JP2010286338A - 非破壊的内部観察装置及び非破壊的内部観察方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体の内部における種々の深さの内部情報を1回の測定で得ることができる非破壊的内部観察装置を提供する。
【解決手段】非破壊的内部観察装置は、被検体を透過する波長の光を含む線状のスリット光を被検体にほぼ真上からほぼ垂直に照射するスリット光照射手段10と、スリット光が照射された照射領域X及び周辺領域Yの撮影をほぼ真上から行って二次元画像データを作成する撮影手段20と、周辺領域Yのうち照射領域Xから距離dだけ離れた部分の画像情報のみを二次元画像データから抽出するとともに、複数の二次元画像データから得た複数の画像情報を組み合わせて被検体の内部の二次元画像を形成するデータ処理手段と、を備える。駆動手段を用いてスリット光照射手段10を移動させることにより照射領域Xを移動させながら撮影を複数回行って複数の二次元画像データを作成し、これらをデータ処理手段で処理して被検体の内部の二次元画像を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】非破壊的内部観察装置は、被検体を透過する波長の光を含む線状のスリット光を被検体にほぼ真上からほぼ垂直に照射するスリット光照射手段10と、スリット光が照射された照射領域X及び周辺領域Yの撮影をほぼ真上から行って二次元画像データを作成する撮影手段20と、周辺領域Yのうち照射領域Xから距離dだけ離れた部分の画像情報のみを二次元画像データから抽出するとともに、複数の二次元画像データから得た複数の画像情報を組み合わせて被検体の内部の二次元画像を形成するデータ処理手段と、を備える。駆動手段を用いてスリット光照射手段10を移動させることにより照射領域Xを移動させながら撮影を複数回行って複数の二次元画像データを作成し、これらをデータ処理手段で処理して被検体の内部の二次元画像を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、生体や物品の内部を非破壊的に観察する装置及び方法に関する。
現在の遺体の検視活動は、遺体の外表部分に顕れている現象の観察のみで行われている。そのため、事件性の有無を判断する際に情報が十分ではなく、誤判定の危険性があった。事実、外表部分には顕れていなかった衝撃による血腫や絞殺による鬱血が、解剖により確認されることがあった。
一方、近年においては、独居生活者の増加などの社会環境の変化から、変死体の検視件数が年々増加している。しかしながら、死因特定のために解剖された事例は、そのうち僅かであり、犯罪の見逃しが危惧されている。
これらのことから、皮下出血の有無などの遺体の内部情報を、非破壊的且つ簡便に得ることができる手法が求められている。
これらのことから、皮下出血の有無などの遺体の内部情報を、非破壊的且つ簡便に得ることができる手法が求められている。
特許文献1,2には、被検体に光を照射して内部まで透過させ、内部で散乱して表面から外部に放射される放射光を検出することにより、被検体の内部を非破壊的に観察する装置が記載されている。これらの装置によれば、セラミック基板等の被検体の内部に存在するクラック等の欠陥や、生体の内部に存在する血管,神経等を非破壊的に観察することができる。
そして、光を照射する領域と放射光を検出する領域との間の距離によって、観察する部分の深さを設定することができる。すなわち、放射光を検出する領域を、光を照射する領域から離すに従って、より深い部分にまで透過した光が検出されるので、検出された放射光には、浅い部分までしか透過しなかった光と深い部分にまで透過した光とが含まれており、浅い部分の情報と深い部分の情報とを合わせた情報が得られることとなる。
しかしながら、特許文献1,2に記載の装置は、光を照射する領域と放射光を検出する領域との間の距離を予め固定して測定を行うので、種々の深さの内部情報を得るためには、観察したい深さに応じて前記距離を種々変更しつつ測定を複数回行う必要があった。また、被検体の表面が平面ではなく曲面である場合には、適用が困難であった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、被検体の内部における種々の深さの内部情報を1回の測定で得ることができ、また、被検体の表面が曲面であっても適用できる非破壊的内部観察装置及び非破壊的内部観察方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る非破壊的内部観察装置は、被検体に光を照射して内部まで透過させ、内部で散乱して表面から外部に放射される放射光を撮影することにより、前記被検体の内部を非破壊的に観察する装置であって、前記被検体を透過する波長の光を含んだ線状のスリット光を、前記被検体に対してほぼ垂直に照射するスリット光照射手段と、前記被検体の表面のうち前記スリット光が照射された照射領域及びその周辺領域の撮影を、前記スリット光を照射する方向と同方向から行って、前記放射光からなる二次元画像データを作成する撮影手段と、前記被検体及び前記スリット光照射手段の少なくとも一方を移動させる駆動手段と、前記周辺領域のうち前記照射領域から所定距離離れた部分の画像情報のみを前記二次元画像データから抽出するとともに、複数の前記二次元画像データから抽出して取得した複数の前記画像情報を組み合わせて前記被検体の内部の二次元画像を形成するデータ処理手段と、を備え、前記駆動手段を用いて前記被検体及び前記スリット光照射手段を相対移動させることにより、前記照射領域を順次移動させながら前記撮影を複数回行って、複数の前記二次元画像データを作成し、前記データ処理手段を用いて複数の前記二次元画像データを処理して前記被検体の内部の二次元画像を形成するようになっていることを特徴とする。
このような本発明に係る非破壊的内部観察装置においては、前記撮影手段は、前記被検体の表面のうち前記周辺領域のみの撮影を行って、前記放射光からなる二次元画像データを作成するようになっていることが好ましい。
また、本発明に係る非破壊的内部観察方法は、被検体に光を照射して内部まで透過させ、内部で散乱して表面から外部に放射される放射光を撮影することにより、前記被検体の内部を非破壊的に観察する方法であって、前記被検体を透過する波長の光を含んだ線状のスリット光を、前記被検体に対してほぼ垂直に照射し、前記被検体の表面のうち前記スリット光が照射された照射領域及びその周辺領域の撮影を、前記スリット光を照射する方向と同方向から行って前記放射光からなる二次元画像データを作成するとともに、前記照射領域を順次移動させながら前記撮影を複数回行うことにより、複数の二次元画像データを作成して、作成した各二次元画像データから、前記周辺領域のうち前記照射領域から所定距離離れた部分の画像情報のみを抽出し、それら複数の前記画像情報を組み合わせて前記被検体の内部の二次元画像を形成することを特徴とする。
このような本発明に係る非破壊的内部観察方法においては、前記被検体の表面のうち前記周辺領域のみの撮影を行って、前記放射光からなる二次元画像データを作成することが好ましい。
本発明の非破壊的内部観察装置及び非破壊的内部観察方法は、被検体の内部における種々の深さの内部情報を1回の測定で得ることができ、また、被検体の表面が曲面であっても適用できる。
本発明に係る非破壊的内部観察装置及び非破壊的内部観察方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る非破壊的内部観察装置の構造を示す概念図である。また、図2は、本発明の非破壊的内部観察方法の原理を説明する断面図である。
本実施形態の非破壊的内部観察装置は、被検体に光を照射して内部まで透過させ、内部で散乱して表面から外部に放射される放射光を撮影することにより、被検体の内部を非接触且つ非破壊的に観察する装置である。この非破壊的内部観察装置を用いれば、被検体の内部に存在する観察対象を非接触且つ非破壊的に観察することができる。
本実施形態の非破壊的内部観察装置は、被検体を載置するテーブル(図示せず)と、テーブルの上方に設置されテーブルに載置された被検体に対してスリット光を照射するスリット光照射手段10と、スリット光照射位置を直線的に水平移動させる駆動手段(図示せず)と、テーブルの上方に設置され被検体の表面の撮影を行って二次元画像データを作成する撮影手段20と、撮影手段20により作成された二次元画像データを処理するデータ処理手段(図示せず)と、を備えている。
スリット光照射位置の水平移動は、スリット光照射手段10及び撮影手段20からなる測定ヘッドを直線的に水平移動させること、被検体を水平移動させること、又は後述するハーフミラー14を±15°程度の小角度回転させることなどによって実現することができる。なお、スリット光照射位置は、スリット光の長手方向と直角をなす方向に移動させることが好ましい。
スリット光照射位置の水平移動は、スリット光照射手段10及び撮影手段20からなる測定ヘッドを直線的に水平移動させること、被検体を水平移動させること、又は後述するハーフミラー14を±15°程度の小角度回転させることなどによって実現することができる。なお、スリット光照射位置は、スリット光の長手方向と直角をなす方向に移動させることが好ましい。
スリット光照射手段10は、被検体を透過し且つ観察対象に吸収される波長の光(例えば近赤外線)を含んだ光を発光する光源11と、コンデンサーレンズ12等のレンズと、光源11から発光された光を直線状のスリット光とするスリット13と、テーブルのほぼ真上に設置されスリット光を反射するハーフミラー14と、を備えており、被検体のほぼ真上から被検体に向かってスリット光を鉛直方向に照射するようになっている。スリット13に形成されている直線状の間隙の寸法としては、例えば、幅0.3mm長さ15mmや幅0.5mm長さ15mmがあげられる。
また、撮影手段20は、カメラ21とレンズ22とフィルター23とを備えており、被検体の表面のうちスリット光が照射された照射領域X及びその周辺領域Yの撮影を、スリット光を照射する方向と同方向(ほぼ真上)から行って、放射光からなる二次元画像データを作成するようになっている。なお、周辺領域Yの広さは、所望により適宜設定することができる。
さらに、データ処理手段はパーソナルコンピューター等からなり、撮影手段20のカメラ21と接続されていて、カメラ21から出力された二次元画像データを記録するようになっている。そして、周辺領域Yのうち照射領域Xから所定距離dだけ離れた部分の画像情報のみを二次元画像データから抽出するとともに、複数の二次元画像データから抽出して取得した複数の画像情報を組み合わせて、被検体の内部の二次元画像を形成する処理を行うようになっている。
次に、上記のような構成の非破壊的内部観察装置を用いて、被検体の内部を観察する方法を、図1,2を参照しながら説明する。被検体としては、甲の部分に内出血(皮下出血)をしている可能性がある人間の足を用いた(図3を参照)。光源11としては、近赤外線領域の波長を含む光を発光する近赤外線光源を用いた。近赤外線は、皮膚を透過し且つ観察対象である血液(ヘモグロビン)に吸収される波長の光である。
まず、甲の部分を上方に向けるようにして、テーブルの上に足を載せる。光源11から発光された近赤外線領域の波長を含む光は、スリット13を通過することによって直線状のスリット光とされ、ハーフミラー14によって反射されて下方(鉛直方向)に向かう。足は水平なテーブルの上に載置されているので、スリット光は足の甲に対してほぼ垂直に照射される。
足に照射されたスリット光は、照射領域Xから内部に透過し、深く浸透していく。内部を透過していく透過光は、透過途中の各深さ位置において散乱し、表面から外部に放射される。このとき、透過途中に出血部Zに到達した透過光は、その一部又はほぼ全部が出血部Zに吸収されるので、出血部Zが存在した深さ位置において散乱する散乱光は僅かとなり、したがって放射光も僅かとなる。
透過光は透過距離に対して指数関数的に減衰するので、照射領域Xから比較的近い表面部分から放射された放射光は、浅い位置で散乱した散乱光の割合が圧倒的に多い。一方、照射領域Xから比較的遠い表面部分から放射された放射光は、強度が弱くなるが、浅い位置と深い位置での透過距離の差が小さくなるので、それぞれの散乱光の割合がほぼ同程度になる。
すなわち、照射領域Xから比較的近い表面部分から放射された放射光は、浅い位置で散乱した散乱光がほとんどであるが、照射領域Xから比較的遠い表面部分から放射された放射光は、浅い位置で散乱した散乱光から深い位置で散乱した散乱光まで全てを含んでいることになる。よって、照射領域Xから所定距離dだけ離れた表面部分から放射された放射光を分析すれば、所定距離dに対応する深さ位置から表面近傍までの内部を観察することができる。
撮影手段20のカメラ21によって照射領域X及びその周辺領域Yの撮影を行って、放射光からなる二次元画像データを作成する。このとき、放射光のうちほぼ真上に向かって進んでくるものがハーフミラー14を透過し、レンズ22に導かれてカメラ21に至り、二次元画像データとして記録される。すなわち、スリット光を照射する方向と同方向(ほぼ真上)から、前記撮影が行われる。
なお、スリット光には、観察対象である血液の検出に最適な波長の光とともに他の波長の光も混在している場合があるが、そのような場合には、特定の波長の光のみを透過するフィルター23を光路中に設置して、観察対象である血液の検出に最適な波長の光のみ透過させて撮影するようにするとよい。特定波長の光のみを発光する光源(例えば発光ダイオードやレーザー)を用いた場合は、外乱光がなければフィルター23を用いる必要はない。
なお、カメラ21とレンズ22の間に分光装置を配置し、測定を行って、放射光を分光装置で分光分析すると、血液を観察するために最適な波長を特定することができる。そして、分光分析により得られた前記最適な波長の光のみを透過するフィルターを設置するか、又は、前記最適な波長の光のみを発光する光源を用いれば、非破壊的内部観察装置の最適化を図ることができる。
また、照射領域Xを撮影すると、照射されたスリット光が明るすぎて飽和してしまい、比較的暗い周辺領域Yから放射される放射光を十分に捉えることができなくなるおそれがある。そのような場合には、光路中に遮光板24を設置して(図1を参照)、捕捉した光のうち約半分を遮光し、照射領域Xを撮影しないようにするとよい。周辺領域Yのみの撮影を行うようにすれば、上記のような問題が生じるおそれはない。
次に、モータ等からなる駆動手段を稼働させ、スリット光照射手段10を直線的に水平移動させる。そうすると、照射領域Xが被検体上を順次移動することとなるので、移動させながら前記撮影を複数回行い、複数の二次元画像データを作成する。なお、スリット光を照射する方向と同方向(ほぼ真上)から撮影を行うためには、撮影手段20についてもスリット光照射手段10とともに直線的に水平移動させることが好ましい。このようなスキャン操作により作成された複数の二次元画像データは、カメラ21からデータ処理手段に送られ記録される。
ここで、観察したい深さに応じた距離dを設定すると、データ処理手段は、作成した複数の二次元画像データそれぞれから、周辺領域Yのうち照射領域Xから距離dだけ離れた部分の画像情報のみを抽出する。そして、得られた複数の画像情報を撮影順に並べて組み合わせて(マッピング)、被検体の内部の二次元画像を形成する。
出血部Zが存在しない場合は透過光が全て散乱するため放射光は強く、出血部Zが存在する場合は透過光の少なくとも一部が吸収されるため放射光は弱い。したがって、内部の二次元画像においては、出血部Zが存在する部分が存在しない部分よりも黒く表示されることとなる(コントラストが付く)。この二次元画像は、データ処理手段に記録しておくこともできるし、ディスプレイ装置やプリンターに出力することもできる。なお、距離dは、任意の値に設定することが可能である。
得られた被検体の内部の二次元画像を、図4に示す。なお、測定に用いた近赤外線の波長は、831〜906nmであり、距離dは4.5mmである。図4から分かるように、血管とともに、指の根元から甲の部分にかけて内出血した部分が黒く映し出されている。可視光により外表面を撮影した図3では、内出血は視認できないが、近赤外線により内部を観察した図4は、所定の深さまでの情報を含んだ二次元画像であるので、内出血の存在を確認することができる。
上記のように本実施形態の非破壊的内部観察装置を用いれば、被検体の内部を非破壊的に観察することができる。被検体の内部について多くの情報が得られるので、例えば検視活動においては多くの情報により高精度の検視が可能となる。しかも、被検体の内部の二次元画像を形成する際に設定する距離dを適宜変更すれば、種々の深さの内部情報を二次元画像として得ることができるので、測定を1回行っただけで種々の深さの内部情報を得ることができる。すなわち、観察したい深さに応じて測定を複数回行う必要はなく、1回の測定で種々の深さ位置を観察することができる。
さらに、被検体に対してスリット光を斜め方向から照射すると、被検体の表面に凹凸が存在した場合に所定の深さ位置に対応する距離dが一定でなくなるため、内部の観察に支障が生じるが、本実施形態においては被検体に対してスリット光をほぼ垂直に照射するので、被検体の表面に凹凸が存在した場合でも、上記のような問題が生じにくい。
このような非破壊的内部観察装置は、照射する光の波長を適宜変更すれば、血液の他、リンパ管,神経,骨などを観察することができるので、遺体の検視,生体の診断,生体認証(静脈認証)等に適用することができる。例えば、血液を観察することにより、静脈注射の際に血管の位置を確認することができるし、血流診断を行うことができる。また、メラニン色素を観察することにより肌のメラニン色素の分布を確認することもできるし、水分を観察することにより水分量を確認することもできる。さらに、散乱質であれば物品の内部観察にも適用できるので、物品中に存在するクラック,ボイド等の欠陥の検出や、物品中に存在する異物の検出を行うこともできる。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、駆動手段によりスリット光照射手段10を移動させたが、被検体を載置するテーブルを移動させてもよいし、スリット光照射手段10とテーブルの両方を移動させてもよい。また、ハーフミラー14を回転させてもよい。
また、スリット光を被検体のほぼ真上から鉛直方向に照射したが、スリット光を被検体に対してほぼ垂直に照射するならば、被検体のほぼ真下から上方に照射してもよいし、被検体の側方から水平に照射してもよい。
また、スリット光を被検体のほぼ真上から鉛直方向に照射したが、スリット光を被検体に対してほぼ垂直に照射するならば、被検体のほぼ真下から上方に照射してもよいし、被検体の側方から水平に照射してもよい。
さらに、被検体の表面のうち照射領域X及び周辺領域Yの撮影を行って二次元画像データを作成する撮影手段20の代わりに、リニアフォトダイオードアレイ等の一次元センサを用いて、周辺領域Yのうち照射領域Xから距離dだけ離れた部分のみの撮影を行って一次元画像データを作成するようにしてもよい。そうすれば、1回の測定で種々の深さの内部情報を得ることはできないものの、本実施形態の場合よりも非破壊的内部観察装置を簡素化することができる。
被検体を手の甲(可視光により外表面を撮影した図5を参照)としたこと以外は、上記とほぼ同様にして測定を行った。結果を図6〜9に示す。図6は、光の波長が531〜606nmで、距離dが2mmの場合である。図7は、光の波長が831〜906nmで、距離dが2mmの場合である。図8は、光の波長が531〜606nmで、距離dが4.5mmの場合である。図7は、光の波長が831〜906nmで、距離dが4.5mmの場合である。
図6〜9から分かるように、いずれも血管が黒く鮮明に映し出されており、可視光により外表面を撮影した図5では視認しにくい血管が確認できる。また、光の波長によって被検体の内部の二次元画像が異なり、細かい毛細血管まで確認できることから、血液の検出には波長831〜906nmの光よりも波長531〜606nmの光の方が適していることが分かる。
10 スリット光照射手段
11 光源
13 スリット
20 撮影手段
21 カメラ
24 遮光板
X 照射領域
Y 周辺領域
Z 出血部
d 照射領域と放射光を検出する領域との間の距離
11 光源
13 スリット
20 撮影手段
21 カメラ
24 遮光板
X 照射領域
Y 周辺領域
Z 出血部
d 照射領域と放射光を検出する領域との間の距離
Claims (4)
- 被検体に光を照射して内部まで透過させ、内部で散乱して表面から外部に放射される放射光を撮影することにより、前記被検体の内部を非破壊的に観察する装置であって、
前記被検体を透過する波長の光を含んだ線状のスリット光を、前記被検体に対してほぼ垂直に照射するスリット光照射手段と、
前記被検体の表面のうち前記スリット光が照射された照射領域及びその周辺領域の撮影を、前記スリット光を照射する方向と同方向から行って、前記放射光からなる二次元画像データを作成する撮影手段と、
前記被検体及び前記スリット光照射手段の少なくとも一方を移動させる駆動手段と、
前記周辺領域のうち前記照射領域から所定距離離れた部分の画像情報のみを前記二次元画像データから抽出するとともに、複数の前記二次元画像データから抽出して取得した複数の前記画像情報を組み合わせて前記被検体の内部の二次元画像を形成するデータ処理手段と、
を備え、
前記駆動手段を用いて前記被検体及び前記スリット光照射手段を相対移動させることにより、前記照射領域を順次移動させながら前記撮影を複数回行って、複数の前記二次元画像データを作成し、前記データ処理手段を用いて複数の前記二次元画像データを処理して前記被検体の内部の二次元画像を形成するようになっていることを特徴とする非破壊的内部観察装置。 - 前記撮影手段は、前記被検体の表面のうち前記周辺領域のみの撮影を行って、前記放射光からなる二次元画像データを作成するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の非破壊的内部観察装置。
- 被検体に光を照射して内部まで透過させ、内部で散乱して表面から外部に放射される放射光を撮影することにより、前記被検体の内部を非破壊的に観察する方法であって、
前記被検体を透過する波長の光を含んだ線状のスリット光を、前記被検体に対してほぼ垂直に照射し、前記被検体の表面のうち前記スリット光が照射された照射領域及びその周辺領域の撮影を、前記スリット光を照射する方向と同方向から行って前記放射光からなる二次元画像データを作成するとともに、
前記照射領域を順次移動させながら前記撮影を複数回行うことにより、複数の二次元画像データを作成して、作成した各二次元画像データから、前記周辺領域のうち前記照射領域から所定距離離れた部分の画像情報のみを抽出し、それら複数の前記画像情報を組み合わせて前記被検体の内部の二次元画像を形成することを特徴とする非破壊的内部観察方法。 - 前記被検体の表面のうち前記周辺領域のみの撮影を行って、前記放射光からなる二次元画像データを作成することを特徴とする請求項3に記載の非破壊的内部観察方法。
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