JP2010502757A - 関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療または予防のための新規栄養補助食品組成物および医薬品組成物ならびにそれらの使用 - Google Patents

関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療または予防のための新規栄養補助食品組成物および医薬品組成物ならびにそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(I)
Figure 2010502757

(式中、RおよびRが、互いに独立してC1〜8−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRが、互いに独立してヒドロキシまたはC1〜8−アルキルオキシである)
の少なくとも1種の化合物を含んでなる新規栄養補助食品組成物または医薬品組成物、ならびに関節障害の治療、併用治療または予防を目的としたこれらの組成物の使用に関する。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、一般式Iの少なくとも1種の化合物を含んでなる新規栄養補助食品組成物および医薬品組成物、ならびに関節障害の治療、併用治療もしくは予防または関節の健康の維持のためのこれらの組成物の使用に関する。
本組成物は、関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療もしくは予防にとって、したがって、関節障害、例えば、骨関節炎などの変性関節障害の軟骨分解成分;またはスポーツ傷害の治療にとって特に好適であることが分かった。
軟骨分解は、本発明の枠組み内では、基質メタロプロテアーゼなどの軟骨分解酵素の産生増加を特徴とする関節軟骨の代謝障害として定義される。
骨関節炎は、加齢時の関節の損耗および断裂によって発現する、関節の非炎症性起源の慢性変性疾患であり、疼痛および関節機能の低下をもたらす。骨関節炎の症状としては、1つまたは複数の関節の疼痛、剛直および運動性損失が挙げられる。過度の関節負荷は骨関節炎のリスクを増大させ、したがって、骨関節炎は主に、脊椎、膝および股関節などの体重を支える関節が罹患するが、母指および指の関節もまた罹患し得る。関節障害はまた、傷害、すなわち、微小損傷または鈍的外傷、骨折、腱に対する損傷、半月板または靭帯からも生じ得るか、または過度の機械的ストレスまたは、例えば、傷害または肥満から生じる他の生体力学的不安定性の結果でもあり得る。
軟骨分解による関節障害は、高齢者における身体障害および機能障害の主要原因であり、60才以上のほぼ80%の人々が、これら障害の何らかの証拠を示す。年齢、遺伝因子、筋肉の不使用および筋力低下、外傷、肥満および解剖学的異常は、この障害の発現に寄与する。
関節障害の治療は困難である。今日までこれらの症状は大部分が、主として非ステロイド系抗炎症薬によって治療された。この薬物は、痛みを制御し、腫脹を抑制するために投与されるが、軟骨に対する損傷を予防または治療しない。重度の軟骨損傷を受けた患者は、しばしば関節置換手術などの外科手術を必要とする。したがって、軟骨の損失および損傷を治療または予防する薬剤の必要性は高く、それは本発明により解決される。
第1の態様において、本発明は、関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療もしくは予防のため、軟骨再生もしくは軟骨維持のため、または関節の健康の維持のための栄養補助食品組成物または医薬品組成物の製造を目的とした、一般式I
Figure 2010502757

(式中、RおよびRは互いに独立して、C1〜8−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRは互いに独立して、ヒドロキシまたはC1〜8−アルキルオキシである)
の少なくとも1種の化合物の使用に関するものである。
およびRが互いに独立して、C1〜6−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRが互いに独立して、ヒドロキシまたはC1〜6−アルキルオキシである一般式I
Figure 2010502757

の化合物が好ましく、RおよびRが互いに独立して、C1〜6−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRが互いに独立して、ヒドロキシまたはメトキシである一般式Iの化合物がさらに好ましい。
本発明の文脈で用いられる用語「アルキル」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルおよびオクチルなどの、1個から8個、好ましくは、1個から6個の炭素原子を含有する任意に置換された直鎖または分枝鎖または環式炭化水素基を指す。任意に存在する置換基は、ハロゲン基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基から選択できるか、またはそれらの混合物によるものであり得る。アルキル基は非置換であることが好ましい。
「アルケニル」とは、アリルまたはイソプレニルなどの1個から8個、好ましくは、1個から6個の炭素原子を含有する不飽和の直鎖または分枝鎖または環式の炭化水素基を指す。
「アルコキシ」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの1個から8個、好ましくは、1個から6個の炭素原子を含有する、置換された直鎖または分枝鎖または環式のエーテル基(−O−アルキル)を指す。
式Iの化合物は、RおよびRが双方ともイソプレニルであり、RおよびRが双方ともメトキシである化合物(この化合物は「α−マンゴスチン(α−mangostin)」と称される)であることが最も好ましい。
Figure 2010502757
本発明の好ましい実施形態において、上記のとおりRからRが定義され、選好される式Iの化合物は、本組成物/医薬品中に存在するガルシニアマンゴスターナL./マンゴスティーン(Garcinia mangostana L./mangosteen)の唯一の化合物である。
用語「式Iの化合物」は、式Iのこのような化合物を含有する植物の任意の原料または抽出物もまた包含する。植物の原料または抽出物中の一般式Iの化合物の量は重要ではない。植物の原料または抽出物は、植物の原料または抽出物の総重量を基準にして、少なくとも1重量%の量で、より好ましくは、少なくとも50重量%の量で、さらに好ましくは、少なくとも90重量%の量で、一般式Iの化合物を含有することが好ましい。本発明の文脈で用いられる用語「植物の原料」および「植物原料」とは、植物の任意の部分を意味する。
α−マンゴスチン(1,3,6−トリヒドロキシ−7−メトキシ−2,8−ビス(3−メチル−2−ブテニル)−9H−キサンテン−9−オン)は、ガルシニアマンゴスターナ(Garcinia mangostana)(Journal of American Chemical Society、1958年、80、1691 ff.;Phytochemistry、1996年、43(5)、1099−1102頁を参照)などの植物から単離することができるが、それらに限定されない。したがって、これらの植物の任意の原料もしくは抽出物、または植物原料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは、少なくとも50重量%の量で、さらに好ましくは、少なくとも90重量%の量で、α−マンゴスチンを含有する他の任意の植物原料もしくは抽出物もまたこの表現に包含される。「α−マンゴスチン」は、「天然」(単離された)α−マンゴスチンと「合成」(製造された)α−マンゴスチンの双方を意味する。
(純粋)化合物のα−マンゴスチンの他に、植物原料および植物抽出物、特に植物原料/抽出物の総重量を基準にして、少なくとも10重量%、好ましくは、少なくとも50重量%、さらに好ましくは、少なくとも90重量%のこれらの化合物を含有するものが好ましい。
患者は、緩和な作用を有し、大きな副作用のない「天然」と考えられる治療に特別な関心を持っているため、一般式Iの少なくとも1種の化合物を含んでなる本発明による組成物は特に魅力的である。なぜならば、本発明による一般式Iの少なくとも1種の化合物を含んでなるこの組成物は、疾患予防のために、およびアジュバント治療として使用することができるからである。
本発明の組成物は、関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療および予防にとって、したがって、関節障害、例えば、骨関節炎などの変性関節障害の軟骨分解成分;またはスポーツ傷害の治療にとって特に好適である。本発明の組成物は、以下の特性の1つまたは複数を有し得る:
それは関節の健康を維持し、および/または改善し、関節の剛直を予防し、関節の運動性を促進し、柔軟および/または可動性の高い関節を提供し、関節を滑らかにし、関節炎の痛みを軽減し、関節の問題を減らし、関節のケアを提供し、関節の分解を治療または予防し、関節の完全性を提供し、関節損傷の進行を遅らせるかまたは予防し、関節の機能を補助し、関節の健康および機能を促進し、活動的な個体に対して関節の健康および運動性を自然に補助し、関節の活動的な可動性を維持し、関節の可動性を促進し、関節の運動性を促進する。
本発明による組成物に用いられる一般式Iの化合物はα−マンゴスチンであることが好ましい。
本発明による組成物に用いられる一般式Iの化合物は、ヒトを含めた動物に、少なくとも0.005mg/kg体重/日が投与されるような濃度で用いられることが好ましい。ヒトを含めた動物による1日の摂取量は、一般式Iの純粋化合物の重量を基準にして、0.01〜50mg/kg体重/日の範囲であることが好ましく、0.1〜15mg/kg体重/日の範囲であることが最も好ましい。
本発明の枠組みにおいて、動物とは、哺乳動物など全ての動物を意味し、それらの例にはヒトが含まれる。ヒト以外の哺乳動物の好ましい例としては、ネコ、イヌ、ヒトコブラクダ、ラクダ、ゾウ、およびウマなどの非反芻動物または反芻動物である。
別の実施形態において、本発明は、一般式Iの少なくとも1種の化合物および栄養補助食品的に許容できる担体を含んでなる栄養補助食品組成物に関する。
本明細書に用いられる栄養補助食品組成物という用語には、食品、食物、食物サプリメント、栄養サプリメント、または食品もしくは食物用サプリメント組成物が含まれる。
栄養補助食品組成物は、食物サプリメント、飲料もしくは食品、またはペットフードなどの動物飼料であることが好ましい。
本明細書に用いられる食品という用語は、ヒトまたは動物による摂取に好適な任意の食品または飼料のことである。食品は、調製食品および包装食品(例えば、マヨネーズ、サラダドレッシング、パン、またはチーズ食品)または動物飼料(例えば、押出し加工しペレット化した動物飼料、粗混合飼料またはペット食品組成物)であり得る。本明細書に用いられる食物という用語は、ヒトまたは動物の摂取に適した任意の物質のことである。食物サプリメントという用語は、単一または複数の用量単位で包装されたヒトまたは動物の食餌の補助用の少量の化合物のことである。食物サプリメントは一般に、それほどカロリー量を提供しないが、他の微量栄養素(例えば、ビタミン類またはミネラル類)を含有することができる。栄養サプリメントという用語は、カロリー源と組み合わせて食物サプリメントを含んでなる組成物のことである。幾つかの実施形態において、栄養サプリメントは、食事代替品またはサプリメント(例えば、栄養剤またはエネルギーバーまたは栄養剤飲料または濃縮物)である。
食品または食物は、例えば、非アルコール性ドリンクおよびアルコール性ドリンクなどの飲料ならびに飲料水および液体食品に添加される液体製剤であり、非アルコール性ドリンクは、例えば、ソフトドリンク、スポーツドリンク、例えば、オレンジジュース、アップルジュースおよびグレープフルーツジュースなどのフルーツジュース;レモネード、ティー、水近似ドリンクおよびミルク、ならびに例えば、ヨーグルトドリンクなどの他の酪農ドリンク、および食物ドリンクである。別の実施形態において、食品または食物とは、本発明による組成物を含んでなる固形または半固形食品のことである。これらの形態としては、限定はしないが、ケーキおよびクッキーなどのベーキング品、プディング、酪農製品、菓子、スナック食品、または冷凍菓子もしくは新型製品(例えば、アイスクリーム、ミルクシェーク)、調製冷凍食品、キャンディー、スナック製品(例えば、フライドポテト)、スープ、スプレッド、ソース、サラダドレッシング、調製ミート製品、チーズ、ヨーグルトおよび食品を含有する他の脂肪または油などの液体食品、ならびに食品成分(例えば、小麦粉)を挙げることができる。
食品または食物という用語には、機能性食品および調製食品も含まれ、後者は、ヒト摂取用に承認された任意のプレパッケージ食品のことである。
ペット食品組成物などの動物飼料には、有利なことに、必要な食物要件、ならびにトリート(例えば、イヌ用ビスケット)または他の食品サプリメントを供給するように意図された食品が含まれる。本発明による組成物を含んでなる動物飼料は、乾燥組成物(例えば、キッブル)、半湿性組成物、ウェット組成物、またはそれら任意の混合物の形態であり得る。あるいは、またはさらに、動物飼料は、肉汁、飲料水、ヨーグルト、粉末、懸濁液、咀嚼用物、トリート(例えば、ビスケット)などのサプリメントまたは任意の他の送達形態である。
本発明の食物サプリメントは、任意の好適な様式で送達することができる。好ましい実施形態において、食物サプリメントは、経口送達用に製剤化される。本発明の食物サプリメントの成分は、経口摂取用に許容できる賦形剤および/または担体に含まれる。担体、したがって食物サプリメント自体の実際の形態は重要ではない。担体は、液体、ゲル、ゲルキャップ、カプセル、粉末、固形錠剤(コーティングまたは非コーティング)、ティーなどであり得る。食物サプリメントは、好ましくは、錠剤またはカプセルの形態、最も好ましくは、硬ゼラチンカプセルの形態などであり得る。好適な賦形剤および/または担体としては、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、リン酸ジカルシウム、リン酸トリカルシウム、微結晶性セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、ショ糖、植物ガム、乳糖、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプンなど(それらの混合物を含む)が挙げられる。好ましい担体としては、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリン、およびそれらの混合物が挙げられる。種々の成分および賦形剤および/または担体は従来の技法を用いて混合され、所望の形態に形成される。本発明の錠剤またはカプセルは、pHが約6.0から7.0で溶解する腸溶コーティングでコーティングすることができる。胃内ではなく、小腸内で溶解する好適な腸溶コーティングは、セルロースアセテートフタレートである。製剤化および投与に関する技法に対するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical composition Sciences(マック出版(Maack Publishing)社、イーストン、ペンシルバニア州)の最新版に見ることができる。
他の実施形態において、食物サプリメントを、消費者が食品または飲料に添加するのに好適な粉末または液体として提供する。例えば、幾つかの実施形態において、食物サプリメントを、例えば、飲料内に混合するか、または例えば、プディング、トッピング、ソース、ピューレ、調理穀物、またはサラダドレッシングなどの半固体食品内に攪拌することによって、またはその他の方法で食品に加えることによって使用される粉末の形態で個体に投与することができる。特に、食物サプリメントにより食物に添加されるカロリー数を制限することが望ましい場合、食物サプリメントは、1種または複数種の不活性成分を含むことができる。例えば、本発明の食物サプリメントは、例えば、ハーブ類、ビタミン類、ミネラル類、増強剤類、着色剤類、甘味剤類、香味剤類、不活性成分などの任意の成分を含有することもできる。
幾つかの実施形態において、食物サプリメントは、限定はしないが、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基性;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;オルトリン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛又は酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータ−カロテン;ピリドキシン塩酸塩;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはピコリン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムなど、ビタミン類およびミネラル類をさらに含んでなる。ビタミン類およびミネラル類に好適な用量は、例えば、U.S.RDAガイドラインを参考にすることにより得ることができる。
他の実施形態において、本発明は、本発明による組成物を含んでなる栄養サプリメント(例えば、エネルギーバーまたは食事代替バーまたは飲料)を提供する。栄養サプリメントは、食事またはスナック代替品として役立ち、一般に栄養カロリーを提供する。栄養サプリメントは、釣り合いのとれた量で炭水化物、タンパク質、および脂肪を提供することが好ましい。栄養サプリメントは、単鎖長、中鎖長の炭水化物、または多糖類、もしくはそれらの組合せをさらに含むことができる。単糖は、所望の官能的性質に関して選択することができる。未調理トウモロコシデンプンは、複合炭水化物の一例である。加熱により、複合炭水化物が、単糖または二糖である単純炭水化物に分解することから、高分子量構造を維持することが望ましい場合、調理または加熱処理をしない食品製剤またはその一部に複合炭水化物を含ませる必要がある。一実施形態において、栄養サプリメントは、3つのレベルの鎖長(単鎖長、中鎖長および複合鎖長;例えば、ショ糖、マルトデキストリン類、および未調理トウモロコシデンプン)の炭水化物源の組合せを含有する。
本発明の栄養サプリメントに取り込まれるタンパク質源としては、栄養製剤に利用される任意の好適なタンパク質でよく、ホエータンパク質、ホエータンパク濃縮物、ホエー粉末、卵、大豆粉、豆乳、大豆タンパク質、大豆タンパク質分離物、カゼイン酸塩(例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウムカルシウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム)、動物および植物タンパク質ならびにそれらの混合物を挙げることができる。タンパク質源を選択する際、タンパク質の生物学的値を先ず考慮する必要があり、最高の生物学的値は、カゼイン酸塩、ホエー、ラクトアルブミン、卵アルブミンおよび全卵タンパク質に見られる。好ましい実施形態において、タンパク質は、ホエータンパク濃縮物とカゼイン酸カルシウムとの組合せである。これらのタンパク質は、高い生物学的値を有しており;すなわち、それらは、高比率の必須アミノ酸を有している。Modern Nutrition in Health and Disease、第八版、リーおよびフェビガー(Lea&Febiger)編集者、1986年、特に1巻、30−32頁を参照されたい。栄養サプリメントは、他のビタミン類、ミネラル類、抗酸化剤類、繊維および他の食物サプリメント類(例えば、タンパク質、アミノ酸、コリン、レシチン、ω3脂肪酸)の1種またはそれらの組合せなど、他の成分を含有することもできる。これら成分の1種または数種の選択は、製剤、デザイン、消費者の嗜好および末端使用者の問題である。本発明の食物サプリメントに添加されたこれら成分の量は、当業者に容易に認識される。このような量に対するガイドラインは、小児および成人に対するU.S.RDAの用量により提供することができる。添加できるさらなるビタミン類およびミネラル類としては、限定はしないが、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基性;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;オルトリン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータ−カロテン;ピリドキシン塩酸塩;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはピコロン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムが挙げられる。
栄養サプリメントは、種々の形態および種々の製造方法により提供することができる。好ましい実施形態において、食品バーを製造するために、液体成分を調理し;ミキサー中の液体成分に乾燥成分を添加し、ドウ相になるまで混合し;このドウを押出し機に入れて押出し;押出されたドウを適切な長さに切断し;この製造物を冷却する。本明細書に具体的に掲げられた成分に加えて、味覚を増強させるため、このバーに他の栄養分および充填剤を含有させることができる。
当業者にとって当然のことながら、栄養サプリメントの加工または製造のために、本明細書に記載されたものに、例えば、充填剤、乳化剤、保存剤などの他の成分を添加することができる。
さらに、風味料、着色料、スパイス、ナッツなどを、栄養補助食品組成物に組み込むことができる。風味料は、風味エキス、揮発性油、チョコレート風味料、ピーナッツバター風味料、クッキークラム、クリスプ米、バニラまたは任意の市販の風味料の形態であり得る。有用な風味料の例としては、限定はしないが、純粋アニスエキス、模造バナナエキス、模造サクランボエキス、チョコレートエキス、純粋レモンエキス、純粋オレンジエキス、純粋ペパーミントエキス、模造パイナップルエキス、模造ラムエキス、模造イチゴエキス、または純粋バニラエキス;またはバーム油、ベイ油、ベルガモット油、セダー油、クルミ油、サクランボ油、桂皮油、チョウジ油、またはペパーミント油などの揮発性油;ピーナッツバター、チョコレート風味料、バニラクッキークラム、バタースコッチまたはタフィーが挙げられる。一実施形態において、食物サプリメントは、ココアまたはチョコレートを含有する。
乳化剤を、栄養補助食品組成物の安定性のために添加することができる。好適な乳化剤の例としては、限定はしないが、レシチン(例えば、卵または大豆からの)、および/またはモノ−およびジ−グリセリドが挙げられる。他の乳化剤は、当業者にとって容易に明らかであり、好適な乳化剤の選択は、部分的に製剤および最終製品に依って決まる。保存剤もまた、製品の貯蔵期限を延長させるために栄養サプリメントに加えることができる。ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムまたはカルシウム二ナトリウムEDTAなどの保存剤を使用することが好ましい。
上記の炭水化物に加えて、栄養補助食品組成物は、天然または人工(好ましくは低カロリー)の甘味料、例えば、糖類、シクラマート類、アスパルタミン、アスパルテーム、アセスルフェームK、および/またはソルビトールを含有することができる。栄養サプリメントが過体重または肥満の個体、または高血糖症の傾向があるII型糖尿病個体により摂取されることが意図される場合、このような人工甘味料が望ましい場合がある。
さらに、マルチビタミンおよびミネラルサプリメントを本発明の栄養補助食品に添加して、幾つかの食品に欠落している適切量の必須栄養剤を得ることができる。マルチビタミンおよびミネラルサプリメントは、生活様式による栄養欠損および栄養欠乏に対する疾患の予防および防止にも有用であり得る。
栄養補助食品組成物を介した一般式Iの少なくとも1種の化合物を含んでなる本発明による組成物の用量および比率は、当然、特定の組合せの生理学的特徴およびその投与様式ならびに投与経路;レシピエントの年齢、健康状態および体重;症状の性質および程度;併用治療の種類;治療頻度;および所望の効果などの既知の因子に依って変わり、通常の治験により、または栄養補助食品組成物の製剤に関する通常の考慮事項によって当該分野の専門家が判定することができる。
1食当り一般式Iの少なくとも1種の化合物を約0.05mgから500mg、好ましくは、2.0mgから300mgを含んでなる栄養補助食品組成物が好ましい。
別の態様において、本発明は、一般式Iの少なくとも1種の化合物および薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬品組成物に関する。
当業者は、薬学的に許容できる担体として使用できる担体を周知である。好適な薬学的担体は、例えば、本分野の標準的な参考書である上記のRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。このような薬学的に許容できる担体の例としては、経口/非経口/注射投与に好適な無機および有機双方の担体材料であり、水、ゼラチン、アラビアゴム、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油などが挙げられる。
医薬品組成物は、限定はしないが、水、任意の出所源のゼラチン、植物ガム類、リグニンスルホネート、タルク、糖類、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール類、風味料、保存剤、安定化剤、乳化剤、緩衝剤、潤滑剤、着色料、湿潤剤など、従来の医薬品組成物用添加剤およびアジュバント、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。
好ましい実施形態において、医薬品組成物は、散剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、液剤または固形剤の実施形態である。
医薬品組成物中の個々の成分の用量および比率は、通常の前臨床試験および臨床試験、または医薬品組成物の製剤化に関する通常の考慮によりその分野における専門家によって判定することができる。
好ましい実施形態において、一般式Iの化合物は、純粋誘導体の重量を基準にして、少なくとも0.005mg/kg体重/日の量で、好ましくは、0.01〜50mg/kg体重/日の量で、最も好ましくは、0.1〜15mg/kg体重/日の量で、単回用量または頻回用量の形態で医薬品組成物を介して投与される。したがって、本医薬品組成物は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから500mgの量、液体製剤の1日の用量当り5mgから2000mgの量で式Iの化合物を含むことができる。
本発明による栄養補助食品組成物および医薬品組成物は、人体を含む動物身体の投与に好適である任意のガレヌス形態、さらに特に、従来の任意の経口投与形態、例えば、固体形態で、例えば、食品または飼料(添加物/サプリメント)、食品または飼料プレミックス、強化食品または飼料、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣丸、カプセル剤、および散剤ならびに錠剤などの発泡製剤としての固形形態で、または例えば、飲料、ペーストおよび油性懸濁液としての液剤、乳濁液または懸濁液の液体形態であり得る。ペースト剤は、硬カプセルまたは軟カプセルに充填することができ、それによってカプセル剤は、例えば、(魚類、ブタ、家禽、ウシの)ゼラチン、植物タンパク質またはリグニンスルホネートの基質を特色とする。他の適用形態の例は、経皮、非経口、局所または注射投与に関する形態である。栄養補助食品組成物および医薬品組成物は、徐放性(遅延)放出製剤の形態であり得る。医薬品組成物の例としてはまた、クリーム剤、ゲル剤、スプレー剤、ドライスティック剤、散剤などの局所適用に好適な組成物が挙げられる。
さらに、マルチビタミンおよびミネラルサプリメントを、本発明の栄養補助食品組成物に添加して、幾つかの食物に欠落している必須栄養素の適切な量を得ることができる。マルチビタミンおよびミネラルサプリメントはまた、生活様式による栄養欠損および栄養欠乏に対する疾患の予防および防御にとって有用であり得る。
また、本発明は、ヒトを含めた動物の関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療または予防のため、または関節健康を維持するための方法に関するものであって、前記方法は、一般式I
Figure 2010502757

の少なくとも1種の化合物の有効量を、それを必要とするヒトを含む動物に投与するステップを含んでなり、
式中RおよびRは、互いに独立してC1〜8−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRは、互いに独立してヒドロキシまたはC1〜8−アルキルオキシであり、好ましくは、RおよびRは、互いに独立してC1〜6−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRは、互いに独立してヒドロキシまたはC1〜6−アルキルオキシであり、さらにより好ましくは、RおよびRは、互いに独立してC1〜6−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRは、互いに独立してヒドロキシまたはメトキシ、最も好ましくは、α−マンゴスチンである。
「本発明による組成物の有効量」という用語は、生理的効果を得るために必要な量を指す。生理的効果は、1回の単一用量または反復用量により達成できる。投与される用量は、当然、特定の組合せの生理学的特徴ならびにその投与様式および投与経路;レシピエントの年齢、健康状態および体重;症状の性質および程度;併用治療の種類;治療頻度;および所望の効果など、既知の因子に依って変わる可能性があり、当業者は調整することができる。
[実施例]
α−マンゴスチンは、例えば、インドフィンケミカルズ社(Indofine Chemicals Company Inc)、121 Stryker Lane Hillsborough、ニュージャージー州08844、またはAPINケミカルズから市販されている。
[実施例1:軟ゼラチンカプセル剤]
軟ゼラチンカプセル剤を、1カプセル当り100mgの一般式Iの少なくとも1種の化合物の用量を提供する従来の手法により調製する。好適な1日の用量は、1個から5個のカプセルである。
他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。
[実施例2:硬ゼラチンカプセル剤]
硬ゼラチンカプセル剤を、純粋な誘導体を基準にして、1カプセル当り合計75mgを提供する量で、一般式Iの少なくとも1種の化合物の用量を提供する従来の手法により調製する。好適な1日の用量は、1個から5個のカプセルである。
他の成分:
充填剤:乳糖またはセルロースまたはセルロース誘導体、適量。
潤滑剤:必要に応じてステアリン酸マグネシウム(0.5%)
[実施例3:錠剤]
活性成分として1錠剤当り一般式Iの少なくとも1種の化合物100mg、および賦形剤として微結晶性セルロース、二酸化ケイ素(SiO)、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム凡そ500mgを提供する従来の手法により錠剤を調製する。
[実施例4:ソフトドリンク]
一般式Iの化合物を含有するソフトドリンクは、以下の成分から調製することができる:
Figure 2010502757
果汁濃縮物および水溶性香料を、空気の取込みなしで混合する。着色剤を脱イオン水に溶解する。アスコルビン酸およびクエン酸を水に溶解する。安息香酸ナトリウムを水に溶解する。ペクチンを攪拌下加え、沸騰させながら溶解する。この溶液を冷却する。オレンジ油および油溶性香料を予め混合する。Fに記載された活性成分を、Aの果汁濃縮物中で攪拌する。
ソフトドリンクを調製するために、全ての成分A〜Fを一緒に混合してから、Turraxに次いで高圧ホモジナイザー(p=200バール、p=50バール)を用いてホモジナイズする。
[実施例5:軟骨の増成および破壊に関与する遺伝子発現に及ぼすα−マンゴスチンの影響]
関節軟骨において、細胞外基質(ECM)の肥大および過度の分解をそれぞれ防止するために、同化事象(増成)と異化事象(破壊)との間の微妙なバランスを維持する必要がある。ECMは、同化過程時に活性化され、発現されるコラーゲン遺伝子、例えば、ヒトコラーゲンIおよびコラーゲンIIまたはアグレカン(aggrecan)遺伝子の産物であるコラーゲンおよびプロテオグリカンの蓄積である。
異化事象は、遺伝子、例えば、結果的にコラーゲンまたはプロテオグリカンを破壊する基質のメタロプロテイナーゼ(MMP)をコードする遺伝子の発現によって制御される。MMPの中で、MMP−1、MMP−3およびMMP−13は、軟骨分解においてECMを破壊する上で主要な役割を果たす。α−マンゴスチンは、APINケミカルズから入手し、規格書によれば>98%α−マンゴスチンを含有した。本実施例において、ヒトコラーゲンI、IIおよびアグレカン、ならびにヒトMMP−3および13の発現に及ぼすα−マンゴスチン(12.5μMおよび6.25μM)の効果を、膝の正常なヒト関節細胞(カンブレックス(Cambrex)から入手)においてインビトロで測定した。α−マンゴスチンなしの対照実験を同時に行い、基礎レベル(対照における遺伝子発現のパーセンテージを100%に設定する)に対してこれらの遺伝子の発現を比較した。
細胞を、軟骨破壊を誘導する天然媒介物質の1つであるIL−1βで処理し、その誘導された骨関節炎の軟骨組織および細胞の実質量を検出する。IL−1βによる細胞の処理により、MMPなどの異化事象に関与する遺伝子の発現が誘発される。また、IL−1βによる細胞の処理により、コラーゲン発現レベルが減少する(未処理細胞と比較して)。
正常なヒト関節細胞(カンブレックス(Cambrex)から購入)は、製造元から入手した取扱説明書に従って細胞培養培地中で増殖させた。実験処理に関しては、細胞を6ウェルプレートに接種し、それらがほぼ集密に到達するまで2日間培養した。次に細胞を、α−マンゴスチンの指定量と共にIL−1β(10ng/ml)で活性化し、4時間インキュベートした。全ての細胞RNAを培養細胞から抽出し、リチャード(Richard)ら、Mol.Nutr.Food Res.49、431−442頁、2005年により詳述されるように逆転写した。互いに異なる遺伝子の発現レベルを、やはりリチャード(Richard)ら、Mol.Nutr.Food Res.49、431−442頁、2005年に記載された定量的リアルタイムPCRにより決定した。この実験結果は下表1に示されている:
Figure 2010502757
α−マンゴスチンは、軟骨分解に寄与する遺伝子の発現(MMP−3およびMMP−13)を劇的かつ用量依存的に減少させたが、一方、軟骨の増成に関連する幾つかの遺伝子の発現(ヒトコラーゲンI、ヒトコラーゲンII、アグレカン)を刺激した。これらの結果は、α−マンゴスチンが軟骨の分解を防止するのみならず、軟骨組織の再生にも役立つことを示唆している。

Claims (10)

  1. 一般式I
    Figure 2010502757

    (式中、RおよびRが、互いに独立してC1〜8−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRが、互いに独立してヒドロキシまたはC1〜8−アルキルオキシである)
    の少なくとも1種の化合物の使用であって、
    関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療または予防のため、軟骨再生もしくは軟骨維持のため、または関節の健康を維持するための栄養補助食品組成物または医薬品組成物の製造を目的とした使用。
  2. およびRが、互いに独立してC1〜6−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRが、互いに独立してヒドロキシまたはC1〜6−アルキルオキシである請求項1に記載の使用。
  3. およびRが、互いに独立してC1〜6−アルキル(アルケニル)であり、RおよびRは、互いに独立してヒドロキシまたはメトキシである請求項1または2に記載の使用。
  4. 一般式Iの化合物が、α−マンゴスチンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一般式Iの少なくとも1種の化合物および栄養補助食品的に許容できる担体を含んでなる栄養補助食品組成物。
  6. 食物サプリメント、飲料もしくは食品、または動物飼料である請求項5に記載の栄養補助食品組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一般式Iの少なくとも1種の化合物の量が、1食当り0.05mgから500mgの範囲、好ましくは、2.0mgから300mgの範囲である請求項5または6に記載の栄養補助食品組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一般式Iの少なくとも1種の化合物および薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬品組成物。
  9. ヒトを含めた動物における関節における軟骨分解または軟骨損傷の治療、併用治療もしくは予防のため、軟骨再生または軟骨維持のため、または関節の健康を維持するための方法であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の一般式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を、それを必要とするヒトを含めた動物に投与するステップを含んでなる方法。
  10. 前記ヒトを含めた動物が、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、およびラクダからなる群から選択される請求項9に記載の方法。
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