JP2010501190A - 前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解する方法 - Google Patents

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Abstract

前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解して可溶性糖にする酵素混合物が提供される。また、前処理したリグノセルロース原料を酵素混合物で加水分解する方法が提供される。酵素加水分解は、セルラーゼ酵素混合物を前処理したリグノセルロース原料に添加することを含む。セルラーゼ酵素混合物は、CBH1及びCBH2、並びにEG1及びEG2の主要セルラーゼ混合物を含む。CBH1及びCBH2は、主要セルラーゼ混合物の55%以上かつ85%未満である。さらに、CBH2は、CBH1及びCBH2に対する割合で存在し、EG2は、EG1及びEG2に対する割合で存在する。

Description

本発明は、酵素混合物に関する。また、リグノセルロース原料を酵素加水分解する方法、特に、前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解する方法が提供される。
現在、燃料エタノールは原料、例えば、コーンスターチ、サトウキビ、及びサトウダイコンから生産される。しかしながら、これらの作物の生産に適したほとんどの農地は、すでに人及び動物のための食料源を供給するために使用されているため、これらの源からエタノールを生産する潜在的な可能性は限られている。更に、これらの原料からエタノールを生産する際、変換過程中に化石燃料が使用されるため、大量の温室効果ガスが放出される。
セルロース含有原料、例えば、農業廃棄物、草、及び林業廃棄物に由来するエタノールの生産は、近年、大いに注目されている。この理由は、これらの原料は広く利用可能であり、安価であり、かつエタノール生産のためにそれらを使用することは、リグノセルロース廃棄物を燃やす又は埋め立てに使うことの代替案を提供するからである。更に、原料の一部、リグニンは、化石燃料よりむしろ、プロセスに動力を供給する燃料として使用され得る。いくつかの研究では、全生産及び消費サイクルが考慮されるとき、セルロースから生成したエタノールの使用が発生させる温室効果ガスは、ほぼ0であるという結論を出している。
エタノール生産に最も有望であるリグノセルロース原料は、(1)農業廃棄物、例えば、コーンストーバー、小麦わら、大麦わら、オートストロー、稲わら、キャノーラストロー、及び大豆ストーバー、(2)草、例えば、スイッチグラス、ミスカンサス、コードグラス、及びリードキャナリーグラス、(3)繊維加工残留物、例えば、トウモロコシ繊維、ビートパルプ、パルプ工場微繊維物(pulp mill fine)、パルプ工場廃棄物及びサトウキビバガス、(4)林業廃棄物、例えば、アスペン材、他の硬木材、軟木材及びおがくず、並びに(5)消費済み廃棄紙製品を含む。
リグノセルロース原料のエタノールへの変換における最も重要な工程段階は、セルロースをグルコースに変換することを伴う。これは、その後の、発酵によるエタノールへの変換のためである。これを達成する二つの主な方法は、酸加水分解、及び酵素加水分解であり、酸加水分解は酸処理の一工程を使用しての原料の加水分解を伴い、酵素加水分解は酸による前処理と、その後のセルラーゼ酵素での加水分解を伴う。
酸加水分解方法では、原料は典型的に、セルロースをグルコースに、かつヘミセルロースをキシロース及びアラビノースに加水分解するのに十分な温度、酸濃度、並びに時間の長さで、蒸気並びに硫酸にさらされる。酸は、濃縮(25〜80%w/w)又は希釈(3〜8%w/w)され得る。次いで、グルコースは、酵母を使用して発酵されてエタノールになり、エタノールは蒸留により回収及び精製される。任意に、グルコースは発酵されて乳酸、ブタノール、又は他の生成物になってもよい。
酵素加水分解方法では、繊維状原料が泥状の質感に変わるに従って、セルロース表面積が大いに増大されるように、しかし、セルロースをグルコースにほとんど変換しないように、反応条件が選ばれる。次いで、前処理したセルロースは、セルラーゼ酵素を使用するその後の工程で、加水分解されてグルコースになる。この場合における蒸気及び/又は酸処理は、前処理として知られている。次いで、グルコースは、発酵されてエタノール、乳酸、ブタノール、又は他の生成物になり得る。酵素の添加前に、酸性原料のpHを酵素加水分解反応に適した値に調整する。典型的には、これはアルカリを添加してpHを約4〜約6にすることを伴う。このpHは、多くのセルラーゼにとって最適pH範囲であるが、もし好アルカリ性セルラーゼを使用するのであれば、pHをより高くし得る。
前処理方法の一種類では、蒸気により作られた圧力を、爆発的減圧でもって急速に減少させる。これは、蒸気爆発として知られている。Foody (米国特許第4,461,648号明細書) は、蒸気爆発前処理に使用される装置及び条件を説明している。pH0.4〜2.0で行われる硫酸での蒸気爆発は、他の前処理方法よりも、セルロースを加水分解するためのセルラーゼ酵素を必要としない、均一な、前処理された物質を生成する。
セルラーゼ酵素は、原料中セルロースを加水分解(β−1,4−D−グルカン結合の加水分解)して、例えば、グルコース、セロビオース、及び他のセロオリゴ糖の生成を触媒する。セルラーゼは、多くの植物及び微生物により生成され得る、エキソ作用(exo-acting)セロビオヒドロラーゼ(CBH)、エンドグルカナーゼ(EG)並びにβ−グルコシダーゼ(βG)を含む、多酵素混合物を意味する一般的な用語である。セルロース結合ドメインを含有する、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来セルラーゼ中の酵素は、CBH1(より一般的には、 Cel7A)、CBH2(Cel6A)、EG1(Cel7B)、EG2(Cel5)、EG4(Cel61A)、EG5(Cel45A)、EG6(Cel74A)、Cip1、Cip2、アセチルキシランエステラーゼ、β−マンナナーゼ、及びスオレニン(swollenin) を含む。EG3(Cel12)は、セルロース結合ドメインを有さないセルロース分解酵素の例である。
セルラーゼ酵素は、相乗的に働いてセルロースをグルコースに加水分解する。CBH1及びCBH2は、セルロース鎖の反対の末端に作用してセロビオースを遊離させるが(Barrなど、1996)、エンドグルカナーゼはセルロース内部において作用する。これらの酵素による主な生成物は、セロビオースであり、これは更に、β−グルコシダーゼにより加水分解されてグルコースになる。たいていのCBH及びEGは、炭水化物結合モジュール(CBM)、例えば、セルロース結合ドメイン(CBD)を通して原料中のセルロースと結合するが、トリコデルマ及びアスペルギルス(Aspergillus) β−グルコシダーゼ酵素を含む、たいていのβ−グルコシダーゼ酵素は、そのような結合モジュールを含有しないため、加水分解の間溶液中に留まる、ということが知られている。セルラーゼ酵素は、触媒ドメインを炭水化物結合モジュールに接続する、リンカー領域を含有してもよい。リンカー領域は、触媒活性ドメインの活性を促進すると考えられている。
セルラーゼによる不溶性セルロース基質の酵素加水分解速度論は、単純なミカエリス・メンテンの挙動に従わない(Zhangなど、1999)。具体的に言うと、加水分解反応中、セルラーゼ用量を増大させると、一定時間で生成されるグルコース量において線形に従属した増加をもたらさない。また、セルロース加水分解が進むにつれて、反応速度の著しい減少がある(Tolan、2002)。反応速度の減少についてのいくつかの説明が提案されている。主要な仮説は、生成物阻害、加水分解過程を通しての基質の反抗性(recalcitrance)増大、及び酵素不活性化を含む。
セルラーゼ作用の速度論は、前処理物質の酵素加水分解を、セルロースエタノールの生産中で非効率的な工程にする。酵素加水分解と関連する費用の削減は、セルラーゼ生産又は活性の増大を通して、費用節約の大きな機会として特定されている(Sheehan、1999)。米国エネルギー省により後援された、セルロースエタノールワークショップからの最近の報告では、スターチからエタノールを生産するのに必要な酵素のための費用よりも、セルロースエタノールのための酵素を生産するための費用は、10〜25倍高いと試算した(Houghton、2006)。
セルラーゼ混合物の活性を増大させるためにいくつかの方法(approach)が取られている。混合セルラーゼをもまた分泌する微生物により生成される、β−グルコシダーゼの量を増大させることは、セロビオースによる生成物阻害を軽減する(米国特許第6,015,703号明細書)。合理的設計(rational design)又はランダム変異誘発技術はまた、熱安定性を増大させたCBH1変異体の生産により明示されるように(WO 2005/0277172)、個々の酵素の性質を調節するために使用され得る。遺伝的多様性を調査する代替方法は、多くのセルロース分解種から酵素相同体を直接的に調査することである。この方法は、CBH1(WO 2004/0197890)及びCBH2(WO 2006/0053514)で取られている。エンド−及びエキソ−セルロース分解酵素から相補的な活性を結合する融合タンパク質の構造もまた、明示されている(WO 2006/00057672)。セルロース分解酵素のモジュラードメイン構造は、触媒ドメインを含む酵素の構造を許容する。CBDの欠如は、これらの酵素の基質結合及び基質活性に劇的な影響を与える(WO 2004/0053373、WO 2006/0008885)。遺伝子組み換えセルロース−加水分解酵素は、触媒活性ドメイン、リンカー領域及びCBDの新規な組み合わせを含むものがつくられている(米国特許番号5,763,254号明細書)。
上述した全ての方法は、セルロースの酵素加水分解の異なる側面をターゲットにしているが、セルラーゼ活性を、セルロース加水分解セルラーゼの高い費用を克服するのに十分なほどには増加させない。これらの方法の一欠点は、一度に1つの酵素に焦点が合わされ、他のセルロース分解酵素と可能な、相乗効果を無視していることである。
それ故、セルラーゼ系の活性を増大させるより良い方法は、1よりも多いセルラーゼ成分を含有する混合物の活性を最大化することに、焦点を合わせることである。エンド−及びエキソ−セルラーゼの組み合わせによるセルロース加水分解の効率は、孤立して作用するこれらの酵素の活性を合計することによって期待されるであろう効率よりもはるかに大きい、ということが報告されている(Wood及びMcCrae、1979)。過去の研究では、二成分又は三成分混合物の作用を観察することにより、T.リーゼイ由来セルロース分解酵素間の相乗効果を測定している(例えば、Nidetskyなど、1994)。例えば、Woodら(1989)は、ペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilum)由来セロビオヒドロラーゼ及びエンドグルカナーゼの二成分、三成分及び七成分混合物について研究した。しかしながら、ペニシリウム酵素の二成分混合物において相乗効果は観察されなかった。サーモビフィダ・フスカ(Thermobifida fusca)菌由来の3つの酵素、そのうちの2つは主なトリコデルマ酵素を含む酵素と同じファミリーであり、そのうちの、二成分の組み合わせの相乗効果もまた、明らかにされている(Jeoh、2006)。しかしながら、改良が行われたとは報告されていない。
一定の酵素用量でセルロース加水分解量を最大化するために、CBH及びEGの混合物を開発するためのいくつかの試みがなされている(酵素用量は、一定量のセルロースを加水分解するのに必要な酵素の量である)。例えば、大部分はT.フスカに由来する菌を含む、混合された起源のセルラーゼの最適化された混合物が報告されている(Irwin、1993: Walkerなど、1993; Kimなど、1998)。トリコデルマCBH1及びCBH2はこれらの研究に含まれたが、菌はファミリー7セルラーゼを生成することができないため、EG1はこれらの混合物の一部ではなかった。Bakerら(1998)は、トリコデルマCBH1、CBH2及びEG1の最適混合物を決定しようと試みたが、彼らの実験にEG2は含まれなかった。Bakerらの場合において、基質は、Sigmacell、微結晶セルロース調製物であった。Boissetら(2001)は、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)に由来するCBH1、CBH2及びEG5の三成分混合物の最適化を、バクテリアセルロースの基質で行った。しかしながら、これらの研究では、前処理したリグノセルロースバイオマス内のセルロースの加水分解に対する改良が行われた、セルラーゼ酵素混合物の開発に成功していない。
従って、多くの研究努力にもかかわらず、前処理したリグノセルロース原料中セルロースの加水分解に対する改良がされた、セルラーゼ酵素混合物の必要性が残っている。このような酵素混合物の欠如は、エタノール及び他の生成物を生産するためのグルコースを含む可溶性糖へのセルロース変換の商業化に、大きな障害を表す。
本発明は、酵素混合物に関する。また、リグノセルロース原料を酵素加水分解する方法、特に、前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解する方法が提供される。
本発明の目的は、前処理したリグノセルロース原料の、改良した酵素加水分解方法を提供することである。
特に、本発明は、4つの主要セルラーゼ酵素、CBH1、CBH2、EG1及びEG2の組み合わせの群を利用して、前処理したリグノセルロース原料の、可溶性糖への強化した変換を提供する。
本発明の一特徴によれば、前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解して可溶性糖にする方法であって、酵素加水分解が、セルラーゼ酵素混合物を前処理したリグノセルロース原料に添加することを含み、セルラーゼ酵素混合物が、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼ並びにEG1及びEG2エンドグルカナーゼの主要セルラーゼ混合物を含み、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼ混合物の55%以上かつ85%未満で存在し、CBH2が、fC2により定義される、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼに対する割合(fraction)で存在し、かつEG2が、fE2により定義される、EG1及びEG2エンドグルカナーゼに対する割合で存在する方法であって、
CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの55%以上かつ65%未満で存在するとき、fC2及びfE2が、図3Aのゾーン1の範囲内に含まれる値であり、
CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの65%以上かつ75%未満で存在するとき、fC2及びfE2が、図3Bのゾーン1、2及び3の範囲内に含まれる値であり、かつ、
CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの75%以上かつ85%未満で存在するとき、fC2及びfE2が、図3Cのゾーン1、2及び3の範囲内に含まれる値である方法が提供される。
本発明の別の一特徴によれば、上記に定義されるセルラーゼ酵素混合物が提供される。
好ましくは、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼは、主要セルラーゼの65%以上かつ85%未満で存在する。前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの65%〜75%で存在するとき、好ましくは、前記fC2及びfE2は、それぞれ図3Bのゾーン2及び3の範囲内に含まれる値である。好ましくは、fC2及びfE2は、それぞれ図3Bのゾーン3の範囲内に含まれる値である。前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの75%〜85%で存在するとき、好ましくは、fC2及びfE2は、図3Cのゾーン2及び3の範囲内に含まれる値である。好ましくは、fC2及びfE2は、それぞれ図3Cのゾーン3の範囲内に含まれる値である。
本発明はまた、上記に定義される本発明の前述の特徴のいずれかに関連するものであって、主要セルラーゼは真菌源(fungal source)に由来する。主要セルラーゼコード配列は、子嚢菌(Ascomycete)又は担子菌(Basidiomycete)に由来し得る。好ましくは、主要セルラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)菌種(ssp)、アスペルギルス属(Aspergillus)菌種、ヒポクレア属(Hypocrea)菌種、フミコラ属(Humicola)菌種に由来する。より好ましくは、主要セルラーゼコード配列は、トリコデルマ・リーゼイに由来する。
本発明はまた、上記に定義される本発明の前述の特徴のいずれかに関連するものであって、主要セルラーゼは、有機体に内在性であるコード配列を発現させることにより有機体から得られる。これとは別に、主要セルラーゼは、有機体に異種性であるコード配列を発現させることにより有機体から得られる。好ましくは、主要セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイに由来する。
好ましくは、酵素加水分解は、前処理したリグノセルロース原料中の少なくとも約80%のセルロースを可溶性糖に変換する。可溶性糖は発酵されてエタノール、乳酸、ブタノール、又はその混合物を生成し得る。
酵素加水分解は、好ましくは、β−グルコシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ由来分泌物(secretome)を含むセルラーゼ酵素を用いて行われる。
本発明により包含される主要セルラーゼ混合物は、先行技術で説明されたものよりも著しく高い活性を示す。本結果は、本発明のセルラーゼ混合物は、約10%〜約50%、約10%〜約25%、又は約10%〜約15%であり、現在利用できるセルラーゼ混合物よりも効力又は活性があることを示す。
セルロース−エタノール変換(cellulose-to-ethanol)技術の経済的実現可能性は、セルラーゼ酵素の費用により制限されている。改良された活性を有する酵素を提供することにより、本発明のセルラーゼ酵素は、本方法の経済性を増大させ、先行技術を超える飛躍的な進歩を表す。
この発明の概要は、必ずしも本発明の全ての特徴を説明するものではない。
精製した主要セルラーゼ成分のSDS-PAGE及びウエスタンブロット解析を含有する。図1Aは、SDS-PAGE後の、精製したCBH1、CBH2、EG1及びEG2のクーマシーブルー染色を示す。トリコデルマセルラーゼを、対照用に並行して解析した。図1Bは、SDS-PAGE分離及びPVDF膜への電気転写の後に行われた、これらの試料の成分特異的なウエスタンブロットを示す。 ELISA解析の結果を描いた棒グラフである。黒一色の棒は、市販のトリコデルマセルラーゼ中のCBH1、CBH2、EG1及びEG2の百分率組成を図示する。残りの棒は、各ELISAの特異性レベルを示す。CBH1を欠くセルラーゼ中のCBH1(a)、CBH2を欠くセルラーゼ中のCBH2(b)、EG1を欠くセルラーゼ中のEG1(c)及びEG2を欠くセルラーゼ中のEG2(d)の百分率組成が示される。 CBH1、CBH2、EG1及びEG2を含有する主要セルラーゼ混合物の、酵素活性のプロットを示す。様々なセルラーゼ混合物の活性を、総EG量に対するEG2及び総CBH量に対するCBH2の様々な割合の含有量(それぞれ、fE2及びfC2と描かれる)で測定して、プロットする。各四角内に記載される値は、実施例で説明される基準値と比較した混合物の活性を示す。様々なセルラーゼ混合物の活性を、基準混合物(CBH1、CBH2、EG1、EG2が57%、29%、7%、7%、質量%である)の活性と比較して表現する。 混合したCBH1及びCBH2含有量が、総主要セルラーゼの55%以上かつ65%未満である混合物の活性を示す。 混合したCBH1及びCBH2含有量が、総主要セルラーゼの65%以上かつ75%未満である混合物の活性を示す。 混合したCBH1及びCBH2含有量が、総主要セルラーゼの75%以上かつ85%未満である混合物の活性を示す。 混合したCBH1及びCBH2含有量が、総主要セルラーゼの85%以上かつ95%以下である混合物の活性を示す。 %CBH、fC2及びfE2により定義された混合物スペース中、主要セルラーゼの改良混合物により占められる領域を示す三次元プロットである。活性は基準混合物と比較している。各組の画像は、同じ領域の2つの図を提供し、%CBH軸を中心に180°回転している点で異なる。図4Aは、図3Aのゾーン1、並びに図3B及び図3Cのゾーン1、2及び3領域からなる混合物を示す。図4Bは、図3B及び図3Cのゾーン2及び3領域からなる混合物を示す。図4Cは、図3B及び図3Cのゾーン3領域からなる混合物を示す。 野生型セルラーゼにおいて観察された相対的比率の主要セルラーゼから構成された基準混合物、及び代表的な改良混合物による、前処理したリグノセルロース基質の変換を示すプロットである。
(発明の詳細な説明)
本発明は、酵素混合物に関する。また、リグノセルロース原料を酵素加水分解する方法、特に、前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解する方法が提供される。
以下は、好ましい態様の説明である。
本発明は、前処理したリグノセルロース原料の加水分解に使用されるための、主要セルラーゼを含むセルラーゼ酵素混合物に関する。用語「主要セルラーゼ酵素」又は「主要セルラーゼ」は、セロビオヒドロラーゼ、CBH1及びCBH2、並びにエンドグルカナーゼ、EG1及びEG2と定義される。主要セルラーゼ、CBH1、CBH2、EG1及びEG2に加えて、セルラーゼ酵素混合物は、以下の更なる詳細で説明されるβ−グルコシダーゼ酵素成分同様、追加のセルラーゼを含んでもよい。
以下の定義は、国際生化学・分子生物学連合の生化学命名法合同委員会により定義される(Enzyme Nomenclature 1992, Academic Press, San Diego, California, ISBN 0-12-227164-5、補足としてEur. J. Biochem. 1994, 223, 1-5; Eur. J. Biochem. 1995, 232, 1-6; Eur. J. Biochem. 1996, 237, 1-5; Eur. J. Biochem. 1997, 250; 1-6, 及びEur. J. Biochem. 1999, 264, 610-650に発表されており, それぞれをここで参考として取り入れ、またchem.qmul.ac.uk/iubmb/enzyme/も参照)セロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼ、及びβ−グルコシダーゼの分類、並びにグリコヒドロラーゼ酵素の標準的命名として受け入れられるCAZyシステムにより定義される(Coutinho, P.M. & Henrissat, B., 1999,「Carbohydrate-active enzymes: 総合データベース手法」、In Recent Advances in Carbohydrate Bioengineering, HJ. Gilbert, G. Davies, B. Henrissat and B. Svensson eds., The Royal Society of Chemistry, Cambridge, pp. 3-12, これをここで参考として取り入れ、またafmb.cnrs-mrs.fr/CAZY/も参照)セルラーゼ及びβ−グルコシダーゼのグリコヒドロラーゼファミリーを参照し、かつ当業者によく知られている。
「CBH1」は、EC 3.2.1.91の下に分類されるグリコヒドロラーゼ(GH)ファミリー7触媒ドメインのDNA配列コードから発現される、炭水化物活性酵素である。あるCBH1酵素と60%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、又は、より好ましくは、65%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにCBH1活性を示す(セロビオヒドロラーゼ命名法の参考文献を参照)、どんな炭水化物活性酵素も、同様にCBH1として定義される。例えば、CBH1は、あるCBH1酵素と60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにCBH1活性を示す、どんな炭水化物活性酵素でもよい。好ましくは、CBH1は、結晶セルロースに対する高い親和性を有する炭水化物結合モジュール(CBM)、例えば、ファミリー1セルロース結合ドメインと機能的につなげられる。
配列同一性は、手作業の整列(manual alignment)、又は当業者に知られているシークエンス整列アルゴリズムのどちらかを使用して、2つの配列のアミノ酸を整列させることにより、直ちに測定できる。これらは、例えば、以下に限定されないが、BLASTアルゴリズム(BLAST並びにBLAST 2.0; Altschulなど、Nuc. Acids Res. 25:3389-3402, 1977; 及びAltschulなど、J. MoI. Biol. 215:403-410, 1990)、Smith及びWaterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)により、Needleman及びWunsch, J. MoI. Biol. 48:443 (1970)の相同整列アルゴリズムにより、Pearson及びLipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似法の研究により、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実行(GAP, BESTFIT, FASTA及びTFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.)により、又は、マニュアル整列及び目視検査(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelなど、eds. 1995 補足) を参照)により開示されたアルゴリズムである。
「CBH2」は、EC 3.2.1.91の下に分類されるグリコヒドロラーゼ(GH)ファミリー6触媒ドメインのコードを配列されたDNAから発現される、炭水化物活性酵素として定義される。あるCBH2酵素と60%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、又は、より好ましくは、65%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにCBH2活性を示す(セロビオヒドロラーゼ命名法の参考文献を参照)、どんな炭水化物活性酵素も、同様にCBH2として定義される。例えば、CBH2は、あるCBH2酵素と60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにCBH2活性を示す、どんな炭水化物活性酵素でもよい。好ましくは、CBH2は、結晶セルロースに対する高い親和性を有する炭水化物結合モジュール(CBM)、例えば、ファミリー1セルロース結合ドメインと機能的につなげられる。配列同一性は、上記に概説されるように測定できる。
「EG1」は、EC 3.2.1.4の下に分類されるグリコヒドロラーゼ(GH)ファミリー7触媒ドメインのコードを配列されたDNAから発現される、炭水化物活性酵素として定義される。あるEG1酵素と60%〜100%、又は、より好ましくは、65%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにEG1活性を示す(エンドグルカナーゼ命名法の参考文献を参照)、どんな炭水化物活性酵素も、同様にEG1として定義される。例えば、EG1は、あるEG1酵素と60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにEG1活性を示す、どんな炭水化物活性酵素でもよい。好ましくは、EG1は、結晶セルロースに対する高い親和性を有する炭水化物結合モジュール(CBM)、例えば、ファミリー1セルロース結合ドメインと機能的につなげられる。配列同一性は、上記に概説されるように測定できる。
「EG2」は、EC 3.2.1.4の下に分類されるグリコヒドロラーゼ(GH)ファミリー5触媒ドメインのコードを配列されたDNAから発現される、炭水化物活性酵素として定義される。あるEG2酵素と60%〜100%、又は、より好ましくは、65%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにEG2活性を示す(エンドグルカナーゼ命名法の参考文献を参照)、どんな炭水化物活性酵素も、同様にEG2として定義される。例えば、EG2は、あるEG2酵素と60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにEG2活性を示す、どんな炭水化物活性酵素でもよい。好ましくは、EG2は、結晶セルロースに対する高い親和性を有する炭水化物結合モジュール(CBM)、例えば、ファミリー1セルロース結合ドメインと機能的につなげられる。配列同一性は、上記に概説されるように測定できる。
「β−グルコシダーゼ」は、またEC 3.2.1.21の下に分類されるGHファミリー3に由来する酵素として定義される。BGL1は、トリコデルマ・リーゼイのbgll遺伝子から発現される酵素として定義される。BGL1酵素と60%〜100%、又は、より好ましくは、65%〜100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにβ−グルコシダーゼ活性を示す(エンドグルカナーゼ命名法の参考文献を参照)、どんなタンパク質配列も、同様にBGL1として定義される。例えば、BGL1は、あるBGL1酵素と60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ当業者に知られているようにBGL1活性を示す、どんな炭水化物活性酵素でもよい。配列同一性は、上記に概説されるように測定できる。
本発明のセルラーゼ酵素混合物中のセロビオヒドロラーゼCBH1及びCBH2(すなわち、CBH1及びCBH2の混合含有量)は、セルラーゼ混合物中、主要セルラーゼ混合物の55%以上かつ85%未満(すなわち、CBH1及びCBH2の量は、セルラーゼ酵素混合物のうち、主要セルラーゼ混合物の約55%〜約85%からなる)で存在する。CBH1及びCBH2の混合物のこの範囲内で、主要セルラーゼに対する混合したCBH1及びCBH2含有量の異なる割合によって決まる(図3A、3B及び3C中%CBHとして描かれる)、これらの主要セルラーゼ酵素の3組の混合物は、リグノセルロース原料の加水分解の実行において利点を示すことが確認された。混合物のこれらの組は、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼに対するCBH2の割合(質量、又は体積基準に対する質量で)により定義されてもよく、この割合をfC2と呼ぶ。すなわち、
fC2=CBH1/(CBH1+CBH2)。
EG1及びEG2エンドグルカナーゼに対するEG2の割合をfE2と呼ぶ。すなわち、
fE2=EG2/(EG1+EG2)。
第一、第二及び第三混合物の成分ブレンドは、図3A、3B及び3Cに、それぞれ描かれる。これらの混合物により説明される成分混合スペースの三次元表現は、図4に示される。
CBH1及びCBH2が主要セルラーゼ混合物の約55%〜約65%からなる
CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの55%以上かつ65%未満で存在するとき、セロビオヒドロラーゼ、すなわちCBH2の割合(fC2)、及びエンドグルカナーゼ、すなわちEG2の割合(fE2)は、図3Aのゾーン1にわたる。図3Aのゾーン1は、以下の3つの領域を含む。
fC2値0.35以上かつ0.45未満、及びfE2値0.15以上かつ0.35未満、
fC2値0.45以上かつ0.55未満、及びfE2値0.15以上かつ0.25未満、並びに
fC2値0.45以上かつ0.55未満、及びfE2値0.35以上かつ0.45未満。
CBH1及びCBH2が主要セルラーゼ混合物の約65%〜約75%からなる
CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの65%以上かつ75%未満で存在するとき、fC2及びfE2は、図3Bのゾーン1、2及び3以内に含まれる値である。ゾーン1、2及び3は、以下の領域を含む。
fC2値0.25以上かつ0.35未満、及びfE2値0.05以上かつ0.35未満、
fC2値0.35以上かつ0.45未満、及びfE2値0.05以上かつ0.55未満、
fC2値0.45以上かつ0.65未満、及びfE2値0.05以上かつ0.65未満、並びに
fC2値0.65以上かつ0.75未満、及びfE2値0.15以上かつ0.55未満。
図3Bのゾーン2及び3は以下の領域を含む。
fC2値0.25以上かつ0.35未満、及びfE2値0.05以上かつ0.35未満、
fC2値0.35以上かつ0.45未満、及びfE2値0.05以上かつ0.55未満、並びに
fC2値0.45以上かつ0.65未満、及びfE2値0.15以上かつ0.55未満。
図3Bのゾーン3は以下の領域を含む。
fC2値0.45以上かつ0.55未満、及びfE2値0.15以上かつ0.55未満、並びに
fC2値0.55以上かつ0.65未満、及びfE2値0.35以上かつ0.45未満。
好ましくは、fC2及びfE2は、図3Bのゾーン2及び3以内の値を含む。より好ましくは、fC2及びfE2は、図3Bのゾーン3以内の値を含む。
CBH1及びCBH2が主要セルラーゼ混合物の約75%〜約85%からなる
CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの75%以下かつ85%未満で存在するとき、fC2及びfE2は、図3Cのゾーン1、2及び3以内に含まれる値である。ゾーン1、2及び3は、以下の領域を含む。
fC2値0.35以上かつ0.45未満、及びfE2値0.05以上かつ0.25未満、
fC2値0.45以上かつ0.55未満、及びfE2値0.15以上かつ0.65未満、並びに
fC2値0.55以上かつ0.65未満、及びfE2値0.15以上かつ0.35未満。
ゾーン2及び3は以下の3つの領域を含む。
fC2値0.35以上かつ0.45未満、及びfE2値0.15以上かつ0.25未満、
fC2値0.45以上かつ0.55未満、及びfE2値0.15以上かつ0.55未満、並びに
fC2値0.55以上かつ0.65未満、及びfE2値0.15以上かつ0.25未満。
ゾーン3は、fC2値0.45〜0.55、及びfE2値0.15〜0.25を含む、1つの領域を定義する。
好ましくは、fC2及びfE2は、図3Cのゾーン2及び3以内の値を含む。最も好ましくは、fC2及びfE2は、図3Cのゾーン3以内の値を含む。
セルラーゼ混合物中の各セルラーゼ成分の割合又は百分率は、実施例3の方法を使用することにより測定される。
それ故、本発明は、酵素混合物、及び前処理した原料を酵素混合物で加水分解することを含む、前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解して可溶性糖にする方法を提供する。セルラーゼ酵素混合物は、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼ並びにEG1及びEG2エンドグルカナーゼの主要セルラーゼ混合物を含む。CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼは、主要セルラーゼ混合物の55%以上かつ85%未満の混合含有量で存在する。CBH2は、fC2により定義される、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼに対する割合で存在し、かつEG2は、fE2により定義される、EG1及びEG2エンドグルカナーゼに対する割合で存在して、
(i) 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの55%以上かつ65%未満で存在するとき、前記fC2及び前記fE2が、図3Aのゾーン1の範囲内に含まれる値であり、
(ii) 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの65%以上かつ75%未満で存在するとき、前記fC2及び前記fE2が、図3Bのゾーン1、2及び3の範囲内に含まれる値であり、かつ
(iii) 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、主要セルラーゼの75%以上かつ85%未満で存在するとき、前記fC2及び前記fE2が、図3Cのゾーン1、2及び3の範囲内に含まれる値である。
本発明のセルラーゼ酵素混合物は、「前処理したリグノセルロース原料」の酵素加水分解に使用される。前処理したリグノセルロース原料は、植物起源の物質であり、前処理の前には、少なくとも20%のセルロース(乾燥質量)、及び少なくとも12%のリグニン(乾燥質量)を含有し、かつ物理的及び/又は化学的処理にさらされて繊維をセルロース分解酵素に、より作用されやすく、及び/又はセルロース分解酵素の作用に、より受容的にされる。
前処理後、リグノセルロース原料は、約20%より多いセルロース、及び約12%より多いリグニンを含有してもよい。一態様では、前処理したリグノセルロース原料は、約20%より多いセルロース、及び約10%より多いリグニンを含有する。
本発明に使用され得るリグノセルロース原料は、以下のものに限定されないが、農業廃棄物、例えば、コーンストーバー、小麦わら、大麦わら、稲わら、オートストロー、キャノーラストロー、及び大豆ストーバーを含み、繊維加工残留物、例えば、トウモロコシ繊維、サトウダイコンパルプ、パルプ工場微繊維物、パルプ工場廃棄物又はサトウキビバガスを含み、林業廃棄物、例えば、アスペン材、他の硬木材、軟木材及びおがくずを含み、又は草、例えば、スイッチグラス、ミスカンサス、コードグラス、及びリードキャナリーグラスを含む。
リグノセルロース原料は、以下に限定されないが、製粉、研削(grinding)、攪拌、細断、圧縮/膨張、又は他の種類の機械的作用を含む方法によって、最初にサイズリダクションを受けてもよい。機械的作用によるサイズリダクションは、目的に応じて適合されるどんな種類の装置によっても、例えば、以下に限定されないが、ハンマーミルによって行われ得る。
前処理方法の限定されない例には、硫酸若しくは亜硫酸、又は他の酸を用いて、アンモニア、石灰、水酸化アンモニウム、又は他の塩基を用いて、エタノール、ブタノール、又は他の有機溶媒を用いて、又は加圧水を用いての、リグノセルロース原料の化学的処理(米国特許4,461,648号、5,916,780号、6,090,595号、6,043,392号、4,600,590号明細書、Weilなど (1997)及びOhgren, K.など (2005)を参照、ここで参考として取り入れる)が含まれる。
リグノセルロース原料中に存在するヘミセルロース、又はその一部を加水分解して単糖類、例えば、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、又はその混合物にするために、前処理が行われてもよい。好ましくは、ヘミセルロースのほぼ完全な加水分解、及びセルロースのグルコースへの少量の変換が起こるように、前処理が行われる。前処理の間、典型的には、水性スラリー中の酸濃度、約0.02%(w/w)〜約2%(w/w)が、リグノセルロース原料の処理のために使用される。好ましくは、前処理中に使用される酸は硫酸である。
前処理したリグノセルロース原料は、前処理後、酵素加水分解前に、当業者によく知られているように、いくつかの工程、例えば、水での希釈、水での洗浄、緩衝化、濾過、若しくは遠心分離、又はこれらの方法の組み合わせのうちのいずれによって処理されてもよい。
前処理したリグノセルロース原料は、次に酵素加水分解にさらされる。用語「酵素加水分解」により、セルラーゼ酵素がセルロースに作用して、全て又はその一部を可溶性糖に変換する方法が意味される。可溶性糖は、水溶性ヘキソースモノマー、及び前処理したリグノセルロース原料のセルロース部分に由来する6モノマーユニットまでのオリゴマーを含むと意味される。可溶性糖の例は、グルコース、セロビオース、セロデキストリン、又はその混合物である。好ましくは、可溶性糖は、大部分セロビオース及びグルコースである。より好ましい態様では、可溶性糖は、大部分グルコースである。
酵素加水分解方法は、好ましくは、セルロースの約80%〜約100%を可溶性糖に変換する。より好ましくは、酵素加水分解方法は、セルロースの約90%〜約100%を可溶性糖に変換する。最も好ましい態様では、酵素加水分解方法は、セルロースの約98%〜約100%を可溶性糖に変換する。
セルラーゼ混合物を使用する酵素加水分解は、バッチ加水分解、連続的な加水分解、又はその組み合わせでもよい。加水分解では、攪拌されても、混合されなくても、又はその組み合わせでもよい。
酵素加水分解は、好ましくは、約45℃〜75℃の温度で、かつ約3.5〜約7.5のpHで行われる。加水分解開始前の、加水分解反応器中のセルロースの初濃度は、好ましくは、約4%(w/w)〜約15%(w/w)である。全ての主要セルラーゼ酵素の混合用量は、セルロースg当たりタンパク質約5〜約45mgでもよい。加水分解は、約12時間〜約200時間行われてもよい。好ましくは、加水分解は、15時間〜100時間行われる。反応条件は、どのような方法においても本発明を限定するものと意味されず、当業者によって望まれるように調整されてもよい、ということが認識されるべきである。
酵素加水分解は、典型的に、加水分解反応器中で行われる。主要セルラーゼ酵素は、前処理したリグノセルロース原料(「基質」とも呼ばれる)に、基質を加水分解反応器に添加する前、間、又は後に添加される。
好ましくは、主要セルラーゼは、1以上の液内培養発酵で生成され、発酵の終わりに細胞から分離される。細胞は、濾過、遠心分離、又は当業者によく知られている他の方法により、セルラーゼから分離されてもよい。次いで、細胞を含まないセルラーゼ含有画分(fraction)は、使用前に、濃縮(例えば、限外濾過を通して)、保存、及び/又は安定化されてもよい。これとは別に、主要セルラーゼは、細胞から分離されずに、細胞と一緒に酵素加水分解に添加される。
セルラーゼ混合物は、タンパク質の水溶液、タンパク質の水性スラリー、固体の粉末若しくは顆粒、又はゲルでもよい。セルラーゼ酵素を含む混合物は、添加物、例えば、緩衝剤、洗浄剤、安定化剤、賦形剤、又は当業者によく知られている他のそのような添加物を含んでもよい。
好ましくは、主要セルラーゼは、真菌のコード配列から発現される。この態様において、コード配列はどんな真菌源にも由来するだろう。用語「真菌(fungus)」、「真菌類(fungi)」、「真菌の(fungal)」、「子嚢菌亜門(Ascomycotina)」、「担子菌亜門(Basidiomycotina)」及び関連用語(例えば、「子嚢菌(ascomycete)」及び「担子菌(basidiomycete)」)は、The Fungi: An Advanced Treatise(GC Ainsworth, FK Sparrow, AS Sussman, eds.; Academic Press 1973)にあるように定義される、それらの有機体を含むものと意味される。
セルラーゼ酵素のどんな源も、本発明の実施に使用されてもよい。本発明のセルラーゼのコード配列は、好ましくは、子嚢菌亜門又は担子菌亜門に由来する。例えば、コード配列は、トリコデルマ属菌種(ssp.)、アスペルギルス属菌種、ヒポクレア属菌種、フミコラ属菌種、ニューロスポラ属(Neurospora) 菌種、オルピノマイセス属(Orpinomyces) 菌種、ジベレラ属(Gibberella) 菌種、エメリセラ属(Emericella) 菌種、ケトミウム属(Chaetomiun) 菌種、フザリウム属(Fusarium) 菌種、ペニシリウム属(Penicillium) 菌種、マグナポルテ属(Magnaporthe) 菌種、及びファネロカエテ属(Phanerochaete) 菌種から選択される属に由来する。好ましくは、主要セルラーゼのコード配列は、トリコデルマ・リーゼイに由来する。
本発明の主要セルラーゼは、発現宿主として当業者に知られている微生物、例えば、細菌又は真菌中でクローンされ、発現されてもよい。好ましくは、微生物は真菌である。遺伝的構造物は、微生物形質転換の当業者により知られているいくつかの方法によって、宿主微生物に導入されてもよい。この方法は、以下に限定されないが、CaCl2での細胞の処理、電気穿孔、遺伝子銃(biolistic bombardment)、プロトプラストのPEG−媒介融合(例えば、Whiteなど、WO 2005/093072、ここで参考として取り入れる)を含む。
全ての主要セルラーゼは、有機体の一菌株(strain)から発現されてもよい。これとは別に、主要セルラーゼは、様々な有機体の様々な菌株から、個別に又はサブグループで発現されてもよい。主要セルラーゼは、一有機体の様々な菌株から、例えば、トリコデルマ・リーゼイの様々な菌株から、個別に又はサブグループで発現されてもよい、ということもまた考えられる。好ましくは、全てのセルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイの一菌株から発現される。
主要セルラーゼは、好ましくは、発現有機体により生成される総セルラーゼ系の一部である。一態様では、主要セルラーゼは、セルラーゼ系の唯一のセルラーゼ酵素である。別の一態様では、主要セルラーゼは、β−グルコシダーゼを含むセルラーゼ系の一部である。
主要セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイの分泌物を含む総セルラーゼ系の一部でもよい。用語「分泌物」により、特定の微生物によって細胞外に、成長培地中に分泌される全てのタンパク質が意味される。好ましい態様では、主要セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイ由来BGL1β−グルコシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ由来分泌物を含む総セルラーゼ系の一部である。
酵素加水分解により生成される可溶性糖は、微生物により発酵されてもよい。発酵生成物は、発酵プラントの価値を生み出す何らかの所望の生成物を含み得る。好ましい発酵生成物は、エタノール、ブタノール及び乳酸であり、これらは全て大きな市場を有し、多くの微生物により効率的に作られる。エタノール生産のためには、糖を発酵してエタノールにすることのできる1以上の微生物により、発酵を行い得る。例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース及びキシロースを発酵してエタノールに、又はグルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース及びアラビノースを発酵してエタノールにするために組み換えられた、組み換えサッカロマイセス酵母により、発酵を行ってもよい。キシロースを発酵してエタノールにすることができる組み換え酵母は、米国特許5,789,210号明細書に説明されている(ここで参考として取り入れる)。酵母は、エタノール水溶液を含む発酵培養液を生成する。乳酸生産は、糖を発酵して乳酸にする微生物により行い得る。
本発明の一態様では、セルラーゼ酵素混合物は、酸性pH値で、微生物から主要セルラーゼを発現させることにより生成される。好ましくは、pH値は、約2〜約5である。例えば、発酵のpHは、約2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8若しくは5.0、又はその間のどのpHであってもよい。
本発明の酵素混合物は、セルロース加水分解の先行技術で説明されている組成とは大きく異なる組成を有する。本発明の主要セルラーゼ混合物は、CBH1、CBH2、EG1及びEG2がそれぞれ57%、29%、7%、7%の組成である「基準混合物」と著しく異なる組成である。最良の混合物は、図3A、3B及び3Cに描かれ、基準混合物は、図3Dに描かれた混合スペース中に存在するということが指し示される。これらの範囲により描写される成分混合スペースの三次元表現は、図4に示される。本発明の酵素混合物は、先行技術で説明されているものよりも高い活性を有する。図のゾーン1、2及び3は、基準混合物と比較したとき、10%以上の活性増大を示す。ゾーン2及び3は、基準混合物と比較したとき、13%以上の活性増大を示す。ゾーン3により定義される混合物は、基準混合物と比較して16%を超える増大を示す。
図3A、3B及び3Cに描かれた不規則な形状のゾーンは、予測されず、全混合スペース内で急傾斜な活性連続体を指し示す。本発明のセルラーゼ混合物は、モデル基質又は4つの主要セルラーゼよりも少ない酵素混合物を使用する先行実施により占められ得るスペースよりも、複雑なスペースを定義する。
典型的には3成分混合物を用いた混合物を最適化するための過去の試みを、三成分プロット上にプロットした(Bakerなど、1998を参照)。このような試みは、スペースの角、縁又は表面に位置するため、実際の最適条件とは離れている。
本発明は、以下の実施例で更に説明される。
実施例1:トリコデルマ・リーゼイセルラーゼからの主要セルラーゼCBH1、CBH2、EG1及びEG2の精製
トリコデルマ・リーゼイの菌株を、当業者に知られているようなセルラーゼ生産を引き起こす条件下で、液内発酵で成長させた。トリコデルマタンパク質の粗混合物が、細胞により発酵培養液中に分泌された。真菌細胞を、Harborlite濾過池を含有するガラスマイクロファイバーフィルターを通して濾過することにより、発酵培養液から取り除いた。主要セルラーゼ(CBH1、CBH2、EG1、EG2)を、Bhikhabhaiら(1984)により説明されている、DEAE-セファロースカラムを使用するアニオン交換クロマトグラフィーにより、粗濾液から分離した。この工程はEG1及びEG2を単離する。次いで、更にCBH1及びCBH2を、Piyachomkwanら(1997, 1998)により報告されている、p−アミノフェニル−1−チオ−β−D−セロビオシド親和性クロマトグラフィーにより精製した。攪拌限外濾過器(Amicon)及び10kDaのNMWLポリエーテルスルホン膜を使用して、精製したセルラーゼ成分を濃縮し、緩衝液をpH5.0、50mMクエン酸ナトリウムに交換した。
実施例2:主要セルラーゼの濃度及び純度測定
タンパク質濃度を、Bradfordら(1976)の方法を使用して化学的に測定した。各精製タンパク質の試料を、SDS-PAGEにより分離し、電気泳動後に、図1、パネルAに示されるとおり、クーマシーブルー染色により可視化した。各精製成分に対して、各バンドの染色度を、Chemigenius2(Syngene)画像システムを使用して、走査デンシトメトリー(scanning densitometry)により定量した。各成分のバンド強度を、ゲルの同じレーンにある全てのバンドを測定した総染色度で割ることにより、相対的な純度を計算した。炭水化物結合モジュールをもたないEG2は、微量存在したが、この酵素調製における汚染物質であるとは考えられなかった。CBH1及びCBH2の相対的純度は>95%であったが、EG1及びEG2では>90%であった。
主要セルラーゼを汚染することなく各成分が調製されたことを明示するために、精製したCBH1、CBH2、EG1、EG2を、ウサギ由来の成分特異的ポリクロナール抗血清を使用して、ウエスタンブロッティングにより解析した(図1、パネルB)。タンパク質を10%SDS-PAGEにより分離し、BioRadのMini Trans-Blot(登録商標)Cellを使用して、100V、1時間でポリビニリデンフルオリド(PVDF)膜に転写した。Birkettらの方法を使用してウエスタンブロッティングを行った。成分特異的ポリクロナール抗血清を、当業者に知られているように、合成ペプチドを使用して作り出した。その合成ペプチドの配列は、トリコデルマ・リーゼイ由来のCBH1、CBH2、EG1又はEG2の主要アミノ酸配列に基づいた。
これらの実施例は、使用した精製方法により実質的に純粋なCBH1、CBH2、EG1及びEG2を得たということを明示した。これはまた、これらの各主要セルラーゼ成分に対するこれらの抗血清の特異性を明示した。
実施例3:トリコデルマセルラーゼ中のCBH1、CBH2、EG1及びEG2の相対的濃度測定
トリコデルマ・リーゼイ由来セルラーゼ中のCBH1、CBH2、EG1及びEG2の相対的濃度を、ELISAにより測定した。
セルラーゼ及び精製した成分標準を、pH7.2、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、1〜100μg/mLに希釈し、マイクロタイタープレート(Costar EIA - 高結合)において、4℃で一晩中インキュベートした。これらのプレートを0.1%Tween20含有PBS(PBS/Tween)で洗浄して、次いで、1%ウシ血清アルブミン含有PBS(PBS/BSA)中、室温で1時間インキュベートした。ブロックされたマイクロタイターウェルをPBS/Tweenで洗浄した。CBH1、CBH2、EG1及びEG2に特異的なウサギポリクロナール抗血清を、PBS/BSAで希釈し、別のマイクロタイタープレートに添加し、室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄し、セイヨウワサビペルオキシダーゼと結合したヤギ抗ウサギ抗体とともに、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、テトラメチルベンジジンを各プレートに添加し、室温で1時間インキュベートした。
実施例2で作成したCBH1、CBH2、EG1及びEG2標準を使用して、各ウェルにおいて360nmで吸光度を測定し、タンパク質濃度に換算した。これらのタンパク質濃度を、CBH1、CBH2、EG1及びEG2の総濃度で割ることにより、各成分の相対的濃度を計算した。
トリコデルマセルラーゼ中の相対的CBH1、CBH2、EG1及びEG2組成は、それぞれ57%、29%、7%、7%であった(図2)。ここで、これを基準混合物と呼ぶ。この混合物は、市販のトリコデルマセルラーゼ製品に由来し、以下のように描かれる。
主要セルラーゼの全セットに対するCBHの濃度(%CBH)は、57%+29%=86%である。これは、85%〜95%CBHの、図3Dに配置される。他の図では、図3Aは%CBH=55%〜65%、図3Bは%CBH=65%〜75%、及び図3Cは%CBH=75%〜85%である。
全CBHに対するCBH2の濃度(fC2)は、29%/(57%+29%)=0.337である。
全主要EGに対するEG2の濃度(fE2)は、7%/(7%+7%)=0.5である。
CBH1、CBH2、EG1又はEG2を分泌しないトリコデルマ属の菌株に由来するセルラーゼ(CBH1無、CBH2無、EG1無又はEG2無)をまた解析して、各ELISAが特異的にCBH1、CBH2、EG1又はEG2を検出したということを明示した(図2)。
実施例4:前処理したリグロセルロース原料に対する主要セルラーゼ混合物のセルロース加水分解活性の測定
実施例3に由来する基準CBH1、CBH2、EG1及びEG2比を有する主要セルラーゼ混合物を、様々な組成を有する混合物と比較した。主要セルラーゼのこれらの混合物を、0.25mL混合セルロース加水分解アッセイで試験した。セルラーゼ混合物を、0.5%安息香酸ナトリウム含有クエン酸緩衝液中で希釈し、アスペルギルス・ニガー(Aspergillis niger)由来のβ−グルコシダーゼ調製物で補足し、酸前処理した小麦わらとともにインキュベートした。Foody、米国特許4,461,648号明細書のように前処理を行った。インキュベーションを50℃で24時間行い、目標とするセルロース変換レベルは70%よりも大きかった。目標とするセルロース変換レベルに達するのに必要な酵素量を測定し、基準セルラーゼ混合物において必要とされる酵素量に正規化することにより、酵素活性を計算した。
正規化した値の不確実性は、±0.04のオーダーであり、このことから、基準に対して観察された10%以上の値(すなわち、1.10という正規化した値)は、基準よりも著しく大きいと言えるということが指し示される。三次元混合スペース(特性fC2、fE2、及び%CBHで表されるスペース)にわたって加重平均を適用し、活性データを平滑にした。一定の点での正規化した活性データ(この点の座標はfC2=x、fE2=y、%CBH=zである)を、以下の座標、すなわち、x+0.1,y,z、 x-0.1,y,z、 x,y+0.1,z、 x,y-0.1,z、 x,y,z+10%、及びx,y,z-10%で表される6つの最も密接した点で平均化した。問題とする点を加重(weighting)w=1.00とし、6つの隣接点を、加重平均(xw)を求める以下の式においてそれぞれw=0.15の加重とした。式は、xw = Σwixi/Σwiで表され、下付き文字iは、上述した7つの点全てを合計するための合計変数を意味し、xi及びwiは、正規化した活性及びith点の加重をそれぞれ示す。
これらの結果をグラフに表すため、実施例3で説明されるように、酵素活性を図3A、3B、3C又は3Dに示し、表1で説明する。
表1:主要セルラーゼ混合物による正規化したグルコース生成
Figure 2010501190

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これらのプロットは、CBH含有量(%CBH)の割合を以下の範囲内で、すなわち、55〜65%(図3A)、65〜75%(図3B)、75〜85%(図3C)、及び85〜95%(図3D)でセルラーゼ混合物を代表する。
図3A、3B及び3Cの斜線部分は、基準混合物よりも著しく高い活性を有する混合物の相対的な加水分解活性を表す。ゾーン1では、活性は1.10〜1.12であり、これは、基準混合物よりも10%〜12%高い活性である。ゾーン2では、活性は1.13〜1.15である。これは、基準混合物よりも13%〜15%高い活性である。ゾーン3では、1.16〜1.18という最も高い活性であり、これは、基準混合物よりも16%〜18%高い活性である。55%〜65%CBHを包含する、図3Aでは、どの混合物も1.12以上の活性を有しておらず、それ故、ゾーン1の範囲内の値のみを含む。85%〜95%CBHを包含する、図3Dでは、どの混合物も1.10以上の活性を有していない。
図3A、3B、3C及び3Dに示される結果には、いくつかの興味深い特徴がある。第一に、それ自体が、典型的な、商業的に利用できるセルラーゼ酵素中で見られる主要セルラーゼの比率を表す基準混合物よりも、著しく高い活性を有すると特定された主要セルラーゼ混合物がある。これは、現在利用可能な混合物よりも>15%効力のあるセルラーゼ混合物を生成することができる、ということを示す。これらの混合物は、基準混合物とは組成が大きく異なる。
第二の点は、描かれたゾーンの不規則な形状である。これらの不規則な形状は予測されず、全混合スペース内で急傾斜な活性連続体を指し示す。実験データは、モデル基質又は4つの主要セルラーゼよりも少ない酵素混合物を使用する先行実施により占められ得るスペースよりも、複雑なスペースを定義する。
第三の点は、最良の混合物は、先行技術の混合物とは組成が大きく異なるということである(実施例5を参照)。理論により制限されることなく、セルラーゼ活性の測定のために前処理したリグロセルロース原料を使用する必要があると感じる。多くの先行技術研究では、純粋なセルロースモデル基質を使用した。
これらのゾーンからなる成分混合スペースの三次元表現は、図4に示される。
実施例5:トリコデルマセルラーゼの組成のマッピング
科学文献及び特許文献に由来の、セルロースを加水分解する10個のトリコデルマセルラーゼの相対的な組成を、CBH1、CBH2、EG1及びEG2の報告されたタンパク質濃度を各セルラーゼ中のこれら4つの成分の合計の濃度で割ることにより、測定した。次いで、これらのセルラーゼを、実施例4で主要セルラーゼ混合物に対してしたように、それらの%CBHに基づくグループに分けた。次いで、これらのセルラーゼを、fC2及びfE2の関数(function)としてプロットし、その後、基準成分混合物に対するセルロース加水分解活性の改良と関連するゾーンと比較した。CBH<55%又はCBH>95%を有する、文献中のトリコデルマセルラーゼは、この分析に含めなかった。
主要セルラーゼの全ての公表された組成は、最も高いセルラーゼ活性をもたらすゾーンの外側にうまく位置する。
表2:既知組成の図3へのマッピング
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EG2を含まないトリコデルマセルラーゼをまた、図3Dに描いた。この組成は、61.3%CBH1、31.2%CBH2、7.5%EG1を含有し、fC2及びfE2値は、それぞれ0.337及び0であった。この組成はまた、最も高いセルラーゼ活性をもたらすゾーンの外側に位置する(図3B及び3Cを参照)。
実施例6:長時間にわたる、前処理したリグノセルロース原料に対する主要セルラーゼ混合物の加水分解活性の測定
実施例3に由来する、基準CBH1、CBH2、EG1及びEG2比を有する主要セルラーゼ混合物を、実施例4での、長時間の加水分解において15%の活性改良を示した改良混合物と比較した。改良混合物は、32%Cel7A、47%Cel6A、17%Cel7B、及び4%Cel5Aからなる。両方の混合物を、セルロースのg当たり酵素18mgで投与し、更に、アスペルギルス・ニガー由来のβ−グルコシダーゼ調製物100IU/gセルロースで補足した。
混合物を、pH5.0の、0.5%安息香酸ナトリウム及び0.01%Triton X-100を含有する50mMシトラート中で、25g/Lセルロースとともに、50℃で56時間、200rpmでの連続的な振盪をさせながらインキュベートした。図5に示される時点で0.5mLの一定分量を取り、可溶性部分中のグルコース濃度を測定し、変換割合(fractional conversion)に換算した。次いで、変換データを、フィットの残差平方和の最小化を使用して、追加線形項でもって直角双曲線にフィットした。方程式は、以下の式からなる。すなわち、変換=(最大値*時間)/(半最大値+時間)+c*時間。両組のデータは、全体的に、独自の最大値及び半最大値、並びに共通の変数値cにフィットした。最大変換値の標準誤差を、モデル比較手法(Motulsky及びChristopolous、2003)を使用して計算した。基準混合物と最適化混合物の最大変換値を比較するために試験を行った(上記を参照)。
最適化混合物の最大変換値は0.69であり、基準混合物の最大変換値0.59よりも増加した。これは、16%という著しい増加(P<0.05)を表す。これらの混合物の変換は、ここで考慮された4成分とは別に、追加のセルラーゼ成分の存在下でより高くなるだろう。
全ての引用を、これにより参考として取り入れる。
本発明は、1以上の態様に関して説明されている。しかしながら、請求項に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形及び変更がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。
参考文献
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Claims (23)

  1. 前処理したリグノセルロース原料を酵素加水分解して可溶性糖にする方法であって、セルラーゼ酵素混合物を前記前処理したリグノセルロース原料に添加することを含み、前記セルラーゼ酵素混合物が、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼ並びにEG1及びEG2エンドグルカナーゼの主要セルラーゼ混合物を含み、前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼ混合物の55%以上かつ85%未満で存在し、前記CBH2が、fC2により定義される、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼに対する割合で存在し、かつ前記EG2が、fE2により定義される、前記EG1及びEG2エンドグルカナーゼに対する割合で存在する方法であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの55%以上かつ65%未満で存在するとき、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満であり、又は
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.35以上かつ0.45未満であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%以上かつ75%未満で存在するとき、
    前記fC2値が0.25以上かつ0.35未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.55未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.65未満であり、又は
    前記fC2値が0.65以上かつ0.75未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの75%以上かつ85%未満で存在するとき、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.25未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.65未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.35未満であることを特徴とする方法。
  2. 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%〜85%で存在する方法であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%〜75%で存在するとき、
    前記fC2値が0.25以上かつ0.35未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.45以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であって、並びに
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの75%〜85%で存在するとき、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの75%〜85%で存在し、かつ
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%〜75%で存在し、
    前記fC2値が0.25以上かつ0.35未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.45以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.35以上かつ0.45未満である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記主要セルラーゼが、真菌源に由来する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記主要セルラーゼが、子嚢菌又は担子菌に由来する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記主要セルラーゼが、トリコデルマ属菌種、アスペルギルス属菌種、ヒポクレア属菌種又フミコラ属菌種に由来する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記主要セルラーゼが、トリコデルマ・リーゼイに由来する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記主要セルラーゼが、有機体に内在性であるコード配列を発現させることにより該有機体から得られる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記主要セルラーゼが、有機体に異種性であるコード配列を発現させることにより該有機体から得られる、請求項1に記載の方法。
  13. 前記主要セルラーゼが、トリコデルマ・リーゼイから得られる、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記酵素加水分解が、前処理したリグノセルロース原料中の少なくとも約80%のセルロースを可溶性糖に変換する、請求項1に記載の方法。
  15. 更に、可溶性糖を発酵させてエタノール、乳酸、ブタノール、又はその混合物を生成する工程を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記酵素加水分解が、β−グルコシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ由来分泌物を含むセルラーゼ酵素を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  17. CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼ並びにEG1及びEG2エンドグルカナーゼの主要セルラーゼ混合物を含むセルラーゼ酵素混合物であって、前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼ混合物の55%以上かつ85%未満で存在し、前記CBH2が、fC2により定義される、CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼに対する割合で存在し、かつ前記EG2が、fE2により定義される、前記EG1及びEG2エンドグルカナーゼに対する割合で存在するセルラーゼ酵素混合物であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの55%以上かつ65%未満で存在するとき、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満であり、又は
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.35以上かつ0.45未満であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%以上かつ75%未満で存在するとき、
    前記fC2値が0.25以上かつ0.35未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.55未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.65未満であり、又は
    前記fC2値が0.65以上かつ0.75未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの75%以上かつ85%未満で存在するとき、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.25未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.65未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.35未満であることを特徴とするセルラーゼ酵素混合物。
  18. 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%〜85%で存在するセルラーゼ酵素混合物であって、
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%〜75%で存在するとき、
    前記fC2値が0.25以上かつ0.35未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.45以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であって、並びに
    前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの75%〜85%で存在するとき、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満である、請求項17に記載のセルラーゼ酵素混合物。
  19. 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの75%〜85%で存在し、かつ
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満であり、
    前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満である、請求項18に記載のセルラーゼ酵素混合物。
  20. 前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.25未満である、請求項19に記載のセルラーゼ酵素混合物。
  21. 前記CBH1及びCBH2セロビオヒドロラーゼが、前記主要セルラーゼの65%〜75%で存在し、かつ
    前記fC2値が0.25以上かつ0.35未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.35未満であり、
    前記fC2値が0.35以上かつ0.45未満、及び前記fE2値が0.05以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.45以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満である、請求項18に記載のセルラーゼ酵素混合物。
  22. 前記fC2値が0.45以上かつ0.55未満、及び前記fE2値が0.15以上かつ0.55未満であり、又は
    前記fC2値が0.55以上かつ0.65未満、及び前記fE2値が0.35以上かつ0.45未満である、請求項21に記載のセルラーゼ酵素混合物。
  23. pH値約2〜約5で、微生物から前記主要セルラーゼを発現させることにより生成される、請求項17に記載のセルラーゼ酵素混合物。
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