JP2010285936A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御装置に対する計算負荷が小さい形でL、燃焼室内の燃焼によって発生する仕事量を算出する。
【解決手段】燃焼室25にて行われる燃焼によって発生する仕事量に対して一次関数または略一次関数の関係にあるパラメータを各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングと該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積とに基づいて仕事量パラメータとして算出するための相関関数が予め記憶されている。内燃機関10の運転中、各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングと該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積とに基づいて前記相関関数に従って仕事量パラメータが算出される。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量(以下単に「仕事量」という)を監視し、この仕事量に基づいて燃焼室において燃焼が所望の燃焼形態となるように燃料噴射弁から噴射する燃料の量(以下「燃料噴射量」という)や燃料に点火するタイミング(以下「点火タイミング」という)などを制御することが行われている。したがってこのように燃料噴射量や点火タイミングを制御する場合には仕事量を正確に把握する必要がある。特許文献1にはこの仕事量を求める方法が開示されている。ここではフーリエ級数展開された燃焼室の容積(以下「筒内容積」という)の変化量と同じくフーリエ級数展開された燃焼室内の圧力(以下「筒内圧」という)の変化量とに基づいて図示平均有効圧を算出し、この図示平均有効圧に基づいて仕事量を求めるようにしている。
特開2007−291924号公報 特開2008−095578号公報
ところで特許文献1に開示されている方法によると1回の機関サイクル中に筒内容積の変化量と筒内圧の変化量とを複数回検出し、これら変化量をフーリエ級数展開する必要がある。このため内燃機関の制御装置に対する計算負荷が大きい。
そこで本発明は内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量を算出することにある。
1番目の発明では、燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量を算出する内燃機関の制御装置において、燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量に対して一次関数または略一次関数の関係にあるパラメータを各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングと該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積とに基づいて仕事量パラメータとして算出するための相関関数が予め記憶されており、内燃機関の運転中、各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングと該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積とに基づいて前記相関関数に従って仕事量パラメータが算出される。
2番目の発明では、1番目の発明において、各機関サイクルにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積の最大値のうち最も大きい値を基準最大値とし、各機関サイクルにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングのうち最も遅いタイミングを基準タイミングとし、各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングを前記基準タイミングによって除算して正規化した値を正規化タイミングとし、該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積の最大値を前記基準最大値によって除算して正規化した値を正規化最大値としたとき、前記相関関数が正規化タイミングと正規化最大値との差から仕事量パラメータを算出する関数である。
3番目の発明では、1または2番目の発明において、内燃機関の運転中、前記仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。
4番目の発明では、3番目の発明において、前記仕事量パラメータの平均値が算出され、該仕事量パラメータの平均値と各機関サイクルにおいて前記相関関数に従って算出される仕事量パラメータとの差が仕事量偏差として算出され、該仕事量偏差に基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量を制御することによって前記仕事量パラメータに基づいた各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。
5番目の発明では、4番目の発明において、前記仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも小さい領域において小さくなる傾向にあるときには各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、前記仕事量偏差の絶対値が前記予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも大きい領域において大きくなる傾向にあるときには各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられる。
6番目の発明では、4番目の発明において、前記仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、前記仕事量偏差の絶対値が前記予め定められた値よりも小さいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられる。
7番目の発明では、4番目の発明において、前記仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ前記仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも小さいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、前記仕事量偏差の絶対値が前記予め定められた値よりも大きく且つ前記仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも大きいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられる。
8番目の発明では、5〜7番目の発明のいずれか1つにおいて、各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられるべきときには燃焼室内の燃料への点火タイミングを進角させることによって各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられるべきときには燃焼室内の燃料への点火タイミングを遅角させることによって各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられる。
9番目の発明では、3〜8番目の発明のいずれか1つにおいて、内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに前記仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。
10番目の発明では、1〜9番目の発明のいずれか1つにおいて、前記仕事量パラメータに基づいて仕事量を算出する一次関数または略一次関数が予め記憶されており、該一次関数または略一次関数に従って前記仕事量パラメータから仕事量が算出される。
1番目の発明によれば、各機関サイクル中に燃焼室の容積変化率のうち最大の変化率と該最大の変化率が発生するタイミングとの2つのデータ、すなわち少ないデータに基づいて仕事量パラメータが算出される。したがってこれによれば内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で仕事量パラメータを算出することができる。そして仕事量パラメータが仕事量を代表するものであり且つ仕事量に対して一次関数または略一次関数の関係にあることから結果的に内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で各機関サイクルにて発生する仕事量を算出したことと同義になる。
2番目の発明によれば、燃焼室内の圧力変化率と値の容積変化率との積が最大となるタイミングを正規化すると共に該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積を正規化し、これら正規化されたタイミングと正規化された積との差から仕事量パラメータを算出するといった非常に簡便な計算でもって仕事量パラメータが算出される。したがってこれによれば内燃機関の制御装置に対する計算負荷がさらに小さい形で各機関サイクルにて発生する仕事量を算出することができる。
3番目の発明によれば、内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で算出される仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。したがってこれによれば内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で各機関サイクルにて発生する仕事量を制御することができる。
4番目の発明によれば、内燃機関の制御装置に対する計算負荷が非常に小さい形で算出される仕事量パラメータの平均値を利用して算出される仕事量偏差に基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。したがってこれによれば内燃機関の制御装置に対する計算負荷が非常に小さい形で各機関サイクルにて発生する仕事量を制御することができる。
8番目の発明によれば、点火タイミングの進角または遅角といった確実に制御可能な手段によって各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ或いは減少せしめられる。したがってこれによれば各機関サイクルにて発生する仕事量を確実に増加させ或いは減少させることができる。
9番目の発明によれば、内燃機関の運転状態が仕事量の変動が生じやすいアイドリング運転状態にあるときに内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で算出される仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。したがってこれによれば仕事量の変動の抑制効率が高く且つ内燃機関の制御装置に対する計算負荷が小さい形で仕事量の変動を抑制することができる。
10番目の発明によれば、内燃機関の制御装置に対する計算負荷が非常に小さい一次関数または略一次関数に従った計算によって仕事量が算出される。したがってこれによれば内燃機関の制御装置に対する計算負荷が非常に小さい形で各機関サイクルにて発生する仕事量を算出することができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された内燃機関の概略図である。 最大積と最大クランク角度と仕事量との関係を示した図である。 (A)は最大積と仕事量との関係を示し、(B)は最大クランク角度と仕事量との関係を示した図である。 図2を矢印Lhから見た場合を示した図である。 正規化積と正規化クランク角度と仕事量との関係を示した図である。 (A)は正規化積と仕事量との関係を示し、(B)は正規化クランク角度と仕事量との関係を示した図である。 相関関係係数と仕事量との関係を説明するための図である。 第1実施形態に従った仕事量の算出を実行するフローチャートの一例を示した図である。 第1実施形態に従った仕事量の制御を実行するフローチャートの一例を示した図である。 第2実施形態に従った仕事量の制御を実行するフローチャートの一例を示した図である。 第3実施形態に従った仕事量の制御を実行するフローチャートの一例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1に示されている内燃機関は本発明が適用された内燃機関であって筒内噴射型火花点火式の内燃機関である。なお図1に示されている内燃機関は複数の燃焼室、すなわち複数の気筒を備えた多気筒内燃機関であり、図1には特定の1つの気筒のみの構成が示されているが残りの気筒もこれと同じ構成を備えている。また以下では本発明が筒内噴射型火花点火式の内燃機関に適用された場合を例にとって本発明の実施形態を説明するが本発明は例えば吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート内噴射型火花点火式の内燃機関や圧縮自着火式内燃機関にも適用可能である。
図1に示されている内燃機関10はシリンダブロック、シリンダブロックロワケース、およびオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、該シリンダブロック部20上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に空気を供給するための吸気通路40と、シリンダブロック部20からの排気ガスを外部に放出するための排気通路50とを具備する。
シリンダブロック部20はシリンダヘッド21と、ピストン22と、コンロッド23と、クランクシャフト24とを有する。ピストン22はシリンダ21内で往復動し、このピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランクシャフト24に伝達され、これによってクランクシャフト24が回転せしめられる。またシリンダ21の内壁面とピストン22の上壁面とシリンダヘッド部30の下壁面とによって燃焼室25が形成されている。
シリンダヘッド部30は燃焼室25に連通する吸気ポート31と、該吸気ポート31を開閉する吸気弁32と、該吸気弁32を駆動する吸気弁駆動機構32aと、燃焼室25に連通する排気ポート33と、該排気ポート33を開閉する排気弁34と、該排気弁34を駆動する排気弁駆動機構34aと、点火栓35と、該点火栓35に与える高電圧を発生する点火コイルを含むイグナイタ36と、燃料を燃焼室25内に噴射する燃料噴射弁37と、該燃料噴射弁37に燃料を高圧で供給する蓄圧室37aと、該蓄圧室37aに燃料を圧送する燃料ポンプ37bとを有する。吸気弁駆動機構32aおよび排気弁駆動機構34aは駆動回路38に接続されている。
吸気通路40は吸気ポート31に接続された吸気枝管41と、該吸気枝管41に接続されたサージタンク42と、該サージタンク42に接続された吸気ダクト43とを有する。吸気ダクト43にはその上流端から順にエアフィルタ44と、スロットル弁48とが配置されている。スロットル弁48は吸気ダクト43に回転可能に取り付けられており、スロットル弁駆動用アクチュエータ48aによって駆動される。
排気通路50は排気ポート33に接続された排気枝管49と、該排気枝管49に接続された排気管51とを有する。排気管51には排気ガスを浄化するための三元触媒装置52が配置されている。
さらに内燃機関10は吸気ダクト43内を流れる空気の流量を検出するエアフローメータ61と、クランクシャフト24の回転位相、すなわちクランク角度を検出するクランクポジションセンサ62と、燃焼室25内の圧力を検出する筒内圧センサ63と、アクセルペダル65の踏込量を検出するアクセル開度センサ64と、電気制御装置(ECU)70とを具備する。クランクポジションセンサ62はクランクシャフト24が1°回転する毎に幅狭のパルスを出力すると共にクランクシャフト24が360°回転する毎に幅広のパルスを出力する。クランクポジションセンサ62が出力するパルスに基づいて内燃機関の回転数(以下「機関回転数」という)を算出可能である。
電気制御装置(ECU)70はマイクロコンピュータからなり、双方向性バスによって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)71と、ROM(リードオンリメモリ)72と、RAM(ランダムアクセスメモリ)73と、バックアップRAM74と、AD変換器を含むインターフェース75とを有する。エアフローメータ61、クランクポジションセンサ62、筒内圧センサ63、およびアクセル開度センサ64はインターフェース75に接続されている。またイグナイタ36、燃料噴射弁37、燃料ポンプ37a、駆動回路38、およびスロットル弁駆動用アクチュエータ48aもインターフェース75に接続されている。
ところで本実施形態では各機関サイクルにおいて燃焼室で行われる燃焼によって発生する仕事量に一次関数または略一次関数的に相関するパラメータを算出し、このパラメータに従って内燃機関の運転状態を所望の状態に制御する。すなわち各機関サイクル(すなわち吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の順で行われるサイクル)において燃焼室内の圧力(以下「筒内圧」という)と燃焼室の容積(以下「筒内容積」という)とは刻々と変化する。そしてこれら刻々と変化する筒内圧の変化率と筒内容積の変化率との積をとったとき、この積が或るクランク角度、特に膨張行程における或るクランク角度において最大となる。
ここで筒内圧の変化率と筒内容積の変化率との積が最大となるクランク角度を「最大クランク角度」と称し、該最大クランク角度における筒内圧の変化率と筒内容積の変化率との積を「最大積」と称し、内燃機関の運転状態毎の最大クランク角度のうち最も大きい最大クランク角度を「基準クランク角度」と称し、内燃機関の運転状態毎の最大積のうち最も大きい最大積を「基準積」と称し、最大クランク角度を基準クランク角度で正規化した値を「正規化クランク角度」と称し、最大積を基準積で正規化した値を「正規化積」と称したとき、正規化積から正規化クランク角度を差し引いた値を「仕事量パラメータ」と称したとき、機関サイクル毎に算出される仕事量パラメータが当該機関サイクルにて発生する仕事量に一次関数または略一次関数的に相関するパラメータである。斯くして算出される仕事量パラメータが仕事量に一次関数または略一次関数的に相関することについて図2〜図4を参照して詳細に説明する。なお本明細書においてクランク角度は吸気行程の上死点を「0°」として一様に大きくなって次の吸気行程の上死点において720°になったところで0°にリセットされるものとする。
図2は最大積と最大クランク角度と仕事量との関係を示した図であり、図3(A)は最大積と仕事量との関係を示し、図3(B)は最大クランク角度と仕事量との関係を示した図であり、図4は図2を矢印Lhから見た場合を示した図である。
最大積と最大クランク角度と仕事量との関係を示した図2を参照すると判るように最大積と最大クランク角度と仕事量との関係を示す線は曲線をなしている。したがって最大積と仕事量との関係を示した図3(A)および最大クランク角度と仕事量との関係を示した図3(B)を参照すると判るように最大積と仕事量との関係を示す線も最大クランク角度と仕事量との関係を示す線も曲線をなしている。
ところが図2を矢印Lhから見た場合を示した図4を参照すると判るように図2を矢印Lhから見ると最大積と最大クランク角度と仕事量との関係を示す線は直線をなす。したがって本願の発明者は最大積と最大クランク角度とから仕事量に対して一次関数または略一次関数(以下これら一次関数と略一次関数とをまとめて単に「一次関数」という)の関係にある仕事量パラメータを算出することができるものと推察した。そこでさらに検討を重ねた結果、以下の考え方に従えば最大積と最大クランク角度とから仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出することができるとの結論を得た。
すなわち内燃機関の運転状態毎に機関サイクルにおける最大値および最大クランク角度を実験等によってサンプリングした。そしてこれらサンプリングした最大積および最大クランク角度のうち最も大きい値をそれぞれ基準積および基準クランク角度とし、各機関サイクルにおいてサンプリングされた最大積および最大クランク角度をそれぞれこれら基準積および基準クランク角度によって除算することによってこれら最大積および最大クランク角度を正規化した。斯くして正規化した最大積および最大クランク角度、すなわち正規化積および正規化クランク角度と仕事量との関係を示すと図5に示されているようになった。この図5を参照すると判るように正規化積と正規化クランク角度と仕事量との関係を示す線は図2に示されている線と同じく曲線をなしており、したがって図6(A)および図6(B)を参照すると判るように正規化積と仕事量との関係を示す線も正規化クランク角度と仕事量との関係を示す線も図3(A)および図3(B)に示されている線と同じく曲線をなしている。
ここで図7に示されているように図5に示されている曲線上の或る点A’を図5に示されている矢印Luの方向(すなわち仕事量を示す座標軸に沿った方向)に正規化積を示す座標軸と正規化クランク角度を示す座標軸とがなす平面(以下「正規化積−正規化クランク角度平面」という)上に投下した点を点Aとしたとき、この点Aに関して以下のことが成立する。すなわち図7に示されているように正規化積−正規化クランク角度平面上の点Aの正規化積の値を値xとすると共に正規化クランク角度の値を値yとしたとき、図7に示されている相関軸線上に表示されているKを「暫定相関係数」としたとき、この暫定相関係数Kは次式1によって算出可能である。
K=x・cosθ2−y・cosθ1 …(1)
ここで図7において角度θ1および角度θ2は等しい角度にとってあることから上式1は次式2のように変換可能である。
K=x・cosθ1−y・cosθ1=(x−y)・cosθ1 …(2)
ここでcosθ1は定数であることからK・cosθ1=αに置き換えると上式2は次式4のように変換可能である。
α=x−y …(3)
すなわちαを「相関係数」と称したとき、点Aに対応する相関係数αは点Aにおける正規化積から点Aにおける正規化クランク角度を差し引いた値となる。そしてこの相関係数αは仕事量Wに対して一次関数の関係にある係数であり、この相関係数αが仕事量パラメータに相当する。そして上式3は最大積(dP・dV)max、基準積(dP・dV)base、最大クランク角度θmax、および、基準クランク角度θbaseを使用して表すと次式4のように変換可能である。
α=(dP・dV)max/(dP・dV)base−θmax/θbase …(4)
したがって上述したようにして最大積と最大クランク角度とから相関係数αを算出するための相関関数(すなわち上式4)を内燃機関のECUに記憶しておけば内燃機関の運転中、各機関サイクルにおける最大積と最大クランク角度とを検出し、これら最大積および最大クランク角度に基づいて上記相関関数に従って相関係数αを算出することができる。そして相関係数αは仕事量パラメータである。したがって本実施形態によれば最大積と最大クランク角度とから仕事量パラメータαを算出するための相関関数(すなわち上式4)を内燃機関のECUに記憶させておき、内燃機関の運転中、各機関サイクルにおける最大積と最大クランク角度とを検出し、これら最大積および最大クランク角度に基づいて上記相関関数に従って仕事量パラメータαが算出される。
これによれば内燃機関のECUに対する計算負荷が小さい形で仕事量パラメータを算出することができる。そしてこの仕事量パラメータは仕事量に対して一次関数の関係にあることから仕事量パラメータを仕事量と同様なものとして扱って内燃機関の運転状態を所望の運転状態にするために利用することができる。
なおクランク角度を単に「タイミング」と表現した場合、上述した実施形態は正規化積から正規化タイミングを差し引くことによって仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出する相関関数を予め内燃機関のECUに記憶しておき、内燃機関の運転中、各機関サイクル中において上記相関関数に従って正規化積から正規化タイミングを差し引くことによって仕事量パラメータを算出するものとも言える。
もちろん上述した実施形態において正規化積から正規化タイミングを差し引くことによって仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出する相関関数に代えて正規化タイミングから正規化積を差し引くことによって仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出する相関関数を採用してもよい。このことを考慮すると上述した実施形態は広くは正規化積と正規化タイミングとの差に基づいて仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出する相関関数を予め内燃機関のECUに記憶しておき、内燃機関の運転中、各機関サイクル中において正規化積と正規化タイミングとの差に基づいて上記相関関数に従って仕事量パラメータを算出するものとも言える。
また上述した実施形態において正規化積と正規化タイミングとの差に基づいて仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出する相関関係に代えて単に最大積と最大タイミングとに基づいて仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを内燃機関のECUに対する計算負荷が小さい形で算出することができる限りにおいて別の相関関数を採用してもよい。このことを考慮すると上述した実施形態はさらに広くは最大積と最大タイミングとに基づいて仕事量に対して一次関数の関係にある仕事量パラメータを算出する相関関数を予め内燃機関のECUに記憶しておき、内燃機関の運転中、各機関サイクル中において最大積と最大タイミングとに基づいて上記相関関数に従って仕事量パラメータを算出するものとも言える。
また上述した実施形態は複数の燃焼室を備えた内燃機関において各燃焼室にて発生する仕事量を代表する仕事量パラメータを算出するものであるが1つの燃焼室のみを備えた内燃機関にも等しく適用可能である。
次に上述した実施形態(以下「第1実施形態」ともいう)に従った仕事量の算出を実行するフローチャートの一例を図8を参照して説明する。図8のルーチンが開始されると始めにステップ101において当該機関サイクルにおける最大積(dP・dV)maxが読み込まれる。次いでステップ102において当該機関サイクルにおける最大タイミングθmaxが読み込まれる。次いでステップ103において最大積と最大クランク角度とに基づいて上式4に従って仕事量パラメータαが算出される。
ところで第1実施形態では上述したようにして算出される仕事量パラメータに基づいて内燃機関のアイドリング運転状態が所望の状態に制御されるように各機関サイクルにて発生する仕事量が制御される。次に第1実施形態に従った仕事量の制御について説明する。
第1実施形態では特定の燃焼室にて行われる燃焼によって発生するトルクを考慮したとき、内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに当該特定の燃焼室にて発生するトルクが機関サイクル毎に大きく異なること、すなわち当該特定の燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいことは内燃機関のドライバビリティの観点から好ましくない。また各燃焼室にて発生するトルクを考慮したとき、内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに各燃焼室にて発生するトルクが燃焼室毎に大きく異なること、すなわち燃焼室毎に発生するトルクの変動が大きいことも内燃機関のドライバビリティの観点から好ましくない。
ここで各燃焼室にて発生するトルクは各燃焼室にて発生する仕事量に相関関係がある。したがって特定の燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいときには当該特定の燃焼室にて発生する仕事量の変動も大きく、さらに燃焼室毎に発生するトルクの変動が大きいときには燃焼室毎に発生する仕事量の変動も大きいと言える。
そこで内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるとき、すなわち機関負荷が一定の負荷よりも小さく且つ機関回転数が一定の回転数よりも小さい運転状態にあるときに上述したようにして各燃焼室に関して仕事量パラメータαを算出し、これら仕事量パラメータαの平均値を継続的に算出する。そしてこれと共に内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときには上記仕事量パラメータの平均値に対する燃焼室毎に算出される仕事量パラメータαの偏差を仕事量偏差として算出する。ここで或る燃焼室に関して仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが仕事量パラメータの平均値よりも小さい領域において減少する傾向にあるときには当該燃焼室にて発生するトルクが所望のトルク量よりも徐々に小さくなる傾向にあることから当該燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいと捉え、当該燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量が増加するように点火栓による燃焼室内の燃料への点火のタイミング(以下単に「点火タイミング」という)を早める(進角させる)。一方、或る燃焼室に関して仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが仕事量パラメータの平均値よりも大きい領域において大きくなる傾向にあるときには当該燃焼室にて発生するトルクが所望のトルク量よりも徐々に大きくなる傾向にあることから当該燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいと捉え、当該燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量が減少するように点火タイミングを遅くする(遅角させる)。これによれば内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに各燃焼室にて発生するトルク量が所望のトルク量近傍に維持されることになる。したがってこのことは内燃機関のドライバビリティの観点から好ましい。
なお上述した実施形態では点火タイミングを進角させたり遅角させたりすることによって各燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量を増加させたり減少させたりしているがこれ以外の方法によって各燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量を増加させたり減少させたりしてもよい。このことを考慮すると上述した実施形態は広くは内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが仕事量パラメータの平均値よりも小さい領域において小さくなる傾向にあるときには各機関サイクルにて発生する仕事量を仕事量を増加させ、内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが仕事量パラメータの平均値よりも大きい領域において大きくなる傾向にあるときには各機関サイクルにて発生する仕事量を減少させるものとも言える。
次に第1実施形態に従った仕事量の制御を実行するフローチャートの一例を図9を参照して説明する。図9のルーチンが開始されると始めにステップ201において図8のルーチンによって算出される仕事量パラメータαが読み込まれる。次いでステップ202において機関回転数NEが予め定められた回転数NEthよりも小さい(NE<NEth)か否かが判別される。ここでNE<NEthであると判別されたときにはルーチンはステップ203に進む。一方、NE≧NEthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ203では機関負荷Lが予め定められた負荷Lthよりも小さい(L<Lth)か否かが判別される。ここでL<Lthであると判別されたときにはルーチンはステップ204に進む。一方、L≧Lthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ204ではステップ201において読み込まれた仕事量パラメータαと前回のルーチンのステップ205において記憶された仕事量パラメータの平均値αaveとに基づいて今回のルーチンにおける仕事量パラメータの平均値αaveが算出される。次いでステップ205においてステップ204において新たに算出された仕事量パラメータの平均値αaveが最新の仕事量パラメータの平均値として記憶される。次いでステップ206においてステップ204において算出された仕事量パラメータの平均値αaveに対するステップ201において仕事量パラメータαの偏差Δαが算出される。
次いでステップ207においてステップ201において読み込まれた仕事量パラメータαがステップ204において算出された仕事量パラメータの平均値αaveよりも小さい(α<αave)か否かが判別される。ここでα<αaveであると判別されたときにはルーチンはステップ207に進む。一方、α≧αaveであると判別されたときにはルーチンはステップ210に進む。
ステップ208ではステップ206において算出された仕事量パラメータの偏差の絶対値|Δα|が零よりも大きい(|Δα|>0)か否かが判別される。ここで|Δα|>0であると判別されたときにはルーチンはステップ209に進んで点火タイミングが進角され、ルーチンが終了する。一方、|Δα|≦0であると判別されたときにはそのままルーチンは終了する。
一方、ステップ210ではステップ206において算出された仕事量パラメータの偏差|Δα|が零よりも大きい(|Δα|>0)か否かが判別される。ここで|Δα|>0であると判別されたときにはルーチンはステップ211に進んで点火タイミングが遅角され、ルーチンが終了する。一方、|Δα|≦であると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
なお第1実施形態に従った仕事量の制御に代えて以下の制御を採用してもよい。すなわち内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに上述したようにして各燃焼室に関して仕事量パラメータαを算出し、これら仕事量パラメータαの平均値を継続的に算出する。そしてこれと共に内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときには上記仕事量パラメータの平均値に対する燃焼室毎に算出される仕事量パラメータαの偏差を仕事量偏差として算出する。ここで或る燃焼室に関して仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きいときには当該燃焼室にて発生するトルクが所望のトルク量よりも小さいことから当該燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいと捉え、当該燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量が増加するように点火タイミングを早める(進角させる)。一方、或る燃焼室において仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも小さいときには当該燃焼室にて発生するトルクが所望のトルク量よりも大きいことから各燃焼室にて発生するトルクの変動が小さいと捉え、当該燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量が減少するように点火タイミングを遅くする(遅角させる)。これによれば内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに各燃焼室にて発生するトルクの変動幅、ひいては仕事量の変動幅が一定の幅に抑制される。したがってこのことは内燃機関のドライバビリティの観点から好ましい。
なおこの実施形態(以下「第2実施形態」ともいう)においても点火タイミングを進角させたり遅角させたりすることによって各燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量を増加させたり減少させたりしているがこれ以外の方法によって各燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量を増加させたり減少させたりしてもよい。このことを考慮すると上述した第2実施形態は広くは内燃機関の運転が予め定められた運転状態にあるときに仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きいときには各機関サイクルにて発生する仕事量を増加させ、内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも小さいときには各機関サイクルにて発生する仕事量を減少させるものとも言える。
次に第2実施形態に従った仕事量の制御を実行するフローチャートの一例を図10を参照して説明する。図10のルーチンが開始されると始めにステップ301において図8のルーチンによって算出される仕事量パラメータαが読み込まれる。次いでステップ302において機関回転数NEが予め定められた回転数NEthよりも小さい(NE<NEth)か否かが判別される。ここでNE<NEthであると判別されたときにはルーチンはステップ303に進む。一方、NE≧NEthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ303では機関負荷Lが予め定められた負荷Lthよりも小さい(L<Lth)か否かが判別される。ここでL<Lthであると判別されたときにはルーチンはステップ304に進む。一方、L≧Lthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ304ではステップ301において読み込まれた仕事量パラメータαと前回のルーチンのステップ305において記憶された仕事量パラメータの平均値αaveとに基づいて今回のルーチンにおける仕事量パラメータの平均値αaveが算出される。次いでステップ305においてステップ304において新たに算出された仕事量パラメータの平均値αaveが最新の仕事量パラメータの平均値として記憶される。次いでステップ306においてステップ304において算出された仕事量パラメータの平均値αaveに対するステップ301において読み込まれた仕事量パラメータαの偏差Δαが算出される。
次いでステップ307においてステップ306において算出された仕事量パラメータの偏差の絶対値|Δα|が予め定められた値Δαthよりも大きい(|Δα|>Δαth)か否かが判別される。ここで|Δα|>Δαthであると判別されたときにはルーチンはステップ308に進んで点火タイミングが進角され、ルーチンが終了する。一方、|Δα|≦Δαthであると判別されたときにはルーチンはステップ309に進んで点火タイミングが遅角され、ルーチンが終了する。
なお上述した実施形態に従った仕事量の制御に代えて以下の制御を採用してもよい。すなわち内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに上述したようにして各燃焼室に関して仕事量パラメータαを算出し、これら仕事量パラメータαの平均値を継続的に算出する。そしてこれと共に内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときには上記仕事量パラメータの平均値に対する燃焼室毎に算出される仕事量パラメータαの偏差を仕事量偏差として算出する。ここで或る燃焼室に関して仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータαが仕事量パラメータの平均値よりも小さいときには当該燃焼室にて発生するトルクが所望のトルク量よりも大幅に小さいことから当該燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいと捉え、当該燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量が増加するように点火タイミングを早める(進角させる)。一方、或る燃焼室に関して仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータαが仕事量パラメータの平均値よりも大きいときには当該燃焼室にて発生するトルクが所望のトルク量よりも大幅に大きいことから当該燃焼室にて発生するトルクの変動が大きいと捉え、当該燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量が減少するように点火タイミングを遅くする(遅角させる)。これによれば内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに各燃焼室にて発生するトルクの変動幅、ひいては仕事量の変動幅が或る一定の幅に抑制される。したがってこのことは内燃機関のドライバビリティの観点から好ましい。
なおこの実施形態(以下「第3実施形態」ともいう)においても点火タイミングを進角させたり遅角させたりすることによって各燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量を増加させたり減少させたりしているがこれ以外の方法によって各燃焼室にて発生するトルク、ひいては仕事量を増加させたり減少させたりしてもよい。このことを考慮すると上述した第3実施形態は広くは内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが仕事量パラメータの平均値よりも小さいときには各機関サイクルにて発生する仕事量を増加させ、内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが仕事量パラメータの平均値よりも大きいときには各機関サイクルにて発生する仕事量を減少させるものとも言える。
次に第3実施形態に従った仕事量の制御を実行するフローチャートの一例を図11を参照して説明する。図11のルーチンが開始されると始めにステップ401において図8のルーチンによって算出される仕事量パラメータαが読み込まれる。次いでステップ402において機関回転数NEが予め定められた回転数NEthよりも小さい(NE<NEth)か否かが判別される。ここでNE<NEthであると判別されたときにはルーチンはステップ403に進む。一方、NE≧NEthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ403では機関負荷Lが予め定められた負荷Lthよりも小さい(L<Lth)か否かが判別される。ここでL<Lthであると判別されたときにはルーチンはステップ404に進む。一方、L≧Lthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ404ではステップ401において読み込まれた仕事量パラメータαと前回のルーチンのステップ405において記憶された仕事量パラメータの平均値αaveとに基づいて今回のルーチンにおける仕事量パラメータの平均値αaveが算出される。次いでステップ405においてステップ404において算出された仕事量パラメータの平均値αaveが最新の仕事量パラメータの平均値として記憶される。次いでステップ406においてステップ404において算出された仕事量パラメータの平均値αaveに対するステップ401において読み込まれた仕事量パラメータの偏差Δαが算出される。
次いでステップ407においてステップ406において算出された仕事量パラメータの偏差の絶対値|Δα|が予め定められた値Δαthよりも大きい(|Δα|>Δαth)か否かが判別される。ここで|Δα|>Δαthであると判別されたときにはルーチンはステップ408に進む。一方、|Δα|≦Δαthであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ408ではステップ406において算出された仕事量パラメータαが零よりも小さい(α<0)か否かが判別される。ここでα<0であると判別されたときにはステップ409に進んで点火タイミングが進角され、ルーチンが終了する。一方、α>0であると判別されたときにはルーチンはステップ410に進んで点火タイミングが遅角され、ルーチンが終了する。
なお上述した実施形態に従って燃焼室にて発生する仕事量を増加させ或いは減少させる場合、燃焼室のいずれか1つに関して仕事量を増加させ或いは減少させるべきであると判断されたときに全ての燃焼室に関して同時に仕事量を増加させ或いは減少させてもよいし、仕事量を増加させ或いは減少させるべきであると判断された燃焼室に関してのみ仕事量を増加させ或いは減少させてもよい。
ここで燃焼室のいずれか1つに関して仕事量を増加させ或いは減少させるべきであると判断されたときに全ての燃焼室に関して同時に仕事量を増加させ或いは減少させる場合、全ての燃焼室に筒内圧センサを配置するのではなく特定の燃焼室にのみ筒内圧センサを配置するようにしてもよい。これによれば内燃機関に配置する筒内圧センサの数が少なくなるのでその分だけ内燃機関の製造コストが抑制される。
さらに燃焼室のいずれか1つに関して仕事量を増加させ或いは減少させるべきであると判断されたときに全ての燃焼室に関して同時に仕事量を増加させ或いは減少させる場合、燃焼室毎に発生する仕事量のバラツキが小さい限りにおいて各燃焼室にて発生する仕事量に関する制御速度が速くなる。
また仕事量を増加させ或いは減少させるべきであると判断された燃焼室に関してのみ仕事量を増加させ或いは減少させる場合、全ての燃焼室に対して共通のクランクシャフトの回転から算出される機関回転数の変動に基づいて推定された各燃焼室にて発生する仕事量に基づいて各燃焼室にて発生する仕事量を所望の仕事量に制御する場合に比べて各燃焼室にて発生する仕事量がさらに正確に所望の仕事量に制御される。すなわち内燃機関が複数の燃焼室を備えている場合、クランクシャフトには各燃焼室から連続的に且つ重畳的にトルクが伝達される。したがって例えば1つの燃焼室に関して仕事量が所望の仕事量になっていないとしてもクランクシャフトの回転は略一定に維持されることになるのでクランクシャフトの回転から算出される機関回転数の変動が小さい。したがって1つの燃焼室に関して仕事量が所望の仕事量になっていないとしても当該燃焼室に関して仕事量が増加され或いは減少されることがない。一方、上述した実施形態によれば各燃焼室にて発生する仕事量自体を代表する仕事量パラメータに基づいて各燃焼室にて発生する仕事量が制御されるので各燃焼室にて発生する仕事量が正確に所望の仕事量に制御されるのである。
また上述した実施形態は複数の燃焼室を備えた内燃機関において各燃焼室にて発生する仕事量を制御するものであるが1つの燃焼室のみを備えた内燃機関にも等しく適用可能である。
また上述した実施形態は内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに各燃焼室にて発生する仕事量を制御するものであるが内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にないときの各燃焼室にて発生する仕事量の制御にも等しく適用可能である。このことを考慮すると上述した実施形態は広くは燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量に対して一次関数または略一次関数の関係にある仕事量パラメータを最大積と最大タイミングとに基づいて算出するための相関関数を予め記憶させておき、内燃機関の運転中、仕事量偏差に基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量を制御するものとも言える。
さらに上述した実施形態では仕事量偏差に基づいて各燃焼室にて発生する仕事量がされるが各燃焼室にて発生する仕事量と所望の仕事量との間のズレを代表する仕事量偏差とは別のパラメータを仕事量パラメータに基づいて算出し、この算出されたパラメータに基づいて各燃焼室にて発生する仕事量を制御するようにしてもよい。このことを考慮すると上述した実施形態はさらに広くは燃焼室にて行われる燃焼室によって発生する仕事量に対して一次関数または略一次関数の関係にある仕事量パラメータを最大積と最大タイミングとに基づいて算出するための相関関数を予め記憶させておき、内燃機関の運転中、仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量を制御するものとも言える。
10…内燃機関、25…燃焼室、35…点火栓、62…クランクポジションセンサ、63…筒内圧センサ、70…ECU

Claims (10)

  1. 燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量を算出する内燃機関の制御装置において、燃焼室にて行われる燃焼によって発生する仕事量に対して一次関数または略一次関数の関係にあるパラメータを各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングと該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積とに基づいて仕事量パラメータとして算出するための相関関数が予め記憶されており、内燃機関の運転中、各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングと該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積とに基づいて前記相関関数に従って仕事量パラメータが算出されることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 各機関サイクルにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積の最大値のうち最も大きい値を基準最大値とし、各機関サイクルにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングのうち最も遅いタイミングを基準タイミングとし、各機関サイクル中に燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積が最大となるタイミングを前記基準タイミングによって除算して正規化した値を正規化タイミングとし、該タイミングにおける燃焼室内の圧力変化率と燃焼室の容積変化率との積の最大値を前記基準最大値によって除算して正規化した値を正規化最大値としたとき、前記相関関数が正規化タイミングと正規化最大値との差から仕事量パラメータを算出する関数であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関の運転中、前記仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記仕事量パラメータの平均値が算出され、該仕事量パラメータの平均値と各機関サイクルにおいて前記相関関数に従って算出される仕事量パラメータとの差が仕事量偏差として算出され、該仕事量偏差に基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量を制御することによって前記仕事量パラメータに基づいた各機関サイクルにて発生する仕事量が制御されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも小さい領域において小さくなる傾向にあるときには各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、前記仕事量偏差の絶対値が前記予め定められた値よりも大きく且つ仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも大きい領域において大きくなる傾向にあるときには各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、前記仕事量偏差の絶対値が前記予め定められた値よりも小さいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記仕事量偏差の絶対値が予め定められた値よりも大きく且つ前記仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも小さいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、前記仕事量偏差の絶対値が前記予め定められた値よりも大きく且つ前記仕事量パラメータが前記仕事量パラメータの平均値よりも大きいときには各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられるべきときには燃焼室内の燃料への点火タイミングを進角させることによって各機関サイクルにて発生する仕事量が増加せしめられ、各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられるべきときには燃焼室内の燃料への点火タイミングを遅角させることによって各機関サイクルにて発生する仕事量が減少せしめられることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 内燃機関の運転状態がアイドリング運転状態にあるときに前記仕事量パラメータに基づいて各機関サイクルにて発生する仕事量が制御されることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記仕事量パラメータに基づいて仕事量を算出する一次関数または略一次関数が予め記憶されており、該一次関数または略一次関数に従って前記仕事量パラメータから仕事量が算出されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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KR20150070157A (ko) * 2012-10-17 2015-06-24 드라발 홀딩 에이비 축산용 급수 장치

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