JP2010285773A - 面状発熱体を使用した暖房床の構造 - Google Patents

面状発熱体を使用した暖房床の構造 Download PDF

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Abstract

【課題】床の全面的暖房ではなく、床をスポット的に暖房するための面状発熱体を使用した暖房床の構造の提供
【解決手段】床下地上に敷設された二重床パネルの層およびその上の全面に敷設された床タイルの層よりなる二重床であって、前記床タイルが、少なくとも表面層とバッキング層とからなり、(イ)表面層がゴムまたは合成樹脂よりなり、バッキング層もゴムまたは合成樹脂よりなる床タイル、または(ロ)表面層がカーペットよりなり、バッキング層が合成樹脂よりなる床タイルのいずれかからなるものである二重床において、暖房を必要とする二重床パネルの層上の部分にのみ、面状発熱体を敷設した暖房床の構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、面状発熱体を使用した暖房床の構造に関する。
面状発熱体を使用した床暖房は公知である。例えば特許文献1には、家屋施工ベース面(地面等)上に土台が形成され、土台上に大引きが形成されその上に根太が大引きと直行するように架け渡され、根太と根太との間に断熱材が敷き詰められ、それらの根太と断熱材上に捨て貼り(床下地)が敷設される。そしてフロア材を敷く前に、この捨て貼り上に発熱シート(面状発熱体)が敷設される。
このような床暖房は主に住宅の床暖房として用いられるものである。したがって使用されるフロア材、捨て貼り材等は合板が主に用いられる。厚みはフロア材で12mm、寸法は1800×900mm前後のものが使用されるのが一般的である。当然面状発熱体の寸法も同様のものが使用される。かなり厚手の床仕上げ材が使用されるので暖房効率が悪い。この種の床暖房は室内のフロアほぼ全面に対して敷設されるもので、例えば机の周りだけにスポット的に使用するという発想はない。
一方、オフィス等の室内では空調設備により暖房をしているのがほとんどである。この様な暖房方法では床面に近くなるほど温まりにくく、足もとが冷えるという問題がある。室内の空調空気の流れいかんによっては局所的に温まらない場所さえ生じる。現在ではオフィスの床はコンピュータや通信機器の普及に伴い二重床(OAフロア)が主流になっている。この二重床に使用されるパネルは配線のレイアウト変更を容易にするために、50cm角モジュールのパネルが一般的に使用される。この様な床面上に上記のような仕様の床暖房を採用しようとしても床高が高くなることや、木質の仕上げ材や下張りのコンクリートパネルはサイズが大きいためメインテナンスやレイアウトの変更に支障となること、などの問題が多く、実現していない。ましてやスポット的に面状発熱体を使用した床暖を実現させようとする発想もなかった。
もっとも、二重床を形成するパネル(すなわち二重床パネル)が床暖仕様のものはある〔例えば古河電工(株)製、OAフロアヒータ〕。これは、ヒータを内蔵したヒータカバーを専用の二重床パネルに組み込みその上を金属のカバーで覆った二重床パネルである。この上には通常の合成樹脂製の床仕上げ材、カーペットタイルなどが使用される。このものもパネル自体が暖房をする構造であるので、装置が複雑で高価であること、床仕上げ材を除去しただけでは暖房場所を変更できず、二重床パネル自体を移動する必要があるのでレイアウトの変更に不利である。また、金属製のパネルにしか適用できないなどの問題もある。
特開2004−95393号公報
本発明は、床の全面的暖房ではなく、床をスポット的に暖房するための面状発熱体を使用した暖房床に関する。
本発明の第1は、床下地上に敷設された二重床パネルの層およびその上に敷設された床タイルの層よりなる二重床において、二重床パネルの層上に暖房を必要とする部分にのみ面状発熱体を敷設したことを特徴とする暖房床の構造に関する。
本発明の第2は、二重床パネルの層と面状発熱体の間に断熱シートの層を配してなる請求項1記載の暖房床の構造に関する。
本発明の第3は、前記床タイルが少なくとも表面層とバッキング層とからなり、かつ
(イ)表面層がゴムまたは合成樹脂よりなり、バッキング層もゴムまたは合成樹脂よりな
る床タイル、または
(ロ)表面層がカーペットよりなり、バッキング層が合成樹脂よりなる床タイル
である請求項1または2記載の暖房床の構造に関する。
本発明の第4は、床タイルのバッキング層を、面状発熱体の厚みに相当する部分だけ除去し、当該除去部分に面状発熱体を埋設させてなる請求項3記載の暖房床の構造に関する。
本発明の第5は、床タイルにおけるバッキング層の下層を、下面から0.5〜2.0mmの厚みの範囲でバッキング層本体から容易に剥離できる易剥離層とした請求項2〜4のいずれか記載の暖房床の構造に関する。
本発明の第6は、バッキング層と易剥離層との界面の剥離強度が4〜15N/15mm(JIS A1454の方法により測定)とした請求項5記載の暖房床の構造に関する。
(1)任意の狭い範囲をスポット的に暖房できるので、暖房効率が良く補助暖房として最適である。施工も容易でありコストも低減できる。
(2)床暖房パネルの施工部分がほかの部分と同一面の仕上がりとすることができ、つまずくなどのおそれがなく仕上がり外観も良好となる。室内のデザイン性を損なわないことから、ショールーム等の来客からの見栄えを気にするスペースへの展開が計れる。
(3)二重床の機能、利便性を損なうことなく、レイアウトの変更が容易である。
(4)基本的に接着剤を使用しないで施工するので、パネルの再利用が可能である。
本発明の床暖房構造を示す側面図である。 本発明で使用する床タイルの構成の一例を示す側面図である。 (A)は、本発明の床暖房構造の他の例を示す側面図である。(B)は、(A)における床タイルのみの側面図である。 本発明で使用する面状発熱体の構造例を示す平面図である。 本発明の床暖房の施工例を示す平面図である。
図1は本発明の暖房床の一例を示す側面図である。床下地1上に合成樹脂製の二重床パネル2が敷設されており、その上に必要に応じて断熱シート3を介して面状発熱体4が敷かれ、面状発熱体4の上にゴム製または合成樹脂製の床タイル5が敷設された構造となっている。面状発熱体の上に敷設される床タイルは、通常のバッキング層の下面部分を特に取り除くことなくそのまま面状発熱体の上に敷設しても使用上は特に支障がないが、面状発熱体は厚さが薄いものでも0.5ミリぐらいはあるので、使用によって床材表面にそのあとが顕在化し、外観上好ましくないので、図3の(A)に示すような埋め込み方式が好ましい。
そこで、本発明においては、床タイルのバッキング層の一部を面状発熱体の大きさ、厚みに合わせて除去し、その部分に面状発熱体を埋設させた構造とする(例えば図3)。こうすることにより面状発熱体の厚みを吸収でき、使用によって面状発熱体の跡が床タイルの表面に顕在化する恐れがなくなり、外観を綺麗に維持できる。
バッキング層を除去する方法としては、例えばサンダーなどで切削除去してもよいが、この方法だと施工現場で行う必要があり、作業が煩雑であり手間もかかる。そこで本発明においては図2に示すような構造とすることが好ましい。図2において6は表面層、7はバッキング層、8はバッキング層本体、9は易剥離層である。バッキング層の下層部分である易剥離層は、面状発熱体の厚さに相当する厚さで形成されていればよいが、例えば0.5mmぐらいの厚さの層を複数層形成させておいてもよい。この場合には異なる厚さの面状発熱体に対応できるものとなる。
尚、易剥離層は、通常0.5〜2.0mmの範囲の厚みで容易に剥離できるような層とすることが好ましい。
この易剥離層の所望位置部分に例えばカッターなどで切り目を入れ、ほかの易剥離層部分は残して所望位置部分のみをバッキング本体から剥離させる。このようにして面状発熱体の収納部10を形成した床タイルを用いた本発明の暖房床構造を示したのが図3である。
バッキング層と易剥離層の界面の剥離強度は4〜15N/15mm(JIS A1454の方法による)とするのが適切である。4N/15mm未満では使用時に易剥離層とバッキング層本体との界面で剥離してしまうおそれがある。15N/15mmを超えると剥がしにくくなり作業に支障が生じる。JIS A1454はもともと積層タイプの床材の表面層とその下の層との界面の接着強度(層間剥離強度)の測定方法について規定したものである。本発明においてはこの方法に準じて測定した。ただし剥離幅は15mmで測定した。
次にバッキング層下部に易剥離層を形成する方法について説明する。通常、ゴムまたは合成樹脂製の床タイルはカレンダーや押出機で0.5〜1.0mm前後の厚さのシートを作り、このようなシートを複数層重ねて熱圧にて積層一体化させたのち、所望のサイズに打ち抜くことにより製造されている。そしてこのようにして製造された積層タイプの床タイルは、樹脂分の含有量が多くて強度や耐汚れ性、耐摩耗性などに優れた表面層と、充填剤量が多く安価なバッキング層とにより構成されている。この様な床材は、使用時にそれぞれの層間、特に表面層とその下の層の間の剥離を防止する必要がある。そのためには熱圧時にシートを十分に加熱して溶融状態として、かつ十分に加圧して積層されている。通常の床材の表面層とバッキング層との層間の剥離強度は20.58N/15mm以上が必要とされている。
熱圧時に、ゴムや合成樹脂シートの加熱条件を適宜選択してシートの溶融状態をコントロールしてラミネートすることにより、シート間の剥離強度を調節できる。あるいは積層時の圧力をコントロールする方法によってもよいし、この両者を同時に採用してもよい。
本発明においては、バッキング層本体と易剥離層との間の剥離強度は、4〜15N/15mm(好ましくは6〜13N/15mm)の範囲に設定される。この数値は表面層とバッキング層に層間の剥離強度を参考に設定されたものである。すなわち表面層は歩行やキャスターの移動などにより圧力やずれ応力がかかり、これらに耐えるためには20.58N/15mm以上が必要とされているが、本発明における易剥離層は、これらの影響を受けにくいバッキング層の部分であるので、前記のような剥離強度でも使用時に剥離する恐れはなくかつ手などで容易に剥離できる。
実際の条件等はシートの配合、組成、シート厚、工程条件等によって異なるので前記数値範囲内で実験的に確認して設定することが好ましい。
通常は、バッキング層本体と易剥離層は同一の樹脂からなる組成のものを使用するが、別の方法としては、バッキング層とは組成の異なる層を易剥離層とすることもできる。床材に使用されている合成樹脂としては塩化ビニル系樹脂組成物、オレフィン系樹脂組成物がよく知られている。塩化ビニル系樹脂組成物とオレフィン系樹脂組成物は接着性があまり良くない。そこで逆にこれらの層を組み合わせて使用することにより本発明に必要な剥離強度とすることができる。バッキング層本体が塩化ビニル系樹脂組成物の場合は、易剥離層はオレフィン系樹脂組成物を使用する。もちろんこの逆の場合もありうるしさらにはこれらのシートと合成ゴムシートとの組み合わせも選択できる。
さらに別の方法として、易剥離層として、バッキング層の下方部分に織布ないしは不織布を介在させる方法も有力である。これらのものは繊維によって毛羽立っているためバッキング層との密着性が悪くなり剥離強度が低下すること、さらには繊維自体の材質による接着性の低下などを利用するものである。
さらに別の方法として、易剥離層とバッキング層本体とを剥離強度が4〜15N/15mmの粘着剤を使用して積層する方法も採用できる。床タイルを床下地に施工する際に、特に二重床パネルに施工する場合に配線等のレイアウトを変更する必要が生じる。そのような場合に備えて床タイルを容易にはがせるよう前記粘着剤で施工する方法が採用されている。
このような粘着剤を用いて易剥離層とバッキング層本体を粘着させることによって、易剥離層を容易に剥離させることができる。本発明の剥離強度とするには粘着剤の種類、塗布量等を実験によって設定すればよい。
以上は、ゴムまたは合成樹脂製の床タイルの場合について述べたが、カーペットタイルのバッキング層の場合も前述のような方法を採用することにより、易剥離層とバッキング層を所望の剥離強度とすることができる。また前述の方法はそれぞれ単独でもよいが併用してもよいし、0.5〜1.0mm程度の厚みの易剥離層を複数層(たとえば2〜4層)設けてもよい。
このようにすることにより、例えば面状発熱体の厚みが1.0mmの場合、0.5mm厚の易剥離層を下から2層剥離すれば面状発熱体をうまく収納できる。
本発明において使用する面状発熱体としては、たとえば合成樹脂シートに発熱性インキの塗膜を形成し、この塗膜上に導電性のインキで回路を形成し(プリント配線)、その上に保護被覆を形成した発熱シートに電源コードを具備したターミナルを電気的に結線してなる面状発熱体を使用すればよい。この様な発熱シートは一般家庭の木質系床の暖房用として多くのメーカーから提供されている。
図4は、本発明において使用する面状発熱体の一例を示す平面概略図である。本発明における面状発熱体の1例としては、ポリエステル樹脂製のシート11の面上に発熱性インキの塗膜12を形成し、この塗膜上に導電性のインキでプリント配線回路13、13′を形成し(プリント配線)、その上に保護被覆を形成した発熱シートに電源コード14を具備したターミナル15(詳細は省略)を電気的に結線してなる面状発熱体を挙げることができる。電流はプリント配線回路13、発熱性インキ塗膜12、プリント配線回路13′の経路(またはこの逆の経路)で流れ、その際発熱性インキ塗膜が発熱する。
このような構成の面状発熱体の発熱部分の厚さは0.5〜1.0mmであることが好ましい。面状発熱体の寸法は任意に設定できるが、オフィスなどの二重床の上に、補助暖房としてスポット的に使用することが目的であるので、使用されている床タイルの寸法と同じかその倍ぐらいの寸法が適している。
床タイルは50cm角が中心であるので、発熱体も30〜100cm角が適している。
図5は、本発明の面状発熱体を部分的に使用した床暖房の一例を示す平面略図である。図において破線で示した正方形はOAパネル2(一辺が25cm)であり、実線で示した正方形は床タイル5(一辺が50cm)である。OAパネルの上に面状発熱体4(図5では省略)が敷設されている。この面状発熱体が敷設されている部分の床タイルを斜線で示している(50cm角の床タイル2枚)。この位置に敷設されている面状発熱体の寸法はおよそ45×90cmの長方形である。そしてこれらの合成樹脂製の床タイルは置き敷きで敷設されている。この例によれば暖房する位置は人間の居住位置に合わせた任意の狭い範囲をスポット的に暖房できるので、暖房効率が良く補助暖房として最適である。
使用する二重床パネルは、市販の金属製、合成樹脂製のOAパネルが適している。このものの寸法も床タイルと同様のものが使用される。OAパネル上に敷設される面状発熱体は、置き敷き、あるいは粘着剤や両面テープを使用した敷設方法などが採用できる。OAパネルと面状発熱体との間には所望により断熱シートを介在させると効率が良くなる。特にパネルが金属製の場合は使用したほうがよい。断熱シートとしては、合成樹脂製の発泡シート、合成樹脂に中空充填剤を配合してなるシートなどが使用される。
面状発熱体の上にはゴム製や合成樹脂製の床タイル、カーペットタイルなどの床タイルが敷設される。これらの床タイルも、レイアウトの変更等を考慮すると、置き敷き、粘着剤や両面テープを使用しての敷設方法などが望ましい。
床タイルの敷設にあたって、面状発熱体に形成されたターミナル部分、および電源コードは面状発熱体の厚みに比べてかなりの厚みがあるので、床タイルでは吸収できない。したがってターミナル部分の床タイルは切除するのがよい。また電源コードもコンセントまで床面上を這わせるか、場合によってはバッキング部分をルータなどで切除しその部分に埋め込む。そのためには電源コードとしていわゆるフラットケーブルを使用すると好都合である。フラットケーブルの厚さは1mm前後であるので、易剥離層を除去することでその部分に埋設することも可能である。
本発明において使用されるゴムタイル用のゴムとしては、SBR、NBR、クロロプレンなどの合成ゴム、イソプレンなどの天然ゴムに必要に応じて炭酸カルシウムなどの充填剤やプロセスオイル、架橋剤などを配合してなる組成物が使用される。
合成樹脂製の床タイルとしては、ポリ塩化ビニルやその共重合体、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系やポリエステル系樹脂に炭酸カルシウム、タルクなどの充填材や、DОP、DINPなどのフタル酸系可塑剤やポリエステル系可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤などを配合してなる組成物が使用できる。
ゴムまたは合成樹脂製の床タイルは、表面層としてゴムまたは合成樹脂の配合量の多い層を用い、下層に充填剤量の多い層を用いた積層タイプの床タイルを使用すれば、表面層が耐摩耗性や機械的強度を有し、下層によってコストダウンが図れるので好ましい。また表面層としてチップを練り込んだシートや印刷シートなどのいわゆる模様シートを用いることもできるし、これらのシートの上に透明保護層を設けることもできる。
カーペットタイルとしては、基布に合成樹脂製の繊維からなるパイルをタフトし、裏面に合成樹脂組成物からなる裏打ち材をバッキングしてなるタフテッドカーペットタイルが最適に用いられる。基布としてはポリエステル繊維やアクリル繊維からなる不織布、織布が使用できる。基布の目付量は10〜100g/m(好ましくは20〜50g/m)のものが使用できる。パイル用の合成樹脂としてはポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィンなどの樹脂からなる繊維が使用できる。
カーペットタイルのパイル長(基布面からの高さ)は2〜10mm(好ましくは4〜8mm)である。短いと歩行感が悪くなる。また長すぎると暖房効率が低下するし、汚れやすくメンテしにくいなど通常のカーペットとしての使用上の問題が多くなる。また、パイルはループパイル、カットパイル、カットアンドループパイルのいずれでもよい。
バッキング層用の合成樹脂としては、ポリ塩化ビニルやその共重合体、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系やポリエステル系樹脂に炭酸カルシウム、タルクなどの充填材や、DОP、DINPなどのフタル酸系可塑剤やポリエステル系可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤などを配合してなる組成物が使用できる。この裏打ち材層の厚さは2〜10mm(好ましくは3〜8mm)である。またこのバッキング層の中にガラス繊維製の織布や不織布を使用すれば強度や寸法安定性が向上するので好ましい。易剥離層とバッキング層本体は、発泡層でもよい。その場合の発泡倍率は1.1〜3.0倍が適している。
易剥離層とバッキング層の間に介在させる織布ないしは不織布としては、ポリエステル繊維やアクリル繊維からなる不織布、織布が使用できる。目付量は10〜100g/m(好ましくは15〜50g/m)のものが使用できる。これらのものには必要に応じて合成樹脂を含浸させておくことができる。含浸させる樹脂組成物の種類や含浸量によって界面の剥離強度を調節できる。
易剥離層とバッキング層本体とを粘着剤を使用して積層する方法には、アクリル樹脂系の粘着剤、SBR系粘着剤などのエマルジョンないしはラテックスタイプの水性粘着剤を使用することが好ましい。溶剤型の粘着剤は、隣接する合成樹脂層の膨れを生じさせたり、溶剤が合成樹脂を溶解させその結果溶剤が揮発したあと、易剥離層とバッキング層本体とが強固に接着してしまい、剥離しにくくなるおそれもあるので注意が必要である。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
実施例1
図5に示すように、室内の床下地面に合成樹脂製のOAパネル2〔(株)タジマ製、商品名:フロアベースG〕を並べて敷設した。このフロアベースGの寸法は250mm(縦)×250mm(横)×45mm(高さ)である。このOAパネルの上に図3の(A)に示すように面状発熱体4を置き敷きにて敷設した。使用した面状発熱体4は富士ネームプレート株式会社製、商品名富士ホット、シートタイプである。この面状発熱体の寸法は、909mm(長さ)×455mm(幅)×0.5mm(厚さ)である。この富士ホットは面状発熱体と電源コードがターミナルユニット部分で電気的に接続されており、さらに電源コードはコントローラを介して電源コンセントに接続される。
次にこの富士ホットの上にポリ塩化ビニル樹脂製の床タイルを置き敷きにて敷設した。使用した床タイルは、全厚が5.0mm、寸法が500mm角のタイル〔(株)タジマ製、商品名レイフラットタイルLF−3000〕をベースとし、このタイルの裏面に、バッキング材と同じ組成からなるポリ塩化ビニル樹脂シート(易剥離シート、厚さ0.5mm)をアクリルエマルジョン系の粘着剤で積層した床タイルを用いた。バッキング層本体と易剥離層との界面の剥離強度は10N/15mm(JIS A1454の方法により測定)であった。
このタイルを敷設するに当たっては、図3の(B)に示すように面状発熱体の部分の易剥離シートを切除し、収納部10を形成し、その部分に面状発熱体4を埋設させる形〔図3の(A)参照〕で行った。なお、面状発熱体に付属しているターミナル部分の床タイルは切除した。
実施例の構成からなる暖房床に通電して床タイルの表面温度を測定した。その結果室温が20℃とき、床タイルの表面温度は34℃であり、補助的な暖房装置として使用できることが確認できた。
1 床下地
2 二重床パネル(OAパネル)
3 断熱シート
4 面状発熱体
5 床タイル
6 表面層
7 バッキング層
8 バッキング層本体
9 易剥離層
10 収納部
11 樹脂シート
12 発熱性インキの塗膜
13 プリント配線回路
13′ プリント配線回路
14 電源コード
15 ターミナル

Claims (6)

  1. 床下地上に敷設された二重床パネルの層およびその上に敷設された床タイルの層よりなる二重床において、二重床パネルの層上に暖房を必要とする部分にのみ面状発熱体を敷設したことを特徴とする暖房床の構造。
  2. 二重床パネルの層と面状発熱体の間に断熱シートの層を配してなる請求項1記載の暖房床の構造。
  3. 前記床タイルが少なくとも表面層とバッキング層とからなり、かつ
    (イ)表面層がゴムまたは合成樹脂よりなり、バッキング層もゴムまたは合成樹脂よりな
    る床タイル、または
    (ロ)表面層がカーペットよりなり、バッキング層が合成樹脂よりなる床タイル
    である請求項1または2記載の暖房床の構造。
  4. 床タイルのバッキング層を、面状発熱体の厚みに相当する部分だけ除去し、当該除去部分に面状発熱体を埋設させてなる請求項3記載の暖房床の構造。
  5. 床タイルにおけるバッキング層の下層を、下面から0.5〜2.0mmの厚みの範囲でバッキング層本体から容易に剥離できる易剥離層とした請求項2〜4のいずれか記載の暖房床の構造。
  6. バッキング層と易剥離層との界面の剥離強度が4〜15N/15mm(JIS A1454の方法により測定)とした請求項5記載の暖房床の構造。
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