JP2010286355A - 貫通穴測定装置及びワーク形状良否判定装置 - Google Patents

貫通穴測定装置及びワーク形状良否判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高速かつ高精度に貫通穴の位置を測定すること。
【解決手段】 内側穴14と外側穴16とを有する貫通穴18について、前記内側穴14の外周領域を含む座面平面22までの距離を測定することで、前記座面平面22の座面法線方向CXでの平面位置24を算出する変位計30と、前記貫通穴18の貫通方向AXを光軸OXとして前記内側穴14を撮像することで、貫通穴画像38を生成するカメラ32と、前記貫通穴画像38を画像処理して前記内側穴14の穴位置26を算出する画像処理部34と、前記座面平面22の前記平面位置24に、前記穴位置26を合成する三次元測定部36とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫通穴の位置や形状を測定する技術分野に関する。
貫通穴は、厚みのある板材に設けられた穴であり、板材の目的に応じて、冷却し、圧力を抜き、潤滑材を表面に案内し、または部品の取付穴となるなどの役割を果たす。このため、貫通穴が設計通りの位置、大きさ及び方向に設けられていないと、その板材(ワーク)は不良となる。板材及びその接合の不良が製造工程の下流で判明すると生産効率が悪化するため、貫通穴の位置や形状を検査するニーズがある。特に、溶接による接合では貫通穴の位置ずれが生じやすく、検具等による検査が必須となっている。
また、貫通穴として、U字貫通穴がある。U字貫通穴は、並行する2枚の板材を貫通するように空けられた2つの穴であり、U字内側で部品を受ける。2枚の板材とそれを繋ぐ部分でU字を形成し、多くの場合は、U字の内側で部品を受けて、長ボルトで共締めする。U字貫通穴は、「U字かぎ」を意味する「クレビス(clevis)」とも呼ばれる。そして、U字貫通穴は、2つの貫通穴で囲まれる内側の内側穴と、内側穴から板材の厚みを貫通した外側の外側穴とを持つ。U字貫通穴の寸法精度において、部品を受ける内側の位置及び形状が重要である。しかし、U字形状による空間的な制約があり、U字貫通穴の内側穴を三次元計測することは困難であった。
また、U字貫通穴の内側穴に限らず、壁面に近い単体の貫通穴について、壁面側の穴の位置及び形状を測定することも困難であった。
特許文献1には、冷却用の貫通穴の開口形状及び入射角の測定を目的として、カメラを三次元に駆動し、貫通穴をカメラ中心軸で撮像し、そのカメラの駆動状態に基づいて入射角を測定する手法が開示されている。
特許文献2には、部品取付用貫通穴の位置等の測定を目的として、ステレオカメラを用いて、カメラ側である貫通穴の外側穴の特徴と、内側穴の特徴とを検出する手法が開示されている。
特許文献3には、貫通穴の鮮明な画像を撮像し、貫通穴の同心度を測定することを目的として、貫通穴の内側から透過光を照射して、外側から撮像する手法が開示されている。
特開2002-365024号 特開2005-283267号 特開2006-275784号
上記特許文献1記載の手法では、穴の中心点とカメラの中心軸とが一致するまでカメラの位置を駆動するため、物理的な駆動のための時間が必要となり、高速な測定をすることができない。また、穴の中心点とカメラの中心軸が一致するまで位置決めを繰り返すため、予め定められた時間内に測定を完了させることが困難である。さらに、測定の精度を高めるためには、カメラを駆動した後、駆動による振動がなくなるまでの一定時間を待機しなければならないが、特許文献1記載の例では、カメラの駆動を繰り返さなければならず、極めて長時間の測定とするか、または、カメラが完全に停止することで得られる精密さを断念するかのいずれかとなってしまう。
上記特許文献2記載の手法では、ステレオカメラの性質として、視差となるカメラ間距離が必要であり、カメラ間距離が長い場合には、穴に対する角度が増し、穴の奥深く(U字の内側)を撮像できなくなってしまう。視差は計測精度と密接に関係しており、視差が大きいほど高精度であるが、穴に対する角度が増すため、撮像できる深さが減少し、浅い穴しか測れなくなってしまう。
上記特許文献3では、貫通穴の形状を画像処理により測定することができるが、貫通穴の位置を測定することができない。貫通穴の良否を判定するには、貫通穴の形状のみならず、貫通穴の位置の情報が必要となる。
また、上記各特許文献には、製造現場の限られた空間にて貫通穴の内側を測定するために良好な手法は、なんら開示されていない。
そして、上記各特許文献には、部品取付穴となる貫通穴の良否を製造工程にて判定する手法も、なんら開示されていない。
[課題1]このように、上記従来例では、高速かつ高精度に貫通穴の位置及び形状を測定することができない、という不都合があった。
[課題2]さらに、上記従来例では、部品取付穴となる貫通穴の良否を製造工程にて高速かつ高精度に判定することができない、という不都合があった。
[発明の目的]本発明の目的は、高速かつ高精度に貫通穴の位置を測定することにある。
[着眼点]本発明の発明者は、変位計と画像処理との組み合わせを工夫することで、上記課題を解決できるのではないか、との着想に至った。
[課題解決手段1]実施例1に対応する第1群の本発明は、板材を貫通し当該板材の表面に内側穴と外側穴とを有する貫通穴について、前記内側穴の外周領域を含む座面平面までの距離を測定することで、前記座面平面の座面法線方向での平面位置を算出する変位計と、前記貫通穴の貫通方向を光軸として前記内側穴を撮像することで、貫通穴画像を生成するカメラと、前記貫通穴画像を画像処理して前記内側穴の穴位置を算出する画像処理部と、前記座面平面の前記平面位置に、前記穴位置を合成する三次元測定部とを備えた、という構成を採っている。
これにより、上記課題1を解決した。
[課題解決手段2] 実施例2に対応する第2群の本発明は、マスターワークの板材を貫通し当該板材の表面に内側穴と外側穴とを有する貫通穴について、当該マスターワークの複数の内側穴の位置をマスター貫通穴データとして予め記憶した記憶部と、測定対象のワークの複数の内側穴の外周領域を含む座面平面までの距離を測定することで、前記座面平面の座面法線方向での平面位置を算出する変位計と、前記貫通穴の貫通方向を光軸として前記内側穴を撮像することで、貫通穴画像を生成するカメラとを備えている。
第2群の本発明は、さらに、前記ワーク、変位計及びカメラのいずれか又は全部を駆動することで前記変位計を前記座面平面に向けて位置決めすると共に前記カメラを前記外側穴に向けて位置決めするロボットと、前記貫通穴画像を画像処理して前記内側穴の穴位置を算出する画像処理部と、前記座面平面の前記平面位置に、前記穴位置を合成することで前記マスター貫通穴データに対応するワーク貫通穴データを生成する三次元測定部と、前記マスター貫通穴データと前記ワーク貫通穴データとを比較することで、前記ワークの形状の良否を判定する良否判定部とを備えた、という構成を採っている。
これにより、上記課題2を解決した。
本発明は、本明細書の記載及び図面を考慮して各請求項記載の用語の意義を解釈し、各請求項に係る発明を認定すると、各請求項に係る発明は、上記背景技術等との関連において次の有利な効果を奏する。
[発明の作用効果1] 課題解決手段1の貫通穴測定装置は、カメラが、貫通穴の貫通方向を光軸として前記内側穴を撮像した貫通穴画像を生成し、画像処理部が、この貫通穴画像を画像処理して前記内側穴の穴位置を算出し、変位計が、前記内側穴の外周領域を含む座面平面までの距離を測定し、そして、三次元測定部が、座面平面の前記平面位置に、前記穴位置を合成する。
従って、変位計は座面平面までの距離を測定すれば良く、画像処理による内側穴の穴位置と合成することで、貫通穴の内側穴の位置を測定することができる。
[発明の作用効果2] 課題解決手段2のワーク形状良否判定装置は、記憶部が、予めマスター貫通穴データを記憶し、良否判定部が、前記マスター貫通穴データとワーク貫通穴データとを比較することで、前記ワークの形状の良否を判定することができ、しかも、個々の貫通穴の穴位置がマスターワークでの正常な貫通穴とどの程度ずれているのかを定量的に把握することができる。
本発明の一実施形態の構成例を示すブロック図である。(実施例1) U字貫通穴の一例を示す斜視図である。(実施例1及び2) 実施例1の構成例を示す説明図である。(実施例1) 図4(A)から(D)は座面平面等の一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図5(A)から(C)は内側穴と平面位置の測定箇所との関係を示す説明図である。(実施例1及び2) 図6(A)から(E)は貫通穴画像による二次元測定と、変位計による一次元測定とを合成する一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図7(A)から(B)はカメラの座標系と変位計の座標系との関係の一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図8は測定軸と光軸との関係の一例を示す正面図である。(実施例1及び2) 図9(A)から(C)は貫通穴画像とノイズとの関係の一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図10(A)から(B)は貫通穴画像の一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図11は実施例1の処理工程の一例を示すフローチャートである。(実施例1) 図12(A)から(C)は実施例1と比較したステレオカメラによる測定の一例を示す説明図である。 図13はステレオカメラで内側穴を測定する一例を示す説明図である。 図14(A)から(B)は壁面近くの対象物を測定する一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図15は図14(B)に示す構成での貫通穴画像の一例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図16はU字貫通穴の2つの内側穴を同時に測定する構成例を示す説明図である。(実施例1及び2) 図17は実施例2の機能の構成例を示すブロック図である。(実施例2) 図18は実施例2の機構の構成例を示す斜視図である。(実施例2) 図19(A)から(D)はマスター貫通穴データとカメラ位置データとワーク貫通穴データ(近似円)との関係の一例を示す説明図である。(実施例2) 図20はワークの一例を示す説明図である。(実施例2) 図21は実施例2の操作の工程例を示すフローチャートである。(実施例2) 図22(A)から(C)はワーク配置関係データの一例を示す説明図である(実施例2)。 図23(A)から(D)はワーク配置関係データの他の例を示す説明図である。(実施例2) 図24はワークである自動二輪車のフレームの一例を示す側面図である。(実施例2) 図25はマスター配置関係データの一覧の一例を示す図表である。(実施例2) 図26は実施例2の処理工程の前段を示すフローチャートである。(実施例2) 図27は実施例2の処理工程の後段を示すフローチャートである。(実施例2) 図28は貫通穴画像と近似円との一例を示す説明図である。(実施例1及び2)
発明を実施するための形態として、2つの実施例を開示する。実施例1は貫通穴測定装置であり、実施例2はワーク形状良否判定装置である。実施例1から2までを含めて実施形態という。
<1 貫通穴測定装置>
<1.1 変位計と画像処理>
まず、本実施形態の実施例1を開示する。実施例1は、貫通穴18が本来の役割を果たすことができる状態となっているか否かを検査するために、貫通穴18の位置を測定する技術である。
実施例1の貫通穴測定装置は、その主要な要素として、変位計30と、カメラ32と、画像処理部34と、三次元測定部36とを備えている。
図1に示す貫通穴測定装置の測定対象は貫通穴18であり、貫通穴18は、板材10を貫通し当該板材10の表面12に内側穴14と外側穴16とを有する。そして、変位計30は、前記内側穴14の外周領域を含む座面平面22までの距離を測定することで、前記座面平面22の座面法線方向CXでの平面位置24を算出する。すなわち、変位計30は、内側穴14の位置ではなく、内側穴14の外周領域となる座面平面22の位置を測定する。変位計30としては、一次元又は二次元の通常のレーザ距離計等を使用することができる。内側穴14は、座面平面22上に円周を持つ。
カメラ32は、前記貫通穴18の貫通方向AXを光軸OXとして、前記内側穴14を撮像することで、貫通穴画像38を生成する。カメラ32の光軸OXを貫通穴18の貫通方向AXとすると、カメラ32の撮像面は座面平面22と平行となる。そして、この方向にて撮像すると、外側穴16より小さい円が撮像される。この小さい円が内側穴14である。この内側穴14が撮像された画像を貫通穴画像38という。
画像処理部34は、前記貫通穴画像38を画像処理して、前記内側穴14の穴位置26を算出する。例えば、二値化処理、判別分析又は空間微分処理等を用いて、内側穴14となる円形のエッジEGを抽出し、この抽出したエッジEGの近似円CLについて画像上の直径又は半径28の画素数と、予め測定した単位画素当たりの長さ(スケール)等とに基づいて、内側穴14の実際の穴位置26を算出する。内側穴14の穴位置26と共に、内側穴14の半径28を算出するようにしても良い。
そして、三次元測定部36は、前記座面平面22の前記平面位置24に、前記穴位置26を合成する。一次元の平面位置24と、二次元の穴位置26とを合成したデータを、三次元データ29という。半径28を算出する際には、半径28を含めて三次元データ29を生成する。このように、実施例1では、二次元の画像計測と、一次元又は二次元の変位計30を併用することで、貫通穴18の内側穴14を三次元計測することができる。
図2を参照すると、U字貫通穴60は、貫通穴18A,18Bを2つ有する。U字貫通穴60の場合、2つの貫通穴18A,18Bに挟まれる側を内側とする。従って、U字貫通穴60が部品の取り付けに使用される際には、座面20A,20Bと内側穴14A,14Bは取付部品側となる。部品取付方向PXにて、2つの貫通穴18A,18Bの内側に、取付部品のための空間があり、変位計30は、この取付部品用のスペースを利用することができる。また、取付部品を締結するため、締付ボルトなどを挿入するボルト挿入方向BXにて、2つの貫通穴18A,18Bの外側穴16A,16Bの外側に、当該締付ボルト等を挿入するための空間がある。カメラ32は、この締付ボルトなどの挿入用のスペースを利用することができる。
本実施形態で測定対象とするのは主に内側穴14であり、内側穴14の円周は座面平面22に含まれるため、図2に示すように、U字貫通穴での2つの座面平面22A,22Bは取付部品用の空間側に定義される。この2つの座面平面22A,22Bが平行な際には、座面平面22A,22Bの定義(座標系)を1つとしても良い。
図3に示す例では、前記変位計30として、レーザ方式の変位計30を採用している。この変位計30は、レーザ照射部40と、レーザ受光部42と、距離算出部44とを備えている。そして、レーザ照射部40は、レーザ光源50と、ミラー52とを備えている。
レーザ光源50は、前記板材10の表面12(座面20A)と平行な方向に前記レーザ光LBを発光する。ミラー52は、レーザ光LBを前記板材10の前記表面12の座面法線方向CXに反射して前記座面平面22Aに導くことで、測定軸LXを座面平面22Aの法線方向とする。図3に示す例では、部品取付方向PXに向けてレーザ光LBを照射し、ミラー52で座面平面22Aの法線方向に反射させている。
レーザ受光部42は、前記座面平面22にて反射する反射光RBを受光し、距離算出部44は、前記反射光RBに基づいて前記座面平面22までの距離を算出し、平面位置24とする。この距離は、基準位置からの変位量として算出することができる。図中、レーザ光LBと反射光RBとを同一線上に描いているが、変位計30が三角測量の原理により変位量を算出する際には、レーザ光LBと反射光RBとは予め定められた角度を成す。
また、好ましい例では、変位計30と、ミラー52とを一体とすると良い。図3に示す例では、変位計30は、レーザ光源50及びレーザ受光部42と、ミラー52とを支持する支持体58を備えている。そして、変位計30は、変位計誘導部46によって測定する位置まで誘導される。変位計誘導部46は、例えば、エアスライダーである。
カメラ32は、貫通穴18Aを撮像することで、外側穴16A及び内側穴14Aを撮像し、貫通穴画像38を生成する。画像処理部34は、貫通穴画像38を処理することで座面平面22内での穴位置26を算出する。画像処理部34は、内側穴14Aの半径28を追加的に算出するようにしても良い。三次元測定部36は、平面位置24と穴位置26とを合成することで、内側穴14Aの三次元での位置を算出する。三次元測定部36は、内側穴14Aの半径28が算出される例では、平面位置24と、穴位置26と、半径28とを合成する。
また、図3に示す例では、後述する透過光照射部54と透過光駆動部56とを備えている。
図4を参照すると、変位計30を使用した座面20の位置を測定する代表的な例として、3点計測と、法線を既知とする1点計測とがある。図4(A)に示す例では、座面20の座面平面22に対する座面法線方向CXを既知とし、測定軸LXと同軸としている。座面法線方向CXを既知とする仮定は、内側穴14が座面平面22にて正円で、変位計30の測定軸LXと座面法線方向CXとが平行であるという仮定である。
この例では、測定箇所P1の箇所を測定し、測定箇所までの距離を座面平面22の平面位置24とする。
図4(B)に示す例では、3つの測定箇所PT1,PT2及びPT3を測定し、図4(C)又は図4(D)に示す測定結果を得る。図4(C)に示す例では上記仮定の条件を満たし、測定軸LXに対して座面20の傾きが無く、一方、図4(D)に示す例では傾きが有る。測定対象の製造工程の環境など測定条件によっては、法線を既知とすることで、1点計測により平面を算出することができる。また、数学的には3点を計測すると平面を求めることができるため、座面粗さが整っていない場合には、3点以上の計測をしても良い。
部品の溶接等による製造工程では、貫通穴18の座面平面22の粗さや傾きは小さく、一方、予め定められた位置からの乖離が生じることがあり、この座面平面22の位置の乖離が製造部品等の不良となりやすいため、法線を既知とした1点計測の適用範囲は広い。
図5を参照すると、変位計30にて、図5(A)に示す穴の穴位置26を測定するには、図5(B)に示すように、少なくとも3点の円周上の測定箇所P1,P2及びP3の測定が必要であり、図5(C)に示すような走査が必要となる。そして、変位計30の測定精度を高めるには、変位計30の構成要素の走査後の振動の影響を排除する必要がある。このため、3点を走査する毎に、振動が低減するまでの待機時間が必要となり、測定時間が長時間となってしまう。
このため、本実施例では、変位計30により内側穴14の穴位置26を測定するのではなく、カメラ32と画像処理部34により内側穴14の穴位置26を測定する。これにより、測定精度を維持しつつ測定時間を短時間とすることができる。
図6を参照すると、カメラ32は、図6(A)に示す貫通穴画像38を生成する。貫通穴画像38には、板材10と、外側穴16と、内側穴14とが撮像される。画像処理部34は、図6(A)に示す貫通穴画像38を二値化処理して、図6(B)に示すエッジEGを抽出する。画像処理部34は、さらに、このエッジEGを円で近似し、例えば、円又は楕円でエッジEGをフィッティングして、二値化したイメージデータから近似円CLを算出する。そして、この近似円CLから円の中心位置等の穴位置26と半径28とを算出し、これを三次元の座標系に変換する。これにより、内側穴14の穴位置26として、例えば内側穴14の中心位置を算出することができる。また、フィッティングした近似円CLの大きさと、単位画素当たりの実空間での長さとに基づいて、内側穴14の半径28を算出することもできる。
変位計30は、レーザ測定により、座面平面22の平面位置24を測定する。そして、三次元測定部36は、図6(E)に示すように、変位計30が測定した平面位置24に、画像処理部34が算出した穴位置26を合成する。これにより、内側穴14の三次元データ29を算出し、内側穴14の位置ずれ情報を得ることができる。また、半径28を算出する例では、内側穴14の位置ずれ情報と共に、内側穴14の大きさ情報を得ることができる。
なお、変位計30が3点計測し、座面平面22の基準平面に対する傾きを算出できる際には、この傾き情報から、フィッティングさせる近似円CLの円を歪曲させると良い。また、座面平面22の平面位置24が予め定められた基準平面から予め定められた距離(変位量)以上離れている際には、画像処理部34が算出した半径28について、当該変位量に応じてこの半径28の値を拡大縮小する補正をすると良い。
図7(A)を参照すると、カメラ32は、内側穴14を含む座面平面22を三次元座標系のx軸及びy軸として撮像すると良い。貫通穴画像38からカメラ32の光軸OX方向の長さを求めることはできない。内側穴14の位置が基準位置よりもカメラ32側であれば、図7(A)に示す座面平面22Dの位置となり、貫通穴画像38上の内側穴14の大きさ(半径28)は小さくなる。
図7(B)を参照すると、変位計30は、測定軸LXを三次元座標系のz軸として座面平面22の平面位置24を測定すると良い。変位計30は、座面平面22の基準位置からの変位量を測定して基準位置に加算すると、図7(B)に示すz軸の値とすることができる。
実施例1では、好ましくは、前記変位計30及び前記カメラ32を、前記反射光RBによる測定軸LXと前記カメラ32の光軸OXとを平行とする位置に配置すると良い。
図2、図3及び図8に示すように、まず、カメラ32の光軸OXを法線とする平面を座面平面22とし、この座面平面22をx軸とy軸とで定義する。そして、変位計30の測定軸LXを、座面平面22の法線方向となるz軸と平行となるように配置する。図3及び図8に示す例では、変位計30を部品取付方向PXと平行に配置し、レーザ光LBをカメラ32の光軸OXと平行となる方向に反射させるミラー52を配置する。これにより、カメラ32によるx軸及びy軸からなる平面と、変位計30によるz軸の平面とを合成可能に定義する。
・1.1 変位計と画像処理の効果
上述のように、カメラ32が、貫通穴18の貫通方向AXを光軸OXとして前記内側穴14を撮像した貫通穴画像38を生成し、画像処理部34が、この貫通穴画像38を画像処理して前記内側穴14の穴位置26を算出し、変位計30が、前記内側穴14の外周領域を含む座面平面22までの距離を測定し、そして、三次元測定部36が、座面平面22の前記平面位置24に、前記穴位置26を合成するため、変位計30は座面平面22までの距離を測定すれば良く、画像処理による内側穴14の穴位置26と合成することで、貫通穴18の内側穴14の位置を測定することができる。
変位計単体で三次元計測することと比較して、大幅に短時間で内側穴14の位置を測定することができる。そして、内側穴14の位置を短時間で測定できると、製造工程にて貫通穴18の不良を的確に判定することができ、さらに、外側穴16ではなく、内側穴14を測定することで、貫通穴18の良否の判定に有用な情報を提供することができる。
また、前記変位計30及び前記カメラ32を、前記反射光RBによる測定軸LXと前記カメラ32の光軸OXとを平行とする位置に配置しすると、カメラ32によるx軸及びy軸の平面と、変位計30によるz軸とを特別な計算をすることなく三次元に合成することができる。
<1.2 透過照明とミラー>
画像処理部34は、貫通穴画像38を対象として内側穴14となる円を画像処理により抽出する。実施例1では、好ましくは、この円の抽出処理を安定させるために、透過照明を用いる。透過照明を用いると、通常照明による画像計測よりエッジEGの抽出が容易となり、画像処理計算時間を高速とし、かつ、計測精度を高めることができる。
再度図3を参照すると、実施例1の貫通穴測定装置は、好ましくは、前記カメラ32が撮像する際に前記ミラー52に向けて透過光LDを照射する透過光照射部54を備えると良い。透過光照射部54は、変位計30に併設され、例えば、LED照明である。また、図3に示す例では、この透過光照射部54を駆動する透過光駆動部56を備えている。透過光駆動部56は、変位計30による測定時には透過光照射部54を図3中右側に駆動することでレーザ光LBを通し、一方、カメラ32が撮像する際には、透過光照射部54を図中左側へ駆動する。これにより、透過光LDをミラー52及び内側穴14に向けて照射する。透過光駆動部56は、例えば、エアシリンダで構成することができる。
このように、変位計30とミラー52との間に、透過光照射部54(例えば、LED照明)を挿入すると良い。そして、カメラ32による画像取得および画像処理部34による画像処理を行い、画像計測とレーザ測距とを統合する。
図9(A)に示すように、透過光LDを使用せずに、カメラ32側から照明をすると、板材10の外側穴16側の座面20と、外側穴16とが撮像される。この図9(A)に示す貫通穴画像38を用いると、外側穴16に対応する円を一定の安定性で抽出することができる。しかし、板材10が金属である場合には、反射が生じ、図9(B)に示すように、光源光の反射により高輝度となる輝点BRや、外乱光SDの影響で、抽出するエッジEGが小さくなることがある。この例では、外側穴16よりも近似円CLが小さくなってしまう。また、図9(C)に示すように、外側穴16側の座面20に汚れSPがあると、抽出するエッジEGが大きくなり、近似円CLが大きくなってしまう。
また、二輪車のフレーム98のような金属部品の製造工程では、照明条件を一様にすることが難しい。そして、金属素材が光りやすく露光調整が困難であり、外乱光SDや作業者の影などを回避するために、ワーク76全体や、さらには装置全体を覆う必要がある。覆うための設備で装置が大型化し、覆うための時間で計測時間が増大してしまう。このように、通常照明では、明暗差が少なく、外乱光SDや作業者の影による誤検出が起きやすい。
図10(A)に示すように、変位計30側にも照明されている状態では、カメラ32は、ミラー52を介して、変位計30を撮像する。そして、外側穴16と共に、内側穴14の全周が撮像される。さらに、図3に示す透過光照射部54を使用すると、図10(B)に示すように、内側穴14の内部が透過照明による明るい輝度値となり、その他の部分が暗となる。実際、外側穴16の内側(貫通穴18の内部)と座面20との輝度差よりも、内側穴14の外周から貫通穴18の内部の輝度値と、内側穴14の内部の輝度値との差が大きくなる。このように、透過光LDを用いることで、外側穴16ではなく、内側穴14の特徴を撮像することができる。そして、透過光照射部54を使用した貫通穴画像38は、装置全体を覆う必要もなく、外乱光SDの影響も受けず、作業者の影による影響も受けず、安定して、内側穴14の外周にて明確な輝度差を得ることができる。
また、透過光照射部54の位置の切替に際して、透過光照射部54(例えば、LED照明)は完全には静止しておらず移動による振動が継続中であっても、貫通穴画像38を良好に撮像することができ、計測精度を維持することができる。従って、変位計30による測定と、カメラ32による測定の切替を高速に行うことができる。
このように、カメラ32と画像処理部34とによる画像計測では、カメラ32とワーク76(測定対象物)とが静止していれば、透過光照射部54が振動していても、計測精度を保つことができる。すなわち、透過光LDによる照明やミラー52が動いても、貫通穴画像38は変わらず、計測精度に影響しない。このため、防振対策不要で、LED照明の挿入機構は安価のエアスライダー等の機構でよく、防振待機不要であり、計測時間が延びない、という効果がある。
また、透過光照射部54の駆動ではなく、ハーフミラーを使用することも考えられる。ハーフミラーは、2つの機器を組み合わせる上で有効な手段であるが、変位計30で使用する場合、ハーフミラーにより光量が減衰することに加え、ハーフミラーで分光されたレーザ光LBが計測対象外の物質に当たることで、誤検出や計測精度低下が起こす不具合がある。
図11を参照すると、図3に示す変位計誘導部46は、部品取付方向PXにて変位計30を誘導し、ミラー52が内側穴14の高さとなる位置に位置決めする(ステップS01)。このステップS01に前後して、カメラ32を配置する(ステップS02)。このステップS01及びS02では、変位計30及びカメラ32の配置後、防振のために一定時間の待機が必要である。次に、変位計30は、内側穴14側の座面平面22の基準位置からの変位量を測定することで、当該座面平面22の平面位置24を測定する(ステップS03)。
そして、透過光駆動部56は、透過光照射部54を変位計30のレーザ照射部40とミラー52との間に挿入し、照明させる(ステップS04)。このステップS04では、透過光照射部54が完全に静止する前にカメラ32で撮像することができる。そして、透過光照射部54を挿入するだけであるため、変位計30による測定とカメラ32による撮像との切替を高速に行うことができる。続いて、カメラ32の撮像により貫通穴画像38を生成し(ステップS05)、画像処理部34による画像処理により内側穴14となるエッジEGを抽出し、近似円CLのフィッティングにより内側穴14の穴位置26と、必要な際には半径28を算出する(ステップS06)。そして、三次元測定部36は、変位計30による平面位置24と穴位置26とを合成する(ステップS07)。
ここで、本実施例1の手法を他の手法と比較する。
レーザによる変位計30のみを使用して貫通穴18の三次元位置を測定しようとすると、1穴に対して、貫通穴18の外周部(円周)をスキャンする時間が長くなり、多数穴に対しては、計測時間を短縮することが難しい。また、カメラ32に比べて、変位計30は高額であり、高速化のために複数の変位計30を用いることは、装置全体を高額なものにしてしまう。
一方、 三次元計測を行う手法の1つとして、2台のCCDカメラの視差から計測を行う、ステレオカメラがある。
図12を参照すると、ステレオカメラでは、視差を得るために、ある程度のカメラ間距離CMが必要となる。カメラ間距離CMが大きいほど高精度となるが、視差が大きいと、外側穴16のみが撮像され、内側穴14を撮像することができない。すなわち「穴径>カメラ間距離CM」の制約があり、カメラ32を配置できなくなってしまう。そして、測定対象とする全ての穴に対して、ステレオカメラ(角度をつけた2つのカメラ)の視線を維持することが難しい。
図12(A)に示す例では、カメラ32A1とカメラ32A2との間のカメラ間距離CM1は長く、精度の高い測定が可能となるが、内側穴14の一部しか撮像されず、内側穴14までの距離を測定することが難しい。図12(B)に示す例では、カメラ32B1とカメラ32B2との間のカメラ間距離CM2は中程度で、中程度の精度での測定が可能となるが、やはり、内側穴14の一部しか撮像されず、内側穴14までの距離を測定することが難しい。図12(C)に示す例では、カメラ32C1とカメラ32C2との間のカメラ間距離CM3は短く、そして、内側穴14の全体が撮像されている。しかし、カメラ間距離CM3が短く、距離の測定精度が低精度となってしまう。
そして、配置のために必要な空間は、「U字貫通穴60で必ず可能な装置配置スペース」よりも広いため、穴数が増えるほど、ステレオカメラが配置できる条件は厳しくなる。また、自由にカメラを配置するために、多関節ロボットを使用しようとすると、多関節の積み上げによる繰り返し位置決め精度の低下が、計測装置の計測精度を低下させてしまう。
図13に示すように、内側穴14までの距離を測定するために、U字貫通穴60の片方の貫通穴18Bを避けて、もう片方の貫通穴18Aの内側穴14Aを撮像する場合には、穴の両側にカメラ32A1,32A2を配置するためのスペースが必要となってしまう。また、ミラー52を使用してU字貫通穴60の片方を避ける場合にも、U字貫通穴60の内側と同じ空間にスペースが必要となってしまう。
一方、図14(A)を参照すると、本実施例1の手法では、壁面48に近くの内側穴14を良好に計測することができる。また、図14(B)に示すように、U字貫通穴60は穴径が同じことが多く、片側の貫通穴18Aを通して、奥の貫通穴18Bを撮像することもできる。この例では、壁面48などの障害物に近い外側穴16Bを、障害物側から測定したい場合にも有用である。図14(B)に示す構成で撮像すると、図15に示す貫通穴画像38が撮像される。図15に示すように、円の内側から、奥の貫通穴18Bの外側穴16B、内側穴14B、手前の貫通穴18Aの内側穴14A、外側穴16Aの順序で撮像され、全ての貫通穴の位置と大きさとを測定することができる。
・1.2 透過照明とミラーの効果
上述のように、変位計30とミラー52との間に透過光照射部54を挿入する例では、レーザ計測と画像計測の切替を速くすることができる。すなわち、透過光照射部54(LED)の防振対策不要で、挿入機構を安価な構成とすることができ、また、防振待機が不要であり、計測時間を延ばすことがない。
<1.3 U字貫通穴同時測定>
次に、U字貫通穴を同時に測定する手法を説明する。再度図2を参照すると、U字貫通穴は、U字内側に部品を受ける構造であり、部品取付方向PXでの取付部品スペースと、ボルト挿入方向BXでの締付ボルト等の挿入スペースは確保されるが、その他は必ずしも空きスペースとは限らず、製造工程での壁面48や別のライン等となっている可能性もある。
そして、取付部品には、サスペンションのような棒状の部品もあり、棒状部品のみの空間しか許容されないと、図13に示すようなU字貫通穴の片方を避ける手法を採用しようとしても、カメラ32を配置することができない。
実施例1でU字貫通穴を同時測定する貫通穴測定装置は、主要な構成として、図16に示すように、2つの変位計31A,31Bと、2つのカメラ33A,33Bと、2つの貫通穴画像38を画像処理して内側穴14A,14Bの穴位置26を算出する画像処理部34と、2つの平面位置24と2つの穴位置26とを三次元座標系にて合成する三次元測定部36とを備えている。
図16に示す例では、U字貫通穴60は、2つの板材10のそれぞれの貫通穴18からなる。そして、変位計31A,31Bは、各板材10の内側に設けられた内側穴14の外周領域を含む座面平面22までの距離をそれぞれ測定することで、前記2つの座面平面22の座面法線方向CXでの平面位置24をそれぞれ算出する。それぞれの変位計31A,31Bは、予め定められた基準位置からの各座面平面22の変位量を算出し、2つの平面位置24を同一の三次元座標の座標値として算出することができる。
その他、変位計31A,31Bは、図3に示す変位計30と同様の構成とすることができる。
2つのカメラ32は、それぞれの貫通穴18の貫通方向AXを光軸OXとして前記外側穴16及び外側穴16の内側を撮像することで、2つの貫通穴画像38を生成する。画像処理部34は、これら2つの貫通穴画像38を画像処理して前記内側穴14の穴位置26を算出する。穴位置26は、例えば、内側穴14の中心位置とし、さらに、半径28を算出すると良い。また、中心位置に代えて、円周上の予め定められた点の位置等としても良い。
そして、三次元測定部36は、前記それぞれの座面平面22の前記平面位置24に、前記穴位置26を合成する。また、三次元測定部36は、予め定められたマスター座標系にて、2つの貫通穴18A,18Bの三次元データ29を合成する合成処理66を備えるようにしても良い。
図16に示す例では、図3に示す構成を2つ組み合わせることで、U字貫通穴の両側を同時に測定する。貫通穴18は、2つセットで施されることが多いため、U字貫通穴の両側の同時測定は製造現場にて有用である。そして、板材10が厚材である場合、表と裏(U字の内と外)で、穴中心位置は異なっており、部品を受ける内側穴14を測定したいニーズがあるものの、空間的制約から、外側穴16の穴位置26の計測で代用する場合が多い。この点、図16に示す例では、U字貫通穴のそれぞれの内側穴14の位置を測定することができる。
図16に示す例では、ミラー部64は、2つのミラー52を有する。この2つのミラー52は、ミラー部64に一体的に装備され、変位計誘導部46の誘導に応じて図中同時に上下動する。
また、図16に示す例では、透過光照射部54を2つ設置しているが、U字貫通穴60の両側を同時に測定する際には、透過光照射部54の光源を1つとしても良い。
・1.3 U字貫通穴同時測定の効果
上述のように、U字貫通穴60を同時測定する例では、U字貫通穴60の内側穴14の位置を一定の精度で高速に測定することができる。そして、部品を受けるU字内側の内側穴14を測定できることから、U字貫通穴の製造工程における良否の判定に特に有用な測定を行うことができる。
<2 ワーク形状良否判定装置>
<2.1 マスターデータと比較>
次に、実施例2を開示する。
実施例2のワーク形状良否判定装置は、予めマスターワーク70の貫通穴18の位置や貫通穴18間の関係等を測定し、記憶しておき、測定対象となるワーク76の貫通穴18を実施例1に開示した手法で測定すると共に、マスターワーク70の貫通穴18の位置等と比較することで、ワーク76の良否を判定する。
この実施例2のワーク形状良否判定装置は、その主要構成として、記憶部74と、カメラ32と、ロボット80と、画像処理部34と、三次元測定部36と、良否判定部82とを備えている。
図17を参照すると、貫通穴18a,18b,18c,18dは、マスターワーク70の板材10を貫通している。そして、実施例1と同様に、貫通穴18は、当該板材10の表面12に内側穴14と外側穴16とを有する。
記憶部74は、貫通穴18について、当該マスターワーク70の複数の内側穴14の位置をマスター貫通穴データ72として予め記憶している。内側穴14の位置は、実施例1の構成や高精度の三次元測定器68で測定可能な内側穴14の位置情報であり、例えば、実施例1での内側穴14の穴位置26と平面位置24とである。
変位計30は、実施例1と同様に、測定対象のワーク76の複数の内側穴14の外周領域を含む座面平面22までの距離を測定することで、前記座面平面22の座面法線方向CXでの平面位置24を算出する。カメラ32は、実施例1と同様に、前記貫通穴18の貫通方向AXを光軸OXとして前記内側穴14を撮像することで、貫通穴画像38を生成する。
ロボット80は、前記ワーク76、変位計30及びカメラ32のいずれか又は全部を駆動することで、前記変位計30を前記座面平面22に向けて位置決めすると共に、前記カメラ32を前記外側穴16に向けて位置決めする。また、ワーク76の駆動を予め製造工程に装備された機構で位置決めし、変位計30とカメラ32とをエアスライダー等のロボット80で測定位置まで駆動するようにしても良い。実施例2のロボット80は、実施例1の変位計誘導部46や、透過光駆動部56を備えると良い。
画像処理部34は、前記貫通穴画像38を画像処理して前記内側穴14の穴位置26を算出し、三次元測定部36は、前記座面平面22の前記平面位置24に、前記穴位置26を合成することで前記マスター貫通穴データ72に対応するワーク貫通穴データ78を生成する。画像処理部34は、穴位置26を算出すると共に、内側穴14の半径28を算出するようにしても良い。この場合、三次元測定部36は、平面位置24に、穴位置26及び半径28を合成する。
さらに、実施例2では特に、良否判定部82が、前記マスター貫通穴データ72と前記ワーク貫通穴データ78とを比較することで、前記ワーク76の形状の良否を判定する。これにより、ワーク76の貫通穴18が予め定められ役割を果たす位置となっているかを判定することができる。形状の良否は、不良品の発見を目的とする検査では、合格または不合格の合否となる。良否の判定種類としては、良好(合格)と不良(不合格)のみならず、人手による検査を促すチェック等を含めるようにしても良い。
図18を参照すると、実施例2のワーク形状良否判定装置は、U字貫通穴を有するワークを検査することができる。この例では、図16に示す例と同様に、一対の変位計31A,31Bと、一対のカメラ33A,33Bと、一対のミラー52A,52Bを有するミラー部64とを備えている。
ワーク76は、図中上下方向に貫通穴18A,18Bを有する。それぞれの貫通穴18A,18Bは、ミラー52A,52B側に内側穴14A,14Bを有する。カメラ33A,33Bは、貫通穴18A,18Bの上下に配置され、外側穴16A,16B側から内側穴14A,14Bを撮像する。変位計31A,31Bは、座面平面22と平行でカメラ33A,33Bの光軸OXと直交する方向にてレーザ光LBを照射する。ミラー52A,52Bは、レーザ光LBを反射して座面平面22に導く。
ロボット80は、一対のカメラ用アーム80A,80Bと、ミラー用アーム80Cと、ロボット本体80Dとを備えている。ロボット本体80Dは、変位計31A,31Bを駆動すると共に、U字貫通穴60の対応位置に他のアーム80A,80B,80Cを駆動する。カメラ用アーム80A,Bは、カメラを貫通穴18A,18Bの位置に案内する。ミラー用アーム80Cは、ミラー部64を駆動して、ミラー52A,52Bを貫通穴18A,18Bの外周近傍の位置に位置づける。
また、透過照明を使用する際には、透過光照射部54A,54Bを使用すると良い。
図18に示す例では、測定に必要な機器の配置に必要なスペースは、U字貫通穴60で必ず可能な装置配置スペースと同等であるため、製造工程の改修等をせずに全ての穴の測定が容易である。そして、本実施例2で測定に必要な時間は、カメラ33A,33Bの画像と、変位計31A,31Bでの1点(もしくは数点)の入力であり、レーザ単体と比較して高速である。そして、変位計31A,31Bでの測定を1点とすると、ステレオカメラによる例と比較しても、ほぼ同等の入力時間を実現することができる。さらに、本実施例2では、カメラ33A,33Bと、変位計31A,31Bとの切替時間が追加されるが、実施例1及び2の手法では、切替時間をなくすか、または、透過光照射部54の駆動に要する時間のみとすることができ、透過光照射部54の防振を待機する必要がない。
図19に示す例では、マスター貫通穴データ72は、図19(A)に示すマスターワーク70の内側穴14の位置と、図19(B)に示すこの内側穴14の位置に応じて設定するカメラ位置データ92とを有する。図19(C)に示すカメラ位置データ92は、マスターワーク70の貫通穴18毎に、ロボット80による位置決めのデータに基づいて定義され、記憶部74に格納される。
そして、ロボット80は、ワーク76の検査に際して、カメラ33A,33Bを図19(C)に示すカメラ位置に駆動する。カメラ33A,33Bは、ワーク76の内側穴14を撮像し、画像処理部34は、図19(D)に示すように、図19(C)に示すカメラ位置データ92での座標系にて、近似円CLの位置(穴位置26)を算出する。
このカメラ位置データ92を用いることで、ワーク76の個々の貫通穴18の位置を予め定められた座標系で測定することができる。
図20に4つの貫通穴18を一体として利用して部材を装着するワーク76の一例を示す。図20に示すワークでは、貫通穴18bと、貫通穴18cとが予め定められた設計上の位置からずれている。しかし、この図20に示すワーク76を従来の手法で検査をすると、どの貫通穴18が不良であるのかを特定することが難しい。すなわち、従来のピン等の検具を用いた検査では、例えば、貫通穴18a,18b及び18cを通り、一方、18dを通らないことがある。すると、貫通穴18dの位置が不良(NG)であるかのようになってしまう。しかし、実際には、貫通穴18bと18cの位置が不良であるために、貫通穴18dの位置は良好であるにもかかわらず、検具は貫通穴18dを通らないという現象が生ずる。
この点、実施例2による手法では、それぞれの貫通穴18の個別の位置をマスター貫通穴データ72として記憶し、画像処理部34及び三次元測定部36が、個々の貫通穴18a,18b,18c及び18dの位置を測定して、良否判定部82が、測定した穴位置26(ワーク貫通穴データ78)と、マスター貫通穴データ72とを比較する。このため、個々の貫通穴18の良否を判定することができ、これにより、ワーク76の不具合を解消するための対策を容易に把握することが可能となる。
図21に示すように、実施例2では、まず、ワーク76を所定位置にセットする(ステップS01)。そして、起動ボタンの押下を待機する(ステップS02)。起動ボタンが押下げられると、ワーク76を締め金等で固定(クランプ)する(ステップS03)。クランプ後、さらに起動ボタンが押下げられると(ステップS04)、変位計31A,31B及びカメラ33A,33Bによる自動計測を行う(ステップS05)。自動計測が完了すると、ワーク76を固定から解放し(ステップS06)、結果を確認する(ステップS07)。
従来、ワーク76の各部材毎の検具をセットし、貫通穴18へのピン通しによる検査をする工程と比較すると、本実施例による図19に示す工程は、短時間で測定を完了することができ、さらに、部材毎の検具を用意する必要がなく汎用性が高い。
・2.1 マスターデータと比較の効果
上述のように、記憶部74が、予めマスター貫通穴データ72を記憶し、良否判定部82が、前記マスター貫通穴データ72とワーク貫通穴データ78とを比較することで、前記ワーク76の形状の良否を判定することができ、しかも、個々の貫通穴18の穴位置26がマスターワーク70での正常な貫通穴18とどの程度ずれているのかを定量的に把握することができる。従って、ピン等の検具を用いたワークの検査では判定不能であった不良となる貫通穴18の特定を容易に行うことができる。
また、実施例1と同様に、U字貫通穴での部品取付スペース等を有効活用した測定が可能であり、さらに、変位計30とカメラ32との併用により高速で高精度な測定を安定して行うことができる。
そして、従来の精密な三次元測定器68(0.01 [mm] 精度)で、ワーク76を計測しようとしても、生産速度に追いつかない。また、従来のピン通し検査では、数値計測でないため、不良箇所や不良の度合いが分からない。(作業者の経験で判断するしかない)
・一方、実施例2の手法では、変位計30・カメラ32・ロボット80の繰返位置など個々の精度は0.01 [mm] であっても、複合することで誤差が伝搬し、0.1 [mm] 程度まで精密さが低下する可能性がある。しかしながら、0.1 [mm] のオーダーの精度であっても、生産速度に対応できれば、全数の数値計測が可能となり、生産現場で役立つ装置となる。実際に検査対象20穴を90秒程度で計測可能である。
<2.2 複数種類の判定>
再度図17を参照すると、実施例2では、好ましくは、記憶部74が、マスターワーク70の複数の貫通穴18のマスター配置関係データ86を記憶し、良否判定部82が、ワーク貫通穴データ72から当該ワーク76の貫通穴18の配置関係を算出してマスター配置関係データ86と比較する配置関係処理88を備えている。
配置関係処理88が算出するワーク76の貫通穴18の配置関係を、ここでは、ワーク配置関係データ90という。配置関係処理88は、ワーク配置関係データ90と、予め記憶部74に格納されたマスター配置関係データ86とを比較することで、一体として機能する複数の貫通穴18の関係性について、良否を判定することができる。
貫通穴18の配置関係は、複数の貫通穴18間の距離(ピッチ)や角度である。
図22及び図23に、マスター配置関係データ86及びワーク配置関係データ90の一例を示す。図22(A)は、4組のU字貫通穴60A,60B,60C,60Dで部品を懸架するよう設計されており、U字貫通穴60の貫通穴18間の距離をマスター配置関係データ86a,86b,86c,86dとして定義している。しかし、図22(B)に示すように、各U字貫通穴60の貫通穴18間の距離が正常であっても、ずれ量87aやずれ量87b分、相対的にずれていると、4組のU字貫通穴60A,60B,60C,60Dは一体として機能せず、ワーク76の全体としては不良となる。
このため、良否判定部82は、図22(A)に示すマスター配置関係データ86と、図22(B)に示すワーク配置関係データ90とを比較することで、ずれ量87a,87bを算出し、このずれ量87a,87bに基づいてワーク76の良否を判定する。
図22(C)に示すU字貫通穴60の貫通穴18a,18b,18c,18dは、図22(A)に平面で示すU字貫通穴の側面の一例である。良否判定部82は、ワーク76の4つの貫通穴18が、マスター配置関係データ86eの位置関係を示しているか否かを算出し、ずれ量に応じて良否を判定する。この算出に際しては、各貫通穴18間の距離(ピッチ)としても良いが、計算する項目数が多くなる。例えば、4穴では6ピッチの算出が必要となる。
また、貫通穴18の穴位置26のずれ量について、一律に、半径28との比率で許容されるずれ量を定義せず、個別に良否の判定用の許容量を定めることが望ましい。これは、ひと組の貫通穴18の両端など、他の穴と離れるほどに、許容されるずれ量が大きくなるためである。
例えば、図23(A)に示すように、マスター配置関係データ86f,86gは、貫通穴18hでは微少なずれ量であるが、貫通穴18eでは比較的大きなずれ量が許容される。また、貫通穴18fでは、図中下側へのずれ量は比較的許容されるが、上側へのずれ量の許容範囲は小さい。このように、マスター配置関係データ86は、一定の範囲を有し、そして、設計上の目的に応じて各貫通穴18にて異なる許容範囲を有すると良い。
図23(B)に示す例では、ワーク配置関係データ86として、貫通穴18aと貫通穴18b間のピッチ86hと、貫通穴18aと貫通穴18c間のピッチ86iと、各ピッチ86hと86iとが成す角86jとを有する。図23(C)に示す例では、ワーク配置関係データ86として、各86jに変えて、間津穴18bと貫通穴18c間のピッチ86kを有する。
図23(D)に示す例では、ワーク配置関係データ86として、4つの貫通穴18a,18b,18c,18d間の各ピッチ86l,86m,86n,86oを有する。
図24に、自動二輪車のフレーム98の一例を示す。自動二輪車のフレームは、自動二輪車の走行中、縦曲げ、横曲げ及び捻りが組み合わさった変形を受ける。この変形量が大きすぎると、直進、コーナリング、加減速でエンジンやブレーキの力が分散してしまう。また、近年のエンジン性能とブレーキ性能の向上との関係で、フレーム98は高剛性化が求められており、パイプから板材へと変化している。また、軽量化を図るため、アルミニウム合金も用いられており、フレーム98の溶接による製造にはより高度な技術が必要となっている。さらに、軽量化と高剛性とを両立させるために、エンジンを剛性部品とするため、フレーム98にエンジンを懸架するリジッド・マウントも行われている。
図24に示す例では、フレーム98は、エンジン懸架用貫通穴100A,100B,100C,100D,100Eと、リヤサス用U字貫通穴102A,102Bと、シートレール用貫通穴104A,104Bと、タンク用貫通穴106A,106Bと、ピボット108とを備えている。リヤサス用U字貫通穴102A,102BがU字貫通穴60で、他の穴は通常の貫通穴18である。通常、フレーム98はいくつかの部分に分けて製造され、溶接によって一体のフレーム98に接合される。この溶接の具合によって、寸法が設計値と異なることがある。本実施例では、このフレーム98の溶接による貫通穴の位置の良否を判定することができる。
図25にマスター貫通穴データ72とマスター配置関係データ86との一覧表の抄録例を示す。フレーム98の貫通穴18について、エンジン懸架用貫通穴100A,100B,100C,100Dの穴位置26等に基づいたエンジン幅1から5や、予め定められたエンジン懸架用の貫通穴18間のピッチ(エンジン最内4,5)を項目として、NGとする範囲、チェックとする範囲、OKとする範囲を定めている。この項目は、全ての貫通穴及び必要な配置関係について予め定義する。
実施例2の良否判定部82は、この図25に示す一覧表をマスター貫通穴データ72及びマスター配置関係データ86として、各貫通穴18の良否と、貫通穴18間の関係についての良否とを判定することができる。
図26及び図27は、実施例2による処理例を示すフローチャートである。
まず、マスターワーク70は、ワーク形状良否判定装置での基準座標を作成するためのものであり、各貫通穴18の位置を他の精密な三次元計測機68で測定済みである。この高精度の三次元測定器68で全ての貫通穴の位置を計測するためには、1時間以上必要である。そして、ワーク76は、生産対象物であり、例えば、その生産速度は、1〜3分に1台である。そして、ワーク76の品質確認のため、形状の合否判定を全数行う。この合否判定は、従来は、ピン通し検査にて行っていたところ、実施例2では、カメラ32と変位計30との利用により検査する。
記憶部74に予め記憶させておくデータは次の通りである。
・マスターワーク70の穴位置26(全穴): Xm0, Ym0, Zm0, Xm1, Ym1, Zm1, ・・・, Xmn, Ymn, Zmn
・カメラ32のスケール(mm/dot): Sc
・変位計30(レーザ)のスケール(mm): Sl
・マスターワーク70の座標軸と、カメラ画像座標の回転角度: Rc
・マスターワーク70の座標軸と、レーザ測定座標の回転角度: Rl
・図25等に示すワーク配置関係データ
図26を参照すると、まず、マスターワーク70の登録か、生産するワークの測定か、または、終了のいずれかを選択する(ステップS21)。マスターワーク70の登録の場合、このマスターワーク70をセットし(ステップS21)、起動ボタンが押下げられたら(ステップS23)、マスターワーク70をクランプする(ステップS24)。
そして、ロボット80を駆動して、計測対象全ての各穴へ、カメラ32及び変位計30を移動する(ステップS25)。続いて、変位計30が、内側穴14の座面平面22の平面位置24を測定する(ステップS26)。この変位計30による平面位置24をスケールSlで調整し、Lmz0, Lmz1, ・・・, Lmznとする。そして、必要に応じて透過光照射部54を駆動すると共に透過光LDを照射し、カメラ32にて内側穴14を撮像して、画像処理部34により内側穴14に対応する近似円CLを抽出し、スケールScを用いて穴位置26、例えば穴中心位置Cmx0, Cmy0, Cmx1, Cmy1, ・・・, Cmxn, Cmynを算出する(ステップS27)。そして、登録に際しては(ステップS28)、平面位置24であるLmz0, Lmz1, ・・・, Lmznと、穴中心位置Cmx0, Cmy0, Cmx1, Cmy1, ・・・, Cmxn, Cmynとを記憶部74に保存する(ステップS29)。
図26及び図27を参照すると、生産するワークの測定に際しては、まず、ワーク76をセットし(ステップS22)、起動ボタンが押下げられると(ステップS23)、ワーク76をクランプする。そして、ロボット80を駆動して、計測対象全ての各穴へ、カメラ32及び変位計30を移動し(ステップS25)、変位計30による平面位置24の値Lmz0, Lmz1, ・・・, Lmznを一時的に保存し(ステップS26)、画像の穴中心位置Cmx0, Cmy0, Cmx1, Cmy1, ・・・, Cmxn, Cmynを保存する(ステップS27)。続いて、測定中であるため、図27のステップS31を実行する。
図27を参照して、図26のステップS26及びS27の処理を含む測定及び良否判定を説明する。図27に示す例では、測定値(画像の穴中心座標Cmxn, Cmyn及び座標平面の値Lmzn)を三次元値に変換する。まず、画像の二次元測定(ステップS31)では、画像処理部34は、カメラ32からの貫通穴画像38を対象として、二値化及び微分処理により、内側穴14のエッジEG(円周)を抽出する。さらに、近似円をフィッティングすることで、画像の穴中心位置Cmxn,Cmynを得る。続いて、マスターワーク70でのマスター貫通穴データ72(Cwxn, Cwyn)と、測定したワーク76のワーク貫通穴データ78(Cmxn,Cmyn)の画素差(Cwx0 - Cmx0, Cwy0 - Cmy0)を得る。
そして、カメラ32のスケールScと、回転角度Rcとを用いて、この画素差によるずれ量をマスターワーク70のマスター座標系に変換する。さらに、マスターワーク70の穴位置Xm0, Ym0・・・から、上記のずれ量を合わせることで、マスターワーク70にて予め三次元測定器68で測定しておいたマスター座標系での二次元の測定値X0, Y0 ・・・を得る。
次に、変位計30(レーザ)にて一次元での平面位置24を測定する(ステップS32)。変位計30としては、直接、変位をmm単位で測定できる変位計30であれば、特別な処理は不要であり、測定値L[mm]を得る。そして、マスターワーク70の値と測定したワーク76の値とのずれ量(Lwz - Lmz)を得る。さらに、レーザのスケールSlと、回転角度Rlを用いて、このずれ量をマスター座標系に変換する。予め三次元測定器68で測定したマスターワーク70の穴位置26(Zm0)と、上記ずれ量とを加算することで、マスター座標系での平面位置24の一次元計測値Z0を得る。
そして、貫通穴画像38による二次元測定値X0, Y0と、変位計30による一次元測定値Z0とをマスター座標系にて合成することで、三次元測定値X0, Y0, Z0・・・を得る(ステップS33)。そして、この三次元測定値X0, Y0, Z0を保存する(ステップS34)。
これは、レーザ光LBの測定軸LXと、カメラ32の光軸OXとを同軸にして、三軸直交座標系としておき、レーザ光LBの測定軸LXと、マスターワーク70のマスター座標系とを合わせておくと、測定も計算も行い易い。すなわち、貫通穴画像38による値をXY平面とし、変位計30(レーザ)による値をZ軸とすることができる。そして、貫通穴18では、穴軸が図面上の軸に対して並行直角である場合が多いため、測定及び計算が容易な範囲は広い。
続いて、ワーク76の機能に応じた合否判定を行う(ステップS35からS39)。良否判定部82は、例えば図25に示すようなマスター配置関係データ86を特定し、対応するワーク配置関係データ90を算出し、比較する。穴同士の関係1について、ワーク配置関係データ90の値が、マスター配置関係データ86にてどの範囲かを比較し(ステップS25)、チェックやNGであればその旨を一時的に記憶し、NG等の結果表示をする(ステップS38)。良否判定部82は、マスター配置関係データ86に予め定義されている数の関係について比較を繰り返し(ステップS36)、ピッチや角度等の配置関係についての良否を判定する。全ての配置関係がOKであれば、フレーム98の形状全体が合格であると判断できるため、OK結果を表示し(ステップS37)、一方、NGやチェックがある際には、その旨を表示する(ステップS38)。
また結果表示に際して、図28(A)に示す貫通穴画像38や、図28(B)に示すフィッティングした近似円CLを表示するようにしても良い。また、貫通穴18の各穴について、取得したデータを表示するようにしても良い。取得したデータとしては、穴位置26及び半径28と、この値のマスター貫通穴データ72とのずれ量と、平面位置24と、平面位置24のマスター貫通穴データ72とのずれ量と、ピッチや角度などのマスター配置関係データ86からのずれ量とがある。また、OK/チェック/NGの表示に際しては、基準値が複数ある際には、基準値毎のずれ量を表示すると良い。例えば、設計上の公差との関係や、図面値との差などである。
結果表示が完了すると、続いて、合否の判定値を保存し(ステップS39)、ワーク76をアンクランプし(ステップS40)、リセットする(ステップS41)。
・2.2 複数種類の判定の効果
好ましい例では、配置関係処理88が、前記ワーク貫通穴データ72から当該ワーク76の貫通穴18の配置関係を算出して前記マスター配置関係データ86と比較することで、ワークの良否を判定するため、個々の貫通穴18の位置のみならず、貫通穴18の目的に応じた範囲内で、貫通穴間のピッチや角度の良否を判定することができ、これにより、ワーク76の全体として所定の機能を発揮しうる合格状態であるか、それとも不合格であるのかを自動的に判定することができる。
10 板材
12 表面
14,14A,14B 内側穴
16,16A,16B 外側穴
18,18A,18B 貫通穴
20,20A,20B 座面
22,22A,22B,22D 座面平面
24 平面位置
26 穴位置
28 半径
29 三次元データ
30,31A,31B 変位計
32,33A,33B カメラ
34 画像処理部
36 三次元測定部
38 貫通穴画像
40 レーザ照射部
42 レーザ受光部
44 距離算出部
46 変位計誘導部
48 壁面
50 レーザ光源
52,52A,52B ミラー
54,54A,54B 透過光照射部
56 透過光駆動部
58 支持体
60 U字貫通穴
64 ミラー部
66 合成処理
68 三次元測定器
70 マスターワーク
72 マスター貫通穴データ
74 記憶部
76 ワーク
78 ワーク貫通穴データ
80 ロボット
82 良否判定部
86 マスター配置関係データ
88 配置関係処理
90 ワーク配置関係データ
92 カメラ位置データ
98 フレーム

Claims (6)

  1. 板材を貫通し当該板材の表面に内側穴と外側穴とを有する貫通穴について、前記内側穴の外周領域を含む座面平面までの距離を測定することで、前記座面平面の座面法線方向での平面位置を算出する変位計と、
    前記貫通穴の貫通方向を光軸として前記内側穴を撮像することで、貫通穴画像を生成するカメラと、
    前記貫通穴画像を画像処理して前記内側穴の穴位置を算出する画像処理部と、
    前記座面平面の前記平面位置に、前記穴位置を合成する三次元測定部とを備えた、
    ことを特徴とする貫通穴測定装置。
  2. 前記変位計が、前記座面平面に向けてレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記座面平面にて反射する反射光を受光するレーザ受光部と、前記反射光に基づいて前記座面平面までの距離を算出する距離算出部とを備え、
    前記変位計及び前記カメラを、前記反射光による測定軸と前記カメラの光軸とを平行とする位置に配置した、
    ことを特徴とする請求項1記載の貫通穴測定装置。
  3. 前記レーザ照射部が、前記板材の前記表面と平行な方向に前記レーザ光を発光するレーザ光源と、前記レーザ光を前記板材の前記表面の法線方向に反射して前記座面平面に導くミラーとを備え、
    前記変位計に、前記カメラが撮像する際に前記ミラーに向けて透過光を照射する透過光照射部を併設した、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の貫通穴測定システム。
  4. 2つの板材のそれぞれの貫通穴からなるU字貫通穴について、各板材の内側に設けられた内側穴の外周領域を含む座面平面までの距離をそれぞれ測定することで、前記2つの座面平面の座面法線方向での平面位置をそれぞれ算出する2つの変位計と、
    前記それぞれの前記貫通穴の貫通方向を光軸として前記外側穴及び外側穴の内側を撮像することで、2つの貫通穴画像を生成する2つのカメラと、
    前記2つの貫通穴画像を画像処理して前記内側穴の穴位置を算出する画像処理部と、
    前記それぞれの座面平面の前記平面位置に、前記穴位置を合成する三次元測定部と、を備えた、
    ことを特徴とする貫通穴測定システム。
  5. マスターワークの板材を貫通し当該板材の表面に内側穴と外側穴とを有する貫通穴について、当該マスターワークの複数の内側穴の位置をマスター貫通穴データとして予め記憶した記憶部と、
    測定対象のワークの複数の内側穴の外周領域を含む座面平面までの距離を測定することで、前記座面平面の座面法線方向での平面位置を算出する変位計と、
    前記貫通穴の貫通方向を光軸として前記内側穴を撮像することで、貫通穴画像を生成するカメラと、
    前記ワーク、変位計及びカメラのいずれか又は全部を駆動することで前記変位計を前記座面平面に向けて位置決めすると共に前記カメラを前記外側穴に向けて位置決めするロボットと、
    前記貫通穴画像を画像処理して前記内側穴の穴位置を算出する画像処理部と、
    前記座面平面の前記平面位置に、前記穴位置を合成することで前記マスター貫通穴データに対応するワーク貫通穴データを生成する三次元測定部と、
    前記マスター貫通穴データと前記ワーク貫通穴データとを比較することで、前記ワークの形状の良否を判定する良否判定部と、を備えた、
    ことを特徴とするワーク形状良否判定装置。
  6. 前記記憶部が、前記マスターワークの複数の貫通穴のマスター配置関係データを記憶し、
    前記良否判定部が、前記ワーク貫通穴データから当該ワークの貫通穴の配置関係を算出して前記マスター配置関係データと比較する配置関係処理を備えた、
    ことを特徴とする請求項5記載のワーク形状良否判定装置。
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