときには、第1のキュムラントΓ、第2のキュムラントΓおよび/または該第1のキュムラントに対する該第2のキュムラントの比の2乗が負の値に向かって発散する最適ピーク時間tを選択するサブステップとを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. コンピュータにより実行されたときに、請求項1から12のいずれか一項に記載の分子または粒子種の混合物の流体力学的レイ、拡散係数またはモル質量分布を決定する方法を実行するための命令を含む、データ記憶媒体。
  14. コンピュータを含む、分子または粒子種の混合物の流体力学的レイ、拡散係数またはモル質量分布を決定するシステムであって、該コンピュータが、請求項1から12のいずれか一項に記載の分子または粒子種の混合物の流体力学的レイ、拡散係数またはモル質量分布を決定する方法を実行するようにプログラムされる、システム。
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